説明

擬似直交波形レーダシステム、2次多相波形レーダ、およびターゲット位置決定方法

擬似直交波形の実施形態では、レーダシステム100は擬似直交波形を送信し、組合わせられた単一の受信機チャンネル信号で多重の相関を行う。2次多相波形の実施形態では、レーダシステム100は複数の送信アンテナにおける単一の2次多相波形の周波数分離されたバージョンを同時に送信し、各アンテナからの反射信号を組合わせて時間ドメイン信号を生成し、ターゲットの位置を突き止めるために組合された時間ドメイン信号でフーリエ変換を行う。レーダシステムは狙撃者の銃弾、入来する発射体、ロケット推進擲弾(PRG)、または迫撃砲の弾丸のようなターゲットを識別することができる。ある実施形態では、システムはターゲットの弾道を評価し迎撃することができる。実施形態ではシステムはターゲットの弾道を評価し、さらに狙撃者のようなターゲット源の位置を突き止めるためにターゲットの弾道を外挿することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態はレーダシステムに関する。幾つかの実施形態では、本発明は狙撃者の位置の突き止めに関し、幾つかの実施形態では、本発明は入来する発射体の迎撃に関する。
【背景技術】
【0002】
狙撃者は都市部および市街地の戦争状態で問題である。狙撃者は位置を突き止めるのが困難であり、VIP、警察および兵士を狙撃者の発砲から守ることは困難である。幾つかの通常のシステムは銃弾の発砲された後、狙撃者の位置を突き止める助けをするための可聴感知技術を使用する。更にこれらの技術は弾丸を停止させる方法を提供しない。幾つかの都市部の戦争状態では、ロケット推進擲弾(PRG)砲と、およびその他の発射体は類似の問題を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
幾つかの通常のレーダシステムは入来する発射体を追跡し、迎撃するために使用されているが、これらのシステムは市街地では容易に展開されず、大型で、扱いにくく、高価である。さらにこれらのシステムは、機械的な走査システムと電子的な走査アレイ(ESA)システムを含めた通常のシステムの走査時間のために(100メートルに満たない)近くの戦闘兵器に対して保護を行わない。
【0004】
したがって、一般的に、改良されたレーダシステムの必要性が存在する。また、特に市街地の状態における狙撃者の発砲と他の発射体に対する保護を助けることのできるシステム及び方法の必要性も一般的に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
幾つかの同時的な擬似直交波形の実施形態では、レーダシステムは擬似直交波形を送信し、狙撃者の銃弾、入来する発射体、ロケット推進擲弾(PRG)、または迫撃砲のようなターゲットを識別するために組合わせられた単一の受信機チャンネル信号で多数の相関を行う。2次多相波形の実施形態では、レーダシステムは複数の送信アンテナで単一の2次多相波形の周波数分離されたバージョンを同時に送信し、各アンテナからの反射信号を組合わせて時間ドメイン信号を生成し、ターゲットの位置を突き止めるために組合された時間ドメイン信号についてフーリエ変換を行う。ある実施形態では、システムはターゲットの弾道を評価し、ターゲットを迎撃する。ある実施形態ではさらに狙撃者またはRPG或いは迫撃砲の射撃手のようなターゲット源の位置を突き止めるためにターゲットの弾道を外挿することができる。ある実施形態では、システムは特に都市部のような状態における狙撃者の発砲及び他の発射体に対する保護を助けることができる。ある実施形態ではシステムは携帯可能であり、ビークルに取りつけることができ、さらに遠距離をおくことができる。ある実施形態では、システムは狙撃者、RPG、および/または迫撃砲の発砲に対抗するために使用されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
特許請求の範囲は本発明の種々の実施形態のうちの幾つかに関係している。しかしながら、図面を伴って考慮するとき、詳細な説明によって本発明の実施形態はさらに完全に理解される。同じ参照符合は図面を通して類似のアイテムを指している。
以下の説明及び図面は当業者が本発明を実施することを可能にするように十分に本発明の特定の実施形態を説明する。他の実施形態は構造的、論理的、電気的プロセス及びその他の変化を有することができる。例は単に可能な変形を類型化しただけである。個々のコンポーネント及び機能は明確に必要とされるわけではないならば随意選択的であり、動作のシーケンスは変化できる。幾つかの実施形態の部分及び特徴は他の実施形態に含まれるか、置換されることができる。特許請求の範囲に説明されている本発明の実施形態はこれらの請求項の全ての有効な等価物を包含している。本発明の実施形態は単なる便宜的理由で、2以上が実際に記載されているならば、この出願の美術的範囲を任意の単一の発明または発明の概念に自発的に限定することを意図するものではなく、個別的または集合的にここでは用語「発明」を指している。
【0007】
図1は本発明の実施形態によるレーダシステムの機能ブロック図である。ある実施形態では、レーダシステム100は擬似直交波形のレーダシステムであってもよく、別の実施形態では、レーダシステム100は2次多相波形のレーダシステムであってもよい。
【0008】
擬似直交波形の実施形態では、レーダシステム100は擬似直交波形103を送信し、狙撃者の銃弾、入来する発射体、ロケット推進擲弾(PRG)、または迫撃砲のようなターゲットを識別するために組み合わせられた単一の受信機チャンネル信号107について多数の相関を行う。実施形態では、ターゲットの弾道はターゲットを迎撃するための迎撃装置を発射するために評価されることができる。ある実施形態では、ターゲットの弾道はターゲットのソース位置(例えば狙撃者の位置)を決定するために外挿されることができる。
