説明

新規なプリン誘導体、それらの製造方法、医薬品としての適用、薬学的組成物、および新規な使用

本発明は、式(I)を有する新規な生成物に関し、ここで:Yは、N、O、S、CHR3、または=CR3を表し;点線は、単結合または二重結合を表し;RおよびR1は、特にH、Hal、OH、アルキル、アルコキシ、シアノ、NO2、NR4R5、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、ヘテロアリール、−S(O)n−NR4R5(nは0〜2を表す)、アシル、−NH−CO−アルキル、または−NH−CO−NH−フェニルを表し;R3は、H、Hal、アルキル、シアノ、NO2、NR4R5、トリフルオロメチル、またはアリールを表し;R2は、R4、OR4、SR4、またはNR4R5を表し;そしてR4は、H、アルキル、シクロアルキル、またはアリールを表す。本発明に従って、R4およびR5は、R4の値の中から選択されるか、またはR4とR5は、Nと一緒になって、N、O、およびSを含み得る複素環基を形成し、前記基の全ては、場合によって置換される。さらに、前記生成物は、医薬品として使用するために全ての異性体形態および塩形態をとる。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なプリン誘導体、それらの製造方法、得られる新規な中間体、医薬品としてのそれらの適用、それらを含有する薬学的組成物、およびこのようなプリン誘導体の新規な使用に関する。
【0002】
従って、本発明の主題は、新規なプリン誘導体である。
【0003】
本発明の生成物は、プロテインキナーゼ阻害性を有する。
【0004】
阻害されるキナーゼの中でも特に、「cdk」と呼ばれるサイクリン依存性プロテインキナーゼ(特に、CDK1およびCDK2、GSK、GSK3β、CIV1、SARC、SRCキナーゼ( )Ablキナーゼ、CAMキナーゼII、カゼインキナーゼII、EGF−チロンシンキナーゼ、IRKキナーゼ、Mapキナーゼ(ERK 42)、MEK1キナーゼ、PKA、プロテインキナーゼp561lck、Zap70、AKT;FAK、JNK3、PLK1)について言及し得る。
【背景技術】
【0005】
プロテインキナーゼは、チロシン残基、セリン残基、またはスレオニン残基のような特定のタンパク質残基のヒドロキシル基のリン酸化を触媒する酵素のファミリーである。このようなリン酸化は、タンパク質機能を広範に改変し得る;従って、プロテインキナーゼは、特に、代謝、細胞増殖、細胞分化、細胞移動、または細胞生存を含む多くの細胞プロセスを制御するのに重要な役割を果たす。プロテインキナーゼ活性が関与する種々の細胞機能の中で、いくつかのプロセスは、癌関連疾患および他の疾患を処置するための魅力的な標的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、特にキナーゼに対して作用することによって抗癌活性を有する組成物を提供することが、本発明の1つの目的である。活性の改変が探求されるキナーゼの中でも、特に、FAK(局所接着キナーゼ:Focal Adhesion Kinase)について言及し得る。
【0007】
FAKは、インテグリン(ヘテロ二量体の細胞接着レセプターのファミリー)によって伝達されたシグナルの変換(transduction)において重要な役割を果たす細胞質チロシンキナーゼである。FAKおよびインテグリンは、接着性プラーク(adhesion plaque)と呼ばれる周囲膜(perimembrane)構造において、同一場所に局在化される(colocaliz)。多くの細胞型において、FAKの活性化、およびチロシン残基上でのそのリン酸化、特に、チロシン397上でのその自己リン酸化が、それらの細胞外リガンドへのインテグリンの結合に依存し、従って、細胞接着の間に誘導されることが示されている[Kornberg L,et al.J.Biol.Chem.267(33):23439−442.(1992)]。FAKのチロシン397上での自己リン酸化は、そのSH2ドメインを介する別のチロシンキナーゼ、Srcに対する結合部位を示す[Schaller et al.Mol.Cell.Biol.14:1680−1688.1994;Xing et al.Mol.Cell.Biol.5:413−421.1994]。次いで、Srcは、チロシン925でFAKをリン酸化し得、従って、アダプタータンパク質Grb2を動員し、そしていくつかの細胞において、細胞増殖の制御に関与するrasおよびMAPキナーゼ経路の活性化を誘導する[Schlaepfer et al.Nature;372:786−791.1994;Schlaepfer et al.Prog.Biophy Mol.Biol.71:435−478.1999;Schlaepfer and Hunter,J.Biol.Chem.272:13189−13195.1997]。FAKの活性化はまた、jun NH2末端キナーゼ(JNK)シグナル伝達経路を誘導し、そして細胞周期のG1期へと細胞を進める[Oktay et al.,J.Cell.Biol.145:1461−1469.1999]。ホスファチジルイノシトール−3−OHキナーゼ(PI3−キナーゼ)はまた、チロシン397でFAKに結合し、そしてこの相互作用は、PI3−キナーゼの活性化に必要であり得る[Chen and Guan,Proc.Nat.Acad.Sci.USA.91:10148−10152.1994;Ling et al.J.Cell.Biochem.73:533−544.1999]。FAK/Src複合体は、パキシリンおよびp130CASのような線維芽細胞中の種々の基質をリン酸化する[Vuori et al.Mol.Cell.Biol.16:2606−2613.1996]。
【0008】
多くの研究結果は、FAKインヒビターが癌の処置に有用であり得るという仮定を支持する。これらの研究は、FAKがインビトロでの細胞増殖および/または細胞生存において重要な役割を果たし得ることを示唆している。例えば、CHO細胞において、いく人かの筆者は、p125FAKの過剰発現がG1からSへの移行を加速させることを証明し、このことは、P125FAKが細胞増殖を促進することを示唆する[Zhao J.−H et al.J.Cell Biol.143:1997−2008.1998]。他の筆者は、FAKアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理された腫瘍細胞が、それらの接着性を消失し、そしてアポトーシスを起こすことを示している(Xu et al,Cell Growth Differ.4:413−418.1996)。FAKが、インビトロで細胞移動を促進することもまた証明されている。従って、FAK発現を欠損した線維芽細胞(FAKをノックアウトしたマウス)は、丸みのある形態および化学走性(chemotactic)シグナルに応答する細胞移動の欠損を示し、そしてこれらの欠損は、FAKの再発現によって抑制される[DJ.Sieg et al.,J.Cell Science.112:2677−91,1999]。FAKのC末端ドメイン(FRNK)の過剰発現は、接着性細胞の伸長をブロックし、そしてインビトロでの細胞移動を減少する[Richardson A.and Parsons J.T.Nature.380:538−540,1996]。CHO細胞もしくはCOS細胞、またはヒト星状細胞腫細胞におけるFAKの過剰発現は、細胞移動を促進する。インビトロで多くの細胞型において、細胞増殖および細胞移動の促進に対するFAKの関与は、新生物プロセスにおけるFAKの潜在的な役割を示唆する。最近の研究は、ヒト星状細胞腫細胞におけるFAK発現の誘導の後の、インビボでの腫瘍細胞増殖の増加を効果的に証明している[Cary L.A.et al.J.Cell Sci.109:1787−94,1996;Wang D et al.J.Cell Sci.113:4221−4230,2000]。さらに、ヒト生検の免疫組織化学研究は、FAKが前立腺、乳房、甲状腺、結腸、黒色腫、脳および肺の癌において過剰発現され、FAKの発現レベルが最も攻撃的な表現型を示す腫瘍と直接的に相関することを証明している[Weiner TM,et al.Lancet 342(8878):1024−1025.1993;Owens et al.Cancer Research 55:2752−2755,1995;Maung K.et al.Oncogene 18:6824−6828,1999;Wang D et al.J.Cell Sci.113:4221−4230,2000]。
【0009】
細胞周期を制御する分子機構の研究により、このように定義されたcdkの役割を実証することが可能となった:これらのCdkは、細胞分裂周期の必須のレギュレータである;cdkは少なくとも2つのサブユニット、触媒サブユニット(cdc2の触媒サブユニットが原型である)および調節サブユニット(サイクリン)、からなるタンパク質である。従って、幾つかの多くのCdkが公知である。従って、Cdkはタンパク質複合体を形成し、これらの各々は、細胞周期の相(phase)に関与する。
【0010】
文献の多くの文書は、cdkの存在および役割を記載し、例えば、特にWO 97/20842を挙げることができる。
【0011】
ブチロラクトン、フラボピリドール、および2(2−ヒドロキシルエチル−アミノ)−6−ベンジルアミノ−9−メチルプリン(オロモウシンと呼ばれる)のようないくつかのキナーゼインヒビターが記載されている。
【0012】
このようなCdk活性化プロテインキナーゼは、特にヒト生物体において感染症を引き起こす病原性真菌類のキナーゼである。
【0013】
本発明の文脈においては、病原性真菌類として、カンジダ アルビカンス(Candida albicans)について言及し得るが、例えば同様に、以下が挙げられる:カンジダ ステラトイデア(Candida stellatoidea)、カンジダ トロピカリス(Candida tropicalis)、カンジダ パラプシロシス(Candida parapsilosis)、カンジダ クルセイ(Candida krusei)、カンジダ シュードトロピカリス(Candida pseudotropicalis)、カンジダ キレルモンジー(Candida quillermondii)、カンジダ グラブラタ(Candida glabrata)、カンジダ ルシアニアエ(Candida lusianiae)もしくはカンジダ ルゴサ(Candida rugosa)、またはサッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)型、アスペルギルス(Aspergillus)属型もしくはクリプトコッカス(Cryptococcus)属型の真菌、特に、例えばアスペルギルス フミガタス(Aspergillus fumigatus)、コクシジオイデス イミチス(Coccidioides immitis)、クリプトコッカス ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、ヒストプラズマ カプスラタム(Histoplasma capsulatum)、ブラストマイセス ダーマチチディス(Blastomyces dermatitidis)、ブラジルパラコクシジオイデス(Paracoccidioides brasiliens)、およびスポロトリックス シェンキー(Sporothrix schenckii)、または藻菌類もしくは真菌類の真菌、特に担子菌類、子嚢菌類、メヒアスコマイセタレス(mehiascomycetales)(酵母)およびプレクタスカレス(plectascales)、ジムナスケールス(gymnascales)(皮膚および毛髪の真菌)のサブクラス、または線菌綱の真菌、特に分生胞子(conidiosporales)および葉状胞子菌(thallosporales)のサブクラス、それらの中で以下の種:ケカビ属(mucor)、クモノスカビ属(rhizopus)、コクシジオイデス属(coccidioides)、パラコクシジオイデス属(paracoccidioides)(ブラストマイセス(blastomyces)、ブラジリエンシス(brasiliensis))、エンドミセス属(endomyces)(ブラストマイセス(blastomyces))、アスペルギルス属(aspergillus)、メニシリウム属(menicilium)(スコプラリオプシス(scopulariopsis))、トリコフィトン属(trichophyton)、エピダーモフィトン属(epidermophton)、ミクロスポロン属(microsporon)、ピエドライア属(piedraia)、ホルモデンドロン属(hormodendron)、フィアロフォラ属(phialophora)、スポロトリコン属(sporotrichon)、クリプトコッカス属(cryptococcus)、カンジダ属(candida)、ジオトリウム属(geotrichum)、トリコスポロン属(trichosporon)、またはトロプスロシス属(tropsulosis)、でん風(pityriasis Versicolor)もしくは紅色陰癬(Erythrasma)。
【0014】
このような病原性真菌類の中で、特にカンジダアルビカンスについて言及し得る。
【0015】
最初の真菌のCdk活性化キナーゼは、サッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)およびシゾサッカロミセス ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)において同定されたことが知られている。Cdkの活性化は、「Tループ」と呼ばれる領域に位置する保存されたスレオニン残基でのサイクリン分子の結合およびCdkのリン酸化の両方を必要とする。このリン酸化は、「Cdk活性化キナーゼ」または「CAK」と呼ばれるキナーゼによって行われることが示されている。これらの「CAK」に関するさらなる情報については、以下のような参考文献の内容が言及されている:
−Solomon,Trends Biochem.Sci.19,496−500(1994)
−Buck et al,EMBO J.,14(24),6173−83(1995)−Damagnez et al,EMBO J.,14(24),6164−72(1995)。
【0016】
酵母サッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)において、CAK活性の原因となるキナーゼが同定され、そしてCIV1と名付けられた。
【0017】
これらの「CIV1」に関するさらなる情報については、以下のような参考文献の内容が言及されている:
−Thuret et al,Cell,86(4),(1996)
−Kaldis et al,Cell,86(4),553−564(1996)
−Espinosa et al,Science,273(5282),1714−1717(1996)。
【0018】
細胞生存および細胞分裂に必須の、上で定義されるこのようなCAK活性は、特に、カンジダアルビカンスのような病原性真菌類において見出されそして同定された:CaCIV1と呼ばれるカンジダアルビカンスにおけるこのCIV1タンパク質をコードする遺伝子の配列およびCaCIV1タンパク質が同定された。このような配列およびそのタンパク質は、フランス特許出願番号第9710287号に明確に定義される。
【0019】
このようなプロテインキナーゼインヒビターは、特に抗増殖性を有し得る。
【0020】
以下に定義されるような、真菌CIV1プロテインキナーゼ阻害性を有する式(I)の生成物が、今回見出され(これらのプロテインキナーゼは、Cdk活性化性である)、そしてこれが、特に本発明の主題である。
【0021】
従って、本発明は、上で定義される種々の真菌において見出され得るこのようなCIV1タンパク質に対して特に阻害性を有し得る以下に定義される式(I)の生成物に関する。
【0022】
従って、本発明は、特に、上で定義され、そしてフランス特許出願第9710287号に記載されるカンジダアルビカンスのCaCIV1プロテインキナーゼに対して特に阻害性を有し得る以下に定義される式(I)の生成物に関する。
【0023】
酵母における細胞生存に必須のCIV1タンパク質のこのようなインヒビターは、医薬品としてまたは工業規格で抗真菌剤として使用され得る。
【0024】
従って、それらの阻害性により、このような病原性真菌類によって引き起こされる疾患を処置するための殺菌剤として本発明の生成物を使用することが可能である。
【0025】
公知の真菌感染の範囲は、皮膚または爪への真菌攻撃から最も深刻には内部器官の真菌性感染まで及ぶ。真菌から生じるこのような感染および疾患は、真菌症として同定される。静真菌効果または殺菌効果を有する抗真菌物質は、これらの真菌症の処置に使用される。
【0026】
本発明はまた、このようなインヒビターの製造方法、抗真菌剤としてのそれらの使用、およびこのようなインヒビターを含有する薬学的組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0027】
従って、本発明の主題は、以下の式(I):
【化1】

