説明

改良された雰囲気内で食品を連続包装するためのプラント及び装置

改良された雰囲気(11)内で食品を連続包装するためのプラント(10)で、改良された雰囲気内で食品を連続包装するための機械(12)、及び、その機械に食品を連続的に逐次供給するためのコンベヤ(13)から成っている。機械内での改良された雰囲気内で包装される前に、コンベヤにより供給された食品を真空及び改良された雰囲気に一時的に曝す装置(21)が機械(12)の入口に存在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の明細書は改良された雰囲気内で食品を連続包装するための革新的プラントについて示している。さらに、本発明の明細書は包装前に真空に、そして、改良された雰囲気に製品を曝す装置を示している。
【背景技術】
【0002】
腐敗しやすい製品の包装技術で、真空包装及び改良された雰囲気内での包装は良く知られている。真空包装の場合、パック(pack)内から空気を完全に除去することで製品を長寿命にしている。他方、包装された食品の外観が真空パケットの側面によりかなり押しつぶされて、魅力的でなくなることも良く知られている。
【0003】
改良された雰囲気内での包装の場合、パック内の空気が適当な不活性ガスにより置換えられる。真空パックの場合のように、パックの側面が製品に密着する必要がないので、包装された製品の外観は原則として自然であり、それゆえ、購入時の外観が良い。それゆえ、多くの食品で、改良された雰囲気内での包装が好まれている。特に、改良された雰囲気内での包装はベーカリー(bakery)製品にとって好ましい。ベーカリー製品はその性質により真空包装による圧縮に対して十分に形状が保持されず、購入時のそれに対する外観が特に重要である。
【0004】
改良された雰囲気内で包装をするためのプラントの第一のタイプには、包装すべき製品(又は一連の製品)を内側に置いた後で、密封するパッキング・チャンバー(packing chamber)が含まれていて、製品の回りに前記ガスを組込んだパックを形成し、密封する。そのような機械は包装が不連続に行なわれ、製品をチャンバーに置いて全包装サイクルを実施するのに必要な総時間に対して、新しい製品の供給を中断しなければならないので、製造速度が低下する。
【0005】
しかしながら、多くの場合、そのような機械は、内部に空気を保持している「スポンジ状(spongy)」食品を包装するために好ましいと信じられている。事実、そのチャンバーは、他の方法では製品に閉じ込められて、保存期間を短くする空気を除去するため、ガスを注入する前に真空にできる。スポンジ状食品について、我々はここで、ガスに対して透過性があり、内部に空気又は他のガスを保持できる比較的多孔性の塊を有する食品を想定している。そのような製品の例は、パン、ケーキ、ピザ及び類似製品のようなベーカリー食品である。
【0006】
製品寿命に好ましい製造速度であれば、連続的機械を使用でき、コンベヤ・ベルトが包装すべき製品を逐次かつ連続的に供給する。製品はトンネル状の包装区域に入り、そこで、連続的なプラスチック・フィルムの帯が通過中の製品を側面から囲むため筒状に折りたたまれ、密封される。その一方で、ガスのジェットがその筒に注入される。そこで、横方向密封ヘッドが各製品を分離するために、筒状セグメント(segments)を閉じる。この方法に作られた機械は非常に高い運転速度に連続的に達することができる。他方、機械内の製品通路の連続性により、ガスを注入する前に真空にできるように包装領域を密閉することはできない。それどころか、包装領域は、両端で外部に常に解放されていて、パックの中に必然的に閉じ込められたままになる外部空気の侵入を阻止するために、ガスを加圧し続けなければならない。
【0007】
それゆえ、運転速度は包装された製品の保存寿命と相反する。その寿命は、パッキング・チャンバーを組込んだ不連続機械で得られる寿命と比較して、かなり低下する(場合によっては50%超)。
【発明の開示】
【0008】
本発明の主要な目的は、改良された雰囲気内で連続動作により包装をして、それにより非常に遅い不連続機械と同等の保存寿命が得られるプラントを提供することにより上記の不利を避けることである。
【0009】
この目的から見て、本発明に基づく意図は、改良された雰囲気内で食品を連続包装するプラントが改良された雰囲気内で連続包装するための機械とその機械に食品を連続的に逐次供給するためのコンベヤから成り、機械内の改良された雰囲気内で包装される前に、機械の入口部で、コンベヤにより供給される製品を一時的に真空にする手段が提供されていることを特徴としたプラントを製造することである。
