説明

放射線検出装置

【課題】 2段の放射線検出器で取得される画像間でのずれを低減することが可能なデュアルエナジータイプの放射線検出装置を提供する。
【解決手段】 放射線入射方向に対して上流側に位置して低エネルギ範囲の放射線を検出する第1放射線検出器と、下流側に位置して高エネルギ範囲の放射線を検出する第2放射線検出器とによって、放射線検出装置を構成する。また、このような構成において、第1放射線検出器での撮像素子12における画素13の画素幅p1と、第2放射線検出器での撮像素子22における画素23の画素幅p2とを、撮像素子間の距離Δdを考慮して異なる幅に設定するとともに、第1、第2撮像素子12、22での複数の画素をそれぞれ複数の画素単位に区分し、第2撮像素子22における画素単位幅w2を、第1撮像素子12における画素単位幅w1よりも大きく設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの異なるエネルギ範囲のX線などの放射線を検出するデュアルエナジータイプの放射線検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デュアルエナジータイプの放射線検出装置(例えばX線検出装置)は、被検査物を透過した低エネルギ範囲の放射線(例えばX線)、及び高エネルギ範囲の放射線を検出するために用いられる装置である(例えば、特許文献1、2参照)。このような放射線検出装置によれば、低エネルギ範囲の放射線像及び高エネルギ範囲の放射線像を同時に取得することができる。
【0003】
また、それらのエネルギ範囲が異なる放射線像に基づいて、所定の処理(例えば、重み付け減算や重ね合わせ等)がなされた画像を作成することで、例えばベルトコンベアで搬送される被検査物のインラインでの非破壊検査において、複数の混ざり合う成分分布の計測、コントラストの付きにくい異物の検出、あるいは切断前の重量の計測などの様々な計測を高い精度で実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−298198号公報
【特許文献2】特開平4−2907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなデュアルエナジータイプの放射線検出装置の構成として、例えば、放射線源からの放射線が供給される放射線入射方向に対して上流側に位置して低エネルギ範囲の放射線を検出する放射線検出器と、下流側に位置して高エネルギ範囲の放射線を検出する放射線検出器とによる2段構成が考えられる。このような構成では、上流側の検出器に含まれる撮像素子と、下流側の検出器に含まれる撮像素子との間に距離があるために、それぞれの撮像素子で取得される画像の間でずれを生じるという問題がある。このような画像間のずれは、放射線検出装置を用いて実行される被検査物の非破壊検査等での計測の精度が低下する原因となる。
【0006】
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、2段の放射線検出器でそれぞれ取得される画像間でのずれを低減することが可能なデュアルエナジータイプの放射線検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明による放射線検出装置は、放射線入射方向に入射する第1エネルギ範囲の放射線、及び第1エネルギ範囲よりも高い第2エネルギ範囲の放射線を検出する放射線検出装置であって、(1)放射線入射方向に対して上流側に位置し、第1エネルギ範囲の放射線の検出に用いられる第1放射線検出器と、(2)放射線入射方向に対して下流側に位置し、第2エネルギ範囲の放射線の検出に用いられる第2放射線検出器とを備え、(3)第1放射線検出器は、像検出方向に沿って延在し、第1エネルギ範囲の放射線の像を光像に変換する第1シンチレータ層と、像検出方向に沿って配列された複数の画素を有し、第1シンチレータ層で変換された光像による第1画像を取得する第1撮像素子とを有し、(4)第2放射線検出器は、像検出方向に沿って延在し、第2エネルギ範囲の放射線の像を光像に変換する第2シンチレータ層と、像検出方向に沿って配列された複数の画素を有し、第2シンチレータ層で変換された光像による第2画像を取得する第2撮像素子とを有し、(5)第1撮像素子における複数の画素のそれぞれの像検出方向での第1画素幅p1と、第2撮像素子における複数の画素のそれぞれの像検出方向での第2画素幅p2とは、互いに異なる幅に設定されており、かつ、(6)第1撮像素子での複数の画素は、1個または複数個の画素を単位とする複数の画素単位に区分され、第2撮像素子での複数の画素は、1個または複数個の画素を単位とする複数の画素単位に区分され、第2撮像素子における複数の画素単位のそれぞれの第2画素単位幅w2は、第1撮像素子における複数の画素単位のそれぞれの第1画素単位幅w1よりも大きく設定されていることを特徴とする。
【0008】
上記した放射線検出装置においては、放射線入射方向に対して上流側に位置する低エネルギ範囲の放射線用の第1放射線検出器と、下流側に位置する高エネルギ範囲の放射線用の第2放射線検出器とによって検出装置を構成する。そして、第1放射線検出器での撮像素子の画素幅p1と、第2放射線検出器での撮像素子の画素幅p2とを、互いに異なる幅(p1<p2またはp1>p2)に設定している。このような構成によれば、第1放射線検出器の撮像素子と、第2放射線検出器の撮像素子とでそれぞれ取得される画像間でのずれを低減して、デュアルエナジータイプの検出装置による放射線像の計測を高精度で実行することが可能となる。また、上記した撮像素子の画素幅p1、p2については、第1撮像素子と第2撮像素子との間の距離Δdを考慮して設定することが好ましい。
