説明

改良された抗精神病活性および抗不安症活性を有するイソキサゾリン−インドール誘導体

【化1】


本発明は、ドーパミン受容体に対する、特にドーパミンDおよび/またはD受容体に対する、結合親和力を有し、選択的なセロトニン再吸収阻害(SSRI)性質を有し且つ5−HT1A受容体に関する親和力を示す式(I)に従う新規なイソキサゾリン−インドール誘導体、それらの製薬学的に許容可能な酸または塩基付加塩、それらの立体化学的異性体形態、それらのN−オキシド形態またはそれらの第四級アンモニウム塩、本発明に従う化合物を含んでなる製薬学的組成物、ある範囲の精神医学的および神経学的障害、特にある種の精神病性障害、最も特に統合失調症、の予防および/または処置のためのそれらの使用、並びにそれらの製造方法に関し、式中の変数は出願明細書でさらに定義される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ドーパミン受容体に対する、特にドーパミンDおよび/またはD受容体に対する、結合親和力を有し、選択的なセロトニン再吸収阻害(SSRI)性質を有し且つ5−HT1A受容体に関する親和力を示す新規なイソキサゾリン−インドール誘導体、本発明に従う化合物を含んでなる製薬学的組成物、ある範囲の精神医学的および神経学的障害、特にある種の精神病性障害、最も特に統合失調症の予防および/または処置のためのそれらの使用、並びにそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
すべての現在入手可能な抗精神病薬は一般的に中枢D拮抗作用を有するため、中枢D受容体の遮断(すなわち神経弛緩活性)は抗精神病活性に関する薬理学的予備条件であると一般的に考えられる。
【0003】
現在入手可能な抗精神病薬は統合失調症の陽性徴候(幻覚、攻撃性、興奮)に対して実際に非常に有効であるが、疾病の情動的、抑鬱的および負の徴候に対しては無効であるかもしくはより少ない程度に有効である(が、これに関するある程度の進歩は例えばクロザピン(clozapine)、リスペリドン(risperidone)、オランザピン(olanzapine)など)の如きセロトニン−ドーパミン拮抗物質の導入で行われた)。普遍的な実施法では、抗鬱剤(主としてSSRI類)はしばしば神経弛緩処置に対する追加療法として同時投与され、例えば統合失調症患者の大多数は抗精神病薬(中枢D拮抗物質)並びに主として選択的なセロトニン(5−HT)再吸収阻害剤(SSRI類)である抗鬱薬の両方で処置される(例えばEli Lillyによる特許文献1参照)。SSRI類は既知の種類の抗鬱薬でありそしてパニック障害および社会恐怖症の処置に有用である。
【0004】
さらに、臨床的および薬理学的研究は追加の5−HT1A拮抗作用を示す化合物は改良された作用開始も示しそしてある範囲の情動障害、例えば一般的な不安障害、パニック障害、強迫障害、鬱病および攻撃性、の処置において有用であることを示した。
【0005】
従って、ドーパミンDおよび/またはD拮抗物質として、SSRI類として並びに5−HT1A拮抗物質として同時に作用する剤は種々の精神医学的および神経学的障害、特にある種の精神病性障害、最も特に統合失調症、の処置に関して特に有用であり、改良された抗精神病活性並びに改良された抗鬱および/または抗不安症効果を有する。
【0006】
背景先行技術
特許文献2(アメリカン・ホーム・プロダクツ・コーポレーション(American
Home Products Corporation))はD−受容体および5−HT1A受容体親和力を有する抗精神病性インドール誘導体を開示している。ここに開示された化合物は本発明に従う化合物とはピペラジニル−部分の置換において構造的に異なる。
【0007】
特許文献3(ルンドベック・A/S(Lundbeck A/S))および特許文献4(ルンドベック・A/S)はドーパミンDおよびD−受容体並びに5−HT1A受容体親和力を有する抗精神病性インドール誘導体を開示している。ここに開示された化合物
は本発明に従う化合物とはピペラジニル−部分の置換パターンにおいて並びに薬理学的にはそれらのドーパミン選択性において構造的に異なる。
【0008】
報告されたSSRIおよび5−HT1A能力だけを有し且つ例えばピペラジニル−部分の如き環式アミンにまたは例えばエチルアミン−部分の如き線状アミン部分に結合されたインドリル−またはインドリル−類似部分(例えば1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル−部分)を有する化合物は、特許文献5(アメリカン・ホーム・プロダクツ・コーポレーション)、特許文献6(アメリカン・ホーム・プロダクツ・コーポレーション)、特許文献7(アメリカン・ホーム・プロダクツ・コーポレーション)、特許文献8(アメリカン・ホーム・プロダクツ・コーポレーション)、特許文献9(アジル・エ・コンパーニュ(Adir et Compagnie))、特許文献10(アメリカン・ホーム・プロダクツ・コーポレーション)、特許文献11(ウェイス(Wyeth))、特許文献12(ウェイス)、特許文献13(ウェイス)および特許文献14(ウェイス)に報告されていた。これらの化合物のいずれもドーパミンD2/D3活性を報告していなかった。
【0009】
報告されたSSRI活性を有し且つ追加のα−アドレノセプター拮抗活性も示しながらイソキサゾリン部分も含んでなる化合物は全てジャンセン・ファーマシューティカ・NV(Janssen Pharmaceutica NV)からの特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18および特許文献19、並びに非特許文献1から既知である。これらの化合物のいずれもドーパミンD2/D3および5−HT1A活性を報告していなかった。ここに開示される化合物は本発明に従う化合物とはイソキサゾリン部分の置換パターンにおいて構造的に異なる。
【0010】
【特許文献1】欧州特許第830 864 A1号明細書
【特許文献2】国際公開第99/55672号パンフレット
【特許文献3】国際公開第03/002552号パンフレット
【特許文献4】国際公開第03/002556号パンフレット
【特許文献5】国際公開第99/55672号パンフレット
【特許文献6】国際公開第00/40580号パンフレット
【特許文献7】国際公開第00/40581号パンフレット
【特許文献8】国際公開第00/64898号パンフレット
【特許文献9】欧州特許第1 078 928 A1号明細書
【特許文献10】米国特許第6,313,126号明細書
【特許文献11】国際公開第02/085911号パンフレット
【特許文献12】国際公開第02/40465号パンフレット
【特許文献13】国際公開第02/48105号パンフレット
【特許文献14】国際公開第03/010169号パンフレット
【特許文献15】国際公開第02/066484号パンフレット
【特許文献16】国際公開第03/082878号パンフレット
【特許文献17】国際公開第04/016621号パンフレット
【特許文献18】国際公開第04/018482号パンフレット
【特許文献19】国際公開第04/018483号パンフレット
【非特許文献1】J.Ignacio Andres et al.,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 13(2003)2719−2725
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
発明の記述
本発明の目的は、1つの単一分子における治療活性の言及された特定の組み合わせを提
供することである。それは、処置スケジュールを簡素化し(丸剤数の減少)そしてそれにより患者のコンプライアンスを強めることにより薬品−薬品相互作用、代謝負荷、および副作用の増加を減ずることにより、多剤療法より優れた重要な利点を有するであろう。さらに、D拮抗作用が精神病段階において有利でありそして5HTT活性が鬱病段階において有利であるため、それは双極性障害および人格障害において高い能力を有するであろう。
【0012】
本発明の別の目的は、選択的なセロトニン再吸収阻害性質を示し且つ特に拮抗物質として5−HT1A受容体に関する親和力も示すはずである、ドーパミン受容体に対する、特にドーパミンDおよび/またはD受容体に対する、結合親和力を有する化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目標は、一般式(I)
【0014】
【化1】

【0015】
[式中、
XはCH、NR、SまたはOであり、ここでRは水素、アルキル、Ar、Ar−アルキル、アルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニル並びにモノ−およびジ(アルキル)アミノカルボニルの群から選択され、
VはS、OまたはNRであり、ここでRは水素およびアルキルの群から選択され、またはRは窒素および(CH部分の間の共有結合であり、
およびRは各々、互いに独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、Ar、ヘテロアリール、シアノ、ニトロ、モノ−およびジ(アルキル)アミノ、モノ−およびジ(Ar)アミノ、モノ−およびジ(ヘテロアリール)アミノ、モノ−およびジ(アルキルカルボニル)アミノ、モノ−およびジ(Ar−カルボニル)アミノ、モノ−およびジ(ヘテロアリールカルボニル)アミノ、モノ−およびジ(ヘテロアリールアルキル)アミノ、アルキルオキシ、アルキルカルボニルオキシ、Ar−カルボニルオキシ、ヘテロアリールカルボニルオキシ、アルキルオキシアルキルオキシ、アルキルオキシアルキルオキシアルキルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキルオキシ、アルキルオキシアルキルカルボニルオキシアルキルオキシ並びにモノ−およびジ(アルキル)アミノカルボニルオキシアルキルオキシの群から選択されるか、或いはRおよびRは一緒になって式−OCHO−、−OCHCHO−および−OCHCHCHO−の2価の基を形成することができ、
は水素、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロ、アルキル、アルキルオキシ、アルキルオキシアルキルオキシ、アルキルオキシアルキルオキシアルキルオキシ、Ar、モノ−およびジ(アルキル)アミノカルボニルアミノ、モノ−およびジ(Ar)アミノカルボニルアミノ、モノ−およびジ(アルキルオキソカルボニルカルボニル)アミノ、モノ−およびジ(アルキルカルボニル)アミノ、モノ−およびジ(アルキルオキソアルキルカルボニル)アミノ並びにモノ−およびジ(アルキルスルホニル)アミノの群から選択され、
qは0、1または2に等しい整数であり、
(CHは共有結合またはm個の炭素原子の直鎖状炭化水素連鎖であり、mは1、2または3に等しい整数であり、
(CHは共有結合またはn個の炭素原子の直鎖状炭化水素連鎖であり、nは1、2、3または4に等しい整数であり、
Pirは式(IIa)、(IIb)または(IIc)
【0016】
【化2】