【0009】
ある擬似直交波形の実施形態では、レーダシステム100はそれぞれ擬似直交波形103を発生し、複数のアンテナ素子104の関連される1つで送信するための複数の送信機素子102を具備している。レーダシステム100はまたアンテナ素子104により受信された反射信号を組合せ、デジタル化し、単一のデジタル波形111を発生するための回路106と110を具備している。レーダシステム100はまた単一のデジタル波形111で相関を行うための波形処理及び制御装置回路112を具備している。
【0010】
実施形態では、各送信機素子102はアンテナ素子104の関連される1つにより送信するための擬似直交波形103の特有の1つを発生するために複数の擬似直交コード115のうちの1つにより無線周波数(RF)信号117を位相変調するための位相変調器を具備することができる。その実施形態では、擬似直交コード115の任意の2つのドット積は実質的に0の可能性がある。用語「擬似直交」はここでは実質的に直交(即ち完全に数学的な直交ではない)している複数のコードまたはコードシーケンスを示すために使用されている。換言すると、任意の2つの擬似直交コード間のドット積は0に等しくない可能性がある。これらの実施形態では、任意の2つの擬似直交コード間のドット積は0に近いか0または実質的に0である。用語「擬似直交」は本発明の技術的範囲はこのことに限定されないが、数学的に直交の複数のコードまたはコードシーケンスを含むことができる。実施形態によっては、本発明の技術的範囲はこの特徴に限定されないが、2つの隣接するチャンネル間の相互相関は20dB以上のチャンネル隔離に等しい可能性がある。
【0011】
ある擬似直交波形の実施形態では、各送信機素子102は関連されるアンテナ素子104で擬似直交波形103を実質的に同時に送信できる。その実施形態では、本発明の技術的範囲はこれに限定されないが、送信機素子102は送信/拒否(T/R)モジュールとして作用できる。ある実施形態では、波形処理及び制御装置回路112は入来するターゲットの弾道の評価に使用するため単一のデジタル波形111について別々の相関を行うことができる。
【0012】
擬似直交波形の実施形態では、レーダシステム100は送信機素子102の関連される1つにより使用するための擬似直交コード115を発生するための擬似直交コード発生器114を含んでいる。ある実施形態では、擬似直交コード発生器114は随意選択的であり、コードは他の場所で発生されてもよい。これらの実施形態では、本発明の技術的範囲はそれに限定されないが、1以上の特有の擬似直交コード103は各送信機素子102に記憶されることができる。ある実施形態では、本発明の技術的範囲はそれに限定されないが、擬似直交コードはウォルシュシードマトリックスから発生されることができる。
【0013】
ある実施形態では、レーダシステム100は、アンテナ素子104により受信された反射信号を単一の受信機チャンネル信号107に合計するための信号結合器106と、単一の受信機チャンネル信号109をデジタル化し、単一のデジタル波形111を発生するための1以上のアナログデジタル(A/D)変換器110を含むことができる。
【0014】
ある実施形態では、レーダシステム100は単一の受信機チャンネル信号107を下方変換するための受信機回路108を含むことができる。ある実施形態では、本発明の技術的範囲はそれに限定されないが、受信機回路108は結合する前に各アンテナ素子104からの個々の反射信号105を下方変換することができる。
【0015】
ある実施形態では、A/D変換器110は単一のデジタル波形111を発生するための単一のA/D変換器を具備することができる。他の実施形態では、A/D変換器110は例えば同位相(I)成分と直角位相(Q)成分とを含む単一のデジタル波形111を発生するための2以上のA/D変換器を含むことができる。これはA/D変換器110がさらに低いサンプリング速度で動作することを可能にするが、本発明の技術的範囲はそれに限定されない。
【0016】
ある実施形態では、アンテナ素子104は共に方位角において360度までの検出ゾーンをカバーすることができ、高低角において60度以上までの検出角度をカバーすることができるが、本発明の技術的範囲はそれに限定されない。これらの実施形態を以下更に詳細に説明する。
【0017】
ある実施形態では、レーダシステム100は各送信機素子102に対してRF信号117を発生するためのRF信号発生器116も含むことができる。RF信号117は実質的に相互に同位相であり、同じ周波数にあることができる。ある実施形態では、RF信号117は連続波(CW)信号であってもよく、別の実施形態では、RF信号117はパルス化されることができる。任意のレーダ周波数はRF信号117に適している。
【0018】
ある実施形態では、レーダシステム100は低雑音増幅器(LNA)のような増幅器、サーキュレータ及びその他の回路もまた含むことができ、それらの幾つかが図1に示されている。
【0019】
2次多相波形の実施形態では、レーダシステム100は2次多相波形レーダであってもよい。これらの実施形態では、送信素子102の各RF信号117はそれらの間に周波数間隔/分離を有することができる。周波数オフセットはレーダシステム100のこれらの実施形態のその予期された速度及び送信周波数を含んでいるターゲットのドップラに基づいていてもよい。
【0020】
