説明

改良された皮膚美白組成物

改良された化粧用及び皮膚科用組成物並びに高色素沈着の処置方法を開示する。該組成物は哺乳類の皮膚の色を薄くし、非刺激性であることを示す。該組成物は、高分子マイクロ粒子に担持されたレチノイド(a)と、コウジ酸又はその誘導体(コウジ酸ジパルミテートなど)等の第二皮膚美白剤とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年2月1日出願の米国仮特許出願番号61/025,546(ここに、参照により挿入する)の利益を主張する。
【0002】
本発明は、高色素沈着した皮膚を処置することが可能な改良された化粧用及び皮膚科用組成物に関する。より具体的には、本発明は、哺乳類の皮膚の色を薄くする能力が高められた組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
哺乳類の表皮は高色素沈着(例えば、美容的に暗すぎるか、又は色合いが一様でない皮膚色)を呈することがある。米国皮膚病学会は、アメリカ人の5〜600万人が人生のある時期に皮膚色素過剰の症状を経験すると推定している。また、妊娠した女性の50〜70%で黒皮症(melasma)が生じ、60歳以上の皮膚の色が白い白色人種の約90%が肝斑を発症すると報告されている。高色素沈着は、個人の社会的、感情的、及び心理学的な幸福に深刻な否定的影響を及ぼすことがある。
【0004】
高色素沈着、又は異常に増加した色素沈着若しくはメラニン沈着は、薬物使用(例えばカルシウム拮抗薬)からの局所高色素沈着、青色黒皮症(cyanic melasma)、老年性黒皮症、白斑(vitiglio)、硬化療法後の有害な後遺症、又は炎症後若しくは外傷後応答を含む多数の病因が原因となり得る。他の局所高色素沈着は、妊娠の最中(妊婦肝斑として知られる)、エストロゲン・プロゲスチン(estro−progestative)避妊の後、光感作(photosensitization)により、又は病変後の瘢痕形成により生じ得る。
【0005】
例えば、高色素沈着は、主に過度の太陽露出に起因し、手、顔、前腕でよく見られる、老齢によるしみ、「日光黒子」又は「肝斑」;妊娠した女性の黒皮症(すなわち「妊娠黒皮症」)又は経口避妊薬を摂取した女性の黒皮症;薬物が誘導した又は炎症後の皮膚の色素沈着;及びアジソン病等の病気に関連する皮膚の色素沈着を含む。高色素沈着は一生を通じての太陽露出の蓄積に起因する場合もあり、これは老齢によるしみ又は「太陽により誘導されたそばかす」につながる。また高色素沈着は、内因性遺伝子プロフィール(例えば紫外線(UV)露出がないとメラニンを分泌するメラニン細胞を持つ個人)が原因の場合もある。
【0006】
高色素沈着した皮膚は色々な民族グループの個人にとって美的でないと考えられる場合があり、従ってその個人は皮膚色を薄くすることを希望する。例えば、最初の脱色素クレームは韓国で、アジア人女性の顔色を白くしたいという民族的欲求の結果、10年前に登場した。これら最初の脱色素クリームは水銀化合物を含むものであった。水銀剤は神経毒性を持つため、それ以来禁止されている。
【0007】
世界的規模で最も広く処置されているスキンケア症状は高色素沈着である。高色素沈着の処置は、全体的に皮膚の色を、より民族的又は文化的に受け入れられる色合いにまで薄くしたいという要求、又は、肌の色合い(例えば、特により暗い皮膚での、しみ、傷跡、発疹、及び瘢痕性座瘡により生じたまだらな皮膚の色合い)でさえも救済したいという要求に基づいているということができる。
【0008】
有効で安全な皮膚美白製品に対する要請により、他の多数の皮膚美白剤が開発され有効性がテストされた。現在の高色素沈着の処置には、チロシナーゼ活性を防止するサンスクリーンの使用;ヒドロキノンのような化合物の適用によるメラニン細胞毒性;剥脱;ナイアシンアミドのような化合物を用いたケラチン生成細胞へのメラニン細胞移動の阻害;チロシナーゼの阻害;及びこのような処置の組合せが含まれる。
【0009】
これまで使用されてきた皮膚脱色素剤には、過酸化水素、過酸化亜鉛、過酸化ナトリウム、過酸化ベンゾイル等の過酸化物が含まれる。しかしながら、過酸化物活性は有害な副作用を伴っていることが多い。現在使用されている天然化合物には部分的にメラニン合成及び/又はチロシナーゼ活性を阻害するものがあり、例えば、グルコサミン、ガラクトサミン、マンノサミン、メラニン形成の真の促進因子であるフリーラジカルの阻害に関連している活性を持つある種の植物抽出物がある。また、植物抽出物には、不安定な性質、標準化製品の欠如、及び低い有効性といった欠点がある。ビタミンC及びE並びにそれらのエステルといった抗酸化剤も、メラニン形成の部分的阻害を伴う、中程度の脱色素活性を呈する。しかしそのような抗酸化剤は通常、有効性が十分ではない。さらに、組成物が早くに変色するのを防止するために、通常、ビタミンCの安定で有効性が低い誘導体(例えば、アスコルビル燐酸マグネシウム及びアスコルビル燐酸ナトリウム)が使用される。メラニン細胞内でチロシナーゼとDNA合成の競合的阻害を示すために、アゼライン酸も脱色素剤として使用されている。多数の皮膚美白化合物が毒性及び環境的な懸念を理由に部分的に又は完全に禁止されている。例えば、水銀、ホルモン剤及び酸化剤は皮膚美白剤としては禁止されている。
【0010】
チロシナーゼ阻害剤は高色素沈着処置における化粧用及び医療用製品で重要性を増している。また、モノベンゼン及びヒドロキノンといった2〜3の抗メラニン形成試薬は臨床的に有用である。
【0011】
ヒドロキノン及びその誘導体(ヒドロキノンのモノメチルエーテル及びアルブチン等)は局所組成物で使用される最も一般的な脱色素剤である。ヒドロキノンはチロシナーゼ酵素の阻害を通じてメラニンの産生を妨げることで作用する。ヒドロキノンはチロシンに対して拮抗作用及び競合作用を持つ、チロシナーゼの基質である。ヒドロキノンは有効性が高いが、多数の国が皮膚科医の監督下以外での使用を禁止しているほどヒドロキノンの毒性に関しては重大な懸念がある。処方皮膚美白組成物は重量基準で3%〜5%のヒドロキノンを含んでもよい。しかし、用量は通常2重量%濃度に限られている。なぜなら、ヒドロキノンは不安定で刺激性であり、メラニン生成細胞に細胞毒性があり、長期使用後の白斑の発症と共に、局所的な粒状の高色素沈着及び弾性線維症の形成を誘導する。国際公開第01/17497号公報を参照。この文献を、ここに参照により挿入する。
【0012】
現在の多数の処置はアルブチンとして知られるヒドロキノンの誘導体を含み、この化合物はMitracarpus scaber抽出物、Uva ursi(クマコケモモ)抽出物、Morus bombycis(クワ)、Morus alba(トウグワ)、及びBroussonetia papyrifera(カジノキ)等の多種の抽出物中に低濃度で見つけることができる。アルブチン誘導体も、α−アルブチン、β−アルブチン、デオキシ−アルブチン等の純品化合物として入手できる。これらの化合物は非常に高価で、有効となるのに高濃度(例えば、製剤中1重量%より高い)を必要とするために、アルブチン及び誘導体の製品は市場で少数派となっている。
【0013】
別のチロシナーゼ阻害剤としてコウジ酸があるが、不安定で弱い変異原性を示し、皮膚感作物質で、刺激性である。フェルラ酸は相対的に効果がないチロシナーゼ阻害剤である。グラブリジン(甘草抽出物)は不安定で、純度の懸念があり、高価である。これらチロシナーゼ阻害剤も、標的作用部位、すなわちメラニン生成細胞への皮膚浸透性が低いために相対的に有効性が低い。
