説明

撮像装置

【課題】焦点検出時の信号読み出し制御と撮像時の信号読み出し制御とを揃える。
【解決手段】撮像装置は、第1光電変換部および第2光電変換部を含む画素と、第1光電変換部によって出力される信号と第2光電変換部によって出力される信号とが加算されて加算信号が生成されるように各画素を制御する制御部を含む撮像素子と、1画素につき第1光電変換部および第2光電変換部のうちの一方によって出力される信号を画素の配列順に応じて交互に読み出す第1読み出し処理と、撮像素子から加算信号を読み出す第2読み出し処理とを行う読み出し手段と、第1読み出し処理で読み出された信号に基づき、撮影光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出手段と、第2読み出し処理で読み出された加算信号に基づき、画像を生成する画像生成手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一対の光束を受光する画素を有する撮像素子を含む撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロレンズとその背後に配置された一対の光電変換部からなる画素を撮像素子上に一体的に形成し、該撮像素子を光学系の予定焦点面上に配置する。これにより、光学系を通る一対の光束が形成する一対の像に応じた一対の像信号を画素から出力し、この一対の像信号間の像ズレ量(位相差)を検出することによって光学系の焦点調節状態を検出する撮像装置が知られている。さらに、その一対の光電変換部の像信号を加算し、加算した画素信号を撮像信号として用いる撮像装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−83407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術においては、一対の光電変換部からの信号をそれぞれ独立に読み出す第1のモードと、一対の光電変換部からの信号を各画素において加算して読み出す第2のモードとが設けられている。焦点検出を行う場合には第1のモードで動作し、撮像を行う場合には第2のモードで動作する。第1のモードでは第2のモードに比較して読み出し信号数が倍になるので、焦点検出時と撮像時とで相異なる信号読み出し制御を行う必要があり、信号読出し制御が複雑になるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)請求項1に記載の撮像装置は、複数の画素が複数の画素の各画素に入射する一対の光束の並び方向に配列して配置され、一対の光束をそれぞれ受光して信号を出力する第1光電変換部および第2光電変換部とが各画素に含まれ、第1光電変換部によって出力される信号と第2光電変換部によって出力される信号とが加算されて加算信号が生成されるように各画素を制御する制御部を含む撮像素子と、複数の画素から1画素につき第1光電変換部および第2光電変換部のうちの一方によって出力される信号を複数の画素の配列順に応じて交互に読み出す第1読み出し処理と、撮像素子から加算信号を読み出す第2読み出し処理とを行う読み出し手段と、読み出し手段による第1読み出し処理で読み出された信号に基づき、撮影光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出手段と、読み出し手段による第2読み出し処理で読み出された加算信号に基づき、画像を生成する画像生成手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項9に記載の撮像装置は、複数の画素が、複数の画素の各画素に入射する一対の光束の並び方向に配列して配置され、一対の光束をそれぞれ受光して信号を出力する第1光電変換部および第2光電変換部とが各画素に含まれる撮像素子と、複数の画素から1画素につき第1光電変換部および第2光電変換部のうちの一方によって出力される信号を複数の画素の配列順に応じて交互に読み出す第1読み出し処理と、複数の画素から1画素につき第1光電変換部および第2光電変換部の両方によって出力される信号を読み出す第2読み出し処理とを行う読み出し手段と、読み出し手段による第1読み出し処理で読み出された信号に基づき、撮影光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出手段と、読み出し手段による第2読み出し処理で読み出された信号に基づき、画像を生成する画像生成手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、焦点検出時の信号読み出し制御と撮像時の信号読み出し制御とを揃えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施の形態のデジタルスチルカメラの構成を示す横断面図である。
【図2】撮像素子の詳細な構成を示す正面図である。
【図3】一対の測距瞳から各焦点検出エリアに到来する一対の焦点検出光束の関係を示す図である。
【図4】一対の測距瞳から各焦点検出エリアに到来する一対の焦点検出光束の関係を示す図である。
【図5】撮像素子の回路構成概念図である。
【図6】各画素の詳細回路図である。
【図7】CDS回路の各列毎の詳細回路構成を示す図である。
【図8】各画素と制御信号線との接続を例示する図である。
【図9】撮像素子の動作タイミングチャートである。
【図10】第1読み出しモードにより読み出される信号の模式図である。
【図11】撮像素子の動作タイミングチャートである。
【図12】第2読み出しモードにより読み出される信号の模式図である。
【図13】デジタルスチルカメラの撮像動作を示すフローチャートである。
【図14】5×5画素の領域を示した図である。
【図15】交換レンズの予定結像面に設定した撮影画面上における焦点検出エリアを示す図である。
【図16】撮像素子の詳細な構成を示す正面図である。
【図17】各画素と制御信号線との接続を例示する図である。
【図18】各画素と制御信号線との接続を例示する図である。
【図19】撮像素子の動作タイミングチャートである。
【図20】各画素と制御信号線との接続を例示する図である。
【図21】各画素と制御信号線との接続を例示する図である。
【図22】撮像素子の詳細な構成を示す正面図である。
【図23】撮像素子の回路構成概念図である。
【図24】各画素と制御信号線との接続を例示する図である。
【図25】撮像素子の動作タイミングチャートである。
【図26】撮像素子の動作タイミングチャートである。
【図27】第3読み出しモードにより読み出される信号の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
−−−第1の実施の形態−−−
第1の実施の形態の撮像装置として、レンズ交換式のデジタルスチルカメラを例に挙げて説明する。図1は第1の実施の形態のデジタルスチルカメラ201の構成を示す横断面図である。本実施の形態のデジタルスチルカメラ201は、交換レンズ202とカメラボディ203とから構成され、交換レンズ202がマウント部204を介してカメラボディ203に装着される。カメラボディ203にはマウント部204を介して種々の撮影光学系を有する交換レンズ202が装着可能である。
【0009】
交換レンズ202は、レンズ209、ズーミング用レンズ208、フォーカシング用レンズ210、絞り211、レンズ駆動制御装置206などを有する。レンズ駆動制御装置206は、不図示のマイクロコンピューター、メモリ、駆動制御回路などから構成される。レンズ駆動制御装置206は、フォーカシング用レンズ210の焦点調節、絞り211の開口径調節のための駆動制御、ならびにズーミング用レンズ208、フォーカシング用レンズ210および絞り211の状態検出などを行う。また後述するボディ駆動制御装置214との通信によりレンズ情報の送信およびカメラ情報(デフォーカス量や絞り値など)の受信を行う。絞り211は、光量およびボケ量調整のために光軸中心に開口径が可変な開口を形成する。
【0010】
カメラボディ203は、撮像素子212、ボディ駆動制御装置214、液晶表示素子駆動回路215、液晶表示素子216、接眼レンズ217、メモリカード219などを備えている。撮像素子212には、画素が二次元状に配置される。この撮像素子212については詳細を後述する。
【0011】
ボディ駆動制御装置214は、マイクロコンピューター、メモリ、駆動制御回路などから構成される。ボディ駆動制御装置214は、撮像素子212の駆動制御と、画素信号の読み出しと、画素信号に基づく焦点検出演算および交換レンズ202の焦点調節とを繰り返し行うとともに、画素信号に基づく画像データの生成処理および記録、カメラの動作制御などを行う。また、ボディ駆動制御装置214は電気接点213を介してレンズ駆動制御装置206との通信を行い、レンズ情報の受信およびカメラ情報の送信を行う。