これらの2次多相波形の実施形態では、単一の2次多相波形の周波数オフセットバージョンは各アンテナ素子で同時に送信されることができる。反射信号は各アンテナ素子から単一の受信されたチャンネルへ合計されることができる。各アンテナチャンネルおよび距離ゲートはこの実施形態の異なる送信された周波数に基づいて復号されることができる。ある実施形態では、ストレッチ処理の使用によって、レーダシステム100は距離の分解能を減少せずにその帯域幅を低下させることを可能にする。
【0021】
ある2次多相波形の実施形態では、送信機素子102は単一の2次多相波形の周波数分離されたバージョンを同時に複数の送信アンテナ104で送信できる。信号結合器106は各アンテナ104からの反射信号を結合された時間ドメイン信号(即ち単一のチャンネル受信機信号)へ結合することができる。FFT処理回路がターゲットの位置の突き止めに使用するために結合された時間ドメイン信号に対してフーリエ変換を行うことができる。
【0022】
これらの2次多相波形の実施形態では、送信機素子102は一連の位相状態を有する2次多相波形を発生するための多相変調器を具備し、送信器素子102は時間オフセットを間に有する波形の各位相状態を同時に各送信アンテナで直列に送信することができる。
【0023】
ある2次多相波形の実施形態では、各アンテナ104で同時に送信された波形の各位相状態の周波数分離されたバージョンは周波数において直交する。ある実施形態では、波形は周波数間隔を有して各アンテナで送信される。その周波数間隔は波形のコードの長さに反比例することができる。
【0024】
ある2次多相波形の実施形態では、各送信機素子102の多相変調器は各送信アンテナの波形を2次位相コードから発生することができる。波形の位相状態は(πn)/Nから決定されることができ、ここでnは位相状態数であり、1から位相状態の総数までの範囲であり、Nは位相状態の総数である。ある実施形態では、本発明の技術的範囲はそれに限定されないが、Nは16以上であり、128以下であることができる。
【0025】
ある2次多相波形の実施形態では、A/D回路110は結合されたデジタル時間ドメイン信号を発生するために(即ち下方変換せずに)結合された時間ドメイン反射信号を直接的に抽出するのに使用されることのできる高速度アナログデジタル変換回路であってもよい。これらの実施形態では、相関器はフーリエ変換の動作前に、結合されたデジタル時間ドメイン信号を、送信された2次多相波形と相関させるために使用されることができる。これらの実施形態では、ただ1つの送信される波形しか存在していないが、複数の波形の位相状態が存在することに注意すべきである。
【0026】
ストレッチ処理を使用する2次多相波形の実施形態では、下方変換器は結合された時間ドメイン信号を波形の発生に使用される2次位相コードの時間シフトされたバージョンと混合することによって、これを下方変換するために使用されることができる。これらの実施形態では、下方変換器はターゲットの識別に使用するための周波数出力を発生することができる。
【0027】
これらの2次多相波形の実施形態では、各送信機素子はアンテナ素子と関連され、それらのアンテナ素子は方位角において実質的に約360度までの検出ゾーンをカバーすることができ、高低角において60度までの検出角度をカバーするように配置されることができるが、本発明の技術的範囲はそれに限定されない。ある実施形態では、アンテナ素子は第1の高低角に関して位置されるアンテナ素子の第1のセットと、第2の高低角に関して位置されるアンテナ素子の第2のセットとを含むことができる。
【0028】
ある2次多相波形の実施形態では、レーダシステムはフーリエ変換回路により与えられる周波数ドメイン出力からターゲットの位置を突き止めるためのターゲットロケータを含むことができる。これらの周波数ドメイン出力はターゲットに関連されるチャンネル、距離ゲート、ドップラに対応するスペクトル線を含むことができる。
【0029】
図2は、本発明の実施形態による送信機素子の機能ブロック図である。送信機素子200は、1以上の送信機素子102(図1)として使用するのに適している。しかしながら、他の送信機回路または送信機モジュールも適切に使用可能である。
【0030】
ある擬似直交波形の実施形態では、送信機素子200はアンテナ素子104(図1)の1つにより送信するための擬似直交波形203を発生するため擬似直交コード215によりRF信号217を位相変調するための位相変調器202を具備している。図2では、RF信号217はRF信号117(図1)の1つに対応し、擬似直交コード215は擬似直交コード115(図1)の1つに対応し、擬似直交コード波形203は擬似直交コード波形103(図1)の1つに対応することができる。
【0031】
位相変調器202は任意のタイプの位相変調器でよい。ある実施形態では、本発明の技術的範囲はそれに限定されないが、位相変調器202は、擬似直交コード215の1および0にしたがって実質的に0度または実質的に180度のいずれかの位相でRF信号217を位相変調するための2相変調器であってもよい。ある実施形態では、位相変調器202は多相変調器であってもよい。
【0032】
ある擬似直交波形の実施形態では、送信機素子200はシフトレジスタ204と波形負荷素子206とを含むことができる。シフトレジスタ204は擬似直交コード215のビットを位相変調器202へ逐次的に提供でき、波形負荷素子206はレジスタ204をシフトするため関連される擬似直交コード215を提供することができる。ある実施形態では、送信機素子102(図1)の各波形負荷素子206は特有の擬似直交コードを記憶することができる。ある実施形態では、波形負荷素子206はバスまたは、異なる擬似直交コードがコード発生器114(図1)から受信されることを可能にする他の通信路によって擬似直交コード発生器114(図1)に結合されることができる。これらの実施形態では、波形負荷素子206はアドレス可能であり、擬似直交コードが更新されることを可能にする。アドレス可能な負荷はただ1つのコードセットで可能であるよりも潜在的により大きなチャンネルのコード可変能力をチャンネル隔離に提供することができ、それによって多数の発射体のある状態においてさえも潜在的に高い検出確率を与えることができる。
