説明

放送チャンネルのための使用規則情報の生成方法

【課題】 放送チャンネルから受信したコンテンツに対する使用制限を記述する使用規則情報の生成方法を提供する。
【解決手段】 方法は、a)放送チャンネルからコンテンツ及びコンテンツの保護に関するコピー制御情報を受信する段階と、b1)コピー制御情報がcopy onceである場合、受信装置がコンテンツに対して行うことができる動作のうち、コンテンツの一回的な使用であるリアルタイム再生及び保存動作のみが許容されるように、使用規則情報を生成する段階と、b2)リアルタイム再生あるいは保存動作が行われた後、使用規則情報を、受信装置に保存されているコンテンツを再生する保存再生、並びに受信装置においてリアルタイムで再生されているコンテンツ又は受信装置に保存されているコンテンツの移動、マイグレート、エクスポート、及び編集動作のみが許容されるように変更する段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用規則情報の生成方法に係り、さらに詳細には、放送チャンネルを介して引き込まれるコンテンツの使用を制御するための使用規則情報を生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルコンテンツは、コンテンツ提供者からユーザに伝送される。ユーザは、コンテンツに対する費用支払などを通じて正当な権限を獲得するときだけデジタルコンテンツを使用でき、また正当な権限を獲得していないユーザは、デジタルコンテンツを使用できないように、コンテンツは保護されなければならない。
【0003】
図1は、ホームネットワークの構造を示す図である。
【0004】
コンテンツ提供者CPは、伝送チャンネルCHを通じてホームネットワークHNにコンテンツ110及びコピー制御ビット112を伝送する。ホームネットワークは、ホームサーバーHS及びユーザ機器D1、D2、D3を含む。
【0005】
コピー制御ビット112は、コンテンツの使用制限に関する事項を含む。例えば、伝送チャンネルが放送チャンネルである場合には、コピー制御情報(Copy Control Information:CCI)がコピー制御ビット112となり、このようなCCIは、‘コピーフリー’‘コピーワンス’‘ノーモアコピー’‘コピーネバー’を含む。
【0006】
一方、ホームサーバーは、コピー制御ビット112で指示する使用制限の内容によってコンテンツを使用する。例えば、ホームサーバーは、‘コピーワンス’であるコンテンツは、コンテンツが保存されたデバイスから他のデバイスへのコンテンツ伝送ができないようにコンテンツを管理する。
【0007】
しかし、最近、DRM及びホームネットワーキングの発展につれて、ユーザのコンテンツ使用方法が多様になり、異なるDRMの支配下にあるデバイスあるいは他のユーザのデバイスへのコンテンツ伝送に対する要求が高まった。このような多様な具現要求によって、ホームサーバーは、外部から受信されたコピー制御ビットを、ホームネットワーク内でユーザがコンテンツを使用する方法によって変更しなければならず、この時、コンテンツは、適切に保護されることが維持されなければならない。
【0008】
特に、米連邦通信委員会(FCC:Federal Communications Commission)は、2005年7月から米国内のデジタル放送で放送される高画質HD級コンテンツに対して1ビットのブロードキャストフラグ(Broadcast Flag:BF)を添加し、該当コンテンツのBFが1である場合には、コンテンツ保護がなされるように、すなわち、権限のないユーザの使用を防止する技術をデジタル放送具現技術標準で要求しているため、ホームサーバーとユーザ機器との間のデジタル放送コンテンツの安全な使用を維持しながら、ホームネットワークで多様なコンテンツ使用を支援できる使用規則情報の生成に対する要求はさらに切実である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前述の課題を解決するために案出されたものであり、コンテンツ使用に対する多様な具現を支援しながら、放送チャンネルを介して引き込まれたコンテンツを安全に使用できる使用規則情報の生成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記のような目的を達成するために、本発明は、放送チャンネルのための使用規則情報を生成する方法において、a)前記放送チャンネルからコンテンツ及びブロードキャストフラグを受信する段階と、b)ブロードキャストフラグがoffである場合に、コンテンツ使用に関するあらゆる動作が許容されるように、使用規則情報を生成する段階と、c)ブロードキャストフラグがonである場合に、コピー動作が許容されないように、使用規則情報を生成する段階とを含む。
【0011】
また本発明は、d)該当コンテンツのコピー動作命令がユーザにより入力されれば、コピー動作の目的地の位置に対する隣接性検査を行い、隣接性検査の結果によってコピー動作を許容するか否かを決定する段階をさらに含む。
【0012】