【0017】
のいずれか1つに従う2価の基であり、各々の基は場合によりp個の基Rで置換されていてもよく、ここで各Rは互いに独立して水素、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロおよびアルキルの群から選択され、
pは0、1または2に等しい整数であり、
Arはフェニルまたはナフチルであり、各々の基は場合により1個もしくはそれ以上のハロ、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、アルキル、ホルミル、アルキルオキシまたはアミノ基で置換されていてもよく、
ヘテロアリールはアゼチジニル、ピロリジニル、ジオキソリル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ジオキシル、モルホリニル、ジチアニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、2H−ピロリル、ピロリニル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、フラニル、チエニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルおよびトリアジニルの群から選択される単環式複素環式基を表わし、各々の複素環式基は場合によりアルキル、フェニル、アルキルで置換されたフェニル、ベンジル、ハロ、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、ホルミル、アルキルオキシ、アルキルカルボニル、テトラヒドロフリルカルボニルおよびアミノの群から選択される1個もしくはそれ以上の基で置換されていてもよく、そして
アルキルは炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝鎖状の飽和炭化水素基または炭素数3〜6の環式飽和炭化水素基を表わし、各々の炭化水素基は場合により1個もしくはそれ以上のハロ、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、ホルミルまたはアミノ基で置換されていてもよい]
に従う新規なイソキサゾリン−インドール誘導体、その製薬学的に許容可能な酸または塩基付加塩類、その立体化学的異性体形態、そのn−オキシド形態またはその第四級アンモニウム塩により達成される。
【0018】
本発明は、また、製薬学的に許容可能な担体または希釈剤、および、活性成分として、治療的に有効な量の本発明に従う化合物、特に式(I)に従う化合物、その製薬学的に許容可能な酸または塩基付加塩、その立体化学的異性体形態、そのn−オキシド形態またはその第四級アンモニウム塩を含んでなる製薬学的組成物に関する。
【0019】
本発明は、また、ドーパミンDおよび/またはD受容体の阻害に応答する障害または疾病の予防および/または処置のための薬品の製造のための本発明に従う化合物の使用に関する。
【0020】
本発明は、また、セロトニン再吸収の阻害に応答する障害または疾病の予防および/ま
たは処置のための薬品の製造のための本発明に従う化合物の使用に関する。
【0021】
本発明は、また、5−HT1A受容体の阻害に応答する障害または疾病の予防および/または処置のための薬品の製造のための本発明に従う化合物の使用に関する。
【0022】
本発明は、また、ドーパミンD拮抗物質、SSRIおよび5−HT1A拮抗物質の組み合わせ効果に応答する障害または疾病の予防および/または処置のための薬品の製造のための本発明に従う化合物の使用に関する。
【0023】
特に、本発明は一般的不安障害、パニック障害、強迫障害、鬱病、社会恐怖症および摂食障害の如き情動障害、並びに精神病および神経学的障害の如くであるがそれらに限定されない他の精神医学的障害の予防および/または処置のための薬品の製造のための本発明に従う化合物の使用に関する。
【0024】
より特に、本発明は統合失調症の予防および/または処置のための薬品の製造のための本発明に従う化合物の使用に関する。
【0025】
より特に、本発明は双極性障害および/または人格障害の予防および/または処置のための薬品の製造のための本発明に従う化合物の使用に関する。
【0026】
発明の詳細な記述
好ましい態様では、本発明はXがOである一般式(I)に従う化合物、その製薬学的に許容可能な酸または塩基付加塩、その立体化学的異性体形態、そのn−オキシド形態またはその第四級アンモニウム塩に関する。
【0027】
別の好ましい態様では、本発明はRおよびRの一方がメトキシであり、好ましくはRおよびRの両方がメトキシである一般式(I)に従う化合物、その製薬学的に許容可能な酸または塩基付加塩、その立体化学的異性体形態、そのn−オキシド形態またはその第四級アンモニウム塩に関する。
【0028】
別の好ましい態様では、本発明は結合基部分(CHがCHでありそして結合基部分(CHが共有結合またはCHである一般式(I)に従う化合物、その製薬学的に許容可能な酸または塩基付加塩、その立体化学的異性体形態、そのn−オキシド形態またはその第四級アンモニウム塩に関する。
【0029】
別の好ましい態様では、本発明はPirが式(IIa)および(IIb)のいずれか一方に従う未置換の2価の基であり、ここでRが水素でありそしてp=1であり、すなわち好ましいPir基が未置換である、一般式(I)に従う化合物、その製薬学的に許容可能な酸または塩基付加塩、その立体化学的異性体形態、そのn−オキシド形態またはその第四級アンモニウム塩に関する。
【0030】
別の好ましい態様では、本発明はVがNRであり、ここでRが式(I)において定義された通りであり、Rが水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、メチル、アミノ、ヒドロキシ、メトキシおよびニトロの群から選択されそしてq=1であり、すなわち好ましい態様が該基RおよびRで置換されたインドール−部分に関する、一般式(I)に従う化合物、その製薬学的に許容可能な酸または塩基付加塩、その立体化学的異性体形態、そのn−オキシド形態またはその第四級アンモニウム塩に関する。
【0031】
別の好ましい態様では、本発明はヘテロアリールがピロリジニルおよびモルホリニルの群から選択される一般式(I)に従う化合物、その製薬学的に許容可能な酸または塩基付
加塩、その立体化学的異性体形態、そのn−オキシド形態またはその第四級アンモニウム塩に関する。
【0032】
別の好ましい態様では、本発明は
XがOであり、
VがS、OまたはNRであり、ここでRが水素およびアルキルの群から選択され、またはRが窒素および(CH部分の間の共有結合であり、
およびRが各々、互いに独立して、水素、モノ−およびジ(アルキルカルボニル)アミノ、モノ−およびジ(ピロリジニルアルキル)アミノ、アルキルオキシ、アルキルオキシアルキルオキシアルキルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキルオキシ、アルキルオキシアルキルカルボニルオキシアルキルオキシ、モノ−およびジ(アルキル)アミノカルボニルオキシアルキルオキシ並びにモルホリニルの群から選択されるか、或いはRおよびRが一緒になって式−OCHCHO−の2価の基を形成することができ、
が水素、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロ、アルキル、アルキルオキシ、アルキルオキシアルキルオキシアルキルオキシ、Ar、モノ−およびジ(アルキル)アミノカルボニルアミノ、モノ−およびジ(Ar)アミノカルボニルアミノ、モノ−およびジ(アルキルオキソカルボニルカルボニル)アミノ、モノ−およびジ(アルキルカルボニル)アミノ、モノ−およびジ(アルキルオキソアルキルカルボニル)アミノ並びにモノ−およびジ(アルキルスルホニル)アミノの群から選択され、
qが0または1に等しい整数であり、
(CHがm個の炭素原子の直鎖状炭化水素連鎖であり、mが1に等しい整数であり、
(CHが共有結合またはn個の炭素原子の直鎖状炭化水素連鎖であり、nが1に等しい整数であり、
Pirが各々が水素基Rで置換されている式(IIa)、(IIb)または(IIc)のいずれか1つに従う2価の基であり、
Arがフェニルであり、そして
アルキルが炭素数1〜2の直鎖状もしくは分枝鎖状の飽和炭化水素基を表わし、各々の基が場合によりヒドロキシ基で置換されていてもよい、
一般式(I)に従う化合物、その製薬学的に許容可能な酸または塩基付加塩、その立体化学的異性体形態、そのn−オキシド形態またはその第四級アンモニウム塩に関する。
【0033】
本出願の枠内で、アルキルは炭素数1〜6の1価の直鎖状もしくは分枝鎖状の飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、1−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、ヘキシルとして定義され、アルキルはさらに炭素数3〜6の1価の環式飽和炭化水素基、例えばシクロプロピル、メチルシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを定義する。アルキルの定義は、また、場合により1個もしくはそれ以上の炭素上で1個もしくはそれ以上のフェニル、ハロ、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、ホルミルおよびアミノ基で置換されていてもよいアルキル基、例えばヒドロキシアルキル、特にヒドロキシメチルおよびヒドロキシエチル、並びにポリハロアルキル、特にジフルオロメチルおよびトリフルオロメチルも含んでなる。
【0034】
本出願の枠内で、ハロはフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを総称する。
【0035】
本出願の枠内では、「本発明に従う化合物」は一般式(I)に従う化合物、その製薬学的に許容可能な酸または塩基付加塩、その立体化学的異性体形態、そのn−オキシド形態またはその第四級アンモニウム塩を意味する。
【0036】
製薬学的に許容可能な酸付加塩類は、式(I)に従う化合物が形成しうる治療的に活性な無毒の酸付加塩形態を含んでなると定義される。該塩は、式(I)に従う化合物の塩基
形態を適当な酸、例えば無機酸、例えばハロゲン化水素酸、特に塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸および燐酸;有機酸、例えば酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロパン酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸およびパモ酸で処理することにより得ることができる。
【0037】
逆に、該酸付加塩形態を適当な塩基を用いる処理により遊離塩基形態に転化することができる。
【0038】
酸性プロトンを含有する式(I)に従う化合物を適当な有機および無機塩基を用いる処理によりそれらの治療的に活性な無毒の金属またはアミン付加塩形態(塩基付加塩類)に転化することもできる。適する塩基塩形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリおよびアルカリ土類金属塩、特にリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウム塩、有機塩基との塩、例えばベンザチン、N−メチル−グルカミン、ヒドラミン塩、並びにアミノ酸、例えばアルギニンおよびリシンとの塩類を含んでなる。
【0039】
逆に、該塩を適当な酸を用いる処理により遊離形態に転化することができる。
【0040】
式(I)に従う化合物の第四級アンモニウム塩は、式(I)に従う化合物の塩基性窒素および適当な第四級化剤、例えば、場合により置換されていてもよいアルキルハライド、アリールハライドまたはアリールアルキルハライド、特にヨウ化メチルおよびヨウ化ベンジルの間の反応により形成しうる該化合物を定義する。良好な脱離基を有する他の反応物、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸アルキル、メタンスルホン酸アルキルおよびp−トルエンスルホン酸アルキルを使用することもできる。第四級アンモニウム塩類は正に荷電された窒素を有する。製薬学的に許容可能な対イオンはクロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロアセテートおよびアセテートイオンを包含する。
【0041】
本出願の枠内で使用される用語である付加塩類は、式(I)に従う化合物並びにそれらの塩類が形成しうる溶媒和物も含んでなる。そのような溶媒和物は、例えば、水和物およびアルコレートである。
【0042】
式(I)に従う化合物のN−オキシド形態は、1個または数個の窒素原子がいわゆるN−オキシド、特に1個もしくはそれ以上の(例えばピペラジニルまたはピペリジニル基の)第三級窒素がN−酸化されているN−オキシドに酸化されている式(I)に従う化合物を含んでなることを意味する。そのようなN−オキシド類は当業者によりいずれかの発明的技術なしに容易に得ることができそしてこれらの化合物は人体内で吸収時に酸化により製造される代謝産物であるためそれらは明らかに式(I)に従う化合物の代替物質である。一般的に既知であるように、酸化は通常は薬品代謝に関係する第一段階である(Textbook of Organic Medicinal and Pharmaceutical Chemistry,1977,pages 70−75)。これも一般的に既知であるように、化合物の代謝産物形態を化合物自体の代わりに人間に投与して全く同じ効果を与えることもできる。
【0043】
式(I)の化合物を、3価窒素をそのN−オキシド形態に転化するための当該技術分野で既知の工程に従い対応するN−オキシド形態に転化することができる。該N−酸化反応は一般的に、式(I)の出発物質を適当な有機または無機過酸化物と反応させることにより、行うことができる。適する無機過酸化物は、例えば、過酸化水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属過酸化物、例えば過酸化ナトリウム、過酸化カリウムを含んでなり、適する有機過酸化物はペルオキシ酸類、例えば、ベンゼンカルボペルオキソ酸またはハ
ロ置換されたベンゼンカルボペルオキソ酸、例えば3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸、ペルオキソアルカン酸類、例えばペルオキソ酢酸、アルキルヒドロ過酸化物、例えばヒドロ過酸化tert−ブチルを含んでなりうる。適する溶媒は、例えば、水、低級アルカノール類、例えばエタノールなど、炭化水素類、例えばトルエン、ケトン類、例えば2−ブタノン、水素化された炭化水素類、例えばジクロロメタン、およびそのような溶媒の混合物である。
【0044】
以上で使用される用語「立体化学的異性体形態」は、式(I)の化合物が有することができる全ての可能な異性体形態を定義する。別に挙げられるかまたは指示されない限り、化合物の化学的指示は全ての立体化学的異性体形態の混合物を示し、該混合物は基本分子構造の全てのジアステレオマー類およびエナンチオマー類を含有する。より特に、ステレオジェン中心はR−またはS−立体配置を有することができ、2価の環式の(部分的)飽和基上の置換基はシス−またはトランス−立体配置のいずれかを有することができる。二重結合を包括する化合物は該二重結合においてEまたはZ−立体化学性を有することができる。式(I)の化合物の立体化学的異性体形態はもちろん本発明の範囲内に包括されることが意図される。
【0045】
CAS命名法に従うと、既知の絶対的立体配置の2個のステレオジェン中心が分子内に存在する時には、RまたはS記述は対比中心である最も数の小さいキラル中心に対して(カーン−インゴールド−プレログ(Cahn−Ingold−Prelog)配列則に基づき)指定される。第二のステレオジェン中心の立体配置は相対的記述である[R,R]または[R,S]を用いて示され、ここでRは常に対比中心として指定されそして[R,R]は同じキラル性を有する中心を示しそして[R,S]は異なるキラル性の中心を示す。例えば、分子内の最も低い数のキラル中心がS立体配置を有しそして第二の中心がRである場合には、最も低い環数を有する環系内の非対称性炭素原子上の優先度の最も高い置換基の位置は恣意的に常に環系により決められる中間面の「α」位置にある。対比原子上の優先度の最も高い置換基の位置に関する環系内の他の非対称性炭素原子上の優先度の最も高い置換基の位置(式(I)に従う化合物内の水素原子)は、それが環系により決められる中間面の同一側面上にある場合には「α」と、またはそれが環系により決められる中間面の他の側面上にある場合には「β」と命名される。
【0046】
本発明はまた、インビボで本発明に従う化合物を分解して生成する本発明に従う薬理学的に活性な化合物の誘導体化合物(一般的に「プロ−ドラッグ」と称する)を含んでなる。プロ−ドラッグは一般的には(必ずしも常ではないが)それらが分解されてなる化合物よりも低い能力を標的受容体中で有する。プロ−ドラッグは、所望する化合物がその投与を困難または無効にする化学的または物理的性質を有する時に特に有用である。例えば、所望する化合物が劣悪な可溶性であることもあり、それが粘膜表皮を越えて劣悪に輸送されることもあり、またはそれが望ましくない短い血漿半減期を有することもある。プロ−ドラッグに関するさらなる論議はStella,V.J.et al.,“Prodrugs”,Drug Delivery Systems,1985,pp.112−176およびDrugs,1985,29,pp.455−473に見ることができる。
【0047】
本発明に従う薬理学的に活性な化合物のプロ−ドラッグ形態は、エステル化またはアミド化された酸基を有する、一般的に式(I)に従う化合物、それらの製薬学的に許容可能な酸または塩基付加塩、それらの立体化学的異性体形態およびそれらのN−オキシド形態である。そのようなエステル化された酸基には式−COOR[式中、RはC1−6アルキル、フェニル、ベンジルまたは下記群:
【0048】
【化3】

