説明

撮像装置

【課題】装置構成が簡単で、ノイズの少ない画像が得られる撮像装置を提供すること。
【解決手段】変倍光学系と撮像素子を有し、前記変倍光学系は、複数のレンズ群と反射素子を備え、前記反射素子は、複数のレンズ群よりも像側に配置され、前記撮像素子は記録画素数よりも多い有効画素数を有し、前記撮像素子を固定した状態で、前記複数のレンズ群のうちの少なくとも1つのレンズ群と前記反射素子が移動して変倍が行われることを特徴とする撮像装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルスチルカメラや携帯電話に搭載される光学系には、光学系の高機能化、例えば変倍光学系にすることが求められている。変倍光学系としては、光学系の一部と撮像素子を移動させる技術がある(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平7−181381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1における光学系では、変倍時に撮像素子が移動する。そのため、装置構成が複雑になる。また、撮像素子からの出力信号にノイズが加わるという問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、装置構成が簡単で、ノイズの少ない画像が得られる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の撮像装置は、変倍光学系と撮像素子を有し、前記変倍光学系は、複数のレンズ群と反射素子を備え、前記反射素子は、複数のレンズ群よりも像側に配置され、前記撮像素子は記録画素数よりも多い有効画素数を有し、前記撮像素子を固定した状態で、前記複数のレンズ群のうちの少なくとも1つのレンズ群と前記反射素子が移動して変倍が行われることを特徴とする。
【0007】
また、前記反射素子は、プリズムであることを特徴とする。
【0008】
また、前記撮像素子を前記変倍光学系の光軸に沿う方向に移動させてフォーカスを行うことを特徴とする。
【0009】
また、前記撮像素子を前記変倍光学系の光軸と垂直な方向に移動させて手振れ補正を行うことを特徴とする。
【0010】
また、前記変倍光学系の第1レンズ群が変倍時に固定であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、小装置構成が簡単で、ノイズの少ない画像が得られる撮像装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本実施形態の撮像装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。図1は、本実施形態の撮像装置に用いられる変倍光学系である。図1(a)は広角端、図1(b)は中間位置、図1(c)は望遠端におけるレンズの様子を示している。
【0013】
変倍光学系は、物体側から順に、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、絞りS、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4、プリズム、ローパスフィルタ、カバーガラスを備えている。なお、図中、LPFはローパスフィルタ、CGはカバーガラス、Iは像面、ISは撮像素子を示す。
【0014】
第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1、プリズムL2、両凸レンズL3で構成されている。
【0015】
第2レンズ群G2は、両凹レンズL4、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL5で構成されている。
【0016】
第3レンズ群G3は、両凸レンズL6、両凸レンズL7と両凹レンズL8の接合レンズで構成されている。
【0017】
第4レンズ群G4は、両凸レンズL9で構成されている。
【0018】
また、第4レンズ群G4よりも像側に、反射素子としてプリズムL10が配置されている。このように、プリズムL10はいずれのレンズ群(第1レンズ群G1〜第4レンズ群G4)よりも像側に配置されている。
【0019】
ここで、変倍光学系の光軸をAX1、撮像素子ISにおける受光面の法線をAX2とする。そうすると、プリズムL10は、その反射面L10が光軸AX1と法線AX2との交差位置と一致するように配置されている。なお、反射面L10で曲げられた光軸AX1は法線をAX2と一致する。よって、法線をAX2は光軸AX1の一部と見なすことができる。
【0020】
そして、像面Iの位置には、撮像素子ISが配置されている。この撮像素子ISでは、有効画素数が記録画素数よりも多くなっている。すなわち、有効画素数をNEF、記録画素数NRECとするとNEF>NRECとなっている。
【0021】
広角端から望遠端への変倍時、第1レンズ群G1は固定、第2レンズ群G2は単調に像側に移動し、第3レンズ群G3は単調に物体側に移動し、第4レンズ群G4は単調に像側に移動する。さらに、プリズムL10は、光軸AX1に沿う方向に移動する。具体的には、矢印(実線)で示すように、プリズムL10は第4レンズ群G4から離れる方向に移動する。
【0022】
本実施形態の撮像装置では、広角端から望遠端への変倍時、レンズ群G2〜G4とプリズムL10が移動する。ここで、プリズムL10は、変倍に伴って光軸AX1方向に沿って移動する。そのため、プリズムL10(及びその反射面10)は、撮像素子ISの受光面に対して相対的に移動する。その結果、撮像素子ISの受光面上に形成される像の位置が、変倍時に伴って変化する。また、同時に、撮像素子ISの受光面上に形成される像の大きさも、変倍時に伴って変化する。
【0023】
図2は、撮像素子ISの受光面上に形成される像の様子を示している。ここで、図2(a)は広角端における像の様子、図2(b)は中間位置における像の様子、図2(c)は望遠端における像の様子を示している。図2に示すように、広角端から望遠端への変倍に伴って、像の大きさが順に大きくなっている。そして、それと共に、受光面における像の位置が、受光面の一端から他端(図では上から下)へ変化している。
【0024】
このように、本実施形態では、広角から望遠までの撮影において、撮像素子ISの位置は固定することができる。よって、装置構成を簡単にすることができる。また、撮像素子ISの移動がないので、ノイズの少ない画像が得られる。
【0025】
なお、撮像素子ISを法線AX2に沿う方向に、僅かに移動させるようにしても良い。このようにすると、レンズ群を移動させること無くフォーカスすることが可能になる。
【0026】
また、撮像素子ISを光軸AX1と垂直な方向(法線AX2に沿う方向)に、僅かに移動させるようにしても良い。このようにすると、手振れ補正を行うことが可能になる。
【0027】
また、変倍光学系の第1レンズ群G1は変倍時に固定であることが好ましい。
【0028】
なお、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変形例をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の撮像装置に用いられる変倍光学系のレンズ断面図であって、(a)広角端、(b)中間位置、(c)望遠端での様子を示す。
【図2】本発明の撮像装置における撮像素子上の像を示す様子であって、(a)広角端、(b)中間位置、(c)望遠端での様子を示す。
【符号の説明】
【0030】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
L10 プリズム
LPF ローパスフィルタ
CG カバーガラス
I 像面
IS 撮像素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変倍光学系と撮像素子を有し、
前記変倍光学系は、複数のレンズ群と反射素子を備え、
前記反射素子は、複数のレンズ群よりも像側に配置され、
前記撮像素子は記録画素数よりも多い有効画素数を有し、
前記撮像素子を固定した状態で、前記複数のレンズ群のうちの少なくとも1つのレンズ群と前記反射素子が移動して変倍が行われることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記反射素子は、プリズムであることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像素子を前記変倍光学系の光軸に沿う方向に移動させてフォーカスを行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像素子を前記変倍光学系の光軸と垂直な方向に移動させて手振れ補正を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記変倍光学系の第1レンズ群が変倍時に固定であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−251203(P2009−251203A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−97869(P2008−97869)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】