説明

撮影装置、及びプログラム

【課題】 短い時間間隔で連続的に発生した各シャッタチャンスで撮影を実行すると、いずれの撮影画像も画質が低下してしまう。
【解決手段】 制御部10は、ストロボ装置29の充電が完了していない場合に仮撮影が実行されると、仮撮影により得られたベイヤデータを画像メモリ21に記憶させる。仮撮影が実行されても、ストロボ装置29の充電は中断されることなく継続する。そして、ストロボ装置29の充電が完了してから本撮影が実行されると、制御部10は、仮撮影で得られたベイヤデータと本撮影で得られたベイヤデータとからそれぞれ画像データが生成して、生成した各画像データを記録媒体27に記録させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置に関し、特にストロボ撮影を行なう撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮影装置による撮影にあたっては、暗い被写体に対しても適正な露出が得られるように、従来からストロボ装置による被写体への照射が行なわれている。
【0003】
ストロボ装置の発光を伴う撮影を実行する技術として、特許文献1に記載の技術がある。特許文献1に記載の技術では、シャッタキーが全押しされたときにストロボ装置が満充電状態ではなくともストロボ装置が発光可能な最低限の電圧以上の充電状態であれば、ストロボ装置の充電段階に応じてISO感度を高く設定してストロボ発光を伴う撮影を実行する。特許文献1に記載の技術によれば、ストロボ装置の充電中に発生したシャッタチャンスを逃すことなく撮影することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−96995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、ストロボ装置の満充電時間よりも短い時間間隔で連続してシャッタチャンスが発生する場合がある。この場合において、特許文献1に記載の技術により全てのシャッタチャンスを逃すことなく撮影するには、各シャッタチャンスの時間間隔が短いために、いずれのシャッタチャンスでもストロボの充電の途中でISO感度を高く設定して撮影することが必要になる。
【0006】
しかしながら、ISO感度である画像信号の増幅率を上げると、画像信号中のノイズも増幅されるので撮影画像の画質が低下してしまう。そのため、特許文献1に記載の技術では、短い時間間隔で連続的に発生した各シャッタチャンスで撮影を実行すると、いずれの撮影画像も画質が低下してしまうという問題があった。
【0007】
無論、特許文献1に記載の技術でも、ストロボ装置の充電完了後に撮影を実行すれば、撮影時に低いISO感度が設定されるために撮影画像の画質は低下しない。しかし、この場合においては、ストロボ装置が満充電状態になるまでユーザは待機する必要があるため、短い時間間隔で連続的に発生する各シャッタチャンスを逃す恐れがある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、短い時間間隔で連続的に発生する各シャッタチャンスを逃すことなく、高画質の撮影画像を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、
撮像素子により撮影した被写体像を表現する画像データを生成する撮影手段と、
前記画像データの記録に向けた撮影を指示する撮影指示手段と、
前記画像データを記録媒体に記録させる記録制御手段と、
被写体に撮影補助光を照射する発光手段と、
前記発光手段を発光させるための電力を充電する充電手段と、
前記電力の充電が完了しているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記充電が完了していないと判断した場合に前記撮影指示手段が撮影を指示したとき、前記撮影手段に、前記画像データの記録に向けた仮撮影を行わせる第1の撮影制御手段と、
前記第1の撮影制御手段が前記撮影手段に前記仮撮影を行わせるとき、前記発光手段に撮影補助光の照射を禁止させる第1の発光制御手段と、
前記判断手段が前記充電が完了していると判断した場合に前記撮影指示手段が撮影を指示したとき、前記撮影手段に、前記画像データの記録に向けた本撮影を行わせる第2の撮影制御手段と、
前記第2の撮影制御手段が前記撮影手段に前記本撮影を行わせるとき、前記発光手段に撮影補助光を照射させる第2の発光制御手段と、
を備える撮影装置とした。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、短い時間間隔で連続的に発生する各シャッタチャンスを逃すことなく、高画質の撮影画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図2】画像メモリの記憶領域の構成の一例を示す図である。
【図3】(A)は高感度撮影のプログラム線図を示す図である。(B)はストロボ撮影用のプログラム線図を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る撮像装置が実行する撮影処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づき、本発明の一実施形態に係る撮影装置100について説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る撮影装置100の機能的構成を示すブロック図である。図1を用いて、本実施形態に係る撮影装置100の構成を説明する。撮影装置100は、デジタルカメラなどにより構成することができる。
