説明

撮影装置、撮影データのコピー方法

【課題】複数の記録メディア間で簡便に且つ安全にデータのコピーを行うこと。
【解決手段】DSC28によりムーブ元のCFカード20からムーブするファイルを選択し確定したファイルをSDRAM33に一旦記憶させる。DSC28は、ムーブ先であるSDカード31のディレクトリ構造を検出し同じファイル名が存在する場合には、SDRAM33に一旦記憶させたデータにSDカードに存在するファイル名に連続する新たなファイル名を付与した後、SDカードにデータを書き込みCFカードのデータを削除するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置、撮影データの記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、交換可能な記録メディアに画像データを記録するビデオカメラが知られている。この種のビデオカメラにおいて、メモリカードなどの記録メディアに記録されている画像データには、ファイルとして唯一特定されるファイル名が付与され、そのファイル名をもとに画像の識別・検索を行うことができるようになっている。また、そのファイル名は画像の撮影順序を明確に表すように付与されており、画像ファイルを再生表示する際には、そのファイル名をもとに撮影順に再生表示処理を行うようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、記録メディアを複数装備したビデオカメラも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2によれば、記憶容量の大きいハードディスクを主記録メディアとしてビデオカメラを構成する際、さらに半導体カードメモリを装備し、ビデオカメラの振動がハードディスクに与える影響を軽減するようにしたことが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−247435公報
【特許文献2】特開2002−369121公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のようにメモリカードなどの記録メディアに記録されている画像データには、ファイルとして唯一特定されるファイル名が付与され、そのファイル名をもとに画像の識別・検索を行うことができるようになっている。また、そのファイル名は画像の撮影順序を明確に表すように付与されており、画像ファイルを再生表示する際には、そのファイル名をもとに撮影順に再生表示処理を行うようにしている。通常は、メモリカードの残容量がなくなるとパソコン(以下、PCと記す)などを用いて他の記録メディアにメモリカードのデータを移すようにしている。
【0006】
複数の記録メディアを装備したビデオカメラにおいては、特許文献2にあるように第1の記録メディアに一旦記録し、同じデータを第2の記録メディアに移設すという使用形態では従来のファイル名付与方法は問題とならない。しかしながら、装備している複数の記録メディアにおいて、それぞれ独立してデータを記憶するように構成されているビデオカメラにおいて従来のファイル名付与方法でファイル管理を行い、そのビデオカメラにおいて記録メディア間でデータの複写あるいは移動を行う場合、同じ名前のファイルが存在し、複写あるいは移動ができない、あるいは上書きされてしまい保存データが消失してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、複数の記録メディア間で簡便に且つ安全にデータのコピーを行う撮影装置、撮影データの記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、被写体を撮影して撮影データを出力する撮影手段と、前記撮影データをDCF規格に従って一の記録媒体に記録する記録手段と、前記一の記録媒体に記録された前記撮影データを他の記録媒体にコピーする際、コピーする撮影データのサブフォルダまたはファイルを選択する選択手段と、前記コピー先の記録媒体に、DCIMフォルダがない場合、前記コピー先の記録媒体に前記DCIMフォルダを作成し、作成した前記DCIMフォルダの下層に前記選択されたサブフォルダまたはファイルをコピーする一方、前記コピー先の記録媒体に前記DCIMフォルダがある場合、当該DCIMフォルダの下層に続く既存のサブフォルダまたはファイルの名称の数字部分の最大番号に1を加えた番号から始まる連番を、前記選択されたサブフォルダまたはファイルの名称の数字部分として付与して、コピーするコピー手段と、を有する撮影装置である。
