説明

放熱ファン

【課題】乱流の現象が生じるのを有効に防止するとともに、放熱の効果を高めることができる。
【解決手段】フレーム1には一個の受け部1a、一個の封止部1bと一個の側壁部1cが含まれて、受け部1a、封止部1bと側壁部1cの間には一個の収容空間11が形成され、側壁部1cには収容空間11と連通するための少なくとも一個の側面風入口12と側面風出口13が設けられる。モーター2には一個のステータ21と一個のファンホイール22が含まれ、ファンホイール22には一個のハブ221と複数個の羽根222が設けられ、ハブ221は一個の上面223を有し、上面223は封止部1bに向くように形成され、上面223と封止部1bの間では収容空間11において一個の側方向流路が区隔して形成され、それぞれの羽根222は側方向流路内に位置するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱ファンに関するもので、特に、ファンホイールの径方向において気流を径方向に導入したり導出したりすることができる放熱ファンに係わるものである。
【背景技術】
【0002】
従来の放熱ファンとしては、凡そ軸流式放熱ファンと送風式放熱ファンの二種類が含まれる。その中に軸流式放熱ファンは軸方向においてそれぞれ相対する一個の軸方向風入口と一個の軸方向風出口を有し、上記軸方向風入口を経由して気流を導入し、それから再び上記軸方向風出口を経由して気流を導出することにより、放熱の効果を提供することができる。一方、送風式放熱ファンでは軸方向において一個の軸方向風入口を有し、さらに径方向において一個の径方向風出口を有し、上記軸方向風入口を経由して気流を導入し、それから再び上記径方向風出口を経由して側面方向に気流を導出することにより、同様に放熱の効果を提供することができる。
【0003】
しかし、軸流式放熱ファンについて言えば、気流を導引して軸方向に向かって風を排出して放熱を行うだけであって、気流を導引して径方向に向いて風を排出して放熱を行うことができない。そのため、軸流式放熱ファンを各種の電子製品に応用させる時、熱源の上方(例えばノートパソコンのCPUの上)に組み立てなければならないため、電子製品の軸方向の高さを低く抑えることができない。また、送風式放熱ファンについて言えば、径方向風出口を経由して側面方向に導出気流を導出することができるが、依然として軸方向風入口を利用して気流を導入しなければならないため、側面方向から経由して気流を導入する電子製品(例えば携帯電話またはパーソナルディジタルアシスタントなど)には適用できない。
【0004】
そのため、市場においては径方向に気流を導入したり導出したりすることにより、側面方向を経由して気流を導入する電子製品に適用することができる従来の放熱ファンが開発された。例えば、中華民国公告第553323号の「水平対流のファンの構造」(特許文献1を参照)と図9に掲示されている放熱ファンを参照すると、従来の放熱ファン8には一個の枠座81と一個のファンホイール82が含まれる。枠座81には少なくとも一個の風入口811と少なくとも一個の風出口812が含まれ、風入口811と風出口812の間には一個の水平気流通路813が設けられる。ファンホイール82は水平気流通路813に設けられる。さらにファンホイール82には一個のハブ821が含まれ、ハブ821の外周面には複数個の羽根822が形成されるため、ファンホイール82が回動される時、風入口811と風出口812の間において気体の圧力差が生じることにより、風入口811と風出口812の間には水平気流通路813に沿って対流が生じ、そして放熱が形成されるようにしたものである。
【0005】
また、従来の放熱ファンとして、例えば中華民国公告第477492号の「送風ファンの結合構造」(特許文献2を参照)と図10に掲示されている放熱ファンを参照すると、従来の放熱ファン9には一個のローター座91、一個のファンホイール92と一個の外枠93が含まれる。ローター座91には複数個の突出部911が含まれ、ファンホイール92には複数個の凹部921が含まれ、凹部921と突出部911は互いに結合するように形成される。外枠93はローター座91とファンホイール92を収容するのに用いられ、外枠93には一個の風入口931と一個の風出口932が設けられるため、ファンホイール92が回動される時、同様に気流を導引して径方向に風入口931を経由して外枠93の内部まで導入され、さらに風出口932を経由して気流を導出して放熱が形成されるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中華民国公告第553323号
【特許文献2】中華民国公告第477492号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の図9に掲示されるような従来の放熱ファンにおいては、一般的に次のような問題点を有している。放熱ファン8のファンホイール82が水平気流通路813に設けられる時、ファンホイール82の羽根822が気流を導引して水平気流通路813に沿って対流が生じる過程において、ファンホイール82のハブ821も水平気流通路813内に位置することにより、ファンホイール82の羽根822によって導引される気流はハブ821の妨げを受け易く乱流の現象が生じるため、従来の放熱ファン8の全体の放熱の効果は低くなるという問題点があった。
