説明

撮像装置

【課題】 合焦ロック後に構図変更された場合に、撮影時点において被写体のどの部分に合焦したのか直感的に確認できなかった。
【解決手段】 ファインダには、接眼窓を通して同時に観察可能である、被写体像が光学像として観察される第1表示領域と、表示手段により表示される電子画像が観察される第2表示領域とを設ける。レリーズボタンのSW1ONと同時に簡易的に合焦画像と合焦位置情報を取得し、第2表示領域に合焦画像とこれに重畳させて合焦位置を視認可能に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子画像を撮影する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子画像を撮影する撮像装置として、光学ファインダと電子ファインダとを切り替え可能とし、撮影姿勢を崩さずに再生画像の確認動作を容易にしたカメラが知られている(特許文献1参照)。このカメラは、撮影レンズを通った被写体像を光学的にファインダに導く第1のファインダ系と、撮像素子を介して電子的に表示装置としてのファインダに導く第2のファインダ系とを有する。また、このカメラは、これら両ファインダ系の有効状態を切り替えるファインダ切替部を有する。また、このカメラは、蓄積部に記録する記録モードとこの蓄積部から読み出して表示装置に表示する再生モードとを切り替えるモード切替部と、これら両モードの切り替えを行う制御部とを有する。
【0003】
このカメラでは、制御部が記録モードから再生モードに切り替えたときに、ファインダ切替部は、ファインダ系を強制的に第2のファインダ系の有効状態に切り替える。そして、制御部が再び記録モードに切り替えを戻したときには、ファインダ切替部は、元の記録モードで有効状態とされていた方のファインダ系に自動復帰する。
【特許文献1】特開2004−357123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の撮像装置では、以下に掲げる問題があった。即ち特許文献1に記載のカメラでは、再生モードに切り替えたときに、撮影レンズを通った被写体像を光学的にファインダに導く第1のファインダ系と、撮像素子を介して電子的にファインダに導く第2のファインダ系とが単に切り替わるだけであった。従って、第2のファインダ系が使用されているときには、被写体像を観察することができず、折角のシャッタチャンスを逃してしまうことが多々あった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、シャッタチャンスを逃すことなく、また、被写体への合焦状態及びその時点での被写体像を同時に確認することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、撮影レンズにより結像された被写体像を光電変換する撮像素子と、前記被写体像が光学像として観察される第1表示領域と、表示手段により表示される前記撮像素子によって光電変換された電子画像が観察される第2表示領域とを、接眼窓を通して同時に観察可能であるファインダ手段と、撮影準備指示手段と、前記撮影準備指示手段により撮影準備の指示がなされた後に前記被写体像の合焦状態を判断する判断手段と、前記撮影準備指示手段により撮影準備の指示が継続してなされている間、前記判断手段により合焦状態であると判断された時の画像に合焦位置に関する情報を重畳させて前記第2表示領域に表示する表示手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の撮像装置によれば、ファインダから目を離すことなく被写体の光学像の観察を可能としたままで、電子画像をもって合焦ロックされた時点の被写体の状態及び合焦点位置を確認可能である。従って、合焦後に構図を変更したとしても被写体のいずれの領域で合焦したのかを直感的に視認でき、構図の設定が容易となり、かつシャッタチャンスを逃すことが少ない撮像装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の撮像装置の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態の撮像装置はデジタル一眼レフカメラに適用される。
【0009】
[第1の実施形態]
本実施形態のデジタル一眼レフカメラは、CMOSやCCD等の撮像素子で被写体像を撮像するスチルカメラである。このデジタル一眼レフカメラでは、撮像動作の開始を指示するためのレリーズ釦がカメラの外装筐体に設けられている。また、撮像素子を連続的に駆動することで、静止画像ばかりでなく動画像も撮像可能に構成されている。また、このカメラは、撮像モードとして、レリーズ釦を押さなくても、所定のフレームレート(例えば60フレーム)で撮像素子により画像を取り込み、液晶ディスプレイに表示するモード(ライブビューモード)を備えている。ここでは、背面モニターの液晶ディスプレイではなく、ファインダ内に液晶ディスプレイ観察可能となっているものについて説明する。つまり、ライブビューモードで、撮影者がファインダを覗いている時の動作について説明する。
【0010】
図1は第1の実施形態におけるデジタル一眼レフカメラの電気回路の概略的構成を示す図である。デジタル一眼レフカメラ50は、カメラ全体の動作シーケンスを司るCPU141、照明ユニット101、撮影レンズ120、ハーフミラー124、シャッタ126および撮像素子127を有する。撮像素子127はアスペクト比3:2の矩形の撮像部を有する。
【0011】
また、デジタル一眼レフカメラ50は、ファインダ装置130、ズーム・ピント・防振駆動回路134、絞り駆動回路135、、、シャッタ駆動回路138および防塵機構駆動回路169を有する。
【0012】
また、デジタル一眼レフカメラ50は、スイッチ入力部142、EEPROM143、信号処理回路145、照明制御回路146、EPROM147、SDRAM148およびフラッシュメモリ150を有する。
【0013】
撮影レンズ120は、複数のレンズ群121、167、123から構成され、これらのレンズ群の間には、絞り機構122が設けられている。レンズ群121、167、123はズーム・ピント・防振駆動回路134によって駆動される。また、絞り機構(単に絞りという)122は絞り駆動回路135によって駆動される。
【0014】
レンズ群121、167、123の後方には、固定されたハーフミラー124が設けられている。ハーフミラー124は、入射する可視光(入射光)をおよそ1対1の割合で透過光および反射光に分割する。
【0015】
ズーム・ピント・防振駆動回路134は、既知の電磁モータ、超音波モータ等の駆動源、これらの駆動源を制御するドライバ回路、レンズの位置を検出するエンコーダ装置等から構成されている。ズーム制御およびピント制御では、レンズ群121、167、123の光軸方向の位置が制御される。また、防振制御では、レンズ群167の光軸と直交する方向の位置が制御される。ハーフミラー124の反射光路上には、ファインダ光学系が設けられている。ファインダ光学系は、フォーカシングスクリーン131、光学ガラスからなるペンタプリズム132、接眼レンズ133等から構成される。ファインダ装置130は、このファインダ光学系に、液晶表示器108、プリズム154等を加えた構成を有する。
【0016】
撮影レンズ120のレンズ群121、167、123を透過した被写体光(入射光)は、ハーフミラー124で反射され、フォーカシングスクリーン131上に結像される。観察者は、このフォーカシングスクリーン131に結像された光学被写体像(光学像)を、ペンタプリズム132および接眼レンズ133を介し、単一の接眼窓168を通して視認する。光学像を観察する利点は、時間遅れが事実上無いことである。
【0017】
ハーフミラー124の後方には、シャッタ126、除塵機構169、およびCCDやCMOSイメージャ等の撮像素子127が設けられている。
【0018】