の生成物であり、
ここで:
Yは、N、O、S、CHR3、または=CR3を表し、
環上の点線は、対応する結合が一重または二重であることを示し、
RおよびR1は、同じものでも異なるものでもよく、前記RおよびR1は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、シアノ、NO2、NR4R5、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、ヘテロアリール、−S(O)n−NR4R5、アシル、−NH−CO−アルキル、または−NH−CO−NH−フェニルを表し、ここで前記アルキル基およびフェニル基が、場合によって、それ自体が場合により置換されるチエニルおよびフェニルから選択される1つまたは以上の基で置換され、これらのフェニル基は、場合によって、ハロゲン原子、ならびに−NH2、−NHAlk、および−N(Alk)2から選択される1つまたはそれ以上の基でそれ自体が置換され、
nは、0〜2の整数を表し、
R3は、水素、ハロゲン、アルキル、シアノ、NO2、NR4R5、トリフルオロメチル、アリールを表し、
R2は、R4基、OR4基、SR4基、またはNR4R5基を表し、ここでR4は、水素原子、またはアルキル基、シクロアルキル基、もしくはアリール基を表し、
NR4R5において、R4およびR5は同じものでも異なるものでもよく、R4の値から選択されるか、または前記R4およびR5は、それらが結合する窒素原子と一緒になって4〜6個の環メンバーを含む環式基を形成し、前記環メンバーは1つまたはそれ以上のヘテロ原子を含み、前記ヘテロ原子は、同じものでも異なるものでもよく、N、O、およびSから選択され、
上で定義される全てのアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、および複素環基は、場合によって、1つまたはそれ以上の基で置換され、前記置換基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、アルコキシ基、アリール基、および複素環基、酸官能基または酸等量式官能基(acid isostere function)を有する基、ならびに−NHR4基、−NalkR4基、−COR4基、−COOR4基、−CONalkR4基、および−CONHR4基から選択され、ここで、R4は、上で与えられる意味を有し、そしてalkは、アルキル基を表し、
上で定義される全てのアリール基および複素環基はまた、場合によって、1つまたはそれ以上のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、およびフェニルアルキル基で置換され、
上で定義される全てのアリール基はまた、場合によって、ジオキソール基で置換され、
上で定義される全てのアルキル基およびアルコキシ基は、直鎖または分枝鎖であり、そして最大6個の炭素原子を含み、
上で定義される全てのシクロアルキル基は、最大6個の炭素原子を含み、
式(I)の前記生成物は、全ての可能なラセミ形態、エナンチオマー異性形態、およびジアステレオマー異性形態であり、そしてまた式(I)の前記生成物の無機酸および有機酸、または無機塩基および有機塩基との薬学的に受容可能な付加塩である。
【0028】
従って、本発明の主題は、上で定義される式(I)の生成物であり、ここで:
Yは、N、O、S、CHR3、または=CR3を表し、
環上の点線は、対応する結合が一重または二重であることを示し、
RおよびR1は、同じものでも異なるものでもよく、前記RおよびR1は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、シアノ、NO2、NR4R5、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、ヘテロアリール、−S(O)n−NR4R5を表し、
nは、0〜2の整数を表し、
R3は、水素、ハロゲン、アルキル、シアノ、NO2、NR4R5、トリフルオロメチル、アリールを表し、
R2は、R4基、OR4基、SR4基、またはNR4R5基を表し、ここでR4は、水素原子、またはアルキル基、シクロアルキル基、もしくはアリール基を表し、
NR4R5において、R4およびR5は同じものでも異なるものでもよく、R4の値から選択されるか、または前記R4およびR5は、それらが結合する窒素原子と一緒になって4〜6個の環メンバーを含む環式基を形成し、前記環メンバーは1つまたはそれ以上のヘテロ原子を含み、前記ヘテロ原子は、同じものでも異なるものでもよく、N、O、およびSから選択され、
上で定義される全てのアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、および複素環基は、場合によって1つまたはそれ以上の基で置換され、前記置換基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、アルコキシ基、アリール基、および複素環基、酸官能基または酸等量式官能基を有する基、ならびに−NHR4基、−NalkR4基、−COR4基、−COOR4基、−CONalkR4基、および−CONHR4基から選択され、ここで、R4は、上で与えられる意味を有し、そしてalkは、アルキル基を表し、
上で定義される全てのアリール基および複素環基はまた、場合によって、1つまたはそれ以上のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、およびフェニルアルキル基で置換され、
上で定義される全てのアリール基はまた、場合によって、ジオキソール基で置換され、
上で定義される全てのアルキル基およびアルコキシ基は、直鎖または分枝鎖であり、そして最大6個の炭素原子を含み、
上で定義される全てのシクロアルキル基はまた、最大6個の炭素原子を含み、
式(I)の前記生成物は、全ての可能なラセミ形態、エナンチオマー異性形態、およびジアステレオマー異性形態であり、そしてまた式(I)の前記生成物の無機酸および有機酸、または無機塩基および有機塩基との付加塩である。
【0029】
式(I)の生成物および以下の明細書において:
−用語「直鎖または分枝鎖のアルキル基」は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、およびイソヘキシル基、ならびにヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基、ならびにそれらの直鎖または分枝鎖の位置異性体を示す。
−用語「直鎖または分枝鎖のアルコキシ基」は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ならびに直鎖の、第二級もしくは第三級のブトキシ基およびペントキシ基、またはヘキソキシ基、ならびにそれらの直鎖または分枝鎖の位置異性体を示す。
−用語「アシル基またはr−CO−基」は、最大12個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖の基を示し、ここで、r基は、水素原子、またはアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、もしくはヘテロアリール基を表し、これらの基は、上記または下記で与えられる、場合により置換された値を有する:従って、アシル基は、特にCO−アルキル、CO−アリール、またはCO−ヘテロアリールを表す。例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、もしくはベンゾイル基、またはバレリル基、ヘキサノイル基、アクリロイル基、クロトノイル基、カルバモイル基、ピロリジニルカルボキシル基、またはフリル−カルボキシル基が言及され得る。
【0030】
−用語「ハロゲン原子」は、好ましくは塩素原子を示すが、フッ素原子、臭素原子またはヨウ素原子もまた示し得る。
−用語「シクロアルキル基」は、シクロプロピル基およびシクロブチル基、最も特にシクロペンチル基およびシクロヘキシル基を示す。
−用語「アリール基」は、不飽和基、単環式基または炭素環式の縮合された環からなる基を示す。このようなアリール基の例としては、フェニル基またはナフチル基が言及され得る。
−用語「複素環基」は、最大6個の環メンバーからなる飽和基または不飽和基を示し、1つまたはそれ以上の環メンバーは、酸素原子、硫黄原子、または窒素原子を表す:従って、このような複素環基は、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1つまたはそれ以上のヘテロ原子により中断された炭素環式基を示し、複素環基が、酸素原子、窒素原子、または硫黄原子から選択された1つまたはそれ以上のヘテロ原子を含み得、これらの複素環基が1個より多くのヘテロ原子を含む場合、これらの複素環基のヘテロ原子は、同じものでも異なるものでもよいことが理解される。特に、ジオキソラン基、ジオキサン基、ジチオラン基、チオオキソラン基、チオオキサン基、またはピペラジニル基、最大4個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖のアルキル基で置換されたピペラジニル基、2−チエニルおよび3−チエニルのようなチエニル基、2−フリルのようなフリル基、2−ピリジル、3−ピリジル、もしくは4−ピリジルのようなピリジル基、ピリミジル基、ピロリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、チアジアゾリル基、チアトリアゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、3−イソオキサゾリル基もしくは4−イソオキサゾリル基が言及され得る。硫黄、窒素、および酸素から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む、縮合複素環基もまた言及され得、例えば、3−ベンゾチエニルのようなベンゾチエニル、ベンゾフリル、ベンゾピロリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、チオナフチル、インドリル、またはプリニルが言及され得る。最も特に、2−チエニルおよび3−チエニルのようなチエニル基、2−フリルのようなフリル基、およびテトラヒドロフリル基、チエニル基、テトラヒドロチエニル基、ピロリル基、ピロリニル基およびピロリジニル基が言及され得る。
【0031】
−用語「酸官能基または酸等量式官能基」は、遊離の、塩化もしくはエステル化されたカルボキシル基、遊離のまたは塩化されたテトラゾリル基、または以下の基を示す:
−SO3H、−PO(OH)2、NH−SO2−CF3、−NH−SO2−NH−V、NH−SO2−NH−CO−V、−NH−CO−V、−NH−CO−NH−V、−NH−CO−NH−SO2−V、−SO2−NH−、−SO2−NH−CO−V、−SO2−NH−CO−NH−V、−CO−NH−V、−CO−NH−OH、−CO−NH−SO2−V、ここで、Vは、最大6個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基もしくはアルケニル基、またはフェニル基を表し、Vによって表されるこれらのアルキル基、アルケニル基、およびフェニル基は、式(I)の生成物のアルキル基およびフェニル基について上記で示した置換基で場合によって置換されている。
【0032】
式(I)の生成物のカルボキシル基は、当業者に公知の種々の基で塩化またはエステル化され得、当該種々の基としては、例えば以下が挙げられる:
−造塩化合物としては、無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、もしくはアンモニウムの相等物)、または有機塩基(例えばメチルアミン、プロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、エタノールアミン、ピリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、モルホリン、ベンジルアミン、プロカイン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、もしくはN−メチルグルカミン)。
−エステル化化合物としては、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、もしくはベンジルオキシカルボニル)を形成するためのアルキル基、これらのアルキル基は、例えばクロロメチル基、ヒドロキシプロピル基、メトキシメチル基、プロピオニルオキシメチル基、メチルチオメチル基、ジメチルアミノエチル、ベンジルまたはフェネチル基のように、例えばハロゲン原子、およびヒドロキシル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、またはアリール基から選択された基で置換され得る。
【0033】
式(I)の生成物の無機酸または有機酸との付加塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、プロピオン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、グリオキシル酸、アスパラギン酸、またはアスコルビン酸、アルキルモノスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸)、アルキルジスルホン酸(例えば、メタンジスルホン酸、α−エタンジスルホン酸、β−エタンジスルホン酸)、アリールモノスルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸)、およびアリールジスルホン酸と形成される塩であり得る。
【0034】
立体異性は、その広範な意味では、同じ構造式を有するが、種々の基が空間的に異なって配置される化合物の異性として定義され得、例えば特に、モノ置換シクロヘキサンにおける異性(置換基がアキシャル位またはエカトリアル位にあり得る)、およびエタン誘導体の種々の可能な回転配座であり得ることを想起されたい。しかし、二重結合または環のいずれにか結合した置換基の種々の空間的配置に起因して、別の型の立体異性が存在し、それは、しばしば幾何異性またはシス−トランス異性といわれる。用語「立体異性体」は、本明細書中で最も広範な意味で使用され、従って上記で示した全ての化合物に関連する。
【0035】
本発明の特定の主題は、上で定義される式(I)の生成物であり、以下の式(Ia):
【化2】

に対応し、
ここで:
Yaは、N、O、S、CHR3a、または=CR3aを表し、
環上の点線は、対応する結合が一重または二重であることを示し、
RaおよびR1aは、同じものでも異なるものでもよく、前記RaおよびR1aは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、シアノ、NO2、NR4aR5a、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニル、ヘテロアリール、−S(O)n−NR4aR5aを表し、
nは、0〜2の整数を表し、
R3aは、水素、ハロゲン、アルキル、シアノ、NO2、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリフルオロメチル、およびフェニルを表し、
R2aは、R4a基、OR4a基、SR4a基、またはNR4aR5a基を表し、ここでR4aは、水素原子、またはアルキル基、シクロアルキル基、もしくはフェニル基を表し、
NR4aR5aにおいて、R4aおよびR5aは同じものでも異なるものでもよく、R4aの値から選択されるか、またはR4aおよびR5aは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合によって、置換されたピペリジル基、モルホリニル基、ピロリジニル基、またはピペラジニル基を形成し、
上で定義される全てのアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、フェニル基、フェニルアルキル基、および複素環基は、場合によって1つまたはそれ以上の基で置換され、前記置換基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、アルコキシ基、フェニル基、複素環基[例えば、テトラヒドロピラニルまたはピペリジルであり、場合によって、NまたはC上で、カルボキシル基(これは、遊離であるか、塩化されているかまたはアルキル基でエステル化されている)、SO3H基、PO(OH)2基、NH−SO2−CF3基、NH−SO2−NH−V基、およびNH−SO2−NH−CO−V基で置換され、ここで、Vは、フェニル基、アルキル基、またはアルケニル基を表し、前記アルケニル基は、最大6個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖である]、ならびに−NalkR4a基、−NHR4a基、−COR4a基、−COOR4a基、−CONalkR4a基、および−CONHR4a基(ここで、R4aは、上で示された意味を有し、そしてalkはアルキル基である)から選択され、
上で定義される全てのフェニル基および複素環基はまた、場合によって、1つまたはそれ以上のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、またはフェニルアルキル基で置換され、
上で定義される全てのフェニル基はまた、場合によって、ジオキソール基で置換され、
上で定義される全てのアルキル基およびアルコキシ基は、直鎖または分枝鎖であり、そして最大6個の炭素原子を含み、
上で定義される全てのシクロアルキル基は、5または6個の炭素原子を含み、
式(Ia)の前記生成物は、全ての可能なラセミ形態、エナンチオマー異性形態、およびジアステレオマー異性形態であり、そしてまた式(Ia)の前記生成物の無機酸および有機酸、または無機塩基および有機塩基との薬学的に受容可能な付加塩である。
【0036】
R2aがNR4aR5a基を表す場合、R2aは、特にNH−Rya基を表すことを示すことができ、ここで、Ryaは以下:
【化3】

の基を表し、
ここで、D1a及びD2aは、同じものでも異なるものでもよく、水素原子、ヒドロキシル基、最大6個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基もしくはアルコキシ基、またはNHR5a基から選択されるか、またはそれらが一緒になって=O基または=N−OR4a基を形成し、
R4aは、水素原子、またはアルキル基、シクロアルキル基もしくはフェニル基を表し、R5aは水素原子、アルキル基もしくはシクロアルキル基、または−COOtBu(Boc)基を表す。
【0037】
本発明のより詳細な主題は、上で定義される式(I)の生成物であり、以下の式(Ib):
【化4】

に対応し、
ここで、Ybは、N、CHR3b、または=CR3bを表し、
環上の点線は、対応する結合が一重または二重であることを示し、
RbおよびR1bは、同じものでも異なるものでもよく、前記RbおよびR1bは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、シアノ、NO2、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニル、−S(O)n−NR4bR5bを表し、
nは、0〜2の整数を表し、
R3bは、水素、ハロゲン、アルキル、シアノ、NO2、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリフルオロメチル、およびフェニルを表し、
R2bは、R4b基またはNR4bR5b基を表し、ここでR4bは、水素原子、またはアルキル基、シクロアルキル基、もしくはフェニル基を表し、
NR4bR5bにおいて、R4bおよびR5bは同じものでも異なるものでもよく、R4bの値から選択されるか、または前記R4bおよびR5bは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合によって置換されたピペリジル基、モルホリニル基、またはピロリジニル基を形成し、
上で定義される全てのアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、フェニル基、およびフェニルアルキル基、および複素環基(例えば、ピペリジル基、モルホリニル基、またはピロリジニル基)は、場合によって1つまたは2つの基で置換され、前記置換基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、アルコキシ基、およびフェニル基、ならびにテトラヒドロピラニル基およびピペリジル基[それら自体は、場合によって、NまたはC上で、カルボキシル基(これは、遊離であるか、塩化されているかまたはアルキル基でエステル化されている)で置換されている]、ならびに−NalkR4a基、−NHR4a基、および−COOR4a基(ここで、R4aは、上で示された意味を有し、そしてalkはアルキル基を表す)から選択され、
上で定義される全てのフェニル基および複素環基はまた、場合によって、1つまたはそれ以上のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、およびフェニルアルキル基で置換され、
上で定義される全てのアルキル基およびアルコキシ基は、直鎖または分枝鎖であり、そして最大4個の炭素原子を含み、
上で定義される全てのシクロアルキル基は、5または6個の炭素原子を含み、
式(Ib)の前記生成物は、全ての可能なラセミ形態、エナンチオマー異性形態、およびジアステレオマー異性形態であり、そしてまた式(Ib)の前記生成物の無機酸および有機酸、または無機塩基および有機塩基との薬学的に受容可能な付加塩である。
【0038】
R2bがNR4bR5b基を表す場合、R2bは、特にNH−Ryb基を表すことを示すことができ、ここで、Rybは以下:
【化5】

の基を表し、
ここで、D1b及びD2bは、同じものでも異なるものでもよく、水素原子、ヒドロキシル基、最大4個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基およびアルコキシ基、およびNHR5b基から選択されるか、またはそれらが一緒になって=O基または=N−OR4b基を形成し、
R4bは水素原子、最大4個の炭素原子を含むアルキル基、フェニル基、−CH2−フェニル基、または最大6個の炭素原子を含み、場合によって−NHR3b基で置換されたシクロアルキル基を表し、
R5bは水素原子、最大6個の炭素原子を含むアルキル基もしくはシクロアルキル基、または−COOtBu(Boc)基を表す。
【0039】
本発明のなおより詳細な主題は、上で定義される式(I)の生成物であり、以下の式(Ic):
【化6】

に対応し、
ここで、Ycは、N、CH2、またはCH=を表し、
環上の点線は、対応する結合が一重または二重であることを示し、
RcおよびR1cは、同じものでも異なるものでもよく、前記RcおよびR1cは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、フェニルアルコキシ、フェニルアルキル、シアノ、NO2、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニル、場合によって1つまたは2つのアルキル基で窒素原子上で置換された−S(O)n−NH2を表し、そしてnは、0〜2の整数を表し、
R3cは、水素、ハロゲン、アルキル、シアノ、NO2、トリフルオロメチル、およびフェニルを表し、
R2cは、NR4cR5c基を表し、ここでR4cおよびR5cは、同じものでも異なるものでもよく、前記R4cは、水素原子、またはアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、もしくはフェニルアルキル基を表し、
前記アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、またはフェニルアルキル基は、場合によって、1つまたはそれ以上の基で置換され、前記置換基は、ヒドロキシル、アミノ、またはカルボキシル(これは、遊離であるか、塩化されているかまたはアルキル基でエステル化されている)、テトラヒドロピラニル基またはピペリジル基(これらは、場合によって、NまたはC上で、カルボキシル基で置換され、前記カルボキシル基は、遊離であるか、塩化されているかまたはアルキル基でエステル化されている)から選択され、
そしてR5cは、水素原子またはアルキル基を表すか、またはR4cおよびR5cは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピペリジル基、モルホリニル基、またはピロリジニル基を形成し、これらの基は、場合によって、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、またはジアルキルアミノ基で置換され、
上で定義される全てのアルキル基およびアルコキシ基は、最大4個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖であり、
式(Ic)の前記生成物は、全ての可能なラセミ形態、エナンチオマー異性形態、およびジアステレオマー異性形態であり、そしてまた式(Ic)の前記生成物の無機酸および有機酸、または無機塩基および有機塩基との薬学的に受容可能な付加塩である。
【0040】
Rycが以下の基:
【化7】

を表す場合、
D1cおよびD2cは、同じものでも異なるものでもよく、水素原子、ヒドロキシル基、最大4個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基およびアルコキシ基、ならびに−NH2基、−NH−COOtBu基、または−NHアルキル基(ここで、直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基は最大4個の炭素原子を含む)から選択されるか、またはそれらが一緒になって=O基または=N−Oアルキル基(ここで、直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基は最大4個の炭素原子を含む)を形成する。
【0041】
Rydが、特に以下の基:
【化8】

を表し、
ここで、D1dおよびD2dは、同じものでも異なるものでもよく、水素原子、ヒドロキシル基、最大4個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基およびアルコキシ基、ならびに−NH2基、−NH−COOtBu基、または−NHアルキル基(ここで、直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基は最大4個の炭素原子を含む)から選択されるか、またはそれらが一緒になって=O基または=N−Oアルキル基(ここで、直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基は最大4個の炭素原子を含む)を形成する。
【0042】
Ryeが、特に以下の基:
【化9】

を表し、
ここで、D1eおよびD2eは、一方が水素原子、他方が−COOtBu基もしくは−アルキル基で場合によって置換された−NH2基を表し、ここで、直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基は最大4個の炭素原子を含む。
【0043】
本発明の最も詳細な主題は、上で定義される式(I)の生成物であり、以下の式(Id):
【化10】