【0009】
さらに、上記した放射線検出装置では、第1、第2撮像素子での複数の画素を、それぞれ複数の画素単位に区分するとともに、第2撮像素子における第2画素単位幅w2を、第1撮像素子における第1画素単位幅w1よりも大きく設定する構成としている。撮像素子による画像取得での実質的な画素となる画素単位の幅を上記のようにw1<w2として設定することにより、第1、第2撮像素子でそれぞれ取得される画像間でのずれを好適に低減することが可能となる。
【0010】
上記構成において、検出装置に対する放射線源の位置が想定または設定されている場合には、第1、第2放射線検出器に対して放射線を供給する放射線源の想定位置から第1撮像素子までの距離をd1、放射線源の想定位置から第2撮像素子までの距離をd2=d1+Δdとしたときに、第2画素単位幅w2は、第1画素単位幅w1に対してw2=w1×d2/d1と略一致するように設定されていることが好ましい。このように画素単位幅を設定することにより、放射線源の想定位置に対応して、第1、第2撮像素子でそれぞれ取得される画像間でのずれを確実に低減して、計測の精度を向上することができる。
【0011】
また、第2撮像素子における第2画素単位幅w2(あるいは第2画素幅p2)は、複数の画素単位が配列された像検出方向について、中央部から周縁部に向かって画素単位幅が大きくなる(画素幅が大きくなる)ように設定されていることとしても良い。このような構成によれば、中央部から周縁部に向かって大きくなっていく放射線の入射角度の影響を低減することができる。
【0012】
第1、第2撮像素子の具体的な構成については、第1撮像素子での複数の画素は、1個の画素を単位とする複数の画素単位に区分され、第2撮像素子での複数の画素は、1個の画素を単位とする複数の画素単位に区分され、第2画素幅p2は、第1画素幅p1よりも大きく設定されている構成(p1<p2)を用いることができる。
【0013】
あるいは、撮像素子の構成として、第1撮像素子での複数の画素は、1個の画素を単位とする複数の画素単位に区分され、第2撮像素子での複数の画素は、複数個の画素を単位とする複数の画素単位に区分され、第2画素幅p2は、第1画素幅p1よりも小さく設定されている構成(p1>p2)を用いることができる。
【0014】
また、第2撮像素子での複数の画素が、複数個の画素を単位とする複数の画素単位に区分されているなどの場合、そのような画素単位の設定について、第2撮像素子の複数の画素に対し、設定された画素単位での画素数に対応してビニング処理を制御する画素単位制御部が設けられていることが好ましい。これにより、第2撮像素子での画素単位を好適に設定、あるいは必要に応じて変更することが可能となる。
【0015】
また、第1撮像素子及び第2撮像素子のそれぞれは、像検出方向に沿って複数の画素が1次元で1列に配列された1次元撮像素子、または像検出方向に沿って複数の画素が複数列に配列された2次元撮像素子であることが好ましい。また、このような構成において、第1、第2放射線検出器における像検出方向は、それぞれ第1、第2撮像素子の画素配列方向に一致している。
【発明の効果】
【0016】
本発明の放射線検出装置によれば、放射線入射方向に対して上流側に位置する低エネルギ範囲用の第1放射線検出器と、下流側に位置する高エネルギ範囲用の第2放射線検出器とによって検出装置を構成し、第1放射線検出器での撮像素子の画素幅p1と、第2放射線検出器での撮像素子の画素幅p2とを異なる幅に設定するとともに、第1、第2撮像素子での複数の画素をそれぞれ複数の画素単位に区分し、第2撮像素子における画素単位幅w2を、第1撮像素子における画素単位幅w1よりも大きく設定することにより、第1、第2撮像素子でそれぞれ取得される画像間でのずれを低減して、デュアルエナジータイプの検出装置による放射線像の計測を高精度で実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】X線検出装置の一実施形態の構成を示す(a)側面断面図、及び(b)正面断面図である。
【図2】X線検出装置、及びX線検出システムの構成の一例を示す(a)側面図、及び(b)正面図である。
【図3】X線検出装置の他の実施形態の構成を示す(a)側面断面図、及び(b)正面断面図である。
【図4】X線検出装置、及びX線検出システムの構成の他の例を示す(a)側面図、及び(b)正面図である。
【図5】第2撮像素子における画素構造の例を示す図である。
【図6】図4に示したX線検出装置の変形例を示す図である。
【図7】X線検出装置における撮像素子の具体的な構成の一例を示す図である。
【図8】図7に示した撮像素子での画素単位の対応関係を示す図である。
【図9】X線検出装置における撮像素子の具体的な構成の他の例を示す図である。
【図10】図9に示した撮像素子での画素単位の対応関係を示す図である。
【図11】図9に示した撮像素子での画素単位の対応関係を示す図である。
【図12】X線検出装置に用いられる撮像素子における画素構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面とともに本発明による放射線検出装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0019】
