説明

改良された製品取出し手段を有するオレフィン重合に適したループ反応装置

【課題】(i)基本的にオレフィン反応物と、重合触媒と、液体希釈剤と、固形物オレフィン・ポリマー粒子とを含むポリマースラリーの流路を規定する相互接続した複数のパイプと、(ii)オレフィン反応物と重合触媒と希釈剤とを反応装置へ導入する手段と、(iii)反応装置中にポリマースラリーの循環を維持するためのポンプと、(iv)単一の沈殿脚とを有するオレフィン重合プロセスに適したループ反応装置。単一の沈殿脚は(a)反応装置から上記ポリマースラリーを回収するよう設計された、反応装置からこの単一の沈殿脚へ延びるテイクオフラインと(b)沈殿脚から反応装置へ延びるリターンラインとを介してループ反応装置に接続されている。
【解決手段】テイクオフラインが単一の沈殿脚に放射状または半径方向から接続している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オレフィンのスラリー重合用反応装置からポリマーのスラリーを排出する方法の改良に関するものである。
本発明はさらに、一つのオレフィン重合ループ反応装置から他のオレフィン重合ループ反応装置へポリマースラリーを移送する方法の改良に関するものである。
本発明はさらに、改良された製品取出し手段を有するループ反応装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エチレン重合のようなオレフィン重合は一般にループ反応装置でモノマー、希釈剤、触媒および任意成分のコモノマーを使用して実施される。この重合は通常スラリー条件下で実行される。生成物は通常固体粒子群から成り、希釈剤中に懸濁している。
反応装置内のスラリー含有物は、液体希釈剤内にポリマー固体粒子群の効率的な懸濁液を維持するために、ポンプによって連続的に循環される。生成物は、直接重合反応装置に取り付けられた複数の沈澱レグ(settling legs)を通して取出される。この沈澱レグは製品を回収するために周期的に充填/排出される。沈澱レグに沈澱させるのは生成物スラリーとして最終的に回収されるスラリーの固形物濃度を増加させるためである。
生成物スラリーはさらに、フラッシュ・ラインを通ってフラッシュ・タンクへ排出される。これによって大部分の希釈液と未反応モノマーがフラッシュされ、再利用される。あるいは、生成物スラリーを最初のループ反応装置に直列に接続した第二のループ反応装置へ供給し、そこで第二のポリマー画分を排出することもできる。このように2つの反応装置を直列に接続したときの最終ポリマー生成物は、最初の反応装置で作られる最初のポリマー画分と、第二の反応装置で作られる第二のポリマー画分とから成る二峰(ビモダルな)分子量分布を有する。
これらの技術を用いて毎年何百万トンのエチレン・ポリマーが国際的に清算されている。
【0003】
回収されたポリマーの量が再利用しなければならない流体排出流の量に対して最大になる時が沈澱レグの動作が最適になる時であり、所定生成速度での再利用コストを最小に抑えることができる時である。従来のプラントの操作方法では、各沈澱脚がスラリーを排出するときに同じ圧力降下となるようにするために、全ての沈澱レグから同じ量のスラリーを排出するという原理に基づいていた。しかし、この操作方法は決して最適なものではない。
【0004】
別の方法で生成物を排出する方法も公知である。例えば、特許文献1(国際特許第WO01 05842号公報)に記載の導管内のスラリーの流れから濃縮されたスラリーを排出する装置は導管の出口区域のチャネルに特徴があり、この出口はスラリーを継続的に排出するよう調整されている。
特許文献2(欧州特許第EP 0891990号公報)に記載のオレフィン重合プロセスでは生成物スラリーが生成物連続取出し手段、すなわち、反応装置に設けた細長い中空付属器を介して回収される。この中空付属器は加熱されたフラッシュラインに直接流体連結され、生成物スラリーは連続的に排出される。
特許文献3(米国特許第4,613,484号明細書)に記載の液体希釈剤から固体粒子ポリマーを分離する方法及び装置では一つまたは複数のアキュムレータ・レグを使用され、このレグには希釈剤が供給され、分離された希釈剤が重合プロセスへ再循環される。
特許文献4(欧州特許第1,564,224号公報)に記載のループ反応装置を直列から平行配位に変換するループ反応装置/方法では、一つまたは複数の沈澱レグの制御弁の後方に3方向弁または多方向弁(three-or-more-way valve) を配置している。
しかし、上記公知の装置および方法には、反応装置から回収された懸濁液がかなりの量の希釈液と他の反応物質、例えばモノマー(後でポリマー粒子から分離し、反応装置内で再使用するために再処理する必要がある)とを含んでいるという問題がある。
【0005】
特許文献5(米国特許第6,586,537号明細書)には、生成物スラリーを液体サイクロン分離器を用いて回収する遠心力を利用したスラリーの濃縮方法が記載されている。この液体サイクロンでは液体流をほぼ固体の形にすることができるが、厳しい操作条件を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許第WO01 05842号公報
【特許文献2】欧州特許第EP 0891990号公報
【特許文献3】米国特許第4,613,484号明細書
【特許文献4】欧州特許第EP 1 564 224号公報
【特許文献5】米国特許第6,586,537号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、操作条件を改良したループ反応装置を提供することにある。
本発明の更なる目的は、ポリマースラリーが前記反応装置から効率良く回収される、ループ反応装置内での改良されたポリマー化方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、ポリマースラリーの沈殿効率とその排出量とが最適化された、改良された方法を提供することにもある。
本発明のさらに他の目的は、ループ反応装置の重合領域で循環する重合スラリー中の高分子固体の重量パーセント(wt%)を増加させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様から、本発明は、基本的にオレフィン反応物と、重合触媒と、液体希釈剤と、固形物オレフィン・ポリマー粒子とから成るポリマー・スラリーへの流路を規定する互いに接続された複数のパイプと、オレフィンと重合触媒と希釈剤とを上記反応装置へ導入するための手段と、上記反応装置内でポリマー・スラリーの循環を維持するためポンプと、上記反応装置に間接的に接続された単一の沈殿脚とを有するオレフィン重合方法に適したループ反応装置に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例のループ反応装置の概念的な斜視図。
【図2】ポリマースラリーの沈澱状態を示す、図1のループ反応装置の沈澱脚および弁の概念的な断面図。
【図3】本発明の実施例による、[図1]のループ反応装置を2つ直列に接続したものを示す概略図。
