説明

文字存在判断方法、文字存在判断装置及び文字存在判断プログラム

【課題】窓領域画像と基準画像との間に位置ズレがある場合等であっても、所定の領域に文字が存在するか否かを判断することを可能とする文字存在判断方法を提供する。
【解決手段】基準画像から窓領域画像を差し引いて差分画像を算出し、差分画像の第1辺エリアの平均値と差分画像の第1辺エリアと対向する第2辺エリアの平均値との差分絶対値が第1閾値を超え第2閾値未満であるかを判断する第1判断ステップと、差分画像の真中横エリアの平均値が第3閾値を超え且つ差分画像の真中横エリアの標準偏差が第4閾値を超え又は差分画像の真中縦エリアの平均値が第5閾値を超え且つ差分画像の真中縦エリアの標準偏差が第6閾値を超えるかを判断する第2判断ステップと、第1判断ステップの判断結果が否定的で且つ第2判断ステップの判断結果が否定的であれば、窓領域画像に文字が存在していないと判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の領域に文字が存在するか否かを判断するための文字存在判断方法、文字存在判断装置及び文字存在判断プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
銀行口座開設申込書やクレジットカード利用申込書には、申請する暗証番号を記入する欄がある。暗証番号は、申込みには必ず必要な項目である。従来は、目視により、暗証番号の記入漏れがあるか否かを検査していた。しかし、このように目視による検査を行うと、人件費が嵩み、また、人的ミスが生ずることは避けられない。
【0003】
特許文献1には、検査画像と未記入基準画像との差分により、マークの有無を判定する検査方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−265422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
申込書は、例えば、図1に示すようなものである。申込書には、申請する暗証番号を記入するための記入欄がある。記入欄は、例えば、黒色の枠を含む。また、枠以外の領域は、4桁の暗証番号の数字(文字の一種)を記入するための4つの領域である。4つの領域のそれぞれに枠が設けられている。
【0006】
図2(a)に、未記入の申込用紙の記入欄を示す。図2(b)に、記入済の申込用紙の記入欄を示す。
【0007】
ところで、図2(a)に示すような画像と、図2(b)に示すような画像との差分を取ることにより、暗証番号の有無を確認することができるが、図2(a)の画像を得るときの申込用紙とスキャナとの相対位置と、図2(b)の画像を得るときの申込用紙とスキャナとの相対位置との間にズレがあると、枠により差分が攪乱され、正しく、暗証番号の有無を確認することができない。
【0008】
また、記入欄に汚れやしわがあると、やはり、これが攪乱要因となり、正しく、暗証番号の有無を確認することができない。
【0009】
そこで、本発明は、記入済みの申込書等から得られた窓領域画像と未記入の申込書等から得られた基準画像との間に位置ズレがある場合や、記入欄に汚れやしわがある場合であっても、所定の領域に文字が存在するか否かを判断することを可能とする文字存在判断方法、文字存在判断装置及び文字存在判断プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、対象となる読込画像の枠内の窓領域画像に文字が存在しているか否かを、文字が未記入である場合の読込画像の枠内の基準画像を参照して判断する文字存在判断方法であって、前記窓領域の基準画像から前記窓領域画像を差し引くことにより差分画像を算出する差分画像算出ステップと、前記差分画像の第1辺エリアの平均値と前記差分画像の前記第1辺エリアと対向する第2辺エリアの平均値との差分の絶対値が第1の閾値を超え且つ第2の閾値未満であるかの判断を行う第1のレベル判断ステップと、前記差分画像の真中横エリアの平均値が第3の閾値を超え且つ前記差分画像の前記真中横エリアの標準偏差が第4の閾値を超え又は前記差分画像の真中縦エリアの平均値が第5の閾値を超え且つ前記差分画像の前記真中縦エリアの標準偏差が第6の閾値を超えるかの判断を行う第2のレベル判断ステップと、前記第1のレベル判断ステップでの判断結果が否定的であり、且つ、前記第2のレベル判断ステップでの判断結果が否定的である場合に、前記窓領域画像に文字が存在していないと判断する第1の論理判断ステップと、を有することを特徴とする文字存在判断方法が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、対象となる読込画像の枠内の窓領域画像に文字が存在しているか否かを、文字が未記入である場合の読込画像の枠内の基準画像を参照して判断する文字存在判断装置であって、前記窓領域の基準画像から前記窓領域画像を差し引くことにより差分画像を算出する差分画像算出手段と、前記差分画像の第1辺エリアの平均値と前記差分画像の前記第1辺エリアと対向する第2辺エリアの平均値との差分の絶対値が第1の閾値を超え且つ第2の閾値未満であるかの判断を行う第1のレベル判断手段と、前記差分画像の真中横エリアの平均値が第3の閾値を超え且つ前記差分画像の前記真中横エリアの標準偏差が第4の閾値を超え又は前記差分画像の真中縦エリアの平均値が第5の閾値を超え且つ前記差分画像の前記真中縦エリアの標準偏差が第6の閾値を超えるかの判断を行う第2のレベル判断手段と、前記第1のレベル判断手段での判断結果が否定的であり、且つ、前記第2のレベル判断手段での判断結果が否定的である場合に、前記窓領域画像に文字が存在していないと判断する第1の論理判断手段と、を備えることを特徴とする文字存在判断装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第1のレベル判断ステップ及び第2のレベル判断ステップを有し又は第1のレベル判断手段及び第2のレベル判断手段を備えるので、窓領域画像と基準画像との間に位置ズレがあり、これにより、実効部に枠が入った場合であっても、それを原因として、実効部に文字が存在すると誤って判断することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】そこに文字が存在するか否かを判断する記入欄を有する申込用紙の例を示す図である。
