説明

操作装置及び操作システム

【課題】限られたスペースに容易に配設することができる小型で多機能な操作性のよい操作装置を提供する。
【解決手段】ダイヤルスイッチ30及びモード切替スイッチ20を同心に設ける。ダイヤルスイッチ20にはダイヤル軸40を固定し、ダイヤルスイッチ20及びダイヤル軸40には第1クリック面37及び第2クリック面44を対向して設ける。第1クリック面37又は第2クリック面44に近接又は離隔するように移動可能に、円環状のクリック数変更部材70をダイヤル軸40が挿通するように設ける。クリック数変更部材70の軸方向の両側には板ばね72にて付勢された爪部73を設け、クリック数変更部材70の近接移動に伴う爪部73と第1クリック面37又は第2クリック面44との係合により、ダイヤルスイッチ20の回動操作に対するクリック感を生じさせる。クリック数変更部材70は、モード切替スイッチ20の回動に伴って軸方向に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの操作を受け付けるスイッチ又はボタン等を有し、配設のために大きなスペースを必要としない多機能な操作装置及び操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車輌には種々の装置が搭載されている。これらの装置を動作させるためのスイッチ又はボタン等を有する操作装置は、運転席の近傍、例えばインストルメントパネルなどに配設されるが、車輌に搭載される装置の増加及び装置の多機能化に伴って、多くの機能を操作するためにはより多くのスイッチ及びボタン等が必要となり、配設スペースの不足が問題となっている。このため、少数のスイッチで多くの機能を操作することができる操作装置が求められている。
【0003】
一方で、例えば円板型の回動操作体をユーザが回動操作することで機能操作を行うことができる操作装置、所謂ダイヤルスイッチが広く利用されている。ダイヤルスイッチは、例えばオーディオ装置での音量調節又はエアコンでの温度調節等に利用することができる。また、ダイヤルスイッチは、ユーザによる回動操作が行われた際に、回動操作体の回動に伴ってクリック感を生じさせるようにしてあるものが多く、これによってユーザが回動操作体の回動量を直感的に把握することができるという利点がある。
【0004】
特許文献1においては、クリック感を生じさせることができ、容易に組み付けを行うことができる回転式スイッチが提案されている。この回転式スイッチは、固定部材に回転自在に取り付けられて外部操作により回転する可動部材を備え、この可動部材には、複数のクリック用凹部が所定ピッチで固定部材に対向するように形成された環状受部を設けてある。また、固定部材には、可動部材の環状受部に対向する部位に、クリック用凹部に嵌合するボール部を有する保持部材をスプリングによりクリック用凹部に押し付けるように設けてある。これらにより、クリック用凹部とボール部との嵌合によってクリック感を生じさせることができる。
【0005】
また、上述の配設スペースが不足する問題を解決するために、一つのダイヤルスイッチを用いてユーザが複数の機能操作を行うことができる操作装置が検討され実用化され始めている。例えば、エアコンを操作するための操作装置が、"温度調整"、"風量調整"又は"風向調整"等の各モードを切り替える切替スイッチをダイヤルスイッチと共に備えて、ユーザが切替スイッチを操作していずれかのモードに切り替えた後にダイヤルスイッチを回動操作することによって各モードに対応する機能の調整を行うことができる構成とすることができる。
【0006】
しかしながら、このような操作装置において、従来はダイヤルスイッチの回動操作に伴うクリック感は一定であり、切替スイッチによりモードを切り替えた場合であってもクリック感を変更することはできなかった。このため、温度調整及び風量調整のように十段階以上の多段階で調整を行う場合と、風向のように数段階程度で調整を行う場合とで、ユーザが回動操作を行った際に生じるクリック感が同じであり、良好な操作性を得られないという問題があった。
【0007】
特許文献2においては、複数の電子機器の中から所望の機器を選択して操作することができると共に、選択した機器に応じてクリック感を変更することができる操作ユニットが提案されている。この操作ユニットでは、押しボタンを押圧操作した場合に、中央部で枢支されたばね体の一端側が押し下げられて他端側が押し上げられ、ばね体の他端側に配された球体部の上方球面部がクリック溝の形成された円板部材の下面に当接する構成としてある。円板部材は回転操作のための操作つまみと同心に配してあり、ばね体の球体部と円板部材のクリック溝が当接することによって、操作つまみの回転操作に伴ってクリック感が生じる。更に、各機器の選択に対応付けられた複数の押しボタンと、各押しボタンにそれぞれ押し下げられる複数のばね体と、各ばね体に設けられた球体部がそれぞれ当接する複数の円板部材とを備えて、各円盤部材のクリック溝の数又は形状等が異なる構成とすることにより、操作対象の機器毎に、操作つまみを回転操作した際に生じるクリック感を変更することができる。
【特許文献1】特開2006−260949号公報
【特許文献2】特開2006−222003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2に記載の操作ユニットでは、操作対象の機器毎にクリック感を変更することができるが、操作対象の機器を選択するための押しボタンを操作つまみの周辺に複数配設する必要があるため、操作ユニットのサイズが大きく、大きな配設スペースを必要とする。このため、車輌のインストルメントパネルなどの限られたスペースに配設することは容易ではない。よって、上述の配設スペースが不足する問題を解決し得るものではない。
【0009】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、第1の回動操作体及び第2の回動操作体を同心に配し、第1の回動操作体に設けられた2つの対向部の間を第2の回動操作体の回動操作に応じて移動する移動環体を設け、数の異なる凹部又は凸部を有する係合部を対向部にそれぞれ設けて移動環体の一側又は他側の被係合部に係合させる構成とすることにより、第2の回動操作体に対する操作によって第1の回動操作体を操作した際に生じるクリック感を変更することができ、小さなスペースに容易に配設することができる小型で多機能な操作装置を提供することにある。
【0010】
また本発明の他の目的とするところは、第1の回動操作体及び第2の回動操作体を同心に配し、第1の回動操作体に設けられた2つの対向部の間を第2の回動操作体の回動操作に応じて移動する移動環体を設け、数の異なる凹部又は凸部を有する係合部を移動環体の一側及び他側にそれぞれ設けて対向部にそれぞれ設けた被係合部に係合させる構成とすることにより、第2の回動操作体に対する操作によって第1の回動操作体を操作した際に生じるクリック感を変更することができ、小さなスペースに容易に配設することができる小型で多機能な操作装置を提供することにある。
【0011】
また本発明の他の目的とするところは、第2の回動操作体と同心に設けた筒体には周方向に長く軸方向に徐々に変位する案内溝部を形成し、移動環体にはこの案内溝部に挿入される棒状の突起部を設け、筒体の回動に伴う突起部の挿入位置の変化により移動環体を移動させる構成とすることにより、移動環体を確実且つ容易に移動させることができる操作装置を提供することにある。
【0012】
また本発明の他の目的とするところは、筒体が第2の回動操作体を揺動可能に支持し、第2の回動操作体の揺動を検知する手段を設ける構成とすることにより、第2の回動操作体に対する揺動操作を受け付けることができるより多機能な操作装置を提供することにある。
【0013】
また本発明の他の目的とするところは、第1の回動操作体に設けられた軸部と同心に、第1の回動操作体の回動を検知する手段を配設する構成とすることにより、より小型な操作装置を提供することにある。