【0012】
液晶表示素子216は電気的なビューファインダー(EVF:Electronic View Finder)として機能する。液晶表示素子駆動回路215は撮像素子212から読み出された画像データに基づき、スルー画像を液晶表示素子216に表示し、撮影者は接眼レンズ217を介してスルー画像を観察することができる。メモリカード219は、撮像素子212により撮像された画像データを記憶する画像ストレージである。
【0013】
交換レンズ202を通過した光束により、撮像素子212の撮像面上に被写体像が形成される。この被写体像は撮像素子212により光電変換され、画素の出力信号がボディ駆動制御装置214へ送られる。
【0014】
ボディ駆動制御装置214は、図13を用いて後述するように、撮像制御機能および焦点検出制御機能を有する。ボディ駆動制御装置214は、撮像素子212の画素の出力信号(焦点検出信号)に基づいてデフォーカス量を算出し、このデフォーカス量をレンズ駆動制御装置206へ送る。また、ボディ駆動制御装置214は、撮像素子212の画素の出力信号(撮像信号)を処理して画像データを生成し、メモリカード219に格納するとともに、液晶表示素子駆動回路215へ送り、スルー画像を液晶表示素子216に表示させる。さらに、ボディ駆動制御装置214は、レンズ駆動制御装置206へ絞り制御情報を送って絞り211の開口制御を行う。
【0015】
レンズ駆動制御装置206は、フォーカシング状態、ズーミング状態、絞り設定状態、絞り開放F値などに応じてレンズ情報を更新する。具体的には、ズーミング用レンズ208とフォーカシング用レンズ210の位置と絞り211の絞り値とを検出し、これらのレンズ位置と絞り値とに応じてレンズ情報を演算したり、あるいは予め用意されたルックアップテーブルからレンズ位置と絞り値とに応じたレンズ情報(F値、射出瞳距離情報など)を選択する。
【0016】
レンズ駆動制御装置206は、受信したデフォーカス量に基づいてレンズ駆動量を算出し、レンズ駆動量に応じてフォーカシング用レンズ210を合焦位置へ駆動する。また、レンズ駆動制御装置206は受信した絞り値に応じて絞り211を駆動する。
【0017】
図2は、撮像素子212の詳細な構成を示す正面図であり、撮像素子212の一部を拡大て画素配列の詳細を示す。図2に示すように、撮像素子212には画素311が二次元正方格子状に稠密に配列される。矩形で示す画素311は、矩形のマイクロレンズ10と、受光領域が左右水平方向に分離された一対の光電変換部15および16とを含む。焦点検出画素311は色フィルタを有している。その色フィルタには赤フィルタ(R)、緑フィルタ(G)、青フィルタ(B)の相異なる分光感度特性を有する3種類の色フィルタが含まれ、これら3種類の色フィルタを有する3種類の画素がベイヤー配列の配置規則によって配置されている。
【0018】
画素311に入射した光束は、マイクロレンズ10により一対の光電変換部15および16上に集光される。
【0019】
図3および4は、図2に示す画素311の光電変換部15および16が受光する光束の様子を説明するための模式図であって、図2において水平方向(一対の光電変換部15および16の並び方向)の直線で光学系および画素配列の断面をとって示している。なお図においては画素の構造を簡略化して示している。
【0020】
図3および4において撮像素子212上に配列された画素の光電変換部15および16は、それらに近接して配置された不図示の遮光マスクによる開口を通過した光束をそれぞれ受光する。遮光マスク開口において光電変換部16が受光する光束が通る領域の形状は、マイクロレンズ10によりマイクロレンズ10から測距瞳距離dだけ離間した測距瞳面90上の全画素の光電変換部16全てに共通した領域96に投影される。同じく遮光マスク開口において光電変換部15が受光する光束が通る領域の形状は、マイクロレンズ10によりマイクロレンズ10から測距瞳距離dだけ離間した測距瞳面90上の全画素の光電変換部15全てに共通した領域95に投影される。一対の領域95および96を測距瞳と呼び、これがいわゆる瞳分割方式の焦点検出における分割瞳に相当する。
【0021】
従って各画素の光電変換部15は、測距瞳95と各画素のマイクロレンズ10とを通過する光束85を受光し、該光束85によって各マイクロレンズ10上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。また各画素の光電変換部16は、測距瞳96と各画素のマイクロレンズ10とを通過する光束86を受光し、該光束86によって各マイクロレンズ10上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。
【0022】
実際は、測距瞳面90において、光束は交換レンズの絞り開口により制限されており、最も明るい絞り開口径の場合においても、その開口径は測距瞳95および96を足し合わせた領域よりも小さくなるように設定される。また、図3および4において、軸91は撮影画面の中心を通る撮像画面に対する法線であって、撮影光学系の光軸に一致している。
【0023】
上述した一対の光電変換部15および16の出力を測距瞳95および96に対応した一対の出力グループにまとめることによって、測距瞳95および96をそれぞれ通過する一対の光束が画素配列上(水平方向)に形成する一対の像の強度分布に関する情報が得られる。この情報に対して像ズレ検出演算処理(相関演算処理、位相差検出処理)を施すことによって、いわゆる瞳分割型位相差検出方式による一対の像の像ズレ量が検出される。さらに、像ズレ量に対して一対の測距瞳の重心間隔と測距瞳距離との比例関係に応じた変換演算を行うことによって、焦点検出位置(垂直方向)における予定結像面と現在の結像面との偏差(デフォーカス量)が算出される。
【0024】
また各画素の一対の光電変換部15、16の出力を加算することにより、一対の光電変換部15、16の代わりに1つの光電変換部を有する通常の撮像画素と同様に、撮影光束全体を受光した場合と同等な出力が得られ、これにより画像を得ることができる。
【0025】
図5は撮像素子212の回路構成概念図であって、撮像素子212はCMOSイメージセンサーとして構成される。撮像素子212の回路構成を、水平方向4画素×垂直方向4画素のレイアウトに簡略化して説明する。
【0026】
図5において、同一行、例えば第n行に属する画素311には、垂直走査回路503から各画素311の動作を制御するために、共通の制御信号φSn、φRn、φPn、φQnが供給される。各列の画素311の出力は、列毎に共通な垂直信号線501に接続されている。各垂直信号線501は相関二重サンプリング回路(CDS回路)502に入力され、各列毎にサンプルホールドと差分処理とが行われる。CDS回路502の動作は垂直走査回路503から出力される制御信号φC1、φC2により制御される。
【0027】
CDS回路502の各列毎の出力信号は、水平走査回路504から出力される制御信号φH1〜φH4により、順次出力回路330に転送され、出力回路330で設定された増幅度で増幅されて撮像素子212の外部に出力される。
【0028】
図6は、各画素311の詳細回路図である。各画素311が有する一対の光電変換部は一対のフォトダイオードPD1およびPD2で構成される。一対のフォトダイオードPD1およびPD2は、それぞれ転送MOSトランジスタ513および514を介して浮遊拡散層(フローティングディフュージョン)FDに接続されている。転送MOSトランジスタ513および514をそれぞれ制御信号φPnおよびφQnによってONすることにより、一対のフォトダイオードPD1およびPD2で生成され、蓄積された電荷が浮遊拡散層FDに転送される。浮遊拡散層FDは増幅MOSトランジスタAMPのゲートに接続されており、増幅MOSトランジスタAMPは浮遊拡散層FDに蓄積された電荷の量に応じた信号を発生する。
【0029】
浮遊拡散層FDは、リセットMOSトランジスタ510を介し、電源電圧Vddに接続されている。制御信号φRnによりリセットMOSトランジスタ510がONすることにより、浮遊拡散層FDに溜まった電荷がクリアされリセット状態となる。
【0030】
増幅MOSトランジスタAMPの出力は、行選択MOSトランジスタ512を介して垂直出力線501に接続されている。制御信号φSnにより行選択MOSトランジスタ512がONすることにより、増幅MOSトランジスタAMPの出力が垂直出力線501に出力される。
【0031】
