説明

改良多層ポリマー構造

隣接する層(L1)及び(L2)の少なくとも1つの対(L1-L2)を含む多層ポリマー構造であって、層(L1)は、N1グラフトフルオロポリマー(P1)からなるグラフトフルオロポリマー材料(M1)を含む少なくとも1種のポリマー組成物(C1)を含み、前記ポリマー(P1)は、非グラフトフルオロポリマー(U1)上に、エチレン性不飽和カルボン酸、それらのエステル、それらの無水物及びそれらの塩から選択される少なくとも1種のグラフト剤(G1)をグラフトすることを含む方法によって得られ、層(L2)は、少なくとも1種の耐衝撃性改良剤(I2)及びN2半結晶質芳香族ポリアミドポリマー(P2)からなる半結晶質芳香族ポリアミド材料(M2)を含む少なくとも1種のポリマー組成物(C2)を含み、及び材料(M1)の平均融点(Tav,1)は材料(M2)の平均融点(Tav,2)から多くても45℃異なり、Njは、材料(Mj)のポリマー(Pj)の数であり、Nj≧1、Tav,jは式(I)に等しく、wi,jは、材料(Mj)のi番目のポリマー(Pj)の質量であり、Ti,jは、材料(Mj)のi番目のポリマー(Pj)の融点であり、Wjは、材料(Mj)の全質量であり、j=1及びj=2である、多層構造。ポリマー組成物(C1)及び(C2)を共押出して隣接する層(L1)及び(L2)の対(L1-L2)を得ることを含む上記多層構造の製造方法。上記多層構造を含む成形物品、及びその製造方法。
【数1】


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の参照〕
本出願は、2004年11月24日に提出された米国仮出願第60/630,204号明細書、及び2005年8月25日に提出された欧州出願第05107816.0号明細書に対する優先権を主張し、両出願の内容を参照としてここに組み込む。
【0002】
本発明は、改良した多層ポリマー構造に関する。また、前記多層ポリマー構造の製造方法、前記多層ポリマー構造を含む成形物品、及び前記成形物品の製造方法にも関連する。
【0003】
より良い組み合わせの特性を有する多層ポリマー構造が、フルオロポリマー及びナイロン12及びナイロン6,6のような脂肪族ポリアミドから得られ得ることが知られている。通常、そのようなナイロン系フッ素化多層構造では、最内側層がフルオロポリマーからなり、攻撃的な化学環境に対する抵抗を提供し、一方で最外側層が脂肪族ポリアミドからなり、より高い熱安定性、より高い遮断抵抗、及びより高水準の機械的特性、特により高い強度及びより高い寸法安定性を提供する。
【0004】
しかし、ある種の要求の厳しい用途では、上記の先行技術の構造と比較したときに改善されたバランスの特性を有する新規多層ポリマー構造が必要とされる。特に、改良された化学抵抗、改良された熱安定性、広い範囲の異なる化合物に対する改良された不透性、改良された寸法安定性、改良された磨耗抵抗、及びエイジングにおける全性能の改良された定常性を有する新規多層ポリマー構造が必要とされる。
【0005】
さらに、該改良多層構造は、コーティング、押出コーティング及び/又は接着剤張り合わせを含む先行技術の方法より魅力的な方法によって得られることが望ましい。前記方法は、平面形状及びチューブ形状の多層フィルム(例えば、自動車燃料ライン又はホース;蒸気ライン;熱交換チューブ)、及び多層中空体、特に自動車産業のための燃料タンクのような複雑な断面形状を有するもののような多様化された及び/又は複雑な成形物品の製造に特によく適する点でより魅力的となるべきである。
【0006】
一部の多層ポリマー構造がすでに共押出方法によって調製されていることは事実であるが、これらの構造は、それらの成功が、その効果が単に困難であることが当業者によって予測可能に見える多くのパラメーター、型の設計、個々に押出された溶融物を接合する方法、及び共押出された多層構造の種々の層を形成するポリマーの選択などに依存することが示された点で、概して非常に繊細であることが分かった。この点に対して、不適切な共押出パラメーターは、層間剥離の問題及び該多層構造の化学的及び構造的保全性の損失を含む種々の問題を生じることが観察された。
【0007】
さらに詳細には、2層構造の1種の層がフルオロポリマー(特に脂肪族フルオロポリマー)からなり、もう1種の層が脂肪族ポリアミドなどの巧みに処理された熱可塑性物質からなるとき、共押出はいくつかの不明瞭な理由のためにさらに繊細となり、特に弱い中間層接着、不安定な操作条件、乏しい寸法安定性及びたるみの問題がしばしば起こることが当業者によって観察された。
本発明は、上記必要性の全てではないが大部分を満たし、且つ上記問題の全てではないが大部分を克服することを目的とする。
【0008】
〔発明の開示〕
この目的を掲げて、本発明は、隣接する層(L1)及び(L2)の少なくとも1つの対(L1-L2)を含む多層構造に関し、
・層(L1)は、N1グラフトフルオロポリマー(P1)からなるグラフトフルオロポリマー材料(M1)を含む少なくとも1種のポリマー組成物(C1)を含み、前記ポリマー(P1)は、非グラフトフルオロポリマー(U1)上に、エチレン性不飽和カルボン酸、それらのエステル、それらの無水物及びそれらの塩から選択される少なくとも1種のグラフト剤(G1)をグラフトすることを含む方法によって得られ、
・層(L2)は、少なくとも1種の耐衝撃性改良剤(I2)及びN2半結晶質芳香族ポリアミドポリマー(P2)からなる半結晶質芳香族ポリアミド材料(M2)を含む少なくとも1種のポリマー組成物(C2)を含み、及び
・材料(M1)の平均融点(Tav,1)は材料(M2)の平均融点(Tav,2)から多くても45℃異なり、
Njは、材料(Mj)のポリマー(Pj)の数であり、Nj≧1、
Tav,j
【数1】

に等しく、
wi,jは、材料(Mj)のi番目のポリマー(Pj)の質量であり、
Ti,jは、材料(Mj)のi番目のポリマー(Pj)の融点であり、
Wjは、材料(Mj)の全質量であり、
j=1及びj=2である。
【0009】
本発明の多層構造では、層(L1)が、有利には特に燃料などの流体に対する優れた化学抵抗及び不透性を有する多層構造を提供し、層(L2)が、有利には特に強度及び磨耗抵抗を有する多層構造を提供する。
本発明のある種の実施態様では、本発明の多層構造が、層(L2)に隣接し、少なくとも1種の耐衝撃性改良剤(I3)及びN3半結晶質芳香族ポリアミドポリマー(P3)(N3は材料(M3)のポリマー(P3)の数)からなる半結晶質芳香族ポリアミド材料(M3)を含む少なくとも1種のポリマー組成物(C3)を含む、少なくとも1種の層(L3)をさらに含む。
本発明のある種の他の実施態様では、本発明の多層構造が、層(L1)に隣接し、N4非グラフトフルオロポリマー(U4)(N4は材料(M4)のポリマー(P4)の数)からなる非グラフトフルオロポリマー材料(M4)を含む少なくとも1種のポリマー組成物(C4)を含む、少なくとも1種の層(L4)をさらに含む。
【0010】
本発明はまた、ポリマー組成物(C1)及び(C2)を共押出して隣接する層(L1)及び(L2)の対(L1-L2)を得ることを含む上記多層構造の製造方法を目的とする。