ここで、前記d)段階は、d1)テストパケットをコピー動作の目的地に対応するデバイスに伝送することによって、そのデバイスとホームサーバーとの間の有効時間(Time−To−Live Time:TTL)を測定する段階と、d2)既定の隣接性臨界値と前記測定値とを比較することによって、隣接性検査が通過したか否か決定する段階とを含む。
【0013】
また本発明は、放送チャンネルのための使用規則情報を生成する方法において、a)前記放送チャンネルからコンテンツ及びコピー制御情報を受信する段階と、b1)コピー制御情報=copy onceである場合、リアルタイム再生及び保存動作だけが許容されるように、使用規則情報を生成する段階と、b2)前記リアルタイム再生あるいは保存動作が行われてから、前記使用規則情報を保存再生、移動、マイグレート、エクスポート、及び編集動作だけが許容されるように、使用規則情報を変更する段階とを含む。
【0014】
また本発明は、e1)コピー制御情報=copy neverである場合、リアルタイム再生だけが許容されるように、使用規則情報を生成する段階と、e2)ユーザによるエクスポート命令が入力されれば、エクスポートの対象がリアルタイム再生のためのプロトコルであるか否かによって、エクスポートを行うか否かを決定する段階とをさらに含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、放送チャンネルによるコンテンツ、すなわちBF及びCCIにより支配されるコンテンツの配布のための使用規則情報を生成する方法が提供される。
【0016】
特に、コンテンツがリアルタイム再生あるいは保存された後、copy onceに対応する使用規則をcopy no moreに対応する使用規則に変更することによって、異なるDRMが適用されたドメインあるいは他のユーザのドメインへのコンテンツ伝送が円滑に行われうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ホームネットワークの構造を示す図である。
【図2】コンテンツ流れを示す図である。
【図3A】本発明による使用規則情報の生成方法が支援するDRMシステムのブロック図である。
【図3B】本発明による放送コンテンツを受信する装置を示す図である。
【図4】BFと使用規則情報のマッピングテーブルを示す図である。
【図5】CCIと使用規則情報のマッピングテーブルを示す図である。
【図6】使用規則情報を含むライセンスの一例を示す図である。
【図7】コピー制御ビットがBFの場合、使用規則情報を生成する方法を示す図である。
【図8】コピー制御ビットがBFの場合、使用規則情報を生成する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付された図面を参照して本発明による望ましい一実施形態を詳細に説明する。
【0019】
本発明によるDRMシステムは、ユーザが使用規則を遵守しながらコンテンツを十分に使用することを許容し、多様なチャンネルを介して家庭に引き込まれるデジタルコンテンツを保護する新たなDRMシステムを提供する。以下では、特に、放送チャンネルを介して引き込まれるコンテンツのためのDRMシステムに適用可能な使用規則情報の生成方法を提供する。その技術的に使用可能なモデルを説明する。
【0020】
まず、本発明で使われる使用モデルは、コンテンツソースによって2種類である。
【0021】
第1のソースは、地域チャンネルである。地域チャンネルを介して引き込まれるコンテンツは、BFを同伴し、このフラグは、0あるいは1のうち一つの値を有する。
【0022】
前述のように、米連邦通信委員会(FCC:Federal Communications Commission)は、2005年7月からアメリカ国内のデジタル放送で放送される高画質HD級コンテンツに対して1ビットのBF(BF)を添加し、該当コンテンツのBFが1である場合には、コンテンツ保護がなされるように、すなわち、権限のないユーザの使用を防止する技術をデジタル放送具現技術標準で要求している。
【0023】
第2のソースは、ケーブルチャンネルである。このチャンネルを介して引き込まれるコンテンツは、CCIを同伴し、CCIは、‘コピーフリー’‘コピーワンス’‘ノーモアコピー’‘コピーネバー’を含む。
【0024】
コンテンツの感知されたBFあるいはCCIは、使用規則情報の形態で再生成される。すなわち、使用規則情報はホームネットワーク内のホームサーバーでBF及びCCIに基づいて生成される。CCI/BFビットを感知する技術は、本発明の範囲に入らない。
【0025】
コンテンツが、どのように本発明によるDRMシステムによって使われ、保護されているかを示す技術的使用モデルは、以下のようである。
(1)引き込まれるコンテンツに対する使用規則情報を生成する。
(2)コンテンツをストリーミングし、保存されたコンテンツを再生する。
(3)タイム−シフト機能を利用してコンテンツを保存すると共に再生する。
(4)デバイスの間にコンテンツを伝送する。
(5)2個のドメインの間にコンテンツを交換する。
(6)異なるDRMにコンテンツをエクスポートする。
