説明

新規なイミダゾール置換アリールアミド

式(I)[式中、Rは、場合により置換されているイミダゾリルであり、そしてR、R、R、R、R、R及びRは、本明細書中で定義したとおりである]で示される化合物。また、P2X及び/又はP2X2/3受容体アンタゴニストにより仲介される疾患を処置するための化合物の使用方法、ならびに主題化合物の製造方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、P2Xプリン作動性受容体に関連する疾患の処置のために有用な化合物に関し、そしてより具体的には泌尿生殖器、疼痛、炎症性、胃腸及び呼吸器の疾患、症状及び障害の処置のために有用なP2X及び/又はP2X2/3アンタゴニストに関する。
【背景技術】
【0002】
膀胱は、二つの重要な生理機能である、蓄尿及び排尿を担っている。この過程は、二つの主要なステップ:(1)膀胱壁の張力が閾値レベルよりも上に上昇するまで、膀胱が漸進的に充満するステップ;及び(2)膀胱を空にするか、又はこれができなければ、少なくとも意識的に尿意を催させる、排尿反射と呼ばれる神経反射が起こるステップを含む。排尿反射が自律脊髄反射であるにもかかわらず、これはまた大脳皮質又は脳の中枢よって阻害され又は介在されることができる。
【0003】
細胞外プリン受容体を介して作用するプリンは、様々な生理学的及び病理学的役割を有するとされている(参照、Burnstock (1993) Drug Dev. Res. 28:195-206.)。ATP及び、それ程ではないにせよ、アデノシンは、感覚神経終末を刺激して激痛及び感覚神経放電を顕著に増大させることができる。ATP受容体は、分子構造、伝達機序及び薬理学的特徴に基づいて二つの主要なファミリー、即ちP2Y−及びP2X−プリン受容体に分類されている。P2Y−プリン受容体は、Gタンパク質共役型受容体であり、一方、P2X−プリン受容体は、ATP作動性陽イオンチャネル(ATP-gated cation channel)ファミリーである。プリン作動性受容体、特にP2X受容体は、ホモ多量体又はヘテロ多量体を形成することが公知である。現在まで、6個のホモマー受容体:P2X;P2X;P2X;P2X;P2X;及びP2X;ならびに3個のヘテロマー受容体:P2X2/3;P2X4/6;P2X1/5を含む、幾つかのP2X受容体サブタイプのcDNAが、クローニングされている(参照、例えば、Chen, et al. (1995) Nature 377:428-431; Lewis, et al. (1995) Nature 377:432-435; 及びBurnstock (1997) Neurophamacol. 36:1127-1139)。マウスゲノムP2X受容体サブユニットの構造及び染色体マッピングについても記載されている(Souslova, et al. (1997) Gene 195:101-111)。P2X及びP2X受容体サブユニットのインビトロ同時発現は、幾つかの感覚ニューロンに見られる特性を有するATP作動性電流を生成させるのに必要である(Lewis, et al. (1995) Nature 377:432-435)。
【0004】
P2X受容体サブユニットは、齧歯類及びヒト膀胱尿路上皮の求心性神経上に見られる。ATPが、膨張の結果として膀胱又は他の中空器官の上皮/内皮細胞から放出されうることを示唆するデータが存在する(Burnstock (1999) J. Anatomy 194:335-342;及びFerguson et al. (1997) J. Physiol. 505:503-511)。このようにして放出されるATPは、上皮下成分、例えば上皮下固有層に位置する感覚ニューロンに情報を伝達する役割を担いうる(Namasivayam, et al. (1999) BJU Intl. 84:854-860)。P2X受容体は、感覚、交感、副交感、腸間膜、及び中枢ニューロンを含む、多くのニューロンで研究されてきた(Zhong, et al. (1998) Br. J. Pharmacol. 125:771-781)。これらの研究は、プリン作動性受容体が膀胱からの求心性神経伝達において役割を果たし、そしてP2X受容体モジュレーターが膀胱障害及び他の泌尿生殖器疾患又は症状の処置において有用である可能性を示す。
【0005】
最近の知見はまた、マウスの侵害受容応答における内因性ATP及びプリン作動性受容体の役割についても示唆している(Tsuda, et al. (1999) Br. J. Pharmacol. 128:1497-1504)。脊髄の後根神経節神経終末でのP2X受容体のATP誘起活性化が、侵害受容性シグナル伝達に関与する主要な神経伝達物質であるグルタミン酸(glutamate)の放出を刺激することが示されている(Gu and MacDermott, Nature 389:749-753 (1997))。P2X受容体は歯髄侵害受容ニューロン上で同定されている(Cook et al., Nature 387:505-508 (1997))。したがって、損傷を受けた細胞から放出されたATPは、侵害受容性感覚神経終末上の受容体を含む、P2X及び/又はP2X2/3を活性化することによって、疼痛を引き起こしうる。これは、ヒト疱疹に基づくモデルで、皮内適用したATPによる疼痛誘発と一致する(Bleehen, Br J Pharmacol 62:573-577 (1978))。P2Xアンタゴニストは、動物モデルで鎮痛性であることが示されている(Driessen and Starke, Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol 350:618-625 (1994))。この知見は、P2X及びP2Xが侵害受容に関与すること、ならびにP2X受容体モジュレーターが鎮痛剤として有用である可能性があることを示唆する。
【0006】
他の研究者達は、P2X受容体がヒト結腸で発現し、そして正常結腸よりも炎症を起こしている結腸でより高いレベルで発現することを示している(Yiangou et al, Neurogastroenterol Mot (2001) 13:365-69)。他の研究者達は、P2X受容体が腸における膨満又は管腔内圧の検出及び反射収縮の開始に関与しているとみなし(Bian et al., J Physiol (2003) 551.1:309-22)、そして彼らはこれと大腸炎を結び付けた(Wynn et al., Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol (2004) 287:G647-57)。
【0007】
Brounsら(Am J Respir Cell Mol Biol (2000) 23:52-61)は、P2X受容体が、肺神経上皮小体(NEB)で発現し、受容体が肺での疼痛伝達に関与することを見出した。より最近では、他の研究者達は、P2X及びP2X受容体が肺NEBにおけるpO検出に関与しているとみなしている(Rong et al., J Neurosci (2003) 23(36):11315-21)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、P2X及びP2X2/3受容体のアンタゴニストを含む、P2X受容体モジュレーターとして作用する化合物が必要とされ、ならびにP2X及び/又はP2X2/3受容体が介在する疾患、症状及び障害の処置のための方法が必要とされる。本発明は、他の必要性と共にこれらの必要性も満たす。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、式(I):
【0010】
【化1】


{式中、
は、場合により置換されているイミダゾリルであり、
は、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているピリジニル、場合により置換されているピリミジニル、場合により置換されているピリダジニル又は場合により置換されているチオフェニルであり;
は、水素;C1−6アルキル;ヘテロ−C1−6アルキル;又はシアノであり;
は、水素;C1−6アルキル;又はヘテロ−C1−6アルキルであるか;あるいは
とRは、それらが結合している原子と一緒になって、C3−6炭素環を形成してもよく;
は、C1−6アルキル;ヘテロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルキル;N−C1−6アルキルアミノ;N,N−ジ−(C1−6アルキル)−アミノ;C3−7シクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;ヘテロシクリル;C3−7シクロアルキル−C1−6アルキル;ヘテロアリール−C1−6アルキル;ヘテロシクリル−C1−6アルキル;アリール−C1−6アルキル;アリールオキシ−C1-6アルキル;−(CR−C(O)−R[ここで、mは、0又は1であり;R及びRは、各々独立に、水素;又はC1−6アルキルであり;そしてRは、水素;C1−6アルキル;ヘテロ−C1−6アルキル;C3−7シクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;ヘテロシクリル;C3−7シクロアルキル−C1−6アルキル;アリール−C1−6アルキル;ヘテロアリール−C1−6アルキル;ヘテロシクリル−C1−6アルキル;C3−7シクロアルキルオキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;ヘテロシクリルオキシ;C3−7シクロアルキルオキシ−C1−6アルキル;アリールオキシ−C1−6アルキル;ヘテロアリールオキシ−C1−6アルキル;ヘテロシクリルオキシ−C1−6アルキル;又は−NR10(ここで、Rは、水素;又はC1−6アルキルであり;そしてR10は、水素;C1−6アルキル;ヘテロ−C1−6アルキル;C3−7シクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;ヘテロシクリル;C3−7シクロアルキル−C1−6アルキル;アリール−C1−6アルキル;ヘテロアリール−C1−6アルキル;又はヘテロシクリル−C1−6アルキルである)である]であるか;あるいは、
とRは、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりヒドロキシで置換されているC3−6炭素環を形成してもよいか;あるいは
とRは、それらが結合している原子と一緒になって、O、N及びSから各々独立に選択される、1個又は2個のヘテロ原子を含有するC4−6複素環を形成してもよいか;あるいは
、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、1個又は2個の窒素原子を含有する6員ヘテロアリールを形成してもよく、そしてこれは、場合により、ハロ、アミノ又はC1−6アルキルで置換されており;そして
、R及びRは、各々独立に、水素;C1−6アルキル;C1−6アルキルオキシ;ハロ;C1−6ハロアルキル;又はシアノである}
で示される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩を提供する。
【0011】
本発明はまた、該化合物を含む医薬組成物、該化合物を使用する方法、及び該化合物の製造方法を提供する。
【0012】
特に断りのない限り、明細書及び特許請求の範囲を含む本出願で使用する下記の用語は、下記に示した定義を有する。明細書及び添付の特許請求の範囲で使用した単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容から明らかに違うものとして示されない限り、複数の意味をも含むことに注意されたい。
【0013】
「アゴニスト」は、別の化合物又は受容体部位の活性を増強する化合物を指す。
【0014】
「アルキル」は、1〜12個の炭素原子を有する、炭素原子及び水素原子のみからなる、直鎖状又は分岐鎖状の一価飽和炭化水素部分を意味する。「低級アルキル」は、炭素原子1〜6個のアルキル基、即ちC−Cアルキルを指す。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、オクチル、ドデシル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
「アルケニル」は、少なくとも1個の二重結合を含有する、2〜6個の炭素原子を有する直鎖状一価炭化水素基、又は3〜6個の炭素原子の分岐鎖状一価炭化水素基、例えば、エテニル、プロペニル等を意味する。
【0016】
「アルキニル」は、少なくとも1個の三重結合を含有する、2〜6個の炭素原子の直鎖状一価炭化水素基、又は3〜6個の炭素原子の分岐鎖状一価炭化水素基、例えば、エチニル、プロピニル等を意味する。
【0017】
「アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の直鎖状飽和二価炭化水素基、又は3〜6個の炭素原子の分岐鎖状飽和二価炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレン等を意味する。
【0018】
互換的に使用しうる「アルコキシ」及び「アルキルオキシ」は、本明細書中で定義される場合、式:−ORで示される部分を意味し、ここで、Rは、アルキル部分である。アルコキシ部分の例には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
「アルコキシアルキル」は、本明細書中で定義される場合、式:Ra’−O−Rb’−の部分を意味し、ここで、Ra’は、アルキルであり、そしてRb’は、アルキレンである。例示的なアルコキシアルキル基には、例として、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、1−メチル−2−メトキシエチル、1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシ−プロピル、及び1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシプロピルが挙げられる。
【0020】
「アルキルカルボニル」は、本明細書中で定義される場合、式:−R’−R”の部分を意味し、ここで、R’は、オキソであり、そしてR”は、アルキルである。
【0021】
「アルキルスルホニル」は、本明細書中で定義される場合、式:−R’−R”の部分を意味し、ここで、R’は、−SO−であり、そしてR”は、アルキルである。
【0022】
「アルキルスルホニルアルキル」は、本明細書中で定義される場合、式:−R’−R”−R’’’の部分を意味し、ここで、R’は、アルキレンであり、R”は、−SO−であり、そしてR’’’は、アルキルである。
【0023】
「アルキルアミノ」は、本明細書中で定義される場合、式:−NR−R’の部分を意味し、ここで、Rは、水素又はアルキルであり、そしてR’は、アルキルである。
【0024】
「アルコキシアミノ」は、本明細書中で定義される場合、式:−NR−OR’の部分を意味し、ここで、Rは、水素又はアルキルであり、そしてR’は、アルキルである。
【0025】
「アルキルスルファニル」は、本明細書中で定義される場合、式:−SRの部分を意味し、ここで、Rは、アルキルである。
【0026】
「アミノアルキル」は、本明細書中で定義される場合、基−R−R’を意味し、ここで、R’は、アミノであり、そしてRは、アルキレンである。「アミノアルキル」には、アミノメチル、アミノエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル等が挙げられる。「アミノアルキル」のアミノ部分は、アルキルで1回又は2回置換されていてもよく、それぞれ「アルキルアミノアルキル」及び「ジアルキルアミノアルキル」を与える。「アルキルアミノアルキル」には、メチルアミノメチル、メチルアミノエチル、メチルアミノプロピル、エチルアミノエチル等が挙げられる。「ジアルキルアミノアルキル」には、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、N−メチル−N−エチルアミノエチル等が挙げられる。
【0027】
「アミノアルコキシ」は、本明細書中で定義される場合、基−OR−R’を意味し、ここで、R’は、アミノであり、そしてRは、アルキレンである。
【0028】
「アルキルスルホニルアミド」は、式:−NR’SO−Rの部分であり、ここで、Rは、アルキルであり、そしてR’は水素又はアルキルである。
【0029】
「アミノカルボニルオキシアルキル」又は「カルバミルアルキル」は、本明細書中で定義される場合、式:−R−O−C(O)−NR’R”の基を意味し、ここで、Rは、アルキレンであり、そしてR’、R”は、各々独立して、水素又はアルキルである。
【0030】
「アルキニルアルコキシ」は、本明細書中で定義される場合、式:−O−R−R’の基を意味し、ここで、Rは、アルキレンであり、R’は、アルキニルである。
【0031】
「アンタゴニスト」は、別の化合物又は受容体部位の作用を減弱する又は阻害する化合物を指す。
【0032】
「アリール」は、単環、二環、又は三環式芳香族環からなる一価環式芳香族炭化水素部分を意味する。アリール基は、本明細書中で定義される場合、場合により置換されていることができる。アリール部分の例には、各々場合により置換されている、フェニル、ナフチル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニル、オキシジフェニル、ビフェニル、メチレンジフェニル、アミノジフェニル、ジフェニルスルフィジル、ジフェニルスルホニル、ジフェニルイソプロピリデニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキシリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジノニル、ベンゾピペラジニル(benzopiperadinyl)、ベンゾピペラジニル(benzopiperazinyl)、ベンゾピロリジニル、ベンゾモルホリニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル等(それらの部分的に水素化された誘導体も含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
互換的に使用しうる、「アリールアルキル」及び「アラルキル」は、本明細書中で定義される場合、基−Ra”b”を意味し、ここで、Ra”は、アルキレン基であり、そしてRb”は、アリール基であり;例えば、ベンジル、フェニルエチル、3−(3−クロロフェニル)−2−メチルペンチル等などのフェニルアルキル類が、アリールアルキルの例である。
【0034】
「アリールスルホニル」は、本明細書中で定義される場合、式:−SO−Rの基を意味し、ここで、Rは、アリールである。
【0035】
「アリールオキシ」は、本明細書中で定義される場合、式:−O−Rの基を意味し、ここで、Rは、アリールである。
【0036】
「アラルキルオキシ」は、本明細書中で定義される場合、式:−O−R−R”の基を意味し、ここで、Rは、アルキレンであり、そしてR”は、アリールである。
【0037】
「シアノアルキル」は、本明細書中で定義される場合、式:−R’−R”の部分を意味し、ここで、R’は、アルキレンであり、そしてR”は、シアノ又はニトリルである。
【0038】
「シクロアルキル」は、単環又は二環からなる一価飽和炭素環式部分を意味する。シクロアルキルは、1個以上の置換基で場合により置換されていることができ、その場合、各置換基は、特に断りない限り、独立して、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、又はジアルキルアミノである。シクロアルキル部分の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等(それらの部分的不飽和誘導体も含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
「シクロアルキルアルキル」は、本明細書中で定義される場合、式:−R’−R”の部分を意味し、ここで、R’は、アルキレンであり、そしてR”は、シクロアルキルである。
【0040】
「ヘテロアルキル」は、本明細書中で定義される場合、1、2、又は3個の水素原子が、−OR、−NR、及び−S(O)(ここで、nは0〜2の整数である)からなる群より独立して選択される置換基に置き換えられているアルキル基を意味し、ここで、ヘテロアルキル基の結合点は、炭素原子を介してであると理解され、ここで、Rは、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり;R及びRは、互いに独立に、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり;そしてnが、0である場合、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり、そしてnが、1又は2である場合、Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、又はジアルキルアミノである。代表的な例には、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシメチルエチル、3−ヒドロキシブチル、2,3−ジジヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルスルホニルエチル、アミノスルホニルメチル、アミノスルホニルエチル、アミノスルホニルプロピル、メチルアミノスルホニルメチル、メチルアミノスルホニルエチル、メチルアミノスルホニルプロピル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
「ヘテロアリール」は、N、O、又はSから選択される1、2、又は3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子はCである、少なくとも1個の芳香族環を有する5〜12個の環原子の単環又は二環式基を意味し、ここで、ヘテロアリール基の結合点は芳香族環上であると理解される。ヘテロアリール環は、本明細書中で定義される場合、場合により置換されていてもよい。ヘテロアリール部分の例には、各々場合により置換されている、場合により置換されているイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、チエニル、ベンゾチエニル、チオフェニル、フラニル、ピラニル、ピリジル、ピロリル、ピラゾリル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾピラニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、トリアジニル、キノキサリニル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニル等(それらの部分的に水素化されている誘導体も含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
「ヘテロアリールアルキル」又は「ヘテロアラルキル」は、本明細書中で定義される場合、式:−R−R’の基を意味し、ここで、Rは、アルキレンであり、そしてR’は、ヘテロアリールである。
【0043】
「ヘテロアリールスルホニル」は、本明細書中で定義される場合、式:−SO−Rの基を意味し、ここで、Rは、ヘテロアリールである。
【0044】
「ヘテロアリールオキシ」は、本明細書中で定義される場合、式:−O−Rの基を意味し、ここで、Rは、ヘテロアリールである。
【0045】
「ヘテロアラルキルオキシ」は、本明細書中で定義される場合、式:−O−R−R”の基を意味し、ここで、Rは、アルキレンであり、そしてR”は、ヘテロアリールである。
【0046】
互換的に使用しうる、用語「ハロ」、「ハロゲン」及び「ハロゲン化物」は、置換基フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを指す。
【0047】
「ハロアルキル」は、本明細書中で定義される場合、1個以上の水素が、同じ又は異なるハロゲンで置き換えられているアルキルを意味する。例示的なハロアルキルには、−CHCl、−CHCF、−CHCCl、ペルフルオロアルキル(例えば−CF)等が挙げられる。
【0048】
「ハロアルコキシ」は、本明細書中で定義される場合、式:−ORの部分を意味し、ここで、Rは、ハロアルキル部分である。例示的なハロアルコキシは、ジフルオロメトキシである。
【0049】
「ヘテロシクロアミノ」は、少なくとも1個の環原子が、N、NH、又はN−アルキルであり、残りの環原子がアルキレン基を形成している、飽和環を意味する。
【0050】
「ヘテロシクリル」は、1、2、3又は4個のヘテロ原子(窒素、酸素又は硫黄から選択される)を取り込んでいる、1〜3個の環からなる、一価飽和部分を意味する。ヘテロシクリル環は、本明細書中で定義される場合、場合により置換されていてもよい。ヘテロシクリル部分の例には、場合により置換されている、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼピニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キヌクリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、チアジアゾリリジニル、ベンゾチアゾリジニル、ベンゾアゾリリジニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル(dihydrisoquinolinyl)、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル(tetrahydrisoquinolinyl)等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
「ヘテロシクリルアルキル」は、本明細書中で定義される場合、式:−R−R’の部分を意味し、ここで、Rは、アルキレンであり、そしてR’は、ヘテロシクリルである。
【0052】
「ヘテロシクリルオキシ」は、本明細書中で定義される場合、式:−ORの部分を意味し、ここで、Rは、ヘテロシクリルである。
【0053】
「ヘテロシクリルアルコキシ」は、本明細書中で定義される場合、式:−OR−R’の部分を意味し、ここで、Rは、アルキレンであり、そしてR’は、ヘテロシクリルである。
【0054】
「ヒドロキシアルコキシ」は、本明細書中で定義される場合、式:−ORの部分を意味し、ここで、Rは、ヒドロキシアルキルである。
【0055】
「ヒドロキシアルキルアミノ」は、本明細書中で定義される場合、式:−NR−R’の部分を意味し、ここで、Rは、水素又はアルキルであり、そしてR’は、ヒドロキシアルキルである。
【0056】
「ヒドロキシアルキルアミノアルキル」は、本明細書中で定義される場合、式:−R−NR’−R”の部分を意味し、ここで、Rは、アルキレンであり、R’は、水素又はアルキルであり、そしてR”は、ヒドロキシアルキルである。
【0057】
「ヒドロキシカルボニルアルキル」又は「カルボキシアルキル」は、本明細書中で定義される場合、式:−R−(CO)−OHの基を意味し、ここで、Rは、アルキレンである。
【0058】
「ヒドロキシアルキルオキシカルボニルアルキル」又は「ヒドロキシアルコキシカルボニルアルキル」は、式:−R−(CO)−O−R−OHの基を意味し、ここで、各Rは、アルキレンであり、同じでも又は異なってもよい。
【0059】
「ヒドロキシアルキル」は、本明細書中で定義される場合、1個以上、好ましくは1、2又は3個のヒドロキシ基で置換されているアルキル部分を意味し、ただし、同じ炭素原子は、2個以上のヒドロキシ基を有していない。代表例には、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2,3-ジヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチル及び2−(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
「ヒドロキシシクロアルキル」は、本明細書中で定義される場合、シクロアルキル基中の1、2、又は3個の水素原子が、ヒドロキシ置換基に置き換えられている、シクロアルキル基を意味する。代表例には、2−、3−、又は4−ヒドロキシシクロヘキシル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
「ウレア」又は「ウレイド」は、式:−NR’−C(O)−NR”R’’’の基を意味し、ここで、R’、R”、及びR’’’は、各々独立して、水素又はアルキルである。
【0062】
「カルバマート」は、式:−O−C(O)−NR’R”の基を意味し、ここで、R’及びR”は、各々独立して、水素又はアルキルである。
【0063】
「カルボキシ」は、式:−O−C(O)−OHの基を意味する。
【0064】
「スルホンアミド」は、式:−SO−NR’R”の基を意味し、ここで、R’、R”及びR’’’は、各々独立して、水素又はアルキルである。