図1は、放射線検出装置であるX線検出装置の一実施形態の構成を示す図であり、図1(a)は側面断面図、図1(b)は正面断面図を示している。ここで、以下においては、検出装置による検出対象の放射線としてX線を想定し、放射線検出装置の一種であるX線検出装置の構成について説明する。このようなX線検出装置は、上述した被検査物の非破壊検査等に好適に適用することができる。
【0020】
本実施形態によるX線検出装置1Aは、所定のX線入射方向(放射線入射方向、図中の垂直方向)に入射するX線について、第1エネルギ範囲(低エネルギ範囲)のX線、及び第1エネルギ範囲よりも高い第2エネルギ範囲(高エネルギ範囲)のX線を検出するデュアルエナジータイプの検出装置である。このX線検出装置1Aは、X線入射方向に対して上流側に位置し、低エネルギ範囲のX線の検出に用いられる第1X線検出器(第1放射線検出器)10と、下流側に位置し、高エネルギ範囲のX線の検出に用いられる第2X線検出器(第2放射線検出器)20とによって2段に構成されている。
【0021】
第1X線検出器10は、第1支持基板15と、支持基板15上に載置された第1撮像素子12、及び第1シンチレータ層11とを有して構成され、X線入射方向に対して第1シンチレータ層11が上流側となるように配置されている。第1シンチレータ層11は、所定のシンチレータ材料からなり、X線入射方向に直交するX線像検出方向(図1(b)中の水平方向)に沿って像検出方向を長手方向として延在して、検出装置1Aに入射するX線のうちで低エネルギ範囲のX線の像を光像に変換する。
【0022】
また、シンチレータ層11の下流側の面には、第1撮像素子12が光学的に接続されている。撮像素子12は、像検出方向に沿って1次元に配列された複数の画素13を有し、シンチレータ層11で変換された光像による第1画像を取得することで、低エネルギ範囲の第1X線画像を取得する。また、第1X線検出器10における像検出方向は、本実施形態では第1撮像素子12の画素配列の長手方向に一致している。
【0023】
第2X線検出器20は、第2支持基板25と、支持基板25上に載置された第2撮像素子22、及び第2シンチレータ層21とを有して構成され、X線入射方向に対して第2シンチレータ層21が上流側となるように配置されている。第2シンチレータ層21は、所定のシンチレータ材料からなり、X線像検出方向に沿って像検出方向を長手方向として延在して、検出装置1Aに入射するX線のうちで高エネルギ範囲のX線の像を光像に変換する。
【0024】
また、シンチレータ層21の下流側の面には、第2撮像素子22が光学的に接続されている。撮像素子22は、像検出方向に沿って1次元に配列された複数の画素23を有し、シンチレータ層21で変換された光像による第2画像を取得することで、高エネルギ範囲の第2X線画像を取得する。また、第2X線検出器20における像検出方向は、本実施形態では第2撮像素子22の画素配列の長手方向に一致している。
【0025】
また、第1X線検出器10の第1支持基板15と、第2X線検出器20の第2シンチレータ層21との間には、フィルタ18が設置されている。フィルタ18は、第1X線検出器10から第2X線検出器20へと通過するX線のエネルギ成分を選択するためのフィルタであり、第2X線検出器20で検出したいX線のエネルギ範囲の選択、または変更を行う場合に、必要に応じて配置、または交換される。
【0026】
また、本実施形態のX線検出装置1Aでは、上流側に位置する第1撮像素子12における複数の画素13のそれぞれの像検出方向での第1画素幅p1と、下流側に位置する第2撮像素子22における複数の画素23のそれぞれの第2画素幅p2とが、第1、第2撮像素子12、22の間の距離Δdを考慮して、異なる幅(p1<p2またはp1>p2)に設定されている(図1(b)参照)。
【0027】
図1に示したX線検出装置1Aの具体的な構成について、図2を参照してさらに説明する。図2は、X線検出装置、及び検出装置を含むX線検出システムの構成の一例を示す模式図であり、図2(a)は側面図、図2(b)は正面図を示している。ここで、図2においては、X線検出装置50の構成について、第1、第2X線検出器のそれぞれにおける撮像素子12、22での画素13、23の構造のみを示している。X線検出装置50の他の部分の構成については、例えば図1に示したX線検出装置1Aと同様である。
【0028】
本構成例によるX線検出システムは、ベルトコンベア55によって搬送される被検査物56に対して非破壊検査を行う検査システムとして構成されている。ベルトコンベア55の上方には、被検査物56に対して検査用のX線(放射線)を供給する放射線源であるX線源52が配置されている。また、ベルトコンベア55の下方には、被検査物56を通過したX線に対し、低エネルギ範囲のX線像、及び高エネルギ範囲のX線像を検出するデュアルエナジータイプのX線検出装置50が配置されている。
【0029】
以下においては、説明のため、図2に示すように、ベルトコンベア55による被検査物56の搬送方向をy軸方向(図2(a)中の水平方向)、y軸方向に直交するX線源52から検出装置50へのX線入射方向をz軸方向(図2(a)、(b)中の垂直方向)、y軸方向及びz軸方向に直交する検出装置50の撮像素子12、22での像検出方向(画素13、23の配列方向)をx軸方向(図2(b)中の水平方向)とする。このように、所定の搬送方向に搬送される被検査物にX線検出装置50を適用する場合、X線検出器における像検出方向が被検査物の搬送方向に直交する方向となっていることが好ましい。
