説明

新規なヘテロアリール置換されたイミダゾ[1,2−a]ピリジン誘導体

本発明は、構造式(Ia):
【化1】


を有する新規なヘテロアリール置換されたイミダゾピリジン誘導体、その前駆体、及びこのような化合物の治療上の使用、及びその医薬上許容しうる塩、組成物及び使用方法に関する。さらにまた、本発明は、生きている患者においてアミロイド沈着を画像化するのに適した新規なヘテロアリール置換されたイミダゾピリジン誘導体、その組成物、使用方法及びこのような化合物の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、アルツハイマー病の死前診断、及びアルツハイマー病治療剤の臨床的効能の測定を可能にする、インビボの脳内アミロイド沈着を画像化する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なヘテロアリール置換されたイミダゾピリジン誘導体及びこのような化合物についての治療上の使用に関する。さらにまた、本発明は、生きている患者においてアミロイド沈着物を画像化するのに適した新規なヘテロアリール置換されたイミダゾピリジン誘導体、その組成物、使用方法及びこのような化合物の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、インビボで生前にアルツハイマー病を診断する方法、及びアルツハイマー病の治療剤の臨床的な有効性を測定することができる脳内アミロイド沈着物を画像化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アミロイドーシスは、1つ又はそれ以上の臓器又は体組織におけるタンパク質の異常沈着を特徴とする原因不明の進行性で、不治の代謝性疾患である。アミロイド蛋白は、例えば骨髄が機能不全になることによってつくられる。アミロイドーシスは、蓄積されたアミロイド沈着が正常な体機能を損なうと生じ、臓器不全を引き起こし又は死に至ることがある。それは、百万人につき約8人に生じるまれな疾患である。男性及び女性では等しく影響を受け、通常、40歳を過ぎて発症する。少なくとも15タイプのアミロイドーシスが確認されている。それぞれのものは、異なる種類のタンパク質の沈着と関連がある。
【0003】
アミロイドーシスの主要な形態は、原発性全身性、続発性、及び家族性又は遺伝性アミロイドーシスである。また、別の形態のアルツハイマー病と関連するアミロイドーシスもある。原発性全身性アミロイドーシスは、通常、50〜60歳の間で発症する。米国において毎年診断される約2千件の新しい症例では、原発性全身性アミロイドーシスがこの疾患の最も一般的な形態である。それは、軽鎖関連アミロイドーシス(light−chain−related amyloidosis)としても知られており、多発性骨髄腫(骨髄癌)に関連して生じることがある。続発性アミロイドーシスは、慢性感染症又は炎症性疾患の結果である。それは、家族性地中海熱(悪寒、衰弱、頭痛、及び再帰熱を特徴とする細菌感染症)、肉芽腫性回腸炎(小腸の炎症)、ホジキン病、ハンセン病、骨髄炎及び関節リウマチと関連していることも多い。
【0004】
家族性又は遺伝性アミロイドーシスは、その疾患の唯一の遺伝形態である。それは、ほとんどの民族のメンバーで生じ、そして各家系は、症状及び臓器病変の特徴的なパターンを有する。遺伝性アミロイドーシスは、常染色体優性であると考えられており、それは、疾患が生じるには欠陥遺伝子の1つのコピーで十分であるということを意味する。家族性アミロイドーシスをもつ親の小児は、疾患を発症する危険性が50−50である。
【0005】
アミロイドーシスは、体のあらゆる臓器又は体組織に影響を及ぼす可能性がある。心臓、腎臓、胃腸系及び神経系は、影響を受けることが最も多い。アミロイド蓄積の他の一般的な部位としては、脳、関節、肝臓、脾臓、膵臓、気管支及び皮膚が含まれる。アルツハイマー病(AD)は、認知症のもっとも一般的な形態であり、日常生活の正常な活動を妨げるのに十分重症度の精神的能力の喪失を特徴とし、少なくとも6月間持続し、そして生まれつき存在しない神経疾患である。ADは、通常、老年期に生じ、そして記憶、推論及び計画のような認知機能における低下を特徴としている。
【0006】
200〜400万人の米国人がADを有しており;その数は、全年齢を母集団として21世紀の中頃までに1400万人もの数に増えることが予想される。それらの40代及び50代では少数の人々しか疾患を発症しないが、ADは主に高齢者に影響を及ぼす。ADは、65〜74歳のすべての人々の約3%、75〜84歳の人々の約20%、そして85歳以上の人々の約50%に影響を及ぼす。女性がより長く生きる傾向にあり、そのため最も影響を受ける年齢層において女性の比率がより高いことを考慮しても、男性よりも女性が僅かに多くADの影響を受ける。
【0007】
脳内でのアミロイドAβペプチドの蓄積は、ADのすべての形態の病理学的特徴である。大脳アミロイドAβ−ペプチドの沈着が、ADの発症機序を駆動させるのに主要な影響を及ぼすことは一般に認められている。(非特許文献1)。
【0008】
画像化技術、例えば陽電子放射断層撮影法(PET)及び単一光子放射形コンピュータ断層撮影法(SPECT)は、脳内でのアミロイド沈着物の蓄積をモニターし、それをADの進行と相関させるのに有効である(非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5)。これらの技術の適用には、脳に容易に入り、インビボでアミロイド沈着物と選択的に結合する放射性リガンドの開発が必要である。
【0009】
血液脳関門を通過することができ、その結果、診断に用いることができるアミロイド結合化合物の必要性が存在する。さらにまた、ADプラークレベルの変化を測定することで前記治療の効果を評価することによってAD患者に施される治療の有効性をモニターできることは重要である。
【0010】
検出可能なアミロイド−結合化合物の特に関心ある性質としては、インビボアミロイド沈着物に対する親和性が高く、脳への移行が高度かつ迅速であるほかに、正常組織に対する非特異的結合が低く、そして正常組織からのクリアランスが迅速であるということが含まれる。これらの性質は、一般に化合物の親油性に左右される(非特許文献6)。アミロイドプラークを画像化するために提案された小分子の中で、使用可能性のあるチオフラビンTのいくつかの非荷電類似体が合成されている。種々のイソスターの(isosteric)複素環が可能性あるアミロイド結合リガンドとして報告されている。IMPYは、この系列のイミダゾピリジン類似体である(非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9)。IMPYは、現在、臨床評価の下にある(非特許文献10)。IMPYは、SPECT画像化用に123I又はPET画像化用に11Cで標識化される可能性を有するが、PET造影剤が目的のいくつかの18F標識化IMPY−誘導体も報告されている。しかしながら、それらの結合性を最適化するにはさらなる研究が必要であると考えられる(非特許文献11;非特許文献12)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Hardy J and Selkoe D.J., Science. 297: 353−356, 2002
【非特許文献2】Shoghi−Jadid et al. The American journal of geriatric psychiatry 2002, 10, 24
【非特許文献3】Miller, Science, 2006, 313, 1376
【非特許文献4】Coimbra et al. Curr. Top. Med. Chem. 2006, 6, 629
【非特許文献5】Nordberg, Lancet Neurol. 2004, 3, 519
【非特許文献6】Coimbra et al. Curr. Top. Med. Chem. 2006, 6, 629
【非特許文献7】Kung et al. Brain Research 2002, 956, 202−210
【非特許文献8】Zhuang et al. J. Med. Chem. 2003, 46, 237−243
【非特許文献9】Kung et al. Brain Research 2004, 1025, 98−105
【非特許文献10】Zhang et al. J. Med. Chem. 2005, 48, 5980
【非特許文献11】Cai et al. J. Med. Chem. 2004, 47, 2208
【非特許文献12】Zeng et al. Bioorg. Med. Chem. Lett. 2006, 16, 3015
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
すべての脳領域全体のアミロイド沈着の詳細な検出を可能にする十分に高いシグナル対ノイズ比を得るための、そして薬物治療に関するアミロイドプラーク負荷における定量的な研究において改善された信頼性を与える改善された化合物が必要とされている。本発明は、知られているイミダゾピリジン誘導体より優れた改善点を有するヘテロアリール置換されたイミダゾピリジン誘導体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第一の側面において、遊離塩基として式Ia
【化1】

[式中、
R1は、H、ハロ、 C1−5アルキル、C1−5フルオロアルキル、C1−3アルキレンOC1−3アルキル、C1−3アルキレンOC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンNH、C1−3アルキレンNHC1−3アルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)、C1−3アルキレンNHC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンN(C1−3フルオロアルキル)、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、 ヒドロキシ、C1−5アルコキシ、C1−5フルオロアルコキシ、C1−5Sアルキル、C1−5Sフルオロアルキル、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルコキシ、NH(CO)C1−3フルオロアルコキシ、NHSO1−3アルキル、NHSO1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、(CO)N(C1−3アルキル)、(CO)N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、(CO)N(C4−6アルキレン)、(CO)N(C4−6フルオロアルキレン)、 シアノ、SONHC1−3フルオロアルキル、ニトロ及びSONHから選ばれ;
R2は、H、ハロ、C1−5アルキル、C1−5フルオロアルキル、C1−3アルキレンOC1−3アルキル、C1−3アルキレンOC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンNH、C1−3アルキレンNHC1−3アルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)、C1−3アルキレンNHC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンN(C1−3フルオロアルキル)、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、ヒドロキシ、C1−5アルコキシ、C1−5フルオロアルコキシ、C1−5Sアルキル、C1−5Sフルオロアルキル、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルコキシ、NH(CO)C1−3フルオロアルコキシ、NHSO1−3アルキル、NHSO1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、(CO)N(C1−3アルキル)、(CO)N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、(CO)N(C4−6アルキレン)、(CO)N(C4−6フルオロアルキレン)、 シアノ、SONHC1−3フルオロアルキル、ニトロ及びSONHから選ばれるか;又は
【0014】
R1及びR2は、一緒になって環
【化2】