【0065】
「場合により置換されている」は、「アリール」、「フェニル」、「ヘテロアリール」、「シクロアルキル」又は「ヘテロシクリル」に関連して使用されている場合、場合により、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アシルアミノ、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、−COR、−SOR(ここで、Rは、水素、アルキル、フェニル又はフェニルアルキルである)、−(CR’R”)−COOR(ここで、nは、0〜5の整数であり、R’及びR”は、独立に、水素又はアルキルであり、そしてRは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル又はフェニルアルキルである)、又は−(CR’R”)−CONR(ここで、nは、0〜5の整数であり、R’及びR”は、独立に、水素又はアルキルであり、そしてR及びRは、互いに独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル又はフェニルアルキルである)から選択される1〜4個の置換基、好ましくは1又は2個の置換基で独立して置換されている、アリール、フェニル、ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリルを意味する。「アリール」、「フェニル」、「ヘテロアリール」、「シクロアルキル」又は「ヘテロシクリル」に関する特定の好ましい任意の置換基には、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、シアノ、アミノ及びアルキルスルホニルが挙げられる。より好ましい置換基は、メチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、メトキシ、アミノ及びメタンスルホニルである。
【0066】
「脱離基」は、合成有機化学において従来からそれに関連した意味を有する基、即ち、置換反応条件下で置換可能な原子又は基を意味する。脱離基の例には、ハロゲン、アルカン−又はアリーレンスルホニルオキシ、例えばメタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、チオメチル、ベンゼンスルホニルオキシ、トシルオキシ、及びチエニルオキシ、ジハロホスフィノイルオキシ、場合により置換されているベンジルオキシ、イソプロピルオキシ、アシルオキシ等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
「モジュレーター」は、標的と相互作用する分子を意味する。相互作用には、本明細書中で定義される場合、アゴニスト、アンタゴニスト等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
「場合による」又は「場合により」は、後に記載される事象又は状況が、生じてもよいが、生じる必要はないこと、及びこの記載に、その事象又は状況が生じる場合と生じない場合が包含されることを意味する。
【0069】
「疾患」及び「病状」は、任意の疾患、症状、症候、障害又は適応症を意味する。
【0070】
「不活性有機溶媒」又は「不活性溶媒」は、溶媒が、これと併せて記述される反応の条件下で不活性であることを意味し、これらは例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレン又はジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ピリジン等が挙げられる。特に断りない限り、本発明の反応に使用される溶媒は、不活性溶媒である。
【0071】
「薬学的に許容しうる」は、これが、一般に安全で非毒性で、かつ生物学的にも他の意味でも不適切でない医薬組成物を調製するのに有用であることを意味し、そしてこれが、ヒトへの薬学的使用だけでなく獣医学的使用にも許容しうるということを包含する。
【0072】
ある化合物の「薬学的に許容しうる塩」は、本明細書中で定義されるとおり薬学的に許容しうるものであり、かつ親化合物の所望の薬理学的活性を持つ塩を意味する。このような塩としては、下記が挙げられる:
塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等などの無機酸と形成されるか;又は酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフトエ酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、2−ナフタレンスルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸等などの有機酸と形成される、酸付加塩;あるいは
親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンで置換されるか;又は有機もしくは無機塩基と配位結合するときに形成される、塩。許容しうる有機塩基としては、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミン等が挙げられる。許容しうる無機塩基としては、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムが挙げられる。
【0073】
好ましい薬学的に許容しうる塩は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リン酸、酒石酸、クエン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムから形成される塩である。
【0074】
薬学的に許容しうる塩への全ての言及には、同じ酸付加塩の本明細書中で定義される溶媒付加形態(溶媒和物)又は結晶形態(多形)が含まれることを理解されたい。
【0075】
「保護基(protective group)」又は「保護基(protecting group)」は、合成化学において従来からそれに関連した意味で、多官能基化合物中の1つの反応部位を選択的にブロックし、その結果ある化学反応を、別の非保護反応部位で選択的に行うことができる、基を意味する。本発明のあるプロセスでは、反応物に存在する反応性窒素及び/又は酸素原子をブロックするのに保護基に頼っている。例えば、用語「アミノ保護基」及び「窒素保護基」は、本明細書では互換的に使用され、そして合成手順での不適切な反応に対して窒素原子を保護することを目的とした有機基のことを指す。例示的な窒素保護基には、トリフルオロアセチル、アセトアミド、ベンジル(Bn)、ベンジルオキシカルボニル(カルボベンジルオキシ、CBZ)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(BOC)等が挙げられるが、これらに限定されない。当業者であれば、脱離の容易さについて、及び続く反応に耐える能力について、基の選択方法が分かるだろう。
【0076】
「溶媒和物」は、化学量論的な量又は非化学量論的な量のいずれかの溶媒を含有する溶媒付加形態を意味する。一部の化合物は、一定モル比の溶媒分子を結晶状固体状態にトラップする傾向をもつことから、溶媒和物を形成する。溶媒が水の場合、形成する溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールの場合、溶媒和物形態はアルコラートである。水和物は、一つ以上の水分子と、内部でその水がHOとしてその分子状態を保つ物質の一つとの組み合わせにより形成し、このような組み合わせは、一つ以上の水和物を形成することができる。
【0077】
「被験体」は、哺乳動物及び非哺乳動物を意味する。哺乳動物は、特に限定されないが、ヒト;チンパンジーや他の類人猿のような非ヒト霊長類及びサル種;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、及びブタのような家畜(農業用);ウサギ、イヌ、及びネコのような家畜;ラット、マウス、及びモルモットのような齧歯類を包含する実験室動物を包含する、哺乳綱の任意のメンバーを意味する。非哺乳動物の例は、特に限定されないが、鳥類を包含する。用語「被験体」は、特定の年齢又は性別を意味するものではない。
【0078】
「尿路の症候」と互換的に使用される「尿路障害」又は「泌尿器系疾患」は、尿路の病理学的変化を意味する。尿路障害の例には、失禁、良性前立腺肥大(BPH)、前立腺炎、排尿筋反射亢進、出口部閉塞、頻尿、夜間頻尿、尿意逼迫、過活動膀胱、骨盤過敏症、急迫性尿失禁、尿道炎、前立腺痛、膀胱炎、特発性膀胱過敏症等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
「尿路の症候」と互換的に使用される「尿路に関連する疾患」又は「尿路の病状」又は「泌尿器系疾患」は、蓄尿もしくは排尿の障害を引き起こす、尿路の病理学的変化、又は膀胱平滑筋もしくはその神経支配の機能不全を意味する。尿路の症候には、過活動膀胱(排尿筋過活動としても知られている)、出口部閉塞、出口部不全、及び骨盤過敏症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
「過活動膀胱」又は「排尿筋過活動」には、尿意逼迫、頻尿、膀胱容量の変化、失禁、排尿閾値、不安定膀胱収縮、括約筋痙縮、排尿筋過反射(神経因性膀胱)、排尿筋不安定等として症候が出現する変化が挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
「出口部閉塞」には、良性前立腺肥大(BPH)、尿道狭窄疾患、腫瘍、低流量、排尿開始困難、尿意逼迫、恥骨上部痛等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
「出口部不全」には、尿道運動亢進、内因性括約筋不全、混合性尿失禁、腹圧性尿失禁等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0083】
「骨盤過敏症」には、骨盤痛、間質(細胞)膀胱炎、前立腺痛、前立腺炎、外陰部痛、尿道炎、精巣痛、過活動膀胱等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
「呼吸障害」は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、気管支痙攣等を指すが、これらに限定されない。
【0085】
「消化器障害」(「GI障害」)は、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、胆石仙痛及び他の胆管障害、腎仙痛、下痢型IBS、GI膨張関連疼痛等を指すが、これらに限定されない。
【0086】
「疼痛」には、炎症痛;手術痛;内臓痛;歯痛;月経前痛;中枢性疼痛;火傷による疼痛;片頭痛又は群発性頭痛;神経損傷;神経炎;神経痛;中毒;虚血傷害;間質膀胱炎;ガン疼痛;ウイルス、寄生虫又は細菌感染;外傷後傷害;又は過敏性腸症候群関連疼痛が挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
「治療有効量」は、病状を処置するために被験体に投与されるとき、このような病状の処置を達成するのに充分である、ある化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、処置される病状、重篤度又は処置される疾患、被験体の年齢及び相対健康度、投与の経路及び剤形、担当医又は獣医の判断、ならびに他の要因に応じて変化しよう。
【0088】
可変物に関するとき、用語「上に定義されるもの」及び「本明細書に定義されるもの」は、参照することにより可変物の広い定義を、更には好ましい、更に好ましい及び最も好ましい定義を(もしあれば)組み込む。
【0089】
病状の「処置をする」又は「処置」は、以下を包含する:
(i) 病状を予防すること、即ち、病状に曝露されているか、又は病状の素因があるかもしれないが、まだ病状に直面していないか、又は病状の症候を示していない被験体において、その病状の臨床症候を発達させないこと。
(ii) 病状を阻害すること、即ち、病状又はその臨床症候の発達を止めること、あるいは
(iii) 病状を軽減すること、即ち、病状又はその臨床症候を一時的又は永続的に退行させること。
【0090】
化学反応に関するとき、用語「処理」、「接触」及び「反応」は、指示及び/又は所望の生成物を製造するために、適切な条件下で2つ以上の試薬を添加又は混合することを意味する。当然のことながら、指示及び/又は所望の生成物が生成される反応は、必ずしも最初に加えた2つの試薬の組合せから直接生じるとは限らない、即ち、最終的に指示及び/又は所望の生成物の形成に至る、混合物として生成する1つ以上の中間体が存在するかもしれない。
【0091】
一般に、本出願において使用される命名法は、IUPACの体系的命名法の生成のためのBeilstein Instituteのコンピュータ化システムである、AUTONOM(商標)v.4.0に基づく。本明細書に示される化学構造は、ISIS(登録商標)バージョン2.2を用いて作成した。本明細書の構造中の炭素、酸素、硫黄又は窒素原子上に現れる任意の開放原子価は、特記のない限り、水素原子の存在を示す。窒素含有ヘテロアリール環が、窒素原子上に開放原子価と共に現れ、そしてR、R又はRなどの可変物が、ヘテロアリール環上に現れる場合、このような可変物は、開放原子価窒素に結合されるか又は連結されることができる。キラル中心が構造に存在するが、そのキラル中心について特定の立体化学が示されていない場合、そのキラル構造に関連する両方の鏡像異性体が、その構造に包含される。本明細書に示されるある構造が複数の互変異性形態に存在し得る場合、すべてのそのような互変異性体は、その構造により包含される。
【0092】
本明細書において識別される全ての特許及び刊行物は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0093】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、場合により置換されているイミダゾール−1−イルである。
【0094】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、場合により置換されているイミダゾール−2−イルである。
【0095】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、場合により置換されているイミダゾール−4−イルである。
【0096】
式(I)の多くの実施態様において、Rは、場合により、C1−6アルキルで1回、2回又は3回、そしてより好ましくは1回、置換されているイミダゾリルである。
【0097】
式(I)の多くの実施態様において、Rは、場合により、C1−6アルキル又はハロ−C1−6アルキルで置換されているイミダゾリルである。
【0098】
式(I)の多くの実施態様において、Rは、場合により、C1-6アルキル又はハロ−C1−6アルキルで1回置換されているイミダゾリルである。
【0099】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、場合により、C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル、ヘテロ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヘテロシクリル−C1−6アルキル、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル、ジ−C1−6アルキルアミノカルボニル、フェニル、ヘテロシクリル、C3−6−シクロアルキル、C3−6シクロアルキル−C1−6アルキル又はシアノで、1回、2回又は3回、好ましくは1回、置換されているイミダゾリルである。
【0100】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、場合により、C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヘテロシクリル−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−カルボニル、C1−6アルキルアミノ−カルボニル、ジ−C1−6アルキルアミノ−カルボニル、C3−6−シクロアルキル又はC3−6シクロアルキル−C1−6アルキルで、1回又は2回、好ましくは1回、置換されているイミダゾリルである。
【0101】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、場合により、C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル、ヘテロ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、フェニル、ヘテロシクリル、C3−6−シクロアルキル、C3−6シクロアルキル−C1−6アルキル又はシアノで、1回置換されているイミダゾリルである。
【0102】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、場合により、ハロ−C1−4アルキルで1回置換されているイミダゾリルである。
【0103】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、ハロ−C1−4アルキルで1回置換されているイミダゾリルである。
【0104】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、ヒドロキシ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、又はN,N−ジ−(C1−6アルキル)−アミノ−C1−6アルキルから選択されるヘテロ−C1−6アルキルで、1回置換されているイミダゾリルである。
【0105】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、場合により、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、フェニル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ペンタフルオロ−エチル、1,1−ジフルオロ−エチル、2,2−ジフルオロエチル、エトキシ−カルボニル、メチルアミノ−カルボニル、ジメチルアミノ−カルボニル、イソプロピルアミノ−カルボニル、3−メチル−オキセタン−3−イル、1−メトキシ−エチル、1−エトキシ−エチル、2−メトキシ−1−メチル−エチル、1−ヒドロキシ−エチル、イソプロポキシ、1−メチル−アゼチジン−2−イル、1−ジメチルアミノ−エチル又はジメチルアミノ−メチルで、1回置換されているイミダゾリルである。
【0106】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、場合により、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロ−エチル、エトキシ−カルボニル、メチルアミノ−カルボニル、ジメチルアミノ−カルボニル、イソプロピルアミノ−カルボニル、又は3−メチル−オキセタン−3−イルで、1回置換されているイミダゾリルである。
【0107】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル又はシクロプロピルメチルから選択されるC1−6アルキルで、1回置換されているイミダゾリルである。
【0108】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、場合により、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ペンタフルオロ−エチル、1,1−ジフルオロ−エチル又は2,2−ジフルオロエチルから選択されるハロ−C1−6アルキルで、1回置換されているイミダゾリルである。
【0109】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、ハロ又はメチルで、1回又は2回、独立して置換されているフェニルである。
【0110】
式(I)の多くの実施態様において、Rは、4位でメチル又はハロで置換されていて、そして場合により、2位及び6位でハロで置換されているフェニルである。
【0111】
式(I)の多くの実施態様において、Rは、4位でメチル又はハロで置換されていて、そして場合により、2位でハロで置換されているフェニルである。
【0112】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、4−メチル−フェニル、2−フルオロ−4−メチル−フェニル、2−クロロ−4−フルオロ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、2,4−ジクロロ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、又は2−クロロ−4−メチル−フェニルである。
【0113】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、4−メチル−フェニル又は4−クロロ−フェニルである。
【0114】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、4−メチル−フェニルである。
【0115】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、2−フルオロ−4−メチル−フェニルである。
【0116】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、2−クロロ−4−フルオロ−フェニルである。
【0117】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、4−クロロ−2−フルオロ−フェニルである。
【0118】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、2,4−ジクロロ−フェニルである。
【0119】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、2,4−ジフルオロ−フェニルである。
【0120】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、2−クロロ−4−メチル−フェニルである。
【0121】
式(I)の多くの実施態様において、Rは、場合により置換されているピリジルである。ピリジルの例には、ピリジン−2−イル、及びピリジン−2−オン−1−イルが挙げられ、各々場合により、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ハロ、C1−6ハロアルキル、ヘテロ−C1−6アルキル、C1−6アルキルスルホニル又はシアノのいずれかにより、1回、2回又は3回置換されている。好ましいピリジルには、4−メチル−ピリジン−2−イル、4−フルオロ−ピリジン−2−イル及び4−メチル−ピリジン−2−オン−1−イルが挙げられる。
【0122】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、メチル又はハロにより5位で置換されているピリジン2−イルである。
【0123】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、メチル又はハロにより5位で置換されていて、そして場合により、3位でハロで置換されているピリジン2−イルである。
【0124】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、5−メチル−ピリジン−2−イル、5−クロロ−ピリジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−クロロ−ピリジン−2−イル、3,5-ジフルオロ−ピリジン−2−イル又は3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イルである。
【0125】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、5−メチル−ピリジン−2−イルである。
【0126】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、5−クロロ−ピリジン−2−イルである。
【0127】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、5−フルオロ−ピリジン−2−イルである。
【0128】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、5−メチル−3−フルオロ−ピリジン−2−イルである。
【0129】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、5−メチル−3−クロロ−ピリジン−2−イルである。
【0130】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イルである。
【0131】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イルである。
【0132】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、場合により置換されているピリダジニルである。そのような実施態様において、Rは、6−クロロ−ピリダジニル又は6−メチル−ピリダジニル、好ましくは6−クロロ−ピリダジニルであり得る。
【0133】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、場合により置換されているチオフェニルである。そのような実施態様において、Rは、場合により、C1−6アルキル又はハロで置換されているチオフェン−2−イルであり得る。好ましいチオフェニルには、3−メチル−チオフェン−2−イル、5−メチル−チオフェン−2−イル及び5−クロロ−チオフェン−2−イルが挙げられる。
【0134】
式(I)の多くの実施態様において、Rは、水素である。式(I)の特定の実施態様において、Rは、メチルであり得る。
【0135】
式(I)の多くの実施態様において、Rは、水素である。
【0136】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、水素である。
【0137】
式(I)の多くの実施態様において、Rは、C1−6アルキルである。そのような実施態様における好ましいC1−6アルキルは、メチルである。
【0138】
式(I)の多くの実施態様において、Rは、C1−6アルキルである。そのような実施態様における好ましいC1−6アルキルは、メチルである。
【0139】
式(I)の多くの実施態様において、Rは、水素であり、そしてRは、C1−6アルキル、好ましくはメチルである。
【0140】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素である。
【0141】
式(I)の特定の実施態様において、RとRは、それらが結合している原子と一緒になって、C3−6炭素環を形成し得る。
【0142】
式(I)の特定の実施態様において、RとRは、それらが結合している原子と一緒になって、シクロプロピル基を形成し得る。
【0143】
式(I)の特定の実施態様において、RとRは、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりヒドロキシで置換されているC3−6炭素環を形成する。
【0144】
式(I)の特定の実施態様において、RとRは、それらが結合している原子と一緒になって、シクロプロピル基を形成する。
【0145】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、水素であり、そしてRとRは、それらが結合している原子と一緒になって、シクロプロピル基を形成する。