【0030】
本構成例では、X線検出装置50での撮像素子12、22による第1、第2画像取得における実質的な画素となる画素単位について、第1撮像素子12での複数の画素13は、1個の画素を単位とする複数の画素単位に区分され、1個の画素がそのまま1個の画素単位に対応している。一方、第2撮像素子22での複数の画素23は、1個の画素を単位とする複数の画素単位に区分され、第1撮像素子12と同様に、1個の画素がそのまま1個の画素単位に対応している。
【0031】
そして、このような構成において、下流側の撮像素子22における画素単位の第2画素単位幅w2(=p2)は、上流側の撮像素子12における画素単位の第1画素単位幅w1(=p1)よりも大きく設定されている(w1<w2)。好ましくは、検出装置50に対してX線を供給するX線源52から撮像素子12までの距離をd1とし、撮像素子22までの距離をd2=d1+Δdとしたときに、第2画素単位幅w2は、第1画素単位幅w1に対してw2=w1×d2/d1と略一致するように設定される。これにより、X線源52からみて、撮像素子12における各画素単位(1個の画素13)と、撮像素子22における各画素単位(1個の画素23)とが互いに対応する構成になっている。
【0032】
上記実施形態によるX線検出装置、及びX線検出システムの効果について説明する。
【0033】
図1、図2に示したX線検出装置1A、50においては、X線入射方向に対して上流側に位置する低エネルギ範囲のX線用の第1X線検出器10と、下流側に位置する高エネルギ範囲のX線用の第2X線検出器20とによって検出装置を構成する。そして、第1X線検出器10での撮像素子12の画素13の画素幅p1と、第2X線検出器20での撮像素子22の画素23の画素幅p2とを、互いに異なる幅に設定している。
【0034】
このような構成によれば、撮像素子12、22での画素幅p1、p2を好適に設定することで、第1X線検出器10の撮像素子12と、第2X線検出器20の撮像素子22とでそれぞれ取得される第1、第2画像間でのずれを低減して、デュアルエナジータイプの検出装置によるX線像の計測を高精度で実行することが可能となる。また、撮像素子の画素幅p1、p2については、第1撮像素子12と第2撮像素子22との間の距離Δdを考慮して設定することが好ましい。
【0035】
ここで、特許文献1においては、複数の放射線画像データについて、サイズが同一となるように補正を行うことが記載されている。しかしながら、このような構成では、ソフトウェア的に画像データの補正を行っているために画像処理に時間がかかり、例えば被検査物の非破壊検査など画像の高速処理が要求される分野では適用が難しい。これに対して、上記実施形態によるX線検出装置は、撮像素子の画素構造によってハードウェア的に画像間でのずれを低減し、これによって高速でのX線像の計測を実現するものである。
【0036】
撮像素子12、22における具体的な画素構造については、上記実施形態では、第1撮像素子12での複数の画素13が、1個の画素を単位とする複数の画素単位に区分され、第2撮像素子22での複数の画素23が、同じく1個の画素を単位とする複数の画素単位に区分されている。そして、第2撮像素子22における第2画素単位幅w2(=画素幅p2)は、第1撮像素子12における第1画素単位幅w1(=画素幅p1)よりも大きく設定されている。このように、撮像素子による画像取得での実質的な画素となる画素単位の幅をw1<w2(p1<p2)として設定することにより、第1、第2撮像素子12、22でそれぞれ取得される画像間でのずれを好適に低減することが可能となる。
【0037】
画素単位幅の具体的な設定については、検出装置に対する放射線源の位置が想定または設定されている場合には、図2に関して上述したように、X線源52の想定位置から撮像素子12までの距離をd1、撮像素子22までの距離をd2(=d1+Δd)としたときに、第2画素単位幅w2は、第1画素単位幅w1に対してw2=w1×d2/d1と略一致するように設定されていることが好ましい。これにより、X線源の位置に対応して、第1、第2撮像素子でそれぞれ取得される画像間でのずれを確実に低減して、計測の精度を向上することができる。なお、第2画素単位幅w2については、上記の関係式を完全には満たさない場合でも、画像間でのずれの低減を実現することが可能である。
【0038】
また、第1、第2撮像素子12、22での画素幅及び画素単位幅については、図1、図2の構成では、像検出方向で全体にわたって一定の幅に設定している。また、この画素幅については、第2撮像素子22における画素単位幅w2(画素幅p2)が、複数の画素単位が配列された像検出方向について、中央部から周縁部に向かって画素単位幅が大きくなる(画素幅が大きくなる)ように設定しても良い。このような構成によれば、中央部から周縁部に向かって大きくなっていくX線の入射角度の影響等を低減することができる。
【0039】
また、第1、第2撮像素子12、22での像検出方向に直交する方向(y軸方向)での画素幅については、図2(a)に示したように、撮像素子21、22の両者で同一の幅としても良い。あるいは、第2撮像素子22でのy軸方向の画素幅を、第1撮像素子12での画素幅よりも大きくする構成としても良い。
【0040】
X線検出装置の全体構成については、図1に示した構成に限らず、具体的には様々な構成を用いて良い。そのようなX線検出装置の構成の一例を図3に示す。
【0041】