【0014】
また本発明の他の目的とするところは、上述の操作装置を複数備えると共に、各操作装置の被係合部をそれぞれ異なる付勢力で係合部へ付勢する構成とすることにより、各操作装置の第1の回動操作体にそれぞれ異なる操作負荷を付与することができ、ユーザが操作感を基にいずれの操作装置を操作しているかを判断することができる操作システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1発明に係る操作装置は、同心に配設された第1の回動操作体及び第2の回動操作体と、前記第1の回動操作体の回動軸の軸方向に対向するように、前記第1の回動操作体にそれぞれ設けられた2つの対向部と、前記第1の回動操作体の回動軸に挿通され、前記第2の回動操作体の回動に応じて前記2つの対向部の一方に近接し、他方から離隔するように、前記2つの対向部の間を前記回動軸の軸方向へ移動する移動環体と、前記2つの対向部にそれぞれ設けられ、前記第1の回動操作体の回動方向に所定間隔で並設された複数の凹部又は凸部を有する係合部と、前記移動環体の前記軸方向の一側及び他側にそれぞれ設けられ、前記移動環体が前記対向部に近接した場合に、近接した前記対向部の係合部へ弾性付勢されて前記凹部又は凸部に係合される被係合部とを備え、2つの前記対向部にそれぞれ設けられた係合部は、並設された前記凹部又は凸部の数が異なることを特徴とする。
【0016】
本発明においては、第2の回動操作体の回動位置に応じて操作対象の機能の選択を行い、同心に配された第1の回動操作体により、選択した機能について調整又は設定等を回動操作により行う構成とする。2つの回動操作体を備えることによって操作装置を多機能化することができ、2つの回動操作体を同心に配することによって操作装置が小型化される。また、第2の回動操作体に対する回動操作により、第1の回動操作体を操作した際に生じるクリック感を変更する。このために、第1の回動操作体には同心に軸部を設けると共に、軸方向に対向する2つの対向部を設ける。2つの対向部の間には軸部に挿通された移動環体を設け、2つの対向部の一方に近接し、他方に離隔するように、第2の回動操作体の回動に応じて移動環体を移動させる。また、2つの対向部には複数の凹部又は凸部を有する係合部をそれぞれ設け、移動環体の軸方向の一側及び他側には弾性付勢された被係合部をそれぞれ設けて、移動環体の移動に伴って一方の被係合部が一方の対向部に設けられた係合部に係合される構成とする。係合部の複数の凹部又は凸部と弾性付勢された被係合部との係合により、第1の回動操作体の回動に伴ってクリック感を生じさせることができる。この場合に、第2の回動操作体の回動に伴って係合する係合部及び被係合部が変更されるため、2つの対向部には異なる数の凹部又は凸部を有する係合部をそれぞれ設けることによって、クリック感を変更することができる。
【0017】
また、第2発明に係る操作装置は、同心に配設された第1の回動操作体及び第2の回動操作体と、該第1の回動操作体の回動軸の軸方向に対向するように、前記第1の回動操作体にそれぞれ設けられた2つの対向部と、前記第1の回動操作体の回動軸に挿通され、前記第2の回動操作体の回動に応じて前記2つの対向部の一方に近接し、他方から離隔するように、前記2つの対向部の間を前記回動軸の軸方向へ移動する移動環体と、前記移動環体の前記軸方向の一側及び他側にそれぞれ設けられ、前記第1の回動操作体の回動方向に所定間隔で並設された複数の凹部又は凸部を有する係合部と、前記2つの対向部にそれぞれ設けられ、前記移動環体が前記対向部に近接した場合に、近接した前記移動環体の係合部へ弾性付勢されて前記凹部又は凸部に係合される被係合部とを備え、2つの前記対向部にそれぞれ設けられた係合部は、並設された前記凹部又は凸部の数が異なることを特徴とする。
【0018】
本発明においては、上述の構成と同様に、第1の回動操作体及び第2の回動操作体を同心に配設し、第2の回動操作体に対する回動操作により、第1の回動操作体を操作した際に生じるクリック感を変更する構成とする。このために、第1の回動操作体には同心に軸部を設けると共に、軸方向に対向する2つの対向部を設ける。2つの対向部の間には軸部に挿通された移動環体を設け、2つの対向部の一方に近接し、他方に離隔するように、第2の回動操作体の回動に応じて移動環体を移動させる。また、移動環体の軸方向に一側及び他側には複数の凹部又は凸部を有する係合部をそれぞれ設け、2つの対向部には弾性付勢された被係合部をそれぞれ設けて、移動環体の移動に伴って一方の係合部が一方の対向部に設けられた被係合部を係合する構成とする。係合部の複数の凹部又は凸部と弾性付勢された被係合部との係合により、第1の回動操作体の回動に伴ってクリック感を生じさせることができる。この場合に、第2の回動操作体の回動に伴って係合する係合部及び被係合部が変更されるため、移動環体の一側及び他側には異なる数の凹部又は凸部を有する係合部をそれぞれ設けることによって、クリック感を変更することができる。
【0019】
また、第3発明に係る操作装置は、前記第2の回動操作体に同心に設けられ、前記第2の回動操作体と共に回動する筒体と、該筒体に形成され、前記筒体の周方向に沿って長い形状をなし、前記筒体の軸方向に徐々に変位する案内溝部と、前記移動環体に設けられ、前記案内溝部に挿入される突起部とを備え、前記筒体の回動に応じて前記突起部の前記案内溝部への挿入位置が変化し、前記移動環体が軸方向へ移動するようにしてあることを特徴とする。
【0020】
本発明においては、第2の回動操作体と共に回動する筒体を同心に設け、筒体の周方向に沿って長い形状をなし、筒体の軸方向に徐々に変位する案内溝部を筒体に形成する。移動環体には、筒体の案内溝部に挿入される網状の突起部を設ける。第2の回動操作体の回動に伴って筒体が回動し、突起部が案内溝部に挿入された移動環体は、案内溝部に沿って軸方向へ移動する。よって、第2の回動操作体の回動に応じて移動環体を軸方向に確実且つ容易に移動させることができる。
【0021】
また、第4発明に係る操作装置は、前記第2の回動操作体が、前記筒体に揺動可能に支持してあり、前記第2の回動操作体の揺動を検知する揺動検知手段を備えることを特徴とする。
【0022】
本発明においては、筒体が第2の回動操作体を揺動可能に支持する構成とする。これにより、ユーザは第2の回動操作体に対して回動操作を行うことができるのみでなく、更に揺動操作を行うことができる。第2の回動操作体の揺動を、検知手段として例えば揺動により押下される複数のスイッチを用いて検知することによって、操作装置がユーザの揺動操作を受け付けることができるため、操作装置の多機能化を実現できる。
【0023】
また、第5発明に係る操作装置は、前記第1の回動操作体の回動軸と同心に配設され、前記第1の回動操作体の回動を検知する回動検知手段を備えることを特徴とする。
【0024】
本発明においては、第1の回動操作体に設けられた軸部と同心に、第1の回動操作体の回動を検知する検知手段、例えばロータリエンコーダなどを配設する。回動操作を受け付ける操作装置にはこのような検知手段を設ける必要があるが、第1の回動操作体の回動を歯車機構などを用いて検知手段に伝達する構成とした場合には、第1の回動操作体又は軸部の周囲に検知手段を配設する必要があるため、操作装置が大型化し、広い配設スペースを必要とする虞がある。そこで、検知手段を第1の回動操作体と同心に配設することによって、この問題を回避することができる。
【0025】
また、第6発明に係る操作システムは、上述のいずれか1つの操作装置を複数備える操作システムであって、各操作装置の被係合部がそれぞれ異なる付勢力で付勢してあることを特徴とする。
【0026】