(7)生成、分割及び組合なと、コンテンツを編集する。
(8)コンテンツの認証された共有のためのドメイン管理を提供する。
(9)ハッキングされたデバイスがコンテンツに接近することを防止する。
【0026】
この文書における“しなければならない(must)、してはならない(must not)、〜することが必要である(required)、〜すべきである(shall)、すべきではない(shall not)、〜推薦する(recommended)、〜選択的に(optional)”は、RFC2119に定義された意味に従う。
【0027】
以下では、本発明によるDRMシステム全般的な構造を説明し、コンテンツの配布及び使用がどのように制御されているかを説明する。全般的な構造は、いかなる機能が添加され、いかなる個体が参加しているかを説明する。
【0028】
本発明によるDRMシステムは、コンテンツ提供者によって与えられた制限事項及び許容事項によってコンテンツを使用する多様な個体を保障する。本発明によるDRMシステムは、BF/CCIビットを利用して使用規則情報を生成し、このような使用規則情報は、個体がコンテンツをアクセスする時に解釈され、コンテンツ使用の制限事項として使われる。
【0029】
本発明によるDRMシステムでのコンテンツ使用と関連した個体は、次の通りである。
−ユーザ:この個体は、コンテンツを使用する。
−コンテンツ提供者:この個体は、ユーザにBFあるいはCCIを放送する個体である。
−デバイス:PCのような消費者家電デバイスのようにユーザがコンテンツを使用する手段となる個体である。本スペックのアーキテクチャーは、オフラインに制限されたデバイスから大容量の保存空間を有するインターネットに連結可能なデバイスまで、多様な範囲のデバイスを含む。
−本発明によるDRMシステム:ユーザがどのようにコンテンツを使用するかを制御する、互換性のあるデバイスに設置された個体である。本発明によるDRMシステムは、使用規則情報を生成し、ドメイン管理を行い、デバイス権限解除を行う。
【0030】
図2は、コンテンツ流れを示す。
【0031】
ユーザに放送されたコンテンツは、使用制限事項と共にパッケージングされる。地域コンテンツの使用制限事項は、BFの形態で引き込まれ、ケーブルコンテンツの使用制限事項は、CCI形態で引き込まれる。
【0032】
BF/CCIビットがデバイスによって感知されれば、本発明によるDRMシステムは、BF/CCIを権利オブジェクトと解釈する。BF/CCI情報以外に、権利オブジェクトは、コンテンツのバインディング状態(例えば、ユーザにバインディング)を含む。権利オブジェクトは、コンテンツの使用及び消費を制御する。ドメインのユーザは、許容される数だけのデバイスをドメインに添加させることができる。ユーザは、またドメインからデバイスを除去することもある。
【0033】
コンテンツが伝送されれば、コンテンツは、いかなるコンプライアンス規則に違反しない限り、本発明によるDRMシステムによってドメインのユーザにバインディングされる。このような方式でユーザは、そのドメイン内のデバイスを利用してコンテンツを使用できる。しかし、もしこのような使用がコンプライアンス規則に違反すれば、コンテンツは、デバイスにバインディングされなければならない。本発明によるDRMシステムは、コンテンツがストリーミング、保存、コピーされることが可能であるか否かを使用規則情報に基づいて決定する。
【0034】
具現によって、本発明によるDRMシステムは、コンテンツが他のドメインにマイグレートされることを許容するだけでなく、異なるDRMシステムにエクスポートされることも許容する。マイグレーションのために、コンテンツ及び使用規則情報は、存在するそのまま解釈できるため、コンテンツあるいは使用規則情報のフォーマットを修正する必要がない。しかし、エクスポートのために、コンテンツあるいは使用規則情報の適切な修正が必要である。
【0035】
ユーザは、使用規則情報によって許容される限り、コンテンツを編集できる。許容されるならば、ユーザはコンテンツをコンテンツの切れに分割できる。この場合、コンテンツ切れは、それぞれの使用規則情報を別途に有する。本発明によるDRMシステムは、このようなコンテンツ切れのための使用規則情報を生成する。
【0036】
ドメイン管理、マイグレーション、エクスポート動作の間、本発明によるDRMシステムは、認証されたユーザ及び認証されたデバイスによってのみコンテンツがアクセスされるように許す。本発明によるDRMシステムは、デバイスの権限解除情報を有する。コンテンツは、権限解除情報によって保護されるので、ハッキングされたデバイスは、ドメイン内で保護されたコンテンツに接近できない。権限解除の最新性を提供するために、本発明によるDRMシステムは、更新メカニズムを提供する。更新は、ドメイン管理下で両デバイス間の情報同期化を通じて保証される。
【0037】
図3Aは、本発明による使用規則情報の生成方法を支援するDRMシステムのブロック図であり、図3Bは、本発明による放送コンテンツを受信する装置を示す図である。
【0038】