【0146】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、水素であり、そしてRとRは、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりヒドロキシで置換されているシクロペンチル基を形成する。
【0147】
式(I)の特定の実施態様において、RとRは、それらが結合している原子と一緒になって、O、N又はSから各々独立に選択される1個又は2個のヘテロ原子を含有するC4−6複素環を形成する。
【0148】
式(I)の特定の実施態様において、RとRは、それらが結合している原子と一緒になって、ピペリジニル基又はオキセタニル基を形成する。
【0149】
式(I)の特定の実施態様において、RとRは、それらが結合している原子と一緒になって、ピペリジン−3−イル基又はオキセタン−3−イル基を形成する。
【0150】
式(I)の特定の実施態様において、R、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、1個又は2個の窒素原子を含有する6員ヘテロアリールを形成し、そしてそれは、場合により、ハロ、アミノ又はC1−6アルキルで置換されている。
【0151】
式(I)の特定の実施態様において、R、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、各々場合によりメチル又はアミノで置換されている、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリミジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル又はピリダジニルから選択されるヘテロアリールを形成する。
【0152】
式(I)の特定の実施態様において、R、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリミジン−4−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリミジン−4−イル、1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリミジン−4−イル、6−メチル−ピリジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、6−アミノ−ピリジン−2−イル、2−アミノピリミジン−4−イル又は2−アミノ−ピリミジン−3−イルから選択されるヘテロアリールを形成する。
【0153】
式(I)の特定の実施態様において、Rは:C1−6アルキル;C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル;ヒドロキシ−C1−6アルキル;C1−6アルキルスルファニル−C1−6アルキル;C1−6アルキルスルホニル−C1−6アルキル;アミノ−C1−6アルキル;N−C1−6アルキル−アミノ−C1−6アルキル;N,N−ジ−C1−6アルキル−アミノ−C1−6アルキル;C3−7シクロアルキル;場合により置換されているフェニル;ヘテロアリール、又はヘテロシクリル−C1−6アルキルである。
【0154】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、ハロで置換されているN−C1−6アルキル−アミノ−C1−6アルキルである。
【0155】
式(I)の特定の実施態様において、Rは:C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル;ヒドロキシ−C1−6アルキル;ヘテロアリール、又はヘテロシクリル−C1−6アルキルである。
【0156】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキルである。一つの好ましいC1−6アルキルオキシ−C1−6アルキルは、メトキシメチルである。
【0157】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、ヒドロキシ−C1−6アルキルである。一つの好ましいヒドロキシ−C1−6アルキルは、ヒドロキシメチルである。
【0158】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、ヘテロアリールである。
【0159】
がヘテロアリールである特定の実施態様において、そのようなヘテロアリールは、各々が場合により、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル、ハロ、アミノ、N−C1−6アルキル−アミノ、又はN,N−ジ−(C1−6アルキル)−アミノから独立に選択される基により、1回、2回又は3回置換されていてもよい、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、3−オキソ−2,3−ジヒドロ−イソオキサゾリル、テトラゾリル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、及びベンゾイミダゾリルであり得る。より好ましくは、そのようなヘテロアリールは、場合により、メチル、エチル、n−プロピル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、アミノ、メチルアミノ又はジメチルアミノから独立に選択される基により、1回又は2回置換されていてもよい。
【0160】
がヘテロアリールである特定の実施態様において、そのようなヘテロアリールは、各々が場合により、メチル、エチル、n−プロピル、フルオロ、クロロ、アミノ、メチルアミノ又はジメチルアミノから独立に選択される基により、1回又は2回置換されていてもよい、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル又はチアゾリルであり得る。
【0161】
がヘテロアリールである特定の実施態様において、そのようなヘテロアリールは、各々が場合により、メチル、フルオロ、クロロ、アミノ、メチルアミノ又はジメチルアミノから独立に選択される基により、1回又は2回置換されていてもよい、ピリジニル、ピリミジニル、又はピラジニルであり得る。
【0162】
がヘテロアリールである、式(I)の特定の実施態様において、そのようなヘテロアリールは、チオフェン−2−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、オキサゾール−2−イル、ピリミジン−2−イル、ピリダジン−4−イル、ピラジン−2−イル、5−メチル−ピラジン−2−イル、イミダゾール−1−イル、ピラゾール−1−イル、3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル、2−メチル−チアゾール−4−イル、3−(2−クロロ−フェニル)−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、3−(ピリジン−4−イル)−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、ピリダジン−3−イル、2−メチル−ピラゾール−3−イル、チアゾール−5−イル、1−メチル−イミダゾール−2−イル、6−クロロ−ピリミジン−4−イル、4−エチル−[1,2,4]−トリアゾール−3−イル、1,3,5−トリメチル−ピラゾール−4−イル、1,5−ジメチル−ピラゾール−4−イル、1,3−ジメチル−ピラゾール−4−イル、3−(2−メトキシ−エチル)−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、3−(ピリジン−3−イル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、テトラゾール−5−イル、ピラゾール−3−イル、4−アミノ−2−メチル−ピリミジン−5−イル、2−アミノ−ピリミジン−4−イル、6−メトキシ−ピリダジン−3−イル、3−オキソ−2,3−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル、3−メチル−チオフェン−2−イル、5−メチル−[1,3,4]−オキサジアゾール−2−イル、4−メチル−イソオキサゾール−3−イル、3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イル、1−メチル−ピラゾール−3−イル、3−メチル−ピラゾール−1−イル、5−メチル−3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イル、5−シクロプロピル−3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イル、イミダゾ[2,1−b]−チアゾール−6−イル、チアゾール−4−イル、2−プロピル−ピラゾール−3−イル、2−エチル−ピラゾール−3−イル、5−アミノ−ピリダジン−2−イル、3−アミノ−ピリダジン−2−イル、3−クロロ−ピリダジン−2−イル、2−アミノ−ピリミジン−5−イル、1−メチル−イミダゾール−4−イル、6−アミノ−ピリジン−3−イル、6−アミノ−ピリダジン−2−イル、2−アミノ−ピリジン−4−イル、2−ジメチルアミノ−ピリミジン−5−イル、6−アミノ−ピリジン−2−イル、2−メチルアミノ−ピリジン−4−イル、2−ジメチルアミノ−ピリジン−4−イル、3−メチル−2−ジメチルアミノ−ピリジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、2−メチル−ピリジン−4−イル、6−メチルアミノ−ピリジン−3−イル、6−ジメチルアミノ−ピリジン−3−イル、6−メチルアミノ−ピリミジン−4−イル、6−ジメチルアミノ−ピリジン−3−イル、6−メチルアミノ−ピリジン−3−イル、2−メチルアミノ−ピリミジン−5−イル、6−メチル−ピリジン−3−イル、4−メチル−チアゾール−2−イル、2,6−ジメチル−ピリジン−3−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル、6−メチル−ピリジン−2−イル、1−エチル−ピラゾール−3−イル、3−メチル−ピリジン−2−イル、4−メチル−チアゾール−5−イル、1−エチル−イミダゾール−2−イル、1−メチル−ピラゾール−4−イル、イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル、3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、1,5−ジメチル−ピラゾール−3−イル、5−メチル−ピリジン−2−イル、6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル、5−メチル−イソオキサゾール−3−イル、5−メチル−イミダゾール−2−イル、5−メトキシ−ベンゾイミダゾール−2−イル、[1,2,4]トリアゾール−3−イル、及び8−メチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルであり得る。
【0163】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、ヘテロシクリル−C1−6アルキルである。
【0164】
がヘテロシクリル−C1−6アルキルである実施態様において、そのようなヘテロシクリル−C1−6アルキルは、各々のヘテロシクリル部分が、場合により、メチル、メトキシ、ハロ、メタンスルホニル、オキソ又はアセチルから独立に選択される基により、1回又は2回置換されていてもよい、モルホリノメチル、ピペリジニル−メチル、ピペラジニル−メチル、チオモルホリニルメチル、ピロリジニルメチル、又はアゼチジニルメチルなどの、ヘテロシクリル−メチルであり得る。
【0165】
がヘテロシクリル−メチルである実施態様において、そのようなヘテロシクリルメチルは、モルホリン−4−イル−メチル、4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イル−メチル、4−アセチル−ピペラジン−1−イル−メチル、ピペリジン−1−イル、チオモルホリン−4−イル−メチル、4−メチル−ピペラジン−1−イル−メチル、3−オキソ−ピペラジン−1−イル−メチル、3−メトキシ−ピペリジン−1−イル−メチル、4−メトキシ−ピペリジン−1−イル−メチル、4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル−メチル、1−オキソ−チオモルホリン−4−イル−メチル、3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル−メチル、アゼチジン−3−イル−メチル、4−メタンスルホニル−ピペリジン−1−イル−メチル、4−フルオロ−ピペリジン−1−イル−メチル、4−アセチル−3−メチル−ピペラジン−1−イル−メチル、4−アセチル−3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル−メチル、2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル−メチル、4,4−ジフルオロ−ピペリジン1−イル−メチル、3−フルオロ−ピペリジン−1−イル−メチル、4−メチル−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル−メチル、又は3−フルオロ−4−メトキシ−ピペリジン−1−イル−メチルであり得る。
【0166】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、ピラジン−2−イル又は5−メチル−ピラジン−2−イルである。
【0167】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、ピラジン−2−イル、5−メチル−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピリダジン−3−イル、又は1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イルである。
【0168】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、ヒドロキシメチルである。
【0169】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、メトキシメチルである。
【0170】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、ピラジン−2−イルである。
【0171】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、5−メチル−ピラジン−2−イルである。
【0172】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−イルである。
【0173】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、6−メチル−ピリダジン−3−イルである。
【0174】
式(I)の特定の実施態様において、R、R及びRは、水素である。
【0175】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素である。
【0176】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRの一方は、ハロ又はC1−4アルコキシであり、そして他方は、水素である。
【0177】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、各々独立に、ハロ又はC1−4アルコキシである。
【0178】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRの一方は、フルオロ、クロロ又はメトキシであり、そして他方は、水素である。
【0179】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、各々独立に、フルオロ、クロロ又はメトキシである。
【0180】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRの一方は、フルオロであり、そして他方は、水素である。
【0181】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRの一方は、クロロであり、そして他方は、水素である。
【0182】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRの一方は、メトキシであり、そして他方は、水素である。
【0183】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、フルオロである。
【0184】
式(I)の特定の実施態様において:
は、2位で、C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、N,N−ジ−(C1−6アルキル)−アミノ−C1−6アルキル、C3−6−シクロアルキル又はC3−6シクロアルキル−C1−6アルキルにより置換されている、イミダゾール−1−イルであり;
は、4−メチル−フェニル;2−フルオロ−4−メチル−フェニル;2−クロロ−4−フルオロ−フェニル;4−クロロ−2−フルオロ−フェニル;2,4−ジクロロ−フェニル;2,4−ジフルオロ−フェニル;又は2−クロロ−4−メチル−フェニルであり;
は、水素であり;
は、水素;又はメチルであり;そして
は、C1−6アルキル;C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル;ヒドロキシ−C1−6アルキル;C1−6アルキルスルファニル−C1−6アルキル;C1−6アルキルスルホニル−C1−6アルキル;アミノ−C1−6アルキル;N−C1−6アルキル−アミノ−C1−6アルキル;N,N−ジ−C1−6アルキル−アミノ−C1−6アルキル;C3−7シクロアルキル;場合により置換されているフェニル;ヘテロアリール、又はヘテロシクリル−C1−6アルキルである。
【0185】
式(I)の特定の実施態様において:
は、2位で、C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、N,N−ジ−(C1−6アルキル)−アミノ−C1−6アルキル、C3−6−シクロアルキル、又はC3−6シクロアルキル−C1−6アルキルにより置換されている、イミダゾール−1−イルであり;
は、5−メチル−ピリジン−2−イル、5−クロロ−ピリジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−クロロ−ピリジン−2−イル、3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル又は3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イルであり;
は、水素であり;
は、水素;又はメチルであり;そして
は、C1−6アルキル;C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル;ヒドロキシ−C1−6アルキル;C1−6アルキルスルファニル−C1−6アルキル;C1-6アルキルスルホニル−C1−6アルキル;アミノ−C1−6アルキル;N−C1−6アルキル−アミノ−C1−6アルキル;N,N−ジ−C1-6アルキル−アミノ−C1−6アルキル;C3−7シクロアルキル;場合により置換されているフェニル;ヘテロアリール、又はヘテロシクリル−C1−6アルキルである。
【0186】
式(I)の特定の実施態様において:
は、2位で、C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキル、C3−6−シクロアルキル、又はC3−6シクロアルキル−C1−6アルキルにより置換されている、イミダゾール−1−イルであり;
は、4−メチル−フェニル;2−フルオロ−4−メチル−フェニル;2−クロロ−4−フルオロ−フェニル;4−クロロ−2−フルオロ−フェニル;2,4−ジクロロ−フェニル;2,4−ジフルオロ−フェニル;又は2−クロロ−4−メチル−フェニルであり;
は、水素であり;
は、水素;又はメチルであり;そして
は、ヒドロキシメチル;メトキシメチル;モルホリン−4−イルメチル;場合により、メチル、メタンスルホニル又はアセチルにより4位で置換されている、ピペリジン−1−イルメチル;1,1−ジオキソ−チオモルホリン−1−イル;場合により、メチル、メトキシ又はハロから独立に選択される基で1回又は2回置換されている、ピペリジン−1−イル−メチル;ピリジニル;ピリミジニル;ピラジニル;ピリダジニル;ピラゾリル;又はチアゾリルであり;ここで、該ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル及びチアゾリルは、各々場合により、メチル、メチルアミノ、ジメチルアミノ及びハロから独立に選択される基で1回又は2回置換されていてもよい。
【0187】
式(I)の特定の実施態様において:
は、2位で、C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、C3−6−シクロアルキル、又はC3−6シクロアルキル−C1−6アルキルにより置換されている、イミダゾール−1−イルであり;
は、5−メチル−ピリジン−2−イル、5−クロロ−ピリジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−クロロ−ピリジン−2−イル、3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル又は3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イルであり;
は、水素であり;
は、水素;又はメチルであり;そして
は、ヒドロキシメチル;メトキシメチル;モルホリン−4−イルメチル;場合により、メチル、メタンスルホニル又はアセチルにより4位で置換されている、ピペリジン−1−イルメチル;1,1−ジオキソ−チオモルホリン−1−イル;場合により、メチル、メトキシ又はハロから独立に選択される基で1回又は2回置換されている、ピペリジン−1−イル;ピリジニル;ピリミジニル;ピラジニル;ピリダジニル;ピラゾリル;又はチアゾリルであり;ここで、該ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル及びチアゾリルは、各々場合により、メチル、メチルアミノ、ジメチルアミノ及びハロから独立に選択される基で1回又は2回置換されていてもよい。
【0188】
式(I)の特定の実施態様において:
は、2位で、C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキル、C3−6−シクロアルキル、又はC3−6シクロアルキル−C1−6アルキルにより置換されている、イミダゾール−1−イルであり;
は、4−メチル−フェニル;2−フルオロ−4−メチル−フェニル;2−クロロ−4−フルオロ−フェニル;4−クロロ−2−フルオロ−フェニル;2,4−ジクロロ−フェニル;2,4−ジフルオロ−フェニル;又は2−クロロ−4−メチル−フェニルであり;
は、水素であり;そして
とRは、一緒になってシクロプロピル基を形成する。
【0189】
式(I)の特定の実施態様において:
は、2位で、C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、C3−6−シクロアルキル、又はC3−6シクロアルキル−C1−6アルキルにより置換されている、イミダゾール−1−イルであり;
は、5−メチル−ピリジン−2−イル、5−クロロ−ピリジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−クロロ−ピリジン−2−イル、3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル又は3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イルであり;
は、水素であり;そして
とRは、一緒になってシクロプロピル基を形成する。
【0190】
式(I)の特定の実施態様において:
は、2位で、C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、N,N−ジ−(C1−6アルキル)−アミノ−C1-6アルキル、C3−6−シクロアルキル、又はC3−6シクロアルキル−C1−6アルキルにより置換されている、イミダゾール−1−イルであり;
は、4−メチル−フェニル;2−フルオロ−4−メチル−フェニル;2−クロロ−4−フルオロ−フェニル;4−クロロ−2−フルオロ−フェニル;2,4−ジクロロ−フェニル;2,4−ジフルオロ−フェニル;又は2−クロロ−4−メチル−フェニルであり;
は、水素であり;
は、メチルであり;そして
は、メトキシメチル、ヒドロキシメチル、5−メチル−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピリダジン−3−イル又はピラジン−2−イルである。
【0191】
式(I)の特定の実施態様において:
は、2位で、C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、N,N−ジ−(C1−6アルキル)−アミノ−C1-6アルキル、C3−6−シクロアルキル、又はC3−6シクロアルキル−C1−6アルキルにより置換されている、イミダゾール−1−イルであり;
は:5−メチル−ピリジン−2−イル、5−クロロ−ピリジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−クロロ−ピリジン−2−イル、3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル又は3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イルであり;
は、水素であり;
は、メチルであり;そして
は、メトキシメチル、ヒドロキシメチル、5−メチル−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピリダジン−3−イル又はピラジン−2−イルである。
【0192】
式(I)の特定の実施態様において:
は、2位で、C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、N,N−ジ−(C1−6アルキル)−アミノ−C1-6アルキル、C3−6−シクロアルキル、又はC3−6シクロアルキル−C1−6アルキルにより置換されている、イミダゾール−1−イルであり;
は、4−メチル−フェニル;2−フルオロ−4−メチル−フェニル;2−クロロ−4−フルオロ−フェニル;4−クロロ−2−フルオロ−フェニル;2,4−ジクロロ−フェニル;2,4−ジフルオロ−フェニル;又は2−クロロ−4−メチル−フェニルであり;
及びRは、水素であり;そして
は、5−メチル−ピラジン−2−イルである。
【0193】
式(I)の特定の実施態様において:
は、2位で、C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、N,N−ジ−(C1−6アルキル)−アミノ−C1−6アルキル、C3−6−シクロアルキル、又はC3−6シクロアルキル−C1−6アルキルにより置換されている、イミダゾール−1−イルであり;
は、5−メチル−ピリジン−2−イル、5−クロロ−ピリジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−クロロ−ピリジン−2−イル、3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル又は3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イルであり;
及びRは、水素であり;そして
は、5−メチル−ピリダジン−2−イルである。
【0194】
式(I)において、Rは、式(A);
【0195】
【化2】