【0033】
ある擬似直交波形の実施形態では、波形負荷素子206は擬似直交コードをそこに一時的または永久的に記憶できる。別の実施形態では、本発明の技術的範囲はそれに限定されないが、擬似直交コード発生器114(図1)は随意選択的であり、必ずしも必要なシステム100の一部ではない。
【0034】
ある実施形態では、送信機素子200は関連されるアンテナ素子で送信するように位相変調器202により与えられる擬似直交波形を増幅するための電力増幅器208を含むことができる。ある実施形態では、擬似直交波形103は2相変調されたRF波形であってもよい。
【0035】
ある実施形態では、送信機素子200は送信のために信号を変調及び増幅するのに有効な他の素子(図示せず)を含むことができる。例えば、あるパルスレーダの実施形態では、本発明の技術的範囲はそれに限定されないが、送信機素子200はRF信号217が変調前にパルスにされることを可能にするためのスイッチング素子を含むことができる。
【0036】
図3は、本発明の実施形態による波形処理及び制御装置回路の機能ブロック図である。波形処理及び制御装置回路300は波形処理及び制御装置回路112(図1)として使用するのに適しているが、他の回路も使用可能である。波形処理及び制御装置回路300は単一のデジタル波形301で動作するための波形プロセッサ302を含むことができ、これは単一のデジタル波形111(図1)に対応することができる。これらの実施形態では、単一のデジタル波形301は各アンテナ素子104(図1)から受信された反射信号成分を含むことができる。
【0037】
波形プロセッサ302は、相関出力信号305を発生するために複数の各擬似直交コード315とデジタル波形301との相関を行うための1以上の相関器304を具備することができる。擬似直交コード315は擬似直交コード115(図1)に対応し、送信された波形を発生するのに使用される全てのコードを含むことができる。波形プロセッサ302はターゲットの弾道の評価で使用するための1以上の相関器304からの相関出力信号305についてFFTを実行するための高速度フーリエ変換(FFT)回路306も備えることができる。
【0038】
ある擬似直交波形の実施形態では、相関器304は各擬似直交コード315において単一のデジタル波形301について個々に(例えば直列的または逐次的に)相関を行うための単一の相関器を具備することができる。ある擬似直交波形の実施形態では、本発明の技術的範囲はそれに限定されないが、相関器304は単一のデジタル波形301で2以上の擬似直交コード315による同時の相関を行うための複数の個々の相関器を具備することができる。ある実施形態では、本発明の技術的範囲はそれに限定されないが、各擬似直交コード315は記憶素子314に記憶されることができ、擬似直交コード発生器114(図1)により与えられることができる。
【0039】
ある実施形態では、波形処理及び制御装置回路300はターゲットの角度位置(例えば方位角および/または高低角)を評価するために異なるアンテナ素子(即ち異なるコード)と関連される相関出力信号305の間に補間するための弾道計算器308も含むこともできる。
【0040】
ある実施形態では、波形処理及び制御装置回路300は、ターゲットの弾道に基づいてターゲットのソース位置を評価するためのソース位置外挿器310も含むことができる。ある実施形態では、ソース位置外挿器310はソース位置を決定するために弾道を外挿することができる。これについて以下更に詳細に説明する。
【0041】
ある実施形態では、波形処理及び制御装置回路300はまたシステム制御装置312を含むことができ、それはシステム100(図1)の動作全体の制御を助けることができる。ある実施形態では、制御信号313はターゲットを迎撃するために使用されることができる。ある実施形態では、システム制御装置312は制御信号323を発生し、その信号ソース位置で対抗兵器を始動または発射するために使用されることができる。ある実施形態では制御信号313はターゲットの迎撃に使用されることができる。これらの実施形態では、制御信号313はソース位置の位置座標を含むことができ、或いは弾道情報を含むことができる。これらの実施形態についても以下さらに詳細に説明する。
【0042】
レーダシステム100(図1)、送信機素子200(図2)、波形処理及び制御装置回路300(図3)は幾つかの別々の機能素子を有するとして示されているが、1以上の機能素子が組み合わせられることができ、デジタル信号プロセッサ(DSP)を含む処理素子のようなソフトウェア構成された素子の組み合わせおよび/またはハードウェア素子のその他の組み合わせによって構成されてもよい。例えば幾つかの素子は1以上のマイクロプロセッサ、DSP、用途特定集積回路(ASIC)、少なくともここに記載されている機能を行うための種々のハードウェアおよび論理回路の組み合わせを具備することができる。ある実施形態では、本発明の技術的範囲はそれに限定されないが、1つの処理素子は例えば弾道計算器308、ソース外挿器310、システム制御装置312の動作を行うことができる。
【0043】
図4A、4B、4Cは、本発明の幾つかの実施形態による動作環境のレーダシステムを示している。図4Aは、狙撃者の銃弾の弾道に基づいて、狙撃者の位置を外挿する1例を示している。図4Bは、ロケット推進擲弾の検出および迎撃の1例を示している。図4Cは、発砲源から入来する迫撃砲の弾体の検出と迫撃砲の弾道の外挿の1例を示している。