本発明はまた、上記多層構造を含む成形物品、及びポリマー組成物(C1)及び(C2)を共押出して隣接する層(L1)及び(L2)の対(L1-L2)を得ることを含む前記成形物品の製造方法を目的とする。
【0011】
〔発明の詳細な説明〕
多層構造
本発明の多層ポリマー構造は、隣接する層(L1)及び(L2)の少なくとも1つの対(L1-L2)を含む。隣接する層(L1)及び(L2)の少なくとも1つの対(L1-L2)を含む多層構造の例は:
・(L1)を最内側層又は最外側層のいずれかにすることができる、層として(L1)及び(L2)のみを含む二層構造、
・1つのみの対(L1-L2)及び少なくとも1種のさらなる層を含む2層よりも多い層を有する多層構造、特に該さらなる層を最内側層又は最外側層にすることができる三層構造、
を含む。
【0012】
時折好ましくは、本発明の多層構造が、上記の少なくとも1種の層(L3)をさらに含む。少なくとも1つの三層体(L1-L2-L3)を含む多層構造の例は:
・(L1)を最内側層又は最外側層のいずれかにすることができる、層として(L1)、(L2)及び(L3)のみを含む三層構造、
・1つのみの三層体(L1-L2-L3)及び少なくとも1種のさらなる層を含む3層よりも多い層を有する多層構造、特に該さらなる層を内側層又は最外側層にすることができる四層構造、
を含む。
【0013】
さらに時折好ましくは、本発明の多層構造は、上記の少なくとも1種の層(L4)をさらに含む。少なくとも1つの三層体(L4-L1-L2)を含む多層構造の例は:
・(L4)を最内側層又は最外側層のいずれかにすることができる、層として(L4)、(L1)及び(L2)のみを含む三層構造、
・1つのみの三層体(L4-L1-L2)及び少なくとも1種のさらなる層を含む3層よりも多い層を有する多層構造、特に該さらなる層を内側層又は最外側層にすることができる四層構造、
を含む。
【0014】
さらに時折好ましくは、本発明の多層構造が、上記の少なくとも1種の層(L3)及び少なくとも1種の層(L4)をさらに含む。少なくとも1つの四層体(L4-L1-L2-L3)を含む多層構造の例は:
・(L4)を最内側層又は最外側層のいずれかにすることができる、層として(L4)、(L1)、(L2)及び(L3)のみを含む四層構造、
・1つのみの四層体及び少なくとも1種のさらなる層を含む4層よりも多い層を有する多層構造、特に該さらなる層を内側層又は最外側層にすることができる五層構造、
を含む。
【0015】
層(L1)は、好ましくは層(L2)よりも内側である;これは特に:
・多層構造が層として(L1)及び(L2)のみを含むとき、好ましくは(L1)が最内側層であり、(L2)が最外側層である;
・多層構造が三層体(L1-L2-L3)の層以外の層を含まないとき、好ましくは(L1)が最内側層であり、(L2)が最外側層である;
・多層構造が三層体(L4-L1-L2)の層以外の層を含まないとき、好ましくは(L1)が最内側層であり、(L2)が最外側層である;
・多層構造が四層体(L4-L1-L2-L3)の層以外の層を含まないとき、好ましくは(L1)及び(L2)が共に中間層であり、L4が最内側層である、
ことを意味している。
【0016】
材料(M1)の平均融点(Tav,1)は、好ましくは材料(M2)の平均融点(Tav,2)から多くても40℃異なる;さらに好ましくは、Tav,1はTav,2から多くても35℃異なる;さらに好ましくは、Tav,1はTav,2から多くても30℃異なる。
さらに、Tav,1は有利にはTav,2以下である。
Njは、1、2又はそれ以上に等しくすることができる。好ましくは、Njは1に等しい。Njが1より大きいとき、各Njポリマー(Pj)は、Tav,jから好ましくは多くても20℃、さらに好ましくは多くても15℃、さらに好ましくは多くても10℃異なる融点Ti,jを有する。上記はj=1及びj=2に適用する。
【0017】
層(L1)
層(L1)の物理的寸法は、特に限定されない。
本発明のある種の好ましい実施態様では、層(L1)の厚みが、少なくとも0.02mm、好ましくは少なくとも0.03mm、さらに好ましくは少なくとも0.05mmである。さらに、前記好ましい実施態様では、層(L1)の厚みが0.2mm以下である。
本発明のある種の他の好ましい実施態様では、層(L1)の厚みが少なくとも0.2mmである。さらに、前記他の好ましい実施態様では、層(L1)の厚みが、多くても2.0mm、好ましくは多くても1.6mm、さらに好ましくは1.0mm以下である。
本発明のさらなる他の好ましい実施態様では、層(L1)の厚みが2.0mm以上である。さらに、前記さらなる他の好ましい実施態様では、層(L1)の厚みが、好ましくは多くても10.0mm、さらに好ましくは多くても8.0mm、さらに好ましくは多くても6.0mmである。
【0018】
本発明では、層(L1)が少なくとも1種のポリマー組成物(C1)を含む。
層(L1)の全質量に基づくポリマー組成物(C1)の質量は、有利には少なくとも10質量%、好ましくは少なくとも40質量%、さらに好ましくは少なくとも60質量%、さらに好ましくは少なくとも80質量%である。最も好ましくは、層(L1)は本質的にポリマー組成物(C1)からなる。
本発明では、ポリマー組成物(C1)が、N1グラフトフルオロポリマー(P1)からなるグラフトフルオロポリマー材料(M1)を含み、前記ポリマー(P1)は、少なくとも1種のグラフト剤(G1)を非グラフトフルオロポリマー(U1)上にグラフトすることを含む方法によって得られる。
【0019】
本発明では、フルオロポリマーは、少なくとも1種のフッ素原子を含む少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー(以下では“フッ素含有モノマー”)及び、任意にさらに、フッ素原子を含まない少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーから生じる繰り返し単位を含むポリマーを意味することが意図される。
ポリマー(U1)を生じるフッ素含有モノマー(u1)は、ペルハロゲン化モノマー(特に、ペルフルオロ化モノマー)、及び部分的ハロゲン化モノマー(典型的には、ヒドロハロゲン化モノマー)から選択することができる。
【0020】
フッ素含有モノマー(u1)として好適なペルハロゲン化モノマーの非限定例は、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、ヘキサフルオロイソブテン(HFIB)、ペルフルオロブチレン(PFBE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)及びペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)である。
フッ素含有モノマー(u1)として好適な部分的ハロゲン化モノマーの非限定例は、トリフルオロエチレン(TrFE)、フッ化ビニリデン(VF2)及びフッ化ビニル(VF)である。
【0021】
