説明

改良された表面特性を有するプラスチック表面

本開示は、溶融加工可能な熱可塑性組成物であって、第1のFedorの溶解度パラメータと第1の粘度とを有する第1の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含む主要部分のベースポリマー;およびキャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せを含み、キャリヤーポリマーは、第1の溶解度パラメータより少なくとも約2.5(J/cm^3^1/2低い第2の溶解度パラメータと第2の粘度とを有する第2の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含み、キャリヤーポリマーは表面改質添加剤に付着しており、第1の粘度は、第2の粘度の少なくとも約25倍である組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改良された表面特性を有するプラスチック表面、具体的には改良された表面特性を有するポリ塩化ビニル基板に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマー組成物は、押出成形または射出成形などの周知の技法を使用して、シートまたは基板などの部品に作製される。部品に作製されるポリマーとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)ポリマー、アクリル/スチレン/アクリルポリマー、ポリスチレン、ポリエステル、およびポリアミドなどの熱可塑性ポリマーを挙げることができる。これらの部品に、粗さ、洗浄性、熱伝導性、防カビ性、防白カビ性、静電気防止性、UV防止性などの特性を付与することは望ましいはずである。部品に特性を付与する周知の方法は、その表面にコーティングを塗布するステップを含む。部品にコーティングを塗布すると、部品の大きさが実質的に変更され、かつ前記部品を作製するコストが増大する。
【0003】
経時的に安定である改良された表面特性を有する部品、およびそれを製造するのに費用効果の高い方法に対する需要がある。さらに、こうした表面を、部品の製造時に生成できることが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様において、本開示は、溶融加工可能な熱可塑性組成物であって、
第1のFedorの溶解度パラメータと第1の粘度とを有する第1の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含む主要部分のベースポリマー;および
キャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せ
を含み、キャリヤーポリマーは、第1の溶解度パラメータより少なくとも約2.5(J/cm^3^1/2低い第2の溶解度パラメータと第2の粘度とを有する第2の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含み、キャリヤーポリマーは表面改質添加剤に付着しており、第1の粘度は、第2の粘度の少なくとも約25倍、より典型的には第2の粘度の少なくとも約30から約50倍、さらにより典型的には第2の粘度の少なくとも約100倍である組成物を提供する。「付着された(adhered)」とは、キャリヤーポリマーと表面改質添加剤が互いに緊密に混合または分散されていること、あるいは表面改質添加剤がキャリヤーポリマーで被覆されていることを意味する。
【0005】
第1の態様において、キャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せは、マスターバッチプロセスで作製される。
【0006】
第1の態様において、キャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せは、被覆されたポリマーである。「被覆された(coated)」とは、完全被覆または部分被覆を意味する。コーティングは、液体でも、固体でもよい。
【0007】
第1の態様において、キャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せは、物理的ブレンドである。
【0008】
第1の態様において、表面改質添加剤は、ナノサイズまたは顔料サイズの無機粒子で処理された直径約15マイクロメートルまでのサイズの粒子である。「処理された(treated)」とは、完全被覆または部分被覆を意味する。コーティングは、液体でも、固体でもよい。
【0009】
第2の実施形態において、本開示は、第1の表面と第2の表面とを有する部品、より典型的には基板であって、部品は、第1のFedorの溶解度パラメータと第1の粘度とを有する第1の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含む主要部分のベースポリマーを含み、第1の表面および第2の表面は、キャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せを含み、キャリヤーポリマーは、第1の溶解度パラメータより少なくとも約2.5(J/cm^3^1/2低い第2の溶解度パラメータと第2の粘度とを有する第2の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含み、キャリヤーポリマーは表面改質添加剤に付着しており、第1の粘度は、第2の粘度の少なくとも約25倍、より典型的には第2の粘度の少なくとも約30から約50倍、さらにより典型的には第2の粘度の少なくとも約100倍である部品を提供する。
【0010】