【0044】
動作環境400(図4A)、401(図4B)、403(図4C)では、レーダシステム402はレーダシステム100(図1)に対応する。ある実施形態では、レーダシステム402はターゲット404(例えば銃弾、RPGまたは迫撃砲の弾丸)の弾道405を評価でき、弾道405からのソース位置406を外挿することができる。ある実施形態では、レーダシステム402は移動体またはビークルのプラットフォーム408上に配置可能であるが、本発明の技術的範囲はそれに限定されない。
【0045】
図3を参照すると、ある実施形態ではFFT回路306はターゲット404の弾道405の評価に使用するため、1以上の相関器304からの相関出力信号305でFFTを行うことができる。ある実施形態では、弾道計算器308はFFT回路306により与えられる周波数ドメインサンプル307に基づいてターゲット404の速度および/または加速度を評価することができる。ある実施形態では、本発明の技術的範囲はそれに限定されないが、弾道計算器308は組合わされた反射信号109(図1)をデジタル化するために使用されるA/D変換器(図1)のサンプルレートに基づいてターゲット404の距離を評価することもできる。
【0046】
ある実施形態では、弾道計算器308は角度位置、速度および/または加速度、距離を使用して、弾道405を計算することができる。角度位置は方位角および/または高低角を含むことができる。ある実施形態では、弾道計算器308はターゲットの方位角および/または高低角を決定するために相関出力に基づいて反射信号を受信する特定の1以上のアンテナ素子104(図1)を識別することができる。ある実施形態では、弾道計算器308は異なるアンテナ素子と関連される相関の相対的な大きさに基づいて方位角および/または高低角の評価を改善することができる。
【0047】
ある実施形態では、弾道は方位角、高低角、速度および/または加速度/減速度、および/またはターゲットの距離により規定されることができる。ある実施形態では、弾道計算器308はさらにレーダ断面ターゲット404に基づいて発射体の弾道405を評価できる。レーダの断面は兵器のタイプについての表示を与えることができる。
【0048】
ある実施形態では、ソース位置の外挿器310は弾道405に基づいてターゲット404のソース位置406を評価できる。ある実施形態では、ソース位置の外挿器310はソース位置406を決定するための弾道405を外挿できる。ある実施形態では、ソース位置406はターゲット404が発射された可能性のある位置である。
【0049】
ある実施形態では、ソース位置406はシステム402に関する座標について規定されることができる。他の実施形態では、本発明の技術的範囲はそれに限定されないが、ソース位置406は絶対的地理座標または全地球測位座標について規定されることができる。ある実施形態では、システム402はシステム402の地理的位置座標とソース位置406の位置座標とをシステム402の位置座標に基づいて生成するために(別々に示されていない)全地球測位システムGPS受信機のような測位システム受信機を含むことができる。ある実施形態では、ソース位置406の地理的位置座標は本発明の技術的範囲はそれに限定されないが、ソースの破壊または除去に使用するための別のシステムに送信することができる。
【0050】
ある実施形態では、システム制御装置312は弾道405に基づいて、迫撃砲410をターゲット404の方向へ制御および/または指令誘導するための制御信号313を発生することができる。これらの実施形態では、迎撃装置410は前もって発射されることができ、ターゲット404の弾道405が決定されるとターゲット404方向へ誘導されることができる。本発明の技術的範囲はそれに限定されないが、迎撃装置410は任意のタイプの対抗兵器または発射体を含むことができる。
【0051】
ある実施形態では、ターゲット404は入来する発射体、銃弾、ロケット、ロケット推進擲弾(RPG)、ネットワーク化された軍需品のうちの少なくとも1つを含むことができる。ある実施形態では、システム402のアンテナ素子は共に配置され、約360度までの方位角の検出ゾーンおよび60度以上までの高低角の検出角度をカバーする。これについて以下さらに詳細に説明する。
【0052】
図5の(A)および(B)は、本発明の実施形態によるアンテナ素子構造を示している。図5の(A)では、アンテナ構造501は単一層で円周状に配置されている複数のアンテナ素子503を具備している。これらの実施形態では、各アンテナ素子507はアンテナ素子104(図1)の1つに対応できる。図5の(B)では、アンテナ構造505はアンテナ素子507の第1のセット502とアンテナ素子507の第2のセットとを有している、これらの実施形態において、各アンテナ素子507はアンテナ素子104(図1)の1つに対応している。第1のセット502は第1の高低角に関して位置されることができ、第2のセット504は第2の高低角に関して位置されることができる。アンテナ構造505は強化された高低角度の分解能を増加するために使用されることができる。擬似直交波形の実施形態では、弾道計算器308(図3)は構造505の第1のセット502と第2のセット504のアンテナ素子において擬似直交波形を送信するために使用されるコードに関連された相関出力信号305(図3)との間の差に基づいてターゲットの高低角を評価することができるが、構造501はまたターゲットの高低角の評価に使用されることができる。
【0053】