を形成し;
【0015】
Qは、Het1〜Het8
【化3】

から選ばれる窒素含有芳香族複素環であり;
【0016】
ここに、
Het1は、1又は2個のN原子を含む6員芳香族複素環であり、ここにX、X、X及びXは、N又はCから独立して選ばれ;及びここにX、X、X及びXの1又は2個はNであり、そして残りはCであり、及びここに原子XはCであり、該CはR4で場合により置換され;及びここに原子XはCであり、該CはR5で場合により置換され;
R3は、ハロ、 C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−3アルキレンOC1−3アルキル、C1−3アルキレンOC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンNHC1−3アルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)、C1−3アルキレンNHC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(C0−3アルキレン)G2、N(C0−1アルキル)N(C0−1アルキル)、N(C0−3フルオロアルキル)N(C0−1アルキル)、N(C0−1アルキル)N(C0−1アルキル)C0−3フルオロアルキル、N(C0−1アルキル)OC0−1アルキル、N(C0−3フルオロアルキル)OC0−1アルキル、N(C0−1アルキル)OC0−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)G2、(CO)C1−3アルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、(CO)N(C1−3アルキル)、(CO)N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、(CO)N(C4−6アルキレン)、(CO)N(C4−6フルオロアルキレン)、(CO)G2、(CO)NHG2、SONH、SONHC1−3アルキル、SONHC1−3フルオロアルキル、SON(C1−3アルキル)、SON(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、シアノ、SO1−6アルキル、SO1−6フルオロアルキル、SC1−6アルキル、SC1−6フルオロアルキル、N(C4−6アルキレン) 及びG1から選ばれ、ここにG1は
【化4】

であり;
【0017】
は、O、NH、NC1−3アルキル、N(CO)OC1−4アルキル、N(CO)C1−4アルキル、N(CO)C1−4フルオロアルキル 及びNC1−3フルオロアルキルから選ばれ;
G2は、フルオロ、ブロモ、ヨード、メチル及びメトキシから選ばれる置換基で場合により置換される、フェニル又は5若しくは6員芳香族複素環であり;
R4は、H又はハロであり;
R5は、H又はハロであり;
R6は、H、メチル及びC1−4フルオロアルキルから選ばれ;そして
構成原子の1つ又はそれ以上は、場合により検出可能な同位体である]
の化合物、又はその医薬上許容しうる塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物が提供される。
【0018】
本発明の別の側面において、R1がH、ハロ、メチル、C1−5フルオロアルキル、ヒドロキシ、メトキシ、C1−5フルオロアルコキシ、チオメチル、C1−5Sフルオロアルキル、アミノ、NHメチル、NHC1−3フルオロアルキル、N(CH)CH、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルコキシ、NH(CO)C1−3フルオロアルコキシ、NHSO1−3アルキル、NHSO1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、シアノ、SONHC1−3フルオロアルキル、ニトロ及びSONHから選ばれるか;又は
R1及びR2が一緒になって環
【化5】

を形成する、式Iaの化合物が提供される。
【0019】
本発明の別の側面において、R1がH、フルオロ、ブロモ、ヨード、C1−5フルオロアルキル、ヒドロキシ、メトキシ、シアノ、C1−5フルオロアルコキシ、チオメチル、アミノ、NHメチル、NHC1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)C1−3アルコキシ及び(CO)NHから選ばれる、式Iaの化合物が提供される。
【0020】
本発明の別の側面において、R1がヒドロキシ及びメトキシから選ばれる、式Iaの化合物が提供される。
【0021】
本発明の別の側面において、R2がH、フルオロ、ヨード、C1−5フルオロアルキル、ヒドロキシ、メトキシ 及びチオメチルから選ばれる、式Iaの化合物が提供される。
【0022】
本発明の別の側面において、R2がH、フルオロ、ヒドロキシ及びメトキシから選ばれる、式Iaの化合物が提供される。
【0023】
本発明の別の側面において、R2がHである、式Iaの化合物が提供される。
【0024】
本発明の別の側面において、QがHet1〜Het4及びHet6から選ばれる、式Iaの化合物が提供される。
【0025】
本発明の別の側面において、QがHet5、Het7及びHet8から選ばれる、式Iaの化合物が提供される。
【0026】
本発明の別の側面において、QがHet1及びHet2から選ばれる、式Iaの化合物が提供される。
【0027】
本発明の別の側面において、QがHet2であり、そしてR6がHである、式Iaの化合物が提供される。
【0028】
本発明の別の側面において、QがHet1である、式Iaの化合物が提供される。
【0029】
本発明の別の側面において、Het1がピリジン環であり、ここにX及びXがN又はCから独立して選ばれ、及びここにX及びXの一方がNであり、及びここにX、X、X及びXの残りがCである、式Iaの化合物が提供される。
【0030】
本発明の別の側面において、Het1がピリジン環であり、ここにXがNであり、及びここにX、X及びXがCである、式Iaの化合物が提供される。
【0031】
本発明の別の側面において、Het1がピリジン環であり、ここにXがNであり、及びここにX、X及びXがCである、式Iaの化合物が提供される。
【0032】
本発明の別の側面において、Het1がピリミジン環であり、ここにX及びXがN又はCから独立して選ばれ、及びここにX及びXの一方がNであり;及びここにX及びXがN又はCから独立して選ばれ、及びここにX及びXの一方がNである、式Iaの化合物が提供される。
【0033】
本発明の別の側面において、Het1がピリミジン環であり、ここにX及びXがNであり、及びここにX及びXがCである、式Iaの化合物が提供される。
【0034】
本発明の別の側面において、R4がHである、式Iaの化合物が提供される。
【0035】
本発明の別の側面において、R4がフルオロである、式Iaの化合物が提供される。
【0036】
本発明の別の側面において、R5がフルオロ及びクロロから選ばれる、式Iaの化合物が提供される。
【0037】
本発明の別の側面において、
R3がC1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)G2、(CO)NH、SO1−4アルキル、SC1−4アルキル、SC1−6フルオロアルキル、N(C4−6アルキレン)及びG1
【化6】

から選ばれ;
がO、NH、NC1−3アルキル及びN(CO)Ot−ブチルから選ばれ;
G2がフルオロ及びヨードから選ばれる置換基で場合により置換されるフェニルである、式Iaの化合物が提供される。
【0038】
本発明の別の側面において、R3がC1−4アルコキシ、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)及びG1
【化7】

から選ばれ;
がO、NH及びN(CO)Ot−ブチルから選ばれる、式Iaの化合物が提供される。
【0039】
23.前記C1−4アルコキシがメトキシを表し;前記NHC1−3アルキルがNHCH3を表し、そして前記N(C1−3アルキル)がN(メチル)を表す、請求項21に記載の化合物。
【0040】
本発明の別の側面において、化合物が以下から選ばれる、式Iaの化合物が提供される:
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】
【表3】

【0044】
本発明の別の側面において、化合物が以下から選ばれる、式Iaの化合物が提供される:
【表4】

【0045】
本発明の別の側面において、分子の1つ又はそれ以上の原子が検出可能な同位体を表す、式Iaの化合物が提供される。
【0046】
この側面の一実施態様において、構成原子の1〜6個は検出可能な同位体Hであるか、又は構成原子の1〜3個は19F及び13Cから選ばれる検出可能な同位体であるか、又は構成原子の1個は18F、11C、75Br、76Br、120I、123I、125I、131I及び14Cから選ばれる検出可能な同位体である。
【0047】
この側面の別の実施態様において、構成原子の1〜6個は検出可能な同位体Hであるか、又は構成原子の1〜3個は検出可能な同位体19Fであるか、又は構成原子の1個は18F、11C及び123Iから選ばれる検出可能な同位体である。
【0048】
この側面の別の実施態様において、構成原子の1〜6個は検出可能な同位体Hであるか、又は構成原子の1〜3個は検出可能な同位体19Fであるか、又は構成原子の1個は18F及び11Cから選ばれる検出可能な同位体である。
【0049】
この側面の別の実施態様において、構成原子の1つは検出可能な同位体11Cである。
【0050】
この側面の別の実施態様において、構成原子の1個は検出可能な同位体18Fである。
【0051】
本発明の別の側面において、遊離塩基としての式Ib
【化8】

[式中、
R7は、OSi(G3)、OCHG4、OG5、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選ばれ;
R8は、OSi(G3)、OCHG4、OG5、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選ばれ;
G3は、C1−4アルキル 及びフェニルから選ばれ;
G4は、2−(トリメチルシリル)エトキシ、C1−3アルコキシ、2−(C1−3アルコキシ)エトキシ、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、ビニル、フェニル、p−メトキシフェニル、o−ニトロフェニル、及び9−アントリルから選ばれ;
G5は、テトラヒドロピラニル、1−エトキシエチル、フェナシル、4−ブロモフェナシル、シクロヘキシル、t−ブチル、t−ブトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル及びトリフェニルメチルから選ばれ;
IG6は、ヨードニウム塩の構成要素であり、ここにヨード原子は超原子価であり、正の形式荷電を有し、そしてここにG6はメチル及びブロモから選ばれる1つの置換基で場合により置換される、フェニルであり;
【0052】
QXは、Q1及びQ2
【化9】

から選ばれる窒素含有芳香族複素環であり;
ここにQ1は、1又は2個のN原子を含む6員芳香族複素環であり、ここにX、X、X及びXは、N又はCから独立して選ばれ、及びここにX、X、X及びXの1個又は2個はNであり、そして残りはCであり、及びここにすべての上記Cは、R9で場合により置換され;
R9は、H、ブロモ、ヨード、フルオロ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選ばれ;
R10は、アミノ、アミノメチル、ジメチルアミノ、メトキシ、ヒドロキシ及びO(CHG7から選ばれ;
G7は、ブロモ、ヨード、OSOCF、OSOCH及びOSOフェニルから選ばれ、該フェニルはメチル又はブロモで場合により置換される]
の化合物、又はその塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物が提供される。
【0053】
本発明の別の側面において、遊離塩基としての式Ib
【化10】