シャッタ126は、静止画像を取得する際にシャッタ駆動回路138によって駆動されて所定秒時開放し、被写体像を撮像素子127の受光面に導くものである。
【0019】
ライブビューモードの際には、シャッタ126は開放のままとなり、不図示の電子シャッタ(撮像素子のON−OFFスイッチの切替)により露光時間を制御する。この状態でフレーム毎に撮像素子127で一定時間露光し、得られた画像の輝度情報を基に、本撮影時におけるシャッタ秒時および撮像素子感度等を設定する。
【0020】
除塵機構169は、光学ローパスフィルタや赤外線カットフィルタを機械的に振動させ、これらに付着した異物に加速度を与え、それによって発生する力で異物を振るい落とすものである。
【0021】
マイクロプロセッサで構成されるCPU141には、データバス152を介して、ズーム・ピント・防振駆動回路134、絞り駆動回路135および除塵機構駆動回路169が接続されている。また、CPU141には、データバス152を介して、シャッタ駆動回路138および照明制御回路146も接続されている。また、CPU141には、データバス152を介して、スイッチ入力部142、および不揮発性メモリであるEEPROM143が接続されている。
【0022】
スイッチ入力部142は、カメラの外装筐体に設けられたレリーズ釦(図示せず)の半押し操作に連動してオンになる第1レリーズスイッチ、および同レリーズ釦の深押し操作に連動してオンになる第2レリーズスイッチを有する。ユーザは、第1レリーズスイッチをオンにすることで撮影準備指示を、第2レリーズスイッチをオンにすることで撮影指示をカメラに与えることができる。具体的な撮影準備及び撮影に関する動作については後述する。また、スイッチ入力部142は、カメラのパワースイッチに連動するスイッチ、カメラ内の各種モード釦に連動するモードスイッチ等の複数のスイッチを有する。スイッチ入力部142は、いずれかのスイッチ操作に基づく操作信号をCPU141に供給する。
【0023】
EEPROM143は不揮発性の半導体メモリである。EEPROM143には、生産工程において、個々のカメラのばらつきを抑えて出荷するために必要なカメラの固体毎の調整値が格納されている。また、EEPROM143には、撮像素子127からの出力により、CPU141が後述するバックライト108bの光量を規定するためのBV値とバックライト光量の関係を示す係数等が格納されている。
【0024】
ライブビューモードでは、電子シャッタの動作を伴って、撮像素子127の受光面に結像された、被写体像を連続的にデジタル画像信号に変換する。
【0025】
この際、連続的に変換されるデジタル画像信号を用いて、焦点調整動作としての公知の技術である山登りAFでピント合わせを行う。CPU141は、第1レリーズスイッチがオンになると、山登りAFによるピント合わせ動作及び合焦確認動作を行う。具体的な合焦確認動作については後述する。またCPU141により、合焦位置として最適なものを特定する。さらに、この一連の演算結果から露光制御を行うための被写体輝度情報(BV値)を求める。
【0026】
また、CPU141は、第2レリーズスイッチがオンになると、撮像素子127の出力に基づく被写体輝度情報を基に、適正絞り値、シャッタ秒時および撮像素子感度を求める。CPU141は、求めた絞り値で絞り駆動回路135を介して絞り機構122を駆動させる。CPU141は、求めたシャッタ秒時でシャッタ駆動回路138を介してシャッタ126を駆動させる。
【0027】
また、CPU141は、EEPROM143に格納されたBV値とバックライト光量の関係を示す係数を参照し、バックライト108bに供給する電流量を決定し、視認するに適切な光量を得る。
【0028】
シャッタ126の開動作によって、被写体像が撮像素子127の受光面に結像すると、この被写体像は、アナログ画像信号に変換され、さらに、信号処理回路145においてデジタル画像信号に変換される。
【0029】
信号処理回路145は、その内部にRISCプロセッサ、カラープロセッサ、JPEGプロセッサを含み、デジタル画像信号の圧縮・伸張処理、ホワイトバランス処理、エッジ強調処理等の画像処理を行う。また、信号処理回路145は、液晶表示器108に出力されるコンポジット信号(輝度信号、色差信号)への変換処理等を行う。
【0030】
CPU141および信号処理回路145は、通信ライン153で接続されている。この通信ライン153を介して、画像信号の取り込みタイミング等の制御信号やデータの送受が行われる。
【0031】
信号処理回路145で生成されたコンポジット信号は、ファインダ装置130内の液晶表示器108に出力され、電子被写体像が表示される。この液晶表示器108は、ペンタプリズム132と接眼レンズ133の間に設けられている。液晶表示器108は、カラー画像を表示するための表示素子であるLCD(液晶表示素子)108a、およびこのLCD108aの表示面を後方から照明するためのバックライト108bから構成される。バックライトライト108bには、例えば白色LEDが用いられる。
【0032】
ペンタプリズム132には、第3反射面132aを延長した面154bを有し(図3参照)、ペンタプリズム132と同一の屈折率を有するプリズム154がインデックスマッチングを取った接着剤を用いて固着されている。液晶表示器108を発した光線は、プリズム154の内部で2回反射し、接眼レンズ133の方向へ導かれる。この際、液晶表示器108のLCD108aの表示面は、面154aの曲率によって、フォーカシングスクリーン131と光学的に等価な位置となっている。そして、可動ミラー124が第1の位置にあるか第2の位置にあるかに拘わらず、LCD108aに表示された画像は接眼窓168を通して観察可能である。なお、LCD108aに表示された画像の明るさは、バックライト108bである白色LEDの電流供給量を変化させることで、適切な明るさに調整される。
【0033】
信号処理回路145は、データバス151を介して、EPROM147、SDRAM(シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ)148およびフラッシュメモリ150に接続されている。
【0034】
EPROM147には、信号処理回路145に含まれるプロセッサ(CPU)で処理されるプログラムが格納されている。SDRAM148は、画像処理前の画像データや画像処理中の画像データ、もしくは画像処理直後の画像データを一時的に記憶する揮発性のメモリである。フラッシュメモリ150は、最終的に確定された画像データを記憶する不揮発性のメモリである。SDRAM148は高速動作を行うことができるが、電源供給が停止されるとその記憶内容が消滅する。一方、フラッシュメモリ150は低速動作であるが、カメラの電源がオフされても記憶内容が保存される。
【0035】
照明ユニット101は、発光パネル103、反射傘118およびRGB各色の高輝度LED119を有する。高輝度LEDを発した光は、直接に、あるいは反射傘118で反射され、発光パネル103を通過して被写体に向けて照射される。照明制御回路146は、CPU141の制御の下で、RGB各色の光量バランスを決定し、高輝度LED119への発光指示を制御する。
【0036】
図2は信号処理回路145の電気回路の構成およびそれに接続される周辺回路を示すブロック図である。信号処理回路145には、信号処理動作を制御する制御回路としてのCPU500、およびCPU500に接続され、CPU500からの制御信号に従って動作する複数の回路が含まれている。また、CPU500は、通信ライン153を介してカメラシーケンス制御用のCPU141と接続されており、CPU141から送信された制御信号に従って、信号処理回路145内の各回路を制御する。信号処理回路145内には、複数の回路として、第1の画像処理回路501、間引き・抽出処理回路502、第2の画像処理回路506および第3の画像処理回路503が設けられている。また、信号処理回路145内には、ビデオデコーダ504、ホワイトバランス処理回路505およびJPEG圧縮/伸張処理回路507が設けられている。