図3は、放射線検出装置であるX線検出装置の他の実施形態の構成を示す図であり、図3(a)は側面断面図、図3(b)は正面断面図を示している。本実施形態によるX線検出装置1Bは、X線入射方向に対して上流側に位置し、低エネルギ範囲のX線の検出に用いられる第1X線検出器10と、下流側に位置し、高エネルギ範囲のX線の検出に用いられる第2X線検出器20とによって構成されている。これらのうち、第2X線検出器20の構成については、図1に示した構成と同様である。
【0042】
第1X線検出器10は、第1支持基板15と、支持基板15上に載置された第1撮像素子12、及び第1シンチレータ層11とを有して構成され、図1に示した構成とは逆に、X線入射方向に対して第1支持基板15が上流側となるように配置されている。また、本実施形態では、第1X線検出器10の第1シンチレータ層11と、第2X線検出器20の第2シンチレータ層21との間には、フィルタ等を設置しない構成となっている。
【0043】
また、本実施形態のX線検出装置1Bでは、図1に示したX線検出装置1Aと同様に、第1撮像素子12における画素13の像検出方向での第1画素幅p1と、第2撮像素子22における画素23の第2画素幅p2とが、第1、第2撮像素子12、22の間の距離Δdを考慮して異なる幅に設定されている。このように、X線検出装置の全体構成については、具体的には様々な構成を用いることが可能である。
【0044】
X線検出装置の具体的な構成について、さらに説明する。図4は、X線検出装置、及び検出装置を含むX線検出システムの構成の他の例を示す模式図であり、図4(a)は側面図、図4(b)は正面図を示している。なお、本構成例では、第2X線検出器における撮像素子22での画素23の構造以外については、図2に示した構成と同様である。
【0045】
本構成例では、第1撮像素子12での複数の画素13は、1個の画素を単位とする複数の画素単位に区分され、1個の画素がそのまま1個の画素単位に対応している。一方、第2撮像素子22での複数の画素23は、複数個(図4では具体的には2個)の画素を単位とする複数の画素単位に区分され、2個の画素が1個の画素単位に対応している。
【0046】
そして、このような構成において、下流側の撮像素子22における画素単位の第2画素単位幅w2(=2×p2)は、上流側の撮像素子12における画素単位の第1画素単位幅w1(=p1)よりも大きく設定されている(w1<w2)。好ましくは、図2の場合と同様に、X線源52から撮像素子12までの距離をd1とし、撮像素子22までの距離をd2=d1+Δdとしたときに、第2画素単位幅w2は、第1画素単位幅w1に対してw2=w1×d2/d1と略一致するように設定される。また、撮像素子12、22の各画素13、23については、撮像素子22での画素23の第2画素幅p2は第1画素幅p1よりも小さく設定されている(p1>p2)。これにより、X線源52からみて、撮像素子12における各画素単位(1個の画素13)と、撮像素子22における各画素単位(2個の画素23)とが互いに対応する構成になっている。
【0047】
このように、下流側のX線検出器における第2撮像素子22の画素構造については、複数の画素23を、複数個の画素を単位とする複数の画素単位に区分し、その画素単位を第1撮像素子12の画素に対応させるとともに、第2画素幅p2を、第1画素幅p1よりも小さく設定する構成としても良い。また、必要があれば、上流側の第1撮像素子12の画素構造についても、同様に、その複数の画素13を、複数個の画素を単位とする複数の画素単位に区分する構成としても良い。
【0048】
第1、第2撮像素子12、22の構成については、一般には、第1撮像素子12での複数の画素13が、1個または複数個の画素を単位とする複数の画素単位に区分され、第2撮像素子22での複数の画素23が、1個または複数個の画素を単位とする複数の画素単位に区分され、第2撮像素子22における複数の画素単位のそれぞれの第2画素単位幅w2が、第1撮像素子12における複数の画素単位のそれぞれの第1画素単位幅w1よりも大きく設定されていることが好ましい。このように、画素単位の幅をw1<w2として設定することにより、第1、第2撮像素子12、22でそれぞれ取得される画像間でのずれを好適に低減することが可能となる。
【0049】
また、撮像素子12、22における画素構造については、上記した構成例では、像検出方向(x軸方向)については、1次元に配列された複数の画素13、23に分割された構成としている。一方、像検出方向に直交する方向(y軸方向)については、単一の画素からなる構成としている。
【0050】
このような画素構造については、必要に応じて、y軸方向についても2以上の画素に分割する構成としても良い。図5は、第2撮像素子における画素構造の例を示す図であり、図5(a)は第2撮像素子22における画素構造を示す正面図、図5(b)は第2撮像素子における画素構造の第1の例を示す上面図(X線源側からみた図)、図5(c)は画素構造の第2の例を示す上面図である。なお、第1、第2の例のいずれにおいても、正面からみた画素構造については図5(a)に示す同一の構造となっている。
【0051】
図5(b)に示す第1の例では、像検出方向に直交するy軸方向については画素が分割されておらず、複数の画素23が1次元で1列に配列された画素構造となっている(短冊型)。一方、図5(c)に示す第2の例では、y軸方向について画素が2つに分割され、複数の画素23が1次元で2列に配列された画素構造となっている(格子型)。
【0052】