ここで、前記撮影データは、音声データを含む動画像データである。また、前記撮影データは、音声データを含まない静止画像データである。さらに、前記撮影データは、JPEGのデータ構造である。
また、次の発明は、被写体を撮影した撮影データをDCF規格に従って一の記録媒体に記録するステップと、前記一の記録媒体に記録された前記撮影データを他の記録媒体にコピーする際、コピーする撮影データのサブフォルダまたはファイルを選択するステップと、
前記コピー先の記録媒体に、DCIMフォルダがない場合、前記コピー先の記録媒体に前記DCIMフォルダを作成し、作成した前記DCIMフォルダの下層に前記選択されたサブフォルダまたはファイルをコピーする一方、前記コピー先の記録媒体に前記DCIMフォルダがある場合、当該DCIMフォルダの下層に続く既存のサブフォルダまたはファイルの名称の数字部分の最大番号に1を加えた番号から始まる連番を、前記選択されたサブフォルダまたはファイルの名称の数字部分として付与して、コピーするステップと、を有する撮影データの記録方法である。
ここで、前記撮影データは、音声データを含む動画像データである。また、前記撮影データは、音声データを含まない静止画像データである。さらに、前記撮影データは、JPEGのデータ構造である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の記録メディア間でデータのコピーを行う際、コピー先のデータ構造を検出し再構築して書き込むようにしたので、簡便で且つ安全に記録メディア間のデータコピーを実行することができる。
また、PCのように表示デバイスや文字入力するためのキーボードを必要とせず、データコピー先の記録メディアに新たなファイル名を付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る撮影装置、撮影データの記録方法の発明を実施するための最良の形態につき、好ましい実施例により説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は実施例1に適用されるビデオカメラの構成を示した概略ブロック図である。記録メディアにコンパクトフラッシュカード(登録商標:以下、CFカードと記す)、SDカードを用いた構成を例に説明する。同図に示すようにビデオカメラは、光学系11、撮像素子12、AFEブロック13、画像処理回路14、カメラ/JPEGエンコーダ16、ビデオエンコーダ/デコーダ17、DVコーデック18、音声セレクタ/マイクアンプ19、CFカード20、オンスクリーンディスプレイ(OSD)21、表示器22、マイク23、システムCPU(中央処理装置)24、ユーザインタフェース(UI)25、時計回路(RTC)26、電源回路(REG)27、マイコン(DSC)28、音声用ADC/DAC30、SDカード(メモリカード)31、リード・オンリ・メモリ(ROM)32、シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(SDRAM)33から構成されている。
【0012】
まず、カメラで撮影した動画像の記録時の動作について説明する。被写体からの入射光は光学系11を経て撮像素子12に結像され、ここで光電変換されて例えば1つの画面を2分割したときの各分割画面に対応する計2チャンネルの撮像信号に変換された後、AFEブロック13に供給され、ここで各チャンネル毎にそれぞれ相関2重サンプリング(CDS)によるS/Nの改善と、自動利得制御動作によるレベル調整と、A/D変換動作によるA/D変換などの処理が施されてからディジタル映像信号として画像処理回路14に供給されて1画面の画像に合成される。
【0013】
また、画像処理回路14は、発振器(OSC)15により発振出力された一定周波数のクロック信号が供給され、このクロック信号に基づいてAFEブロック13のCDSやA/D変換で用いるクロックを発生してAFEブロック13に供給し、また、撮像素子12で必要な垂直ドライブ信号を発生して撮像素子12に供給する。撮像素子12の水平ドライブ信号は、AFEブロック13から供給される。
【0014】
画像処理回路14から出力された、1画面のディジタル映像信号(ビデオ信号)は、カメラ/JPEGエンコーダ16に供給され、ここで所定のカメラ信号処理が施されて、最終的に記録するために、例えばディジタルビデオカメラ(DVC)規格に合致する有効画素の動画像に画像サイズを変換されて出力される。ビデオエンコーダ/デコーダ17は、カメラ/JPEGエンコーダ16から供給されたビデオ信号をそのまま出力してDVコーデック18に供給する。
【0015】