フッ素含有モノマー(u1)は、有利には2〜8個の炭素原子を有するフルオロオレフィン、及びYがH又はFである式CY2=CYOR又はCY2=CYOR'ORのフッ素化ビニルエーテルからなる群から選択され、式中、R及びR'は独立に互いに完全に又は部分的にフッ素化された直鎖又は分枝のそれぞれ1〜8個の炭素原子を含有するアルキル及びアルキレン基である。好ましいR基は1〜4個の炭素原子を含有し;さらに、それらは好ましくはペルフルオロ化されている。好ましいR'基は2〜4個の炭素原子を含有し;さらに、それらは好ましくはペルフルオロ化されている。さらに好ましくは、フッ素含有モノマー(u1)がTFE、又は混合物の質量に基づいて80質量%よりも多いTFE、及び20質量%よりも少ないTFE以外の少なくとも1種のペルフルオロ化モノマーからなるペルフルオロ化モノマーの該混合物である。
【0022】
ポリマー(U1)は、TFEホモポリマーなどのホモポリマー、又はコポリマーにすることができる。
ポリマー(U1)は、好ましくはフッ素原子を含まない少なくとも1種の他のエチレン性不飽和モノマー、以下ではモノマー(u'1)から生じる繰り返し単位を含むコポリマーである。モノマー(u'1)は一般的にアルケンである。(u'1)は、好ましくはエチレン、プロピレン、n-ブチレン及びイソブチレンから選択される。さらに好ましくは、(u'1)はエチレン(Ee)である。
モノマー(u'1)から生じる繰り返し単位を含むコポリマーの非限定例は、Ee-CTFEコポリマー、Ee-CTFE-HFPコポリマー、Ee-CTFE-PPVEコポリマー、及びEe-CTFE-HFP-PPVE-コポリマーである。
【0023】
ポリマー(U1)は、さらに好ましくは、その繰り返し単位が一方ではエチレン、及び他方ではテトラフルオロエチレン又はペルフルオロ化モノマーの混合物であって、テトラフルオロエチレン及び混合物の質量に基づいて20質量%より少ないテトラフルオロエチレン以外の少なくとも1種のペルフルオロ化モノマーからなる混合物から生じるコポリマーである。
これらのコポリマーの非限定例は、Ee-TFEコポリマー、Ee-TFE-HFPコポリマー、Ee-TFE-PPVEコポリマー、及びEe-TFE-HFP-PPVE-コポリマーである。
【0024】
本発明では、グラフト剤(G1)が、エチレン性不飽和カルボン酸、それらのエステル、それらの無水物及びそれらの塩から選択される。
グラフト剤(G1)は、好ましくは多くても2つのカルボキシル基を有する物質から選択される。さらに好ましくは、グラフト剤(G1)は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水
イタコン酸、無水クロトン酸、無水シトラコン酸及びそれらの混合物のような3〜20個の炭素原子をさらに含む。さらに好ましくは、グラフト剤(G1)は、無水マレイン酸、無水コハク酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、コハク酸及びそれらの混合物から選択される。最も好ましくは、グラフト剤(G1)は無水マレイン酸である。
【0025】
エチレン性不飽和カルボン酸及び/又はそれらの無水物がポリマー(U1)上にグラフトされるとき、生じるグラフトカルボン酸及び/又は無水物基を未変化のまま残すことができる;この場合、ポリマー(P1)は、グラフトカルボン酸及び/又は無水物基を有するものである。それらはその後に反応することもでき、特にそれらは1種以上の金属性中和剤によって部分的に又は完全に中和することができる;この場合、ポリマー(P1)は、部分的に又は完全に中和されているグラフトカルボン酸及び/又は無水物基を有するものである。
【0026】
ポリマー(P1)の質量に基づくグラフト剤(G1)の質量は、有利には少なくとも0.01質量%、好ましくは少なくとも0.01質量%、及びさらに好ましくは少なくとも0.05質量%である。さらに、有利には多くても5.0質量%、好ましくは多くても1.0質量%、及びさらに好ましくは多くても0.5質量%である。
グラフト剤(G1)のグラフトは、当技術分野で公知の技術によって達成され得る。
【0027】
ポリマー(P1)の融点[Ti,1]は、通常は示差走査熱量測定法(DSC)によって測定する。正確には、Universal V3.7A Instruments DSC熱量計が本出願人によって用いられ、ポリマー(P1)の融点を測定した。このために、該熱量計が較正サンプルを用いてよく較正されたことを予備的に点検した。続いて、ポリマー(P1)を以下の加熱/冷却サイクルに付した:室温から350℃まで10℃/分の速度の第一加熱、それに続く350℃から室温まで20℃/分の速度の冷却、それに続く室温から350℃まで10℃/分の速度の第二加熱。Ti,1は第二加熱中に測定した。融解は、DSCスキャンに負のピークとして現れる吸熱一次転移である。Ti,1は、有利には熱流カーブ上の構築手順によって得られる:ピークのいずれかの側の変曲点におけるピークの接線である2つのラインの交点を、ピーク温度、すなわちTi,1と定義する。
【0028】
材料(M1)は、有利には多くても290℃、好ましくは多くても280℃、及びさらに好ましくは多くても270℃の平均融点Tav,1を有する;さらに、Tav,1は有利には少なくとも240℃、好ましくは少なくとも250℃、及びさらに好ましくは少なくとも260℃である。
個々に採用される各ポリマー(P1)の融点(Ti,1)は、有利にはどのような優先水準でも材料(M1)のTav,1のための上記条件と同一の条件に従う。
ポリマー組成物(C1)の全質量に基づく材料(M1)の質量は、有利には少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも80質量%、及びさらに好ましくは少なくとも90質量%である。
任意に、ポリマー組成物(C1)は、特にフルオロポリマー組成物の通常の成分をさらに含んでよい。
【0029】
層(L2)
層(L2)の好ましい物理的寸法、及び層(L2)におけるポリマー組成物(C2)の質量は、どのような優先水準でも層(L1)及び組成物(C1)と同一である。
本発明では、ポリマー組成物(C2)は、N2半結晶質芳香族ポリアミドポリマー(P2)からなる半結晶質芳香族ポリアミド材料(M2)を含む。
本発明では、芳香族ポリアミドは、その15モル%の繰り返し単位が少なくとも1種のアミド基(-CONH-)及び少なくとも1種のアリーレン基、例えばフェニレン、ナフタレン及びp-ビフェニレンを含むポリマーを意味することが意図される。前記繰り返し単位は、特に(i)芳香族ジカルボン酸モノマーと脂肪族ジアミンモノマーの凝縮反応、(ii)脂肪族ジカルボン酸モノマーと芳香族ジアミンモノマーの凝縮反応、(iii)芳香族ジカルボン酸モノマーと芳香族ジアミンモノマーの凝縮反応、及び(iv)芳香族アミノ酸の自動凝縮によって得ることができる。
【0030】
オルト-フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及び2,6-ナフタレンジカルボン酸が芳香族ジカルボン酸モノマーの例であり、メタ-フェニレンジアミン、メタ-キシリレンジアミン及びパラ-キシリレンジアミンが芳香族ジアミンモノマーの例である。