本発明においては、上述の操作装置を複数備えて、より多くの機能の操作を行う。各操作装置の第1の回動操作体に対する回動操作の負荷は、係合部に弾性付勢される被係合部の付勢力の大きさにより変化するため、各操作装置の被係合部を異なる付勢力で付勢することによって、各操作装置の第1の回動操作体に異なる操作負荷を付与することができる。これにより、複数の第1の回動操作体が並べて配設されている場合であっても、ユーザは操作負荷を基にいずれの第1の回動操作体を操作しているかを容易に判断することが可能となる。よって、ユーザは複数の第1の回動操作体を目視して確認することなく、所望の第1の回動操作体を操作することができる。
【発明の効果】
【0027】
第1発明による場合は、第1の回動操作体及び第2の回動操作体を同心に配設する構成とすることにより、多機能な操作装置を小型化することができるため、車輌のインストルメントパネルなどの小さなスペースに多機能な操作装置を配設することができる。また、第1の回動操作体に設けられた2つの対向部の間を第2の回動操作体の回動操作に応じて移動する移動環体を設け、数の異なる凹部又は凸部を有する係合部を対向部にそれぞれ設けて、移動環体の一側又は他側の被係合部に係合させる構成とすることにより、第2の回動操作体に対する回動操作により第1の回動操作体を操作する際に生じるクリック感を変更することができるため、第1の回動操作体に対する回動操作の操作性を高めることができ、操作装置の利便性を向上することができる。
【0028】
また、第2発明による場合は、第1の回動操作体及び第2の回動操作体を同心に配設する構成とすることにより、多機能な操作装置を小型化することができるため、車輌のインストルメントパネルなどの小さなスペースに多機能な操作装置を配設することができる。また、第1の回動操作体に設けられた2つの対向部の間を第2の回動操作体の回動操作に応じて移動する移動環体を設け、数の異なる凹部又は凸部を有する係合部を移動環体の軸方向の一側及び他側にそれぞれ設けて、2つの対向部にそれぞれ設けられた被係合部に係合させる構成とすることにより、第2の回動操作体に対する回動操作により第1の回動操作体を操作する際に生じるクリック感を変更することができるため、第1の回動操作体に対する回動操作の操作性を高めることができ、操作装置の利便性を向上することができる。
【0029】
また、第3発明による場合は、第2の回動操作体に同心に連設された筒体に、周方向に長く軸方向に徐々に変位する案内溝部を形成し、移動環体にはこの案内溝部に挿入される棒状の突起部を設ける構成とすることにより、第2の回動操作体の回動に伴って筒体が回動し、突起部が案内溝部に挿入された移動環体が案内溝部に沿って軸方向へ移動するため、第2の回動操作体の回動に応じて移動環体を軸方向に確実且つ容易に移動させることができ、第1の回動操作体の回動に伴うクリック感を確実且つ容易に変更することができる。よって、第1の回動操作体に対する回動操作の操作性を確実且つ容易に向上することができる。
【0030】
また、第4発明による場合は、筒体が第2の回動操作体を揺動可能に支持し、第2の回動操作体の揺動を検知する手段を設ける構成とすることにより、ユーザは第2の回動操作体に対して揺動操作を行うことができるため、操作装置を更に多機能化することができ、操作装置の利便性を更に向上させることができる。
【0031】
また、第5発明による場合は、第1の回動操作体に設けられた軸部と同心に、回動を検知するロータリエンコーダなどの検知手段を配設する構成とすることにより、操作装置をより小型化することができるため、車輌のインストルメントパネルなどの小さなスペースに多機能な操作装置をより確実に配設することができる。
【0032】
また、第6発明による場合は、上述の操作装置を複数備えると共に、各操作装置の被係合部をそれぞれ異なる付勢力で係合部へ付勢する構成とすることにより、各操作装置の第1の回動操作体に異なる操作負荷を付与することができるため、複数の第1の回動操作体が並べて配設されている場合であっても、ユーザは操作負荷を基にいずれの第1の回動操作体を操作しているかを容易に判断することができる。よって、複数の第1の回動操作体を目視して確認することなく、所望の第1の回動操作体を操作することができ、複数の操作装置を備える操作システムの操作性及び利便性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明に係る操作システムの構成を示す模式的平面図である。図において1は、車輌のインストルメントパネルの外装部分(の一部)であり、本実施の形態に係る操作システムは外装部分1に並設された複数の(2つの)操作装置10を備えている。操作装置10は、外装部分1上にモード切替スイッチ20及びダイヤルスイッチ30が積層して配設された外観をなしている。モード切替スイッチ20は、平面視で略卵形の板状をなしており、外装部分1上に配設されて、約60°の範囲内でユーザが回動操作することができるようにしてある。ダイヤルスイッチ30は、円板状をなしており、モード切替スイッチ20の上側に配設されて、時計回り及び反時計回りに360°又はそれ以上の範囲でユーザが回動操作することができるようにしてある。なお、ダイヤルスイッチ30及びモード切替スイッチ20は同心に配設してある。即ち、ダイヤルスイッチ30の回動軸とモード切替スイッチ20の回動軸とは一致するようにしてある。
【0034】
外装部分1には各操作装置10の周囲に4つの操作マーク2〜5が描かれている。操作マーク2〜4は、モード切替スイッチ20により切り替えられる各モードを示すものであり、モード切替スイッチ20の先細の先端部分20aが3つのモードマーク2〜4のいずれかを指し示すようにモード切替スイッチ20を回動操作することによって、モードの切り替えを行うことができるようにしてある。操作マーク2はモード切替スイッチ20の回動範囲の一端位置に描かれており、操作マーク4は回動範囲の他端位置に描かれており、操作マーク3は操作マーク2及び操作マーク4の間の位置に描かれている。
【0035】
例えば、操作装置10が車輌のエアコンを操作するためのものである場合、操作マーク2として”風向”の文字列を付し、操作マーク3として”風量”の文字列を付し、操作マーク4として”温度”の文字列を付しておく。モード切替スイッチ20の先端部分20aが”風向”を指し示すように回動操作を行った場合、操作装置10はエアコンの風向を調整するモードとなり、ユーザはダイヤルスイッチ30を回動操作することによってエアコンの風向を調整することができる。他のモードについても同様である。
【0036】
また、詳細は後述するが、操作装置10のモード切替スイッチ20は先端部分20aの側とその反対側とに揺動することができるようにしてある。操作マーク3及び5は、モード切替スイッチ20の揺動位置を示すものであり、モード切替スイッチを間にして反対側にそれぞれ描かれている。操作装置10は、モード切替スイッチ20の先端部分20aが操作マーク3を指す位置の場合に、モード切替スイッチ20を操作マーク3側又は操作マーク5側へ揺動することができるようにしてあり、例えば車輌内のディスプレイに表示されたメニューの選択などの操作を受け付けることができるようにしてる。
【0037】
図2は、本発明に係る操作装置10の構成を示す斜視図であり、図3は、本発明に係る操作装置10の各部品の構成を示す分解斜視図である。図4及び図5は、本発明に係る操作装置10の構成を示す三面図であり、図4には操作装置10の前面視、上面視及び右側面視を示し、図5には操作装置10の左側面視、上面視及び後面視を示してある。図6及び図7は、本発明に係る操作装置10の断面図であり、図6に操作装置10の左断面を示し、図7に後断面を示してある。図8は、本発明に係る操作装置10の内部構成図であり、操作装置10の外側の部品を取り外して内側の部品の構成を示したものであり、操作装置10の前面視、後面視、左側面視及び右側面視を示してある。なお、図2〜図8においては、操作システムが備える1つの操作装置10のみの構成を図示してあり、他の操作装置10については同様の構成であるため図示を省略してある。また、インストルメントパネルの外装部分1についても図示を省略してある。また、以下の説明において、上下方向はモード切替スイッチ20及びダイヤルスイッチ30の回動軸方向とし、ダイヤルスイッチ30側を上側とし、モード切替スイッチ20側を下側とする。前後方向は、モード切替スイッチ20の揺動方向、即ち図1に示した操作マーク3及び5が並ぶ方向とし、操作マーク3側を前側とし、操作マーク5側を後側とする。左右方向は、上述の上下方向及び前後方向に直交する方向とし、操作マーク2側を左方向とし、操作マーク4側を右方向とする。