図6において、制御信号φPnにより転送MOSトランジスタ513をONすることにより、フォトダイオードPD1に蓄積された電荷量に対応した信号が増幅MOSトランジスタAMPから出力される。そのままの状態で次に制御信号φQnにより転送MOSトランジスタ514をONすることにより、浮遊拡散層FDにおいてフォトダイオードPD1およびPD2に蓄積された電荷量が加算され、加算された電荷量に対応し信号が増幅MOSトランジスタAMPから出力される。
【0032】
図7は、図5のCDS回路502の各列毎の詳細回路構成を示す。垂直出力線501はサンプル&ホールド回路521(画素のリセットレベル保持用)、サンプル&ホールド回路522(画素の信号レベル保持用)に入力される。垂直出力線501上の信号は制御信号φC1およびφC2がONすることにより、サンプル&ホールド回路521および522にサンプルホールドされる。差分回路523は、サンプル&ホールド回路522にサンプルホールドされた信号から、サンプル&ホールド回路521にサンプルホールドされた信号を差し引いて出力する。
【0033】
図8は、垂直走査回路503の出力する制御信号φPnおよびφQnが、各行の画素311にどのように接続されているのかについて、水平方向に隣接して配置された8画素を例にとって示した図である。この行の画素311として、緑フィルタを有する画素311g1、311g2、311g3,および311g4と、青フィルタを有する画素311b1、311b2、311b3,および311b4とが交互に配置されている。各画素の一対の光電変換部、すなわち水平方向で左側に配置された光電変換部15および右側に配置された光電変換部16からの信号転送は、同一の色フィルタを有する画素ごとに交互に制御信号φPnおよびφQnによって制御される。
【0034】
緑フィルタを有する画素311g1および311g3の光電変換部15は、転送MOSトランジスタ513を介して制御信号φPnによって制御される。緑フィルタを有する画素311g2および311g4の光電変換部16は、転送MOSトランジスタ514を介して制御信号φPnによって制御される。緑フィルタを有する画素311g1および311g3の光電変換部16は、転送MOSトランジスタ514を介して制御信号φQnによって制御される。緑フィルタを有する画素311g2および311g4の光電変換部15は、転送MOSトランジスタ513を介して制御信号φQnによって制御される。
【0035】
青フィルタを有する画素311b1および311b3の光電変換部15は、転送MOSトランジスタ513を介して制御信号φPnによって制御される。青フィルタを有する画素311b2および311b4の光電変換部16は、転送MOSトランジスタ514を介して制御信号φPnによって制御される。青フィルタを有する画素311b1および311b3の光電変換部16は、転送MOSトランジスタ514を介して制御信号φQnによって制御される。青フィルタを有する画素311b2および311b4の光電変換部15は、転送MOSトランジスタ513を介して制御信号φQnによって制御される。
【0036】
撮像素子の動作には2つの動作モード、すなわち第1読み出しモードと第2読み出しモードとがある。第1読み出しモードにおいては、撮像によって生成された画像を記録するための通常の画素信号出力動作、すなわち全画素からフォトダイオードPD1およびPD2の加算出力信号を読み出す動作を行う。第2読み出しモードにおいては、焦点検出を行うために焦点検出位置に対応した行に配置された画素からは、フォトダイオードPD1またはPD2の一方の出力信号を読み出すとともに、それ以外の行の画素からは電子ビューファインダーに画像情報を表示するためにフォトダイオードPD1およびPD2の加算出力信号を読み出す動作を行う。撮像素子は、ボディ駆動制御装置214からの制御信号に応じて第1読み出しモードと第2読み出しモードとを切り替えるとともに、垂直走査回路503、水平走査回路504は読み出しモードに応じて上述した各種制御信号のタイミングを変更する。
【0037】
図9は、第1読み出しモードにおける図5に示す撮像素子の動作タイミングチャートである。時刻t0において、1行目の画素311は垂直走査回路503が発する制御信号φS1により選択される。制御信号φR1は時刻t0にONとなり、1行目の画素311の浮遊拡散層FDはリセットレベルにリセットされる。時刻t1に制御信号φR1がOFFするとともに、制御信号φC1がONし、各列の画素311のリセットレベルが各列毎にCDS回路502によりサンプルホールドされる。制御信号φC1がOFFした後、時刻t2に制御信号φP1、φQ1が同時にONとなり、浮遊拡散層FD部にて一対の光電変換部15,16に蓄積された電荷が加算され、加算された電荷量に応じた電気信号が垂直信号線501に出力される。時刻t3に制御信号φP1、φQ1が同時にOFFとなるとともに、制御信号φC2がONし、各列の画素311の加算信号レベルが各列毎にCDS回路502によりサンプルホールドされる。CDS回路502はこの時点において、加算信号レベルからリセットレベルを差し引いた信号を出力する。制御信号φC2がOFFした後、時刻t4に制御信号φS1がOFFするとともに、CDS回路502の各列毎の加算信号が水平走査回路504から順次発せられる走査信号φH1〜φH4にしたがって出力回路330に転送され、出力回路330で設定された増幅度で増幅されて撮像素子212の外部に出力される。
【0038】
1行目の画素311の加算信号の出力回路330からの出力が終了した時刻t5の時点で、2行目の画素311は垂直走査回路503が発する制御信号φS2により選択され、上述の動作と同様にして2行目の画素311の加算信号の出力回路330からの出力が行われる。続いて3行目、4行目の加算信号の出力回路330からの出力が行われる。全ての画素311の加算信号の出力が終了すると、再び1行目に戻って上記動作が周期的に繰り返される。
【0039】
図10は、図8に示す画素配列において第1読み出しモードにより読み出される信号の模式図である。緑フィルタを有する画素311g1、311g2、311g3,および311g4からは、光電変換部15の信号と光電変換部16の信号との加算信号Gxが読み出される。青フィルタを有する画素311b1、311b2、311b3,および311b4からは、光電変換部15の信号と光電変換部16の信号との加算信号Bxが読み出される。
【0040】
図11は、第2読み出しモードにおける図5に示す撮像素子212の動作タイミングチャートである。焦点検出位置に対応した3行目に配置された画素311のみ、焦点検出用に一対の光電変換部15および16のうちの一方の信号を出力し、その他の行(1行目、2行目、4行目)については第1読み出しモードと同様に各画素311から加算信号を読み出す。
【0041】
1行目、2行目の画素311の加算信号の出力は図9のタイミングチャートと同様な動作で行われる。2行目の画素311の加算信号の出力回路330からの出力が終了した時刻t10の時点で、3行目の画素311は垂直走査回路503が発する制御信号φS3により選択される。制御信号φR3は時刻t10にONとなり、3行目の画素311の浮遊拡散層FDはリセットレベルにリセットされる。時刻t11に制御信号φR3がOFFするとともに、制御信号φC1がONし、各列の画素311のリセットレベルが各列毎にCDS回路502によりサンプルホールドされる。制御信号φC1がOFFした後、時刻t12に制御信号φP3がONとなり、浮遊拡散層FDにて各画素311の一対の光電変換部15および16の一方に蓄積された電荷が転送され、転送された電荷量に応じた電気信号が垂直信号線501に出力される。時刻t13に制御信号φP3がOFFとなるとともに、制御信号φC2がONし、各列の画素311の一対の光電変換部15および16のうちの一方に蓄積された電荷量に応じた信号レベルが各列毎にCDS回路502によりサンプルホールドされる。CDS回路502はこの時点において、各画素311の一対の光電変換部15および16のうちの一方に蓄積された電荷量に応じた信号レベルからリセットレベルを差し引いた信号を出力する。制御信号φC2がOFFした後、時刻t14に制御信号φQ3がONとなり、各画素311の一対の光電変換部のうちの他方に蓄積された電荷が浮遊拡散層FDにて転送され、光電変換部に蓄積された電荷がクリアされる。時刻t15以降、CDS回路502の各列毎の出力が水平走査回路504から順次発せられる走査信号φH1〜φH4にしたがって出力回路330に転送され、出力回路330で設定された増幅度で増幅されて撮像素子212の外部に出力される。
【0042】
3行目の画素311の信号の出力が終了すると、4行目の画素311の加算信号の出力が図9のタイミングチャートと同様な動作で行われる。4行目の画素311の加算信号の出力が終了すると、再び1行目に戻って上記動作が周期的に繰り返される。