に対応し、
ここで、Ydは、N、CH2、またはCH=を表し、
環上の点線は、対応する結合が一重または二重であることを示し、
RdおよびR1dは、同じものでも異なるものでもよく、前期RdおよびR1dは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、フェニルアルコキシ、NO2、ジアルキルアミノスルホニル、−NH2、トリフルオロメチル、−CO−CH3、−NH−CO−アルキル、または−NH−CO−NH−フェニルを表し、ここで、該アルキル基は、場合によって、チエニル基またはフェニル基で置換され、そして前記フェニル基は、場合によってハロゲン原子、ならびに−NH2基、−NHAlk基、およびN(Alk)2基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換され、
R3dは、水素またはアルキルを表し、
R2dは、NR4dR5d基を表し、ここでR4dおよびR5dは、同じものでも異なるものでもよく、前記R4dは、水素原子、1〜4個の炭素原子を含み、そして場合によって1つまたは2つのヒドロキシルで置換された直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基、場合によってアミノ基もしくはヒドロキシル基で置換されたシクロアルキル基、または、場合によってカルボキシル基(これは遊離であるか、塩化されているかまたはアルキル基でエステル化されている)で置換されたフェニルを有するフェニル基もしくはフェニルアルキル基(1〜4c)、テトラヒドロピランアルキル基(実施例28)、またはピペリジルアルキル基(実施例31、36)(これらは、場合によって、NまたはC上でカルボキシル基で置換されている)を表し、そしてR5dは、水素原子またはアルキル基を表すか、またはR4dおよびR5dは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合によってアミノ基で置換されたピペリジル基、モルホリニル基、または場合によってヒドロキシアルキル基で置換されたピロリジニル基を形成し、
上で定義される全てのアルキル基およびアルコキシ基は、最大4個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖であり、
式(Id)の前記生成物は、全ての可能なラセミ形態、エナンチオマー異性形態、およびジアステレオマー異性形態であり、そしてまた式(Id)の前記生成物の無機酸および有機酸、または無機塩基および有機塩基との薬学的に受容可能な付加塩である。
【0044】
従って、上で定義される式(I)の生成物が最も詳細な本発明の主題であり、これは以下の式(Id)に対応し、
ここで、Ydは、N、CH2、またはCH=を表し、
環上の点線は、対応する結合が一重または二重であることを示し、
RdおよびR1dは、同じものでも異なるものでもよく、前記RdおよびR1dは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、フェニルアルコキシ、NO2、ジアルキルアミノスルホニルを表し、
R3dは、水素またはアルキルを表し、
R2dは、NR4dR5d基を表し、ここでR4dおよびR5dは、同じものでも異なるものでもよく、該R4dは、水素原子、1〜4個の炭素原子を含み、そして場合によって1つまたは2つのヒドロキシルで置換された直鎖または分枝鎖アルキル基、場合によってアミノ基もしくはヒドロキシル基で置換されたシクロアルキル基、場合によってカルボキシル基(これは遊離であるか、塩化されているかまたはアルキル基でエステル化されている)で置換されたフェニルを有するフェニル基もしくはフェニル(C1−C4)アルキル基、テトラヒドロピランアルキル基またはピペリジルアルキル基(これらは、場合によって、カルボキシル基でNまたはC上で置換されている)を表し、そしてR5dは、水素原子またはアルキル基を表すか、またはR4dおよびR5dは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合によってアミノ基で置換されたピペリジル基、モルホリニル基、または場合によってヒドロキシアルキル基で置換されたピロリジニル基を形成し、
上で定義される全てのアルキル基およびアルコキシ基は、最大4個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖であり、
式(Id)の前記生成物は、全ての可能なラセミ形態、エナンチオマー異性形態、およびジアステレオマー異性形態であり、そしてまた式(Id)の前記生成物の無機酸および有機酸、または無機塩基および有機塩基との薬学的に受容可能な付加塩である。
【0045】
本発明の最も詳細な主題は、上で定義される式(I)の生成物であり、これらは、以下の化学名を有する:
−トランス−N−[6−(5,6−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
−トランス−N−[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
−トランス−N−[6−(5,6−ジメチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
−トランス−N−[6−(5,6−ジクロロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンヒドロクロリド
−トランス−N−[6−(5−メトキシ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
−トランス−N−[6−(1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
−トランス−N−[6−[6−(フェニルメトキシ)−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
−トランス−N−[6−[5−(フェニルメトキシ)−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
−トランス−4−[[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]シクロヘキサノール
−トランス−N−[6−(2,3−ジヒドロ−5−ニトロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
−トランス−N−[6−[2,3−ジヒドロ−6−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン(実施例40)
−トランス−N−[1−[2−[(4−アミノシクロヘキシル)アミノ]−9H−プリン−6−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−2−チオフェンアセトアミド(実施例41)
−トランス−N−[6−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン(実施例44)
【0046】
本発明の主題はまた、上で定義される式(I)の生成物を製造するための方法であり、本方法は、ここで以下の式(II):
【化11】

の化合物を、以下の式(III):
【化12】

の化合物(ここで、R’、R1’およびR3’が、R、R1、およびR3についてそれぞれ請求項1に示される意味を有し、ここで、任意の反応性官能基は、場合によって保護基で保護され、そしてYは請求項1に示される意味を有する)の作用に付して、
以下の式(IV):
【化13】

の生成物(ここで、R’、R1’、R3’およびYが、上記に示した意味を有する)を得、
前記式(IV)の生成物を、以下の式(V):
R2’−H (V)
の化合物(ここで、R2’が、R2について請求項1に示される意味を有し、任意の反応性官能基は、場合によって、保護基で保護されている)との反応に付して、
以下の式(I’):
【化14】

の生成物(ここで、R’、R1’、R2’、R3’およびY’が、上記に示される意味を有し、前記式(I’)の生成物が、式(I)の生成物について請求項1に示される意味を有し、ここで任意の反応性官能基は、場合によって、保護基で保護されている)を得、ここで、前記式(I’)の生成物は、式(I)の生成物であり得るが、所望により、そして必要に応じて、式(I)の他の生成物を得るために、式(I’)の生成物を、以下:
a)酸官能基のエステル化反応、
b)エステル官能基を酸官能基にけん化する反応、
c)アルキルチオ基を対応するスルホキシドまたはスルホンに酸化する反応、
d)ケトン官能基をオキシム官能基に変換する反応、
e)遊離のまたはエステル化されたカルボキシル官能基をアルコール官能基に還元する反応、
f)アルコキシ官能基をヒドロキシル官能基に変換するか、またはヒドロキシル官能基をアルコキシ官能基に変換する反応、
g)アルキル官能基をアルデヒド官能基、酸官能基、またはケトン官能基に酸化する反応、
h)ニトリル基をテトラゾリルに変換する反応、
i)保護された反応性官能基が有し得る保護基を除去する反応、
j)無機酸もしくは有機酸、または塩基を用いて塩化して対応する塩を得る反応、
k)ラセミ形態を分割された生成物に分割する反応、
の1つまたはそれ以上の変換反応に任意の順序で付し得、
このようにして得た前記式(I)の生成物は、全ての可能なラセミ形態、エナンチオマー異性形態、およびジアステレオマー異性形態である。
【0047】
式(I’)の生成物は、式(I)の生成物について上記に示した意味を有し、ここで任意の反応性官能基は、場合によって保護基で保護され、
ここで式(I’)の生成物は、式(I)の生成物であり得るが、所望により、そして必要に応じて、他の式(I)の生成物を得るために、式(I’)の生成物を、以下:
a)酸官能基のエステル化反応、
b)エステル官能基を酸官能基にけん化する反応、
c)アルキルチオ基を対応するスルホキシドまたはスルホンに酸化する反応、
d)ケトン官能基をオキシム官能基に変換する反応、
e)遊離のまたはエステル化されたカルボキシル官能基をアルコール官能基に還元する反応、
f)アルコキシ官能基をヒドロキシル官能基に変換するか、またはヒドロキシル官能基をアルコキシ官能基に変換する反応、
g)アルキル官能基をアルデヒド官能基、酸官能基、またはケトン官能基に酸化する反応、
h)ニトリル基をテトラゾリルに変換する反応、
i)保護された反応性官能基が有し得る保護基を除去する反応、
j)無機酸もしくは有機酸、または塩基を用いて塩化して対応する塩を得る反応、
k)ラセミ形態を分割された生成物に分割する反応、
の1つまたはそれ以上の変換反応に任意の順序で付し得、
このようにして得た式(I)の前記生成物は、全ての可能なラセミ形態、エナンチオマー異性形態、およびジアステレオマー異性形態である。
【0048】
置換基を他の置換基に変換するこのような反応はまた、出発物質および上で定義される中間体に対して、上記の方法で示した反応に従って合成を継続する前に実施することもできる。
【0049】
本発明を実施するための好ましい条件下、上記の方法を、以下の方法で実施し得る:
従って、式(II)の生成物は、市販の生成物である2,6−ジクロロプリンである。
式(II)の生成物を、特にブタノールのようなアルコール中で、約80℃の温度または約75℃の温度で、約2〜3時間、またはDMF中で、上で定義される式(III)の生成物の作用に付し、上で定義される式(IV)の生成物を得る。
上で定義される式(IV)のこのように得られた生成物を、実験部分で定義される、特に 以下に示される条件下、式(V)の化合物の作用に付する。
【0050】
式(V)の化合物は、特に、以下に定義される式(XIV)、(XV)、または(XVI):
【化15】

の化合物を表し得、
式(XIV)、(XV)、または(XVI)の化合物において、D1’、D2’およびR’5は、それぞれD1、D2、およびR5について請求項1に示される意味を有し、ここで、任意の反応性官能基は、場合によって保護基で保護され、そしてR6’は、シクロアルキル基が有し得る1つまたはそれ以上の置換基を表し、ここで任意の反応性官能基は、場合によって、保護基で保護される。
【0051】
式(V)の生成物、すなわちR2−Hは、特に、以下の生成物(XIV):
【化16】

を表し得、
ここでD1’およびD2’は、それぞれD1およびD2について上記で示された意味を有し、ここで、任意の反応性官能基は、場合によって保護基で保護される。
【0052】
従って、見出される中で、式(I’)の生成物は、特に、以下の式(I''):
【化17】