このように、X線検出器に用いられる第1、第2撮像素子12、22の画素構造については、一般には、像検出方向に沿って複数の画素が1次元で1列に配列された1次元撮像素子の構成、または像検出方向に直交する方向についても画素が2以上に分割されて、像検出方向に沿って複数の画素が複数列に配列された2次元撮像素子の構成を用いることができる。また、このような構成において、第1、第2X線検出器における像検出方向は、それぞれ第1、第2撮像素子12、22の画素配列方向に一致している。具体的には、撮像素子が1次元撮像素子である場合には、その画素配列の長手方向が像検出方向となる。また、撮像素子が2次元撮像素子である場合には、その画素配列の一方の方向、好ましくは長手方向が像検出方向となる。
【0053】
また、図4に示したように、第2撮像素子22において、その複数の画素23を、複数個の画素を単位とする複数の画素単位に区分して用いる場合、そのような画素単位は、例えば、各画素23で取得された検出信号に対して、画素単位毎に検出信号の加算等の処理を行うビニング処理によって実現することができる。また、このような場合、第2撮像素子22の複数の画素23に対し、設定された画素単位での画素数に対応してビニング処理を制御する画素単位制御部が設けられていることが好ましい。これにより、撮像素子22での画素単位を好適に設定、あるいは必要に応じて変更することが可能となる。
【0054】
図6は、図4に示したX線検出装置の変形例を示す図である。本構成例では、図4と同様に、撮像素子12での複数の画素13は、1個の画素を単位とする複数の画素単位に区分されている。また、撮像素子22での複数の画素23は、複数個の画素を単位とする複数の画素単位に区分されている。図6においては、このように第2撮像素子22において複数の画素23を画素単位としていることに対応して、撮像素子22に対して画素単位制御部30が設けられている。この画素単位制御部30により、撮像素子22でのビニング処理を、設定された画素単位での画素数に対応して好適に実行することができる。
【0055】
また、画素単位制御部30に対して、距離情報入力部31と、画素単位設定部32とが設けられている。距離情報入力部31は、X線検出システム(図4参照)におけるX線源52からX線検出器までの距離情報の入力に用いられる。この場合の距離情報としては、例えばX線源52の位置から第1撮像素子12までの距離d1、あるいはX線源52の位置から第2撮像素子22までの距離d2がある。
【0056】
また、画素単位設定部32は、入力部31から入力された距離情報に基づき、第2撮像素子22において画素単位を構成すべき画素数、あるいはその画素配置等の設定を行う。画素単位制御部30は、この設定部32で設定された画素単位の情報に基づいて、撮像素子22でのビニング処理を制御する。このような構成によれば、例えばX線検出システムにおいてX線源52の位置、及びX線源52からX線検出器までの距離が新たに設定または変更された場合でも、それに対応して第2撮像素子22での画素単位の構成を可変に設定、変更することが可能となる。
【0057】
図6に示した構成例では、X線検出装置の撮像素子12、22から出力される画像信号は、画像取得部33に入力される。そして、この画像取得部33において、低エネルギ範囲のX線像に対応して撮像素子12で撮像された第1画像のデータ、及び高エネルギ範囲のX線像に対応して撮像素子22で撮像された第2画像のデータが取得される。
【0058】
また、これらの第1、第2画像のデータに対し、画像処理部34において、例えば重み付け減算、重ね合わせ演算などの所定の演算処理が行われる。また、このような演算処理によって最終的に得られた画像(例えば非破壊検査システムにおける検査画像)は、必要に応じて画像表示部35において操作者に対して表示される。なお、これらの画像取得部33、画像処理部34、及び画像表示部35等については、図2に示した構成においても同様に適用することが可能である。
【0059】
また、第1X線検出器の第1撮像素子12において、その複数の画素13を、複数個の画素を単位とする複数の画素単位に区分して用いる場合には、第2撮像素子22に対する上記した画素単位制御部30と同様に、第1撮像素子12の複数の画素13に対して画素単位制御部を設ける構成としても良い。
【0060】
上記実施形態によるX線検出装置について、その具体的な画素配列構造の実施例とともにさらに説明する。
【0061】
図7は、X線検出装置における撮像素子12、22の具体的な画素構造の一実施例を示す図である。また、図8は、図7に示した撮像素子12、22での画素単位の対応関係を示す図である。本実施例は、図2に示した構成の具体例に対応するものである。
【0062】
本実施例においては、第1撮像素子12では、1個の画素13がそのまま1個の画素単位に対応している。また、第2撮像素子22では、同様に1個の画素23がそのまま1個の画素単位に対応している。また、本実施例では、第1撮像素子12での第1画素幅p1は0.8mmに設定され、第2撮像素子22での第2画素幅p2は0.9mmに設定されている。この場合、撮像素子12、22での画素単位幅は、それぞれ同様にw1=p1=0.8mm、w2=p2=0.9mmである。
【0063】
このように、撮像素子12、22において、画素単位幅がw1<w2を満たす(画素幅がp1<p2を満たす)構成とすることにより、第1X線検出器の撮像素子12と、第2X線検出器の撮像素子22とでそれぞれ取得される第1、第2画像間での画素ずれを防止することが可能となる。ただし、このような構成では、撮像素子12、22の間での画素単位の対応関係が固定であるため、X線源とX線検出装置との間の距離についても、実質的に固定とする必要がある。