[式中、
R7は、OSi(G3)、OCHG4、OG5、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選ばれ;
R8は、OSi(G3)、OCHG4、OG5、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選ばれ;
G3は、C1−4アルキル 及びフェニルから選ばれ;
G4は、2−(トリメチルシリル)エトキシ、C1−3アルコキシ、2−(C1−3アルコキシ)エトキシ、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、ビニル、フェニル、p−メトキシフェニル、o−ニトロフェニル、及び9−アントリルから選ばれ;
G5は、テトラヒドロピラニル、1−エトキシエチル、フェナシル、4−ブロモフェナシル、シクロヘキシル、t−ブチル、t−ブトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル及びトリフェニルメチルから選ばれ;
IG6は、ヨードニウム塩の構成要素であり、ここにヨード原子は超原子価であり、正の形式荷電を有し、そしてここにG6はメチル及びブロモから選ばれる1つの置換基で場合により置換される、フェニルであり;
【0054】
QXは、Q1及びQ2
【化11】

から選ばれる窒素含有芳香族複素環であり;
ここにQ1は、1又は2個のN原子を含む6員芳香族複素環であり、ここにX、X及びXは、N又はCから独立して選ばれ、及びここにX、X及びXの1又は2個はNであり、そして残りはCであり、そしてXがCであるとき、該CはR9で場合により置換され;
R9は、H、ブロモ、フルオロ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH
、IG6、N及びニトロから選ばれ;
R10は、アミノ、アミノメチル、ジメチルアミノ、メトキシ、ヒドロキシ及びO(CHG7から選ばれ;
G7は、ブロモ、ヨード、OSOCF、OSOCH及びOSOフェニルから選ばれ、該フェニルはメチル又はブロモで場合により置換される]
の化合物、又はその塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物が提供される。
【0055】
本発明の別の側面において、
R7は、OSi(G3)、OCHG4、OG5、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選ばれ;
R8は、OSi(G3)、OCHG4、OG5、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選ばれ;
G3は、C1−4アルキル 及びフェニルから選ばれ;
G4は、2−(トリメチルシリル)エトキシ、C1−3アルコキシ、2−(C1−3アルコキシ)エトキシ、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、ビニル、フェニル、p−メトキシフェニル、o−ニトロフェニル、及び9−アントリルから選ばれ;
G5は、テトラヒドロピラニル、1−エトキシエチル、フェナシル、4−ブロモフェナシル、シクロヘキシル、t−ブチル、t−ブトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル及びトリフェニルメチルから選ばれ;
IG6は、ヨードニウム塩の構成要素であり、ここにヨード原子は超原子価であり、正の形式荷電を有し、そしてここにG6はメチル及びブロモから選ばれる1つの置換基で場合により置換される、フェニルであり;
【0056】
QXは、Q1及びQ2
【化12】

から選ばれる窒素含有芳香族複素環であり、
ここにQ1は、1又は2個のN原子を含む6員芳香族複素環であり、ここにX、X及びXは、N又はCから独立して選ばれ、及びここにX、X及びX の1又は2個はNであり、そして残りはCであり、そしてXがCであるとき、該CはR9で場合により置換され;
R9は、H、ブロモ、フルオロ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選ばれ;
R10は、アミノ、アミノメチル、ジメチルアミノ、メトキシ、ヒドロキシ及びO(CHG7から選ばれ;
G7は、ブロモ、ヨード、OSOCF、OSOCH及びOSOフェニルから選ばれ、該フェニルは、メチル又はブロモで場合により置換される;
遊離塩基としての式Ibの化合物、又はその塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物が提供される。
【0057】
本発明の別の側面において、R7がOSi(G3)であり;R8がHであり;QXがQ1であり;R10がアミノメチル及びヒドロキシから選ばれる、式Ibの化合物が提供される。
【0058】
本発明の別の側面において、R7がHであり;R8がOSi(G3)であり;QXがQ1であり;そしてR10がアミノメチル及びヒドロキシから選ばれる、式Ibの化合物が提供される。
【0059】
本発明の別の側面において、R7がOSi(G3)、ヒドロキシ及びメトキシから選ばれ;R8がHであり;QXがQ1であり;そしてR10がO(CHG7である、式Ibの化合物が提供される。
【0060】
本発明の別の側面において、R7がHであり;R8がOSi(G3)、ヒドロキシ及びメトキシから選ばれ;QXがQ1であり;そしてR10がO(CHG7である、式Ibの化合物が提供される。
【0061】
本発明の別の側面において、R7がヒドロキシであり;R8がHであり;R10がジメチルアミノ及びメトキシから選ばれる、式Ibの化合物が提供される。
【0062】
本発明の別の側面において、R7がHであり;R8がヒドロキシであり;そしてR10がジメチルアミノ及びメトキシから選ばれる、式Ibの化合物が提供される。
【0063】
本発明の別の側面において、R7がアミノ 及びSn(C1−4アルキル)から選ばれ;R8がHであり;QXがQ1であり;そしてR10がジメチルアミノ及びメトキシから選ばれる、式Ibの化合物が提供される。
【0064】
本発明の別の側面において、R7がHであり;R8がアミノ及びSn(C1−4アルキル)から選ばれ;QXがQ1であり;そしてR10がジメチルアミノ及びメトキシから選ばれる、式Ibの化合物が提供される。
【0065】
本発明の別の側面において、R7がOSi(G3)、ヒドロキシ及びメトキシから選ばれ;R8がブロモ、フルオロ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選ばれ;そしてR10がアミノメチル、ジメチルアミノ及びメトキシから選ばれる、式Ibの化合物が提供される。
【0066】
本発明の別の側面において、R7がブロモ、フルオロ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選ばれ;R8がOSi(G3)、ヒドロキシ及びメトキシから選ばれ;そしてR10がアミノメチル、ジメチルアミノ及びメトキシから選ばれる、式Ibの化合物が提供される。
【0067】
本発明の別の側面において、R9がHである、式Ibの化合物が提供される。
【0068】
本発明の別の側面において、R7がOSi(G3)、ヒドロキシ及びメトキシから選ばれ;R8がHであり;QXがQ1であり;XがCであり、そしてR9で置換され;そしてR10がアミノメチル、ジメチルアミノ及びメトキシから選ばれる、式Ibの化合物が提供される。
【0069】
本発明の別の側面において、R7がHであり;R8がOSi(G3)、ヒドロキシ及びメトキシから選ばれ;QXがQ1であり;XがCであり;R9がフルオロであり;そしてR10がアミノメチル、ジメチルアミノ及びメトキシから選ばれる、式Ibの化合物が提供される。
【0070】
本発明の別の側面において、X及びXがCであり;そしてXがNである、式Ibの化合物が提供される。
【0071】
本発明の別の側面において、X及びXがCであり;そしてXがNである、式Ibの化合物が提供される。
【0072】
本発明の別の側面において、X及びXがNであり;そしてXがCである、式Ibの化合物が提供される。
【0073】
本発明の別の側面において、R7がヒドロキシ及びメトキシから選ばれ;R8がH及びフルオロから選ばれ;QXがQ1であり、ここにQ1は1又は2個のN原子を含む6員芳香族複素環であり、ここにX、X及びXが、N又はCから独立して選ばれ、及びここにX、X及びXの1又は2個がNであり、そして残りがCであり、そしてXがCであるとき、該CはR9で場合により置換され;R9はフルオロを表し;そしてR10がアミノメチル、ジメチルアミノ、メトキシから選ばれる、式Ibの化合物が提供される。
【0074】
本発明の別の側面において、化合物が以下から選ばれる式Ibの化合物が提供される:
【表5】