【0037】
第1の画像処理回路501は、CPU500で設定された駆動条件に従って、撮像素子127を駆動し、撮像素子127から出力されたアナログ画像信号をA/D変換してデジタル画像信号を生成する前段処理回路である。また、第1の画像処理回路501は、撮像素子127の遮光部分の画素信号に基づき、デジタル画像信号を補正する。
【0038】
間引き・抽出処理回路502は、第1の画像処理回路501から出力されたデジタル画像信号の間引き処理を行い、第2の画像処理回路506および第3の画像処理回路503に出力する。ここで、間引き処理とは、解像度を低下させる処理である。なお、第3の画像処理回路503に出力されるデジタル画像信号は、液晶表示器108に表示される電子被写体像の信号である。また、第2の画像処理回路506より得られた信号をCPU500で処理することによって、上述の山登りAFのピント評価値である像のコントラスト値を算出し、その値がCPU141に値が送られる。
【0039】
また、間引き・抽出処理回路502は、上記デジタル画像信号の一部を抽出し、ホワイトバランス処理回路(以下、WB処理回路という)505に出力する。デジタル画像信号の抽出の方法はCPU141によって指示される。
【0040】
WB処理回路505は、画像の色バランス(ホワイトバランス)を調整するためのホワイトバランス情報(WB情報)を出力する回路である。このWB情報は、第3の画像処理回路503に直接送られ、第2の画像処理回路506には、CPU141を経由して送られる。
【0041】
第3の画像処理回路503は、液晶表示器108の表示用画像を生成する回路である。第3の画像処理回路503は、簡易後段処理回路として、上記デジタル画像信号に対し、γ補正、データビット数の削減、WB情報に基づく色調整、RGB信号からYCbCr信号ヘの変換等の公知の処理を行う。一般的に、液晶表示器108に撮像画像を繰り返し表示する場合、ソフトウェアによる処理では速度が間に合わないことが多い。従って、表示のための画像処理は、全て第3の画像処理回路503でハードウェア的に処理されるようになっている。
【0042】
ビデオデコーダ504は、上記デジタル画像信号を構成するYCbCr信号をNTSC信号に変換して電子被写体像を形成し、この電子被写体像を液晶表示器108のLCD108aに表示させる。なお、LCD108aの表示面は、バックライト108bによって、CPU141で規定された光量で後方から照明される。
【0043】
第2の画像処理回路506は、フラッシュメモリ150に記憶するための上記デジタル画像信号を生成する回路である。第2の画像処理回路506は、後段処理回路として、γ補正、上記デジタル画像信号のデータビット数の削減、WB情報に基づく色調整、RGB信号からYCbCr信号への変換、撮像素子127の欠陥画素補正、スミア補正、色相や色度等の公知の処理を行う。
【0044】
JPEG圧縮/伸張処理回路507は、第2の画像処理回路506で処理されたデジタル画像信号をフラッシュメモリ150に記憶する際、JPEG圧縮処理を行う。また、JPEG圧縮/伸張処理回路507は、フラッシュメモリ150に記憶されたJPEG画像を読み出して伸張する。
【0045】
図3はファインダ装置130の構成を示す断面図である。図4は図3の矢印A方向から視た場合のファインダ装置130の構成を示す側面図である。図1に示す可動ミラー124で反射・分岐した光路上には、フォーカシングスクリーン131、コンデンサレンズ180およびペンタプリズム132が設けられている。撮影レンズ120のレンズ群121、167、123によってフォーカシングスクリーン131上に結像した被写体光は、コンデンサレンズ180およびペンタプリズム132を透過し、面132bからアイカップ186で囲まれた接眼窓168の方向へ射出する。この際、被写体光は、ダイクロミラー182を透過し、3つのレンズ133a、133b、133cで構成される接眼レンズ133を介して、アイカップ186に保護されながら接眼窓168を覗く観察者の目に到達し、その網膜上で再結像する。
【0046】
ダイクロミラー182は、有機EL表示素子185を発し、ミラー184と視度合わせレンズ183を透過した光を接眼窓168方向に反射する。視野マスク179は、撮像素子127で撮像される被写体像範囲を示す矩形開口を有する。ファインダ観察者は、有機EL表示素子185に示された焦点検出装置139の測距点位置情報197(図8参照)を視野マスク179中の被写体像と重ねて見ることができる。
【0047】
図5は液晶表示器108のLCD108aの画面を示す図である。液晶表示器108のLCD108aは、4:3のアスペクト比を有するカラーの表示部108cを有する。表示部108cは、撮像素子127と同じ3:2のアスペクト比を有するLCD表示領域108dと扁平横長のLCD表示領域108eとをそれぞれファインダ視野内の電子画像表示に供している。
【0048】
また、LCD108aのLCD表示領域108dを発した光線193は、ペンタプリズム132の面132bからペンタプリズム132内に入射する。ペンタプリズム132内に入射した光線を光線192とする。ここで屈折して方向が変化した光線192は、次に面132aに入射する。面132aには銀蒸着が施されている。光線192はここで反射し、ペンタプリズム132に接着により固着されたプリズム154に入射する。光線192は、銀蒸着が施された面154aで再び反射し、さらに、ペンタプリズム132の面132aと連続するプリズム154の銀蒸着が施された面154bに戻ってさらに反射する。そして、光線192は、ペンタプリズム132の面132bから接眼窓168の方向へ射出する。
【0049】
このように、プリズム154内での反射光路を構成することにより、接眼レンズ133からLCD表示領域108dまでの光路長は、接眼レンズ133からフォーカシングスクリーン131までの光路長に近くなる。LCD表示領域108dの視度とフォーカシングスクリーン131の視度とはほぼ合致する。
【0050】
さらに、プリズム154の面154aに曲率を付与することで、LCD表示領域108dの視度とフォーカシングスクリーン131の視度をより正確に合わせることができる。この際、面154aが平面であっても、もともと両者の視度が近くなっているので、面154aの曲率はごく弱いものでよい。また、面154aの反射光路は偏芯系となるものの、光学諸収差の劣化は無視できる程度である。
【0051】
図6はペンタプリズム132への光線の入射状態を示す図である。LCD108aのLCD表示領域108dを発した光線193のうち、緑色の光線193gは、ペンタプリズム132の面132bに対して角θで斜めに入射し、空気とガラスの界面で屈折し、角θでペンタプリズム132の内部を進む。ガラスの屈折率の色分散により、光の波長に応じて角θと角θとの関係は異なるので、このままではLCD表示領域108dが電子画像表示に供された場合、上下方向の色滲みが発生し、解像感の悪い画像となってしまう。そこで、LCD表示領域108dに表示される電子画像は、予めRGBの画像を色分散によって発生する位置ズレ量だけシフトさせている。
【0052】
図7はLCD表示領域108dに表示される電子画像の位置ズレ状態を示す図である。LCD表示領域108dには、赤色の電子画像194r、緑色の電子画像194gおよび青色の電子画像194bは上下方向に位置を異ならせてある。この結果、赤色の電子画像194r、緑色の電子画像194gおよび青色の電子画像194bの対応する位置から発した光線193r、193g、193bは、図6に示すように、ペンタプリズム132の内部で1本の光線192として進行する。そして、最終的に色滲みがほとんど解消された状態で、光線192は観察者の目まで到達する。
【0053】
また、LCD108aの表示領域108eを発した光線194(図3参照)は、導光プリズム181を経てペンタプリズム132の底面からペンタプリズム132に入射し、被写体光と同じようにペンタプリズム132内を反射して面132bから射出する。