【0049】
の1つである]の基が包含される。
【0050】
アミド化された基は式−CONR[式中、RはH、C1−6アルキル、フェニルまたはベンジルでありそしてRは−OH、H、C1−6アルキル、フェニルまたはベンジルである]の基を包含する。アミノ基を有する本発明に従う化合物はケトンまたはアルデヒド、例えばホルムアルデヒド、を用いて誘導化してマニッヒ塩基を生成することができる。この塩基は水溶液中で一次速度則で加水分解するであろう。
【0051】
製造
本発明に従う化合物は一般的に連続的段階により製造することができ、それらの各々は当業者に既知である。
【0052】
本発明に従う化合物は、一般的には、式(III)のメシレート中間体を式(IV)の中間体でアルキル化することにより製造できる。反応は、例えばメチルイソブチルケトン(MIK)の如き反応−不活性溶媒中で、例えばヨウ化カリウムの如き触媒の存在下で、そして場合により例えば炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムの如き適当な塩基の存在下で、行うことができる。撹拌が反応速度を高めうる。反応は簡便には室温および反応混合物の還流温度の間の温度において行うことができ、そして所望に応じて反応をオートクレーブ中で高められた圧力において行うことができる。
【0053】
【化4】

【0054】
式(I)の化合物は、また、式(V)のアルデヒド中間体を当該技術分野で既知の還元的アミノ化工程に従い式(IV)の中間体を用いて還元的にアミノ化することによっても製造することができる。
【0055】
【化5】