【0010】
さらに、本発明の原理に基づいて、連続コンベヤ上で逐次流れる食品を真空に、そして、改良された雰囲気に、逐次一時的に曝すための装置を作り、その内部から空気を吸引するための手段及びそれに改良された雰囲気を注入するための手段に接続した少なくとも1個のベルを含み、そのベルが移動手段により保持され、コンベヤの輸送部分に沿って同期的に移動して、前記部分内で製品がベルの下に閉じ込められ、前記真空にそして前記改良された雰囲気に製品を曝すように計画している。
【0011】
本発明の革新的原理を明確にし、さらに、公知技術と比較した利点を説明するために、添付図面の支援を受けて、そのような原理を適用した実施例の可能な例の説明を以下に示す。
【実施例】
【0012】
図面を参照すると、図1は、改良された雰囲気内でスポンジ状食品を連続包装するための、全般的に10として示したプラントを示している。例えば、前記製品(図面の中で一般的に11として示す)をケーキ、ピザ又は類似製品のようなベーカリー食品とすることができる。
【0013】
プラント10は食品を改良された雰囲気内で連続包装するための機械12及びその機械に連続的かつ逐次製品を供給するコンベヤ13から成っている。
【0014】
連続包装機械12はそれ自体が公知のタイプであり、それゆえ、専門技術者であれば容易に想像しうるので、ここでは詳細に図示せず、説明をしない。例えば、その機械はパックを作るためのプラスチック・フィルムのロール14を有利に含んでいる。そのフィルムは、既知のガイド及び適当な溶着機15により、その内部に機械内を移動する製品を閉じ込める筒形16になるように包装機械の入口20で巻き戻される。さらに、機械はフィルムにより形成された筒内に適当な保存用ガスを送るための手段(図示せず)を含んでいる。ガスが筒に送られると、横方向密封手段17が(一般的に18として示されている)パックを閉じた後で19で機械から出す。
【0015】
コンベヤ13により連続的に供給される製品11が、改良された雰囲気内で包装される前に一時的に真空に曝す装置を形成する手段21が機械12の入口に存在する。(例えば、既に述べた不連続機械で生じるような)包装が完了するまで、製品を真空内に又は改良された雰囲気内に保持する必要がないことを見いだしたことは驚きであった。事実、製品内の空気を「除去すること」及びそれを改良された雰囲気で置換した状態は、通常圧力で外部雰囲気に製品を接触させた場合でも、しばらくは維持される。改良された雰囲気が包装機械に入るまでに、製品内への空気の流入をさらに減らすため、真空の後で、改良された雰囲気を製品に充填するために送る手段21が工夫されている。
【0016】
これら全てで、製品を連続包装機械内でガスが加圧状態で存在する領域に送ることができることが見いだされている。
【0017】
有利なことに、機械の包装領域に入る前に、製品を一時的に真空に、そして、改良された雰囲気に曝す手段は、内部から空気を吸引し、その後に、改良された雰囲気を注入する手段23に接続された少なくとも1個のベル22を含んでいる。
【0018】
ベル22は、包装機械の入口近くにあるコンベヤの輸送部分25に沿って同期的に移動するために電動の移動手段24により保持されている。その移動手段は前記部分25内でベルの下に製品を閉じ込め、真空に曝すことができる。ベルはコンベヤの移動面上の密封部として機能する。吸引手段は、包装すべき特定タイプの製品に必要で十分な量の空気を短い時間で抽出するのに十分な動力を有するように選ばれる。必要な真空を得た後で、手段23は改良された雰囲気を生じるように選んだガスを注入する。それゆえ、ベルの下の製品がそのガスを吸収する。
【0019】
有利なことに、利用できる吸引時間を増すために、前記輸送部分に沿って、逐次配置されたいくつかの製品上で同時に機能するようにいくつかのベルが配置されている。
【0020】
ベルの数とその往復距離は、部分25に沿ったベルのピッチが前記部分内の製品のピッチと等しくなるようにしていて、各製品がその部分25の始めから前記部分の終わりまでにベルと会うようにしている。
【0021】
部分25の上流には、ベルの回転コンベヤに対応して、製品の間隔を適正にし、位相を適正にするように、公知の手段31を設けている。
【0022】
図2に非常に良く、かつ、図3には非常に詳細に示したように、移動手段には真空装置21が設けられ、コンベヤの輸送部分25を含む閉じ込め部分に沿ってベルを運ぶ回転コンベヤ24が含まれる。さらに、移動手段には部分25に沿ってコンベヤ上のベルを制御しながら降下させるための手段が含まれる。