【0014】
コウジ酸は、皮膚美白に関し今日使用されている有力な活性薬剤である。コウジ酸は菌類由来で、不安定(例えば経時的に光分解され有効性が減少する);製剤中で経時的に黄色から褐色に変色する傾向;変異原性及び腫瘍促進;感作潜在性を伴う刺激;及び、皮膚接触アレルギーの誘発等の欠点がある。コウジ酸はメラニン産生を有効に阻害することが立証されているが、上述した深刻な欠点がある。コウジ酸ジパルミテートとして知られるコウジ酸の誘導体は製剤中で安定であることが示されているが、皮膚美白効能の決定的証拠が未だ示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開第01/17497号公報
【発明の開示】
【0016】
本発明は、ヒドロキノン2%を含む現在のFDAが承認している店頭販売(OTC)の組成物と比較してより有効に皮膚の色を薄くできるよう、高分子マイクロ粒子輸送システム上に担持され、又はそこに封入されたレチノイド(a)と、コウジ酸又はその誘導体(例えば、コウジ酸ジパルミテート)等の第二皮膚美白剤との組合せを使用することに関する。他の第二皮膚美白剤には、例えばアルブチン、アゼライン酸、種々の植物抽出物が含まれる。
【0017】
本発明は、高色素沈着を処置する方法において使用する化粧用及び皮膚科用組成物に関する。より具体的には、本発明は、比較的高濃度のレチノイドと関連した刺激の低減を促進するために高分子マイクロ粒子輸送システムの使用によって皮膚の色を薄くする能力が増強されたことを示す組成物に関する。本発明によれば、有効な皮膚美白は、高分子マイクロ粒子に封入されたレチノイドを、コウジ酸又はその誘導体(例えば、コウジ酸ジパルミテート)等の第二皮膚美白剤とエマルション組成物中で組み合わせることで達成される。本組成物の有効性は、ヒドロキノンを含む組成物を適用することで得られる皮膚美白に関する業界標準と同等であるか、又は同等に近い。
【0018】
従って、本発明の1つの態様は、高分子マイクロ粒子に担持されたレチノイド(a)と、1以上の第二皮膚美白剤(b)とを含む乳化組成物を提供することである。
【0019】
本方法の別の態様は、1以上の第二皮膚美白剤(a)と、高分子マイクロ粒子に担持されたレチノイド(b)とを含む組成物を、哺乳類の皮膚表面に適用することを含む、ヒトを含む哺乳類における高色素沈着を処置する方法を提供することである。該方法は、例えば老齢によるしみ又は黒皮症が原因の暗色皮膚の色を薄くすることができる。
【0020】
本発明のまた別の態様は、封入されたレチノイド(a)と、1以上の第二皮膚美白剤(b)とを含む乳化組成物、及び、スキンケア製品、局所薬剤製品又は化粧用製品としての前記組成物の使用を提供することである。
【0021】
本発明の上記態様及び他の態様並びに新規の特徴は、好ましい実施形態についての以下の詳細な説明から明らかになろう。
【0022】
高色素沈着を処置する薬剤は、メラニンの生合成を阻害することで作用するものが多い。一例はチロシナーゼ活性を阻害することで、これによりチロシンのメラニンへの変換を妨害する。多数のチロシナーゼ阻害剤が知られており、いくつかは高色素沈着を処置する、すなわち皮膚の色を薄くするのに使用されている。効力があるチロシナーゼ阻害剤の1つとしてレチノイドがある。
【0023】
ここで使用されるように、用語「高色素沈着」は、過度の暗色という、現実の又は認識された皮膚障害である。皮膚障害は、老齢、過度の太陽露出、又は、暗色の皮膚領域につながる病気又は症状が原因となって、現実のものになり得る。暗色の皮膚領域は、しみ、できもの、暗色の比較的大きな領域という形をとり得る。また、皮膚障害は、自分の皮膚の色調が暗すぎるという個人の認識によって認識されたものでもあり得る。その個人が皮膚の色調を薄くしたいという化粧上の欲求を持つ。
【0024】
従って、本発明の組成物は、種々の皮膚高色素沈着の処置(例えば、黒皮症、すなわち顔や他の体部での色素沈着の暗色の斑点、の脱色)で、又は、皮膚の色素沈着の自発的ホワイトニングのために有用である。
【0025】
通常、暗色皮膚はメラニン値の上昇が原因である。本発明によれば、その組成物及び方法は、高色素沈着を処置する(すなわち、暗色皮膚の色を薄くする)、又は高色素沈着を予防する(すなわち、過剰量のメラニン産生を低減又は除去することで皮膚の黒ずみを妨害する)のに使用できる。従って、本発明は、高分子マイクロ粒子に封入されたレチノイド(a)と、コウジ酸及びコウジ酸誘導体等の1以上の第二皮膚美白剤(b)とを含む組成物、並びに、高色素沈着を処置する方法における該組成物の使用に関する。
【0026】
本組成物及び方法における1つの活性薬剤はレチノイドである。レチノイドは限定されないが、例えば、レチノール、レチナール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、レチノイン酸、及びこれらの混合物であり得る。本発明によれば、レチノールは高分子マイクロ粒子に担持される。
【0027】
本発明で有用な吸収性高分子マイクロ粒子は、レチノイド等の液状化合物を、自身の重量の数倍吸収する能力を持つ。吸着性マイクロ粒子の好ましい一種類は、米国特許第5,677,407;5,712,358;5,777,054;5,830,967;5,834,577;5,955,552;及び6,107,429号(各文献をここに参照により挿入する)で説明されているような懸濁重合技術により調製される(AMCOL International,ホフマン・エステーツ、イリノイ州からのメタクリル酸アリル共重合体、POLY−PORE(登録商標)E200,INCI名という商標で市販品が入手可能)。吸着性マイクロ粒子の好ましい別の種類は、米国特許第5,830,960;5,837,790;6,248,849;及び6,387,995号(各文献をここに参照により挿入する)で説明されているような沈降重合技術により調製される(AMCOL International,ホフマン・エステーツ、イリノイ州によりPOLY−PORE(登録商標)L200という商標で販売)。これら吸着性マイクロ粒子は、米国特許第6,491,953号(この文献をここに参照により挿入する)で説明されているように、活性化合物の配合後に改変して、当該化合物の放出速度を変更することもできる。
【0028】
沈降重合技術により調製される吸着性重合体の有用な別の種類は、米国特許第4,962,170;4,948,818;及び4,962,133号(各文献をここに参照により挿入する)で開示されており、AMCOL Internationalから商標POLYTRAP(登録商標)として市販されている。市販されている別の有用な吸着性重合体には、例えば、AMCOL Internationalから入手できるMICROSPONGE(登録商標)(メタクリル酸メチルとエチレングリコールジメタクレリートの共重合体)、及び、Biopore社、マウンテンビュー、カリフォルニアから入手できるポリ−HIPE重合体(例えば、アクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン、及びジビニルベンゼンの共重合体)が含まれる。
【0029】
特に、懸濁重合技術により調製された吸着性高分子マイクロ粒子、例えばPOLY−PORE(登録商標)E200は、高度に多孔質で、高度に架橋された重合体であり、開かれた(壊れた)球体の形状を持ち、球体断面は約0.5〜約3000ミクロン、好ましくは約0.5〜約300ミクロン、より好ましくは約0.5〜約100ミクロン、最も好ましくは約0.5〜約80ミクロンの平均単位粒径を特徴とする。大部分の球体は径が約20ミクロンである。