【図4】本発明の他の実施例による、従来のループ反応装置と直列に接続された[図1]のループ反応装置の概略図。
【図5】[図2]の沈澱脚の概念的な平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
「間接的に接続された」とは、反応装置からポリマースラリーを排出するために、反応装置のパイプと沈殿脚との間を中間接続ラインまたはパイプ(以下、「テイクオフ(take off)ライン」)が相互に接続している、ということを意味する。
【0011】
本発明は特に、実質的にオレフィン反応物、重合触媒、液体の希釈剤および固形物オレフィン・ポリマー粒子から成るポリマースラリーの流路を規定する相互接続された複数のパイプと、オレフィン反応物、重合触媒および希釈液を前記反応装置に導入するための手段と、上記反応装置中にポリマー・スラリーの循環を維持するためのポンプと、単一の沈殿脚とを有し、この単一の沈殿脚はループ反応装置からポリマースラリーを回収するための上記反応装置から沈殿脚へ延びたテイクオフラインと、前記沈殿脚から反応装置へ延びたリターンライン(戻り配管)とを通って反応装置に接続されている、オレフィンの重合方法に適したループ反応装置であって、上記テイクオフラインが上記単一の沈殿脚に放射状すなわち半径方向に接続されることを特徴とするループ反応装置に関するものである。
【0012】
本発明の一つの実施例では、上記リターンライン(戻り配管)は沈殿脚の先端から希釈液および/または未沈殿ポリマーを回収する。このリターンラインは希釈液および/または未沈殿ポリマーを反応装置に戻すためのものである。
【0013】
「放射状に」または「半径方向に」という用語は、沈殿脚の縦軸線に対して垂直な方向に位置しているあるいはその方向へ移動するということを意味する。
放射状または半径方向に接続されたテイクオフラインを用いることで、ポリマースラリーを半径方向に注入できる。すなわち、ポリマースラリーを放射状または半径方向に導入することで、沈殿済みのポリマーの乱れ(perturbations)を減少/回避でき、ポリマーをより良い状態で堆積(沈殿)させることができる。
【0014】
本発明の一つの実施例では、前記単一の沈澱脚が少なくとも1つのテイクオフラインまたは接続ラインを経由して前記反応装置に接続されている。この少なくとも1つの接続ラインの内径はループ反応装置パイプの内径の0.14〜0.3倍である。この実施例では上記テイクオフラインが上記単一の沈殿脚の上側部分の3分の1の所に接続されている。本発明の他の実施例ではテイクオフラインが反応装置のポンプの下流側に接続され、リターンライン(戻り配管)が反応装置のポンプの上流側に接続される。
【0015】
前記単一の沈澱脚は、ポリマー・スラリーを沈澱できるものであれば任意の適切な寸法のものにすることができる。例えば、この単一の沈澱脚の内径は反応装置の内径の0.5〜5.0倍の範囲にすることができる。好ましい実施例では上記単一の沈澱脚の内径は反応装置の内径の少なくとも0.7〜2.0倍、好ましくは0.8〜2倍、より好ましくは0.8〜1.7倍、最も好ましくは1.0〜1.5にすることができる。本発明の一つの実施例では沈澱脚の表面は一時間あたりの製造量(ton/hour)で0.002m2〜0.200のm2、好ましくは0.005 m2の〜0.050 m2、最も好ましくは、0.010 m2〜0.020 m2である。
【0016】
前記定義の沈殿脚を有する本発明のループ反応装置を使用することによって、沈殿脚の放出弁の塞栓(pluging)頻度が上昇させないで、生成物回収ゾーンへの生成物の放出を最適化でき、費用対効果が高くなるということがわかっている。
複数の沈殿脚を使用すると反応装置が大きくなってしまうため、ロジスティク(logistic)な問題が生じる。反応装置の容量が大きくなるにつれてより大きな抜き出し容量(withdrawal capacity)が必要になる。そのため必要な沈殿脚の数が多くなり、使用可能なスペースを越えてしまう。この問題は反応装置に間接的に接続される沈殿脚を用いる本発明で解決でき、最適な沈殿効率が実現でき、しかも、沈殿脚中に沈殿するポリマースラリーの放出を高い費用対効果で行なうことができる。
【0017】
中間接続ラインを存在させることで沈殿脚の直径を反応装置のパイプに比べて大きくすることができる。また、単一の沈殿脚を使用することでさらに複数の利点が得られる。例えば、反応装置に沈殿脚を接続する接続パイプとして小さなパイプが使用できる。直径の小さなパイプを使用することで現場での安全性を高めることができる。実際に、直径の小さい接続パイプを用いることで、従来技術に比べてポリマーの流量を減少させることができ、その結果、漏れや閉塞などの問題が発生した場合でも制御をより良く行なうことができる。
【0018】
液体サイクロンの代わりに単一の沈殿脚を用いることで、濃縮装置との圧力差をかなり低くでき、装置を流れる流速に対するフレキシビリティーが大きくなる。本発明の沈殿脚はスラリーの濃度を上げるのに遠心力には全く頼らず、重力のみを利用する。重力を利用することで濃縮装置を通過する際の圧力降下を小さくできるという利点がある。さらに、本発明の反応装置は簡単かつ容易に製造できる。
【0019】
さらに、液体流をほぼ完全に固体の形にして液体を消失させる液体サイクロンとは違って、本発明では沈殿脚を通るスラリーの流速に対するフレキシビリティーヤが高く、液体流を制御する必要がない。また、本発明の沈殿脚は製造コストが安く、頑丈でもある。さらに、本発明の沈殿脚は、操作条件に応じて、反応装置のバイパスとして使用することもできる。
【0020】
第二の態様として、本発明は、第一のループ反応装置と第二のループ反応装置とが第一反応装置の沈殿脚を介して直列に接続された、少なくとも2つのループ反応装置を有するオレフィン重合に適したマルチループ反応装置において、沈殿脚が第一反応装置に間接的に接続されていることを特徴とするマルチループ反応装置に関するものである。
【0021】
より詳細には、本発明は、第一のループ反応装置と第二ループ反応装置とが、第一反応装置の単一の沈殿脚を介して直列に接続されている、少なくとも2つのループ反応装置を有する、オレフィン重合に適したマルチループ反応装置において、沈殿脚が(a)第一反応装置からポリマースラリーを回収するよう設計された、第一反応装置から沈殿脚へ延びたテイクオフラインと、(b)沈殿脚から第一反応装置へ延びたリターンライン(戻り配管)とを介して第一反応装置に接続され、テイクオフラインが単一の沈殿脚に放射状に接続されていることを特徴とするマルチループ反応装置に関するものである。
【0022】
この本発明は従来技術に対して以下のような利点を有する:
(1)ループ反応装置の液状媒質中での最大モノマー濃縮を大幅に増加でき、その結果、反応装置の処理能力を増加でき、
(2)複数の沈殿脚を使用するのに対して単一の沈殿脚を使用することで、機材の数を最小にでき、
(3)重合スラリー中のポリマー固体の重量パーセントを大幅に増加させることができる。