本発明による使用規則情報の生成方法は、以下の機能を支援するように生成されなければならない。
【0039】
1.再生(play)
本発明によるDRMシステムは、ユーザのコンテンツ再生を特定デバイスに限定しない。2つの場合が存在する。
−リアルタイムコンテンツが再生される(live play)。
−HDD(hard disk drive)を有するSTB(set−top box)のようなデバイスに保存されたコンテンツが、ドメイン内で再生される(stored play)。この場合、コンテンツがパッケージングされた形態で保護されているならば、パッケージングの除去過程が必要である。
【0040】
2.保存(store)
ユーザは、使用規則情報が許す限り、コンテンツを保存することができる。目標デバイスにコンテンツを保存するために、本発明によるDRMシステムは、まず特定コンテンツにバインディングされた使用規則情報を生成する。コンテンツは、許容される限り、特定ユーザにバインディングされる。そうでなければ、コンテンツは、デバイスにバインディングされる。例えば、STBのようなコンテンツ受信機器によって可能になったタイムシフト機能を支援するためのコンテンツの自動保存機能が存在する。このような目的の保存に関する時間制限は、コンプライアンス規則によって決定され、これに違反してはならない。時間制限以後に、保存されたコンテンツは、STBの保存装置から完全に除去されなければならない。
【0041】
3.コピー(copy)
仮にコンテンツがユーザにバインディングされたとすれば、本発明によるDRMシステムは、ユーザがそのユーザのドメイン内に属するデバイスの間でコンテンツを共有できるようにする。コンテンツは、その使用規則情報と共に保存されるので、コンテンツがコピー可能であるか否かを認知することができる。具現例によって、コンテンツがソースデバイスからシンクデバイスに伝えられる前に、本発明によるDRMシステムは、ソースデバイスをしてシンクデバイスが十分に近くにあるか否かを検査するように強制する。
【0042】
4.移動(moving)
本発明によるDRMシステムは、ユーザがコンテンツを一つのデバイスから他のデバイスに移動することを許容できる。コンテンツは、移動できるコンテンツとそうでないコンテンツとに分かれる。具現例によって、移動動作を完成するために、ソースデバイスは、隣接性検査を利用してシンクデバイスの信頼性を検査しなければならない。
【0043】
5.マイグレート(migrating)
ドメインから他のユーザに属する他のドメインにコピーできるコンテンツがある。マイグレーションは、コンテンツの使用規則情報の支配下で使われる。具現例によって、権限解除キーは、ハッキングされたデバイスか、あるいは互換性のないデバイスからコンテンツを保護する。具現の相互運用性のために、コンテンツは、マーリンDRM具現が追加的な努力なしにコンテンツをインポート(import)できる形態にパッケージングされなければならない。
【0044】
6.インポート/エクスポート(import/export)
コンテンツは、他のDRMシステムあるいはCPRM(Content Protection for Removable Media)、DTCP(Digital Transmission Content Protection)のようなコンテンツ保護技術にエクスポート可能である。コンテンツの使用規則情報は、コンテンツがエクスポートできるか否かについて指定できる。本発明によるDRMシステムは、コンテンツがエクスポーティング過程中に保護された状態で維持されることを保証する。
【0045】
7.編集(edit)
本発明によるDRMシステムは、ユーザが保存されたコンテンツを編集することを許容する。新たに生成されたコンテンツは、別途の使用規則情報を有する。
【0046】
以下では、前述の機能を支援するための使用規則情報の生成について説明する。
【0047】
ユーザは、ドメインを生成し、そのドメインに属するデバイス内にコンテンツを共有できる。ドメイン内で、ユーザは、許容された範囲内で再生、保存、コピー、移動のような多様なコンテンツ使用行為をすることができる。もし、ユーザがコンテンツを他のドメインに伝送しようとする場合には、ユーザは、マイグレーション機能を使用すべきである。もしコンテンツを本発明と異なるDRMシステムが適用されたドメインに伝送しようとすれば、ユーザは、エクスポート機能を使用すべきである。ユーザは、コンテンツ生成及び編集によってコンテンツ提供者となりうる。
【0048】
ライセンスは、コンテンツごとに割り当てられ、コンテンツの使用規則情報を含む。使用規則情報は、コンテンツの使用に対する使用制限事項(constraint)に関する技術事項である。
【0049】
あるコンテンツは、自身の使用規則情報と共にホームネットワーク内のホームサーバーに引き込まれる。広域及びOMA(Open Mobile Alliance)DRMからのコンテンツは、このような類型に分類される。一方、放送(すなわち、地域チャンネル及びケーブルチャンネル)から引き込まれるコンテンツ及び物理的媒体(DVD、BD)から引き込まれるコンテンツは、使用規則情報が隨伴されない。代替物として、コピー制御ビットがコンテンツの使用に制限をかける。地域チャンネルの場合に、コピー制御ビットは、BFと呼ばれ、ケーブルや物理媒体の場合には、CCIと呼ばれる。