【0054】
図8は接眼窓を覗いて観察されるファインダ視野内の表示を示す図である。ファインダ視野内の表示は、第1表示領域191、第2表示領域190dおよび合焦点位置情報197、第3表示領域190eから構成される。第1表示領域191では、視野マスク179の開口によって規定された被写体の光学像が観察できる。第2表示領域190dは、第1表示領域191の上方にあって、LCD108aのLCD表示領域108dに基づく画像による情報表示を行う。第3表示領域190eは、第1表示領域191の下方にあって、LCD108aのLCD表示領域108eに基づく文字列やアイコンによる情報表示を行う。第2表示領域190d、第3表示領域190eおよび合焦点位置情報197の表示輝度は、いずれも撮像素子127の出力に基づき、視認するに適切な値に制御される。
【0055】
図8の第2表示領域190dに表示される電子画像は、第1レリーズスイッチがオンになるまでは、ライブビューのフレーム毎の電子画像を1フレーム遅れで表示している。第1レリーズスイッチがオンになると、予め定められている合焦枠の少なくとも1つにおいて合焦動作を行うと共に、合焦動作が完了した時点でそのときの画像を記録する。このとき記録される画像は本撮影時とは異なる、画素数の少ない第2表示領域への表示用の簡易画像(フレーム画像)である。そして、このとき記録された画像と、これに重畳される合焦枠とが第2表示領域に表示される。そして、この表示状態は第2レリーズスイッチがオンにされるまで継続する。具体的なフローについては後述する。
【0056】
なお、本実施形態では、液晶表示器108を用いたが、この代わりに有機EL表示器を用いてもよい。この場合、バックライト108bは不要となる。
【0057】
次に、上記構成を有するデジタル一眼レフカメラにおいて、本発明の実施例であるシャッタレリーズが段階的に切り替わったときの動作について、図9を用いて具体的に説明する。
【0058】
図9は、合焦動作から撮影動作に至るまでの第1表示領域191と第2表示領域190dの像の様子の例を示すもので、図9(a)は合焦ロック時の様子を表し、図9(b)は合焦後に構図を変えた時の様子を表す。
【0059】
図9(a)では、予め設定されている合焦枠196を主要な被写体となる人物に合わせ、第1レリーズスイッチをオンにすることで合焦動作を行う。そして、合焦動作の完了と共にその時点でライブビュー表示されていたフレームを取得し、これに対応する位置に合焦枠を重畳させて第2表示領域190dに表示している。
【0060】
その後ユーザは第1レリーズスイッチオンを維持したまま、人物が画面の下の方へ位置するように構図を変更する(図9(b))。このとき、第1レリーズスイッチオンを維持しているので、人物に対する合焦状態は維持されている(合焦ロック)。図示するように、構図変更後も、第2表示領域190dには合焦動作を行ったときのフレーム画像とこれに重畳された合焦枠が表示されている。したがって、ユーザは、構図変更後の被写体光学像を第1表示領域191に、合焦動作時の合焦対象を第2表示領域に、同時に観察することが可能である。
【0061】
そして、レリーズ釦が深押しされる(第2レリーズスイッチオン)と、本撮影動作として図9(b)の第1表示領域191で観察されている構図の被写体像を撮像素子により取得し、画像処理の後フラッシュメモリ150に記録して一連の撮影動作を終了する。
【0062】
続いて、図10を用いて第1レリーズスイッチオン後のCPU141の撮影動作シーケンスを説明する。図10(a)は、デジタル一眼レフカメラのライブビューモードで、撮影者がファインダを覗いている時のライブビュー動作(基準クロック動作)のフローを示す。また、図10(b)は、スイッチ入力部142のレリーズ釦を深押し操作(第2レリーズオン操作)した際の静止画像を取得するフローを示す。また、図10(a)は基準クロックにより動作制御されるフローであり、図10(b)は上記基準クロックとは非同期なフローであって適宜割り込み動作として行われる。
【0063】
図10(a)の基準クロックにより動作制御されるフローでは、第1レリーズスイッチオン後に、ステップS0で第2レリーズがオンでないことを確認した上で、CPU141は、SDRAM148から前回基準クロック動作で得られたフレーム画像データ(デジタル画像信号)を読み出す。そして、ファインダ装置130の第2表示領域190dにその電子画像を表示するように指示する制御信号を、信号処理回路145に送出する(ステップS1)。信号処理回路145は、この制御信号を受けるとこの画像データをコンポジット信号に変換する処理を行う。信号処理回路145は、このコンポジット信号を液晶表示器108に供給し、LCD108aに表示させる。この結果、ファインダ装置130の第2表示領域190dには、前回取得されたフレーム画像が表示される。同時にCPU141は、電子シャッタをON(ステップS2)して、フレーム電荷蓄積を開始(ステップS3)する。次にステップS4で、CPU141は、前回測光演算により算出されている露光時間のタイミングで、電荷蓄積動作を停止する。そして、ステップS5で得られた画像信号を読み出して、A/D変換を行う。こうして信号処理回路145により、フレーム画像を取得することができる。次にCPU141は、撮像素子127からの出力を用いて被写体の輝度を測定する(ステップS6)。CPU141は、その輝度情報から次回のフレームでの露光量(電子シャッタのスピードおよび撮像素子感度)または、撮像動作での露光量(絞り機構122の絞り込み量、シャッタ126のシャッタスピードおよび撮像素子感度)を演算する。
【0064】
ステップS8では、既に合焦ロックされているかを確認する。第1レリーズスイッチがオンされた後始めての合焦動作時であるときには、まだ合焦ロックされていないことになるので、ステップS9に進む。既に合焦動作が完了して、さらに第1レリーズスイッチのオンが継続されているときには、ステップS12へ進む。
【0065】
ステップS9では、CPU141が前述の山登りAFでの合焦演算を行い、合焦OKかどうかの判断を行う。ここで、非合焦と判断された場合は、ステップS10に進み再度レンズ群121、167、123のフォーカス駆動動作を行い、合焦動作を継続する。またステップS9で、合焦と判断された場合は、第1レリーズのオン状態が継続されているかどうかを判定(ステップS11)し、オン状態が継続されていなければ基準クロック動作を終了し、初期動作に戻る。一方、ステップS11で第1レリーズスイッチのオンが継続されていれば、合焦判定でOKとなったフレーム画像に合焦枠を重畳して第2表示領域190dに表示する。そして、ステップS12でその後の合焦動作を行わない合焦ロックの状態とする。ステップS13では、第2表示領域190dに合焦判定でOKとなったフレーム画像に合焦枠を重畳して表示を続けるべく、そのフレーム画像をSDRAM148に保持し、基準クロック動作を終了し、初期動作に戻る。
【0066】
図10(b)の第2レリーズスイッチオン操作のフローでは、第2レリーズスイッチがオンに切り替わった時点で図10(a)の基準クロック動作に割り込みが入る。ステップS20で第2レリーズスイッチがオンになったと判断したら、ステップS21で撮像素子動作をオフにする。続けて、ステップS22では、第2表示領域190dで表示していたフレーム画像と合焦枠の表示をオフにする。
【0067】
さらに、ステップS23では、図10(a)のステップS6で演算された絞り込み量に基づき、絞り駆動回路135を介して絞り機構122の絞り込み動作を行う。
【0068】
ステップS24では、CPU141は、撮像開始を指示する信号を信号処理回路145に送出する。信号処理回路145は、この信号を受けると、撮像素子127の電荷蓄積動作を開始させる。そしてステップS25では、ステップS6で演算されたシャッタスピードに基づき、シャッタ126を開閉する。
【0069】