【0064】
図9は、X線検出装置における撮像素子12、22の具体的な画素構造の他の実施例を示す図である。また、図10、図11は、それぞれ図9に示した撮像素子12、22での画素単位の対応関係を示す図である。本実施例は、図4に示した構成の具体例に対応するものである。
【0065】
本実施例においては、第1撮像素子12では、1個の画素13がそのまま1個の画素単位に対応している。また、第2撮像素子22では、4個の画素23が1個の画素単位に対応している。また、本実施例では、第1撮像素子12での第1画素幅p1は0.8mmに設定され、第2撮像素子22での第2画素幅p2は0.225mmに設定されている。この場合、撮像素子12、22での画素単位幅は、それぞれw1=p1=0.8mm、w2=4×p2=0.9mmである。
【0066】
このように、撮像素子12、22において、画素単位幅がw1<w2を満たす(画素幅がp1>p2を満たす)構成とすることにより、第1X線検出器の撮像素子12と、第2X線検出器の撮像素子22とでそれぞれ取得される第1、第2画像間での画素ずれを防止することが可能となる。
【0067】
また、このような構成では、X線源とX線検出装置との間の距離が変更された場合であっても、ビニング処理による第2撮像素子22の画素単位の設定、制御方法を変更することによって距離の変更に対応することが可能である。このような画素単位の設定の変更方法としては、具体的には例えば、画素単位を構成する画素の個数を変更する方法がある。あるいは、画素単位を構成する画素の位置をずらす方法がある。
【0068】
図10、図11は、そのような画素単位の設定の変更方法の一例を示している。この例では、X線検出装置の撮像素子12、22までの距離d1、d2が異なるX線源の2つの位置52a、52bに対して、第2撮像素子22において画素単位1〜11のそれぞれを構成する画素数を4に固定している。また、画素単位を構成する画素の位置については、画素ずれが小さい中央部の画素単位4〜8では、X線源の位置52a、52bの両者に対して構成画素を同一としている。一方、画素ずれが大きくなる周縁部の画素単位1〜3、9〜11では、X線源の位置52a、52bで構成画素を1個ずらして設定している。このような構成によれば、撮像素子12、22で取得される第1、第2画像間での画素ずれを、X線源から検出装置までの距離に応じて可変に防止、低減することが可能となる。
【0069】
図12は、X線検出装置に用いられる第1、第2撮像素子における画素構造を示す図である。図12に示す3つの構成例(a)〜(c)では、いずれも、上流側の第1撮像素子12での1個の画素単位、及び下流側の第2撮像素子22での対応する1個の画素単位のみを示している。
【0070】
図12(a)に示す画素構造の例は、図7に示した構成に対応するものであり、第1撮像素子での画素13は、画素幅がp1=0.8mmの正方形状となっている。また、第2撮像素子での画素23は、画素幅がp2=0.9mmの正方形状となっている。
【0071】
図12(b)に示す画素構造の例は、図9に示した構成に対応するものであり、第1撮像素子での画素13は、画素幅がp1=0.8mmの正方形状となっている。また、第2撮像素子での画素23は、像検出方向での画素幅がp2=0.9/4=0.225mm、像検出方向に直交する方向での画素幅がq2=0.9mmの長方形状となっている。
【0072】
図12(c)に示す画素構造の例は、第1撮像素子についても複数個の画素を画素単位とした場合の構成の一例を示すものである。また、この例では、第1、第2撮像素子ともに、像検出方向に直交する方向についても画素が分割された構成となっている。具体的には、本構成では、第1撮像素子での画素13は、像検出方向での画素幅がp1=0.8/4=0.2mm、像検出方向に直交する方向での画素幅がq1=0.8/2=0.4mmの長方形状となっている。また、第2撮像素子での画素23は、像検出方向での画素幅がp2=0.9/4=0.225mm、像検出方向に直交する方向での画素幅がq2=0.9/2=0.45mmの長方形状となっている。
【0073】
これらの図12(a)〜(c)に示すように、第1、第2撮像素子における画素構造、及び画素単位の構成については、具体的には様々な構成及び組合せを用いることが可能である。一般には、上述したように、第1撮像素子及び第2撮像素子のそれぞれは、像検出方向に沿って複数の画素が1次元で1列に配列された1次元撮像素子、または像検出方向に沿って複数の画素が複数列に配列された2次元撮像素子であることが好ましい。
【0074】
本発明による放射線検出装置は、上記実施形態及び構成例に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記した実施形態では、検出対象の放射線としてX線を想定したX線検出装置について説明したが、上記構成は、X線以外の放射線を検出対象とする放射線検出装置についても同様に適用可能である。また、第1、第2放射線検出器の構成についても、例えば図1の構成において支持基板を省略するなど、具体的には様々な構成を用いて良い。一般には、第1、第2放射線検出器は、それぞれ、像検出方向に沿って延在し、放射線の像を光像に変換するシンチレータ層と、像検出方向に沿って1列または複数列に配列された複数の画素を有し、シンチレータ層で変換された光像による画像を取得する撮像素子とを有する構成であれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、2段の放射線検出器でそれぞれ取得される画像間でのずれを低減することが可能なデュアルエナジータイプの放射線検出装置として利用可能である。