DVコーデック18は、入力ビデオ信号に対してDV規格に基づいた圧縮処理やシャフリング処理を施すと共に、トラッキング情報、タイムコード、日時情報等の各種制御データを付加し、また音声セレクタ/マイクアンプ19から入力される音声信号をA/D変換して付加し、更に誤り訂正符号を付加してDVフォーマット信号を生成した後、記録に適した信号形態に変調してからCFカード20に供給し記録する。
【0016】
このとき、ビデオエンコーダ/デコーダ17において、その入力ビデオ信号に対して機器操作に必要となる文字をオンスクリーンディスプレイ(OSD)21から出力し、内部で合成後に標準方式(NTSC方式等)の映像信号に変調して、本体表示用の表示器(ビューファインダ、液晶表示装置など)22に出力すると共に、ビデオ信号として外部に出力する。また、マイク23で収音された音声は、マイク23で音響−電気変換された後、音声セレクタ/マイクアンプ19でゲイン調整後にDVコーデック18に供給され、前述したように動画像と一緒にCFカード20に記録される。
【0017】
システムCPU(中央処理装置)24は、操作スイッチ、センサなどのユーザインタフェース(UI)25からのデータ、時計回路(RTC)26からの時計信号に基づいて、電源回路(REG)27の制御信号や、マイコン(DSC)28の制御信号や、図示しない信号線により、他のブロックを統括的に制御する。
【0018】
次に、記録信号の再生動作について説明する。CFカード20において再生された信号は、DVコーデック18にて復調、誤り訂正され、再生動画像信号はDV規格に基づき伸張処理やデシャフリング処理された後、カメラ/JPEGエンコーダ16に一旦出力される。再生音声信号は、DVコーデック18にてD/A変換された後、音声セレクタ/マイクアンプ19に供給されて増幅された後、スピーカ29により電気−音響変換されて音声として発音される。
【0019】
カメラ/JPEGエンコーダ16は、入力された再生動画像信号に対して、必要に応じてズーム、スチル処理などを行ってからビデオエンコーダ/デコーダ17に出力し、これよりカメラで撮影した動画像のテープ録画モードと同様に表示器22や外部に出力されて画像閲覧される。
【0020】
なお、カメラ動画像のテープ録画モードと同じ動作をしている時やテープ再生時には、SDカード(メモリカード)31への動画像及び音声信号の記録も可能である。例えば、カメラ動画像のテープ録画モードでは、カメラ/JPEGエンコーダ16から、DSC28に対して動画像信号が出力される。また、音声信号が音声セレクタ/マイクアンプ19から音声用ADC/DAC30に対して入力され、ここでA/D変換された後DSC28へ出力される。
【0021】
DSC28は、動画像信号に対してはPCのツールで対応可能な所定のサイズ/フレームレートに変換後にMPEG4等の動画圧縮を行い、音声信号に対しても同様にPC上のツールで対応可能なサンプリングレート、ビット数に変換後圧縮を行った後、それらの圧縮した動画像データと音声データを一つのファイルにまとめ、SDカード31へ書き込む。この時、DSC28に接続されるリード・オンリ・メモリ(ROM)32はプログラムコード、シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(SDRAM)33は、画像バッファ、作業領域として使用される。
【0022】
SDカード31の再生時は、SDカード31に記録された動画像データ及び音声データは、DSC28で分離及び伸長後に、動画像信号はビデオエンコーダ/デコーダ17を経由して表示器22で表示するか又は外部へ出力し、音声信号は、音声用ADC/DAC30でD/A変換後に音声セレクタ/マイクアンプ19を介してスピーカ29より発音させる。
【0023】
また、カメラ動画像のテープ録画モードと同じ動作をしている時やテープ再生時には、SDカード31への静止画像の記録も可能である。例えば、カメラ動画像のテープ録画モードと同様にカメラ/JPEGエンコーダ16にビデオ信号を取り込み、ここでJPEG圧縮を行う。その後JPEG圧縮データを外部バスを介して画像処理回路14に転送し、更に、これより高速シリアル転送でDSC28に送信する。そして、DSC28では受け取ったJPEGデータをファイル化してSDカード31に記録する。
【0024】
SDカード31から静止画を再生するときには、SDカード31から読み出したJPEGデータに対して、DSC28でJPEG伸張を行った後、標準方式のテレビ規格に合うようにサイズを変換してから、ビデオエンコーダ/デコーダ17を経由して表示器22に表示したり、ビデオ信号として外部へ出力する。
【0025】
上述の説明では、CFカードにDVフォーマット信号、SDカードにMPEG4信号とする例を挙げたが、CFカードとSDカードとは同じ信号形式でもよく、また画像、音声、その他データなど複数の信号形式が混在する構成としてもよい。