【図2】(a)は、未記入の記入欄を示し、(b)は、記入済の記入欄を示す。
【図3】本発明の実施形態による文字存在判断装置の構成を示すブロック図である。
【図4】枠、周辺部、実効部及び種々のエリアを示す図である。
【図5】差分画像のレベル分布を示すヒストグラムである。
【図6】本発明の実施形態による文字存在判断方法の全体を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態による文字存在判断方法の要部を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態により基準画像と窓領域画像とから差分画像を得る方法を説明するための第1の図である。
【図9】本発明の実施形態により基準画像と窓領域画像とから差分画像を得る方法を説明するための第2の図である。
【図10】本発明の実施例における各種の差分画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0015】
図3を参照すると、本発明の実施形態による文字存在判断装置は、画像読込部101、画像記憶部103、実効部設定部105、基準画像抽出部107、基準画像記憶部109、窓領域画像抽出部111、窓領域画像記憶部113、差分画像算出部115、差分画像記憶部117、第1のレベル判断部119、第2のレベル判断部121、第3のレベル判断部123、第4のレベル判断部125、第5のレベル判断部127、第1の論理判断部129、第2の論理判断部131、第3の論理判断部133、第4の論理判断部135、第5の論理判断部137、第6の論理判断部139、第7の論理判断部141、論理合成部143及び結果合成部145を含む。
【0016】
画像読込部101は、未記入の申込用紙を読み込んで、未記入読込画像を得る。また、画像読込部101は、申込者により所定の項目が記入された申込用紙を読み込んで、記入済読込画像を得る。画像記憶部103は、未記入読込画像及び記入済読込画像を記憶する。
【0017】
実効部設定部105は、未記入読込画像から基準画像を抽出するための実効部を設定する。この実効部は、記入済読込画像から窓領域画像を抽出するためのものでもある。図4を参照すると、「C1点」、「C2点」、「C4点」及び「C3点」は、枠の頂点を示し、「あ点」、「か点」、「や点」及び「ま点」は、実効部の頂点を示す。すなわち、実効部は、矩形の枠の内部(「C1点」、「C2点」、「C4点」及び「C3点」を結んだ枠の内部)のうち周辺部(「C1点」、「C2点」、「C4点」及び「C3点」を結んだ枠と「あ点」、「か点」、「や点」及び「ま点」を結んだ枠の間の部分)を除いた部分(「あ点」、「か点」、「や点」及び「ま点」を結んだ枠の内部)のことである。
【0018】
基準画像抽出部107は、未記入読込画像から基準画像を抽出する。ここで、基準画像とは、未記入読込画像のうち実効部にある画像のことである。基準画像記憶部109は、基準画像を記憶する。
【0019】
窓領域画像抽出部111は、記入済読込画像から窓領域画像を抽出する。ここで、窓領域画像とは、記入済読込画像のうち実効部にある画像のことである。窓領域画像記憶部113は、窓領域画像を記憶する。
【0020】
差分画像算出部115は、基準画像の各画素の値から窓領域画像の各画素の値を差し引くことにより、差分画像の各画素の値を求めることにより差分画像全体を得る。但し、差し引いて得られる値がゼロを下回る場合にはゼロに補正する。差分画像記憶部117は、差分画像を記憶する。
【0021】
第1のレベル判断部119〜第5のレベル判断部127及び第1の論理判断部129〜第7の論理判断部141の説明をする前に、種々のエリアを説明する。
【0022】
図4を参照すると、「上エリア」とは、「あ点」、「か点」、「し点」及び「き点」を結んだ枠の内部のことである。「下エリア」とは、「の点」、「ほ点」、「や点」及び「ま点」を結んだ枠の内部のことである。「左エリア」とは、「あ点」、「い点」、「み点」及び「ま点」を結んだ枠の内部のことである。「右エリア」とは、「お点」、「か点」、「や点」及び「も点」を結んだ枠の内部のことである。「真中横エリア」とは、「す点」、「つ点」、「ね点」及び「て点」を結んだ枠の内部のことである。「真中縦エリア」とは、「う点」、「え点」、「め点」及び「む点」を結んだ枠の内部のことである。「窓エリア全体」とは、上エリア、下エリア、左エリア、右エリア、真中横エリア及び真中縦エリアを合わせたもの(但し、重複を除く。)である。
【0023】
第1のレベル判断部119は、差分画像について第1のレベル判断を行う。具体的には、差分画像の上エリアの平均値と差分画像の下エリアの平均値との差分の絶対値が50を超え且つ90未満であるか否かを判断する。なお、平均値を算出する際には、エリア内のすべての画素の平均値を算出しても良いが、エリア内のサブサンプリングした画素の平均値を算出しても良い。以下の平均値の算出についても同様である。
【0024】
第2のレベル判断部121は、差分画像について第2のレベル判断を行う。具体的には、差分画像の真中横エリアの平均値が10を超え且つ差分画像の真中横エリアの標準偏差が10を超え又は差分画像の真中縦エリアの平均値が10を超え且つ差分画像の真中縦エリアの標準偏差が10を超えるか否かを判断する。
【0025】
第3のレベル判断部123は、差分画像について第3のレベル判断を行う。具体的には、差分画像の左エリアの平均値と差分画像の右エリアの平均値との差分の絶対値が50を超え且つ90未満であるか否かを判断する。