【0008】
また、上記の図10に掲示されるような従来の放熱ファンにおいては、一般的に次のような問題点を有している。放熱ファン9のローター座91とファンホイール92は全て風入口931と風出口932の間に形成される気流の通路に位置するため、ファンホイール92によって導引される気流も同様にローター座91の妨げを受け易く、乱流の現象が生じてしまう。さらに、ファンホイール92は他にローター座91と組立を行わなければならないため、組立上において極めて不便になるという問題点があった。このように、従来の放熱ファンはさらなる改良を必要とするものであった。
【0009】
本発明はこのような問題点に鑑みて発明されたものであって、その主な目的とするところは、ファンホイールが径方向で気流を導入したり導出したりする過程において、気流が妨げを受けるのを有効に防止することができる放熱ファンを提供することである。
【0010】
本発明の第二の目的は、ファンホイールの構造によって風圧と風量を有効に高めることができる放熱ファンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明による放熱ファンは、一個のフレームおよび一個のモーターを有する。フレームには一個の受け部、一個の封止部と一個の側壁部が含まれる。側壁部は受け部と封止部の間に位置し、受け部、封止部と側壁部の間には一個の収容空間が形成される。側壁部には収容空間と連通するための少なくとも一個の側面風入口と少なくとも一個の側面風出口が設けられる。モーターはフレームの収容空間に結合される。モーターには一個のステータと一個のファンホイールが含まれる。ファンホイールは回動自在にステータと結合する。ファンホイールには一個のハブと複数個の羽根が設けられ、ハブは一個の上面を有し、上面は封止部に向くように形成され、上面と封止部の間では収容空間において一個の側方向流路が区隔して形成され、それぞれの羽根は側方向流路内に位置するように形成される。
【0012】
また、ファンホイールの軸方向において、側面風入口の開口の高さは封止部と上面の水平位置の間に位置するように形成されることもできる。また、ファンホイールの軸方向において、側面風出口の開口の高さは封止部と上面の水平位置の間に位置するように形成されることもできる。また、側面風入口はファンホイールの羽根の位置に位置合わせするように形成されることもできる。また、側面風出口はファンホイールの羽根の位置に位置合わせするように形成されることもできる。また、受け部には一個の凹部が形成され、凹部は収容空間に位置され、モーターのステータは凹部に結合され、ファンホイールのハブは凹部内に収容されることもできる。また、側面風入口には一個の導流部が形成されることもできる。また、受け部は一個の底座からなり、側壁部は底座の側周縁から軸方向に延伸して互いに隣接する複数個の側壁からなり、封止部は一個の蓋板からなり、蓋板は側壁と結合し、蓋板と底座の間には収容空間が形成され、側面風入口と側面風出口はそれぞれ隣接する二個の側壁に設けられることもできる。また、受け部は一個の底座からなり、側壁部は底座の側周縁から軸方向に延伸して互いに隣接する複数個の側壁からなり、封止部は一個の蓋板からなり、蓋板は側壁と結合し、蓋板と底座の間には収容空間が形成され、側面風入口と側面風出口はそれぞれ互いに対向する二個の側壁に設けられることもできる。また、羽根はハブに一体に結合されることもできる。また、フレームの受け部には少なくとも一個の貫穿孔が形成されることもできる。また、ファンホイールのそれぞれの羽根はハブの上面に結合され、そして封止部の軸方向に向いて延びるように形成されることもできる。また、ハブの外周面には径方向に延びるように一個の環状片が形成され、羽根は環状片に設けられ、そして封止部の軸方向に向いて延びるように形成されることもできる。また、環状片が封止部に向く一つの表面とハブの上面の間には一つの高さの差を有するように形成されることもできる。また、高さの差は羽根の軸方向の高さの0.5倍より小さくまたは同じになるように形成されることもできる。また、環状片が封止部に向く一つの表面はハブの上面と平らになるように形成されることもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の放熱ファンによれば、ファンホイールが径方向で気流を導入したり導出したりする過程において、気流が妨げを受けるのを有効に防止することができるという利点がある。
【0014】