【0026】
次に、以上の記録再生動作を行う実施例のビデオカメラ1を用いて、CFカードとSDカードとの記録メディア間で画像データを複写及び移動する動作について、図2のフローチャート等を併せ参照して詳細に説明する。
【0027】
データの転送動作が開始されると、まず複写(コピー)か移動(ムーブ)かを選択する(S201)。ここでコピーが選択されると(S201コピー)次にコピー元及びコピー先の記録メディアを選択する(S202)。そしてコピーもとの記録メディアからコピーするデータを選択する。まず、静止画、動画、あるいは音声のファイル種類を選択し(S203)、ファイル単位を全ファイル単位、選択したファイル単位、フォルダ単位、あるいは選択したプレイリスト単位で行うかを選択する(S204)。
【0028】
コピーを行うデータが確定された後、確定されたデータをコピー元記録メディアからSDRAM33へ一旦記憶させる(S205)。ここで再度コピーするかどうか確認する(S206)。コピーを行わない選択がされた場合(S206No)開始場面に戻る(S201)。
【0029】
コピーを行う選択がされた場合(S206Yes)、コピー先の記録メディアに先のコピー確定データと同じファイル名、フォルダ名がないかどうかを調べ、ある場合はSDRAM33へ一旦記憶させたコピー確定データのファイル名、フォルダ名を変更する(S207)。
【0030】
ファイル名、フォルダ名を変更する手順(S207)について図3に一例を挙げ説明する。ファイル単位でコピーする場合を想定したものである。同図(a)はコピー元メディアのコピー対象ファイルを示したものである。(b)はコピー先メディアにディレクトリ構造がない場合、(c)はコピー先メディアにディレクトリ構造がある場合のコピー例を示したものである。
【0031】
同図(a)に示すようにコピー元メディアの中からコピー対象ファイル選択する。前述のコピーを行う選択がされた場合、これら選択されたファイルをSDRAM33へ一旦記憶させると共に、コピー先メディアのディレクトリ構造を検出する。(b)に示すようにディレクトリ構造がない場合、「DCIM」フォルダを作成する。サブフォルダの「***JVCSO」を100から連番で作成し、ファイル名は変更せずにコピーすなわちコピー先メディアに書き込む(S208)。
【0032】
(c)に示すようにディレクトリ「DCIM」がすでにあった場合、「DCIM」の下層にコピーを行うようにする。さらにサブフォルダの「100JVCGR」が存在する場合には、その最大フォルダ番号+1の番号からフォルダ名を付与する。そして(c)に示すようにフォルダ構成、ファイル名を維持しコピーすなわちコピー先メディアに書き込む(S208)。
【0033】
次に、データの移動(ムーブ)について説明する。ムーブが選択されると(S201ムーブ)次にムーブ元及びムーブ先の記録メディアを選択する(S210)。そしてムーブもとの記録メディアからムーブするデータを選択する。まず、静止画、動画、あるいは音声のファイル種類を選択し(S211)、ファイル単位を全ファイル単位、選択したファイル単位、フォルダ単位、あるいは選択したプレイリスト単位で行うかを選択する(S212)。
【0034】
ムーブを行うデータが確定された後、確定されたデータをムーブ元記録メディアからSDRAM33へ一旦記憶させる(S213)。ここで再度ムーブするかどうか確認する(S214)。ムーブを行わない選択がされた場合(S214No)開始場面に戻る(S201)。
【0035】
ムーブを行う選択がされた場合(S214Yes)、ムーブ先の記録メディアに先のムーブ確定データと同じファイル名、フォルダ名がないかどうかを調べ、ある場合はSDRAM33へ一旦記憶させたムーブ確定データのファイル名、フォルダ名を変更する(S215)。
【0036】
ファイル名、フォルダ名を変更する手順(S215)については、上述のコピーの場合と同様である。ファイル単位でムーブする場合を想定したものを図3により説明する。同図(a)はムーブ元メディアのムーブ対象ファイルを示したものである。(b)はムーブ先メディアにディレクトリ構造がない場合、(c)はムーブ先メディアにディレクトリ構造がある場合のムーブ例を示したものである。以上のように読みかえる。
【0037】
(b)に示すようにディレクトリ構造がない場合、「DCIM」フォルダを作成する。サブフォルダの「***JVCSO」を100から連番で作成し、ファイル名は変更せずにムーブすなわちムーブ先メディアに書き込む(S216)。
【0038】