【0026】
第4のレベル判断部125は、差分画像について第4のレベル判断を行う。具体的には、差分画像の窓エリア全体の平均値が5を超えるか否かを判断する。
【0027】
第5のレベル判断部127は、差分画像について第5のレベル判断を行う。具体的には、差分画像の窓エリア全体に含まれる画素のうち、値が100を超える画素が占める割合が2%を超えるか否かを判断する。図5に示すように、文字が記入されていない場合には、値が100を超える画素が少ないが、文字が記入されている場合には、値が100を超える画素が多くなる。
【0028】
上記のレベル判断における比較レベルは、実験から求めた最適レベルであるが、画像を得る条件や各エリアの形状や面積などに応じて適宜変えてもよい。
【0029】
第1の論理判断部129は、第1のレベル判断の結果及び第2のレベル判断の結果を基に、第1の論理判断を行う。具体的には、第1のレベル判断の結果が否定的であり、且つ、第2のレベル判断の結果が否定的である場合に、窓領域画像に文字が存在していないと判断する。
【0030】
第2の論理判断部131は、第1のレベル判断の結果及び第2のレベル判断の結果を基に、第2の論理判断を行う。具体的には、第1のレベル判断の結果が否定的であり、且つ、第2のレベル判断の結果が肯定的である場合に、窓領域画像に文字が存在していると判断する。
【0031】
第3の論理判断部133は、第1のレベル判断の結果、第2のレベル判断の結果及び第3のレベル判断の結果を基に、第3の論理判断を行う。具体的には、第1のレベル判断の結果が肯定的であり、且つ、第2のレベル判断の結果が否定的であり、且つ、第3のレベル判断の結果が否定的である場合に、窓領域画像に文字が存在していないと判断する。
【0032】
第4の論理判断部135は、第1のレベル判断の結果、第2のレベル判断の結果及び第3のレベル判断の結果を基に、第4の論理判断を行う。具体的には、第1のレベル判断の結果が肯定的であり、且つ、第2のレベル判断の結果が肯定的であり、且つ、第3のレベル判断の結果が否定的である場合に、窓領域画像に文字が存在していると判断する。
【0033】
第5の論理判断部137は、第1のレベル判断の結果及び第3のレベル判断の結果を基に、第5の論理判断を行う。具体的には、第1のレベル判断の結果が肯定的であり、且つ、第3のレベル判断の結果が肯定的である場合に、窓領域画像に文字が存在していると判断する。
【0034】
第6の論理判断部139は、第4のレベル判断の結果を基に、第6の論理判断を行う。具体的には、第4のレベル判断の結果が否定的である場合に、窓領域画像に文字が存在していないと判断する。
【0035】
第7の論理判断部141は、第5のレベル判断の結果を基に、第7の論理判断を行う。具体的には、第5のレベル判断の結果が否定的である場合に、窓領域画像に文字が存在していないと判断する。
【0036】
論理合成部143は、第1乃至第7の論理判断を基に、論理合成を行う。具体的には、第1の論理判断部129、第3の論理判断部133、第6の論理判断部139又は第7の論理判断部141が、窓領域画像に文字が存在していないと判断した場合に、最終的に、窓領域画像に文字が存在していないと判断する。また、第2の論理判断部131、第4の論理判断部135又は第5の論理判断部137が、窓領域画像に文字が存在していると判断した場合に、最終的に、窓領域画像に文字が存在していると判断する。
【0037】
結果合成部145は、すべての枠に対応したすべての窓領域画像に文字が存在しているか否かの判断結果を合成する。
【0038】
次に、文字存在判断装置により行われる文字存在判断方法について図6、図7を参照して説明する。
【0039】
図6を参照すると、まず、画像読込部101は、未記入の申込書を読み込み、未記入読込画像を得る(ステップS201)。
【0040】
次に、画像記憶部103は、未記入読込画像を記憶する(ステップS203)。
【0041】
次に、画像読込部101は、記入済の申込書を読み込み、記入済読込画像を得る(ステップS205)。
【0042】
次に、画像記憶部103は、記入済読込画像を記憶する(ステップS207)。
【0043】
次に、すべての枠について、ステップS209SとステップS209Eの間にあるステップを繰り返す。ここで、各枠は、暗証番号の各桁に対応する。
【0044】
各繰り返しにおいては、まず、実効部設定部105は、現在の枠に対応する実効部を設定する(ステップS211)。
【0045】
次に、基準画像抽出部107は、未記入読込画像から基準画像を抽出する(ステップS213)。
【0046】
次に、基準画像記憶部109は、基準画像を記憶する(ステップS215)。
【0047】
次に、窓領域画像抽出部111は、記入済読込画像から窓領域画像を抽出する(ステップS217)。
【0048】
次に、窓領域画像記憶部113は、窓領域画像を記憶する(ステップS219)。
【0049】
次に、差分画像算出部115は、差分画像を算出する(ステップS221)。
【0050】
次に、差分画像記憶部117は、差分画像を記憶する(ステップS223)。
【0051】
次に、第1のレベル判断部119〜第5のレベル判断部127、第1の論理判断部129〜第7の論理判断部141及び論理合成部143は、現在の枠内の窓領域画像に文字が存在しているか否かを判断する(ステップS225)。このステップS225の詳細については、後述する。
【0052】
ステップS209S〜ステップS209Eの繰り返しを終了したならば、結果合成部145は、各枠についてのステップS225での判断結果を基に、すべての文字が存在しているか否かを判断する(ステップS227)。
【0053】
次に、ステップS225の詳細について説明をする。図7を参照すると、まず、第4のレベル判断部125は、第4のレベル判断を行う(ステップS251)。第4のレベル判断が具体的にどのようなものであるかについては既に説明したので、重複する説明を省略する。
