説明

新規なジアザ二環式アリール誘導体及びそれらの医学的使用

本発明は、ニコチン性アセチルコリン受容体においてコリン作動性リガンドであり、モノアミン受容体及び輸送体の修飾薬であることが見出された、新規なジアザ二環式アリール誘導体に関する。本発明の化合物は、これらの薬理学的特性によって、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関連する疾患又は障害、平滑筋収縮に関連する疾患又は障害、内分泌の疾患又は障害、神経変性に関連する疾患又は障害、炎症、疼痛、及び化学物質の誤用停止によって引き起こされる禁断症状の疾患又は障害などの多様な疾患又は障害の治療に関して有用なこともある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニコチン性アセチルコリン受容体においてコリン作動性リガンドであり、モノアミン受容体及び輸送体の修飾薬であることが見出された、新規なジアザ二環式アリール誘導体(diazabicyclic aryl derivatives)に関する。本発明の化合物は、これらの薬理学的特性によって、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関連する疾患又は障害、平滑筋収縮に関連する疾患又は障害、内分泌の疾患又は障害、神経変性に関連する疾患又は障害、炎症、疼痛、及び化学物質の誤用の停止によって引き起こされる禁断症状の疾患又は障害などの多様な疾患又は障害の治療に関して有用なこともある。
【背景技術】
【0002】
内因性コリン作動性神経伝達物質のアセチルコリンは、2種類のコリン作動性受容体、すなわちムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)及びニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)を経由して生物学的効果を発揮する。
【0003】
記憶と認識に対して重要な脳の部位において、ムスカリン性アセチルコリン受容体が、ニコチン性アセチルコリン受容体を定量的に支配していることが十分確認されているので、記憶関連障害の治療のための薬剤開発を目的とする開発の多くは、ムスカリン性アセチルコリン受容体修飾薬の合成に集中している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、最近nAChR修飾薬の開発に関する関心が現れてきた。幾つかの疾患は、コリン作動系の変性、すなわちアルツハイマー型の老人性認知症、アルコール依存症に直接関連する器質性脳障害疾患による血管性認知症及び認識機能障害に関連している。実際、幾つかのコリン作動性障害は、コリン作動性欠損、ドーパミン作動性欠損、アドレナリン作動性欠損又はセロトニン作動性欠損が原因である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、修飾薬がコリン作動性受容体、特にニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)、セロトニン受容体(5−HTR)、ドーパミン受容体(DAR)及びノルエピネフリン受容体(NER)に関連する疾患又は障害、及びセロトニン(5−HT)、ドーパミン(DA)及びノルエピネフリン(NE)に関する生体アミン輸送体の疾患又は障害の治療に有用である、ニコチン及び/又はモノアミン受容体の新規な修飾薬の提供に関する。
【0006】
本発明の化合物は、これらの薬理学的特性によって、中枢神経系(CNS)、末梢神経系(PNS)のコリン作動系に関連する疾患又は障害、平滑筋収縮に関連する疾患又は障害、内分泌の疾患又は障害、神経変性に関連する疾患又は障害、炎症、疼痛、及び化学物質の誤用の停止によって引き起こされる禁断症状の疾患又は障害などの多様な疾患又は障害の治療に関して有用なこともある。
【0007】
また本発明の化合物は、様々な診断方法における診断用ツール又は監視剤、特に生体内受容体画像(神経画像)において有用なこともあり、化合物は標識付きでも標識無しでも使用することもできる。
【0008】
本発明は、その第1の態様において、式Iの新規なジアザ二環式アリール誘導体、
【化1】


その任意の鏡像異性体又はその鏡像異性体の任意の混合物、或いは医薬として許容できるこれらの塩を提供する。
ここで、
R’は、水素、アルキル、アルケニル又はアルコキシ−アルキルを表し;
Aは、フェニル、フラニル、チエニル、セレノフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルから選択される芳香族単環式基を表し;
Bは、芳香族単環式又は二環式炭素環又は複素環基を表し、この炭素環又は複素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキル−カルボニル−アミノ、メチレンジオキシ及びエチレンジオキシから成る群から選択される置換基により、1回又は複数回場合によって置換されている。
【0009】
本発明は、その第2態様において、治療有効量の本発明のジアザ二環式アリール誘導体又は医薬として許容できるこれらの付加塩、又はこれらのプロドラッグを、少なくとも1つの、医薬として許容できる担体又は希釈剤と一緒に含む、薬剤組成物を提供する。
【0010】
さらなる態様において、本発明は、本発明のジアザ二環式アリール誘導体、又は医薬として許容できるこれらの付加塩の、コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答性のある、ヒトを含む哺乳動物の疾患、障害又は状態の治療、予防又は軽減に関する薬剤組成物/薬物の製造のための使用に関する。
【0011】
最終態様において、本発明はヒトを含む、動物の生体の疾患、障害又は状態の治療、予防又は軽減するための方法を提供し、この疾患、障害又は状態は、コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答性であり、この方法は、本発明のジアザ二環式アリール誘導体の治療有効量を、これらを必要としているかかる動物の生体に投与するステップを含む。
【0012】
本発明の他の目的は、以下の詳細な説明及び実施例により、当業者に明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
ジアザ二環式アリール誘導体
最初の態様において、新規な3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]オクタンアリール誘導体を提供する。本発明のジアザ二環式アリール誘導体は、一般式I
【化2】


で表すこともでき、その任意の鏡像異性体、又はその鏡像異性体の混合物、或いは医薬として許容できるこれらの塩であり、ここで、
R’は、水素、アルキル、アルケニル又はアルコキシ−アルキルを表し;
Aは、フェニル、フラニル、チエニル、セレノフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルから選択される芳香族単環式基を表し;
Bは、芳香族単環式又は二環式炭素環又は複素環基を表し、この炭素環又は複素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキル−カルボニル−アミノ、メチレンジオキシ及びエチレンジオキシから成る群から選択される置換基により、1回又は複数回場合によって置換されている。
【0014】
好ましい実施形態において、本発明のジアザ二環式アリール誘導体は、式Iの化合物であり、ここでR’は水素、又はアルキル、アルケニル又はアルコキシ−アルキルを表す。
【0015】
より好ましい実施形態において、R’は水素又はアルキルを表す。
【0016】
さらに好ましい実施形態において、R’は水素、メチル、エチル、プロピル、アリル、メトキシ−メチル又はメトキシ−エチルを表す。
【0017】
より一層好ましい実施形態において、R’は水素、メチル、エチル、プロピル、アリル又はメトキシ−エチルを表す。
【0018】
一層好ましい実施形態において、R’は水素、メチル、エチル又はプロピルを表す。
【0019】
さらにより好ましい実施形態において、R’は水素又はメチルを表す。
【0020】
さらに一層好ましい実施形態において、R’はアリル又はメトキシエチルを表す。
【0021】
別の好ましい実施形態において、本発明のジアザ二環式アリール誘導体は式Iの化合物であり、ここでR’はアルキルを表す。
【0022】
より好ましい実施形態において、R’はメチル、エチル又はプロピルを表す。
【0023】
なおさらより好ましい実施形態において、R’はメチルを表す。
【0024】
第3の好ましい実施形態において、本発明のジアザ二環式アリール誘導体は式Iの化合物であり、ここでAは、フェニル、フラニル、チエニル、セレノフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルから選択される芳香族単環式基を表す。
【0025】
第4の好ましい実施形態において、本発明のジアザ二環式アリール誘導体は式Iの化合物であり、ここでAは、フラニル、チエニル、セレノフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルから選択される芳香族複素環基を表す。
【0026】
第5の好ましい実施形態において、本発明のジアザ二環式アリール誘導体は式Iの化合物であり、ここでAは、オキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル又はピラジニルを表す。
【0027】
より好ましい実施形態において、Aはオキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリダジニル又はピリミジニルを表す。
【0028】
なおさらより好ましい実施形態において、Aは1,3,4−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ピリダジニル又はピリミジニルを表す。
【0029】
より一層好ましい実施形態において、Aはピリダジニルを表す。
【0030】
一層好ましい実施形態において、Aはピリダジン−3,6−ジイルを表す。
【0031】
さらにより一層好ましい実施形態において、Aは1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイルを表す。
【0032】
さらに一層好ましい実施形態において、Aは1,3,4−チアジアゾ−ル−2,5−ジイルを表す。
【0033】
さらに一層好ましい実施形態において、Aはピリミジン−2,5−ジイルを表す。
【0034】
第6の好ましい実施形態において、本発明のジアザ二環式アリール誘導体は式Iの化合物であり、ここでBは、芳香族単環式又は二環炭素環又は複素環基を表し、この炭素環又は複素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキル−カルボニル−アミノ、メチレンジオキシ及びエチレンジオキシから成る群から選択される置換基により、1回又は複数回場合によって置換されている。
【0035】
より好ましい実施形態において、Bは芳香族単環式又は二環式炭素環又は複素環基を表し、この炭素環又は複素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ及びアルキル−カルボニル−アミノから成る群から選択される置換基により、1回又は複数回場合によって置換されている。
【0036】
第7の好ましい実施形態において、本発明のジアザ二環式アリール誘導体は式Iの化合物であり、ここでBは、フェニル、ナフチル、ピロリル、フラニル、チエニル、インドリル、ベンゾフラニル及びベンゾチエニルから選択される芳香族単環式又は二環式炭素環又は複素環基を表し、この炭素環又は複素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキル−カルボニル−アミノ、メチレンジオキシ及びエチレンジオキシから成る群から選択される置換基により、1回又は複数回場合によって置換されている。
【0037】
より好ましい実施形態において、Bは、フェニル、ナフチル、ピロリル、フラニル、チエニル、インドリル、ベンゾフラニル及びベンゾチエニルから選択される芳香族単環式又は二環式炭素環又は複素環基を表し、この炭素環又は複素環基が、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、アミノ、メチレンジオキシ及びエチレンジオキシから成る群から選択される置換基により、1回又は複数回場合によって置換されている。
【0038】