さらに、本発明のループ反応装置を2つ以上直列に用いることで、沈殿スラリーを単一の沈殿脚から次のループ反応装置へ最も効率良く送ることが可能となる。本発明により単一の沈殿脚を用いることで第一反応装置から第二反応装置へ移送される希釈剤の量は減り、ポリマーの量は増加する。
【0023】
第三の態様として、本発明は、1種以上のオレフィン反応物質と、重合触媒と、希釈剤とをループ反応物に導入する段階と、オレフィン反応物質、重合触媒および希釈剤を循環しつつ上記の1種以上のオレフィン反応物質を重合させて、液体希釈剤と個体のオレフィンポリマーとを含むポリマースラリーを製造する段階とを有する、ループ反応装置でオレフィンポリマーを生産する方法において、下記(a)〜(e)のサイクルの一つまたは複数をさらに有する方法に関するものである:
(a)反応装置の一つのセクションからスラリーの一部を取り出し、
(b)単一の沈澱脚へポリマースラリーを導入し、
(c)この単一の沈澱脚中でポリマースラリーを沈殿させ、
(d)沈殿しなかったポリマースラリーを上記沈澱脚の上部領域から抜き出し、この抜き出した未沈殿のポリマースラリーをループ反応装置へ再利用し、
および/または
(e)沈殿したポリマースラリーを上記の単一の沈殿脚の下部領域から反応装置外へ排出させ、生成物質回収領域、その他の反応装置へ送る。
【0024】
本発明方法はさらに、上記の単一の沈殿脚へポリマースラリーを半径方向から導入する段階も含む。
【0025】
詳細には、本発明は、1種以上のオレフィン反応物質と、重合触媒と、希釈剤とをループ反応物に導入する段階と、これらのオレフィン反応物質、重合触媒および希釈剤を靭間させつつ上記の1種以上のオレフィン反応物質を重合させて、液体希釈剤と個体のオレフィンポリマーとを含むポリマースラリーを製造する段階とを有する、ループ反応装置でオレフィンポリマーを生成する方法において、下記のサイクルの一つまたは複数をさらに含む方法有する方法に関するものである:
(a)反応装置の一つのセクションからスラリーの一部を取り出し
(b)反応装置から沈殿脚へ延びたテイクオフラインを通ってポリマースラリーを上記の単一の沈殿脚へ半径方向から導入し、
(c)上記の単一の沈澱脚中でポリマースラリーを沈殿させ、
(d)沈殿しなかったポリマースラリーを上記沈澱脚の上部領域から取り出し、この取り出した未沈殿のポリマースラリーを、沈殿脚から反応装置へ延びた戻り配管(リターンライン)を通ってループ反応装置へ再利用し、
および/または
(e)沈殿したポリマースラリーを上記の単一の沈殿脚の下部領域から反応装置外へ排出し、生成物質回収領域、その他の反応装置へ送る。
【0026】
驚くべきことに、本発明のループ反応装置および重合プロセスを使用することで上記反応装置を極めて高い固形物濃度で操作できるということが分かった。すなわち、本発明では40重量%以上へ濃縮することができる。本発明の反応装置を直列に接続することで最も良い費用対効果で沈殿スラリーを単一の沈殿脚から次のループ反応装置へ移送させることができる。
【0027】
以下、本発明をさらに詳細に開示するが、以下の記載は単なる実施例で、本発明を限定するものではない。参照番号は添付の図面に関するものである。
【0028】
本発明は、希釈剤を使用してポリマーと希釈剤との製品スラリーを生成させる、オレフィン重合方法に適したループ反応装置に関するものである。本発明のループ反応装置は液状媒質中に懸濁された通常は反応希釈剤と未反応モノマーとから成るポリマーの固体粒子のスラリーから成る重合流体が形成される重合方法に特に適している。
本発明は、液状媒質中に懸濁された希釈剤と未反応モノマーとを含むポリマーの固体粒子のスラリーを含む流れを生じる任意の方法に適用できる。そうした反応方法は粒子形の重合技術等で公知である反応方法を含む。
【0029】
本発明は重合されるモノマーを含んだ希釈剤中で、例えばC2〜C8のオレフィンを触媒重合し、重合スラリーをループ反応装置中で循環し、ループ反応装置に出発材料を供給し、生成したポリマーを取り出すことから成る粒状のオレフィンポリマーを製造するための重合方法に特に適している。本発明方法に適したモノマーには例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ブタジエン、イソプレン、1―ヘキセンなどの炭素数が2〜8のモノマーが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
重合反応は50℃〜120℃の温度で、好ましくは70℃〜115℃の温度で、さらに好ましくは80℃〜110℃の温度かつ20バール〜100バールの圧力で、好ましくは30バール〜50 バールの圧力で、より好ましくは37バール〜45バールの圧力で行なうことができる。
【0031】
本発明の好ましい実施の例では、本発明は特にイソブタン希釈剤中でのエチレンの重合に適している。適切なエチレン重合には、エチレンの単独重合と、エチレンとコモノマー、例えば1-ブテン、1−ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンまたは1-デセン等の高級1-オレフィンとの共重合が含まれるが、これらに限定されるものではない。本発明の実施例でのコモノマーは1-ヘキセンである。本発明の他の実施例では、本発明は二峰の(ビモダルな)ポリエチレン(PE)を製造するためのエチレン重合という観点で記載される。「二峰の(ビモダルな)PE」とは直列に接続した2つの反応装置を使用して作られるPEである。
【0032】
エチレンが液体希釈剤中で触媒と、任意成分の共触媒と、任意成分のコモノマーと、任意成分の水素と、任意成分の他の添加剤との存在下で重合されて重合スラリーが生じる。
【0033】
「重合スラリー」または「ポリマー・スラリー」または「スラリー」という用語は少なくともポリマー固体粒子と液相とを含む実質的に多相の組成物を意味し、プロセス中に第3の相(気体)が少なくとも局所的に存在していてもよい。液相が連続相である。固体には触媒と、重合したオレフィン(例えばポリエチレン)が含まれる。液体には不活性希釈剤(例えばイソブテン)、溶解したモノマー(例えばエチレン)、1種以上のコモノマー、分子量制御剤(例えば水素)、静電防止剤、汚染防止剤、スカベンジャ、その他の添加剤が含まれる。
【0034】
適切な希釈剤は当技術分野で周知であり、不活性または少なくとも本質的に不活性で且つ反応条件下で液体である炭化水素から成る。適切な炭化水素にはイソブタン、n-ブタン、プロパン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサンおよびn-ヘキサンが含まれ、イソブタンが好ましい。
【0035】
適切な触媒は当該技術分野で周知である。適切な触媒の例はシリカに支持された酸化クロム、「チーグラー」触媒または「チーグラー−ナッタ」触媒として知られる触媒、メタロセン触媒等の有機金属触媒が含まれるが、これらに限定されるものではない。「共触媒」とは重合反応中に触媒の活性を改善するために触媒と共に使用される材料である。
【0036】
