説明

撮像装置

【課題】 手動フォーカシングに際し、スルー画像におけるエッジ情報を見易く表示して、容易に、高精度に且つ高速に合焦状態を確認するようにして、ピント合わせを容易にする。
【解決手段】 撮像素子101により取得された被写体のスルー画像のエッジ抽出画像をリアルタイム的にLCDモニタ10に表示させる。CPUブロック104−3の制御に基づく第1および第2の撮像信号処理ブロック104−1および104−2の処理によって、手動フォーカシング時等に、エッジ抽出画像の背景色を予め設定した条件に基づいて予め設定した背景色に変更してエッジ抽出画像が見易くなるようにする。前記予め設定した条件として、エッジの抽出結果のレベル区分に対応する背景色、撮影レンズのフォーカス位置に応じた被写体距離に対応する背景色、ズーム位置に対応する背景色、絞り設定に対応する背景色等を設定しておき、それぞれの条件に対応して背景色を変更可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子を用いてスティル画像およびムービー映像等を撮像する、いわゆるデジタルカメラおよびデジタルビデオカメラ等に好適な撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル一眼レフ(一眼レフレックス)カメラ等の一眼レフカメラに限らず、例えば、いわゆるマイクロフォーサーズ(商標:オリンパスイメージング)システム等のレフレックスミラーを用いない小型一眼デジタルカメラなども含めて、レンズ交換式デジタルカメラの注目度が高まっている。レンズ交換式デジタルカメラにおいては、ユーザーは、カメラボディに様々な交換レンズを装着して撮影を楽しむことができる。
カメラボディと同じ規格の交換レンズの場合、最近のものではカメラボディと交換レンズとにそれぞれ電気接点を持ち、カメラボディは、交換レンズから電気接点を介してレンズ情報を取得し、装填した交換レンズおよびその状態に応じた制御をすることが可能である。その一方で、在来の銀塩フィルムを用いる、いわゆる銀塩カメラのような、いわばアナログカメラ等で用いられていた古いレンズ(オールドレンズ)や、規格のオプション仕様の異なる交換レンズでは、電気接点を持たないものや、カメラボディと接点が適合しないものなどがある。そのような交換レンズが装填された場合、カメラボディは、どのようなレンズが装着されているかを適正に認識することができず、レンズのズーム、フォーカスおよび絞りなどの調整制御は、ユーザーがマニュアル操作(手動操作)で調整する必要がある。また、オートフォーカスが有効な場合にも、オートフォーカスに頼らずにマニュアル操作でフォーカシングしてピントを合わせたい場合もある。
【0003】
刻々と変化する被写体に対して、特にフォーカス調整には即時性が求められており、一般的事例としては、ピントが合っているか否かを確認するために、画像の一部分を拡大してピントを確認し易くするなどの手法が取られている。
例えば、特許文献1(特開2010−114556号公報)、特許文献2(特開2010−16783号公報)および特許文献3(特開平9−326025号公報)には、マニュアル操作によるフォーカス調整の補助として利用可能な、画像のフォーカス状態を表示に反映させる従来の技術の例が開示されている。
すなわち、特許文献1には、マニュアル操作によるフォーカス調整を容易にして、合焦精度を向上させるために、本撮影前のプレビュー画像のエッジ部分に対応するエッジ画素を強調して表示させたり、エッジ部分を強調して表示したプレビュー画像の一部を拡大して表示させる技術が開示されている。
また、特許文献2には、再生画像からエッジ成分を抽出したエッジ成分画像を生成し、生成されたエッジ成分画像を元の再生画像に重ね合わせて、エッジ部分を強調し、表示画像から合焦状態を分かり易くする技術が開示されている。
そして、特許文献3には、撮影時にカメラと被写体の複数の領域との距離を測距したデータを画像と対応させて記録し、所望に応じて、ある距離を抽出距離として設定すると、その抽出距離に対応する被写体領域を抽出し、抽出した領域以外の背景色を設定する技術が開示されている。このようにすると、抽出距離に対応する領域を画像上で目立たせたり、抽出距離に対応する領域に基づいて画像を編集したりすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3等に開示されたような画像のフォーカス状態を表示に反映させる従来の技術は、マニュアル操作によるフォーカス調整の補助として利用することができると考えられる。しかしながら、いずれも、単にエッジ部分を抽出して表示したり、エッジ部分を抽出した画像を原画像に重ね合わせるなどして強調して表示したり、エッジ部分を強調した画像のエッジ部分を拡大表示したり、画像中の特定の抽出距離に対応する領域を目立たせたり、画像中の特定の抽出距離に対応する領域に編集処理を施したりするものであって、小さな表示画像に合焦状態を充分に表現することができず、フォーカス調整をさほど容易にするものではなかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、電子ファインダとして撮影前に被写体構図を確認するためのスルー画像にも有効に利用することができ、画像を見ながら容易に且つ効果的にフォーカス調整を行うことを可能とする撮像装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る撮像装置は、上述した目的を達成するために、
被写体光学像を結像させるための撮像レンズと、
前記撮像レンズにより結像した被写体光学像を撮像素子によって画像データに変換して撮影画像を取得する撮像手段と、
前記撮像手段により取得された前記撮影画像に対して画像処理を施すための画像処理手段と、
前記画像処理手段を介して得られる画像を表示する画像表示手段と
を具備する撮像装置であって、
前記画像処理手段は、
前記撮影画像のエッジを抽出してエッジ抽出画像を得るためのエッジ抽出手段と、
前記エッジ抽出手段によるエッジ抽出画像に対してエッジ以外の領域である背景の色を予め設定した条件に応じて変更するための背景色変更手段と、
前記背景色変更手段により背景色が変更されたエッジ抽出画像を前記画像表示手段に供給する表示処理手段と、
を備えてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、電子ファインダとして撮影前に被写体構図を確認するためのスルー画像にも有効に利用することができ、画像を見ながら容易に且つ効果的にフォーカス調整を行うことを可能とする撮像装置を提供することができる。すなわち本発明の撮像装置によれば、
被写体光学像を結像させるための撮像レンズと、
前記撮像レンズにより結像した被写体光学像を撮像素子によって画像データに変換して撮影画像を取得する撮像手段と、
前記撮像手段により取得された前記撮影画像に対して画像処理を施すための画像処理手段と、
前記画像処理手段を介して得られる画像を表示する画像表示手段と
を具備する撮像装置であって、
前記画像処理手段は、
前記撮影画像のエッジを抽出してエッジ抽出画像を得るためのエッジ抽出手段と、
前記エッジ抽出手段によるエッジ抽出画像に対してエッジ以外の領域である背景の色を予め設定した条件に応じて変更するための背景色変更手段と、
前記背景色変更手段により背景色が変更されたエッジ抽出画像を前記画像表示手段に供給する表示処理手段と、
を備えてなることにより、
画像を見ながら容易に且つ効果的にフォーカス調整を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の撮像装置の一つの実施の形態に係るデジタルカメラの制御系の要部の電子機械的なシステム構成を示すブロック図である。
【図2】図1のデジタルカメラの外観構成を上面側から見た状態を模式的に示す平面図である。
【図3】図1のデジタルカメラの外観構成を正面被写体側から見た状態を模式的に示す正面図である。
【図4】図1のデジタルカメラの外観構成を背面撮影者側から見た状態を模式的に示す背面図である。
【図5】図1のデジタルカメラにおける基本的な画像処理を示すフローチャートである。