なおさらより好ましい実施形態において、Bは、フェニル、ナフチル、ピロリル、フラニル、チエニル、インドリル、ベンゾフラニル及びベンゾチエニルから選択される芳香族単環式又は二環式炭素環又は複素環基を表し、この炭素環又は複素環基が、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、トリハロアルキル、アミノ、メチレンジオキシ及びエチレンジオキシから成る群から選択される置換基により、1回又は2回場合によって置換されている。
【0039】
さらに一層好ましい実施形態において、Bは、フェニル、ナフチル、ピロリル、フラニル、チエニル、インドリル、ベンゾフラニル及びベンゾチエニルから選択される芳香族単環式又は二環式炭素環又は複素環基を表し、この炭素環又は複素環基が、メトキシ、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、アミノ、メチレンジオキシ及びエチレンジオキシから成る群から選択される置換基により、1回又は2回場合によって置換されている。
【0040】
さらにより好ましい実施形態において、Bはフェニル又はナフチルを表し、炭素環基がアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキル−カルボニル−アミノ、メチレンジオキシ及びエチレンジオキシから成る群から選択される置換基により、1回又は複数回場合によって置換されている。
【0041】
さらに一層より好ましい実施形態において、Bはフェニル又はナフチルを表し、炭素環基がアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ及びアルキル−カルボニル−アミノから成る群から選択される置換基により、1回又は複数回場合によって置換されている。
【0042】
さらに一層より好ましい実施形態において、Bはフェニル又はナフチルを表し、炭素環基がアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ及びアルキル−カルボニル−アミノから成る群から選択される置換基により、1回又は複数回場合によって置換されている。
【0043】
さらに一層より好ましい実施形態において、Bはフェニル又はナフチルを表す。
【0044】
さらに一層より好ましい実施形態において、Bはフェニルを表す。
【0045】
第8の好ましい実施形態において、本発明のジアザ二環式アリール誘導体は式Iの化合物であり、ここでBはフェニル又はナフチルを表し、このフェニル及びナフチルが、非置換又はハロ、アルコキシ及び/又はアミノにより1回又は2回置換されており、或いはメチレンジオキシ又はエチレンジオキシにより置換されている。
【0046】
第9の好ましい実施形態において、本発明のジアザ二環式アリール誘導体は式Iの化合物であり、ここでBはピロリル、フラニル又はチエニルを表し、このピロリル、フラニル又はチエニルは非置換又はハロにより1回置換されている。
【0047】
第10の好ましい実施形態において、本発明のジアザ二環式アリール誘導体は式Iの化合物であり、ここでBはインドリル、ベンゾフラニル、及びベンゾチエニルを表し、このインドリル、ベンゾフラニル、及びベンゾチエニルは非置換である。
【0048】
より好ましい実施形態において、Bはインドール−5−イル、ベンゾフラン−2−イル又はベンゾチエン−2−イルを表す。
【0049】
最も好ましい実施形態において、本発明のジアザ二環式アリール誘導体は、
9−メチル−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−(5−フェニル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[5−(4−クロロ−フェニル)−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−(6−チオフェン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−(6−チオフェン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(6−フラン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(6−フラン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(3−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(4−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(2−メトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(3−メトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(2−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(4−メトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)−ピリダジン−3−イル]−フェニルアミン;
3−[6−(5−クロロ−チオフェン−2−イル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−[6−(1H−ピロール−2−イル)−ピリダジン−3−イル]−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(6−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−ピリダジン−3−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(4−クロロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−(6−ナフタレン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(6−ベンゾフラン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(6−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(2,3−ジメトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−[6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−(5−チオフェン−2−イル−ピリミジン−2−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−(5−チオフェン−3−イル−ピリミジン−2−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(5−フラン−3−イル−ピリミジン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(5−フラン−2−イル−ピリミジン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−(5−フェニル−ピリミジン−2−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−(5−ナフタレン−2−イル−ピリミジン−2−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(5−ベンゾフラン−2−イル−ピリミジン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリミジン−2−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−エチル−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−(2−メトキシ−エチル)−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−イソプロピル−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−アリル−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;又は
9,9−ジメチル−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
又はこれらの鏡像異性体若しくは鏡像異性体の混合物、或いは医薬として許容できるこれらの塩である。
【0050】
本明細書で記述した実施形態の2つ以上の任意の組合せは、本発明の範囲内であると考えられる。
【0051】
置換基の定義
本発明の文脈において、ハロは、フッ素、塩素、臭素又はヨード原子を表す。したがって、トリハロメチル基は、例えばトリフルオロメチル基、トリクロロメチル基及び類似のトリハロ置換メチル基を表す。
【0052】
本発明の文脈において、アルキル基は、一価の飽和した、直鎖又は分鎖の炭化水素鎖を示す。炭化水素鎖は、好ましくは1〜18個の炭素原子(C1〜18アルキル)、より好ましくは、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三ペンチル、ヘキシル及びイソヘキシルを含む1〜6個の炭素原子(C1〜6アルキル;低アルキル)を含む。好ましい実施形態において、アルキルは、ブチル、イソブチル、第二ブチル、及び第三ブチルを含むC1〜4−アルキル基を表す。本発明の別の好ましい実施形態において、アルキルはC1〜3アルキル基を表し、これは特に、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルであっても良い。
【0053】
本発明の文脈において、シクロアルキル基は、シクロアルキル基を示し、好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを含む3〜7個の炭素原子(C3〜7シクロアルキル)を含む。
【0054】
本発明の文脈において、シクロアルキル−アルキル基は、上で定義したシクロアルキル基を示し、シクロアルキル基は、同様に上で定義したアルキル基上で置換されている。本発明の好ましいシクロアルキル−アルキル基の例には、シクロプロピルメチル及びシクロプロピルエチルが含まれる。
【0055】
本発明の文脈において、アルコキシ基は「アルキル−O−」基を示し、ここでアルキルは上で定義した通りである。本発明の好ましいアルコキシ基の例には、メトキシ及びエトキシが含まれる。
【0056】
本発明の文脈において、シアノアルキル基は「−アルキル−CN」基を示し、ここでアルキルは上で定義した通りである。
【0057】
本発明の文脈において、アルキル−カルボニル−アミノ基は、「アルキル−CO−NH」基を示し、ここでアルキルは上で定義した通りである。本発明の好ましいアルキル−カルボニル−アミノ基はアセトアミドを含む。
【0058】
本発明の文脈において、芳香族単環式又は二環式炭素環基は、単環式又は多環式芳香族炭化水素基を示す。本発明の好ましいアリール基の例には、フェニル、インデニル、ナフチル、アズレニル、フルオレニル、及びアントラセニルが含まれる。
【0059】
本発明の文脈において、芳香族単環式又は二環式複素環基は、単環式又は二環式化合物であって、これはその環状構造において1つ又は複数のヘテロ原子を保持している。「二−及び多−複素環基(bi−and poly−heterocyclic groups)」という用語は、1つ又は複数のヘテロ原子を含むベンゾ−縮合5−及び6員の複素環を含む。好ましいヘテロ原子には、窒素(N)、酸素(O)、及び硫黄(S)が含まれる。
【0060】
本発明の文脈において、5〜6員の芳香族単環式複素環は、5−又は6−員のヘテロアリールを示し、これはその環状構造において1つ又は複数のヘテロ原子を保持している。好ましいヘテロ原子には、窒素(N)、酸素(O)、及び硫黄(S)が含まれる。
【0061】
本発明の好ましい5員のヘテロアリール基は、フラニル、特にフラン−2−又は3−イル;チエニル、特にチエン−2又は−3−イル;ピロリル(アゾリル)、特にピロール−2−又は3−イル;オキサゾリル、特にオキサゾール−2,4−又は5−イル;チアゾリル、特にチアゾール−2、4−又は5−イル;イソキサゾリル、特にイソキサゾール−3、4−又は5−イル;イソチアゾリル、特にイソチアゾール−3−、4−又は5−イル;オキサジアゾリル、特に1,2,3−オキサチアゾール−4,5−ジイル又は1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル及びチアジアゾリル、特に1,2,3−チアジアゾール−4−又は5−イル、若しくは1,3,4−チアジアゾール−2−イルを含む。
