説明

撮影装置、画像処理装置、これらにおける画像処理方法およびプログラム

【課題】画像に含まれるブレを適切に補正する。
【解決手段】対象物位置決定部320は、撮像部110により撮像された画像である撮像画像に含まれる対象物の位置を、操作受付部250における対象物の選択入力により決定する。対象物動き量検出部330は、撮像画像に含まれる対象物の動き量を検出する。対象物領域抽出部360は、その対象物の領域を抽出する。対象物動き予測量算出部350は、検出された対象物の動き量に基づいて対象物の動き量を予測する。ブレ補正部381は、対象物の動き量に基づいて撮像画像を補正して補正画像とする。画像合成部383は、対象物画像抽出部382により抽出された対象物の領域内の補正画像を、撮像画像の対象物の領域に合成する。領域境界補正部384は、合成画像における背景と対象物との境界の周辺領域において境界からの距離に応じて合成画像の画素値を変更して補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関し、特に、撮影画像等のブレを補正する撮影装置、画像処理装置、および、これらにおける画像処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人物等の被写体を撮像して画像データとして記録するデジタルスチルカメラ等の撮像装置が急速に普及し、これらの撮像装置の高性能化が進んでいる。また、これらの撮像装置の小型化も進んでおり、携帯が可能な撮像装置が各種提案されている。これにより、ユーザが撮像装置を旅行等に携帯して色々な場所で撮影をすることができる。
【0003】
これらの撮像装置を手で持って撮影する場合には、撮像装置自体のブレおよび被写体のブレの2種類のブレが主に生じる。
【0004】
これらのブレを検出する方法として、振動センサ、速度センサ、加速度センサ、重力センサ等による撮像装置自体のブレの検出方法や、画像処理による動きベクトルの検出方法等の検出方法が主に知られている。
【0005】
これらの検出方法によって検出されたブレ成分を用いて、このブレ成分をキャンセルする方向に撮影画像の位置を移動させることによって撮影画像におけるブレを補正することができる。
【0006】
例えば、タイミングジェネレータから供給されるサンプリング信号のうちシャッター速度に応じたサンプルタイミングによって、手振れセンサから供給される手振れ検出情報をサンプリングし、サンプリングされた手振れ検出情報に基づいて、撮像素子によって得られる画像信号の読み出し位置を制御して手振れを補正する撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平05−316404号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の従来技術では、撮影画像に含まれる被写体の動きとは無関係に均一的にブレ補正処理が実施される。これにより、撮影画像全体としての手振れ等のブレを補正することができる。
【0008】
一般に、撮像装置が用いられる状況としては、例えば、遊園地の動く乗り物に乗って遊んでいる人物を撮影したり、水族館の水槽で泳ぐ亀等を撮影したりすることも考えられる。このように、移動している物体を撮像装置で撮影する場合には、撮影された画像に含まれる物体がブレてしまう、いわゆる、被写体ブレが生じることが多い。
【0009】
しかしながら、これらの補正処理では、撮影画像に含まれる背景や人物が均一に扱われるため、撮影者が被写体として狙っていた人物やその顔、目、鼻、口等にブレ成分が残った状態となることが考えられる。
【0010】
そこで、移動している物体を撮影する場合において、移動している物体に合わせて撮像装置のレンズを移動させる、いわゆる、流し撮りを行うことが考えられる。しかしながら、この流し撮りは、難しい技法と言われているため、初心者等にとっては撮影が難しいという問題がある。また、この流し撮りを行うことによって、被写体ブレを軽減させることができるものの、背景がブレてしまうことが多く、写真全体を鮮鋭度の高い画像としたい人の要請に応えることが困難である。
【0011】
このため、例えば、移動している亀を撮影する場合において、画像に含まれるブレを適切に補正し、移動している亀のブレとともに、この亀の背景のブレについても低減させることができれば、ユーザの好みに応じた適切な画像を提供することができると考えられる。
【0012】
そこで、本発明は、画像に含まれるブレを適切に補正することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、入射光を撮像データに変換する撮像手段と、上記撮像データに含まれる所定の領域の動き量を検出する動き量検出手段と、上記動き量に基づいて上記撮像データの上記所定の領域を補正して補正画像とする補正手段と、上記補正画像を上記撮像データの上記所定の領域に合成する合成手段とを具備することを特徴とする撮像装置およびその画像処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、撮像データに含まれる所定の領域の動き量を検出し、この動き量に基づいて撮像データの所定の領域を補正して補正画像とし、この補正画像を撮像データの所定の領域に合成するという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記撮像データを記憶する画像記憶手段と、上記検出された動き量を上記所定の領域の画像に関連付けて上記画像記憶手段に記憶する記憶制御手段とをさらに具備し、上記補正手段は、上記画像記憶手段に記憶されている撮像データの上記所定の領域を当該撮像データに対応して上記画像記憶手段に記憶されている動き量に基づいて補正して補正画像とし、上記合成手段は、上記画像記憶手段に記憶されている撮像データの上記所定の領域に上記補正画像を合成することができる。これにより、検出された動き量を所定の領域の画像に関連付けて画像記憶手段に記憶して、この画像記憶手段に記憶されている撮像データの所定の領域を、その撮像データに対応する動き量に基づいて補正して補正画像とし、その撮像データの所定の領域に補正画像を合成するという作用をもたらす。また、この場合において、上記記憶制御手段は、上記所定の領域に関する領域情報を上記所定の領域の画像に関連付けて上記画像記憶手段に記憶することができる。これにより、所定の領域に関する領域情報を、この領域の画像に関連付けて画像記憶手段に記憶するという作用をもたらす。また、この場合において、上記領域情報は、上記所定の領域に含まれる画像の縮小画像を含むことができる。これにより、所定の領域に含まれる画像の縮小画像を、この領域の画像に関連付けて画像記憶手段に記憶するという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記撮像手段により撮像された画像の記録操作を受け付ける記録操作受付手段をさらに具備し、上記動き量検出手段は、上記撮像手段により撮像された画像について1フレーム毎に上記所定の領域の動き量を検出し、上記記憶制御手段は、上記記録操作が受け付けられた際に上記撮像手段により撮像された画像を記録するとともに記録操作が受け付けられた際に検出された上記所定の領域の動き量を当該画像に関連付けて上記画像記憶手段に記録することができる。これにより、撮像された画像について1フレーム毎に所定の領域の動き量を検出して、記録操作が受け付けられた際に撮像された画像と、記録操作が受け付けられた際に検出された所定の領域の動き量とを関連付けて画像記憶手段に記録するという作用をもたらす。また、この場合において、上記記録操作が受け付けられた際に検出された上記所定の領域の動き量に基づいて新たな動き量を予測する動き量予測手段をさらに具備し、上記記憶制御手段は、上記記録操作が受け付けられた際に上記撮像手段により撮像された画像を記憶するとともに上記新たな動き量を当該画像に関連付けて上記画像記憶手段に記憶することができる。これにより、記録操作が受け付けられた際に検出された所定の領域の動き量に基づいて新たな動き量を予測して、記録操作が受け付けられた際に撮像された画像と新たな動き量とを関連付けて画像記憶手段に記憶するという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、上記撮像された画像を表示する表示手段と、上記表示された画像に含まれる特定の物体の選択入力を受け付ける選択受付手段と、上記選択された物体の領域を上記所定の領域として抽出する所定領域抽出手段とをさらに具備することができる。これにより、撮像された画像を表示して、この表示された画像に含まれる特定の物体の選択入力が受け付けられると、この選択された物体の領域を所定の領域として抽出するという作用をもたらす。