の生成物であり、
ここで、R’、R1’、R3’、D1’、D2’およびY’は、上記に示される意味を有し、ここで任意の反応性官能基は、場合によって、保護基で保護され、そしてWは、NH、S、またはOを表し、式(II’)の生成物は、特に、上で定義される式(IV)の生成物を上で定義される式(XIV)、(XV)、または(XVI)の生成物と反応させることによって製造され得る。
【0053】
式(I’)の生成物を得るための、式(IV)の生成物と上で定義される式(XIV)、(XV)、または(XVI)の化合物との反応は、特に、縮合反応に従って実施され得、この縮合反応は、適切な場合、溶媒を含まずに約140℃の温度で実施され得る:このような縮合反応に次いで、例えば塩酸、または酒石酸、クエン酸、またはメタンスルホン酸の存在下、例えばエタノールまたはメタノールのようなアルコール中で塩化反応を行い、上で定義される式(I’)の生成物を得ることができる。
【0054】
上で定義される式(I’)の化合物のアミン官能基は、BocまたはCH2−フェニルのような基で保護され得、次いで当業者に公知の通常の条件下で遊離され得る。
【0055】
けん化反応は、当業者に公知の通常の方法に従って、例えばメタノールまたはエタノール、ジオキサン、またはジメトキシエタンのような溶媒中で、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの存在下で実施され得る。
【0056】
式(I’)の生成物を式(I)の生成物に還元又は酸化する反応は、当業者に公知の通常の方法に従って実施し得る。
【0057】
Y’、R’、R1’、R2’、R3’、D1’およびD2’の値に依存して、式(I’)の生成物は、式(I)の生成物を構成し得るか、式(I)の生成物を構成し得ず、そして式(I)の生成物を得ることができるか、または上記で示された反応a)〜k)の1つまたはそれ以上に付すことによって式(I)の他の生成物に変換され得る。
【0058】
従って、上で定義される反応におけるいくつかの化合物が有し得る種々の反応性官能基は、必要である場合、保護され得る:それらは、例えば、遊離のカルボキシル基、アシル基、もしくはヒドロキシル基、またはアミノ基およびモノアルキルアミノ基であり、それらは適切な保護基で保護され得る。
【0059】
反応性官能基の保護についての例示の非限定的なリストが、以下に言及され得る:
−ヒドロキシル基は、例えば、アルキル基(例えばtert−ブチル)、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、ベンジル、またはアセチルで保護され得る。
−アミノ基は、例えばアセチル基、トリチル基、ベンジル基、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、もしくはフタルイミド基、またはペプチド化学で公知の他の基で保護され得る。
−ホルミル基のようなアシル基は、例えば、ジメチルもしくはジエチルケタール、またはエチレンジオキシケタール、またはジエチルチオケタール、またはエチレンジチオケタールのような環式又は非環式であり得るケタールまたはチオケタールの形で保護され得る。
−上記の生成物の酸官能基は、所望の場合、第一級アミンまたは第二級アミンで、例えば塩化メチレン中で、例えば1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリドの存在下で、周囲温度でアミド化され得る。
−酸官能基は、例えば、ベンジルエステルもしくはtert−ブチルエステルのような容易に分解可能なエステル、またはペプチド化学で公知のエステルで形成されるエステルの形で保護され得る。
【0060】
上で定義される式(I’)の生成物が付され得る反応は、所望であるか、または必要な場合、例えば以下に示されるように実施され得る。
【0061】
a)上記の生成物は、所望の場合、任意のカルボキシル官能基に対してエステル化反応に付され得、エステル化反応は、当業者に公知の通常の方法に従って実施され得る。
b)上記の生成物のエステル官能基から酸官能基への任意の変換は、所望の場合、当業者に公知の通常の条件下、特に酸加水分解またはアルカリ加水分解によって、例えば、メタノールのようなアルコール媒体中、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いるか、または塩酸もしくは硫酸を用いて実施され得る。
c)上記の生成物の任意のアルキルチオ基は、所望の場合、当業者に公知の通常の条件下、例えば塩化メチレンまたはジオキサンのような溶媒中、例えば過酢酸若しくはメタクロロ過安息香酸のような過酸、またはオキソン、過ヨウ素酸ナトリウムを用いて、周囲温度で、対応するスルホキシド官能基またはスルホン官能基に変換され得る。
スルホキシド官能基の獲得は、アルキルチオ基を含む生成物と特に過酸のような試薬の等モル量混合物を用いて促進され得る。
スルホン官能基の獲得は、アルキルチオ基を含む生成物と特に過剰量の過酸のような試薬との混合物を用いて促進され得る。
【0062】
d)ケトン官能基からオキシム官能基への変換反応は、当業者に公知の通常の条件下、例えば特定の操作においては、場合によりO−置換されたヒドロキシルアミンの存在下で、エタノールのようなアルコール中で、周囲温度にてまたは加熱しながら実施され得る。
e)場合により遊離であるかまたはエステル化された上記の生成物のカルボキシル官能基は、所望の場合、当業者に公知の方法によって、アルコール官能基に還元され得る:場合によりエステル化されたカルボキシル官能基は、所望の場合、当業者に公知の方法によって、特に水素化リチウムアルミニウムを用いて、例えばテトラヒドロフラン、またはジオキサン、またはエチルエーテルのような溶媒中で、アルコール官能基に還元され得る。
場合により遊離である上記の生成物のカルボキシル官能基は、所望の場合、特に水素化ホウ素誘導体を用いて、アルコール官能基に還元され得る。
【0063】
f)上記の生成物の特にメトキシ官能基のような任意のアルコキシ官能基は、所望の場合、当業者に公知の通常の条件下、例えば塩化メチレンのような溶媒中で例えば三臭素化ホウ素を用いて、ピリジンヒドロブロミドもしくはヒドロクロリドを用いて、または水またはトリフルオロ酢酸中で還流下、臭化水素酸もしくは塩酸を用いて、ヒドロキシル官能基に変換され得る。
g)上記の生成物の任意のアルコール官能基は、所望の場合、当業者に公知の通常の条件下、例えばアルデヒドを得るために酸化マンガンの作用により、または酸を得るためにジョーンズの試薬の作用により、酸化によってアルデヒド官能基または酸官能基に変換され得る。
【0064】
h)上記の生成物の任意のニトリル官能基は、所望の場合、当業者に公知の通常の条件下、例えば以下に参照される文献に記載された方法に示されたように、例えばナトリウムアジドまたはトリアルキル錫のアジドのような金属アジドをニトリル官能基に付加環化することによって、テトラゾリルに変換され得る:
J.Organometallic Chemistry 33,337(1971)KOZIMA S.et al。
カルバメートから尿素、特にスルホニルカルバメートからスルホニルウレアへの変換反応は、例えばトルエンのような溶媒の還流温度にて、適切なアミンの存在下、実施され得る。
上記の反応は、示したように、または適切な場合、当業者に公知の他の通常の方法に従って実施され得ることが理解される。
【0065】
i)保護基(例えば上記で示されるもの)の除去は、当業者に公知の通常の条件下、特に、塩酸、ベンゼンスルホン酸、またはパラ−トルエンスルホン酸、またはギ酸、またはトリフルオロ酢酸のような酸を用いて実施される酸加水分解によって、または接触水素化によって実施され得る。
フタルイミド基は、ヒドラジンを用いて除去され得る。
使用され得る種々の保護基のリストは、例えば特許FR2 499 995に見い出される。
【0066】
j)上記の生成物は、所望の場合、例えば、無機酸もしくは有機酸、または無機塩基もしくは有機塩基を用いて、当業者に公知の通常の方法に従って、塩化反応に付され得る。
k)上記の生成物の任意の光学的活性形態は、当業者に公知の通常の方法に従って、ラセミ混合物の分割によって製造され得る。
【0067】
式(II)の出発物質(すなわち、2,6−ジクロロプリン)は、公知であり、そして市販される。
【0068】
式(III)および(V)の出発物質について、いくつかは公知であり、そして商業的に得ることができるか、または当業者に公知の通常の方法に従って製造され得る。
【0069】
式(III)、(V)、(XIV)、(XV)、および(XVI)の市販の出発物質について、例えば、以下の生成物を挙げることができる:
式(XIV)の市販の出発物質としては、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、トランス−4−アミノシクロヘキサノール、またはベンジルアミン、パラ−メトキシベンジルアミン、もしくはパラ−フルオロベンジルアミンを挙げることができる。
【0070】
特にいくつかの出発物質を、市販生成物から、例えば、上記の条件下で実施されるa)〜k)に上記した1つまたはそれ以上の反応にそれらを付すことによって製造することもまた可能である。
【0071】
一例として、以下もまた言及され得る:
上で定義される式(II)の生成物の例は、本発明の実施例の製造において以下に与えられる。
【0072】
以下の実験部分は、このような出発物質の例を与える。
【0073】
最後に、本発明の主題は、新しい工業製品としての、式(IV)の化合物、特に、生成物6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリンである。
上で定義されるこのような反応の例示は、下記の実施例の製造において与えられる。
上で定義される式(I)の生成物、およびそれらの酸付加塩は、有用な薬理学的特性を示す。
上で定義される本発明の生成物は、選択性の高いキナーゼ阻害性を有する。
【0074】
Cdkは、細胞周期の事象の開始、進展、および完了において中心的な役割を果たし、従ってcdk阻害分子は、癌、乾癬、真菌増殖、および寄生虫(動物、原生生物)の増殖において観察されるもののような望ましくない細胞増殖を制限し得る:従って、このようなcdk阻害分子はまた、アルツハイマー病のような神経変性疾患の調節に関与し得る。
【0075】
本発明の誘導体の阻害効果に対して特に敏感なキナーゼは、特に、cdk1、cdk2、cdk4、cdk5、およびcdk7である。
【0076】
従って、本発明の生成物は、抗有糸分裂特性を有する。
【0077】
本発明の生成物は、それらのキナーゼ特異的阻害性に加えて、抗増殖特性のような有用な細胞効果、特にアポトーシスに対する効果を有する。
【0078】
WO97/20842のような文献に記載される研究から、細胞周期とアポトーシスとの間には関連があることが公知である。アポトーシスを導く経路について、いくつかは、キナーゼに依存する。
【0079】
本発明の生成物は、特に、腫瘍の処置に使用される。
従って、本発明の生成物はまた、一般に用いられる抗腫瘍剤の治療効果を高め得る。
従って、本発明の式(I)の生成物は、最も特に、抗有糸分裂特性または抗神経変性特性を有する。
従って、上で定義される式(I)の生成物は、チロシンキナーゼインヒビターとして使用され得る:このようなチロシンキナーゼは、以下のような種々のファミリーに属し得る:例えば、特に、Src、Fyn、Lck、Yes、Fgr、Hck、およびYrkが属するSrcファミリー、または、例えば、Cskファミリー、Btkファミリー、Ablファミリー、Fakファミリー、Jakファミリー、Sykファミリー、Fpsファミリー、Zap70ファミリー、EGFファミリー、PDGFファミリー、およびCSFファミリー。このようなプロテインチロシンキナーゼのリストは、完全でない。
これらのチロシンキナーゼプロテインの中でも、例えば、EGF、PDGF、またはCSFのようなレセプターに関連するチロシンキナーゼプロテインと、細胞質チロシンキナーゼプロテイン(特に、Src、Fyn、Lck、Yes、Fgr、Hck、およびYrk、または Csk、Btk、Abl、Fak、Jak、Syk、Fps、およびZap70)は、区別されることに注意されたい。
【0080】
上で定義される式(I)の生成物はまた、Srcタンパク質の触媒(チロシンキナーゼ)ドメインを阻害するために使用され得、その方法は、Srcタンパク質の触媒(チロシンキナーゼ)ドメインを阻害する処置が必要な患者に、阻害量の1種またはそれ以上の 上で定義される式(I)の生成物を投与する工程を包含する。
上で定義される式(I)の生成物は、Src触媒ドメインの最も特別なインヒビターである:従って、このようなインヒビターは、特に、骨の表面への破骨細胞の付着、および破骨細胞による骨の吸収を阻害し得る。
【0081】
処置または予防のために、上で定義される式(I)の生成物の使用を必要とする骨疾患は、特に、骨粗鬆症、高カルシウム血症、骨減少症(例えば、骨への転移によって引き起こされる)、歯の障害(例えば、歯周病)、副甲状腺機能亢進症、間接リウマチにおける間接周囲侵食、パジェット病、および固定化誘導性骨減少症(immobilization−induced osteopenia)である。さらに、上で定義される式(I)の生成物は、処置、グルココルチコイド(ステロイドまたはコルチコステロイドの摂取に関連する治療)、または男性または女性の性ホルモン欠如によって引き起こされる骨障害を軽減するか、予防するか、処置するために使用され得る。
これらの全ての障害は、骨形成と骨破壊との間の均衡の欠如に起因し、そして破骨細胞による骨吸収を阻害することによって有利に影響され得る骨量減少によって特徴付けられる。
【0082】
Srcの触媒(チロシンキナーゼ)ドメインとの親和性の効果によって、上で定義される式(I)の生成物はまた、他の治療用途に使用され得る。例えば、血小板およびニューロンは、Srcタンパク質を発現する組織であることが公知である。さらに、このファミリーの種々のタンパク質が細網内皮系中で最も発現されるので、免疫疾患、感染症、アレルギー疾患、および自己免疫疾患の処置における多くの用途が、予想される。
【0083】
最後に、上で定義される式(I)の生成物はまた、Src以外のタンパク質の触媒(チロシンキナーゼ)ドメインを阻害するために使用され得、その方法は、触媒(チロシンキナーゼ)ドメインを阻害する処置が必要な患者に、阻害量の1種またはそれ以上の上で定義される式(I)の生成物を投与する工程を包含する。
【0084】
従って、Src以外の触媒(チロシンキナーゼ)ドメインを含むこのようなタンパク質は、特に、Fyn、Lck、Yes、Fgr、Hck、Yrk、Csk、Btk、Abl、Fak、Jak、Syk、Fps、Zap70、EGF、PDGF、およびCSFから選択され得る。このようなプロテインチロシンキナーゼのリストは、完全でない。
上で定義される式(I)の生成物はまた、特にCDKについて、セリン/スレオニンキナーゼ触媒ドメインを阻害するために使用され得る。
従って、上で定義される式(I)の生成物は、増殖性疾患、癌、再狭窄、炎症のような疾患;アレルギー疾患、または心疾患の処置に使用され得る。
上で定義される本発明の生成物は、上記に示されるプロテインキナーゼ阻害性、特に、上で定義されるCIV1についての阻害性を有する。
【0085】
CIV1は、Cdkの活性化により、細胞周期へ入るのに中心的役割を果たし、従って、CIV1阻害分子は、真菌増殖において観察されるような望ましくない細胞増殖を制限し得る。
【0086】
従って、本発明の式(I)の生成物は、抗有糸分裂特性を有し得る。
【0087】
これらの性質は、それらの治療への適用を正当化し、そして本発明の主題は、特に、医薬品としての上で定義される式(I)の生成物であり、式(I)の前記生成物は、全ての可能なラセミ形態、エナンチオマー異性形態、およびびジアステレオマー異性形態であり、そしてまた、式(I)の前記生成物の無機酸および有機酸、または無機塩基および有機塩基との薬学的に受容可能な付加塩である。
【0088】
本発明の主題は、より詳細に、医薬品としての上で定義される式(Id)によって定義される生成物である。
【0089】
本発明の主題は、最も詳細に、医薬品としての下記の実施例の生成物、特に以下の式に対応する上で定義される式(I)の生成物である:
−トランス−N−[6−(5,6−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
−トランス−N−[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
−トランス−N−[6−(5,6−ジメチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
−トランス−N−[6−(5,6−ジクロロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンヒドロクロリド
−トランス−N−[6−(5−メトキシ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
−トランス−N−[6−(1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
−トランス−N−[6−[6−(フェニルメトキシ)−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
−トランス−N−[6−[5−(フェニルメトキシ)−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
−トランス−4−[[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]シクロヘキサノール
−トランス−N−[6−(2,3−ジヒドロ−5−ニトロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
−トランス−N−[6−[2,3−ジヒドロ−6−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン(実施例40)
−トランス−N−[1−[2−[(4−アミノシクロヘキシル)アミノ]−9H−プリン−6−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−2−チオフェンアセトアミド(実施例41)
−トランス−N−[6−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン(実施例44)。
【0090】
本発明の主題である医薬品は、例えば、癌化学療法、または乾癬、もしくは原生生物もしくは真菌に起因するもののような寄生虫症の処置、またはアルツハイマー病の処置、または神経アポトーシスの処置において、抗有糸分裂剤として役立つ。
【0091】
本発明の主題である医薬品は、特に、カンジダ症、アスペルギルス症、ヒストプラズマ症、およびコクシジウム症のような真菌に起因する疾患の処置において役立つ。
【0092】
本発明は、活性成分として上で定義される医薬品の少なくとも1種を含む、薬学的組成物にまで及ぶ。
【0093】
このような組成物は、特に、局所的な真菌感染および全身性真菌感染を処置するのに有用であり得る。
【0094】
上記に示される薬学的組成物は、経口的、直腸内、非経口的、または皮膚および粘膜への局所適用によって局所的に、または静脈注射もしくは筋肉内注射によって投与され得る。これらの組成物は、固体または液体であり得、ヒトの医薬に一般的に使用される全ての薬学的形態(例えば、単純な錠剤もしくは糖衣錠剤、ゼラチンカプセル、顆粒、坐薬、注射用調製物、軟膏、クリーム、ゲル剤、エアロゾル調製物、膣ペッサリー、および婦人科用カプセル)であり得る。これらの組成物は、通常の方法に従って製造される。活性成分は、これらの薬学的組成物に通常使用される賦形剤、例えばタルク、アラビアガム、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、カカオ脂、水性ビヒクルもしくは非水性ビヒクル、動物もしくは植物由来の脂肪物質、パラフィン誘導体、グリコール、種々の湿潤剤、分散剤、または乳化剤、または保存剤と共に組成物中に組み込むことができる。
【0095】
投薬量は、使用される生成物、処置される個体、および問題とする病気に依存して変わり、そして、例えば、成人1日当たり0.05〜5g、または好ましくは1日当たり0.1〜2gであり得る。
【0096】
従って、本発明の主題は、特に、医薬品として使用される上述の薬学的組成物である。
【0097】
従って、本発明の主題は、特に、上で定義される真菌から選択される真菌による真菌症のような真菌疾患の予防または処置のための医薬品を製造するための、特に、上で定義される式(I)の生成物、および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用である。
【0098】
本発明の主題は、より正確には、特に、カンジダ症、アスペルギルス症、ヒストプラズマ症、およびコクシジウム症のような真菌疾患の予防または処置のための医薬品を製造するための、上で定義される式(I)の生成物、および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用である。
【0099】
本発明の主題は、特に、カンジダアルビカンスにより引き起こされる疾患の予防または処置のための、特に、全身性カンジダ症の予防または処置のための医薬品を製造するための、上で定義される式(I)の生成物、および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用である。
【0100】
従って、本発明の主題は、カンジダアルビカンスのCIV1プロテインキナーゼのインヒビターとして抗真菌性を有する、上で定義される式(I)の生成物である。
【0101】
従って、本発明の主題は、上で定義されるカンジダアルビカンスのCIV1プロテインキナーゼの少なくとも1種のインヒビターを活性成分として含む薬学的組成物である。
【0102】
本発明の主題は、特に、抗真菌剤としての上で定義される組成物の使用である。
【0103】
従って、本発明の主題は、特に、癌化学療法、または乾癬の処置、真菌もしくは原生生物に起因するもののような寄生虫症の処置、アルツハイマー病の処置のために抗有糸分裂医薬品として使用される、上で定義される薬学的組成物である。
【0104】
従って、本発明の主題は、抗神経変性剤、特に、抗神経アポトーシス医薬品として使用される、上で定義される薬学的組成物である。
【0105】
本発明の主題はまた、癌化学療法、乾癬の処置、または真菌もしくは原生生物に起因するもののような寄生虫症の処置、アルツハイマー病の処置、または神経変性障害、特に神経アポトーシスの処置のための医薬品を製造するための、上で定義される式(I)の生成物、および/またはその薬学的に受容可能な塩の使用である。
【0106】
本発明の主題はまた、プロテインチロシンキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼの分泌および/または活性の障害に関連する疾患の予防または処置のための医薬品を製造するための、上で定義される式(I)の生成物、および/または上で定義されるその薬学的に受容可能な塩の使用である。
【0107】
本発明の主題はまた、免疫疾患、感染症、アレルギー疾患、および自己免疫疾患の処置または予防のための医薬品を製造するための、上で定義される式(I)の生成物、および/またはその薬学的に受容可能な塩の使用である。
【0108】
本発明の主題はまた、増殖性疾患、癌、再狭窄、炎症、アレルギー疾患、または心疾患のような疾患の処置または予防のための医薬品を製造するための、上で定義される式(I)の生成物、および/またはその薬学的に受容可能な塩の使用である。
【0109】
本発明はまた、本発明に従って抗真菌性生成物をスクリーニングするための方法に関し、本方法は、所定のプロテインキナーゼの活性を測定し、次いでこの活性に対して阻害効果を有する生成物を選択し、これにより本発明に従う生成物の抗真菌性を決定する工程を包含する。
【0110】
本発明に従う式(I)の生成物の以下の実施例は、本発明を例示するが、本発明を限定することはない。
【0111】
〔実施例〕
実験部分:
実施例1:トランス−N−[6−(5,6−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
段階1:2−クロロ−6−(2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(189mg)、ブタノール(4ml)、およびインドリン(143mg、1.2当量)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を、周囲温度まで戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、予期した生成物(262mg)をベージュ色の結晶の形態で得る。
段階2:トランス−N−[6−(5,6−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(800mg)を、その融点(70℃)にし、上記の段階1で得られた生成物(190mg)を1行程で添加し、次いでこの混合物を140℃にて約6時間加熱する。
この混合物を、周囲温度に戻す。溶出液としてMeOH−NH4OH:98−2混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。エタノール(4ml)およびHCl−EtOH(塩酸−エタノール)(4ml)を添加し、そしてエタノールで洗浄する。50℃にて真空中で乾燥させる。予期した生成物(67mg)を得る。
【0112】
実施例2:トランス−N−[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(1.89g)、ブタノール(40ml)、およびベンズイミダゾール(1.30g)から開始し、実施例1と同様の手順を行う。予期した生成物(1.1g)を得る。
段階2:トランス−N−[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(2.52g)を、その融点(70℃)にし、上記の段階1で得られた生成物(865mg)を添加し、次いでこの混合物を、140℃にて約5時間加熱する。
この混合物を、周囲温度に戻す。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:78−20−2混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。エタノール(10ml)およびHCl−EtOH(塩酸−エタノール)(6ml)を添加する。乾燥状態まで蒸発させ、次いでペーストをエチルエーテル中で形成させる。このペーストを、真空中で乾燥させる。予期した生成物(397mg)を得る。
【0113】
実施例3:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−アミン
2−アミノ−6−プリン(500mg)、ブタノール(5ml)、およびベンズイミダゾール(383mg)を混合し、そして約48時間90℃の温度にし、次いで48時間140℃にする。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:95−5−0.3の混合物を用いてシリカのクロマトグラフィーによって精製する。
メタノール中でペーストを形成させる。予期した生成物(250mg)を得る。
【0114】
実施例4:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−N,N−ジメチル−9H−プリン−2−アミン
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、約17時間80℃の温度にする。この混合物を、周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−N,N−ジメチル−9H−プリン−2−アミン
上記の段階1で得られた生成物(300mg)を、DMF(ジメチルホルムアミド)(3ml)およびTEA(トリエチルアミン)(0.17ml、1.1当量)と混合する。この混合物を、90℃にて2時間加熱する。この沈殿物を濾過する。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:90−9−9混合物を用いてシリカのクロマトグラフィーによって精製する。予期した生成物(298mg)を得る。
【0115】
実施例5:トランス−N−[6−(5,6−ジメチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
段階1:2−クロロ−6−(5,6−ジメチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(283mg)、ブタノール(5ml)、および 5,6−ジメチルベンズイミダゾール(219mg)を混合し、そして約17時間100℃の温度にする。この混合物を、周囲温度に戻す。部分乾燥させ、イソプロパノールで洗浄し、そして50℃にて真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(194mg)を、クリーム色の結晶の形態で得る。
段階2:トランス−N−[6−(5,6−ジメチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(570mg)を、その融点(70℃)にし、上記の段階1で得られた生成物(149mg)を1行程で添加し、次いでこの混合物を140℃にて約18時間加熱する。
この混合物を、周囲温度に戻す。溶出液としてMeOH−NH4OH:98−2混合物を用いてシリカのクロマトグラフィーによって精製する。予期した生成物(40mg)を、ベージュ色の結晶の形態で得る。
【0116】
実施例6:エチル3−[[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]ベンゾエート
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を、周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:エチル3−[[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]ベンゾエート
上記の段階1で得られた生成物(300mg)を、エチル3−アミノベンゾエート(0.83ml、5当量)およびNaI(0.166mg)と混合し、次いでこの混合物を、140℃にて約4日間加熱する。
この混合物を、周囲温度に戻し、そして周囲温度にて2日間攪拌する。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:95−5−0.3混合物を用いてシリカのクロマトグラフィーによって精製する。予期した生成物(25.2mg)を得る。
【0117】
実施例7:トランス−N−[6−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
段階1:2−クロロ−6−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(756mg)、ブタノール(12ml)、および5−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(737mg)から開始して、実施例1の段階1と同様の手順を行う。
この混合物を、約20時間80℃の温度にする。
この混合物を、周囲温度に戻す。部分乾燥させ、イソプロパノールで洗浄し、そして乾燥させる。このように、予期した生成物(1.67g)を得る。
段階2:トランス−N−[6−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(1.14g)および上記の段階1で得られた生成物(306mg)から開始して、実施例1の段階2と同様の手順を行う;次いで、この混合物を、120℃にて約6時間加熱する。
予期した生成物(140mg)を、ベージュ色の結晶の形態で得る。
【0118】
実施例8:トランス−N−[6−(5,6−ジクロロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンヒドロクロリド
段階1:2−クロロ−6−(5,6−ジクロロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(567mg)、ブタノール(6ml)、および5,6−ジクロロベンズイミダゾール(617mg)を混合し、そして約24時間100℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、イソプロパノールで洗浄し、そして50℃にて真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(548mg)を、灰/黒色の結晶の形態で得る。
段階2:トランス−N−[6−(5,6−ジクロロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンヒドロクロリド
トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(570mg)を、その融点(70℃)にし、上記の段階1で得られた生成物(170mg)を、1行程で添加し、次いでこの混合物を、110℃にて約24時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液としてMeOH−NH4OH:98−2混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。この精製した生成物をエタノールに溶解し、次いでHCl−AcOEt(塩酸−酢酸エチル)添加する。部分乾燥させ、そして50℃にて真空中で乾燥させる。予期した生成物(34mg)を、茶色の結晶の形態で得る。
【0119】
実施例9:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−N−(フェニルメチル)−9H−プリン−2−アミン
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−N−(フェニルメチル)−9H−プリン−2−アミン
上記の段階1で得られた生成物(300mg)を、DMSO(2ml)およびn−ブチルアミン(0.27g、5当量)と混合し、次いでこの混合物を、120℃にて約48時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:90−9−1混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。蒸発させ、そして塩化メチレン中でペーストを形成させる。予期した生成物(351mg)を得る。
【0120】
実施例10:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−N−ブチル−9H−プリン−2−アミン
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を、周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−N−ブチル−9H−プリン−2−アミン
上記の段階1で得られた生成物(200mg)を、DMSO(3ml)およびベンジルアミン(0.6ml、5当量)と混合し、次いでこの混合物を、120℃にて約60時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:90−9−1混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。蒸発させ、そして塩化メチレン中でペーストを形成させる。部分乾燥させ、そして50℃にて真空中で乾燥させる。予期した生成物(105mg)を得る。