【符号の説明】
【0076】
1A、1B…X線検出装置(放射線検出装置)、10…第1X線検出器(第1放射線検出器)、11…第1シンチレータ層、12…第1撮像素子、13…画素、15…第1支持基板、20…第2X線検出器(第2放射線検出器)、21…第2シンチレータ層、22…第2撮像素子、23…画素、25…第2支持基板、18…フィルタ、
30…画素単位制御部、31…距離情報入力部、32…画素単位設定部、33…画像取得部、34…画像処理部、35…画像表示部、50…X線検出装置、52…X線源、55…ベルトコンベア、56…被検査物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線入射方向に入射する第1エネルギ範囲の放射線、及び前記第1エネルギ範囲よりも高い第2エネルギ範囲の放射線を検出する放射線検出装置であって、
前記放射線入射方向に対して上流側に位置し、前記第1エネルギ範囲の放射線の検出に用いられる第1放射線検出器と、
前記放射線入射方向に対して下流側に位置し、前記第2エネルギ範囲の放射線の検出に用いられる第2放射線検出器とを備え、
前記第1放射線検出器は、像検出方向に沿って延在し、前記第1エネルギ範囲の放射線の像を光像に変換する第1シンチレータ層と、前記像検出方向に沿って配列された複数の画素を有し、前記第1シンチレータ層で変換された前記光像による第1画像を取得する第1撮像素子とを有し、
前記第2放射線検出器は、前記像検出方向に沿って延在し、前記第2エネルギ範囲の放射線の像を光像に変換する第2シンチレータ層と、前記像検出方向に沿って配列された複数の画素を有し、前記第2シンチレータ層で変換された前記光像による第2画像を取得する第2撮像素子とを有し、
前記第1撮像素子における前記複数の画素のそれぞれの前記像検出方向での第1画素幅p1と、前記第2撮像素子における前記複数の画素のそれぞれの前記像検出方向での第2画素幅p2とは、異なる幅に設定されており、かつ、
前記第1撮像素子での前記複数の画素は、1個または複数個の画素を単位とする複数の画素単位に区分され、前記第2撮像素子での前記複数の画素は、1個または複数個の画素を単位とする複数の画素単位に区分され、
前記第2撮像素子における前記複数の画素単位のそれぞれの第2画素単位幅w2は、前記第1撮像素子における前記複数の画素単位のそれぞれの第1画素単位幅w1よりも大きく設定されていることを特徴とする放射線検出装置。
【請求項2】
前記第1放射線検出器及び前記第2放射線検出器に対して放射線を供給する放射線源の想定位置から前記第1撮像素子までの距離をd1、前記放射線源の前記想定位置から前記第2撮像素子までの距離をd2=d1+Δdとしたときに、
前記第2画素単位幅w2は、前記第1画素単位幅w1に対してw2=w1×d2/d1と略一致するように設定されていることを特徴とする請求項1記載の放射線検出装置。
【請求項3】
前記第2撮像素子における前記第2画素単位幅w2は、前記複数の画素単位が配列された前記像検出方向について、中央部から周縁部に向かって画素単位幅が大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の放射線検出装置。
【請求項4】
前記第1撮像素子での前記複数の画素は、1個の画素を単位とする前記複数の画素単位に区分され、前記第2撮像素子での前記複数の画素は、1個の画素を単位とする前記複数の画素単位に区分され、
前記第2画素幅p2は、前記第1画素幅p1よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の放射線検出装置。
【請求項5】
前記第1撮像素子での前記複数の画素は、1個の画素を単位とする前記複数の画素単位に区分され、前記第2撮像素子での前記複数の画素は、複数個の画素を単位とする前記複数の画素単位に区分され、
前記第2画素幅p2は、前記第1画素幅p1よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の放射線検出装置。
【請求項6】
前記第2撮像素子の前記複数の画素に対し、設定された前記画素単位での画素数に対応してビニング処理を制御する画素単位制御部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の放射線検出装置。
【請求項7】
前記第1撮像素子及び前記第2撮像素子のそれぞれは、前記像検出方向に沿って複数の画素が1次元で1列に配列された1次元撮像素子、または前記像検出方向に沿って複数の画素が複数列に配列された2次元撮像素子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の放射線検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−190830(P2010−190830A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37680(P2009−37680)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)
【Fターム(参考)】