【0062】
本発明のより好ましい5員のヘテロアリール基は、オキサジアゾリル、特に1,2,3−オキサジアゾール−4,5−ジイル又は1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル及びチアジアゾリル、特に1,2,3−チアジアゾール−4−又は5−イル、若しくは1,3,4−チアジアゾール−2−イルを含む。
【0063】
本発明の好ましい6員のヘテロアリール基は、ピリジニル、特にピリド−2−、3−又は4−イル;及びピラジニル、特にピラジン−2−又は3−イルを含む。
【0064】
本発明の好ましい二環式ヘテロアリール基は、インドリル、特にインドール−2−、5−又は6−イル;ベンゾ[b]フラニル、特にベンゾフラン−2−、5−又は6−イル;ベンゾ[b]チエニル、特にベンゾチエン−2−、5−又は6−イル;及びベンゾチアゾリル、特にベンゾチアゾール−2−、5−又は6−イルを含む。
【0065】
医薬として許容できる塩
本発明のジアザ二環式アリール誘導体は、目的とする投薬に適切な任意の形態で提供することもできる。適切な形態は、医薬として(すなわち生理学的に)許容できる塩、及び本発明の化合物のプレ−又はプロドラッグの形態を含む。
【0066】
医薬として許容できる付加塩の例には、これだけに限定されないが、塩化水素酸から誘導された塩酸塩、臭化水素酸から誘導された臭酸塩、硝酸から誘導された硝酸塩、過塩素酸から誘導された過塩素酸塩、リン酸から誘導されたリン酸塩、硫酸から誘導された硫酸塩、ギ酸から誘導されたギ酸塩、酢酸から誘導された酢酸塩、アコニット酸から誘導されたアコニット酸塩、アスコルビン酸から誘導されたアスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸から誘導されたベンゼンスルホン酸塩、安息香酸から誘導された安息香酸塩、桂皮酸から誘導された桂皮酸塩、クエン酸から誘導されたクエン酸塩、エンボン酸から誘導されたエンボン酸塩、エナント酸から誘導されたエナント酸塩、フマル酸から誘導されたフマル酸塩、グルタミン酸から誘導されたグルタミン酸塩、グリコール酸から誘導されたグリコール酸塩、乳酸から誘導された乳酸塩、マレイン酸から誘導されたマレイン酸塩、マロン酸から誘導されたマロン酸塩、マンデル酸から誘導されたマンデル酸塩、メタンスルホン酸から誘導されたメタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸から誘導されたナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸から誘導されたフタル酸塩、サリチル酸から誘導されたサリチル酸塩、ソルビン酸から誘導されたソルビン酸塩、ステアリン酸から誘導されたステアリン酸塩、コハク酸から誘導されたコハク酸塩、酒石酸から誘導された酒石酸塩、p−トルエン−スルホン酸から誘導されたトルエン−p−スルホン酸塩などの非毒性無機及び有機付加塩が含まれる。かかる塩は、当該技術おいて良く知られており説明されている手順で生成することもできる。
【0067】
他の医薬として許容できる付加塩の例には、それだけに限定されないが、塩酸塩、臭酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコニット酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、誘導ナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸塩などの、非毒性無機及び有機付加塩が含まれる。かかる塩は、当該技術おいて良く知られており説明されている手順で生成することもできる。
【0068】
医薬として許容できるとは考えられないこともある、シュウ酸などの他の酸は、本発明の化合物及びその医薬として許容できる酸の付加塩の取得における中間体として有用な塩の調製において、有用であることもある。
【0069】
本発明の化合物の金属塩は、カルボキシ基を含む本発明の化合物のナトリウム塩などのアルカリ金属塩を含む。
【0070】
本発明の文脈において、N−含有化合物の「オニウム塩」もまた医薬として許容できる塩であると考えられる。好ましい「オニウム塩」には、アルキル−オニウム塩、シクロアルキル−オニウム塩、及びシクロアルキルアルキル−オニウム塩が含まれる。
【0071】
立体異性体
本発明の化合物は、(+)及び(−)形態並びにラセミ体で存在することもできる。これら異性体のラセミ化合物及び個別の異性体それ自身は、本発明の範囲内である。
【0072】
ラセミ体は、既知の方法及び技法によって、光学対掌体へと分割することができる。ジアステレオメリック塩を分離する1つの方法は、光学的に活性な酸を使用して、光学的に活性なアミン化合物を塩基で処理することにより遊離することである。ラセミ体を光学対掌体へと分割する別の方法は、光学活性マトリックス上のクロマトグラフィーに基づく。したがって、本発明のラセミ化合物は、例えば、d−又はl−(酒石酸塩、マンデル酸塩、又はカンファースルホン酸塩)塩の分別結晶によって、それらの光学対掌体へと分割することができる。
【0073】
本発明の化合物は、本発明の化合物の、(+)又は(−)フェニルアラニン、(+)又は(−)フェニルグリシン、(+)又は(−)カンファン酸から誘導されたような光学的に活性な活性カルボン酸との反応によるジアステレオメリックアミドの形成によって、又は本発明の化合物の光学的に活性なクロロギ酸塩などとの反応によるジアステレオメリックカルバメートの形成によって、分割することもできる。
【0074】
光学的異性体の分割に関するさらなる方法は、当該技術において知られている。かかる方法は、Jaques J、Collet A、& Wilen S「異性体、ラセミ体、及び分割(Enantiomers,Racemates,and Resolutions)」、John Wiley and Sons、New York(1981)に記載されている方法などを含んでいる。
【0075】
光学的活性化合物は、光学的活性出発物質から調製することもできる。
【0076】
ジアザ二環式アリール誘導体の作製方法
本発明のジアザ二環式アリール誘導体は、例えば作業実施例に記載されている方法などの、在来の化学合成に関する方法で調製することもできる。本発明の適用に記載されている方法のための出発物質は、既知であるか又は在来の方法によって市販の化学物質から容易に調製することもできる。
【0077】
また、本発明の一化合物は、在来の方法を用いて本発明の別の化合物に転換することができる。
【0078】
本明細書に記載されている反応の最終生成物は、例えば抽出、結晶化、蒸留、クロマトグラフィーなどの在来の技法により分離することもできる。
【0079】
生物活性
本発明は、ニコチン性受容体の新規なリガンド及び修飾薬を提供することを目的としており、このリガンド及び修飾薬は、コリン作動性受容体、特にニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に関連する疾患又は障害の治療に有用である。本発明の好ましい化合物は、顕著なニコチン性α7受容体サブタイプ選択性を示す。
【0080】
本発明の化合物は、特に、ニコチン性アセチルコリン受容体の作動薬、部分的作動薬、拮抗薬及び/又はアロステリックな修飾薬であることもできる。
【0081】
これらの薬理学的特性によって、本発明の化合物は、CNS関連疾患、PNS関連疾患、平滑筋収縮に関連する疾患、内分泌の障害、神経変性に関連する疾患、炎症、疼痛、及び化学物質の誤用の停止によって引き起こされる禁断症状に関連する疾患などの多様な疾患又は状態の治療に関して有用なこともある。
【0082】
好ましい実施形態において、本発明の化合物は、中枢神経系に関する疾患、障害又は状態の治療に使用する。かかる疾患又は障害には、不安症、認知障害、学習障害、記憶障害及び機能障害、アルツハイマー患、注意欠陥、注意欠陥多動障害、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、ジルドラトゥレット症候群、うつ病、躁病、躁うつ病、統合失調症、脅迫神経症(OCD)、パニック障害、拒食症、過食症及び肥満などの摂食障害、ナルコレプシー、痛覚、AIDS−認知症、老年認知症、末梢神経傷害、自閉症、失読症、遅発性ジスキネジア、運動過剰症、てんかん、過食症、外傷後症候群、対人恐怖症、睡眠障害、偽認知症、ガンザー症候群、月経前症候群、後期黄体期症候群、慢性疲労症候群、無言症、抜毛癖、及び時差ぼけが含まれる。
【0083】
別の好ましい実施形態において、本発明の化合物は、けいれん性障害、狭心症、早期分娩、けいれん、下痢、ぜんそく、てんかん、遅発性ジスキネジア、運動過剰症、早漏、及び勃起不全を含む平滑筋収縮に関連する疾患、障害又は状態の処置に関して有用なこともある。
【0084】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明の化合物は、甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、高血圧症及び不整脈などの内分泌障害の処置に有用であることもある。
【0085】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明の化合物は、一過性無酸素症及び誘導神経変性を含む神経変性障害の処置に有用であることもある。
【0086】
さらにもっと別の好ましい実施形態において、本発明の化合物は、にきび、酒さなどの炎症性皮膚障害、クローン疾患、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎及び下痢を含む炎症性の疾患、障害又は状態の処置に有用であることもある。
【0087】
さらにもっと別の好ましい実施形態において、本発明の化合物は、軽度、中程度又は激しい急性の疼痛、慢性又は再発性性状、偏頭痛によって起こる疼痛、術後疼痛、幻想肢痛、炎症性痛覚、慢性頭痛、中心性疼痛、神経因性疼痛、糖尿病性神経障害、治療後神経痛又は末梢神経傷害に関連する疼痛の処置に有用であることもある。
【0088】
さらに好ましい実施形態において、本発明の化合物は、糖尿病性神経障害、統合失調症、統合失調症に関連する認知若しくは注意機能の低下、又はうつ病の処置に有用であることもある。
【0089】
最終的に、本発明の化合物は、常習性薬物の使用終了によって引き起こされる禁断症状の処置に有用であることもある。かかる常習性薬物には、タバコなどのニコチン含有物、ヘロイン、コカイン及びモルヒネなどのオピオイド、ベンゾジアゼピン及びベンゾジアゼピン様薬物、及びアルコールが含まれる。常習性薬物の禁断症状は、一般的に不安及びフラストレーション、怒り、不安症、集中困難、反抗、情動不安、心拍の低下及び食欲の増進並びに体重増加によって特徴付けられるトラウマ的体験である。
【0090】
この文脈において、「処置」は、禁断症状の処置、防止、予防及び緩和、自制、並びに常習性薬物の自発的摂取の減少をもたらす処置をカバーしている。
【0091】
別の態様において、本発明の化合物は、例えば、様々な組織におけるニコチン性受容体の識別及びローカライゼーションのためなどの診断薬として使用される。
【0092】
薬剤組成物
別の態様において、本発明は、本発明のジアザ二環式アリール誘導体の治療的有効量を含む新規な薬剤組成物を提供する。
【0093】
本発明の化合物を、治療のために使用する場合加工していない化合物の形態で投与することもできるが、一般的には活性成分を、場合によっては生理学的に許容できる塩の形態において、1つ又は複数の補助剤、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤、及び/又は他の慣習的補助剤と一緒の薬剤組成物において投与することが好ましい。
【0094】
好ましい実施形態において、本発明は、本発明のジアザ二環式アリール誘導体又はこれらの医薬として許容できる塩又は誘導体を、1つ又は複数の医薬として許容できるこれらの担体及び、場合によって当該技術において知られており使用されている、他の治療的及び/又は予防薬的成分と一緒に含む薬剤組成物を提供する。担体は、製剤形態の他の成分と相容性があり、その受容者に無害であるという意味において「許容できる」ものでなければならない。
【0095】
