説明

放射線画像撮影装置

【課題】予め定められた撮影位置に位置された場合でも放射線画像の撮影に関する情報を容易に確認することができる放射線画像撮影装置を得る。
【解決手段】放射線Xの透過性を有すると共に、放射線画像の撮影に関する情報を表示する液晶表示パネル64Aを、放射線検出器60による撮影領域に対応する領域の少なくとも一部に表示領域が含まれるように筐体54の外壁面に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像撮影装置に係り、特に、放射線源から射出されて撮影対象者を透過した放射線により示される放射線画像の撮影を行う放射線画像撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス基板上に放射線感応層を配置し、放射線を直接デジタルデータに変換できるFPD(Flat Panel Detector)等の放射線検出器が実用化されており、この放射線検出器を用いて、照射された放射線により表わされる放射線画像を撮影する可搬型放射線画像撮影装置(以下、「電子カセッテ」ともいう。)が実用化されている。なお、上記電子カセッテに用いられる放射線検出器には、放射線を変換する方式として、放射線をシンチレータで光に変換した後にフォトダイオード等の半導体層で電荷に変換する間接変換方式や、放射線をアモルファスセレン等の半導体層で電荷に変換する直接変換方式等があり、各方式でも半導体層に使用可能な材料が種々存在する。
【0003】
ところで、以上のような電子カセッテを用いて放射線画像の撮影を行う場合、撮影条件や撮影対象者を示す情報等といった放射線画像の撮影に関する情報は、一般に、撮影室とは別室に設けられたコンソールにより入力されたり、管理されたりしているため、これらの情報を放射線画像の撮影者が入力したり、把握したりするためには上記コンソールを用いる必要があり、手間がかかるものであった。
【0004】
従来、このような手間を回避するために適用し得る技術として、特許文献1には、放射線を照射する照射手段による照射領域を変更する変更手段と、前記照射手段から照射された放射線が照射される照射面を備え、被検体を透過して前記照射面から照射された放射線を検出して、検出した放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を出力する放射線検出手段、および表示面を備え、前記表示面が前記照射面と反対方向を向くように前記放射線検出手段の前記照射面の反対側に配置され、前記放射線検出手段から出力された前記画像情報に基づいた放射線画像が前記表示面に表示される表示手段が設けられた可搬型放射線画像検出装置と、前記表示面の表示領域を指定する指定手段と、前記指定手段により指定された表示領域に対応する照射領域に放射線が照射されるように前記変更手段を制御する制御手段と、を含む放射線画像撮影システムが開示されている。
【0005】
この技術において、上記表示面により放射線画像の撮影に関する情報を表示したり、上記指定手段を用いて当該情報を入力したりすることにより、前述したコンソールを用いる場合に比較して、利便性を向上させることができる。
【0006】
また、特許文献2には、被写体の放射線画像の撮影において照射された放射線の強度に応じて、2次元的に配列された複数の検出素子で画像データを生成して読み取りを行う撮像パネルと、前記放射線画像の撮影に関する情報を記憶する記憶手段と、前記画像データを出力する手段と、前記放射線画像の撮影に関する情報および前記画像データに基づく放射線画像の少なくとも一方を表示する表示手段と、を有することを特徴とするカセッテ型放射線画像読取装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−51571号公報
【特許文献2】特開2009−294221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、電子カセッテを予め定められた撮影位置に位置させた状態で放射線画像の撮影を行う場合には、通常、電子カセッテの放射線が照射される面が露出され、当該面の反対側の面は隠れる状態となる。
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術では、上記表示面が電子カセッテの放射線が照射される面とは反対側の面に設けられているため、電子カセッテが上記撮影位置に位置された状態では表示面が隠れてしまい、表示内容を確認することができない、という問題点があった。
【0010】
これに対し、上記特許文献2に開示されている技術では、上記表示手段が、放射線が照射される面に設けられているため、表示内容を確認することはできるものの、当該表示手段が放射線検出器(撮像パネル)に重ならない位置に設けられているため、この結果として必ずしも表示内容の視認性が高いとは言えない、という問題点があった。
【0011】
すなわち、電子カセッテの筐体の放射線が照射される側の外壁面は、可搬性の向上のために、通常は、当該筐体の内部に設けられた放射線検出器による撮影領域に重なる領域が非常に多くの割合を占めている。これに対し、上記特許文献2に開示されている技術では、表示手段が放射線検出器に重ならない位置に設けられているため、その表示領域が著しく狭いものとならざるを得ず、表示する情報のサイズも比較的小さいものに制限されてしまい、必ずしも表示内容の視認性が高いとは言えないのである。
【0012】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、予め定められた撮影位置に位置された場合でも放射線画像の撮影に関する情報を容易に確認することができる放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の放射線画像撮影装置は、放射線画像を撮影する放射線検出器と、放射線の透過性を有し、前記放射線検出器を収容する筐体と、放射線の透過性を有し、前記放射線検出器による撮影領域に対応する領域の少なくとも一部に表示領域が含まれるように前記筐体の外壁面に設けられ、前記放射線画像の撮影に関する情報を表示する表示手段と、を備えている。
【0014】
請求項1に記載の放射線画像撮影装置によれば、放射線の透過性を有する筐体に、放射線画像を撮影する放射線検出器が収容される。
【0015】
ここで、本発明では、放射線の透過性を有すると共に、前記放射線画像の撮影に関する情報を表示する表示手段が、前記放射線検出器による撮影領域に対応する領域の少なくとも一部に表示領域が含まれるように前記筐体の外壁面に設けられる。
【0016】
この構成により、本発明では、前述した表示手段が放射線検出器に重ならない位置に設けられる従来の技術に比較して、表示手段により表示される放射線画像の撮影に関する情報のサイズを大きくすることができる結果、当該情報の視認性を向上させることができる。
【0017】
また、本発明では、表示手段が筐体における放射線が照射される面に設けられるので、装置が予め定められた撮影位置に位置された状態であっても、表示手段によって表示された放射線画像の撮影に関する情報を確認することができる。
【0018】
このように、請求項1に記載の放射線画像撮影装置によれば、放射線の透過性を有すると共に、放射線画像の撮影に関する情報を表示する表示手段が、放射線検出器による撮影領域に対応する領域の少なくとも一部に表示領域が含まれるように筐体の外壁面に設けられているので、予め定められた撮影位置に位置された場合でも放射線画像の撮影に関する情報を容易に確認することができる。
【0019】
なお、本発明は、請求項2に記載の発明のように、前記撮影に関する情報を受信する受信手段をさらに備え、前記表示手段が、前記受信手段によって受信された情報を表示してもよい。これにより、外部装置から受信した撮影に関する情報を表示することができる。
【0020】
特に、請求項2に記載の発明は、請求項3に記載の発明のように、前記撮影に関する情報を、前記放射線画像の撮影条件および撮影対象者の少なくとも一方を示す情報としてもよい。これにより、外部装置から受信した放射線画像の撮影条件および撮影対象者の少なくとも一方を示す情報を容易に確認することができる。