【図6】図1のデジタルカメラにおけるガンマ補正処理を説明するために横軸を入力信号、そして縦軸を出力信号としてガンマ補正曲線を示すガンマ補正特性図である。
【図7】図1のデジタルカメラにおけるガンマ補正処理を説明するために一般的な画像表示出力装置における入力に対する出力の特性を横軸を入力信号、そして縦軸を出力信号として示す入出力特性図である。
【図8】図1のデジタルカメラにおける色補正処理を説明するために色空間における色補正を示すCbCr色空間図である。
【図9】図1のデジタルカメラにおけるエッジ強調処理を説明するための原理的ブロック図である。
【図10】図1のデジタルカメラにおけるエッジ抽出モードでの背景色変更処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】図1のデジタルカメラにおける図9のエッジ強調処理に用いるローパスフィルタの特性の例を示す図であり、(a)は、通常のスルー画像表示時のローパスフィルタ特性、そして(b)は、エッジ抽出モード時のローパスフィルタ特性をそれぞれ示す図である。
【図12】図1のデジタルカメラにおけるエッジ強調処理による表示画像の例を示す図であり、(a)は、通常のスルー画像表示時の表示画像、そして(b)は、エッジ抽出モード時のエッジ抽出画像の表示画像をそれぞれ示す図である。
【図13】図1のデジタルカメラにおける色補正処理にて入力色差信号に色補正処理を施した色差信号を出力する色補正処理と、入力色差信号にかかわらず一定の色差信号を出力する色固定処理とを選択的に適用し得る処理を説明するための原理的ブロック図である。
【図14】図1のデジタルカメラのエッジ抽出モードにおける背景色を設定するための背景色設定画面の一例を示す図である。
【図15】図1のデジタルカメラのエッジ抽出モードにおける背景色を変更する条件を設定するための背景色変更条件設定画面の一例を示す図であるである。
【図16】図1のデジタルカメラのエッジ抽出モードにおけるエッジ抽出結果のレベル(ピーク値または平均値)に対応して背景色を変更する処理を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る撮像装置の実施の形態につき、図面を参照して詳細に説明する。
ここでは、撮像装置としてのデジタルカメラの実施の形態について説明するが、本発明は、これに限定されるものではなく、カメラ機能を持つ電子機器、あるいは撮像装置に係る画像を処理するための画像処理IC(集積回路)および画像処理ソフトウェアなどの画像処理全般に適用することが可能である。
図1〜図4には、本発明の一つの実施の形態に係る撮像装置としてのデジタルカメラの基本的な構成を示している。図1は、デジタルカメラの制御系のシステム構成の概要を模式的に示すブロック図である。図2は、図1のデジタルカメラの外観構成を上方から見た模式的な平面図、図3は、図1のデジタルカメラのレンズユニットを外した状態の外観構成を正面被写体側から見た模式的な正面図、そして図4は、図1のデジタルカメラの外観構成を背面撮影者側から見た模式的な背面図である。
図1〜図4に示すデジタルカメラは、その外観構成を図2〜図4に示したように、サブ液晶ディスプレイ(サブLCD)1、レリーズボタン2、モード切替ダイヤル3、光学ファインダ4、ストロボ発光部5、リモートコントロール受光部(リモコン受光部)6、レンズマウント7、オートフォーカス表示発光ダイオード(AF表示LED)8、ストロボ表示発光ダイオード(ストロボ表示LED)9、液晶ディスプレイモニタ(LCDモニタ)10、広角側(WIDE)ズームボタン11、望遠側(TELE)ズームボタン12、電源スイッチ13、操作ボタン群14、メモリカード収納部15、測距ユニット16、電気接点17およびレンズユニット18を具備している。
【0009】
さらに、図1〜図4に示すデジタルカメラは、図1に主として電子的な制御に係るシステム構成を示すように、上述のサブLCD1、ストロボ発光部5、リモコン受光部6、レンズマウント7、AF表示用LED8、ストロボ表示用LED9およびLCDモニタ10に加えて、撮像素子101、フロントエンド部(F/E部)102、SDRAM(シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ)103、カメラプロセッサ104、RAM(ランダムアクセスメモリ)107、ROM(リードオンリメモリ)108、サブCPU(サブ中央処理部)109、操作部110、サブLCDドライバ111、ブザー113、ストロボ回路114、音声記録ユニット115、音声再生ユニット116、LCDドライバ117、ビデオアンプ(ビデオ増幅器)118、ビデオコネクタ119、内蔵メモリ120、メモリカードスロット121、USB(ユニバーサルシリアルバス)コネクタ122およびシリアルインタフェース部123を備えている。
【0010】
レンズマウント7は、明確には図示していないが、ズームレンズ系およびズームモータを含むズーム光学系、フォーカスレンズ系およびフォーカスモータを含むフォーカス光学系、絞りおよび絞りモータを含む絞りユニットを内蔵したレンズユニット18を着脱可能に装着する。レンズマウント7近傍のカメラボディ内部には、シャッタ19−1aおよびシャッタモータ19−1を含むシャッタユニット、並びにモータドライバ19−2を有しており、このレンズマウント7に設けられた電気接点17を介して、レンズマウント7に装着されたレンズユニット18からレンズ情報を取得したり、モータドライバ19−2からのズーム、フォーカスおよび絞り駆動信号を、レンズユニット18に供給してそれぞれズームモータ、フォーカスモータおよび絞りモータを駆動させたりする。シャッタモータ19−1は、モータドライバ19−2によって駆動される。
フロントエンド部102は、CDS(相関2重サンプリング部)102−1、AGC(自動利得制御部)102−2、A/D(アナログ−デジタル)変換部102−3およびTG(タイミングジェネレータ)102−4を有している。
【0011】
カメラプロセッサ104は、第1の撮像信号処理ブロック104−1、第2の撮像信号処理ブロック104−2、CPU(中央処理部)ブロック104−3、ローカルSRAM(ローカルスタティックランダムアクセスメモリ)104−4,USB処理ブロック104−5、シリアル処理ブロック104−6、JPEGコーデック(CODEC)ブロック104−7、リサイズ(RESIZE)ブロック104−8、ビデオ信号表示ブロック104−9およびメモリカードコントローラブロック104−10を有している。
操作部110は、図2、図3に示すレリーズボタン2、モード切替ダイヤル3、図4に示すWIDEズームボタン11、TELEズームボタン12、電源スイッチ13および操作ボタン群14を含んでいる。
図1に示す音声記録ユニット115は、音声記録回路115−1、マイクアンプ(マイクロフォン増幅器)115−2およびマイク(マイクロフォン)115−3を有しており、音声再生ユニット116は、音声再生回路116−1、オーディオアンプ(オーディオ増幅器)116−2およびスピーカ116−3を有している。シリアルインタフェース部123は、シリアルドライバ回路123−1およびシリアルコネクタ123−2を有している。
【0012】
サブLCD1、レリーズボタン2およびモード切替ダイヤル3は、図2に示すように、カメラボディの上面に配置されている。サブLCD1は、例えば、撮影可能枚数等を表示するための表示部として用いられる。レリーズボタン2は、2段階に押下操作することができ、1段目の押下で自動合焦(AF)動作、そして2段目まで押下すると撮影動作というような動作をさせることができる。一般に、1段目の押下を「半押し」、そして2段目の押下を「全押し」などと称する。モード切替ダイヤル3は、その操作によって、撮影モード、再生モード等のデジタルカメラの動作モードを切り替える。
また、光学ファインダ4の対物面、ストロボ発光部5、リモコン受光部6、レンズマウント7および測距ユニット16は、図3に示すように、カメラボディの正面側に配置されている。SDカード等のメモリカードを装填するためのメモリカード収納部15は、カメラボディの物体(被写体)側から見て左側面に配設されている。このメモリカード収納部15の内部にメモリカードスロット121が設けられていて、このメモリカードスロット121にメモリカードMCを挿入することによってメモリカードMCを装填する。