【0017】
また、この第1の側面において、上記合成された画像における上記所定の領域に含まれる画像の境界の周辺領域において当該境界からの距離に応じて上記合成された画像の画素値を変更する境界補正手段をさらに具備することができる。これにより、合成された画像における所定の領域に含まれる画像の境界の周辺領域において、その境界からの距離に応じて、合成された画像の画素値を変更するという作用をもたらす。
【0018】
また、本発明の第2の側面は、入射光が変換された撮像データと当該撮像データに含まれる所定の領域の動き量とを入力する入力手段と、上記動き量に基づいて上記撮像データの上記所定の領域を補正して補正画像とする補正手段と、上記補正画像を上記撮像データの上記所定の領域に合成する合成手段とを具備することを特徴とする画像処理装置およびその画像処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、撮像データとこれに含まれる所定の領域の動き量とを入力して、この動き量に基づいて撮像データの所定の領域を補正して補正画像とし、この補正画像を撮像データの所定の領域に合成するという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、画像に含まれるブレを適切に補正することができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態における撮像装置100の機能構成例を示すブロック図である。
【0022】
撮像装置100は、撮像部110と、CPU120と、RAM130と、カメラ信号処理エンジン140と、対象物検出エンジン150と、対象物領域抽出エンジン160と、動き量検出エンジン180と、ブレ補正エンジン190と、画像表示エンジン200と、表示部210と、メディアコントローラ220と、撮影画像記憶部230と、操作入力コントローラ240と、操作受付部250と、データバス260とを備える。
【0023】
撮像部110は、光学系と撮像素子とから構成され、光学系を通して撮像された画像を画像信号に光電変換し、光電変換された画像信号をカメラ信号処理エンジン140に出力するものである。
【0024】
CPU(Central Processing Unit)120は、各種制御プログラムに基づいて撮像装置100全体を制御するものである。
【0025】
RAM(Random Access Memory)130は、各種データを格納するメモリであり、画像処理のための各種の画像保存領域を備える。
【0026】
カメラ信号処理エンジン140は、撮像部110から出力された画像信号に対して適正な信号処理を施してデータバス260に出力するものである。
【0027】
対象物検出エンジン150は、入力された画像から、被写体の対象となる特定の物体である対象物を検出するものである。例えば、対象物検出エンジン150は、入力された画像に含まれる人の顔を対象物として検出することができる。
【0028】
対象物領域抽出エンジン160は、ユーザにより決定された対象物または対象物検出エンジン150により検出された対象物について、入力された画像における領域を抽出するものである。
【0029】
動き量検出エンジン180は、ユーザにより決定された対象物または対象物検出エンジン150により検出された対象物について、入力された画像における動き量を検出するものである。
【0030】
ブレ補正エンジン190は、ユーザにより決定された対象物または対象物検出エンジン150により検出された対象物について、対象物領域抽出エンジン160により抽出された領域と、動き量検出エンジン180により検出された動き量とに基づいてブレ成分を補正するものである。
【0031】
画像表示エンジン200は、CPU120からの制御に基づいて、各種画像を表示部210に出力するものである。
【0032】
表示部210は、画像表示エンジン200から出力された各種画像データに対応する画像を表示する画像表示装置である。画像表示装置として、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や電子ビューファインダ(EVF)が用いられる。
【0033】
メディアコントローラ220は、撮影画像記憶部230から入力された画像データをデータバス260を介してRAM130等に出力するとともに、各種画像データを撮影画像記憶部230に出力して記録するものである。
【0034】
撮影画像記憶部230は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式の画像データ等の各種データを記録する情報記録媒体である。
【0035】
操作入力コントローラ240は、操作受付部250において受け付けられた操作入力をデータバス260を介してCPU120に出力するものである。
【0036】
操作受付部250は、表示部210に表示されている画像において対象物を指定するための上下左右キーや撮影する際に押下するシャッターボタン等の各種操作部材を備え、これらの操作部材から操作入力を受け付けると、受け付けた操作入力の内容を操作入力コントローラ240に出力するものである。なお、表示部210および操作受付部250については、これらの一部または全部をタッチパネルとして一体で構成するようにしてもよい。
【0037】
図2は、本発明の実施の形態における撮像装置100の機能構成例を示すブロック図である。ここでは、撮像された画像から対象物の動き量および領域情報を検出して、撮像画像と対象物の動き量および領域情報とを関連付けて撮影画像記憶部230に記憶する場合における機能構成例と、撮影画像記憶部230に記憶されている撮像画像について対象物の動き量および領域情報を用いて被写体のブレを補正する場合における機能構成例を示す。
【0038】
撮像装置100は、撮像部110と、表示部210と、撮影画像記憶部230と、操作受付部250と、画像入力部310と、対象物位置決定部320と、対象物動き量検出部330と、対象物位置更新部340と、対象物動き予測量算出部350と、対象物領域抽出部360と、記憶制御部370と、対象物ブレ補正部380と、表示制御部390とを備える。
【0039】
撮像部110は、図1に示す撮像部110に対応するものであり、光電変換された画像信号を画像入力部310に出力するものである。
【0040】
操作受付部250は、図1に示す操作受付部250に対応するものであり、表示部210に表示されている画像に含まれる対象物を選択する旨の操作入力を対象物位置決定部320に出力するものである。また、操作受付部250は、ユーザによりシャッターボタンが押下された場合には、この押下の際に撮像された画像を記憶する旨の操作入力を記憶制御部370に出力する。さらに、操作受付部250は、撮像部110により撮像された画像を表示部210に表示する旨の操作入力や、対象物ブレ補正部380により補正された画像を表示部210に表示する旨の操作入力を表示制御部390に出力する。
【0041】
画像入力部310は、撮像部110から出力された画像信号を入力するものであり、入力された画像信号に対応する画像を1フレーム毎に、対象物位置決定部320、対象物領域抽出部360、記憶制御部370および表示制御部390に出力するものである。
【0042】
対象物位置決定部320は、画像入力部310から出力された画像に含まれる被写体のうちから、操作受付部250からの操作入力に応じて、少なくとも1つの物体を対象物として決定するものであり、決定された対象物の位置を、対象物動き量検出部330および対象物領域抽出部360に出力する。また、対象物位置決定部320は、操作受付部250からの操作入力に応じて対象物が決定された後に、対象物位置更新部340から出力される対象物の位置の更新情報によって、1フレーム毎に対象物の位置を更新して、更新された対象物の位置を、対象物動き量検出部330および対象物領域抽出部360に出力する。なお、対象物位置決定部320による対象物の決定については、図3を参照して詳細に説明する。また、対象物位置決定部320は、対象物検出エンジン150により検出された対象物を決定するようにしてもよい。