ステップS26では、CPU141は、シャッタ126を閉成した後、信号処理回路145に撮像停止を指示する信号を送出する。信号処理回路145は、この信号を受けると、撮像素子127での電荷蓄積動作を終了させる。さらに、信号処理回路145は、撮像素子127から画像信号を読み出してアナログデジタル(A/D)変換を行い、デジタル画像信号に変換する処理、およびこれに付随する画像処理を実行する。そして、CPU141は、上記デジタル画像信号の格納を指示する制御信号を信号処理回路145に送出する(ステップS27)。信号処理回路145は、この信号を受けると、処理された画像信号をSDRAM148に順番に格納する。
【0070】
次にステップS28では、CPU141は、絞り駆動回路135を介して絞り機構122を絞り込み状態から開放状態に戻す。 そして、ステップS29では、CPU141は、SDRAM148に一時的に記憶されている画像をフラッシュメモリ150の所定の記憶領域に記憶するように、信号処理回路145に指示する。この後、CPU141は、メインルーチンに復帰する。
【0071】
図11はCPU141の動作シーケンスに基づくカメラ動作を示すタイミングチャートである。図では、ライブビューモードで、撮影者がファインダを覗いている時の動作について説明している。具体的には、レリーズ釦の第1レリーズスイッチ操作前、レリーズ釦の第1レリーズスイッチ操作後、レリーズ釦の第2レリーズスイッチ操作による1コマの静止画撮影及び、レリーズ釦OFFまでを表している。
【0072】
まず、時刻T1において、第1レリーズスイッチがオフの状態で、基準クロックが立ち上がると、電子シャッタ、撮像素子の電荷蓄積、前回フレームの電子画像表示が同時に行われる。次に、時刻T2において、撮像素子の電荷蓄積が終了すると、読み出しおよびA/D変換が行われる。時刻T3にA/D変換が終了すると、測光演算、合焦演算が行われる。時刻T4で、合焦判断がOKとなればレンズ駆動は行われず、合焦判断がOKでなければ、CPU141によりフォーカス駆動動作が行われる。
【0073】
次に、時刻T5において、第1レリーズスイッチがオフからオンに切り換わった後の動作について説明する。基本的に、それまでと同様の動作を行うが、合焦判断でOKとなった場合は、最初に合焦判断OKとなった電子画像を第2レリーズスイッチがオンになるまで表示する。
【0074】
時刻T7において、第2レリーズスイッチがオフからオンに切り換わると、撮像素子の動作モード、電子画像表示をオフにすると共に、撮影レンズ120の絞り122が絞り込まれる。
【0075】
時刻T8において、画像Iのための撮像素子127の電荷蓄積動作が開始され、その間に時刻T9でシャッタ126の開閉が行われる。シャッタ126が閉じられると、時刻T10で撮像素子127の電荷蓄積動作は停止し、画像Aの画像信号の読み出しおよびA/D変換が開始される。また、絞り122の開放動作が行われる。
【0076】
時刻T11で画像Iの画像信号の読み出しおよびA/D変換が終了すると、デジタル画像信号は一時的にSDRAM148のデータ蓄積領域に格納される。
【0077】
時刻T12において、レリーズ釦の深押し操作が終了し、第2レリーズスイッチがオフになると、撮像動作が終了する。
【0078】
レリーズ釦の第2レリーズスイッチ操作が終了した時刻T12から時刻T13のレリーズ釦の第1レリーズスイッチ操作が終了し、第1レリーズスイッチがオフになるまでの間は、前述の基準クロック動作を繰り返す。時刻T13の第1レリーズスイッチがオフになった後も、前述の基準クロック動作を繰り返す。
【0079】
なお、上記動作シーケンスにおいて、画像信号の読み出し、A/D変換、画像データのメモリ(SDRAM148)への格納、絞り122の開放は、次のコマの撮影準備動作である。この撮影準備動作に同期して第2表示領域190dに表示される電子画像の更新が行われる。
【0080】
このように、第1の実施形態のカメラによれば、ファインダから目を離すことなく被写体の光学像の観察を可能としたままで、電子画像をもって合焦ロックされた時点の被写体の状態及び合焦点位置を確認可能である。従って、合焦後に構図を変更したとしても被写体のいずれの領域で合焦したのかを直感的に視認でき、構図の設定が容易となり、かつシャッタチャンスを逃すことが少ない撮像装置を実現することができる。また、光学像と電子画像が重なっていないので、どちらも良好に視認可能である。
【0081】
[第2の実施形態]
本実施形態のデジタル一眼レフカメラは、CMOSの撮像素子で被写体像を撮像するスチルカメラであり、第1の実施形態として図1に示した構成とほぼ同じである。異なる点は、撮像素子127自身に位相差検出機能を有しており、この信号に基づいてAFが可能な点である。
【0082】
第1の実施形態と異なる構成および動作部について説明する。
【0083】
図12は、本発明の第2の実施形態における撮像素子の概略的回路構成図を示したものである(特開平09−046596号公報を参照)。同図は、2次元CMOSエリアセンサの2列×4行画素の範囲を示したものであるが、撮像素子として利用する場合は画素を多数配置し、高解像度画像の取得を可能としている。
【0084】
図12において、1301はMOSトランジスタゲートとゲート下の空乏層からなる光電変換素子の光電変換部、1302はフォトゲート、1303は転送スイッチMOSトランジスタ、1304はリセット用MOSトランジスタである。1305はソースフォロワアンプMOSトランジスタ、1306は水平選択スイッチMOSトランジスタ、1307はソースフォロワの負荷MOSトランジスタ、1308は暗出力転送MOSトランジスタである。1309は明出力転送MOSトランジスタ、1310は暗出力蓄積容量CTN、1311は明出力蓄積容量CTSである。1312は水平転送MOSトランジスタ、1313は水平出力線リセットMOSトランジスタ、1314は差動出力アンプ、1315は水平走査回路、1316は垂直走査回路である。
【0085】
図13に画素部の断面図を示す。同図において、1317はP型ウェル、1318はゲート酸化膜、1319は一層目ポリSi、1320は二層目ポリSi、1321はn+フローティングディフュージョン部(FD)である。1321のFDは別の転送MOSトランジスタを介して別の光電変換部と接続される。同図において、2つの転送MOSトランジスタ1303のドレインとFD部1321を共通化して微細化とFD部1321の容量低減による感度向上を図っているが、Al配線でFD部1321を接続しても良い。
【0086】
次に、図14のタイミングチャートを用いて動作を説明する。このタイミングチャートは全画素独立出力の場合である。
【0087】
まず垂直走査回路1316からのタイミング出力によって、制御パルスφLをハイとして垂直出力線をリセットする。また制御パルスφR0,φPG00,φPGe0をハイとし、リセット用MOSトランジスタ1304をオンとし、フォトゲート1302の一層目ポリSi1319をハイとしておく。時刻T0において、制御パルスφS0をハイとし、選択スイッチMOSトランジスタ1306をオンさせ、第1,第2ラインの画素部を選択する。次に制御パルスφR0をロウとし、FD部1321のリセットを止め、FD部1321をフローティング状態とする。そして、ソースフォロワアンプMOSトランジスタ1305のゲート・ソース間をスルーとした後、時刻T1において制御パルスφTNをハイとし、FD部1321の暗電圧をソースフォロワ動作で蓄積容量CTN1310に出力させる。
【0088】
次に、第1ラインの画素の光電変換出力を行うため、第1ラインの制御パルスφTX00をハイとして転送スイッチMOSトランジスタ1303を導通した後、時刻T2において制御パルスφPG00をローとして下げる。この時フォトゲート1302の下に拡がっていたポテンシャル井戸を上げて、光発生キャリアをFD部1321に完全転送させるような電圧関係が好ましい。従って完全転送が可能であれば制御パルスφTXはパルスではなくある固定電位でもかまわない。
【0089】