[図1]は本発明の実施例による複数の互いに接続されたパイプ7から成る単一のループ反応装置1を表している。ループ反応装置Aでは6本の垂直パイプを有するように描かれているが、このループ反応装置Aのパイプの本数は6本より多くても少なくてもよく、例えば4本以上(4〜20本等)の垂直パイプを備えることができる。パイプセグメント7の垂直セクションには熱ジャック8を設けるのが好ましい。反応装置の重合熱はこの熱ジャック8中を循環する冷却水によって放出することができる。
【0037】
希釈剤、モノマー、任意成分のコモノマーおよび反応添加剤等の反応物質はライン3を介して反応装置1へ導入される。触媒は任意成分の共触媒または活性化剤と一緒に管路20を経由して反応装置1へ注入される。本発明の好ましい実施例では触媒が循環ポンプの直ぐ上流から導入され、希釈剤、モノマー、任意成分のコモノマーおよび反応添加剤は循環ポンプの直ぐ下流から導入される。
【0038】
重合スラリーは、一つ以上のポンプ(例えば軸流ポンプ2)によって、矢印6に図示するようにループ反応装置1を通って一方向に循環する。ポンプにはモーター5から電力が供給される。この「ポンプ」には例えばピストンまたは回転翼セット等の手段4によって流体の圧力を上げる任意の圧縮駆動デバイスが含まれる。
反応装置1にはループ反応装置1に間接的に接続した単一の沈澱脚(settling leg)9が更に備えられている。この沈澱脚9は、反応装置1からこの沈澱脚9まで延びているテイクオフライン(take-off line)11と、この沈澱脚9から反応装置1まで延びたリターンライン(戻りライン)12とを介してループ反応装置に接続されている。
本発明の実施例ではテイクオフライン11はポンプ2の下流に接続しており、リターンライン12はポンプ2の上流にある反応装置のパイプ7に接続している。
【0039】
テイクオフライン11はポリマースラリーを反応装置から沈殿脚へ運ぶように設計されている。このテイクオフライン11は直線でも、湾曲でも、直線とカーブの両方の部分を備えたものでもよく、例えば複数の直線部分を1つまたは複数のエルボーによって相互に接続することができる。本発明の実施例では、テイクオフライン11は2つのエルボーによって互いに接続された3本の直線型パイプからなる。テイクオフラインの片側は反応装置のパイプ7に接続され、他方は沈殿脚9に接続されている。テイクオフライン11の内径はループ反応装置のパイプの内径の約0.14〜約0.3倍、さらに好ましくは0.15〜0.25倍、より好ましくは0.16〜0.25倍、さらにより好ましくは0.20〜0.25倍であるのが好ましい。
例えば、反応装置のパイプの内径が約500〜700mmの場合、テイクオフライン11の内径は101.6mm〜122.4mmである。特に、反応装置のパイプの内径が24インチの場合、テイクオフライン11の内径は4〜6インチ、好ましくは6インチである。
【0040】
リターンライン12も直線でも、湾曲していても、直線とカーブとの両方の部分を備えていてもよく、例えば直線部分を1つまたは複数のエルボーで互いに接続する。本発明の実施例ではリターンラインは直線型である。この実施例のリターンライン12は未沈殿のポリマースラリーを沈殿脚9の上側部分から抜き出して反応装置へ再循環できるように設計されている。
「未沈殿のポリマースラリー」「沈殿していないポリマースラリー」とは、希釈剤中のポリマー粒子が約5〜55%、例えば10〜55%、例えば20〜55%、例えば30〜55%である希釈剤を含むポリマースラリーをいう。
リターンライン12の内径はループ反応装置のパイプの内径の約0.14〜約0.3倍、より好ましくは0.15〜0.25倍、さらに好ましくは0.16〜0.25倍、さらにより好ましくは0.20〜0.25倍であるのが好ましい。
【0041】
沈殿脚9には製品取出し弁または排出弁13を設けることができる。この排出弁13は、完全開放時にポリマースラリーを連続的または断続的に排出できまものであれば任意タイプの弁にすることができる。アングル弁またはボール弁は適切に使用できる。例えば、弁は固形物が弁の主要部分の所に蓄積、沈殿するのを防止する構造を有する。弁のタイプ及び構造は当業者が必要に応じて選択できる。排出弁を開く度に沈殿脚の一部または全体が排出される。沈殿脚9中に沈殿したポリマースラリーは1つまたは複数の製品回収ライン10、例えば製品回収ゾーンに回収できる。
【0042】
希釈剤は図示していない追加の希釈剤供給ラインから沈澱脚9中に直接導入できる。一つの実施例では、追加の希釈剤供給ラインを沈殿脚9の底部に備えることができる。追加の希釈剤供給ラインを使用することで、反応装置から抜き出されるモノマーとコモノマーの総量を減らすことができる。
【0043】
ポリマー・スラリーは、反応装置1から、ポンプ2の直ぐ下流にあるパイプ7に接続されているテイクオフライン11から延びた単一の沈殿脚9中へ流入し、未沈殿スラリーは可能な最大の圧力差を生じるためにポンプ2の直ぐ上流にあるパイプ7に接続されたリターンライン12を通って重合装置へ戻される。例えば、テイクオフライン11及びリターンライン12を介して沈殿脚9を反応装置のエルボー9の底部に接続することができる。沈殿脚は、圧力に差がある限り、反応装置の別の場所に接続できる。圧力はポンプの後で最大になり、その後は徐々に低下し、ポンプに戻る直前に最小になる。
【0044】
本発明の他の実施例ではポンプはリターンライン12上に設けることができる。この場合にはリターンライン12は反応装置の任意の位置に接続できる。
【0045】
さらに、沈澱脚の一部分または全体を断熱したり、冷却ジャケット等を取付けることもできる。
【0046】
[図2]は、テイクオフライン11と、リターンライン12と、弁13とを備えた[図1]に示した沈殿脚9の概念的な断面図である。沈殿脚9は弁13から上方へ延びたチャンバ15を規定する管状壁14を有している。
【0047】
沈澱脚の寸法は、重合条件、例えばポリマーの粒径、生産速度、固体濃度によって決定するのが好ましい。例えば、ポリマーを20トン/時間で生産する場合の沈殿脚の直径は約0.61である。一つの実施例で必要な沈澱脚の表面積はトン/時(ton/hour)当り0.015m2に等しい。例えば、一時間当り30トン生産するのには約0.45m2の表面積が必要であり、その場合の直径は0.76mになる。
【0048】
沈澱脚の適当な表面積の範囲の例は一時間当りの1トン生産する場合(ton/hour)で0.002m2〜0.200m2、好ましくは0.005m2〜0.050m2、最も好ましくは0.010m2〜0.020m2である。一つの好ましい実施例では単一の沈殿脚の内径はループ反応装置のパイプの内径の0.8〜2倍である。
【0049】
チャンバ15の内径は0.30〜30.05mの範囲にすることができる。例えば20トン/時間のポリマーの生産速度の場合、内径は0.46〜0.81mの範囲にすることができる。ポリマーの生産速度が40トン/時間である他の実施例では内径は0.51〜1.27mの範囲にすることができる。
【0050】