【0014】
撮影装置100は、制御部10と、RAM10aと、ROM10bと、光学レンズ装置11と、光学系制御部12と、光学系駆動部13と、シャッタ装置14と、シャッタ制御部15と、シャッタ駆動部16と、撮像素子17と、撮像素子駆動部18と、前処理部19と、画像入力コントローラ20と、画像メモリ21と、画像処理部22と、AF評価部23と、AE評価部24と、操作部25と、表示制御部26と、表示部27と、記録媒体28と、ストロボ装置29と、を備える。
【0015】
制御部10は、撮影装置100全体の動作を制御する。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)などにより構成される。
【0016】
RAM10aは、制御部10が各処理を実行する際にワーキングエリアとして機能する。RAM10aは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などから構成される。ROM10bは、撮影装置100が各処理を実行するのに必要なプログラムやデータを記憶する。ROM10bは、フラッシュメモリなどから構成される。制御部10は、RAM10aをワーキングエリアとして、ROM10bに記憶されているプログラムとの協働により各処理を実行する。
【0017】
光学レンズ装置11は、フォーカスレンズなどで構成される。フォーカスレンズは、被写体像を撮像素子17の受光面に結像させるためレンズである。
【0018】
光学系制御部12は、制御部10による制御に従って光学系駆動部13を制御することにより、光学系駆動部13に、光学レンズ装置11のフォーカスレンズを光軸方向に進退させる。これにより、フォーカスレンズの位置が変化して焦点が調節される。光学系駆動部13は、ステッピングモータなどで構成される。光学系制御部12は、光学系駆動部13を制御する制御回路などで構成される。
【0019】
また、光学系駆動部13には、フォーカスレンズの位置を検出するためのエンコーダが内蔵されている。このエンコーダは、検出したフォーカスレンズの位置を示す信号を、光学系制御部12を介して制御部10に送信する。制御部10は、この信号に基づき焦点が合っている主要被写体までの撮影距離を算出する。この撮影距離は、ストロボ発光量を決定する際に用いられる。
【0020】
シャッタ装置14は、機械式のシャッタとして機能するとともに、撮像素子17へ入射する被写体像の光量を調節する絞りとしても機能する機構である。シャッタ装置14は、シャッタ羽根などから構成される。
【0021】
シャッタ制御部15は、制御部10による制御に従って、シャッタ駆動部16を駆動させる。具体的には、シャッタ制御部15は、制御部10による制御に従ってシャッタ駆動部16を制御することにより、シャッタ駆動部16にシャッタ装置14のシャッタ羽根を開閉させる。また、シャッタ制御部15は、制御部10による制御に従ってシャッタ駆動部16を制御することにより、シャッタ駆動部16にシャッタ装置14の絞りを調節させる。シャッタ駆動部16は、シャッタ羽根を蹴飛ばすレバーなどで構成される。駆動制御部15は、シャッタ駆動部16を制御する制御回路などで構成される。
【0022】
撮像素子17は、光学レンズ装置11から入射されて受光面に結像した被写体像を光電変換(撮影)する素子である。撮像素子17の受光面には、光電変換素子であるフォトダイオードが行列状に配置されている。これらフォトダイオードが撮像素子17の各画素を構成している。各フォトダイオード上には、ベイヤ方式の配列に従って、R(赤)、G(緑)B(青)の色フィルタが配置されている。撮像素子17は、撮像素子駆動部18による制御に従って、所定時間毎に被写体像を光電変換して画像信号を蓄積し、蓄積した画像信号をアナログ信号として順次出力する。撮像素子17は、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)型のイメージセンサなどから構成される。なお、撮像素子17はCCD(Charge Coupled Device)型のイメージセンサにより構成してもよい。
【0023】
撮像素子駆動部18は、制御部10による制御に従って撮像素子17を駆動する。撮像素子駆動部18は、制御部10による制御に従って各種クロックパルス等を生成する。撮像素子駆動部18は,生成した各種クロックパルスおよび制御回路10から供給される制御信号に基づいて、一定時間毎に撮像素子17から被写体像を表現するアナログ信号を読み出す。撮像素子駆動部18は、ライブビュー表示時には、例えば3行/3列ごとに1画素ずつ画像信号を読み出す間引き読み出し方式によって撮像素子17から画像信号を読み出す。この間引き読み出し方式の手法としては、公知の技術を適宜適用する。一方、撮像素子駆動部18は、シャッタボタンが全押し操作されたときには、撮像素子17の全ての画素に蓄積されている画像信号を読み出す全画素読み出し方式によって撮像素子17から画像信号を読み出す。撮像素子駆動部18は、各種クロックパルス等を生成するタイミングジェネレータや、走査回路などから構成される。
【0024】
前処理部19は、撮像素子17から供給されたアナログ信号に対し、相関二重サンプリング処理、利得制御処理、A/D(Analog/Digital)変換処理などの各種前処理を施してディジタル信号であるベイヤデータを生成して出力する。前処理部19は、A/D変換器などにより構成される。