【0021】
また、請求項3に記載の発明は、請求項4に記載の発明のように、前記表示手段が、当該表示手段に表示された情報の変更を受け付けるための変更受付画面をさらに表示し、前記表示手段に表示された前記変更受付画面を介して受け付けられた変更後の情報を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された変更後の情報を送信する送信手段と、をさらに備えてもよい。これにより、表示手段により表示した放射線画像の撮影条件および撮影対象者の少なくとも一方を示す情報を変更することができる。
【0022】
また、請求項1に記載の発明は、請求項5に記載の発明のように、前記表示手段が、前記撮影に関する情報として、前記放射線画像の撮影条件、撮影対象者、および撮影範囲の少なくとも1つを示す情報の指定操作を受け付けるための指定受付画面を表示し、前記表示手段に表示された前記指定受付画面に対する指定操作を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果を送信する送信手段と、をさらに備えてもよい。これにより、放射線画像の撮影条件、撮影対象者、および撮影範囲の少なくとも1つの情報の指定を容易に行うことができる。
【0023】
特に、請求項5に記載の発明は、請求項6に記載の発明のように、前記表示手段が、前記指定受付画面として、少なくとも前記撮影範囲を示す情報の指定操作を受け付けるための画面を表示し、前記検出手段が、前記撮影範囲を示す情報として、前記筐体の前記表示手段が設けられている面における実際の撮影範囲を矩形領域として、当該矩形領域の一対の対角の位置の指定操作を検出してもよい。これにより、より簡易に撮影範囲を指定することができる。
【0024】
また、請求項4から請求項6の何れか1項記載の発明は、請求項7に記載の発明のように、前記検出手段をタッチセンサとしてもよい。これにより、より簡易に各種情報を指定することができる。
【0025】
特に、請求項7に記載の発明は、請求項8に記載の発明のように、前記タッチセンサを、赤外線を用いて接触位置を特定する赤外線方式のものとしてもよい。これにより、放射線の透過性を有するスイッチ等を用いるタッチセンサを適用する場合に生じ得る、放射線画像の品質への悪影響を回避することができる。
【0026】
また、請求項4から請求項8の何れか1項記載の発明は、請求項9に記載の発明のように、前記放射線画像を撮影する場合に前記表示手段による表示動作および前記検出手段による検出動作の少なくとも一方を禁止する禁止手段をさらに備えてもよい。これにより、表示手段による表示動作および検出手段による検出動作の少なくとも一方により生じ得る、放射線画像の品質への悪影響を抑制することができる。
【0027】
さらに、本発明は、請求項10に記載の発明のように、前記表示手段を液晶表示パネルとしてもよい。これにより、表示手段として液晶表示パネルより放射線の透過性が低いものを適用する場合に比較して、放射線画像の品質への悪影響を抑制することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の放射線画像撮影装置によれば、放射線の透過性を有すると共に、放射線画像の撮影に関する情報を表示する表示手段が、放射線検出器による撮影領域に対応する領域の少なくとも一部に表示領域が含まれるように筐体の外壁面に設けられているので、予め定められた撮影位置に位置された場合でも放射線画像の撮影に関する情報を容易に確認することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施の形態に係る放射線情報システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係る放射線画像撮影システムの放射線撮影室における各装置の配置状態の一例を示す側面図である。
【図3】実施の形態に係る電子カセッテの構成を示す透過斜視図である。
【図4】実施の形態に係る放射線画像撮影システムの電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図5】第1の実施の形態に係る放射線画像撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態に係る初期情報入力画面の一例を示す概略図である。
【図7】第1の実施の形態に係る情報表示処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態に係る情報表示画面の一例を示す概略図である。
【図9】第1の実施の形態に係る変更受付画面の一例を示す概略図である。
【図10】第2の実施の形態に係る放射線画像撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態に係る初期情報入力画面の一例を示す概略図である。
【図12】第2の実施の形態に係る情報指定処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】第2の実施の形態に係る指定受付画面の一例を示す概略図である。
【図14】第2の実施の形態に係る指定受付画面の表示状態の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を、病院における放射線科部門で取り扱われる情報を統括的に管理するシステムである放射線情報システムに適用した場合の形態例について説明する。
【0031】
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本実施の形態に係る放射線情報システム(以下、「RIS」(Radiology Information System)と称する。)10の構成について説明する。
【0032】
RIS10は、放射線科部門内における、診療予約、診断記録等の情報管理を行うためのシステムであり、病院情報システム(以下、「HIS」(Hospital Information System)と称する。)の一部を構成する。
【0033】
RIS10は、複数台の撮影依頼端末装置(以下、「端末装置」と称する。)12、RISサーバ14、および病院内の放射線撮影室(あるいは手術室)の個々に設置された放射線画像撮影システム(以下、「撮影システム」と称する。)18を有しており、これらが有線や無線のLAN(Local Area Network)等から成る病院内ネットワーク16に各々接続されて構成されている。なお、RIS10は、同じ病院内に設けられたHISの一部を構成しており、病院内ネットワーク16には、HIS全体を管理するHISサーバ(図示省略。)も接続されている。
【0034】
端末装置12は、医師や放射線技師が、診断情報や施設予約の入力、閲覧等を行うためのものであり、放射線画像の撮影依頼や撮影予約もこの端末装置12を介して行われる。各端末装置12は、表示装置を有するパーソナル・コンピュータを含んで構成され、RISサーバ14と病院内ネットワーク16を介して相互通信が可能とされている。
【0035】
一方、RISサーバ14は、各端末装置12からの撮影依頼を受け付け、撮影システム18における放射線画像の撮影スケジュールを管理するものであり、データベース14Aを含んで構成されている。
【0036】
データベース14Aは、患者(被検者)の属性情報(氏名、性別、生年月日、年齢、血液型、体重、患者ID(Identification)等)、病歴、受診歴、過去に撮影した放射線画像等の患者に関する情報、撮影システム18で用いられる、後述する電子カセッテ32の識別番号(ID情報)、型式、サイズ、感度、使用可能な撮影部位(対応可能な撮影依頼の内容)、使用開始年月日、使用回数等の電子カセッテ32に関する情報、および電子カセッテ32を用いて放射線画像を撮影する環境、すなわち、電子カセッテ32を使用する環境(一例として、放射線撮影室や手術室等)を示す環境情報を含んで構成されている。
