説明

放熱ユニット

【課題】冷却装置の熱移動とエネルギー転換を運用して発熱体の温度を低下させ、同時に電力を供給する放熱ユニットを提供する。
【解決手段】冷却装置と、導体13と、冷却装置の一側と接触している被放熱物20と、導体13と接続されているファン30と、から構成し、冷却装置の加熱面を被放熱物20に接触させ、冷却装置によりエネルギー転換が行われ、熱エネルギーを電気エネルギーへと転換し、電流が冷却装置の導体13によって形成される回路上を流れ、前記電流によってファン30を運転させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放熱ユニットに関し、特に冷却装置を発熱体と接触させ、冷却装置の熱移動とエネルギー転換を運用して発熱体の温度を低下させ、同時に電力を供給する放熱ユニットに関わる。
【背景技術】
【0002】
各種の機器を作動させるとき、熱が発生するので有効的にその熱を排除するために放熱装置を利用する必要があり、現在もっともよく使用されている放熱装置は放熱ファンを利用したものである。しかし、放熱ファンだけでは迅速に高い熱を排除することができず、機械の運転が止まったり、破損したりする心配がある。
【0003】
そこで特許文献1では冷却装置の温度制御装置の構造が示されており、前記構造は、主に放熱板の上方にファンが接続されており、前記放熱板の下方に冷却装置が接続されており、放熱板表面には複数の凸板が配列しており、一端が放熱板とファンとの接触面の外部に突出しており、前記突出部分の上部には掛止溝が設けられており、そこに温度制御装置の制御回路板が挿設されており、温度センサが冷却装置下部の導熱板の端辺に設けられており、温度センサは被温度制御物と直接接触しており、冷却装置に正確な感知温度を伝え、温度制御を達成する構造となっている。
【0004】
しかし前述の制御回路板と、温度センサと、冷却装置と、からなる構造は冷却装置をCPUと貼合し、放熱面をファンと接合して対象物の放熱を行うものであり、電源をオフにした場合でも残留電荷が継続して冷却装置に作用を及ぼし、冷却装置の冷却面は継続して熱の吸収を行い、結果として結露が発生し回路がショートする心配がある。その他、前記冷却装置の温度制御装置の構造においては電源がない場合は正常な運転ができず、資源に限りがあり、エネルギー物質の価格が極めて高い現在においては前記冷却装置の温度制御装置の構造では明らかにエネルギーの再利用が十分にできないという欠点が存在する。
【特許文献1】台湾実用新案公告第260352号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、発熱体を放熱ユニットと貼合して放熱ユニットの熱移動作用を運用し、発熱体の温度を低下させ、移動した熱をエネルギー転換作用によって、その他の放熱装置に必要とする電力を供給し、エネルギーの節約ができる放熱ユニットを提供することである。
本発明の次の目的は、放熱ユニットの加熱面を発熱体と接触させることにより公知構造における電源をオフにした場合に冷却装置の冷却面が継続して熱の吸収を行い、結果として結露が発生し回路がショートする現象の発生する構造を改善した放熱ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、冷却装置と、導体と、前記冷却装置の一側と接触している被放熱物と、前記導体と接続されているファンと、からなることを特徴とする放熱器ユニットである。
【0007】
請求項2の発明は、前記冷却装置は、放熱ブロックと接続されていることを特徴とする請求項1記載の放熱ユニットである。
【0008】
請求項3の発明は、前記ファンは、前記放熱ブロック上に設置されていることを特徴とする請求項2記載の放熱ユニットである。
【0009】
請求項4の発明は、前記冷却装置の一側は、加熱面であることを特徴とする請求項1記載の放熱ユニットである。
【0010】
請求項5の発明は、前記冷却装置の一側は、冷却面であることを特徴とする請求項1記載の放熱ユニットである。
【0011】
請求項6の発明は、前記被放熱物は、前記冷却装置の加熱面と接触していることを特徴とする請求項4記載の放熱ユニットである。
【発明の効果】
【0012】