第3の態様において、本発明は、改良された表面特性を有する部品を作製する方法であって、
キャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せを生成するステップであって、キャリヤーポリマーは、第1の溶解度パラメータより少なくとも約2.5(J/cm^3^1/2低い第2の溶解度パラメータと第2の粘度とを有する第2の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含み、キャリヤーポリマーは表面改質添加剤に付着しているステップと、
第1のFedorの溶解度パラメータと第1の粘度とを有する第1の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含む主要部分のベースポリマー、および前ステップで生成されたキャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せを加工して、改良された表面特性を有する部品を形成するステップであって、第1の粘度は、第2の粘度の少なくとも約25倍、より典型的には第2の粘度の少なくとも約30から約50倍、さらにより典型的には第2の粘度の少なくとも約100倍であるステップと、
を含む方法を含む。
【0011】
加工は、押出成形または射出成形を含んでもよい。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、溶融加工可能な熱可塑性組成物、部品、および改良された表面特性を有する部品を作製する方法に関する。溶融加工可能な熱可塑性組成物は、第1のFedorの溶解度パラメータと第1の粘度とを有する第1の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含む主要部分のベースポリマー;およびキャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せを含み、キャリヤーポリマーは、第1の溶解度パラメータより少なくとも約2.5(J/cm^3^1/2低い第2の溶解度パラメータと第2の粘度とを有する第2の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含み、キャリヤーポリマーは表面改質添加剤に付着しており、第1の粘度は、第2の粘度の少なくとも約25倍、より典型的には第2の粘度の少なくとも約30から約50倍、さらにより典型的には第2の粘度の少なくとも約100倍である。
【0013】
ベースポリマー:
第1のFedorの溶解度パラメータと第1の粘度とを有する第1の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含むベースポリマー。
【0014】
本開示において有用なポリマーは、高分子量の溶融加工可能なポリマーである。「高分子量」とは、ASTM法D1238−98で測定して、メルトインデックス値が0.01から200g/10分、典型的には0.5から100g/10分、最も典型的には1から50g/10分であるポリマーを表わすものである。使用される測定条件は、使用されるベースポリマーのタイプに依存する。例えば、ポリエチレンでは190Cおよび2.16kg、ポリプロピレンでは230Cおよび2.16kgが用いられる。「溶融加工可能な」とは、溶融状態のポリマーを得ることを伴う段階を経て、押出成形またはその他の方法で成形品に変換することができるポリマーを意味する。
【0015】
本開示の部品を調製する際に使用するのに適したベースポリマーとしては、例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなどのオレフィンを含めてエチレン性不飽和モノマーのポリマー、およびエチレンと4から10個の炭素原子を含むαオレフィンまたは酢酸ビニルなどの高級オレフィンとのコポリマー;ポリ塩化ビニルまたはポリフッ化ビニリデンなどのビニル、ポリ酢酸ビニルなどのポリビニルエステル、ポリスチレン、ポリスチレンを限定せずに含むアクリルホモポリマー、コポリマー、およびターポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレンターポリマー(ABS);アクリル/スチレン/アクリルポリマー、ポリアミド、フェノール;エチレンまたはプロピレンゴムなどのエラストマー添加剤を含有するポリオレフィン、アルキド;アミノ樹脂;エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリウレタン;フェノキシ樹脂、ポリスルホン;ポリカーボネート;ポリスルホン、ポリエステル、および塩素化ポリエステル;ポリエーテル;アセタール樹脂;ポリイミド;ならびにポリオキシエチレンが挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーの混合物も考えられる。典型的には、ベースポリマーは、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、アクリロニトリルブタジエンスチレンターポリマー(ABS)、アクリル/スチレン/アクリルポリマー、ポリアミド、ポリエステル、エチレンまたはプロピレンゴムなどのエラストマー添加剤を含有するポリオレフィン、およびこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。より典型的に使用されるベースポリマーは、ポリ塩化ビニルを含む。
【0016】
ベースポリマーは、溶融加工可能な熱可塑性組成物の全重量を基準にして約80から約99.95重量%、より典型的には約90から約99重量%の量で存在してもよい。
【0017】
他の添加剤