【0054】
ステップS251での判断結果が否定的である場合には、第6の論理判断部139及び論理合成部143は、窓領域画像に文字が存在していないと判断する(ステップS271)。
【0055】
ステップS251での判断結果が肯定的である場合には、第5のレベル判断部127は、第5のレベル判断を行う(ステップS253)。第5のレベル判断が具体的にどのようなものであるかについては既に説明したので、重複する説明を省略する。
【0056】
ステップS253での判断結果が否定的である場合には、第7の論理判断部141及び論理合成部143は、窓領域に文字が存在していないと判断する(ステップS275)。
【0057】
ステップS253での判断結果が肯定的である場合には、第1のレベル判断部119は、第1のレベル判断を行う(ステップS255)。第1のレベル判断が具体的にどのようなものであるかについては既に説明したので、重複する説明を省略する。
【0058】
ステップS255での判断結果が否定的である場合には、ステップS279に進む。
【0059】
ステップS255での判断結果が肯定的である場合には、第3のレベル判断部123は、第3のレベル判断を行う(ステップS257)。第3のレベル判断が具体的にどのようなものであるかについては既に説明したので、重複する説明を省略する。
【0060】
ステップS257での判断結果が否定的である場合には、ステップS279に進む。
【0061】
ステップS257での判断結果が肯定的である場合には、第5の論理判断部137及び論理合成部143は、窓領域画像に文字が存在していると判断する(ステップS259)。
【0062】
第2のレベル判断部121は、ステップS279で、第2のレベル判断を行う。第2のレベル判断が具体的にどのようなものであるかについては既に説明したので、重複する説明を省略する。
【0063】
第1の論理判断部129及び論理合成部143は、第1のレベル判断の結果が否定的であり(ステップS255でNO)、且つ、第2のレベル判断の結果が否定的である(ステップS279でNO)場合に、窓領域画像に文字が存在していないと判断する(ステップS285)。
【0064】
第2の論理判断部131及び論理合成部143は、第1のレベル判断の結果が否定的であり(ステップS255でNO)、且つ、第2のレベル判断の結果が肯定的である(ステップS279でYES)場合に、窓領域画像に文字が存在していると判断する(ステップS281)。
【0065】
第3の論理判断部133及び論理合成部143は、第1のレベル判断の結果が肯定的であり(ステップS255でYES)、且つ、第3のレベル判断の結果が否定的であり(ステップS257でNO)、且つ、第2のレベル判断の結果が否定的である(ステップS279でNO)場合に、窓領域画像に文字が存在していないと判断する(ステップS285)。
【0066】
第4の論理判断部135及び論理合成部143は、第1のレベル判断の結果が肯定的であり(ステップS255でYES)、且つ、第3のレベル判断の結果が否定的であり(ステップS257でNO)、且つ、第2のレベル判断の結果が肯定的である(ステップS279でYES)場合に、窓領域画像に文字が存在していると判断する(ステップS281)。
【0067】
なお、差分画像算出部115は、差分画像算出ステップS221で、基準画像から窓領域画像を差し引くことにより差分画像を算出する代わりに、窓領域画像から基準画像を差し引くことにより差分画像を算出し、第1のレベル判断部119乃至第5のレベル判断部127でそれぞれ行われる第1乃至第5のレベル判断ステップでの大小関係を反転させてもよい。
【0068】
また、記憶部を除く各部は、ハードウェアの代わりに、ソフトウェア又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実現することもできる。
【実施例1】
【0069】
次に、窓領域画像の具体例を用いて、本発明の実施例を説明する。
【0070】
暗証番号の各文字を記入する領域は白色であり、例えば、黒色の枠に囲まれているので、基準画像の断面のレベルは、図8(a)に示すようになる。また、反転後の窓領域画像の断面のレベルは、図8(b)に示すようになる。そして、差分画像の断面のレベルは、図8(c)に示すようになる。未記入読込画像を取得するときの申込用紙の位置と記入済読込画像を取得するときの申込用紙の位置とのズレにより、図8(c)に示すように、差分画像の左側に枠に起因する白色部(以下、略して単に「枠」という。)が生じている。しかし、図8の例では、ズレが僅かであるため、白色部は、実効部には入っていない。これに対し、図9の例では、そのズレが大きいため図9(c)に示すように枠は実効部に入っている。本発明では、このように、実効部に枠が入っている場合、その枠を間違えて文字であると認識することを回避する。
【0071】
図10(a)に示す差分画像は、文字が記入されておらず、枠が実効部に入っていない場合の例である。この例では、差分画像の窓エリア全体の平均値が5以下であるため、ステップS251での判断結果が否定的となり、ステップS271で窓領域画像に文字が存在していないと判断され、ステップS273で終了する。
【0072】
図10(b)に示す差分画像は、文字が記入されておらず、上エリアと左エリアに枠が入っている場合の例である。但し、上エリアに入っている枠も左エリアに入っている枠も極細である。この例では、差分画像の窓エリア全体の平均値が5を超えるが、差分画像の窓エリア全体に含まれる画素のうち、値が100を超える画素が占める割合が2%以下であるため、ステップS251での判断結果が肯定的となり、ステップS253での判断結果が否定的となり、ステップS275で窓領域に文字が存在していないと判断され、ステップS277で終了する。