【0030】
高分子マイクロ粒子は吸油性及び吸水性であり、約0.008gm/cc〜約0.1gm/cc、好ましくは約0.009gm/cc〜約0.07gm/cc、より好ましくは約0.0095gm/cc〜約0.04〜0.05gm/ccという極めて低いかさ密度を持つ。マイクロ粒子は、親水性(すなわち水に溶解可能又は分散可能)の活性薬剤と共に、親油性(すなわち油に溶解可能又は分散可能)の活性薬剤を個別に、又は、親油性化合物と親水性化合物を同時に、保持し又は放出することができる。
【0031】
懸濁重合技術により調製された吸着性高分子マイクロ粒子には、少なくとも2つのポリ不飽和モノマー(好ましくはアリルメタクリレートとエチレングリコールジメタクリレート)及び場合によりモノ不飽和モノマーが含まれる。重合後のポロゲン(porogen)除去時の粒子破砕か、又は次の製粉いずれかを原因として、マイクロ粒子はその内部に向けて開かれている点を特徴とする。マイクロ粒子は約50ミクロン、好ましくは約25ミクロンという平均単位径を持ち、吸着された物質と重合体の乾燥重量の合計量に対する吸着された物質の重量比として算出した場合に、少なくとも約72重量%、好ましくは少なくとも約93重量%である、有機液体(例えば鉱油)の総吸着能力を持ち、約70重量%〜約89重量%、好ましくは約75重量%〜約89重量%という、親水性化合物及び水溶液の吸着能力を持つ。好ましい実施形態では、壊れた球状のマイクロ粒子は、約1〜約50ミクロン、より好ましくは約1〜約25ミクロン、最も好ましくは約1〜約20ミクロンの平均単位径を特徴とする。
【0032】
好ましい高分子マイクロ粒子輸送システムは、アリルメタクリレートとエチレングリコールジメタクリレートの共重合体、エチレングリコールジメタクリレートとラウリルメタクリレートの共重合体、メチルメタクリレートとエチレングリコールジメタクリレートの共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート、スチレン及びジビニルベンゼンの共重合体、並びにこれらの混合物を含む。本発明で有用な具体的な高分子マイクロ粒子は、例えば、前述したPOLY−PORE(登録商標)E200,POLY−PORE(登録商標)L200,POLYTRAP(登録商標)6603,POLYTRAP(登録商標)7603,MICROSPONGE(登録商標)封入剤,又はポリ−HIPE粒子であってよい。
【0033】
活性薬剤(例えばレチノイド)の輸送システムとして機能するために、活性薬剤は高分子マイクロ粒子に取り込まれる。これは、すべてのマイクロ粒子において活性成分の本質的に均一な分散が達成されるように、活性薬剤をマイクロ粒子に直接噴霧するか又は添加することで達成され得る。あるいは、活性薬剤が固体の化合物である場合には、まず活性薬剤を適切な揮発性溶媒に溶解し、得られた溶液をマイクロ粒子に添加した後、揮発性溶媒を任意の穏やかな加熱下で減圧下除去する。ある場合には、活性薬剤の所望の担持量を達成するために、このプロセスを数回繰り返す。揮発性溶媒に溶解しにくい固体の活性薬剤を担持する他の方法では、まず当該固体をポリエーテル又はポリオール等の適切な担体に分散した後、該分散体を高分子マイクロ粒子に直接添加する。
【0034】
活性成分が室温(すなわち約23〜25℃)で固体の物質である時には、高分子マイクロ粒子中又は高分子マイクロ粒子上の活性薬剤の担持量は、担持したマイクロ粒子の総量に対して約1〜約80重量%であってよく、好ましい量は約5〜約67重量%であり、より好ましい量は約10〜約50重量%である。
【0035】
ある場合には、活性薬剤が封入された後、担持されたマイクロ粒子に第二の物質(通常、液状又はろう質の物質)を添加することで活性薬剤をさらに保護することが可能である。この方法は反応性の活性薬剤において特に有効である。活性薬剤を封入した後、マイクロ粒子からの活性薬剤の急速な拡散を防止するために、担持されたマイクロ粒子に対しバリヤ層(すなわち第二封入剤)を任意に適用することができる。また、バリヤ層の融点は、マイクロ粒子が最終の処方製品での保存中か又は最終製剤の促進老化中のいずれかに経験する最も高い温度よりも高い温度で当該バリヤ層が融解するように選択することができる。
【0036】
バリヤ層又は第二封入剤として使用可能な物質の例は限定されないが、低融点アルコール(C〜C20)、及び、1〜3モルのエチレンオキシドでエトキシ化された脂肪族アルコールが含まれる。脂肪族アルコール及びアルコキシ化脂肪族アルコールの例は限定されないが、ベヘニルアルコール、カプリルアルコール、セチルアルコール、セテアリル(cetaryl)アルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、イソセチルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、獣脂(タロー)アルコール、stearety−2,ceteth−1,cetearth−3,及びlaureth−2が含まれる。更なる脂肪族アルコール及びアルコキシ化アルコールが、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第10版、第3巻、2127頁及び2067〜2073頁(2006年)(この文献をここに参照により挿入する)に掲載されている。
【0037】
バリヤ層として使用可能な物質の別の種類はC〜C12脂肪酸であり、限定されないが、ステアリン酸、カプリン酸、ベヘン酸、カプリル酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、獣脂(タロー)酸、オレイン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸の他、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第10版、第3巻、2126〜2127頁(この文献をここに参照により挿入する)に掲載されている脂肪酸が含まれる。またバリヤ物質は、鉱油、1−デセンダイマー、ポリデセン、パラフィン、ワセリン(petrolatum)、植物由来のワセリン又はイソパラフィン等の炭化水素であってもよい。
【0038】
バリヤ物質の別の種類は、例えばミンク・ワックス、カルナバ・ワックス、及びキャンデリラ(candelilla)・ワックス等のワックス、並びに、シリコーンワックス、ポリエチレン、及びポリプロピレン等の合成ワックスである。油脂は有用なバリヤ物質であり得る。限定されないが、例えば、ラノリン油、亜麻仁油、ココナツ油、オリーブ油、ニシン油、ヒマシ油、大豆油、タール油、菜種油、パーム油、及び牛脚油の他、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第10版、第3巻、2124〜2126頁に掲載されている油脂が含まれる。バリヤ物質の別の有用な種類には、少なくとも10個の炭素原子、好ましくは10〜約32個の炭素原子を持つ水不溶性エステルが含まれる。多数のエステルがInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第10版、第3巻、2115〜2123頁に掲載されている。
【0039】
あるいは、活性薬剤は、溶融したワックス状物質と混合した後、マイクロ粒子輸送システム中に封入することができる。液状の活性薬剤の場合、バリヤ物質として上述したワックス状物質は、液状の活性薬剤を高粘度化することでマイクロ粒子からの活性薬剤の早期拡散を最小化するための添加剤としても使用できる。