必要、所望、または慣例に応じて改良された表面特性を有する本開示の部品を調製するのに使用される溶融加工可能な熱可塑性組成物には、広範囲の種々の添加剤が存在してもよい。このような添加剤としては、フルオロポリマー、フルオロエラストマーなどのポリマー加工助剤、触媒、開始剤、酸化防止剤(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエンなどのヒンダードフェノール)、熱安定化剤、発泡剤、紫外線安定化剤(例えば、ヒンダードアミン系光安定化剤または「HALS」)、着色顔料を含めて有機顔料、可塑剤、ブロッキング防止剤(例えば、クレー、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、シリコーン油など)、レベリング剤、難燃剤、へこみ防止剤、帯電防止剤、スリップ剤などが挙げられる。
【0018】
キャリヤーポリマー:
キャリヤーポリマーは、ベースポリマーと完全に相溶性があるというわけではない第2の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーである。「完全に相溶性があるというわけではない」とは、Fedorの溶解度パラメータの差が少なくとも約2.5(J/cm31/2より大きいことを意味する。
【0019】
第2の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーは、第2の溶解度パラメータが第1の溶解度パラメータより少なくとも約2.5(J/cm31/2低く、より典型的には第1の溶解度パラメータより約3(J/cm31/2低い。第1の粘度(ベースポリマー)は、第2の粘度(キャリヤーポリマー)の少なくとも約25倍、より典型的には第2の粘度の少なくとも約30から約50倍、さらにより典型的には第2の粘度の少なくとも約100倍である。
【0020】
「付着された(adhered)」は、キャリヤーポリマーと表面改質添加剤が互いに緊密に混合または分散されていること、あるいは表面改質添加剤がキャリヤーポリマーで被覆されていることを意味する。いくつかの好適なキャリヤーポリマーとしては、エチレン酢酸ビニルコポリマー、アクリレートコポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびそれらのコポリマー、ならびにテトラフルオロエチレンのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
【0021】
キャリヤーポリマーは、組合せの全重量を基準にして約0.05から約20重量%、より典型的には約0.5から約15重量%の量で存在してもよい。
【0022】
表面改質添加剤:
表面改質添加剤は、固体でも、液体でもよい。表面改質剤は、シリケート;金属酸化物;炭酸カルシウム;硫酸バリウム;鉄、チタン、銅などの金属元素粉末;およびヒュームドシリカなどのシリカ、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される固体でもよい。酸化物の代表例としては、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、スズ、ニッケル、ケイ素、および鉄の酸化物、ならびにヒュームドシリカが挙げられる。他の金属酸化物としては、セレン、タングステン、ルテニウム、スズ、タンタル、銀、イリジウム、モリブデン、ニオブ、インジウム、カドミウム、ハフニウム、ジルコニウム、マンガン、銅(I)、バナジウム、クロム(VI)、イットリウム、ゲルマニウムの酸化物、およびアルミノシリケートやTixZr1-x2(式中、xは0から1の間である)などの混合酸化物が挙げられる。
【0023】
典型的には、無機粒子は顔料サイズまたはナノサイズとすることができ、粒径(直径)が約0.02μmから約50μm、より典型的には約0.1μmから約25μm、最も好ましくは約0.5μmから約10μmである。好適な粒子は、約500nm未満の直径を有することができ、または約2から約1000nmのサイズを有する一次粒子の集塊物から形成されてもよい。あるいは、無機粒子は、ナノサイズ粒子で処理された顔料粒子を含んでもよい。処理された(treated)とは、顔料粒子がナノサイズ粒子で部分被覆されてもいても、完全被覆されていてもよいことを意味する。
【0024】
無機粒子は、ベースポリマーに対して低表面エネルギーを有する有機表面処理材料で疎水処理してもよく、有機表面処理材料としては、限定されるものではないが、例えばオルガノシラン;オルガノシロキサン;フルオロシラン;オルガノホスホネート;有機酸ホスフェート、オルガノピロホスフェート、オルガノポリホスフェート、およびオルガノメタホスフェートなどのオルガノリン酸化合物;オルガノホスフィネート;オルガノスルホン酸化合物;炭化水素系カルボン酸ならびに関連する誘導体およびポリマー;炭化水素系アミド;低分子量炭化水素ワックス;低分子量ポリオレフィンおよびそのコポリマー;炭化水素系ポリオールおよびその誘導体;アルカノールアミンおよびその誘導体;ならびによく利用される有機分散剤が挙げられる。上記のものはすべて、個別にまたは混合物として利用され、同時または順次添加される。
【0025】
本開示の実施で使用するのに好適なオルガノシランとしては、1996年10月1日、Birmingham, Jr.らに付与された米国特許第5,560,845号明細書に開示される下記の一般式を有するシラン
Si(R1)(R2)(R3)(R4)(I)