ポリマースラリー16はテイクオフライン11を通って反応装置から抜き出され、エントリーポート18を介して沈殿脚9へ半径方向から導入できる。放射状に設けたエントリーポート18は沈殿脚9の上側部分すなわち上部または中間部に位置し、沈殿脚9に頂部よりは下側に位置している。一つの実施例では、エントリーポート18は沈殿脚9の上側部分の1/3の所に位置している。エントリーポート18は円形、長方形、楕円形またはこれらを組合せた適当な任意の形状にすることができる。エントリーポート18は円形であるのが好ましい。
【0051】
液体サイクロンとは違って記載、本発明の沈殿脚の導入口であるエントリーポートは[図5]に示すように放射方向または半径方向であり、遠心力は働かない。ポリマースラリーはチャンバ15の最底部に沈殿し、次第に、ポリマースラリー17の容積は増加していく。チャンバ15の最下部は徐々に細くなるように図示してあるが、最下部はポリマースラリーを効率良く回収出来る形状であれば適当な任意の形状にすることができる。
本発明の実施例では、最下部は円錐形をしている。錐面の角度は水平に対し45°以上であり、好ましくは60°以上、最も好ましくは70°である。
出口の直径は沈殿スラリーを効率良く回収できる大きさであれば、適当な任意の大きさにすることができる。
【0052】
一つの実施例では、ポリエチレンを30ton/hourの生産性で生産するように設計した場合、沈殿脚9の全長は2.8mであり、先細りになった円錐部の長さは1mである。沈殿脚の非テーパー部分の直径は0.75mである。テイクオフライン11のパイプの直径は0.15mである。テイクオフライン11の導入口は沈殿脚に対し垂直であり、沈殿脚9の最頂部から沈澱脚の横側に0.4mの場所に位置している。反応装置内の固体濃度は約40%である。テイクオフライン11を通過する流れは制御されないが、圧降下およびパイプの長さ・寸法基づいて計算すると、約500のm3/時と推定される。循環ポンプの前方で反応装置に接続されるリターンライン12の直径も0.15mである。
これらの条件を用いることで、単一の沈殿脚の出口における固体濃度は62%であり、回収域に送られるポリマーは30ton/hour、希釈剤及びモノマーは18.4ton/hourである。沈澱脚がバイパスされる場合の固体濃度は40%であり、ポリマーは30ton/hour、希釈剤及びモノマーは45ton/hourである。
【0053】
一つの実施例では、沈殿脚の容積は、沈殿したポリマーの沈殿脚中での滞留時間が長くなりすぎないように、例えば約1分間となるように、設計される。
【0054】
一つの実施例では、沈殿脚9から弁13を通って所定容積の沈殿ポリマースラリー17を下方に放出した場合、沈殿ポリマースラリーは主として60〜65重量%のポリマー分子を含み、一方、沈殿脚中の未沈殿スラリー16は30〜55%のポリマー分子を含んでいる。図面では沈殿スラリー17の容積を示すために沈殿ポリマースラリー17と未沈殿スラリー16との間の分離ラインが概念的に示してある。
【0055】
未沈殿スラリー16は沈殿脚の出口19を通って沈殿脚の外へ出た後、リターンライン12を通って反応装置へ再循環される。出口19は円形、長方形、楕円形またはこれらの組み合わせ等の適当な任意の形にすることができる。この出口19は円形であるのが好ましい。図面では出口19は沈殿脚9の頂部に位置するよう描かれている。この出口19およびそれに対応するリターンライン12は沈殿脚9の上部、すなわち、上側部分または沈殿脚9の頂部の下方の中間点に接続または備えられるのが好ましい。例えば、リターンライン12は沈殿脚9の頂部に軸線方向に接続されるか、あるいは沈殿脚の側部に半径方向に接続することができる。沈殿脚内でのスラリーの流れと更新は、反応装置のテイクオフライン11の位置と循環ポンプ2の吸引領域との間の圧力差によって駆動される。本発明の単一の沈殿脚では上記の生産速度に十分適した沈澱を達成することができ、処理して反応装置へ戻す必要のある希釈剤の量を少なくすることができる。
【0056】
図示していないが、テイクオフライン11及びリターンライン12はループ反応装置に弁(例えば遮断弁)を介して接続されていてもよい。この弁は遮断弁にすることができる。この弁は通常条件下では開いており、例えば運転中に沈殿脚9を分離する場合に弁を閉じる。また、反応装置の圧力が選択値を下回った場合に弁を閉じるようにすることもできる。遮断弁は安全上の理由、特に「単一の」沈殿脚が2つ以上ある場合に有用である。ただし、単一の沈殿脚とは運転中は単一の沈殿脚であるということを理解しなければならない。この動作に適したものであれば弁は任意種類のもの、例えばピストン弁やクッション付きボール弁等にすることができる。
【0057】
本発明の沈殿脚中の圧力及び温度は一般にほとんどの希釈剤が液体で存在できるような値に調節される。圧力および温度は重合反応装置の圧力・温度と等しいことが好ましい。単一の沈殿脚の圧力(運転中で且つ遮断弁が閉じていないときの)は、導入口と排出口との間の圧力であり、これは基本的に反応装置と類似したものとなる。沈殿脚の温度は残ったエチレン渣との反応によって上昇することがある。これは残留時間と沈殿脚を取り囲むジャケットを調整することでコントロールできる。
【0058】
沈殿脚9中に沈殿したポリマースラリーは製品回収ライン10を介して除去して、例えば製品回収ゾーンへ送ることができる。使用可能な放出弁13はポリマー・スラリーを効率的に放出できるものであれば任意タイプのもにすることができる。複数の制御弁を用いて連続的に排出することもできる。この場合、弁は完全には開かない。好ましい放出弁の例は前述のものと同じであるが、それに限定さるものではない。
【0059】
放出弁は所定周期およびシーケンスで定期的に開くように制御され、従って、沈殿脚中に沈殿したポリマー・スラリーが放出される。例えば、適当な圧力制御装置を反応装置に接続し、放出弁と操作連結することができる。
【0060】
他の好ましい実施例では、全てのライン、タンク、ポンプ、弁、その他を窒素または希釈剤(すなわちイソブタン)を用いてフラッシングまたはパージすることによって閉塞なしに本発明方法を運転することができる。すなわち、閉塞や遮断を避け、低位置の「パージできない」位置を無くすために、必要に応じて、本発明の装置にラッシングまたはパージング手段またはラインを備えることができる。
【0061】
本発明方法では沈殿したポリマー・スラリーは連続的または周期的にループ反応装置から製品回収ゾーンへ排出できる。ここで「製品回収ゾーン」には加熱または非加熱のフラッシュライン、フラッシュタンク、サイクロン、フィルター、付随する蒸気及び固形物回収システム、あるいは、複数の反応装置が直列に接続されている場合には他の反応装置もしくはさらに別の反応装置への移送ラインが含まれる。
【0062】
沈殿脚の下流に反応装置が無い場合、取り出したスラリーを減圧し、例えば加熱または未加熱のフラッシュラインを介してフラッシュタンクへ送り、そこでポリマーおよび未反応モノマーおよび/またはコモノマーおよび希釈剤を分離することができる。更にパージ・カラムでポリマーの脱気を行なうこともできる。
【0063】