【0056】
該還元的アミノ化は、例えばTHFおよび酢酸の混合物の如き反応−不活性溶媒中でそして例えばホウ水素化物、例えばホウ水素化ナトリウム、シアノホウ水素化ナトリウムまたはホウ水素化トリアセトキシの如き還元剤の存在下で行うことができる。還元剤として
の水素を適当な触媒、例えば、木炭上パラジウム、炭素上ロジウムまたは木炭上白金と組み合わせて使用することも簡便である。水素を還元剤として使用する場合には、脱水剤、例えば、アルミニウムtert−ブトキシド、を反応混合物に加えることが有利でありうる。反応物および反応生成物中のある種の官能基の望ましくないさらなる水素化を防止するためには、適当な触媒毒、例えばチオフェンまたはキノリン−硫黄を反応混合物に加えることも有利でありうる。反応速度を高めるために、温度を室温および反応混合物の還流温度の間の範囲内に高めることができそして場合により水素気体の圧力を高めることができる。
【0057】
式(I)の化合物は、さらに、式(I)の化合物を当該技術分野で既知の基転換反応に従い互いに転化することにより、そしてさらに所望に応じて、式(I)の化合物を酸を用いる処理により治療的に活性な無毒の酸付加塩にまたは塩基を用いる処理により治療的に活性な無毒の塩基付加塩に転化することにより、或いは逆に、塩基付加塩をアルカリを用いる処理により遊離塩基に転化するかまたは塩基付加塩を酸を用いる処理により遊離酸に転化することにより、そして所望に応じてそれらの立体化学的異性体形態、それらのN−オキシド類およびそれらの第四級アンモニウム塩を製造することにより製造することができる。そのような転化の例は実験部分に示されている。
【0058】
出発物質および一部の中間体は既知の化合物でありそして市販されているかまたは当該技術分野で既知の普遍的な反応工程に従い製造することができる。特に、イソキサゾリン−部分の製造は、全てがジャンセン・ファーマシューティカ(Janssen Pharmaceutica)NVからの国際公開第02/066484号パンフレット、国際公開第03/082878号パンフレット、国際公開第04/016621号パンフレット、国際公開第04/018482号パンフレットおよび国際公開第04/018483号パンフレットなどに記載されている。特に、テトラヒドロピリジル−およびピペリジニル−インドール−誘導体は欧州特許第705600号明細書にすでに記載されている通りにして製造された。
【0059】
式(I)の化合物および一部の中間体はそれらの構造内に、RまたはS立体配置で存在する、少なくとも2個のステレオジェン中心(式(I)ではaおよびbで示された炭素原子)を有することができる。
【0060】
下記の方法で製造される式(I)の化合物はエナンチオマー類のラセミ混合物の形態で合成することができ、それらは当該技術分野で既知の分解工程に従い互いに分離することができる。式(I)のラセミ化合物は、適当なキラル酸との反応により、対応するジアステレオマー塩形態に転化することができる。該ジアステレオマー塩形態は引き続き、例えば選択的または分別結晶化により分離され、そしてエナンチオマー類はそこからアルカリにより遊離される。式(I)の化合物のエナンチオマー形態を分離する別の方法はキラル静止相を用いる液体クロマトグラフィーを包含する。該純粋な立体化学的異性体形態は、反応が立体特異的に起きるなら、適当な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体形態から誘導することもできる。好ましくは、特異的立体異性体が所望される場合には、該化合物は立体特異的製造方法により合成されるであろう。これらの方法は有利にはエナンチオマー的に純粋な出発物質を使用するであろう。
【0061】
薬理学
本発明に従う化合物、特に式(I)に従う化合物、それらの製薬学的に許容可能な酸または塩基付加塩、それらの立体学的異性体形態、それらのN−オキシド形態またはそれらの第四級アンモニウム塩は驚くべきことに、ドーパミン受容体に対する、特にドーパミンDおよび/またはD受容体に対する、結合親和力を有し、セロトニン再吸収阻害(SSRI)性質を有しそして、特に拮抗物質として、5−HT1A受容体に関する親和力を
示し、そして強い抗鬱および/もしくは抗不安症活性並びに/または抗精神病活性を示す。
【0062】
インビトロ受容体および神経伝達輸送体結合および信号−形質導入試験を使用して本化合物のドーパミン拮抗活性およびセロトニン(5−HT)再吸収阻害活性を評価することができる。それぞれドーパミンおよびセロトニン輸送体を遮断する中枢浸透および能力に関する指数として、エクスビボドーパミンおよびセロトニン輸送体占有率を使用することができる。セロトニン(5−HT)再吸収阻害活性の指数として、ラットにおけるp−クロロアンフェタミンの皮下投与前の化合物の皮下注射または経口投与後に観察されたラットにおける攣縮および興奮の阻害を使用することができる(pCA−試験)。
【0063】
それらの上記の能力に鑑みて、本発明に従う化合物は単独の該活性の1つまたは該活性の組み合わせのいずれかが治療使用でありうる疾病における予防および/または処置に適する。特に、本発明に従う化合物は以下の疾病における処置および/または予防に適する:
・以下のものを包含する中枢神経系障害:
・重い鬱障害;精神病特徴、緊張特徴、鬱病特徴、産後開始の非定形特徴を有するもしくは有しておらずそして再発性事象の場合には季節パターンを有するもしくは有していない鬱病;気分変調障害、双極性I障害、双極性II障害、循環気質障害、再発性短期鬱障害、混合情動障害、その他に特定されない双極性障害、一般的な医学症状による気分障害、物質−誘発性気分障害、その他に特定されない気分障害、季節性情動障害および月経前身体違和感障害を包含する気分障害。
・パニック発作、広場恐怖症、広場恐怖症以外のパニック障害、パニック障害歴のない広場恐怖症、特定恐怖症、社会恐怖症、強迫障害、外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、一般的不安障害、一般的な医学的症状による不安障害、物質−誘発性不安障害およびその他に特定されない不安障害を包含する不安障害。
・急性ストレス反応、調節障害(短期鬱反応、長期鬱反応、混合された不安および鬱反応、他の感情の顕著な撹乱を伴う調節障害、意識の顕著な撹乱を伴う調節障害、感情および意識の混合撹乱を伴う調節障害、他に特定されない顕著な徴候を伴う調節障害)並びに重篤なストレスに対する他の反応を包含する鬱病および/または不安症と関係するストレス−関連障害。
・認知症、健忘障害および他に特定されない認識障害、特に変性障害、病変、外傷、感染症、血管障害、毒素、ビタミン不足もしくはエンドクリン障害により引き起こされる認知症、またはアルコールまたはチアミン不足の他の原因、ヘルペス単純脳炎および他の辺縁脳炎による両側の一時的な葉損傷、無酸素症/低血糖症/重篤な痙攣および手術に二次的なニューロン損傷、変性障害、血管障害または病原周囲室IIIにより引き起こされる健忘障害。
・他の医学的症状から生ずる認識悪化による認識障害。
・妄想人格障害、分裂病質人格障害、分裂典型(schizotypical)人格障害、反社会的人格障害、境界線上人格障害、演技性人格障害、自己愛人格障害、回避的人格障害、依存性人格障害、強迫性人格障害および他に特定されない人格障害を包含する人格障害。
・躁病型、鬱病型、混合型、妄想型、分裂型、緊張型、未分化型および残存型統合失調症の分裂情感障害、統合失調症型障害、分裂情動障害、妄想障害、短期精神病障害、分散型精神病障害、物質−誘発性精神病障害および他に特定されない精神病性障害を包含する種々の原因から生ずる分裂情感障害。
・運動不能症、運動不能−硬直症候群、ジスケネジーおよび薬品−誘発性パーキンソニズム、ジル・ド・ラ・ツレット症候群およびその徴候、振せん、舞踏病、ミオクロヌス、チックおよびジストニー。
・注意−不足/過剰活動障害(ADHD)。
・パーキンソン病、薬品−誘発性パーキンソニズム、脳炎後パーキソニズム、進行性核上麻痺、多発性全身萎縮、皮質基底変性、パーキソニズム−ALS複合認知症および基底神経節石灰化。
・早期または後期開始性の、鬱気分を伴う、アルツハイマー型の認知症。
・認知症における行動撹乱および行状障害並びに無休止および撹乱を包含する精神薄弱。・錐体外路運動障害。
・ダウン症候群。
・着席不能症。
・神経性食欲不振、非定型性神経性食欲不振、神経性過食、非定型性神経性過食、他の心理学的撹乱に関係する過食、他の心理学的撹乱に関係する吐き気および非−特異的摂食障害を包含する摂食障害。
・エイズ−関連認知症。
・神経障害疼痛、炎症疼痛、癌疼痛、および歯科手術を包含する手術後の術後疼痛を包含する、慢性疼痛症状。これらの指示は急性疼痛、骨格筋疼痛、下部背部疼痛、上部四肢疼痛、線維筋肉痛および筋膜炎疼痛症候群、口顔疼痛、腹部疼痛、幻想疼痛、疼痛性チックおよび非定型性顔面疼痛、神経根損傷およびクモ膜炎、老人性疼痛、中枢疼痛および炎症疼痛も包含しうる。
・アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、クロイツフェルド−ヤコブ病、ピック病、脱髄障害、例えば多発性硬化症およびALS、他のニューロパシーおよび神経痛、多発性硬化症、筋委縮性側策硬化症、発作および頭部外傷を包含する神経変性疾病。
・以下のものを包含する嗜癖障害:
・特に物質がアルコール、アンフェタミン類、アンフェタミン−類似物質、カフェイン、大麻、コカイン、ハルシノーゲン類、吸入剤、ニコチン、アヘン、フェンシクリジン、フェンシクリジン−類似化合物、鎮静−催眠剤、ベンゾジアゼピン類並びに/または特に上記物質からの停止およびアルコール停止せん妄を処置するために有用な他の物質である、生理学的依存性を伴うまたはそれを伴わない物質依存または乱用。
・特にアルコール、アンフェタミン類、カフェイン、大麻、コカイン、ハルシノーゲン類、吸入剤、ニコチン、アヘン、フェンシクリジン、鎮静剤、催眠剤、抗不安薬(anxiolitics)および他の物質により誘発される気分障害。
・特にアルコール、アンフェタミン類、カフェイン、大麻、コカイン、ハルシノーゲン類、吸入剤、ニコチン、アヘン、フェンシクリジン、鎮静剤、催眠剤、抗不安薬および他の物質により誘発される不安障害並びに不安を伴う調節障害。
・喫煙停止。
・肥満症を包含する体重調節。
・以下のものを包含する睡眠障害および撹乱:
・原発性睡眠障害としての不眠症および/または錯眠(parasomnias)、別の関連する睡眠障害、一般的な医学的症状による睡眠障害および物質−誘発性睡眠障害。
・日周期リズム障害。
・睡眠の質の改良。
・性欲障害、性刺激障害、オーガニズム障害、性交痛障害、一般的な医学的症状による性機能不全、物質−誘発性の性機能不全および他に特定されない性機能不全を包含する、性機能不全。
【0064】
本発明は従って、薬品としての使用のための、一般式(I)に従う化合物、その製薬学的に許容可能な酸または塩基付加塩、その立体化学的異性体形態、そのn−オキシド形態またはその第四級アンモニウム塩に関する。
【0065】
本発明は、また、ドーパミンDおよび/またはD受容体の阻害に応答する障害または疾病の予防および/または処置のための薬品の製造のための本発明に従う化合物の使用にも関する。
【0066】
本発明は、また、5−HT1A受容体の阻害に応答する障害または疾病の予防および/または処置のための薬品の製造のための本発明に従う化合物の使用にも関する。
【0067】
本発明は、また、ドーパミンD拮抗物質、SSRIおよび5−HT1A拮抗物質の組み合わせ効果に応答する障害または疾病の予防および/または処置のための薬品の製造のための本発明に従う化合物の使用にも関する。
【0068】
本発明は、また、投与を必要とする人間に有効量の本発明に従う、特に式(I)に従う化合物、その製薬学的に許容可能な酸または塩基付加塩、その立体化学的異性体形態、そのn−オキシド形態またはその第四級アンモニウム塩を投与することを含んでなる、ドーパミン−関係疾病の予防および/または処置、特に例えば一般的不安障害、パニック障害、強迫障害、鬱病、社会恐怖症および摂食障害の如き情動障害、並びに例えば精神医学的および神経学的障害の如くであるがそれらに限定されない他の精神障害の予防および/または処置のための方法にも関する。
【0069】
より特に、本発明は統合失調症の予防および/または処置のための薬品の製造のための本発明に従う化合物の使用に関する。
【0070】
より特に、本発明は双極性障害および/または人格障害の予防および/または処置のための薬品の製造のための本発明に従う化合物の使用に関する。
【0071】
製薬学的組成物
本発明はまた、製薬学的に許容可能な担体または希釈剤、および、活性成分としての、治療的に有効な量の本発明に従う化合物、特に式(I)に従う化合物、その製薬学的に許容可能な酸または塩基付加塩、その立体化学的異性体形態、そのn−オキシド形態またはその第四級アンモニウム塩を含んでなる製薬学的組成物にも関する。
【0072】
本発明に従う化合物、特に式(I)に従う化合物、それらの製薬学的に許容可能な酸または塩基付加塩、それらの立体化学的異性体形態、それらのn−オキシド形態またはそれらの第四級アンモニウム塩、或いはそれらの細分群または組み合わせを投与目的のための種々の製薬学的形態に調合することができる。適切な組成物としては、全身投与用薬品のために一般的に使用される全ての組成物が挙げられうる。本発明の製薬学的組成物を製造するためには、活性成分としての有効量の場合により付加塩形態であってもよい特定の化合物を、投与に所望される調合物の形態によって広範囲の形態をとりうる製薬学的に許容可能な担体と緊密に混合して組み合わせる。これらの製薬学的組成物は、特に経口、直腸、経皮、非経口的注射もしくは吸入による投与に適する単位薬用量形態が望ましい。例えば、経口薬用量形態の組成物を製造する際には、普遍的な製薬学的媒体のいずれか、例えば、経口液体調合物、例えば懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤および液剤、の場合には水、グリコール類、油類、アルコール類など;または散剤、丸剤、カプセル剤および錠剤の場合には澱粉、糖類、カオリン、希釈剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤など、を使用することができる。投与におけるそれらの容易さのために、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口薬用量単位形態であり、この場合にはもちろん固体の製薬学的担体が使用される。非経口的組成物に関しては、担体は一般的には少なくとも大部分の殺菌水を含んでなるが、例えば溶解を助けるための他の成分を含むことができる。注射液剤は、例えば、担体が食塩水溶液、グルコース溶液または食塩水およびグルコース溶液の混合物を含んでなるように製造することができる。注射懸濁剤を製造することもでき、その場合には適する液体担体、懸濁化剤などを使用することができる。使用直前に液体形態調合物に転化されることを意図する固体形態調合物も包含される。経皮投与に適する組成物では、担体は場合により浸透促進剤および/または適当な湿潤剤を、場合により少量のいずれかの性質の
適当な添加剤と組み合わせて含んでなり、この添加剤は皮膚に有意な悪影響を与えないものである。該添加剤は皮膚に対する投与を促進させることができ、および/または所望する組成物の製造を助けることができる。該添加剤は皮膚への投与を促進させおよび/または所望する組成物の製造を助けうる。これらの組成物は種々の方法で、例えば、経皮パッチ剤として、滴下剤として、軟膏剤として投与することができる。
【0073】
投与の容易さおよび薬容量の均一性のためには上記の製薬学的組成物を単位薬用量形態に調合することが特に有利である。ここで使用される単位薬用量形態は単位薬用量として適する物理的に分離している単位をさし、各々の単位は所望する治療効果を生ずるように計算された予め決められた量の活性成分を必要な製薬学的担体と共に含有する。そのような単位薬用量形態の例は、錠剤(刻み目付きもしくはコーティング錠剤を包含する)、カプセル剤、丸剤、粉末パケット剤、ウエファー剤、坐剤、注射液剤または懸濁剤など、並びにそれらの分離された複数分である。
【0074】
本発明に従う化合物は有効な経口投与可能なドーパミン拮抗物質であるため、経口投与用の該化合物を含んでなる製薬学的組成物が特に有利である。
【0075】
以下の実施例は説明することを意図するが、本発明の範囲を限定することは意図しない。
【実施例】
【0076】
実験の部
A.中間化合物の製造
以下で、「RT」は室温を意味し、「CDI」は1,1’−カルボニルジイミダゾールを意味し、「DIPE」はジイソプロピルエーテルを意味し、「MIK」はメチルイソブチルケトンを意味し、「BINAP」は[1,1’−ビナフタレン]−2,2’−ジイルビス[ジフェニルホスフィン]を意味し、「NMP」は1−メチル−2−ピロリジノンを意味し、「Pd(dba)」はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを意味しそして「DMF」はN,N−ジメチルホルムアミドを意味する。
【0077】
実施例A1
中間化合物1および2の製造
【0078】
【化6】

【0079】
3a,4−ジヒドロ−7,8−ジメトキシ−3H−[1]ベンゾピラノ[4,3−c]イソキサゾール−3−メタノールメタンスルホン酸エステル(引用することにより本発明の内容となる国際公開第2004/018482号パンフレットにおける教示に従い製造された)(200g、0.58モル)を静止相キラルパック−AD(CHIRALPAK−AD)(2000g、充填圧力:45バール、検出器範囲:2.56、波長:240nm、温度:30℃;注入溶液:8.4リットルのCHCN中200g、次に、19.6リットルのメタノール(+2%エタノール)を加え、次に濾過する;注入−容量:700ml;溶離剤:CHOH/CHCN 70/30 v/v)を有するカラムLC110−2上のキラルカラムクロマトグラフィーによりそのエナンチオマー類に分離した。2
つの生成物画分群を集めそしてそれらの溶媒を蒸発させた。収量:105gの中間化合物1および95gの中間化合物2。
【0080】
実施例A2
a.中間化合物3の製造
【0081】
【化7】

【0082】
BBr(99.9%)(0.5096モル)を中間化合物2(A1に従い製造された)(0.1019モル)のCHCl(1225ml)中混合物にN雰囲気下でそして−78℃において滴下した。反応混合物を−40℃において3時間にわたり撹拌し、次に追加のBBr(99.9%)(0.063モル)を加えそして混合物を−40℃において30分間にわたり撹拌した。反応混合物を氷水の中に注ぎそしてセライト(Celite)上で濾過した。固体残渣をCHCl/CHOHで洗浄して、沈澱(I)を与えた。濾液をCHClで抽出し、NaSO上で乾燥し、濾過しそして溶媒を蒸発乾固した。残渣を数回のHPLC(溶離剤1:CHCl/(CHOH/NH)99/1;溶離剤2:EtOAc/(CHOH/NH)99/1、98/2)により精製した。2つの生成物画分を集めそして各々の溶媒を蒸発させた(収量画分1:9.12g(27%)および画分2:6.18g(18%))。沈殿(I)をCHCl/CHOH(20%)の中に溶解しそして濾過した。濾液を蒸発乾固しそして残渣をCHCl/CHOH(4%)で洗浄し、濾別しそして乾燥した。収量:0.89gの中間化合物3(B−(3α,3aα))(2.6%)。
【0083】
b.中間化合物4の製造
【0084】
【化8】

