説明

放送受信装置

【課題】タッチパネルを用いた入力操作において、画面上で目的とするオブジェクトを誰でも簡単に選択することのできる放送受信装置を提供する。
【解決手段】画面領域分割部11aにてデータ放送の画面領域をカレントのオブジェクト位置(カーソル位置)を基準点にして上下左右方向に分割する。この分割領域内の任意の位置がタッチパネル16を通じて指定された際に、相対位置判定部11bにて指定位置と基準点との相対位置関係を判定し、リモコンキー置換部11cにて上記指定位置が存在する領域に対応したキー信号に置き換えて発生する。CPU13はそのキー信号に従って次の選択対象となるオブジェクトの位置にカーソルを移動させる。これにより、画面領域をリモコンの上下左右キーとして利用して目的のオブジェクトを簡単に選択できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車載用の地上波デジタルテレビ受信機などに用いられる放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地上波デジタルテレビ受信機では、ユーザインターフェースとしてリモコン装置が用いられる。このリモコン装置には、「電源」キー、「選局切替」キー、「メニュー」キーなどの他、上下左右の「カーソル」キー、「決定」キーなどの操作用の各種のキーが設けられている。
【0003】
ユーザ(視聴者)は、これらのキーを押下操作して画面上のオブジェクト(メニュー項目など)を選択しながらデータ放送を視聴する。この場合、データ放送のコンテンツ毎に各オブジェクトに対するリモコンキーの操作がBML(Broadcasting Markup Language)によって記述されている。
【0004】
ところで、例えばBSテレビ受信機などは固定の場所でリモコン操作が可能であるが、車載用の地上波デジタルテレビ受信機では、移動中に狭い空間でリモコン操作を行う必要がある。このため、リモコン操作は不便であり、しかも、画面とリモコンキーの両方を見ながらの操作は安全面での問題もある。
【0005】
そこで、リモコン装置に代わるユーザインターフェースとしてタッチパネルが考えられている。例えば、特許文献1では、BMLで記述されたリモコン操作に関する動作を解析することにより、タッチパネルの接触操作領域にリモコンキーの機能を割り当てることが開示されている。
【特許文献1】特開2004−140811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1によれば、データ放送の画面上に設けられたオブジェクトに予めリモコンキーの機能が割り当てられているため、画面上でオブジェクトを直接タッチすれば、そのオブジェクトに対応した処理を実行することができる。
【0007】
しかしながら、データ放送のコンテンツには、様々な表示項目が含まれており、どれが選択可能なオブジェクトであるのか分かりづらい。これは、データ放送のコンテンツがタッチパネルを想定して作られていないことによる。このため、画面上で関係ない部分を何度もタッチしてしまうなど、誤操作が多くなる問題がある。
【0008】
また、たとえ選択可能なオブジェクトが分かっていたとしても、車載用のテレビ画面は非常に小さいため、その画面上で目的とするオブジェクトを正確にタッチすることは難しいといった問題もある。
【0009】
本発明は上記のような点に鑑みなされたもので、タッチパネルを用いた入力操作において、画面上で目的とするオブジェクトを誰でも簡単に選択することのできる放送受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一観点による放送受信装置は、タッチパネルを備えた放送受信装置において、リモコン操作の対象となる複数のオブジェクトを含んだデータ放送信号を受信する受信手段と、この受信手段によって受信されたデータ放送信号を画面に表示する表示手段と、この表示手段によって表示されたデータ放送の画面領域をカーソルにて現在選択されているオブジェクトの位置を基準点にして上下左右方向に分割する画面領域分割手段と、この画面領域分割手段によって分割された領域内の任意の位置が上記タッチパネルを通じて指定された際に、その指定位置と上記基準点との相対位置関係を判定する相対位置判定手段と、この相対位置判定手段によって判定された相対位置関係に基づいて、上記指定位置が存在する領域に対応したキー信号を発生する信号発生手段と、この信号発生手段によって発生されたキー信号に従って、次の選択対象となるオブジェクトの位置に上記カーソルを移動させる制御手段とを具備して構成される。
【0011】
このような構成によれば、データ放送の画面領域がカレントのオブジェクトの位置(カーソル位置)を基準にして上下左右方向に分割される。この分割された領域内の任意の位置が指定されると、その指定位置が存在する領域に対応したキー信号の発生により、次の選択対象となるオブジェクトにカーソルが移動する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、タッチパネルを用いた入力操作において、画面領域をリモコンの上下左右キーとして利用して、目的とするオブジェクトを誰でも簡単に選択することができる。この場合、オブジェクトを直接選択する必要はないので、車載用の受信機のように画面サイズが小さくても押し間違えることはなく、また、画面上のどの部分が選択可能なオブジェクトであるのか分からなくても問題なく入力操作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施形態に係る地上デジタル放送を受信可能な放送受信装置の構成を示すブロック図である。なお、この放送受信装置は、例えば車載用の地上波デジタルテレビ受信機として用いられる。
【0015】
図1に示すように、本実施形態における放送受信装置は、受信アンテナ1、チューナ2、復調器3、MPEG(Moving Picture Experts Group)デコーダ4、Audioデコーダ5、Videoデコーダ6、データ放送デコーダ7、出力処理部8、提示処理部9を備える。
【0016】