【0038】
本発明に係る操作装置10を構成するダイヤルスイッチ30及びモード切替スイッチ20等の多数の部品は、基板90上に組み立てられて配設されている。基板90には、ダイヤルスイッチ30の回動を検知するロータリエンコーダ80と、モード切替スイッチ20の回動によるモードの切り替えを検知する切替スイッチ91と、モード切替スイッチ20の揺動を検知するための2つのタクトスイッチ92とがその他の電気部品(図示は省略する)と共に配設してある。ロータリエンコーダ80はダイヤルスイッチ30と同心に配設してあり、切替スイッチ91は操作装置10の右側に配設してあり、タクトスイッチ92は操作装置10の前後側に配設してある。基板90にはロータリエンコーダ80、切替スイッチ91、タクトスイッチ92及びその他の電気部品により電気回路が構成されて、操作装置10に与えられたユーザの操作を電気信号に変換して種々の処理を行うことができるようにしてある。
【0039】
ロータリエンコーダ80は、円筒状をなしており、基板90にネジ止め及びはんだ付け等により機械的且つ電気的に固定接続してある。ロータリエンコーダ80は、基板90に固定される固定部81と、回転を検知する回転子82とを有しており、外径の大きい固定部81の上側に外径の小さい回転子82が設けられている。ロータリエンコーダ80は、回転子82の回転に応じたパルス信号を出力するようにしてある。
【0040】
また、ロータリエンコーダ80の回転子82にはダイヤルスイッチ30に連結される円筒状のダイヤル軸40が外嵌して固定してある。ダイヤル軸40は、外径の小さい小筒部分41と外径の大きい大筒部分42とが同心に連結された態様であり、ロータリエンコーダ80の回転子82にはダイヤル軸40の大筒部分42が外嵌してある。また、ダイヤル軸40の小筒部分41及び大筒部分42とを連結する連結部分43はダイヤル軸40の軸心に略垂直な円環平面状をなしており、連結部分43には一周に亘って所定の間隔で凹部又は凸部が形成された第1クリック面44が設けてある。ダイヤル軸40の小筒部分41の端部には、ダイヤル軸40をダイヤルスイッチ30に固定するための複数の固定爪45が延設してあり、固定爪45をダイヤルスイッチ30に係合して固定することによって、ダイヤルスイッチ30とダイヤル軸40とが一体に回動するようにしてある。
【0041】
ダイヤルスイッチ30は、円筒状をなす外筒31と、この外筒31に収容されて固定される円柱状のキャップ32とにより構成されている。ダイヤルスイッチ30の外筒31は、外径の大きい大筒部分33と外径の小さい小筒部分34とが同心に連結された態様であり、キャップ32は外筒31の大筒部分33に収容されて固定されている。大筒部分33及びキャップ32は、ユーザが触れて操作を行うために外部に露出した部分であり、回動操作が行い易いように大筒部分33の外周面には多数の凹凸が形成してあり、凹凸が滑り止めをなすようにしてある。
【0042】
ダイヤルスイッチ30の小筒部分34の端部には円環平面状の端面部分35が設けてあり、端面部分35の中央に形成された略円形の開口にダイヤル軸40の固定爪45を挿入することによって、ダイヤルスイッチ30とダイヤル軸40とを連結して固定するようにしてある。このため、端面部分35の開口の内縁には固定爪45に係合される爪受部36が設けてあり、固定爪45及び爪受部36の係合によりダイヤルスイッチ30及びダイヤル軸40が不動に固定されるようにしてある。よって、ダイヤルスイッチ30、ダイヤル軸40及びロータリエンコーダ80の回転子82を接続して固定することによって、ユーザがダイヤルスイッチ30に対して行った回動操作をロータリエンコーダ80がダイヤル軸40を介して検知することができる。即ち、ダイヤル軸40はダイヤルスイッチ20の回動軸をなしている。
【0043】
ダイヤルスイッチ30の小筒部分34に設けられた端面部分35の外側には、一周に亘って所定の間隔で凹部又は凸部が形成された第2クリック面37が設けてある。ダイヤルスイッチ30及びダイヤル軸40を連結して固定した場合、ダイヤルスイッチ30の端面部分35とダイヤル軸40の連結部分43とは対向するようにしてあり(即ち、端面部分35及び連結部分43はそれぞれ対向部である)、端面部分35の第2クリック面37と連結部分43の第1クリック面44とが対向するようにしてある。ただし、第1クリック面44及び第2クリック面37には複数の凹部又は凸部が一周に亘って所定の間隔で形成してあるが、第1クリック面44に形成された凹部又は凸部の数と第2クリック面37に形成された凹部又は凸部の数とが異なるようにしてある。例えば、第1クリック面44には一周に亘って60個の凹部又は凸部が形成してあり、第2クリック面37には一周に亘って30個の凹部又は凸部が形成してある。
【0044】
また、操作装置10は、ダイヤル軸40の小筒部分41が挿通可能な略円形の開口を有する円環状の板部材であるクリック数変更部材70を備えている。クリック数変更部材70は、操作装置10の組み立ての際にダイヤルスイッチ30及びダイヤル軸40が連結される前に、ダイヤル軸40の小筒部分41に挿通される。クリック数変更部材70は、軸方向に関してダイヤル軸40の小筒部分41の長さより十分に短くしてあり、小筒部分41に挿通された状態ではダイヤルスイッチ30の端面部分35とダイヤル軸40の連結部分43との間を軸方向にスライドして移動することができるようにしてある。
【0045】
クリック数変更部材70の外側面には、2つの丸棒状の突起部71が外側面からラジアル方向へ突出するように、外側面の反対位置にそれぞれ設けてある。クリック数変更部材70は、突起部71により支持されて、軸方向へ移動することはできるが、周方向へ回動しないようにしてある。
【0046】
また、クリック数変更部材70は、軸方向の一側の端面及び他側の端面に板ばね72がそれぞれ設けてある。板ばね72は、円弧(クリック数変更部材70の端面の略半分の円弧)状をなす金属製の板部材であり、両端部分がクリック数変更部材70の端面にそれぞれ固定してあると共に、中央部分には楔状の爪部73が固定してあり、爪部73を端面から離隔する方向へ付勢するようにしてある。一側の板ばね72と他側の板ばね72との付勢力は略同じにしてある。ただし、図1に示すように操作システムが操作装置10を2つ備える場合には、各操作装置10の板ばね72は異なる付勢力をそれぞれ付与するものとする。
【0047】
図9は、本発明に係る操作システムのクリック数変更部材70の板ばね72による付勢力を説明するための模式図であり、異なる付勢力を有する2種のクリック数変更部材70の模式的な側面を(a)及び(b)にそれぞれ示してある。また、(a)に示すクリック数変更部材70は板ばね72による爪部73の付勢力が小さい場合であり、(b)に示すクリック数変更部材70は板ばね72による爪部73の付勢力が大きい場合である。図示のように、外力が加わらない状態における板ばね72のクリック数変更部材70の端面からの離隔量に差を設けることによって、爪部73が第1クリック面44及び第2クリック面37に付勢される付勢力を調整することができる。
【0048】