本発明の薬剤組成物は、所望の治療に適した任意の便利な経路により投与することもできる。投薬の好ましい経路には、特に錠剤、カプセル、糖衣錠、粉末又は液体の形態での経口投薬、特に皮膚、皮下、筋肉内、又は静脈注射での非経口投薬が含まれる。本発明の薬剤組成物は、任意の当業者によって、所望する製剤形態に適切な標準的方法及び在来の技法によって製造することができる。所望する場合、活性成分を持続放出するように適合した組成物を使用することもできる。
【0096】
本発明の薬剤組成物は、経口、直腸、気管支、鼻腔、肺、局所(頬側及び舌下腺を含む)、経皮、膣又は非経口(皮膚、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、動脈内、大脳内、眼球内の注射又は注入を含む)の投薬、又は粉末及び液体エアロゾルによる投薬を含む吸入若しくはガス注入による投薬に適した形態での投薬、或いは持続放出系による投薬に適したものであることもできる。持続放出系の適切な例には、本発明の化合物を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが含まれ、このマトリックスは、例えばフィルム又はマイクロカプセルなどの造形品であっても良い。
【0097】
本発明の化合物は、在来の補助剤、担体、又は希釈剤と一緒に、薬剤組成物とそれらの単位投薬量の構造形態へと収納することもできる。かかる形態には、固体、特に錠剤、充填したカプセル、粉末及びペレット形態、液体、特に水性又は非水性の溶液、懸濁液、エマルジョン、エリキシル剤、及び全て経口使用のためのこれらを充填したカプセル、直腸投薬のための坐薬、及び非経口用の無菌注射剤溶液が含まれる。かかる薬剤組成物及びその単位投薬量形態は、在来の割合の在来の成分を、付加的活性化合物又は成分の有無にかかわらず含むこともでき、かかる単位投薬量形態は、使用する1日の投薬量の範囲と釣り合った任意の活性成分の適切な有効量を含むこともできる。
【0098】
本発明の化合物は、広範囲な経口及び非経口の投薬形態において投与することができる。投薬形態が、活性成分として、本発明の化合物か又は本発明の化合物の医薬として許容できる塩であるかは、当業者にとって明らかであろう。
【0099】
本発明の化合物から、薬剤組成物を調製するために、医薬として許容できる担体は、固体又は液体のいずれともすることができる。固体形態の製剤には、粉末、錠剤、ピル、カプセル、カシェ、坐薬、分散性顆粒が含まれる。固体担体は、希釈剤、着香剤、可溶化剤、潤滑剤、懸濁剤、接着剤、保存剤、錠剤分解剤、又は封入材料としても作用する1つ又は複数の物質であることができる。
【0100】
粉末において、担体は微粉化した固体であって、これは微粉化した活性成分との混合物である。
【0101】
錠剤において、活性成分は適切な割合において必要な結合力を有する担体との混合物であり、所望の形状及び寸法に圧縮される。
【0102】
粉末及び錠剤は、5又は10から約70パーセントまでの活性化合物を含んでいることが好ましい。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、澱粉、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオバターなどである。「製剤」という用語は、活性化合物の封入材料を、カプセルを提供する担体として有する製剤形態を含むことを意図しており、カプセル中で活性成分は担体と共に又は担体無しで担体に囲まれていて、これと関連している。同様に、カシェ及びロゼンジが含まれる。錠剤、粉末、カプセル、ピル、カシェが及びロゼンジは、経口投薬に適した固体形態で使用することができる。
【0103】
坐薬の調製に関して、脂肪酸グリセリド又はココアバターの混合物などの低融点ワックスを最初に溶融し、次いで活性成分を、撹拌などによってそこに均一に分散させる。次いで溶融均一混合物を、使い勝手の良い寸法の鋳型に注ぎ、冷却し、それにより固形化する。
【0104】
膣内投薬に適した化合物は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、活性成分に加え、当該技術において適切であると知られているような担体を含む泡又はスプレーとして提供することもできる。
【0105】
液体製剤は、例えば、水、水−プロピレングリコール溶液など、溶液、懸濁液、及びエマルジョンを含む。例えば、注射剤液体製剤は、水性ポリエチレングリコール溶液中の溶液として処方することができる。
【0106】
したがって、本発明による化合物は、(例えば、ボーラス注入又は連続注入などの注射による)非経口投薬のために処方することができ、アンプル、予め満たした注射器、小容量の注入中の単位投薬量形態として、又は追加の保存剤を有する複数投薬量容器中で提供される。組成物は、油性又は水性媒体中で、懸濁液、溶液、又はエマルジョンなどの形態であることもでき、懸濁化剤、安定剤及び/又は分散剤などの処方剤を含むこともできる。別のやり方として、使用前に、例えば無菌の発熱物質を含まない水などの適切な媒体を有する構成体のために、活性成分が無菌の固体の無菌性分離、又は溶液からの冷凍乾燥から得られる粉末形態でも良い。
【0107】
経口使用に適した水溶液は、活性成分を水に溶解し、所望する場合には適切な着色剤、着香剤、安定剤及び増粘剤を加えることによって調製することができる。
【0108】
経口使用に適した懸濁液は、微粉化した活性成分を、天然又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどの粘着性物質、又は他の良く知られている懸濁化剤と共に水に溶解することによって作製することができる。
【0109】
経口投薬のために使用する少し前に、液体形態の製剤に転換することを目的とした固体形態の製剤も同様に含まれる。かかる液体形態には、溶液、懸濁液及びエマルジョンが含まれる。かかる製剤は、活性成分に加えて、着色剤、着香剤、安定剤、緩衝剤、人工及び天然甘味剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含むこともできる。
【0110】
表皮への局所投薬のために、本発明の化合物は、軟膏、クリーム若しくはローションとして、又は経皮貼布として処方することもできる。軟膏及びクリームは、例えば適切な増粘剤及び/又はゲル化剤と共に、水性又は油性基材を用いて処方することもできる。ローションは水性又は油性基材を用いて処方することもでき、一般的に1つ又は複数の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、又は着色剤も含んでいる。
【0111】
口内中の局所投薬に適した化合物には、通常サッカロース及びアカシア又はトラガカントの着香基材中の活性剤を含むローレンジ;ゼラチン及びグリセリン又はサッカロース及びアカシアなどの不活性基材中に活性成分を含む芳香錠;及び適切な液体担体中の活性成分を含むうがい薬が含まれる。
【0112】
溶液又は懸濁液が、例えば、点滴器、ピペット又はスプレーなどの在来の手段によって直接鼻腔に適用される。組成物は、単一の又は複数の投薬形態で提供することもできる。
【0113】
呼吸路への投薬も、活性成分を、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、又はジクロロテトラフルオロエタンなどのクロロフルオロカーボン(CFC)、二酸化炭素、又は他の適切なガスなど、適切な推進体を有する加圧パック中に備えたエアゾール製剤形態を用いて達成することもできる。エアゾールは、都合よくレシチンなどの界面活性剤を含むこともできる。薬物の投薬量は、メーター付き弁により調節することもできる。
【0114】
別な方法として、活性成分を、例えば乳糖、澱粉、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの澱粉誘導体、及びポリビニルピロリドン(PVP)などの適切な粉末基材中の化合物の粉末混合物として、乾燥粉末の形態で供給することもできる。粉末担体は、鼻腔中でゲルを形成するのが都合がよい。粉末組成物は、例えばゼラチン製のカプセル又はカートリッジにおいて、又は呼吸器を用いて粉末を投与することもできるブリスターパックにおいて、単位投薬量形態で提供することもできる。
【0115】
経鼻投薬の組成物を含む呼吸路への投薬を対象とする組成物において、一般的に化合物は、例えば5ミクロン又はそれ未満程度の小さな粒径を有している。かかる粒径は、例えば微粉化など、当該技術において既知の手段によって得ることができる。
【0116】
所望する場合、活性成分を持続放出するように適合した組成物を使用することもできる。
【0117】
薬剤製剤は、単位薬用量の形態であることが好ましい。かかる形態において、製剤は活性成分の適切な量を含む単位投薬量にさらに分割される。単位薬用量形態は、パッケージされた錠剤、カプセル及び水薬瓶若しくはアンプル中の粉末など、個別の製剤の量を含むパッケージされた製剤とすることができる。同様に単位薬用量形態は、カプセル、錠剤、カシェ、又はロゼンジそれ自体とすることができ、また単位薬用量形態は、適切な数のパッケージされた形態のこれらのいずれかとすることができる。
【0118】
経口投薬のための錠剤又はカプセル、並びに静脈内投薬及び持続注入のための液体が、好ましい組成物である。
【0119】
製剤技術及び投薬に関するさらなる詳細は、「Remingtonの薬剤科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」(Maack Publishing Co.、Easton、PA)の最新版において見出すこともできる。
【0120】
実際の薬用量は、処理する疾患の性質及び重症度に依存し、医者の判断内であり、所望する治療効果を作り出すための本発明の特定の文脈に対する薬用量の用量設定により変わることもある。しかし、現在は、個別の投与当たり約0.1〜約500mg、好ましくは約1〜約100mg、最も好ましくは約1〜約10mgの活性成分を含む薬剤組成物が、治療上の処置に適していると考えられる。
【0121】
活性成分は、投与量を1日当たり1回又は複数回投与することもできる。場合によっては、i.v.で0.1μg/kg及びp.o.で1μg/kgの低さの薬用量で満足すべき結果を得ることができる。薬用量範囲の上限は、現在i.v.で約10mg/kg及びp.oで100mg/kgであると考えられる。好ましい範囲は、i.v.で約0.1μg/kg〜約10mg/kg/日及びp.o.で約1μg/kg〜約100mg/kg/日である。
【0122】
治療の方法
本発明のジアザ二環式アリール誘導体は、貴重なニコチン性及びモノアミン受容体修飾薬であり、したがってコリン作動性機能障害を含む一連の病気並びにnAChR修飾薬の作用に応答性のある一連の障害の処置に有用である。
【0123】
本発明の別の態様において、コリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答性のある、ヒトを含む、動物の生体の疾患、障害又は状態の治療、予防又は軽減するための方法を提供し、この方法は本発明のジアザ二環式アリール誘導体の治療有効量を、これらを必要としているヒトを含むかかる動物の生体に投与することを含む。
【0124】
好ましい実施形態において、疾患、障害又は状態は、中枢神経系に関係する。
【0125】
好ましい実施形態において、疾患、障害又は状態は、不安症、認知障害、学習障害、記憶障害及び機能障害、アルツハイマー患、注意欠陥、注意欠陥多動障害、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、ジルドラトゥレット症候群、うつ病、躁病、躁うつ病、統合失調症、脅迫神経症(OCD)、パニック障害、拒食症、過食症及び肥満などの摂食障害、ナルコレプシー、痛覚、AIDS−認知症、老年認知症、末梢神経傷害、自閉症、失読症、遅発性ジスキネジア、運動過剰症、てんかん、過食症、外傷後症候群、対人恐怖症、睡眠障害、偽認知症、ガンザー症候群、月経前症候群、後期黄体期症候群、慢性疲労症候群、無言症、抜毛癖、及び時差ぼけである。
【0126】
別の好ましい実施形態において、疾患、障害又は状態は、けいれん性障害、狭心症、早期分娩、けいれん、下痢、ぜんそく、てんかん、遅発性ジスキネジア、運動過剰症、早漏、及び勃起不全を含む平滑筋収縮に関連する。
【0127】
第3の好ましい実施形態において、疾患、障害又は状態は、甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、高血圧症及び不整脈などの内分泌障害に関連する。
【0128】
第4の好ましい実施形態において、疾患、障害又は状態は、一過性無酸素症及び誘導神経変性を含む神経変性障害に関連する。
【0129】