本発明の放熱ファンによれば、ファンホイールの構造によって風圧と風量を有効に高めることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施例1の放熱ファンの分解斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施例1の放熱ファンのA−A線に沿った組み立てられた状態の断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施例2の放熱ファンの分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明の実施例2の放熱ファンのB−B線に沿った組み立てられた状態の断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施例2の放熱ファンのもう一つの実施形態の組み立てられた状態の断面図である。
【図6】図6は、本発明の放熱ファンの受け部に貫穿孔が設けられる場合の組み立てられた状態の断面図である。
【図7】図7は、本発明の放熱ファンのファンホイールに環状片が設けられる場合の組み立てられた状態の断面図である。
【図8】図8は、本発明の放熱ファンのファンホイールと従来のファンホイールのテスト結果の説明図である。
【図9】図9は、従来の第一種の放熱ファンの外観の斜視図である。
【図10】図10は、従来の第二種の放熱ファンの組み立てられた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態について、以下、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は本発明の実施例1の放熱ファンの分解斜視図で、図2は本発明の実施例1の放熱ファンの組み立てられた状態の断面図である。図1、2を参照すると、本発明の実施例1の放熱ファンには一個のフレーム1と一個のモーター2が含まれる。フレーム1は気流が径方向で流動することができるフレームの構造からなる。モーター2はフレーム1の内部に結合される。
【0018】
フレーム1はモーター2を収容するのに用いられ、かつ気流が径方向で導入したり導出したりして流動することができる中空フレーム構造からなる。フレーム1には少なくとも一個の受け部1a、一個の封止部1bと一個の側壁部1cが含まれる。受け部1aと封止部1bは隔てて相対するように形成され、側壁部1cは受け部1aと封止部1bの間に位置するように形成される。また、受け部1a、封止部1bと側壁部1cの間には一個の収容空間11が形成され、そして側壁部1cには少なくとも一個の側面風入口12と少なくとも一個の側面風出口13が設けられ、少なくとも一個の側面風入口12と少なくとも一個の側面風出口13は収容空間11に連通するように形成される。
【0019】
本実施例において、受け部1aは一個の底座からなり、側壁部1cは上記底座の側周縁から軸方向に延伸して互いに隣接する複数個の側壁からなり、封止部1bは一個の蓋板からなり、上記蓋板は上記側壁の上端縁(図式の方向を主にして)に結合され、上記蓋板と底座の間には収容空間11(側壁は収容空間11を囲む)が形成され、側面風入口12と側面風出口13はそれぞれ上記側壁に設けられ、そして収容空間11と連通するように形成される。その中に、図1に示すように、側面風入口12と側面風出口13はそれぞれ隣接する二個の側壁に設けられ、または互いに対向する二個の側壁に設けられる。また、受け部1aが底座からなる場合、上記底座の中央にはさらに一個の凹部14が形成される。凹部14は収容空間11に位置されることにより、モーター2を簡単に凹部14内に取り付けることができる。
【0020】
モーター2はフレーム1に結合される。モーター2には一個のステータ21と一個のファンホイール22(すなわち、ローターである)が含まれ、ステータ21はファンホイール22が回動するように駆動するのに用いられる。ファンホイール22には一個のハブ221と複数個の羽根222が設けられ、ハブ221には一個の上面223が形成され、上面223は封止部1bに向くように形成され、上面223と封止部1bの間では収容空間11において一個の側方向流路23が区隔して形成され(図4を参照し、すなわちハブ221は側方向流路23の外に位置する)、それぞれの羽根222は側方向流路23内に位置するように形成され、そしてそれぞれの羽根222は好ましくはハブ221に結合される。
【0021】
本実施例において、モーター2のステータ21はフレーム1の凹部14に結合され、ファンホイール22のハブ221は回動自在にステータ21と結合し、そしてハブ221も凹部14内に収容される。ハブ221は一個の基板221aと一個の環状壁221bによって構成され、上面223は基板221aに位置するように形成され、環状壁221bは基板221aを囲むように、かつ凹部14内に収容するように形成される。また、羽根222が側方向流路23内に位置するようにする設計思想に基づいて、羽根222は依然として図示の如く基板221aの上面223に結合されると同時に、封止部1bの方向に向いて軸方向に延びるように形成され、さらに羽根222の下端縁の部分は環状壁221bの外周面まで延びるように形成される。或いは、羽根222も単独的に基板221aの上面223に結合することができる。また、本実施例において、羽根222は基板221aの上面223に一体になるように形成されることにより、組立て上の便利性を高めることができる。