【0121】
実施例11:2−[[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]エタノール
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:2−[[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]エタノール
上記の段階1で得られた生成物(210mg)を、DMSO(2ml)およびエタノールアミン(0.3ml)と混合し、次いでこの混合物を、120℃にて攪拌しながら約48時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:90−9−1混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。蒸発させ、そして塩化メチレン−メタノール(5−5)中でペーストを形成させる。部分乾燥させ、そして50℃にて真空中で乾燥させる。予期した生成物(118mg)を得る。
【0122】
実施例12:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−N−メチル−9H−プリン−2−アミン
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−N−メチル−9H−プリン−2−アミン
上記の段階1で得られた生成物(200mg)を、DMSO(2ml)およびメチルアミン(0.115ml、5当量)と混合し、次いでこの混合物を、120℃にて約18時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:90−9−1混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。蒸発させ、そして塩化メチレン中でペーストを形成させる。部分乾燥させ、そして50℃にて真空中で乾燥させる。予期した生成物(190mg)を得る。
【0123】
実施例13:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−N−シクロヘキシル−9H−プリン−2−アミン
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−N−シクロヘキシル−9H−プリン−2−アミン
上記の段階1で得られた生成物(200mg)を、DMSO(2ml)およびシクロヘキシルアミン(0.42ml)と混合し、次いでこの混合物を、110℃にて約48時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:90−9−1混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。予期した生成物(84.7mg)を得る。
【0124】
実施例14:2,2’−[[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]イミノ]ビスエタノール
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:2,2’−[[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]イミノ]ビスエタノール
上記の段階1で得られた生成物(200mg)を、DMSO(3ml)およびジエタノールアミン(0.388ml、5当量)と混合し、次いでこの混合物を、120℃にて約48時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:90−9−1混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。蒸発させ、そして塩化メチレン中でペーストを形成させる。部分乾燥させ、そして50℃にて真空中で乾燥させる。予期した生成物(88.2mg)を得る。
【0125】
実施例15:トランス−N−[6−(5−メトキシ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
段階1:2−クロロ−6−(5−メトキシ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル−9H−プリン)
2,6−ジクロロプリン(567mg)、ブタノール(15ml)、および5−OCH3−ベンズイミダゾール(999mg)を混合し、そして約24時間120℃の温度にする。この混合物を周囲温度にする。部分乾燥させ、H2Cl2で洗浄し、そして50℃にて真空中で乾燥させる。この生成物を、H2+中に取り上げる;NH4OH(1ml)を添加し、次いでCH2Cl2で抽出し、そして飽和NaCl水溶液を添加する。硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてこの生成物を、乾燥状態にする。予期した生成物(60mg)を、白色結晶の形態で得る。
段階2:トランス−N−[6−(5−メトキシ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(969mg)を、その融点(70℃)にし、上記の段階1で得られた生成物(5100mg)(名前なし)およびDMSO(10ml)を1行程で添加し、次いでこの混合物を120℃にて約72時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液としてMeOH−NH4OH:98−2混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。この精製した生成物をエタノールに溶解し、次いでHCl−AcOEtを添加する。部分乾燥させ、そして60℃にて真空中で乾燥させる。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:75−23−2混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。予期した生成物(258mg)を、ベージュ色の結晶の形態で得る。
【0126】
実施例16:トランス−N−[6−(1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
段階1:2−クロロ−6−(1H−インドール−1−イル)−9H−プリン
ジオキサン(20ml)中の実施例1の段階1で得られた生成物(236mg)を、DDQ(ジクロロジシアノベンゾキノン)(227mg)と共にシリパライト(siliparite)上で60時間80℃にて加熱する。ジオキサンを蒸発させ、次いで溶出液としてCH2Cl2−MeOH:95−5混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによ
って精製する。予期した生成物(142mg)を、ベージュ色の結晶の形態で得る。
段階2:トランス−N−[6−(1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(1.31g)を、その融点(70℃)にし、上記の段階1で得られた生成物(310mg)を添加し、次いでこの混合物を140℃にて約18時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液として MeOH−NH4OH:98−2混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。エタノール(4ml)、次いで塩酸−エタノール(2ml、8N)を添加する。部分乾燥させ、次いでエタノールで洗浄する。真空中で乾燥させる。予期した生成物(23mg)を、ベージュ色の結晶の形態で得る。
【0127】
実施例17:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−N−フェニル−9H−プリン−2−アミン
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−N−フェニル−9H−プリン−2−アミン
上記の段階1で得られた生成物(300mg)を、アニリン(0.52ml)と混合し、次いでこの混合物を、140℃にて約72時間加熱する。この混合物を48時間で周囲温度に戻す。塩化メチレン中にペーストを形成させ、そして部分乾燥させる。予期した生成物(48mg)を得る。
【0128】
実施例18:2−[[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]−1,3−プロパンジオール
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:2−[[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]−1,3−プロパンジオール
上記の段階1で得られた生成物(200mg)を、DMSO(3ml)および2−アミノ−1,3−プロパンジオール(336mg、5当量)と混合し、次いでこの混合物を、120℃にて約72時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:90−9−1混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。蒸発させ、そして塩化メチレン−メタノール:50−50中でペーストを形成させる。部分乾燥させ、そして50℃にて真空中で乾燥させる。予期した生成物(91.4mg)を得る。
【0129】
実施例19:トランス−N−[6−[6−(フェニルメトキシ)−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
段階1:2,6−ジクロロ−9−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]−メチル
]−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(945mg)、DMF(ジメチルホルムアミド)(15ml)、およびNaH(288mg)を混合し、そして2時間周囲温度で置く。次いで、2−クロロメトキシエチルトリメチルシラン(1.06ml)を、添加する。この混合物を、18時間周囲温度で攪拌する。DMFを蒸発させる。生成物を塩化メチレン中に取り上げる。飽和重炭酸ナトリウム溶液、次いでH2Oで1回、最後に飽和NaCl溶液で洗浄する。Na2SO4で乾燥し、そして乾燥状態まで蒸発させる。溶出液としてCHCl3−AcOEt:5−5混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。予期した生成物(876mg)を、黄色の油状物の形態で得る。
段階2:2−クロロ−6−(6−(フェニルメトキシ)−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−9H−プリン
上記の段階1で得られた生成物(860mg)を、5−(フェニルメトキシ)−1H−ベンズイミダゾール(ベンズイミダゾールの5位におけるベンジルエーテル)(605mg)およびブタノール(15ml)と混合する。この混合物を、120℃にて24時間加熱する。部分乾燥させ、H2Oで洗浄し、次いで50℃にて真空中で乾燥させる。2−クロロ−6−(6−(フェニルメトキシ)−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−9H−プリン(667mg)を、ベージュ色の結晶の形態で得る。
段階3:トランス−N−[6−[6−(フェニルメトキシ)−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(1g)を、その融点(70℃)にし、DMSO(15ml)および上記の段階1で得られた生成物(530mg)を添加し、次いでこの混合物を、120℃にて約21時間加熱する。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:85−13.5−1.5混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。予期した生成物(38mg)を、ベージュ色の結晶の形態で得る。
【0130】
実施例20:トランス−N−[6−[5−(フェニルメトキシ)−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
段階1:2,6−ジクロロ−9−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(945mg)、DMF(ジメチルホルムアミド)(15ml)、およびNaH(288mg)を混合し、そして2時間周囲温度で置く。次いで2−クロロ−メトキシエチルトリメチルシラン(1.06ml)を添加する。18時間周囲温度にて攪拌する。DMFを蒸発させる。生成物を塩化メチレン中に取り上げる。飽和重炭酸ナトリウム溶液、次いでH2Oで1回、最後に飽和NaCl溶液で洗浄する。Na2SO4で乾燥させ、そして乾燥状態まで蒸発させる。溶出液としてCHCl3−AcOEt:5−5混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。予期した生成物(876mg)を、黄色の油状物の形態で得る。
段階2:2−クロロ−6−(5−(フェニルメトキシ)−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−9H−プリン
上記の段階1で得られた生成物(860mg)を、5−(フェニルメトキシ)−1H−ベンズイミダゾール(ベンズイミダゾールの5位におけるベンジルエーテル)(605mg)およびブタノール(15ml)と混合する。この混合物を、120℃にて24時間加熱する。部分乾燥させ、H2Oで洗浄し、次いで50℃にて真空中で乾燥させる。2−クロロ−6−(5−(フェニルメトキシ)−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−9H−プリン(667mg)を、ベージュ色の結晶の形態で得る。
段階3:トランス−N−[6−[5−(フェニルメトキシ)−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(1g)を、その融点(70℃)にし、DMSO(15ml)および上記の段階1で得られた生成物(530mg)を添加し、次いでこの混合物を、120℃にて約21時間加熱する。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:85−13.5−1.5混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。予期した生成物(39mg)を、ベージュ色の結晶の形態で得る。
【0131】
実施例21:トランス−N−[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,2−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:トランス−N−[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,2−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
上記の段階1で得られた生成物(200mg)を、DMSO(3ml)および(1S,2S)−(−)−1,2−ジアミノシクロヘキサン(420mg、5当量)と混合し、次いでこの混合物を、120℃にて約4日間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:95−5−0.33混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。エタノール(4ml)およびHCl−EtOH(塩酸−エタノール)(4ml)を添加する。乾燥状態まで蒸発させ、次いでエチルエーテル中でペーストを形成させる。真空中で乾燥させる。予期した生成物(116mg)を得る。
【0132】
実施例22:1,1−ジメチルエチル[1−[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−4−ピペリジニル]カルバメート
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:1,1−ジメチルエチル[1−[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−4−ピペリジニル]カルバメート
上記の段階1で得られた生成物(200mg)を、DMSO(3ml)およびBoc−4−アミノピペリジン(740mg、5当量)と混合し、次いでこの混合物を、120℃にて約4時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:90−9−1混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。乾燥状態まで蒸発させ、次いでジクロロメタン中でペーストを形成させる。真空中で乾燥させる。予期した生成物(252mg)を得る。
【0133】
実施例23:シス−N−[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,2−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:シス−N−[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,2−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
上記の段階1で得られた生成物(200mg)を、DMSO(3ml)およびシス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(0.5mg、5当量)と混合し、次いでこの混合物を、120℃にて約3日間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:85−15−1.5混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。エタノール(3ml)およびHCl−EtOH(塩酸−エタノール)(3ml)を添加する。予期した生成物(34.3mg)を得る。
【0134】
実施例24:トランス−4−[[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]シクロヘキサノール
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:トランス−4−[[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]シクロヘキサノール
上記の段階1で得られた生成物(200mg)を、DMSO(3ml)およびトランス−4−アミノシクロヘキサノール(586mg、5当量)と混合し、次いでこの混合物を、120℃にて約4日間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:85−15−1.5混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。予期した生成物(45mg)を得る。
【0135】
実施例25:1−[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−4−ピペリジンアミンビス(トリフルオロアセテート
実施例22で得られた生成物(100mg)を、塩化メチレン(3ml)および10%アニソールを含むトリフルオロ酢酸(1.5ml)と混合する。この混合物を周囲温度にて5時間攪拌する。これを乾燥状態まで濃縮し、そしてトリエンと、次いで塩化メチレンと共に共蒸発する(co−evaporation)。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:90−9−1混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。予期した生成物(128mg)を得る。
【0136】
実施例26:トランス−N−[6−(2−メチル−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
段階1:6−(2−メチル−1H−インドール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(189mg)、ブタノール(5ml)、および2−メチルインドリン(0.16g)を混合し、実施例1の段階1と同様の手順を行う。この混合物を、130℃にて約1時間加熱し、そして周囲温度に戻す。部分乾燥させ、次いでイソプロパノールで洗浄する。生成物を乾燥させ、そして予期した生成物(174mg)をこのようにして得る。
段階2:トランス−N−[6−(2−メチル−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(638mg)および上記の段階1で得られえた生成物(161mg)から開始して、実施例1の段階2と同様の手順を行い、そしてこの混合物を120℃にて29時間加熱する。溶出液としてMeOH−NH4OH:98−2を用いて、シリカで精製し、そして生成物(190mg)を、茶色の樹脂の形態でこのようにして得、生成物をエタノールに溶解し、そしてHCl−AcOEtを添加し、ヒドロクロリドを沈殿させ、AcOEt(3ml)を添加し、そして部分乾燥させ、そして50℃にて真空中で乾燥させる。
予期した生成物(222mg)を、ベージュ色の結晶の形態でこのようにして得る。
【0137】
実施例27:(2S)−2−[[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]−1−ブタノール
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:(2S)−2−[[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]−1−ブタノール
上記の段階1で得られた生成物(200mg)を、DMSO(3ml)および(+/−)−2−アミノ−1−ブタノール(350μl、5当量)と混合し、次いでこの混合物を、120℃にて約2日間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:95−5−0.3混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。予期した生成物(40mg)を得る。
【0138】
実施例28:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−N−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−9H−プリン−2−アミン
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−N−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−9H−プリン−2−アミン
上記の段階1で得られた生成物(250mg)を、DMSO(3ml)および4−アミノメチルテトラヒドロピラン(531mg μl)と混合し、次いでこの混合物を、120℃にて約2日間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:90−9−1混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。予期した生成物(142mg)を得る。
【0139】
実施例29:トランス−N−[6−(2−メチル−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
段階1:6−(2−メチル−1H−インドール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(378mg)、ブタノール(10ml)、およびジメチルインドリン(0.32)を混合し、実施例1の段階1と同様の手順を行う。この混合物を、100℃にて約5時間加熱し、そして周囲温度に戻す。部分乾燥させ、そしてイソプロパノールで洗浄する。生成物を乾燥させ、そして予期した生成物(423mg)をこのようにして得る。
段階2:6−(2−メチル−1H−インドール−1−イル)−2−クロロ−1H−プリン
上記の段階1で得られた生成物(140mg)を、DDQ(ジクロロジシアノベンゾキノン)(170mg)およびジオキサン(5ml)と混合する。この混合物を80〜90℃にし、次いで周囲温度に戻す。濾過し、リンスし、そして乾燥させる。溶出液としてCH3Cl−EtOH−AcOEt:90−5−5を用いて、シリカで精製する。予期した生成物(170mg)を、このようにして得る。
段階3:トランス−N−[6−(2−メチル−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(684mg)および上記の段階2で得られえた生成物(166mg)から開始して、実施例1の段階2と同様の手順を行い、そしてこの混合物を140℃にて6時間加熱する。溶出液としてMeOH−NH4OH:98−2を用いて、シリカで精製し、そして予期した生成物(51mg)を、ベージュ色の結晶の形態でこのようにして得る。
【0140】
実施例30:トランス−N−[6−(2,3−ジヒドロ−5−ニトロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
段階1:2−クロロ−6−(2,3−ジヒドロ−5−ニトロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(567mg)、ブタノール(10ml)、および5−ニトロインドール(590mg)を混合する。この混合物を、80℃にて約17時間加熱し、そして周囲温度に戻す。溶出液としてCH3Cl−エタノール:95−5混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。
予期した生成物(834mg)を、黄色がかった結晶の形態でこのようにして得る。
段階2:トランス−N−[6−(2,3−ジヒドロ−5−ニトロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
上記の段階1で得られえた生成物(421mg)を、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(1.14g)およびDMSO(10ml)と混合する。この混合物を120℃にて約29時間加熱する。50℃にて真空中で乾燥させ、そして乾燥生成物を、溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:85−13.5−1.5混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。エタノール中でペーストを形成させ、次いで、HCl−エタノール(2ml)を添加する。真空中で乾燥させる。
予期した生成物(113mg)を、からし色の結晶の形態でこのようにして得る。
【0141】
実施例31:1,1−ジメチルエチル4−[[[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]メチル]−1−ピペリジンカルボキシレート
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:1,1−ジメチルエチル4−[[[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]メチル]−1−ピペリジンカルボキシレート
上記の段階1で得られた生成物(200mg)を、DMSO(5ml)および4−アミノメチル−N−Boc−ピペリジン(790mg、5当量)と混合し、次いでこの混合物を、100℃にて約3日間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。DMSOを乾燥状態まで濃縮し、そして乾燥生成物を、CH2Cl2に取り上げる。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:95−5−0.33混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。予期した生成物(56mg)をこのようにして得る。
【0142】
実施例32:トランス−N−[6−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
段階1:6−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−9H−インドール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
5−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(737mg)に替えて、5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(950mg)を使用して、実施例7の段階1と同様の手順を行う。予期した生成物(1.32g)をこのようにして得る。
段階2:トランス−N−[6−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
実施例7の段階1で得られた生成物(306mg)に替えて、上記の段階1で得られた生成物(350mg)を使用して、実施例7の段階2と同様の手順を行う。予期した生成物(35mg)を、茶色の結晶の形態で得る。
【0143】
実施例33:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−(4−モルホリニル)−9H−プリンジヒドロクロリド
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−(4−モルホリニル)−9H−プリンジヒドロクロリド
上記の段階1で得られた生成物(230mg)を、DMSO(3ml)およびモルホリン(370mg、5当量)と混合し、次いでこの混合物を、120℃にて約16時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。DMSOを乾燥状態まで濃縮する。CH2Cl2(塩化メチレン)中でペーストを形成させる。真空中で乾燥させる。乾燥生成物をHCl(8M、5ml)およびエタノール(10ml)に取り上げ、そして乾燥状態まで濃縮し、そして予期した生成物(209mg)を得る。
【0144】
実施例34:(2S)−1−[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−2−ピロリジンメタノール
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:(2S)−1−[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−2−ピロリジンメタノール
上記の段階1で得られた生成物(250mg)を、DMSO(2ml)および(S)−(+)−2−ピロリジンメタノール(470mg)と混合する。次いでこの混合物を、110℃にて約16時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。CH2Cl2(塩化メチレン)中でペーストを形成させる。真空中で乾燥させる。予期した生成物(200mg)を得る。
【0145】
実施例35:(2R)−1−[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−2−ピロリジンメタノール
段階1:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−2−クロロ−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(8g)、ブタノール(150ml)、およびベンズイミダゾール(5.5g)を混合し、そして約17時間80℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(3g)を得る。
段階2:(2R)−1−[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−2−ピロリジンメタノール
上記の段階1で得られた生成物(250mg)を、DMSO(2ml)および(R)−(−)−2−ピロリジンメタノール(400mg、4当量)と混合し、次いでこの混合物を、120℃にて約5時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。DMSOを乾燥状態まで濃縮し、そして乾燥生成物をCH2Cl2中に取り上げ、次いで部分乾燥させる。予期した生成物(258mg)を得る。
【0146】
実施例36:6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−N−(4−ピペリジニル−メチル)−9H−プリン−2−アミンビス(トリフルオロアセテート
実施例31の生成物(35mg)を、CH2Cl2(1ml)および10%アニソールを含むTFA(0.5ml)と混合する。この混合物を周囲温度で2時間攪拌し、次いでトルエンおよびCH2Cl2の存在下、乾燥状態まで濃縮する。予期した生成物(40mg)をこのように得る。
【0147】
実施例37:トランス−1−[2−[(4−アミノシクロヘキシル)アミノ]−9H−プリン−6−イル]−2,3−ジヒドロ−N,N−ジメチル−1H−インドール−5−スルホンアミド ジヒドロクロリド
段階1:1−(2−クロロ−9H−プリン−6−イル)−2,3−ジヒドロ−N,N−ジメチル−9H−インドール−5−スルホンアミド
5−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(737mg)に替えて、2,3−ジヒドロ−N,N−ジメチル−1H−インドール−5−スルホンアミド(1.08g)を使用して、実施例7の段階1と同様の手順を行う。この混合物を約20時間80℃の温度にする。予期した生成物(1.628g)をこのようにして得る。
段階2:トランス−1−[2−[(4−アミノシクロヘキシル)アミノ]−9H−プリン−6−イル]−2,3−ジヒドロ−N,N−ジメチル−1H−インドール−5−スルホンアミドジヒドロクロリド
実施例7の段階1で得られた生成物(306mg)に替えて、上記の段階1で得られた生成物(379mg)を使用して、実施例7の段階2と同様の手順を行う。
予期した生成物(150mg)を、クリーム色の結晶の形態で得る。
【0148】
実施例38:トランス−N−[6−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
段階1:2−クロロ−6−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン
5−クロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(737mg)に替えて、5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール(658mg)を使用して、実施例7の段階1と同様の手順を行う。予期した生成物(1.088g)をこのようにして得る。
段階2:トランス−N−[6−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
実施例7の段階1で得られた生成物(306mg)に替えて、上記の段階1で得られた生成物(290mg)を使用して、実施例7の段階2と同様の手順を行う。
予期した生成物(87mg)を、ベージュ色の結晶の形態で得る。
【0149】
【表1】