時刻T2でフォトダイオードの光電変換部1301からの電荷がFD部1321に転送されることにより、FD部1321の電位が光に応じて変化することになる。この時ソースフォロワアンプMOSトランジスタ1305がフローティング状態であるので、FD部1321の電位を時刻T3において制御パルスφTsをハイとして蓄積容量CTS1311に出力する。この時点で第1ラインの画素の暗出力と光出力はそれぞれ蓄積容量CTN1310とCTS1311に蓄積されおり、時刻T4の制御パルスφHCを一時ハイとして水平出力線リセットMOSトランジスタ1313を導通して水平出力線をリセットする。そして、水平転送期間において水平走査回路1315の走査タイミング信号により水平出力線に画素の暗出力と光出力を出力される。この時、蓄積容量CTN1310とCTS1311の差動増幅器1314によって、差動出力VOUTを取れば、画素のランダムノイズ、固定パターンノイズを除去したS/Nの良い信号が得られる。また画素30−12、30−22の光電荷は画素30−11、30−21と同時に夫々の蓄積容量CTN10とCTS1311に蓄積されるが、その読み出しは水平走査回路1315からのタイミングパルスを1画素分遅らして水平出力線に読み出して差動増幅器1314から出力される。
【0090】
本実施形態では、差動出力VOUTをチップ内で行う構成を示しているが、チップ内に含めず、外部で従来のCDS(Correlated Double Sampling:相関二重サンプリング)回路を用いても同様の効果が得られる。
【0091】
蓄積容量CTS1311に明出力を出力した後、制御パルスφR0をハイとしてリセット用MOSトランジスタ4を導通しFD部1321を電源VDDにリセットする。第1ラインの水平転送が終了した後、第2ラインの読み出しを行う。第2ラインの読み出しは、制御パルスφTXe0,制御パルスφPGe0を同様に駆動させ、制御パルスφTN、φTSに夫々ハイパルスを供給して、蓄積容量CTN1310とCTS1311に夫々光電荷を蓄積し、暗出力及び明出力を取り出す。以上の駆動により、第1,第2ラインの読み出しが夫々独立に行える。この後、垂直走査回路を走査させ、同様に第2n+1,第2n+2(n=1,2,…)の読み出しを行えば全画素独立出力が行える。即ち、n=1の場合は、まず制御パルスφS1をハイとする。そして、次にφR1をローとし、続いて制御パルスφTN、φTX01をハイとし、制御パルスφPG01をロー、制御パルスφTSをハイ、制御パルスφHCを一時ハイとして画素30−31,30−32の画素信号を読み出す。続いて、制御パルスφTXe1,φPGe1及び上記と同様に制御パルスを印加して、画素30−41,30−42の画素信号を読み出す。
【0092】
図15ないし図16は、撮像用画素と焦点検出用画素の構造を説明する図である。本実施形態においては、2行×2列の4画素のうち、対角2画素にG(緑色)の分光感度を有する画素を配置し、他の2画素にR(赤色)とB(青色)の分光感度を有する画素を各1個配置した、ベイヤー配列が採用されている。そして、該ベイヤー配列の間に、後述する構造の焦点検出用画素が所定の規則にて分散配置される。
【0093】
図15に撮像用画素の配置と構造を示す。同図(a)は2行×2列の撮像用画素の平面図である。周知のごとく、ベイヤー配列では対角方向にG画素が、他の2画素にRとBの画素が配置される。そして該2行×2列の構造が繰り返し配置される。
同図(a)の断面A−Aを同図(b)に示す。MLは各画素の最前面に配置されたオンチップマイクロレンズ、CFはR(Red)のカラーフィルタ、CFはG(Green)のカラーフィルタである。PDは図3で説明したCMOSセンサの光電変換部を模式的に示したもの、CLはCMOSセンサ内の各種信号を伝達する信号線を形成するための配線層である。TLは撮影光学系を模式的に示したものである。
【0094】
ここで、撮像用画素のオンチップマイクロレンズMLと光電変換部PDは、撮影光学系MLを通過した光束を可能な限り有効に取り込むように構成されている。換言すると、撮影光学系TLの射出瞳EPと光電変換部PDは、マイクロレンズMLにより共役関係にあり、かつ光電変換部の有効面積は大面積に設計される。また、同図(b)ではR画素の入射光束について説明したが、G画素及びB(Blue)画素も同一の構造となっている。従って、撮像用のRGB各画素に対応した射出瞳EPは大径となり、被写体からの光束を効率よく取り込んで画像信号のS/Nを向上させている。
【0095】
図16は、撮影レンズの水平方向(横方向)に瞳分割を行なうための焦点検出用画素の配置と構造を示す。同図(a)は、焦点検出用画素を含む2行×2列の画素の平面図である。撮像信号を得る場合、G画素は輝度情報の主成分をなす。そして人間の画像認識特性は輝度情報に敏感であるため、G画素が欠損すると画質劣化が認められやすい。一方でRもしくはB画素は、色情報を取得する画素であるが、人間は色情報には鈍感であるため、色情報を取得する画素は多少の欠損が生じても画質劣化に気づきにくい。そこで本実施形態においては、2行×2列の画素のうち、G画素は撮像用画素として残し、RとBの画素を焦点検出用画素としている。これを同図(a)においてSH及びSHで示す。
同図(a)の断面A−Aを同図(b)に示す。マイクロレンズMLと、光電変換部PDは図15(b)に示した撮像用画素と同一構造である。本実施形態の形態においては、焦点検出用画素の信号は画像生成には用いないため、色分離用カラーフィルタの代わりに透明膜CF(White)が配置される。また、撮像素子で瞳分割を行なうため、配線層CLの開口部はマイクロレンズMLの中心線に対して一方向に偏倚している。具体的には、画素SH及の開口部OPHAは右側に偏倚しているため、撮影レンズTLの左側の射出瞳EPHAを通過した光束を受光する。同様に、画素SHの開口部OPHBは左側に偏倚しているため、撮影レンズTLの右側の射出瞳EPHBを通過した光束を受光する。よって、画素SHを水平方向規則的に配列し、これらの画素群で取得した被写体像をA像とする。また、画素SHも水平方向規則的に配列し、これらの画素群で取得した被写体像をB像とすると、A像とB像の相対位置を検出することで、被写体像のピントずれ量(デフォーカス量)が検出できる。
【0096】
上記構成を有するデジタル一眼レフカメラにおいて、上述の位相差AF画素を用いることにより、公知技術である動体予測機能を付加させることができる。ここでは動体予測モードにおける、本発明の実施形態であるシャッタレリーズが段階的に切り替わったときの動作について説明する。
【0097】
まずファインダ内で光学像を覗きながら、ピントを合わせたい被写体を狙ってスイッチ入力部142のレリーズ釦を半押し操作(第1レリーズスイッチオン)にする。このとき、前述の位相差AFによりピント合わせ動作を行い、ピントを引き込んだ(動体予測ロック時)と同時に、得られた画像と及びピントOKの指標となる赤色を合焦測距位置に合わせ、第2表示領域190dに表示する。レリーズ釦半押し操作(第1レリーズスイッチオン操作)のままでは、第2表示領域190d表示画像はそのままとなり、どの被写体にピントを合わせたかの確認可能状態が持続する。この状態のままで、動体予測が行われると、第2表示領域190d上の画像はそのままで、第1表示領域191により動く被写体の様子を確認することができる。
【0098】
図17は、上記動作を行った時の第1表示領域191と第2表示領域190dの像の様子の例を示すもので、図17(a)は動体予測ロック時の様子、図17(b)はレリーズ釦が深押しされる直前の様子、図17(c)は2コマ目撮影時の様子を示す。
【0099】