アジピン酸及びセバシン酸が脂肪族ジカルボン酸モノマーの例であり、ヘキサメチレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン及びノナンジアミンが好適な脂肪族ジアミンモノマーの例である。
芳香族ポリアミドは、少なくとも1種のアミド基及び少なくとも1種のアルキレン基からなる繰り返し単位をさらに含んでよい。前記繰り返し単位は、特に脂肪族ジカルボン酸モノマーと脂肪族ジアミンモノマーの凝縮反応、又は脂肪族アミノ酸の自動凝縮によって得ることができる。
【0031】
ポリマー(P2)は、好ましくは(i)芳香族ジカルボン酸モノマーと脂肪族ジアミンモノマーの凝縮反応、及び/又は(ii)脂肪族ジカルボン酸モノマーと芳香族ジアミンモノマーの凝縮反応によって得られる、繰り返し単位の全モル数に基づいて15モル%よりも多い繰り返し単位を含む。
さらに、ポリマー(P2)は、好ましくは(iii)芳香族ジカルボン酸モノマーと芳香族ジアミンモノマーの凝縮反応、及び(iv)芳香族アミノ酸の自動凝縮によって得られる、繰り返し単位の全モル数に基づいて15モル%よりも少ない繰り返し単位を含む。
さらに好ましくは、ポリマー(P2)は、PMXDA、ポリフタルアミド、又はPMXDA及びポリフタルアミドの混合物である。
【0032】
“PMXDA”は、ここではその繰り返し単位の全モル数に基づき50モル%よりも多い繰り返し単位が、脂肪族ジカルボン酸モノマー、好ましくはアジピン酸と芳香族ジアミンモノマー、好ましくはメタ-キシリレンジアミンの凝縮反応によって得られる芳香族ポリアミドを意味することが意図される。PMXDAsは、特にSolvay Advanced Polymers, L.L.CからIXEF(登録商標)ポリアミドとして市場で入手可能である。
PMXDAは、好ましくは脂肪族ジカルボン酸モノマー及び芳香族ジアミンの凝縮反応によって得られる90モル%よりも多い繰り返し単位を含む。
さらに好ましくは、ポリマー(P2)はポリフタルアミドである。
【0033】
“ポリフタルアミド”は、ここではその繰り返し単位の全モル数に基づいて35モル%よりも多い繰り返し単位がフタル酸モノマーと脂肪族ジアミンモノマー、好ましくはヘキサメチレンジアミンの凝縮反応によって得られるPMXDA以外の芳香族ポリアミドを意味することが意図される。“フタル酸モノマー”は、ここではオルト-フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、及びそれらの混合物のいずれか1種を意味することが意図される。ポリフタルアミドは、特にSolvay Advanced Polymers, L.L.CからAMODEL(登録商標)ポリアミドとして入手可能である。
最も好ましくは、ポリマー(P2)はポリテレフタルアミドである。
“ポリテレフタルアミド”は、ここではその繰り返し単位の全モル数に基づいて35モル%よりも多い繰り返し単位がテレフタル酸と脂肪族ジアミンの凝縮反応によって得られるポリフタルアミド、以下では“テレフタルアミド単位”を意味することが意図される。
【0034】
ポリテレフタルアミド(P2)は、好ましくは35モル%よりも多く、非常に好ましくは45モル%よりも多いテレフタルアミド単位を含む。さらに、好ましくは65モル%よりも少なく、非常に好ましくは55モル%よりも少ないテレフタルアミド単位を含む。
好ましくは、ポリテレフタルアミド(P2)は、脂肪族二酸モノマー、好ましくはアジピン酸と脂肪族ジアミンモノマー、好ましくはヘキサメチレンジアミンの凝縮反応によって得られる繰り返し単位、以下では“脂肪族二酸アミド繰り返し単位”をさらに含む。さらに好ましくは、20モル%よりも多く、さらに好ましくは30モル%よりも多く、最も好ましくは40モル%よりも多い脂肪族二酸アミド繰り返し単位を含む。さらに、好ましくは80モル%より少なく、さらに好ましくは60モル%より少なく、さらに好ましくは50モル%より少ない脂肪族二酸アミド繰り返し単位を含む。
【0035】
また好ましくは、ポリテレフタルアミド(P2)は、イソフタル酸と脂肪族ジアミンモノマー、好ましくはヘキサメチレンジアミンの凝縮反応によって得られる繰り返し単位、以下では“イソフタルアミド繰り返し単位”をさらに含む。さらに好ましくは、1モル%よりも多く、さらに好ましくは3モル%よりも多いイソフタルアミド繰り返し単位を含む。さらに、好ましくは25モル%より少なく、さらに好ましくは15モル%より少なく、さらに好ましくは10モル%より少ないイソフタルアミド繰り返し単位を含む。
ポリマー(P2)[Ti,2]の融点は、通常は示差走査熱量測定法(DSC)によって測定する。正確には、Ti,2を測定するために、本出願人はポリマー(P1)のTi,1を測定するための上記方法と同一の方法を用いた。
【0036】
材料(M2)は、有利には多くても310℃、さらに好ましくは多くても300℃の平均融点Tav,2を有する;さらに、Tav,2は有利には少なくとも265℃、好ましくは少なくとも280℃、及びさらに好ましくは少なくとも290℃である。
個々に採用される各ポリマー(P2)の融点(Ti,2)は、有利にはどのような優先水準でも材料(M2)のTav,2のための上記条件と同一の条件に従う。
ポリマー組成物(C2)の全質量に基づく材料(M2)の質量は、有利には少なくとも20質量%、好ましくは少なくとも50質量%、及びさらに好ましくは少なくとも70質量%である。さらに、有利には多くても90質量%、好ましくは多くても85質量%、さらに好ましくは多くても80質量%である。
【0037】
本発明では、ポリマー組成物(C2)は少なくとも1種の耐衝撃性改良剤(I2)をさらに含む。
耐衝撃性改良剤(I2)は、エラストマーであってもなくてもよい。好適な耐衝撃性改良剤は、それらがポリマー組成物(C2)に有用な機械的特性、例えば十分な降伏点及び破断点引張伸びを与える限りは特に限定されない。有利には、耐衝撃性改良剤(I2)は組成物(C2)の加工可能性、特に共押出されるその適応度をさらに改善する。
耐衝撃性改良剤(I2)は、好ましくはエラストマーである。
【0038】