ある実施形態では、アンテナ素子503はホーンアンテナを具備することができるが本発明の技術的範囲はそれに限定されない。ある実施形態では、アンテナ素子507は積層構造でホーンアンテナを具備することができるが本発明の技術的範囲はそれに限定されない。ある実施形態では、構造501または505のアンテナ素子の数はアプリケーションの要求およびアンテナ素子のビーム幅にしたがって4乃至16以上まで変化されることができる。
【0054】
図6は本発明の実施形態によるレーダシステムの検出ゾーン及び検出角度を示している。アンテナ素子601は方位角において約360度までの検出ゾーン602をカバーすることができ、高低角において60度以上までの検出角度604をカバーすることができるが、本発明の技術的範囲はそれに限定されない。アンテナ素子601はアンテナ素子503(図5の(A))またはアンテナ素子507(図5の(B))に対応することができる。
【0055】
本発明の幾つかの実施形態は円周状に位置されるアンテナ素子に関して説明するが、これは必要ではない。他の実施形態ではアンテナ素子はアプリケーションにしたがって、平坦または球面またはその他の表面等に他の方法で位置されることができる。
【0056】
図7の(A)、(B)、(C)は本発明の実施形態によるアンテナビームのターゲット位置と、関連される相関出力信号の大きさの例を示している。図7の(A)はアンテナ素子104(図1)の3つのアンテナビームに対応することのできる3つのアンテナビーム(即ち、アンテナA、アンテナB、アンテナC)を示している。図7の(B)は位置P1のターゲットについての図7の(A)の3つのアンテナに関連される反射信号の相関によって生成される相関の相対的な大きさを示している。この相関は単一のデジタル波形301(図3)で相関を行うことにより相関器304(図3)による相関出力として与えられることができる。
【0057】
図7の(B)に示されているように、アンテナBは最大の相関出力の大きさを提供し、アンテナAとCは低い及びほぼ等しい相関出力の大きさを提供する。これはターゲットがアンテナBに関連されるアンテナビームの中心方向の角度位置に位置されることを示す可能性がある。
【0058】
図7の(C)に示されているように、アンテナAとBは大きくほぼ等しい相関出力の大きさを提供し、アンテナCは非常に低い相関出力の大きさを提供する。これはターゲットがアンテナAとBの間で、ほぼ等しい角度位置に、アンテナCから離れて位置されていることを示す可能性がある。
【0059】
図7の(B)と(C)に示されているアンテナAの相関出力は通常、アンテナAで送信された擬似直交波形の発生に使用される擬似直交コードを組合された反射信号と相関させることにより発生されることができる。図7の(B)と(C)に示されているアンテナBの相関出力は通常、アンテナBで送信された擬似直交波形の発生に使用される擬似直交コードを組合された反射信号と相関することにより発生されることができる。図7の(B)と(C)に示されているアンテナCの相関出力は通常、アンテナCで送信された擬似直交波形の発生に使用される擬似直交コードを組合された反射信号とで相関させることにより発生されることができる。
【0060】
ある実施形態では、アンテナ素子は方位角および高低角の両者に置いて種々の角度をカバーするように配置されることができる。図7の(A)、(B)、(C)に示されているように、相関出力はターゲットの角度位置を正確に評価するために使用されることができる。ある実施形態では図7の(A)に示されているアンテナビームは種々の方位角をカバーするように誘導されることができるが、他の実施形態では図7の(A)に示されているアンテナビームは種々の高低角をカバーするように誘導されることができる。
【0061】
図8は本発明の実施形態による擬似直交波形の位相変調のためのビット値の例を示している。この例では、16個の64ビットの2相変調された直交送信波形802が示されており、16個のアンテナ素子104(図1)における送信に使用されることができる。各波形のビット値はビット数804に関連され、擬似直交コード115(図1)のような擬似直交コードのビットに対応することができる。これらの実施形態では、2つのコード間のドット積は実質的にゼロである可能性がある(例えば相関ピークよりも20dBより大きく下回る)。
【0062】
図9は、本発明の実施形態によるレーダシステムの動作手順のフローチャートである。動作手順900はレーダシステム100(図1)の擬似直交波形のような擬似直交波形レーダシステムにより行われることができるが、他の擬似直交波形レーダシステム構造も手順900を行うのに適切であろう。
【0063】
動作902は擬似直交コードに基づいて擬似直交波形のセットを生成する。ある実施形態では、RF信号は擬似直交コードのうち関連される1つのビットに基づいて実質的にゼロおよび180度の位相により各複数の位相変調器により位相変調されることができる。ある実施形態では、擬似直交コードは位相変調器により使用されるために生成され記憶されることができる。ある実施形態では、送信機素子102(図1)は動作902を行うことができる。
【0064】
動作904はアンテナ素子104(図1)のような関連されるアンテナ素子で各擬似直交波形を送信することを含んでいる。ある実施形態では、擬似直交波形は各アンテナ素子で送信されることができる。ある実施形態では、動作902と904の擬似直交波形の発生及び送信は実質的に同時に行われるが、本発明の技術的範囲はそれに限定されない。
【0065】
動作906は少なくとも幾つかのアンテナ素子を通して反射信号を受信し、単一のデジタル波形111(図1)のような単一のデジタル波形を発生するために反射信号を組合わせデジタル化する処理を含んでいる。本発明の技術的範囲はそれに限定されないが、動作906は、信号結合器106(図1)、受信機回路108(図示)、A/D変換器110(図1)のようなシステム100の受信機素子(図1)により行われることができる。