【0037】
撮影システム18は、RISサーバ14からの指示に応じて医師や放射線技師の操作により放射線画像の撮影を行う。撮影システム18は、放射線源130(図2も参照。)から曝射条件に従った線量とされた放射線X(図3も参照。)を被検者に照射する放射線発生装置34と、被検者の撮影対象部位を透過した放射線Xを吸収して電荷を発生し、発生した電荷量に基づいて放射線画像を示す画像情報を生成する放射線検出器60(図3も参照。)を内蔵する電子カセッテ32と、電子カセッテ32に内蔵されているバッテリを充電するクレードル40と、電子カセッテ32,放射線発生装置34,およびクレードル40を制御するコンソール42と、を備えている。
【0038】
コンソール42は、RISサーバ14からデータベース14Aに含まれる各種情報を取得して後述するHDD110(図4参照。)に記憶し、当該情報に基づいて、電子カセッテ32,放射線発生装置34,およびクレードル40の制御を行う。
【0039】
図2には、本実施の形態に係る撮影システム18の放射線撮影室44における各装置の配置状態の一例が示されている。
【0040】
同図に示すように、放射線撮影室44には、立位での放射線撮影を行う際に用いられる立位台45と、臥位での放射線撮影を行う際に用いられる臥位台46とが設置されており、立位台45の前方空間は立位での放射線撮影を行う際の被検者の撮影位置48とされ、臥位台46の上方空間は臥位での放射線撮影を行う際の被検者の撮影位置50とされている。
【0041】
立位台45には電子カセッテ32を保持する保持部150が設けられており、立位での放射線画像の撮影を行う際には、電子カセッテ32が保持部150に保持される。同様に、臥位台46には電子カセッテ32を保持する保持部152が設けられており、臥位での放射線画像の撮影を行う際には、電子カセッテ32が保持部152に保持される。
【0042】
また、放射線撮影室44には、単一の放射線源130からの放射線によって立位での放射線撮影も臥位での放射線撮影も可能とするために、放射線源130を、水平な軸回り(図2の矢印A方向)に回動可能で、鉛直方向(図2の矢印B方向)に移動可能で、さらに水平方向(図2の矢印C方向)に移動可能に支持する支持移動機構52が設けられている。ここで、支持移動機構52は、放射線源130を水平な軸回りに回動させる駆動源と、放射線源130を鉛直方向に移動させる駆動源と、放射線源130を水平方向に移動させる駆動源を各々備えている(何れも図示省略。)。
【0043】
一方、クレードル40には、電子カセッテ32を収納可能な収容部40Aが形成されている。
【0044】
電子カセッテ32は、未使用時にはクレードル40の収容部40Aに収納された状態で内蔵されているバッテリに充電が行われ、放射線画像の撮影時には放射線技師等によってクレードル40から取り出され、撮影姿勢が立位であれば立位台45の保持部150に保持され、撮影姿勢が臥位であれば臥位台46の保持部152に保持される。
【0045】
ここで、本実施の形態に係る撮影システム18では、放射線発生装置34とコンソール42との間、および電子カセッテ32とコンソール42との間で、無線通信によって各種情報の送受信を行う。
【0046】
なお、電子カセッテ32は、立位台45の保持部150や臥位台46の保持部152で保持された状態のみで使用されるものではなく、その可搬性から、保持部に保持されていない状態で使用することもできる。
【0047】
図3には、本実施の形態に係る電子カセッテ32の構成が示されている。
【0048】
同図に示すように、電子カセッテ32は、放射線Xを透過させる材料からなる筐体54を備えており、防水性、密閉性を有する構造とされている。電子カセッテ32は、手術室等で使用されるとき、血液やその他の雑菌が付着するおそれがある。そこで、電子カセッテ32を防水性、密閉性を有する構造として、必要に応じて殺菌洗浄することにより、1つの電子カセッテ32を繰り返し続けて使用することができる。
【0049】
筐体54の内部には、放射線Xが照射される筐体54の照射面56側から、被検者による放射線Xの散乱線を除去するグリッド58、被検者を透過した放射線Xを検出する放射線検出器60、および放射線Xのバック散乱線を吸収する鉛板62が順に配設されている。
【0050】
また、筐体54の内部の一端側には、マイクロコンピュータを含む電子回路および充電可能で、かつ着脱可能なバッテリ96Aを収容するケース31が配置されている。放射線検出器60および電子回路は、ケース31に配置されたバッテリ96Aから供給される電力によって作動する。ケース31内部に収容された各種回路が放射線Xの照射に伴って損傷することを回避するため、ケース31の照射面56側には鉛板等を配設しておくことが望ましい。なお、本実施の形態に係る電子カセッテ32は、照射面56の形状が長方形とされた直方体とされており、その長手方向一端部にケース31が配置されている。
【0051】
さらに、筐体54の外壁の所定位置には、電子カセッテ32を移動させる際に把持される把手54Bが設けられている。なお、本実施の形態に係る電子カセッテ32では、把手54Bが筐体54における照射面56の長手方向に延設された側壁の中央部に設けられているが、これに限らず、例えば、照射面56の短手方向に延設された側壁の中央部、これら側壁の中央部より電子カセッテ32の重心位置の偏りを考慮した距離だけ偏倚した位置等、他の位置に設けてもよいことは言うまでもない。
【0052】
さらに、本実施の形態に係る電子カセッテ32は、筐体54の照射面56に、液晶表示パネル64A、および当該液晶表示パネル64Aにおける表示領域に対する指先等の接触位置を特定することのできるタッチセンサ64Bを含んで構成された操作表示部64が設けられている。
【0053】
ここで、本実施の形態に係る電子カセッテ32では、液晶表示パネル64Aが、放射線検出器60による撮影領域に対応する領域の全域に表示領域が含まれるように筐体54の外壁面に設けられている。また、本実施の形態に係る電子カセッテ32は、タッチセンサ64Bとして、赤外線を用いて接触位置を特定する赤外線方式のものが適用されている。
【0054】
本実施の形態に係る液晶表示パネル64Aは放射線の透過性を有するものとされており、タッチセンサ64Bは液晶表示パネル64Aの表示領域に構成部品が配置されないものとされているため、撮影によって得られた放射線画像に操作表示部64の構成部品が映り込むことはないか、映り込むとしても、その影響は微小なものとされている。
【0055】
なお、本実施の形態に係る保持部150および保持部152は、電子カセッテ32を保持した状態で、液晶表示パネル64Aの表示領域の全面が外部に露出するものとされている。
【0056】
次に、図4を参照して、本実施の形態に係る撮影システム18の電気系の要部構成について説明する。
【0057】
同図に示すように、電子カセッテ32に内蔵された放射線検出器60は、TFTアクティブマトリクス基板66上に、放射線Xを吸収し、電荷に変換する光電変換層が積層されて構成されている。光電変換層は例えばセレンを主成分(例えば含有率50%以上)とする非晶質のa−Se(アモルファスセレン)からなり、放射線Xが照射されると、照射された放射線量に応じた電荷量の電荷(電子−正孔の対)を内部で発生することで、照射された放射線Xを電荷へ変換する。なお、放射線検出器60は、アモルファスセレンのような放射線Xを直接的に電荷に変換する放射線−電荷変換材料の代わりに、蛍光体材料と光電変換素子(フォトダイオード)を用いて間接的に電荷に変換してもよい。蛍光体材料としては、ガドリニウム硫酸化物(GOS)やヨウ化セシウム(CsI)がよく知られている。この場合、蛍光体材料によって放射線X−光変換を行い、光電変換素子のフォトダイオードによって光−電荷変換を行う。
【0058】