発熱体を放熱ユニットと貼合することにより放熱ユニットの熱移動作用を運用して発熱体の温度を低下させ、さらに移動した熱をエネルギー転換作用によって、その他の放熱装置に必要とする電力を供給することによりエネルギーの節約ができ、放熱ユニットの加熱面を発熱体と接触させることにより公知構造における電源をオフにした場合に冷却装置の冷却面が継続して熱の吸収を行い、結果として結露が発生し回路がショートする現象の発生する構造を改善した放熱ユニットを提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1、2は本発明の放熱ユニットの好適な実施形態を示す図であり、冷却装置10と、被放熱物20と、ファンと30と、放熱ブロック40(図3を参照)とからなり、前記冷却装置10は主に数個のP型半導体11とN型半導体12が間隔を有して配列されて構成されており、前記P型半導体11とN型半導体12間は導体13によって接続されており、さらに第1の基板14と第2の基板15によって前記P型半導体11と、N型半導体12と、導体13とが封止されており、前記導体13は外部に露出させることができる。
【0014】
前記被放熱物20は前記冷却装置10に接触、または貼合しており、本発明の実施形態においては前記冷却装置10の第2の基板15が前記放熱物20に貼合しており、N型半導体12の電子はエネルギーを得て価電子帯から導電帯に移って自由電子となり、前記電子は前記導体13を移動して電流が発生し(電子が流れる方向と逆方向)、このとき熱量を吸収し、電子がP型半導体11に達したとき熱を放出する。即ち、電子がN型半導体12とP型半導体11を通過するだけで熱を冷却装置の一側から他側へ移動させ(ペルチェ効果)、前記冷却装置10に温度差を有する冷却面(第1の基板14)と加熱面(第2の基板15)とが形成される。
【0015】
図2においては前記被放熱物20を直接前記冷却装置10の第2の基板15(加熱面)に接触させており、前記被放熱物は如何なる物質でもよく、例えばコンピュータのCPU、パワーアンプまたはその他の発熱するチップなどであり、前記冷却装置10はエネルギー転換を行い、熱量を電気に転化し、電流をP型半導体11とN型半導体12と導体13とによって形成される回路上に流動させる。このほか前述の導体13を前記ファン30に直接または間接的に接続することができ、前記冷却装置10が生成する電流によって前記ファンを運転させることができる。
【0016】
図3に示すように、前記冷却装置10の第1の基板は前記放熱ブロック40と接続することができ、前記冷却装置10の第1の基板14の低温を前記放熱ブロック40に伝えることができ、前記ファン30を前記放熱ブロック40に設置することができ、前記ファン30が前記放熱ブロック40に当たって生成される比較的低い温度の気流によってその他部材の熱交換を行なったり、全体の温度を下げることができる。
【0017】
前記詳細な説明は本発明の好適な実施形態を示すものであり、本発明を制限するものではない。本発明の思想に基づく変更や、本発明の発明主旨を逸脱しない範囲における各種の変更、修飾および応用などはすべて本発明の保護範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の冷却装置を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の好適な実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の好適な実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0019】
10 冷却装置
11 P型半導体
12 N型半導体
13 導体
14 第1の基板
15 第2の基板
20 被放熱物
30 ファン
40 放熱ブロック


【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却装置と、導体と、前記冷却装置の一側と接触している被放熱物と、前記導体と接続されているファンと、からなることを特徴とする放熱器ユニット。
【請求項2】
前記冷却装置は、放熱ブロックと接続されていることを特徴とする請求項1記載の放熱ユニット。
【請求項3】
前記ファンは、前記放熱ブロック上に設置されていることを特徴とする請求項2記載の放熱ユニット。
【請求項4】
前記冷却装置の一側は、加熱面であることを特徴とする請求項1記載の放熱ユニット。
【請求項5】
前記冷却装置の一側は、冷却面であることを特徴とする請求項1記載の放熱ユニット。
【請求項6】
前記被放熱物は、前記冷却装置の加熱面と接触していることを特徴とする請求項4記載の放熱ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−216581(P2006−216581A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−24844(P2005−24844)
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【出願人】(504115301)奇▲こう▼科技股▲ふん▼有限公司 (82)
【Fターム(参考)】