【0075】
本発明の別の側面において、化合物が以下から選ばれる、式Ibの化合物が提供される:
【表6】

【0076】
本発明の別の側面において、化合物が以下である式Ibの化合物が提供される:
【化13】

【0077】
本発明の別の側面において、標識が1つの[11C]メチル基によって構成される、式Iaの標識化合物の製造方法における合成前駆体としての式Ibの化合物の使用が提供される。
【0078】
本発明の別の側面において、標識が18F原子によって構成される、式Iaの標識化合物の製造方法における合成前駆体としての式Ibの化合物の使用が提供される。
【0079】
本発明の別の側面において、標識が120I、123I、125I及び131Iから選ばれる1個の原子によって構成される、式Iaの標識化合物の製造方法における合成前駆体としての式Ibの化合物の使用が提供される。
【0080】
本発明の別の側面において、式Iaの化合物を薬学的に許容しうる担体と一緒に含む薬剤組成物が提供される。
【0081】
本発明の別の側面において、式Iaの放射性標識化合物を薬学的に許容しうる担体と共に含む、アミロイド沈着をインビボ画像化するための薬剤組成物が提供される。
【0082】
本発明の別の側面において、(a)式Iaの放射性標識化合物を薬学的に許容しうる担体と一緒に含む薬剤組成物の検出可能な量を投与し、そして(b)被験者におけるアミロイド沈着への化合物の結合を検出する工程を含む、被験者におけるアミロイド沈着のインビボ測定方法が提供される。前記検出は、ガンマ画像化、磁気共鳴画像化及び磁気共鳴分光法から選ばれる技術群によって行なわれる。前記被験者は、アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群及びアポリポ蛋白E4対立遺伝子のホモ接合体からなる群より選ばれる疾患又は症候群を有することが疑われる。
【0083】
本発明の別の側面において、治療に使用するための式Iaの化合物が提供される。
【0084】
本発明の別の側面において、アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群及びアポリポ蛋白E4対立遺伝子のホモ接合体を予防及び/又は治療するための薬剤の製造における式Iaの化合物の使用が提供される。
【0085】
本発明の別の側面において、アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群及びアポリポ蛋白E4対立遺伝子のホモ接合体の予防及び/又は治療を必要とするヒトを含む哺乳動物に式Iaの化合物の治療上有効量を投与することを含む、アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群及びアポリポ蛋白E4対立遺伝子のホモ接合体の予防及び/又は治療方法が提供される。
【0086】
定義
本明細書に使用されるように、単独で又は接尾辞若しくは接頭辞として用いられる「アルキル」、「アルキレニル」又は「アルキレン」は、1〜12個の炭素原子を有する分枝鎖及び直鎖両方の脂肪族飽和炭化水素を含むものとし、又は特定の炭素原子数が与えられている場合、その特定の数を指すものとする。例えば、「C1−6アルキル」は1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を有するアルキルを意味する。アルキル基を意味する特定の数が整数0(ゼロ)であるとき、
水素原子がそのアルキル基の位置で置換基としてあるものとする。例えば、「N(Cアルキル)」は、「NH」(アミノ)に相当する。アルキレニル又はアルキレン基を意味する特定の数が整数0(ゼロ)であるとき、結合は、アルキレニル又はアルキレン基が置換される基を連結するものとする。例えば、「NH(C0アルキレン)NH」は「NHNH」(ヒドラジノ)に相当する。本明細書に使用されるように、アルキレン又はアルキレニル−基によって連結される基は、アルキレン又はアルキレニル基の最初の及び最後の炭素に結合するものとする。メチレンの場合、最初の及び最後の炭素は同じである。例えば、「N(Cアルキレン)」、「N(Cアルキレン)」及び「N(Cアルキレン)NH」は、それぞれピロリジニル、ピペリジニル及びピペラジニルに相当する。
【0087】
アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル及びヘキシルが含まれるが、これらに限定されない。
【0088】
アルキレン又はアルキレニルの例としては、メチレン、エチレン、プロピレン及びブチレンが含まれるが、これらに限定されない。
【0089】
本明細書に使用されるように、「アルコキシ」又は「アルキルオキシ」は、示された数の炭素原子が酸素橋を通して結合される、上に定義されたアルキル基を意味する。アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、シクロプロピルメトキシ、アリルオキシ及びプロパルギルオキシが含まれるが、これらに限定されない。同様に、「アルキルチオ」又は「チオアルコキシ」は、示された数の炭素原子が硫黄橋を通して結合される、上に定義されたアルキル基を表す。
【0090】
本明細書に使用されるように、単独で又は接尾辞若しくは接頭辞として使用される「フルオロアルキル」、「フルオロアルキレン」及び「フルオロアルコキシ」は、対応するアルキル、アルキレン及びアルコキシ基の炭素に結合した1、2又は3個の水素がフルオロによって置き換えられた基のことである。フルオロアルキルの例としては、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−フルオロエチル及び3−フルオロプロピルが含まれるが、これらに限定されない。
【0091】
フルオロアルキレンの例としては、ジフルオロメチレン、フルオロメチレン、2,2−ジフルオロブチレン及び2,2,3−トリフルオロブチレンが含まれるが、これらに限定されない。
【0092】
フルオロアルコキシの例としては、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、3,3,3−トリフルオロプロポキシ及び2,2−ジフルオロプロポキシが含まれるが、これらに限定されない。
【0093】
本明細書で使用されるとき、「芳香族」は、芳香族の特徴(例えば、4n+2個の非局在化電子、ここで「n」は整数である)を有し、そして約14個までの炭素原子を含む1つ又はそれ以上の不飽和炭素環を有する炭化水素1価基(hydrocarbonyl)のことである。さらに、「複素芳香族」は、芳香族の特徴(例えば、4n+2個の非局在化電子)を有する、炭素及び1つ又はそれ以上のヘテロ原子、例えば窒素、酸素又は硫黄を含む1つ又はそれ以上の不飽和環を有する基のことである。
【0094】
本明細書で使用されるとき、用語「アリール」は、5〜14個の炭素原子で構成される芳香族環構造のことである。5、6、7及び8個の炭素原子を含む環構造は、単環芳香族基、例えばフェニルである。8、9、10、11、12、13又は14個を含む環構造は、多環式、例えばナフチルである。芳香族環は、上記のような置換基で1つ又はそれ以上の環位置で置換され得る。また、用語「アリール」には、2つ又はそれ以上の炭素を2つの隣接する環(環は「縮合環」である)が共有する2つ又はそれ以上の環式環を有し、その際、少なくとも1つの環が芳香族であり、例えば他の環式環がシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール及び/又はヘテロシクリルであることができる多環式環系が含まれる。用語オルト、メタ及びパラは、それぞれ、1,2−、1,3−及び1,4−二置換されたベンゼン誘導体に当てはまる。例えば、名称1,2−ジメチルベンゼンとオルト−ジメチルベンゼンは、同義である。
【0095】
本明細書に使用されるように、用語「シクロアルキル」を特定された炭素原子数を有する飽和環基を含むものとする。これらは、縮合又は架橋された多環式系を含んでもよい。好ましいシクロアルキルは、その環構造中に3〜10個の炭素原子を有し、そしてより好ましくは環構造中に3、4、5及び6個の炭素を有する。例えば、「C3−6シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルのような基を意味する。
【0096】
本明細書に使用されるように、ハロ又はハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのことである。「対イオン」は、例えば負に荷電した小さな種、例えばクロリド、ブロミド、ヒドロキシド、アセテート、スルフェート、トシレート、ベンゼンスルホネート、及び同種のものを表すのに用いられる。
【0097】
本明細書で使用されるとき、用語「ヘテロシクリル」又は「複素環の」又は「複素環」は、3〜20個の原子を含み、そのうちの1、2、3、4又は5個の環原子が窒素、硫黄又は酸素から選ばれ、それらは、他の特定がない限り、炭素又は窒素に結合していてもよく、ここにCH基は、場合によりC(O)によって置き換えられ;そしてここで、特に逆のことが述べられない限り、環窒素又は硫黄原子は、場合により酸化されてN−オキシド若しくはSオキシドを形成するか、又は環窒素は場合により四級化され;ここに環−NHは、アセチル、ホルミル、メチル又はメシルによって場合により置換され;そして環は1つ又はそれ以上のハロによって場合により置換される、飽和、不飽和又は部分飽和の、単環式、二環式又は三環式環(他の記述がない限り)のことである。当然ながら、ヘテロシクリル中のS及びO原子の総数が1を超えるとき、これらのヘテロ原子は互いに隣接しない。前記ヘテロシクリル基が二又は三環式である場合、少なくとも1つの環は、場合により複素芳香族又は芳香族環であってもよいが、但し、少なくとも1つの環は非複素芳香族である。前記ヘテロシクリル基が単環式である場合、それは芳香族であることはできない。ヘテロシクリルの例としては、ピペリジニル、N−アセチルピペリジニル、N−メチルピペリジニル、N−ホルミルピペラジニル、N−メシルピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、モルホリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、インドリニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロ−2H−ピラニル、テトラヒドロフラニル及び2,5−ジオキソイミダゾリジニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0098】
本明細書に使用されるように、「ヘテロアリール」は、少なくとも1つのヘテロ原子環員、例えば硫黄、酸素又は窒素を有する複素芳香族複素環のことである。ヘテロアリール基は、単環式及び多環式(例えば、2、3又は4個の縮合環を有する)系を含む。ヘテロアリール基の例としては、ピリジル(すなわちピリジニル)、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル(すなわちフラニル)、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル、ピロリル(pyrryl)、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、プリニル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリニル及び同種のものが含まれるが、これらに限定されない。
【0099】
本明細書に使用されるように、語句「保護する基」又は「保護基」は、潜在的に反応性の官能基を望ましくない化学変換から保護する一時的な置換基を意味する。このような保護基の例としては、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、並びにそれぞれアルデヒド及びケトンのアセタール及びケタールが含まれる。保護基のサブグループは、求核性ヒドロキシ基をアルキル化から保護し、それにより塩基性条件下で同じ分子中に存在するアミノ基の選択的N−アルキル化を可能にするものである。このような保護基の例としては、メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、アルコキシメチル及びt−ブチルジメチルシリル含まれるが、これらに限定されない。
【0100】
本明細書に使用されるように、「薬学的に許容しうる」は、的確な医学的判断の範囲内で、理にかなったベネフィット/リスク比に相応して過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症がなく、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適したそれらの化合物、物質、組成物、及び/又は投与形態を言及するのに使用される。
【0101】
本明細書に使用されるように、「薬学的に許容しうる塩」は、親化合物をその酸性又は塩基性塩にすることによって修飾された開示化合物の誘導体のことである。薬学的に許容しうる塩の例としては、塩基性残基、例えばアミンの鉱酸又は有機酸塩;酸性残基、例えばカルボン酸のアルカリ又は有機塩;などが含まれるが、これらに限定されない。薬学的に許容しうる塩には、例えば非毒性の無機又は有機酸から形成された、親化合物の従来の非毒性塩又は第四級アンモニウム塩が含まれる。例えば、このような従来の非毒性塩には、無機酸、例えば塩酸、リン酸などから誘導されたもの;及び有機酸、例えば乳酸、マレイン酸、クエン酸、安息香酸、メタンスルホン酸などから製造された塩が含まれる。
【0102】
本発明の薬学的に許容しうる塩は、従来の化学的方法によって塩基性又は酸性部分を含む親化合物から合成することができる。一般に、このような塩は、水中若しくは有機溶媒中、又はその2つの混合物中でこれらの化合物の遊離酸又は遊離塩基形態を化学量論量の適当な塩基又は酸と反応させることによって製造することができ;一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール又はアセトニトリルのような非水媒体が用いられる。
【0103】
本明細書に使用されるように、「インビボ加水分解可能な前駆体」は、カルボキシ又はヒドロキシ基を含む本発明の化合物のインビボ加水分解可能な(又は開裂可能な)エステルを意味する。例えば、アミノ酸エステル、C1−6アルコキシメチルエステル、例えばメトキシメチル;C1−6アルカノイルオキシメチルエステル、例えばピバロイルオキシメチル;C3−8シクロアルコキシカルボニルオキシC1−6アルキルエステル、例えば1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル、アセトキシメトキシ、又はホスホルアミド酸環状エステル。
【0104】
本明細書に使用されるように、「互変異性体」は、水素原子の移動から生じる平衡状態で存在する別の構造異性体を意味する。例えば、生成する化合物がケトン及び不飽和アルコールの両方の性質を有するケト−エノール互変異性。
【0105】
本明細書に使用されるように、「安定化合物」及び「安定な構造」は、反応混合物から有用な純度で単離し、その後冷たい又は周囲温度で長期的に保存し、そして有効な治療上の又は診断上の薬剤に場合により処方しても、残存するのに十分に強い化合物を示すことを意味する。
【0106】
本発明の化合物には、水和物及び溶媒和物がさらに含まれる。
【0107】
本発明には、本発明の同位体標識化合物が含まれる。「同位体で標識化された」、「放射性標識化された」、「標識化された」、「検出可能な」若しくは「検出可能なアミロイド結合」化合物、又は「放射性リガンド」は、1つ又はそれ以上の原子が、自然界で典型的に見出される(すなわち、自然に存在する)原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置き換えられた又は置換された本発明の化合物である。1つの非限定的な例外は、自然に存在するものより高度に富化(enrichment)することなくこの元素を含む分子の検出を可能にする19Fである。従って、置換基19Fを担持する化合物も、また「標識化された」などとして見なされる。本発明の化合物中に組み込むことができる適切な放射性核種(すなわち「検出可能な同位体」)としては、H(重水素についてはDとも表記される)、H(トリチウムについてはTとも表記される)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl,82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125I及び131Iが含まれるが、これらに限定されない。本発明の同位体標識化合物は、特定の適用に適した技術で検出を可能にする程度まで又はそれ以上に検出可能な同位体で富化されている(enriched)だけでよく、例えば11Cで標識化された本発明の検出可能な化合物において、標識化合物の標識化された基の炭素原子は、分子の画分中12C又は他の炭素同位体によって構成されていてもよいことを当然理解すべきである。本放射性標識化合物中に組み込まれる放射性核種は、その放射性標識化合物の特定の適用に左右される。例えば、インビトロのプラーク又は受容体標識化及び競合アッセイには、H、14C又は125Iを組み込んだ化合物が一般に最も有用である。インビボ画像化用途には、11C、13C、18F、19F、120I、123I、131I、75Br又は76Brが一般に最も有用である。
【0108】
「有効量」の例としては、インビボでアミロイド沈着の画像化を可能にし、薬剤使用のための許容しうる毒性及び生物学的利用能レベルが得られ、及び/又はフィブリル形成と関連する細胞変性及び毒性を予防する量が含まれる。
【0109】
また、本発明は、アミロイド造影剤及びこのようなものを製造する合成前駆体化合物として放射性標識化されたヘテロアリール置換されたイミダゾピリジンを提供する。
【0110】
使用方法
本発明の化合物は、動物又はヒトの脳を含む臓器又は身体領域における1つ又はそれ以上のアミロイド沈着の存在、場所及び/又は量を測定するために用いることができる。アミロイド沈着には、Aβの沈着が含まれるが、これに限定されない。さらに、追跡しようとするアミロイド沈着の時系列を可能にする際、アミロイド沈着を疾患、障害又は状態と関連する臨床症状の発症と相関させるために本発明の化合物を用いることができる。最終的に、本発明の化合物は、アミロイド沈着を特徴とする疾患、障害又は状態、例えばAD、家族性AD、ダウン症候群、アミロイドーシス及びアポリポ蛋白E4対立遺伝子のホモ接合体を治療及び診断するために用いることができる。
【0111】