また、TFTアクティブマトリクス基板66上には、光電変換層で発生された電荷を蓄積する蓄積容量68と、蓄積容量68に蓄積された電荷を読み出すためのTFT70を備えた画素部74(図4では個々の画素部74に対応する光電変換層を光電変換部72として模式的に示している。)がマトリクス状に多数個配置されており、電子カセッテ32への放射線Xの照射に伴って光電変換層で発生された電荷は、個々の画素部74の蓄積容量68に蓄積される。これにより、電子カセッテ32に照射された放射線Xに担持されていた画像情報は電荷情報へ変換されて放射線検出器60に保持される。
【0059】
また、TFTアクティブマトリクス基板66には、一定方向(行方向)に延設され、個々の画素部74のTFT70をオン・オフさせるための複数本のゲート配線76と、ゲート配線76と直交する方向(列方向)に延設され、オンされたTFT70を介して蓄積容量68から蓄積電荷を読み出すための複数本のデータ配線78が設けられている。個々のゲート配線76はゲート線ドライバ80に接続されており、個々のデータ配線78は信号処理部82に接続されている。個々の画素部74の蓄積容量68に電荷が蓄積されると、個々の画素部74のTFT70は、ゲート線ドライバ80からゲート配線76を介して供給される信号により行単位で順にオンされ、TFT70がオンされた画素部74の蓄積容量68に蓄積されている電荷は、アナログの電気信号としてデータ配線78を伝送されて信号処理部82に入力される。従って、個々の画素部74の蓄積容量68に蓄積されている電荷は行単位で順に読み出される。
【0060】
一方、信号処理部82は、個々のデータ配線78毎に設けられた増幅器およびサンプルホールド回路を備えており、個々のデータ配線78を伝送された電荷信号は増幅器で増幅された後にサンプルホールド回路に保持される。また、サンプルホールド回路の出力側にはマルチプレクサ、A/D(アナログ/デジタル)変換器が順に接続されており、個々のサンプルホールド回路に保持された電荷信号はマルチプレクサに順に(シリアルに)入力され、A/D変換器によってデジタルの画像データへ変換される。
【0061】
信号処理部82には画像メモリ90が接続されており、信号処理部82のA/D変換器から出力された画像データは画像メモリ90に順に記憶される。画像メモリ90は複数フレーム分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた画像データが画像メモリ90に順次記憶される。
【0062】
画像メモリ90は電子カセッテ32全体の動作を制御するカセッテ制御部92と接続されている。カセッテ制御部92はマイクロコンピュータを含んで構成されており、CPU(中央処理装置)92A、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ92B、HDD(ハードディスク・ドライブ)やフラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部92Cを備えている。
【0063】
また、カセッテ制御部92には前述した操作表示部64における液晶表示パネル64Aおよびタッチセンサ64Bが接続されており、液晶表示パネル64Aおよびタッチセンサ64Bの作動は、カセッテ制御部92に設けられたCPU92Aによって制御される。
【0064】
また、カセッテ制御部92には無線通信部94が接続されている。本実施の形態に係る無線通信部94は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g等に代表される無線LAN(Local Area Network)規格に対応しており、無線通信による外部機器との間での各種情報の伝送を制御する。カセッテ制御部92は、無線通信部94を介してコンソール42と無線通信が可能とされており、コンソール42との間で各種情報の送受信が可能とされている。
【0065】
また、電子カセッテ32には電源部96が設けられており、上述した各種回路や各素子(液晶表示パネル64A、タッチセンサ64B、ゲート線ドライバ80、信号処理部82、画像メモリ90、無線通信部94、カセッテ制御部92等)は、電源部96から供給された電力によって作動する。電源部96は、電子カセッテ32の可搬性を損なわないように、前述したバッテリ(二次電池)96Aを内蔵しており、充電されたバッテリ96Aから各種回路や各素子へ電力を供給する。なお、図4では、電源部96と各種回路や各素子を接続する配線の図示を省略している。
【0066】
一方、コンソール42は、サーバ・コンピュータとして構成されており、操作メニューや撮影された放射線画像等を表示するディスプレイ100と、複数のキーを含んで構成され、各種の情報や操作指示が入力される操作パネル102と、を備えている。
【0067】
また、本実施の形態に係るコンソール42は、装置全体の動作を司るCPU104と、制御プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM106と、各種データを一時的に記憶するRAM108と、各種データを記憶して保持するHDD110と、ディスプレイ100への各種情報の表示を制御するディスプレイドライバ112と、操作パネル102に対する操作状態を検出する操作入力検出部114と、を備えている。また、コンソール42は、無線通信により、放射線発生装置34との間で後述する曝射条件等の各種情報の送受信を行うと共に、電子カセッテ32との間で画像データ等の各種情報の送受信を行う無線通信部118を備えている。
【0068】
CPU104、ROM106、RAM108、HDD110、ディスプレイドライバ112、操作入力検出部114、および無線通信部118は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU104は、ROM106、RAM108、HDD110へのアクセスを行うことができると共に、ディスプレイドライバ112を介したディスプレイ100への各種情報の表示の制御、および無線通信部118を介した放射線発生装置34および電子カセッテ32との各種情報の送受信の制御を各々行うことができる。また、CPU104は、操作入力検出部114を介して操作パネル102に対するユーザの操作状態を把握することができる。
【0069】
一方、放射線発生装置34は、放射線源130と、コンソール42との間で曝射条件等の各種情報を送受信する無線通信部132と、受信した曝射条件に基づいて放射線源130を制御する線源制御部134と、を備えている。
【0070】
線源制御部134もマイクロコンピュータを含んで構成されており、受信した曝射条件等を記憶する。このコンソール42から受信する曝射条件には管電圧、管電流、曝射期間等の情報が含まれている。線源制御部134は、受信した曝射条件に基づいて放射線源130から放射線Xを照射させる。
【0071】
次に、本実施の形態に係る撮影システム18の作用を説明する。
【0072】
まず、図5を参照して、放射線画像の撮影を行う際のコンソール42の作用を説明する。なお、図5は、コンソール42の操作者によって実行する旨の指示操作が行われた際にコンソール42のCPU104によって実行される放射線画像撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM106の所定領域に予め記憶されている。
【0073】
同図のステップ300では、予め定められた初期情報入力画面をディスプレイ100により表示させるようにディスプレイドライバ112を制御し、次のステップ302にて所定情報の入力待ちを行う。
【0074】
図6には、上記ステップ300の処理によってディスプレイ100により表示される初期情報入力画面の一例が示されている。同図に示すように、本実施の形態に係る初期情報入力画面では、これから放射線画像の撮影を行う被検者に関する情報である被検者情報(本実施の形態では、氏名、年齢、性別)、撮影条件に関する情報である撮影条件情報(本実施の形態では、撮影部位、撮影姿勢)、および撮影時の放射線Xの曝射条件に関する情報である曝射条件情報(本実施の形態では、放射線Xを曝射する際の管電圧、管電流、曝射期間)の入力を促すメッセージと、これらの情報の入力領域が表示される。
【0075】