【0040】
ワックス状物質の量は担持されたマイクロ粒子の重量基準で約10%〜約67%であってよい。より好ましい実施形態では、ワックス状物質の量は担持されたマイクロ粒子の総量基準で約25%〜約50重量%である。
【0041】
高分子マイクロ粒子上に担持されてよい、また当該粒子により封入されてよいレチノイドには、ビタミンA(チレノール)の一般的構造を持つ天然由来化合物及び合成化合物の双方、並びに、レチノールと同様の生物活性及び薬理活性を持つ構造の変異体が含まれる。レチノイドの例は限定されないが、レチノール、レチナール、酢酸レチニル、パルミチン酸レチニル、レチノイン酸、プロピオン酸レチニル、リノール酸レチニル、デヒドロレチノール、エレチネート(eretinate)、エレトリン(eretrin)、モトレチニド(motretinide)、及びこれらの混合物が含まれる。米国特許第5,851,538号を参照によりここに挿入するが、他にも有用なレチノイドを開示する。
【0042】
高分子マイクロ粒子輸送システム(例えば、米国特許第5,851,538号、参照によりここに挿入する)は、安定性を改善し、レチノイドと、レチノール等その類似体の使用に関連した刺激を低減することが示されている。製剤の安定性と皮膚刺激はいずれも、これら有効性の高い化合物(特に皮膚美白において最も高い有効性を提供する比較的高濃度のレチノールで)の使用に関連することが多い問題である。
【0043】
米国特許第6,896,890号(参照によりここに挿入する)は、フリーのヒドロキノンと共に、マイクロ粒子輸送システムでのレチノールの封入に加えて、マイクロ粒子輸送システムに封入されたヒドロキノンを含む水中油型エマルションを開示し、フリーのヒドロキノンのみを含むコントロールのエマルションと比較して改善された安定性を立証する。
【0044】
本組成物の別の成分は1以上の第二皮膚美白剤であり、例えば、コウジ酸、その誘導体、及びこれらの混合物である。1以上の皮膚美白剤はフリーの状態で存在し、すなわち、高分子マイクロ粒子に担持されていない。1以上の第二皮膚美白剤は、組成物の約0.1重量%〜約5重量%、好ましくは約0.25重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約2重量%の量で組成物中に存在する。
【0045】
コウジ酸及びその誘導体に加えて、1以上の第二皮膚美白剤は、アゼライン酸、ヒドロキノン、ヒドロキノンのモノベンジルエーテル又はモノメチルエーテル、メキノール(mequinol、4−ヒドロキシアニソール)、グラブリジン(glabridin、甘草抽出物)、アスコルビル燐酸マグネシウム、Arctostaphylos patula及び/又はArctostaphylos viscidaの抽出物、Emblica officinalisの抽出物、グルコサミン、ガラクトサミン、マンノサミン、Mitracarpus scaber抽出物、Uva ursi(クマコケモモ)抽出物、Morus bombycis(クワ)抽出物、Morus alba(トウグワ)抽出物、及びBroussonetia papyrifera(カジノキ)抽出物、α−アルブチン、β−アルブチン、及びデオキシ−アルブチン等のアルブチン、アスコルビル燐酸ナトリウム、過酸化水素、過酸化亜鉛、過酸化ナトリウム、又は過酸化ベンゾイル等の過酸化物、システイン、4−チオレゾルシン、3−アミノチロシン、5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメタ−γ−ピリドン、fomesjaponicus及びガノダーマ抽出物、グリシルリジン酸、ヒドロキノンβ配糖体、catharanthus roseus抽出物、プロテオグリカン、プロティナーゼ阻害剤、オリゴペプチド、ベタイン、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシ安息香酸、並びにこれらの混合物であってよい。
【0046】
特に好ましい第二皮膚美白剤はコウジ酸(5−ヒドロキシ−4−ピラン−4−オン−2−メチル)、及び、米国特許第4,369,174号(参照によりここに挿入する)に開示されているようなコウジ酸の脂肪族エステルである。コウジ酸エステルは以下の構造式を持つ:
【化1】


式中、各Rは、独立して、2−19個の炭素原子を含む脂肪族基である。各R基もまた、任意に及び独立して、1以上の(例えば1又は3個の)OH及び/又はCOH基で置換されてもよい。米国特許第4,369,174号で開示されているコウジ酸エステルは、コウジ酸と、C−C20脂肪族カルボン酸、好ましくはC−C20脂肪族カルボン酸とから調製される。脂肪族カルボン酸は飽和でも不飽和でもよく、ジカルボン酸でもヒドロキシカルボン酸でもよい。好ましいコウジ酸エステルは、コウジ酸ジパルミテート、コウジ酸ジステアレート、コウジ酸ジオレエート、コウジ酸ジミリステート、及びコウジ酸ジカプリレートである。特に好ましくはコウジ酸ジパルミテートである。
実施例1
【0047】
高分子マイクロ粒子に担持された封入レチノールと、フリーの、封入されていないコウジ酸ジパルミテートとの組合せを含む以下の水中油型エマルションを次のように調製した。
成分 重量%
相A 1 脱イオン水 63.83
2 珪酸マグネシウム・アルミニウム 0.5
3 グリセリン 3
4 NaEDTA 0.2
5 トリエタノールアミン 0.6
6 メチルパラベン 0.2
相B 7 レシノール酸セチル 2
8 セチルアルコール 2
9 C10−30コレステロール/ラノステロールエステル 2.5
10 乳化ワックスNF 4.5
11 ジメチコーン(350cst) 2
12 ビタミンEアセテート 0.3
13 PEG−10大豆ステロール 0.5
14 ステアリン酸 1
15 リン酸アスコルビル 0.05
16 BHT 0.2
17 シクロメチコーン 1
18 トリカプリル/カプリン酸グリセリル 6
19 リン酸セチル 1
20 PEG−100ステアレート 2.5
21 コウジ酸ジパルミテート 1.3
22 アルファ・ビサボロール 0.1
相C 23 マイクロスポンジレチノール封入剤 0.72
(約23.5%のレチノールを含む)
24 脱イオン水 2.5
25 ベンジルアルコール 1
26 フェノキシエタノール 0.5
【0048】
製造手順:相Aの成分を混合して75℃に加熱する。相Bの成分を合わせて75℃に加熱する。相Aに相Bを加えて、均一なエマルションが形成されるまで均一化する。エマルションを45℃以下に冷却して、必要に応じて均一化しつつ相Cに加える。室温まで冷却し、エマルションを包装する。
実施例2
【0049】
高分子マイクロ粒子に担持された封入レチノールと、フリーの、封入されていないアルファ・アルブチン及び甘草抽出物との組合せを含む以下の水中油型エマルションを次のように調製した。
成分 重量%
相A 水 53.09
珪酸マグネシウム・アルミニウム 0.5
NaEDTA 0.2
NaOH(50重量%) 0.1
グリセリン 3
セテアリル配糖体 0.5
相B レシノール酸セチル 2
ステアリン酸グリセリン 2
セチルアルコール 3
リン酸セチル 1.5
ジメチコーン,350cst 2.5
シアバター 0.5
ステアリン酸 0.5
ビタミンEアセテート 0.1
BHT 0.1
シクロメチコーン 1.5
トリカプリル/カプリン酸グリセリル 8
相C 水 5