【0025】
画像入力コントローラ20は、制御部10による制御に従って、前処理部19から出力されたベイヤデータを画像メモリ21に記憶させる。この際、画像入力コントローラ20は、制御部10による制御に従って、ベイヤデータを、画像メモリ21におけるライブビュー画像記憶領域21aと撮影画像記憶領域21bのいずれかの記憶領域に記憶させる。
【0026】
画像メモリ21は、前処理部19により生成されたベイヤデータや、画像処理部22により生成される画像データを一時的に記憶する。また、画像メモリ21には、画像処理部22がベイヤデータから画像データを生成する際にワーキングエリアとしても使用される。画像メモリ21は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などから構成される。
【0027】
図2は、画像メモリ21の記憶領域の構成を概念的に示す図である。図2に示されるように、画像メモリ21に記憶領域には、ライブビュー画像記憶領域21aと撮影画像記憶領域21bとが含まれる。
【0028】
ライブビュー画像記憶領域21aは、ライブビュー表示時にベイヤデータが記憶される領域である。また、ライブビュー画像記憶領域21aは、画像処理部22によりベイヤデータからライブビュー画像用の画像データが生成される際に、ワーキングエリアとして使用される。ライブビュー画像記憶領域21aに記憶されている画像データは、ライブビュー表示のためにより読み出されると、ライブビュー画像記憶領域21aから消去される。
【0029】
撮影画像記憶領域21bは、シャッタボタンが全押し操作されたときに生成されたベイヤデータ(記録用のベイヤデータ)が記憶される領域である。撮影画像記憶領域21bは、画像処理部22によりベイヤデータから撮影画像用(記録用)の画像データが生成される際に、ワーキングエリアとして使用される。撮影画像記憶領域21bに記憶された画像データは、ストロボ装置29の充電完了後における本撮影時まで撮影画像記憶領域21bに記憶され続ける。
【0030】
図1に戻り、画像処理部22は、画像メモリ21に記憶されたベイヤデータに対し、ホワイトバランス制御処理、γ補正処理、YC変換処理などの画像処理を施して、輝度信号と色差信号とが重畳した画像データを生成する。この画像データにより被写体が表現される。また、画像処理部22は、シャッタボタンが全押し操作されたときは、比較的高画質で大容量の撮影画像用の画像データ(例えば3840×2400画素)を生成する。一方、画像処理部20は、ライブビュー画像を表示するときは、比較的低画質で小容量のライブビュー画像用の画像データ(例えば640×480画素)を生成する。画像処理部22は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)などから構成される。
【0031】
AF評価部23は、画像メモリ21に記憶された画像データから高周波数成分であるAF評価値を抽出して、抽出したAF評価値を制御部10に供給する。制御部10は、AF処理時に、光学系制御部12を制御することにより光学系駆動部13を駆動させて、光学レンズ装置11のフォーカスレンズを光軸方向に進退させる。そして、制御部10は、AF評価部23に、フォーカスレンズが各位置にあるときに得られた画像データからAF評価値を抽出させる。そして、制御部10は、AF評価部23から供給されるAF評価値が最も高くなるレンズ位置でフォーカスレンズを停止させるAF処理を行う。
【0032】
AE評価部24は、画像メモリ21に記憶された画像データの輝度の積分値を演算し、演算した輝度の積分値を測光データとして制御部10に供給する。
【0033】
図3に、本実施形態におけるAE処理において用いられるプログラム線図が示されている。図3(A)には、周知の高感度撮影用のプログラム線図31が示されている。図3(B)には、周知のストロボ撮影用のプログラム線図32が示されている。図3(A)と図3(B)において、横軸はシャッタ速度、縦軸は絞り値、一点鎖線で示されている斜軸はEv値(露出値)である。Evは測光データの単位であり、Ev値は被写体輝度である。図3(A)に示されるように、高感度撮影のプログラム線図31では、被写体輝度が低い場合には、通常撮影用のプログラム線図に従うISO感度に比べて、ISO感度を1SV,2SV,3SVとそれぞれ大きくする。なお、図中のSV(Sensitive Value)は、ISO感度を数値化したものであり、ISO感度が2倍になるとSVがひとつ増える。
【0034】
これらプログラム線図31、プログラム線図32は、ROM10bに格納されている。本実施形態に係るストロボ撮影モードにおいて、制御部10は、AE処理を行うときにプログラム線図31またはプログラム線図32を読み出す。そして、制御部10は、読み出したプログラム線図と、AE評価部24から供給された測光データとに基づいて、シャッタ速度、絞り値、ISO感度からなる露出条件を決定する。
【0035】
図1に戻り、操作部25は、ユーザから各種ボタンの操作を受け付ける。操作部25は、電源ボタン、シャッタボタン、ストロボ撮影モードボタン、ズームボタン、カーソルキー、決定ボタン、メニューボタンなどを備える。操作部25は、ユーザから受け付けた各種のキー操作を示す信号を制御部10に供給する。シャッタボタンは、撮影準備(AE処理など)を指示するための半押し操作と、後述する仮撮影や本撮影を指示するための全押し操作とをユーザから受け付けることが可能な構成である。制御部10は、操作部25からこれらの信号を受信すると、受信した信号に基づいた処理を実行する。