さらに、光学ファインダ4の接眼部、AF表示用LED8、ストロボ表示用LED9、LCDモニタ10、WIDEズームボタン11、TELEズームボタン12、電源スイッチ13および操作ボタン群14は、図4に示すように、カメラボディの背面側に配置されている。
【0013】
操作ボタン群14は、再生ボタン、頻繁に使うセルフタイマ/削除ボタン、メニュー(MENU)/オーケー(OK)ボタン、上/ストロボボタン、下/マクロボタン、左/画像確認ボタン、右ボタン、画像を表示させるディスプレイボタン等を含んでいる。上/ストロボボタン、下/マクロボタン、左/画像確認ボタンおよび右ボタンは、十字キーに相当する上下左右ボタンを構成している。
このデジタルカメラにおいては、例えば、MENUボタンの操作で各種設定を行う画面を表示させ、その状態で上下左右ボタンを操作することにより、手動フォーカシングモードに移行させることができる。手動フォーカシングモードを選択した後は、再びMENUボタンの操作によってスルー画像を表示させることができる。手動フォーカシングモードでスルー画像を表示している状態では、例えば上下ボタンによりレンズユニット18のフォーカスレンズ系の位置を光軸方向に沿って任意の位置に駆動して、フォーカシング操作を行うことができる。
次に、図1に示したデジタルカメラの制御系の概略について説明する。ここでは、主として本発明の理解に必要な部分について詳細に述べ、本発明の理解のためにさほど重要でない部分については、かならずしも詳細に述べていない。
【0014】
レンズユニット18におけるズーム光学系のズームレンズ系と、フォーカス光学系のフォーカスレンズ系とは、撮像光学系を構成し、被写体の光学像を撮像素子101の受光面に結像する。モータドライバ19−2は、カメラプロセッサ104のCPUブロック104−3によって制御され、レンズユニット18におけるズーム駆動モータ、フォーカス駆動モータ、絞りモータおよびカメラボディ内のマウント7近傍に配置されたシャッタモータ19−1を駆動する。
撮像素子101は、例えばCMOS(相補型金属酸化物半導体)イメージセンサまたはCCD(電荷結合素子)イメージセンサ等の固体撮像素子を用いて構成し、被写体の光学像を光電変換して、電子的な画像信号として取り込む。フロントエンド部(F/E部)102は、カメラプロセッサ104のCPUブロック104−3によって制御される。カメラプロセッサ104の第1の撮像信号処理ブロック104−1から垂直駆動信号(VD)および水平駆動信号(HD)が供給されるTG102−4によって、撮像素子101、CDS102−1、AGC102−2およびA/D変換部102−3の駆動タイミング信号を発生し、それぞれ所定のタイミングにて駆動する。CDS102−1は、撮像素子101から出力される画像信号に対して相関二重サンプリングを行って画像ノイズを除去する。AGC102−2は、CDS102−1で相関二重サンプリングされた、画像信号の利得調整を行う。A/D変換部102−3は、AGC102−2で利得調整された画像信号をデジタル信号に変換する。
【0015】
カメラプロセッサ104において、第1の撮像信号処理ブロック104−1は、撮像素子101で撮像され、フロントエンド部102から出力される画像データにホワイトバランス調整やガンマ調整を行い、且つ上述したように、フロントエンド部102のTG102−4にVD信号およびHD信号を供給する。第2の撮像信号処理ブロック104−2は、フィルタリング処理によって画像データを輝度データ・色差データに変換する処理を行う。CPUブロック104−3は、上述したように装置各部の動作を制御する。ローカルSRAM104−4は、上述した制御に必要なデータ等を、一時的に、格納する。
さらに、カメラプロセッサ104において、USB処理ブロック104−5は、USB規格に従ってPC(パーソナルコンピュータ)等の外部機器と接続し、外部機器との間で通信を行うためのUSB信号処理を行い、シリアルブロック104−6は、RS−232C等のシリアル通信規格に従ってPC等の外部機器と接続し、外部機器との間で通信を行うためのシリアル信号処理を行い、JPEGコーデックブロック104−7は、画像データに対するJPEG圧縮/伸張を行い、リサイズブロック104−8は、外挿/内挿等の補間処理により画像データのサイズを拡大/縮小し、ビデオ信号表示ブロック104−9は、画像データをLCDモニタ10やテレビジョン(TV)受像機等の外部表示機器に表示するためのビデオ信号に変換し、メモリカードコントローラブロック104−10は、メモリカード装填部15内のメモリカードスロット121に装填されたメモリカードに、撮影された撮像画像データを記録し、メモリカードに記録された撮像画像データを再生するためのメモリカードの書き込み/読み出し制御を行う。
【0016】
LCDドライバ117は、LCDモニタ10を駆動する回路であり、このLCDドライバ117は、ビデオ信号表示ブロック104―9から出力されるビデオ信号を、LCDモニタ10に表示するための信号に変換する機能をも有している。LCDモニタ10は、主として画像を表示するためのモニタであり、撮影前に被写体の状態を観察するためのスルー表示、撮影した画像を確認するための表示およびメモリカードや内臓メモリ120に記録した画像データを確認/鑑賞するための再生表示等の表示を行う。
次に、図1〜図4に示されたデジタルカメラの基本的な動作を説明する。図1および図2において、ストロボ発光部5およびストロボ回路114は、被写体における自然光等の光量が足りない場合に光量を補うために用いる。すなわち、暗い場所の撮影や被写体が暗い場合の撮影には、カメラプロセッサ104からストロボ回路114にストロボ発光信号を与えることによって、ストロボ回路114が、ストロボ発光部3を発光させて被写体を照明する。
【0017】
測距ユニット16は、当該デジタルカメラと被写体との間の距離を計測して、被写体の距離情報を得る。近年のデジタルカメラにおけるオートフォーカシング(AF)には、一般に、マウント7に装着されたレンズユニット18の光学系によって撮像素子101に結像された被写体像の合焦評価値としてのコントラスト等を検出し、コントラストが最も高い位置にレンズユニット18のフォーカスレンズ系を移動させてフォーカスを合わせる、いわゆるCCD−AF方式が用いられている。しかしながら、このようなCCD−AF方式は、レンズを少しずつ動かしコントラストを探していくためフォーカス動作が遅いという問題があった。そこで、測距ユニット16を用いて被写体との距離情報を常に取得し、この距離情報に基づいてフォーカスレンズ系を一気に移動してフォーカス動作を高速化するようにしている。
温度センサ124は、環境温度を測定するために設けられており、デジタルカメラの内外の温度を測定し、温度が異常に上昇している場合にはデジタルカメラの電源を落としたり、温度センサのデータを参照してカメラの制御内容を変更したりする。
【0018】
レンズマウント7は、交換可能なレンズユニット18をカメラボディに結合するためのものであり、レンズユニット18とレンズマウント7とにそれぞれネジが切られたねじ込み式や、レンズユニット18とレンズマウント7とにそれぞれ数個の爪を配してレンズユニット18を回転させることにより固定するバヨネット式などが知られている。電気接点17は、カメラボディ側が、それに装着されているレンズからレンズ情報を取得したり、モータドライバ7−5からのズーム、フォーカスおよび絞り等の駆動信号をレンズユニット18に伝達してレンズを駆動させるためのものである。
ROM108には、CPUブロック104−3にて解読することが可能なコードで記述された制御プログラムや制御するためのパラメータが格納されている。そして、このデジタルカメラの電源がオン状態になると、前述したプログラムは、図示していないメインメモリにロードされ、CPUブロック104−3は、そのプログラムに従って装置各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を、一時的に、RAM107および後述するカメラプロセッサ104内にあるローカルSRAM104−4に保存する。また、ROM108として書き換え可能なフラッシュROMを使用することによって、制御プログラムや制御するためのパラメータを変更することが可能となり、容易に機能のバージョンアップを行うことができる。