クリック数変更部材70が軸方向に移動してダイヤルスイッチ30の端面部分35に近接した場合、一側の端面に設けられた板ばね72の爪部73が端面部分35の第2クリック面37に形成された凹部又は凸部に係合される。この状態でダイヤルスイッチ30を回動操作した場合、爪部73と第2クリック面37とが順に係合することによってクリック感を生じさせることができる。また、クリック数変更部材70が反対方向に移動してダイヤル軸40の連結部分43に近接した場合、他側の端面に設けられた板ばね72の爪部73が連結部分43の第1クリック面44に形成された凹部又は凸部に係合される。この状態でダイヤルスイッチ30を回動操作した場合、爪部73と第1クリック面44とが順に係合することによってクリック感を生じさせることができる。なお、クリック感とは、爪部73と第1クリック面44又は第2クリック面37の凹部又は凸部との係合に伴って生じる「カチ、カチ」という音、及びこのときに生じる振動等を含むものである。また、操作装置10では、クリック数変更部材70の一側及び他側の爪部73が第1クリック面44及び第2クリック面37の凹部又は凸部に共に係合することがないようにしてある。
【0049】
操作装置10では、第1クリック面44の凹部又は凸部の数と第2クリック面37の凹部又は凸部の数とが異なる構成であるため、クリック数変更部材70の爪部73を係合されるクリック面を変更することによって、ダイヤルスイッチ30を回動操作したときのクリック感の発生頻度、即ちクリック数を変更することができる。爪部73が係合されるクリック面の変更は、クリック数変更部材70を軸方向にスライドさせて、第1クリック面44又は第2クリック面37のいずれかに近接させることで行うことができる。
【0050】
操作装置10は、クリック数変更部材70を軸方向にスライド可能に且つ周方向に回動不可能に支持するベース筒60を備えている。ベース筒60は円筒状をなしており、ロータリエンコーダ80、ダイヤル軸40、ダイヤルスイッチ30の小筒部分34及びクリック数変更部材70(突起部71を除く)等を内部に収容することができる大きさ及び形状にしてある。ベース筒60の一端側(下端側)は、これらをベース筒60内に収容した状態で、基板90に不動に固定してある。
【0051】
ベース筒60の他端側(上端側)には、軸方向に長い2つの切り欠き61が形成してあり、2つの切り欠き61はベース筒60の軸心を間にして反対側にそれぞれ形成してある。切り欠き61の幅はクリック数変更部材70の突起部71の径に略等しいか又は若干大きくしてあり、突起部71を切り欠き61内に挿入することができるようにしてあると共に、ベース筒60の軸方向に切り欠き61内を突起部71が移動することができるようにしてある。また、ベース筒60の内径はクリック数変更部材70の外径より若干大きくしてあり、ベース筒60の外径はクリック数変更部材70の軸心から突起部71の突出端までの距離より十分に小さくしてある。
【0052】
よって、ダイヤル軸40の小筒部分41に挿通されたクリック数変更部材70の2つの突起部71を、ベース筒60の2つの切り欠き61にそれぞれ挿入することによって、クリック数変更部材70は切り欠き61に沿って軸方向にスライド可能に、且つ、周方向に回動不可能にベース筒60に支持される。この状態では、クリック数変更部材70の2つの突起部71は、切り欠き61を挿通してベース筒60の外側へ突出した状態となる。
【0053】
ベース筒60の外周面には、切り欠き61と下端との間の位置に、鍔部62が周設してある。鍔部62には、ベース筒60の軸心を間にして反対の位置(前後の2箇所)に、円筒状の保持部63がそれぞれ設けてある。保持部63は、基板90に搭載されたタクトスイッチ92を操作するための操作棒93を保持するためのものであり、軸心がベース筒の軸心と略平行になるように鍔部62に設けてあると共に、ベース筒60が基板90に固定された場合にタクトスイッチ92の上面を覆うようにしてある。保持部93の内径は操作棒93の外径に略等しくしてあり、操作棒93を保持部93内で軸方向(上下方向)へスライドさせることにより、操作棒93がタクトスイッチ92を押下して操作することができるようにしてある。
【0054】
ベース筒60の鍔部62には、(右側の)一部に切り欠き64が形成してある。基板90に固定された切替スイッチ91は、基板90に固定されたベース筒60の鍔部62の切り欠き64に収まるように配設してある。切替スイッチ91は、直方体状の本体部に揺動可能に支持された棒状の検知軸91aを有している。切替スイッチ91は、本体部に内蔵されたばねなどの部材により検知軸91aが付勢される基準位置と、この基準位置を中心に検知軸91aを揺動させた場合の両側の最端位置との3つの位置のうち、検知軸91aがいずれの位置であるかを検知することにより、切り替えを検知するようにしてある。
【0055】
また、操作装置10は、モード切替スイッチ20を回動可能に且つ揺動可能に支持すると共に、モード切替スイッチ20の回動に伴ってクリック数変更部材70を軸方向へ移動させる回動筒50を備えている。回動筒50は、ベース筒60に外嵌する円筒状をなしており、一端側(上端側)にてモード切替スイッチ20を揺動可能に支持するようにしてある。また、回動筒50は、他端側(下端側)をベース筒60の切り欠き61が設けられた側(上側)から外嵌することによって、ベース筒60の鍔部62上に支持され、ベース筒60の周囲を回動することができるようにしてある。上述のようにベース筒60の切り欠き61からはクリック数変更部材70の突起部71の先端部分が突出するため、回動筒50にはベース筒60に外嵌させる際に突起部71の先端部分を通すための溝51が設けてある。溝51は回動筒50の他端部(下端部)から軸方向の略中央の位置まで形成してあり、回動筒50には溝51を覆うように外周側へアーチ状の補強部52が設けてある。
【0056】
回動筒50の軸方向の略中央には、上述の溝51に連通し、回動筒50の周方向に長い長穴状の案内溝53が形成してある。ただし、長穴状の案内溝53は、一端部53aから中央部53bまでの部分が回転筒50の周方向に沿って形成してあるが、中央部53bで若干折り曲げられており、中央部53bから他端部53cまでの部分は軸方向に上側へ徐々に変位するように形成してある。溝51及び案内溝53は、回動筒50の軸心を間にして両側(前側及び後側)にそれぞれ形成してあり、2つの案内溝53は略同じ形状である。溝51及び案内溝53の幅は、クリック数変更部材70の突起部71の径に略等しいか又は若干大きくしてある。回動筒50をベース筒60に外嵌させる場合には、ベース筒60の切り欠き61から突出するクリック数変更部材70の突起部71を、回動筒50に形成された溝51に沿って案内溝53へ導くことによって行うことができる。
【0057】
モード切替スイッチ20は、平面視が略卵形の板状をなしており、一側(上側)の面及び周側面にはユーザの操作が行い易いように種々の凹凸が形成してある。モード切替スイッチ20には、先端部分20aの反対側に、回動筒50が挿通可能な大きさの貫通孔21が形成してあり、貫通孔21は、モード切替スイッチ20の回動軸に中心が一致する略円形をなしており、内周面の左右には対向する2つの位置にそれぞれ丸棒状の揺動軸22が貫通孔21の中心へ向けて突設してある。
【0058】
回動筒50の一端部(上端部)の左右には対向する位置にモード切替スイッチ20の揺動軸22を受ける軸受部54が形成してある。軸受部54は、回動筒50の一端部から軸方向に形成された長円状の切り欠きであり、軸方向の長さが揺動軸22の径に略等しいか又は若干大きくしてあり、幅が揺動軸22の径に略等しくしてある。モード切替スイッチ20の貫通孔21を挿通させた回動筒50の軸受部54にて揺動軸22を支持することによって、モード切替スイッチ20は揺動軸22を中心に揺動することが可能となる。
【0059】
また、操作装置10は、回動筒50と径が等しい円筒状をなす固定部材25を備えており、固定部材25によりモード切替スイッチ20を回動筒50に取り外し不可能に固定するようにしてある。固定部材25を回動筒50の一端(上端)にねじ止め、接着又は係合等の手段で不動に固定することにより、回動筒50の軸受部54が閉じられてモード切替スイッチ20が揺動軸22を中心に揺動可能な状態で取り外し不可能に回動筒50に固定される。この状態では、ユーザがモード切替スイッチ20を回動操作した場合にモード切替スイッチ20と回動筒50とが一体に回動する。