【0050】
前述のように、DRMシステムは、その該当使用規則情報下でコンテンツを使用しなければならない。これは、元のライセンスがDRMシステムによって支援されるライセンスにマッピングされる必要があることを意味し、放送の場合、すなわちBF及びCCIビットは、同じ種類の使用規則情報に安全に翻訳されなければならないことを意味する。本発明では、放送チャンネルを介してインポートされるコンテンツの使用規則情報の生成方法を支援する。
【0051】
図3Bにおいて、放送受信部10は、前記放送コンテンツの使用制限情報を含む放送信号を受信する。放送コンテンツの使用制限情報は、使用規則情報にマッピングされる。ライセンス生成部20は、前記使用制限情報を使用規則情報に変換し、前記使用制限情報に該当するコンテンツバインディング情報を含むライセンスを生成する。続いて、保存部30は、前記放送コンテンツと前記ライセンスとを保存する。
【0052】
図4は、BFと使用規則情報のマッピングテーブルを示す図である。図4に示すように、使用規則情報で指示する使用規則は、リアルタイム再生(live play)、保存再生(stored play)、保存(store)、コピー(copy)、移動(move)、マイグレート(migrate)、エクスポート(export)、及び編集(edit)動作に対する使用制限を含む。このような動作の内容は、図3で説明した通りである。図4において、“O”はこのような動作が許容されることを示し、“X”は許容されないことを示す。
【0053】
コピー制御ビットがBFである場合には、コピー動作を除外した7種類動作がいずれも許容されるように、使用規則情報が生成される。
【0054】
BFは、コンテンツの無限の再配布を防止することが目的であるので、コピー動作は除外した7種類動作は許容される。
【0055】
コピー動作の場合には、隣接性検査を行うことによって、コピーの目的地の位置が近いかによってコピー動作が許容されるか否か決定される。BFの目的は、無制限のコンテンツの再配布を防止することであり、詳細な使用規則は定義していないため、一定距離までの配布は許容されてもよい。隣接性検査は、有効時間(Time−To−Live Time:TTL)、あるいは往復遅延時間(Round Trip Time:RTT)を測定し、測定値を臨界値と比較することによって行われる。
【0056】
図5は、CCIと使用規則情報のマッピングテーブルを示す図である。
【0057】
コピー制御ビットがCCIである場合には、CCIの類型によって前記の8種類の機能に対する許否が異なる。
【0058】
1)まず、CCIが“コピーフリー(copy free)”である場合には、ホームネットワークでの前記の8種類の動作が全て許容される。したがって、コンテンツは、ドメイン管理による制限を除外すれば、コンテンツの使用を制限しない。これは、コンテンツが‘コピーフリー’であるため、コンテンツの配布及び使用に何らの制限もないことを意味するからである。
【0059】
2)次に、CCIが“コピーワンス(copy once)”である場合には、リアルタイム再生及び保存動作だけが許容される。これは、“コピーワンス”がコンテンツの一回的な使用のみを許容することを意味するからである。
【0060】
一方、ホームネットワークに引き込まれる時、CCIが“コピーワンス”であるコンテンツのライセンスは、コンテンツがホームネットワークでリアルタイム再生及び保存された後、“ノーモアコピー(copy no more)”に変更される。したがって、リアルタイム再生及び保存以外の動作は、“コピーワンス”以後の使用は“ノーモアコピー”の使用制限の適用を受ける。“ノーモアコピー”に変更された使用規則情報の使用制限内容は、以下で説明する。
【0061】
3)次に、CCIが“ノーモアコピー(copy no more)”である場合には、次のような使用制限が適用される。
【0062】
−リアルタイム再生及び保存動作は該当事項がない。これは、‘ノーモアコピー’は、‘コピーワンス’から変更されたものであるため、該当コンテンツは、既に保存されているか、リアルタイム再生されたコンテンツであるからである。
【0063】
−保存再生動作は、許容される。‘ノーモアコピー’は、既にコンテンツが保存された機器での再生動作は許すことを意味するからである。
【0064】
−コピー動作は、許容されない。コピー動作は‘ノーモアコピー’の本質的な制限事項であるためである。
【0065】
−移動、マイグレート、エクスポート、及び編集動作は、許容される。‘ノーモアコピー’は、ドメイン内でコンテンツが一つのみ存在する限り、コンテンツの移動を許すためである。特に、本発明によって具現可能なDRMシステムは、異なるDRMシステムへのコンテンツ移動(例えば、DTCPを利用した他の機器での再生)が許容されるように具現されなければならないため、‘ノーモアコピー’でこのような動作が許容されるように、使用規則情報が生成されるべきである。