【0150】
【表2】

【0151】
実施例39:トランス−1−[1−[2−[(4−アミノシクロヘキシル)アミノ]−9H−プリン−6−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]エタノン
段階1:2−クロロ−1−[1−(9H−プリン−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]エタノン
2,6−ジクロロプリン(1.10g)、ブタノール(12ml)、およびアセチルインドリン(1.13g)を混合し、そして約3.5時間90℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(1.94g)を得る。
段階2:トランス−1−[1−[2−[(4−アミノシクロヘキシル)アミノ]−9H−プリン−6−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]エタノン
上記の段階1で得られた生成物(1.88g)を、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(4.8g)と混合し、次いでこの混合物を、140℃にて約72時間加熱する。この混合物を48時間で周囲温度に戻す。水中でペーストを形成させ、そして50℃にて真空中で乾燥させる。予期した生成物(2.7g)を、ベージュの粉末の形態で得る。
【0152】
実施例40:トランス−N−[6−[2,3−ジヒドロ−6−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル]−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
段階1:2−クロロ−6−[2,3−ジヒドロ−6−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル]−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(756mg)、ブタノール(8ml)、および6−(トリフルオロメチル)インドリン(897mg)を混合し、そして約23時間90℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして50℃にて真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(1.256g)を、ベージュの結晶の形態で得る。
段階2:トランス−N−[6−[2,3−ジヒドロ−6−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル]−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
上記の段階1で得られた生成物(340mg)を、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(800mg)と混合し、次いでこの混合物を、140℃にて約8時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:85−15−1.5混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。生成物(275mg)を回収し、そしてHCl/エタノール エタノール:50−50中でペーストを形成させる。部分乾燥させ、そして50℃にて真空中で乾燥させる。予期した生成物(244mg)を得る。
【0153】
実施例41:トランス−N−[1−[2−[(4−アミノシクロヘキシル)アミノ]−9H−プリン−6−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−2−チオフェン−アセトアミド
段階1:2−クロロ−6−(2,3−ジヒドロ−5−ニトロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(37.8g)、ブタノール(700ml)、および5−ニトロインドリン(32.8g)を混合し、そして約3日間90℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして50℃にて真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(57.3g)を、ベージュの結晶の形態で得る。
段階2:トランス−N−[6−(2,3−ジヒドロ−5−ニトロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
上記の段階1で得られた生成物(56g)を、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(140g)と混合し、次いでこの混合物を、140℃にて約55時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:85−15−1.5混合物を用いて、シリカのクロマトグラフィーによって精製する。生成物(19.7g)を回収する。
段階3:1,1−ジメチルエチルトランス−6−(2,3−ジヒドロ−5−ニトロ−1H−インドール−1−イル)−2−[[4−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]シクロヘキシル]アミノ]−9H−プリン−9−カルボキシレート
上記の段階2で得られた生成物(9.46g)を、クロロホルム(160ml)およびトリエチル−アミン(2.4ml)と混合する。この混合物を0℃まで冷却し、次いでBoc2O(31.43g)を1行程で添加し、そしてこの混合物を0℃で10分間置き、次いで3時間還流する。この混合物を周囲温度に戻し、水(70ml)を添加し、そしてこの混合物をジクロロメタン(150ml)で抽出する。この有機相を、飽和NaCl水溶液(70ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、乾燥状態まで蒸発させる。予期した生成物(12.92g)をこのようにして得る。
【0154】
段階4:1,1−ジメチルエチルトランス−6−(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−2−[[4−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]シクロヘキシル]アミノ]−9H−プリン−9−カルボキシレート
メタノール(130ml)中の上記の段階3で得られた生成物(12.65g)を、丸
底フラスコに導入し、水素化する;Pd/C(500mg)を添加し、そしてこの混合物を1400mbarの水素圧下、12時間攪拌する。この混合物をクラーセル(clarcel)に通して濾過し、次いでこの溶媒を蒸発させる。この残留物を、溶出液として60/40ジクロロメタン/酢酸エチルを用いて、シリカ(600g)のクロマトグラフィーに付す。
予期した生成物(6g)をこのようにして得る。
段階5:1,1−ジメチルエチルトランス−6−[2,3−ジヒドロ−5−[(2−チエニルアセチル)アミノ]−1H−インドール−1−イル]−2−[[4−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]シクロヘキシル]アミノ]−9H−プリン−9−カルボキシレート
段階4で得られた生成物(40mg)を、2−チオフェンアセチルクロリド(11.4mg)、ジイソプロピルエチルアミン(25μl)、およびジクロロメタン(2ml)と混合する。この混合物を周囲温度で1時間攪拌し、次いでブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして乾燥状態まで蒸発させる。
段階6:トランス−N−[1−[2−[(4−アミノシクロヘキシル)アミノ]−9H−プリン−6−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−2−チオフェン−アセトアミド
段階5で得られた生成物を、メタノール(2ml)に溶解する。メタノール中の2N塩酸溶液(2ml)を添加する。この混合物を周囲温度で48時間攪拌し、次いで乾燥状態まで蒸発させる。この残留物を、Xterra LCMSprepカラムのクロマトグラフィーに付し、0.2%勾配のアセトニトリル/炭酸水素アンモニウム緩衝液で溶出する。予期した生成物(6mg)(実施例41)を、このようにして回収する。
【0155】
実施例42:トランス−N−[1−[2−[(4−アミノシクロヘキシル)アミノ]−9H−プリン−6−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]ベンゼンプロパンアミド
段階1:1,1−ジメチルエチルトランス−6−[2,3−ジヒドロ−5−[(1−オキソ−3−フェニルプロピル)アミノ]−1H−インドール−1−イル]−2−[[4−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]シクロヘキシル]アミノ]−9H−プリン−9−カルボキシレート
実施例41の段階4で得られた生成物(40mg)を、ヒドロシンナモイルクロリド(11.97mg)、ジイソプロピルエチルアミン(25μl)、およびジクロロメタン(2ml)と混合する。この混合物を周囲温度で1時間攪拌し、次いでブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして乾燥状態まで蒸発させる。
段階2:トランス−N−[1−[2−[(4−アミノシクロヘキシル)アミノ]−9H−プリン−6−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]ベンゼンプロパンアミド
段階1で得られた生成物を、メタノール(2ml)に溶解する。メタノール中の2N塩酸溶液(2ml)を添加する。この混合物を周囲温度で48時間攪拌し、次いで乾燥状態まで蒸発させる。この残留物を、Xterra LCMSprepカラムのクロマトグラフィーに付し、0.2%勾配のアセトニトリル/炭酸水素アンモニウム緩衝液で溶出する。予期した生成物(4mg)(実施例42)を、このようにして回収する。
【0156】
実施例43:トランス−N−[1−[2−[(4−アミノシクロヘキシル)アミノ]−9H−プリン−6−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−N’−(3,4−ジクロロフェニル)ウレア
段階1:1,1−ジメチルエチルトランス−6−[5−[[[(3,4−ジクロロ−
フェニル)アミノ]カルボニル]アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]−2−[[4−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]シクロヘキシル]アミノ]−9H−プリン−9−カルボキシレート
実施例41の段階4で得られた生成物(80mg)を、3,4−ジクロロフェニルイソシアネート(37.7mg)およびジクロロメタン(5ml)と混合する。この混合物を周囲温度で2時間攪拌し、水(0.5ml)を添加し、そしてこの混合物を、乾燥状態まで蒸発させる。Xterra LCMSprepカラムに付し、pH9のアセトニトリル/炭酸水素アンモニウム緩衝液で溶出して精製する。予期した生成物(35mg)を得る。
段階2:トランス−N−[1−[2−[(4−アミノシクロヘキシル)アミノ]−9H−プリン−6−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−N’−(3,4−ジクロロフェニル)ウレア
段階1で得られた生成物を、メタノール(5ml)に溶解する。メタノール中の2N塩酸溶液(5ml)を添加する。この混合物を周囲温度で48時間攪拌し、次いで乾燥状態まで蒸発させる。この残留物を、Xterra LCMSprepカラムのクロマトグラフィーに付し、0.2%勾配のアセトニトリル/炭酸水素アンモニウム緩衝液で溶出する。予期した生成物(30mg)(実施例43)を、このようにして回収する。
【0157】
実施例44:トランス−N−[6−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
段階1:2−クロロ−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン
2,6−ジクロロプリン(378mg)、ブタノール(7ml)、および6−ニトロインドリン(328mg)を混合し、そして約3日間90℃の温度にする。この混合物を周囲温度に戻す。部分乾燥させ、エチルエーテルで洗浄し、そして50℃にて真空中で乾燥させ、そして予期した生成物(573mg)を、ベージュの結晶の形態で得る。
段階2:トランス−N−[6−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
上記の段階1で得られた生成物(560mg)を、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン(1.40g)と混合し、次いでこの混合物を、140℃にて約55時間加熱する。この混合物を周囲温度に戻す。溶出液としてCH2Cl2−MeOH−NH4OH:85−15−1.5混合物を用いて、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製する。生成物(197mg)を回収し、この生成物に、メタノール/CH2Cl2(10ml)、およびHCl/エタノール(6ml)を添加する。部分乾燥させ、そして35℃にて真空中で乾燥させる。予期した生成物(27mg)を得る。
【0158】
実施例45:トランス−N−[1−[2−[(4−アミノシクロヘキシル)アミノ]−9H−プリン−6−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−N’−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]ウレア
段階1:1,1−ジメチルエチルトランス−6−[5−[[[[4−(ジメチル−アミノ)フェニル]アミノ]カルボニル]アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]−2−[[4−[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]シクロ−ヘキシル]アミノ]−9H−プリン−9−カルボキシレート
実施例41の段階4で得られた生成物(80mg)を、4−ジメチルアミノフェニルイソシアネート(32.2mg)およびジクロロメタン(5ml)と混合する。この混合物を周囲温度で20時間攪拌し、水(0.5ml)を添加し、そしてこの混合物を、乾燥状態まで蒸発させる。Xterra LCMSprepカラムに付し、pH9のアセトニトリル/炭酸水素アンモニウム緩衝液で溶出して精製する。予期した生成物(55mg)を得る。
段階2:トランス−N−[1−[2−[(4−アミノシクロヘキシル)アミノ]−9H−プリン−6−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−N’−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]ウレア
段階1で得られた生成物を、メタノール(5ml)に溶解する。メタノール中の2N塩酸溶液(5ml)を添加する。この混合物を周囲温度で48時間攪拌し、次いで乾燥状態まで蒸発させる。この残留物を、Xterra LCMSprepカラムのクロマトグラフィーに付し、0.2%勾配のアセトニトリル/炭酸水素アンモニウム緩衝液で溶出する。予期した生成物(42mg)(実施例45)を、このようにして回収する。
【0159】
実施例46:トランス−N−[6−(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
実施例41の段階4で得られた生成物(200mg)を、メタノール(5ml)に溶解する。メタノール中の2N塩酸溶液(5ml)を添加する。この混合物を周囲温度で48時間攪拌し、次いで乾燥状態まで蒸発させる。この残留物を、シリカカラムのクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン、メタノール、アンモニア水85/15/1.5で溶出する。得られた生成物を50/50メタノール/ジクロロメタン混合物(10ml)に取り上げ、酢酸エチル中1MHCl溶液(6ml)を添加し、この混合物を結晶化させ、そして濾過し、そして予期した生成物(87mg)を、このようにして回収する。
【0160】
実施例47
薬学的組成物:
以下の処方に対応する錠剤を製造した:
実施例1の生成物・・・・・・・・・・・0.2g
最終的な錠剤のための賦形剤・・・・・・1g
(賦形剤の詳細:ラクトース、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム)。
【0161】
薬理学的部分:
以下に記載されるアッセイにおいて使用されるタンパク質は、当業者に公知の通常の方法に従って得られる。
【0162】
1)CIV−CDK(CIV1)活性の阻害アッセイ
a)試薬の調製
−(1)− 3×酵素カクテル
緩衝剤(967μl)[50mM TrisHCl−0.1M NaCl−pH7.5]
−0.1%BSA+30μlCdk2(1mg/ml)
+3μlCaCiv1(0.4mg/ml)
−(2)− 3×インヒビターカクテル
3×範囲のインヒビターを、3%のDMSO−緩衝剤[50mMTris−HCl−0.1M NaCl−pH7.5]−0.1%BSA中で調製する。
範囲の例:200;100;30;20;10;3;2;1;0.3;0μM
−(3)− 3×ATPカクテル
33P]ATP(12.2μl)+10×キナーゼ緩衝剤(305μl)+水(700μl)
10×キナーゼ緩衝剤=0.5M Tris−0.1M MgCl2−1mM Na3VO4−10mM DTT−15μM ATP−pH7.5+プロテアーゼインヒビター1錠剤(緩衝剤5mlあたりComplete EDTA FreeTM)。
【0163】
b)アッセイの実施
1)−3×酵素カクテル(1)(30μl)を、3×インヒビターカクテル(2)(30μl)と混合する;
2)−3×ATPカクテル(3)(30μl)を添加する(反応の開始);
3)−この混合物を、30分間周囲温度(20〜25℃)でインキュベートする;
4)−緩衝剤[50mM Tris−HCl−0.1M NaCl−pH7.5]−0.1%BSA−25mM EDTA(250μl)を添加することにより反応を停止する;
5)−反応基質に対する抗体でコートしたプレートに100μlを分配する;
6)−このプレートを、穏やかに撹拌しながら60分間周囲温度でインキュベートし、次いで緩衝剤[50mM Tris−HCl−0.1M NaCl−pH7.5]−0.05%Tween20(300μl)で3回洗浄する;
9)−このプレートを、30分間37℃で乾燥させる;
10)−このプレートを、シンチレーションカウンター中で計数する。
【0164】
c)得られた結果を、マイクロモルで示したIC50として表した。
生成物 マイクロモルとしてのIC50
実施例1 0.8
実施例2 0.5
実施例5 1.1
実施例7 3.6
実施例8 1.3
実施例15 0.3