【0036】
表示制御部26は、制御部10による制御に従って、画像メモリ21に記憶されている画像データを読み出し、読み出した画像データをアナログ信号に変換して出力する。表示制御部26は、VRAM(Video Random Access Memory)やD/A(Digital/Analog)変換器などから構成される。
【0037】
表示部27は、表示制御部26から供給されたアナログ信号により表現される画像などを表示する。表示部27は、撮影装置100の筐体の背面に設けられた液晶ディスプレイなどから構成される。
【0038】
記録媒体28は、画像処理部22により生成された画像データを記録する。記録媒体28は、撮影装置100に着脱可能な半導体メモリカードなどから構成される。
【0039】
ストロボ装置29は、ストロボ制御部29aと、コンデンサ29bと、ストロボ放電管29cとから構成される。ストロボ制御部29aは、コンデンサ29bに電力(電荷)を充電させるとともに、ストロボ放電管29cによるストロボ発光を制御する。周知のように、ストロボ発光は、コンデンサ29bに充電された電荷がストロボ放電管29cで放電されることにより実行される。また、ストロボ制御部29aは、コンデンサ29bの充電電圧を監視して、充電電圧を示す信号を制御部10に送信する。ストロボ制御部29aはCPUなどから構成される。ストロボ放電管29cはキセノン管などから構成される。ストロボ装置29は、撮影装置100の筐体の前面に設けられおり、制御部10の制御に従って被写体に撮影補助光であるストロボ光を照射する。
【0040】
<撮影装置の動作>
図4は、本実施形態に係る撮影装置100のストロボ撮影処理における動作を示すフローチャートである。図4を用いて、撮影装置100が実行する撮影処理を説明する。
【0041】
ユーザによるストロボ撮影モードボタンの操作によりストロボ撮影モードが設定されると、撮影装置100は、ROM10bに記憶されているプログラムを読み出して、このプログラムとの協働により図4のフローチャートにより示されるストロボ撮影処理を開始する。なお、ストロボ撮影モードは、露光条件等に応じて、制御部10が自動的に設定してもよい。
【0042】
まずステップS1において、制御部10は、ストロボ装置29の充電を開始する。具体的に、制御部10は、ストロボ制御部29aを制御することにより、ストロボ制御部29aに、コンデンサ29bに電力を充電させる(電荷を蓄積させる)処理を開始させる。
【0043】
次にステップS2において、制御部10は、ライブビュー画像を表示させる処理を開始する。具体的には、制御部10は、撮像素子駆動部18に、間引き読み出し方式によって、一定時間毎に撮像素子17から被写体像を表現するアナログ信号を出力させる。前処理部19は、アナログ信号からベイヤデータを生成する。制御部10は、画像入力コントローラ20に、一定時間毎にベイヤデータを画像メモリ21のライブビュー画像記憶領域21aに記憶させる。そして、制御部10は、画像処理部22に、ライブビュー画像記憶領域21aに記憶されたベイヤデータから、ライブビュー表示用の画像データを生成させる。そして、制御部10は、表示制御部26に、生成された画像データにより表現される画像を表示部27に表示させる。以降、制御部10は、表示制御部26に、画像処理部22が順次生成するライブビュー画像用の画像データを表示部27に順次供給することにより、表示部27にライブビュー画像を表示させる。
【0044】
次にステップS3において、制御部10は、ユーザによりシャッタボタンが半押し操作されているか否かを判断する。具体的には、制御部10は、操作部25からのシャッタボタン半押し操作に応じた信号を監視することにより、ユーザによりシャッタボタンが半押し操作されているか否かを判断する。制御部10は、シャッタボタンが半押し操作されていないと判断した場合(ステップS3:NO)、操作部25からのシャッタボタン半押し操作に応じた信号を検知するまで待機状態になる。一方、制御部10は、シャッタボタンが半押し操作されていると判断した場合(ステップS3:YES)、ステップS4に処理を進める。
【0045】
次にステップS4において、制御部10は、AF処理を行う。具体的に、制御部10は、光学系制御部12を介して光学系駆動部13を制御することにより、光学系駆動部13にフォーカスレンズを光軸方向に進退させて、AF評価部23から供給されるAF評価値が最も高くなるレンズ位置でフォーカスレンズを停止させる。
【0046】
次にステップS5において、制御部10は、ストロボ装置29の充電が完了しているか否かを判断する。具体的に、制御部10は、ストロボ制御部29aから供給された信号が示すコンデンサ29bの充電電圧と、コンデンサ29bの満充電状態における充電電圧(例えば330V)とを比較することにより、ストロボ装置29の充電が完了しているか否かを判断する。制御部10は、ストロボ装置29の充電が完了していないと判断した場合、ステップS6に処理を進める。一方、制御部10は、ストロボ装置29の充電が完了していると判断した場合、ステップS10に処理を進める。
【0047】
ステップS6において、制御部10は、高感度撮影用のAE処理を行う。具体的に、制御部10は、ROM10bから読み出した高感度撮影用のプログラム線図31と、AE評価部24から供給された測光データ(被写体輝度)とに基づいて、シャッタ速度、絞り値、ISO感度からなる露出条件を決定する。なお、図3(A)に示す例では、被写体輝度が6EVであり、このとき、高感度撮影用のプログラム線図31からは、シャッタ速度がTV5(1/30秒)、絞り値がAV3(F2.8)、さらにISO感度が3SVアップと決定される。そして、制御部10は、決定した露出条件を示す制御信号を各部に供給することにより、ストロボ装置29の非発光時において適正な露出が得られるように各部を制御する。