【0023】
図3に良く示されているように、降下手段は回転コンベヤ上でベルを保持し、上昇位置にベルを保持するスプリング27の作用に抗して垂直にスライドする支持部26により有利に作られている。部分25に沿って、スプリングの作用に抗してベルをコンベヤの方に押すアクチュエーター(actuator)手段がある。最も単純な形としてアクチュエーター手段をヨーク(yoke)28で示していて、そのヨークは支持部26の上端に置かれた小さな車輪29の上に作用する。
【0024】
吸引及びガス注入の手段は、適当なポンプ、弁及びガス源の形で、ベルと同じ移動用回転コンベヤ上に保持できるので、実質的にベルに対して静止させることができる。図1に示すように、各ベルに対してポンプとガス源のための機構を設けて、回転コンベヤの対応する下部に有利に保持できる。公知の回転配電器30が回転コンベヤ内で移動するポンプに電気を分配する。
【0025】
それゆえ、ベル、その吸引及びガス注入の手段及びベルの移動用支持部はモジュラー・ユニット(modular unit)になっていて、使用される各ベルについて繰返される。
【0026】
図3に概略的に示すように(簡略化のために、図には1個のみのベル22を示す)、各ベル22はコンベヤ13のベルの移動面の裏面上のカウンター・ベル(counter−bell)22bに有利に対応することができ、ベルト自体の伸びと変形を避けるためにベルトの両側の圧力バランスを維持する。各カウンター・ベルはベル22のと同様の移動吸引グループ(又はその移動吸引グループの一部と共用)を用いて作ることができ、その回転コンベヤ24により、又は、類似の回転コンベヤによっても移動できる。コンベヤの特定下部構造により必要な場合、ベルについて既に述べたのと同様なシステムで、カウンター・ベルをベルトに近づけ又は離すことができる。
【0027】
ベルトの帰り部分は、カウンター・ベルが通過できるように十分下に保持される。
【0028】
ベル及びカウンター・ベルの動きは同期していて、製品の周囲に必要な真空を生じるためにベルをベルト上に下げた時に、対応するカウンター・ベルはベルトの裏面で対応する真空を生じる。
【0029】
この時点で、事前設定された目的がどのように達成されるかは明らかである。プラントに到着した各製品は停止せずに真空に曝されて、その内部から空気を吸引する。次ぎに、製品は連続包装機械に移動して、改良された雰囲気内で包装される。さらに、包装前に製品に空気が戻るのを最小限に低減するために、ガスを浸透させることもできる。本発明に基づくプラントと装置を用いて、包装速度は連続包装機械並みで(例えば、毎分100製品超)、包装した製品の保存寿命は低速の不連続真空密封チャンバー付き包装機械で得られる値と基本的に等しい。
【0030】
製品輸送部分に沿ってベルが移動することにより、製品が高速で移動する場合でも比較的長時間、製品を真空に曝すことができ、そして、ガスを注入することができる。真空とガス注入に曝す時間を長くするためには、プラントの部分25を都合良く長くすることで十分であり、製品の供給速度を低減する必要はない。
【0031】
当然、本発明の革新的原理を適用する実施例の上記説明は、前記の革新的原理の例として示されていて、それゆえ、ここで請求している特許の権利範囲を制限するものと見るべきでない。例えば、ベルは、吸い出す空気の体積を低減し、必要な真空形成を加速するために、製品を封入する時にその中の余分のスペースを有利に最小限にするため、チャンバーを処理する製品の特定形状に適合させる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に基づくプラントの略図の側面図である。
【図2】図1のプラントの平面図である。
【図3】図1のプラントの真空装置を部分的に切断した概略的側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
改良された雰囲気内で食品(11)を連側的に包装するためのプラント(10)で、改良された雰囲気内で食品を連続的に包装するための機械(12)及びその機械に食品を連続的に逐次供給するためのコンベヤ(13)から成り、機械(12)の入口に、その機械内の改良された雰囲気内で包装する前に、コンベヤ(13)により供給された製品を一時的に真空に曝す手段(21)が存在することを特徴とするプラント。
【請求項2】