【0085】
CO(0.00336モル)および1,2−ジブロモエタン(0.0018モル、99%)を中間化合物3(0.00168モル)のN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中混合物に密封管中で加え、次に反応混合物を一晩にわたり室温において撹拌し、水で洗浄しそしてEtOAcで抽出した。有機層をNaSO上で乾燥し、濾過しそして溶媒を蒸発乾固した。残渣を開放カラムクロマトグラフィー(溶離剤1:CHCl;溶離剤2:CHCl/CHOH 99/1)により精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。収量:0.24gの中間化合物4(B−(3α,3aα)(41%)。
【0086】
実施例A3
中間化合物5の製造
【0087】
【化9】

【0088】
デス−マーチン・ペリオジナン(0.0021モル)を3a,4−ジヒドロ−7,8−ジメトキシ−3H−[1]ベンゾピラノ[4,3−c]イソキサゾール−3−メタノール(引用することにより本発明の内容となる国際公開第204/018482号パンフレットにおける教示に従い製造された)(0.0019モル)のCHCl(50ml)中溶液に加えた。反応混合物を20分間にわたり室温において撹拌した。飽和NaHCO溶液およびNaSOを加えた。混合物を10分間にわたり撹拌した。分離した有機層を食塩水およびHOで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過しそして溶媒を蒸発させた。残渣を冷たいEtOに入れた。沈殿を濾別し、洗浄しそして乾燥した。収量:320mgの中間化合物5((3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0089】
実施例A4
a.中間化合物6の製造
【0090】
【化10】

【0091】
5−ブロモ−サリチルアルデヒド(3g、14.9ミリモル)、KCO(4.12g、29.8ミリモル)および(E)−4−ブロモクロトン酸エチル(3ml、22.3ミリモル)の無水ジメチルホルムアミド(17ml)中混合物を室温において4時間にわたり撹拌した。TLC分析が出発物質の消失を示した時に、粗製反応混合物をセライトパッドを通して濾過しそして濾液を真空中で濃縮した。残渣を水(17ml)で希釈しそしてジクロロメタン(3×17ml)で抽出した。有機相を乾燥しそして真空中で濃縮した。残渣をDIPEで沈殿させて、3.11g(61%収率)の4−(2−ホルミル−5−ブロモフェノキシ)ブト−2(E)−エン酸エチルエステルを与えた。予め製造されたエステル(3.11g、9.9ミリモル)の無水エタノール(25mL)中溶液に、ヒドロキシルアミノ塩酸塩(0.83g、11.9ミリモル)および酢酸ナトリウム(1.22g、14.8ミリモル)を加えた。室温における2時間後に、TLC分析は出発物質の不存在を示した。溶媒を真空中で蒸発させそして残渣を水(20ml)の中に溶解しそしてジクロロメタン(3×30ml)で抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)そして減圧下で濃縮して3.95g(定量的収率)の次の反応段階でさらなる精製なしに使用される4−[2−(ヒドロキシイミノメチル)−5−ブロモフェノキシ]ブト−2(E)−エン酸エチルエステルを生じた。予め合成されたオキシム(3.8g、11.6ミリモル)のジクロロメタン(47ml)中溶液に、次亜塩素酸ナトリウム(40ml、23.1ミリモル)の4%水溶液を一部分ずつ加えそして反応物を2時間にわたり室温において撹拌した。この後に、トリエチルアミン(2.4ml、17.4ミリモル)を0℃において滴下した。反応物を一晩にわたり室温において撹拌した。次に、有機層を分離し、無水NaSO上で乾燥し、濾過しそして溶媒を蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)により精製した。収量:1.71gの中間化合物6(7−ブロモ−3a,4−ジヒドロ−3H−[1]ベンゾピラノ[4,3−c]イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステル)45%((3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0092】
b.中間化合物7の製造
【0093】
【化11】

【0094】
中間化合物6(3.3g、0.0101モル)の84mlのTHF/HO混合物(10/1)中溶液に0℃において、NaBH(0.96g、0.0253モル)を一部分ずつ加えそして次に混合物を室温において24時間にわたり撹拌した。NHCl飽和水溶液を加えそして有機層を分離し、NaSO上で乾燥し、濾過しそして蒸発させて3.01gの中間化合物7((3α,3aα)ラセミ混合物)を生じた。
【0095】
c.中間化合物8の製造
【0096】
【化12】

【0097】
中間化合物7(0.031モル)、クロロ(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシラン(0.031モル)および1H−イミダゾール(0.031モル)のCHCl(100ml)中混合物を16時間にわたり室温において撹拌しそしてHOを加えた。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾別しそして溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲル上の短い開放カラムクロマトグラフィー(溶離剤勾配:ヘプタン/EtOAc 80/20、66/33、50/50)により精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。収量:10gの中間化合物8(83%)((3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0098】
d.中間化合物9の製造
【0099】
【化13】

【0100】
中間化合物8(0.0038モル)、モルホリン(0.0092モル)、酢酸パラジウム(2+)塩(0.052g、47.5%)、BINAP(0.00034モル)およびCsCO(0.01064モル)のトルエン(乾燥しておりそして脱気された)(25ml)中混合物を16時間にわたり密封管中で100℃においてN下で撹拌し、次に反応混合物をセライト上で濾過しそして通路をEtOAcで洗浄した。濾液を集めそして残渣をシリカゲル上の短い開放カラムクロマトグラフィー(溶離剤勾配:ヘプタン/EtOAc 66/33、50/50)により精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。収量:0.769gの中間化合物9(50%)((3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0101】
e.中間化合物10の製造
【0102】
【化14】

【0103】
中間化合物9(0.0019モル)およびN,N,N−トリブチルブタナミニウムフルオリド(0.00288モル、THF中1M)の乾燥THF(10ml)中混合物を16時間にわたり室温においてN下で反応させそして次に反応混合物をHO/EtOACの中に入れた。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾別しそして溶媒を蒸発させた。収量:0.550gの中間化合物10(100%)((3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0104】
f.中間化合物11の製造
【0105】
【化15】

【0106】
中間化合物10(0.0019モル)、メタンスルホニルクロリド(0.00285モル)およびEtN(0.0038モル)のCHCl(20ml)中混合物を2時間にわたり室温において撹拌しそして次にHOを加えた。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾別しそして溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲル上の短い開放カラムクロマトグラフィー(溶離剤:EtOAc100%)により精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。収量:0.300gの中間化合物11(43%)((3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0107】
実施例A5
a.中間化合物12および13の製造
【0108】
【化16】

【0109】
反応をN流下で行った。−78℃において往復運動されている中間体化合物2(A1に従い製造された)(0.017モル)のCHCl(200ml)中溶液に、BBr(0.087モル)を滴下した。反応混合物を放置して−40℃に暖めそして2時間に
わたり撹拌した。混合物を氷水に注入しそしてCHCl/CHOH 95/5およびAcOEtの溶液で抽出した。一緒にした分離した有機層を乾燥し(MgSO)そして溶媒を蒸発させた。残渣を分離しそしてシリカゲル上の高性能液体クロマトグラフィー(溶離剤CHCl/(MeOH/NH)98/2)により精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。収量:2.43gの中間化合物12(43%、B−(3α,3aα))および1.75gの中間化合物13(31%、B−(3α,3aα))。
【0110】
b.中間化合物14の製造
【0111】
【化17】

【0112】
CsCO(0.0022774モル)を中間化合物12(0.0015183モル)の2−プロパノン(15ml)中溶液に加えそして混合物を氷水浴上で冷却し、次に1−(クロロメトキシ)−2−メトキシエタン(0.0022774モル)の2−プロパノン(充分量)中溶液を滴下しそして反応混合物を一晩にわたりパル反応容器中で50℃において撹拌した。混合物を冷却しそして溶媒を蒸発させた。残渣をCHCl/HOの間に分配させそして有機層を分離した。水層をCHClで2回抽出した。有機層を一緒にし、乾燥し(NaSO)、濾別しそして溶媒を蒸発させた。残渣をCHCN/DIPEから結晶化させそして生じた沈澱を集めた。収量:0.560gの中間化合物14(88%、(B−(3α,3aα))。
【0113】
c.中間化合物18の製造
【0114】
【化18】

【0115】
パル圧力反応容器中の中間化合物12(A5.aに従い製造された)(1.0g、3ミリモル)およびKCO(1.26g、9.1ミリモル)の混合物にエチルカルバミン酸2−ブロモエチルエステル(1.61g、7ミリモル)のDMF(30ml)中溶液を加えた。生じた混合物を室温において16時間にわたり撹拌しそして次にさらなるエチルカルバミン酸2−ブロモエチルエステル(0.8g、3.5ミリモル)およびKCO(0.63g、4.5ミリモル)を加えそして混合物を3日間にわたり撹拌した。粗製反応物をHOで洗浄しそして次にAcOEtで抽出した。有機層を分離し、NaSO上で乾燥し、濾過しそして蒸発させた。残渣をシリカゲル上の短い開放カラムクロマトグラフィー(溶離剤勾配 CHCl/アセトン 90/10および85/15)により精製した。所望する画分を集めそして溶媒を蒸発させた。収量:1.19gの中間化合物18(89%、B−(3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0116】
実施例A6
a.中間化合物15の製造
【0117】
【化19】

【0118】
中間化合物8(A4.cに従い製造された)(1.6g、4.06ミリモル)、カルバミン酸tert−ブチル(0.56g、4.82ミリモル)、Pd(OAc)(72mg、0.32ミリモル)、キサントフォス(Xantphos)(256mg、0.442ミリモル)およびCsCO(3.4g、10.44ミリモル)の20mlのジオキサン(乾燥しておりそして脱気された)中混合物を110℃において密封管中で16時間にわたり撹拌した。室温に冷却した後に、混合物をセライトパッドを通して濾別しそして濾液を蒸発させた。残渣をシリカゲル上の短い開放カラムクロマトグラフィー(溶離剤 CHCl/(MeOH/NH飽和溶液)95/5)により精製した。所望する画分を集めそして溶媒を蒸発させた。収量:1.70gの中間化合物15(100%、(3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0119】
b.中間化合物16の製造
【0120】
【化20】

【0121】
中間化合物15(1.73g、4.02ミリモル)の50mlのTHF中溶液にテトラブチルアンモニウムフルオリド(1.8ml、6.02ミリモル)を加えた。混合物を室温において16時間にわたり撹拌しそして次にNHCl飽和水溶液を加えそして混合物をさらに10分間にわたり撹拌した。次に有機層を分離しそして水層をCHClで抽出した。一緒にした有機抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過しそして蒸発させた。残渣をシリカゲル上の短い開放カラムクロマトグラフィー(溶離剤 CHCl/(MeOH/NH飽和溶液)95/5)により精製した。所望する画分を集めそして溶媒を蒸発させた。収量:1.16gの中間化合物16(90%、(3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0122】
c.中間化合物17の製造
【0123】
【化21】

【0124】
中間化合物16(1.16g、3.62ミリモル)のCHCl(50ml)中溶液を0℃に冷却しそして次にトリエチルアミン(1ml、7.24ミリモル)を滴下した。混合物を30分間にわたり撹拌しそして次に塩化メシルを滴下した。混合物を0℃において1時間にわたり撹拌しそして次にHOを加えた。有機層を分離し、NaSO上で
乾燥し、濾過しそして蒸発させた。残渣をCHCNから沈殿させた。固体を濾別しそして乾燥した。収量:626mgの中間化合物17(45%、(3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0125】
実施例A7
中間化合物19の製造
【0126】
【化22】