沈殿脚の下流に少なくとも一つの反応装置が有る場合には、取り出したスラリーを沈澱脚に接続している移送ラインを介して次の反応装置へ移す。この移送は、圧力が沈澱脚の出口の圧力よりも低い下流側の反応装置の位置へスラリーを注入することで実施できる。
【0064】
本発明は、本発明のループ反応装置を一つだけか、複数台を直列または並列で用いることができる。反応装置は液体を満たした状態で運転される。
【0065】
例えば2つの反応装置を直列で運転して同一または2つの異なるポリマー製品を同時に製造することもできる(ポリマー供給原料、用い触媒、温度、圧力および反応装置中で維持するその他の条件による)。
【0066】
マルチループ反応装置で製造された最終ポリマー生成物は、少なくとも2つのループ反応装置システムで個別に調整される広範囲の変数レンジ(各反応装置内の流動化媒体、重合触媒、温度、圧力、流動率、各反応装置内の他の要素)で決まる特性を有する。
【0067】
他の観点から、本発明は、少なくとも2つのループ反応装置を有し、第一のループ反応装置と第二のループ反応装置とが第一反応装置に間接的に接続された沈殿脚を介して直列に接続された複数のマルチループ反応装置に関するものである。特に、上記沈殿脚は下記(a)と(b):
(a)第一反応装置から沈殿脚まで延びた、ポリマースラリーを反応装置から回収するように設計されたテイクオフラインと、
(b)沈殿脚から第一反応装置まで延びたリターンラインと、
を介して第一のループ反応装置と接続され、上記テイクオフラインは上記の単一の沈殿脚に半径方向から接続されている。
【0068】
次に[図3]を参照する。この図では本発明の実施例に従って2つの反応装置が互いに直列に接続されている。本発明の一つの好ましい実施例では2つの別々のループ反応装置を用いるが、3つ以上の反応装置を用いても本発明は実施できるということは当業者には理解できよう。
2つの反応装置1はいずれも互いに接続された複数のパイプ7から成る。各パイプセグメント7の縦方向セクションには加熱ジャケット8が備えられているのが好ましい。反応質はライン3から反応装置1へ導入される。触媒は(任意成分の共触媒又は活性剤と一緒に)管路20を通って反応装置1の一方または両方に注入できる。重合スラリーは矢印6に示するように一つまたは複数のポンプ、例えば軸流ポンプ2によってループ反応装置1全体を一方向に循環する。ポンプは電気モーター5から電力を得る。ポンプは回転インペラセット4を備えることができる。2つのループ反応装置1は[図3]の右側の図に示される第一ループ反応装置1の単一の沈澱脚9を介して互いに直列に接続されている。
【0069】
右側の第一反応装置1の沈澱脚9は、上記反応装置から沈殿脚まで延びたテイクオフライン11と、沈澱脚から反応装置まで延びたリターンライン12とを介して上記の第一反応装置に接続されている。沈澱脚9は製品排出弁または放出弁13を備えることができる。反応装置1の沈澱脚9の出口の所での上記弁13の下流には沈澱脚9中に沈殿したポリマー・スラリーを第二反応装置1へ、好ましくはピストン・弁23を介して、移送する移送ライン21が設けられている。この移送ライン21は一般に円筒形の中間製品移送ラインから成る。複数のマルチループ反応装置を並列配置で用いなければならない場合には移送ライン21に沿って3方向弁22を用いて流れを製品回収ゾーンへ送ることができる。第二反応装置1も単一の沈殿脚9も有していなければならない。この単一の沈殿脚9はこの反応装置から上記沈殿脚まで延びるテイクオフライン11とこの沈殿脚から反応装置へ延びるリターンライン12とを介して第二ループ反応装置に間接的に接続されている。第二反応装置1の沈澱脚9中に沈殿したポリマー・スラリーは一つまたは複数の製品回収ライン10を介して回収され、例えば製品回収ゾーンへ送ることができる。
【0070】
従って、本発明は、少なくとも本発明の第一のループ反応装置を有するマルチループ反応装置を含む。このマルチループ反応装置は単一の沈殿脚を有し、この単一の沈殿脚は下記の(a)と(b):
(a)ポリマー・スラリーを反応装置から回収するよう構成された、第一反応装置から沈澱脚へ延びたテイクオフラインと、
(b)沈澱脚から第一反応装置まで延びたリターンラインと
を介して第一ループ反応装置に接続され、上記テイクオフラインは上記の単一の沈殿脚に半径方向から接続され、少なくとも本発明の第二反応装置は下記の(a)と(b):
(a)ポリマー・スラリーを反応装置から回収するよう構成された、第二反応装置から沈澱脚へ延びたテイクオフラインと、
(b)沈澱脚から第二反応装置まで延びたリターンラインと
を介して第二ループ反応装置に接続された単一の沈殿脚を有し、
上記テイクオフラインは上記単一の沈殿脚に半径方向から接続し、
第一ループ反応装置と第二ループ反応装置は、第一ループ反応装置の単一の沈殿脚を介して互いに直列に接続されている。
【0071】
[図4]は本発明の他の実施例を表し、互いに直列に接続された2つの単一のループ反応装置1、2が示されている。反応装置1、2はいずれも互いに接続された複数のパイプセグメント7から成る。各パイプセグメント7の縦方向セクシッンは加熱ジャケット8を有するのが好ましい。反応質はライン3から反応装置1、2へ導入される。触媒は(任意成分の共触媒又は活性剤と一緒に)管路20を通って反応装置1へ注入される。重合スラリーは矢印6に示すように一つまたは複数のポンプ(例えば軸流ポンプ2)によってループ反応装置1全体を一方向に循環する。ポンプは電気モーター5から電力を得る。ポンプは回転インペラセット4を備えるこができる。
【0072】
2つのループ反応装置1、2はループ反応装置1の単一の沈澱脚9を介して直列に接続されている。反応装置1の沈澱脚9はこの反応装置から沈澱脚まで延びたテイクオフライン11と沈澱脚から反応装置まで延びたリターンライン12とを介して反応装置1に接続されている。沈澱脚9は製品排出弁または放出弁13を備えることができる。反応装置1の沈澱脚9の出口の所の弁13の下流には沈澱脚9中に沈殿したポリマー・スラリーを第二反応装置1へ好ましくはピストン・弁23を通って移送する移送ライン21が設けてある。この移送ラインは一般に円筒形の中間製品移送ラインから成る。マルチループ反応装置を並列配置で用いなければならない場合には、移送ライン21に沿って3方向弁22で流れを千品回収ゾーンへ送ることができる。
【0073】
反応装置2は、反応装置2のパイプ7に接続した一つまたは複数の従来の沈澱脚24を備えている。これらの沈澱脚24は遮断弁25を備えているのが好ましい。更に、この沈澱レグ24は製品排出弁または放出弁13を備えることができる。反応装置2の沈澱脚24中に沈殿したポリマー・スラリーは一つまたは複数の製品回収ライン27によって回収し、例えば製品回収ゾーンへ送ることができる。
【0074】
従って、本発明は少なくとも一つの本発明の第一のループ反応装置を有するマクチループ反応装置を含む。このマクチループ反応装置は単一の沈殿脚を有し、この単一の沈殿脚は下記の(a)と(b):
(a)ポリマー・スラリーを反応装置から回収するよう構成された、第一反応装置から沈澱脚へ延びたテイクオフラインと、
(b)沈澱脚から第一反応装置まで延びたリターンラインと