【0019】
SDRAM103は、上述したカメラプロセッサ104で画像データに各種処理を施す際に、画像データを一時的に保存する。保存される画像データは、例えば、撮像素子101から、F/E部102を経由して取り込み、第1の撮像信号処理ブロック104−1でホワイトバランス設定、ガンマ設定が行われた状態のRAW−RGB画像データや、第2の撮像信号処理ブロック104−2で輝度データ/色差データ変換が行われた状態のYCbCr画像データ、そしてJPEGコーデックブロック104−7で、JPEG圧縮されたJPEG画像データなどである。
メモリカードスロット121は、撮影した画像データを記憶するためのメモリカードMCを着脱可能に装填するためのコネクタスロットであり、このメモリカードスロット121に装填されたメモリカードMCの書き込み/読み出し制御は、メモリカードスロット121を介してメモリカードコントローラブロック104−10によって行われる。内蔵メモリ120は、撮影した画像データを記憶するためのメモリであり、メモリカードスロット121にメモリカードMCが装着されていない場合であっても、撮影した画像データを記憶することができるようにするために設けられている。LCDドライバ117は、後述するLCDモニタ10を駆動するドライブ回路であり、ビデオ信号表示ブロック104−9から出力されたビデオ信号を、LCDモニタ10に表示するための信号に変換する機能も有している。
【0020】
LCDモニタ10は、撮影前に被写体の状態を監視する画像データを表示し、撮影した画像の画像データを表示し、メモリカードMCや上述した内蔵メモリ120に記録した画像データを表示すること、などを行うために設けられている。ビデオアンプ(ビデオ増幅器)118は、ビデオ信号表示ブロック104−9から出力されたビデオ信号を、75Ω等のインピーダンスの信号にインピーダンス変換するための増幅器であり、ビデオコネクタ119は、テレビジョン(TV)受像機等の外部表示機器と接続するためのコネクタである。
USBコネクタ122は、PC(パーソナルコンピュータ)等の外部機器との間をUSB接続するためのコネクタである。シリアルドライバ回路123−1およびシリアルコネクタ123−2を備えるシリアルインタフェース部123は、標準化されたシリアル通信規格、例えばRS−232C規格等、に従ってPC等の外部機器との間でシリアル通信を行うためのインタフェースを構成している。すなわち、シリアルドライバ回路123−1は、シリアル処理ブロック104−6の出力信号を電圧変換する回路であり、シリアルコネクタ123−2は、シリアルドライバ回路123−1で電圧変換されたシリアル出力をPC等の外部機器に接続するためのコネクタである。
【0021】
サブCPU109は、例えば同一チップ上にROM・RAMを内蔵したマイクロプロセッサ等のCPUであり、操作部110やリモコン受光部6等の出力信号をユーザーの操作情報として、カメラプロセッサ104のCPUブロック104−3に与えたり、CPUブロック104−3から出力されるカメラの状態情報に基づいて、サブLCD1、AF表示用LED8、ストロボ表示用LED9およびブザー113に制御信号を供給したりする。
サブLCD1は、例えば、撮影可能枚数等を表示するための表示部であり、サブLCDドライバ111は、サブCPU109の出力信号に基づいてサブLCD1を駆動する回路である。AF表示用LED8は、撮影時の合焦状態を表示するためのLEDであり、ストロボ表示用LED9は、ストロボ発光用コンデンサの充電が完了して発光可能となっているか否か等の発光準備状態を表示するためのLEDである。なお、これらAF表示用LED8とストロボ表示用LED9とを、他の表示用途、例えば、メモリカードのアクセス中を示す表示に使用するなどしても良い。
リモコン受光部6は、ユーザーが操作するリモコン送信機(図示していない)からの赤外線等の光信号を受信する。
【0022】
音声記録ユニット115は、マイク115−3により、ユーザーが音声信号を入力し、マイク115−3に入力された音声信号をマイクアンプ115−2で増幅し、マイクアンプ115−2で増幅された音声信号を音声記録回路115―1で記録する。また、音声再生ユニット116は、記録された音声信号を、音声再生回路116−1により、スピーカから出力再生するための信号に変換し、音声再生回路116−1で変換された音声信号をオーディオアンプ116−2により増幅して、オーディオアンプ116−2で増幅された信号により、スピーカ116−3を駆動して音声信号を音声出力する。
次に、上述のように構成された本発明の一つの実施の形態に係るデジタルカメラにおける本発明の特徴となる構成および動作について具体的に説明する。ここで説明している実施の形態は、それに限定されることはなく、当業者が容易に想到できる範囲内において、種々に修正または変形して実施することができる。
【0023】
〔画像処理〕
図5に示すフローチャートは、上述したデジタルカメラにおける基本的な画像処理の全体の流れを示している。
図5のフローチャートは、この種のデジタルカメラにおける一般的な画像処理の一例を示しており、この画像処理は、図1におけるCPUブロック104−3の制御に基づき、第1の撮像信号処理ブロック104−1および第2の撮像信号処理ブロック104−2において実行される。
撮像素子101から出力される画像信号を、CDS102−1における相関2重サンプリングおよびAGC102−2における自動利得制御により、1画素毎にサンプリングして、A/D変換部102−3にてA/D変換したデータは、未だ画像処理されていない段階であるため一般にRAWデータと称されており、カメラプロセッサ104の第1の撮像信号処理ブロック104−1および第2の撮像信号処理ブロック104−2等の画像処理部に入力される画像データはこのようなRAWデータである。
【0024】
〔ステップS11〜ホワイトバランス(WB)処理〕
図5のフローチャートにおいて、RAWデータは、まず、ホワイトバランス(WB)処理に供される(ステップS11)。
例えば撮像素子101として、CCDイメージセンサを用いている場合、被写体からの光量を蓄積するCCDイメージセンサのフォトダイオード上には1画素毎に個々に赤(レッド:R)、緑(グリーン:G)および青(ブルー:B)のいずれか1色のカラーフィルタが貼付されているが、これらカラーフィルタの色によって透過光量が異なっているため、各画素のフォトダイオードに蓄積される電荷量は、それぞれカラーフィルタの色毎に相違する。レッド(赤)、グリーン(緑)およびブルー(青)の3色のうち、
最も感度が高いのはグリーンであり、レッドおよびブルーはグリーンと比較すると感度が低く約半分程度である。ステップS11のホワイトバランス(WB)処理では、これらの感度差を補い、撮影画像の中の白色を白く見せるために、R(赤)とB(青)に対するゲインを大きくする処理を行う。また、物の色は、光源の色によって変化するため、光源が変わっても白色を白く見せるようにR(赤)とB(青)のゲインを変更すべく制御する機能も有している。
【0025】
〔ステップS12〜ガンマ(γ)補正処理〕
図6は、γ補正曲線の一例を示すものである。図6においては、横軸に入力信号、縦軸に出力信号を示しており、図示のように非線形な入出力変換を行う。一般に、LCD(液晶ディスプレイ)やCRT(陰極線管)等の表示出力装置においては、図7に示すように、入力に対して出力は非線形な特性で出力される。例えば、図7のような非線形出力の場合、明るさに階調性が乏しく、また画像が暗くなる傾向があるため、人は適正に画像を読み取ることができない。そこで、ステップS12では、表示出力装置の特性を考慮して、出力が線形性を保つように、予め入力信号に非線形出力特性を打ち消すような入出力特性(ガンマ曲線)を与える処理を行う。これがガンマ補正処理である。
【0026】
〔ステップS13〜補間処理〕