同図に示す初期情報入力画面がディスプレイ100に表示されると、コンソール42の操作者は、上記被検者情報、撮影条件情報、および曝射条件情報の各情報を、各々対応する入力領域に操作パネル102を介して入力した後、当該初期情報入力画面の下端近傍に表示されている終了ボタンを、操作パネル102を介して指定する。操作者によって終了ボタンが指定されると、上記ステップ302が肯定判定となってステップ304に移行する。
【0076】
ステップ304では、初期情報入力画面において入力された被検者情報および撮影条件情報を電子カセッテ32へ無線通信部118を介して送信し、次のステップ306にて、電子カセッテ32からの所定情報の受信待ちを行う。
【0077】
一方、放射線画像の撮影を行う撮影者は、撮影に用いる電子カセッテ32を、予定されている撮影姿勢に応じて立位台45の保持部150または臥位台46の保持部152に保持させた状態で待機する。
【0078】
また、電子カセッテ32は、上記ステップ304の処理によってコンソール42から送信された被検者情報および撮影条件情報を受信すると後述する情報表示処理を実行し、受信した被検者情報および撮影条件情報を液晶表示パネル64Aにより表示する。
【0079】
これに応じて、撮影者は、液晶表示パネル64Aに表示された情報を確認し、特に問題がない場合には被検者を所定の撮影位置に位置させた後、電子カセッテ32に対して撮影準備が終了したことを示す準備終了情報をコンソール42に送信させる。
【0080】
なお、本実施の形態に係る情報表示処理は、液晶表示パネル64Aによって表示された被検者情報および撮影条件情報を変更することができるものとされており、当該変更が行われた際には、電子カセッテ32からコンソール42に対して、当該変更と同様の変更を指示する変更指示情報が、変更内容を示す情報と共に送信された後に上記準備終了情報が送信される。当該準備終了情報を電子カセッテ32から受信すると上記ステップ306が肯定判定となってステップ308に移行する。
【0081】
ステップ308では、電子カセッテ32から変更指示情報を受信したか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ314に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ310に移行する。
【0082】
ステップ310では、電子カセッテ32から変更指示情報と共に受信した情報により示される変更内容に合致するように、初期情報入力画面において入力された被検者情報および撮影条件情報を変更し、次のステップ312にて、変更指示情報に応じた変更処理が終了したことを示す変更終了情報を電子カセッテ32に無線通信部118を介して送信した後、ステップ314に移行する。
【0083】
ステップ314では、初期情報入力画面において入力された曝射条件情報を放射線発生装置34および電子カセッテ32へ無線通信部118を介して送信することにより当該曝射条件を設定する。これに応じて放射線発生装置34の線源制御部134は、受信した曝射条件での曝射準備を行う。
【0084】
次のステップ316では、曝射開始を指示する指示情報を放射線発生装置34および電子カセッテ32へ無線通信部118を介して送信する。
【0085】
これに応じて、放射線源130は、放射線発生装置34がコンソール42から受信した曝射条件情報に応じた管電圧、管電流、および曝射期間で放射線を発生して射出する。放射線源130から曝射された放射線Xは、被検者を透過した後に電子カセッテ32に到達する。
【0086】
一方、電子カセッテ32のカセッテ制御部92は、上記曝射開始を指示する指示情報を受信すると、内蔵された放射線検出器60の各画素部74の蓄積容量68への電荷の蓄積を開始し、上記曝射条件情報で指定された曝射期間の経過後にゲート線ドライバ80を制御してゲート線ドライバ80から1ラインずつ順に各ゲート配線76にオン信号を出力させ、各ゲート配線76に接続された各TFT70を1ラインずつ順にオンさせる。
【0087】
放射線検出器60は、各ゲート配線76に接続された各TFT70を1ラインずつ順にオンされると、1ラインずつ順に各蓄積容量68に蓄積された電荷が電気信号として各データ配線78に流れ出す。各データ配線78に流れ出した電気信号は信号処理部82でデジタルの画像データに変換されて、画像メモリ90に記憶される。
【0088】
カセッテ制御部92は、撮影終了後、画像メモリ90に記憶された画像データを無線通信によりコンソール42へ送信する。
【0089】
そこで、次のステップ318では、当該画像データが電子カセッテ32から受信されるまで待機し、次のステップ320にて、受信した画像データに対してシェーディング補正等の各種の補正を行う画像処理を実行する。
【0090】
次のステップ322では、上記画像処理が行われた画像データ(以下、「補正画像データ」と称する。)をHDD110に記憶し、次のステップ324にて、補正画像データにより示される放射線画像を、確認等を行うためにディスプレイ100によって表示させるようにディスプレイドライバ112を制御し、次のステップ326にて、補正画像データを、被検者情報および撮影条件情報と共にRISサーバ14へ病院内ネットワーク16を介して送信した後、本放射線画像撮影処理プログラムを終了する。なお、RISサーバ14へ送信された補正画像データは、当該補正画像データと共に受信した被検者情報および撮影条件情報と共にデータベース14Aに格納され、医師が撮影された放射線画像の読影や診断等を行うことが可能となる。
【0091】
次に、図7を参照して、情報表示処理を実行する際の電子カセッテ32の作用を説明する。なお、図7は、コンソール42から被検者情報および撮影条件情報を受信した際に電子カセッテ32のカセッテ制御部92におけるCPU92Aにより実行される情報表示処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはメモリ92Bの所定領域に予め記憶されている。
【0092】
同図のステップ400では、液晶表示パネル64Aおよびタッチセンサ64Bの作動を開始するように制御し、次のステップ402にて、コンソール42から受信した被検者情報および撮影条件情報を予め定められたフォーマットで表示する情報表示画面を表示するように液晶表示パネル64Aを制御した後、次のステップ404にて、所定情報の入力待ちを行う。
【0093】
図8には、上記ステップ402の処理によって液晶表示パネル64Aにより表示される情報表示画面の一例が示されている。同図に示すように、本実施の形態に係る情報表示画面では、液晶表示パネル64Aの表示領域における左半分の領域にコンソール42から受信した被検者情報および撮影条件情報が表示される。
【0094】
同図に示す情報表示画面が液晶表示パネル64Aに表示されると、撮影者は、表示されている被検者情報および撮影条件情報の何れかの情報を変更する場合は変更対象とする情報の表示領域を指先にて接触指定する一方、表示内容を変更しない場合には、当該情報表示画面の下端近傍に表示されている撮影実行ボタンの表示領域を指先にて接触指定する。撮影者によって被検者情報および撮影条件情報の何れかの情報、または撮影実行ボタンが指定されると、上記ステップ404が肯定判定となってステップ406に移行する。
【0095】
ステップ406では、撮影者により被検者情報および撮影条件情報の何れかの情報が指定されたか否かを判定することにより、撮影者によって当該情報の変更が指示されたか否かを判定し、否定判定となった場合は、撮影者によって撮影実行ボタンが指定されたものと見なして後述するステップ422に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ408に移行する。
【0096】
ステップ408では、予め定められたフォーマットとされた変更受付画面を表示するように液晶表示パネル64Aを制御し、次のステップ410にて、所定情報の入力待ちを行う。
【0097】