【0127】
3a,4−ジヒドロ−7,8−ジメトキシ−3H−[1]ベンゾピラノ[4,3−c]イソキサゾール−3−メタノールメタンスルホン酸エステル(引用することにより本発明の内容となる国際公開第2004/018482号パンフレットにおける教示に従い製造された)(0.0146モル)、(5−tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−(1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル)−1H−インドール(0.016モル)、KI(触媒量)およびKCO(0.016モル)のMIK(充分量)中混合物を一晩にわたり撹拌しそして還流し、次に冷却しそして粗製反応混合物を水で洗浄し、次にEtOAcで抽出した。分離した有機層を乾燥し(NaSO)、濾過しそして溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤勾配:CHCl/CHOH 99/1および98/2)により精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。収量:5.8gの中間化合物19(69%、(3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0128】
実施例A8
中間化合物20の製造
【0129】
【化23】

【0130】
メタンスルホン酸7−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3a,4−ジヒドロ−3H−クロメノ[4,3−c]イソキサゾール−3−イルメチルエステル(0.31g、0.81ミリモル)、B(0.21g、0.98ミリモル)、KCO(0.22モル、1.63ミリモル)およびKI(0.13g、0.81ミリモル)のメチルイソブチルケトン(10ml)中混合物を120℃において16時間にわたり撹拌した。次に溶媒を乾固まで蒸発させそして残渣をCHClおよびHOの間に分配させた。有機層を分離し、NaSO上で乾燥し、濾過しそして蒸発させた。残渣をシリカゲル上の短い開放カラムクロマトグラフィー(溶離剤CHCl/(MeOH/飽和NH)98/2および95/5)により精製した。所望する画分を集めそして溶媒を蒸発させて0.30gの化合物20を生じた。Y:71%。
【0131】
B.最終化合物の製造
実施例B1
最終化合物1の製造
【0132】
【化24】

【0133】
3a,4−ジヒドロ−7,8−ジメトキシ−3H−[1]ベンゾピラノ[4,3−c]イソキサゾール−3−メタノールメタンスルホン酸エステル(引用することにより本発明の内容となる国際公開第2004/018482号パンフレットにおける教示に従い製造された)(0.0014モル)、5−フルオロ−3−(1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル)−1H−インドール(0.0021モル)、KI(0.0014モル)およびKCO(0.0014モル)のMIK(20ml)中混合物を一晩にわたり撹拌しそして還流し、次に冷却しそして粗製反応混合物を水で洗浄し、次にEtOAcで抽出した。分離した有機層を乾燥し(NaSO)、濾過しそして溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤勾配:CHCl/CHOH 99/1および98/2)により精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。収量:0.18gの最終化合物1(26%、(3α,3aα)ラセミ混合物)。
註:最終化合物28および29はB1に従い上記の3a,4−ジヒドロ−7,8−ジメトキシ−3H−[1]ベンゾピラノ[4,3−c]イソキサゾール−3−メタノールメタンスルホン酸エステルの代わりに中間体3(A2.bに従い製造された)を使用して製造された。
【0134】
実施例B2
最終化合物54の製造
【0135】
【化25】

【0136】
中間化合物5(A3に従い製造された)(0.00095モル)、3−(4−ピペリジニル)−1H−インドール(0.00085モル)およびシアノホウ水素化ナトリウム(0.00142モル)のTHF/AcOH(8/2)(10ml)中混合物を16時間にわたり室温において撹拌し、次に反応混合物をCHClで希釈しそして10%クエン酸水溶液で抽出した。水層を飽和NaCO溶液でアルカリ性としそしてCHClで抽出した。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾別しそして溶媒を蒸発さ褪せた。残渣をクロマトトロン(Chromatotron)上のCC−LC(溶離剤勾配:CHCl/(CHOH/NH)98/2、97/3、96/4)により精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。残渣をCHCl/DIPEから結晶化
させ、次に生じた沈澱を濾別しそして乾燥した。収量:0.035gの最終化合物54(8%、(3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0137】
実施例B3
最終化合物21の製造
【0138】
【化26】

【0139】
トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(0.010モル)を中間化合物5(A3に従い製造された)(0.0091モル)、3−(1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル)−1H−インドール−5−オール(0.010モル)および酢酸(触媒量)のCHCl(100ml)中溶液にゆっくり加えそして反応混合物を室温において16時間にわたり撹拌し、次に飽和NHCl溶液を加えそして混合物をセライト上で濾過した。HOを濾液に加えそして有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾別した。溶媒を蒸発させそして残渣をシリカゲル上の短い開放カラムクロマトグラフィー(溶離剤勾配:EtOAc/(CHOH/飽和NH)97.5/2.5、95/5、90/10)により精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。残渣をCHCNから沈殿させ、次に生じた固体を濾別しそして乾燥した。収量:0.197gの最終化合物21(5%、(3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0140】
実施例B4
最終化合物58の製造
【0141】
【化27】

【0142】
中間化合物5(A3に従い製造された)(0.00057モル)、1−ピペリジン−4−イル−2H−インドール(0.00029モル)およびPS−NaB(OAc)H(0.001137モル)のTHF/5%HOAc(3ml)およびN,N−ジメチルホルムアミド(3ml)中混合物を室温において16時間にわたり撹拌しそして次に反応混合物を濾過した。PS−p−トルエンスルホン酸(0.001137モル)を濾液に加えそして生じた混合物を室温において16時間にわたり撹拌した。溶媒を蒸発させそして樹脂をDMFで、CHClで、CHOHで、CHClで、そしてジメチルエーテルで洗浄した。飽和CHOH/NH溶液を樹脂に加えそして混合物を室温において16時間にわたり撹拌し、次に濾別しそして濾液を蒸発させた。残渣をシリカゲル上の短い開放カラムクロマトグラフィー(溶離剤:EtOAc 100%)により精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。残渣をCHCN/DIPEから沈殿させ、生じた固体を濾別しそして乾燥した。収量:0.0076gの最終化合物58(6%、(3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0143】
実施例B5
最終化合物31の製造
【0144】
【化28】

【0145】
PS−NaBHCN(0.0014モル)を中間化合物5(A3に従い製造された)(0.00057モル)および5−メチル−3−(4−ピペリジニル)−1H−インドール(十分量(q.s.))のTHF/AcOH(十分量)中溶液に加え、室温において20時間撹拌した。溶液を濾過しそして濾液をPS−イソシアネート(0.0013モル)およびPS−CH(+)(CHOH(−)(0.0013モル)と共に一晩にわたり室温においてインキュベートした。反応混合物を濾過しそして濾液を蒸発させた。残渣を短い開放カラムクロマトグラフィーにより精製し、生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。残渣をEtOAc/DIPE(10/1)下で粉砕し、濾別しそして乾燥した。収量:0.023gの最終化合物31(9%、(3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0146】
実施例B6
a)最終化合物33の製造
【0147】
【化29】

【0148】
中間化合物19(A7に従い製造された)(0.010モル)およびトリフルオロ酢酸(10ml)のCHCl(90ml)中混合物を室温において3時間にわたり撹拌しそして次に反応混合物を10%NaOH水溶液でアルカリ性化した。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾別しそして溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲル上の短い開放カラムクロマトグラフィー(溶離剤:EtOAc 100%)により精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。残渣をCHCN/DIPEから沈殿させ、生じた沈澱を濾別しそして乾燥した。収量:2.6gの最終化合物33(45%、(3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0149】
b)最終化合物40の製造
【0150】
【化30】

【0151】
最終化合物33(B6.aに従い製造された)(0.00013モル)、アセチルクロリド(0.000326モル)およびEtN(0.000326ml)のCHCl(5ml)中混合物を室温において16時間にわたり撹拌し、PS−トリスアミン(0.000815モル)を加えそして反応混合物を室温において16時間にわたり振った。混合物を濾過しそして濾液を蒸発させた。残渣をマニホルド(真空)中でセプ−パク(Sep−Pak)・シリカゲルカートリッジ(5g)(溶離剤勾配:EtOAc/(CHOH/NH)100/0、97.5/2.5)により精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。残渣をCHCN/DIPEから沈殿させ、次に生じた固体を濾別しそして乾燥した。収量:0.0173gの最終化合物40(27%、(3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0152】
c)最終化合物37の製造
【0153】
【化31】

【0154】
最終化合物33(B6.aに従い製造された)(0.00013モル)およびイソシアン酸エチル(0.000162モル)のN,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中混合物を室温において16時間にわたり撹拌し、次にPS−トリスアミン(0.000488モル)を加えそして反応混合物を16時間にわたり撹拌した。混合物を濾別しそして濾液を蒸発させた。残渣をマニホルド(真空)中でセプ−パク・シリカゲルカートリッジ(5g)(溶離剤:EtOAc 100%)により精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。残渣を沈殿させ、生じた沈澱を集めそして乾燥した。収量:0.0042gの最終化合物37(6%、(3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0155】
実施例B7
最終化合物34の製造
【0156】
【化32】

【0157】
最終化合物14(B1に従い製造された)(0.00032モル)、炭酸ジメチルエステル(0.00095モル)およびKCO(0.00057モル)のN,N−ジメチルホルムアミド(14ml)中混合物を190℃において15分間にわたりマイクロ波で照射し、次に反応混合物を水で洗浄しそしてCHClで抽出した。有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾別しそして溶媒を蒸発させた。残渣をマニホルド(真空)中でセプ−パク・シリカゲルカートリッジ(10g)(溶離剤:CHCl/(CHOH/NH)98/2)により精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。残
渣(0.071g)をクロマトトロン上の短いカラムクロマトグラフィー(溶離剤勾配:CHCl/CHOH 100/0、99.5/0.5、99/1)により精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。残渣をDIPE中で沈殿させそして生じた固体を集めた。収量:0.0181gの最終化合物34(B−(3α,3aα))。
【0158】
実施例B8
最終化合物8の製造
【0159】
【化33】

【0160】
EtOAc/EtOH 1:1(20ml)中の最終化合物7(B1に従い製造された)(0.21ミリモル)を3時間にわたり70psiおよび50℃において10%(触媒量)のPd/Cを触媒として用いて水素化した。H(1当量)の吸収後に、触媒を濾別しそして溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲル上の短いカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/(MeOH/NH)98:2)により精製した。所望する画分を集めそして溶媒を蒸発させた。収量:0.047gの最終化合物8(47%、B−(3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0161】
実施例B9
a)最終化合物48の製造
【0162】
【化34】

【0163】
CO(0.0018モル)および酢酸2−ブロモエチル(0.0013モル)を最終化合物65(B1に従い製造された)(0.00089モル)のDMF(充分量)中混合物に加えそして反応混合物を室温において24時間にわたり撹拌し、次に混合物を水およびCHClの間に分配させた。有機層を乾燥し(NaOH)、濾別しそして溶媒を蒸発乾固した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(短い型)(溶離剤:CHCl/(CHOH/NH)98/2)により精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。収量:0.340gの最終化合物48(63%、(3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0164】
b)最終化合物47の製造
【0165】
【化35】

【0166】
LiOH(0.00072モル)のHO(1ml)中混合物を一部分ずつ室温において最終化合物48(B9.aに従い製造された)(0.00060モル)のジオキサン(6ml)中溶液に加えそして次に反応混合物を2時間にわたり80℃において撹拌した。混合物を飽和NHCl溶液で処理しそしてEtOAcで抽出した。有機層を分離し、乾燥し(NaOH)、濾別しそして溶媒を蒸発させた。残渣を短い開放カラムクロマトグラフィー(溶離剤勾配:CHCl/(CHOH/NH)99/1、98/2)により精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。残渣をCHCN下で粉砕しそして生じた残渣を集め、次に逆相高性能液体クロマトグラフィーにより精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。収量:0.0186gの最終化合物47(6%、(3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0167】
実施例B10
a.最終化合物66の製造
【0168】
【化36】