受信アンテナ1によって受信されたデジタル伝送信号は、チューナ2により周波数変換された後、復調器3によって復調され、放送局から送り出されたTS(Transport Stream)パケットに戻される。MPEGデコーダ4は、このTSパケットを映像、音声、データに分解して、Audioデコーダ5、Videoデコーダ6、データ放送デコーダ7に与える。
【0017】
Audioデコーダ5は、音声データを処理する。このAudioデコーダ5によって処理された音声データは、出力処理部8を通じてアナログ信号に変換された後、スピーカ14などの出力装置へ送られる。
【0018】
Videoデコーダ6は、映像データを処理する。このVideoデコーダ6によって処理された映像データは、提示処理部9によってNTSCエンコードなどの表示に必要な処理が施された後、表示器15に送られる。表示器15は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)表示装置からなり、その画面上には透明なタッチパネル16が配設されている。タッチパネル16は、ユーザがパネル上を触れた位置を例えば静電方式などにより検出して、その位置の座標情報を入力する。
【0019】
また、この放送受信装置には、データ放送コンテンツ解析部10、疑似リモコン制御部11、タッチパネル制御部12、CPU13、記憶部17などが備えられる。
【0020】
データ放送コンテンツ解析部10は、BMLで記述されたデータ放送コンテンツを解析する部分であり、デフォルトカーソル位置取得部10a、リモコンキー割付取得部10bを有する。
【0021】
デフォルトカーソル位置取得部10aは、データ放送受信直後にデフォルトのカーソル位置(リモコンによる選択可能な各オブジェクトのうち、初期表示時にカーソルにて現在選択されているオブジェクトの位置)を取得する。リモコンキー割付取得部10bは、そのデフォルトカーソルによって現在選択されているオブジェクトに割り当てられたリモコンキーの情報を取得する。
【0022】
疑似リモコン制御部11は、タッチパネル16からタッチパネル制御部12を通じて入力された位置情報をリモコン操作のキー信号に置換する部分であり、画面領域分割部11a、相対位置判定部11b、リモコンキー置換部11c、決定キー表示部11dを有する。
【0023】
画面領域分割部11aは、データ放送コンテンツ解析部10によって得られる解析結果に基づいて、データ放送の画面領域をカレントのオブジェクトの位置(カーソル位置)を基準点にして分割する。また、画面上にカーソルが表示されていない場合には、例えば画面中心などの所定の位置を基準点にして画面領域を分割する。
【0024】
相対位置判定部11bは、カレントのカーソル位置とタッチパネル16を通じて指定された位置(タッチ位置)との相対位置関係を判定する。リモコンキー置換部11cは、相対位置判定部11bによって判定された相対位置関係に基づいて、上記指定位置が存在する領域に対応したリモコン操作のキー信号を発生する。決定キー表示処理部11dは、カーソルの移動に伴い、決定キーによる操作が必要であるか否かを判断して、必要な場合に画面上に決定キー信号を発生させるためのボタン表示を行う。
【0025】
タッチパネル制御部12は、ユーザがタッチパネル16を通じて画面上をタッチした位置を画面の座標情報に変換して入力するための位置指定部12aを有する。
【0026】
CPU13は、本装置全体の制御を行うものであり、マイクロプロセッサからなり、図示せぬROM等に記憶されたプログラムを読み込むことにより、そのプログラムに記述された手順に従って各種処理を実行する。
【0027】
また、記憶部17には、カーソル位置保持部17a、前回タッチ位置保持部17bが設けられる。カーソル位置保持部17aは、データ放送画面上に表示されるカーソルの位置情報を保持する。前回タッチ位置保持部17bは、タッチパネル16を通じて指定された位置(タッチ位置)とその位置で発生したリモコン操作のキー信号とを対応付けて記憶する。
【0028】
次に、本装置の動作を説明する前に、デジタル放送受信機に用いられるリモコン装置について簡単に説明する。
【0029】
図17はデジタル放送受信機に用いられる一般的なリモコン装置の一例を示す図である。
【0030】
このリモコン装置20の本体には、「電源」キー21、「選局切替」キー22、「データ入力」キー23、「EPG(Electronic Program Guide)」キー24、「メニュー」キー25、上下左右の「カーソル」キー26、「決定」キー26a、「チャンネル切替」キー27a,27b、「データ放送表示/非表示」キー28、「戻る」キー29、「映像」キー30、「音声」キー31、「字幕」キー32、「青」,「赤」,「緑」,「黄」の「色」キー33などが設けられている。
【0031】
ユーザ(視聴者)は、これらのキーを押下操作して画面上の各種オブジェクト(メニュー項目など)を選択するなどしてデータ放送を視聴する。この場合、データ放送画面に対するリモコン装置の操作は予め決められており、データ放送のコンテンツ毎に各オブジェクトに対するキーの操作がBML(Broadcasting Markup Language)によって記述されている。
【0032】
ARIB(電波産業会)が定義するデータ放送では、上下左右の「カーソル」キー26の操作によりオブジェクト選択のためのカーソル(フォーカスと呼ぶこともある)を移動させ、「決定」キー26aによりその選択を決定し、画面を遷移させたりすることが基本的な動作の流れである。この他に、直接的に機能を実行するキーとして、「色」キー33が4種類(「青」,「赤」,「緑」,「黄」)あり、多くは何色のキーを押すと何が実行されるのかが画面上で説明されている。
【0033】
このようなリモコン操作にて選択可能なオブジェクトには、ナビゲーションと呼ばれるインデックス番号が割り付けられてあり、インデックス番号0がデフォルトのオブジェクトと決められている。各オブジェクトには、上下左右のキーの入力に対し、どのインデックス番号のオブジェクトに移動するのかなどが予め決められている。
【0034】
また、各オブジェクトの配置位置、幅、高さについては、受信されたスクリプトにそれらの情報が埋め込まれている。アクセスキーと称して、カーソル移動と決定動作の同時操作を指定することもできる。しかしながら、タッチパネルなどで直接画面上のオブジェクトを選択することは規定されていない。
【0035】