【0066】
4)最後に、CCIが‘コピーネバー(copy never)'である場合には、次のような使用制限が適用される。
【0067】
−リアルタイム再生動作は許容されるが、保存動作は許容されない。‘コピーネバー’は、再生のみを共用するためである。
【0068】
−保存再生、コピー、移動、マイグレート、編集動作は、該当事項がない。これは、このような動作は、コピー許容という前提で行われるためである。前述のように、‘コピーネバー’は、保存自体を許さないため、このような動作も許容されない。
【0069】
−エクスポート動作は、原則的に許容されないが、例外的に許容される。原則的に許容されないことは、‘コピーネバー’が保存及び移動を許さないためである。例外的に許容される場合は、コンテンツの使用規則情報を生成する機器が、該当コンテンツの再生動作なしにDTCPを利用して、異なるDRMシステムを使用する機器でコンテンツを再生する場合である。例えば、コンテンツを受信したSTBが、自身が再生せず、DTCPを利用してコンテンツをDTV(digital television)に伝送し、DTVをしてコンテンツを再生させる場合である。この場合には、‘コピーネバー’の使用制限を違反することではないため、STBからDTVへのコンテンツの伝送(すなわちエクスポート)動作が許容される。一方、例えば、CPRMのようなコンテンツ保護プロトコルを通じた記録媒体へのコンテンツエクスポートは、許容されない。これは、複数回再生の危険があるからである。
【0070】
図4及び図5で‘インポート’動作に関する使用規則情報マッピングテーブルは、定義されていない。これは、インポート動作は、外部からコンテンツを受信する過程であるので、図4及び図5のような使用規則情報を生成する動作が、インポート動作に含まれるためである。すなわち、図4及び5のような使用規則情報を生成しているということは、インポート動作が既に許容されたことを意味するからである。
【0071】
図6は、使用規則情報を含むライセンスの一例を示す図である。
【0072】
使用規則情報は、ライセンスに含まれてコンテンツの使用を制御する。すなわち、ホームサーバー内のドメインマネジャーは、ライセンスから使用規則情報を抽出し、使用規則情報の支配下でコンテンツの使用を制限する。
【0073】
図6に示すように、‘BYTE Permissions’に前述の8種類の動作が許容されるか否か、すなわち使用規則情報が表現される。図6のフォーマットは、手順の簡略化及び負荷の軽量化のために、共通ライセンステンプレートが使われることが望ましい。共通ライセンステンプレートは、制限事項部分とデスクリプション部分とか構成される。
【0074】
図7は、コピー制御ビットがBFである場合に、使用規則情報を生成する方法を示す図である。
【0075】
段階710で、ホームサーバー(あるいはホームサーバー内のドメインマネジャー)は、外部チャンネルからコンテンツ及びBFを受信する。
【0076】
段階720で、BFBF=offである場合には、リアルタイム再生を含む前述の全ての動作が許容されるように、使用規則情報を生成する。
【0077】
段階730で、BFBF=onである場合には、コピー動作を除外した全ての動作が許容されるように、使用規則情報を生成した後に段階740に進む。
【0078】
段階740で、該当コンテンツのコピー動作命令がユーザによって入力されれば、コピー動作の目的地の位置に対する隣接性検査を行う。段階740は、以下の段階742及び744を含む。
【0079】
段階742で、ホームサーバーは、テストパケットをコピー動作の目的地に対応するデバイスに伝送することによって、そのデバイスとホームサーバーとの間のTTLを測定する。変形された実施形態で、TTLは、RTTに代替可能である。
【0080】
段階744で、ホームサーバーは、既定の隣接性臨界値と段階742で測定した値とを比較することによって、隣接性検査が通過したか否かを決定する。もし所定の臨界値より小さい値であれば、隣接性検査が通過する。隣接性臨界値は、許容可能なコンテンツの配布範囲、例えばホームネットワークの物理的距離により決定される。コンテンツの無制限の配布を防止することが隣接性検査の主目的であるので、臨界値の決定範囲は認証にそれほど重要な影響を及ぼさない。例えば、物理的距離をアパート団地程度に限定することで、無制限の配布を禁止でき、アパート団地への限定は、臨界値をRTT=7ms程度に選択することによって十分に達成可能である。
【0081】
隣接性検査を通過すれば、段階750に進み、そうでなければ、段階760に進む。
【0082】
段階750で、ホームサーバーは、コピー動作を行う。
【0083】
段階760で、ホームサーバーは、コピー動作を拒否して、手続を終了する。
【0084】
図8は、コピー制御ビットがBFである場合、使用規則情報を生成する方法を示すフローチャートである。
【0085】
段階810で、ホームサーバー(あるいはホームサーバー内のドメインマネジャー)は、外部チャンネルからコンテンツ及びCCIを受信する。
【0086】