【0043】
以上の動作により3行目に配置された画素311においては、緑フィルタを有する画素311からは、光電変換部15の信号と光電変換部16の信号とが画素311の並び順で交互(光電変換部15の信号、光電変換部16の信号、光電変換部15の信号、光電変換部16の信号、・・・)に出力される。また、3行目に配置された青フィルタを有する画素311からも、光電変換部15の信号と光電変換部16の信号とが画素311の並び順で交互(光電変換部15の信号、光電変換部16の信号、光電変換部15の信号、光電変換部16の信号、・・・)に出力される。
【0044】
図12は、図8に示す画素配列において第2読み出しモードにより読み出される信号の模式図である。緑フィルタを有する画素311g1、311g2、311g3,および311g4からは、光電変換部15の単独信号Gaと光電変換部16の単独信号Gbとが画素の並び順に交互に読み出される。青フィルタを有する画素311b1、311b2、311b3,および311b4からは、光電変換部15の単独信号Baと光電変換部16の単独信号Bbとが画素の並び順に交互に読み出される。
【0045】
図11のタイミングチャートでは、3行目の画素311のみ、焦点検出用に一対の光電変換部15および16のうちの一方の信号を出力するとして説明した。しかし、単独信号を出力する画素行はボディ駆動制御装置214からの選択信号に応じて変更可能であり、垂直走査回路503、水平走査回路504は、選択された画素行に応じて上述した各種制御信号のタイミングを変更することができる。
【0046】
図13は、本実施の形態のデジタルスチルカメラ201の撮像動作を示すフローチャートである。図13に示す各処理ステップは、ボディ駆動制御装置214によって実行される。ボディ駆動制御装置214により、ステップS100でデジタルスチルカメラ201の電源がオンされると、撮像素子212は一定周期で撮像動作を繰り返す(例えば1秒間に60フレームを出力する)動作が開始される。ステップS110において、第2読み出しモードで1フレーム分のデータを読み出す。なお第2読み出しモードにおいて焦点検出用に一対の光電変換部のうちの一方の信号(単独信号)を読み出す行は、不図示の操作部材によりユーザーが選択した撮影画面中の一部の領域(焦点検出エリア)の、撮影画面中の垂直方向位置に対応した行である。
【0047】
ステップS120においては、第2読み出しモードで単独信号を読み出した行に配置された画素311の撮像信号として、該行の上下に隣接する行の加算信号に基づく補間処理によって補間信号を生成する。この補間処理の詳細については後述する。
【0048】
続くステップS130では、加算信号と補間信号とを表示データとして表示画像を生成し、液晶表示素子216にライブビュー表示させる。
【0049】
ステップS140では、ステップS110で読み出された単独信号のうち、選択された焦点検出エリアの画面中の水平方向の領域に対応する範囲の列に配置された画素311の一対の画素信号(光電変換部15の信号および光電変換部16の信号)に基づき、撮影光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出を行い、デフォーカス量を算出する。デフォーカス量の信頼性が低い場合またはデフォーカス量の算出が不能であった場合は焦点検出不能となる。
【0050】
ステップS150で合焦近傍か否か、すなわち算出されたデフォーカス量の絶対値が所定値以内であるか否かを調べる。合焦近傍でないと判定された場合はステップS160へ進み、デフォーカス量をレンズ駆動制御装置206へ送信し、交換レンズ202のフォーカシング用レンズ210を合焦位置に駆動させる。その後、ステップS110へ戻って上述した動作を繰り返す。
【0051】
なお、焦点検出不能な場合もこのステップに分岐し、レンズ駆動制御装置206へスキャン駆動命令を送信し、交換レンズ202のフォーカシング用レンズ210を無限から至近までの間でスキャン駆動させる。その後、ステップS110へ戻って上述した動作を繰り返す。
【0052】
ステップS150で合焦近傍であると判定された場合はステップS170へ進み、シャッターボタン(不図示)の操作によりシャッターレリーズがなされたか否かを判別する。シャッターレリーズがなされていないと判定された場合はステップS110へ戻り、上述した動作を繰り返す。一方、シャッターレリーズがなされたと判定された場合はステップS180へ進み、レンズ駆動制御装置206へ絞り調整命令を送信し、交換レンズ202の絞り値を制御F値(撮影者により設定されたF値または自動設定されたF値)にする。絞り制御が終了した時点で、撮像素子212に被写体輝度に応じた露光時間による撮像動作を行わせ、撮像素子212の全画素311から第1読み出しモードにて加算信号を読み出し、該加算信号に所定の画像処理を施して画像データを生成する。
【0053】
続くステップS190では、生成された画像データをメモリカード219に記憶させ、ステップS110へ戻って上述した動作を繰り返す。
【0054】
次に図13のステップS140におけるデフォーカス量の算出、およびその算出に用いられる一般的な像ズレ検出演算処理(相関演算処理)の詳細は、特開2010−129783号公報に開示されており、その像ズレ量に変換係数を乗じてデフォーカス量が算出される。第2読み出しモードにて単独信号が読み出された行には緑フィルタを有する画素311と青フィルタを有する画素311とが配置されていたとすると、緑フィルタを有する画素311のデータおよび青フィルタを有する画素311のデータからそれぞれデフォーカス量が算出される。
【0055】
緑フィルタを有する画素311の出力信号に基づきデフォーカス量が算出され、同様にして青フィルタを有する画素311の出力信号に基づきデフォーカス量が算出されるので、両者を平均して、選択された焦点検出エリアの最終的なデフォーカス量とする。
【0056】
次に図13のステップS120で行われる補間処理の詳細について説明する。図14は5×5画素の領域を示した図である。黒丸●で示した行(緑画素G32およびG34と青画素B31、B33およびB35とが配置された行)から焦点検出用の単独信号が読み出される。この行の上下に配置された第m行第n列(m=1,2,...,5,n=1,2,...,5)の画素の緑画素、青画素、赤画素の加算信号Gmn、Bmn、Rmnとすれば、単独信号が読み出された3行目、2列目の緑画素の加算信号G32は、該画素の周囲の4つの緑画素の加算信号の平均値として次式(1)のように補間される。
G32=(G21+G23+G41+G43)/4 (1)
【0057】
また3行目、3列目の青画素の加算信号B33は、該画素の周囲の6つの青画素の加算信号の平均値として次式(2)のように補間される。
B33=(B11+B13+B15+B51+B53+B55)/6 (2)
【0058】
以上のようにして、第2読出しモードにより単独信号が読み出された画素については、該画素の周囲に配置された画素の加算信号に基づき補間処理により補間信号が生成される。
【0059】
本実施の形態では、1画素に一対の光電変換部を有する画素を含む撮像素子から画素信号を読み出す場合、撮像信号(加算信号)のみを読み出す第1読み出しモード、および一部焦点検出用の信号(単独信号)を読み出す第2読み出しモードのいずれの読み出しモードにおいても、各画素から1つの信号しか読み出さない。そのため、各行の出力信号数が同一となり、読出し制御(垂直走査回路のリセット信号、行選択信号、水平走査回路の走査信号)を2つのモードで共通化することができるとともに、読み出す側においても、信号の出力順と画素の配置とが1対1に対応しているので、後処理が容易になる。
【0060】
−−−変形例−−−
(1)上述した実施の形態では、第2読み出しモードにおいて、選択された焦点検出エリアの位置に応じて1つの行が選択され、その行において単独信号の読み出しが行われている。しかし、複数の行を同時に選択するとともに、該複数の行において単独信号の読み出しを行うようにしてもよい。
【0061】
例えば焦点検出エリアの範囲が比較的広い場合には、焦点検出エリアの、撮影画面中の垂直方向の範囲における複数の行を選択して、該複数の行において単独信号の読み出しを行う。
【0062】
(2)上述した実施の形態では、第2読み出しモードにおいて、選択された焦点検出エリアの位置に応じて1つの行が選択され、その行において制御信号φPnにより単独信号の読み出しが行われている。しかし、制御信号φPnの代わりに制御信号φQnにより単独信号の読み出しを行うようにしてもよい。
【0063】