図9には、上記ステップ408の処理によって液晶表示パネル64Aに表示される変更受付画面の一例が示されている。同図に示すように、本実施の形態に係る変更受付画面では、液晶表示パネル64Aの表示領域における左半分の領域については情報表示画面と同一の情報、すなわちコンソール42から受信した被検者情報および撮影条件情報が継続的に表示される一方、液晶表示パネル64Aの表示領域における右半分の領域には、撮影者によって変更対象として指定された情報の種類に対応する、変更後の情報を入力するための領域(以下、「変更入力領域」と称する。)が表示される。なお、同図に示す例では、撮影者によって「撮影部位 脚部−膝」の表示領域が指定された場合に表示される変更入力領域の一例が示されている。本実施の形態に係る電子カセッテ32では、同図に示すように、変更入力領域に対して変更後の情報の候補を示す情報を表示することにより、表示した候補の何れかを指定することのみによって当該変更後の情報を簡易に入力することができるようにしている。
【0098】
同図に示す変更受付画面が液晶表示パネル64Aに表示されると、撮影者は、変更入力領域における実際の撮影条件に対応する候補の表示領域を、指先にて接触指定する。なお、同図に示す例では、撮影者によって「腹部」および「胃」が指定された場合の表示状態が示されている。
【0099】
また、撮影者は、表示されている被検者情報および撮影条件情報に、他にも変更すべき情報がある場合には、当該情報の表示領域を接触指定した後に、以上の操作と同様の操作により当該情報を変更する。そして、撮影者は、変更すべき情報の変更操作が全て終了した後に当該変更受付画面の下端近傍に表示されている撮影実行ボタンの表示領域を指先にて接触指定する。撮影者によって被検者情報および撮影条件情報の何れかの情報、または撮影実行ボタンが指定されると、上記ステップ410が肯定判定となってステップ412に移行する。
【0100】
ステップ412では、撮影実行ボタンが指定されたか否かを判定し、否定判定となった場合は撮影者によって変更指示が行われたと見なしてステップ414に移行し、変更受付画面に表示されている変更入力領域の表示内容を、撮影者によって指定された情報の種類に対応する情報に更新するように液晶表示パネル64Aを制御した後、上記ステップ410に戻る。
【0101】
一方、上記ステップ412の処理において肯定判定となった場合にはステップ416に移行し、前述した変更指示情報を、上記変更受付画面において指定された変更内容を示す情報と共に無線通信部94を介してコンソール42に送信する。これに応じてコンソール42は、前述したように、初期情報入力画面において入力された被検者情報および撮影条件情報に対する変更処理を実行した後、変更終了情報を送信する。
【0102】
そこで、次のステップ418では、コンソール42からの変更終了情報の受信待ちを行い、次のステップ420にて、変更受付画面において表示されている被検者情報および撮影条件情報を変更入力領域において指定された情報に更新するように液晶表示パネル64Aを制御する。
【0103】
次のステップ422では、液晶表示パネル64Aおよびタッチセンサ64Bの作動を停止するように制御し、次のステップ424にて、撮影準備が終了したことを示す準備終了情報をコンソール42に無線通信部94を介して送信した後、本情報表示処理プログラムを終了する。
【0104】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、放射線の透過性を有すると共に、放射線画像の撮影に関する情報を表示する表示手段(本実施の形態では、液晶表示パネル64A)が、放射線検出器による撮影領域に対応する領域の少なくとも一部に表示領域が含まれるように筐体(本実施の形態では、筐体54)の外壁面に設けられているので、予め定められた撮影位置に位置された場合でも放射線画像の撮影に関する情報を容易に確認することができる。
【0105】
また、本実施の形態によれば、前記撮影に関する情報を受信する受信手段(本実施の形態では、無線通信部94)を備え、前記表示手段が、前記受信手段によって受信された情報を表示しているので、外部装置(本実施の形態では、コンソール42)から受信した撮影に関する情報を表示することができる。
【0106】
特に、本実施の形態によれば、前記撮影に関する情報を、前記放射線画像の撮影条件および撮影対象者の各々を示す情報(本実施の形態では、撮影条件情報および被検者情報)としているので、外部装置から受信した放射線画像の撮影条件および撮影対象者の各々を示す情報を容易に確認することができる。
【0107】
また、本実施の形態によれば、前記表示手段が、当該表示手段に表示された情報の変更を受け付けるための変更受付画面をさらに表示し、前記表示手段に表示された前記変更受付画面を介して受け付けられた変更後の情報を検出手段(本実施の形態では、タッチセンサ64B)により検出し、検出した変更後の情報を送信手段(本実施の形態では、無線通信部94)により送信しているので、表示手段により表示した放射線画像の撮影条件および撮影対象者の各々を示す情報を変更することができる。
【0108】
また、本実施の形態によれば、前記検出手段をタッチセンサとしているので、より簡易に各種情報を指定することができる。
【0109】
特に、本実施の形態によれば、前記タッチセンサを、赤外線を用いて接触位置を特定する赤外線方式のものとしているので、放射線の透過性を有するスイッチ等を用いるタッチセンサを適用する場合に生じ得る、放射線画像の品質への悪影響を回避することができる。
【0110】
また、本実施の形態によれば、前記放射線画像を撮影する場合に前記表示手段による表示動作および前記検出手段による検出動作の双方を禁止しているので、当該表示動作および検出動作により生じ得る、放射線画像の品質への悪影響を抑制することができる。
【0111】
さらに、本実施の形態によれば、前記表示手段を液晶表示パネルとしているので、表示手段として液晶表示パネルより放射線の透過性が低いものを適用する場合に比較して、放射線画像の品質への悪影響を抑制することができる。
【0112】
[第2の実施の形態]
本第2の実施の形態では、電子カセッテ32によって被検者情報および撮影条件情報を入力する場合の形態例について説明する。なお、本第2の実施の形態に係るRIS10、放射線撮影室、電子カセッテ32、および撮影システム18の構成は、上記第1の実施の形態と同様であるので、ここでの説明は省略し、以下、本第2の実施の形態に係る撮影システム18の作用を説明する。
【0113】
まず、図10を参照して、放射線画像の撮影を行う際のコンソール42の作用を説明する。なお、図10は、コンソール42の操作者によって実行する旨の指示操作が行われた際にコンソール42のCPU104によって実行される、本第2の実施の形態に係る放射線画像撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM106の所定領域に予め記憶されている。
【0114】
同図のステップ350では、予め定められた初期情報入力画面をディスプレイ100により表示させるようにディスプレイドライバ112を制御し、次のステップ302にて所定情報の入力待ちを行う。
【0115】
図11には、上記ステップ350の処理によってディスプレイ100により表示される初期情報入力画面の一例が示されている。同図に示すように、本実施の形態に係る初期情報入力画面では、曝射条件情報(本実施の形態では、放射線Xを曝射する際の管電圧、管電流、および曝射期間)の入力を促すメッセージと、これらの情報の入力領域が表示される。
【0116】
同図に示す初期情報入力画面がディスプレイ100に表示されると、コンソール42の操作者は、これから実施する放射線画像の撮影に対応する曝射条件情報を対応する入力領域に操作パネル102を介して入力した後、当該初期情報入力画面の下端近傍に表示されている終了ボタンを、操作パネル102を介して指定する。操作者によって終了ボタンが指定されると、上記ステップ352が肯定判定となってステップ354に移行する。
【0117】