マイクロスポンジレチノール封入剤 0.8
(約23.5%のレチノールを含む)
アルファ・アルブチン 1
水 10
ブチレングリコール 3
甘草抽出物 0.01
アルファ・ビサボロール 0.1
Euxyl 9010(Schulke Mayr) 1
【0050】
製造手順:相Aの成分を一緒に80〜85℃で混合する。相Bの成分を一緒に80〜85℃で混合する。相Aに相Bを混合しつつ加えた後、高剪断ミキサーを用いて相を均一化してエマルションを形成する。エマルションを45℃未満に冷却して、相Cの成分を加える。製品を光と酸素から保護するように注意する。
実施例3
【0051】
実施例1のエマルションの刺激可能性を、第二皮膚美白剤を含まない市販のレチノールクレーム(ROCレチノールCorrexion深シワクリーム)と比較した。市販クリームは0.11重量%のレチノールを含むが、実施例1の製剤はHPLCにより分析すると0.17重量%のレチノールを含む。累積刺激試験(N=20)は、2つの組成物の対照分析を通じて行なった。各組成物(0.2g)を低刺激性の密封パッチ上にセットし、各パネリストがそのパッチを24時間装着した。24時間の終了時に、訓練された技術者がパッチを除去し、5点基準で皮膚刺激を判定した。このプロセスを合計14日繰り返した。累積スコアはパネリストそれぞれの個々の数値を合計して決定した。95%信頼水準を用いてPスコアを決定するのにT−テストを用いた。以下の表にまとめた結果より、実施例1の組成物は市販品よりもレチノールを54%多く含むにも関わらず、実施例1の組成物についての刺激スコアは70%低く、統計的に有意であることが分かる。
【表1】


実施例4
【0052】
実施例1の組成物の有効性を測定するため臨床試験を行なった。ここでは、10人のパネリストが顔の半面に実施例1の組成物を塗布した。顔の反対側半面には、各人がヒドロキノン2%を含む市販のヒドロキノン含有品(Porcelana Fade Dark Spots Nighttime Treatment)を塗布した。この塗布を朝と夜の1日2回繰り返した。組成物を朝に塗布した後、日中の皮膚への太陽の作用を最小限にするためサンスクリーン(SPF55)を皮膚に塗布した。通常の光、偏光、及びUVA光を用いて時間=0、4、8、13週でパネリストの写真を撮影した。写真の結果を二人の専門判定者により判定した。各製品は、自己評価に加えて、専門判定者により有効であるとされた。3種類の照明技術すべてで、判定者は、各評価日で顔の両側でいくらかの改善があったが、実施例1で処置したほうの顔面と、市販品で処置したほうの顔面では改善の度合いに違いはなかったと判断した。従って、実施例1の製品は市販品と同様に作用する。
【0053】
さらに、この試験のパネリストは2つの製品の性能を評価した。この段階の試験では、パネリストの70%〜80%が実施例1のエマルションにより老齢によるしみが色あせたと判断し、パネリストの50%〜70%がコントロール製品により老齢によるしみが色あせたと判断した。これらの結果には統計学的な差異は存在しないが、この結果より、パネリストが2つの製品には少なくとも同等の有効性があると感じたことが分かる。
【0054】
また本組成物は任意の第二有効皮膚美白剤を含んでもよい。有用な第二有効皮膚美白剤は限定されないが、皮膚エクスフォリエーター;ベンジルヒドロキノンエーテル等の、ヒドロキノン又はその誘導体、アスコルビル燐酸マグネシウム等の、アスコルビン酸又はその誘導体;コーヒー酸又はそのエステル;5−又は6−ヒドロキシベンゾフラン等のベンゾフラン;甘草、クワ、ヘザー、及びangelica ashitaba等の植物抽出物;真珠抽出物;ヒドロコルチゾン型等のステロイド系抗炎症剤;アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、ナプロキセン、およびfenamic酸誘導体(ナトリウム塩等)からなる群より選択される非ステロイド系抗炎症剤;アルファ・ビサボロール、ベータ・グリシルレチン酸、アラントイン、アロエ抽出物、ロスマリン酸、アズレン又はその誘導体、asiaticoside、sericoside、ruscogenin、escin、escolin、ケルセチン、ルチン、ベツリン酸又はその誘導体、カテキン又はその誘導体等の抗炎症薬;並びにこれらの混合物が含まれる。
【0055】
本組成物は、パーソナルケア、化粧用、及び皮膚科用組成物で有用である。本組成物はレチノイドの効果的な輸送を提供し、刺激なく皮膚の色を薄くする。得られた皮膚美白用の組成物は、皮膚美白と、皮膚美白とは異なる第二の化粧用又は治療用効果の双方を達成するために、任意の第二有効皮膚美白剤に加えて、又は、これの代わりに、他の局所適用活性薬剤と共に製剤化されてもよい。
【0056】
本発明の重要な特徴によれば、第二の化粧用又は治療用効果を提供するための局所適用化合物は、水溶性又は油溶性いずれかの多種多様な化合物のいずれかでよい。
【0057】
従って、このような局所適用活性化合物は、化粧用化合物、医学的活性化合物、化粧品若しくはパーソナルケアで用いられる化合物、又は、皮膚への局所適用時に有用である他の化合物、のうちの1つ又は混合物であってよい。このような局所活性薬剤は限定されないが、皮膚ケア化合物、植物抽出物、抗酸化剤、防虫剤、反対刺激剤、ビタミン、ステロイド、抗菌化合物、抗真菌剤、消炎性化合物、局所麻酔剤、サンスクリーン、光学的光沢剤、及び他の化粧用及び医療用局所有効化合物が含まれる。
【0058】
例えば、スキンコンディショナーは局所適用化合物であり得る。スキンコンディショナーは限定されないが、湿潤剤、果糖、ブドウ糖、グリセリン、プロピレングリコール、glycereth−26、マンニトール、尿素、ピロリドンカルボン酸、加水分解レシチン、ヤシベタイン、塩酸システイン、グルカミン、PPG15、グルコン酸ナトリウム、アスパラギン酸カリウム、オレイルベタイン、チアミン塩酸塩、ラウレス硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、蛋白質加水分解物、加水分解ケラチン、アミノ酸、アミン・オキシド、ビタミンA、EとDの水溶性誘導体、アミノ機能性シリコーン、エトキシ化グリセリン、アルファ・ハイドロキシ酸及びその塩、PEG−24水添ラノリン等の脂肪油誘導体、並びに、これらの混合物が含まれる。他のスキンコンディショナーが多数、CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,第一版,J.Nikotakis編,The Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association(1988),(以後、CTFAハンドブックという),79−84頁(参照によりここに挿入する)に掲載されている。
【0059】
またスキンコンディショナーは、少なくとも10個の炭素原子、好ましくは10〜約32個の炭素原子を持つ水溶性エステルであってもよい。好適なエステルとしては、約8〜約20個の炭素原子を持つ脂肪族アルコールと、2〜約12個の炭素原子を含む脂肪族若しくは芳香族カルボン酸とを含むもの、あるいは、逆にいえば、約8〜約20個の炭素原子を含む脂肪族若しくは芳香族カルボン酸との2〜約12個の炭素原子を持つ脂肪族アルコールが挙げられる。該エステルは直鎖でも分岐状のものでもよい。従って好適なエステルは限定されないが、例えば、以下が含まれる:
(a)脂肪族一価アルコールエステル、限定されないが、以下が挙げられる:
プロピオン酸ミリスチル、
イソステアリン酸イソプロピル、