【0066】
動作908は動作904で送信された擬似直交波形を発生するために使用される各擬似直交コードについて単一のデジタル波形で相関を行う処理を含んでいる。擬似直交コードによる相関は関連される波形を送信したアンテナに基づいて、ターゲットの角度位置を決定するために使用されることができる。ある実施形態では、2以上のアンテナ素子からの相関間の補間はターゲットの角度位置評価を改良するために使用されることができる。アンテナが方位角と高低角の両者に関して位置される実施形態では、図5の(A)および(B)に示されているように、相関出力信号間の補間は方位角と高低角の両者におけるターゲットの角度位置を評価するために使用されることができるが、本発明の技術的範囲はこれに限定されない。ある実施形態では、相関は各擬似直交コードで直列的に行われることができ、別の実施形態では、相関は同時に行われることができる。ある実施形態では、本発明の技術的範囲はそれに限定されないが、動作908は波形プロセッサ302(図3)の相関器304(図3)により行われることができる。
【0067】
動作910は動作908で発生された相関出力信号についてFFTを行う処理を含んでいる。FFTはターゲットの速度および/または加速度を決定するために使用されることのできる周波数ドメインサンプルを発生することができる。ある実施形態では、動作910はFFT回路306(図3)により行われることができる。
【0068】
動作912はターゲットの弾道を決定する処理を含んでいる。弾道はターゲットの角度位置、速度、加速度および/または距離から決定されることができる。動作912は弾道計算器308(図3)により行われることができ、距離情報を決定するためにA/D変換器のサンプルレートを使用することができるが、本発明の技術的範囲はそれに限定されない。ある実施形態では、本発明の技術的範囲はそれに限定されないが、動作912は弾道に基づいてターゲットに迎撃装置を発射するために制御信号を発生する処理を含んでいる。
【0069】
動作914は弾道に基づいてソース位置を外挿する処理を含んでいる。動作914は随意選択的であり、ソース位置外挿器310(図3)により行われることができる。ある実施形態では、本発明の技術的範囲はそれに限定されないが、動作914はソース位置に対抗兵器を発射するかまたは対抗攻撃するために制御信号を発生する処理も含むことができる。
【0070】
手順900の個々の動作を別々の動作として示し説明したが、個々の動作の1以上は同時に行われることができ、動作が示されている順序で行われる必要はない。特に説明がなければ、処理、コンピュータ処理、計算、決定、表示等の用語は、処理システムのレジスタ及びメモリ内の物理的(例えば電子的)量として表わされるデータを操作でき、これを処理システムのレジスタまたはメモリ内の物理的量として同様に表わされる他のデータへ変換することのできる1以上の処理またはコンピュータ処理システム或いは類似の装置、或いは他のこのような情報記憶、送信または表示装置の動作および/またはプロセスを指すことができる。
【0071】
図10は、本発明の実施形態による2次多相波形のレーダシステムに関連される周波数スペクトルを示している。図10に示されているように、2次多相波形のレーダシステムの実施形態はゼロに近い範囲のサイドローブを提供することができる。拡張処理を利用できる能力によって、距離分解能を減少せずに、狭い帯域幅のアナログデジタル変換回路の使用が可能になる。
【0072】
図11は、本発明の実施形態による2次多相波形レーダシステムの幾つかの例示的なパラメータを示している。図11に示されているパラメータは2次多相波形レーダシステムの360度の構造に適合することができる。これらの実施形態では、約6GHzのレーダ周波数は毎秒300メートルの最大ターゲット速度で使用されることができる。これらの実施形態では、64個の送信チャンネル(即ちアンテナ)が約30KHzの周波数間隔で使用されることができる。これは+/−12KHzドップラを与えることができる。2MHzコードの長さはドップラの64チャンネルを提供し、システムが約0.6メートルの分解能を生じる約4ナノ秒の約125距離のゲートを提供することを可能にする。
【0073】
要約は37C.F.Rセクション1.72(b)に準じるように与えられ、これは読者が技術の開示の特性及び要旨を確認できることを必要とする。それは本発明の技術分野または請求項の意味を限定または解釈するために使用されないことが理解されよう。
【0074】
以下の詳細な説明では、種々の特徴は時として、説明を簡潔にする目的で単一の実施形態で共にグループ化される。この説明の方法は請求された主題の実施形態が各請求項で述べられているよりも多くの特徴を必要とする発明を示すものと解釈されない。むしろ請求項は単一の開示された実施形態の全ての特徴よりも少数の特徴に存在する可能性のあることを示している。したがって請求項はここで詳細な説明に含まれ、各請求項は別々の好ましい実施形態としてそれ自体成り立っている。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施形態によるレーダシステムの機能ブロック図。
【図2】本発明の実施形態による送信機素子の機能ブロック図。
【図3】本発明の実施形態による波形処理及び制御装置回路の機能ブロック図。
【図4A】本発明の実施形態による動作環境のレーダシステムの説明図。
【図4B】本発明の実施形態による動作環境のレーダシステムの説明図。
【図4C】本発明の実施形態による動作環境のレーダシステムの説明図。
【図5】本発明の実施形態によるアンテナ素子構造の説明図。
【図6】本発明の実施形態によるレーダシステムの検出ゾーン及び検出角度を示す図。
