説明

放射能含有ガス及び蒸気の除去方法とその装置。

【課題】原子力発電所等において、大気中に放射能が洩れ或は水蒸気に含まれる放射能を捕捉して、近隣住民の危険を防ぐ為、効率的に放射能を分離し、呼吸する大気を浄化することを目的とした放射能含有ガス及び蒸気の除去方法とその装置。
【解決手段】 原子力発電所の燃料であるウラニウム等の放射性物質を分裂反応又は融合反応する時放射線を含むガス状の気体等を発生する。通常は密閉容器の中で反応が行なわれ外部に洩れないよう遮蔽されているが、冷却水の送水停止などの事故になると、燃料棒の突出等により制御が不可能となり、大気中に放射能が飛散することになり、近隣住民や飛散する範囲が拡大するに従って被爆住民が増える。該被爆者の被害は筆舌に尽くし難い苦しみを齎す。本発明は住民の放射能禍を未然に防ぐ為微細なウイルスやバクテリアを回収した実績から、球体サイクロンを用いて、放射能含有ヒューム・ダスト・ミスト・スモーク状或はガス状気体物質まで液体に回収するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微細な個体と液体を分離する方法でありながら、前段階として、微細な個体、例えばミクロン単位とヒューム状の液体を混合し、急速に分離する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスとガスを接触する技術は世界の化学会社がスタテックミキサーに頼り、混合出来ない為、触媒と称して活性炭の多孔質の呼吸を利用して、時間を掛けて緩慢混合に頼っている。
【0003】
円筒形サイクロンは塵芥等の分離器の分野に仕分けされているが、球体サイクロンを発明し、オゾンガスと臭気ガスが2秒で接触分解し、球体サイクロンはガスとガスの効率的な接触器であることを発見し、脱臭装置の発明に至った。
【0004】
本発明の放射能含有ガス又は水蒸気の除去において、微細な固体例えば放射能を含むガスとガス又は水蒸気に微細水滴を噴霧し、ガス及び水蒸気と噴霧液体が急速に接触して肥大化し、肥大化することに依ってサイクロン内で分離し、排出する。この作業が繰り返し行なわれないと、放射能の分離除去は出来ないことになる。
【特許文献】 特許の空気と水の浄化方法及びその装置(日本第1618387号)(米国第4865749号)(英国第GB2205935A号)(仏国第FR8805042号)(独国第577164号)(豪国第608721号)(加国第1334542号)(伯国第P1 8801778・8号)(墨国第165109号)同じく本人特許球体サイクロン(日本第1999741号)(米国第4,908,049号)(英国・仏国・独国EPO第0307821号)(豪国第606207号)(加国第1332048号)(墨国第172006号)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
世界の原子力発電所の事故は米国のスリーマイル島に始まり、チェリノブイリと今回の福島原発と3回発生し、放射能発生を制御する方法が無く、発生放射能を測定し、自然消滅に頼っていた。
【0006】
チェリノブイリ原発事故は、25年前ソ連邦体制で、球形の衛星を打ち上げていることを知り麻布のソ連大使館を訪れ、ソ連の球形衛星製作中を転用して球体サイクロンを作り、事故原発を掩蔽した上でガス吸引を行えば、放射能汚染空気が外部に排出することなく浄化出来ることを伝えたが、担当書記官は、加工するお金がないので、アイデアと共にお金を持ってソ連に来て欲しいと云われ、諦めたことがある。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
原子力発電所を設置する時、国や電力会社は絶対安全で事故が起きること等、考えられないという。然し、想定した以上の地震が来たとは云え、過去の例に従って、排出ガスの浄化対応が行われない。本発明は該放射能汚染ガスを浄化し被災住民を放射能汚染禍から守る方法である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
検討の結果、開発したものが、原子力発電所の燃料棒制御に不具合が生じ、温度の上昇から、冷却水が少なくなり、燃料棒が露出しやがて燃料棒燃焼時に発生する放射能が格納容器から洩れ、ガスや蒸気に含まれ、放射能汚染災禍が発生することとなる。
【0009】
本発明は原子力発電所周辺住民を放射能汚染災禍から守る為に研究開発されたもので、原子力発電所建屋壁面上部に水素ガス除去も含めて予め任意の口径の配管を設置し、放射能汚染空気又は蒸気を搬送する導出管とし、放射能含有ガス及び蒸気の除去装置まで搬送を行う。
【0010】
搬送された放射能含有ガス及び蒸気は第一球体サイクロン内に導入され、球体サイクロン内に設けられた球形噴射ノズルから噴射された微細水滴によって放射能含有ガス及び蒸気は上部球形内旋回層流と乱流接触によってミキシングされ、接触肥大化したガスと蒸気は下部球体サイクロン内で高速旋回流と比重差により遠心分離され、分離された液体は球体サイクロン下部の回収水排出口より、放射能汚染水として回収され循環水槽へ送られる。分離浄化された気体は大気放出される。
【0011】
前記球体サイクロンは不思議な特徴があり、接触しながら即分離が行なえるという特殊なミキシングセパレーターが行え、排出時に測定したところ1CC当り100万箇のマイナスイオンが測定されたのである。
【0012】