ミリスチン酸イソプロピル、
パルミチン酸イソプロピル、
酢酸セチル、
プロピオン酸セチル、
ステアリン酸セチル、
ネオペンタン酸イソデシル、
オクタノン酸セチル、
ステアリン酸イソセチル;
(b)多価カルボン酸の脂肪族ジ−及びトリ−エステル、限定されないが、以下が挙げられる:
アジピン酸ジイソプロピル、
フマル酸ジイソステアリル、
アジピン酸ジオクチル、及び
クエン酸トリイソステアリル;
(c)脂肪族多価アルコールエステル、限定されないが、以下が挙げられる:
ジペラルゴン酸プロピレングリコール;
(d)芳香族酸の脂肪族エステル、限定されないが、以下が挙げられる:
安息香酸のC12−C15アルコールエステル、
サリチル酸オクチル、
安息香酸スクロース、及び
フタル酸ジオクチル。
他のエステルが多数、CTFAハンドブックの24〜26頁に掲載されている。参照によりここに挿入する。
【0060】
また局所適用化合物は、ジスチリルビフェニル誘導体、スチルベン若しくはスチルベン誘導体、pyralozine誘導体、又はクマリン誘導体等の、酸化防止剤又は光学的光沢剤でもよい。局所適用化合物として有用な光学的光沢剤は、日光スペクトルの不可視UV部分を吸収し、このエネルギーを、より波長が長いスペクトルの可視部に変換することが可能ないずれかの化合物であり得る。光学的光沢剤は基材上では無色であり、スペクトルの可視部ではエネルギーを吸収しない。光学的光沢剤は通常、スチルベンの誘導体又は4,4′−ジアミノスチルベン、ビフェニル、5員複素環(例えば、トリアゾール、オキサゾール、若しくはイミダゾール)、又は6員複素環(例えば、クマリン、ナフタルアミド、若しくはs−トリアジン)である。
【0061】
光学的光沢剤はTINOPAL(登録商標)、LEUCOPHOR(登録商標)、及びCALCOFLUOR(登録商標)など多数の商標で入手できる。具体的な蛍光化合物は限定されないが、例えば、TlNOPAL(登録商標)5BM、CALCOFLUOR(登録商標)CG、及びLEUCOPHOR(登録商標)BSBが挙げられる。
【0062】
さらに、他の化合物が、局所活性化合物として、その目的とする機能を果たすのに十分な量で、本組成物に含まれてもよい。例えば、ベンゾフェノン−3、タンニン酸、尿酸、キニーネ塩、ジヒドロキシナフトール酸、アントラニレート、p−アミノ安息香酸、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、PEG−25、又はp−アミノ安息香酸等のサンスクリーン化合物が局所適用化合物として使用できる。さらに、ジオキシベンゾン、4−[ビス(ヒドロキシプロピル)]アミノ安息香酸エチル、アミノ安息香酸グリセリル、ホモサラート、アントラニル酸メチル、オクトクリレン、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン、パディメートO、赤ペトロラタム、二酸化チタン、4−メチルベンジリデンカンファー、ベンゾフェノン−1、ベンゾフェノン−2、ベンゾフェノン−6、ベンゾフェノン−12、イソプロピルジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、zotocrylene、又は酸化亜鉛等のサンスクリーン化合物を、局所適用化合物として使用できる。他のサンスクリーン化合物がCTFAハンドブックの86〜87頁に掲載されている。参照によりここに挿入する。
【0063】
同様に、抗真菌剤、抗菌化合物、消炎性化合物、局所麻酔剤、皮膚発疹、皮膚病及び皮膚炎治療薬、並びに、かゆみ止め及び炎症緩和化合物等の局所適用薬剤を本発明の組成物における活性薬剤として使用できる。例えば、ベンゾカイン、塩酸ジクロニン、アロエベラ等の鎮痛薬;ピクリン酸butamben、塩酸リドカイン、キシロカイン等の麻酔薬;ポビドンヨード、ポリミキシンbスルフェート−バシトラシン、亜鉛−硫酸ネオマイシン−ヒドロコルチゾン、クロラムフェニコール、塩化エチルベンゼトニウム、エリスロマイシン等の抗菌剤及び防腐剤;リンデン等の駆虫薬;過酸化ベンゾイル、エリスロマイシン過酸化ベンゾイル、リン酸クリンダマイシン、5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシキノリン等の、にきび薬のような実質的にすべての皮膚科薬;ジプロピオン酸アルクロメタゾン、吉草酸ベタメタゾン等の抗炎症薬;o−アミノ−p−トルエンスルホンアミド・モノアセテート等のやけど用軟膏;活性ステロイドアムシノニド、酢酸ジフロラゾン、ヒドロコルチゾン等の皮膚炎用薬剤;塩化メチルベンゼトニウム等のおむつかぶれ用薬剤;鉱油、PEG−4ジラウレート、ラノリン油、ペトロラタム、ミネラルワックス等の皮膚軟化剤及び保湿剤;硝酸ブトコナゾール、ハロプロジン、クロトリマゾール等の殺菌剤;O−[(2−ヒドロキシメチル)−メチル]グアニン等のヘルペス治療薬;ジプロピオン酸アルクロメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ミリスチン酸イソプロピルMSD等の掻痒薬;アントラリン、メトキサレン、コールタール等の、乾癬、脂漏症、疥癬虫殺虫剤;2−(アセチルオキシ)−9−フルオロ−1′,2′,3′,4′−テトラヒドロ−ll−ヒドロキシプレグナ−l,4−ジエノ−[16,17−b]ナフタレン−3,20−ジオン、及び、21−クロロ−9−フルオロ−1′,2′,3′,4′−テトラヒドロ−llb−ヒドロキシプレグナ−1,4−ジエノ−[16,17−b]ナフタレン−3,20−ジオン等のステロイド。アラントイン等の皮膚保護薬やサリチル酸等の抗ニキビ剤のような局所投与が可能な他の薬剤いずれも、本発明の組成物に、その目的とする機能を達成するのに十分な量で配合することができる。他の局所適用化合物は、Remington′s Pharmaceutical Sciences,第17版、Mack Publishing社,イーストン,PA(1985),773−791頁及び1054−1058頁(以後、Remington′sという)に掲載されている。参照によりここに挿入する。
【0064】
局所活性化合物は植物抽出物又は天然油でもよい。限定されないが、植物抽出物は、アルファルファ、アロエベラ、アムラ(amla)果実、アンゼリカ根、アニス種子、りんご、アプリコット、アーティチョーク葉、アスパラガス根、バナナ、メギ、大麦芽、ハチ花粉、ビート葉、コケモモ果実、カバノキ葉、苦瓜、クロフサスグリ葉、ブラックペッパー、クログルミ、ブルーベリー、ブラックベリー、ゴボウ、にんじん、トウガラシ、セロリシード、チェリー、ハコベ(chickwood)、コーラナット、トウモロコシの毛、クランベリー、たんぽぽ根、ニワトコの実、ユーカリ葉、亜麻油粉末、根生姜、イチョウ葉、チョウセンニンジン、セイタカアワダチソウ、ヒドラスチス、ブドウ、グレープフルーツ、グアヴァ、ハイビスカス、杜松、キウイ、葛、レモン、甘草根、ライム、モルト、マリーゴールド、没薬、オリーブ葉、オレンジ果実、オレンジピール、オレガノ、パパイア果実、パパイア葉、パッションフルーツ、モモ、洋梨、松樹皮、プラム、ざくろ、スモモ、キイチゴ、大黄根、ローズマリー葉、セージ葉、スペアミント葉、トモエソウ(St.Joen‘s wart)、いちご、スイートクローバー(sweet clove)、タンジェリン、スミレハーブ、クレソン、スイカ、柳の樹皮、ヒメコウジ葉、アメリカマンサク樹皮、ヨヒンベ、およびユッカ根から得られるものである。天然油の例は、ぬか油である。
【0065】