第6の好ましい実施形態において、疾患、障害又は状態は、にきび及び酒さなどの炎症性皮膚障害、クローン疾患、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎及び下痢を含む炎症性の疾患である。
【0130】
第7の好ましい実施形態において、疾患、障害又は状態は、急性、慢性又は再発性の軽度、中程度又は激しい疼痛、並びに偏頭痛による疼痛、術後疼痛、幻想肢痛である。
【0131】
第8の好ましい実施形態において、疾患、障害又は状態は、タバコなどのニコチン含有物、ヘロイン、コカイン及びモルヒネなどのオピオイド、ベンゾジアゼピン及びベンゾジアゼピン様薬物、及びアルコールを含む常習性薬物の使用終了によって起こる禁断症状に関連する。
【0132】
現在考えられている適切な薬用量は、通常実際の投薬様式、投薬形態、投薬に対する指示、関係する被投薬者及び関係する被投薬者の体重、さらに担当する医師及び獣医の好み及び経験に依存して、1日当たり0.1〜1000ミリグラム、1日当たり10〜500ミリグラム、及び特に1日当たり30〜100ミリグラムである。
【0133】
場合によっては、i.v.で0.005mg/kg及びp.o.で0.01mg/kgの低さの薬用量において、満足すべき結果を得ることができる。薬用量範囲の上限は、i.v.で約10mg/kg及びp.o.で100mg/kgである。好ましい範囲は、i.v.で約0.001〜約1mg/kg及びp.o.で約0.1〜約10mg/kgである。
【実施例】
【0134】
本発明を、以下の実施例を参照してさらに説明する。この実施例は、決して請求する本発明の請求範囲を限定することを意図するものではない。
【0135】
(実施例1)
調製実施例
空気感受性の試薬又は中間体を含む全ての反応は、窒素下及び無水溶媒中で行った。後処理手順において乾燥剤として硫酸マグネシウムを使用し、溶媒は減圧下で蒸発させた。
【0136】
ジエチルメソ−2,6−ジブロモピメロエート(中間化合物1)
ピメリン酸(240g、1.5mol)を還流冷却器とアルゴン入り口が取り付けられている二口丸底フラスコ(1000ml)に入れた。還流冷却器には、2つの連続したフラスコ(500及び1000ml)が接続していた。第1のフラスコ(500ml)は、無水の氷イソプロパノール容器中に置かれ、第2のフラスコはHCl吸収のために水で半分満たされていた。塩化チオニル(368g、3.09mol)を、3分割(180、100及び88g)して加え、ガスの溶離が止むまで40℃において撹拌した。最終的に温度を100℃に上げて、SO溶液を有している第1のフラスコを切り離した。このフラスコには、滴下漏斗とガス出口が取り付けられていた。3時間の間、フラスコを300WUVランプで連続的に照射し、臭素(490g、3.06mol)を液滴状で加えた。生成したHBrは、水を満たした2基の連続フラスコ(2x1000ml)で吸収した。HBrの溶離が止んだならば、滴下漏斗を無水エタノール(200ml)で満たし、注意深く液滴状で加えた。冷却した溶液を、水、酢酸ナトリウム水溶液及びチオ硫酸ナトリウムで洗浄した。分離した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、Buchiオーブンにより、真空中(0.5〜1.0mbar)50℃において複数部分(それぞれ約40mL)に分けて蒸留し、第3フラスコから留分を収集した。収量:487g(87%)。
【0137】
ジエチルシス−1−メチルピペリジン−2,6−ジカルボキシレート(中間化合物2)
ジメチルメソ−2,6−ジブロモアジポエート(1)(236g、0.631mol)を、還流冷却器と温度計が取り付けられている2基の二口丸底フラスコ(2000ml)に入れ、アルゴン下、無水THF(400ml)中に溶解した。無水THF(400ml)中のメチレンアミン(62g、2.0mol)溶液を、化合物1の溶液に加えた。フラスコを冷水中に置き、それが温まるのを防止した。反応混合物をアルゴン下、18時間撹拌し、分離したN−メチルアンモニウムブロミドをろ過により分離し、THFで完全に洗浄した。ろ液を減圧下、ロータリーエバポレーターで濃縮し、残留物(156g)を4つの部分(それぞれ約39g)に分けて、Buchiオーブンにより、真空中(0.1〜0.4mbar)、125℃において蒸留し(平均蒸留時間1時間)、留分を第3フラスコから収集した。化合物2(単黄色オイル)の収量:127.5g(83%)。
【0138】
3−ベンジル−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−2,4−ジオン(中間化合物3)
キシレン(150ml)中のジエチルシス−1−メチルピペリジン−2,6カルボキシレート(127.5g、0.524mol)及びベンジルアミン(57.8g、0.540mol)溶液を、丸底フラスコ(250ml)中で44時間還流した。後者は、垂直の空気冷却器(15cm)が取り付けられており、その後にリービッヒ冷却器が付いていて、エタノールを反応混合物から分離することを可能にしている。キシレンを、減圧下リービッヒ冷却器を通して除去し、油浴の温度を205℃に上げて、混合物をアルゴン下、205℃において20時間加熱した。得られた生成物を4つの部分(それぞれ約45g)に分けて、Buchiオーブンにより、真空中(0.1mbar)、160℃において蒸留し(平均蒸留時間1時間)、留分を第3フラスコから収集した。3つを一緒にした第3留分(96g)を50mlの酢酸エチル中に沸騰することで溶解し、室温において3日かけて結晶化させた。結晶物質をろ過し、少量の酢酸エチルで洗浄し、真空中で乾燥して39.5gの生成物を白色の結晶固体として得た。ろ液を濃縮し、残留物を酢酸エチル(30mL)から4℃において2日かけて結晶化して同じ生成物6.2gを作製した。化合物3の収量:45.7g(34%)、融点:117〜118℃。
【0139】
3−ベンジル−9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(中間化合物4)
3口の丸底フラスコ(1000ml)に入れた1,4−ジオキサン(400ml)中の化合物3(45.7g、0.177mol)の溶液に、LiAIH(9.0g、0.237mol)の小部分を加え、混合物をアルゴン下、18時間還流した。反応混合物を80℃に冷却し、水(9ml)と1,4−ジオキサン(40ml)の混合物を注意深く反応フラスコに滴下した(水素が激しく発生するので注意すること)。細かな懸濁液を室温に冷却し、KOH溶液(50ml水中20g)で処理した。有機相をデカンテーションし、減圧下で濃縮した。残留物をBuchiオーブンで、真空中(0.1mbar)、130℃において蒸留した。第3の収集フラスコは、3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン4(29.2g、72%)を、粘性の無色のオイルとして含んでいた。
【0140】
9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(中間化合物5)
無水エタノール(100ml)中の化合物4(28.7g、0.125mol)の溶液に、10%Pd/C触媒(6.3g)をアルゴン下で加えた。この溶液を、60barでHを用いて100℃において16時間水素化した。この溶液をブフナー漏斗でろ過し、ろ液を減圧下ロータリーエバポレーターで濃縮し、残留物をBuchiオーブンで、真空中(0.1mbar)、100℃において蒸留し、化合物5(8.5g、49%)を無色のゲルとして得た。
【0141】
中間化合物1〜5の調製に関連した参考文献:II Farmaco 55(8)、2000年8月、553〜562頁。
【0142】
方法A
9−メチル−3−(6−フェニルピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物A1)
9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(1.00g、7.13mmol)と3−クロロ−6−フェニルピリダジン(1.36g、7.13mmol)の混合物を、120℃において2.5時間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液(50ml、1M)を加え、混合物をジクロロメタンで2回抽出した(2x50ml)。シリカゲル上で、ジクロロメタン、10%メタノール及び1%アンモニア水を溶媒としてクロマトグラフィー処理し、標題の化合物を結晶性固体として得た。収量:870mg(41%)。フマル酸で飽和したジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)を加えることによって、対応する塩を得た。融点187〜188℃。
【0143】
3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン遊離塩基(化合物A2)
方法Aの反応条件に従って、9−tert−ブトキシカルボニル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン及び3−クロロ−6−フェニルピリダジンから130℃において3日かけて調製し、その後TFAで処理した。方法Aに従って後処理手順を行った。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、281.1761Da.Calc.281.176621Da,dev.−1.9ppmを示している。
【0144】
9−メチル−3−(5−フェニル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物A3)
方法Aに従って、反応物質としての9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン及び2−フェニル−5−チオベンジル[1,3,4]オキサジアゾールから調製した。反応時間8時間。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、285.173Da.Calc.285.171536Da,dev.5.1ppmを示している。
【0145】
9−メチル−3−(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物A4)
方法Aに従って、反応物質としての9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン及び2−クロロ−5−フェニル[1,3,4]オキサジアゾールから調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、301.15Da.Calc.301.148692Da,dev.4.3ppmを示している。
【0146】
3−[5−(4−クロロ−フェニル)−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン遊離塩基(化合物A5)
方法Aに従って、反応物質としての9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン及び2−クロロ−5−(4−クロロフェニル)[1,3,4]オキサジアゾールから調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、335.1079Da.Calc.335.10972Da,dev.−5.4ppmを示している。
【0147】
方法B
3−(6−ヨード−ピリジン−3−イル)−9−メチル−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン遊離塩基(中間化合物)
9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(4.0g、28.5mmol)、3,6−ジヨードピリダジン(9.5g、28.5mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(7.4g、57.0mmol)及びジオキサン(50ml)の混合物を、75℃において4日間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液(75ml、1M)を加えて、ジオキサンを蒸発させ、混合物を、ジクロロメタンを用いて2回抽出した(2x75ml)。シリカゲル上で、ジクロロメタン、10%メタノール及び1%アンモニア水を溶媒としてクロマトグラフィー処理し、標題の化合物を得た。収量:4.61g(47%)。融点163〜166℃。
【0148】
3−(5−ブロモピリミジン−2−イル)−9−メチル−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン遊離塩基(中間化合物)