また制御信号φPnによる単独信号の読み出しと制御信号φQnによる単独信号の読み出しとをフレーム毎に交互におこなうようにしてもよい。フレーム毎に異なる組の信号を用いて算出されたデフォーカス量を平均することにより、より高精度な焦点検出を行うことができる。
【0064】
(3)上述した実施の形態においては、撮像素子のすべての画素が一対の光電変換部を有するとして説明を行ったが、本発明はそれに限定されることなく、撮像素子の一部の画素が一対の光電変換部を有する構成にも適用可能である。
【0065】
図15は、交換レンズ202の予定結像面に設定した撮影画面上における焦点検出エリアの配置を示す図である。図15は、撮像素子212上における一対の光電変換部を含む焦点検出画素の配列を用いた焦点検出において、撮影画面上で像がサンプリングされる領域(焦点検出エリア、焦点検出位置)を示した一例である。この例では、矩形の撮影画面100上の中央(光軸上)および上下左右の5箇所に焦点検出エリア101〜105が配置される。長方形で示す焦点検出エリアの長手方向に、焦点検出画素が直線的に配列される。焦点検出エリア101、102、103、104、105においては焦点検出画素が水平方向に配列される。
【0066】
図16は撮像素子212の詳細な構成を示す正面図であり、図15における焦点検出エリア101、102、103、104、105のうちの任意の焦点検出エリアの近傍を拡大した画素配列の詳細を示す。各撮像画素310は、1つの光電変換部11を有している。撮像素子212には周知の撮像画素310が二次元正方格子状に稠密に配列される。撮像画素310は赤画素(R)、緑画素(G)、青画素(B)からなり、ベイヤー配列の配置規則によって配置されている。図16においては、焦点検出用に、撮像画素と同一の画素サイズを有し、かつ一対の光電変換部を有する焦点検出画素311が水平方向に、本来緑画素と青画素とが連続的に配置されるべき水平行に直線的に連続して配列される。焦点検出画素311には本来その位置に配置されるべき撮像画素と同じ色の色フィルタが設けられている。
【0067】
図17は、緑フィルタを有する撮像画素310および焦点検出画素311と青フィルタを有する撮像画素310および焦点検出画素311とが配置された第n行において、垂直走査回路503の出力する制御信号φPnおよびφQnが、撮像画素310および焦点検出画素311にどのように接続されているのかについて、水平方向に隣接して配置された撮像画素310と焦点検出画素311との境界を含む8画素を例にとって示した図である。図17において、最初の4画素には緑フィルタを有する撮像画素310g1および310g2と青フィルタを有する撮像画素310b1および310b2とが交互に配置されている。続く4画素には緑フィルタを有する焦点検出画素311g1および311g2と青フィルタを有する焦点検出画素311b1および311b2とが交互に配置される。
【0068】
撮像画素310の回路構成は図6と略同一である。相違点は、撮像画素310が2つのフォトダイオードPD1およびPD2で構成される一対の光電変換部を有する代わりに1つの光電変換部のみを有する点である。、該1つの光電変換部を構成する1つのフォトダイオードは、転送MOSトランジスタ515を介して浮遊拡散層FDに接続される。
【0069】
撮像画素310、すなわち緑画素310g1および310g2,ならびに青画素310b1および310b2の各々が有する1つの光電変換部17からの信号転送は、転送MOSトランジスタ515を介しすべて制御信号φPnによって制御される。
【0070】
焦点検出画素311が有する一対の光電変換部、すなわち水平方向で左側に配置された光電変換部15および右側に配置された光電変換部16からの信号転送は、同一の色フィルタを有する画素毎に交互に制御信号φPnおよびφQnによって制御される。
【0071】
緑フィルタを有する焦点検出画素311g1の光電変換部15は、転送MOSトランジスタ513を介して制御信号φPnによって制御される。緑フィルタを有する焦点検出画素311g2の光電変換部16は、転送MOSトランジスタ514を介して制御信号φPnによって制御される。緑フィルタを有する焦点検出画素311g1の光電変換部16は、転送MOSトランジスタ514を介して制御信号φQnによって制御される。緑フィルタを有する焦点検出画素311g2の光電変換部15は、転送MOSトランジスタ513を介して制御信号φQnによって制御される。
【0072】
青フィルタを有する焦点検出画素311b1の光電変換部15は、転送MOSトランジスタ513を介して制御信号φPnによって制御される。青フィルタを有する焦点検出画素311b2の光電変換部16は、転送MOSトランジスタ514を介して制御信号φPnによって制御される。青フィルタを有する焦点検出画素311b1の光電変換部16は、転送MOSトランジスタ514を介して制御信号φQnによって制御される。青フィルタを有する焦点検出画素311b2の光電変換部15は、転送MOSトランジスタ513を介して制御信号φQnによって制御される。
【0073】
焦点検出画素311が配置されていない行においては、すべての撮像画素310からの信号転送は制御信号Pnにより制御され、制御信号Qnの信号線は配線されない。
【0074】
図17に示す撮像画素と焦点検出画素とが図5に示す4×4画素のレイアウトの3行目に2画素ずつ配列されているとした場合、1行目、2行目、4行目には撮像画素のみが配置されている。このとき、第1読み出しモードにおいては、図9と同様な撮像素子の動作タイミングチャートに応じて、全画素の信号、すなわち撮像画素310の信号および焦点検出画素311の加算信号が読み出される。ただし図9における制御信号φQ1、φQ2、φQ4は不要となる。
【0075】
以上の動作により第1読み出しモードにおいては、全画素において、撮像画素における画素信号と同等な画像信号を得ることが出来る。
【0076】
また、第2読み出しモードにおいては、図11と同様な撮像素子の動作タイミングチャートに応じて、撮像画素310の信号および焦点検出画素311の単独信号が読み出される。ただし図11における制御信号φQ1、φQ2、φQ4は不要となる。
【0077】
第2読み出しモードの場合、選択された焦点検出位置に対応した行に配置された焦点検出画素311においては、緑フィルタを有する画素311からは、光電変換部15の信号と光電変換部16の信号とが画素311の並び順で交互(光電変換部15の信号、光電変換部16の信号、光電変換部15の信号、光電変換部16の信号、・・・)に出力される。青フィルタを有する焦点検出画素311からも、光電変換部15の信号と光電変換部16の信号とが画素311の並び順で交互(光電変換部15の信号、光電変換部16の信号、光電変換部15の信号、光電変換部16の信号、・・・)に出力される。
【0078】
選択された焦点検出位置に対応した行に焦点検出画素311とともに配置された撮像画素310からは、光電変換部17の信号が読み出される。第2読み出しモードの場合、選択された焦点検出位置に対応していない行に配置された撮像画素310および焦点検出画素311からは、撮像画素310の信号および焦点検出画素311の加算信号が読み出される。撮像画素310のみが配列された行においては、撮像画素310の信号が読み出される。
【0079】
以上の動作により第2読み出しモードにおいては、撮像画素310からは撮像信号が読み出されるが、焦点検出画素311からは撮像信号と同等な画像信号が得られない。そのため、第1の実施の形態と同様に、図13のステップS120において、ボディ駆動制御装置214は、第2読み出しモードで単独信号を読み出した行に配置された焦点検出画素311の撮像信号として、該行の上下に隣接する行の撮像画素310の撮像信号に基づく補間処理によって補間信号を生成する。続くステップS130では、加算信号と補間信号とを表示データとして表示画像を生成し、液晶表示素子216にライブビュー表示させる。
【0080】
このように、一対の光電変換部を備えた焦点検出画素と1つの光電変換部を備えた撮像画素とを混在させた場合であっても、画素数と読み出し信号数との関係が焦点検出画素の数によらず不変であるため、信号読出し制御が複雑化しない。
【0081】
(4)上述した変形例(3)における図17の各画素と制御信号の信号線との接続関係に関して、焦点検出画素311からの単独信号の読出しは制御信号φPnによって制御されている。しかし、その接続関係を図18に示す接続関係に変更することにより、焦点検出画素311からの単独信号の読出しを制御信号φPnおよびφQnの両方により制御することも可能である。図18において撮像画素310、すなわち緑画素310g1および310g2,ならびに青画素310b1および310b2の各々が有する1つの光電変換部17からの信号転送は、転送MOSトランジスタ515を介し制御信号φPnによって制御されるとともに、転送MOSトランジスタ515と並列して配置された転送MOSトランジスタ516を介し制御信号φQnによっても制御される。従って、焦点検出画素311からの単独信号の読出しを制御信号φQnによって制御する場合においても、撮像画素310から撮像信号を読み出すことができる。