【0043】
対象物動き量検出部330は、対象物位置決定部320から出力された対象物の位置に基づいて、1フレーム毎に対象物の動き量を検出するものであり、検出された動き量を対象物位置更新部340および対象物動き予測量算出部350に出力するものである。なお、動き量の検出については、図5(a)および(b)を参照して詳細に説明する。
【0044】
対象物位置更新部340は、対象物動き量検出部330から出力された対象物の動き量に基づいて、対象物の位置の更新情報を作成し、作成された対象物の位置の更新情報を対象物位置決定部320に出力するものである。
【0045】
対象物動き予測量算出部350は、対象物動き量検出部330から出力された対象物の動き量に基づいて、その対象物について予測される動き量を動き予測量として算出するものであり、算出された動き予測量を記憶制御部370に出力する。なお、動き予測量の算出については、図5(b)および(c)を参照して詳細に説明する。
【0046】
対象物領域抽出部360は、画像入力部310から出力された画像における対象物位置決定部320により決定された対象物を囲む領域を、対象物位置決定部320から出力された対象物の位置に基づいて抽出するものであり、抽出された対象物を囲む領域に関する情報を記憶制御部370に出力する。対象物を囲む領域に関する情報は、例えば、対象物を囲む領域の座標、形状、縮小画像等である。なお、対象物を囲む領域については、図4を参照して詳細に説明する。
【0047】
記憶制御部370は、画像入力部310から出力された画像と、この画像に対応して対象物動き予測量算出部350から出力された動き予測量と、この画像に対応して対象物領域抽出部360から出力された対象物を囲む領域に関する情報とを関連付けて撮影画像記憶部230に記憶するものである。
【0048】
撮影画像記憶部230は、撮影画像と、この画像に対応する動き予測量と、この画像に対応する対象物を囲む領域に関する情報とを関連付けて記憶する記憶部であり、記憶されている情報を対象物ブレ補正部380に出力する。なお、撮影画像記憶部230に記録される撮影画像等については、図6を参照して詳細に説明する。
【0049】
対象物ブレ補正部380は、ブレ補正部381と、対象物画像抽出部382と、画像合成部383と、領域境界補正部384とを備える。
【0050】
ブレ補正部381は、撮影画像記憶部230に記憶されている撮影画像について、この画像に関連付けて記憶されている対象物の動き量に基づいてブレを補正するものであり、ブレが補正されたブレ補正画像を対象物画像抽出部382に出力するものである。このブレ補正については、図7等を参照して詳細に説明する。
【0051】
対象物画像抽出部382は、ブレ補正部381から出力されたブレ補正画像について、この画像に関連付けて記憶されている対象物を囲む領域に関する情報に基づいて、ブレ補正画像からその領域内の対象物画像を抽出するものであり、抽出された対象物画像を画像合成部383に出力するものである。この対象物画像抽出については、図8等を参照して詳細に説明する。
【0052】
画像合成部383は、撮影画像記憶部230に記憶されている撮影画像に関連付けて記憶されている対象物を囲む領域に関する情報に基づいて、対象物画像抽出部382から出力された対象物画像を、その撮影画像における対象物を囲む領域に合成するものであり、合成された合成画像を領域境界補正部384に出力するものである。この対象物画像合成については、図8等を参照して詳細に説明する。
【0053】
領域境界補正部384は、撮影画像に合成された対象物画像の領域境界において境界補正処理を施すものであり、境界補正処理が施された対象物ブレ補正画像を表示制御部390に出力する。この境界補正処理については、図9乃至11を参照して詳細に説明する。
【0054】
表示制御部390は、操作受付部250からの操作入力に応じて、画像入力部310から出力された画像、または領域境界補正部384から出力された対象物ブレ補正画像を表示部210に表示させる制御を実行するものである。
【0055】
表示部210は、表示制御部390の制御に基づいて、画像入力部310から出力された画像、または領域境界補正部384から出力された対象物ブレ補正画像を表示する。
【0056】
次に、撮像部110に取り込まれている画像に含まれる対象物を決定する対象物決定方法について図面を参照して詳細に説明する。
【0057】
図3は、撮像部110に取り込まれている画像を表示部210に表示する場合における表示例を示す図である。図3(a)は、水族館の水槽の中を泳いでいる亀401が表示部210に表示されている場合におけるAFエリアマーク402を含む画像400を示す図であり、図3(b)は、水族館の水槽の中を泳いでいる亀401が表示部210に表示されている場合におけるカーソル406を含む画像405を示す図であり、図3(c)は、山麓を背景にして撮影される人411が表示部210に表示されている場合における画像410を示す図である。
【0058】
撮像装置100を用いて対象物を撮影する場合には、ユーザが撮像部110のレンズをその対象物に向け、ファインダ(図示せず)または表示部210を見ながら、その対象物が画角の範囲内に入るようにする。対象物が画角の範囲内に入っている場合には、表示部210にその対象物が表示される。例えば、対象物が亀401である場合には、図3(a)および(b)に示すように、亀401が表示部210に表示され、対象物が人411である場合には、図3(c)に示すように、人411が表示部210に表示される。このように、対象物が画角の範囲内に含まれている場合において、その対象物の位置を決定することができる。
【0059】
ここで、図3(a)に示す画像400には、対象物である亀401とともに、オートフォーカス時に使用されるAF(Auto-Focus)エリアを示すAFエリアマーク402が含まれる。なお、AFエリアマーク402は、オートフォーカス時の合焦エリアの位置に対応する。また、図3(b)に示す画像405には、対象物である亀401とともに、操作受付部250からの操作入力に応じて移動するカーソル406が含まれる。さらに、図3(c)に示す画像には、対象物である人411とともに、対象物検出エンジン150により検出された人411の顔412の領域を示す顔領域マーク413が含まれる。
【0060】
対象物の決定方法として、例えば、オートフォーカス時に使用されるAFエリアを、対象物の位置として決定することができる。例えば、図3(a)に示すように、AFエリアマーク402が付されている亀401の位置を、対象物の位置として決定する。
【0061】
また、対象物の決定方法として、例えば、操作受付部250におけるユーザからの操作入力により、その対象物の位置を決定することができる。例えば、図3(b)に示すように、操作受付部250からの操作入力により、亀401に重なるようにカーソル406を移動させ、カーソル406が亀401に重なっている状態で決定ボタン(図示せず)を押下する。これにより、ユーザの対象物である亀401の位置を決定(指定)することができる。なお、表示部210および操作受付部250がタッチパネルとして一体で構成されている場合には、パッチパネルに表示されている対象物の位置をユーザが押下することによって、対象物を決定することができる。
【0062】
さらに、対象物の決定方法として、例えば、対象物検出エンジン150により検出された人の顔の位置を、対象物の位置として決定することができる。例えば、図3(c)に示すように、顔領域マーク413が付されている人411の顔412の位置を、対象物の位置として決定する。なお、人の顔以外に、ペット等の動物の顔を検出する検出エンジンを用いるようにしてもよい。
【0063】
なお、決定された対象物の位置を示す対象物位置マークを、決定された対象物に付すように表示部210に表示するようにしてもよい。
【0064】