方法Bに従い、9−メチル−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン及び5−ブロモ−2−クロロピリミジンから調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、297.0702Da.Calc.297.071484Da、dev.−4.3ppmを示している。
【0149】
方法C
9−メチル−3−(6−チオフェン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物C1)
3−(6−ヨード−ピリダジン−3−イル)−9−メチル−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン遊離塩基(0.50g、1.45mmol)、3−チオフェンボロン酸(0.28g、2.18mmol)、炭酸カリウム(0.61g、4.36mmol)、パラダシクル(27mg、0.029mmol)、1,3−プロパンジオール(0.31ml、4.3mmol)、1,2−ジメトキシエタン(20ml)及び水(2.2ml)の混合物を還流状態で1週間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液(20ml、1M)を加えて、混合物をジクロロメタンで2回抽出した(2x30ml)。シリカゲル上でジクロロメタン、10%メタノール及び1%アンモニア水を溶媒としてクロマトグラフィー処理し、標題の化合物を結晶性固体として得た。収量:100mg(23%)。対応する塩を、フマル酸で飽和したジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)を加えることによって得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、301.1497Da.Calc.301.148692Da、dev.3.3ppmを示している。
【0150】
9−メチル−3−(6−チオフェン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物C2)
方法Cに従い、2−チオフェンボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、301.1482Da.Calc.301.148692Da、dev.−1.6ppmを示している。
【0151】
3−(6−フラン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物C3)
方法Cに従い、2−フランボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、285.1721Da.Calc.285.171536Da、dev.2ppmを示している。
【0152】
3−(6−フラン−3−イル−ピリジン−3−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物C4)
方法Cに従い、3−フランボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、285.1712Da.Calc.285.171536Da、dev.−1.2ppm.を示している。
【0153】
3−[6−(3−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物C5)
方法Cに従い、3−フルオロベンゼンボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、313.1822Da.Calc.313.182849Da、dev.−2.1ppmを示している。
【0154】
3−[6−(4−フルオロ−フェニル)ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物C6)
方法Cに従い、4−フルオロベンゼンボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、313.1826Da.Calc.313.182849Da、dev.−0.8ppm.を示している。
【0155】
3−[6−(2−メトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物C7)
方法Cに従い、2−メチルベンゼンボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、325.2039Da.Calc.325.202836Da、dev.3.3ppmを示している。
【0156】
3−[6−(3−メトキシ−フェニル)ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物C8)
方法Cに従い、3−メトキシベンゼンボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、325.2036Da.Calc.325.202836Da、dev.2.3ppmを示している。
【0157】
3−[6−(2−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン遊離塩基(化合物C9)
方法Cに従い、2−フルオロベンゼンボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、313.1824Da.Calc.313.182849Da、dev.−1.4ppmを示している。
【0158】
3−[6−(4−メトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物C10)
方法Cに従い、4−メトキシベンゼンボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、325.2026Da.Calc.325.202836Da、dev.−0.7ppmを示している。
【0159】
3−[6−(9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)−ピリダジン−3−イル]−フェニルアミンフマル酸塩(化合物C11)
方法Cに従い、3−アミノベンゼンボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、310.2027Da.Calc.310.20317Da、dev.−1.5ppmを示している。
【0160】
3−[6−(5−クロロ−チオフェン−2−イル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物C12)
方法Cに従い、5−クロロチフェン−2−ボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、335.1089Da.Calc.335.10972Da、dev.−2.4ppmを示している。
【0161】
9−メチル−3−[6−(1H−ピロール−2−イル)−ピリダジン−3−イル]−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン遊離塩基(化合物C13)
方法Cの反応条件に従い、1−tert−ブトキシカルボニル−ピロール−2−ボロン酸から、その後方法Cの反応条件によるTFAを用いての脱保護により調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、284.1887Da.Calc.284.18752Da、dev.4.2ppmを示している。
【0162】
3−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物C14)
方法Cの反応条件に従い、5−(1H−インドール)−ボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、334.2028Da.Calc.334.20317Da、dev.−1.1ppmを示している。
【0163】
3−(6−ベンゾ[1.3]ジオキシオール−5−イル−ピリダジン−3−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物C15)
方法Cの反応条件に従い、5−ベンゾ[1,3]ジオキシオールボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、339.1826Da.Calc.339.182101Da、dev.1.5ppmを示している。
【0164】
3−[6−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物C16)
方法Cの反応条件に従い、6−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシンボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、353.1977Da.Calc.353.197751Da、dev.−0.1ppmを示している。
【0165】
3−[6−(4−クロロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物C17)
方法Cの反応条件に従い、4−クロロ−ベンゼンボロン酸から調製した。
【0166】
3−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物C18)
方法Cの反応条件に従い、3−クロロ−ベンゼンボロン酸から調製した。
【0167】
9−メチル−3−(6−ナフタレン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物C19)
方法Cの反応条件に従い、2−ナフタレンボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、345.2068Da.Calc.345.207921Da、dev.−3.2ppmを示している。
【0168】
3−(6−ベンゾフラン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物C20)
方法Cの反応条件に従い、2−ベンゾフランボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、335.1873Da.Calc.335.187186Da、dev.0.3ppmを示している。
【0169】
3−(6−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物C21)
方法Cの反応条件に従い、2−ベンゾチオフェンボロン酸から調製した。
【0170】
3−[6−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物C22)
方法Cの反応条件に従い、3,4−ジフルオロベンゼンボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、331.1726Da.Calc.331.173427Da、dev.−2.5ppmを示している。
【0171】
3−[6−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物C23)
方法Cの反応条件に従い、2,3−ジフルオロベンゼンボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、331.1739Da.Calc.331.173427Da、dev.1.4ppmを示している。
【0172】
3−[6−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物C24)
方法Cの反応条件に従い、3,4−ジメトキシベンゼンボロン酸から調製した。
【0173】
3−[6−(2,3−ジメトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物C25)
方法Cの反応条件に従い、2,3−ジメトキシベンゼンボロン酸から調製した。
【0174】
9−メチル−3−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物C26)
方法Cの反応条件に従い、4−トリフルオロメチルベンゼンボロン酸から調製した。
【0175】
9−メチル−3−[6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物C27)
方法Cの反応条件に従い、3−トリフルオロメチルベンゼンボロン酸から調製した。
【0176】