【0048】
次にステップS7において、制御部10は、ユーザによりシャッタボタンが全押し操作されているか否かを判断する。具体的には、制御部10は、操作部25からのシャッタボタン全押し操作に応じた信号を監視することにより、ユーザによりシャッタボタンが全押し操作されているか否かを判断する。制御部10は、シャッタボタンが全押し操作されていないと判断した場合(ステップS7:NO)、ステップS8に処理を進める。一方、制御部10は、シャッタボタンが全押し操作されていると判断した場合(ステップS7:YES)、ステップS9に処理を進める。
【0049】
ステップS8において、制御部10は、次のフレームのライブビュー画像用の画像データを生成する。具体的に、制御部10は、画像入力コントローラ20に、ステップS8の時点で前処理部19から供給される1フレームのベイヤデータを、次のフレームのベイヤデータとして画像メモリ21のライブビュー画像記憶領域21aに記憶させる。そして、制御部10は、画像処理部22に、ライブビュー画像記憶領域21aに記憶されているベイヤデータからライブビュー画像用の画像データを生成させる。
【0050】
ステップS8の処理の後、制御部10は、ステップS5に処理を戻す。そして、制御部10は、ストロボ装置29の充電が完了したと判断するまで、ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS5→・・・の処理を繰り返す。この間に、ストロボ装置29のコンデンサ29bに電力が充電されていく。
【0051】
そして、ストロボ装置29の充電の途中でシャッタボタンが全押し操作されたと判断されると、ステップS9において、制御部10は、仮撮影を実行する。具体的に、制御部10は、撮像素子駆動部18を制御することにより、撮像素子駆動部18に、全画素読み出し方式によって撮像素子17の全ての画素に蓄積されている画像信号をアナログ信号として出力させる。この仮撮影において、制御部10は、ストロボ制御部29aを制御して、ストロボ装置29にストロボ光を照射することを禁止させる。また、仮撮影における撮像素子17の露光時間は、撮像素子17の電子シャッタ機能により制御される。つまり、本実施形態に係る仮撮影においては、シャッタ装置14は開閉駆動されない。そして、前処理部18により、この全画素分のアナログ信号からベイヤデータが生成される。制御部10は、画像入力コントローラ20を制御することにより、画像入力コントローラ20に、このベイヤデータを画像メモリ21の撮影画像記憶領域21bに記憶させる。これにより、高画質の画像を表現するベイヤデータが撮影画像記憶領域21bに記憶される。
【0052】
制御部10は、ステップS9の処理の後、ステップS3に処理を戻す。そして、制御部10は、ストロボ制御部29aに、ステップS9の仮撮影が実行された場合でも、コンデンサ29bの充電を中断させることなく継続させる。そして、シャッタボタンが再度半押し操作されれば(ステップS3:YES)、ステップS5において、制御部10は、ストロボ装置29の充電が完了しているか否かを再び判断する。なお、ストロボ装置29の充電が完了していない間は、ユーザのシャッタボタンの全押し操作により何度でも仮撮影を実行できる。
【0053】
一方、ストロボ装置29の充電が完了したと判断されると、ステップS10において、制御部10は、ストロボ撮影用のAE処理を行う。具体的に、制御部10は、ROM10bから読み出したストロボ撮影用のプログラム線図32と、AE評価部24から供給された測光データ(被写体輝度)とに基づいて、シャッタ速度、絞り値、ISO感度からなる露出条件を決定する。このストロボ撮影用のAE処理においては、ISO感度が高めに設定されることがない。なお、図3(B)に示す例では、被写体輝度である8EVが暗すぎるためにプログラム線図から外れていることから、その付近で被写体像が一番明るくなる露出条件として、シャッタ速度がTV6(1/60秒)、絞り値がAV3(F2.8)と決定される。そして、制御部10は、決定した露出条件を示す制御信号を各部に供給することにより、ストロボ装置29の発光時において適正な露出が得られるように各部を制御する。
【0054】
続いて、制御部10は、光学系駆動部13のエンコーダから供給されるフォーカスレンズのレンズ位置を示す信号に基づいて、主要被写体までの撮影距離を算出する。そして、制御部10は、算出した撮影距離と、決定されたISO感度及び絞り値とに基づき、適正な露出を得るために必要なストロボ発光量を算出し、算出したストロボ発光量を示す信号をストロボ制御部29aに出力する。ストロボ制御部29aは、制御部10から供給されたストロボ発光量に対応したストロボ発光時間を設定する。
【0055】
次にステップS11において、制御部10は、ユーザによりシャッタボタンが全押し操作されているか否かを判断する。具体的には、制御部10は、操作部25からのシャッタボタン全押し操作に応じた信号を監視することにより、ユーザによりシャッタボタンが全押し操作されているか否かを判断する。制御部10は、シャッタボタンが全押し操作されていないと判断した場合(ステップS11:NO)、シャッタボタンが全押し操作されていると判断するまで待機状態となる。一方、制御部10は、シャッタボタンが全押し操作されていると判断した場合(ステップS11:YES)、ステップS12に処理を進める。