【0073】
図10(c)に示す差分画像は、文字が記入されておらず、枠が実効部に入っておらず、ノイズが実効部に入っている場合の例である。この例では、図10(b)の例と同様に、差分画像の窓エリア全体の平均値が5を超えるが、差分画像の窓エリア全体に含まれる画素のうち、値が100を超える画素が占める割合が2%以下であるため、ステップS251での判断結果が肯定的となり、ステップS253での判断結果が否定的となり、ステップS275で窓領域に文字が存在していないと判断され、ステップS277で終了する。
【0074】
図10(d)に示す差分画像は、文字が記入されておらず、上エリアに枠が入っている場合の例である。上エリアに入っている枠は太い。この例では、差分画像の窓エリア全体の平均値が5を超える。また、差分画像の窓エリア全体に含まれる画素のうち、値が100を超える画素が占める割合が2%を超える。更に、差分画像の上エリアの平均値と差分画像の下エリアの平均値との差分の絶対値が90以上である。更に、差分画像の真中横エリアの平均値が10以下であり、差分画像の真中横エリアの標準偏差が10以下であり、差分画像の真中縦エリアの平均値が10以下であり、差分画像の真中縦エリアの標準偏差が10以下である。従って、ステップS251での判断結果が肯定的となり、ステップS253での判断結果が肯定的となり、ステップS255での判断結果が否定的となり、ステップS279での判断結果が否定的となり、ステップS285で窓領域に文字が存在していないと判断され、ステップS287で終了する。
【0075】
図10(e)に示す差分画像は、文字が記入されておらず、上エリアと左エリアに枠が入っている場合の例である。上エリアに入っている枠と左エリアに入っている枠は太い。この例では、差分画像の窓エリア全体の平均値が5を超える。また、差分画像の窓エリア全体に含まれる画素のうち、値が100を超える画素が占める割合が2%を超える。更に、差分画像の上エリアの平均値と差分画像の下エリアの平均値との差分の絶対値が90以上である。更に、差分画像の真中横エリアの平均値が10以下であり、差分画像の真中横エリアの標準偏差が10以下であり、差分画像の真中縦エリアの平均値が10以下であり、差分画像の真中縦エリアの標準偏差が10以下である。従って、ステップS251での判断結果が肯定的となり、ステップS253での判断結果が肯定的となり、ステップS255での判断結果が否定的となり、ステップS279での判断結果が否定的となり、ステップS285で窓領域に文字が存在していないと判断され、ステップS287で終了する。なお、差分画像の左エリアの平均値と差分画像の右エリアの平均値との差分の絶対値が90以上であるがこれはみられない。
【0076】
図10(f)に示す差分画像は、文字が記入されており、左エリアに枠が入っている場合の例である。左エリアに入っている枠は太い。この例では、差分画像の窓エリア全体の平均値が5を超える。また、差分画像の窓エリア全体に含まれる画素のうち、値が100を超える画素が占める割合が2%を超える。更に、差分画像の上エリアの平均値と差分画像の下エリアの平均値との差分の絶対値が50以下である。更に、差分画像の真中横エリアの平均値が10以下を超え、且つ、差分画像の真中横エリアの標準偏差が10を超えるという条件と、差分画像の真中縦エリアの平均値が10を超え、且つ、差分画像の真中縦エリアの標準偏差が10を超えるという条件のうち少なくとも一方が満たされる。従って、ステップS251での判断結果が肯定的となり、ステップS253での判断結果が肯定的となり、ステップS255での判断結果が否定的となり、ステップS279での判断結果が肯定的となり、ステップS281で窓領域に文字が存在していると判断され、ステップS283で終了する。
【0077】
図10(g)に示す差分画像は、文字が記入されており、枠が実効部に入っていない場合の例である。この例では、差分画像の窓エリア全体の平均値が5を超える。また、差分画像の窓エリア全体に含まれる画素のうち、値が100を超える画素が占める割合が2%を超える。更に、差分画像の上エリアの平均値と差分画像の下エリアの平均値との差分の絶対値が50以下である。更に、差分画像の真中横エリアの平均値が10以下を超え、且つ、差分画像の真中横エリアの標準偏差が10を超えるという条件と、差分画像の真中縦エリアの平均値が10を超え、且つ、差分画像の真中縦エリアの標準偏差が10を超えるという条件のうち少なくとも一方が満たされる。従って、ステップS251での判断結果が肯定的となり、ステップS253での判断結果が肯定的となり、ステップS255での判断結果が否定的となり、ステップS279での判断結果が肯定的となり、ステップS281で窓領域に文字が存在していると判断され、ステップS283で終了する。なお、差分画像の左エリアの平均値と差分画像の右エリアの平均値との差分の絶対値が50以下であるがこれはみられない。
【0078】
図10(h)に示す差分画像は、文字が記入されており、上エリアに枠が入っている場合の例である。上エリアに入っている枠は太い。この例では、差分画像の窓エリア全体の平均値が5を超える。また、差分画像の窓エリア全体に含まれる画素のうち、値が100を超える画素が占める割合が2%を超える。更に、差分画像の上エリアの平均値と差分画像の下エリアの平均値との差分の絶対値が90以上である。更に、差分画像の真中横エリアの平均値が10以下を超え、且つ、差分画像の真中横エリアの標準偏差が10を超えるという条件と、差分画像の真中縦エリアの平均値が10を超え、且つ、差分画像の真中縦エリアの標準偏差が10を超えるという条件のうち少なくとも一方が満たされる。従って、ステップS251での判断結果が肯定的となり、ステップS253での判断結果が肯定的となり、ステップS255での判断結果が否定的となり、ステップS279での判断結果が肯定的となり、ステップS281で窓領域に文字が存在していると判断され、ステップS283で終了する。