本組成物は、従来から化粧用、皮膚科用、医療用、及び他の同様の組成物に含まれている他の成分と混合することができる。これら成分は限定されないが、染料、香料、保存料、酸化防止剤、粘度調整剤(detackifying agnet)、及び同様の種類の化合物が含まれる。これら成分は、その目的とする機能を果たすのに十分な量で該組成物に含まれる。
【0066】
以下の追加成分は通常、本組成物に含まれる。これら成分の各々及び他のいかなる成分も、高色素沈着の処置に関してレチノイドを担持したマイクロ粒子とコウジ酸及び/又はコウジ酸誘導体の有効性を害することなく、その目的とする機能を果たすのに十分な量で存在する。
【0067】
例えば、本組成物は界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤はアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又は複数の界面活性剤の混合可能な混合物であり得る。界面活性剤は両性の界面活性剤でもよく、これは組成物のpHに応じてアニオン又はカチオンの性質を持つ。
【0068】
本組成物は、屈水性誘発物質(hydrotrope)を含有してもよい。屈水性誘発物質とは他の物質の水溶性を高める能力を持つ化合物である。屈水性誘発物質の具体例は特に限定されないが、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸アンモニウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸カリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸、及びキシレンスルホン酸が含まれる。他の有用な屈水性誘発物質には、ポリナフタレンスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、メチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、樟脳スルホン酸ナトリウム、及びコハク酸2ナトリウムが含まれる。
【0069】
また本組成物は、更に有機溶媒を含有してもよい。該溶媒は、1〜6個、通常1〜3個の水酸基を含む水溶性有機化合物、例えばアルコール、ジオール、トリオール、及びポリオールであってよい。溶媒の具体例は限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、n−プロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビット、PEG−4、1,5−ペンタンジオール、同様の水酸基含有化合物、及びこれらの混合物が含まれる。該溶媒は、水又は非プロトン性溶媒、例えばジメチルスルホキシド又はテトラヒドロフランであってもよい。
【0070】
また本組成物は、増粘剤又はゲル化剤を含有してもよい。増粘剤又はゲル化剤は、例えば、水に溶解し得るか又は水中でコロイド溶液を生成する重合体であり得る。従って、増粘剤又はゲル化剤は、例えば、重合体又は共重合体不飽和カルボン酸又は不飽和エステル、多糖誘導体、ゴム、コロイド状シリケート、ポリエチレングリコール(PEG)及びその誘導体、ポリビニルピロリドン及びその誘導体、ポリアクリルアミド及びその誘導体、ポリアクリロニトリル、親水性シリカゲル、又はこれらの混合物であってよい。
【0071】
具体的な増粘剤又はゲル化剤は、例えば、アクリル及び/又はメタクリル重合体又は共重合体、ビニルカルボン酸重合体、アクリル酸又はメタクリル酸ポリグリセリル、ポリアクリルアミド誘導体、セルロース又はでんぷん誘導体、キチン誘導体、アルギン酸塩、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸、キサンタン、ジェラン、ラムザン(Rhamsan)、カラヤゴム又はグアーガム、イナゴマメ粉、及び、モンモリロナイト型のコロイド状ケイ酸マグネシウム・アルミニウムであってよい。
【0072】
別の増粘剤又はゲル化剤としては、商標CARBOPOL(登録商標)として市販のビニルカルボン酸重合体(グッドリッチ)、アクリル酸/アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸/メタクリル酸ステアリル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルグアー、コロイド状ヘクトライト、ベントナイト等が挙げられる。
【0073】
本組成物に含まれる他の種類の任意成分は限定されないが、pH調整剤、キレート剤、防腐剤、緩衝剤、泡安定剤、乳白剤、及び当業者に知られる同様の種類の成分であってよい。具体的な任意成分としては、緩衝剤としての無機リン酸塩、硫酸塩及び炭酸塩;キレート剤としてのEDTA及びリン酸塩;並びに、pH調整剤としての酸及び塩基が挙げられる。
【0074】
塩基性pH調整剤の限定されない例は、アンモニア;モノ−、ジ、及びトリ−アルキルアミン;モノ−、ジ、及びトリ−アルカノールアミン;アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物;及びこれらの混合物である。塩基性pH調整剤の限定されない具体例は、アンモニア;ナトリウム、カリウム、及びリチウム水酸化物;モノエタノールアミン;トリエチルアミン;イソプロパノールアミン;ジエタノールアミン;及び、トリエタノールアミンである。酸性pH調整剤の例は、鉱酸及び有機カルボン酸である。鉱酸の限定されない例は、クエン酸、塩酸、硝酸、燐酸、および硫酸である。
【0075】
パーソナルケア分野では、本組成物は、化粧用下地及び下塗り、バスカプセル(bath capsule)、バスオイル、バスタブレット(bath tablet)、バスソルト、浴用石鹸、頬紅、顔、ボディー及びハンドクリーム並びにローション、化粧用ファンデーション、ホルモンクリーム及びローション、脚及びボディーペイント、化粧下地、化粧定着剤、仕上げ用化粧品、保湿クリーム及びローション、夜用クリーム及びローション、ペースト状マスク、スキンケア製品、皮膚清涼剤、スキンライトナー、トニック、ドレッシング、しわ伸ばし用クリーム及びローションとして設計することができる。
【0076】
特に、本組成物はローション;メイクアップ・ファンデーションのようなメイクアップ製品;ハンドローション、バニシングクリーム(vanishing cream)、夜用クリーム、サンスクリーン、ボディーローション、顔用クリーム、クレイマスク、保湿ローション、メイクアップリムーバー、抗にきび製品、アンチエイジング製品、及び皮脂抑制剤等のスキンケア製品;鎮痛及びコルチゾン系ステロイドクリーム及び製品;防虫剤;及び、フェイスマスク、並びに、滋養強壮剤であり得る。該組成物は、ばんそうこう、包帯、ドレッシング、ガーゼのパッド、及び同様の物品に配合することもできる。
【0077】
本発明の組成物は、皮膚の色を所望の程度まで薄くするために、必要により皮膚に局所適用される。通常、該組成物は、1日に1〜4回、皮膚に局所適用される。しかし、本組成物の適用は、処方により、必要により又は要望により頻度がより多くても少なくてもよい。本組成物は、噴霧又は擦り込みにより皮膚に適用できる。好ましい投与経路は、皮膚との密な接触を確保するため、ソフトなマッサージを伴う皮膚への擦り込みである。
【0078】