撮像素子101が、例えばCCDイメージセンサである場合、ベイヤ配列と称される配列で、1画素毎にR(赤)、G(緑)およびB(青)のいずれか1色のカラーフィルタが貼付されており、RAWデータでは1画素に1色の情報しか存在しない。しかしながら、RAWデータから観察に適する画像を具現化するためには、各画素にR(赤)、G(緑)およびB(青)の3色の情報が必要であり、各画素について、足りない2色の情報を補うために、周辺の画素から補間して色情報を生成する補間処理を行う。
【0027】
〔ステップS14〜YCbCr変換処理〕
画像データは、RAWデータの段階では、R(赤)、G(緑)およびB(青)の3色によるRGBデータ形式であるが、YCbCr変換では、RGBデータを、輝度信号Yと色差信号CbおよびCrとのYCbCrデータ形式に変換する。デジタルカメラ等で一般的に用いられるファイル形式のJPEG画像においては、YCbCrデータから画像が作成されるため、RGBデータをYCbCrデータに変換する。この場合の変換式は、例えば次の通りである。
Y = 0.299×R + 0.587×G + 0.114×B
Cb=−0.299×R − 0.587×G + 0.886×B
Cr= 0.701×R − 0.587×G − 0.114×B
〔ステップS15〜色補正処理〕
色補正には、彩度設定、色相設定、部分的な色相変更設定および色抑圧設定などがある。彩度設定は、色の濃さを決定するパラメータ設定であり、例えば図8は、CbCr色空間を示すものであるが、例えば、第2象限でレッド(赤)の色に対して原点からレッド(赤)のドットまでのベクトルの長さが長い程、赤い色の濃さは濃くなる。次に、色相設定は、色合いを決定するパラメータである。例えば、図8の第3象限でグリーン(緑)の色に対してベクトルの長さが同じであってもベクトルの向きが異なると色合いは変わってくる。部分的な色相変更設定は、図8の第4象限に示すように部分的な色領域を回転させる設定である。彩度が強いと色が濃くなる一方で色ノイズが強くなる傾向にある。そこで色抑圧設定では、例えば輝度信号に対してしきい値を設け、しきい値よりも低い領域または高い領域に対して彩度を抑えることにより色ノイズを抑える制御を行う。
【0028】
〔ステップS16〜エッジ強調処理〕
エッジ強調処理は、処理の概略を図9に示すブロック図として説明することができる。図9に示すようにエッジ強調処理の構成は、輝度信号Yから画像のエッジ部分を抽出するエッジ抽出フィルタ部B1と、エッジ抽出フィルタ部B1により抽出されたエッジに対してゲインを掛けて増幅するゲイン乗算部B2と、エッジ抽出部B1と並行して画像のノイズ成分を除去するローパスフィルタ(LPF)部B3と、ゲイン乗算後のエッジ抽出データとLPF処理後の画像データとを加算する加算部B4とを有する。エッジの強弱は、ゲイン乗算部B2のゲインによって決まり、ゲインが大きい場合にはエッジが強くなり、ゲインが小さい場合にはエッジが弱くなる。また、エッジ抽出フィルタB1のフィルタ係数によってもエッジの検出方向やエッジの抽出量が変わるため、重要なパラメータである。LPF部B3のフィルタ係数では、画像を平滑化して画像のノイズを減らしているが、LPFを強く掛けるとノイズは少なくなるが、一方で平滑化により細かな部分が潰れてしまい解像度が失われる傾向にある。
【0029】
〔その他の画像処理〕
上述した各処理の他に、画像処理には、画像サイズを保存する画像サイズに変更するリサイズ処理および情報量を圧縮するJPEG圧縮処理などがあり、これらの処理を、必要に応じて、図5のフローの適宜箇所に挿入する場合がある。
次に、上述のように構成されたデジタルカメラにおいて、本発明の特徴となるエッジ抽出モードにおける背景色の変更について具体的に説明する。この処理も、図1におけるCPUブロック104−3の制御に基づき、第1の撮像信号処理ブロック104−1および第2の撮像信号処理ブロック104−2において実行される。(請求項1または請求項2に対応する。)
〔エッジ抽出モードでの背景色変更処理〕
図10に示すフローチャートを参照して、この実施の形態に係るデジタルカメラのエッジ抽出モードでの背景色を変更する処理の流れを説明する。なお、このエッジ抽出モードでの背景色変更処理ルーチンは、待機状態から所定時間毎に定期的にまたはモード変更に係る何らかの操作がなされたときにその都度実行するようにするか、あるいはユーザーによりエッジ抽出モードを選択する操作が行われたときにその都度実行するようにする。
最初に、ユーザーによりエッジ抽出モードが選択されているか否かを判別し(ステップS21)、エッジ抽出モードが選択されていない場合には、そのまま処理を終了し待機状態に戻る。
ステップS21において、エッジ抽出モードが選択されていると判断された場合には、背景色設定変更が要求されているか否かを判別し(ステップS22)、背景色設定変更が要求されていると判断された場合には、背景色設定画面を表示して(ステップS23)、背景色を設定する(ステップS24)。
ステップS24で背景色が設定された後、または先行するステップS22で背景色設定変更が要求されていないと判断された場合には、背景色変更の条件評価値の取得を行う(ステップS25)。ステップS25で取得された条件評価値が背景色変更条件を満たしているか否かを判定し(ステップS26)、条件評価値が背景色変更条件を満たしていると判断された場合には、背景色を変更する(ステップS27)。
【0030】
ステップS27で背景色が変更された後、または先行するステップS26で条件評価値が背景色変更条件を満たしていないと判別された場合には、エッジ抽出処理を行って(ステップS28)、エッジ抽出画像を表示する(ステップS29)。
ステップS29でエッジ抽出画像が表示されると、エッジ抽出モードの終了を要求されているか否かを判別し(ステップS30)、エッジ抽出モードの終了が要求されていると判断された場合には、処理を終了し待機状態に戻る。ステップS30で、エッジ抽出モードの終了が要求されていないと判断された場合には、ステップS22に戻り、背景色設定変更が要求されているか否かが判別される。
【0031】
〔エッジ抽出モード〕
ここで、上述したエッジ抽出モードでの背景色変更処理に係る個々の処理について、さらに詳細に説明する。
エッジ抽出モードは、撮影前に被写体の構図を確認するために用いられる、いわゆるスルー画像の画像処理を変更し、スルー画像のエッジを抽出した画像を表示するモードである。ユーザーが、操作部110の操作により、エッジ抽出モードを選択した場合に、当該デジタルカメラは、エッジ抽出モードに移行する。スルー画像からのエッジ抽出においては、図9で説明したエッジ強調処理とは一部処理が異なり、輝度信号に対してエッジ抽出フィルタ処理およびゲイン乗算処理を行って、LPF部B3によるフィルタリング結果は出力されないようにする。
例えば、通常のスルー画像の表示時は図11(a)のようなLPF部B3のフィルタ係数で処理し、エッジ抽出モードのときは図11(b)のような全てが0のLPFのフィルタ係数で処理する。このようにすることによって、LPF部B3からの出力結果は0となりスルー画像のエッジのみを抽出することが可能となる。例えば図12(a)のようなスルー画像は、エッジ抽出モードでは、図12(b)のようにエッジのみを抽出した画像となる。
【0032】
〔背景色変更の原理〕(ステップS27)
通常エッジのみを抽出すると、図12(b)に示すようにエッジ部分が白色(輝度信号Yが抽出エッジ量に相当)でエッジ以外の背景は黒色(輝度信号Yが0)となる。本発明では、このエッジ以外の背景部分の色(以下、「背景色」と称する)を変更可能とするようにする。すなわち、エッジ以外の背景部分の輝度信号Yと色差信号Cb・Crとを指定した値に固定することによって背景色を変更することが可能となる。
(輝度信号Y制御)
上述した図12(b)のようなエッジ抽出画像を生成する処理では、エッジ以外の背景部分は輝度信号Yが0となって背景色が黒色となってしまう。そのため、図11(b)で説明したLPFのフィルタ係数を用いる場合には、エッジ強調処理後の画像に対して予め所望に応じて設定した輝度信号オフセットを付加する。
【0033】
(色差信号Cb・Cr制御)