エラストマー耐衝撃性改良剤の例は、エチレン(Ee)/1-オクテン(1Oe)コポリマー、プロピレン(Pe)/1Oeコポリマー、Ee/Pe/1Oeターポリマー、Ee/1-ブテン(1Be)/1Oeターポリマー、Pe/1Be/1Oeターポリマー、Ee/1Oe/1-ペンテンターポリマー、Ee/1Oe/スチレンターポリマー、Ee/1Oe/アクリロニトリルターポリマー、Ee/1Oe/メチルアクリレートターポリマー、Ee/1Oe/ビニルアセテートターポリマー、Ee/1Oe/メチルメタクリレートターポリマー、Pe/1Oe/スチレンターポリマー、Pe/1Oe/アクリロニトリルターポリマー、Pe/1Oe/メチルアクリレートターポリマー、Pe/1Oe/ビニルアセテートターポリマー、Pe/1Oe/メチルメタクリレートターポリマー、Ee/1Oe/1,4-ヘキサジエンターポリマー、Pe/1Oe/1,4-ヘキサジエンターポリマー、Ee/1Oe/エチルイデンノルボルネンターポリマー、Pe/1Oe/エチルイデンノルボルネンターポリマー、Ee/Peコポリマー(一般的には“EPRゴム”として公知)、クロロスルホン化Eeポリマー(“PEゴム”)、Ee/Pe/ジエンターポリマー(“EPDMゴム”)、例えばEe/Pe/1,4-ヘキサジエンターポリマー及びEe/Pe/エチリデンノルボルネンターポリマー、ブタジエンゴム(シス-1,4-ポリブタジエン)、ブチルゴム、例えばイソブチレン-イソプレンゴム、ニトリルブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、スチレン-Ee-ブタジエン-スチレンゴム、この場合、ブタジエンは水素化されていてもされていなくてもよい、Ee-アクリル架橋性ゴム(エチレンとメチルメタクリレートのコポリマー)、天然ゴム(シス-1,4-ポリイソプレン)、クロロプレンゴム又はネオプレン(トランス-1,4-ポリクロロプレン)、ポリエーテル、例えばエピクロロヒドリンエラストマー及びプロピレンオキシドエラストマー、ポリペンテネイマー(polypentenamers)、例えばポリシクロペンテン、熱可塑性ウレタンエラストマー及びそれらの混合物である。
【0039】
耐衝撃性改良剤(I2)は、さらに好ましくはEeと少なくとも1種のより高級なアルファ-オレフィン、及び任意にさらに少なくとも1種のジエンを共重合することによって得られるエラストマーである。
耐衝撃性改良剤(I2)は、さらに好ましくはエラストマー性のEe/1Oeコポリマー、EPRゴム、EPDMゴム、及びそれらの混合物から選択される。
良好な結果は、耐衝撃性改良剤(I2)がEPDMゴムであったときに得られた。良好な結果はまた、耐衝撃性改良剤(I2)がエラストマー性のEe/1OeコポリマーとEPDMゴムの混合物であったときに得られた。
【0040】
耐衝撃性改良剤(I2)は、グラフトされていてもされていなくてもよい。全ての上記耐衝撃性改良剤は、ここでは特にそれらのグラフト化及び非グラフト化形状の両方で開示されているとして考えるべきである。
耐衝撃性改良剤(I2)が1種の化合物からなるとき、好ましくはグラフトされている。耐衝撃性改良剤(I2)が多数の化合物からなるとき、好ましくはそれらの少なくとも1種がグラフトされている。
グラフト耐衝撃性改良剤は、通常は少なくとも1種のグラフト剤(G2)を非グラフト耐衝撃性改良剤(U2)上にグラフトすることによって得られる。
その化学的性質及びその質量に関して、グラフト化合物と比較すると、グラフト剤(G2)はどのような優先水準でもグラフト剤(G1)と同一の好ましい特徴を有する。
【0041】
市場で入手可能なグラフトエラストマーポリオレフィンは、例えばマレイン酸Ee-Peコポリマー、例えばExxon Mobil Chemical CompanyからのEXXELOR(登録商標)VA 1801、Exxon Mobil Chemical CompanyからのEXXELOR(登録商標)MDEX 94-11-2、マレイン酸Ee-Pe-ジエンターポリマー、例えばCrompton Corporationから入手可能なROYALTUF(登録商標)498、及びマレイン酸Ee-1Oeコポリマー、例えばDu Pont Companyから入手可能なFUSABOND(登録商標)493Dである。他の市場で入手可能なグラフトエラストマーは、アクリル酸又はアクリレート修飾ポリエチレンゴム、例えばDu Pont Companyから入手可能なSURLYN(登録商標)9920、及び無水マレイン酸修飾スチレン-Ee-ブチレン-スチレンブロックコポリマー、例えばKraton Polymersから入手可能なKRATON(登録商標)FG1901Xである。
【0042】
耐衝撃性改良剤(I2)の量は、有利には特に望ましい機械的特性(例えば降伏点及び破断点引張伸び)及び加工可能性をポリマー組成物(C2)に与えるのに十分である。
好ましくは、ポリマー組成物(C2)の全質量に基づく耐衝撃性改良剤(I2)の質量は、多くても50質量%、さらに好ましくは多くても35質量%、さらに好ましくは多くても30質量%である。さらに、好ましくは少なくとも1質量%、さらに好ましくは少なくとも5質量%、さらに好ましくは少なくとも10質量%、最も好ましくは少なくとも20質量%である。
【0043】
耐衝撃性改良剤(I2)は、いかなる可能な手法でポリマー組成物(C2)に組み込んでもよい。耐衝撃性改良剤(I2)とポリマー組成物(C2)の他の成分を混合して、予備的に別々の押出機で多層ポリマー構造の製造を行ってもよく、又はそれを多層ポリマー構造の製造の直前に(例えばポリマー組成物(C2)を共押出用金型に供給するのに用いたのと同一の押出機において)行うこともできる。
任意に、ポリマー組成物(C2)は、1種以上の添加剤、例えば潤滑剤、顔料、抗酸化剤、熱安定化剤、充填剤、染料、難燃剤、可塑剤、離型剤及び光安定化剤、及びポリマー(P2)以外のポリアミドをさらに含む。前記添加剤は、単独か又は任意に組み合わせて用いてよい。該添加剤の濃度は、本開示を考慮して当業者が直面する特別な使用のために決定することができる;頻繁には10質量%を超えず;しばしば5質量%以下である。
【0044】
好ましくは、ポリマー組成物(C2)は、少なくとも1種の潤滑剤、例えば金属ステアレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、低密度ポリエチレン、金属スルフィド、例えばMoS2、グラファイト、窒化ホウ素、及びそれらの混合物をさらに含む。さらに好ましくは、PTFEを含み;さらに好ましくは、非フィブリル化PTFE、例えばSolvay Solexis SpAから入手可能なPOLYMIST(登録商標)F5Aを含む。ポリマー組成物(C2)の全質量に基づく潤滑剤の質量は、好ましくは0.10質量%〜1.0質量%である。
【0045】
場合によってポリマー組成物(C2)の成分として有用な抗酸化剤は、特に立体的にこみあったアミン、立体的にこみあったフェノール、ホスファイト、ホスホナイト、チオ相乗剤、及びそれらの混合物である。抗酸化剤は、しばしばポリマー組成物(C2)の全質量に基づいて0.10質量%〜1.0質量%の範囲の質量で用いられる。
場合によってポリマー組成物(C2)の成分として有用な着色料は、特にカーボンブラックのような顔料及びニグロシンのような染料である。顔料は、しばしばポリマー組成物(C2)の全質量に基づいて0.01質量%〜1.0質量%の範囲の質量で用いられる。
【0046】
場合によってポリマー組成物(C2)の成分として有用な熱安定化剤は、特にポリアミドに可溶な銅化合物及びアルカリ金属ハライドを含む銅系安定化剤である。それらの例は、ヨウ化銅及び/又は臭化銅と臭化及び/又はヨウ化アルカリの混合物である。
場合によってポリマー組成物(C2)の成分として有用な充填剤は、特にガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、シリコンカーバイト繊維、アラミド繊維、珪灰石、タルク、マイカ、二酸化チタン、チタン酸カリウム、シリカ、カオリン、チョーク、アルミナ、窒化ホウ素、酸化アルミニウムである。充填剤は、場合によって特に機械的強度(例えば、曲げ弾性率)及び/又は寸法安定性及び/又は摩擦及び磨耗抵抗を改善する。