(c)に示すようにディレクトリ「DCIM」がすでにあった場合、「DCIM」の下層にムーブを行うようにする。さらにサブフォルダの「100JVCGR」が存在する場合には、その最大フォルダ番号+1の番号からフォルダ名を付与する。そして(c)に示すようにフォルダ構成、ファイル名を維持しムーブすなわちムーブ先メディアに書き込む(S216)。
【0039】
ムーブの場合は、ムーブ先メディアにデータを書き込んだ後、ムーブ元メディアのデータを削除する(S217)。
【0040】
上述の説明ではファイル単位の静止画を選択したファイル単位でコピー、あるいはムーブする例を挙げ説明したが、動画、あるいは音声のファイル、ファイル単位を全ファイル単位、フォルダ単位、あるいは選択したプレイリスト単位で行ってもよい。これらの場合もコピーあるいはムーブ先メディアにディレクトリ構造がない場合、ディレクトリ構造がある場合を検出し、できるだけコピーあるいはムーブ元メディアのディレクトリ構造を引き継ぐようにフォルダ、サブフォルダを付与するようにする。
【0041】
また、図3ではファイル名を表示させて選択したが、ファイルを表示面に分割表示いわゆるサムネイル表示させ、視覚的に選択するよう構成してもよい。
【実施例2】
【0042】
図4を用いて、コピーあるいはムーブする際、指定のファイル名を入力する構成とした例を説明する。
通常記録メディアが1種類装備されている記録装置のデータをコピーあるいはムーブする場合、PCを用いることが考えられる。しかしながら、PCを用いた場合コピーあるいはムーブ元とコピーあるいはムーブ先で同じ名前のファイルが存在する場合「同じ名前のファイルが存在します。上書きしますかYes・No」といった表示がなされ、上書きするか、動作を終了する選択肢しかない。コピーあるいはムーブを行う場合、一旦コピーあるいはムーブ元のファイル名を変更して再度コピーあるいはムーブを行う必要がある。または、コピーあるいはムーブ先に異なるディレクトリあるいはフォルダを作成した後、再度コピーあるいはムーブを行う必要がある。
【0043】
本発明におけるビデオカメラの場合、複数の記録メディアを装備しており、データのコピーあるいはムーブはユーザがコマンドを入力することにより開始されるので、上述のような煩雑な動作はユーザの利便性を損なうものである。そこで、実施例1のように自動的にファイル名等を変更する構成以外に、コピーあるいはムーブする場合指定のファイル名を入力する構成とした例である。
【0044】
図2におけるS207・S215に相当するステップである。コピーあるいはムーブを決定選択する表示を図4(a)に、同図(b)にファイル名入力場面の表示を、(c)に正常動作確認の場面表示を示す。
(a)において実行を選択すると(b)に示すようなファイル名入力場面が表示される。本実施例に適用されるビデオカメラの場合、表示画面が大きくすることができない小型の装置が想定される。この(b)に示すようにキーボードを表示し選択するように構成することにより限られた表示画面においても対応することができる。
【0045】
(b)の画面ある文字をダイレクトに、または上下左右キーを用いて選択しファイル名を入力する。入力が終わると決定キーを選択する。ファイル名が決定されるとコピーあるいはムーブ先に決定されたファイル名で選択されたデータを書き込み、コピーの場合は動作終了、ムーブの場合はムーブ元のデータを削除して動作終了となる。
【実施例3】
【0046】
図5を用いて、磁気テープ、CFカード、SDカードを装備した実施例3について説明する。上述の実施例1及び実施例2では、記録メディアにCFカード、SDカードを用いる例を説明したが、磁気テープ、CFカード、SDカードを装備したビデオカメラとして構成してもよい。同図に示すように、DVCデッキ50がDVコーデック18に接続され、SDカード31と並列にCFカード20をDSC28に接続した例である。
【0047】
実施例1、実施例2では2種類の記録メディア、実施例3では3種類の記録メディアの例を説明したが、なお多数の記録メディアを装備する構成としてもよい。また、記録メディア接続部を共用な構造とし複数の記録メディアが使用可能な構成としてもよい。
【0048】
さらには、実施例1と実施例2とを組合わせ、自動的にファイル名を付与する構成とファイル名を入力する構成とを有し選択可能なようにしてもよい。
【0049】
各実施例においてはビデオカメラを例に説明したが、DV規格、JPEGなどに限らずどのようなデータ構造を用いてもよく、撮像手段がない音声記録装置、データ記録装置に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施例1及び実施例2に適用されるビデオカメラの構成を示した概略ブロック図である