【0169】
中間化合物20(A8に従い製造された)(0.21g、0.58ミリモル)のCHCl(90ml)中溶液にTFA(10ml)を加えた。混合物を室温において16時間にわたり撹拌しそして次にNaCO(飽和水溶液)をpH=8となるまで加えた。有機層を分離し、NaSO上で乾燥し、濾過しそして蒸発させた。残渣をシリカゲル上の短いカラムクロマトグラフィー(溶離剤勾配 CHCl/(MeOH/飽和NH)98/2および97/3)により精製した。所望する画分を集めそして蒸発させそして残渣をCHCN/DIPEから沈殿させた。収量:0.059gの最終化合物66(34%、(3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0170】
b.最終化合物46の製造
【0171】
【化37】

【0172】
最終化合物66(54mg、0.13ミリモル)のCHCl(溶液に2.5ml)中溶液にピリジン(20ml、0.26ミリモル)、無水酢酸(60ml、0.64ミリモル)およびDMAP(触媒)を加えた。残渣を室温において16時間にわたり撹拌しそして混合物をトルエンと共に蒸発させた。残渣をシリカゲル上の短いカラムクロマトグラフィー(溶離剤 CHCl/(MeOH/飽和NH)98/2)により精製した。所望する画分を集めそして蒸発させそして残渣をトルエン/CHClから沈殿させた。収量:022mgの最終化合物46(37%、(3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0173】
実施例B11
最終化合物62の製造
【0174】
【化38】

【0175】
最終化合物21(B2に従い製造された)(0.00010モル)、1−(クロロメトキシ)−2−メトキシエタン(0.00015モル)およびCsCO(0.00015モル)の2−プロパノン(5ml)中混合物を16時間にわたり室温において撹拌しそして次に反応混合物を濾過した。フィルター残渣をマニホルド(真空)中でセプ−パク・シリカゲルカートリッジ(溶離剤1:EtOAc100%;溶離剤2:CHCl/(CHOH/NH)98/2、96/4)を用いて精製した。生成物画分を集めそして溶媒を蒸発させた。残渣をクロマトトロン上の分取TLC(溶離剤:CHCl/(CHOH/NH)95/5)により精製した。最後に、所望する生成物をシリカゲルからCHCl/(CHOH/飽和NH)(90/10)を用いて抽出した。収量:0.001gの最終化合物62。
【0176】
実施例B12
最終化合物22の製造
【0177】
【化39】

【0178】
トルエン(10ml)、エタノール(1ml)およびNaCO(1モル水溶液)(1ml)の混合物中の最終化合物10(B5に従い製造された)(0.00029モル)、フェニルボロン酸(0.00031モル)および触媒量のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの混合物を100℃において密封管中で16時間にわたり撹拌した。次に混合物をセライト(R)を通して濾過しそして濾液を蒸発させた。残渣をCHCl/AcOEtから沈殿させ、次に生じた固体を濾別しそして乾燥した。収量:0.0024gの最終化合物22(16%、(3α,3aα)ラセミ混合物)。
【0179】
表1および2は上記実施例の1つに従い製造された式(I)の化合物を挙げる。
【0180】
【表1】

【0181】
【表2】

【0182】
【表3】

【0183】
【表4】

【0184】
【表5】

【0185】
【表6】

【0186】
【表7】

【0187】
【表8】

【0188】
【表9】

【0189】
【表10】

【0190】
【表11】

【0191】
C.薬理学的実施例
一般論
式(I)の化合物とドーパミン−受容体、h5HT−輸送体およびh5HT1A受容体との相互作用をインビトロ放射配位子結合実験で評価した。一般的に、特定の受容体または輸送体に関する高い結合親和力を有する低濃度の放射配位子を特定の受容体または輸送体に富んだ組織調合物の試料と共にまたは緩衝媒体中のクローン化されたヒト受容体を発現する細胞の調合物と共にインキュベートする。インキュベーション中に、放射配位子が受容体または輸送体と結合する。結合の平衡に達した時に、受容体結合された放射活性が結合されなかった放射活性から分離されそして受容体−または輸送体−結合された活性が計数される。試験化合物と受容体との相互作用は競合結合実験において評価される。種々の濃度の試験化合物を受容体−または輸送体調合物および放射配位子を含有するインキュベーション混合物に加える。試験化合物はその結合親和力およびその濃度に比例して放射配位子の結合を阻害する。
【0192】
実施例c.1:ドーパミンDおよびD受容体に関する結合実験
hD
ヒトドーパミンD2L受容体−トランスフェクトされたCHO細胞を氷冷トリス−HCl緩衝液(50mM、pH7.4)中で剥離することにより集めた。懸濁液を遠心し(23 500×g、10分間、4℃)そしてペレットを必要とされるまで−70℃において貯蔵した。それらを次に解凍しそして特異的および非特異的結合に最適化された適当な蛋
白質濃度への希釈前にウルトラ−ツラックス(Ultra−Turrax)T25ホモジェナイザーを用いて短時間にわたり均質化した。[H]スピペロン(Spiperone)(NEN、比活性〜70Ci/ミリモル)をNaCl、CaCl、MgCl、KCl(HClでpH7.7に調節された、それぞれ50、120、2、1、および5mM)を含有するトリス−HCl検定緩衝液の中で2nモル/Lの濃度に希釈した。製造された放射配位子(50μl)を次に適当な蛋白質濃度に予め希釈された膜調合物(400μl)と共に、そして50μlの10%DMSO対照、ブタクラモル(Butaclamol)(10−6モル/Lの最終濃度)または当該化合物のいずれかと共に、インキュベートした(30分間、37℃)。ユニフィルタープレート(Unifilterplates)上のパッカード・フィルターメート(Packard Filtermate)回収器を通す濾過、氷冷トリス−HCl緩衝液(50mM;pH8.0;3×4ml)での洗浄により、膜−結合された活性を検出した。シンチレーション流体を加えそしてトップカウント(Topcount)シンチレーション計の中で計数する前にフィルターを放置して乾燥した。S−プラス(S−Plus)ソフトウエア(インサイトフル(Insightful))を用いて特異的結合%および競合結合曲線を計算した。
【0193】
hD
ヒトドーパミンD受容体−トランスフェクトされたCHO細胞を氷冷トリス−HCl緩衝液(50mM、pH7.4)中で剥離することにより集めた。懸濁液を遠心し(23
500×g、10分間、4℃)そしてペレットを必要とされるまで−70℃において貯蔵した。それらを次に解凍しそして特異的および非特異的結合に最適化された適当な蛋白質濃度への希釈前にウルトラ−ツラックスT25ホモジェナイザーを用いて短時間にわたり均質化した。[125I]ヨードスルプリド(Iodosulpride)(アメルシャム(Amersham)、比活性2000Ci/ミリモル)をNaCl、CaCl、MgCl、KClおよびBSA(HClでpH7.7に調節された、それぞれ50、120、2、1、5mM)を含有するトリス−HCl検定緩衝液の中で2nモル/Lの濃度に希釈した。製造された放射配位子(20μl)を20μlの10%DMSO対照、リスペリドン(Risperidone)(10−6モル/Lの最終濃度)または当該化合物のいずれかと共に、次に膜調合物(80μl)と共に、インキュベートした(60分間、室温)。一晩にわたるインキュベーション後に、WGA−コーティングされたPVT SPAビーズ(250μl、アメルシャム)を添加しそして膜−結合された数をワラック・マイクロベータ(Wallac Microbeta)の中で測定した。S−プラス・ソフトウエア(インサイトフル)を用いて特異的結合%および競合結合曲線を計算した。
【0194】
実施例c.2:5−HT輸送体に関する結合実験
凍結されたヒト5HT輸送体−トランスフェクトされたHEK細胞(パーキン・エルマー(Perkin Elmer)、ブリュッセル)を解凍しそして特異的および非特異的結合に最適化された適当な蛋白質濃度への希釈前にウルトラ−ツラックスT25ホモジェナイザーを用いて短時間にわたり均質化した。[H]パロキセチン(Paroxetine)(NEN、比活性20Ci/ミリモル)をNaClおよびKCl(それぞれ50mM、120mMおよび5mM;pH7.4)を含有するトリス−HCl検定緩衝液の中で5nモル/Lの濃度に希釈した。製造された放射配位子(25μl)を次に膜調合物(200μl)と共にそして25μlの10%DMSO対照、イミプラミン(Imipramine)(10−6モル/Lの最終濃度)または当該化合物のいずれかと共にインキュベートした(60分間、25℃)。0.1%PEIの中で予備ソーキングされたユニフィルタープレート上のパッカード・フィルターメート回収器を通す濾過、検定緩衝液(3×4ml)での洗浄により、膜−結合された活性を検出した。シンチレーション流体を加えそしてトップカウント・シンチレーション計の中で計数する前にフィルターを乾燥した。S−プラス・ソフトウエア(インサイトフル)を用いて特異的結合%および競合結合曲線を計算した。
【0195】
実施例c.2:5−HT1A受容体に関する結合実験
ヒト5HT1A受容体−トランスフェクトされたL929細胞を氷冷トリス−HCl緩衝液(50mM、pH7.4)中で剥離することにより集めた。懸濁液を遠心し(23 500×g、10分間、4℃)そしてペレットを必要とされるまで−70℃において貯蔵した。それらを次に解凍しそして特異的および非特異的結合に最適化された適当な蛋白質濃度への希釈前にウルトラ−ツラックスT25ホモジェナイザーを用いて短時間にわたり均質化した。[H]8OHDPAT(NEN、比活性127Ci/ミリモル)をCaCl(それぞれ50mMおよび4mM;pH7.7)を含有するトリス−HCl検定緩衝液の中で5nモル/Lの濃度に希釈した。製造された放射配位子(50μl)を次にh5HT1A遺伝子構成体で安定的にトランスフェクトされたL929細胞(400μl)と共に、そして50μlの10%DMSO対照、スピロキサトリン(spiroxatrine)(10−6モル/Lの最終濃度)または当該化合物のいずれかと共に、インキュベートした(30分間、37℃)。ユニフィルタープレート上のパッカード・フィルターメート回収器を通す濾過、氷冷トリス−HCl緩衝液(3×4ml)での洗浄、その後の乾燥により、膜−結合された活性を検出した。シンチレーション流体を加えそしてトップカウント・シンチレーション計の中で計数する前にフィルターを乾燥した。S−プラス・ソフトウエア(インサイトフル)を用いて特異的結合%および競合結合曲線を計算した。
【0196】
試験した化合物に関するデータを表3にまとめた。
【0197】
【表12】