が挙げられ、式中、少なくとも1つのRは、1〜20個の炭素原子、典型的には4〜20個の炭素原子、最も典型的には6〜20個の炭素原子を有する、アルキル、シクロアルキル、アリール、またはアラルキルなど非加水分解性有機基であり、少なくとも1つのRは、アルコキシ、ハロゲン、アセトキシ、またはヒドロキシなどの加水分解性基である。他の2つのRは独立に、上記のように加水分解性または非加水分解性である。Rの少なくとも2つ、特に3つが加水分解性であることが典型的である。非加水分解性のRは、完全フッ素置換されていても、部分フッ素置換されていてもよい。上記のように記述されるシランは、非加水分解性のR基に関連して「オルガノシラン」と本明細書では呼ばれる。オルガノシランは、直鎖状でも分枝状でもよく、置換でも非置換でもよく、また飽和でも不飽和でもよい。典型的には、非加水分解性R基は非反応性である。アルキル、シクロアルキル、アリール、およびアラルキルは、これらの基のいずれも、完全フッ素置換または部分フッ素置換されている可能性を含めて、典型的な非加水分解性Rであり、アルキルが最も典型的である。加水分解性のRが同一であるとき、オルガノシランは、
5xSiR64-x(II)
で表わすことができ、式中、R5は非加水分解性であり、R6は上記に定義したように加水分解性であり、x=1〜3である。典型的には、R6としては、メトキシ、エトキシ、クロロ、およびヒドロキシが挙げられる。容易な取扱いには、エトキシが特に典型的である。いくつかの典型的なオルガノシランとしては、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、トリデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ペンタデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ヘプタデシルトリエトキシシラン、およびオクタデシルトリエトキシシランが挙げられる。オルガノシランの混合物を使用することができる。
【0026】
式IIで表わされるオルガノシランを利用する実施形態において、好ましいシランは、R5=8〜18個の炭素原子;R6=エトキシ;x=1〜3である。例えば、加工性の向上には、R5=8〜18個の炭素原子が好ましい。容易な取扱いには、R6=エトキシが好ましい。オクチルトリエトキシシランが最も典型的である。疎水性表面処理材料の他の例については、2005年10月27日公開の米国特許出願公開第2005/023992号明細書に詳細に記載されているものもある。より典型的には、疎水処理された無機粒子としては、製品名Aeroxide(登録商標)LE1(Degussa Evonik, Parsippany, NJによって販売)で市販されている疎水処理されたヒュームドシリカ、および製品名R−104(E. I. du Pont de Nemours and Company, Wilmington, DEによって販売)で市販されている二酸化チタンが挙げられる。
【0027】
表面改質添加剤としては、炭酸塩、硫酸塩、チタン酸塩、ヒ化物、硫化物、セレン化物、リン化物、およびそれらの2つ以上の組合せも挙げることができる。炭酸塩および硫酸塩の代表例は、カルシウム、バリウム、およびストロンチウムの炭酸塩および硫酸塩である。チタン酸塩の代表は、バリウム、ストロンチウム、およびカルシウムのチタン酸塩である。粒子は、顔料サイズまたはナノサイズ粒子とすることができる。
【0028】
視覚的および美的効果のための無機および/または有機の有色顔料も、有用であり得る。これらの顔料は、当業者に周知の市販材料である。このような顔料の例としては、Shepherd Color Company, Cincinnati, OHから市販されている亜クロム酸コバルト、チタン酸コバルト、リン酸コバルト、バナジン酸ビスマスなどの様々な有色無機金属酸化物が挙げられる。二酸化チタン(E.I. du Pont de Nemours and Company, Wilmington, DEから市販されている)などの白色無機顔料を使用することができる。また、銅フタロシアニンやキナクリドン顔料などの有色有機顔料を添加して、表面に色および視覚効果を加えてもよい。
【0029】
表面改質剤として殺生物剤を使用して、部品をカビおよび白カビから保護してもよい。殺生物剤のいくつかの好適な例としては、銀系無機または有機添加剤、OBPA(10,10−オキシビスフェノキサルシン)、IPBC(3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート)、酸化亜鉛や二酸化チタンなどの無機酸化物などが挙げられる。
【0030】
自己洗浄表面の場合、フルオロケミカルやレシチンなどの液体表面改質添加剤が有用であり得る。フルオロケミカルとしては、様々なパーフルオロアルキルエステル、フッ素化ウレタン、フッ素化アクリルまたはメタクリルコポリマー、フッ素化アニオン性界面活性剤、フッ素化スルホンアミド、およびフッ素化ジオールが挙げられる。このようなフルオロケミカルの多くは市販されている。本発明で使用するためのフルオロケミカルの好ましい販売業者は、E.I. du Pont de Nemours and Company, Wilmington, DEである。有用なフルオロケミカルのいくつかの例としては、Zonyl(登録商標)フルオロケミカル、具体的にはFS−610、8867−L−LXなどが挙げられる。レシチン添加剤はアシル化されていてもよく、最も典型的にはレシチン添加剤はアセチル化されている。アシル化レシチンの生成についてさらに詳細な説明は、参照により本明細書に具体的に援用される米国特許第3,301,881号明細書および第4,479,977号明細書で見ることができる。
【0031】
帯電防止性を付与するには、カーボンブラック、DuPontからのカリウムアイオノマー、Ciba CorporationからのIrgastatなどの表面改質添加剤が有用であり得る。完成品の表面特性を改良することができる他の添加剤も、本開示の範囲内であると考えられる。