場合によってポリマー組成物(C2)の成分として有用なポリマー(P2)以外のポリアミドは、特に脂肪族ポリアミドである。脂肪族ポリアミドは、ここではその85質量%よりも多い繰り返し単位が脂肪族であるポリアミドを意味することが意図される。脂肪族ポリアミドの例は、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン6、及びナイロン12を含む。
【0047】
任意層(L3)
上記のように、層(L3)は層(L2)に隣接し、少なくとも1種のポリマー組成物(C3)を含む。
層(L3)の好ましい物理的寸法及び層(L3)におけるポリマー組成物(C3)の質量は、どのような優先水準でも層(L2)及び組成物(C2)のものと同一である。
上記のように、ポリマー組成物(C3)は、少なくとも1種の耐衝撃性改良剤(I3)及びN3半結晶質芳香族ポリアミドポリマー(P3)からなる半結晶質芳香族ポリアミド材料(M3)を含み、この場合、N3は材料(M3)のポリマー(P3)の数であり、N3≧1、好ましくはN3=1。
以下では特に明記しない限り、ポリマー組成物(C3)及びその成分の好ましい特徴が、どのような優先水準でもポリマー組成物(C2)及びその成分のものと同一である。特に、ポリマー(P2)と同様に、ポリマー(P3)は最も好ましくはポリテレフタルアミドである。
【0048】
ポリテレフタルアミド(P3)は、好ましくは45モル%よりも多く、非常に好ましくは55モル%よりも多いテレフタルアミド単位を含む。さらに、好ましくは80モル%より少なく、非常に好ましくは70モル%より少ないテレフタルアミド単位を含む。
好ましくは、ポリテレフタルアミド(P3)は、脂肪族二酸アミド繰り返し単位をさらに含む。さらに好ましくは、4モル%よりも多く、さらに好ましくは8モル%よりも多い脂肪族二酸アミド繰り返し単位を含む。さらに、好ましくは45モル%より少なく、さらに好ましくは25モル%より少なく、さらに好ましくは15モル%より少ない脂肪族二酸アミド繰り返し単位を含む。
また好ましくは、ポリテレフタルアミド(P3)は、イソフタルアミド繰り返し単位をさらに含む。好ましくは10モル%よりも多く、さらに好ましくは20モル%よりも多いイソフタルアミド繰り返し単位を含む。さらに、好ましくは50モル%より少なく、さらに好ましくは40モル%より少なく、さらに好ましくは30モル%より少ないイソフタルアミド繰り返し単位を含む。
【0049】
材料(M3)の平均融点(Tav,3)は:
【数2】

に等しく、
wi,3は、材料(M3)のi番目のポリマー(P3)の質量であり、
Ti,3は、材料(M3)のi番目のポリマー(P3)の融点であり、
W3は、材料(M3)の全質量である。
【0050】
材料(M3)は、有利には多くても330℃、さらに好ましくは多くても320℃の平均融点Tav,3を有する;さらに、Tav,3は、有利には少なくとも285℃、好ましくは少なくとも295℃、さらに好ましくは少なくとも305℃である。
個々に採用される各ポリマー(P3)の融点(Ti,3)は、有利にはどのような優先水準でも材料(M3)のTav,3のために上記したものと同一の条件に従う。
Tav,3は、有利にはTav,2から少なくとも5℃、好ましくは少なくとも10℃、さらに好ましくは少なくとも15℃異なる;さらに、Tav,3は、有利にはTav,2から多くても40℃、好ましくは多くても30℃、さらに好ましくは多くても25℃異なる。さらに、Tav,3は好ましくはTav,2より大きい。
【0051】
任意層(L4)
上記のように、層(L4)は層(L1)に隣接し、少なくとも1種のポリマー組成物(C1)を含む。
層(L4)の好ましい物理的寸法及び層(L4)におけるポリマー組成物(C4)の質量は、どのような優先水準でも層(L1)及び組成物(C1)のものと同一である。
上記のように、ポリマー組成物(C4)は、N4非グラフトフルオロポリマー(U4)からなる非グラフトフルオロポリマー材料(M4)を含み、この場合、N4は材料(M4)のポリマー(P4)の数であり、N4≧1、好ましくはN4=1。
その性質に関して、ポリマー(U4)は、どのような優先水準でも非グラフトフルオロポリマー(U1)のものと同一の好ましい特徴を有する。
その質量に関して、材料(M4)は、どのような優先水準でも材料(M1)のものと同一の好ましい特徴を有する。
任意に、ポリマー組成物(C1)は特にフルオロポリマー組成物の通常の成分をさらに含んでよい。
【0052】
本発明の多層構造は、高い引張特性、高い衝撃強度及び優れた引裂強度を有する。また、燃料及びガスのための低い吸水及び浸透速度を含む顕著な遮断特性を有する。エステル、ケトン、弱酸、脂肪族及び芳香族炭化水素及びアルコールなどの広い種類の異なる化合物に対する優れた化学抵抗、及び磨耗抵抗を有する。最後に、層(L1)及び(L4)は優れた磨耗抵抗を与える。さらに一般的には、本発明の多層構造は、特性の優れた全バランスを示し、先行技術の多層構造、特に脂肪族ポリアミド系及び/又はフルオロポリマー系構造と比較したときに実質的に進歩している。
【0053】
本発明の多層構造は、種々の用途に用いられ得る。そのような用途の具体例は、それらに限定されないが:低い浸透性及び高温が必要とされる場合の温水用途、低コストの蒸気ライン、熱交換管系、高温燃料システム用途、及び特に従来のポリアミド用途よりも高温におけるもの、燃料タンク、電気モーター及び他の電子デバイスにおける絶縁性デバイス、絶縁体及び圧縮機モーターコイル絶縁体のための産業変換機におけるもの、包装及びコーティングである。
【0054】
本発明はまた、ポリマー組成物(C1)及び(C2)を共押出して隣接する層(L1)及び(L2)の対(L1-L2)を得ることを含む、上記多層構造を製造するための方法を意図する。
本発明はまた、上記多層構造を含む成形物品を意図する。本発明の成形物品は、有利には平面フィルム、管状フィルム、中空体及びシートの群から選択される。好ましくは中空体であり、さらに好ましくはパイプ、ホース、燃料タンク、容器及びボトルから選択される。
本発明はまた、ポリマー組成物(C1)及び(C2)を共押出して隣接する層(L1)及び(L2)の対(L1-L2)を得ることを含む、上記成形物品を製造するための方法を意図する。前記共押出は、有利にはスリットダイ共押出、環状ダイ共押出又は吹込成形共押出によって達成される。
【0055】
実施例
本発明の具体例が以下に与えられるが、それらに限定されない。
以下の共押出実験は、2層(L1*)[内層]及び(L2*)[外層]からなる管状多層構造を製造することから構成した。
【0056】
実施例1(比較)
(L1*)は、Du PontからのTEFZEL(登録商標)200グレード、Ee-TFEコポリマー(ETFE)から構成した。(L2*)は、 (i)組成物の全質量に基づいて74.75質量%の295℃の融点を有するポリテレフタルアミド、繰り返し単位として約50モル%のテレフタルアミド単位、約45モル%のアジパミド単位及び約5モル%のイソフタルアミド単位を含む、(ii)25質量%の無水マレイン酸グラフトEPDM、この場合のジエンはENBとした、及び(iii)0.25質量%の非繊維状PTFE潤滑剤からなるポリアミド組成物(C2a*)から構成した。