【0198】
【表13】

【0199】
【表14】

【0200】
D.組成物実施例
これらの実施例を通して使用される「活性成分」(a.i.)は、式(I)の化合物、その製薬学的に許容可能な酸または塩基付加塩類、その立体化学的異性体形態、そのN−オキシド形態およびそのプロドラッグ類に関する。
【0201】
実施例D.1:経口ドロップ剤
500グラムの活性成分を0.5リットルの2−ヒドロキシプロパン酸および1.5リットルのポリエチレングリコールの中に60〜80℃において溶解する。30〜40℃に冷却した後に、35リットルのポリエチレングリコールを加えそして混合物を良く撹拌する。次に1750グラムのナトリウムサッカリンの2.5リットルの精製水中溶液を加えそして撹拌しながら2.5リットルのココア香料および充分なポリエチレングリコールを加える。10mg/mlの活性成分を含んでなる経口ドロップ剤を与える50リットルの容量まで、生じた溶液を適当な容器に充填する。
【0202】
実施例D.2:経口液剤
9グラムの4−ヒドロキシ安息香酸メチルおよび1グラムの4−ヒドロキシ安息香酸プロピルを4lリットルの沸騰精製水の中に溶解する。3リットルのこの溶液に最初に10グラムの2,3−ジヒドロキシブタンジオン酸をそしてその後に20グラムの活性成分を溶解し、後者の溶液を前者の溶液の残存部分と一緒にしそして12リットルの1,2,3−プロパントリオールおよび3リットルの70%ソルビトール溶液をそれに加える。40グラムのナトリウムサッカリンを0.5リットルの水の中に溶解しそして2mlのラズベリーおよび2mlのグースベリーエッセンスを加える。後者の溶液を前者と一緒にし、小匙1杯(5ml)当たり5mgの活性成分を含んでなる経口液剤を与える20リットルの容量とするのに充分な水を加える。生じた溶液を適当な容器に充填する。
【0203】
実施例D.3:フィルム−コーティング錠剤
錠剤芯の製造
100グラムの活性成分、570グラムのラクトースおよび200グラムの澱粉の混合物を良く混合しそしてその後に5グラムのドデシル硫酸ナトリウムおよび10グラムのポリビニルピロリドンの約200mlの水中溶液で湿らせる。湿った粉末混合物をふるいに
かけ、乾燥しそして再びふるいにかける。次に100グラムの微結晶性セルロースおよび15グラムの水素化された植物油を加える。全体を良く混合しそして錠剤に圧縮して、それぞれが10mgの活性成分を含有する10,000個の錠剤を与える。
【0204】
コーティング
10グラムのメチルセルロースの75mlの変性エタノール中溶液に5グラムのエチルセルロースの150mlのジクロロメタン中溶液を加える。次に75mlのジクロロメタンおよび2.5mlの1,2,3−プロパントリオールを加える。10グラムのポリエチレングリコールを溶融しそして75mlのジクロロメタン中に溶解する。後者の溶液を前者に加えそして次に2.5グラムのオクタデカン酸マグネシウム、5グラムのポリビニルピロリドンおよび30mlの濃縮された着色懸濁液を加えそして全体を均質化する。コーティング装置の中で錠剤芯をこのようにして得られた混合物でコーティングする。
【0205】
実施例D.4:注射液剤
1.8グラムの4−ヒドロキシ安息香酸メチルおよび0.2グラムの4−ヒドロキシ安息香酸プロピルを約0.5リットルの注射用沸騰水の中に溶解する。約50℃に冷却した後に、撹拌しながら4グラムの乳酸、0.05グラムのプロピレングリコールおよび4グラムの活性成分を加える。溶液を室温に冷却しそして充分量の注射用の水を補充して、4mg/mlの活性成分を含んでなる液剤を与える。液剤を濾過により殺菌しそして殺菌容器に充填する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

[式中、
XはCH、NR、SまたはOであり、ここでRは水素、アルキル、Ar、Ar−アルキル、アルキルカルボニル、アルキルオキシカルボニル並びにモノ−およびジ(アルキル)アミノカルボニルの群から選択され、
VはS、OまたはNRであり、ここでRは水素およびアルキルの群から選択され、またはRは窒素および(CH部分の間の共有結合であり、
およびRは各々、互いに独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、Ar、ヘテロアリール、シアノ、ニトロ、モノ−およびジ(アルキル)アミノ、モノ−およびジ(Ar)アミノ、モノ−およびジ(ヘテロアリール)アミノ、モノ−およびジ(アルキルカルボニル)アミノ、モノ−およびジ(Ar−カルボニル)アミノ、モノ−およびジ(ヘテロアリールカルボニル)アミノ、モノ−およびジ(ヘテロアリールアルキル)アミノ、アルキルオキシ、アルキルカルボニルオキシ、Ar−カルボニルオキシ、ヘテロアリールカルボニルオキシ、アルキルオキシアルキルオキシ、アルキルオキシアルキルオキシアルキルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキルオキシ、アルキルオキシアルキルカルボニルオキシアルキルオキシ並びにモノ−およびジ(アルキル)アミノカルボニルオキシアルキルオキシの群から選択されるか、或いはRおよびRは一緒になって式−OCHO−、−OCHCHO−および−OCHCHCHO−の2価の基を形成することができ、
は水素、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロ、アルキル、アルキルオキシ、アルキルオキシアルキルオキシ、アルキルオキシアルキルオキシアルキルオキシ、Ar、モノ−およびジ(アルキル)アミノカルボニルアミノ、モノ−およびジ(Ar)アミノカルボニルアミノ、モノ−およびジ(アルキルオキソカルボニルカルボニルカルボニル)アミノ、モノ−およびジ(アルキルカルボニル)アミノ、モノ−およびジ(アルキルオキソアルキルカルボニル)アミノ並びにモノ−およびジ(アルキルスルホニル)アミノの群から選択され、
qは0、1または2に等しい整数であり、
(CHは共有結合またはm個の炭素原子の直鎖状炭化水素連鎖であり、mは1、2または3に等しい整数であり、
(CHは共有結合またはn個の炭素原子の直鎖状炭化水素連鎖であり、nは1、2、3または4に等しい整数であり、
Pirは式(IIa)、(IIb)または(IIc)
【化2】

のいずれか1つに従う2価の基であり、各々の基は場合によりp個の基Rで置換されて
いてもよく、ここで各Rは互いに独立して水素、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロおよびアルキルの群から選択され、
pは0、1または2に等しい整数であり、
Arはフェニルまたはナフチルであり、各々の基は場合により1個もしくはそれ以上のハロ、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、アルキル、ホルミル、アルキルオキシまたはアミノ基で置換されていてもよく、
ヘテロアリールはアゼチジニル、ピロリジニル、ジオキソリル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ジオキシル、モルホリニル、ジチアニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、2H−ピロリル、ピロリニル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、フラニル、チエニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルおよびトリアジニルの群から選択される単環式複素環式基を表わし、各々の複素環式基は場合によりアルキル、フェニル、アルキルで置換されたフェニル、ベンジル、ハロ、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、ホルミル、アルキルオキシ、アルキルカルボニル、テトラヒドロフリルカルボニルおよびアミノの群から選択される1個もしくはそれ以上の基で置換されていてもよく、そして
アルキルは炭素数1〜6の直鎖状もしくは分枝鎖状の飽和炭化水素基または炭素数3〜6の環式飽和炭化水素基を表わし、各々の炭化水素基は場合により1個もしくはそれ以上のハロ、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、ホルミルまたはアミノ基で置換されていてもよい]
に従う化合物、その製薬学的に許容可能な酸または塩基付加塩類、その立体化学的異性体形態およびそのn−オキシド形態。
【請求項2】
XがOであることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
およびRの一方がメトキシであり、好ましくはRおよびRの両方がメトキシであることを特徴とする請求項1および2のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項4】
(CHがCHでありそして(CHが共有結合またはCHであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
Pirが式(IIa)および(IIb)のいずれか一方に従う未置換の2価の基であり、ここでRが水素でありそしてp=1であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
VがNRであり、ここでRが式(I)において定義された通りであり、Rが水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、メチル、アミノ、ヒドロキシ、メトキシおよびニトロの群から選択されそしてq=1であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
XがOであり、
VがS、OまたはNRであり、ここでRが水素およびアルキルの群から選択され、またはRが窒素および(CH部分の間の共有結合であり、
およびRが各々、互いに独立して、水素、モノ−およびジ(アルキルカルボニル)アミノ、モノ−およびジ(ピロリジニルアルキル)アミノ、アルキルオキシ、アルキルオキシアルキルオキシアルキルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキルオキシ、アルキルオキシアルキルカルボニルオキシアルキルオキシ、モノ−およびジ(アルキル)アミノカルボニルオキシアルキルオキシ並びにモルホリニルの群から選択されるか、或いはRおよびRが一緒になって式−OCHCHO−の2価の基を形成することができ、
が水素、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロ、アルキル、アルキルオキシ、アルキルオキシアルキルオキシアルキルオキシ、Ar、モノ−およびジ(アルキル)アミノカルボニルアミノ、モノ−およびジ(Ar)アミノカルボニルアミノ、モノ−およびジ(アルキルオキソカルボニルカルボニル)アミノ、モノ−およびジ(アルキルカルボニル)アミノ、モノ−およびジ(アルキルオキソアルキルカルボニル)アミノ並びにモノ−およびジ(アルキルスルホニル)アミノの群から選択され、
qが0または1に等しい整数であり、
(CHがm個の炭素原子の直鎖状炭化水素連鎖であり、mが1に等しい整数であり、
(CHが共有結合またはn個の炭素原子の直鎖状炭化水素連鎖であり、nが1に等しい整数であり、
Pirが各々が水素基Rで置換されている式(IIa)、(IIb)または(IIc)のいずれか1つに従う2価の基であり、
Arがフェニルであり、そして
アルキルが炭素数1〜2の直鎖状もしくは分枝鎖状の飽和炭化水素基を表わし、各々の基が場合によりヒドロキシ基で置換されていてもよい、
請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
薬品としての使用のための請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
製薬学的に許容可能な担体または希釈剤および、活性成分として、治療的に有効な量の請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物を含んでなる製薬学的組成物。
【請求項10】
ドーパミンDおよびまたはD受容体の阻害に応答する(responsive)障害または疾病の予防および/または処置のための薬品の製造のための請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項11】
セロトニン再吸収の阻害に応答する障害または疾病の予防および/または処置のための薬品の製造のための請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項12】
5−HT1受容体の阻害に応答する障害または疾病の予防および/または処置のための薬品の製造のための請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項13】
ドーパミンD拮抗物質、SSRIおよび5−HT1拮抗物質の組み合わせ効果に応答する障害または疾病の予防および/または処置のための薬品の製造のための請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
一般的不安障害、パニック障害、強迫障害、鬱病、社会恐怖症および摂食障害の如き情動障害、並びに精神病および神経学的障害の如くであるがそれらに限定されない他の精神医学的障害の予防および/または処置のための薬品の製造のための請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項15】
統合失調症の予防および/または処置のための薬品の製造のための請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項16】
双極性障害および/または人格障害の予防および/または処置のための薬品の製造のための請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項17】
a)反応−不活性溶媒中でそして適当な塩基の存在下で、式(III)のメシレート中間体を式(IV)の中間体でアルキル化し、
【化3】

或いは
b)反応−不活性溶媒中でそして還元剤の存在下で、式(V)のアルデヒド中間体を式(IV)の中間体で還元的にアミノ化し、
(c)そして、所望に応じて、式(I)の化合物を当該技術分野で既知の転換法に従い互いに転化し、そしてさらに、所望に応じて、式(I)の化合物を酸を用いる処理により治療的に活性な無毒の酸付加塩に、または塩基を用いる処理により治療的に活性な無毒の塩基付加塩に転化し、或いは逆に、酸付加塩形態をアルカリを用いる処理により遊離塩基に転化するか、または塩基性付加塩を酸を用いる処理により遊離酸に転化し、そして、所望に応じて、それらの立体化学的異性体形態、それらのN−オキシド類およびそれらの第四級アンモニウム塩を製造する
ことのいずれかを特徴とする式(I)に従う化合物の製造方法。

【公表番号】特表2008−521771(P2008−521771A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541989(P2007−541989)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【国際出願番号】PCT/EP2005/056229
【国際公開番号】WO2006/056600
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】