【0032】
表面改質添加剤は、組合せの全重量を基準にして約0.05から約20重量%、より典型的には約0.5から約15重量%の量で存在してもよい。
【0033】
部品の調製:
ベースポリマー、キャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せを任意の添加剤と共に、フィルム、容器、ビン、チューブ、シート/プレート/プロファイル、工業用またはコンシューマ用部品などの好適な任意の成形品に形成することができる。特に好適な物品は、窓枠、外装用サイディングを限定せずに含めて、外装用建築建物部品、コンシューマ製品(例えば、パーソナルケア製品または住宅用洗浄製品)または工業用製品(例えば、工業用洗浄製品)を含めて、製品の容器など、塵埃および煤に曝露される可能性があるものである。キャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せは、マスターバッチプロセスで作製することができる。マスターバッチは、顔料および/または添加剤の濃縮混合物であり、熱プロセス中、キャリヤーポリマーにカプセル化され、次いで冷却され、顆粒形状に裁断される。マスターバッチプロセスは、このような顔料および/または添加剤のポリマーへの組込みまたは分散であり、二軸押出機または他のポリマー加工装置を使用して実施することができる。最良の分散が得られるような軸設計の選択およびマスターバッチの調製方式に関する他の詳細は、「Plastics Additives and Compounding」、2007年3月/4月号、36頁、「Masterbatch production on co−rotating twin screw extruders」で見ることができる。あるいは、キャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せは、物理的ブレンドでも、被覆ポリマーでもよく、ここで、コーティングは固体でも、液体でもよい。
【0034】
改良された表面特性を有する部品を作製する方法は、
キャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せを生成するステップであって、キャリヤーポリマーは、第1の溶解度パラメータより少なくとも約2.5(J/cm^3^1/2低い第2の溶解度パラメータと第2の粘度とを有する第2の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含み、キャリヤーポリマーは表面改質添加剤に付着しているステップと、
第1のFedorの溶解度パラメータと第1の粘度とを有する第1の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含む主要部分のベースポリマー、および前ステップで生成されたキャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せを加工して、改良された表面特性を有する部品を形成するステップであって、第1の粘度は、第2の粘度の少なくとも約25倍、より典型的には第2の粘度の少なくとも約30から約50倍、さらにより典型的には第2の粘度の少なくとも約100倍であるステップと、
を含む。加工は、押出成形または射出成形を含んでもよい。
【実施例】
【0035】
試験:
洗浄性:
押出成形した試料を、ダートピックアップ防止性(DPR)について試験した。部品の押出成形した試料を1.5インチ×2インチのサイズに切断し、4インチ×6インチの金属パネルに載せた。次いで、試料を載せたパネルを、木煉瓦中の45度の角度のスロット切断部に挿入した。ダストを入れるのに役立つように、パネルを3ガロンのバケツの底に置いた。ダスト組成物は下記で構成された。
【0036】
62g 乾燥した人工塵埃バッチ:
19.35% 12g シリカゲル
19.35% 12g 酸化アルミニウム
9.68% 6g 酸化鉄−(ブラック)
1.61% 1g ランプブラック粉末
50.00% 31g 現地の乾燥土壌(乳鉢と乳棒で微粉砕)
【0037】
ダストアプリケーター:
シンチレーションバイアルキャップの先端部に直径1/2インチの孔をあけることによって、アプリケーターを構築した。45メッシュスクリーンを2枚切断し、バイアルキャップの内側に挿入した。ドラフトフード中、粉砕したダスト混合物でバイアルを約1/3充填した。塩またはコショウ入れを振盪するように、バイアルを試料上で振盪することによって、ダストを試料に加えた。
【0038】
パネルがダストで完全に覆われたとき、この添加プロセスは完結した。3ガロンのポリバケツの内側で、載せたパネルで木煉瓦を軽く叩くことによって、過剰のダストを除去した。
【0039】
次いで、ダスト付きの試料を載せた4インチ×6インチのパネルを、Vortex−Genie2(振動源を提供)に30秒間置いて、あらゆる残留ダストを除去した。次いで、パネルで卓上式フードを叩いて、あらゆるダストを除去し、次いでもう一度30秒間振動させて、緩いダストがすべて、除去されていることを確認した。最後に10秒間の振動を清浄なC字折り紙タオル上で1回行って、ダストがすべて、除去されたことを検証した。Hunter Lab Scanを用いて、パネルを読み取って、L***値を決定し、グラフで表して、ペイントパネルのDPR属性を示した。
【0040】
ウェザロメーター曝露:
UV光、高温、および模擬雨を組み込んだASTM G155−1試験手順を使用する24時間曝露を行うため、試料をWeather−Ometer(Atlas Ci 5000、Xenon Weather−Ometer, Chicago, Illinois)に置いた。
【0041】