【0022】
本発明の放熱ファンを実際に使用する時、モーター2のステータ21によって生じられる交番磁界でファンホイール22が回動するように駆動することができる。これにより、放熱ファンが各種の電子製品に組み立てられる時、ファンホイール22の羽根222によって側面風入口12から外部の気流を導入して側方向流路23に進入し、それから再び側面風出口13を経由して外部の空間まで導出することにより、各種の電子製品が作動時に生じる熱源に対して要求される放熱作用を提供することができる。
【0023】
本発明の放熱ファンの主な技術的特徴は、ファンホイール22の径方向において径方向で側面風入口12と側面風出口13を経由して気流を導入したり導出したりすることができ、そして放熱ファンが各種の電子製品に適用される時、放熱ファンを熱源の上方に組み立てる必要がないため、電子製品の軸方向の高さを低く抑えることができるとともに、放熱ファンによって側面風出口13の周辺に位置する熱源に対してよりよい補助的な放熱効果を提供することができる。さらにもっと重要なことは、ファンホイール22が気流を導引して側面風入口12と側面風出口13を経由して側方向流路23に進出する過程において、ハブ221が側方向流路23の外に位置するように形成されることにより、側方向流路23において羽根222だけを有するように確保することができるため、羽根222が導引する気流はハブ221の妨げを受け難く、乱流の現象が生じるのを効果的に防止することができるとともに、全体の放熱効果を高めることができる。
【実施例2】
【0024】
図3は本発明の実施例2の放熱ファンの分解斜視図で、図4は本発明の実施例2の放熱ファンの組み立てられた状態の断面図である。図3、4を参照すると、本発明の実施例2の放熱ファンにも同様に一個のフレーム3と一個のモーター4が含まれる。
【0025】
本発明の実施例2のフレーム3とモーター4にそれぞれ掲示されている受け部3a、封止部3b、側壁部3c、収容空間31、側面風入口32、側面風出口33、ステータ41、ファンホイール42、ハブ421、基板421a、環状壁421b、羽根422、上面423は、実施例1の受け部1a、封止部1b、側壁部1c、収容空間11、側面風入口12、側面風出口13、ステータ21、ファンホイール22、ハブ221、基板221a、環状壁221b、羽根222、上面223と略同様に形成されるため、ここではその説明を割愛する。
【0026】
本発明の実施例2に掲示されている受け部3aは同様に一個の底座からなり、側壁部3cは上記底座の側周縁から延伸して互いに隣接する複数個の側壁からなり、封止部3bは一個の蓋板からなる。実施例2の放熱ファンと実施例1の放熱ファンの主な差異は、受け部3aに実施例1と同様な凹部14の設計を有せず、モーター4のステータ41は直接底座(受け部3a)の中央の表面に結合される。また、上面423と封止部3bの間では同様に収容空間31において一個の側方向流路43が区隔して形成され、側面風入口32と側面風出口33は図3に示すようにそれぞれ互いに対向する二個の側壁(側壁部3c)に設けられる。その中に、ファンホイール42の軸方向において、側面風入口32と側面風出口33の開口の高さ(h)は封止部3bと上面423の水平位置の間に位置され、そして側面風入口32と側面風出口33をそれぞれファンホイール42の羽根422の位置に位置合わせするように形成させることにより、ハブ421は相対的に二個の側壁(側壁部3c)の内側に位置するように形成される。このため、ファンホイール42が側面風入口32を経由して気流を導入する時、気流がハブ421の妨げを受け難くなることを確実にすることができる。
【0027】
また、上述した側面風入口32と側面風出口33の開口の高さ(h)が封止部3bと上面423の水平位置の間に位置するのは、本発明の好ましい実施例だけである。図5は本発明の実施例2の放熱ファンのもう一つの実施形態の組み立てられた状態の断面図で、図5を参照すると、ファンホイール42の軸方向において、本発明の放熱ファンの側面風出口33の開口の高さ(h)は受け部3aから封止部3bまで延びるように形成されることにより、風の排出量を増やすこともできる。また、側面風入口32の開口の高さ(h)は受け部3aから封止部3bまで延びるように、そして相対的に一個の拡径状の導流部321が形成されることによって風の排出量を増やすこともできるとともに、ファンホイール42によって気流をさらに簡単に導入して側方向流路43に進入させることができる。
【0028】
図6は本発明の放熱ファンの受け部に貫穿孔を設ける場合の組み立てられた状態の断面図である。図6を参照して、再び実施例1の放熱ファンを例にして説明する(実施例2の放熱ファンも適用する)。フレーム1の受け部1aには少なくとも一個の貫穿孔15が設けられることにより、貫穿孔15は気流が流通するのに用いられる。モーター2がフレーム1の収容空間11に結合され、そしてフレーム1の受け部1aには貫穿孔15が設けられる設計であると、貫穿孔15は気流が流通するのに用いられるため、モーター2の放熱効果を高めることができる。
【0029】