上述したように、エッジ強調処理では輝度信号Yに対して処理を施すのに対し、色補正処理においては、色差信号CbおよびCrに対して処理を行う。すなわち、色補正処理では色差信号Cb・Crを指定した色差に固定するようにする制御が必要となる。このように、色差信号Cb・Crを指定した色差に固定する制御は、例えば次のような構成によって実現することができる。
図13は、背景色の色補正処理において、色固定処理を追加した構成を模式的に示している。入力色差信号Cb・Crに対して、従来の色補正処理部B11と色固定処理部B12が並列的に結合されている。出力部分にスイッチB13を配して、色補正処理結果の出力と色固定処理結果の出力とを選択的に切り替えて出力できるようにしており、色固定処理では入力色差信号Cb・Crにかかわらず、予め指定した固定値の色差信号Cb・Crを出力するように処理する。なお、図13のような色補正処理部B11と色固定処理部B12とが並列的に結合される構成に限定されることなく、色補正処理部と色固定処理部とが直列的に配し、色固定処理部を最終出力の前段に位置させて、色固定処理部の色固定処理をオン/オフすることができるようにしてもよい。
【0034】
〔背景色設定画面〕(ステップS23およびステップS24)
背景色設定画面のデータをデジタルカメラ内に準備しておき、このような背景色設定画面において、操作部110を用いてユーザーが任意の色を設定することができるようにすることが望ましい(請求項3に対応する)。例えば、図14のような背景色設定画面を用いて背景色を設定する際には、このような背景色設定画面を表示させた状態で、画面左側部分で色相および彩度を設定し、画面右側部分のスライドバーを操作して輝度を設定する。
すなわち、図14の画面では、画面左側部分にM(マゼンタ)、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色の混合濃度を示し、画面右側部分のスライドバーによりY(輝度)を表している。そして、図14の画面上部の「R:3,M:2」という表示は、レッドが3で且つマゼンタが2であることを示しており、「Y:6」という表示は、輝度として6を選択していることを示している。ここで、各値の実際の設定値への変換について説明する。例えば信号Y、CbおよびCrがそれぞれ8ビット信号である場合には、信号Yは0〜255、信号CbおよびCrはそれぞれ−127〜128の値をとる。図14の場合、輝度信号Yは10段階設定なので、Y=255/10×(Yの設定値)となる。色差信号Cbは、B(ブルー)およびR(レッド)の設定値から変換し、Cb=128/5×(Bの設定値)、またはCb=−127/5×(Rの設定値)となる。色差信号Crも、同様に、M(マゼンタ)およびG(グリーン)の設定値から変換し、Cr=128/5×(Mの設定値)、またはCr=−127/5×(Gの設定値)となる。ここで、選択された色を設定画面の背景一面に表示するようにすると実際の色を確認しながら選択操作ができるようになる。
【0035】
エッジ抽出モードにおけるエッジ抽出画像の背景色は、従来、無彩色のみで色味に乏しく状況によっては見え難いという状況が発生することもあったが、上述のように、エッジ抽出モードにおいて、エッジ抽出画像の背景色を変更可能とすることにより、状況に応じてエッジを確認しやすい任意の背景色にユーザーが設定することができる。また、自分好みの背景色に設定することができるので、カスタマイズ性も高まる。
〔複数の背景色設定を保持〕
上述のようにして、一度設定した背景色の設定を、このデジタルカメラ内に複数個保持できるようにすることが望ましい(請求項4に対応する)。例えば、信号Y、CbおよびCrの各設定値をデータとして内蔵メモリ120内、またはROM108が書き換え可能である場合にはROM108内に保持し、背景色設定時に読み出して選択することができるようにする。なお、過去に遡って5回分のように、設定値の履歴を自動的に保持するようにしてもよい。
上述したように、撮像装置内に複数の背景色の設定情報を保持することができるようにすることにより、ユーザーは以前に設定した背景色から所望に応じて背景色を選択して使用することができ、背景色を新たに作り直す必要がなくなる。そのため、撮影環境や、気分などの状況に応じて背景色を容易に変更することが可能となる。
【0036】
〔条件による背景色変更〕(ステップS25、ステップS26およびステップS27)
上述した背景色変更設定を条件によって変更することがさらに望ましい。
条件によって背景色を変更する場合には、背景色設定に変更する条件も設定する。例えば、図15のような背景色を変更する条件選択画面を予め準備しておき、操作部110の操作によってユーザーが選択するようにする。例えば、図15には、レンズ情報のズーム位置を条件として選択するときの様子が示されている。背景色を変更する条件が設定された場合には、条件を判定するための評価値を取得する。次に様々な条件で背景色を変更する場合の例を示す。
〔レンズ交換に応じて背景色変更〕
デジタルカメラの本体、つまりカメラボディ側が、例えば、図1の電気接点17を介してカメラプロセッサ104のCPUブロック104−3において、装着されたレンズユニット18のレンズ種類を判別する手段を備えている場合には、交換レンズ毎に背景色を対応付けられるようにしても良い(請求項5に対応する)。すなわち、予め個々の交換レンズに対して、それぞれ背景色を設定しておき、交換レンズが装着されたときには、その装着レンズの種類を評価値として自動的にレンズに対応する背景色が設定されるようにする。
上述したように、レンズ交換時に装填された交換レンズに応じて背景色を変更するようにすることにより、レンズ特性によって、それに適した背景色を設定できたり、レンズ毎に色分けをして背景色を設定することにより、エッジ抽出モードにおける背景色を見ることによって、どの交換レンズが装着されているかを認知することが可能となる。
【0037】
〔エッジ抽出結果に応じて背景色変更〕
また、エッジ抽出結果を評価値として、エッジ抽出結果に応じて背景色を変更するようにしても良い(請求項6に対応する)。使用するエッジ抽出結果としては、ピーク値は平均値などが考えられる。例えば、図16に示すように、ピーク値または平均値等のようなエッジ抽出結果に対して幾つかのしきい値(しきい値Th1〜Th3)により、レベル区分を設定しておき、エッジ抽出結果がどのレベル区分(例えば、0〜Th1、Th1〜Th2、Th2〜Th3)に含まれるかによって予めレベル区分毎に設定しておいた背景色(例えば背景色1〜背景色4)に変更するようにする。背景色を変更することによりフォーカスの合焦状態の程度を、より容易に認識することができるようになる。
上述のようにして、ピントが合っている場合にはエッジ抽出結果のレベルが高くなるため、エッジ抽出結果の値に応じて背景色を変更するようにすることにより、フォーカスの合焦度合いのレベルを、背景色を見るだけで確認することができるようになる。
【0038】
〔レンズ情報に基づいて背景色変更〕
図1に示したように、レンズユニット18とデジタルカメラのカメラボディ側にそれぞれ電気接点17等の通信手段を有し、カメラボディ側が、電気接点17等を介して、装着されているレンズユニット18のフォーカス位置、ズーム位置および絞り設定の少なくともいずれかを認識できる構成の場合には、レンズ情報に基づいて背景色を変更するようにしてもよい(請求項7〜請求項9に対応する)。
例えば、レンズユニット18のフォーカス位置を評価値として取得し、フォーカス位置に対する被写体に合焦する距離の情報を予めカメラボディ側に保持しておき、フォーカス位置から被写体合焦距離に変換し、この被写体合焦距離に応じて背景色を変えるようにしても良い(請求項7に対応する)。
上述したように、装着された交換レンズのフォーカス位置によって背景色を変更するようにすることによって、背景色を見るだけでフォーカス位置、すなわち被写体合焦距離を認識することができる。
また、レンズユニット18が焦点距離可変のズームレンズである場合、ズーム位置についても、上述のフォーカス位置の場合とほぼ同様に、ズーム位置に対するズーム倍率の情報を予めカメラボディ側に保持しておき、ズーム位置からズーム倍率を得て、このズーム倍率に応じて背景色を変えるようにしても良い(請求項8に対応する)。
【0039】