次いで、HunterLab, Reston, VA製造のLabscanを使用して、清浄なパネルを読み取って、そのL***値を決定し、グラフで表した。
DPR=10×(1−(L*si−L*ss)/(L*ci−L*cs))
式中、
*ssは、本開示の汚染した処理試料のL*示度である。
*siは、汚染する前の処理試料のL*示度である。
*csは、汚染した無処理試料(対照)のL*示度である。
*ciは、汚染する前の無処理試料(対照)のL*示度である。
【0042】
用語:
PVCは、ポリ塩化ビニルである−押出成形用グレード、Polyone Corporation, Cleveland, OH。
Elvaloy(登録商標)741は、DuPont Company, Wilmington, DEからのエチレン酢酸ビニル一酸化炭素ターポリマーである。
Elvax(登録商標)3180は、DuPont Company, Wilmington, DEからのエチレン酢酸ビニルコポリマーである。
Elvaloy(登録商標)15024 ACは、DuPont Company, Wilmington, DEからのエチレンメチルアクリレートコポリマーである。
TFE/VF/PFBEは、DuPont Company, Wilmington, DEの実験室で作製されたテトラフルオロエチレン(57重量%)フッ化ビニル(35重量%)パーフルオロブチルエチレン(8重量%)ターポリマーの試料である。
Zonyl(登録商標)FS−610は、DuPont Company, Wilmington, DEからのフルオロホスフェート添加剤である。
Teflon(登録商標)マイクロパウダーMP−1100、MP−1200、およびMP−1300は、DuPont Company, Wilmington, DEによって販売されている。
R−350およびR−105は、DuPont Company, Wilmington, DEからのTiO2顔料である。
酸化亜鉛は、Umicore Marketing Services, Raleigh, NCによって輸入された無機粉末である。
ABSは、Dow Chemical Corporation, Midland, MIからのアクリルブタジエンスチレン− Magnum(登録商標)700である。
ASAは、BASF Croporation, Florham Park, NJからのアクリルスチレンアクリル−Luran(登録商標)S757である。
Aeroxide(登録商標)LE1は、Degussa Evonik Corporation, Parsippany, NJからのナノ二酸化ケイ素である。
ポリプロピレン7825は、Total Corporation, Deer Park, TXからのものである。
PDMSは、Dow Corning, Midland, MIからのポリジメチルシロキサン200である。
【0043】
試料調製:
添加剤とキャリヤーポリマーとの組合せ、およびその調製方法を、下記の表1に示す。
【0044】
【表1】

【0045】
【表2】

【0046】
実施例1〜14および比較例1〜4:
円錐型スクリューを2本備えた小実験室スケールの同方向回転Haake Rheomex TW−100二軸押出機(Haake Buchler Instruments Inc , Saddle brook, NJ)を、CW Brabender,(Hackensack, NJ)で作製された駆動装置に取り付けて、表2に概説する条件下で使用して、表2で特定されるベースポリマーならびに試料1〜2および4〜8および10を押出成形した。10.5オンスのNissei FN 4000射出成形機を用いて、成形温度225℃および表2に概説する条件下で、表2で特定されるベースポリマーならびに試料3、9、および11〜14を部品(直径4インチ×厚さ0.125インチのディスク)に射出成形した。
【0047】
【表3】

【0048】
【表4】

【0049】
表2におけるダートピックアップ防止性データ(DPR)からわかるように、比較例のDPR値は1〜4の実施例の値より高い。ここで、1〜4の実施例は、相溶性ポリマーElvaloy(登録商標)741を使用するが、比較例のポリマーは非相溶性である。より高いDPR値は、これらの試料が、洗浄しやすい特性に達するほど自己洗浄するものであることを示唆する。
【0050】
実施例15〜18:
ベースポリマーであるポリ塩化ビニル、および試料15〜18を、上記の実施例に記載されるように押出成形する。
【0051】
これらの試料のDPRは対照試料より高いものと予想される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融加工可能な熱可塑性組成物であって、
第1のFedorの溶解度パラメータと第1の粘度とを有する第1の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含む主要部分のベースポリマー;および
キャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せ
を含み、キャリヤーポリマーは、第1の溶解度パラメータより少なくとも約2.5(J/cm^3^1/2低い第2の溶解度パラメータと第2の粘度とを有する第2の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含み、キャリヤーポリマーは表面改質添加剤に付着しており、第1の粘度は、第2の粘度の少なくとも約25倍である組成物。
【請求項2】
第1の粘度が、第2の粘度の少なくとも約30から約50倍である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
第1の粘度が、第2の粘度の少なくとも約100倍である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
キャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せが、マスターバッチプロセスで作製される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
キャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せが、被覆ポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
被覆ポリマーが、ポリマーおよび液体コーティングを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
被覆ポリマーが、ポリマーおよび固体コーティングを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
キャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せが、物理的ブレンドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
表面改質添加剤が、ナノサイズまたは顔料サイズの無機粒子で処理された、直径約15マイクロメートルまでのサイズの粒子である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
ベースポリマーが、0.01から200g/10分のメルトインデックス値を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
ベースポリマーが、オレフィン;エチレンと4から10個の炭素原子を含む高級オレフィンとのコポリマー;エチレンと酢酸ビニルとのコポリマー;ビニル;ポリビニルエステル;ポリスチレン;ポリスチレンを含むアクリルホモポリマー、コポリマー、およびターポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレンターポリマー(ABS);アクリル/スチレン/アクリルポリマー;ポリアミド;フェノール;エラストマー添加剤を含有するポリオレフィン;アルキド;アミノ樹脂;エポキシ樹脂;ポリアミド;ポリウレタン;フェノキシ樹脂;ポリスルホン;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエステル;塩素化ポリエステル;ポリエーテル;アセタール樹脂;ポリイミド;ポリオキシエチレン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
ベースポリマーが、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、アクリロニトリルブタジエンスチレンターポリマー(ABS)、アクリル/スチレン/アクリルポリマー、ポリイミド、ポリエステル、エラストマー添加剤を含有するポリオレフィン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
ベースポリマーがポリ塩化ビニルである、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
ベースポリマーが、溶融加工可能な熱可塑性組成物の全重量を基準にして約80から約99.95重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
キャリヤーポリマーが、第2の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
第2の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーが、第1の溶解度パラメータより少なくとも約3(J/cm31/2低い第2の溶解度パラメータを有する、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
キャリヤーポリマーが、エチレン−酢酸ビニルコポリマー;アクリレートコポリマー;ポリエチレン;ポリプロピレンおよびそのコポリマー;ならびにテトラフルオロエチレンのホモポリマーおよびコポリマーからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
キャリヤーポリマーが、組合せの全重量を基準にして約0.05から約20重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
表面改質添加剤が固体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
表面改質添加剤が液体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
固体が、シリケート;金属酸化物;炭酸カルシウム;硫酸バリウム;金属元素粉末;シリカ、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
金属酸化物が、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、スズ、ニッケル、ケイ素、および鉄の酸化物、セレン、タングステン、ルテニウム、スズ、タンタル、銀、イリジウム、モリブデン、ニオブ、インジウム、カドミウム、ハフニウム、ジルコニウム、マンガン、銅(I)、バナジウム、クロム(VI)、イットリウム、およびゲルマニウムの酸化物、ヒュームドシリカ、ならびにアルミノシリケートおよびTixZr1-x2(式中、xは0から1の間である)を含む混合酸化物からなる群から選択される、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