レリーズ釦が深押しされる(第2レリーズスイッチオン)ことにより、図17(b)、(c)の第1表示領域191で観察されている構図の画像を撮像素子により取得し、最終的に画像データをメモリ(SDRAM148)への格納することができる。この際、レリーズ釦が深押しされる(第2レリーズスイッチオン)前は、第2表示領域190dに動体予測時の電子画像、合焦点位置を表示する。合焦点位置を表示することによりピントが合っていることを撮影者に知らせる。また、第1表示領域191には、動体予測により演算した被写体の移動ベクトルから、想定される被写体のピント位置を表示する。またレリーズ釦が深押しされている(第2レリーズスイッチオン)間は、第2表示領域190dからの電子画像等の映像表示をオフにする。これは、電子画像等の映像がファインダ装置230、ハーフミラー224を介して、撮像素子227に混入されないようにするためである。
【0100】
続いて、第2の実施形態におけるCPU141の動作シーケンスを示す。図18はデジタル一眼レフカメラのライブビューモードかつ動体予測モードとした場合の、撮影者がファインダを覗いている時の動作に対し、ライブビュー動作(基準クロック動作)のフローチャートを図18(a)に示す。また、スイッチ入力部142のレリーズ釦を深押し操作(第2レリーズスイッチオン操作)際の静止画像を取得するフローチャートを図18(b)に示す。この図18に示すフローチャートは、CPU141のメインフローチャート内にてコールされるサブルーチンである。また、図18(a)は基準クロックにより動作制御されるフローであり、図18(b)は上記基準クロックとは非同期なフローであり適宜割り込み動作が行われる。
【0101】
図18(a)の基準クロックにより動作制御されるフローでは、第1レリーズスイッチオン後に、ステップS30で第2レリーズがオンでないことを確認した上で、CPU141は、SDRAM148から前回基準クロック動作で得られた画像データを読み出す。そして、ファインダ装置130の第2表示領域190dにその電子画像を表示するように指示する制御信号を、信号処理回路145に送出する(ステップS31)。信号処理回路145は、この制御信号を受けると、この画像データをコンポジット信号に変換する処理を行う。信号処理回路145は、このコンポジット信号を液晶表示器108に供給し、LCD108aに表示させる。この結果、ファインダ装置130の第2表示領域190dには、前回撮像されたフレーム画像が表示される。同時にCPU141は、電子シャッタをオン(ステップS32)して、フレーム電荷蓄積を開始(ステップS33)する。次にステップS34で、CPU141は、前回測光演算により算出されている露光時間のタイミングで、電荷蓄積動作を停止する。そして、ステップS35で得られた画像信号を読み出して、A/D変換を行う。こうして信号処理回路145により、フレーム画像を取得することができる。次にCPU141は、撮像素子127からの出力を用いて被写体の輝度を測定する(ステップS36)。その輝度情報から次回のフレームでの露光量(電子シャッタのスピードおよび撮像素子感度)または、撮像動作での露光量(絞り機構122の絞り込み量、シャッタ126のシャッタスピードおよび撮像素子感度)を所定の演算ブログラムに従って演算する。
【0102】
ステップS37では、CPU141は、前述の位相差AFでの合焦演算を行い、かつ過去の複数のピントズレ量の変化から被写体の移動ベクトルを演算する、いわゆる動体予測演算を行う。次に第1レリーズのオン状態が継続されているかどうかを判定(ステップS11)し、オン状態が継続されていなければ基準クロック動作を終了し、初期動作に戻る。一方、ステップS11で第1レリーズスイッチのオンが継続されていれば、既に合焦ロックされているかを確認する(ステップS39)。合焦ロックがされていない場合は、ステップS41に進み再度レンズ群121、167、123のフォーカス駆動動作を行い、合焦動作を継続する。合焦ロックされている場合は、ステップS40で、第2表示領域190dに合焦判定でOKとなったフレーム画像に合焦枠を重畳して表示を続けるべく、そのフレーム画像をSDRAM148に保持する。そして、ステップS41に移行して、ステップS37で算出した合焦演算、動体予測演算から所定の時間後に被写体にピントが合うようにCPU141よりレンズ群121、167、123をフォーカス駆動し合焦動作を続ける。以上により基準クロック動作を終了し、初期動作に戻る。
【0103】
図19(b)の第2レリーズスイッチオン操作のフローでは、第2レリーズがオンに切り替わった時点で図19(a)の基準クロック動作に割り込みが入る。ステップS50で第2レリーズスイッチがオンになったと判断したら、ステップS51で撮像素子動作をオフにする。続けて、ステップS52では、第2表示領域190dで表示していたフレーム画像と合焦枠の表示をオフにする。
【0104】
さらに、ステップS23では、図19(a)のステップS36で演算された絞り込み量に基づき、絞り駆動回路135を介して絞り機構122の絞り込み動作を行う。
【0105】
ステップS54では、CPU141は、撮像開始を指示する信号を信号処理回路145に送出する。信号処理回路145は、この信号を受けると、撮像素子127の電荷蓄積動作を開始させる。そしてステップS55では、ステップS36で演算されたシャッタスピードに基づき、シャッタ126を開閉する。
【0106】
ステップS56では、CPU141は、シャッタ126を閉成した後、信号処理回路145に撮像停止を指示する信号を送出する。信号処理回路145は、この信号を受けると、撮像素子127での電荷蓄積動作を終了させる。さらに、信号処理回路145は、撮像素子127から画像信号を読み出してアナログデジタル(A/D)変換を行い、デジタル画像信号に変換する処理、およびこれに付随する画像処理を実行する。そして、CPU141は、上記デジタル画像信号の格納を指示する制御信号を信号処理回路145に送出する(ステップS57)。信号処理回路145は、この信号を受けると、処理された画像信号をSDRAM148に順番に格納する。
【0107】
次にステップS58では、CPU141は、絞り駆動回路135を介して絞り機構122を絞り込み状態から開放状態に戻す。そして、ステップS59では、CPU141は、SDRAM148に一時的に記憶されている画像をフラッシュメモリ150の所定の記憶領域に記憶するように、信号処理回路145に指示する。この後、第2レリーズスイッチがオンのままかどうかを判断し(ステップS60)、オンであれば、ステップS53に戻り、連写が繰り返される。また第2レリーズスイッチがオフであれば、CPU141は、メインルーチンに復帰する。
【0108】
図19はCPU141の動作シーケンスに基づくカメラ動作を示すタイミングチャートである。図では、ライブビューモードでかつ動体予測モードとした場合の、撮影者がファインダを覗いている時の動作について説明している。具体的には、レリーズ釦の第1レリーズスイッチ操作前、レリーズ釦の第1レリーズスイッチ操作後、レリーズ釦の第2レリーズスイッチ操作による2コマ連写の静止画撮影及び、レリーズ釦OFFまでを表している。
【0109】
まず、時刻T1において、第1レリーズスイッチがオフの状態で、基準クロックが立ち上がると、電子シャッタ、撮像素子の電荷蓄積、前回フレームの電子画像表示が同時に行われる。次に、時刻T2において、撮像素子の電荷蓄積が終了すると、読み出しおよびA/D変換が行われる。時刻T3にA/D変換が終了すると、測光演算、合焦演算および動体予測演算が行われる。時刻T4で、第1レリーズスイッチはオフのままでは、フォーカス駆動は行わず、次の基準クロック動作を繰り返す。
【0110】
次に、時刻T5において、第1レリーズスイッチがオフからオンに切り換わった後の動作について説明する。基本的に、それまでと同様の動作を行うが、時刻T6において、合焦、動体予測演算が終了したのち、次の露光時に被写体にピントが合うようにレンズのフォーカス駆動を行う。時刻T7において、第1レリーズスイッチがオンになってから最初に合焦判断OKとなった場合は、この電子画像Dの表示を第2レリーズスイッチがオンになるまで表示する。
【0111】