【0079】
図10(i)に示す差分画像は、文字が記入されており、上エリアと左エリアに枠が入っている場合の例である。上エリアに入っている枠及び左エリアに入っている枠は太い。この例では、差分画像の窓エリア全体の平均値が5を超える。また、差分画像の窓エリア全体に含まれる画素のうち、値が100を超える画素が占める割合が2%を超える。更に、差分画像の上エリアの平均値と差分画像の下エリアの平均値との差分の絶対値が90以上である。更に、差分画像の真中横エリアの平均値が10以下を超え、且つ、差分画像の真中横エリアの標準偏差が10を超えるという条件と、差分画像の真中縦エリアの平均値が10を超え、且つ、差分画像の真中縦エリアの標準偏差が10を超えるという条件のうち少なくとも一方が満たされる。従って、ステップS251での判断結果が肯定的となり、ステップS253での判断結果が肯定的となり、ステップS255での判断結果が否定的となり、ステップS279での判断結果が肯定的となり、ステップS281で窓領域に文字が存在していると判断され、ステップS283で終了する。なお、差分画像の左エリアの平均値と差分画像の右エリアの平均値との差分の絶対値が90以上であるがこれはみられない。
【0080】
図10(j)に示す差分画像は、文字が記入されておらず、上エリアと左エリアに枠が入っている場合の例である。上エリアに入っている枠は細く、左エリアに入っている枠は太い。この例では、差分画像の窓エリア全体の平均値が5を超える。また、差分画像の窓エリア全体に含まれる画素のうち、値が100を超える画素が占める割合が2%を超える。更に、差分画像の上エリアの平均値と差分画像の下エリアの平均値との差分の絶対値は、50を超え90未満である。更に、差分画像の左エリアの平均値と差分画像の右エリアの平均値との差分の絶対値は、90以上である。更に、差分画像の真中横エリアの平均値は10未満であり、差分画像の真中横エリアの標準偏差は10未満であり、差分画像の真中縦エリアの平均値は10未満であり、差分画像の真中縦エリアの標準偏差は10未満である。従って、ステップS251での判断結果が肯定的となり、ステップS253での判断結果が肯定的となり、ステップS255での判断結果が肯定的となり、ステップS257での判断結果が否定的となり、ステップS279での判断結果が否定的となり、ステップS285で窓領域に文字が存在していないと判断され、ステップS287で終了する。
【0081】
図10(k)に示す差分画像は、文字が記入されておらず、上エリアに枠が入っている場合の例である。上エリアに入っている枠は細い。この例では、差分画像の窓エリア全体の平均値が5を超える。また、差分画像の窓エリア全体に含まれる画素のうち、値が100を超える画素が占める割合が2%を超える。更に、差分画像の上エリアの平均値と差分画像の下エリアの平均値との差分の絶対値は、50を超え90未満である。更に、差分画像の左エリアの平均値と差分画像の右エリアの平均値との差分の絶対値は、50以下である。更に、差分画像の真中横エリアの平均値は10未満であり、差分画像の真中横エリアの標準偏差は10未満であり、差分画像の真中縦エリアの平均値は10未満であり、差分画像の真中縦エリアの標準偏差は10未満である。従って、ステップS251での判断結果が肯定的となり、ステップS253での判断結果が肯定的となり、ステップS255での判断結果が肯定的となり、ステップS257での判断結果が否定的となり、ステップS279での判断結果が否定的となり、ステップS285で窓領域に文字が存在していないと判断され、ステップS287で終了する。
【0082】
図10(l)に示す差分画像は、文字が記入されており、上エリアと左エリアに枠が入っている場合の例である。上エリアに入っている枠は細く、左エリアに入っている枠は太い。この例では、差分画像の窓エリア全体の平均値が5を超える。また、差分画像の窓エリア全体に含まれる画素のうち、値が100を超える画素が占める割合が2%を超える。更に、差分画像の上エリアの平均値と差分画像の下エリアの平均値との差分の絶対値は、50を超え90未満である。更に、差分画像の左エリアの平均値と差分画像の右エリアの平均値との差分の絶対値は、90以上である。更に、差分画像の真中横エリアの平均値が10を超え、且つ、差分画像の真中横エリアの標準偏差が10を超えるという条件と、差分画像の真中縦エリアの平均値が10を超え、且つ、差分画像の真中縦エリアの標準偏差が10を超えるという条件のうち少なくとも一方が満たされる。従って、ステップS251での判断結果が肯定的となり、ステップS253での判断結果が肯定的となり、ステップS255での判断結果が肯定的となり、ステップS257での判断結果が否定的となり、ステップS279での判断結果が肯定的となり、ステップS281で窓領域に文字が存在していると判断され、ステップS283で終了する。
【0083】
図10(m)に示す差分画像は、文字が記入されており、上エリアに枠が入っている場合の例である。上エリアに入っている枠は細い。この例では、差分画像の窓エリア全体の平均値が5を超える。また、差分画像の窓エリア全体に含まれる画素のうち、値が100を超える画素が占める割合が2%を超える。更に、差分画像の上エリアの平均値と差分画像の下エリアの平均値との差分の絶対値は、50を超え90未満である。更に、差分画像の左エリアの平均値と差分画像の右エリアの平均値との差分の絶対値は、50以下である。更に、差分画像の真中横エリアの平均値が10を超え、且つ、差分画像の真中横エリアの標準偏差が10を超えるという条件と、差分画像の真中縦エリアの平均値が10を超え、且つ、差分画像の真中縦エリアの標準偏差が10を超えるという条件のうち少なくとも一方が満たされる。従って、ステップS251での判断結果が肯定的となり、ステップS253での判断結果が肯定的となり、ステップS255での判断結果が肯定的となり、ステップS257での判断結果が否定的となり、ステップS279での判断結果が肯定的となり、ステップS281で窓領域に文字が存在していると判断され、ステップS283で終了する。