本発明の方法は、患者の臓器又は身体領域、好ましくは脳におけるアミロイド沈着の存在及び場所を測定する。本方法は、「検出可能な化合物」と呼ばれる本発明のアミロイド−結合化合物又はその薬学的に許容しうる水溶性塩を含む薬剤組成物の検出可能な量を患者に投与することを含む。「検出可能な量」は、投与される検出可能な化合物の量が化合物のアミロイドへの結合を検出可能にするために十分であることを意味する。「画像化有効量」は、投与される検出可能な化合物の量が化合物のアミロイドへの結合を画像化可能にするために十分であることを意味する。
【0112】
本発明は、アミロイドプローブを使用し、これは非侵襲性の神経画像化技術、例えば磁気共鳴分光法(MRS)若しくは画像化(MINI)、又はガンマ画像化、例えば陽電子放出断層撮影法(PET)又は単一光子放射形コンピュータ断層撮影法(SPECT)と共に使用してインビボアミロイド沈着を定量化する。用語「インビボ画像化」又は「画像化」は、本明細書に記載された標識化されたヘテロアリール置換されたイミダゾピリジン誘導体の検出を可能にする任意の方法のことである。ガンマ画像化では、試験する臓器又は領域から放射される放射線を測定し、そして全結合量又は比率として表し、その際、1つ組織中の全結合量を同じインビボ画像化手法の同じ被験者の別の組織中の全結合量に対して正規化する(例えば、分割する)。インビボ全結合量は、同一量の標識化合物を、大過剰の、正規化されてないが、その他の点では化学的に同一の化合物と共に二次的な注入をすることによる補正の必要なしに、インビボ画像化技術によって組織で検出される全シグナルとして定義される。「被験者」は、哺乳動物、好ましくはヒト、そして最も好ましくは認知症を有すると疑われるヒトである。
【0113】
インビボ画像化の目的では、利用可能な検出機器のタイプは、所定の標識を選ぶ際の主要な要因となる。例えば、放射性同位体及び19Fは、本発明の方法におけるインビボ画像化に特に適している。使用する機器のタイプにより、放射性核種又は安定同位体の選択が導かれる。例えば、選択される放射性核種は、所定の機器のタイプによって検出可能な一種の崩壊がなければならない。
【0114】
別の要件は、放射性核種の半減期に関連する。半減期は、ターゲットによって最大取り込み時にまだ検出可能であるように十分長くなければならないが、しかし、ホストが有害な放射線を受けないように十分短くなければならない。本発明の放射性標識化合物は、ガンマ画像化を用いて検出することができ、ここに、適切な波長の放射されたガンマ照射が検出される。ガンマ画像化の方法としては、SPECT及びPETが含まれるが、これらに限定されない。SPECT検出では、選ばれた放射標識は粒子放射を欠くが、140〜200keVの範囲の多数の光子を産生することが好ましい。
【0115】
PET検出では、放射標識は、陽電子を放射する放射性核種、例えば18F又は11Cとなり、これらは消滅して、PETカメラで検出される2つのガンマ線を形成する。
【0116】
本発明では、インビボ画像化及びアミロイド沈着の定量に有用であるアミロイド結合化合物/プローブが作られる。これらの化合物は、非侵襲性の神経画像化技術、例えば磁気共鳴分光法(MRS)若しくは画像化(MRI)、陽電子放射断層撮影法(PET)、及び単一光子放射形コンピュータ断層撮影法(SPECT)と共に使用することになっている。本発明によれば、ヘテロアリール置換されたイミダゾピリジン誘導体は、当分野で知られている一般的な有機化学技術によってMRS/MRI用に19F又は13Cで標識化することができる。また、化合物は、当分野でよく知られている技術によってPET用に18F、11C、75Br、76Br又は120Iで放射性標識化することができ、そしてFowler, J.及びWolf, A.によって“Positron Emisssion Tomography and Autoradiography”391−450 (Raven Press, 1986)に記載されている。また、化合物は、当分野で知られているいくつかの技術のいずれかによってSPECT用に123I及び131Iで放射性標識化することができる。例えば、Kulkarni, Int. J. Rad. Appl. &Inst. (Part B) 18: 647 (1991)参照。化合物は、知られている金属放射標識、例えばテクネチウム−99m(99mTc)で放射性標識化することができる。このような金属イオンを結合するリガンドを導入するための置換基の修飾は、放射性標識分野の当業者により過度な実験を必要とすることなしに達成することができる。次いで、金属放射性標識化合物を用いてアミロイド沈着を検出することができる。Tc−99mの放射性標識化された誘導体を製造することは、当分野でよく知られている。例えば、Zhuang et al. Nuclear Medicine & Biology 26(2): 217−24, (1999); Oya et al. Nuclear Medicine &Biology 25(2) : 135−40, (1998), 及び Hom et al. Nuclear Medicine &Biology 24(6): 485−98, (1997)参照。さらに、化合物は、インビトロ及び死後の試料においてアミロイドプラークを検出するため当業者によくしられた方法によってH、14C及び125Iで標識化することができる。さらにまた、本発明の蛍光化合物は、蛍光検出に基づくよく知られた技術を使用することによって、インビトロの及び死後の試料中に存在するプラークを検出するために使用することができる。
【0117】
本発明の方法は、インビボ画像化及び分光法の目的のためには、核磁気共鳴分光法によって検出可能な同位体を使用することができる。特に磁気共鳴分光法に有用な元素としては、19F及び13Cが含まれる。
【0118】
本発明の目的に適した放射性同位体としては、ベータ放射体、ガンマ放射体、陽電子放射体及びX線放射体が含まれる。これらの放射性同位体には、120I、123I、131I、125I、18F、11C、75Br及び76Brが含まれる。本発明により磁気共鳴画像法(MRI)又は分光法(MRS)に使用するのに適した安定同位体としては、19F及び13Cが含まれる。生検又は死後組織のホモジネートにおけるアミロイドのインビトロ定量に適した放射性同位体としては、125I、14C及びHが含まれる。好ましい放射標識は、PETインビボ画像化に使用するための11C及び18F、SPECT画像化に使用するための123I、MRS/MRI用の19F、及びインビトロ研究用のH及び14Cである。しかしながら、本発明によれば、診断上のプローブを視覚化するための任意の従来の方法を使用することができる。
【0119】
本発明の化合物は、当業者に知られている任意の手段によって投与することができる。例えば、動物への投与は、局所的又は全身的であることができ、そして経口的に、非経口的に、吸入スプレーによって、局所的に、直腸に、鼻腔内に、口腔に(buccally)、経膣的に、又は移植されたリザーバーを経て実施する。本明細書に使用される用語「非経口」には、皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、くも膜下腔内、心室内、胸骨内、頭蓋内、並びに骨内注射及び注入技術が含まれる。
【0120】
正確な投与プロトコールは、患者の年齢、体重、健康状態、性別及び食事を含む種々の要因に応じて変化し;具体的な投与手法の決定は、当業者にとって型どおりのことである。
【0121】
本発明の化合物の約0.001μg/kg/日〜約10,000mg/kg/日のオーダーの用量レベルが本発明の方法にとって有用である。一実施態様において、用量レベルは、約0.001μg/kg/日〜約10g/kg/日である。別の実施態様において、用量レベルは、約0.01μg/kg/日〜約1.0g/kg/日である。さらに別の実施態様において、この用量レベルは、約0.1mg/kg/日〜約100mg/kg/日である。
【0122】
任意の特定の患者にとっての特定の用量レベルは、使用する特定の化合物の活性及び起り得る毒性;患者の年齢、体重、健康状態、性別及び食事;投与の回数;排泄の速度;薬物の組み合わせ;及び投与形態を含む種々の要因に応じて変化する。典型的には、インビトロ用量−効果の結果により患者に投与する適切な用量における有用なガイダンスが得られる。また、動物モデルにおける研究も役立つ。適切な用量レベルを決定する要件は、当分野でよく知られており、通常の医師のスキルの範囲内にある。
【0123】
薬物送達のタイミング及び順序を調節するための任意の知られている投与処方計画を使用し、必要に応じて繰り返して、本発明の方法の治療を達成することができる。
【0124】
処方計画には、予備治療及び/又はさらなる治療剤を用いた併用投与が含まれうる。
【0125】
一実施態様において、本発明の化合物は、アミロイド沈着を特徴とする疾患、障害又は状態を有することが疑われる推測される又は発症する危険性のある動物に投与される。例えば、動物は高齢者のヒトであってもよい。
【0126】
別の実施態様において、前駆体として有用な化合物及びその製造方法が提供される。このような前駆体は、アミロイド造影剤として放射性標識化されたヘテロアリール置換されたイミダゾピリジンに至る、標識化された分子フラグメントを組込むための合成の出発物質として使用することができる。
【0127】
インビトロでのアミロイド沈着の検出方法
さらに、本発明によれば、
(i)身体組織を本発明の化合物の有効量と接触させ、ここに、化合物を組織中の任意のアミロイド沈着と結合させ;そして(ii)組織中の化合物のアミロイド沈着への結合を検出することを含む、インビトロでのアミロイド沈着の検出方法が提供される。
【0128】
結合は、当分野で知られている任意の手段によって検出することができる。検出手段の例としては、微視的な技術、例えば明視野、蛍光、レーザー共焦点及び交差分極顕微鏡検査法が含まれるが、これらに限定されない。
【0129】
医薬組成物
さらに、本発明によれば、(i)少なくとも1つの本発明の化合物の有効量;及び(ii)薬学的に許容しうる担体:を含む薬剤組成物が提供される。
【0130】
組成物は、1つ又はそれ以上の湿潤剤、緩衝剤、懸濁化剤、滑沢剤、乳化剤、崩壊剤、吸収剤、保存剤、界面活性剤、着色剤、着香剤、甘味剤及び治療剤を含む1つ又はそれ以上のさらなる薬学的に許容しうる成分を含むことができるが、これらに限定されない。
【0131】
組成物は、(1)例えば、水薬(drench)(水性又は非水性の溶液又は懸濁液)、錠剤(例えば、口腔、舌下又は全身吸収に標的化された)、ボーラス剤(bolus)、散剤、顆粒剤、舌に適用するためのパスタ剤、ゼラチン硬カプセル、ゼラチン軟カプセル、マウススプレー、乳剤及びマイクロエマルジョンとして経口投与;(2)例えば、無菌の液剤、懸濁剤又は持続放出製剤として皮下、筋肉内、静脈内又は硬膜外注射による非経口投与;(3)例えばクリーム剤、軟膏剤、放出制御パッチ剤又は皮膚に塗布するスプレー剤として局所適用;(4)例えば、ペッサリー、クリーム剤又は発泡剤として腟内又は直腸内投与;(5)舌下投与;(6)眼球投与;(7)経皮投与;又は(8)鼻腔内投与:のために固体、液体、ゲル又は懸濁液の形態に処方することができる。
【0132】
一実施態様において、組成物は、静脈内投与のために処方され、担体としては、流体及び/又は栄養補給剤が含まれる。別の実施態様において、組成物は、インビボでアミロイドに特異的に結合ができ、血液脳関門を通過することができ、適切な用量レベルで非毒性であり、及び/又は満足な作用の持続時間を有する。さらに別の実施態様において、組成物は、NaClを含むリン酸緩衝液のmL当たりヒト血清アルブミン約10mg及び本発明の化合物約0.0005〜500mgを含む。
【0133】
さらに、本発明によれば、式Iaの化合物、及び少なくとも1つの薬学的に許容しうる担体、賦形剤または添加剤を含む組成物が提供される。
【0134】
さらに、本発明によれば、患者に式Iaの化合物の治療上有効量を投与することを含む、患者におけるAβ関連の病理を治療又は予防する方法が提供される。
【0135】
さらに、本発明によれば、薬剤として使用するための本明細書に記載された化合物が提供される。
【0136】
さらに、本発明によれば、薬剤を製造するための本明細書に記載された化合物が提供される。
【0137】
式Ia及びIbのいくつかの化合物は、立体中心及び/又は幾何異性中心(E及びZ異性体)を有することができ、そして当然ながら本発明はすべてのこのような光学異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、アトロプ異性体及び幾何異性体を包含する。
【0138】
本発明は、上に定義されたような式Iaの化合物及びその塩の使用に関する。薬剤組成物に使用するための塩は、薬学的に医薬上許容しうる塩であるが、他の塩は、式Iaの化合物の製造に有用でありうる。
【0139】
本発明の化合物は、薬剤として使用することができる。いくつかの実施態様において、本発明によれば、薬剤として使用するための式Iaの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、互変異性体若しくはインビボ加水分解可能な前駆体が提供される。いくつかの実施態様において、本発明によれば、Aβ関連の病理を治療又は予防する薬剤として使用するための本明細書に記載された化合物が提供される。いくつかのさらなる実施態様において、Aβ関連の病理は、ダウン症候群、Aβ−アミロイド脈管障害、脳アミロイド脈管障害、遺伝性脳出血、認知障害に関連する障害、MCI(「軽度認知障害」)、アルツハイマー病、記憶消失、アルツハイマー病に関連する注意欠陥症状、アルツハイマー病に関連する神経変性、混合型血管起始の認知症、変性起始の痴呆、初老期認知症、老年認知症、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上性麻痺又は皮質基底核変性症である。
【0140】
製造方法
また、本発明は、遊離塩基、遊離酸としての式Ia及びIbの化合物又はその薬学的に許容しうる塩の製造方法に関する。このような方法の以下の説明を通して、必要に応じて、有機合成の当業者によって容易に理解される方法で適切な保護基を種々の反応体及び中間体に結合させ、続いて除去することを理解すべきである。このような保護基を用いる従来の手法及び適切な保護基の例は、例えば、“Protective Groups in Organic Synthesis”, 3rd ed., T.W. Green, P.G.M. Wuts, Wiley−Interscience, New York (1999)に記載されている。また、化学操作による基又は置換基から別の基又は置換基への変換は、最終生成物へ向かう合成経路上の任意の中間体又は最終生成物において行なうことができ、ここに、可能なタイプの変換は、変換に使用される条件又は試薬に対する、その段階での分子によって担持された他の官能基に固有の不適合性によってのみ制限されると理解すべきである。このような固有の不適合性、並びに適切な順序で適切な変換及び合成工程を行なうことによってそれらを回避する方法は、有機合成の当業者に容易に理解される。変換の例を下に記載し、そして当然ながら記載された変換は、変換が例証された一般的な基又は置換基のみに制限されない。他の適切な変換における参照及び説明は、“Comprehensive Organic Transformations − A Guide to Functional Group Preparations”, 2nd ed., R. C. Larock, Wiley−VCH, New York (1999)に記載されている。他の適切な反応の参照及び説明は、有機化学のテキスト、例えば“March's Advanced Organic Chemistry”, 5th ed., M. B. Smith, J. March, John Wiley & Sons (2001) 又は, “Organic Synthesis”, 2nd ed., M. B. Smith, McGraw−Hill, (2002)に記載されている。中間体及び最終生成物の精製技術としては、例えばカラム又は回転プレート上のストレート相及び逆相クロマトグラフィ、再結晶、蒸留及び液液又は固液抽出が含まれ、それらは当業者によって容易に理解される。置換基及び基の定義は、異なって定義される場合を除き、式Ia及びIb中のとおりである。用語「室温」及び「周囲温度」は、他の特定がない限り、16〜25℃の間の温度を意味する。用語「還流」は、他の特定がない限り、使用する溶媒に関して、指定された溶媒の沸点又はそれより僅かに上の温度を用いることを意味するものとする。当然ながら、マイクロ波が反応混合物の加熱に使用できる。用語「フラッシュクロマトグラフィ」又は「フラッシュカラムクロマトグラフィ」は、移動相として有機溶媒又はその混合物を用いるシリカ上の分取クロマトグラフィを意味するものとする。
【0141】
略語
Ac アセテート;
atm 気圧;
aq. 水性;
Boc t−ブトキシカルボニル;
DBU 1,8−ジアゾビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DCM ジクロロメタン;
DME 1,2−ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド;
DMSO ジメチルスルホキシド;
dppf 1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン;
EA 酢酸エチル;
EtOAc 酢酸エチル;
EtOH エタノール;
EtO ジエチルエーテル;
h 時間;
hep ヘプタン;
hex ヘキサン;
MeCN アセトニトリル;
MeOH メタノール;
o.n.又はon 一夜;
Pd(dppf)Cl*DCM又はPd(dppf)Cl*CHCl
(1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)クロリドジクロロメタン付加物;
prep.HPLC 分取HPLC;
PTSA p−トルエンスルホン酸;
r.t.又はrt 室温;
r.m. 反応混合物;
sat. 飽和;
TBAB テトラブチルアンモニウムブロミド;
TFA トリフルオロ酢酸;
THF テトラヒドロフラン;
Tos トシレート
【0142】
中間体の製造
式II、III、IV及びVの化合物は、式Ia及びIbの化合物の製造における有用な中間体である。式II〜Vの化合物は、商業的に入手可能であるか、又は商業的に入手可能な若しくは文献に記載された化合物から製造することができる。例えば、1つ又はそれ以上のY、Y、Y、R1、R2、R3、R4又はR5が式II−Vの定義に相当しない化合物を、置換基又は基の変換又は導入による式II〜Vの化合物の製造に用いることができる。このような例を、以下に示す:
【化14】