ここで、データ放送のコンテンツには、ユーザインターフェースの一貫性がないため、どの部分がリモコン操作で選択可能な領域であるかは見た目では直ぐに分からないことが多い。この場合、リモコン操作では、カーソルの移動により画面上のオブジェクトを簡単に選択することができる。しかし、通常のタッチパネル操作では、ユーザが直接画面に触れてオブジェクトを選択するといった操作が必要であるため、目的とするオブジェクトがどこにあるのかが分からない場合に誤ったオブジェクトを選択してしまうなどの問題がある。
【0036】
以下に、このようなタッチパネル操作での不具合を解消した本装置の各機能について詳しく説明する。
【0037】
(機能1)
まず、本装置の機能1について説明する。
【0038】
本装置の機能1は、データ放送の画面領域をカレントのオブジェクトつまりカーソル位置を基準点にして上下左右方向に4分割し、ユーザがタッチした領域に応じてリモコン操作のキー信号を発生させるものである。
【0039】
図2はデータ放送の画面領域を上下左右方向に4分割した例である。図中の100〜108はオブジェクトを示している。
【0040】
データ放送信号を受信したときの初期画面において、オブジェクト100がカレントオブジェクトとして予め設定されており、このオブジェクト100を起点にカーソルCLが移動するものとする。また、オブジェクト100〜108のそれぞれには、予めデータ放送のコンテンツに応じたモコン操作の各キーが個別に割り当てられており、どのキーを押せば、どこに移動するのかなどが予め定義されている。
【0041】
今、オブジェクト100に対して、上下左右のカーソルキー(方向キー)が割り当てられており、上キー(上方向のカーソルキー)ではオブジェクト102への移動、下キー(下方向のカーソルキー)ではオブジェクト107への移動、左キー(左方向のカーソルキー)ではオブジェクト104への移動、右キー(右方向のカーソルキー)ではオブジェクト105への移動がそれぞれ定義されているものとする。
【0042】
カーソルCLの移動に伴い、カレントのオブジェクトが変更される毎に、そのオブジェクトに割り当たられたリモコン操作の各キーとその動作が解析される。図2の例では、オブジェクト100がカレントであるため、そのオブジェクト100に割り当てられた上下左右のカーソルキーとその動作が解析されることになる。
【0043】
ここで、オブジェクト100の解析結果に基づいて、画面領域がオブジェクト100の位置(カーソル位置)を基準点にして、点線で示すように上下左右方向に4分割される(このときの分割領域を領域E1〜E4とする)。なお、点線は分割領域を分かりやすくしたものであり、基本的には表示されない。
【0044】
このようにして画面領域が分割されると、領域E1〜E4が擬似的なリモコンキーとして見立てられ、例えばユーザが領域E1内のどこかをタッチすると、上キーの信号が発生する。これにより、カーソルCLがオブジェクト100からオブジェクト102に移動することになる。
【0045】
この場合、領域E1に対して上キーの信号が発生するのは、基準点とされたオブジェクト100(カーソル位置)から見て、ユーザがタッチした領域E1は上方向にあるからである。同様にして、オブジェクト100の下方向にある領域E2では下キーの信号、左方向にある領域E3では左キーの信号、右方向にある領域E4では右キーの信号がそれぞれ発生することになる。
【0046】
また、カーソルCLの移動に伴い、基準点も移動する。すなわち、例えばカーソルCLがオブジェクト102に移動した場合には、そのオブジェクト102の位置が次の基準点となって画面領域が同様に分割される。
【0047】
なお、分割領域の中に必ずしもオブジェクトが含まれている必要はない。図3の例では、カレントであるオブジェクト200に対して上下左右のカーソルキーが割り当てられており、上キーでオブジェクト201、下キーでオブジェクト203、左キーでオブジェクト204、右キーでオブジェクト202への移動が定義されているものとする。
【0048】
このような場合、オブジェクト200を基準点にした領域E1〜E4のうち、領域E1と領域E2には何も存在しないが、例えば領域E1内をタッチすると、上キーの信号が発生して、カーソルCLがオブジェクト200からオブジェクト201へ移動する。同様に、領域E2内をタッチすれば、下キーの信号が発生してカーソルCLがオブジェクト203へ移動する。これは、領域E1がオブジェクト200に対して上方向、領域E2がオブジェクト200に対して下方向にあるためである。
【0049】
また、領域E3内をタッチすれば左キーの信号、領域E4内をタッチすれば右キーの信号が発生し、カーソルCLがオブジェクト204、202へ移動することになる。
【0050】
このように、画面上のカレントのオブジェクト(カーソル位置)を基準にして各領域内の任意の位置をタッチするだけで、そのタッチした領域に対応したキー信号を発生させて、意図した入力操作を簡単に行うことができる。
【0051】
(機能2)
次に、本装置の機能2について説明する。
【0052】
本装置の機能2は、画面領域をカレントのオブジェクトに実際に割り当てられている方向キー(カーソルキー)の数に応じて分割するものである。
【0053】
すなわち、オブジェクトには、常にリモコン操作における上下左右のすべてのキーが割り当てられているわけではなく、コンテンツの構成によって、例えば上キーだけが割り当てられている場合や、上キーと下キーの2つが割り当てられている場合などがある。
【0054】
図4の例では、カレントのオブジェクト300に対して、上キーと下キーと左キーの3つの方向キーが割り当てられた場合を示している。このようなケースでは、オブジェクト300の位置(カーソル位置)を基準点にして画面領域が領域E1〜E3に3分割される。そして、ユーザが領域E1内をタッチすれば、上キーの信号が発生する。その際、オブジェクト300に対する上キーがオブジェクト303への移動であることが定義されていれば、カーソルCLがオブジェクト303へ移動することになる。
【0055】
また、例えばオブジェクト300に対して、上キーと下キーの2つのキーしか割り当てられていなければ、画面領域が上下のキーに合わせて2分割され、そのうちの上領域内をタッチすることで上キーの信号、下領域内をタッチすることで下キーの信号が発生することになる。