【0056】
次にステップS12において、制御部10は、本撮影を行う。具体的に、制御部10は、シャッタ制御部15を介してシャッタ駆動部16を制御することにより、シャッタ駆動部16にシャッタ装置14のシャッタ羽根を一旦閉じさせる。そして、制御部10は、シャッタ駆動部16に、ステップS10において決定された絞りとシャッタ速度で、シャッタ羽根の開閉動作を行わせる。シャッタ羽根が開いている間に撮像素子17の露光が行われる。そして、シャッタ羽根が全開した瞬間に制御部10から出力される同期信号に応答して、ストロボ制御部29aがストロボ放電管29cを発光させて、撮影補助光であるストロボ光を被写体に照射する。このストロボ光の照射は、ステップS10で設定されたストロボ発光時間が経過した時点で終了される。これにより主要被写体を適正な露光量で撮影するためのストロボ発光量が得られる。シャッタ羽根が閉じた後、制御部10は、撮撮像素子駆動部18に、全画素読み出し方式によって撮像素子17の全ての画素に蓄積されている画像信号をアナログ信号として出力させる。そして、前処理部18によりアナログ信号からベイヤデータが生成される。制御部10は、画像入力コントローラ20に、このベイヤデータを画像メモリ21の撮影画像記憶領域21bに記憶させる。なお、機械式のシャッタ装置14を用いる代わりに、撮像素子17の電子シャッタ機能を用いて本撮影における撮像素子17の露光動作を制御してもよい。
【0057】
次にステップS13において、制御部10は、画像処理を行う。具体的に、制御部10は、画像処理部22に、ステップS13の時点で撮影画像記憶領域21bに記憶されているベイヤデータのそれぞれに対して各種画像処理を施させて、ベイヤデータのそれぞれから画像データを生成させる。これにより、ステップS9の仮撮影により撮影された画像を表現する画像データの全てと、ステップS12の本撮影により撮影された画像を表現する画像データとが生成される。そして、制御部10は、画像処理部22に、生成した画像データのそれぞれをJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式により圧縮させる。
【0058】
次にステップS14において、制御部10は、画像データを記録する。具体的に、制御部10は、ステップS13において生成された画像データを撮影画像記憶領域21bから読み出して、読み出した画像データを全て記録媒体28に記録する。これにより、仮撮影により撮影された画像を表現する画像データの全てと、本撮影により撮影された画像を表現する画像データとが記録媒体27に記録される。
【0059】
以上で、制御部10は、図4のフローチャートに示される撮影処理を終了させる。
【0060】
以上説明したように、本実施形態に係る撮影装置100においては、ストロボ装置29の充電の途中であっても、シャッタボタンが全押し操作された場合には、仮撮影を実行してベイヤデータを画像メモリ21に記憶するようにした。これにより、ストロボ装置29の充電の途中にシャッタチャンスが発生しても、ユーザは仮撮影によりこのシャッタチャンスを捉えることができる。
【0061】
また、本実施形態に係る撮影装置100においては、ストロボ装置29の充電の途中で仮撮影が実行されても、ストロボ装置29の発光を禁止することによりストロボ装置29の充電を継続するようにした。これにより、仮撮影が実行されても、充電が中断されて仮撮影後にストロボ装置29の充電を最初からやり直す必要がなくなる。そのため、仮撮影から本撮影までの時間間隔が短くなるので、短い時間間隔で連続的に発生したシャッタチャンスを本撮影によって捉えることができる。そして、この本撮影においては、被写体にストロボ光が照射されて、ISO感度を高く設定することがないため、高画質の撮影画像を得ることができる。
【0062】
また、本実施形態に係る撮影装置100においては、画像メモリ21の記憶領域として、ライブビュー表示時に生成されるベイヤデータや画像データを記憶するライブビュー画像記憶領域21aと、仮撮影により生成されるベイヤデータや画像データを記憶する撮影画像記憶領域21bとを設けた。これにより、撮影画像記憶領域21bに、仮撮影により生成されるベイヤデータを本撮影が実行されるまで記憶しておくことができる。
【0063】
また、本実施形態に係る撮影装置100においては、撮像素子17としてCMOS型のイメージセンサが特に好適である。様々な種類の撮像素子がある中で、画像信号の読出速度が高速であるという点ではCMOS型イメージセンサが優れている。撮像素子17としてCMOS型のイメージセンサを採用した場合、仮撮影の際に全画素読み出し方式によって撮像素子17から大容量の画像信号が読み出されるときでも、この大容量の画像信号を高速で読み出して転送できる。このため、ライブビュー表示中に仮撮影がなされても、仮撮影時に全画素読み出し方式により読み出される大容量の画像信号の読み出し時間が短いので、仮撮影後にすぐにライブビュー画像の撮影状態に復帰できる。この結果、本実施形態に係る撮影装置100では、撮像素子17としてCMOS型のイメージセンサを採用した場合、ライブビュー表示中に仮撮影がなされても、表示部27に表示されるライブビュー画像の更新が途切れることがない。
【0064】