次に、決定された対象物の領域を抽出する領域抽出方法について図面を参照して詳細に説明する。
【0065】
図4は、撮像部110に取り込まれている画像のうちから決定された対象物の領域の概略を示す図である。図4(a)は、図3(a)および(b)に示す画像400および405における被写体領域情報420を示す図であり、図4(b)は、図3(c)に示す画像410における被写体領域情報430を示す図である。
【0066】
撮像部110に取り込まれている画像のうちから対象物が決定された場合には、撮像部110に取り込まれている画像が、その対象物の領域と、その対象物以外の領域とに分割され、その対象物の領域が抽出される。例えば、図3(a)および(b)に示す亀401が対象物として決定された場合には、図4(a)に示すように、図3(a)および(b)に示す画像400および405に対応する被写体領域情報420のうちで、亀401の領域を示す対象物領域421が抽出される。また、図3(c)に示す人411の顔412が対象物として決定された場合には、図4(b)に示すように、図3(c)に示す画像410に対応する被写体領域情報430のうちで、人411の領域を示す対象物領域431が抽出される。
【0067】
ここで、対象物の領域抽出について説明する。対象物の領域抽出方法として、例えば、オートフォーカス時に使用されるAFエリアの大きさを、そのまま対象物領域として抽出することができる。例えば、図3(a)に示すように、亀401に付されているAFエリアマーク402の範囲内を、対象物領域として抽出する。
【0068】
また、対象物の領域抽出方法として、例えば、対象物検出エンジン150により検出された人の顔の領域を、対象物の領域として抽出することができる。例えば、図3(c)に示すように、人411の顔412に付されている顔領域マーク413の範囲内を、対象物の領域として抽出する
【0069】
さらに、対象物の領域抽出方法として、例えば、撮像部110に現在取り込まれている画像を領域分割し、決定された対象物の位置が含まれる領域を対象物領域とすることができる。
【0070】
この領域分割は、撮像部110に現在取り込まれている画像の1フレーム前の画像から、決定された対象物の形状を検出し、この形状に基づいて、対象物領域が決定される。このような領域決定のための手法として、例えば、決定木を用いて領域分割を行う手法が知られている(Richard Nock:"Fast and Reliable Color Region Merging inspired by Decision Tree Pruning", IEEE International Conference on Computer Vision and Pattern Recognition, pp.271-276, IEEE CS press, 2001)。
【0071】
図4(a)に示す被写体領域情報420は、図3(a)および(b)に示す画像400および405において、関連する領域毎に領域分割がされたものであり、対象物領域421は、決定された対象物である亀401の領域である。ここでは、分割された各領域を色別に示す。
【0072】
図4(b)に示す被写体領域情報430は、図3(c)に示す画像410において、関連する領域毎に領域分割がされたものであり、対象物領域431は、決定された対象物である人411の画像の領域である。ここでは、対象物領域431を斜線で示す。
【0073】
撮像部110に取り込まれている画像について決定された対象物の領域が抽出された場合には、図4(a)または(b)に示すように、抽出された対象物領域の形状を表示部210の一部の領域に表示するようにしてもよい。また、撮像部110に取り込まれている画像に重ねて表示するようにしてよい。
【0074】
次に、決定された対象物の動き量を検出する動き量検出方法について図面を参照して詳細に説明する。
【0075】
図5は、撮像部110に取り込まれている画像のうちから決定された対象物の動きの変移の概略を示す図である。図5(a)乃至(c)は、図3(a)または(b)に示す画像400または405を簡略化した画像440、450、460を示す図であり、画像400または405に含まれる亀401に対応する亀441の変移の概略を示す図である。
【0076】
撮像部110に取り込まれている画像のうちから対象物が決定された場合には、操作受付部250においてシャッター押下の操作入力がされるまでの間、決定された対象物の対象物領域の更新およびその対象物の動き量の検出が継続して行われる。
【0077】
対象物の動き量を検出する動き量検出方法として、例えば、撮像部110から取得された現在の画像と、この画像の1フレーム前の画像とに基づいて、対象物領域の動き量を検出する方法を用いることができる。
【0078】
例えば、1フレーム前の画像および対象物領域内の画像パターンが、現在の画像中のどの部分に一番似ているかについて、SAD(Sum of Absolute Differences)を類似度としたパターン検出法を用いて、対象物領域の動き量を検出する方法を用いることができる。例えば、次の式1を用いて、RSAD(u,v)を算出する。
【数1】

【0079】
ここで、Aは対象物領域に含まれる画素の集合を示し、T(x,y)は1フレーム前の画像の画素値を示し、I(x,y)は現在の画像の画素値を示す。そして、次の式2で示すように、式1を用いて算出されたRSAD(u,v)を最小にする(u,v)を対象物域の動きベクトルV(u,v)とすることができる。ここで、動きベクトルは、動き量の例である。
対象物領域の動きベクトルV(u,v)=min{RSAD(u,v)}…(式2)
【0080】
例えば、図5(b)に示す画像450を、撮像部110に現在取り込まれている画像とし、図5(a)に示す画像440を、画像450の1フレーム前の画像とする。この場合に、画像450に含まれる亀451における所定位置を対象物位置452とし、画像440に含まれる亀441における対象物位置452に対応する位置を対象物位置442とする。なお、図5(b)に示す画像450において、図5(a)に示す亀441の位置を破線で示す。
【0081】
画像440の撮像時刻から画像450の撮像時刻の間に、図5(a)および(b)に示すように、亀が亀441の位置から亀451の位置まで移動している。この亀の移動に対応して、対象物位置452が対象物位置452に移動している。この移動における動き量として、動きベクトル453が検出される。この動き量の検出は、シャッターが押下されるまでの間、継続される。
【0082】
操作受付部250においてシャッターが押下された場合には、シャッター押下の際に検出された動きベクトルに基づいて、亀の動き量を予測し、この予測された動き量および亀の対象物領域が、この押下の際に撮像部110に取り込まれた画像とともに撮影画像記憶部230に記憶される。
【0083】
図5(c)は、操作受付部250においてシャッターが押下された際に検出された動きベクトルに基づいて予測された亀451の変移の概略を示す図である。例えば、図5(b)に示す画像450を、シャッター押下の際に撮像部110に取り込まれた画像とし、図5(c)に示す画像460を、画像450の1フレーム後に予測される亀451の位置を示す画像とする。ここで、図5(c)に示す画像460において、図5(b)に示す亀451の位置から移動先として予想される亀461の位置を破線で示す。また、予測された動きベクトルを動きベクトル463とする。
【0084】
この予測された動きベクトルは、例えば、シャッターが押下された際に検出された動きベクトルと同じ値を用いることができる。すなわち、動きベクトル463を、動きベクトル453と同じ値とすることができる。また、シャッターが押下された際のフレーム画像から所定枚数前までの各フレーム画像について検出された各動きベクトルの平均を用いることができる。さらに、シャッターが押下された際のフレーム画像から所定枚数前までの各フレーム画像について検出された各動きベクトルの増加または減少等に基づいて予測された動きベクトルの値を算出し、この算出された値を用いることができる。
【0085】