[式中、R及びRは、各々独立に、水素;C1−6アルキル;C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル;フェニル;アミノ;N−C1−6アルキル−アミノ;N,N−ジ−C1−6アルキル−アミノ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;ヘテロ−C1−6アルキル;C3−6−シクロアルキル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルキル;アミノカルボニル;ヘテロシクリルカルボニル;C1−6アルコキシカルボニル;又はシアノであるか;あるいは、RとRは、それらが結合している原子と一緒になって、各々場合により置換されている、フェニル、ピリジニル又はピリミジニル基を形成してもよく;そしてRは、水素、C1−6アルキル又はハロ−C1−6アルキルである]
で示される基により表されてもよい。
【0196】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、式(A1):
【0197】
【化3】


[式中、R、R及びRは、本明細書中で定義したとおりである]
で示される基である。
【0198】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、式(A2):
【0199】
【化4】


[式中、R、R及びRは、本明細書中で定義したとおりである]
で示される基である。
【0200】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、式(A3):
【0201】
【化5】


[式中、R、R及びRは、本明細書中で定義したとおりである]
で示される基である。
【0202】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、水素;C1−6アルキル;C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル;アミノ;N−C1−6アルキル−アミノ;N,N−ジ−C1−6アルキル−アミノ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;ヘテロ−C1−6アルキル;C3−6−シクロアルキル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルキル;アミノカルボニル;ヘテロシクリルカルボニル;C1−6アルコキシカルボニル;又はシアノである。
【0203】
又はRが、ヘテロ−C1−6アルキルである、式(I)の実施態様において、そのようなヘテロ−C1−6アルキルは、ヒドロキシ−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、及びN,N−ジ−(C1−6アルキル)−アミノ−C1−6アルキルから選択されてもよい。
【0204】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、フェニル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、ペンタフルオロ−エチル、1,1−ジフルオロ−エチル、2,2−ジフルオロエチル、1−メトキシ−エチル、1−エトキシ−エチル、2−メトキシ−1−メチル−エチル、1−ヒドロキシ−エチル、イソプロポキシ、1−メチル−アゼチジン−2−イル、1−ジメチルアミノ−エチル又はジメチルアミノ−メチルである。
【0205】
式(I)の特定の実施態様において、R、R及びRは、各々独立に、水素、C1−6アルキル又はハロ−C1−6アルキルである。
【0206】
式(I)の特定の実施態様において、R、R及びRは、各々独立に、水素又はC1-6アルキルである。
【0207】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、C1−6アルキル又はハロ−C1−6アルキルである。
【0208】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、C1−6アルキルである。
【0209】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、C1−6アルコキシである。
【0210】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、C1−6アルキルスルホニルである。
【0211】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、アミノである。
【0212】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、N−C1−6アルキル−アミノである。
【0213】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、N,N−ジ−C1−6アルキル−アミノである。
【0214】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、ハロ−C1−6アルキルである。
【0215】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、ハロ−C1−6アルコキシである。
【0216】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、ヘテロ−C1−6アルキルである。
【0217】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、C3−6シクロアルキルである。
【0218】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、C3−6シクロアルキル−C1−6アルキルである。
【0219】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、アミノカルボニルである。
【0220】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、ヘテロシクリルカルボニルである。
【0221】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、C1−6アルコキシカルボニルである。
【0222】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、シアノである。
【0223】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロ−エチル、1,1−ジフルオロ−エチル、1−メトキシ−エチル、1−エトキシ−エチル、2−メトキシ−1−メチル−エチル、1−ヒドロキシ−エチル、又はジメチルアミノ−メチルである。
【0224】
式(I)の特定の実施態様において、R及びRは、水素であり、そしてRは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル又はシクロプロピルメチルである。
【0225】
式(I)の特定の実施態様において、RとRは、それらが結合している原子と一緒になって、場合により置換されているフェニルを形成する。
【0226】
式(I)の特定の実施態様において、RとRは、それらが結合している原子と一緒になって、場合により置換されているピリジニルを形成する。
【0227】
式(I)の特定の実施態様において、RとRは、それらが結合している原子と一緒になって、場合により置換されているピリミジニルを形成する。
【0228】
本明細書において使用される「場合により置換されているイミダゾリル」は、場合により、縮合6員芳香族環又は窒素含有ヘテロアリール環をその上に有する、イミダゾールを含む。このように、「場合により置換されているイミダゾリル」は、ベンゾイミダゾリル及びイミダゾ[1,5−a]ピリジニル、ならびにそのアザ−置換誘導体を含む。したがって、RとRが、それらが結合している原子と一緒になって、場合により置換されているフェニルを形成する、式(I)の特定の実施態様において、Rは、式(A4):
【0229】
【化6】