【0082】
図18に示す撮像画素310と焦点検出画素311とが、図5に示す4×4画素のレイアウトの3行目に2画素ずつ配列されているとした場合、1行目、2行目、4行目には撮像画素のみが配置されている。このとき、第1読み出しモードにおいては、図9と同様な撮像素子の動作タイミングチャートに応じて、全画素の信号、すなわち撮像画素310の信号および焦点検出画素311の加算信号が読み出される。ただし図9における制御信号φQ1、φQ2、φQ4は不要となる。
【0083】
また、第2読み出しモードにおいては、図19に示す撮像素子の動作タイミングチャートに応じて、撮像画素310の信号および焦点検出画素311の単独信号が読み出される。
【0084】
図19の動作タイミングチャートにおいては、焦点検出位置に対応した3行目に配置された焦点検出画素311のみ、焦点検出用に一対の光電変換部15および16のうちの一方の信号を出力し、その他の行(1行目、2行目、4行目)については第1読み出しモードと同様に各撮像画素310から撮像信号を読み出す。フレーム毎に焦点検出用に読み出す一対の光電変換部15および16のうちの一方の信号を他方の信号に入れ替える。
【0085】
図19の動作タイミングチャートは、制御信号φQ1、φQ2、φQ4がないことを除けば図18の動作タイミングチャートと略同一である。
【0086】
図19において3行目の焦点検出画素311の信号を読み出す場合、時刻t12に制御信号φP3が立ち上がり、焦点検出用に一対の光電変換部15および16のうちの一方の信号を出力する。この信号が制御信号C2によりサンプルホールドされた後の時刻t14に制御信号φQ3が立ち上がり、焦点検出用に一対の光電変換部15および16のうちのもう一方の信号をリセットする。
【0087】
次のフレームにおいて3行目の焦点検出画素311の信号を読み出す場合、時刻t32に制御信号φQ3が立ち上がり、焦点検出用に一対の光電変換部15および16のうちの一方の信号を出力する。この信号が制御信号C2によりサンプルホールドされた後の時刻t34に制御信号φP3が立ち上がり、焦点検出用に一対の光電変換部15および16のうちのもう一方の信号をリセットする。
【0088】
以上のように焦点検出画素311の一対の光線変換部15および16のうちの一方が、フレームごとに交互に焦点検出用の単独信号として読み出される。フレーム毎に異なる組の信号を用いて算出されたデフォーカス量を平均することにより、より高精度な焦点検出を行うことができる。
【0089】
(5)上述した実施の形態においては、撮像素子のすべての画素が一対の光電変換部を有するとして説明を行ったが、本発明はそれに限定されることなく、撮像素子の一部の画素が一対の光電変換部を有する構成にも適用可能である。
【0090】
例えば図2において緑フィルタを有する画素311のみが一対の光電変換部15および16を有し、赤フィルタを有する画素311および青フィルタを有する画素311の各々を、1つの光電変換部17を有する撮像画素310に置き換えた場合にも本発明を適用可能である。
【0091】
図20はこのような場合、垂直走査回路503の出力する制御信号φPnおよびφQnが、各行の画素にどのように接続されているのかを、図8に対応させて水平方向に隣接して配置された8画素を例にとって示した図である。
【0092】
図20においては、図8と異なり、青フィルタを有する撮像画素310は1つの光電変換部17を有している。撮像画素310、すなわち青画素310b1、310b2、310b3、および310b4の各々が有する光電変換部17からの信号転送は、転送MOSトランジスタ515を介しすべて制御信号φPnによって制御される。
【0093】
以上のような構成において、図17で示した構成において行った信号読み出し動作と同じ読出し動作を行うと、第1読み出しモードにおいては、全画素から撮像画素310と同等な画像信号、すなわち撮像画素310においては撮像信号、焦点検出画素311においては加算信号を得ることが出来る。
【0094】
第2読み出しモードの場合、選択された焦点検出位置に対応した行に配置された焦点検出画素311においては、緑フィルタを有する画素311からは、光電変換部15の信号と光電変換部16の信号とが画素311の並び順で交互(光電変換部15の信号、光電変換部16の信号、光電変換部15の信号、光電変換部16の信号、・・・)に出力される。青フィルタを有する撮像画素310からは光電変換部17の信号が読み出される。
【0095】
(6)上述した実施の形態においては、撮像素子のすべての画素がベイヤー配列により規定された色フィルタを有するとして説明を行ったが、本発明はそれに限定されることなく、モノクロの撮像素子にも適用可能である。
【0096】
図21は、モノクロの撮像素子において、垂直走査回路503の出力する制御信号φPnおよびφQnが水平行の画素にどのように接続されているのかを、図8に対応させて水平方向に隣接して配置された4画素を例にとって示した図である。
【0097】
図21において、水平行には色フィルタのない画素311w1、311w2、311w3,および311w4が隣接して配置されている。各画素が有する一対の光電変換部、すなわち水平方向で左側に配置された光電変換部15および右側に配置された光電変換部16からの信号転送は、画素毎に交互に制御信号φPnおよびφQnによって制御される。
【0098】
画素311w1および311w3の各々の光電変換部15は、転送MOSトランジスタ513を介して制御信号φPnによって制御される。画素311w2および311w4の各々の光電変換部16は、転送MOSトランジスタ514を介して制御信号φPnによって制御される。画素311w1および311w3の各々の光電変換部16は、転送MOSトランジスタ514を介して制御信号φQnによって制御される。画素311w2および311w4の各々の光電変換部15は、転送MOSトランジスタ513を介して制御信号φQnによって制御される。
【0099】
以上のような構成において、図9で示した撮像素子の動作タイミングチャートに基づいて第1読み出しモードの信号読出し動作を行うと、全画素から撮像画素310と同等な画像信号(加算信号)を得ることが出来る。
【0100】
また図11で示した撮像素子の動作タイミングチャートに基づいて第2読み出しモードの信号読出し動作を行った場合、選択された焦点検出位置に対応した行の画素311からは、光電変換部15の信号と光電変換部16の信号とが画素311の並び順で交互(光電変換部15の信号、光電変換部16の信号、光電変換部15の信号、光電変換部16の信号、・・・)に出力される。
【0101】
(7)上述した実施の形態では、一対の光電変換部15および16が水平方向に並んだ画素311が水平方向に配置されており、第2読出しモードにおいては、水平方向に配列された画素311から単独信号の読み出しが行われている。しかし、本発明はそれに限定されることはなく、例えば一対の光電変換部が垂直方向に並んだ画素が垂直方向に配置された列から単独信号の読み出しを行っても良い。
【0102】
図22は、一対の光電変換部25および26が垂直方向に並んだ画素411を有する撮像素子212の部分拡大図(正面図)である。各画素411はマイクロレンズ10と色フィルタとを有している。
【0103】
図23は、図22に示す撮像素子212の回路構成概念図である。撮像素子212はCMOSイメージセンサーとして構成される。撮像素子212の回路構成を、水平方向4画素×垂直方向4画素のレイアウトに簡略化して説明する。
【0104】
同一の第n行に属する画素411には、垂直走査回路503から各画素411の動作を制御するために共通の制御信号φSn、φRn、φPnが供給される。同一の第m列に属する画素411には、列選択回路505から各画素411の動作を制御するために共通の制御信号φZmが供給される。
【0105】
各列の画素411の出力は列毎に共通な垂直信号線501に接続されており、各垂直信号線501は相関二重サンプリング回路(CDS回路)502に入力され、各列毎にサンプルホールドと差分処理とが行われる。CDS回路502の動作は垂直走査回路503から出力される制御信号φC1、φC2により制御される。
【0106】
CDS回路502の各列毎の出力信号は、水平走査回路から出力される制御信号φH1〜φH4により、順次出力回路330に転送され、出力回路330で設定された増幅度で増幅されて撮像素子212の外部に出力される。
【0107】