【0056】
さらに、オブジェクト300に対して、1つのキーしか割り当てられていなければ、画面領域の分割数は1つとなり、オブジェクト300の周囲のどこをタッチしても、そのキーの信号のみが発生することになる。
【0057】
このように、カレントオブジェクトに割り当てられた方向キーの数に応じて画面領域を分割すれば、常に上下方向に4分割する場合と比べて、実際に有効なキーだけに対応させてタッチ可能範囲を広く確保することができる。これにより、より使い勝手の良いタッチパネル操作を実現できる。
【0058】
(機能3)
次に、本装置の機能3について説明する。
【0059】
本装置の機能3は、カレントのカーソルが表示されていない場合において、画面の所定の位置を基準点として画面領域を分割するものである。すなわち、データ放送のコンテンツでは、通常は初期表示時にリモコン用のカレントオブジェクトが指定されているが、希にカレント位置の指定がない場合がある。
【0060】
図5の例では、リモコンの左右キーで説明文のページを移動させることができるが、カーソルCLが存在しない。なお、図中の401は説明文表示欄、402と403はリモコンの左右キーを表しているマークであり、いずれもカーソルCLにて選択可能オブジェクトではない。このようなケースでは、例えば画面中央などの所定の位置Poを基準点として画面領域が上下左右方向に4分割され、それぞれの領域E1〜E4に上下左右のキーが割り当てられる。
【0061】
なお、図5の例では、左右キーしか使わないので、画面領域をその左右キーに合わせて2分割することでも良い。この場合、位置Poに対して上方向にある領域E1内をタッチすることで、上キーの信号が発生して、説明文表示欄401に次ページの内容が表示されることになる。また、位置Poに対して下方向にある領域E2内をタッチすれば、下キーの信号が発生し、説明文表示欄401に前ページの内容が表示されることになる。
【0062】
このように、カーソルCLが表示されていない状態であっても、画面中心などを基準点にして画面領域が分割されるので、その分割領域を利用して上記機能1と同様の入力操作を行うことができる。
【0063】
(機能4)
次に、本装置の機能4について説明する。
【0064】
本装置の機能4は、カーソル移動に伴い、決定キーの操作が必要となった場合に、決定キー操作用のボタンを画面上に表示させるものである。
【0065】
すなわち、データ放送のコンテンツでは、リモコンでカーソルを移動させた上で、ユーザによる決定キー操作によって選択したオブジェクトに対応する処理が実行されることがある。タッチパネルですべてを操作しようとした場合、このような決定キーの指示も必要になるため、その決定キー操作用のボタンを画面上に表示させるものとする。
【0066】
図6の例では、オブジェクト501からカーソルCLをオブジェクト502に移動させたときに、そのオブジェクト502に対して決定キーの操作が必要となった場合を示している。このとき、決定キー操作用のボタン504が画面上の所定の位置(例えば、画面の右上)に表示される。このボタン504の表示部分をタッチすると、決定キーの信号が発生し、所定の処理が実行されることになる。
【0067】
このように、カーソル移動中に必要に応じて決定キー操作用のボタンが画面上に表示されるので、ユーザは特に意識しなくても、決定操作を簡単に行うことができる。
【0068】
(機能5)
次に、本装置の機能5について説明する。
【0069】
上記機能4では、決定キー操作用のボタンが画面上の所定の位置に表示されていたが、そのボタンの表示位置がカレントのオブジェクト位置と重なると、ユーザから見えなくなってしまうことがある。そこで、本装置の機能5は、決定キー操作用のボタンを表示する際に、オブジェクト位置と重なることを検知した場合には、その表示位置を変更することを特徴とする。
【0070】
図7の例では、オブジェクト601からカーソルCLをオブジェクト602に移動させたときに、そのオブジェクト602に対して決定キーの操作が必要となった場合を示している。その際、点線枠で示す所定の位置に決定キー操作用のボタン604を表示すると、次のカレントであるオブジェクト602と重なってしまうため、他の場所にボタン604が表示される。このボタン604の表示部分をタッチすると、決定キーの信号が発生し、所定の処理が実行されることになる。
【0071】
(機能6)
次に、本装置の機能6について説明する。
【0072】
本装置の機能6では、上記機能5と同様に決定キーに関するものであり、カレントオブジェクト領域上に決定キー操作用のボタンを半透過状態で重ねて表示し、カレントオブジェクト領域上の押下によって決定キーの信号を発生することを特徴とする。
【0073】
図7の例では、オブジェクト701からカーソルCLをオブジェクト702に移動させたときに、そのオブジェクト702に対して決定キーの操作が必要となった場合を示している。その際、決定キー操作用のボタン704が半透過状態でオブジェクト702の上に重ねて表示される。これにより、オブジェクト702を確認しながら、目線を他の場所に移さずに、決定キーの操作を行うことができる。
【0074】
なお、このボタン704の表示形態としては半透過に限らず、例えば点線枠でオブジェクト702を囲むなどであっても良い。要は、重ねてもオブジェクトを視認可能な形態であれば良い。
【0075】
(機能7)
次に、本装置の機能7について説明する。
【0076】
本装置の機能7では、ユーザが前回と同じ位置(あるいは、その付近)を連続的に押し続けた場合において、カレントのオブジェクト位置つまり基準点の移動に関わらず、前回と同一のキー信号を発生するものである。
【0077】
図9に具体例を示す。図中の800〜804はカーソルCLにて選択可能なオブジェクトであり、Pはユーザがタッチした位置を示す。
【0078】
図9(a)に示すように、カーソルCLの移動に伴い、オブジェクト800がカレントとして設定されると、オブジェクト800の位置(カーソル位置)を基準点にして画面領域が上下左右キーに合わせて4分割される。この場合、オブジェクト800の下方向にある領域E2内をユーザがタッチすると、下キーの信号が発生する。これにより、カーソルCLがオブジェクト801に移動し、そのオブジェクト801の位置を新たな基準点として再び画面領域が4分割される。