次に、対象物の動き量および対象物領域を撮影画像に関連付けて撮影画像記憶部230に記憶する例について説明する。ここでは、撮影画像の画像ファイルに対象物の動き量および対象物領域を記録する例について説明する。なお、対象物の動き量および対象物領域については、撮影画像と関連付けてメタ情報データベース等に記録するようにしてもよい。
【0086】
図6は、DCF(Design rule for Camera File system)規格により記録される静止画ファイルのファイル構造の概略を示す図である。DCFは、デジタルスチルカメラやプリンタ等の機器間で、記録媒体を介して画像の相互利用を実現するためのファイルシステム規格であり、Exif(Exchangeable image file format)をベースにして記録媒体に記録する場合におけるファイル名の付け方やフォルダの構成が規定されている。このExifは、画像ファイルの中に画像データおよびカメラ情報を付加するための規格であり、画像ファイルを記録するための形式(ファイルフォーマット)を規定するものである。
【0087】
静止画ファイル470は、DCF規格により記録される静止画ファイルであり、図6(a)に示すように、付属情報471および画像情報472から構成されている。画像情報472は、例えば、撮像部110により撮像された画像データである。
【0088】
付属情報471は、図6(b)に示すように、属性情報473およびメーカーノート(maker note)474から構成されている。属性情報473は、静止画ファイル470に関する属性情報等であり、例えば、撮影更新日時、画サイズ、色空間情報、メーカー名等が含まれる。
【0089】
メーカーノート474は、一般的にユーザ独自のデータが記録される領域であり、各メーカーが自由に情報を記録することができる拡張領域である(TAGID=37500、MakerNote)。この例では、このメーカーノート474に、対象物の動き量および対象物領域が記録される。なお、対象物領域としては、位置情報および大きさが記録されるが、決定された対象物の縮小画像についても記録するようにしてもよい。
【0090】
このように、対象物の動き量および対象物領域が関連付けられた撮影画像が撮影画像記憶部230に記録される。そして、撮影画像記憶部230に記憶されている画像を出力(表示、印刷等)する場合には、例えば、被写体のブレ成分を補正して出力することができる。次に、この補正方法について図面を参照して詳細に説明する。
【0091】
図7は、撮影画像記憶部230に記録されている画像について、対象物の動き量に基づいて、補正を施す前の画像と補正を施した後の画像とを示す図である。
【0092】
図7(a)は、撮影画像記憶部230に記録されている画像500を示す図である。例えば、撮像装置100を手で持って固定した状態で、水族館の中を泳ぐ亀を撮影すると、図7(a)に示すように、亀501の背景は静止している状態であるため、くっきりと撮影されるものの、泳いで移動している亀501がブレて撮影されることが多い。このため、本発明の実施の形態では、ブレて撮影される対象物の部分のみを補正する。
【0093】
図7(b)は、図7(a)に示す画像500に、対象物の動き量に基づいてブレ補正が施された画像510を示す図である。例えば、水族館の中を泳いで移動している亀501に基づいて、画像500にブレ補正を施すと、図7(b)に示すように、亀511のブレが補正されるものの、くっきりと撮影されていた亀511の背景についても補正されるため、亀511の背景がブレてしまうことが多い。このため、本発明の実施の形態では、ブレが補正された対象物部分の画像と、補正前の画像に含まれる対象物以外の部分の画像とを合成して補正画像を作成する。この合成による補正画像の作成について図面を参照してさらに詳細に説明する。
【0094】
図8は、ブレが補正された対象物部分の画像と、補正前の画像に含まれる対象物以外の部分の画像とを合成して画像を補正する場合における補正方法の概略を示す図である。
【0095】
図8(a)は、対象物の対象物領域に基づいて、撮影画像記憶部230に記録されている画像から対象物画像が切り出された画像520を示す図である。なお、画像520は、図7(a)に示す画像500に対応するものである。画像520において、対象物画像が切り出された対象物領域521を黒で示す。このように、撮影画像とともに記憶されている亀の対象物領域情報に基づいて、撮影画像から対象物画像が切り取られる。
【0096】
図8(b)は、対象物の対象物領域に基づいて、ブレ補正が施された画像から切り取られた対象物画像530を示す図である。なお、対象物画像530は、図7(b)に示す画像510に含まれる亀511に対応するものである。また、画像510に対応する領域の中で、対象物画像530以外の領域を黒で示す。この切り取られた対象物画像530は、図7(b)に示すように、ブレ補正処理が施されている画像である。このブレ補正処理については、式3乃至式14を用いて詳細に説明する。
【0097】
図8(c)は、ブレ補正が施された対象物画像530と、対象物画像が切り取られた画像520とが合成された画像540を示す図である。このように、ブレ補正が施された対象物画像530とブレが発生していない画像520とを合成することによって、対象物および背景ともブレのない綺麗な画像を生成することができる。
【0098】
次に、撮影画像記憶部230に記録されている撮影画像について、ブレを補正するブレ補正処理について詳細に説明する。
【0099】
最初に、撮影画像記憶部230に記録されている撮影画像について、輝度成分と色成分とが分離され、輝度成分のみが抽出された輝度画像g(x,y)が生成される。ここで、撮影画像がRGB(G(Green:緑)、R(Red:赤)、B(Blue:青))カラー画像である場合には、次の式3乃至5を用いて、撮影画像中の全画素について、RGBデータからYUV(Y(輝度信号)、U(輝度信号と青色成分の差)、V(輝度信号と赤色成分の差))データが算出される。そして、撮影画像中の全画素の輝度信号Yを、輝度画像g(x,y)とする。
【0100】
例えば、輝度画像g(x,y)は、各画素における輝度を8bit符号なし整数で表現されたものなどとすることができる。
Y= 0.299R+0.587G+0.114B …(式3)
U=−0.169R−0.332G+0.500B+127.5 …(式4)
V= 0.500R−0.419G−0.081B+127.5 …(式5)
【0101】
続いて、撮影画像に対応する動きベクトルに基づいて、次の式6を用いて、この対象物のブレを表す点拡がり関数(PSF:Point Spread Function)h(x,y)が求められる。
h(x,y)=tn・V(x,y) …(式6)
【0102】
ここで、V(x,y)は、撮影画像に記録されている動きベクトルを示し、nは、補正の対象となる撮影画像の解像度が、動きベクトルが検出された際における画像の解像度で除算された値であり、tは、動きベクトルが検出された際における露光時間が、1フレーム時間で除算された値である。
【0103】
また、点拡がり関数h(x,y)は、いわゆる空間フィルタの形状で、画像座標の原点に1の入力があった場合に、インパルス応答を画像座標系で表現されるもの等を用いることができる。
【0104】
続いて、タップ数として、撮影画像の幅をMとし、撮影画像の高さをNとし、次の式7を用いて、輝度画像g(x,y)が2次元離散フーリエ変換(2次元DFT)される。
【数2】

【0105】
続いて、タップ数として、撮影画像の幅をMとし、撮影画像の高さをNとし、次の式8を用いて、点拡がり関数h(x,y)が2次元離散フーリエ変換(2次元DFT)される。
【数3】

【0106】
続いて、式8により求められたH(x,y)から、復元フィルタH(x,y)が、次の式9を用いて求められる。
【数4】

【0107】
ここで、Γは定数である。例えば、輝度画像g(x,y)が8bit符号なし整数で表現されている場合には、Γの値として0.01〜0.03程度が好ましい。
【0108】
続いて、式7により求められたG(x,y)および復元フィルタH(x,y)に基づいて、次の式10を用いて、ブレ補正画像が2次元離散フーリエ変換された関数F(x,y)が求められる。
【数5】

【0109】
続いて、式10により求められたF(x,y)が、次の式11を用いて、2次元離散逆フーリエ変換(逆2次元DFT)されて、対象物領域の被写体ブレが補正された輝度画像f(x,y)が算出される。