各画素411の詳細回路は図6と同様であるが、制御信号φQnの代わりに制御信号φZmが供給される点が異なる。画素411の光電変換部25の信号は、該制御信号φZmによって制御される転送MOSトランジスタ519と制御信号φPnによって制御される転送MOSトランジスタ517とを介して浮遊拡散層FDに接続される。光電変換部26の信号は、制御信号φPnによって制御される転送MOSトランジスタ518を介して浮遊拡散層FDに接続される。
【0108】
制御信号φZmにより転送MOSトランジスタ519をOFFにして、制御信号φPnにより転送MOSトランジスタ517,518をONすることにより、光電変換部26に蓄積された電荷量に応じた信号が単独信号として読み出される。また制御信号φZmにより転送MOSトランジスタ519をONにして、制御信号φPnにより転送MOSトランジスタ517,518をONすることにより、光電変換部26に蓄積された電荷量と光電変換部25に蓄積された電荷量とが加算された信号が加算信号として読み出される。
【0109】
図24は、垂直走査回路503の出力する制御信号φPn、および列選択回路505の出力する制御信号φZnが、各列の画素411にどのように接続されているのかについて、垂直方向に隣接して配置された4画素を例にとって示した図である。この列の画素411として、緑フィルタを有する画素411g1および411g2と青フィルタを有する画素411b1および411b2とが交互に配置されている。各画素の一対の光電変換部、すなわち垂直方向で上側に配置された光電変換部25および下側に配置された光電変換部26からの信号転送は、同一の色フィルタを有する画素毎に交互に制御信号φPnおよびφZmによって制御される。
【0110】
緑フィルタを有する画素411g1の光電変換部25および画素411g2の光電変換部26からの電荷転送は、転送MOSトランジスタ517を介して制御信号φPnおよびφP(n+2)によって制御されるとともに、転送MOSトランジスタ519を介して制御信号φZmによって制御される。緑フィルタを有する画素411g1の光電変換部26および画素411g2の光電変換部25からの電荷転送は、転送MOSトランジスタ518を介して制御信号φPnおよびφP(n+2)によって制御される。
【0111】
青フィルタを有する画素411b1の光電変換部25および画素411b2の光電変換部26からの電荷転送は、転送MOSトランジスタ517を介して制御信号φP(n+1)およびφP(n+3)によって制御されるとともに、転送MOSトランジスタ519を介して制御信号φZmによって制御される。青フィルタを有する画素411b1の光電変換部26および画素411b2の光電変換部25からの電荷転送は、転送MOSトランジスタ518を介して制御信号φP(n+1)およびφP(n+3)によって制御される。
【0112】
図25は、加算信号が読み出される第1読み出しモードにおける図24に示す撮像素子の動作タイミングチャートである。列選択回路については、制御信号φZ1〜φZ4を常にONに設定する。時刻t20において、1行目の画素411は垂直走査回路503が発する制御信号φS1により選択される。制御信号φR1は時刻t20にONとなり、1行目の画素411の浮遊拡散層FDはリセットレベルにリセットされる。時刻t21に制御信号ΦR1がOFFするとともに、制御信号φC1がONし、各列の画素411のリセットレベルが各列毎に図23に示すCDS回路502によりサンプルホールドされる。制御信号φC1がOFFした後、時刻t22に制御信号φP1がONとなり、FD部にて一対の光電変換部25,26に蓄積された電荷が加算され、加算された電荷量に応じた電気信号が垂直信号線501に出力される。時刻t23に制御信号φP1がOFFとなるとともに、制御信号φC2がONし、各列の画素411の加算信号レベルが各列毎にCDS回路502によりサンプルホールドされる。CDS回路502はこの時点において、加算信号レベルからリセットレベルを差し引いた信号を出力する。制御信号φC2がOFFした後、時刻t24に制御信号φS1がOFFするとともに、CDS回路502の各列毎の加算信号が水平走査回路504から順次発せられる走査信号φH1〜φH4にしたがって出力回路330に転送され、出力回路330で設定された増幅度で増幅されて撮像素子212の外部に出力される。
【0113】
1行目の画素411の加算信号の出力回路330からの出力が終了した時刻t25の時点で、2行目の画素411は垂直走査回路503が発する制御信号ΦS2により選択され、上述の動作と同様にして2行目の画素411の加算信号の出力回路330からの出力が行われる。続いて3行目、4行目の加算信号の出力回路330からの出力が行われる。全ての画素411の加算信号の出力が終了すると、再び1行目に戻って上記動作が周期的に繰り返される。
【0114】
図26は、加算信号と単独信号とが読み出される第2読み出しモードにおける図24に示す撮像素子の動作タイミングチャートである。焦点検出位置に対応した3列目に配置された画素411のみ、焦点検出用に一対の光電変換部25および26のうちの一方の信号を出力し、その他の行(1列目、2列目、4列目)については第1読み出しモードと同様に各画素411から加算信号を読み出す。
【0115】
列選択回路505は、制御信号φZ1、φZ2、φZ4を常にONに設定するとともに、制御信号φZ3を常にONに設定する。時刻t0において1行目の画素411は垂直走査回路503が発する制御信号φS1により選択される。制御信号φR1は時刻t20にONとなり、1行目の画素の浮遊拡散層FDはリセットレベルにリセットされる。時刻t21に制御信号φR1がOFFするとともに、制御信号φC1がONし、各列の画素411のリセットレベルが各列毎にCDS回路502によりサンプルホールドされる。制御信号φC1がOFFした後、時刻t22に制御信号φP1がONとなり、浮遊拡散層FDにて1列目、2列目、4列目の画素411の一対の光電変換部25および26に蓄積された電荷が加算され、加算された電荷量に応じた電気信号が垂直信号線501に出力される。3列目の画素411については、一対の光電変換部のうちの一方、例えば光電変換部26に蓄積された電荷量に応じた電気信号が垂直信号線501に出力される。時刻t23に制御信号φP1がOFFとなるとともに、制御信号φC2がONし、1列目、2列目、4列目の画素411の加算信号レベルと、3列目の画素411の単独信号レベルとが各列毎にCDS回路502によりサンプルホールドされる。CDS回路502はこの時点において、信号レベルからリセットレベルを差し引いた信号を出力する。制御信号φC2がOFFした後、時刻t24に制御信号φS1がOFFするとともに、CDS回路502の各列毎の信号が水平走査回路504から順次発せられる走査信号φH1〜φH4にしたがって出力回路330に転送され、出力回路330で設定された増幅度で増幅されて撮像素子212の外部に出力される。
【0116】
1行目の画素411の信号の出力回路330からの出力が終了した時刻t25の時点で、2行目の画素411は垂直走査回路503が発する制御信号φS2により選択され、上述の動作と同様にして2行目の画素411の信号の出力回路330からの出力が行われる。この際2行目かつ3列目の画素411からは光電変換部26に蓄積された電荷量に応じた単独信号が出力される。続いて3行目、4行目の信号の出力回路330からの出力が行われ、3行目かつ3列目の画素411、および4行目かつ3列目の画素411からは光電変換部25に蓄積された電荷量に応じた単独信号が出力される。全ての画素411の信号の出力が終了すると、再び1行目に戻って上記動作が周期的に繰り返される。
【0117】
以上の動作により3列目に配置された画素411においては、緑フィルタを有する画素411からは、光電変換部25の信号と光電変換部26の信号とが画素411の並び順で交互(光電変換部25の信号、光電変換部26の信号、光電変換部25の信号、光電変換部26の信号、・・・)に出力される。また、3列目に配置された青フィルタを有する画素411からも、光電変換部25の信号と光電変換部26の信号とが画素411の並び順で交互(光電変換部25の信号、光電変換部26の信号、光電変換部25の信号、光電変換部26の信号、・・・)に出力される。
【0118】
なお単独信号を出力する画素列はボディ駆動制御装置214からの選択信号に応じて変更可能であり、選択された画素列に応じて列選択回路505は上述した制御信号φZmのON,OFFの設定を変更することができる。
【0119】
(8)上述した実施の形態では、各画素にはベイヤー配列に応じた色フィルタが配置されている。本発明はこれに限定されることはなく、例えば補色市松配列などに応じた色フィルタが配置されていても本発明を適用することが可能である。