実施例16 0.31
実施例18 3.9
実施例19 0.78
実施例20 1.7
実施例24 0.39
実施例27 4.3
実施例30 0.1
実施例39 3.6
実施例40 0.2
実施例41 0.95
実施例42 3.3
実施例43 4.4
実施例44 0.02
実施例45 1.3
実施例46 2.00
【0165】
2)SRCキナーゼ活性の阻害アッセイ
阻害を蛍光偏光によって測定する(Ablキナーゼが、蛍光標識に結合した抗リンペプチド抗体を添加することによって検出されるペプチドをリン酸化する)。
最終容積50μlでアッセイを行う;
全ての試薬は緩衝剤中で調製する:
25mHepes/NaOH pH7.6
5mM MgCl2
2mM MnCl2
50μM Na2VO4
10倍濃縮したインヒビター(5μl)を、酵素(12U/ml最終濃度、25μl)(Upstate Biotechnology 参照番号14−117)に添加する。周囲温度で5分間インキュベートした後、PolyGluTyr 4/1(150ng/ml最終濃度、10μl)およびATP(5μM最終濃度、10μl)を添加する。周囲温度で20分間インキュベートした後、検出する。
得られた結果を、20μMでの阻害百分率として示した
実施例8 98%
実施例15 99%
実施例20 99%
実施例24 99%
実施例27 95%
実施例30 99%
実施例32 100%
実施例38 95%
【0166】
3)CDK2活性の阻害アッセイ
サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2)のキナーゼ活性の阻害を、そのペプチド基質のリン酸化を測定することによって測定する。
最終容積50μlでアッセイを行う。インキュベーション緩衝剤は、以下の通りである:
50mHepes/NaOH pH7.5
10mM MgCl2
1mM DTT
10倍濃縮したインヒビター(5μl)を、酵素(0.8U/μL最終濃度)を含むインキュベーション緩衝剤(25μl)に添加する;次いで、基質ペプチド(0.0025mg/ml)を含むインキュベーション緩衝剤(10μl)を添加し、最後に、2mM ATPおよび放射標識ATP([33P]ATP (0.25μCi))を含むインキュベーション緩衝剤(10μl)を添加する。10分間37℃でインキュベートした後、この反応を停止する。
得られた結果を、20μMでの阻害百分率として示した
実施例2 97%
実施例27 97%
実施例30 99%
【0167】
4)CDK1活性の阻害アッセイ
サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1)のキナーゼ活性の阻害を、そのペプチド基質のリン酸化を測定することによって測定する。
最終容積50μlで試験を行う。インキュベーション緩衝剤は、以下の通りである:
50mM Tris/HCl pH7.5
10mM MgCl2
100μM Na2VO4
2mM DTT
40mM β−グリセロホスフェート
0.1mg/ml BSA
10倍濃縮したインヒビター(5μl)を、酵素(0.04U/μL最終濃度)を含むインキュベーション緩衝剤(25μl)に添加する;次いで、基質ペプチド(12.5μM最終濃度)を含むインキュベーション緩衝剤(10μl)を添加し、最後に、50μM ATPおよび放射標識ATP([33P]ATP (0.5μCi))を含むインキュベーション緩衝剤(10μl)を添加する。40分間周囲温度でインキュベートした後、この反応を停止する。
得られた結果を、20μMでの阻害百分率として示した
実施例8 93%
実施例30 99%
【0168】
5)Abl活性の阻害アッセイ
キナーゼ活性の阻害を、蛍光偏光によって測定する(Ablキナーゼが、蛍光標識に結合した抗リンペプチド抗体を添加することによって検出されるペプチドをリン酸化する)。
最終濃度50μlでアッセイを行う;全ての試薬を緩衝剤中で調製する:
20mHepes/NaOH pH7.5
5mM MgCl2
100μM Na2VO4
1mM DTT
100μM EDTA/NaOH
0.01% Brij35
10倍濃縮したインヒビター(5μl)を、酵素(1000U/ml最終濃度、25μl)(Calbiochem 参照番号102555)に添加する。周囲温度で5分間インキュベートした後、PolyGT(400ng/ml最終濃度、10μL)およびATP(5μM最終濃度、10μL)を添加する。30℃で15分間インキュベートした後、検出する。
得られた結果を、20μMでの阻害百分率として示した
実施例24 100%
実施例2 100%
実施例32 100%
【0169】
6)ZAPキナーゼ活性の阻害アッセイ
キナーゼ活性の阻害を、蛍光偏光によって測定する(ZAPキナーゼが、蛍光標識に結合した抗リンペプチド抗体を添加することによって検出されるペプチドをリン酸化する)。
最終濃度50μlでアッセイを行う;全ての試薬を緩衝剤中で調製する:
20mTris/HCl pH7.7
7mM MnCl2
50μM Na2VO4
10倍濃縮したインヒビター(5μl)を、酵素(0.7μg/ml最終濃度、25μl)(Panvera 参照番号P2782)に添加する。周囲温度で5分間インキュベートした後、PolyGT(300ng/ml最終濃度、10μl)およびATP(0.25μM最終濃度、10μl)を添加する。周囲温度で15分間インキュベートした後、検出する。
得られた結果を、20μMでの阻害百分率として示した
実施例8 98%
実施例20 95%
実施例24 96%
【0170】
7)カゼインキナーゼII活性の阻害アッセイ
キナーゼ活性の阻害を、そのペプチド基質のリン酸化を測定することによって測定する。
最終容積50μlでアッセイを行う。インキュベーション緩衝剤は、以下の通りである:
30mM MES pH6.9
15mM MgCl2
195mM KCl
7.25mM DTT
10倍濃縮したインヒビター(5μl)を、酵素(1U/μl最終濃度)(Tebu、SE−124)を含むインキュベーション緩衝剤(25μl)に添加する;次いで、基質ペプチド(60μM最終濃度)を含むインキュベーション緩衝剤(10μl)を添加し、最後に、25μM ATPおよび放射標識ATP([33P]ATP (0.25μCi))を含むインキュベーション緩衝剤(10μl)を添加する。30分間周囲温度でインキュベートした後、この反応を停止する。
得られた結果を、20μMでの阻害百分率として示した
実施例8 93%
実施例30 97%
【0171】
8)CAMキナーゼII活性の阻害アッセイ
キナーゼ活性の阻害を、そのペプチド基質のリン酸化を測定することによって測定する。
最終容積50μlでアッセイを行う。インキュベーション緩衝剤は、以下の通りである:
20mM MOPS pH7.4
5mM MgCl2
5mM CaCl2
1mM DTT
100μM Na2VO4
25mM β−グリセロホスフェート
10倍濃縮したインヒビター(5μl)を、酵素(0.2μg/μl最終濃度)(Tebu、SE−134)を含むインキュベーション緩衝剤(25μl)に添加する;次いで、基質(5μM最終濃度)およびカルモジュリン(1600U/ml最終濃度)を含むインキュベーション緩衝剤(10μl)を添加し、最後に、20μM ATPおよび放射標識ATP([33P]ATP (0.05μCi))を含むインキュベーション緩衝剤(10μl)を添加する。40分間周囲温度でインキュベートした後、この反応を停止する。
得られた結果を、20μMでの阻害百分率として示した
実施例30 98%
【0172】
9)EGFtryキナーゼ活性の阻害アッセイ
キナーゼ活性の阻害を、そのペプチド基質のリン酸化を測定することによって測定する。
最終容積100μlでアッセイを行う。インキュベーション緩衝剤は、以下の通りである:
5mM Hepes/Tris pH7.4
2% グリセロール
0.2% トリトンX100
10倍濃縮したインヒビター(10μl)を、酵素(1U/μl最終濃度)(Tebu、SE−124)を含むインキュベーション緩衝剤(20μl)に添加する;次いで、基質ペプチド(0.43mg/ml最終濃度)を含むインキュベーション緩衝剤(30μl)を、酵素(0.4μM)を含むインキュベーション緩衝剤(20μl)と共に添加し、最後に、10μM ATPおよび放射標識ATP([33P]ATP (0.25μCi))を含む6mM tris/HCl pH7.4、15mM MgCl2緩衝剤(20μl)を添加する。60分間30℃でインキュベートした後、この反応を停止する。
得られた結果を、20μMでの阻害百分率として示した
実施例20 100%
【0173】
10)AKT活性の阻害アッセイ
キナーゼ活性の阻害を、蛍光偏光によって測定する(AKTキナーゼが、蛍光標識に結合した抗リンペプチド抗体を添加することによって検出されるペプチドをリン酸化する)。
最終濃度30μlでアッセイを行う;全ての試薬を緩衝剤中で調製する:
50m HEPES pH7.5
0.03% トリトンX100
10mM MgCl2
5% グリセロール
1mM DTT
10倍濃縮したインヒビター(10μl)を、酵素(20ng最終濃度、5μl)に添加し、そしてペプチド(1μM最終濃度、5μl)およびATP(80μM最終濃度、10μl)を添加する。20分間25℃でインキュベートした後、検出を行う。
得られた結果を、マイクロモルで示したIC50として表した
実施例8 0.46μM
【0174】
11)FAK活性の阻害アッセイ
キナーゼ活性の阻害を、蛍光偏光によって測定する(FAKの自己リン酸化が、蛍光標識に結合した抗リンタンパク質抗体を添加することによって検出される)。
最終濃度30μlでアッセイを行う;全ての試薬を緩衝剤中で調製する:
50m HEPES pH7.5
0.03% トリトンX100
10mM MgCl2
5% グリセロール
1mM DTT
10倍濃縮したインヒビター(10μl)を、酵素(100ng最終濃度、5μl)に添加し、そしてインキュベーション緩衝剤(5μl)およびATP(1μM最終濃度、10μl)を添加する。10分間25℃でインキュベートした後、検出を行う。
得られた結果を、マイクロモルで示したIC50として表した
実施例8 2μM
実施例20 1.6μM
実施例30 1μM
【0175】
12)JNK3活性の阻害アッセイ
キナーゼ活性の阻害を、蛍光偏光によって測定する(JNK3キナーゼが、蛍光標識に結合した抗リンペプチド抗体を添加することによって検出されるペプチドをリン酸化する)。
最終濃度30μlでアッセイを行う;全ての試薬を緩衝剤中で調製する:
50m HEPES pH7.5
0.03% トリトンX100
10mM MgCl2
5% グリセロール
1mM DTT
10倍濃縮したインヒビター(10μl)を、酵素(40ng最終濃度、5μl)に添加し、そして基質(100ng)を含むインキュベーション緩衝剤(5μl)およびATP(6μM最終濃度、10μl)を添加する。30分間25℃でインキュベートした後、検出を行う。
得られた結果を、マイクロモルで示したIC50として表した
実施例8 0.84μM
実施例1 0.29μM
実施例15 0.5μM
実施例38 0.42μM
実施例26 0.31μM
実施例27 0.29μM
【0176】
13)GSK3β活性の阻害アッセイ
キナーゼ活性の阻害を、そのペプチド基質のリン酸化を測定することによって測定する。
最終容積40μlでアッセイを行う;全ての試薬を緩衝剤中で調製する:
50m HEPES pH7.5
0.03% トリトンX100
10mM MgCl2
5% グリセロール
1mM DTT
10倍濃縮したインヒビター(10μl)を、酵素(20ng最終濃度、5μl)に添加し、そしてペプチド(1μM最終濃度、5μl)、次いで、16μM ATPを含むインキュベーション緩衝剤(2.5μl)および放射標識ATP([33P]ATP (50nCi))(2.5μl)を添加する。周囲温度で15分間インキュベートした後、1μMの基質を含むインキュベーション緩衝剤(10μl)を添加する。30分間30℃でインキュベートした後、この反応を停止する。
得られた結果を、マイクロモルで示したIC50として表した
実施例2 0.6μM
実施例26 1.3μM
実施例30 1.5μM
【0177】
14)PLK1活性の阻害アッセイ
キナーゼ活性の阻害を、そのペプチド基質のリン酸化を測定することによって測定する。
最終容積40μlでアッセイを行う;全ての試薬を緩衝剤中で調製する:
50m HEPES pH7.5
0.03% トリトンX100
10mM MgCl2
5% グリセロール
1mM DTT
10倍濃縮したインヒビター(10μl)を、酵素(75ng最終濃度、5μl)に添加し、そしてペプチド(1μM最終濃度、5μl)、次いで、40μM ATPを含むインキュベーション緩衝剤(2.5μl)および放射標識ATP([33P]ATP(500nCi))(2.5μl)を添加する。周囲温度で15分間インキュベートした後、192nMの基質を含むインキュベーション緩衝剤(10μl)を添加する。60分間37℃でインキュベートした後、この反応を停止する。
得られた結果を、マイクロモルで示したIC50として表した
実施例18 0.16μM
実施例1 0.21μM
【0178】
15)液体媒体中の抗真菌剤に対する真菌の感受性を試験するための、最小阻害濃度の測定:マイクロ法
原理:
一定数の所定の株の細胞を、増加する濃度の抗真菌剤の存在下、NCCLS(National Committee for Clinical Laboratory Standards,1997.Reference method for broth dilution antifungal susceptibility testing of yeasts.Approved Standards M27−A.NCCLS,Villanova,Pa.)の条件下に配置する;細胞増殖の濁りの減少を肉眼で観察できる最小濃度(生成物を含まないコントロールと比較して少なくとも80%)が、試験株についての抗真菌剤の最小阻害濃度(MIC)である。
【0179】
L−グルタミンを含まないRPMI1640媒体(液体)を、L−グルタミン(0.3g/lまたは200mMの溶液(10.5ml))で補充し、そしてモルホリンプロパンスルホン酸(MOPS)(34.54g/l(0.165M))で緩衝化する。媒体を濾過により滅菌する。RPMI媒体(100μl)を、96ウェルプレートの各ウェルに分配する。適切な量の抗真菌溶液を、マイクロプレートの第1カラムに分配し、そして媒体(200μl)で補充する。2倍連続希釈を実施し、マイクロプレートの各レーンに11濃度範囲を確立する。各列の12番目のウェルは、増殖コントロールとして役立つ。細胞懸濁液を、培養液(液体または寒天)から、または凍結バイアルから調製し、そしてRPMI媒体中で希釈し、5×103〜2×104細胞/mlの細胞懸濁液を得る。細胞懸濁液(100μl)をマイクロプレートに分配する。カンジダ種の全てについて、MICを、37℃で標準大気中、24〜48時間インキュベートした後に、およびクリプトコッカス(Cryptococcus)およびアスペルギルス(Aspergillus)について48〜72時間インキュベートした後に読み取る。MICを、真菌増殖の少なくとも80%阻害を引き起こす抗真菌剤の最低投薬量を含むウェルを決定する、目視読み取りにより読み取る。
【0180】
MICの結果
実施例5:MIC カンジダ グラブラタ64μg/ml;カンジダ アルビカンス64μg/ml
実施例8:MIC カンジダ グラブラタ16μg/ml;カンジダ アルビカンス16μg/ml;アスペルギルス フミガタス32μg/ml
実施例19:MIC カンジダ グラブラタ32μg/ml;カンジダ アルビカンス16μg/ml;アスペルギルス フミガタス32μg/ml
実施例20:MIC カンジダ グラブラタ16μg/ml;カンジダ アルビカンス32μg/ml;アスペルギルス フミガタス32μg/ml
実施例30:MIC カンジダ グラブラタ64μg/ml;カンジダ アルビカンス32μg/ml
実施例32:MIC カンジダ グラブラタ64μg/ml;カンジダ アルビカンス64μg/ml

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

の生成物、その全ての可能なラセミ形態、エナンチオマー異性形態、およびジアステレオマー異性形態、ならびに式(I)の該生成物の無機酸および有機酸、または無機塩基および有機塩基との薬学的に受容可能な付加塩。
式中、Yは、N、O、S、CHR3、または=CR3を表し、
環上の点線は、対応する結合が一重または二重であることを示し、
RおよびR1は、同じものでも異なるものでもよく、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、シアノ、NO2、NR4R5、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アリール、ヘテロアリール、−S(O)n−NR4R5、アシル、−NH−CO−アルキル、または−NH−CO−NH−フェニルを表し、ここで該アルキル基およびフェニル基が、場合によって、それ自体が置換されるチエニルおよびフェニルから選択される1つまたはそれ以上の基で場合によって置換され、これらのフェニル基は、場合によって、ハロゲン原子、ならびに基−NH2、−NHAlk、および−N(Alk)2から選択される1つまたはそれ以上の基でそれ自体が置換され、
nは、0〜2の整数を表し、
R3は、水素、ハロゲン、アルキル、シアノ、NO2、NR4R5、トリフルオロメチル、アリールを表し、
R2は、R4基、OR4基、SR4基、またはNR4R5基を表し、ここでR4は、水素原子、またはアルキル基、シクロアルキル基、もしくはアリール基を表し、
NR4R5において、R4およびR5は同じものでも異なるものでもよく、R4の値から選択されるか、または該R4およびR5は、それらが結合する窒素原子と一緒になって4〜6個の環員を含む環式基を形成し、該環員は1つまたはそれ以上のヘテロ原子を含み、該ヘテロ原子は、同じものでも異なるものでもよく、N、O、およびSから選択され、上記で定義された全てのアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、および複素環式基は、場合によって、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、アルコキシ基、アリール基、および複素環式基、酸官能基または酸等量式官能基を有する基、ならびに基−NHR4、−NalkR4、−COR4、−COOR4、−CONalkR4、および−CONHR4の基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換され、ここで、R4は、上記の意味を有し、そしてalkは、アルキル基を表し、
上記で定義された全てのアリール基および複素環式基はまた、場合によって、1つまたはそれ以上のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、およびフェニルアルキル基で置換され、
上記で定義された全てのアリール基はまた、場合によって、ジオキソール基で置換され、
上記で定義された全てのアルキル基およびアルコキシ基は、直鎖または分枝鎖であり、そして最大6個の炭素原子を含み、
上記で定義された全てのシクロアルキル基は、最大6個の炭素原子を含む。
【請求項2】
式(I):
【化2】