【数6】

【0110】
続いて、被写体ブレが補正された輝度画像f(x,y)に、式3乃至5を用いて分離された色成分を合わせ、被写体ブレが補正された画像が生成される。
【0111】
例えば、f(x,y)の各画素位置における値をYとし、式3乃至5を用いて計算された各画素位置におけるU、Vの値からカラー補正画像のRGBの値は、次の式12乃至14を用いて算出される。
R= Y+1.402V …(式12)
G= Y−0.344U−0.714V …(式13)
B= Y+1.772U …(式14)
【0112】
このようにして算出されたRGBデータから、例えば、図7(b)に示すように、対象物領域のブレが補正された対象物ブレ補正画像が生成される。
【0113】
続いて、図8(a)に示すように、対象物の対象物領域に基づいて、撮影画像記憶部230に記録されている画像から対象物領域521内の対象物画像が切り出される。また、図8(b)に示すように、対象物の対象物領域に基づいて、対象物ブレ補正画像から対象物画像530が取り出される。そして、図8(c)に示すように、対象物画像530が画像520の対象物領域に合成されて合成画像540が作成される。
【0114】
次に、対象物ブレ補正画像に含まれる対象物画像と、補正前の撮影画像とを合成する場合における境界補正処理について図面を参照して詳細に説明する。
【0115】
図9は、原画像600と対象物画像602とを合成する場合について概略的に示す図である。なお、図9では、各画像を簡略化して四角で示す。図9(a)は、撮影画像から対象物画像が切り出された画像である原画像600を示す図である。ここで、対象物画像が取り出された部分を対象物領域601として示す。また、図9(a)に示す原画像600において、対象物領域601以外の領域については、ブレのない画像であるとする。
【0116】
図9(b)は、原画像600にブレ補正処理が施された画像である対象物ブレ補正画像から取り出された対象物画像602を示す図である。対象物画像602の周りの破線603は、原画像600に対応する対象物ブレ補正画像の大きさを示す破線である。
【0117】
図9(c)は、原画像600の対象物領域601に、対象物画像602を合成させた画像である合成画像610を示す図である。このように、ブレ補正処理が施された対象物画像602を原画像600の対象物領域601に合成して合成画像610を作成する。これにより、合成画像610全体がブレのない画像となる。
【0118】
ここで、現画像と補正画像の対象物領域部分を合成すると、図9(c)に示すように、合成した領域の境界部分が目立って不自然に見えることがある。そこで、図10に示すように、境界部分について画像処理を施す。
【0119】
図10は、原画像と対象物画像とを合成する場合に境界部分に施す画像処理の一例を示す図である。図10では、原画像620と対象物画像630とを合成する場合における原画像620と対象物画像630との領域境界を領域境界640とし、領域境界640を中心として原画像620側および対象物画像630側の双方に2n画素の範囲内の領域を補正処理する例について説明する。
【0120】
この例では、次の式15を用いて、合成画像の画素値C(x,y)を求める。
C(x,y)=w(x,y)・A(x,y)+(1.0−w(x,y))・B(x,y) …(式15)
【0121】
ここで、A(x,y)は、原画像620の画素値であり、B(x,y)は、対象物画像630の画素値である。また、w(x,y)は、0.0〜1.0の範囲内の値をとる重み係数であり、例えば、領域境界640上の値を0.5とし、領域境界640から原画像620側にn画素離れる毎に、w(x,y)の値をkづつ増やすように設定する。そして、原画像620側ではkが1になる範囲まで補正して、対象物画像630側ではkが0になる範囲まで補正する。例えば、原画像620の解像度がVGA(640×480)程度の場合には、n=1、k=0.05程度の値で境界部分を目立たなくすることができる。
【0122】
このように、原画像620から対象物画像630方向に、n画素領域621、622、632、632と進むに従って、原画像620と対象物画像630との双方の画素値の変化に応じて画素値を補正することができるため、境界部分を自然に見せることが可能となる。
【0123】
図11は、原画像600と対象物画像602との領域境界において境界補正処理が施された場合について概略的に示す図である。なお、図11(a)および(b)は、図9(a)および(b)と同じであるため、ここでの説明を省略する。
【0124】
図11(c)は、図11(a)に示す原画像600の対象物領域601に、図11(b)に示す対象物画像602を合成させた画像である合成画像650を示す図である。ここで、図11(c)に示す合成画像650は、原画像600と対象物画像602との領域境界において境界補正処理が施されている点で、図9(c)に示す合成画像610と異なる。なお、図11(c)では、説明のため、領域境界における補正部分を比較的大きく表している。
【0125】
このように、原画像600と対象物画像602との領域境界に補正処理を施すことによって、原画像600と対象物画像602との領域境界を目立たなくして自然に見せることができる。
【0126】
次に、本発明の実施の形態における撮像装置100の動作について図面を参照して説明する。
【0127】
図12は、撮像装置100による撮像画像記憶処理の処理手順を示すフローチャートである。この例では、画像入力部310から1フレーム毎に画像が入力されている場合について説明する。また、ユーザによる操作受付部250からの操作入力に応じて、表示部210に表示されている撮影画像に含まれる対象物を決定する場合について説明する。
【0128】
最初に、表示部210に表示されている撮影画像において、対象物を決定する旨の操作入力が操作受付部250により受け付けられたか否かが判断される(ステップS901)。例えば、図3(b)に示す画像405において、カーソル406を用いて亀401を選択することにより、対象物を決定することができる。対象物を決定する旨の操作入力が受け付けられていなければ(ステップS901)、対象物を決定する旨の操作入力が受け付けられるまで、監視を継続する。
【0129】
対象物を決定する旨の操作入力が受け付けられた場合には(ステップS901)、その操作入力に対応する対象物の動き量が検出される(ステップS902)。例えば、図5(b)に示すように、亀451の動き量として動きベクトル453が検出される。続いて、その操作入力に対応する対象物の領域が抽出される(ステップS903)。例えば、図4(a)に示すように、亀の領域として対象物領域421が抽出される。
【0130】
続いて、シャッター押下の操作入力が操作受付部250により受け付けられたか否かが判断される(ステップS904)。シャッター押下の操作入力が受け付けられていなければ(ステップS904)、ステップS901で決定された対象物が表示部210に表示されている撮影画像に存在するか否かが判断される(ステップS905)。ステップS901で決定された対象物が表示部210に表示されている撮影画像に存在しなければ(ステップS905)、動き量の検出等をする対象物が存在しないため、ステップS901に戻り、対象物を決定する旨の操作入力が受け付けられるまで監視する。
【0131】
一方、ステップS901で決定された対象物が表示部210に表示されている撮影画像に存在する場合には(ステップS905)、ステップS902で検出された対象物の動き量に基づいて、対象物の位置が更新される(ステップS906)。そして、シャッター押下の操作入力が受け付けられるまでの間(ステップS904)、位置が更新された対象物の動き量の検出(ステップS902)、および、その対象物の領域の抽出(ステップS903)が継続される。
【0132】
また、シャッター押下の操作入力が操作受付部250により受け付けられた場合には(ステップS904)、シャッター押下の際に検出された対象物の動き量に基づいて、その対象物の動き量が予測される(ステップS907)。例えば、図5(c)に示すように、亀451の動き予測量として動きベクトル463が算出される。
【0133】