【0079】
ここで、例えばユーザが画面から指を離さずに、そのまま同じ位置Pを押し続けると、前回と同じキー操作が行われたとみなされ、下キーの信号が連続的に発生する。
【0080】
すなわち、図9(a)の例では、ユーザがタッチした位置Pは領域E4内にあり、本来は右キーの信号が発生するところであるが、前回と同じ位置がタッチされたことから、下キーの信号が発生する。これにより、カーソルCLは図9(c)のようにオブジェクト802に移る。同様に、図9(c)の状態で前回と同じ位置Pが続けてタッチされた場合には、下キーの信号が連続的に出されて、カーソルCLがオブジェクト803に移動することになる。
【0081】
このように、同じ方向にカーソルCLを移動させるような場合に、カーソルCLの移動に伴って変化する分割領域に合わせてタッチ位置を変えなくても、そのまま同じ位置を続けてタッチすることで、同じキー信号を入力することができて便利である。
【0082】
なお、前回の位置と座標的に完全に一致した場所をタッチしなくとも、多少の誤差の範囲内であれば、同じ位置がタッチされたものと見なすものとする。
【0083】
また、ユーザが画面から指を離して、再度同じ位置付近をタッチした場合も同様である。
【0084】
(機能8)
次に、本装置の機能8について説明する。
【0085】
本装置の機能8では、カーソルの移動に伴って変化する分割領域の境界線を明示的に画面上に表示する。具体的には、例えば図2や図3などで点線で示した分割領域の境界線をユーザが識別可能な形態で画面上に表示する。これにより、ユーザは分割された領域を視覚的に確認でき、カーソルの移動に伴って分割領域が変化しても、迷わずに意図した領域内をタッチすることができる。
【0086】
(機能9)
次に、本装置の機能9について説明する。
【0087】
上記機能1などでは、カレントのオブジェクトの位置(カーソル位置)を基準点とし、その基準点とユーザがタッチした位置との相対位置関係に基づいて、上下左右のキー信号を発生していた。しかし、カレントのオブジェクトが表示されている領域内をユーザがタッチすることもあり、その場合には基準点との相対位置関係を判別することができない。そこで、本装置の機能9では、カレントのオブジェクト領域内をユーザがタッチした場合に決定キーの信号を発生することを特徴とする。
【0088】
すなわち、図10に示すように、今、カレントのオブジェクト902を基準点として画面領域が上下左右キーに合わせて4分割されているものとする。このような場合、例えばユーザが領域E1内をタッチすれば、基準点に対して上方向にある領域がタッチされたと判別できるので、上キーの信号が発生される。
【0089】
しかし、ユーザがオブジェクト902の領域内をタッチした場合には、どちらの方向キーを出せば良いのか判別できない。特に、車載用の受信機のように画面サイズが小さい場合には、意図した場所だけを正確にタッチすることは難しいため、このような問題が生じやすい。そこで、判別不可能な領域がタッチされた場合には、決定キーの信号を発生するものとする。これにより、不用意にカーソルCLを移動させて、ユーザの意図してない処理が実行されることを防止することができる。
【0090】
なお、決定キーの信号は、決定操作を必要しない場面では無効化されるため、オブジェクト902の領域内で発生させたとしても特に問題とならない。
【0091】
また、決定キーの信号が出されることをユーザに知らしめるために、図10の例のように、オブジェクト902の領域内がタッチされたときに、決定キー操作用のボタン902をオブジェクト902の位置に表示するなどしても良い。
【0092】
(変形例)
カレントのオブジェクトの位置(カーソル位置)を基準にして画面領域を分割する場合において、図2〜図5などで点線で示したように、画面領域全体を区分するような方法で分割したが、例えば、円形や矩形などの閉じた領域をキー発生領域として、カレントのオブジェクトの上下左右に配置することでも良い。
【0093】
図11に具体例を示す。カレントのオブジェクト111に対し、例えば上キーと下キーの2つキーが割り当てられているとする。このような場合に、オブジェクト111の上方向と下方向に、それぞれ所定形状の領域Ex1,領域Ex2が作成される。ユーザが領域Ex1内をタッチすると、上キーの信号が発生してカーソルCLがオブジェクト112に移動する。また、領域Ex2内をタッチすると、下キーの信号が発生してカーソルCLがオブジェクト113に移動する。
【0094】
ただし、図11の例のように分割領域を形状化すると、ユーザがタッチ可能な有効範囲が狭くなるため、図2〜図5などのように画面領域全体を区分して分割領域を作成する方が画面領域を有効利用できるといった点で好ましい。
【0095】
また、分割領域を形状化した場合には、どこにその領域があるのか見当が付きづらい。したがって、上記機能8で説明したように、その分割領域をユーザが識別可能な形態で明示的に表示することが好ましい。
【0096】
(動作説明)
次に、上述した各機能1〜9を実現するための具体的な動作について、フローチャートを参照しながら説明する。なお、以下の各フローチャートで示される処理は、マイクロプロセッサからなるCPU13が所定のプログラムを読み込むことにより実行される。CPU13は、図1に示したデータ放送コンテンツ解析部10、疑似リモコン制御部11、タッチパネル制御部12を制御して以下のような処理を実行する。
【0097】
(a)データ放送受信直後の処理
図12は本装置のデータ放送受信直後の処理を示すフローチャートである。
【0098】
複数のオブジェクトを含んだデータ放送信号を受信すると、その放送画面が図1に示した表示器15に表示される(ステップA11)。その際、デフォルトカーソルの指定があれば(ステップA12のYes)、オブジェクト選択用のカーソルCLがデフォルト指定されたオブジェクトの位置に表示される(ステップA13)。例えば、図2の受信画面の中のオブジェクト100がデフォルト指定されているとすると、そこにカーソルCLが初期表示されることになる。
【0099】