【0084】
図10(n)に示す差分画像は、文字が記入されている場合の例である。文字は、右エリアと下エリアにかかっている。この例では、差分画像の窓エリア全体の平均値が5を超える。また、差分画像の窓エリア全体に含まれる画素のうち、値が100を超える画素が占める割合が2%を超える。更に、差分画像の上エリアの平均値と差分画像の下エリアの平均値との差分の絶対値は、50を超え90未満である。更に、差分画像の左エリアの平均値と差分画像の右エリアの平均値との差分の絶対値は、50を超え90未満である。従って、ステップS251での判断結果が肯定的となり、ステップS253での判断結果が肯定的となり、ステップS255での判断結果が肯定的となり、ステップS257での判断結果が肯定的となり、ステップS259で窓領域に文字が存在していると判断され、ステップS261で終了する。
【符号の説明】
【0085】
101 画像読込部
103 画像記憶部
105 実効部設定部
107 基準画像抽出部
109 基準画像記憶部
111 窓領域画像抽出部
113 窓領域画像記憶部
115 差分画像算出部
117 差分画像記憶部
119 第1のレベル判断部
121 第2のレベル判断部
123 第3のレベル判断部
125 第4のレベル判断部
127 第5のレベル判断部
129 第1の論理判断部
131 第2の論理判断部
133 第3の論理判断部
135 第4の論理判断部
137 第5の論理判断部
139 第6の論理判断部
141 第7の論理判断部
143 論理合成部
145 結果合成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象となる読込画像の枠内の窓領域画像に文字が存在しているか否かを、文字が未記入である場合の読込画像の枠内の基準画像を参照して判断する文字存在判断方法であって、
前記基準画像から前記窓領域画像を差し引くことにより差分画像を算出する差分画像算出ステップと、
前記差分画像の第1辺エリアの平均値と前記差分画像の前記第1辺エリアと対向する第2辺エリアの平均値との差分の絶対値が第1の閾値を超え且つ第2の閾値未満であるかの判断を行う第1のレベル判断ステップと、
前記差分画像の真中横エリアの平均値が第3の閾値を超え且つ前記差分画像の前記真中横エリアの標準偏差が第4の閾値を超え又は前記差分画像の真中縦エリアの平均値が第5の閾値を超え且つ前記差分画像の前記真中縦エリアの標準偏差が第6の閾値を超えるかの判断を行う第2のレベル判断ステップと、
前記第1のレベル判断ステップでの判断結果が否定的であり、且つ、前記第2のレベル判断ステップでの判断結果が否定的である場合に、前記窓領域画像に文字が存在していないと判断する第1の論理判断ステップと、
を有することを特徴とする文字存在判断方法。
【請求項2】
請求項1に記載の文字存在判断方法であって、
前記第1のレベル判断ステップでの判断結果が否定的であり、且つ、前記第2のレベル判断ステップでの判断結果が肯定的である場合に、前記窓領域に文字が存在していると判断する第2の論理判断ステップを更に有することを特徴とする文字存在判断方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の文字存在判断方法であって、
前記差分画像の前記第1辺エリアに隣接する第3辺エリアの平均値と前記差分画像の前記第3辺エリアと対向する第4辺エリアの平均値との差分の絶対値が第7の閾値を超え且つ第8の閾値未満であるかの判断を行う第3のレベル判断ステップと、
前記第1のレベル判断ステップでの判断結果が肯定的であり、且つ、前記第2のレベル判断ステップでの判断結果が否定的であり、且つ、前記第3のレベル判断ステップでの判断結果が否定的である場合に、前記窓領域画像に文字が存在していないと判断する第3の論理判断ステップと、
を更に有することを特徴とする文字存在判断方法。
【請求項4】
請求項3に記載の文字存在判断方法であって、
前記第1のレベル判断ステップでの判断結果が肯定的であり、且つ、前記第2のレベル判断ステップでの判断結果が肯定的であり、且つ、前記第3のレベル判断ステップでの判断結果が否定的である場合に、前記窓領域画像に文字が存在していると判断する第4の論理判断ステップを更に有することを特徴とする文字存在判断方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の文字存在判断方法であって、
前記第1のレベル判断ステップでの判断結果が肯定的であり、且つ、前記第3のレベル判断ステップでの判断結果が肯定的である場合に、前記窓領域に文字が存在していると判断する第5の論理判断ステップを更に有することを特徴とする文字存在判断方法。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の文字存在判断方法であって、
前記差分画像の第1辺エリア、第2辺エリア、第3辺エリア、第4辺エリア、真中横エリア及び真中縦エリアを合わせたエリアの平均値が第9の閾値を超えるか否かを判断する第4のレベル判断ステップと、
前記第4のレベル判断ステップでの判断結果が否定的である場合に、前記窓領域に文字が存在していないと判断する第6の論理判断ステップと、
を更に有することを特徴とする文字存在判断方法。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の文字存在判断方法であって、
前記差分画像の第1辺エリア、第2辺エリア、第3辺エリア、第4辺エリア、真中横エリア及び真中縦エリアを合わせたエリアに含まれる画素のうち、値が第10の閾値を超える画素が占める割合が第11の閾値を超えるか否かを判断する第5のレベル判断ステップと、