球体サイクロン1基の働きは以上のようであるが、基本的には球体サイクロン2基以上を使用し、蒸気に含有された放射能分離には水回収の為、噴射ノズルは設置してあってもノズルを使用しないで、水に含まれている放射能を取り除く為、専ら固液分離に徹すれば大気放出する時は放射能を全く含まない清浄空気として大気に還元することを特徴とする放射能含有ガス及び蒸気の除去方法と装置を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一例である球体サイクロンの断面図、図2は球体サイクロン平面図、図3は球体サイクロンを2基使用した放射能含有ガスを除去する方法とその装置を示した概略図である。
【0014】
燃料棒の異常燃焼により、原子炉圧力容器から洩れた放射能含有ガスが原子炉格納容器の遮蔽壁を経て、建屋内に充満し、建屋の外に洩れ始める状況になった時、発生量が多ければ、その圧力を利用して、建屋1の壁に予め導入管2を取り付け建屋1内に発生した放射能含有ガスを、球体サイクロン3に導入し球体の特性により旋回流が起きる、球体上部に取付けられた球形噴射ノズル4より微細ミストを形成する。該微細ミストは放射能ガスと気液接触し、放射能含有ガスは微細ミストに抱合され肥大化し、球体サイクロン内を旋回しながら下降する。球の大口径部分地球の赤道に当る個所では緩慢旋回流が形成される。
【0015】
球体サイクロン3の上部半球は気液接触混合用ミキサーとなり旋回しながら肥大化粒径を維持して行く。緩慢旋回流は下降し、直径の縮小から急速旋回流になり流速を上げセパレータに変わる。比重差のある放射能含有水滴は遠心力により、水滴は気体と分離され、球体内壁、曲面に緩慢衝突し、旋回流下降し、回収水タンク9に回収され排水管8を経て循環水槽6に貯えられる。球体サイクロン内の上部半球で、気液接触し、下部半球で気液分離する時間はテストの結果略々2秒である。
【実施例】
【0016】
放射能含有ガスは第一球体サイクロン3内で球形噴射ノズル4で噴射された微細ミストの気液接触ミキシングにより微細ミストで抱合され放射能含有水として回収される。球形噴射ノズル4に使用される液体は循環水槽6に貯えられ噴射ノズルポンプ5で圧送し、噴射ノズル揚水管7を通して球形噴射ノズル5に循環噴射される。循環水槽6は放射能濃度が上がる為、任意の濃度になった時ドラム缶等に貯え交換する。放射能含有水を分離して軽くなった気体は導出管11を経て第2球体サイクロン12に導入される。軽くなった気体は未だ充分湿気を含んでおり、湿った気体には放射能も含まれている為、更に気液分離を行い放射能を除去する。
【0017】
第2球体サイクロン12に、導出管11によって導かれた湿気を含んだガス状の気体は再び旋回流による遠心力により、微細ミストは球体内壁曲面に緩慢衝突し、水分のみ剥離される。比重を軽くしたガス状気体は球体中心下部に排出口を取付けた排出管13を上昇して、雨除け傘17に取付けた排出口より大気放出される。更に乾燥度を上げたり、放射能を含む蒸気を回収する為に排出管13に冷却コイル18を巻きつけて冷却し、温度差を利用して水分を除去すれば、冬季でも白色の蒸気を排出することは無くなる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の放射能含有ガス及び蒸気の除去方法とその装置、は従来本人の特許技術を駆使することによって、従来技術では成し得なかったガス&ガス接触と分離を速やかに行うことによって微細な放射能含有ガス及び蒸気の分離除去を可能にしたのである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例に係わる球体サイクロンの正面断面図である。
【図2】本発明の実施例に係わる球体サイクロンの平面図である。
【図3】本発明の実施例を説明する装置の概略図である。
【符号の説明】
【0020】
1. 建屋
2. 導入管
3. 第1球体サイクロン
4. 球形噴射ノズル
5. 噴射ノズル用ポンプ
6. 循環水槽
7. 噴射ノズル揚水管
8. 排水管
9. 回収水タンク
10.排出管
11.導出管
12.第2球体サイクロン
13.排気管
14.第2回収タンク
15.第2排水管
16.貯水タンク
17.雨除け傘
18.冷却コイル
19.吸引用ブロア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射能含有ガス及び蒸気を搬送用パイプで回収搬送し、球体サイクロン等を使用した放射能含有ガス及び蒸気から放射能を分離除去する方法とその装置。
【請求項2】
放射能を含んだガスや蒸気を分離除去する時、球体サイクロンや円筒形サイクロン内に微細なマイナスイオンを含むミストを発生する球形ノズル(本人特願2005−124141)を水噴射用ノズルに使用することを特徴とする放射能含有ガス及び蒸気の除去方法とその装置。
【請求項3】
蒸気に含まれる放射能を分離除去する時、排出用パイプに任意の長さの冷却コイルを巻き付け、温度差による気液分離を行うことを特徴とする放射能含有蒸気の除去方法とその装置。
【請求項4】
建屋外壁天井上部に水素ガス排気孔に本発明の放射能含有ガス及び蒸気除去用接続パイプを取り付け、ガス爆発等により建屋外壁が損傷した場合でも吸引ブロアによって建屋内を負圧にし、損傷個所は厚地の帆布に防水加工し、該布地を掩蔽することによって大気中に放射能を拡散させないことを特徴とする放射能含有ガス及び蒸気の除去方法とその装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−220484(P2012−220484A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98715(P2011−98715)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000159906)
【Fターム(参考)】