続いて、データ放送コンテンツ解析部10によってカーソルCLの座標情報が取得されて、記憶部17のカーソル位置保持部17aに保持される(ステップA14)。また、現在のカーソル位置からの移動可能先情報が取得される(ステップA15)。この移動可能先情報は、カーソルCLが表示されているカレントのオブジェクト(図2の例ではオブジェクト100)を起点にして、キー操作があったときにカーソルCLをどこに移動させるのかを定義した情報であって、予めオブジェクト毎に割り当てられているリモコン操作のキー情報を解析することで得られる。
【0100】
(b)タッチパネルの入力操作処理
図13は本装置のタッチパネルの入力操作処理を示すフローチャートである。
【0101】
ユーザがタッチパネル16を介して画面上の任意の位置をタッチすると、タッチパネル制御部12によって、そのタッチ位置の情報が画面上の座標情報に変換されて疑似リモコン制御部11に与えられる(ステップB11)。
【0102】
ここで、疑似リモコン制御部11では、カーソルCLが画面上に表示されているか否かを判断する(ステップB12)。カーソルCLが画面上に表示されている場合、言い換えれば、カーソルCLにて選択されたカレントのオブジェクトが存在する場合には(ステップB12のYes)、上記機能1に対応した処理が実行される。
【0103】
すなわち、カレントのオブジェクトの位置(カーソル位置)を基準点にして画面領域が上下左右方向に4分割された後(図2,図3参照)、上記ステップB11で得られたタッチ位置の座標情報とカーソル位置保持部17aに保持されたカーソル位置の座標情報とに基づいて両者の相対位置関係が判定される(ステップB13)。
【0104】
なお、画面領域を分割する場合において、上記機能2に対応した処理として、カレントのオブジェクトに実際に割り当てられているキー数に応じて分割することでも良い(図4参照)。また、上記機能8に対応した処理として、分割領域をユーザが識別可能な形態で画面上に表示することでも良い。
【0105】
タッチ位置とカーソル位置(基準点)との相対位置関係が判定されると、その相対位置関係に基づいてタッチ位置がリモコンキーに置き換えられて(ステップB15)、そのキー信号がCPU13に入力される(ステップB16)。詳しくは、ユーザのタッチ位置をカレントのカーソル位置から見た場合に、どの方向の分割領域に当該タッチ位置が存在するのかを判定することにより、その方向のキー信号を発生する。
【0106】
一方、上記ステップB12において、カーソルCLが画面上に表示されていなかった場合には(ステップB12のNo)、上記機能3に対応した処理が実行される。
【0107】
すなわち、例えば画面の中心点などの所定の位置を基準点にして画面領域が上下左右キーに合わせて4分割された後(図5参照)、その所定位置の座標情報とカーソル位置保持部17aに保持されたカーソル位置の座標情報とに基づいて両者の相対位置関係が判定される(ステップB14)。
【0108】
なお、この場合も上記機能2に対応した処理として、カレントのオブジェクトに実際に割り当てられているキー数に応じて分割することでも良い。また、上記機能8に対応した処理として、分割領域をユーザが識別可能な形態で画面上に表示することでも良い。
【0109】
タッチ位置と所定位置(基準点)との相対位置関係が判定されると、その相対位置関係に基づいてタッチ位置がリモコンキーに置き換えられて(ステップB15)、そのキー信号がCPU13に入力される(ステップB16)。詳しくは、ユーザのタッチ位置を所定位置(画面中心など)から見た場合に、どの方向の分割領域に当該タッチ位置が存在するのかを判定することにより、その方向のキー信号を発生する。
【0110】
このようにして、ユーザのタッチ操作によりキー信号がCPU13に入力されると、当該オブジェクトの移動可能先情報に基づいてカーソルCLが次の選択対象となるオブジェクトに移動する(ステップB17)。
【0111】
また、カーソルCLの移動に伴い、その移動先の位置情報が取得されてカーソル位置保持部17aの内容が更新されると共に(ステップB18)、その移動先に存在するオブジェクトの移動可能先情報が取得される(ステップB19)。
【0112】
(c)決定キー表示処理
図14は本装置の決定キー表示処理を示すフローチャートである。なお、図14において、ステップC11〜C17までの処理は、上記図13のステップA11〜A17までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略するものとする。
【0113】
上述したように、ユーザのタッチパネル操作によりリモコン操作のキー信号が発生され、カーソルCLがそのキー信号に従って移動する。ここで、カーソルCLの移動に伴い、上記機能4に対応した処理が実行される。
【0114】
すなわち、疑似リモコン制御部11では、カーソルCLの移動先で決定キーの操作が必要になるか否かを判断する(ステップC18)。なお、どのようなタイミングで決定キーの操作が必要になるのかは、予めデータ放送のコンテンツの各オブジェクト毎に決められている。
【0115】
決定キーの操作が必要であった場合(ステップC18のYes)、決定キー操作用のボタンが画面上に表示される(ステップC19)。この場合、図6に示したように、画面上の所定の位置に決定キー操作用のボタンを表示する方法の他に、上記機能5に対応した処理として、移動先のオブジェクトに重ならない場所に表示する方法(図7参照)、上記機能6に対応した処理として、移動先のオブジェクトに半透過状態で重ねて表示する方法(図8参照)がある。
【0116】
このようにして、決定キー操作用のボタンが画面上に表示された後、ユーザがそのボタンをタッチすれば、決定キー信号が発生して、当該オブジェクトの位置で定められている所定の処理が実行されることになる。
【0117】
また、カーソルCLの移動に伴い、その移動先の位置情報が取得されてカーソル位置保持部17aの内容が更新されると共に(ステップC20)、その移動先に存在するオブジェクトの移動可能先情報が取得される(ステップC21)。
【0118】
(d)同一キー発生処理
図15は本装置の同一キー発生処理を示すフローチャートである。
【0119】
ユーザがタッチパネル16を介して画面上の任意の位置をタッチすると、タッチパネル制御部12によって、そのタッチ位置の情報が画面上の座標情報に変換されて疑似リモコン制御部11に与えられる(ステップD11)。
【0120】