9−メチル−3−(5−チオフェン−2−イル−ピリミジン−2−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物C28)
方法Cに従って、3−(5−ブロモピリミジン−2−イル)−9−メチル−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン遊離塩基及び2−チオフェンボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、301.1495Da.Calc.301.148692Da、dev.2.7ppmを示している。
【0177】
9−メチル−3−(5−チオフェン−3−イル−ピリミジン−2−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物C29)
方法Cに従って、3−(5−ブロモピリミジン−2−イル)−9−メチル−9−アザ−ビシクロ[3.3.l]ノナン遊離塩基及び3−チオフェンボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、301.149Da.Calc.301.148692Da、dev.1ppmを示している。
【0178】
3−(5−フラン−3−イル−ピリミジン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物C30)
方法Cに従って、3−(5−ブロモピリミジン−2−イル)−9−メチル−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン遊離塩基及び3−フランボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、285.1706Da.Calc.285.171536Da、dev.−3.3ppm.を示している。
【0179】
3−(5−フラン−2−イル−ピリミジン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物C31)
方法Cに従って、3−(5−ブロモピリミジン−2−イル)−9−メチル−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン遊離塩基及び2−フランボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、285.1704Da.Calc.285.171536Da、dev.−4ppmを示している。
【0180】
9−メチル−3−(5−フェニル−ピリミジン−2−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物C32)
方法Cに従って、3−(5−ブロモピリミジン−2−イル)−9−メチル−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン遊離塩基及びベンゼンボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、295.1909Da.Calc.295.192271Da、dev.−4.6ppm.を示している。
【0181】
9−メチル−3−(5−ナフタレン−2−イル−ピリミジン−2−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物C33)
方法Cに従って、3−(5−ブロモピリミジン−2−イル)−9−メチル−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン遊離塩基及び2−ナフタレンボロン酸から調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、345.2064Da.Calc.345.207921Da、dev.−4.4ppmを示している。
【0182】
3−(5−ベンゾフラン−2−イル−ピリミジン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物C34)
方法Cに従って、3−(5−ブロモピリミジン−2−イル)−9−メチル−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン遊離塩基及び2−ベンゾフランボロン酸から調製した。
【0183】
3−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリミジン−2−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン(化合物C35)
方法Cに従って、3−(5−ブロモピリミジン−2−イル)−9−メチル−9−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン遊離塩基及び5−(1H−インドール)−ボロン酸から調製した。
【0184】
方法D
9−エチル−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン遊離塩基(化合物D1)
3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン遊離塩基(0.20g、0.71mmol)、ブロモエタン(0.059ml、0.78mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.18g、1.42mmol)及びジメチルホルムアミド(5ml)の混合物を、80℃において2時間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液(20ml、1M)を加え、ジエチルエーテルで2回抽出した(2x20ml)。シリカゲル上でジクロロメタン、10%メタノール及び1%アンモニア水を溶媒としてクロマトグラフィーで処理し、標題の化合物を結晶性固体として得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、281.1761Da.Calc.281.176621Da、dev.−1.9ppmを示している。
【0185】
9−(2−メトキシ−エチル)−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3.9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物D2)
方法Dに従い、2−ブロモエチルメチルエーテルから調製した。対応する塩は、フマル酸で飽和したジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)を加えることにより得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、339.2186Da.Calc.339.218486Da、dev.0.3ppmを示している。
【0186】
9−イソプロピル−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンフマル酸塩(化合物D3)
方法Dに従い、2−ブロモプロパンから調製した。対応する塩は、フマル酸で飽和したジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)を加えることにより得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、323.2251Da.Calc.323.223571Da、dev.4.7ppmを示している。
【0187】
9−アリル−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.l]ノナンフマル酸塩(化合物D4)
方法Dに従い、3−ブロモ−1−プロパンから調製した。対応する塩は、フマル酸で飽和したジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)を加えることにより得た。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、321.2094Da.Calc.321.207921Da、dev.4.6ppmを示している。
【0188】
方法E
9,9−ジメチル−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.l]ノナンオニウムヨージド塩(化合物E1)
ヨードメタン(0.48、3.4mmol)混合物を、9−メチル−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.l]ノナン(1.0g、3,4mmol)の溶液及びジクロロメタン(20ml)に、−70℃において加えることで調製した。混合物を、−70℃において1時間撹拌し、その後室温において10日間撹拌した。粗製混合物を蒸発させ、ジエチルエーテル(30ml)を加え、その後撹拌及びろ過を行った。収量:1.16g(78%)。M+のLC−ESI−HRMSは、309.2065Da.Calc.309.2079Da、dev.−4.5ppmを示している。
【0189】
(実施例2)
ラットの脳におけるH−α−ブンガロトキシン結合の生体外阻害
この実施例において、ニコチン性受容体のα−サブタイプに対する結合のための本発明の化合物の親和力に関して測定する。
【0190】
α−ブンガロトキシンは、コブラ科のヘビ、ブンガラスマルチシンクタス(Bungarus multicinctus)の毒液から分離したペプチドである。これは、神経細胞及び神経筋のニコチン性受容体に関して高い親和力を有し、強力な拮抗剤として作用する。
【0191】
H−α−ブンガロトキシンは、脳内で見出されたαサブユニットイソ型及び神経筋接合部のαイソ型によって形成されたニコチン性アセチルコリン受容体にラベル付けする。
【0192】
組織の調製
調製は、0〜4℃において行われる。ウィスター系の雄ラット(150〜250g)を、118mMのNaCl、4.8mMのKCl、1.2mMのMgSO及び2.5mMのCaClを含む20mMヘペス緩衝液(pH7.5)の15ml中で、Ultra−Turrax均質化装置を使用して10秒間均質化する。組織懸濁液を、27,000xgにおいて10分間遠心分離処理する。上澄みを捨て、ペレットを20mlの新しい緩衝液中で、27,000xgにおける遠心分離処理で2回洗浄し、次いで最終ペレットを、(最初の組織1g当たり35mlの)0.01%BSAを含む新鮮な緩衝液に再度懸濁させて、結合試験に使用する。
【0193】
試験方法
ホモジェネートの500μlのアリコットを、25μlの試験溶液に及び25μlのH−α−ブンガロトキシン(2nM、最終濃度)に加え、混合し、37℃において2時間インキュベートする。(−)−ニコチン(1mM、最終濃度)を用いて、非特定の結合を測定する。インキュベートした後に、試料に0.05%のPEIを含む氷で冷却したヘペス緩衝液5mlを加え、(0.1%PEI中に予め少なくとも6時間浸しておいた)Whatman GF/Cガラス繊維フィルターに、吸引下直接注ぎ、直ちに氷で冷却した緩衝液5mlで2回洗浄する。
【0194】
フィルター上の放射濃度を、在来の液体シンチレーション計数で測定する。特定の結合は、全結合から非特定結合を引いたものである。
【0195】
試験値は、IC50H−α−ブンガロトキシンの特定の結合を50%阻害する試験物質の濃度)で与えられる。
【0196】
この試験を受けた場合、本発明の化合物は、例えば化合物A1、C1及びD1によって実証されるように、マイクロモル以下(すなわち、<1μM)のレベルとなる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで表されるジアザ二環式アリール誘導体、
【化1】


その任意の鏡像異性体又はその鏡像異性体の任意の混合物、或いはこれらの医薬として許容できる塩
[式中、
R’は、水素、アルキル、アルケニル又はアルコキシ−アルキルを表し;
Aは、フェニル、フラニル、チエニル、セレノフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルから選択される芳香族単環式基を表し;
Bは、芳香族単環式又は二環式炭素環又は複素環基を表し、この炭素環又は複素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキル−カルボニル−アミノ、メチレンジオキシ及びエチレンジオキシから成る群から選択される置換基により、1回又は複数回場合によって置換されている]。
【請求項2】
R’が、水素、又はアルキル、アルケニル若しくはアルコキシ−アルキルを表す、請求項1に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項3】