[式中、X及びXは、各々独立に、C又はNであり、そしてR及びRは、各々独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、シアノ、アミノ又はアルキルスルホニルである]
で示される基であり得る。
【0230】
式(I)の多くの実施態様において、Rは、水素であり、そしてRは、C1−6アルキル、好ましくはメチルである。
【0231】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、4−メチル−フェニル、4−クロロ−フェニル又は2−フルオロ−4−メチル−フェニルであり、そしてRは、水素である。
【0232】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、4−メチル−フェニル、4−クロロ−フェニル又は2−フルオロ−4−メチル−フェニルであり、Rは、水素であり、そしてRは、メチルである。
【0233】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、4−メチル−フェニル、4−クロロ−フェニル又は2−フルオロ−4−メチル−フェニルであり、Rは、水素であり、Rは、メチルであり、そしてRは、水素である。
【0234】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、4−メチル−フェニルであり、Rは、水素であり、Rは、メチルであり、Rは、水素であり、
そしてRは:
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル及びイソペンチルから選択される、C1−6アルキル;
1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキルスルファニル−C1−6アルキル、C1−6アルキル−スルフィニル−C1−6アルキル、C1−6アルキル−スルホニル−C1−6アルキル、アミノ−C1−6アルキル、N−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、N,N−ジ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル及びヒドロキシ−C1−6アルキルオキシから選択される、ヘテロ−C1−6アルキル;
各々場合により置換されている、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルから選択される、C3−7シクロアルキル;
場合により置換されているフェニル及び場合により置換されているナフチルから選択される、アリール;
各々場合により置換されている、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、フラニル、イソオキサゾリル及びイソチアゾリルから選択される、ヘテロアリール;
各々場合により置換されている、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル、ピラニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、2−オキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカン−8−イル、2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル、及び3−オキサ−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イルから選択される、ヘテロシクリル;
各々のシクロアルキル部分が場合により置換されている、シクロプロピル−C1−6アルキル、シクロブチル−C1−6アルキル、シクロペンチル−C1−6アルキル及びシクロヘキシル−C1−6アルキルから選択される、C3−7シクロアルキル−C1−6アルキル;
各々のアリール部分が場合により置換されている、フェニル−C1−6アルキル及びナフチル−C1−6アルキルから選択される、アリール−C1−6アルキル;
各々のヘテロアリール部分が場合により置換されている、ピリジニル−C1−6アルキル、ピリミジニル−C1−6アルキル、ピリダジニル−C1−6アルキル、ピラジニル−C1−6アルキル、フラニル−C1−6アルキル、チエニル−C1−6アルキル、ピロリル−C1−6アルキル、オキサゾリル−C1−6アルキル、チアゾリル−C1−6アルキル、イミダゾリル−C1−6アルキル、イソオキサゾリル−C1−6アルキル及びイソチアゾリル−C1−6アルキルから選択される、ヘテロアリール−C1−6アルキル;
各々のヘテロシクリル部分が場合により置換されている、ピペリジニル−C1−6アルキル、ピペラジニル−C1−6アルキル、モルホリニル−C1−6アルキル、チオモルホリニル−C1−6アルキル、1−オキソ−チオモルホリニル−C1−6アルキル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル−C1−6アルキル、ピラニル−C1−6アルキル、ピロリジニル−C1−6アルキル、テトラヒドロフラニル−C1−6アルキル、2−オキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカン−8−イル−C1−6アルキル、2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル−C1−6アルキル、3−オキサ−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル−C1−6アルキルから選択される、ヘテロシクリル−C1−6アルキル;
各々のアリール部分が場合により置換されている、フェノキシ−C1−6アルキル及びナフチルオキシ−C1−6アルキルから選択されるアリールオキシ−C1−6アルキル;あるいは、
−C(O)−R又は−CH−C(O)−R(ここで、Rは、本明細書中で定義したとおりである)である。
【0235】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、4−メチル−フェニル、4−クロロ−フェニル又は2−フルオロ−4−メチル−フェニルであり、Rは、水素であり、Rは、メチルであり、Rは、水素であり、そしてRは、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル;ヒドロキシ−C1−6アルキル;モルホリン−4−イル−C1−6アルキル;ピラジニル;又はピペラジン−1−イル−C1−6アルキルであり、ここで、該ピペラジニル部分は、場合により、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル又はC1−6アルキルスルホニルにより4位で置換されている。
【0236】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、4−メチル−フェニル、4−クロロ−フェニル又は2−フルオロ−4−メチル−フェニルであり、Rは、水素であり、Rは、メチルであり、Rは、水素であり、そして、Rは、メトキシメチル;ヒドロキシメチル;モルホリン−4−イル−メチル;ピラジン−2−イル;又は4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルである。
【0237】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、式(A)の基であり、Rは、4−メチル−フェニル、4−クロロ−フェニル又は2−フルオロ−4−メチル−フェニルであり、Rは、水素であり、Rは、メチルであり、Rは、水素であり、そしてRは、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル;ヒドロキシ−C1−6アルキル;モルホリン−4−イル−C1−6アルキル;ピラジニル;又はピペラジン−1−イル−C1−6アルキルであり、ここで、該ピペラジニル部分は、場合により、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル又はC1−6アルキルスルホニルにより4位で置換されている。
【0238】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、式(A)の基であり、Rは、4−メチル−フェニル、4−クロロ−フェニル又は2−フルオロ−4−メチル−フェニルであり、Rは、水素であり、Rは、メチルであり、Rは、水素であり、そしてRは、メトキシメチル;ヒドロキシメチル;モルホリン−4−イル−メチル;ピラジン−2−イル;又は4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルである。
【0239】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、メチル又はハロにより5位で置換されているピリジン−2−イルであり、そしてRは、水素である。
【0240】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、メチル又はハロにより5位で置換されているピリジン−2−イルであり、Rは、水素であり、そしてRは、メチルである。
【0241】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、メチル又はハロにより5位で置換されているピリジン−2−イルであり、Rは、水素であり、Rは、メチルであり、そしてRは、水素である。
【0242】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、メチル又はハロにより5位で置換されているピリジン−2−イルであり、Rは、水素であり、Rは、メチルであり、Rは、水素であり、
そしてRは:
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル及びイソペンチルから選択される、C1−6アルキル;
1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキルスルファニル−C1−6アルキル、C1−6アルキル−スルフィニル−C1−6アルキル、C1−6アルキル−スルホニル−C1−6アルキル、アミノ−C1−6アルキル、N−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、N,N−ジ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル及びヒドロキシ−C1−6アルキルオキシから選択される、ヘテロ−C1−6アルキル;
各々場合により置換されている、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルから選択される、C3−7シクロアルキル;
場合により置換されているフェニル及び場合により置換されているナフチルから選択される、アリール;
各々場合により置換されている、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、フラニル、イソオキサゾリル及びイソチアゾリルから選択される、ヘテロアリール;
各々場合により置換されている、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル、ピラニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、2−オキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカン−8−イル、2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル、及び3−オキサ−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イルから選択される、ヘテロシクリル;
各々のシクロアルキル部分が場合により置換されている、シクロプロピル−C1−6アルキル、シクロブチル−C1−6アルキル、シクロペンチル−C1−6アルキル及びシクロヘキシル−C1−6アルキルから選択される、C3−7シクロアルキル−C1−6アルキル;
各々のアリール部分が場合により置換されている、フェニル−C1−6アルキル及びナフチル−C1−6アルキルから選択される、アリール−C1−6アルキル;
各々のヘテロアリール部分が場合により置換されている、ピリジニル−C1−6アルキル、ピリミジニル−C1−6アルキル、ピリダジニル−C1−6アルキル、ピラジニル−C1−6アルキル、フラニル−C1−6アルキル、チエニル−C1−6アルキル、ピロリル−C1−6アルキル、オキサゾリル−C1−6アルキル、チアゾリル−C1−6アルキル、イミダゾリル−C1−6アルキル、イソオキサゾリル−C1−6アルキル及びイソチアゾリル−C1−6アルキルから選択される、ヘテロアリール−C1−6アルキル;
各々のヘテロシクリル部分が場合により置換されている、ピペリジニル−C1−6アルキル、ピペラジニル−C1−6アルキル、モルホリニル−C1−6アルキル、チオモルホリニル−C1−6アルキル、1−オキソ−チオモルホリニル−C1−6アルキル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル−C1−6アルキル、ピラニル−C1−6アルキル、ピロリジニル−C1−6アルキル、テトラヒドロフラニル−C1−6アルキル、2−オキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカン−8−イル−C1−6アルキル、2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−イル−C1−6アルキル、3−オキサ−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル−C1−6アルキルから選択される、ヘテロシクリル−C1−6アルキル;
各々のアリール部分が場合により置換されている、フェノキシ−C1−6アルキル及びナフチルオキシ−C1−6アルキルから選択される、アリールオキシ−C1−6アルキル;あるいは、
−C(O)−R又は−CH−C(O)−R(ここで、Rは、本明細書中で定義したとおりである)である。
【0243】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、メチル又はハロにより5位で置換されているピリジン−2−イルであり、Rは、水素であり、Rは、メチルであり、Rは、水素であり、そしてRは、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル;ヒドロキシ−C1−6アルキル;モルホリン−4−イル−C1−6アルキル;ピラジニル;又はピペラジン−1−イル−C1−6アルキルであり、ここで、該ピペラジニル部分は、場合により、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル又はC1−6アルキルスルホニルにより4位で置換されている。
【0244】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、メチル又はハロにより5位で置換されているピリジン−2−イルであり、Rは、水素であり、Rは、メチルであり、Rは、水素であり、そしてRは、メトキシメチル;ヒドロキシメチル;モルホリン−4−イル−メチル;ピラジン−2−イル;又は4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルである。
【0245】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、式(A)の基であり、Rは、メチル又はハロにより5位で置換されているピリジン−2−イルであり、Rは、水素であり、Rは、メチルであり、Rは、水素であり、そしてRは、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル;ヒドロキシ−C1−6アルキル;モルホリン−4−イル−C1−6アルキル;ピラジニル;又はピペラジン−1−イル−C1−6アルキルであり、ここで、該ピペラジニル部分は、場合により、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル又はC1−6アルキルスルホニルにより4位で置換されている。
【0246】
式(I)の特定の実施態様において、Rは、式(A)の基であり、Rは、メチル又はハロにより5位で置換されているピリジン−2−イルであり、Rは、水素であり、Rは、メチルであり、Rは、水素であり、そしてRは、メトキシメチル;ヒドロキシメチル;モルホリン−4−イル−メチル;ピラジン−2−イル;又は4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルである。
【0247】
式(I)の特定の実施態様において、本化合物は、より具体的には、式(II):
【0248】
【化7】


[式中、
Xは、C又はNであり;
11及びR12は、各々独立に、水素;C1−6アルキル;C1−6アルキルオキシ;ハロ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;ヘテロ−C1−6アルキル;C1−6アルキルスルホニル;又はシアノであり;そして
及びRは、本明細書中で定義したとおりである]
で示される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩である。
【0249】
式(II)の特定の実施態様において、本発明の化合物は、式(IIa)又は(IIb):
【0250】
【化8】


[式中、X、R、R、R11及びR12は、本明細書中で定義したとおりである]
で示される化合物である。
【0251】
式(I)の特定の実施態様において、本化合物は、より具体的には、式(III):
【0252】
【化9】


[式中、X、R、R、R11及びR12は、本明細書中で定義したとおりである]
で示される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩である。
【0253】
式(I)、(IIa)、(IIb)又は(III)のいずれかの特定の実施態様において、Rは、下記:
【0254】
【化10】


[式中、
nは、0、1又は2であり;
及びRは、各々独立に、水素又はC1−6アルキルであり;
は、水素、C1−6アルキル、アセチル又はC1−6アルキル−スルホニルであり;
及びRは、各々独立に、水素又はC1−6アルキルであり;
及びRは、各々独立に、水素、C1−6アルキル、フルオロ、ヒドロキシ又はC1−6アルキルオキシであり;
及びRは、各々独立に、水素又はC1−6アルキルであり;そして
、R、R、R、R及びRは、各々独立に、水素、C1−6アルキル、ハロ、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル−スルホニル、ハロ−C1−6アルキル、又はシアノである]で示される。
【0255】
式(I)、(IIa)、(IIb)、又は(III)のいずれかの特定の実施態様において、Rは、下記:
【0256】
【化11】


[式中、Rは、本明細書中で定義したとおりである]で示される。
【0257】
式(I)、(IIa)、(IIb)、又は(III)のいずれかの特定の実施態様において、Rは、下記:
【0258】
【化12】


で示される。
【0259】
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R、R、R、R及びRのいずれかが、アルキルであるか又はアルキル部分を含有する場合、そのようなアルキルは、好ましくは低級アルキル、即ちC−Cアルキル、そしてより好ましくはC−Cアルキルである。
【0260】
本発明はまた、P2X受容体アンタゴニスト、P2X2/3受容体アンタゴニスト、又はその両方により仲介されるか、又はそれとは別に関連する疾患又は症状を処置するための方法あって、本発明の化合物の有効量を、それを必要とする被験体に投与することを含む方法を提供する。
【0261】
その疾患は、尿生殖器疾患又は尿路疾患であり得る。他の場合では、その疾患は、疼痛に関連する疾患であり得る。尿路疾患は:膀胱容量の減少;尿意頻数;急迫性尿失禁;腹圧性尿失禁;膀胱活動亢進;良性前立腺肥大;前立腺炎;排尿筋過反射;頻尿;夜間頻尿;尿意逼迫;過活動膀胱;骨盤過敏症;尿道炎;前立腺炎;骨盤痛症候群;前立腺痛;膀胱炎;又は特発性膀胱過敏症であり得る。
【0262】
疼痛に関連する疾患は:炎症痛;手術痛;内臓痛;歯痛;月経前痛;中枢性疼痛;火傷による疼痛;片頭痛又は群発性頭痛;神経損傷;神経炎;神経痛;中毒;虚血傷害;間質膀胱炎;ガン疼痛;ウイルス、寄生虫もしくは細菌感染;外傷後傷害;又は過敏性腸症候群関連痛であり得る。
【0263】
その疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、もしくは気管支痙攣などの呼吸障害、又は過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、胆石仙痛及び他の胆管障害、腎仙痛、下痢型IBS、GI膨張関連疼痛などの消化器(GI)障害であり得る。
【0264】
本発明の方法による代表的な化合物を表1に示す。
【0265】
【表1】





【0266】
本発明の化合物は、以下に示し、記載する例示的な合成反応スキームに示される多様な方法によって製造することができる。
【0267】
これらの化合物を調製するときに使用する出発物質及び試薬は、一般にAldrich Chemical Co.などの販売業者から入手できるか、あるいは標準参考文献に記載されている手順に従って当業者に既知の方法により調製される。以下の合成反応スキームは、本発明の化合物を合成することができるいくつかの方法を単に例示するものであり、これらの合成反応スキームに様々な改変を加えることができ、その改変は、本出願に含まれる開示を参照した当業者に示唆されよう。
【0268】
合成反応スキームの出発物質及び中間体は、所望であれば、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィー等を含むがこれらに限定されない、従来の技術を使用して単離及び精製することができる。そのような物質は、物理定数及びスペクトルデータを含む、従来の手段を使用して特徴づけることができる。
【0269】
特記のない限り、本明細書に記載される反応は、好ましくは、約−78℃〜約150℃、より好ましくは約0℃〜約125℃、そして最も好ましく、好都合にはおよそ室温(周囲温度)(RT)、例えば約20℃の反応温度の範囲で大気圧の不活性雰囲気下で行われる。
【0270】
下記スキームAは、式(I)(ここで、Rは、低級アルキルであり、そしてX、R、R、R、R、R11、R12、R及びRは、本明細書中で定義したとおりである)の具体的な化合物を調製するために使用することができる一つの合成手順を例示する。
【0271】
【化13】

【0272】
スキームAの工程1において、ニトロ安息香酸化合物を、硫酸条件下でヨウ素化に供して、ヨード−ニトロ安息香酸を得る。工程2で、安息香酸化合物を、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム触媒の存在下でアリールボロン酸化合物と反応させて、ニトロ−アリール酸化合物を得る。ニトロ−ビフェニル酸の酸基を、工程3でエステル化により保護して、ニトロ−アリール酸エステルを形成する。次に、ニトロ−アリールエステルを、工程4で還元に供して、アリールアミンを形成する。アリールアミンを、ヨウ化メチレン又はそのようなヨウ素化試薬で処理することによって、工程5でヨウ素化反応を実施して、ヨード化合物を得る。工程6で、化合物のエステル基を加水分解して、酸化合物を得る。工程7で、ビフェニルヨード化合物を、カルボジイミドの存在下でアミンと反応させて、アミドの形成を達成して、化合物を得る。工程8で、化合物を、ヨウ化銅の存在下でイミダゾールと反応させて、イミダゾール置換化合物を得て、これが、本発明による式(I)の化合物である。
【0273】
スキームAの多数の変形が可能であり、当業者に思い浮かぶであろう。例えば、多くの実施態様において、工程8は、工程6及び7の前に実施してもよい。次に得られたイミダゾール置換化合物(示さず)は、工程6におけるようなエステル加水分解を受け、続いて工程7におけるようなアミドが形成されて、化合物又はが提供される。
【0274】
下記スキームBは、本発明の化合物の別の合成経路に関し、ここで、Rは、低級アルキルであり、そしてX、R、R、R、R、R11、R12、R及びRは、本明細書中で定義したとおりである。
【0275】
【化14】