また、本実施形態に係る撮影装置100においては、撮像素子17の電子シャッタ機能により仮撮影を実行するようにした。ストロボ光を点灯させる電力は大電流が消費されるために、ストロボ装置29の充電中は、他の各部へ供給される電力が低下しているために各部の動作が不安定なっている。このため、ストロボ装置29の充電中にシャッタ装置14(機械式のシャッタ)を開閉駆動する撮影動作を行うと、この開閉駆動により各部の動作がさらに不安定となる。しかし、本実施形態における仮撮影は電子シャッタで実行され、仮撮影時にシャッタ装置14は開閉駆動されない。このため、本実施形態においては、ストロボ装置29の充電中に仮撮影が実行されても、機械式のシャッタ装置29を開閉駆動させる場合に比べて、仮撮影時の各部の動作を安定的に保つことができる。
【0065】
また、本実施形態に係る撮影装置100においては、制御部10が、ストロボ装置29の充電が完了していないと判断した場合に高感度撮影用のプログラム線図31を用いてAE処理を実行するようにした。これにより、ストロボ装置29の充電が完了しておらずストロボ光を被写体に照射せずに仮撮影を実行しても、高画質の撮影画像を得ることができる。
【0066】
一方で、本実施形態に係る撮影装置100においては、ストロボ光の照射を伴う本撮影に際しては、ストロボ撮影用のプログラム線図32を用いてAE処理を実行するようにした。これにより、ストロボ光を照射しない仮撮影とストロボ光の照射を伴う本撮影との状況に応じて、適正に露出を制御することができる。
【0067】
本実施形態に係る撮影装置100は、ストロボ装置29の充電が完了した後の本撮影時に、仮撮影により撮影画像記憶領域29bに記憶されたベイヤデータに画像処理を施して画像データを生成することとした。しかし、本撮影が実行される前の時点で、仮撮影により得られたベイヤデータに画像処理を施して画像データを生成してもよい。例えば、仮撮影によりベイヤデータが撮影画像記憶領域29bに記憶された時点で、制御部10は、画像処理部22に、直ちにこのベイヤデータに画像処理を施させて画像データを生成させるようにしてもよい。
【0068】
本実施形態に係る撮影装置100は、ストロボ装置29の充電が完了したと判断された後に、ユーザのシャッタボタンの全押し操作に応答して本撮影を実行するようにした。しかし、制御部10が、ストロボ装置29の充電が完了したことをトリガとして、自動的に本撮影を実行させるようにしてもよい。また、制御部10が、ストロボ装置29の充電が完了したと判断された場合、ストロボ装置29の充電が完了した旨を示すメッセージなどを表示部27に表示させるようにしてもよい。このようにすれば、ストロボ装置29の充電の完了後に即時に本撮影が実行できるので、ユーザはストロボ装置29の充電の完了後に突然発生したシャッタチャンスを確実に捉えることができる。
【0069】
本実施形態に係る撮影装置100においては、制御部10が、ストロボ装置29の充電が完了していないと判断した場合に高感度撮影用のプログラム線図31を用いてAE処理を実行するようにした。しかし、公知の撮影シーン自動選択機能を用いて、制御部10が、ストロボ装置29の充電が完了していないと判断した場合に撮影シーンとして「夜景」シーンを自動的に選択して、シャッタ速度を遅め、ISO感度を高めに自動的に設定するようにしてもよい。
【0070】
ところで、撮影処理中に画像メモリ21の撮影画像記憶領域21bの残りの記憶容量が、全画素読み出し方式により読み出される画像信号から生成されるベイヤデータ1枚分よりも小さくなった場合、次の撮影を実行することが不可能になる。この場合に、制御部10が、次の撮影を実行することが不可能である旨を示すメッセージを表示部27に表示させるようにしてもよい。一方、撮影処理中において画像メモリ21の撮影画像記憶領域21bの残りの記憶容量が、全画素読み出し方式により読み出された画像信号から生成されるベイヤデータ1枚分よりも大きい場合には、次の撮影を実行することが可能である。この場合に、制御部10が、次の撮影を実行することが可能である旨を示すメッセージを表示部27に表示させるようにしてもよい。
【0071】
上記の実施形態では、撮影装置に本発明を適用した場合について説明した。しかし、本発明は、ストロボ装置を備える装置であれば、カメラ機能付携帯電話機などにも適用できる。
【0072】
上記の実施形態は本発明の単なる例に過ぎず、本発明を限定する趣旨のものではない。したがって、本実施形態に対してなされ得る変形はすべて本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0073】
100・・・撮影装置、10・・・制御部、10a・・・RAM、10b・・・ROM、11・・・光学レンズ装置、12・・・レンズ制御部、13・・・レンズ駆動部、14・・・シャッタ装置、15・・・シャッタ制御部、16・・・シャッタ駆動部、17・・・撮像素子、18・・・撮像素子駆動部、19・・・前処理部、20画像入力コントローラ、21・・・画像メモリ、22・・・画像処理部、23・・・AF評価部、24・・・AE評価部、25・・・操作部、26・・・表示制御部、27・・・表示部、28・・・記録媒体、29・・・ストロボ装置、29a・・・ストロボ制御部、29b・・・コンデンサ、29c・・・ストロボ放電管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子により撮影した被写体像を表現する画像データを生成する撮影手段と、
前記画像データの記録に向けた撮影を指示する撮影指示手段と、
前記画像データを記録媒体に記録させる記録制御手段と、
被写体に撮影補助光を照射する発光手段と、