を介して第一ループ反応装置に接続され、上記テイクオフラインは上記の単一の沈殿脚に半径方向から接続され、少なくとも一つの第二反応装置はこの第二反応装置に接続された沈殿脚を有し、第一ループ反応装置と第二ループ反応装置は第一ループ反応装置の単一の沈殿脚を介して互いに直列に接続されている。
【0075】
図示していないが、本発明はさらに、下記を有するマルチループ反応装置を含む:
(1)ポリマー・スラリーの流路を規定する互いに接続された複数のパイプから成る少なくとも一つの第一ループ反応装置、
(2)オレフィン反応物、重合触媒および希釈剤を導入する手段、
(3)反応装置内でポリマー・スラリーの循環を維持するのに適したポンプ、
(4)第一反応装置に接続した一つまたは複数の沈澱脚、
(5)本発明の少なくとも一つの第二ループ反応装置、
(6)下記の(a)と(b)とを介して上記の第二ループ反応装置に接続された単一の沈澱脚:
(a)反応装置からポリマー・スラリーを回収するよう設計された、第二反応装置から沈澱脚へ延びたテイクオフライン、
(b)沈澱脚から第二反応装置へ延びたリターンライン、
ここで、上記テイクオフラインは上記単一の沈澱脚に半径方向から接続しており、第1ループ反応装置と第2ループ反応装置は第1ループ反応装置の1つまたは複数の沈殿脚を介して互いに直列に接続されている。
【0076】
他の実施例では、本発明はさらに、下記を有するループ反応装置を含む:
(1)ポリマー・スラリーの流路を規定する複数の互いに接続されたパイプ、
(2)オレフィン反応物、重合触媒および希釈剤を反応装置へ導入する手段、
(3)反応装置内でポリマー・スラリーの循環を維持するのに適したポンプ、
(4)運転中に一つだけが作動される2つの沈殿脚(単一の沈殿脚という)。
上記沈殿脚の一方または両方は下記(a)と(b):
(a) 反応装置からポリマー・スラリーを回収するよう設計された、反応装置から沈澱脚へ延びたテイクオフライン、
(b)沈澱脚から反応装置へ延びたリターンライン、
を介して反応装置に接続することができ、上記テイクオフラインは上記の単一の沈澱脚に半径方向から接続している。第二の沈殿脚は運転中に上記の単一の沈殿脚がブロックした時に用いるか、安全上の理由で用いることができる。
【0077】
驚くべきことに、上記の単一の沈殿脚を用いることで、従来の沈殿脚を少なくとも2つ同時に用いた場合、好ましくは4つ同時に用いた場合、さらに好ましくは6つ同時に用いた場合(これらは沈殿脚の直径に依存する)よりもポリマー・スラリーの沈殿を増加させることができるということがわかった。単一の沈殿脚を用いることで液体サイクロンを用いた場合に比べてコストが低くなり、頑丈になる。
【0078】
本発明では本発明の沈殿脚の開閉のトリガーをコンピューターで制御する。コンピューター制御することによって沈殿脚が所定の頻度とシーケンスで開口するよう調節、制御することができる。排出プロセスをさらに精密にするために圧力制御装置、温度制御装置、流量制御装置、流量トランスデューサー、流量センサー等の他の制御手段を用いることができる。
【0079】
本発明は、本発明の目的を達成するための別の制御方法を包むことができる。本発明は情報を送信するための機械的手段や液圧手段などの他の信号手段も適用できる。大抵の制御システムでは電気的、空気圧式、機械的または液圧式の信号の組み合わせが用いられるが、用いられるプロセス及び装置と互換性のある他の任意タイプの信号伝送法も本発明の範囲に含まれる。
【0080】
製品回収ゾーン及び他の反応装置への排出段階の作動及び制御は電気的アナログ、電子的デジタル、空気式、液圧式、機械式、その他の類似タイプの装置またはこれらのタイプの装置を1つ以上の組み合わせたものを用いて実行できる。コンピューター制御手段を用いた本発明の好ましい実施例では、処理パラメーターを操作及び制御する。本発明ではコンピューター、その他タイプの計算機を用いることができる。
【0081】
本発明はさらに、ポリマー・スラリーを沈殿させ、沈殿したポリマー・スラリーを製品回収ゾーンへ排出するために反応装置に間接的に接続された単一の沈澱脚の使用を含む。
本発明の他の実施例では、第一反応装置に間接的に接続された単一の沈澱脚を2つ以上の反応装置に接続して用いることができる。この実施例では単一の沈殿脚は下記の(a)と(b)を介してループ反応装置に間接的に接続される:
(a)反応装置から沈殿脚へ延びるテイクオフライン、
(b)沈殿脚から反応装置へ延びるリターンライン。
本発明の一つの実施例では、テイクオフラインは単一の沈殿脚に半径方向から接続している。
【0082】
より詳細には、本発明はさらに、ポリマー・スラリーを沈殿させ、沈殿したポリマー・スラリーを製品回収領域へ排出するために、反応装置に間接的に接続された単一の沈澱脚の使用を含む。この単一の沈殿脚は下記(a)と(b):
(a)ポリマースラリーを反応装置から回収するように設計された、反応装置から沈殿脚に延びたテイクオフライン、
(b)沈殿脚から反応装置に延びたリターンライン、
を介してループアクターに接続され、テイクオフラインは上記の単一の沈殿脚に半径方向から接続している。
本発明の他の実施例では、第一反応装置に間接的に接続している単一の沈殿脚を直列または2つ以上の反応装置と接続して使用することができる。
【0083】
本発明の単一の沈澱脚を用い、スラリーを沈殿脚に半径方向から導入することでポリマーの沈澱状態が改善され、固体濃度がより高くなるということがわかっている。
【0084】
さらに、反応装置と沈澱脚とを接続するパイプの直径が限定因子ではなくなり、直径の小さい接続パイプを単一の沈殿脚と一緒に用いることができる。
【0085】
従来の複数の小さい沈澱脚を用いる代りに、本発明の単一の沈澱脚を用いることによって、重量パーセントの高い固体を反応装置中で循環できるということがわかっている。さらに、ループ反応装置中の固体の重量パーセントが増加することによって触媒の滞流時間が増加し、触媒の生産率が向上する。固体濃度が高いことで反応装置から回収される固体の重量パーセントも増加し、リサイクル装置での希釈剤加工コストを減らすこともできる。
【0086】
以上、本発明を複数の好ましい実施例を参照して説明したが、上記以外の他のバリエーションも可能である。従って、本発明の精神および請求の範囲は上記で説明した好ましい実施例に限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(i)〜(iv):
(i)上オレフィン反応物と、重合触媒と、液体希釈剤と、固形物オレフィン・ポリマー粒子とを含むポリマースラリーの流路を規定する相互接続した複数のパイプと、
(ii)上記オレフィン反応物と、重合触媒と、希釈剤とを反応装置に導入する手段と、
(iii)上記反応装置中でポリマースラリーの循環を維持するためのポンプと、
(iv)単一の沈殿脚であって、この単一の沈殿脚は(a)反応装置から上記ポリマースラリーを回収するよう設計された上記反応装置から上記単一の沈殿脚に延びたテイクオフラインと、(b)上記沈殿脚から反応装置へ延びたリターンラインとを介して上記ループ反応装置に接続されている沈殿脚と、