続いて、算出された対象物の動き予測量およびシャッター押下の際に抽出された対象物領域が、シャッター押下の際に撮像された画像に関連付けられて撮影画像記憶部230に記憶される(ステップS908)。
【0134】
図13は、撮像装置100による対象物ブレ補正処理の処理手順を示すフローチャートである。この例では、撮影画像記憶部230に記憶されている撮影画像について、この画像に含まれる対象物のブレを補正する場合について説明する。
【0135】
最初に、撮影画像記憶部230に記憶されている撮影画像が入力される(ステップS911)。続いて、入力された撮影画像に、対象物の動き量および対象物領域が記録されているか否かが判断される(ステップS912)。入力された撮影画像に対象物の動き量および対象物領域が記録されていなければ(ステップS912)、対象物ブレ補正処理をせずに、入力された撮影画像が表示部210に表示される(ステップS924)。
【0136】
入力された撮影画像に、対象物の動き量および対象物領域が記録されている場合には(ステップS912)、入力された撮影画像について、輝度成分と色成分とが分離され、輝度成分のみが抽出された輝度画像g(x,y)が生成される(ステップS913)。例えば、上述の式3乃至5を用いて、輝度成分と色成分とが分離され、輝度画像g(x,y)が生成される。
【0137】
続いて、入力された撮影画像に記録されている対象物の動き量に基づいて、点拡がり関数h(x,y)が算出される(ステップS914)。例えば、上述の式6を用いて、点拡がり関数h(x,y)が求められる。
【0138】
続いて、ステップS913で生成された輝度画像g(x,y)が2次元離散フーリエ変換(2次元DFT)され、G(x,y)が算出される(ステップS915)。例えば、タップ数として、撮影画像の幅をMとし、撮影画像の高さをNとし、上述の式7を用いて、輝度画像g(x,y)が2次元離散フーリエ変換(2次元DFT)される。
【0139】
続いて、ステップS914で算出された点拡がり関数h(x,y)が2次元離散フーリエ変換(2次元DFT)され、H(x,y)が算出される(ステップS916)。例えば、タップ数として、撮影画像の幅をMとし、撮影画像の高さをNとし、上述の式8を用いて、点拡がり関数h(x,y)が2次元離散フーリエ変換(2次元DFT)される。
【0140】
続いて、ステップS916で求められたH(x,y)から、復元フィルタH(x,y)が、算出される(ステップS917)。例えば、式8により求められたH(x,y)から、復元フィルタH(x,y)が、上述の式9を用いて求められる。
【0141】
続いて、ステップS915で算出されたG(x,y)、およびステップS917で算出された復元フィルタH(x,y)に基づいて、ブレ補正画像が2次元離散フーリエ変換された関数F(x,y)が算出される(ステップS918)。例えば、上述の式7により求められたG(x,y)、および、上述の式9により求められた復元フィルタH(x,y)に基づいて、上述の式10を用いて、ブレ補正画像が2次元離散フーリエ変換された関数F(x,y)が求められる。
【0142】
続いて、ステップS918で算出されたF(x,y)が、2次元離散逆フーリエ変換(逆2次元DFT)されて、対象物領域の被写体ブレが補正された輝度画像f(x,y)が算出される(ステップS919)。例えば、上述の式10により求められたF(x,y)が、上述の式11を用いて、2次元離散逆フーリエ変換(逆2次元DFT)されて、対象物域の被写体ブレが補正された輝度画像f(x,y)が算出される。
【0143】
続いて、被写体ブレが補正された輝度画像f(x,y)に、ステップS913で分離された色成分を合わせ、被写体ブレが補正された画像が生成される(ステップS920)。例えば、f(x,y)の各画素位置における値をYとし、上述の式3乃至5を用いて計算された各画素位置におけるU、Vの値からカラー補正画像のRGBの値が、上述の式12乃至14を用いて算出される。これにより、例えば、図7(b)に示すように、対象物領域のブレが補正されたブレ補正画像が生成される。
【0144】
続いて、入力された撮影画像に記録されている対象物領域に基づいて、ステップS920で生成されたブレ補正画像から対象物画像が取り出され、入力された撮影画像における対象物領域内に、取り出された対象物画像が合成される(ステップS921)。例えば、図8(c)に示すように、入力された撮影画像に対象物画像が合成される。
【0145】
続いて、対象物画像が合成された合成画像における対象物画像の領域境界に補正処理が施される(ステップS922)。例えば、図11(c)に示すように、合成画像650における対象物画像651の領域境界に補正処理が施される。
【0146】
続いて、合成画像における対象物画像の領域境界に補正処理が施された対象物ブレ補正画像が表示部210に表示される(ステップS923)。
【0147】
以上で示したように、例えば、ユーザが撮像装置100を固定させた状態で水族館の水槽の中を泳ぐ亀を撮影した場合には、図7(a)の画像500に示すように、亀501の背景はブレが生じていないものの、泳ぐ亀501に被写体ブレが生じて撮影される。そこで、本発明の実施の形態では、撮影時に亀の動き量の検出および領域の抽出が実行され、この亀の動き量および領域を用いて、画像500にブレ補正が施された画像510(図7(b)に示す)が生成される。そして、このブレ補正が施された画像510に含まれる亀511の画像が抽出され、ブレ補正が施されていない画像500の亀501の領域に、抽出された亀511の画像が合成される。これにより、移動している対象物のみのブレを補正して、対象物および背景ともブレのない綺麗な画像を作成することができる。また、ユーザが撮影に関する特別なテクニックを必要とせずに、対象物ブレおよび背景ブレが軽減された画像を容易に取得することができる。
【0148】
なお、本発明の実施の形態では、撮影時において対象物の動き量の検出および領域の抽出を実行するが、撮影時には対象物の動き量の検出のみを実行して、対象物ブレ補正処理を行う際に対象物の領域の抽出を行うようにしてもよい。
【0149】
また、本発明の実施の形態では、撮影時には対象物の動き量および領域を撮影画像と関連付けて撮影画像記憶部230に記録するが、撮影時において、対象物の動き量および領域を用いて、撮影画像に対象物ブレ補正を施し、この対象物ブレ補正が施された画像を撮影画像記憶部230に記録するようにしてもよい。
【0150】
また、本発明の実施の形態では、対象物動き予測量算出部350により算出された動き予測量を、対象物の動き量として対象物ブレ補正に用いるが、対象物動き量検出部330により検出された動き量を対象物ブレ補正に用いるようにしてもよい。
【0151】
また、本発明の実施の形態では、撮像装置を例にして説明したが、撮影画像を入力してブレ補正処理を行うことが可能な画像処理装置に本発明の実施の形態を適用することができる。
【0152】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、以下に示すように特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【0153】
すなわち、請求項1乃至8において、撮像装置は、例えば撮像装置100に対応する。また、請求項9において、画像処理装置は、例えば撮像装置100に対応する。
【0154】
また、請求項1において、撮像手段は、例えば撮像部110に対応する。また、動き量検出手段は、例えば対象物動き量検出部330に対応する。
【0155】
また、請求項1または請求項9において、補正手段は、例えばブレ補正部381に対応する。また、合成手段は、画像合成部383に対応する。
【0156】
また、請求項2において、画像記憶手段は、例えば撮影画像記憶部230に対応する。また、記憶制御手段は、例えば記憶制御部370に対応する。
【0157】
また、請求項5において、記録操作受付手段は、例えば操作受付部250に対応する。
【0158】
また、請求項6において、動き量予測手段は、例えば対象物動き予測量算出部350に対応する。
【0159】
また、請求項7において、表示手段は、例えば表示部210に対応する。また、選択受付手段は、例えば操作受付部250に対応する。
【0160】