図7は本発明の放熱ファンのファンホイールに環状片を設ける場合の組み立てられた状態の断面図である。図7を参照して、再び実施例1の放熱ファンを例にして説明する(実施例2の放熱ファンも適用する)。ファンホイール22’にも同様にハブ221、羽根222と上面223などの技術的特徴を有する。その中に、ハブ221の外周面には径方向に延びるように一個の環状片224が形成され、羽根222は環状片224に設けられ、そして封止部1bの軸方向に向いて延びるように形成される。
【0030】
その他に、ファンホイール22’の軸方向において、環状片224が封止部1bに向く一つの表面と上面223の間は平らな状態になるように、または環状片224が封止部1bに向く一つの表面と上面223の間が略一定の高さの差(d)を有するように形成されることにより、環状片224が封止部1bに向く一つの表面と上面223の間が平らな状態になる場合、側方向流路23には羽根222しか存在しないことを確保することができるため、羽根222が導引する気流はハブ221の妨げを受け難くなる。また、環状片224が封止部1bに向く一つの表面と上面223の間に略一定の高さの差(d)を有する場合、さらに上記高さの差(d)を利用して羽根222の導流面積を有効に増やすことができるため、ファンホイール22’の風進入量と風排出量をさらに増やすことができる。そして、ハブ221は上記高さの差(d)によって羽根222の導引する気流が側方向流路23における風進入と風排出の効果に影響を及ぼすのを避けるべく、上記高さの差(d)の範囲は好ましくは下記の公式に符合するように形成される。
高さの差(d)≦0.5H
ここにおいて、Hはファンホイール22’の軸方向において、羽根222の全体的な軸方向の高さを示す。
【0031】
図8は本発明の放熱ファンのファンホイールと従来のファンホイールのテスト結果の説明図である。図8は高さの差(d)が範囲に符合する数値におけるファンホイールの構造のテスト図であり、その中にL1は高さの差(d)>0.5Hのファンホイールの構造を示し、L2は高さの差(d)≦0.5Hのファンホイール22’の構造を示し、そのテストの結果から知ることができるように、高さの差(d)≦0.5Hのファンホイール22’の構造は高さの差(d)>0.5Hのファンホイールの構造よりも風圧と風量を同時に高めることができる。
【0032】
上述の如く、ファンホイール22、22’、42が気流を導引して側面風入口12、32と側面風出口13、33を経由して側方向流路23、43に進出する過程において、本発明の放熱ファンの側方向流路23、43の構造の設計によれば、乱流の現象が生じるのを有効に防止することができるとともに、放熱の効果を有効に高めることができる。
【0033】
本発明は、その精神とび必須の特徴事項から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。従って、本明細書に記載した好ましい実施例は例示的なものであり、限定的なものではない。
【符号の説明】
【0034】
1 フレーム
1a 受け部
1b 封止部
1c 側壁部
11 収容空間
12 側面風入口
13 側面風出口
14 凹部
15 貫穿孔
2 モーター
21 ステータ
22 ファンホイール
22’ ファンホイール
221 ハブ
221a 基板
221b 環状壁
222 羽根
223 上面
23 側方向流路
224 環状片
3 フレーム
3a 受け部
3b 封止部
3c 側壁部
31 収容空間
32 側面風入口
321 導流部
33 側面風出口
4 モーター
41 ステータ
42 ファンホイール
421 ハブ
421a 基板
421b 環状壁
422 羽根
423 上面
43 側方向流路
8 放熱ファン
81 枠座
811 風入口
812 風出口
813 水平気流通路
82 ファンホイール
821 ハブ
822 羽根
9 放熱ファン
91 ローター座
911 突出部
92 ファンホイール
921 凹部
93 外枠
931 風入口
932 風出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一個のフレーム(1)および一個のモーター(2)を有する放熱ファンにおいて、フレーム(1)には一個の受け部(1a)、一個の封止部(1b)と一個の側壁部(1c)が含まれ、側壁部(1c)は受け部(1a)と封止部(1b)の間に位置し、受け部(1a)、封止部(1b)と側壁部(1c)の間には一個の収容空間(11)が形成され、側壁部(1c)には収容空間(11)と連通するための少なくとも一個の側面風入口(12)と少なくとも一個の側面風出口(13)が設けられ、モーター(2)はフレーム(1)の収容空間(11)に結合され、モーター(2)には一個のステータ(21)と一個のファンホイール(22)が含まれ、ファンホイール(22)は回動自在にステータ(21)と結合し、ファンホイール(22)には一個のハブ(221)と複数個の羽根(222)が設けられ、ハブ(221)は一個の上面(223)を有し、上面(223)は封止部(1b)に向くように形成され、上面(223)と封止部(1b)の間では収容空間(11)において一個の側方向流路(23)が区隔して形成され、それぞれの羽根(222)は側方向流路(23)内に位置するように形成されることを特徴とする放熱ファン。