を有するオレフィン重合プロセスに適したループ反応装置において、
前記テイクオフラインが上記の単一の沈殿脚に放射状または半径方向から接続されていることを特徴とする、ループ反応装置。
【請求項2】
上記テイクオフラインの内径が、ループ反応装置のパイプの内径の0.14〜0.3倍である請求項1に記載のループ反応装置。
【請求項3】
前記テイクオフラインが、前記単一の沈殿脚の上側から3分の1の部分と接続している請求項1または2に記載のループ反応装置。
【請求項4】
前記単一の沈殿脚の内径が、ループ反応装置のパイプの内径の0.8〜2倍である請求項1〜3に記載のループ反応装置。
【請求項5】
少なくとも2つのループ反応装置を有し、第一と第二ループ反応装置とが第一反応装置の単一の沈殿脚を介して接続しているマルチループの反応装置において、前記単一の沈殿脚が下記の(a)と(b):
(a)反応装置から上記ポリマースラリーを回収するよう設計された上記第一反応装置から単一の沈殿脚まで延びたテイクオフラインと、
(b)上記沈殿脚から反応装置へ延びたリターンライン、
を介して第一ループ反応装置に接続されており、
前記テイクオフラインが単一の沈殿脚に放射状または半径方向から接続されていることを特徴とする、オレフィンの重合に適したマルチループ反応装置。
【請求項6】
下記の(i)と(ii):
(i)(a)反応装置から上記ポリマースラリーを回収するよう設計された第一反応装置から前記単一の沈殿脚へ延びたテイクオフラインと、(b)前記沈殿脚から第一反応装置へ延びたリターンラインとを介して第一ループ反応装置に接続された単一の沈澱脚を有し、前記テイクオフラインは単一の沈殿脚に放射状に接続している請求項1〜4のいずれかに記載の少なくとも1つの第一ループ反応装置と、
(ii)(a)反応装置から上記ポリマースラリーを回収するよう設計された第二反応装置から前記単一の沈殿脚へ延びたテイクオフラインと、(b)前記沈殿脚から第二反応装置へ延びたリターンラインとを介して第二ループ反応装置に接続された単一の沈澱脚を有有し、前記テイクオフラインは単一の沈殿脚に放射状または半径方向から接続している請求項1〜4のいずれかに記載の少なくとも1つの第二ループ反応装置と、
とを有し、
上記第一ループ反応装置と第二のループ反応装置が第一ループ反応装置の単一の沈澱脚を介して直列に接続されている、請求項5に記載のマルチループ反応装置。
【請求項7】
下記の(i)と(ii):
(i)(a)反応装置から上記ポリマースラリーを回収するよう設計された、第一反応装置から前記単一の沈殿脚へ延びるテイクオフラインと、(b)前記沈殿脚から第一反応装置へ延びるリターンラインとを介して第一ループ反応装置に接続された単一の沈澱脚を有し、上記テイクオフラインは単一の沈殿脚に放射状または半径方向から接続している請求項1〜4のいずれかに記載の少なくとも1つの第一ループ反応装置と、
(ii)基本的にオレフィン反応物と、重合触媒と、液体希釈剤と、固形物オレフィン・ポリマー粒子とから成るポリマー・スラリーの流路を規定する複数の相互接続したパイプと、前記オレフィン反応物と重合触媒と希釈剤とを反応装置に導入する手段と、上記反応装置内でポリマースラリーの循環を維持するためのポンプと、上記第二反応装置のパイプに接続された1つまたは複数の沈殿脚とをを有する少なくとも1つの第二反応装置と、
を有し、第一ループ反応装置と第二ループ反応装置が第一ループ反応装置の単一の沈殿脚を介して直列に接続されていることを特徴とする請求項5記載のマルチループ反応装置。
【請求項8】
以下の(i)と(ii):
(i)基本的にオレフィン反応物と、重合触媒と、液体希釈剤と、固形物オレフィン・ポリマー粒子とから成るポリマー・スラリーの流路を規定する複数の相互接続したパイプと、上記オレフィン反応物と重合触媒と希釈剤とを反応装置に導入する手段と、上記反応装置内にポリマースラリーの循環を維持するためのポンプと、第一反応装置のパイプに接続された1つまたは複数の沈殿脚とを有する少なくとも1つの第一反応装置と、
(ii)単一の沈澱脚を有する請求項1〜4のいずれかに記載の少なくとも1つの第二のループ反応装置であって、この第二のループ反応装置は(a)反応装置から上記ポリマースラリーを回収するよう設計された、第二反応装置から前記単一の沈殿脚へ延びたテイクオフラインと、(b)前記沈殿脚から第二反応装置に延びたリターンラインとを介して第一ループ反応装置に接続され、前記テイクオフラインが単一の沈殿脚に放射状または半径方向から接続している第二のループ反応装置と、
を有し、第一のループ反応装置と第二のループ反応装置とが第一ループ反応装置の単一の沈澱脚を介して直列に接続されていることを特徴とするマルチループ反応装置。
【請求項9】
前記テイクオフラインの内径が、ループ反応装置のパイプの内径の0.14〜0.3倍である請求項5〜8のいずれかに記載の複数のループ反応装置。
【請求項10】
前記テイクオフラインが、単一の沈殿脚の上側の3分の1の部分の位置に接続している請求項5〜9のいずれかに記載の複数のループ反応装置。
【請求項11】
前記単一の沈澱脚の内径がループ反応装置のパイプの内径の0.8〜2倍である請求項5〜10のいずれかに記載の複数のループ反応装置。
【請求項12】
(i)1種以上のオレフィン反応物と、重合触媒と、希釈剤とをループ反応装置に導入し、(ii)上記の1種以上のオレフィン反応物を重合して基本的に液体希釈剤と固形物オレフィン・ポリマー粒子とから成るポリマースラリーを作る段階を有するループ反応装置内でオレフィン・ポリマーを製造する重合方法であって、
下記(a)〜(e)の1つまたは複数のサイクルをさらに含むことを特徴とする重合方法:
(a)前記反応装置の所定セクションから所定量のスラリーを抜き出し、
(b)前記反応装置から沈殿脚へ延びたテイクオフラインを通ってポリマースラリーを単一の沈殿脚に放射状に導入し、
(c)ポリマースラリーを単一の沈殿脚中に沈殿させ、
(d)前記沈殿脚の上側部分から未沈殿のポリマースラリーを抜き出し、前記沈殿脚から反応装置へ延びたリターンラインを通って抜き出した未沈殿のポリマースラリーを再循環し、
(e)沈殿したポリマースラリーを、前記単一の沈殿脚の下側部分から反応装置外に排出させて、生成物回収領域または他の反応装置内へ放出する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−537037(P2010−537037A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522394(P2010−522394)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【国際出願番号】PCT/EP2008/061416
【国際公開番号】WO2009/027518
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(504469606)トータル・ペトロケミカルズ・リサーチ・フエリユイ (180)
【Fターム(参考)】