上述したように、装着された交換レンズのズーム位置によって背景色を変更するようにすることによって、背景色を見るだけでズーム位置、すなわちズーム倍率を認識することができる。
そして、絞り設定値については、絞り設定値(F値)が大きい(絞り開口が小さい)ほうが被写体深度が深くなり、フォーカス位置をつかみにくくなるため、予め任意に設定した特定の絞り設定以上になった場合には、エッジが目立つような暗めの背景色にするようにしても良い(請求項9に対応する)。
上述したように、装着された交換レンズの絞り設定に応じて背景色を変更するようにすることによって、背景色を見るだけで絞りの設定状態を認識することが可能となる。また、絞り値の設定が大きく、絞り込んでいる場合には被写体深度が深くなるためエッジを視認し難くなるが、絞りの設定値に応じて背景色を変更することによってエッジの視認性を向上させることが可能となる。
【0040】
〔時刻/日付に基づいて背景色変更〕
デジタルカメラは、一般に、時刻および日付情報を出力するいわゆるカレンダ時計タイマ等の計時手段を備えており、時刻または日付の少なくとも一方によって背景色を変更するようにしても良い。
時刻に応じて背景色を変更する場合には、例えば、朝方、昼、夕方および夜の4つの時間帯などで時間帯を区切って、それぞれに対応する背景色を予め設定しておき、現在の時刻が属する時間帯に対応する背景色を使用するようにする(請求項10に対応する)。
上述したように、撮影時の時刻に応じて背景色を変更するようにすることにより、背景色を確認するだけで時刻を認識することができたり、時刻毎に最適な色合いの背景色に設定することが可能となったりする。
また、日付に応じて背景色を変更する場合には、例えば、春、夏、秋および冬の各季節に対応して予め背景色を設定しておき、デジタルカメラを使用している日が属する季節に対応する背景色を表示するようにする。さらには、誕生日等の特別日のみについての背景色を予め設定してデジタルカメラに保持させておき、その特別日にのみ使用される背景色に変更するようにしても良い。(請求項11に対応する。)
上述したように、撮影時の日付に応じて背景色を変更するようにすることにより、月、曜日、または特別日などについて、それぞれ背景色を変えることが可能となり、背景色を見るだけで季節や曜日を感じるなどして、撮影時の気分を盛上げることが可能となる。
【0041】
〔出力機器によって背景色変更〕
さらに、上述したようなエッジ抽出モードによる画像は、当該デジタルカメラに搭載されているLCDモニタ10に出力表示する以外に、ビデオコネクタ119を介して接続される外部表示機器に出力表示させることも可能である。また、最近のデジタルカメラには、外付けの電子ビューファインダー(EVF:Electronic View Finder)を装着することを可能としているものもある。したがって、デジタルカメラに搭載されているLCDモニタ出力、ビデオジャック出力およびEVF出力等の各表示機器にそれぞれ対応させて背景色を変更できるようにしても良い(請求項12に対応する)。すなわち、LCDモニタ出力、ビデオジャック出力およびEVF出力のそれぞれに対応する背景色を予め保持しておき、出力表示機器が切替えられた時には、出力機器に対応する背景色を読み出して表示させる。このようにすることによって、表示機器の特性の相違による色表現の差をなくすことができ、表示機器毎に見易い色に設定することができる。
上述したように、エッジ抽出モードにおけるエッジ抽出画像を表示する表示機器に応じて背景色を変更するようにすることによって、表示機器の特性の違いによる色表現の相違を低減または除去することが可能となり、表示機器毎に見易い背景色に設定することが可能となる。
【0042】
〔被写体輝度に応じて背景色変更〕
また、被写体輝度に応じて背景色を変更するようにしても良い(請求項13に対応する)。このような被写体輝度に応じて背景色を変更する場合の処理について説明する。スルー画像から被写体の輝度値平均を算出する。予め輝度値平均に対してしきい値としきい値で区切られた区分輝度領域毎に対応する背景色を設定しておく。デジタルカメラの撮像視野を移動させて構図を変化させたときにスルー画像の輝度が変化した場合には、輝度値平均が変化するので背景色が変更される。輝度値平均に対応する背景色の設定としては、それぞれに全く異なる色の背景色にしても良いが、輝度値平均は構図の変化で容易に変化するため高い頻度で画面の色が変化することが予想される。そこで、背景色の信号Y、CbおよびCrの設定値について色差信号CbおよびCrの値は変更せず、輝度信号Yだけを変化させるようにすると、背景色の色相が同じで明度のみが変化し、被写体輝度に応じて明るいときは明度が高く、暗いときは明度が低くなるようになり、エッジ抽出画像におけるエッジの視認性を良くすることができる。
上述したように、被写体輝度に応じて背景色を変更するようにすることによって、同じ背景色でも明るい被写体では輝度を上げた色にし、暗い被写体では輝度を落とした色にするなどして、状況毎にエッジが視認し易いように表示することが可能となる。
【0043】
〔撮像素子のゲインに応じて背景色変更〕
さらに、撮像素子のゲイン(利得)の値に応じて背景色を変更するようにしても良い(請求項14に対応する)。デジタルカメラにおけるスルー画像では、被写体輝度に応じて撮像素子101のゲイン、すなわち感度、を変更し、被写体輝度が暗い場合には高いゲイン値を設定して画像を明るくするように制御して視認性を高めている場合が多い。そこで、予め撮像素子101のゲイン値に、しきい値としきい値で区切られた区分ゲイン領域毎に対応する背景色を設定しておく。被写体輝度に応じた背景色の場合と同様に、デジタルカメラの撮像視野を移動させて構図を変化させたときにスルー画像の輝度が変化した場合には、それに応じて撮像素子101のゲインが制御されてゲイン値が変化するので背景色が変更される。撮像素子101のゲイン値に対応する背景色の設定としては、それぞれに全く異なる色の背景色にしても良いが、撮像素子101のゲイン値は構図の変化で容易に変化するため高い頻度で画面の色が変化することが予想される。そこで、背景色の信号Y、CbおよびCrについて色差信号CbおよびCrの値は変更せず、輝度信号Yだけを変化させるようにすると、背景色の色相は同じで明度のみが変化し、撮像素子101のゲイン値が低い(被写体輝度が明るい)ときは明度を高く、撮像素子101のゲイン値が高い(被写体輝度が暗い)ときは明度を低くするようにして、エッジ抽出画像におけるエッジの視認性を良くすることができ、被写体輝度が暗く撮像素子101のゲイン値が高いときのノイズの増加を軽減することができる。
上述したように、撮像素子101に設定されるゲインの設定値に応じて背景色を変更することにより、ゲイン値が高い場合には背景色の明度を低くすることで、スルー画像に発生するノイズの見え方を軽減することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 サブ液晶ディスプレイ(サブLCD)
2 レリーズボタン
3 モード切替ダイヤル
4 光学ファインダ
5 ストロボ発光部
6 リモートコントロール受光部(リモコン受光部)
7 レンズマウント
8 オートフォーカス表示発光ダイオード(AF表示LED)
9 ストロボ表示発光ダイオード(ストロボ表示LED)
10 液晶ディスプレイモニタ(LCDモニタ)
11 広角側(WIDE)ズームボタン
12 望遠側(TELE)ズームボタン
13 電源スイッチ
14 操作ボタン群
15 メモリカード収納部
16 測距ユニット
17 電気接点
18 レンズユニット
101 撮像素子
102 フロントエンド部(F/E部)
103 SDRAM(シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ)
104 カメラプロセッサ
107 RAM(ランダムアクセスメモリ)
108 ROM(リードオンリメモリ)
109 サブCPU(サブ中央処理部)
110 操作部
111 サブLCDドライバ
113 ブザー
114 ストロボ回路
115 音声記録ユニット
116 音声再生ユニット
117 LCDドライバ
118 ビデオアンプ(ビデオ増幅器)
119 ビデオコネクタ