前記第5のレベル判断ステップでの判断結果が否定的である場合に、前記窓領域に文字が存在していないと判断する第7の論理判断ステップと、
を更に有することを特徴とする文字存在判断方法。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の文字存在判断方法であって、
前記差分画像算出ステップでは、前記窓領域の基準画像から前記窓領域画像を差し引くことにより差分画像を算出する代わりに、前記窓領域画像から前記窓領域の基準画像を差し引くことにより差分画像を算出し、第1乃至第5のレベル判断ステップでの大小関係が反転したことを特徴とする文字存在判断方法。
【請求項9】
対象となる読込画像の枠内の窓領域画像に文字が存在しているか否かを、文字が未記入である場合の読込画像の枠内の基準画像を参照して判断する文字存在判断装置であって、
前記窓領域の基準画像から前記窓領域画像を差し引くことにより差分画像を算出する差分画像算出手段と、
前記差分画像の第1辺エリアの平均値と前記差分画像の前記第1辺エリアと対向する第2辺エリアの平均値との差分の絶対値が第1の閾値を超え且つ第2の閾値未満であるかの判断を行う第1のレベル判断手段と、
前記差分画像の真中横エリアの平均値が第3の閾値を超え且つ前記差分画像の前記真中横エリアの標準偏差が第4の閾値を超え又は前記差分画像の真中縦エリアの平均値が第5の閾値を超え且つ前記差分画像の前記真中縦エリアの標準偏差が第6の閾値を超えるかの判断を行う第2のレベル判断手段と、
前記第1のレベル判断手段での判断結果が否定的であり、且つ、前記第2のレベル判断手段での判断結果が否定的である場合に、前記窓領域画像に文字が存在していないと判断する第1の論理判断手段と、
を備えることを特徴とする文字存在判断装置。
【請求項10】
請求項9に記載の文字存在判断装置であって、
前記第1のレベル判断手段での判断結果が否定的であり、且つ、前記第2のレベル判断手段での判断結果が肯定的である場合に、前記窓領域に文字が存在していると判断する第2の論理判断手段を更に備えることを特徴とする文字存在判断装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の文字存在判断装置であって、
前記差分画像の前記第1辺エリアに隣接する第3辺エリアの平均値と前記差分画像の前記第3辺エリアと対向する第4辺エリアの平均値との差分の絶対値が第7の閾値を超え且つ第8の閾値未満であるかの判断を行う第3のレベル判断手段と、
前記第1のレベル判断手段での判断結果が肯定的であり、且つ、前記第2のレベル判断手段での判断結果が否定的であり、且つ、前記第3のレベル判断手段での判断結果が否定的である場合に、前記窓領域画像に文字が存在していないと判断する第3の論理判断手段と、
を更に備えることを特徴とする文字存在判断装置。
【請求項12】
請求項11に記載の文字存在判断装置であって、
前記第1のレベル判断手段での判断結果が肯定的であり、且つ、前記第2のレベル判断手段での判断結果が肯定的であり、且つ、前記第3のレベル判断手段での判断結果が否定的である場合に、前記窓領域画像に文字が存在していると判断する第4の論理判断手段を更に備えることを特徴とする文字存在判断装置。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の文字存在判断装置であって、
前記第1のレベル判断手段での判断結果が肯定的であり、且つ、前記第3のレベル判断手段での判断結果が肯定的である場合に、前記窓領域に文字が存在していると判断する第5の論理判断手段を更に備えることを特徴とする文字存在判断装置。
【請求項14】
請求項9乃至13の何れか1項に記載の文字存在判断装置であって、
前記差分画像の第1辺エリア、第2辺エリア、第3辺エリア、第4辺エリア、真中横エリア及び真中縦エリアを合わせたエリアの平均値が第9の閾値を超えるか否かを判断する第4のレベル判断手段と、
前記第4のレベル判断手段での判断結果が否定的である場合に、前記窓領域に文字が存在していないと判断する第6の論理判断手段と、
を更に備えることを特徴とする文字存在判断装置。
【請求項15】
請求項9乃至14の何れか1項に記載の文字存在判断装置であって、
前記差分画像の第1辺エリア、第2辺エリア、第3辺エリア、第4辺エリア、真中横エリア及び真中縦エリアを合わせたエリアに含まれる画素のうち、値が第10の閾値を超える画素が占める割合が第11の閾値を超えるか否かを判断する第5のレベル判断手段と、
前記第5のレベル判断手段での判断結果が否定的である場合に、前記窓領域に文字が存在していないと判断する第7の論理判断手段と、
を更に備えることを特徴とする文字存在判断装置。
【請求項16】
請求項9乃至15の何れか1項に記載の文字存在判断装置であって、
前記差分画像算出手段では、前記窓領域の基準画像から前記窓領域画像を差し引くことにより差分画像を算出する代わりに、前記窓領域画像から前記窓領域の基準画像を差し引くことにより差分画像を算出し、第1乃至第5のレベル判断手段での大小関係が反転したことを特徴とする文字存在判断装置。
【請求項17】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の文字存在判断方法をコンピュータに行わせるための文字存在判断プログラム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図5】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−79103(P2012−79103A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223823(P2010−223823)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(000162113)共同印刷株式会社 (488)
【Fターム(参考)】