【0120】
(9)上述した実施の形態では、1画素から一対の光電変換部の加算信号のみを読み出す第1読み出しモードと、1画素から一対の光電変換部の加算信号または一対の光電変換部の一方の単独信号を読み出す第2読み出しモードとの2つの読み出しモードで信号読み出しを行っている。さらに、1画素から一対の光電変換部の加算信号または一対の光電変換部の両方の単独信号を読み出す第3読み出しモードで信号読み出しを行ってもよい。第3読み出しモードにおいては、焦点検出に用いる画素311からは一対の光電変換部15および16の両方の単独信号を読み出すようにしてもよい。
【0121】
図27は、図8に示す焦点検出に用いられる行の画素配列において第3読み出しモードにより読み出される信号の模式図である。緑フィルタを有する画素311g1、311g2、311g3,および311g4からは、光電変換部15の単独信号Gaと光電変換部16の単独信号Gbとが両方読み出される。青フィルタを有する画素311b1、311b2、311b3,および311b4からは、光電変換部15の単独信号Baと光電変換部16の単独信号Bbとが両方読み出される。
【0122】
第3読み出しモードの場合、焦点検出に用いる信号のピッチが第2読み出しモードの場合よりも短くなるので、焦点検出精度が向上する。そこで例えば図13のフローチャートの撮像動作の直前、すなわちステップS170とステップS180との間において、単発的に第3読み出しモードで焦点検出用の信号を読み出して、高精度な焦点検出および焦点調節を行うこととしてもよい。このような場合には、撮像信号は光電変換部15および16の両方から読み出した信号を加算すれば加算信号が得られるので、焦点検出用の画素信号のみを読み出しするようにすれば、再度、撮像による画像生成のための加算信号の読み出しを省略することができ、信号読出し時間の短縮を図ることができる。
【0123】
(10)撮像装置としては、上述したようなカメラボディに交換レンズが装着される構成のデジタルスチルカメラに限定されない。例えばレンズ一体型のデジタルスチルカメラ、あるいはビデオカメラにも本発明を適用することができる。さらには、携帯電話などに内蔵される小型カメラモジュール、監視カメラやロボット用の視覚認識装置、車載カメラなどにも適用できる。
【符号の説明】
【0124】
10 マイクロレンズ、11、15、16、25、26 光電変換部、
85、86 光束、90 測距瞳面、91 軸、95、96 領域、
100 撮影画面、101〜105 焦点検出エリア、
201 デジタルスチルカメラ、202 交換レンズ、203 カメラボディ、
204 マウント部、206 レンズ駆動制御装置、
208 ズーミング用レンズ、209 レンズ、210 フォーカシング用レンズ、
211 絞り、212 撮像素子、213 電気接点、
214 ボディ駆動制御装置、215 液晶表示素子駆動回路、216 液晶表示素子、
217 接眼レンズ、219 メモリカード、
310 撮像画素、311、411 画素、330 出力回路、
501 垂直信号線、502 CDS回路、
503 垂直走査回路、504 水平走査回路、505 列選択回路、
510 リセットMOSトランジスタ、512 行選択MOSトランジスタ、
513、514、515、516、517、518、519 転送MOSトランジスタ、
521、522 サンプル&ホールド回路、523 差分回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素が前記複数の画素の各画素に入射する一対の光束の並び方向に配列して配置され、前記一対の光束をそれぞれ受光して信号を出力する第1光電変換部および第2光電変換部とが前記各画素に含まれ、前記第1光電変換部によって出力される前記信号と前記第2光電変換部によって出力される前記信号とが加算されて加算信号が生成されるように前記各画素を制御する制御部を含む撮像素子と、
前記複数の画素から1画素につき前記第1光電変換部および前記第2光電変換部のうちの一方によって出力される前記信号を前記複数の画素の配列順に応じて交互に読み出す第1読み出し処理と、前記撮像素子から前記加算信号を読み出す第2読み出し処理とを行う読み出し手段と、
前記読み出し手段による前記第1読み出し処理で読み出された前記信号に基づき、撮影光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出手段と、
前記読み出し手段による前記第2読み出し処理で読み出された前記加算信号に基づき、画像を生成する画像生成手段とを備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記撮像素子には、前記複数の画素と混在して撮像専用の撮像画素がさらに配置されるとともに、前記一対の光束を受光する第3光電変換部とが前記撮像画素に含まれ、
前記撮像画素は、前記撮像画素の各々に入射する撮像用光束を受光して撮像信号を出力し、
前記読み出し手段は、前記撮像素子から前記撮像信号を読み出し、
前記画像生成手段は、前記加算信号と前記撮像信号とに基づき前記画像を生成することを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の撮像装置において、
前記複数の画素および前記撮像画素は所定の色配列規則に基づいた色フィルタを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項3に記載の撮像装置において、
前記所定の色配列規則はベイヤー配列規則であることを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項2に記載の撮像装置において、
前記複数の画素の周囲に配置された前記撮像画素によって出力される前記撮像信号に基づいて前記複数の画素の位置を補間する補間信号を算出する補間手段と、
前記撮像信号と前記補間信号とに基づき画像を表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記一対の光束は、前記複数の画素から前記一対の光束の入射方向に所定距離だけ離れた特定面上で対をなす第1領域および第2領域を通過することを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
請求項6に記載の撮像装置において、
前記複数の画素の各々はマイクロレンズを含むとともに、該マイクロレンズにより前記第1光電変換部と前記第1領域とが光学的に共役であるとともに、該マイクロレンズにより前記第2光電変換部と前記第2領域とが光学的に共役であることを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
請求項2に記載の撮像装置において、
前記読み出し手段は、前記複数の画素から1画素につき前記第1光電変換部および前記第2光電変換部の両方によって出力される前記信号それぞれを読み出す第3読み出し処理を行い、
前記画像生成手段によって前記画像が生成される際、前記焦点検出手段は、前記読み出し手段による前記第3読み出し処理で読み出された前記信号に基づき、前記焦点調節状態を検出することを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
複数の画素が、前記複数の画素の各画素に入射する一対の光束の並び方向に配列して配置され、前記一対の光束をそれぞれ受光して信号を出力する第1光電変換部および第2光電変換部とが前記各画素に含まれる撮像素子と、
前記複数の画素から1画素につき前記第1光電変換部および前記第2光電変換部のうちの一方によって出力される前記信号を前記複数の画素の配列順に応じて交互に読み出す第1読み出し処理と、前記複数の画素から1画素につき前記第1光電変換部および前記第2光電変換部の両方によって出力される前記信号を読み出す第2読み出し処理とを行う読み出し手段と、
前記読み出し手段による前記第1読み出し処理で読み出された前記信号に基づき、撮影光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出手段と、
前記読み出し手段による前記第2読み出し処理で読み出された前記信号に基づき、画像を生成する画像生成手段とを備えることを特徴とする撮像装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−191401(P2012−191401A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52713(P2011−52713)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】