ここで、疑似リモコン制御部11では、カーソルCLが画面上に表示されているか否かを判断する(ステップD12)。カーソルCLが画面上に表示されている場合、言い換えれば、カーソルCLにて選択されたカレントのオブジェクトが存在する場合において(ステップD12のYes)、上記機能7に対応した処理が実行される。
【0121】
すなわち、前回のタッチ位置の座標情報が記憶部17の前回タッチ位置保持部17bから読み出され、上記ステップD11で得られた今回のタッチ位置の座標情報と比較される(ステップD13)。その結果、両座標情報が所定の誤差範囲内で一致すれば、前回とほぼ同じ位置がタッチされたものと判断される(ステップD14のYes)。このような場合には、今回のタッチ位置が前回と違う分割領域内であっても(図9参照)、前回と同じキー信号に置き換えられてCPU13に入力される(ステップD17,D18)。なお、前回のキー信号が何であったのかは、上記前回タッチ位置保持部17bを参照することで判断できる。
【0122】
一方、上記ステップD14において、前回のタッチ位置と違う位置がタッチされたものと判断された場合、あるいは、上記ステップD12において、カーソルCLが画面上に表示されていないものと判断された場合には、上記機能1と同様の処理が実行される。
【0123】
すなわち、前回のタッチ位置と違う位置がタッチされたものと判断された場合(ステップD14のNo)、カレントのオブジェクトの位置(カーソル位置)を基準点にして画面領域が分割された後、上記ステップD11で得られたタッチ位置の座標情報とカーソル位置保持部17aに保持されたカーソル位置の座標情報とに基づいて両者の相対位置関係が判定される(ステップD15)。そして、その相対位置関係に基づいてタッチ位置がリモコンキーに置き換えられて(ステップD17)、そのキー信号がCPU13に入力される(ステップD19)。
【0124】
また、カーソルCLが画面上に表示されていなかった場合には(ステップD12のNo)、例えば画面の中心点などの所定の位置を基準点にして画面領域が分割された後、その所定位置の座標情報とカーソル位置保持部17aに保持されたカーソル位置の座標情報とに基づいて両者の相対位置関係が判定される(ステップD16)。そして、その相対位置関係に基づいてタッチ位置がリモコンキーに置き換えられて(ステップD17)、そのキー信号がCPU13に入力される(ステップD19)。
【0125】
このようにして、ユーザのタッチ操作によりキー信号がCPU13に入力されると、当該オブジェクトの移動可能先情報に基づいてカーソルCLが次の選択対象となるオブジェクトに移動する(ステップD20)。このとき、次の処理に備えて、今回のタッチ位置の座標情報とそこで発生されたキー信号が前回タッチ位置保持部17bに記憶される(ステップD21)。
【0126】
また、カーソルCLの移動に伴い、決定キー操作の必要性が判断され、決定キー操作が必要であった場合には(ステップD22のYes)、決定キー操作用のボタンが画面上に表示される(ステップD23)。
【0127】
また、カーソルCLの移動先の位置情報が取得されてカーソル位置保持部17aの内容が更新されると共に(ステップD24)、その移動先に存在するオブジェクトの移動可能先情報が取得される(ステップD25)。
【0128】
(d)カレントオブジェクト領域内のタッチ操作処理
図16は本装置のカレントオブジェクト領域内のタッチ操作処理を示すフローチャートである。
【0129】
ユーザがタッチパネル16を介して画面上の任意の位置をタッチすると、タッチパネル制御部12によって、そのタッチ位置の情報が画面上の座標情報に変換されて疑似リモコン制御部11に与えられる(ステップE11)。
【0130】
ここで、疑似リモコン制御部11では、カーソルCLが画面上に表示されているか否かを判断する(ステップE12)。カーソルCLが画面上に表示されている場合、言い換えれば、カーソルCLにて選択されたカレントのオブジェクトが存在する場合において(ステップE12のYes)、そのオブジェクト領域内でタッチ操作がなされたものと判断された場合に(ステップE13のYes)。上記機能9に対応した処理が実行される。
【0131】
すなわち、図10で説明したように、ユーザがカレントのオブジェクト領域内をタッチした場合には、どちらの方向キーを出せば良いのか判別できない。そこで、このような判別不可能な領域がタッチされた場合には、決定キーの信号を発生するものとする(ステップE14)。その際に、決定キー操作用のボタンを当該オブジェクト位置に表示することでも良い。なお、決定操作を必要しない場面で、決定キー信号がCPU13に入力されたとしても動作的には何にも変わらない。
【0132】
一方、上記ステップE13において、カレントのオブジェクト領域以外がタッチ操作された場合、あるいは、上記ステップE12において、カーソルCLが存在しない場合の処理については、上記図13と同様であり、ここではその詳しい説明は省略する。
【0133】
以上のように本装置によれば、画面領域をリモコンの上下左右キーとして利用して、目的とするオブジェクトを簡単に選択してデータ放送を楽しむことができる。この場合、従来のタッチパネル操作のようにオブジェクトに直接触れて選択する必要がないため、たとえ画面上のどの部分が選択可能なオブジェクトであるのか分からなくても、通常のリモコン操作と同様に入力操作を行うことができる。
【0134】
また、カーソルCLの移動に伴い、決定キーの操作が必要になった場合には、画面上に決定キー操作用のボタンが表示されるので、ユーザは特に意識しなくても、そのボタンをタッチするだけで決定操作を簡単に行うことができる。
【0135】
また、画面上の同じ位置付近を続けてタッチすれば、前回のタッチ位置で発生したキー信号と同じ信号が発生するので、例えばカーソルCLを同じ方向に連続的に移動させて各オブジェクトを順次選択するような場合に、いちいち画面を注視しなくても対応できて便利である。
【0136】
なお、上記実施形態では、車載用の地上波デジタルテレビ受信機を想定した説明したが、本発明はこれに限らず、通常のデジタル放送受信機であっても適用可能である。
【0137】
要するに、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0138】