【請求項2】
ファンホイール(22)の軸方向において、側面風入口(12)の開口の高さは封止部(1b)と上面(223)の水平位置の間に位置するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の放熱ファン。
【請求項3】
ファンホイール(22)の軸方向において、側面風出口(13)の開口の高さは封止部(1b)と上面(223)の水平位置の間に位置するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の放熱ファン。
【請求項4】
側面風入口(12)はファンホイール(22)の羽根(222)の位置に位置合わせするように形成されることを特徴とする請求項2に記載の放熱ファン。
【請求項5】
側面風出口(13)はファンホイール(22)の羽根(222)の位置に位置合わせするように形成されることを特徴とする請求項3に記載の放熱ファン。
【請求項6】
受け部(1a)には一個の凹部(14)が形成され、凹部(14)は収容空間(11)に位置され、モーター(2)のステータ(21)は凹部(14)に結合され、ファンホイール(22)のハブ(221)は凹部(14)内に収容されることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の放熱ファン。
【請求項7】
側面風入口(32)には一個の導流部(321)が形成されることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の放熱ファン。
【請求項8】
受け部(1a)は一個の底座からなり、側壁部(1c)は上記底座の側周縁から軸方向に延伸して互いに隣接する複数個の側壁からなり、封止部(1b)は一個の蓋板からなり、上記蓋板は上記側壁と結合し、上記蓋板と底座の間には収容空間(11)が形成され、側面風入口(12)と側面風出口(13)はそれぞれ隣接する二個の側壁に設けられることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の放熱ファン。
【請求項9】
受け部(3a)は一個の底座からなり、側壁部(3c)は上記底座の側周縁から軸方向に延伸して互いに隣接する複数個の側壁からなり、封止部(3b)は一個の蓋板からなり、上記蓋板は上記側壁と結合し、上記蓋板と底座の間には収容空間(31)が形成され、側面風入口(32)と側面風出口(33)はそれぞれ互いに対向する二個の側壁に設けられることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の放熱ファン。
【請求項10】
羽根(222)はハブ(221)に一体に結合されることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の放熱ファン。
【請求項11】
フレーム(1)の受け部(1a)には少なくとも一個の貫穿孔(15)が形成されることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の放熱ファン。
【請求項12】
ファンホイール(22)のそれぞれの羽根(222)はハブ(221)の上面(223)に結合され、そして封止部(1b)の軸方向に向いて延びるように形成されることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の放熱ファン。
【請求項13】
ハブ(221)の外周面には径方向に延びるように一個の環状片(224)が形成され、羽根(222)は環状片(224)に設けられ、そして封止部(1b)の軸方向に向いて延びるように形成されることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の放熱ファン。
【請求項14】
環状片(224)が封止部(1b)に向く一つの表面とハブ(221)の上面(223)の間には一つの高さの差を有するように形成されることを特徴とする請求項13に記載の放熱ファン。
【請求項15】
上記高さの差は羽根(222)の軸方向の高さの0.5倍より小さくまたは同じになるように形成されることを特徴とする請求項14に記載の放熱ファン。
【請求項16】
環状片(224)が封止部(1b)に向く一つの表面はハブ(221)の上面(223)と平らになるように形成されることを特徴とする請求項13に記載の放熱ファン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−145096(P2012−145096A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97599(P2011−97599)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(597149629)建準電機工業股▲分▼有限公司 (53)
【Fターム(参考)】