【0143】
1)Yがクロロ又はブロモである式IIIの化合物の製造:
中間体IIから、例えば還流エタノール中でエチルクロロアセテート又はエチルブロモアセテートを用いた縮合によって(Chichibabin Chem. Ber. 1924, 57, 2092)。生成した2−オキソイミダゾール[1,2−a]ピリジン塩酸塩又は臭化水素酸塩を、それぞれ、POCl(Gudmundsson et al. Synthetic Commun. 1997, 27, 1763)又は代わりにPOBrで処理して、それぞれクロロ又はブロモ化合物III(Y=Cl,Br)を生成させることができる。
【0144】
2)YがB(Oアルキル)又はB(OH)である式IVの化合物の製造:
a)対応するクロリド、ブロミド、ヨージド又はトリフレートから、溶媒、例えばDMSO、DMF、DMA又はジオキサン中、室温〜80℃の温度で、化学量論量の塩基、例えばKOAc及びNEtと一緒に触媒として、例えばPdCl(dppf)又はPd
(dba)にトリシクロヘキシルホスフィンを添加してパラジウム触媒下で、試薬として例えばビス(ピナコラト)ジボラン又はジアルコキシボランを用いたパラジウム触媒によるホウ素化を通して、代わりに続いて酸加水分解することによって(Ishiyama et al. Tetrahedron 2001, 57, 9813; Murata et al. J. Org. Chem. 2000, 65, 164)。
b)対応するクロリド、ブロミド又はヨージドから、最初に、例えばnBuLi、nBuMgLi又はMgで処理することによってアリールマグネシウム又はリチウム試薬に変換し、続いてトリアルキルボレート、好ましくはトリイソプロピルボレートで捕捉し、及び代わりにその後、酸性加水分解して対応するボロン酸を得る。
【0145】
3)YがSn(n−Bu)、Sn(Me)又はSnPhである式IVの化合物の製造:
(a)対応する複素環(Y=H)から、リチウム試薬、例えばMeLi又はn−BuLiを用いるメタル化、続いて有機スズ塩化物、例えばMeSnCl又はn−BuSnClを用いるトランスメタル化を経て。
(b)複素環を含む対応するハロゲンから、例えばリチウム源としてBuLiを用いてハロゲン−金属交換し、続いて生成したリチオピリジンを、例えばn−BuSnClでクエンチすることによって。
(c)対応するハロゲン又はトリフレートから、ヘキサアルキル二スズを用いたパラジウム接触反応によって。
【0146】
4)Y=フェニル又は水素である式Vの化合物の製造:
1−ベンジルイミダゾール(Y=R=H)から、以下の順序によって:
(i)150℃で、水性ホルムアルデヒドで処理し、続いて抽出後処理して粗製物として1−ベンジル−2−ヒドロキシメチルイミダゾールを得、(ii)(i)からの生成物の塩酸塩を塩化チオニルで処理し、そして室温で30分後、過剰の試薬、エタノール及びモルホリンを蒸発させる。(iii)液体アンモニア中のナトリウムのような塩基性条件下で脱ベンジル化した後、遊離塩基をCHCl中の1−ブロモ−2−アルキン、水性NaOH及びTBABを用いて−5℃〜0℃で処理して中間体Vを得る。(Galons et al. Synthesis 1982, 1103−1105)
【0147】
式Ia及びIbの非標識化合物の製造方法
式Ia及びIbの化合物の製造方法の非限定的な例を以下に示す:
1)中間体(II)と求電子試薬との縮合による製造:
a)下に示すようなα−ハロカルボニル化合物(X=Cl又はBr、Ar=アリール又はヘテロアリール)を用いた2−アミノピリジンIIの環化縮合(Chichibabin反応)。環化は、還流EtOH中で実施してもよい。(Montgomery et al. In Comprehensive Heterocyclic Chemistry; Katritzky, A. R., Rees, C. W., Potts, K. T., Eds.; Pergamon: Oxford, 1984; Vol. 5, pp 631−634; Buu−Hoi et al. J. Org. Chem. 1954, 19, 1370−1375)
【化15】