【0276】
スキームBの工程1において、ヨード−ブロモ−安息香酸エステルを、パラジウム触媒の存在下でビス(ピナコラト)−ジボランと反応させてピナコラト(pinacoloato)−ボラン安息香酸エステル化合物を得る。次に化合物は、臭化アリールとの反応により、工程2でBuchwaldカップリングを受けて、アリール安息香酸エステル化合物を得る。次に化合物を、工程3で、ヨウ化銅の存在下でイミダゾールと反応させて、イミダゾール−1−イル置換エステル化合物を得てもよい。次に化合物は、スキームAの工程6及び7で示すように、エステル加水分解を、そしてアミンとの反応を受け、ピラゾール置換化合物を得て、これが、本発明による式(I)の化合物である。
【0277】
上記スキームAと同様に、多数の変形がスキームBにおいて可能である。そのような一つの変形において、スキームAの工程6及び7で示すように、化合物の加水分解(後にエステル形成が続く)は、工程3の前に実施してもよい。本発明の化合物を製造するための詳細な記述は、下記実施例部分に記載されている。
【0278】
本発明の化合物は、膀胱出口部閉塞に関連する尿路の病状、ならびに膀胱容量の減少、尿意頻数、急迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、膀胱活動亢進、良性前立腺肥大(BPH)、前立腺炎、排尿筋反射亢進、頻尿、夜間頻尿、尿意逼迫、過活動膀胱、骨盤過敏症、尿道炎、前立腺炎、骨盤痛症候群、前立腺痛、膀胱炎、及び特発性膀胱過敏症などの尿失禁状態、さらに過活動膀胱に関係する他の症候を含む、広範囲の尿生殖器の疾患、症状及び障害の処置に使用することができる。
【0279】
本発明の化合物は、関節炎(関節リウマチ痛および変形性関節症痛を含む)に関連する疼痛などの炎症性疼痛、手術痛、内臓痛、歯痛、月経前痛、中枢性疼痛、火傷による疼痛、片頭痛又は群発性頭痛、神経損傷、神経炎、神経痛、中毒、虚血傷害、間質膀胱炎、ガン疼痛、ウイルス、寄生虫又は細菌感染、外傷後損傷(骨折及びスポーツ損傷を含む)、及び過敏性腸症候群などの機能性腸障害に関連する疼痛を含むがこれらに限定されない、広範な原因の疼痛に関連する疾患及び症状の処置における鎮痛薬としての有用性を見出すことが期待される。
【0280】
さらに、本発明の化合物は、慢性閉塞性肺障害(COPD)、喘息、気管支痙攣等を含む呼吸障害の処置に有用である。
【0281】
加えて、本発明の化合物は、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、胆石仙痛及び他の胆管障害、腎仙痛、下痢型IBS、GI膨張関連疼痛等を含む消化器障害を処置するために有用である。
【0282】
本発明には、少なくとも一つの本発明の化合物、又は個別の異性体、異性体のラセミもしくは非ラセミ混合物、又はその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を、少なくとも一つの薬学的に許容される担体ならびに場合により他の治療用及び/又は予防用成分と一緒に含む、医薬組成物が含まれる。
【0283】
一般に、本発明の化合物は、類似の有用性を与える薬剤に許容される任意の投与の様式により、治療有効量で投与されよう。適切な用量範囲は、処置すべき疾患の重篤度、被験体の年齢及び相対健康度、使用される化合物の効力、投与の経路及び剤形、投与が指示される適応症、並びに担当医の優先傾向及び経験のような多数の要因に応じて、典型的には1日に1〜500mg、好ましくは1日に1〜100mg、そして最も好ましくは1日に1〜30mgである。そのような疾患を処置するような当業者であれば、過度の実験なしに、かつ個人の知識及び本出願の開示に頼って、所定の疾患に対する本発明の化合物の治療有効量を突きとめることができよう。
【0284】
本発明の化合物は、経口(口腔及び舌下を包含する)、直腸内、鼻内、局所、肺内、膣内、もしくは非経口(筋肉内、動脈内、髄腔内、皮下及び静脈内を包含する)投与に適したものを包含する製剤として、又は吸入もしくは吹送による投与に適した剤形で、投与することができる。好ましい投与のやり方は、一般には、罹患の程度により調整することができる、便利な1日用量レジメンを用いた経口投与である。
【0285】
本発明の化合物は、1種以上の従来の補助剤、担体、又は希釈剤と一緒に、医薬組成物及び単位剤形にしてもよい。本医薬組成物及び単位剤形は、追加の活性化合物又は成分を含むか又は含まない、従来の割合の従来成分からなるものであってよく、そして単位剤形は、使用すべき所期の1日用量範囲に見合う任意の適切な有効量の活性成分を含有することができる。本医薬組成物は、経口使用のための、錠剤もしくは充填カプセル剤、半固体、粉剤、徐放性製剤のような固体として、又は液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、もしくは充填カプセル剤のような液体として;あるいは直腸内又は膣内投与のための坐剤の剤形で;あるいは非経口使用のための無菌注射液の剤形で利用することができる。よって1錠当たり約1mgの活性成分、又は更に広くは約0.01〜約100mgを含有する処方が、適切な代表的単位剤形である。
【0286】
本発明の化合物は、多種多様な経口投与剤形に処方することができる。本医薬組成物及び剤形は、本発明の化合物又は薬剤学的に許容しうるその塩を活性成分として含んでいてもよい。薬剤学的に許容しうる担体は、固体であっても又は液体であってもよい。固形製剤は、粉剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散性顆粒剤を包含する。固体担体は、希釈剤、香味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁剤、結合剤、保存料、錠剤崩壊剤、又は封入材料としても作用してよい、1種以上の物質であってよい。粉剤において、担体は一般に、微粉化活性成分との混合物である微粉化固体である。錠剤において、活性成分は一般に、必要な結合能力を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形状及びサイズに圧縮される。粉剤及び錠剤は、好ましくは約1〜約70パーセントの活性化合物を含有する。適切な担体は、特に限定されないが、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、カカオ脂を包含する。用語「製剤」は、担体を伴うか又は伴わない活性成分が、それを伴うある担体により囲まれているカプセル剤を与える、担体として封入材料を伴う活性化合物の処方を包含することが意図されている。同様に、カシェ剤及びトローチ剤が包含される。錠剤、粉剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、及びトローチ剤は、固形製剤として経口投与に適していよう。
【0287】
経口投与に適した他の剤形は、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、水性懸濁剤を包含する液体製剤、又は使用の直前に液体製剤に変換することが意図された固体製剤を包含する。乳剤は、溶液として、例えば、水性プロピレングリコール溶液として調製することができるか、又は乳化剤、例えば、レシチン、モノオレイン酸ソルビタン、もしくはアラビアゴムなどを含有してもよい。水性液剤は、活性成分を水に溶解し、適切な着色料、香味料、安定化剤、及び増粘剤を加えることにより調製することができる。水性懸濁剤は、微粉化活性成分を粘性材料(天然又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び他の周知の懸濁剤など)と共に水に分散させることにより調製することができる。固体製剤は、液剤、懸濁剤、及び乳剤を包含し、そして活性成分の他に、着色料、香味料、安定化剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤を含有してもよい。
【0288】
本発明の化合物は、非経口投与(例えば、注射、例えば、ボーラス注射又は持続注入による)用に処方することができ、そしてアンプル、プレフィルドシリンジ、少量輸液にした単位剤形として、又は保存料を加えた反復投与用容器に入れて提示してもよい。本組成物は、油性又は水性溶剤中の懸濁液、溶液、又は乳濁液、例えば、水性ポリエチレングリコール中の溶液のような剤形をとってもよい。油性又は非水性担体、希釈剤、溶媒又は溶剤の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、及び注射用有機エステル類(例えば、オレイン酸エチル)を包含し、そして保存料、湿潤剤、乳化剤又は懸濁剤、安定化剤及び/又は分散剤のような配合剤を含有してもよい。あるいは、活性成分は、滅菌固体の無菌分離により、又は溶液からの凍結乾燥により得られる、適切な溶剤、例えば、発熱物質を含まない滅菌水で使用前に構成するための粉末形状であってもよい。
【0289】
本発明の化合物は、軟膏剤、クリーム剤もしくはローション剤として、又は経皮パッチとして、表皮への局所投与用に処方することができる。軟膏剤及びクリーム剤は、例えば、水性又は油性基剤と共に、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤を加えて処方することができる。ローション剤は、水性又は油性基剤と共に処方することができ、そして一般的にはまた1種以上の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、又は着色剤を包含するだろう。口内の局所投与に適した処方は、着香基剤、通常はショ糖及びアラビアゴム又はトラガント中に活性物質を含むトローチ剤;ゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアラビアゴムのような不活性基剤中に活性成分を含む香錠;並びに適切な液体担体中に活性成分を含む含嗽剤を包含する。
【0290】
本発明の化合物は、坐剤としての投与用に処方することができる。脂肪酸グリセリドの混合物又はカカオ脂のような低融点ロウを最初に溶融して、例えば、撹拌することにより、活性成分を均質に分散させる。溶融した均質な混合物は次に、便利なサイズの鋳型に注ぎ入れ、冷却し、凝固するのを待つ。
【0291】
本発明の化合物は、膣内投与用に処方することができる。活性成分の他に、当該分野において適切であることが知られているような担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、発泡剤又はスプレー剤。
【0292】
対象化合物は、鼻内投与用に処方することができる。液剤又は懸濁剤が、従来手段により、例えば、スポイト、ピペット又はスプレーで鼻腔に直接適用される。本処方は、単回又は多回投与剤形で提供することができる。スポイト又はピペットの後者の場合には、これは、患者が適切な所定容量の液剤又は懸濁剤を投与することにより達成することができる。スプレーの場合には、これは、例えば、計量噴霧スプレーポンプを用いて達成することができる。
【0293】
本発明の化合物は、特に気道への、及び鼻内投与を含む、エーロゾル投与用に処方することができる。本化合物は、一般に、例えば、5ミクロン以下程度の小粒径を有する。このような粒径は、当該分野において既知の手段により、例えば、微粉化により得ることができる。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、もしくはジクロロテトラフルオロエタン、又は二酸化炭素もしくは他の適切なガスのような、適切な噴射剤での加圧パックとして提供される。このエーロゾルは、便利にはまたレシチンのような界面活性剤を含有してもよい。薬物の用量は、計量バルブにより制御することができる。あるいは活性成分は、ドライパウダーの剤形として、例えば、乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなデンプン誘導体、及びポリビニルピロリドン(PVP)のような、適切な粉末基剤中の化合物の粉末混合物として提供してもよい。この粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成するだろう。粉末組成物は、単位剤形として、例えば、カプセル剤、又は例えば、ゼラチンのカートリッジ、又はブリスターパック(吸入器を用いてそこから粉末を投与することができる)として提示することができる。
【0294】
所望の場合、活性成分の徐放又は放出制御投与に適合させた腸溶性コーティングをした処方を調製することができる。例えば、本発明の化合物は、経皮又は皮下薬物送達装置中に処方することができる。これらの送達システムは、化合物の徐放が必要なとき、及びレジメンへの患者コンプライアンスが決定的に重要であるとき、有利である。経皮送達システム中の化合物は、しばしば皮膚接着性固体支持体に取り付けられる。当該化合物はまた、浸透増強剤、例えば、Azone(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)と合わせることができる。徐放送達システムは、手術又は注射により皮下層へと皮下挿入される。皮下インプラントは、脂溶性膜、例えば、シリコーンゴム、又は生分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸中に本化合物を封入している。
【0295】
本医薬製剤は、好ましくは単位剤形とされる。このような剤形では、本製剤は、適切な量の活性成分を含有する単位用量に細分される。この単位剤形は、包装された製剤であってよく、このパッケージは、パック入り錠剤、カプセル剤、及びバイアル又はアンプル入りの粉剤のような、離散量の製剤を含有する。また、この単位剤形は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、又はトローチ剤それ自体であってもよいか、あるいは包装された形の適切な数の任意のこれらであってもよい。
【0296】
他の適切な医薬担体及びその処方は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, E.W. Martin編, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。本発明の化合物を含有する代表的な医薬処方は、後述される。
【実施例】
【0297】
実施例
下記の調製例及び実施例は、当業者が本発明をより明確に理解し、実施できるために示されている。これらは、本発明の範囲を限定すると考えられるべきではなく、本発明の例示及び代表例としてのみ考えられるべきである。
【0298】
特に断りない限り、融点(即ちMP)を含む温度は、すべて摂氏(℃)である。表示及び/又は目的生成物を製造する反応が、最初に加えられた2つの試薬を組み合わせた直接の結果である必要はないこと、即ち混合物中に製造された1つ以上の中間体が存在してよく、最終的にそれが表示及び/又は目的生成物の形成につながることを理解すべきである。下記略語が、調製例及び実施例で使用されうる。
【0299】
略語: DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン; DCM:ジクロロメタン/塩化メチレン; DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン; DME:1,2−ジメトキシエタン(グライム(glyme)); DMF:N,N−ジメチルホルムアミド; DMAP:4−ジメチルアミノピリジン; dppf:1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン; ECDI:1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド; EtOAc:酢酸エチル; EtOH:エタノール; gc:ガスクロマトグラフィー; HMPA:ヘキサメチルホスホルアミド; HOBt:N−ヒドロキシベンゾトリアゾール; hplc:高速液体クロマトグラフィー; mCPBA:m−クロロ過安息香酸; MeCN:アセトニトリル; NMM:N−メチルモルホリン; NMP:N−メチルピロリジノン; TEA:トリエチルアミン; THF:テトラヒドロフラン; LDA:リチウムジイソプロピルアミン; TLC:薄層クロマトグラフィー。
【0300】
調製例1: (S)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミン
この調製例で使用する合成手順を、スキームCで下記に概説する。
【0301】
【化15】

【0302】
工程1 (S)−Boc−2−アミノ−プロパノール
D−アラニン(3.5g、39.3mmol)を、還流しているTHF中のLiAlH(2.89g、76.26mmol)の懸濁液に少量ずつ加えた。還流を12時間続け、次に反応混合物を0℃に冷却し、過剰な試薬を、15% NaOH水溶液(3ml)及び水(9ml)を注意深く加えることによりクエンチした。室温で10分間撹拌した後、CHCl(40ml)中の(Boc)O(8.31g、38.13mmol)の溶液を加えた。反応混合物を60℃で6時間撹拌し、室温に冷却し、無水NaSOのパッドで濾過して、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(S)−Boc−2−アミノ−プロパノールを白色の固体として得た。収率:63%。MS(M+H)=176。
【0303】
工程2 (S)−Boc−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミン
(S)−Boc−2−アミノ−プロパノール(2.00g、11.4mmol)の溶液に、AgO(5.89g、25.4mmol)及びヨウ化メチル(16.00g、112.7mmol)を室温で連続して加えた。反応混合物を室温で2日間撹拌した。固体を濾別し、濾液を減圧下で濃縮して、(S)−Boc−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミンを無色の油状物として得、それを更に精製しないで使用した。
【0304】
工程3 (S)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミン
(S)−Boc−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミンをMeOH(40mL)に溶解し、3M HCl(10mL)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次に溶媒を減圧下で除去し、残渣を更なるEtOH(20mL)と共蒸発させて、(S)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミンを塩酸塩の形態で明褐色の油状物(1.42g、100%)として得た。MS(M+H)=90。
【0305】
(S)−2−エトキシ−1−メチル−エチルアミンを、同様に調製した。
(R)−2−メトキシ−1−メチル−エチルアミン及び(R)−2−エトキシ−1−メチル−エチルアミンを、L−アラニンから同様に調製した。
【0306】
調製例2: (S)−1−メチル−2−モルホリン−4−イル−エチルアミン
この調製例で使用する合成手順を、スキームDで下記に概説する。
【0307】
【化16】

【0308】
工程1 メタンスルホン酸 2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピルエステル
CHCl中の(S)−Boc−2−アミノ−プロパノール(4.91g、0.028mol)、EtN(1.5当量)の溶液に、メタンスルホニルクロリド(1.1〜1.2当量)を0℃で加えた。反応物を0℃で30分間撹拌した。水(5ml)を加え、有機層を分離し、飽和NaHCO水溶液、ブラインで洗浄して、MgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、メタンスルホン酸 2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピルエステルを白色の固体として得た。収率:98%。MS(M+H)=254。
【0309】
工程2 (1−メチル−2−モルホリン−4−イル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
CHCN(20mL)中のメタンスルホン酸 2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピルエステル(23mmol)の溶液に、モルホリン(28mmol)及びKCO(23mmol)を室温で加えた。反応混合物を50℃にし、同温で一晩保持した。反応混合物を冷却し、溶媒を減圧下で除去し、残渣をCHCl(50mL)及びHO(50mL)で処理した。有機層を分離し、水層をCHClで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製して、(1−メチル−2−モルホリン−4−イル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを粘性の液体として得た。収率:62%。MS(M+H)=245。
【0310】
工程3 (S)−1−メチル−2−モルホリン−4−イル−エチルアミン
メタノール(10mL)中の(1−メチル−2−モルホリン−4−イル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.30g、1.22mmol)の溶液に、2N HCl(5mL)を0℃で加えた。反応混合物を室温に温まるにまかせ、一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、(S)−1−メチル−2−モルホリン−4−イル−エチルアミンを明黄色の固体(250mg、96%)として得た。MS(M+H)=145。
【0311】
以下を同様に調製した:(S)−1−メチル−2−チオモルホリン−4−イル−エチルアミン、(S)−1−[4−(2−アミノ−プロピル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン、(S)−1−(2−アミノ−プロピル)−ピペリジン−4−オール、(S)−1−(2−アミノ−プロピル)−ピペリジン−3−オール、(S)−1−メチル−2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エチルアミン、(S)−1−メチル−2−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イル)−エチルアミン、(S)−4−(2−アミノ−プロピル)−ピペラジン−2−オン、1−メチル−2−ピペリジン−1−イル−エチルアミン、1−(2−アミノ−プロピル)−ピロリジン−3−オール、(S)−2−(4−メトキシ−ピペリジン−1−イル)−1−メチル−エチルアミン、(S)−2−(3−メトキシ−ピペリジン−1−イル)−1−メチル−エチルアミン、(S)−2−(4−メタンスルホニル−ピペリジン−1−イル)−1−メチル−エチルアミン、及び他の2−アミノ−1−ヘテロシクリルプロパン類。
【0312】
調製例3: (S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1−メチル−エチルアミン
この調製例で使用する合成手順を、スキームEで下記に概説する。
【0313】
【化17】

【0314】
工程1 (1−メチル−2−オキソ−2−チオモルホリン−4−イル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
CHCl中の2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸(3.5g、18.5mmol)、HOBt(22.2mmol)、NMP(22.2mmol)及びEDCI(22.2mmol)の溶液に、チオモルホリン(2.29g、22.2mmol)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で一晩撹拌し、次に2% NaOH水溶液、水、ブラインで洗浄して、NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、(1−メチル−2−オキソ−2−チオモルホリン−4−イル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(5.0g)を得た。収率:98%。MS(M+H)=275。
【0315】
工程2 [2−(1,1−ジオキソ−1λ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1−メチル−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
CHCl中の(1−メチル−2−オキソ−2−チオモルフィン−4−イル−エチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(5.0g、18.2mmol)の溶液に、m−CPBA(11.4g、46.25mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。固体を濾過により除去し、濾液をNaにより洗浄して、NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、[2−(1,1−ジオキソ−1λ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1−メチル−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(5.6g)を得た。収率:100%。MS(M+H)=307。
【0316】
工程3 2−アミノ−1−(1,1−ジオキソ−1λ*6*−チオモルホリン−4−イル)−プロパン−1−オン
CHCl(70mL)中の[2−(1,1−ジオキソ−1λ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1−メチル−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(5.6g、18.2mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(5mL)を0℃で加えた。反応混合物を室温に温まるにまかせ、3時間撹拌した。減圧下でCHCl及び過剰量のトリフルオロ酢酸を除去した後、2−アミノ−1−(1,1−ジオキソ−1λ*6*−チオモルホリン−4−イル)−プロパン−1−オン(6.0g、収率:100%)を白色の固体として得た。MS(M+H)=207。
【0317】
工程4 (S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1−メチル−エチルアミン
2−アミノ−1−(1,1−ジオキソ−1λ*6*−チオモルホリン−4−イル)−プロパン−1−オン(6.0g、18.2mmol)とBH(THF中の1M、110mL)の混合物を48時間加熱還流し、次に室温に冷まして、MeOHによりクエンチした。揮発物を減圧下で除去した。2N HCl(100mL)を残渣に加え、18時間加熱還流した。溶媒を減圧下で除去して、(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1−メチル−エチルアミン(4.5g)を白色の固体として得た。収率:90%。MS(M+H)=193。
【0318】
調製例4: 1−ピラジン−2−イル−エチルアミン
この調製例で使用する合成手順を、スキームFで下記に概説する。
【0319】
【化18】

【0320】
メタノール(50mL)中の1−ピラジン−2−イル−エタノン(2.0g、15.85mmol)及び酢酸アンモニウム(19.337g、158.5mmol)の溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.7g、11.1mmol)を一度に加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。メタノールを除去した後、水(20mL)を残渣に加え、得られた溶液を、水酸化ナトリウムを加えることによりpH=13に塩基性化した。水溶液をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、1−ピラジン−2−イル−エチルアミン14.62gを得た。収率:75%。MS(M+H)=124。
【0321】
以下を、適切なヘテロアリールメチルケトン類又はフェニルメチルケトン類から同様に調製した:1−ピリジン−2−イル−エチルアミン、1−ピリジン−3−イル−エチルアミン、1−ピリジン−4−イル−エチルアミン、1−(2−フルオロ−フェニル)−エチルアミン、1−(3−フルオロ−フェニル)−エチルアミン、1−(4−メタンスルホニル−フェニル)−エチルアミン、1−チエン−3−イル−エチルアミン、1−フラン−2−イル−エチルアミン、1−(5−メチル−フラン)−2−イル−エチルアミン、1−チアゾール−2−イル−エチルアミン、1−チエン−2−イル−エチルアミン、1−ピリミジン−2−イル−エチルアミン、C−(6−メチル−ピリダジン−3−イル)−メチルアミン、C−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−メチルアミン及び1−ピリダジン−4−イル−エチルアミン。
【0322】
調製例5: 5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド
この調製例で使用する合成手順を、スキームGで下記に概説する。
【0323】
【化19】