また、上述した実施形態において記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROM等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に適用したり、そのプログラム自体をネットワーク等の伝送媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムあるいは伝送媒体を介して提供されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る地上デジタル放送を受信可能な放送受信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2はデータ放送の画面領域を上下左右方向に4分割した例を示す図である。
【図3】図3はデータ放送の画面領域を上下左右方向に4分割した他の例を示す図である。
【図4】図4はデータ放送の画面領域をカレントのオブジェクトに割り当てられたキー数に応じて分割した例を示す図である。
【図5】図5は画面上にカレントのカーソルが表示されていない場合での画面領域の分割方法を説明するための図である。
【図6】図6はカーソルの移動に伴い決定キー操作用のボタンを表示する場合の一例を示す図である。
【図7】図7はカーソルの移動に伴い決定キー操作用のボタンを表示する場合の他の例を示す図である。
【図8】図8はカーソルの移動に伴い決定キー操作用のボタンを表示する場合の他の例を示す図である。
【図9】図9は画面上の同じ位置がタッチされた場合のキー発生を説明するための図である。
【図10】図10は画面上のカレントのオブジェクト領域内がタッチされた場合のキー発生を説明するための図である。
【図11】図11はカレントのオブジェクトを基準にして画面上に所定形状の領域を表示した場合の一例を示す図である。
【図12】図12は本発明の放送受信装置によるデータ放送受信直後の処理を示すフローチャートである。
【図13】図13は本発明の放送受信装置によるタッチパネルの入力操作処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は本発明の放送受信装置による決定キー表示処理を示すフローチャートである。
【図15】図15は本発明の放送受信装置による同一キー発生処理を示すフローチャートである。
【図16】図16は本発明の放送受信装置によるカレントオブジェクト領域内のタッチ操作処理を示すフローチャートである。
【図17】図17はデジタル放送受信機に用いられる一般的なリモコン装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0140】
1…受信アンテナ、2…チューナ、3…復調器、4…MPEGデコーダ、5…Audioデコーダ、6…Videoデコーダ、7…データ放送デコーダ、8…出力処理部、9…提示処理部、10…データ放送コンテンツ解析部、10a…デフォルトカーソル位置取得部、10b…リモコンキー割付取得部、11…疑似リモコン制御部、11a…画面領域分割部、11b…相対位置判定部、11c…リモコンキー置換部、11d…決定キー表示部、12…タッチパネル制御部、12a…位置指定部、13…CPU、14…スピーカ、15…表示器、16…タッチパネル、17…記憶部、17a…カーソル位置保持部、17b…前回タッチ位置保持部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを備えた放送受信装置において、
リモコン操作の対象となる複数のオブジェクトを含んだデータ放送信号を受信する受信手段と、
この受信手段によって受信されたデータ放送信号を画面に表示する表示手段と、
この表示手段によって表示されたデータ放送の画面領域をカーソルにて現在選択されているオブジェクトの位置を基準点にして上下左右方向に分割する画面領域分割手段と、
この画面領域分割手段によって分割された領域内の任意の位置が上記タッチパネルを通じて指定された際に、その指定位置と上記基準点との相対位置関係を判定する相対位置判定手段と、
この相対位置判定手段によって判定された相対位置関係に基づいて、上記指定位置が存在する領域に対応したキー信号を発生する信号発生手段と、
この信号発生手段によって発生されたキー信号に従って、次の選択対象となるオブジェクトの位置に上記カーソルを移動させる制御手段と
を具備したことを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
上記画面領域分割手段は、上記カーソルにて現在選択されているオブジェクトに実際に割り当てられた方向キーの数に応じて画面領域を分割することを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項3】
上記画面領域分割手段は、上記データ放送の画面上にカーソルが表示されていない場合に、その画面上の所定の位置を基準点にして画面領域を分割することを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項4】
上記カーソルの移動に伴い、決定キーによる操作が必要であるか否かを判断する決定操作判断手段と、
この決定操作判断手段によって決定キーによる操作が必要であると判断された場合に、画面上に決定キー信号を発生させるためのボタンを表示する決定キー表示手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項5】
上記タッチパネルを通じて指定された位置とその位置で発生したキー信号とを対応付けて記憶する記憶手段を備え、
上記信号発生手段は、上記タッチパネルを通じて指定された位置が上記記憶手段に記憶された位置と同じであった場合に、その位置に対応付けられたキー信号を発生することを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−96569(P2007−96569A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−281147(P2005−281147)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】