段階820で、CCI=copy freeである場合、リアルタイム再生を含む前述の全ての動作が許容されるように、使用規則情報を生成する。
【0087】
段階830で、CCI=copy onceである場合、リアルタイム再生及び保存動作のみが許容されるように、使用規則情報を生成した後に段階835に進む。
【0088】
段階835で、コンテンツがリアルタイム再生あるいは保存された後、段階830で生成した使用規則情報をCCIが‘copy no more’である使用規則情報に変更する。
【0089】
段階840で、CCI=copy no moreである場合、保存再生、移動、マイグレート、エクスポート、及び編集動作だけが許容されるように、使用規則情報を生成する。
【0090】
段階850で、CCI=copy neverである場合、リアルタイム再生だけが許容されるように、使用規則情報を生成した後に段階860に進む。
【0091】
段階860で、該当コンテンツのエクスポート動作命令がユーザによって入力されれば、ホームサーバーは、エクスポート動作の対象がリアルタイム再生のためのプロトコルであるか否かを検査する。もしリアルタイム再生のためのプロトコルであれば、段階870に進み、そうでなければ、段階880に進む。リアルタイム再生のためのプロトコルの例は、DTCPがある。CPRMなどの記録媒体への保存のためのプロトコルの場合には、段階880に進む。
【0092】
前述のように、コンテンツの使用規則情報を生成する機器、すなわちホームサーバーが、該当コンテンツの再生動作なしに、DTCPを利用して異なるDRMシステムを使用する機器でコンテンツを再生する場合、例えばコンテンツを受信したSTBが、自身が再生せず、DTCPを利用してコンテンツをDTVに伝送し、DTVをしてコンテンツを再生させる場合には‘コピーネバー’の使用制限を違反することではないため、STBからDTVへのコンテンツの伝送(すなわちエクスポート)動作が許容される。
【0093】
段階870で、ホームサーバーは、エクスポート動作を行う。
【0094】
段階880で、ホームサーバーは、エクスポート動作を拒否し、手続を終了する。
【0095】
一方、本発明による使用規則情報の生成方法は、コンピュータプログラムで作成可能である。前記プログラムを構成するコード及びコードセグメントは、当分野のコンピュータプログラマーによって容易に推論できる。また、前記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な情報保存媒体に保存され、コンピュータによって読み取られ、実行されることによって、使用規則情報の生成方法を具現する。前記情報保存媒体は、磁気記録媒体、光記録媒体、及びキャリアウェーブ媒体を含む。
【0096】
以上、本発明について、その望ましい実施形態を中心に述べた。当業者は、本発明が、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で、変形された形態に具現可能であるということを理解できるであろう。したがって、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に表れており、それと同等な範囲内にあるあらゆる相違点は、本発明に含まれていると解釈されねばならない。
【符号の説明】
【0097】
110 コンテンツ
112 コピー制御ビット
BF ブロードキャストフラグ
CCI コピー制御情報
CP コンテンツ提供者
CH 放送チャネル
D1,D2,D1 ユーザ機器
HN ホームネットワーク
HS ホームサーバー
TTL 有効時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送チャンネルからコンテンツを受信する受信装置において前記コンテンツに対する使用制限を記述する使用規則情報を生成する方法において、
a)前記放送チャンネルからコンテンツ及び該コンテンツの保護に関するコピー制御情報を受信する段階と、
b1)コピー制御情報がcopy onceである場合、当該受信装置が前記コンテンツに対して行うことができる動作のうち前記コンテンツの一回的な使用であるリアルタイム再生及び保存動作のみが許容されるように、使用規則情報を生成する段階と、
b2)前記リアルタイム再生あるいは保存動作が行われた後、前記使用規則情報を、当該受信装置が前記コンテンツに対して行うことができる動作のうち、当該受信装置に保存されているコンテンツを再生する保存再生、並びに当該受信装置においてリアルタイムで再生されているコンテンツ又は当該受信装置に保存されているコンテンツの移動、マイグレート、エクスポート、及び編集動作のみが許容されるように変更する段階と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
c)コピー制御情報がcopy no moreである場合、当該受信装置が前記コンテンツに対して行うことができる動作のうち、当該受信装置に保存されているコンテンツを再生する保存再生、並びに当該受信装置においてリアルタイムで再生されているコンテンツ又は当該受信装置に保存されているコンテンツの移動、マイグレート、エクスポート、及び編集動作のみが許容されるように、使用規則情報を生成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