【0324】
工程1 3−ヨード−5−ニトロ−安息香酸
発煙硫酸(250ml)中のヨウ素(137.95g、0.5436mmol)の撹拌した溶液に、m−ニトロ安息香酸(64.6g、0.3866mmol)を室温で加えた。反応混合物を85℃に2時間かけてゆっくり加熱し、同温で更に1時間撹拌した。反応混合物を室温に冷まし、氷に注ぎ、水溶液をジクロロメタンで抽出した。有機相を分離し、水、2.0M Na溶液及びブラインで洗浄し、次にNaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、3−ヨード−5−ニトロ安息香酸を僅かに黄色の固体111gとして得た。収率:98%。MS(M+H)=294。
【0325】
工程2 4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸
トルエン300ml及びエタノール50ml中の3−ヨード−5−ニトロ安息香酸(15.48g、52.83mmol)及びPd(PhP)(1.84g、1.69mmol)の撹拌した溶液に、p−トリルボロン酸(7.87g、58.11mmol)及び水20ml中のCsCO(18.89g、58.11mmol)の溶液を室温で加えた。反応物を18時間還流させ、次に室温に冷ました。溶液に2N NaOHを加え、反応混合物を30分間撹拌した。有機相を分離し、水相を、12N HClを使用してPH<4に調整した。得られた固体の沈殿物を濾過し、トルエンで洗浄して、4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸13.2gを明黄色の固体(97.2%)として得た。MS(M+H)=258。
【0326】
工程3 4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド
EDCI(16.17g、84.38mmol)を、NMP(9.29ml、84.38mmol)、CHCl(180ml)及びDMF(20ml)中の4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸(15.49g、60.27mmol)、HOBt(11.44g、84.38mmol)及び2−アミノ−1−メトキシ−1−プロパン(7ml、66.31mmol)の撹拌した溶液に0℃で滴下した。混合物を室温に温まるにまかせ、同温で14時間撹拌した。反応混合物を2N HCl、2N NaOH、飽和NaHCO水溶液、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミドを黄色の油状物(16.5g、83.5%)として得た。MS(M+H)=329。
【0327】
工程4 5−アミノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド
メタノール250ml中の4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド(39mmol)の撹拌した溶液に、SnCl(117mmol)を室温で一度に加えた。反応混合物を3時間加熱還流した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO溶液で処理した。個体を濾別し、濾液を飽和NaHCO水溶液、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、5−アミノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミドを黄色の油状物(10.5g、90.3%)として得た。MS(M+H)=299。
【0328】
工程5 5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド
5−アミノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド(5.3g、17.8mmol)、亜硝酸イソアミル(13.5ml、88.9mmol)及びジヨードメタン(8ml、106.7mmol)の混合物を、室温で1時間撹拌した。次に、混合物を65℃に加熱し、8時間保持し、LC/MSは反応が完了したことを示した。反応混合物を室温に冷まし、反応混合物をピペリジン−CHCN(V/V=90ml/90ml)の撹拌した溶液に室温で加えることにより、過剰量のジヨードメタンからのヨードベンゼンの分離を実施した。激しい発熱反応が起きた。過剰量の揮発物の試薬を、ロータリーエバポレーターにより80℃で除去した。残渣を酢酸エチルで希釈し、10%塩酸、水及びブラインで洗浄した。有機層を分離し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=10:1)により精製して、5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミドを黄色の固体(5.2g、83.8%)として得た。MS(M+H)=410。
【0329】
工程3で適切なアミン化合物を使用して、以下を同様に調製した:
5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミド、MS(M+H)=444;
5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−アミド、MS(M+H)=396;
5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−メチル−2−モルホリン−4−イル−エチル)−アミド、MS(M+H)=465;
5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸[2−(1,1−ジオキソ−1λ*6*−チオモルホリン−4−イル)−1−メチル−エチル]−アミド、MS(M+H)=513;及び
5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(ピラジン−2−イルメチル)−アミド、MS(M+H)=430。
【0330】
調製例6: 5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸
この調製例で使用する合成手順を、スキームHで下記に概説する。
【0331】
【化20】

【0332】
工程1 4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル
メタノール中の4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸(10.00g、0.039mol)の溶液に、SOCl(5.09g、0.043mol)を0℃で加えた。反応混合物を室温に温まるにまかせ、次に2時間加熱還流した。溶媒を減圧下で除去して、4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル(9.72g、92%)を明黄色の固体として得た。MS(M+H)=273。
【0333】
工程2 5−アミノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル
調製例6の工程4の手順を使用して、4’−メチル−5−ニトロ−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルを、SnClを用いて還元して、5−アミノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルを得た。MS(M+H)=242。
【0334】
工程3 5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル
調製例6の工程5の手順を使用して、5−アミノ−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルを、ヨウ化メチレン及び亜硝酸イソアミルで処理して、5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸を得た。MS(M+H)=353。
【0335】
2’−フルオロ−5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルを、同様に調製した。MS(M+H)=371。
【0336】
調製例7: 3−ヨード−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸
この調製例で使用する合成手順を、スキームIで下記に概説する。
【0337】
【化21】

【0338】
工程1 3−ヨード−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル
メタノール(50mL)中の3−ヨード−5−ニトロ安息香酸(20.00g、0.068mol)の溶液に、SOCl(5.45mL、0.075mol)を0℃で加えた。反応混合物を室温に温まるにまかせ、次に2時間加熱還流した。反応物を冷却し、溶媒を減圧下で除去して、3−ヨード−5−ニトロ−安息香酸メチルエステルを明黄色の固体(20.67g、99%)として得た。MS(M+H)=309。
【0339】
工程2 3−ニトロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−安息香酸メチルエステル
DMSO(40ml)中の3−ヨード−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(10g、0.0326mol)、ビス(ピナコラト)ジボラン(9.1g、0.0358mol)、KOAc(9.59g、0.098mol)及びPdCl(dppf)(798mg、0.98mmol)の溶液を、N雰囲気下、80℃に4時間加熱した。混合物を室温に冷まし、EtOで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、得られた粗3−ニトロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−安息香酸メチルエステルを、次の工程で精製せずに使用した。
【0340】
工程3 3−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル
DME/HO(5ml/1ml)中の2−ブロモ−5−メチルピリジン(1.24g、7mmol)、Pd(PPh(226mg、0.2mmol)及びKPO(2.76g、13mmol)の溶液に、3−ニトロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−安息香酸メチルエステル(2.00g、6.5mmol)をN雰囲気下で加えた。混合物を、130℃で0.5時間マイクロ波照射に付した。反応混合物を冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をフラッシュ−クロマトグラフィー(CHCl/MeOH)により精製して、3−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−5−ニトロ−安息香酸メチルエステルを白色の固体(700mg、40%)として得た。
【0341】
工程4 3−アミノ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル
メタノール/酢酸エチル中の3−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(4g、14.7mmol)の溶液に、SnCl(11.15g、58.8mmol)を室温で加えた。反応混合物を3時間還流し、次に冷却した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をHOに溶解し、NaCOを加えることによりpH=9に塩基性化した。混合物をCHClで抽出し、有機相を水、ブラインで洗浄して、NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、3−アミノ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル(3.2g、90%)を白色の固体として得た。
【0342】
工程5 3−ヨード−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル
5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステルは、調製例6の工程5の手順を使用し、ヨウ化メチレン及び亜硝酸イソアミルで処理して、3−ヨード−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステルを得た。MS(M+H)=353。
【0343】
工程6 3−ヨード−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸
O(7mL)中のLiOH水和物(82mg、1.94mmol)の溶液を、THF(4mL)中の3−ヨード−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル(526mg、1.49mmol)の懸濁液に0℃で滴下した。反応混合物を室温に温まるにまかせ、反応溶液が清澄に変化するまで撹拌した。溶媒を真空下で除去し、得られた水溶液を、10% HClによりpH=6〜7に酸性化した。得られた沈殿物を回収し、乾燥させて、3−ヨード−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸(470mg、93%)を得た。MS(M+H)=340。
【0344】
調製例8: 3−ブロモ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル
この調製例で使用する合成手順を、スキームJで下記に概説する。
【0345】
【化22】

【0346】
工程1 3−ブロモ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−安息香酸メチルエステル
3−ブロモ−5−ヨード−安息香酸メチルエステル(14.16g、41.53mmol)、ビス(ピナコラト)−ジボラン(11.60g、45.7mmol)、PdCl(dppf)(1.02g、1.256mmol)及び酢酸カリウム(12.22g、124.6mmol)をDMSO 50mLに加え、反応混合物を80℃で20時間撹拌し、次に室温に冷ました。反応混合物を水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、3−ブロモ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−安息香酸メチルエステル18.5gを得、それを更に精製せずに次の工程に直接使用した。
【0347】
工程2 3−ブロモ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル
DME 300mL中の2−ブロモ−5−メチル−ピリジン(10.27g、59.68mmol)とパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(1.88g、1.65mmol)の混合物を、窒素下、60℃で30分間撹拌した。この混合物に、3−ブロモ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−安息香酸メチルエステル(18.5g、54.25mmol)を、続いて水40mL中のKPO(23.03g、108.5mmol)を加えた。混合物を8時間還流し、次に室温に冷まし、水とEtOAcに分配した。合わせた有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(5:1 EtOAc/ヘキサン類)を介して精製して、3−ブロモ−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル8.5gを得た。MS(M+H)=306。
【0348】
以下を、同様に調製した:
3−ブロモ−5−(2−クロロ−5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル、MS(M+H)=341;
3−ブロモ−5−(2−フルオロ−5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル、MS(M+H)=325;及び
3−ブロモ−5−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル、MS(M+H)=327。
【0349】
実施例1: 5−(1H−イミダゾール−2−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド
この調製例で使用する合成手順を、スキームKで下記に概説する。
【0350】
【化23】

【0351】
イミダゾール(200mg、2.9mmol)及びMgO(60mg、2.9mmol)を、反応ボトル中で乾燥ジオキサン0.5ml及び乾燥DMF 2.5mlに懸濁し、均質な懸濁液を形成するために室温で5分間撹拌した。CuI(300mg、1.5mmol)、Pd(OAc)(18mg、0.0734mmol)、PPh(60mg、0.22mmol)及び5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド(300mg、0.7335mmol)を上記の溶液に加え、反応混合物をマイクロ波照射下、150℃に45分間加熱した。反応混合物を冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、5−(1H−イミダゾール−2−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミド(65%)165mgを得た。MS(M+H)=350。
【0352】
5−(1H−インドール−2−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(2−メトキシ−1−メチル−エチル)−アミドを、同様に調製した。MS(M+H)=399。
【0353】
上記手順により調製した更なる化合物を、表1に示す。
【0354】
実施例2: 5−(2−エチル−イミダゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミド
この調製例で使用する合成手順を、スキームLで下記に概説する。
【0355】
【化24】

【0356】
工程1 5−(2−エチル−イミダゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル
DMSO(30mL)中の5−ヨード−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル(2.0g、5.7mmol)、2−エチル−イミダゾール(1.1g、11.4mmol)、(L)−プロリン(0.26g、2.28mmol)、CuI(0.22g、1.14mmol)及びKCO(1.57g、11.4mmol)の混合物に、Nを流し、次に100℃に一晩加熱した。室温に冷ました後、反応混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を分離し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、5−(2−エチル−イミダゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステルを白色の固体(750mg、41.1%)として得た。
【0357】
工程2 5−(2−エチル−イミダゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸
5−(2−エチル−イミダゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸メチルエステル(750mg)をTHF(14mL)及び水(8mL)に溶解し、LiOH水和物(128mg、3.1mmol)を一度に加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次にTHFを減圧下で除去した。濃HClを残留水溶液に加えて、pHを約6に調整した。溶液をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5−(2−エチル−イミダゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸を得た。
【0358】
工程3 5−(2−エチル−イミダゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミド
5−(2−エチル−イミダゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸を、1−ピラジン−2−イル−エチルアミンをC−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−メチルアミンに代えて実施例3の工程3に記載されたアミドカップリング反応に付して、5−(2−エチル−イミダゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミドを得た。MS(M+H)=412。
【0359】
上記手順により調製した更なる化合物を、表1に示す。
【0360】
実施例3: 3−(2−イソプロピル−イミダゾール−1−イル)−N−(5−メチル−ピラジン−2−イルメチル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−ベンズアミド
この調製例で使用する合成手順を、スキームMで下記に概説する。
【0361】
【化25】

【0362】
工程1 3−(2−イソプロピル−イミダゾール−1−イル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル
DMSO(10ml)中の3−ヨード−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル(500mg、1.42mmol)の溶液に、2−イソプロピルイミダゾール(312mg、2.83mmol)、CuI(54mg、0.283mmol)、N,N’−ジメチルグリシンHCl塩(79mg、0.567mmol)及びKCO(391mg、2.83mmol)をN雰囲気下で加えた。混合物を100℃に一晩加熱した。室温に冷却した後、混合物をHO(15ml)で希釈した。混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン類中30%〜75% EtOAc)により精製して、3−(2−イソプロピル−イミダゾール−1−イル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステルをオフホワイト色の固体(270mg、57%)として得た。
【0363】
工程2 3−(2−イソプロピル−イミダゾール−1−イル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸
3−(2−イソプロピル−イミダゾール−1−イル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル(270mg、0.81mmol)をMeOH 10mLに溶解し、3N NaOH水溶液(1mL)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残渣をpH3に酸性化し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、3−(2−イソプロピル−イミダゾール−1−イル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸234mgを得た。
【0364】
工程3 3−(2−イソプロピル−イミダゾール−1−イル)−N−(5−メチル−ピラジン−2−イルメチル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−ベンズアミド
3−(2−シクロプロピルメチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−安息香酸(0.234g、0.55mmol)、C−(5−メチル−ピラジン−2−イル)−メチルアミン(0.044g、0.36mmol)、EDCI(0.103g、0.54mmol)、HOBt(0.073g、0.54mmol)、及びNMM(0.183g、1.80mmol)を、ジクロロメタン7mLに加えた。反応混合物を室温で48時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(5:1 EtOAc/ヘキサン類)により精製して、3−(2−イソプロピル−イミダゾール−1−イル)−N−(5−メチル−ピラジン−2−イルメチル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−ベンズアミドを得た。MS(M+H)=427。
【0365】
工程3で適切なアミン類を使用し、以下を同様に調製した:
N−シクロプロピル−3−(2−イソプロピル−イミダゾール−1−イル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−ベンズアミド、MS(M+H)=361;
N−((S)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−3−(2−イソプロピル−イミダゾール−1−イル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−ベンズアミド、MS(M+H)=379;及び
3−(2−イソプロピル−イミダゾール−1−イル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−N−(1−ピラジン−2−イル−エチル)−ベンズアミド、MS(M+H)=427。
【0366】
上記手順により調製した更なる化合物を、表1に示す。
【0367】
実施例4: 処方
種々の経路で送達される医薬製剤を下記の表で示されるように製剤化する。表中で使用する「活性成分」又は「活性化合物」は、1つ以上の式(I)の化合物を意味する。
【0368】
【表2】

【0369】
成分を混合し、それぞれ約100mgを含有するようにカプセルに分注する。1カプセルがほぼ全投薬用1日量となる。
【0370】
【表3】

【0371】
成分を合わせ、メタノールのような溶媒を使用して粒状にする。次に処方物を乾燥させ、適切な錠剤成形機を用いて錠剤(活性化合物約20mg含有)を形成する。
【0372】
【表4】

【0373】
成分を混合して、経口投与用の懸濁剤を形成する。
【0374】
【表5】

【0375】
活性成分を注射用水の一部に溶解する。次に十分な量の塩化ナトリウムを撹拌しながら加えて、溶液を等張にする。注射用水の残りを溶液に負荷し、0.2μm膜フィルタを通して濾過し、滅菌条件下で包装する。
【0376】
【表6】