明らかに、ここで上述したような本発明の多数の修飾及び変更をその趣旨及び範囲から離れることなく行なうことができ、従って、添付の特許請求の範囲で示したような限定のみが課されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子マイクロ粒子に担持されたレチノイドと、第二皮膚美白剤とを含む、皮膚美白組成物。
【請求項2】
前記高分子マイクロ粒子は、高度に架橋され、メタクリレートモノマー、アクリレートモノマー、又はこれらの混合物に由来する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記高分子マイクロ粒子は、アリルメタクリレート共重合体、エチレングリコールジメタクリレート/アリルメタクリレート共重合体、ラウリルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート共重合体、及びこれらの混合物を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記高分子マイクロ粒子は、アリルメタクリレートとエチレングリコールジメタクリレートとの共重合体、エチレングリコールジメタクリレートとラウリルメタクリレートとの共重合体、メチルメタクリレートとエチレングリコールジメタクリレートとの共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート、スチレン及びジビニルベンゼンの共重合体、並びにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記高分子マイクロ粒子は、アリルメタクリレートとエチレングリコールジメタクリレートとの共重合体、エチレングリコールジメタクリレートとラウリルメタクリレートとの共重合体、又はこれらの混合物を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
前記高分子マイクロ粒子は、エチレングリコールジメタクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体を含む、請求項5記載の組成物。
【請求項7】
第二皮膚美白剤は、アゼライン酸、ヒドロキノン、ヒドロキノンのモノベンジルエーテル、ヒドロキノンのモノメチルエーテル、アゼライン酸、メキノール(mequinol)、グラブリジン(glabridin)、甘草抽出物、アスコルビル燐酸マグネシウム、Arctostaphylos patulaの抽出物、Arctostaphylos viscidaの抽出物、Emblica officinalisの抽出物、グルコサミン、ガラクトサミン、マンノサミン、Mitracarpus scaber抽出物、Uva ursi抽出物、Morus bombycis抽出物、Morus alba抽出物、及びBroussonetia papyrifera抽出物、アルブチン、α−アルブチン、β−アルブチン、デオキシ−アルブチン、アスコルビル燐酸ナトリウム、過酸化物、過酸化水素、過酸化亜鉛、過酸化ナトリウム、過酸化ベンゾイル、システイン、4−チオレゾルシン、3−アミノチロシン、5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメタ−γ−ピリドン、fomesjaponicus抽出物、ガノダーマ抽出物、グリシルリジン酸、ヒドロキノンβ配糖体、catharanthus roseus抽出物、プロテオグリカン、プロティナーゼ阻害剤、オリゴペプチド、ベタイン、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシ安息香酸、並びにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
第二皮膚美白剤は、コウジ酸、アルブチン、これらの誘導体、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
第二皮膚美白剤は、コウジ酸、コウジ酸エステル、又はこれらの混合物を含む、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
コウジ酸エステルは下記構造を有する、請求項9記載の組成物。
【化1】


式中、各Rは、独立して、2−19個の炭素原子を含む脂肪族基であり、各Rは、任意に及び独立して、1以上のOH及び/又はCOH基で置換される。
【請求項11】
コウジ酸エステルは、コウジ酸ジステアレート、コウジ酸ジパルミテート、コウジ酸ジオレエート、コウジ酸ジミリステート、コウジ酸ジカプリレート、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項8記載の組成物。
【請求項12】
第二皮膚美白剤は、コウジ酸ジパルミテートを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
レチノイドは、レチノール、レチナール、酢酸レチニル、パルミチン酸レチニル、レチノイン酸、プロピオン酸レチニル、リノール酸レチニル、デヒドロレチノール、エレチネート(eretinate)、エレトリン(eretrin)、モトレチニド(motretinide)、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項14】
殺虫剤、薬剤、治療薬、消臭剤、スキンコンディショナー、酸化防止剤、防虫剤、反対刺激剤、ビタミン、植物抽出物、ステロイド、抗菌化合物、抗真菌剤、消炎性化合物、局所麻酔剤、表皮脂質補充剤、サンスクリーン、光学的光沢剤、皮膚炎または皮膚病薬、及びこれらの混合物からなる群より選択される局所適用化合物をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項15】
請求項1記載の組成物を、皮膚の色を薄くするのに十分な量、皮膚に接触させる工程を含む、哺乳類の皮膚を処置する方法。
【請求項16】
哺乳類の皮膚がヒトの皮膚である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
哺乳類の皮膚が高色素沈着したものである、請求項16記載の方法。
【請求項18】
高色素沈着は、薬物使用、青色黒皮症(cyanic melasma)、老年性黒皮症、白斑(vitiglio)、硬化療法後の有害な後遺症、炎症後応答、外傷後応答、妊娠、エストロゲン・プロゲスチン(estro−progestative)避妊、過度の太陽露出、光感作(photosensitization)、病変後の瘢痕形成、アジソン病、又は内因性遺伝子プロフィールが原因である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
請求項1記載の組成物を、皮膚の過剰な暗化を防止するのに十分な量、皮膚に接触させる工程を含む、高色素沈着した哺乳類の皮膚を防止する方法。

【公表番号】特表2011−510999(P2011−510999A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545182(P2010−545182)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/032528
【国際公開番号】WO2009/099911
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(510209513)アンコル インターナショナル コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】