【0060】
モード切替スイッチ20の回動は、上述のように切替スイッチ91により検知される。操作装置10の回動筒50は、切替スイッチ91が配された場所の近傍の外周面からラジアル方向に突設された2つの切替棒55を有している。切替棒55の突出量はベース筒60に設けられた鍔部62のラジアル方向に関する突出量と同程度にしてあり、2つの切替棒55の軸方向の位置は略同じであり、2つの切替棒55は周方向に鍔部62の切り欠き64の幅と同程度の距離を隔てて設けてある。回動筒50をベース筒60に外嵌した場合、ベース筒60の切り欠き64に収まるように基板90に配設された切替スイッチ91の検知軸91aが回動筒50の2つの切替棒55の間に配されるようにしてある。モード切替スイッチ20の回動に伴って回動筒50が回動した場合、回動筒50の切替棒55が切替スイッチ91の検知軸91aに当接して揺動するようにしてあり、これにより切替スイッチ91はモード切替スイッチ20の回動を検知することができる。
【0061】
また、モード切替スイッチ20の下面には、円柱状に突出した2つの突起部23が設けてある。突起部23はモード切替スイッチ20の貫通孔21の中心を間にして前後に対向して設けてあり、突起部23の径はタクトスイッチ92を操作するための操作棒93の径と略同じにしてある。モード切替スイッチ20の下面からの突起部23の突出量は、インストルメントパネルの外装部分1とモード切替スイッチ20との間の距離に略等しくしてあり、突起部23がモード切替スイッチ20の回動の妨げとなることはない。
【0062】
ベース筒60の保持部63に保持された操作棒93の端部(上端部)は、インストルメントパネルの外装部分1に形成された貫通孔(図示は省略する)に挿入され、端面のみが外装部分1に露出するようにしてある。突起部23の端面は、操作装置10の組み立て後において、モード切替スイッチ20の先端部分20aが操作マーク3を指し示す回動位置にある場合に、外装部分1の貫通孔に挿入された操作棒93の端面に当接するようにしてあり、モード切替スイッチ20を揺動させた場合に2つの操作棒93のいずれか一方が押下されてタクトスイッチ92を操作するようにしてある。
【0063】
操作装置10の組み立てを行う場合には、まず基板90にロータリエンコーダ81、切替スイッチ91及びタクトスイッチ92を搭載し、ロータリエンコーダ81の回転子82にダイヤル軸40の大筒部分42を外嵌させて固定する。次いで、ベース筒60を基板90にネジ止め又は接着等により固定し、クリック数変更部材70をダイヤル軸40に取り付ける。このとき、クリック数変更部材70の開口にダイヤル軸40を挿通すると共に、クリック数変更部材70の2つの突起部71をベース筒60の2つの切り欠き61に挿入する。
【0064】
次いで、回動筒50をベース筒60に外嵌して取り付ける。このとき、ベース筒60の切り欠き61から突出するクリック数変更部材70の突起部71を回動筒50の溝51を通して案内溝53へ導いて回動筒50をベース筒60に外嵌させる。次いで、ベース筒60の2つの保持部63に操作棒93をそれぞれ保持させた後、回動筒50の軸受部54にモード切替スイッチ20の揺動軸22を収め、固定部材25を回動筒50に固定することによって、モード切替スイッチ20の取り付けを行う。その後、外筒31にキャップ32を装着したダイヤルスイッチ30の爪受部36と、ダイヤル軸40の上端に設けられた固定爪45とを係合させることによって、ダイヤルスイッチ30をダイヤル軸40に固定し、操作装置10の組み立てを完了する。
【0065】
上述のようにして組み立てられた操作装置10において、モード切替スイッチ20が回動の中央位置、即ち先端部分20aが操作マーク3を指し示す位置に移動された場合、クリック数変更部材70の突起部71は回動筒50の案内溝53の中央部53bに位置しており、ベース筒60の切り欠き61の下端部に位置している。この状態では、クリック数変更部材70の下側に設けられた爪部73が板ばね72により付勢されて回動筒44の第1クリック面44に係合される。第1クリック面44には例えば一周に亘って等間隔で60個の凹部又は凸部が形成してあるため、ユーザがダイヤルスイッチ30を回動操作した場合には、一周当たり60回のクリック感が生じる。
【0066】
また、モード切替スイッチ20の先端部分20aが操作マーク3を指し示す状態においては、モード切替スイッチ20を操作マーク3又は操作マーク5の方向(前後方向)へ揺動させることができる。例えば車内に搭載されたディスプレイにメニューが表示されている場合、ユーザはモード切替スイッチ20を揺動することによってメニューの選択操作を行うことができる。
【0067】
モード切替スイッチ20を反時計回りに操作マーク2の位置へ回動操作した場合、モード切替スイッチ20の回動に伴って回動筒50が反時計回りに回動する。このとき、クリック数変更部材70の突起部71の挿入位置は、回動筒50の案内溝53の中央部53bから一端部53aへ変化する。案内溝53の中央部53b及び一端部53aは、回動筒50の軸方向に関して等しい位置に形成してあるため、クリック数変更部材70は軸方向に移動しない。よって、クリック数変更部材70の下側に設けられた爪部73が板ばね72により付勢されて回動筒44の第1クリック面44に係合され、ユーザがダイヤルスイッチ30を回動操作した場合には、一周当たり60回のクリック感が生じる。
【0068】
モード切替スイッチ20を時計回りに操作マーク4の位置へ回動操作した場合、モード切替スイッチ20の回動に伴って回動筒50が時計回りに回動する。案内溝53は、中央部53bにて折れ曲がり、他端部53cが上側となるように軸方向に徐々に変位する形状である。案内溝53の他端部53cは一端部53a及び中央部53bより上側にあり、回動筒50の回動に伴ってクリック数変更部材70の突起部71の挿入位置は、回動筒50の案内溝53の一端部53aから他端部53cへ変化する。よって、クリック数変更部材70はベース筒60の切り欠き61に沿って軸方向に上側へ移動し、クリック数変更部材70の上側に設けられた爪部73が板ばね72により付勢されてダイヤルスイッチ30の第2クリック面37に係合される。第2クリック面37には例えば一周に亘って等間隔で30個の凹部又は凸部が形成してあるため、ユーザがダイヤルスイッチ30を回動操作した場合には、一周当たり30回のクリック感が生じる。
【0069】
以上の構成の操作装置10においては、モード切替スイッチ20とダイヤルスイッチ30とを同心に積み重ねて配設する構成とすることにより、操作装置10を小型化することができるため、車輌のインストルメントパネルなどの限られたスペースに操作装置10を容易に配設することができる。また、モード切替スイッチ20によりモードを切り替えてダイヤルスイッチ30にて各モードでの設定又は調整等を行う構成とすることにより、1つの操作装置10で複数の機能の操作を行うことができる。また、モード切替スイッチ20が回動操作のみでなく揺動操作を受け付けることができる構成とすることにより、操作装置10を更に多機能化することができる。
【0070】
また、クリック数変更部材70の軸方向の両側に設けられた爪部73と、ダイヤル軸40の第1クリック面44又はダイヤルスイッチ30の第2クリック面37との係合によりクリック感を生じさせると共に、モード切替スイッチ20の回動に伴ってクリック数変更部材70を軸方向に上下に移動させて爪部73が係合されるクリック面を変更する構成とすることにより、モード切替スイッチ20によってモード毎に異なるクリック感をダイヤルスイッチ20の回動操作に伴って簡単且つ確実に生じさせることができる。また、ダイヤルスイッチ30の回動を検知するロータリエンコーダ80をダイヤルスイッチ30と同心に基板90上に配設する構成とすることにより、操作装置10をより小型化することができる。