【0377】
成分を一緒に溶融し、蒸気浴上で混合し、全重量2.5gを含有するように鋳型に注ぐ。
【0378】
【表7】

【0379】
水以外の全ての成分を合わせ、撹拌しながら約60℃に加熱する。次に、十分な量の水を激しく撹拌しながら約60℃で加え、成分を乳化し、次に、約100gにするのに適量の水を加える。
【0380】
鼻腔スプレー用処方
活性化合物を約0.025〜0.5%含有するいくつかの水性懸濁液を、鼻腔スプレー用処方として調製する。配合物は、場合により例えば、微晶質セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、デキストロース等のような不活性成分を含む。塩酸を加えてpHを調整してよい。鼻腔スプレー配合物は、鼻腔スプレー計量ポンプを介して、典型的には1回の作動で配合物を約50〜100μl送達する。一般的な投与スケジュールは、4〜12時間毎に2〜4回のスプレーである。
【0381】
実施例5: P2X/P2X2/3FLIPR(蛍光定量イメージングプレートリーダー)アッセイ
クローニングされたラットP2X又はヒトP2X2/3受容体サブユニットを、CHO−K1細胞にトランスフェクションし、その細胞をフラスコ中で継代した。FLIPR実験の18〜24時間前に、細胞をフラスコから放出し、遠心分離し、2.5×10細胞/mlで栄養培地に再懸濁した。黒色壁の96ウェルプレートに50,000細胞/ウェルの密度で細胞を分注し、5%CO中、37℃で一晩インキュベートした。実験の当日に、FLIPR緩衝液(カルシウム及びマグネシウム不含有のハンクス平衡塩溶液、10mM HEPES、2mM CaCl、2.5mMプロベネシド;FB)中で細胞を洗った。各ウェルに100μlのFB及び100μlの蛍光色素Fluo-3 AM(終濃度2μM)を入れた。色素を添加して37℃で1時間インキュベーションした後に、細胞をFBで4回洗い、最終的に75μl/ウェルのFBを各ウェルに残した。
【0382】
被験化合物(10mMでDMSOに溶解し、FBで系列希釈したもの)又はビヒクルを各ウェルに加え(4×溶液25μl)、室温で20分間平衡化させた。次にプレートをFLIPR中に置き、ベースラインの蛍光測定値(励起488nm、発光510〜570nm)を10秒間得た後で、100μl/ウェルのアゴニスト又はビヒクルを加えた。アゴニストは、1μM(P2X)又は5μM(P2X2/3)の終濃度を生成するα,β−meATPの2×溶液であった。アゴニストを添加した後で、蛍光を追加的に1秒間隔で2分間測定した。FLIPRテストプレートの各ウェルにイオノマイシンを最終的に添加し(終濃度5μM)、細胞生存率及び色素が結合したサイトソルカルシウムの最大蛍光を確定した。α,β−meATPの添加(被験化合物の不在下及び存在下)に応答したピーク蛍光を測定し、非線形回帰を利用して阻害曲線を作成した。標準的P2XアンタゴニストであるPPADSを陽性対照として使用した。
【0383】
上記手順を使用して、本発明の化合物は、P2X受容体に対して活性を示した。上記アッセイを使用して、化合物3−(2−エチル−イミダゾール−1−イル)−N−(5−メチル−ピラジン−2−イルメチル)−5−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−ベンズアミドは、例えば、P2X受容体に対して約8.55のpIC50を示し、及び化合物5−(2−イソプロピル−イミダゾール−1−イル)−4’−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸(1−ピラジン−2−イル−エチル)−アミドは、P2X2/3受容体に対して約7.33のpKiを示した。
【0384】
実施例6: 喘息及び肺機能に関するインビボアッセイ
標準的な免疫化プロトコールでBALb/cJマウスを免疫化する。簡潔には、0日目及び14日目に、ミョウバン中のオボアルブミン(OVA;10μg)でマウス(N=8/群)を腹腔内(i.p.)免疫化する。次に、21日目及び22日目にエアロゾル化OVA(5%)でマウスをチャレンジする。動物にビヒクル(経口投与(p.o.))又は本発明の化合物(100mg/kg 経口投与)を、全て20日目から投与する。
【0385】
Buxcoシステムを使用して23日目に肺機能を評価して、エアロゾルメタコリン・チャレンジに応答してのPenHを測定する。次に、研究の終わりにマウスを安楽死させ、血漿試料を収集する。
【0386】
実施例7: 容量誘導膀胱収縮アッセイ
雌性Sprague-Dawleyラット(200〜300g)をウレタン(1.5g/kg、皮下投与(s.c.))で麻酔した。動物を気管切開し、それぞれ血圧測定及び薬物投与のために頸動脈及び大腿静脈にカニューレを挿入した。開腹を行い、輸尿管を結紮し、結紮部近位で切断した。外尿道管を絹縫合糸で結紮し、食塩水注入及び膀胱内圧の測定のために円蓋を介して膀胱にカニューレを挿入した。
【0387】
15〜30分の安定化期間の後で、連続的な容量誘導膀胱収縮(VIBC)が観察されるまで、膀胱に室温の食塩水を100μl/分で注入した。次に、注入速度を3〜5μl/分に30分間下げた後で、膀胱から排液し、30分間休ませた。全てのその後の注入は、より低い注入速度を30分間の代わりに15分間だけ維持した以外、前述の通りに行った。閾値容量(TV;1回目の排尿膀胱収縮を引き起こすために必要な容量)が二つの連続するベースラインについて10%未満の変動になり、かつ注入速度を下げた後の10分間についての収縮回数が2回以内になるまで、膀胱の充満及び排液サイクルを繰り返した。いったん再現性のあるTV及びVIBCが確立されたなら、膀胱から排液し、次に予定された注入を開始する3分前に、動物に薬物又はビヒクル(0.5ml/kg、静脈内投与(i.v.))を投薬した。
【0388】
実施例8: ホルマリン疼痛アッセイ
雄性Sprague Dawleyラット(180〜220g)を個別のプレキシガラス(Plexiglas)シリンダーに入れ、30分間試験環境に順応させる。ビヒクル、薬物又は陽性対照(モルヒネ 2mg/kg)を5ml/kgで皮下投与する。投薬の15分後に、右後肢の足底表面にホルマリン(5%を50μl)を26ゲージの針で注射する。ラットを直ちに観察チャンバーに戻す。チャンバーの周囲に置いた鏡により、ホルマリンを注射した肢を障害なしに観察できる。自動行動計時装置を使用して、盲検の観察者が各動物の侵害防御的挙動(nociphensive behavior)の持続時間を記録する。後肢の舐め及び振り回し/持ち上げを、ビン幅5分で合計60分間別々に記録する。0〜5分間に舐め又は振り回しに費やした合計時間(秒)を初期とみなし、後期は、15〜40分間に舐め又は振り回しに費やした合計時間(秒)とする。血漿試料を採取する。
【0389】
実施例9: 結腸疼痛アッセイ
成体雄性Sprague-Dawleyラット(350〜425g;Harlan, Indianapolis, IN)を動物飼育施設でケージあたり1〜2匹収容する。腹腔内投与したペントバルビタールナトリウム(45mg/kg)でラットを深麻酔する。筋電計(EMG)記録のために外腹斜筋系に電極を配置し、固定する。電極のリード線は皮下を通し、今後のアクセスのために首項部で露出させる。術後、ラットを別々に収容し、試験前4〜5日間回復させる。
【0390】
フレキシブルチューブの周囲に結びつけた7〜8cm長のフレキシブルラテックスバルーンの圧制御膨張により、下行結腸及び直腸を膨張させる。バルーンを潤滑にし、肛門を介して結腸に挿入し、尾の付け根にバルーンカテーテルをテープで固定する。結腸直腸の膨張(CRD)を、定圧空気リザーバーへのソレノイドゲートを開放することによって達成する。結腸内圧を圧制御デバイスにより制御し、連続的にモニターする。応答を、腹部及び後肢筋系の収縮である、内蔵運動応答(VMR)として定量する。外腹斜筋系の収縮により生じたEMG活動をSpike2ソフトウェア(Cambridge Electronic Design)を用いて定量する。各膨張試験を60秒間継続し、そしてEMG活動を、膨張前の20秒間(ベースライン)、20秒間の膨張の間、及び膨張後の20秒間定量する。ベースラインを超える、膨張の間に記録したカウントの総数の増加を応答として定義する。いずれも処置前の、意識のある鎮静させていないラットにおいて、CRDに対する安定なベースライン応答(10、20、40及び80mmHg、20秒間、4分間隔)を得る。
【0391】
急性内臓侵害受容のモデル、及び約6cmの深さに挿入した胃管栄養針で結腸に滴下注入したザイモサン(1mL、25mg/mL)を用いた結腸内処置により生じた結腸過敏症のモデルで、最初に結腸膨張に対する応答に及ぼす効果について化合物を評価する。実験群は、それぞれラット8匹からなる。
【0392】
急性内臓侵害受容: 急性内臓侵害受容に及ぼす薬物の効果を試験するために、ベースライン応答が確立された後で、薬物、ビヒクル、又は陽性対照(モルヒネ、2.5mg/kg)の3用量のうち一つを投与し、その後60〜90分間膨張に対する応答を追跡する。
【0393】
内臓過敏症: ザイモサンを用いた結腸内処置後の薬物又はビヒクルの効果を試験するために、ベースライン応答が確立された後で結腸内処置を行う。薬物を試験する4時間前に、膨張に対する応答を評価して、過敏症の存在を確立する。ザイモサン処置ラットでは、ザイモサン処置の4時間後に、薬物、ビヒクル又は陽性対照(モルヒネ、2.5mg/kg)の3用量のうち一つの投与を行い、その後60〜90分間、膨張に対する応答を追跡する。
【0394】
実施例10: 坐骨神経の慢性収縮性損傷を有するラットにおける冷感異痛
ラットにおける神経因性疼痛の慢性収縮性損傷(CCI)モデルを使用して、本発明の化合物が冷感異痛に及ぼす効果を決定するが、ここで、金属板の底及び深さ1.5〜2.0cm、温度3〜4℃の水を含む冷水浴中で冷感異痛を測定する(Gogas et al., Analgesia 1997, 3:1-8)。
【0395】
具体的には、CCIラットを麻酔し、坐骨神経の三分枝を位置決定し、三分枝近位の坐骨神経周囲に4個の結紮を行う(4−0又は5−0クロムガット)。次に、ラットを手術から回復させる。術後4〜7日目に、動物を個別に冷水浴に入れ、損傷した肢を1分間に持ち上げる合計回数を記録することによって、寒冷誘導異痛についてラットを最初に評定する。損傷した肢は水から持ち上げられる。歩行運動又は姿勢の取り直しに関連する肢の持ち上げは記録しない。術後4〜7日に1分間に5回以上の持ち上げを示したラットを、冷感異痛を示していると見なし、その後の研究に使用する。急性研究では、ビヒクル、参照化合物、又は本発明の化合物を試験の30分前に皮下投与(s.c.)する。以下の方式の最終経口投与の14、20、又は38時間後に、本発明の化合物の繰り返し投与が冷感異痛に及ぼす効果を決定する:約12時間間隔(BID(1日2回))で7日間のビヒクル、参照、又は本発明の化合物の経口投与(p.o.)。
【0396】
実施例11: C3H/HeJマウスにおけるガン性骨痛
C3H/HeJマウスの遠位大腿骨に2472肉腫細胞を髄内注射した後の7日目〜18日目との間に本発明の化合物が骨痛に及ぼす効果を決定する。
【0397】
具体的には、髄内注射後に、骨に溶解性病変を形成することが以前に示されているNCTC2472腫瘍細胞(American Type Culture Collection, ATCC)を増殖させ、ATCCの推奨に準じて維持する。麻酔したC3H/HeJマウスの遠位大腿骨の骨髄腔に約105個の細胞を直接注射する。およそ7日目から、自発的侵害防御的挙動(尻込み及び警戒)、触感起発侵害防御的挙動(尻込み及び警戒)、強制歩行警戒、及び肢の使用についてマウスを評価する。本発明の化合物の効果を、7日目〜15日目に単回急性皮下投与後に決定する。加えて、7日目〜15日目の本発明の化合物の繰り返し(BID)投与の効果を、7、9、11、13、及び15日目の初回投与から1時間以内に決定する。
【0398】
本発明を、その具体的な実施態様を参照して説明したが、当業者は、本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができ、等価物で代用しうることを理解するはずである。加えて、特定の状況、材料、合成物、プロセス、プロセス工程に適合するように、本発明の目的の精神及び範囲に多数の改変を加えうる。このような改変の全ては、本明細書に添付される特許請求の範囲内に含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化26】


{式中、
は、場合により置換されているイミダゾリルであり、
は、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているピリジニル、場合により置換されているピリミジニル、場合により置換されているピリダジニル又は場合により置換されているチオフェニルであり;
は、水素;C1−6アルキル;ヘテロ−C1−6アルキル;又はシアノであり;
は、水素;C1−6アルキル;又はヘテロ−C1−6アルキルであるか;あるいは
とRは、それらが結合している原子と一緒になって、C3−6炭素環を形成してもよく;
は、C1−6アルキル;ヘテロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルキル;N−C1−6アルキルアミノ;N,N−ジ−(C1−6アルキル)−アミノ;C3−7シクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;ヘテロシクリル;C3−7シクロアルキル−C1−6アルキル;ヘテロアリール−C1−6アルキル;ヘテロシクリル−C1−6アルキル;アリール−C1−6アルキル;アリールオキシ−C1-6アルキル;−(CR−C(O)−R[ここで、mは、0又は1であり;R及びRは、各々独立に、水素;又はC1−6アルキルであり;そしてRは、水素;C1−6アルキル;ヘテロ−C1−6アルキル;C3−7シクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;ヘテロシクリル;C3−7シクロアルキル−C1−6アルキル;アリール−C1−6アルキル;ヘテロアリール−C1−6アルキル;ヘテロシクリル−C1−6アルキル;C3−7シクロアルキルオキシ;アリールオキシ;ヘテロアリールオキシ;ヘテロシクリルオキシ;C3−7シクロアルキルオキシ−C1−6アルキル;アリールオキシ−C1−6アルキル;ヘテロアリールオキシ−C1−6アルキル;ヘテロシクリルオキシ−C1−6アルキル;又は−NR10(ここで、Rは、水素;又はC1−6アルキルであり;そしてR10は、水素;C1−6アルキル;ヘテロ−C1−6アルキル;C3−7シクロアルキル;アリール;ヘテロアリール;ヘテロシクリル;C3−7シクロアルキル−C1−6アルキル;アリール−C1−6アルキル;ヘテロアリール−C1−6アルキル;又はヘテロシクリル−C1−6アルキルである)である]であるか;あるいは、
とRは、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりヒドロキシで置換されているC3−6炭素環を形成してもよいか;あるいは
とRは、それらが結合している原子と一緒になって、O、N及びSから各々独立に選択される、1個又は2個のヘテロ原子を含有するC4−6複素環を形成してもよいか;あるいは
、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、1個又は2個の窒素原子を含有する6員ヘテロアリールを形成してもよく、そしてこれは、場合により、ハロ、アミノ又はC1−6アルキルで置換されており;そして
、R及びRは、各々独立に、水素;C1−6アルキル;C1−6アルキルオキシ;ハロ;C1−6ハロアルキル;又はシアノである}
で示される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
が、場合により、C1−6アルキル又はハロ−C1−6アルキルで1回置換されているイミダゾリルである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が、4−メチル−フェニル、2−フルオロ−4−メチル−フェニル、2−クロロ−4−フルオロ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、2,4−ジクロロ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、又は2−クロロ−4−メチル−フェニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
が、5−メチル−ピリジン−2−イル、5−クロロ−ピリジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−3−クロロ−ピリジン−2−イル、3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−イル又は3,5−ジクロロ−ピリジン−2−イルである、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
が、式(A1)、式(A2)、又は式(A3):
【化27】


[式中、R及びRは、各々独立に:水素;C1−6アルキル;C1−6アルコキシ;C1−6アルキルスルホニル;フェニル;アミノ;N−C1−6アルキル−アミノ;N,N−ジ−C1−6アルキル−アミノ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;ヘテロ−C1−6アルキル;C3−6−シクロアルキル;C3−6シクロアルキル−C1−6アルキル;アミノカルボニル;ヘテロシクリルカルボニル;C1−6アルコキシカルボニル;又はシアノであるか;あるいはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、各々場合により置換されている、フェニル、ピリジニル又はピリミジニル基を形成し;そして、Rは、水素、C1−6アルキル又はハロ−C1−6アルキルである]
で示される基である、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
化合物が、式(IIa)、(IIb)又は(III):
【化28】


[式中、
Xは、C又はNであり;
11及びR12は、各々独立に、水素;C1−6アルキル;C1−6アルキルオキシ;ハロ;ハロ−C1−6アルキル;ハロ−C1−6アルコキシ;ヘテロ−C1−6アルキル;C1−6アルキルスルホニル;又はシアノであり;そして
及びRは、請求項1に記載のとおりである]
で示される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩である、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
薬学的に許容しうる担体、及び請求項1記載の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項8】
炎症痛、手術痛、内臓痛、歯痛、月経前痛、中枢性疼痛、火傷による疼痛、片頭痛又は群発性頭痛、神経損傷、神経炎、神経痛、中毒、虚血傷害、間質膀胱炎、ガン疼痛、ウイルス、寄生虫又は細菌感染、外傷後損傷、又は過敏性腸症候群に関係する疼痛から選択される疼痛症状;あるいは慢性閉塞性肺障害(COPD)、喘息、及び気管支痙攣から選択される呼吸障害を処置する方法であって、請求項1記載の化合物の有効量を、それを必要とする被験体に投与することを含む、方法。
【請求項9】
炎症性及び/又は自己免疫性状態の処置用の医薬の製造のための、請求項1記載の式(I)で示される化合物の使用。
【請求項10】
本明細書中に記載の発明。

【公表番号】特表2011−506520(P2011−506520A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538558(P2010−538558)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【国際出願番号】PCT/EP2008/066985
【国際公開番号】WO2009/077365
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】