【図2】記録メディア間でデータを複写及び移動する動作について説明するためのフローチャートである。
【図3】ファイル名、フォルダ名を変更する手順の一例を説明するための図である。
【図4】ファイル名、フォルダ名を入力する手順の一例を説明するための図である。
【図5】実施例3に適用されるビデオカメラの構成を示した概略ブロック図である。
【符号の説明】
【0051】
11…光学系
12…撮像素子
13…AFEブロック
14…画像処理回路
16…カメラ/JPEGエンコーダ
17…ビデオエンコーダ/デコーダ
18…DVコーデック
19…音声セレクタ/マイクアンプ
20…CFカード
21…オンスクリーンディスプレイ(OSD)
22…表示器
23…マイク
24…システムCPU(中央処理装置)
25…ユーザインタフェース(UI)
26…時計回路(RTC)
27…電源回路(REG)
28…マイコン(DSC)
30…音声用ADC/DAC
31…SDカード(メモリカード)
32…リード・オンリ・メモリ(ROM)
33…シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(SDRAM)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影して撮影データを出力する撮影手段と、
前記撮影データを一の記録媒体に記録する記録手段と、
前記一の記録媒体に記録された前記撮影データを他の記録媒体にコピーする際、コピーする撮影データのサブフォルダまたはファイルを選択する選択手段と、
前記コピー先の記録媒体に、DCIMフォルダがない場合、前記コピー先の記録媒体に前記DCIMフォルダを作成し、作成した前記DCIMフォルダの下層に前記選択されたサブフォルダまたはファイルをコピーする一方、前記コピー先の記録媒体に前記DCIMフォルダがある場合、当該DCIMフォルダの下層に続く既存のサブフォルダまたはファイルの名称の数字部分の最大番号に1を加えた番号から始まる連番を、前記選択されたサブフォルダまたはファイルの名称の数字部分として付与して、コピーするコピー手段と、
を有する撮影装置。
【請求項2】
請求項1記載の撮影装置において、
前記撮影データは、音声データを含む動画像データである、撮影装置。
【請求項3】
請求項1記載の撮影装置において、
前記撮影データは、音声データを含まない静止画像データである、撮影装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3いずれか一の請求項に記載の撮影装置において、
前記撮影データは、JPEGのデータ構造である、撮影装置。
【請求項5】
被写体を撮影した撮影データを一の記録媒体に記録するステップと、
前記一の記録媒体に記録された前記撮影データを他の記録媒体にコピーする際、コピーする撮影データのサブフォルダまたはファイルを選択するステップと、
前記コピー先の記録媒体に、DCIMフォルダがない場合、前記コピー先の記録媒体に前記DCIMフォルダを作成し、作成した前記DCIMフォルダの下層に前記選択されたサブフォルダまたはファイルをコピーする一方、前記コピー先の記録媒体に前記DCIMフォルダがある場合、当該DCIMフォルダの下層に続く既存のサブフォルダまたはファイルの名称の数字部分の最大番号に1を加えた番号から始まる連番を、前記選択されたサブフォルダまたはファイルの名称の数字部分として付与して、コピーするステップと、
を有する撮影データの記録方法。
【請求項6】
請求項5記載の撮影データの記録方法において、
前記撮影データは、音声データを含む動画像データである、撮影データの記録方法。
【請求項7】
請求項5記載の撮影データの記録方法において、
前記撮影データは、音声データを含まない静止画像データである、撮影データの記録方法。
【請求項8】
請求項5〜請求項7いずれか一の請求項に記載の撮影データの記録方法において、
前記撮影データは、JPEGのデータ構造である、撮影データの記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−112021(P2009−112021A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−303805(P2008−303805)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【分割の表示】特願2004−221373(P2004−221373)の分割
【原出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】