d)コピー制御情報がcopy freeである場合、当該受信装置が前記コンテンツに対して行うことができる全ての動作が許容されるように、使用規則情報を生成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
e1)コピー制御情報がcopy neverである場合、当該受信装置が前記コンテンツに対して行うことができる動作のうちリアルタイム再生のみが許容されるように、使用規則情報を生成する段階と、
e2)ユーザからの当該受信装置に対するエクスポート命令に応答して、エクスポートの対象がリアルタイム再生のためのプロトコルであるか否かによって、エクスポートを行うか否かを決定する段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記e2)段階は、
e21)前記エクスポートの対象がリアルタイム再生のためのプロトコルであれば、前記エクスポート動作の対象は、DTCPであり、前記エクスポート命令を行う段階を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記e2)段階は、
e22)前記エクスポートの対象がリアルタイム再生のためのプロトコルではなければ、前記エクスポート動作の対象は、記録媒体への伝送プロトコルであり、前記エクスポート命令を拒否する段階を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記e2)段階は、
e22)前記エクスポートの対象がリアルタイム再生のためのプロトコルではなければ、前記記録媒体への伝送プロトコルは、コンテンツ保護プロトコルであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項9】
放送コンテンツを受信する方法において、
前記放送コンテンツの保護に関する使用制限情報を受信する段階と、
前記放送コンテンツの使用制限情報を、前記コンテンツに対する使用制限を記述する使用規則情報にマッピングする段階と、
前記使用制限情報を前記マッピングされる使用規則情報に変換する段階と、
前記使用規則情報を含むライセンスを生成する段階と、を含むことを特徴とする放送コンテンツの受信方法。
【請求項10】
前記使用規則情報は、前記使用制限情報によるコンテンツの制限情報や権限情報の範囲に含まれることを特徴とする請求項9に記載の放送コンテンツの受信方法。
【請求項11】
前記ライセンスは、前記使用制限情報によるコンテンツバインディング情報をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の放送コンテンツの受信方法。
【請求項12】
前記バインディング情報は、ユーザバインディングまたはデバイスバインディングであることを特徴とする請求項11に記載の放送コンテンツの受信方法。
【請求項13】
前記使用制限情報は、ブロードキャストフラグであることを特徴とする請求項9に記載の放送コンテンツの受信方法。
【請求項14】
前記使用制限情報は、コピー制御情報(CCI)であることを特徴とする請求項9に記載の放送コンテンツの受信方法。
【請求項15】
前記放送コンテンツと前記ライセンスとを保存する段階をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の放送コンテンツの受信方法。
【請求項16】
放送コンテンツを受信する装置において、
前記放送コンテンツの保護に関する使用制限情報を含む放送信号を受信する放送受信部と、
前記使用制限情報を、前記コンテンツに対する使用制限を記述する使用規則情報に変換し、前記使用制限情報に該当するコンテンツバインディング情報を含むライセンスを生成するライセンス生成部と、
前記コンテンツと前記ライセンスとを保存する保存部と、を備えることを特徴とする放送コンテンツ受信装置。
【請求項17】
前記バインディング情報は、ユーザバインディングまたはデバイスバインディングであることを特徴とする請求項16に記載の放送コンテンツ受信装置。
【請求項18】
前記使用制限情報は、コピー制御情報(CCI)であることを特徴とする請求項16に記載の放送コンテンツ受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−250474(P2011−250474A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178441(P2011−178441)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【分割の表示】特願2007−554018(P2007−554018)の分割
【原出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【Fターム(参考)】