【0148】
b)下の示すようにベンゾトリアゾール方法論の使用によるアリールアルデヒドを用いた2−アミノピリジンIIの縮合:IIをアセトニトリル中還流下で1−クロロメチルベンゾトリアゾールで処理して2−アミノ−1−[α−ベンゾトリアゾール−1−イルメチル]ピリジニウムクロリドを得、これを、次にDMFのような溶媒中、塩基、例えばDBUの存在下、高温でアリールアルデヒドを用いて環化縮合させる。(Katritzky et al. J. Org. Chem. 2000, 65, 9201−9205)
【化16】

【0149】
c)下に示すように中間体IIをアルデヒドと縮合させて2−アリーリデンアミノピリジンを生成させる。生成物を、DMEのような無水溶媒中、−15℃〜室温の温度でトリエチルアミン及びジクロロアセチルクロリドで処理する。生成したピリドピリミジンを単離し、続いてアルコール性KOHで処理して本発明の化合物を得る。(Ar=アリール又はヘテロアリール;Katagiri et al. J. Heterocyclic Chem. 1984, 21, 407−412)
【化17】

【0150】
2)中間体(III)及び(IV)のパラジウム触媒クロスカップリングによる製造:
式III(例えばY=クロリド、ブロミド、ヨージド又はトリフレート)の中間体のハロゲン化アリール又は擬ハライドと式IVのボロン酸又はエステル(例えば、Y=B(OH)又はB(Oアルキル))、又は式IV(例えばY=Sn(n−Bu))のスタンナンとのパラジウム触媒によるスズキ(Suzuki)又はスティル(stille)カップリング。Pd(dppf)Clのようなパラジウム触媒は、DMFのような溶媒中例えば80℃の温度で用いることができる(Kotha et al. Tetrahedron 2002, 58, 9633−9695; Suzuki J. Organomet. Chem. 1999, 576, 147−168; Fugami et al. Top. Curr. Chem. 2002, 219, 87−130.)
【0151】
3)下に示すように置換されたイミダゾールVから式Ia及びIbのビルディング化合物の戦略によって:
1−(2−アルキニル)−2−モルホリノメチルイミダゾールV(例えばY=Ph、H)をMeOH/水(1:1)中で還流することによって式Ia及びIbの化合物に変換することができる(Galons et al. Synthesis 1982, 1103−1105)。
【化18】