前記手段(21)がその内部から空気を吸引するための、そして、改良された雰囲気を注入するための手段(23)に接続された少なくとも1個のベル(22)から成り、そのベルが、包装機械の入口近くでコンベヤの輸送部分に沿って同期的に移動するための移動手段(24、26)により保持され、前記部分内で、製品をベルの下に閉じ込めて、製品を前記真空に、そして、前記改良された雰囲気に曝すことを特徴とする請求項1に基づくプラント。
【請求項3】
その移動手段が、コンベヤの前記輸送部分から成る閉じ込め部分に沿ってベル(22)を輸送する回転コンベヤ(24)及びコンベヤ上にベルを制御しながら降下させる手段(26、27、28)を含むことを特徴とする請求項2に基づくプラント。
【請求項4】
その制御しながら降下させる手段が、ベルを上昇位置に保持する弾性手段(27)の作用に抗して垂直に降下させることができるベルの支持部(26)、及び、前記弾性手段の作用に抗してベルをコンベヤの方に押すために前記輸送部分に沿って配置されたアクチュエーター手段(28、29)から成ることを特徴とする請求項1に基づくプラント。
【請求項5】
アクチュエーター手段がベルの前記支持部の降下用カム・ヨーク(28)から成ることを特徴とする請求項4に基づくプラント。
【請求項6】
前記輸送部分に沿って逐次移動するいくつかの製品上で同時に作用する複数のベル(22)を含むことを特徴とする請求項2に基づくプラント。
【請求項7】
吸引及び注入の手段(23)が、ベルと共に移動する回転コンベヤ(24)により保持されていることを特徴とする請求項2に基づくプラント。
【請求項8】
改良された雰囲気内で連続的に包装する機械(12)がプラスチック・フィルムのロール(14)及びそのフィルムを巻き戻して、筒状に変形し、溶着して、それに供給された製品の周囲を逐次包むための手段から成るタイプであることを特徴とする請求項1に基づくプラント。
【請求項9】
連続コンベヤ(13)上を逐次流れる食品を逐次真空に、そして、改良された雰囲気に一時的に曝すための装置で、ベルの内部から空気を吸引するための手段(23)とそのベル内に改良された雰囲気を注入するための手段に接続された少なくとも1個のベル(22)を含み、そのベルがコンベヤの輸送部分に沿って同期して移動するための移動手段(24、26)により保持され、前記部分内でベルの下に製品を閉じ込め、前記真空にそして前記改良された雰囲気に曝すための装置。
【請求項10】
その移動手段がコンベヤの前記輸送部分から成る閉じ込め部分に沿ってベルを輸送するための回転コンベヤ(24)及びコンベヤ上にベルを制御しながら降下させるための手段(26、28)から成ることを特徴とする請求項9に基づく装置。
【請求項11】
制御しながら降下させるための手段がベルを上昇位置に保持するための弾性手段(27)の作用に抗して垂直に降下できるベルの支持部(26)及び前記弾性手段の作用に抗してコンベヤの方にベルを押すために前記輸送部分に沿って配置されたアクチュエーター手段(28)から成ることを特徴とする請求項9に基づく装置。
【請求項12】
アクチュエーター手段がベルの前記支持部を下げるためのカム・ヨーク(28)から成ることを特徴とする請求項11に基づく装置。
【請求項13】
前記輸送部分に沿って逐次移動するいくつかの製品に同時に作用する複数のベルから成ることを特徴とする請求項9に基づく装置。
【請求項14】
吸引及び注入の手段(23)がベルと共に移動する回転コンベヤにより保持されることを特徴とする請求項10に基づく装置。
【請求項15】
その吸引及び注入の手段が各ベルに対するポンプ(23)を含むことを特徴とする請求項14に基づく装置。
【請求項16】
その内部から空気を吸引するための手段に接続され、移動でき、ベル(22)の前に配置され、コンベヤの輸送面の裏側の面と接触して、コンベヤ上のベル(22)の真空作用とバランスする真空を生じるという機能を持つカウンター・ベル(22b)を含むことを特徴とする請求項2に基づく装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2006−506291(P2006−506291A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−570278(P2004−570278)
【出願日】平成15年11月17日(2003.11.17)
【国際出願番号】PCT/EP2003/012838
【国際公開番号】WO2004/045951
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(504446526)イラパク・マシネ・アウトマテイシエ・ソシエテ・アノニム (1)
【Fターム(参考)】