120 内蔵メモリ
121 メモリカードスロット
122 USB(ユニバーサルシリアルバス)コネクタ
123 シリアルインタフェース部
19−1a シャッタ
19−1 シャッタモータ
19−2 モータドライバ
102−1 CDS(相関2重サンプリング部)
102−2 AGC(自動利得制御部)
102−3 A/D(アナログ−デジタル)変換部
102−4 TG(タイミングジェネレータ)
104−1 第1の撮像信号処理ブロック
104−2 第2の撮像信号処理ブロック
104−3 CPU(中央処理部)ブロック
104−4 ローカルSRAM(ローカルスタティックランダムアクセスメモリ)
104−5 USB処理ブロック
104−6 シリアル処理ブロック
104−7 JPEGコーデック(CODEC)ブロック
104−8 リサイズ(RESIZE)ブロック
104−9 ビデオ信号表示ブロック
104−10 メモリカードコントローラブロック
115−1 音声記録回路
115−2 マイクアンプ
115−3 マイク(マイクロフォン)
116−1 音声再生回路
116−2 オーディオアンプ(オーディオ増幅器)
116−3 スピーカ
123−1 シリアルドライバ回路
123−2 シリアルコネクタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】特開2010−114556号公報
【特許文献2】特開2010−16783号公報
【特許文献3】特開平9−326025号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体光学像を結像させるための撮像レンズと、
前記撮像レンズにより結像した被写体光学像を撮像素子によって画像データに変換して撮影画像を取得する撮像手段と、
前記撮像手段により取得された前記撮影画像に対して画像処理を施すための画像処理手段と、
前記画像処理手段を介して得られる画像を表示する画像表示手段と
を具備する撮像装置であって、
前記画像処理手段は、
前記撮影画像のエッジを抽出してエッジ抽出画像を得るためのエッジ抽出手段と、
前記エッジ抽出手段によるエッジ抽出画像に対してエッジ以外の領域である背景の色を予め設定した条件に応じて変更するための背景色変更手段と、
前記背景色変更手段により背景色が変更されたエッジ抽出画像を前記画像表示手段に供給する表示処理手段と、
を備えてなることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
ピント調整のためのフォーカシング調整機構を含み、被写体光学像を結像させるための撮像レンズと、
前記撮像レンズにより結像した被写体光学像を撮像素子によって画像データに変換して撮影画像を取得する撮像手段と、
前記撮像手段により取得された前記撮影画像に対して画像処理を施すための画像処理手段と、
前記画像処理手段を介して得られる画像を表示する画像表示手段と
を具備する撮像装置であって、
前記画像処理手段は、
前記撮影画像のエッジを抽出してエッジ抽出画像を得るためのエッジ抽出手段と、
前記エッジ抽出手段によるエッジ抽出画像に対してエッジ以外の領域である背景の色を予め設定した条件に応じて変更するための背景色変更手段と、
前記撮像手段により取得された前記撮影画像をスルー画像として前記画像表示手段に供給しリアルタイム的なスルー画像表示に供するに際し、前記背景色変更手段により背景色が変更されたエッジ抽出画像を前記画像表示手段に供給するエッジ抽出モードを含む表示処理手段と、
を備えてなることを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
前記背景色変更手段による前記エッジ抽出画像の背景色変更における変更後の背景色をユーザにより所望に応じて予め設定する手段をさらに含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記背景色変更手段による前記エッジ抽出画像の背景色変更における変更後の背景色の複数の設定を保持する手段をさらに含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像レンズは、着脱可能とし、複数の撮像レンズを択一的に装填する交換レンズとして構成しており、
前記撮像装置は、前記交換レンズの種類を判別する手段を含み、且つ
前記背景色変更手段は、前記予め設定した条件として、前記交換レンズにおける各撮影レンズ毎に対応する背景色を予め設定しておき、撮影レンズの交換に対応して背景色を変更する手段であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記背景色変更手段は、前記予め設定した条件として、前記エッジ抽出手段により抽出されるエッジの抽出結果のレベル区分に対応する背景色を予め設定しておき、エッジ抽出結果のレベル変化に対応して背景色を変更する手段であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記背景色変更手段は、前記予め設定した条件として、装填された前記撮像レンズのフォーカス位置に応じた被写体距離に対応する背景色を予め設定しておき、前記撮像レンズのフォーカス位置に応じた被写体距離に対応して背景色を変更する手段であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記撮像レンズは、焦点距離可変のズームレンズを含み、
前記背景色変更手段は、前記予め設定した条件として、装填された前記撮像レンズのズーム位置に対応する背景色を予め設定しておき、前記撮像レンズのズーム位置に対応して背景色を変更する手段であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記背景色変更手段は、前記予め設定した条件として、装填された前記撮像レンズの絞り設定に対応する背景色を予め設定しておき、前記撮像レンズの絞り設定に対応して背景色を変更する手段であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
時刻を取得する計時手段をさらに含み、
前記背景色変更手段は、前記予め設定した条件として、操作時の時刻に対応する背景色を予め設定しておき、操作時の時刻に対応して背景色を変更する手段であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
日付を取得する計時手段をさらに含み、
前記背景色変更手段は、前記予め設定した条件として、操作時の日付に対応する背景色を予め設定しておき、操作時の日付に対応して背景色を変更する手段であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記画像表示手段は、複数の表示機器を選択的に表示に供する表示手段として構成しており、
前記背景色変更手段は、前記予め設定した条件として、表示に供される表示機器に対応する背景色を予め設定しておき、表示に供される表示機器に対応して背景色を変更する手段であることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記背景色変更手段は、前記予め設定した条件として、前記撮像手段により撮像される被写体の被写体輝度に対応する背景色を予め設定しておき、撮像される被写体の被写体輝度に対応して背景色を変更する手段であることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記背景色変更手段は、前記予め設定した条件として、被写体輝度に応じて制御される前記撮像手段の前記撮像素子のゲイン値に対応する背景色を予め設定しておき、前記撮像素子のゲイン値に対応して背景色を変更する手段であることを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−74395(P2013−74395A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210876(P2011−210876)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】