ところで、本第2の実施の形態では、放射線画像の撮影を行う撮影者は、撮影に用いる電子カセッテ32を、予定されている撮影姿勢に応じて立位台45の保持部150または臥位台46の保持部152に保持させた後、電子カセッテ32に対して後述する情報指定処理を実行させることにより、上記第1の実施の形態と同様の被検者情報および撮影条件情報を指定する。また、このとき、撮影者は、電子カセッテ32による撮影範囲を指定する場合には当該撮影範囲も指定する。
【0118】
そして、撮影者は、以上の各種指定が終了すると、被検者を所定の撮影位置に位置させた後、電子カセッテ32に対して撮影準備が終了したことを示す準備終了情報をコンソール42に送信させる。この際、電子カセッテ32は、撮影者によって指定された被検者情報および撮影条件情報と、撮影範囲が指定された場合には当該撮影範囲を示す撮影範囲情報とをコンソール42に送信した後、上記準備終了情報をコンソール42に対して送信する。
【0119】
そこで、ステップ354では、電子カセッテ32からの準備終了情報の受信待ちを行い、次のステップ356では、初期情報入力画面において入力された曝射条件情報を放射線発生装置34および電子カセッテ32へ無線通信部118を介して送信することにより当該曝射条件を設定する。これに応じて放射線発生装置34の線源制御部134は、受信した曝射条件での曝射準備を行う。
【0120】
次のステップ358では、曝射開始を指示する指示情報を放射線発生装置34および電子カセッテ32へ無線通信部118を介して送信する。
【0121】
これに応じて、放射線源130は、放射線発生装置34がコンソール42から受信した曝射条件情報に応じた管電圧、管電流、および曝射期間で放射線を発生して射出する。放射線源130から曝射された放射線Xは、被検者を透過した後に電子カセッテ32に到達する。
【0122】
一方、電子カセッテ32のカセッテ制御部92は、上記曝射開始を指示する指示情報を受信すると、上記第1の実施の形態と同様に、放射線画像の撮影を行った後、画像メモリ90に記憶された画像データを無線通信によりコンソール42へ送信する。
【0123】
そこで、次のステップ360では、当該画像データが電子カセッテ32から受信されるまで待機し、次のステップ362にて、受信した画像データに対してシェーディング補正等の各種の補正を行う画像処理を実行する。
【0124】
次のステップ364では、上記画像処理が行われた画像データ(補正画像データ)をHDD110に記憶し、次のステップ366にて、補正画像データにより示される放射線画像を、確認等を行うためにディスプレイ100によって表示させるようにディスプレイドライバ112を制御し、次のステップ368にて、補正画像データを、上記ステップ354の処理によって電子カセッテ32から受信した被検者情報および撮影条件情報と共にRISサーバ14へ病院内ネットワーク16を介して送信した後、本放射線画像撮影処理プログラムを終了する。
【0125】
なお、上記ステップ366では、電子カセッテ32から撮影範囲情報を受信した場合には、補正画像データにより示される放射線画像における、当該撮影範囲情報により示される撮影範囲に対応する領域のみを拡大してディスプレイ100により表示させるように制御する。
【0126】
次に、図12を参照して、情報指定処理を実行する際の電子カセッテ32の作用を説明する。なお、図12は、撮影者によって実行の開始を指示する指示操作が行われた際(本実施の形態では、電子カセッテ32の不図示の電源スイッチがオン状態とされた際)に電子カセッテ32のカセッテ制御部92におけるCPU92Aにより実行される情報指定処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはメモリ92Bの所定領域に予め記憶されている。
【0127】
同図のステップ450では、液晶表示パネル64Aおよびタッチセンサ64Bの作動を開始するように制御し、次のステップ452にて、被検者情報および撮影条件情報の指定を受け付けるものとして予め定められた指定受付画面を表示するように液晶表示パネル64Aを制御した後、次のステップ454にて、所定情報の入力待ちを行う。
【0128】
図13には、上記ステップ452の処理によって液晶表示パネル64Aにより表示される指定受付画面の一例が示されている。同図に示すように、本実施の形態に係る指定受付画面では、液晶表示パネル64Aにより、被検者情報、撮影条件情報、および撮影範囲の指定を促すメッセージと、被検者情報および撮影条件情報の入力領域とが表示される。
【0129】
同図に示す指定受付画面が液晶表示パネル64Aに表示されると、撮影者は、これから放射線画像の撮影を行う被検者に関する被検者情報、および当該撮影の条件を示す撮影条件情報を、対応する入力領域に入力する。なお、この際の各情報の入力は、被検者情報および撮影条件情報の候補となる情報を予めデータベース14A等から取得しておき、上記第1の実施の形態に係る電子カセッテ32と同様に、当該候補となる情報を液晶表示パネル64Aにより表示して、実際の撮影に対応する情報を撮影者に指定させる形態や、筆記具の形状をした部材を予め用意しておき、当該部材を用いてタッチセンサ64Bを介して手書き入力する形態等により行うことができる。ここで、上記手書き入力を行う場合には、入力された文字の形状を従来既知のOCR技術等によってテキスト・データに変換することになる。
【0130】
また、このとき、撮影者は、放射線画像の撮影範囲を指定したい場合には、一例として図14に模式的に示すように、撮影範囲を指先で接触指定する。なお、同図では、上記撮影範囲を矩形領域とし、当該矩形領域の一対の対角位置を指先で接触指定する場合が例示されているが、これに限らず、当該撮影範囲の境界線全体を指先で接触指定する形態等を適用してもよい。
【0131】
そして、CPU92Aは、撮影者によって指定された撮影範囲を示す情報(本実施の形態では、図14における破線で示す情報)を指定受付画面に重ねて表示するように液晶表示パネル64Aを制御する。
【0132】
一方、撮影者は、以上の操作が終了すると、当該指定受付画面の下端近傍に表示されている撮影実行ボタンの表示領域を指先にて接触指定する。撮影者によって撮影実行ボタンが指定されると、上記ステップ454が肯定判定となってステップ456に移行する。
【0133】
ステップ456では、撮影者により撮影範囲が指定されたか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ460に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ458に移行する。
【0134】
ステップ458では、撮影者により指定された撮影範囲を示す撮影範囲情報(本実施の形態では、撮影範囲(矩形領域)の対角の位置を示す座標情報)をコンソール42に無線通信部94を介して送信し、その後にステップ460に移行する。
【0135】
ステップ460では、指定受付画面において入力された被検者情報および撮影条件情報をコンソール42に無線通信部94を介して送信し、次のステップ462にて、液晶表示パネル64Aおよびタッチセンサ64Bの作動を停止するように制御した後、次のステップ464にて、撮影準備が終了したことを示す準備終了情報をコンソール42に無線通信部94を介して送信し、その後に本情報指定処理プログラムを終了する。
【0136】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と略同様の効果を奏することができると共に、表示手段(本実施の形態では、液晶表示パネル64A)により、前記放射線画像の撮影条件、撮影対象者、および撮影範囲の各々を示す情報の指定操作を受け付けるための指定受付画面を表示し、前記表示手段に表示された前記指定受付画面に対する指定操作を検出手段(本実施の形態では、タッチセンサ64B)により検出し、前記検出手段による検出結果を送信手段(本実施の形態では、無線通信部94)により送信しているので、放射線画像の撮影条件、撮影対象者、および撮影範囲の各情報の指定を容易に行うことができる。
【0137】