前記発光手段を発光させるための電力を充電する充電手段と、
前記電力の充電が完了しているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記充電が完了していないと判断した場合に前記撮影指示手段が撮影を指示したとき、前記撮影手段に、前記画像データの記録に向けた仮撮影を行わせる第1の撮影制御手段と、
前記第1の撮影制御手段が前記撮影手段に前記仮撮影を行わせるとき、前記発光手段に撮影補助光の照射を禁止させる第1の発光制御手段と、
前記判断手段が前記充電が完了していると判断した場合に前記撮影指示手段が撮影を指示したとき、前記撮影手段に、前記画像データの記録に向けた本撮影を行わせる第2の撮影制御手段と、
前記第2の撮影制御手段が前記撮影手段に前記本撮影を行わせるとき、前記発光手段に撮影補助光を照射させる第2の発光制御手段と、
を備えることを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記撮影手段は、
前記撮像素子が生成した被写体像を表現する画像信号からからベイヤデータを生成する第1の画像処理手段と、
前記第1の画像処理手段により生成されたベイヤデータから画像データを生成する第2の画像処理手段と、を備え、
本撮影装置は、
前記第1の画像処理手段により生成されたベイヤデータを記憶する画像記憶手段と、
前記仮撮影時に前記撮像素子が生成した画像信号から、前記第1の画像処理手段により生成された第1のベイヤデータを、前記画像記憶手段に記憶させる第1の記憶制御手段と、
前記本撮影時に前記撮像素子が生成した画像信号から、前記第1の画像処理手段により生成された第2のベイヤデータを、前記画像記憶手段に記憶させる第2の記憶制御手段と、をさらに備え、
前記第2の画像処理手段は、前記第1のベイヤデータから第1の画像データを生成するとともに、前記第2のベイヤデータから第2の画像データを生成し、
前記記録制御手段は、前記本撮影時に、前記第1の画像データと第2の画像データとを記録媒体に記録させる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
前記第2の画像処理手段により生成された画像データをライブビュー表示する表示手段を、さらに備え、
画像記憶手段は、前記ライブビュー表示のためのベイヤデータを記憶する第1の記憶領域と、前記仮撮影または前記本撮影により得られたベイヤデータを記憶する第2の記憶領域と、を備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記撮像素子はCMOS型のイメージセンサであり、
前記撮影手段は、前記撮像素子が生成した画像信号を前記撮像素子から読み出す読み出し手段をさらに備え、
前記読み出し手段は、前記ライブビュー表示時に前記画像信号を間引き読み出し方式により前記撮像素子から読み出し、前記仮撮影時または前記本撮影時に前記画像信号を全画素読み出し方式により前記撮像素子から読み出す
ことを特徴とする請求項1から3いずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項5】
第1の撮影制御手段は、前記判断手段が前記充電が完了していないと判断した場合に前記撮影指示手段が撮影を指示したとき、前記撮影手段に、電子シャッタにより前記仮撮影を行わせる
ことを特徴とする請求項1から4いずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項6】
前記判断手段が前記充電が完了していないと判断した場合に、高感度撮影用のプログラム線図を用いて露出を制御する第1の露出制御手段と、
前記判断手段が前記充電が完了していると判断した場合に、ストロボ撮影用のプログラム線図を用いて露出を制御する第2の露出制御手段と、
をさらに備える請求項1から5いずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項7】
撮像素子により撮影した被写体像を表現する画像データを生成する撮影手段と、前記画像データの記録に向けた撮影を指示する撮影指示手段と、前記撮影指示手段が撮影を指示したとき、前記画像データを記録媒体に記録させる記録制御手段と、被写体に撮影補助光を照射する発光手段と、前記発光手段を発光させるための電力を充電する充電手段と、を備えるコンピュータを、
前記電力の充電が完了しているか否かを判断する判断手段、
前記判断手段が前記充電が完了していないと判断した場合に前記撮影指示手段が撮影を指示したとき、前記撮影手段に、前記画像データの記録に向けた仮撮影を行わせる第1の撮影制御手段、
前記第1の撮影制御手段が前記撮影手段に前記仮撮影を行わせるとき、前記発光手段に撮影補助光の照射を禁止させる第1の発光制御手段、
前記判断手段が前記充電が完了していると判断した場合に前記撮影指示手段が撮影を指示したとき、前記撮影手段に、前記画像データの記録に向けた本撮影を行わせる第2の撮影制御手段、
前記第2の撮影制御手段が前記撮影手段に本撮影を行わせるとき、前記発光手段に撮影補助光を照射させる第2の発光制御手段、
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−171883(P2010−171883A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14465(P2009−14465)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】