表面改質添加剤が、顔料サイズまたはナノサイズの粒子である、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
表面改質添加剤が、ナノサイズ粒子で処理された顔料粒子である、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
表面改質添加剤が、オルガノシラン;オルガノシロキサン;フルオロシラン;オルガノホスホネート;オルガノリン酸;オルガノスルホン酸化合物;炭化水素系カルボン酸ならびに関連する誘導体およびポリマー;炭化水素系アミド;低分子量炭化水素ワックス;低分子量ポリオレフィンおよびそのコポリマー;炭化水素系ポリオールおよびその誘導体;アルカノールアミンおよびその誘導体;およびよく利用される有機分散剤;ならびにそれらの混合物からなる群から選択される有機表面処理剤で処理される、請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
表面改質添加剤が、炭酸塩、硫酸塩、チタン酸塩、ヒ化物、硫化物、セレン化物、リン化物、およびそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項27】
表面改質添加剤が、無機顔料、有機有色顔料、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
表面改質添加剤が殺生物剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項29】
表面改質添加剤が、フルオロケミカル、レシチン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
フルオロケミカルが、パーフルオロアルキルエステル、フッ素化ウレタン、フッ素化アクリルまたはメタクリルコポリマー、フッ素化アニオン性界面活性剤、フッ素化スルホンアミド、およびフッ素化ジオールからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項31】
表面改質添加剤が、カーボンブラックまたはカリウムアイオノマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項32】
表面改質添加剤が、組合せの全重量を基準にして約0.05から約20重量%の量で存在してもよい、請求項1に記載の組成物。
【請求項33】
第1の表面と第2の表面とを有する部品であって、部品は、第1のFedorの溶解度パラメータと第1の粘度とを有する第1の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含む主要部分のベースポリマーを含み、第1の表面および第2の表面は、キャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せを含み、キャリヤーポリマーは、第1の溶解度パラメータより少なくとも約2.5(J/cm^3^1/2低い第2の溶解度パラメータと第2の粘度とを有する第2の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含み、キャリヤーポリマーは表面改質添加剤に付着しており、第1の粘度は、第2の粘度の少なくとも約25倍である部品。
【請求項34】
部品が基板である、請求項33に記載の部品。
【請求項35】
第1の粘度が、第2の粘度の少なくとも約30から約50倍である、請求項33に記載の部品。
【請求項36】
第2の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーが、第1の溶解度パラメータより少なくとも約3(J/cm31/2低い第2の溶解度パラメータを有する、請求項33に記載の部品。
【請求項37】
改良された表面特性を有する部品を作製する方法であって、
キャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せを生成するステップであって、キャリヤーポリマーは、第1の溶解度パラメータより少なくとも約2.5(J/cm^3^1/2低い第2の溶解度パラメータと第2の粘度とを有する第2の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含み、キャリヤーポリマーは表面改質添加剤に付着しているステップと、
第1のFedorの溶解度パラメータと第1の粘度とを有する第1の溶融加工可能な熱可塑性ポリマーを含む主要部分のベースポリマー、および前ステップで生成されたキャリヤーポリマーと表面改質添加剤との組合せを加工して、改良された表面特性を有する部品を形成するステップであって、第1の粘度は、第2の粘度の少なくとも約25倍、より典型的には第2の粘度の少なくとも約30から約50倍、さらにより典型的には第2の粘度の少なくとも約100倍であるステップと、
を含む方法。
【請求項38】
加工が押出成形を含む、請求項37に記載の部品を作製する方法。
【請求項39】
加工が射出成形を含む、請求項37に記載の部品を作製する方法。

【公表番号】特表2011−519993(P2011−519993A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507539(P2011−507539)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/041350
【国際公開番号】WO2009/134653
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】