の生成物、その全ての可能なラセミ形態、エナンチオマー異性形態、およびジアステレオマー異性形態、ならびに式(I)の該生成物の無機酸および有機酸、または無機塩基および有機塩基との薬学的に受容可能な付加塩。
式中、Yは、N、O、S、CHR3、または=CR3を表し、
環上の点線は、対応する結合が一重または二重であることを示し、
RおよびR1は、同じものでも異なるものでもよく、該RおよびR1は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、シアノ、NO2、NR4R5、トリフルオロ
メチル、トリフルオロメトキシ、アリール、ヘテロアリール、−S(O)n−NR4R5を表し、
nは、0〜2の整数を表し、
R3は、水素、ハロゲン、アルキル、シアノ、NO2、NR4R5、トリフルオロメチル、アリールを表し、
R2は、R4基、OR4基、SR4基、またはNR4R5基を表し、ここでR4は、水素原子、またはアルキル基、シクロアルキル基、もしくはアリール基を表し、
NR4R5において、R4およびR5は同じものでも異なるものでもよく、R4の値から選択されるか、または該R4およびR5は、それらが結合する窒素原子と一緒になって4〜6個の環員を含む環式基を形成し、該環員は1つまたはそれ以上のヘテロ原子を含み、該ヘテロ原子は、同じものでも異なるものでもよく、N、O、およびSから選択され、上記で定義された全てのアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基および複素環式基は、場合によって、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、アルコキシ基、アリール基、および複素環式基、酸官能基または酸等量式官能基を有する基、ならびに−NHR4基、−NalkR4基、−COR4基、−COOR4基、−CONalkR4基、および−CONHR4基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換され、ここで、R4は、上記の意味を有し、そしてalkは、アルキル基を表し、
上記で定義された全てのアリール基および複素環式基はまた、場合によって、1つまたはそれ以上のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、およびフェニルアルキル基で置換され、
上記で定義された全てのアリール基はまた、場合によって、ジオキソール基で置換され、
上記で定義された全てのアルキル基およびアルコキシ基は、直鎖または分枝鎖であり、そして最大6個の炭素原子を含み、
上記で定義された全てのシクロアルキル基は、最大6個の炭素原子を含む。
【請求項3】
式(Ia):
【化3】

に対応する請求項1に記載の式(I)の生成物、その全ての可能なラセミ形態、エナンチオマー異性形態、およびジアステレオマー異性形態、ならびに式(Ia)の該生成物の無機酸および有機酸、または無機塩基および有機塩基との薬学的に受容可能な付加塩。
式中、Yaは、N、O、S、CHR3aまたは=CR3aを表し、
環上の点線は、対応する結合が一重または二重であることを示し、
RaおよびR1aは、同じものでも異なるものでもよく、該RaおよびR1aは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、シアノ、NO2、NR4aR5a、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニル、ヘテロアリール、−S(O)n−NR4aR5aを表し、
nは、0〜2の整数を表し、
R3aは、水素、ハロゲン、アルキル、シアノ、NO2、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリフルオロメチル、およびフェニルを表し、
R2aは、R4a基、OR4a基、SR4a基、またはNR4aR5a基を表し、ここでR4aは、水素原子、またはアルキル基、シクロアルキル基、もしくはフェニル基を表し、
NR4aR5aにおいて、R4aおよびR5aは同じものでも異なるものでもよく、R4aの値から選択されるか、または該R4aおよびR5aは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合によって置換されたピペリジル基、モルホリニル基、ピロリジニル基、またはピペラジニル基を形成し、
上記で定義された全てのアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、フェニル基、フェニルアルキル基、および複素環式基(例えば、NR4aR5aによって形成されたもの)は、場合によって、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、アルコキシ基、およびフェニル基、複素環式基[場合によって、NまたはC上で、カルボキシル基(これは、遊離であるか、塩化されているかまたはアルキル基でエステル化されている)、SO3H基、PO(OH)2基、NH−SO2−CF3基、NH−SO2−NH−V基、およびNH−SO2−NH−CO−V基で置換され、ここで、Vは、フェニル基、アルキル基、またはアルケニル基を表し、該アルケニル基は、最大6個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖である]、ならびに−NalkR4a基、−NHR4a基、−COR4a基、−COOR4a基、−CONalkR4a基、および−CONHR4a基(ここで、R4aは、上で示された意味を有し、そしてalkはアルキル基を表す)から選択される1つまたはそれ以上の基で置換され、
上記で定義された全てのフェニル基および複素環式基はまた、場合によって、1つまたはそれ以上のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、またはフェニルアルキル基で置換され、
上記で定義された全てのフェニル基はまた、場合によって、ジオキソール基で置換され、
上記で定義された全てのアルキル基およびアルコキシ基は、直鎖または分枝鎖であり、そして最大6個の炭素原子を含み、
上記で定義された全てのシクロアルキル基は、5または6個の炭素原子を含む。
【請求項4】
式(Ib):
【化4】

に対応する請求項1に記載の式(I)の生成物、その全ての可能なラセミ形態、エナンチオマー異性形態、およびジアステレオマー異性形態、ならびに式(Ib)の該生成物の無機酸および有機酸、または無機塩基および有機塩基との薬学的に受容可能な付加塩。
式中、Ybは、N、CHR3b、または=CR3bを表し、
環上の点線は、対応する結合が一重または二重であることを示し、
RbおよびR1bは、同じものでも異なるものでもよく、該RbおよびR1bは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、シアノ、NO2、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニル、−S(O)n−NR4bR5bを表し、
nは、0〜2の整数を表し、
R3bは、水素、ハロゲン、アルキル、シアノ、NO2、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリフルオロメチル、およびフェニルを表し、
R2bは、R4b基、またはNR4bR5b基を表し、ここでR4bは、水素原子、またはアルキル基、シクロアルキル基、もしくはフェニル基を表し、
NR4bR5bにおいて、R4bとR5bは同じものでも異なるものでもよく、R4bの値から選択されるか、または該R4bおよびR5bは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合によって置換されたピペリジル基、モルホリニル基、またはピロリジニル基を形成し、
上記で定義された全てのアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、フェニル基、およびフェニルアルキル基、および複素環式基(例えば、ピペリジル基、モルホリニル基、またはピロリジニル基)は、場合によって、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、アルコキシ基、およびフェニル基から選択される1つまたは2つの基で置換され、そしてテトラヒドロピラニル基およびピペリジル基それら自体は、場合によって、NまたはC上でカルボキシル基(これは、遊離であるか、塩化されているかまたはアルキル基でエステル化されている)、ならびに−NalkRa4基、−NHR4a基、および−COOR4a基で置換され、ここで、R4aは、上記で示された意味を有し、そしてalkはアルキル基を表し、
上記で定義された全てのフェニル基および複素環式基はまた、場合によって、1つまたはそれ以上のアルキル基、ヒドロキシアルキル基およびフェニルアルキル基で置換され、
上記で定義された全てのアルキル基およびアルコキシ基は、直鎖または分枝鎖であり、そして最大4個の炭素原子を含み、
上記で定義された全てのシクロアルキル基は、5または6個の炭素原子を含む。
【請求項5】
式(Ic):
【化5】

に対応する請求項1に記載の式(I)の生成物、その全ての可能なラセミ形態、エナンチオマー異性形態、およびジアステレオマー異性形態、ならびに式(Ic)の該生成物の無機酸および有機酸、または無機塩基および有機塩基との薬学的に受容可能な付加塩。
式中、Ycは、N、CH2、またはCH=を表し、
環上の点線は、対応する結合が一重または二重であることを示し、
RcおよびR1cは、同じものでも異なるものでもよく、該RcおよびR1cは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、フェニルアルコキシ、フェニルアルキル、シアノ、NO2、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニル、場合によって1つまたは2つのアルキル基で窒素原子上で置換された−S(O)n−NH2を表し、そしてnは、0〜2の整数を表し、
R3cは、水素、ハロゲン、アルキル、シアノ、NO2、トリフルオロメチル、およびフェニルを表し、
R2cは、NR4cR5c基を表し、ここでR4cおよびR5cは、同じものでも異なるものでもよく、該R4cは、水素原子、またはアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、もしくはフェニルアルキル基を表し、
該アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、またはフェニルアルキル基は、場合によって、1つまたはそれ以上の基で置換され、該基は、ヒドロキシル、アミノ、またはカルボキシル(これは、遊離であるか、塩化されているかまたはアルキル基でエステル化されている)、テトラヒドロピラニル基またはピペリジル基は、場合によって、NまたはC上で、カルボキシル基で置換され、該カルボキシル基は、遊離であるか、塩化されているかまたはアルキル基でエステル化されている)から選択され、
そしてR5cは、水素原子またはアルキル基を表すか、またはR4cとR5cは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピペリジル基、モルホリニル基、またはピロリジニル基を形成し、これらの基は、場合によって、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、またはジアルキルアミノ基で置換され、
上記で定義された全てのアルキル基およびアルコキシ基は、最大4個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖である。
【請求項6】
式(Id):
【化6】

に対応する請求項1に記載の式(I)の生成物、その全ての可能なラセミ形態、エナンチオマー異性形態、およびジアステレオマー異性形態、ならびに式(Id)の該生成物の無機酸および有機酸、または無機塩基および有機塩基との薬学的に受容可能な付加塩。
式中、Ydは、N、CH2、またはCH=を表し、
環上の点線は、対応する結合が一重または二重であることを示し、
RdおよびR1dは、同じものでも異なるものでもよく、該RdおよびR1dは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、フェニルアルコキシ、NO2、ジアルキルアミノスルホニル、−NH2、トリフルオロメチル、−CO−CH3、−NH−CO−アルキル、または−NH−CO−NH−フェニルを表し、ここで、該アルキル基は、場合によって、チエニル基またはフェニル基で置換され、そして該フェニル基は、場合によってハロゲン原子、ならびに−NH2基、−NHAlk基、およびN(Alk)2基から選択される1つまたはそれ以上の基で置換され、
R3dは、水素またはアルキルを表し、
R2dは、NR4dR5d基を表し、ここでR4dおよびR5dは、同じものでも異なるものでもよく、該R4dは、水素原子、1〜4個の炭素原子を含み、そして場合によって1つまたは2つのヒドロキシルで置換された直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基、場合によってアミノ基もしくはヒドロキシル基で置換されたシクロアルキル基、または場合によってカルボキシル基(これは遊離であるか、塩化されているかまたはアルキル基でエステル化されている)で置換されたフェニルを有するフェニル基もしくはフェニルアルキル(1〜4C)基、テトラヒドロピランアルキル基(実施例28)、またはピペリジルアルキル基(実施例31、36)(これらは、場合によって、NまたはC上で、カルボキシル基で置換されている)を表し、そしてR5dは、水素原子またはアルキル基を表すか、またはR4dおよびR5dは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合によってアミノ基で置換されたピペリジル基、モルホリニル基、または場合によってヒドロキシアルキル基で置換されたピロリジニル基(実施例34)を形成し、
上記で定義された全てのアルキル基およびアルコキシ基は、最大4個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖である。
【請求項7】
式(Id):
【化7】

に対応する請求項1に記載の式(I)の生成物、その全ての可能なラセミ形態、エナンチオマー異性形態、およびジアステレオマー異性形態、ならびに式(Id)の該生成物の無機酸および有機酸、または無機塩基および有機塩基との薬学的に受容可能な付加塩。
式中、Ydは、N、CH2、またはCH=を表し、
環上の点線は、対応する結合が一重または二重であることを示し、
RdおよびR1dは、同じものでも異なるものでもよく、該RdおよびR1dは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、フェニルアルコキシ、NO2、ジアルキルアミノスルホニルを表し、
R3dは、水素またはアルキルを表し、
R2dは、NR4dR5d基を表し、ここでR4dおよびR5dは、同じものでも異なるものでもよく、該R4dは、水素原子、1〜4個の炭素原子を含み、場合によって1つまたは2つのヒドロキシルで置換された直鎖または分枝鎖のアルキル基、場合によってアミノ基もしくはヒドロキシル基で置換されたシクロアルキル基、場合によってカルボキシル基(これは遊離であるか、塩化されているかまたはアルキル基でエステル化されている)で置換されたフェニルを有するフェニル基もしくはフェニル(C1−C4)アルキル基、テトラヒドロピランアルキル基(実施例28)またはピペリジルアルキル基(実施例31、36)(これらは場合によって、NまたはC上でカルボキシル基で置換されている)を表し、そしてR5dは、水素原子またはアルキル基を表すか、またはR4dとR5dは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合によってアミノ基で置換されたピペリジル基、モルホリニル基、または場合によってヒドロキシアルキル基で置換されたピロリジニル基(実施例34)を形成し、
上記で定義された全てのアルキル基およびアルコキシ基は、最大4個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖である。
【請求項8】
請求項1に記載の式(I)の生成物であって、以下の化学名を有する生成物:
−トランス−N−[6−(5,6−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
−トランス−N−[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
−トランス−N−[6−(5,6−ジメチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
−トランス−N−[6−(5,6−ジクロロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンヒドロクロリド
−トランス−N−[6−(5−メトキシ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
−トランス−N−[6−(1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
−トランス−N−[6−[6−(フェニルメトキシ)−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
−トランス−N−[6−[5−(フェニルメトキシ)−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン
−トランス−4−[[6−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]シクロヘキサノール
−トランス−N−[6−(2,3−ジヒドロ−5−ニトロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミンジヒドロクロリド
−トランス−N−[6−[2,3−ジヒドロ−6−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン(実施例40)
−トランス−N−[1−[2−[(4−アミノシクロヘキシル)アミノ]−9H−プリン−6−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−2−チオフェンアセトアミド(実施例41)
−トランス−N−[6−(6−ニトロ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)−9H−プリン−2−イル]−1,4−シクロヘキサンジアミン(実施例44)。
【請求項9】
以下の式(II):
【化8】

の化合物を、以下の式(III):
【化9】

(式中、R’、R1’およびR3’が、R、R1、およびR3についてそれぞれ請求項1に示される意味を有し、ここで、任意の反応性官能基は、場合によって、保護基で保護され、そしてYは請求項1に示される意味を有する)の化合物の作用に付して、
以下の式(IV):
【化10】

(式中、R’、R1’、R3’およびYが、上記に示した意味を有する)の生成物を
得、
該式(IV)の生成物を、以下の式(V):
R2’−H (V)
(式中、R2’が、R2について請求項1に示される意味を有し、ここで、任意の反応性官能基は、場合によって、保護基で保護される)の化合物との反応に付して、
以下の式(I’):
【化11】

(式中、R’、R1’、R2’、R3’およびY’が、上記に示される意味を有する)の生成物を得、該式(I’)の生成物が、式(I)の生成物について請求項1に示される意味を有し、ここで任意の反応性官能基は、場合によって、保護基で保護されており、
ここで、該式(I’)の生成物は、式(I)の生成物であり得るが、所望により、そして必要に応じて、式(I)の他の生成物を得るために、該式(I’)の生成物を、以下:
a)酸官能基のエステル化反応、
b)エステル官能基を酸官能基にけん化する反応、
c)アルキルチオ基を対応するスルホキシドまたはスルホンに酸化する反応、
d)ケトン官能基をオキシム官能基に変換する反応、
e)遊離のまたはエステル化されたカルボキシル官能基をアルコール官能基に還元する反応、
f)アルコキシ官能基をヒドロキシル官能基に変換するか、またはヒドロキシル官能基をアルコキシ官能基に変換する反応、
g)アルキル官能基をアルデヒド官能基、酸官能基、またはケトン官能基に酸化する反応、
h)ニトリル基をテトラゾリルに変換する反応、
i)保護された反応性官能基が有し得る保護基を除去する反応、
j)無機酸もしくは有機酸、または塩基を用いて塩化して対応する塩を得る反応、
k)ラセミ形態を分割された生成物に分割する反応、
の1つまたはそれ以上の変換反応に任意の順序で付すことができる、
ことを特徴とする、
請求項1に記載の式(I)の生成物、その全ての可能なラセミ形態、エナンチオマー異性形態、およびジアステレオマー異性形態の製造方法。
【請求項10】
医薬品としての、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式(I)の生成物、ならびに式(Id)の生成物の無機酸および有機酸、または無機塩基および有機塩基との薬学的に受容可能な付加塩。
【請求項11】
医薬品としての、請求項6に記載の式(I)の生成物、ならびに無機酸および有機酸、または無機塩基および有機塩基との薬学的に受容可能な付加塩。
【請求項12】
活性成分として、少なくとも1種の請求項8または9に記載の医薬品を含む、薬学的組
成物。
【請求項13】
真菌疾患の予防または処置のための医薬品を製造するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の生成物、および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項14】
特にカンジダ症、アスペルギルス症、ヒストプラズマ症、およびコクシジウム症のような真菌疾患の予防または処置のための医薬品の製造のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の生成物、および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項15】
カンジダアルビカンスにより引き起こされる疾患の予防または処置のための医薬品の製造のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の生成物、および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項16】
全身性カンジダ症の予防または処置のための医薬品の製造のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の生成物、および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項17】
カンジダアルビカンスCIV1プロテインキナーゼのインヒビターとして抗真菌特性を有する、請求項1に記載の式(I)の生成物。
【請求項18】
活性成分として、少なくとも1種の請求項14に記載のカンジダアルビカンスCIV1プロテインキナーゼのインヒビターを含む、薬学的組成物。
【請求項19】
抗真菌剤としての請求項16に記載の組成物の使用。
【請求項20】
新規な工業製品としての式(IV)の化合物。
【請求項21】
特に、癌化学療法のための、または乾癬、真菌もしくは原生生物に起因するもののような寄生虫症、またはアルツハイマー病の処置のための抗有糸分裂医薬品として使用される、請求項16に記載の薬学的組成物。
【請求項22】
抗神経変性医薬品、特に抗神経アポトーシス医薬品として使用される、請求項16に記載の薬学的組成物。
【請求項23】
癌化学療法のため、乾癬または真菌もしくは原生生物に起因するもののような寄生虫症の処置のため、アルツハイマー病の処置のため、または神経変性障害、特に神経アポトーシスの処置のための医薬品を製造するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の生成物の使用。
【請求項24】
プロテインチロシンキナーゼおよびセリン/スレオニンキナーゼの、分泌および/または活性の障害に関連する疾患の予防または処置のための医薬品の製造のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の生成物、および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項25】
免疫疾患、感染症、アレルギー疾患、および自己免疫疾患の処置または予防のための医薬品の製造のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の生成物、および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項26】
増殖性疾患、癌、再狭窄、炎症、アレルギー、または心疾患のような疾患の処置または予防のための医薬品の製造のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の生成物、および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。

【公表番号】特表2006−517955(P2006−517955A)
【公表日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502145(P2006−502145)
【出願日】平成16年2月13日(2004.2.13)
【国際出願番号】PCT/FR2004/000330
【国際公開番号】WO2004/073595
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(598006222)アベンティス・ファーマ・ソシエテ・アノニム (30)
【Fターム(参考)】