【0071】
また、2つの操作装置10を備える操作システムにおいて、各操作装置10の板ばね72による爪部73の付勢力をそれぞれ異なる設定とすることによって、各操作装置10のダイヤルスイッチ30に異なる操作負荷を付与することができるため、ユーザは操作負荷を基に2つの操作装置10のいずれを回動操作しているかを、操作システムを目視することなく認識することができる。
【0072】
なお、本実施の形態においては、操作装置10はモード切替スイッチ20により3つのモードに変更することができる構成としたが、これに限るものではなく、2つのモード又は4つ以上のモードに変更することができる構成としてもよい。また、3つのモードのうち2つのモードについてはダイヤルスイッチ30の1回転につき60回のクリック感を生じさせ、1つのモードについてはダイヤルスイッチ30の1回転につき30回のクリック感を生じさせる構成としたが、これに限るものではない。ダイヤルスイッチ30の1回転でのクリック感の発生数(クリック数)は任意であってよく、ダイヤル軸40の第1クリック面44及びダイヤルスイッチ30の第2クリック面37の形状(凹部又は凸部の数)を変更するのみで容易にクリック数を設定できる。また、クリック数変更部材70の両側にそれぞれ設けられた爪部73のいずれかは、第1クリック面44又は第2クリック面37のいずれかに係合される構成としたが、これに限るものではなく、クリック数変更部材70の爪部73がいずれのクリック面にも係合されない状態、即ちダイヤルスイッチ30を回動操作してもクリック感が生じない状態を含めて、操作装置10が3段階にクリック数の変更を行う構成としてもよい。
【0073】
また、モード切替スイッチ20を前後方向に揺動可能な構成としたが、これに限るものではなく、モード切替スイッチ20を揺動不可能な構成として回動操作のみを受け付ける構成としてもよい。また、操作システムが2つの操作装置10を備える構成としたが、これに限るものではなく、操作装置10を1つのみ備える構成であってもよく、3つ以上の操作装置10を備える構成であってもよい。また、操作システムが複数の操作装置10を備える場合に、各操作装置10のクリック数変更部材70の板ばね72による爪部73の付勢力を異なる設定として操作負荷に差を設ける構成としたが、これに限るものではなく、全ての操作装置10の操作負荷が同じ構成であってもよい。
【0074】
(変形例1)
上述の操作装置10においては、クリック数変更部材70に爪部73及び板ばね72を設け、ダイヤル軸40及びダイヤルスイッチ30にクリック面を設ける構成としたが、これに限るものではなく、爪部73及び板ばね72とクリック面との配設位置の関係が逆であってもよい。図10は、本発明の変形例1に係る操作装置110の構成を示す模式的側面図である。図10においてはダイヤルスイッチ130、ダイヤル軸140、クリック数変更部材170、ロータリスイッチ80及び基板90のみを図示し、モード切替スイッチ20、回動筒50及びベース筒60等の図示は省略してある。
【0075】
変形例1に係る操作装置110では、クリック数変更部材170の軸方向の一の面(下面)に60個の凹部又は凸部を有する第1クリック面178を形成すると共に、反対面(上面)に30個の凹部又は凸部を有する第2クリック面179が形成してある。ダイヤルスイッチ130の下側の端面部分には板ばね180が設けてあり、板ばね180により爪部139を下方へ付勢するようにしてある。同様に、ダイヤルスイッチ130の端面部分に対向するダイヤル軸140の連結部分には板ばね148が設けてあり、板ばね148により爪部149を上方へ付勢するようにしてある。
【0076】
モード切替スイッチ20の回動に伴ってクリック数変更部材170が下方へ移動した場合、ダイヤル軸140に設けられた爪部149が板ばね148によりクリック数変更部材170の下面に設けられた第1クリック面178へ付勢されて、爪部149及び第1クリック面178の係合によりダイヤルスイッチ130の回動操作にクリック感を生じさせることができる。また、クリック数変更部材170が上方へ移動した場合、ダイヤルスイッチ130に設けられた爪部139が板ばね138によりクリック数変更部材170の上面に設けられた第2クリック面179に付勢されて、爪部139及び第2クリック面179の係合によりクリック感を生じさせることができる。
【0077】
以上の構成の変形例1に係る操作装置10は、図1〜図9に示した操作装置10と同様の効果を得ることができる。
【0078】
(変形例2)
上述の操作装置10においては、クリック数変更部材70に設けた板ばね72により爪部73をクリック面へ付勢して係合させることでクリック感を生じさせる構成としたが、これに限るものではなく、クリック面への付勢及び係合を異なる構成で実現してもよい。図11は、本発明の変形例2に係る操作装置のクリック数変更部材270の構成を示す模式的断面図である。
【0079】
変形例2のクリック数変更部材270には、上面及び下面の両面に、且つ軸心を間にして対向する位置に、円柱状の部材を収容可能な形状をなす収容穴部272がそれぞれ形成してある。クリック数変更部材270は、収容穴部272に収容される有底円筒状のハウジング277と、このハウジング277に収容されるボール部材275と、ハウジング277に収容されてボール部材275をハウジング277の開口へ向けて付勢するコイルバネ276とを有している。
【0080】
ハウジング277の内径はボール部材275の直径より若干大きくしてあるが、ハウジング277の開口はボール部材275の直径より小さくしてある。よって、ボール部材275は、コイルバネ276により開口へ向けて付勢されているが、開口の外側へ出ることはできず、開口からボール部材275の一部が露出するのみである。なお、ハウジング277は合成樹脂製であり、若干の可撓性を有しているため、クリック数変更部材270の組立工程においては、一定の押圧力を加えることによってボール部材275をハウジング277の開口から内部へ押し込むことができるようにしてある。
【0081】
また、ボール部材275及びコイルバネ276が収容されたハウジング277は、クリック数変更部材270の収容穴272に圧入又は接着等により固定される。上面及び下面の両面にボール部材275、コイルバネ276及びハウジング277がそれぞれ組み込まれたクリック数変更部材270は、ダイヤル軸44に挿通された状態で軸心方向へ移動し、ハウジング277の開口から露出するボール部材275の一部分が第1クリック面44又は第2クリック面37の凹部又は凸部に係合される。この状態でダイヤルスイッチ30が回動操作された場合、クリック数変更部材270のボール部材275はハウジング277の開口から出没を繰り返しながらクリック面の凹部又は凸部に順に係合され、クリック感を生じさせることができる。
【0082】
なお、変形例2においてはボール部材275、コイルバネ276及びハウジング277をクリック数変更部材270に設ける構成としたが、これに限るものではなく、変形例1に示すようにクリック数変更部材に第1クリック面及び第2クリック面を設ける場合には、ボール部材275、コイルバネ276及びハウジング2をダイヤルスイッチ30及びダイヤル軸40等に設ける構成としてもよい。
【0083】
(変形例3)
図12は、本発明の変形例3に係る操作装置のクリック数変更部材370の構成を示す模式的断面図である。変形例3のクリック数変更部材370には、上面及び下面の両面に、且つ軸心を間にして対向する位置に、円柱状の部材を収容可能な形状をなす収容穴部372がそれぞれ形成してある。
【0084】
収容穴部372には、有底円筒状をなし、底部分の外面が半球状に形成された被係合部材375と、コイルバネ377とが収容される。また、被係合部材375は、底部分が外部に露出するように収容穴部372に収容され、収容穴部372に収容されたコイルバネ377により外部へ突出するように付勢されている。