R’が、アルキルを表す、請求項2に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項4】
Aが、フェニル、フラニル、チエニル、セレノフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルから選択される芳香族単環式基を表す、請求項1〜3のいずれか一項に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項5】
Aが、フラニル、チエニル、セレノフェニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びトリアジニルから選択される芳香族複素環式基を表す、請求項4に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項6】
Aが、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル又はピラジニルを表す、請求項5に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項7】
Bが、芳香族単環式又は二環式炭素環又は複素環基を表し、該炭素環又は複素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキル−カルボニル−アミノ、メチレンジオキシ及びエチレンジオキシから成る群から選択される置換基により、1回又は複数回場合によって置換されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項8】
Bが、フェニル、ナフチル、ピロリル、フラニル、チエニル、インドリル、ベンゾフラニル及びベンゾチエニルから選択される芳香族単環式又は二環式炭素環又は複素環基を表し、該炭素環又は複素環基が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノアルキル、ハロ、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニル−アミノ、メチレンジオキシ及びエチレンジオキシから成る群から選択される置換基により1回又は複数回場合によって置換されている、請求項7に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項9】
Bが、フェニル又はナフチルを表し、このフェニル及びナフチルが、非置換或いはハロ、アルコキシ及び/又はアミノにより1回又は2回置換されており、或いはメチレンジオキシ又はエチレンジオキシにより置換されている、請求項8に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項10】
Bが、ピロリル、フラニル又はチエニルを表し、このピロリル、フラニル又はチエニルが、非置換又はハロによって1回置換されている、請求項8に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項11】
Bが、インドリル、ベンゾフラニル及びベンゾチエニルを表し、このインドリル、ベンゾフラニル及びベンゾチエニルが非置換である、請求項8に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項12】
9−メチル−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−(5−フェニル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[5−(4−クロロ−フェニル)−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−(6−チオフェン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−(6−チオフェン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(6−フラン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(6−フラン−3−イル−ピリダジン−3−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(3−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(4−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(2−メトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(3−メトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(2−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(4−メトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)−ピリダジン−3−イル]−フェニルアミン;
3−[6−(5−クロロ−チオフェン−2−イル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−[6−(1H−ピロール−2−イル)−ピリダジン−3−イル]−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(6−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−ピリダジン−3−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(4−クロロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−(6−ナフタレン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(6−ベンゾフラン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(6−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[6−(2,3−ジメトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−[6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−(5−チオフェン−2−イル−ピリミジン−2−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−(5−チオフェン−3−イル−ピリミジン−2−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(5−フラン−3−イル−ピリミジン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(5−フラン−2−イル−ピリミジン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−(5−フェニル−ピリミジン−2−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−メチル−3−(5−ナフタレン−2−イル−ピリミジン−2−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−(5−ベンゾフラン−2−イル−ピリミジン−2−イル)−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
3−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリミジン−2−イル]−9−メチル−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−エチル−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−(2−メトキシ−エチル)−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−イソプロピル−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−アリル−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;又は
9,9−ジメチル−3−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
又はこれらの鏡像異性体若しくは鏡像異性体の混合物、或いは医薬として許容できるこれらの塩である、請求項1に記載のジアザ二環式アリール誘導体。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載のジアザ二環式アリール誘導体又はこれらの医薬として許容できる付加塩、又はこれらのプロドラッグの治療有効量を、少なくとも1つの医薬として許容できる担体又は希釈剤と一緒に含む薬剤組成物。
【請求項14】
ヒトを含む哺乳動物の疾患、障害又は状態の治療、予防又は軽減のための、請求項1〜12のいずれか一項に記載のジアザ二環式アリール誘導体又はこれらの医薬として許容できる付加塩の、薬剤組成物/薬物製造のための使用であって、該疾患、障害又は状態がコリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答性である上記使用。
【請求項15】
疾患、障害又は状態が、不安症、認知障害、学習障害、記憶障害及び機能障害、アルツハイマー患、注意欠陥、注意欠陥多動障害、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、ジルドラトゥレット症候群、うつ病、躁病、躁うつ病、統合失調症、脅迫神経症(OCD)、パニック障害、拒食症、過食症及び肥満などの摂食障害、ナルコレプシー、痛覚、AIDS−認知症、老年認知症、糖尿病性神経障害、末梢神経傷害、自閉症、失読症、遅発性ジスキネジア、運動過剰症、てんかん、過食症、外傷後症候群、対人恐怖症、睡眠障害、偽認知症、ガンザー症候群、月経前症候群、後期黄体期症候群、慢性疲労症候群、無言症、抜毛癖、及び時差ぼけである、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
疾患、障害又は状態が、一過性無酸素症及び誘導神経変性を含む神経変性障害である、請求項14に記載の使用。
【請求項17】
疾患、障害又は状態が、急性、慢性又は再発性の軽度、中程度又は激しい疼痛、偏頭痛によって起こる疼痛、術後疼痛、幻想肢痛、炎症性痛覚、慢性頭痛、中心性疼痛、神経因性疼痛、糖尿病性神経障害、治療後神経痛又は末梢神経傷害に関連する疼痛である、請求項14に記載の使用。
【請求項18】
疾患、障害又は状態が、糖尿病性神経障害、統合失調症、統合失調症に関連する認知若しくは注意機能の低下、又はうつ病である、請求項14に記載の使用。
【請求項19】
疾患、障害又は状態が、タバコなどのニコチン含有物、ヘロイン、コカイン及びモルヒネなどのオピオイド、ベンゾジアゼピン及びベンゾジアゼピン様薬物、及びアルコールを含む常習性薬物の使用終了によって引き起こされる禁断症状に関連する、請求項14に記載の使用。
【請求項20】
ヒトを含む、動物の生体の疾患、障害又は状態の治療、予防又は軽減する方法であって、該障害、疾患又は状態がコリン作動性受容体及び/又はモノアミン受容体の調節に応答性であり、該方法は、請求項1〜12のいずれか一項に記載のジアザ二環式アリール誘導体の治療有効量を、これらを必要としているかかる動物の生体に投与するステップを含む上記方法。


【公表番号】特表2009−518357(P2009−518357A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543818(P2008−543818)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【国際出願番号】PCT/EP2006/069316
【国際公開番号】WO2007/065892
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(505377201)ノイロサーチ アクティーゼルスカブ (135)
【Fターム(参考)】