また、請求項8において、境界補正手段は、領域境界補正部384に対応する。
【0161】
また、請求項9において、入力手段は、例えば画像入力部310に対応する。
【0162】
また、請求項10または請求項11において、撮像手順は、例えばステップS901乃至S906に対応する。また、動き量検出手順は、例えばステップS903に対応する。また、補正手順は、例えばステップS913乃至920に対応する。また、合成手順は、例えばステップS922に対応する。
【0163】
なお、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】撮像装置100の機能構成例を示すブロック図である。
【図2】撮像装置100の機能構成例を示すブロック図である。
【図3】撮像部110に取り込まれている画像を表示部210に表示する場合における表示例を示す図である。
【図4】撮像部110に取り込まれている画像のうちから決定された対象物の領域の概略を示す図である。
【図5】撮像部110に取り込まれている画像のうちから決定された対象物の動きの変移の概略を示す図である。
【図6】DCF規格により記録される静止画ファイルのファイル構造の概略を示す図である。
【図7】撮影画像記憶部230に記録されている画像について、対象物の動き量に基づいて、補正を施す前の画像と補正を施した後の画像とを示す図である。
【図8】ブレが補正された対象物部分の画像と、補正前の画像に含まれる対象物以外の部分の画像とを合成して画像を補正する場合における補正方法の概略を示す図である。
【図9】原画像600と対象物画像602とを合成する場合について概略的に示す図である。
【図10】原画像と対象物画像とを合成する場合に境界部分に施す画像処理の一例を示す図である。
【図11】原画像600と対象物画像602との領域境界において境界補正処理が施された場合について概略的に示す図である。
【図12】撮像装置100による撮像画像記憶処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】撮像装置100による対象物ブレ補正処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0165】
100 撮像装置
110 撮像部
120 CPU
130 RAM
140 カメラ信号処理エンジン
150 対象物検出エンジン
160 対象物領域抽出エンジン
180 動き量検出エンジン
190 ブレ補正エンジン
200 画像表示エンジン
210 表示部
220 メディアコントローラ
230 撮影画像記憶部
240 操作入力コントローラ
250 操作受付部
260 データバス
310 画像入力部
320 対象物位置決定部
330 対象物動き量検出部
340 対象物位置更新部
350 対象物動き予測量算出部
360 対象物領域抽出部
370 記憶制御部
380 対象物ブレ補正部
381 ブレ補正部
382 対象物画像抽出部
383 画像合成部
384 領域境界補正部
390 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を撮像データに変換する撮像手段と、
前記撮像データに含まれる所定の領域の動き量を検出する動き量検出手段と、
前記動き量に基づいて前記撮像データの前記所定の領域を補正して補正画像とする補正手段と、
前記補正画像を前記撮像データの前記所定の領域に合成する合成手段と
を具備することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像データを記憶する画像記憶手段と、
前記検出された動き量を前記所定の領域の画像に関連付けて前記画像記憶手段に記憶する記憶制御手段とをさらに具備し、
前記補正手段は、前記画像記憶手段に記憶されている撮像データの前記所定の領域を当該撮像データに対応して前記画像記憶手段に記憶されている動き量に基づいて補正して補正画像とし、
前記合成手段は、前記画像記憶手段に記憶されている撮像データの前記所定の領域に前記補正画像を合成する
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記記憶制御手段は、前記所定の領域に関する領域情報を前記所定の領域の画像に関連付けて前記画像記憶手段に記憶する
ことを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記領域情報は、前記所定の領域に含まれる画像の縮小画像を含む
ことを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像手段により撮像された画像の記録操作を受け付ける記録操作受付手段をさらに具備し、
前記動き量検出手段は、前記撮像手段により撮像された画像について1フレーム毎に前記所定の領域の動き量を検出し、
前記記憶制御手段は、前記記録操作が受け付けられた際に前記撮像手段により撮像された画像を記録するとともに記録操作が受け付けられた際に検出された前記所定の領域の動き量を当該画像に関連付けて前記画像記憶手段に記録する
ことを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項6】
前記記録操作が受け付けられた際に検出された前記所定の領域の動き量に基づいて新たな動き量を予測する動き量予測手段をさらに具備し、
前記記憶制御手段は、前記記録操作が受け付けられた際に前記撮像手段により撮像された画像を記憶するとともに前記新たな動き量を当該画像に関連付けて前記画像記憶手段に記憶する
ことを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮像された画像を表示する表示手段と、
前記表示された画像に含まれる特定の物体の選択入力を受け付ける選択受付手段と、
前記選択された物体の領域を前記所定の領域として抽出する所定領域抽出手段とをさらに具備する
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項8】
前記合成された画像における前記所定の領域に含まれる画像の境界の周辺領域において当該境界からの距離に応じて前記合成された画像の画素値を変更する境界補正手段をさらに具備する
ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項9】
入射光が変換された撮像データと当該撮像データに含まれる所定の領域の動き量とを入力する入力手段と、
前記動き量に基づいて前記撮像データの前記所定の領域を補正して補正画像とする補正手段と、
前記補正画像を前記撮像データの前記所定の領域に合成する合成手段と
を具備することを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
入射光を撮像データに変換する撮像手順と、
前記撮像データに含まれる所定の領域の動き量を検出する動き量検出手順と、
前記動き量に基づいて前記撮像データの前記所定の領域を補正して補正画像とする補正手順と、
前記補正画像を前記撮像データの前記所定の領域に合成する合成手順と
を具備することを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
入射光を撮像データに変換する撮像手順と、
前記撮像データに含まれる所定の領域の動き量を検出する動き量検出手順と、
前記動き量に基づいて前記撮像データの前記所定の領域を補正して補正画像とする補正手順と、
前記補正画像を前記撮像データの前記所定の領域に合成する合成手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図12】
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【図13】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−17223(P2009−17223A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−176539(P2007−176539)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】