【0085】
また、収容穴部372の内周面の一部分には凹所373が形成してあり、被係合部材375の外周面の一部分にはラジアル方向に突出した係止爪部376が形成してある。被係合部材375が収容穴部372に収容された場合、被係合部材375の係止爪部376が収容穴部372の凹所373内に収まり、コイルバネ377により付勢された被係合部材375が収容穴372から飛び出すことを係止している。なお、被係合部材375は合成樹脂製であり、若干の可撓性を有しているため、クリック数変更部材370の組立工程においては、クリック数変更部材370の外周面を内側へ撓ませることによって、被係合部材375を収容穴部372内へ押し込むことができるようにしてある。
【0086】
上面及び下面の両面に被係合部材375がそれぞれ組み込まれたクリック数変更部材370は、ダイヤル軸44に挿通された状態で軸心方向へ移動し、収容穴部372から突出する被係合部材375の一部分が第1クリック面44又は第2クリック面37の凹部又は凸部に係合される。この状態でダイヤルスイッチ30が回動操作された場合、クリック数変更部材370の被係合部材375は収容穴372からの出没を繰り返しながらクリック面の凹部又は凸部に順に係合され、クリック感を生じさせることができる。
【0087】
なお、変形例3においては被係合部材375をクリック数変更部材370に設ける構成としたが、これに限るものではなく、変形例1に示すようにクリック数変更部材に第1クリック面及び第2クリック面を設ける場合には、被係合部材375をダイヤルスイッチ30及びダイヤル軸40等に設ける構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明に係る操作システムの構成を示す模式的平面図である。
【図2】本発明に係る操作装置の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る操作装置の各部品の構成を示す分解斜視図である。
【図4】本発明に係る操作装置の構成を示す三面図である。
【図5】本発明に係る操作装置の構成を示す三面図である。
【図6】本発明に係る操作装置の断面図である。
【図7】本発明に係る操作装置の断面図である。
【図8】本発明に係る操作装置の内部構成図である。
【図9】本発明に係る操作システムのクリック数変更部材の板ばねによる付勢力を説明するための模式図である。
【図10】本発明の変形例1に係る操作装置の構成を示す模式的側面図である。
【図11】本発明の変形例2に係る操作装置のクリック数変更部材の構成を示す模式的断面図である。
【図12】本発明の変形例3に係る操作装置のクリック数変更部材の構成を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
【0089】
1 外装部分
10 操作装置
20 モード切替スイッチ(第2の回動操作体)
22 揺動軸
25 固定部材
30 ダイヤルスイッチ(第1の回動操作体)
35 端面部分(対向部)
37 第2クリック面(係合部)
40 ダイヤル軸(回動軸)
43 連結部分(対向部)
44 第1クリック面(係合部)
50 回動筒(筒体)
51 溝
53 案内溝(案内溝部)
54 軸受部
60 ベース筒
61 切り欠き
70 クリック数変更部材(移動環体)
72 板ばね
73 爪部(被係合部)
80 ロータリエンコーダ(回動検知手段)
90 基板
91 切替スイッチ
92 タクトスイッチ(揺動検知手段)
110 操作装置
130 ダイヤルスイッチ(第1の回動操作体)
138 板ばね
139 爪部(被係合部)
140 ダイヤル軸(軸部)
148 板ばね
149 爪部(被係合部)
170 クリック数変更部材(移動環体)
178 第1クリック面(係合部)
179 第2クリック面(係合部)
270 クリック数変更部材(移動環体)
272 収容穴部
275 ボール部材(被係合部)
276 コイルバネ
277 ハウジング
370 クリック数変更部材(移動環体)
372 収容穴部
375 被係合部材(被係合部)
377 コイルバネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同心に配設された第1の回動操作体及び第2の回動操作体と、
前記第1の回動操作体の回動軸の軸方向に対向するように、前記第1の回動操作体にそれぞれ設けられた2つの対向部と、
前記第1の回動操作体の回動軸に挿通され、前記第2の回動操作体の回動に応じて前記2つの対向部の一方に近接し、他方から離隔するように、前記2つの対向部の間を前記回動軸の軸方向へ移動する移動環体と、
前記2つの対向部にそれぞれ設けられ、前記第1の回動操作体の回動方向に所定間隔で並設された複数の凹部又は凸部を有する係合部と、
前記移動環体の前記軸方向の一側及び他側にそれぞれ設けられ、前記移動環体が前記対向部に近接した場合に、近接した前記対向部の係合部へ弾性付勢されて前記凹部又は凸部に係合される被係合部と
を備え、
2つの前記対向部にそれぞれ設けられた係合部は、並設された前記凹部又は凸部の数が異なること
を特徴とする操作装置。
【請求項2】
同心に配設された第1の回動操作体及び第2の回動操作体と、
該第1の回動操作体の回動軸の軸方向に対向するように、前記第1の回動操作体にそれぞれ設けられた2つの対向部と、
前記第1の回動操作体の回動軸に挿通され、前記第2の回動操作体の回動に応じて前記2つの対向部の一方に近接し、他方から離隔するように、前記2つの対向部の間を前記回動軸の軸方向へ移動する移動環体と、
前記移動環体の前記軸方向の一側及び他側にそれぞれ設けられ、前記第1の回動操作体の回動方向に所定間隔で並設された複数の凹部又は凸部を有する係合部と、
前記2つの対向部にそれぞれ設けられ、前記移動環体が前記対向部に近接した場合に、近接した前記移動環体の係合部へ弾性付勢されて前記凹部又は凸部に係合される被係合部と
を備え、
2つの前記対向部にそれぞれ設けられた係合部は、並設された前記凹部又は凸部の数が異なること
を特徴とする操作装置。
【請求項3】
前記第2の回動操作体に同心に設けられ、前記第2の回動操作体と共に回動する筒体と、
該筒体に形成され、前記筒体の周方向に沿って長い形状をなし、前記筒体の軸方向に徐々に変位する案内溝部と、
前記移動環体に設けられ、前記案内溝部に挿入される突起部と
を備え、
前記筒体の回動に応じて前記突起部の前記案内溝部への挿入位置が変化し、前記移動環体が軸方向へ移動するようにしてあること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記第2の回動操作体は、前記筒体に揺動可能に支持してあり、
前記第2の回動操作体の揺動を検知する揺動検知手段を備えること
を特徴とする請求項3に記載の操作装置。
【請求項5】
前記第1の回動操作体の回動軸と同心に配設され、前記第1の回動操作体の回動を検知する回動検知手段を備えること
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の操作装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の操作装置を複数備える操作システムであって、
各操作装置の被係合部がそれぞれ異なる付勢力で付勢してあること
を特徴とする操作システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2009−4322(P2009−4322A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−166744(P2007−166744)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】