時刻T8において、第2レリーズスイッチがオフからオンに切り換わると、撮像素子の動作モード、電子画像表示をオフにすると共に、撮影レンズ120の絞り122が絞り込まれる。またそれまでの動体予測演算をもとに1コマ目の静止画像の露光時に被写体にピントが合うように、レンズのフォーカス駆動を行う。時刻T9で画像Hのための撮像素子127の電荷蓄積動作が開始され、その間に時刻T10でシャッタ126の開閉が行われる。シャッタ126が閉じられると、時刻T11で撮像素子127の電荷蓄積動作は停止し、画像Hの画像信号の読み出しおよびA/D変換が開始される。また、絞り122の開放動作が行われる。
【0112】
時刻T12で画像Hの画像信号の読み出しおよびA/D変換が終了すると、デジタル画像信号は一時的にSDRAM148のデータ蓄積領域に格納される。また同時にそれまでの動体予測演算をもとに2コマ目の静止画像の露光時に被写体にピントが合うように、レンズのフォーカス駆動を行う。第2レリーズスイッチがオンのままであるため、時刻T14で画像Iのための撮像素子227の電荷蓄積動作が開始され、その間に時刻T15でシャッタ126の開閉が行われる。シャッタ126が閉じられると、時刻T16で撮像素子127の電荷蓄積動作は停止し、画像Iの画像信号の読み出しおよびA/D変換が開始される。また、絞り122の開放動作が行われる。
【0113】
時刻T17で画像Iの画像信号の読み出しおよびA/D変換が終了すると、デジタル画像信号は一時的にSDRAM148のデータ蓄積領域に格納される。このときまだ第2レリーズスイッチがオンのままなので、時刻T18では次の連写の準備のためにレンズのフォーカス駆動を行う。
【0114】
時刻T19において、レリーズ釦の深押し操作が終了し、第2レリーズスイッチがオフになると、撮像動作が終了する。
【0115】
レリーズ釦の深押し操作が終了した時刻T19から時刻T20のレリーズ釦の半押し操作が終了し、第1レリーズスイッチがオフになるまでの間は、前述の基準クロック動作を繰り返す。時刻T20の第1レリーズスイッチがオフになった後も、前述の基準クロック動作を繰り返す。
【0116】
なお、上記動作シーケンスにおいて、画像信号の読み出し、A/D変換、画像データのメモリ(SDRAM148)への格納、絞り222の開放は、次のコマの撮影準備動作である。この撮影準備動作に同期して第2表示領域190dに表示される電子画像の更新が行われる。
【0117】
このように、第2の実施形態のカメラによれば、動体予測モードにおいて、ファインダから目を離すことなく被写体の光学像の観察を可能としたままで、合焦ロックを行った時点の電子画像と合焦位置を同時に確認することができる。したがって、被写体が移動した状態でも撮影者が意図するピント位置かどうかを再確認することができる。従って、シャッタチャンスを逃すといったことのない新規のカメラを実現することができる。この結果、撮影の失敗を未然に防ぐことが可能である。また、光学像と電子画像が重なっていないので、どちらも良好に視認可能である。
【0118】
[上記実施形態の変形例]
上記各実施形態においては、AF動作を行うことを前提としたがこれに限らない。すなわち、ユーザがマニュアル操作によって焦点調整を行うことを前提とする。そして、第1レリーズスイッチがオンされたときに被写体領域のいずれかに合焦していると判断されれば、その時点のフレーム画像を取り込み、その画像に合焦枠を重ねて第2表示領域190dに表示するようにしても良い。このように構成にしても、ファインダから目を離すことなく被写体の光学像の観察を可能としたままで、電子画像をもって被写体の状態及び合焦点位置を確認可能である。
【0119】
また、上記各実施形態においては、合焦位置に関する情報として合焦枠を重畳して表示させる構成としたがこれに限らない。例えば、水平線と垂直線を表示し、この交点を合焦位置として表すような形態であっても良いし、合焦領域以外の領域をグレースケールとするような画像処理で表示しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】第1の実施形態におけるデジタル一眼レフカメラの電気回路の概略的構成を示す図である。
【図2】信号処理回路145の電気回路の構成およびそれに接続される周辺回路を示すブロック図である。
【図3】ファインダ装置130の構成を示す断面図である。
【図4】図3の矢印A方向から視た場合のファインダ装置130の構成を示す側面図である。
【図5】液晶表示器108のLCD108aの画面を示す図である。
【図6】ペンタプリズム132への光線の入射状態を示す図である。
【図7】LCD表示領域108dに表示される電子画像の位置ズレ状態を示す図である。
【図8】ファインダ視野内の表示を示す図である。
【図9】第1表示領域191と第2表示領域190dの像の様子の例を示す図である。
【図10】第1の実施形態における撮像動作手順を示すフローチャートである。
【図11】第1の実施形態におけるカメラ動作を示すタイミングチャートである。
【図12】第2の実施形態における撮像素子の回路図である。
【図13】第2の実施形態における撮像素子の画素部断面図である。
【図14】第2の実施形態における撮像素子の駆動タイミングチャートである。
【図15】第2の実施形態における撮像素子の撮像用画素の平面図と断面図である。
【図16】第2の実施形態における撮像素子の焦点検出用画素の平面図と断面図である。
【図17】第1表示領域191と第2表示領域190dの像の様子の例を示す図である。
【図18】第2の実施形態における撮像動作手順を示すフローチャートである。
【図19】第2の実施形態におけるカメラ動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0121】
50 デジタル一眼レフカメラ
127 撮像素子
130 ファインダ装置
141 CPU
168 接眼窓
190d 第2表示領域
191 第1表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズにより結像された被写体像を光電変換する撮像素子と、
前記被写体像が光学像として観察される第1表示領域と、表示手段により表示される前記撮像素子によって光電変換された電子画像が観察される第2表示領域とを、接眼窓を通して同時に観察可能であるファインダ手段と、
撮影準備指示手段と、
前記撮影準備指示手段により撮影準備の指示がなされた後に前記被写体像の合焦状態を判断する判断手段と、
前記撮影準備指示手段により撮影準備の指示が継続してなされている間、前記判断手段により合焦状態であると判断された時の画像に合焦位置に関する情報を重畳させて前記第2表示領域に表示する表示手段とを有する撮像装置。
【請求項2】
前記撮影準備指示手段により撮影準備の指示がなされたときに、前記撮影レンズの焦点調整を行う焦点調整手段を更に有し、
前記判断手段は、前記焦点調整手段による焦点調整動作に連動して行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記焦点調整手段は、前記撮像素子に設けられた画素の出力に基づいて位相差検出を行うことにより焦点調整を行うことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
入射光の一部を前記ファインダ手段に向けて反射させると共に、前記入射光の一部を前記撮像素子に向けて透過させるハーフミラーを有することを有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
撮影指示手段を有し、
前記表示手段は、前記撮影指示手段により撮影の指示がなされた時に前記第2表示領域の表示を終了することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−14950(P2010−14950A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−174566(P2008−174566)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】