【0057】
この実施例で用いた共押出装置は:
・8mmの外径及び6mmの内径を有する2層管系を製造するのに好適な、2種の積重ね流れ分配器(SFD1)及び(SFD2)を含むモジュール式円柱状ダイ(図1);
・20mmの直径及び720mmのスクリュー長さを有する2軸スクリュー押出機(E1)及び(E2)、
を含んだ。
・各積重ね流れ分配器を1つの押出機によって与えた。押出機(E1)を用いて、積重ね流れ分配器(SFD1)にTEFZEL(登録商標)200グレードを押出及び供給することによって内層(L1*)を形成し、押出機(E2)を用いて、積重ね流れ分配器(SFD2)にポリアミド組成物(C2a*)を押出及び供給することによって外層(L2*)を形成した。
【0058】
このテストを実施するのに用いた共押出構成を、図2に示す。各押出機は、それぞれ入口から出口までの3種のバレル温度領域:Z1、Z2、Z3を有した。モジュラー式円柱状ダイは、図3に示すように4種の異なる温度領域を有した。Td1は、ダイの裏板の温度とした。Td2は、積重ね流れ分配器(SFD1)の温度とした。Td3は、積重ね流れ分配器(SFD2)の温度とした。Td4は、ダイ出口区域の温度とした。
共押出方法のパラメーターを表1に示す。
管状多層構造の共押出テスト中、ダイ温度はそれぞれ内層(L1*)ではTd1=Td2=310℃、及び外層(L2*)ではTd3=Td4=310℃であった。
押出機(E1)及び(E2)の処理量は、それぞれ26.3g/分及び22.1g/分とした。ダイ出口では、層は互いから容易に剥離することができた(表1)。両押出機における処理量を増加させてより高いダイ圧力を生成することは、接着を改善するのには役立たない。
【0059】
実施例2(本発明による)
以下を除いて、実施例1の手順を繰り返した。
・内層(L1*)を、TEFZEL(登録商標)200 ETFEグレードの代わりに、Du PontからのTEFZEL(登録商標)HT-2202グレード、266℃の融点を有する無水マレイン酸グラフトEe-TFEコポリマーから構成した、及び
・管状多層構造の共押出テスト中、ダイ温度はそれぞれ層(L1*)ではTd1=Td2=295℃、及び層(L2*)ではTd3=Td4=295℃とした。
他の共押出方法パラメーターを表1に示す。
この場合、層間の接着は優れていた(表1)。
【0060】
実施例3(比較)
実施例2の手順を繰り返したが:
・層(L2*)におけるポリアミド組成物(C2a*)をポリアミド組成物(C2b*)と置き換え、この場合に(C2b*)は、(i)組成物の全質量に基づいて73.1質量%の315℃の融点を有するポリテレフタルアミド、繰り返し単位として、約65モル%のテレフタルアミド単位、約10モル%のアジパミド単位、及び25モル%のイソフタルアミド単位(ポリテレフタルアミドの融点は、TEFZEL(登録商標)HT-2202グレードの融点から49℃異なる)、(ii)25質量%の無水マレイン酸グラフトEPDM、この場合にジエンはENBとした、(iii)1.0質量%の非繊維状PTFE潤滑剤、(iv)0.5質量%の抗酸化剤、及び(v)0.4質量%の顔料からなる;
・押出機(E2)及びダイの第二部分の温度プロフィールを増加させ、ポリアミド組成物(C2b*)を凍結から回避させた;続いて、好適なダイ温度は、無水マレイン酸グラフトETFE領域では295〜305℃、及び(C2b*)の領域では315℃とした。気泡は層(L1*)で観察された(表1)。ダイ温度を(C2b*)領域で305℃まで下げて気泡を除去することは、層(L2*)をダイにおいて部分的に凍結させ、気泡を除去することができなかった。





【0061】
表1 共押出方法のパラメーター及び結果

【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する層(L1)及び(L2)の少なくとも1つの対(L1-L2)を含む多層構造であって、
・層(L1)は、N1グラフトフルオロポリマー(P1)からなるグラフトフルオロポリマー材料(M1)を含む少なくとも1種のポリマー組成物(C1)を含み、前記ポリマー(P1)は、非グラフトフルオロポリマー(U1)上に、エチレン性不飽和カルボン酸、それらのエステル、それらの無水物及びそれらの塩から選択される少なくとも1種のグラフト剤(G1)をグラフトすることを含む方法によって得られ、
・層(L2)は、少なくとも1種の耐衝撃性改良剤(I2)及びN2半結晶質芳香族ポリアミドポリマー(P2)からなる半結晶質芳香族ポリアミド材料(M2)を含む少なくとも1種のポリマー組成物(C2)を含み、及び
・材料(M1)の平均融点(Tav,1)は材料(M2)の平均融点(Tav,2)から多くても45℃異なり、
Njは、材料(Mj)のポリマー(Pj)の数であり、Nj≧1、
Tav,j
【数1】

に等しく、
wi,jは、材料(Mj)のi番目のポリマー(Pj)の質量であり、
Ti,jは、材料(Mj)のi番目のポリマー(Pj)の融点であり、
Wjは、材料(Mj)の全質量であり、
j=1及びj=2である、多層構造。
【請求項2】
材料(M1)の平均融点(Tav,1)は材料(M2)の平均融点(Tav,2)から多くても30℃異なる、請求項1記載の多層構造。
【請求項3】
Tav,1がTav,2以下である、請求項1又は2記載の多層構造。
【請求項4】
層(L1)が層(L2)よりも内側である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項5】
層(L1)が本質的にポリマー組成物(C1)からなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項6】
ポリマー(U1)が、フッ素原子を含まない少なくとも1種の他のエチレン性不飽和モノマーから生じる繰り返し単位を含むコポリマーである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項7】
ポリマー(U1)が、その繰り返し単位が一方でエチレンから生じ、他方でテトラフルオロエチレン又はペルフルオロ化モノマーの混合物であって、テトラフルオロエチレン及び混合物の質量に基づいて20質量%より少ないテトラフルオロエチレン以外の少なくとも1種のペルフルオロ化モノマーからなる混合物から生じるコポリマーである、請求項6記載の多層構造。
【請求項8】
グラフト剤(G1)が無水マレイン酸である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項9】
材料(M1)が少なくとも250℃の平均融点Tav,1を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項10】
ポリマー組成物(C1)の全質量に基づく材料(M1)の質量が、少なくとも50質量%である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項11】
層(L2)が本質的にポリマー組成物(C2)からなる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項12】