特に、本実施の形態によれば、前記検出手段により、前記撮影範囲を示す情報として、前記筐体の前記表示手段が設けられている面における実際の撮影範囲を矩形領域として、当該矩形領域の一対の対角の位置の指定操作を検出しているので、より簡易に撮影範囲を指定することができる。
【0138】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0139】
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0140】
例えば、上記第1の実施の形態では、本発明の撮影に関する情報として、被検者情報および撮影条件情報の双方を適用し、上記第2の実施の形態では、本発明の撮影に関する情報として、被検者情報、撮影条件情報、および撮影範囲情報の全てを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの情報の1つ、または他の複数の組み合わせを適用する形態としてもよい。
【0141】
また、上記各実施の形態では、電子カセッテ32とコンソール42との間、放射線発生装置34とコンソール42との間で、無線にて通信を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらの少なくとも一方を有線にて通信を行う形態としてもよい。
【0142】
また、上記各実施の形態では、操作表示部64の液晶表示パネル64Aにより撮影に関する情報以外の情報は表示しない場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの情報に加えて、例えば、‘レディ状態’,‘データ送信中’といった動作モードや、バッテリ96Aの残容量の状態等の電子カセッテ32の動作状態を示す情報等を液晶表示パネル64Aにより表示する形態としてもよい。この場合、上記各実施の形態に比較して、より利便性を向上させることができる。
【0143】
また、上記各実施の形態では、本発明の表示手段として液晶表示パネル64Aを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、マイクロ・カプセル方式、電子粉流体方式、エレクトロ・ウェッティング方式等の放射線に対する影響が少なく、放射線画像への映り込みが少ない他の方式の電子ペーパを適用する形態としてもよい。
【0144】
また、上記各実施の形態では、本発明の検出手段として赤外線方式のタッチセンサ64Bを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、マトリクス・スイッチ方式、表面弾性波方式、抵抗膜方式等の放射線に対する影響が少なく、放射線画像への映り込みが少ない他の方式のタッチセンサを適用する形態としてもよい。
【0145】
また、上記各実施の形態では、液晶表示パネル64Aを、放射線検出器60による撮影領域に対応する領域の全域に表示領域が含まれるように筐体54の外壁面に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、放射線検出器60による撮影領域に対応する領域の一部に表示領域が含まれるように筐体54の外壁面に設ける形態としてもよい。この場合も、上記各実施の形態と略同様の効果を得ることができる。
【0146】
その他、上記各実施の形態で説明したRIS10の構成(図1参照。)、放射線撮影室の構成(図2参照。)、電子カセッテ32の構成(図3参照。)、撮影システム18の構成(図4参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したり、接続状態等を変更したりすることができることは言うまでもない。
【0147】
さらに、上記各実施の形態で説明した各種プログラムの処理の流れ(図5,図7,図10,図12参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ換えたりすることができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0148】
10 RIS
18 放射線画像撮影システム
32 電子カセッテ
34 放射線発生装置
42 コンソール
54 筐体
60 放射線検出器
64 操作表示部
64A 液晶表示パネル(表示手段)
64B タッチセンサ(検出手段)
92 カセッテ制御部
92A CPU
94 無線通信部(受信手段、送信手段)
100 ディスプレイ
102 操作パネル
104 CPU
106 ROM
110 HDD
118 無線通信部
130 放射線源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線画像を撮影する放射線検出器と、
放射線の透過性を有し、前記放射線検出器を収容する筐体と、
放射線の透過性を有し、前記放射線検出器による撮影領域に対応する領域の少なくとも一部に表示領域が含まれるように前記筐体の外壁面に設けられ、前記放射線画像の撮影に関する情報を表示する表示手段と、
を備えた放射線画像撮影装置。
【請求項2】
前記撮影に関する情報を受信する受信手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記受信手段によって受信された情報を表示する
請求項1記載の放射線画像撮影装置。
【請求項3】
前記撮影に関する情報は、前記放射線画像の撮影条件および撮影対象者の少なくとも一方を示す情報である
請求項2記載の放射線画像撮影装置。
【請求項4】
前記表示手段は、当該表示手段に表示された情報の変更を受け付けるための変更受付画面をさらに表示し、
前記表示手段に表示された前記変更受付画面を介して受け付けられた変更後の情報を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された変更後の情報を送信する送信手段と、
をさらに備えた請求項3記載の放射線画像撮影装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記撮影に関する情報として、前記放射線画像の撮影条件、撮影対象者、および撮影範囲の少なくとも1つを示す情報の指定操作を受け付けるための指定受付画面を表示し、
前記表示手段に表示された前記指定受付画面に対する指定操作を検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果を送信する送信手段と、
をさらに備えた請求項1記載の放射線画像撮影装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記指定受付画面として、少なくとも前記撮影範囲を示す情報の指定操作を受け付けるための画面を表示し、
前記検出手段は、前記撮影範囲を示す情報として、前記筐体の前記表示手段が設けられている面における実際の撮影範囲を矩形領域として、当該矩形領域の一対の対角の位置の指定操作を検出する
請求項5記載の放射線画像撮影装置。
【請求項7】
前記検出手段は、タッチセンサである
請求項4から請求項6の何れか1項記載の放射線画像撮影装置。
【請求項8】
前記タッチセンサは、赤外線を用いて接触位置を特定する赤外線方式のものである
請求項7記載の放射線画像撮影装置。
【請求項9】
前記放射線画像を撮影する場合に前記表示手段による表示動作および前記検出手段による検出動作の少なくとも一方を禁止する禁止手段
をさらに備えた請求項4から請求項8の何れか1項記載の放射線画像撮影装置。
【請求項10】
前記表示手段は、液晶表示パネルである
請求項1から請求項9の何れか1項記載の放射線画像撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−73501(P2012−73501A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219419(P2010−219419)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】