【図7】本発明の実施形態によるアンテナビームのターゲット位置と、関連される相関出力信号の大きさの例を示す説明図。
【図8】本発明の実施形態による擬似直交波形の位相変調のためのビット値の例を示す図。
【図9】本発明の実施形態による擬似直交波形のレーダシステムの動作手順のフローチャート。
【図10】本発明の実施形態による2次多相波形のレーダシステムに関連される周波数スペクトルを示す図。
【図11】本発明の実施形態による2次多相波形レーダシステムの幾つかの例のパラメータを示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナ素子(104)のうちの関連された1つにおいて擬似直交波形(103)を送信する送信機素子(102)と、
アンテナ(104)により受信された反射信号を組合せてデジタル化し、単一のデジタル波形(111)を発生する回路(106)(110)と、
組合された単一のデジタル波形(111)について相関を行う波形プロセッサ(302)(112)とを具備しているレーダシステム。
【請求項2】
各送信機素子(102)は、アンテナ素子(104)の関連される1つにより送信するための擬似直交波形(103)を発生するために、複数の擬似直交コード(115)の1つにより無線周波数(RF)信号を位相変調するための位相変調器(202)を具備している請求項1記載のシステム。
【請求項3】
擬似直交コード(115)の任意の2つのドット積は実質的にゼロである請求項2記載のシステム。
【請求項4】
各送信機素子(102)の位相変調器(202)は、擬似直交コード(115)の関連される1つの1または0にしたがって実質的に0度または実質的に180度の位相でRF信号(217)を位相変調する2相変調器を具備し、
各送信機素子(102)はさらに、
擬似直交コード(115)の関連された1つのビットを直列的に位相変調器(202)へ与えるシフトレジスタ(204)と、
関連された擬似直交コード(115)をシフトレジスタへ提供する波形負荷素子(206)とを具備している請求項2記載のシステム。
【請求項5】
波形プロセッサ(302)は、
単一のデジタル波形(111)を各擬似直交コード(115)と相関するための1以上の相関器と、
ターゲット(404)の弾道(405)の評価に使用するために1以上の相関器(304)からの相関出力信号(305)に対して高速度フーリエ変換(FFT)を行うための高速度フーリエ変換(FFT)回路(306)とを具備し、
システムはさらに、
ターゲットの方位角を評価するために異なるアンテナに関連された相関出力信号(305)間を補間する弾道計算器(308)と、
弾道(405)に基づいてターゲット(404)のソース位置(406)を評価するソース位置外挿器(310)と、
ソース位置(406)に対抗兵器を発射するため制御信号(313)を発生するシステム制御装置(312)とを具備している請求項2記載のシステム。
【請求項6】
空間的に分離されたアンテナ素子により複数の擬似直交波形を送信し、
単一のデジタル波形(111)を発生するために反射信号を組合せ、デジタル化し、
擬似直交波形に関連された擬似直交コードを単一のデジタル波形(111)と相関させる処理を含んでいるレーダシステムの動作方法。
【請求項7】
さらに、1つのアンテナ素子により送信するための関連された擬似直交波形を発生するように1つの擬似直交コードにより無線周波数(RF)信号を位相変調する処理を含んでおり、
擬似直交コードの任意の2つのドット積は実質的に0である請求項6記載の方法。
【請求項8】
位相変調は、擬似直交コードの関連された1つの1または0にしたがって実質的に0度または実質的に180度の位相でRF信号(217)を2相変調する処理を含んでおり、
方法はさらに、
RF信号を位相変調するための擬似直交コードの関連された1つのビットを直列的に提供する請求項7記載の方法。
【請求項9】
複数の送信アンテナで2次多相波形の周波数分離されたバージョンを同時に送信する送信機素子(102)と、
各アンテナからの反射信号を組合わせて時間ドメイン信号を生成する信号結合器(106)と、
ターゲットの位置を突き止めるために組合された時間ドメイン信号についてフーリエ変換を行うFFT処理回路とを具備している直交多相波形のレーダシステム。
【請求項10】
送信機素子(102)は一連の位相状態を有する2次多相波形を発生する多相変調器(202)を具備し、
送信機素子(102)は各送信アンテナで同時に間に時間オフセットを有して波形の各位相状態を直列的に送信し、
各アンテナで同時に送信される波形の各位相状態の周波数分離されたバージョンは周波数において直交であり、
波形は間に周波数間隔を有して各アンテナで同時に送信され、周波数間隔は波形のコードの長さに反比例し、
多相変調器(202)は2次位相コードから各送信アンテナに対する波形を生成する請求項9記載のレーダシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−530535(P2008−530535A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554334(P2007−554334)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/004348
【国際公開番号】WO2007/044051
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(598033217)レイセオン・カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】Raytheon Company
【Fターム(参考)】