ポリマー(P2)が、PMXDA、ポリフタルアミド、又はPMXDA及びポリフタルアミドの混合物である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項13】
ポリマー(P2)がポリテレフタルアミドである、請求項12記載の多層構造。
【請求項14】
ポリマー(P2)が55モル%より少ないテレフタルアミド単位を含む、請求項13記載の多層構造。
【請求項15】
ポリマー(P2)が、25モル%よりも多い量で脂肪族二酸アミド繰り返し単位をさらに含む、請求項13又は14記載の多層構造。
【請求項16】
材料(M2)が多くても300℃の平均融点Tav,2を有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項17】
Tav,2が少なくとも280℃である、請求項16記載の多層構造。
【請求項18】
ポリマー組成物(C2)の全質量に基づく材料(M2)の質量が、少なくとも50質量%である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項19】
耐衝撃性改良剤(I2)がエラストマーである、請求項1〜18のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項20】
耐衝撃性改良剤(I2)が、任意にグラフトされているエラストマーエチレン/1-オクテンコポリマー、任意にグラフトされているEPRゴム、任意にグラフトされているEPDMゴム、及びそれらの混合物から選択される、請求項1〜19のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項21】
ポリマー組成物(C2)の全質量に基づく耐衝撃性改良剤(I2)の質量が、少なくとも10質量%である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項22】
ポリマー組成物(C2)が非繊維状PTFEをさらに含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項23】
(L1)及び(L2)のみを層として含む二層構造である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項24】
層(L2)に隣接し、少なくとも1種の耐衝撃性改良剤(I3)及びN3半結晶質芳香族ポリアミドポリマー(P3)(N3は材料(M3)のポリマー(P3)の数であり、N3≧1)からなる半結晶質芳香族ポリアミド材料(M3)を含む少なくとも1種のポリマー組成物(C3)を含む、少なくとも1種の層(L3)をさらに含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項25】
(L1)、(L2)及び(L3)のみを層として含む三層構造であり、(L1)を最内側層又は最外側層のいずれかにすることができる、請求項24記載の多層構造。
【請求項26】
ポリマー(P3)がポリテレフタルアミドである、請求項24又は25記載の多層構造。
【請求項27】
ポリマー(P3)が、55質量%よりも多いテレフタルアミド単位を含む、請求項26記載の多層構造。
【請求項28】
ポリマー(P3)が、25モル%より少ない量の脂肪族二酸アミド繰り返し単位をさらに含む、請求項26又は27記載の多層構造。
【請求項29】
Tav,3がTav,2から少なくとも10℃異なる、請求項24〜28のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項30】
Tav,3がTav,2より大きい、請求項24〜29のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項31】
層(L1)に隣接し、N4非グラフトフルオロポリマー(U4)(N4は材料(M4)のポリマー(P4)の数であり、N4≧1)からなる非グラフトフルオロポリマー材料(M4)を含む少なくとも1種のポリマー組成物(C4)を含む、少なくとも1種の層(L4)をさらに含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項32】
層(L1)に隣接し、N4非グラフトフルオロポリマー(U4)(N4は材料(M4)のポリマー(P4)の数であり、N4≧1)からなる非グラフトフルオロポリマー材料(M4)を含む少なくとも1種のポリマー組成物(C4)を含む、少なくとも1種の層(L4)をさらに含む、請求項24〜30のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項33】
(L4)、(L1)、(L2)及び(L3)のみを層として含む四層構造であり、(L4)を最内側層又は最外側層のいずれかにすることができる、請求項32記載の多層構造。
【請求項34】
ポリマー(U4)が、フッ素原子を含まない少なくとも1種の他のエチレン性不飽和モノマーから生じる繰り返し単位を含むコポリマーである、請求項31〜33のいずれか1項に記載の多層構造。
【請求項35】
ポリマー(U4)が、その繰り返し単位が一方でエチレンから生じ、他方でテトラフルオロエチレン又はペルフルオロ化モノマーの混合物であって、テトラフルオロエチレン及び混合物の質量に基づいて20質量%より少ないテトラフルオロエチレン以外の少なくとも1種のペルフルオロ化モノマーからなる混合物から生じるコポリマーである、請求項34記載の多層構造。
【請求項36】
ポリマー組成物(C1)及び(C2)を共押出して隣接する層(L1)及び(L2)の対(L1-L2)を得ることを含む、請求項1〜35のいずれか1項に記載の多層構造を製造するための方法。
【請求項37】
請求項1〜36のいずれか1項に記載の多層構造を含む、成形物品。
【請求項38】
平面フィルム、管状フィルム、中空体及びシートの群から選択される、請求項37記載の成形物品。
【請求項39】
パイプ、ホース、燃料タンク、容器及びボトルから選択される中空体である、請求項38記載の成形物品。
【請求項40】
ポリマー組成物(C1)及び(C2)を共押出して隣接する層(L1)及び(L2)の対(L1-L2)を得ることを含む、請求項37、38又は39のいずれか1項に記載の成形物品を製造するための方法。

【公表番号】特表2008−520465(P2008−520465A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541984(P2007−541984)
【出願日】平成17年11月23日(2005.11.23)
【国際出願番号】PCT/EP2005/056181
【国際公開番号】WO2006/056581
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(502030880)ソルヴェイ アドバンスド ポリマーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (39)
【Fターム(参考)】