【0152】
式Iaの標識化合物の製造方法
一般に、標識化されてない試薬又は中間体から式Iaの標識化されてない化合物を組立てるのに使用された同じ合成反応を、対応する標識化された試薬又は中間体を用いることによって検出可能な同位体の類似の組込みに使用することができる。
【0153】
特に標識が11Cのような比較的短い半減期の同位体である場合、式Iaの化合物に向かう合成の最後の段階で標識を導入することが好ましい。最も好ましいのは、最後の合成工程としてこの導入を行うことである。
【0154】
例えば[2/3H]H、[2/3H]CHI、[13/14C]CHI、[13/14C]CN、[13/14C]COを含む長寿命の又は非放射性の同位体で標識化されたいくつかの有用な試薬、シントン又は中間体は、商業的に入手可能であり、そして必要に応じて、従来の合成方法によってさらに合成的に変換することができる。比較的より短寿命の同位体、例えば11C及び18Fで標識化された試薬は、サイクロトロンによって生成させ、続いて適切に捕捉し、そして場合によりさらなる合成操作で所望の試薬となる。標識化された試薬及び中間体の生成及び合成操作、並びにより複雑な標識分子を合成するためのこれらの前駆体の使用及び化学は、放射性合成及び標識化の当業者によく知られており、文献に概説されている(Langstrom et al. Acta Chem. Scand. 1999, 53, 651)。さらなる文献については、例えば:Ali et al. Synthesis 1996, 423 for labeling with halogens; Antoni G., Kihlberg T., and Langstrom B. (2003) Handbook of nuclear chemistry, edited by Vertes A., Nagy S., and Klenscar Z., Vol. 4, 119−165 for labeling for PET−applications; Saljoughian et al. Synthesis 2002, 1781 for labeling with 3H; McCarthy et al. Curr. Pharm. Des. 2000, 6, 1057 for labeling with 14C参照。
【0155】
本明細書に定義されるような式Iaの化合物を標識化するのに有用である検出可能な同位体としては、PETに使用するには:11C、18F、75Br、76Br及び120I、SPECTに使用するには:123I及び131I、MRI適用には:19F及び13C、インビトロ及び死後試料中の検出には:H、14C及び125Iが含まれる。標識化に最も有用な同位体は、11C、18F、123I、19F、H及び14Cである。
【0156】
以下、式Iaの標識化合物の製造方法おける非限定的な説明である:
R1、R2、R3、R7、R8又はR10が、ヒドロキシ、アミノ又はアミノアルキルである式Ia及びIbの化合物は、それぞれ、例えばSolbach et al. Applied Radiation and Isotopes 2005, 62, 591 及び Mathis et al. J. Med. Chem. 2003, 46, 2740に記載された[11C]メチルヨージド若しくはトリフレート、[H]−メチルヨージド又
は[14C]−メチルヨージドのような標識化されたアルキル化剤を用いたO−及びN−アルキル化の有用な前駆体である。
【0157】
例えば、Q及びQXがそれぞれHet1及びQ1であり、R1又はR2及びR7又はR8がヒドロキシであり(他方は水素である)、X1又はX2及びX7又はX8が窒素であり(他方は炭素である)、X3、X4及びX9が炭素であり、そしてR3及びR10がアミノ又はアミノメチルである式Ia及びIbの化合物は、標識化のための前駆体を構成する。溶媒、例えばDMSO中、炭酸カリウムの存在下のような塩基性条件下でこのような前駆体を[11C]メチルヨージドで処理するとき、脱プロトン化後の酸素原子が比較的より高い反応性であるため、選択的O−アルキル化が生じ、それによりOH−基がO[11C]CH−基に変換されている式Ia及びIbの化合物が形成される。
【0158】
N−アルキル化により11C−メチル基を選択的導入して標識化するのに最も好ましい前駆体は、存在する競合求核性官能基、例えばヒドロキシのアルキル化に対する反応性が適切な保護基によって低下又は阻止された化合物である。これに関連して保護基の機能は、求核性官能基をアルキル化から保護し、好ましくは所望のN−アルキル化が促進される非水性塩基性条件下で安定であるが、その仕事が完了した後に他の手段によって容易に除去されなければならないことである。このような保護基並びにその導入及び除去の方法は、当業者によく知られている。アルキル化との競合に対する芳香族ヒドロキシ基の保護に有用な保護基の例としては、メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、アルコキシメチル及びt−ブチルジメチルシリルが含まれるが、これらに限定されない。アルキル化後のこのような保護基の除去は、当業者によく知られており、そしてシリルベースの保護基、例えばt−ブチルジメチルシリルの場合、例えばフッ化物イオン源、例えばTBAFを用いて処理するか又は適切な溶媒中塩基性条件下で、例えばDMSO中KOHの存在下、室温で、水で処理することが含まれる。
【0159】
R7又はR8が保護された(例えばTBDMSで)ヒドロキシ基であり、QXがQ1であり、そしてR10がヒドロキシである式Ibの化合物は、塩基としてAgCOの存在下で11C−メチルヨージドを用いたO−アルキル化を通して標識化するのに有用な前駆体である。
【0160】
R7、R8、R9及びR10のいずれかがアミノである式Ibの化合物は、最初のジアゾ化(すなわちアミノ基からN部分への変換)によって標識化するのに有用な前駆体であり、必要に応じて、続いて対応するトリアジン誘導体に転換した後、続いて標識化された求核試薬で標準的な反応に従って処理する。このように導入することができる検出可能な同位体としては、例えばZhu et al. J. Org. Chem. 2002, 67, 943; Maeda et al. J. Label Compd Radiopharm 1985, 22, 487; Berridge et al. J. Label Compd Radiopharm 1985, 22, 687;Suehiro et al. J. Label Compd Radiopharm 1987, 24, 1143; Strouphauer et al. Int. J. Appl. Radiat. Isot. 1984, 35, 787;Kortylevicz et al. J. Label Compd Radiopharm 1994, 34, 1129; Khalaj et al. J. Label Compd Radiopharm 2001, 44, 235 and Rzeczotarski et al. J. Med. Chem. 1984, 27, 156に記載された18F、75Br、123I、125I及び131Iが含まれるが、これらに限定されない。
【0161】
式Ibの化合物において、R7〜R10のいずれか1つがトリアルキルスズ−基である場合、標識化された試薬によるハロゲン化でトリアルキルスズ−基が置換され、これは例えばStaelens et al. J. Label Compd Radiopharm 2005, 48, 101; Hocke et al. Bioorg. Med. Chem. Lett. 2004, 14, 3963; Zhuang et al. J. Med. Chem. 2003, 46, 237;Fuchtner et al. Appl. Rad. Isot. 2003, 58, 575 及び Kao et al. J. Label Compd Radiopharm 2001, 44, 889に記載されている。また、同じ前駆体は、パラジウム触媒により対応する11C標識化されたケトン及びメチル誘導体に変換するのに有用であり、これは、例えばLidstrom et al. J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1 1997, 2701 及び Tarkiainen et al. J. Label Compd Radiopharm 2001, 44, 1013に記載されている。次に、トリアルキルスズ置換化合物は、対応するジスタンナンとの反応において触媒としてパラジウムを用いるよく知られた方法によって対応するハライド又は擬ハライド、例えばトリフレートから製造するのが好ましい。この方法論を用いるとき、トリアルキルスズ−基は、好ましくはトリメチルスズ又はトリブチルスズである。
【0162】
R7、R8又はR9がトリアルキルスズ基、好ましくはnBuSnであり、X6が炭素であり、X7又はX8が窒素(他方は炭素である)であり、そしてR10がアミノメチル、ジメチルアミノ又はメトキシである式Ibの化合物は、例えばZhuang et al. Nucl. Med. Biol. 2001, 28, 887に記載された方法に従って標識化されたヨウ化物の存在下で酸化的条件下でヨードスタンニル化によって123I又は125Iで標識化するのに適した前駆体である。
【0163】
前駆体中のいずれか1つの複素環置換基が、求核芳香族置換に適した脱離基であるとき、標識化された求核試薬、例えばハロゲン化物又はシアン化物は、例えばZhang et al. Appl. Rad. Isot. 2002, 57, 145.に記載されたように、式Iaの標識化合物を生成するような置換によって導入することができる。置換が起こる芳香族環は、反応を容易にするには比較的電子に乏しいことが好ましく、従ってシアノ、カルバルデヒド又はニトロのような電子吸引性活性基で置換すべき必要がありうる。求核芳香族置換と密接に関連し、当業者によく知られた有用な反応としては、標識化されたヨード−原子を導入するための化学量論量の銅塩の使用及び11C標識化されたシアノ基を導入するためのパラジウム触媒の使用が含まれ、これらは例えば、Musacio et al. J. Label Compd Radiopharm 1997, 34, 39 及び Andersson et al. J. Label Compd Radiopharm 1998, 41, 567にそれぞれ記載されている。また、18F−標識は、例えばマイクロ波照射下でDMSO中のK[18F]−K222を用いて導入することができ、これはKarramkam, M. et al. J. Labelled Compd. Rad. 2003, 46, 979に記載されている。脱離基が位置している芳香族環が2−ハロ−ピリジン及びピリミジンにおけるようなベンゼンと比較してより電子不足である場合、一般に求電子芳香族置換反応を行なうために活性基を使用する必要はない。
【0164】
QがHet1であり、そしてQXがQ1であり、そしてR3及びR10は、脱離基フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード又はスルホン酸塩エステルのいずれかであり、そしてX2及びX4、並びにX6及びX8のいずれか又は両方が窒素である式Ia及びIbの化合物は、求核芳香族置換により標識化するのに適した前駆体である。さらに、消費されていない前駆体からの標識化された反応生成物のクロマトグラフ分離を容易にするためには、標識化された求核試薬と反応によって導入される基と化学的に異なっている脱離基を用いることが好ましい。
【0165】
R7又はR8が保護された(例えばTBDMS)ヒドロキシ基(他方は水素である)であり、QXがQ1であり、そしてR10がO(CH)OTosである式Ibの化合物は、形式的な脱離基OTosの求核置換のための求核性18F源としてクリプトフィクス 2.2.2−[18F]フッ化物錯体(Schirrmacher et al. J. Labelled Compd. Rad. 2001, 44, 627)、又は加熱下、CHCN中のテトラブチルアンモニウム[18F]フルオリド(Hamacher et al. Appl. Radiat. Isotopes 2002, 57, 853)、のいずれかを使用してフッ素で標識化するための有用な前駆体である。使用しうる他の適切な脱離基は、当業者によく知られている。
【0166】
適切な前駆体の官能基変換によって式Iaの標識化合物を製造するための当業者によく知られたさらなる有用な方法としては、[11C][14C]又は[H]アシルクロリドを用いたアミンのN−アシル化、芳香族クロリド、ブロミド又はヨージドのパラジウム触媒による[11C]又は[14C] シアノ化、[H]Hの存在下でHに適したハライドの遷移金属触媒による置換、及び[11/14C]COを用いたパラジウム触媒によるカルボニル化(Perry et al. Organometallics 1994, 13, 3346)が含まれる。
【0167】
化合物の実施例
本発明の化合物の多くの非限定的な実施例を以下に示す。下に例示した化合物又はそれらの対応する標識化されてない類似体の全ては、本明細書に記載された競合結合アッセイにおいて20μM未満のIC50を示した。
【0168】
一般法
使用したすべての溶媒は、分析グレードであり、そして商業的に入手可能な無水溶媒を反応に型どおりに用いた。反応は、典型的に窒素又はアルゴンの不活性雰囲気下で行なった。
【0169】
Hスペクトルは、Z−勾配を有する3mmフローインジェクションSEI 1H/D−13Cプローブヘッドを備えたBruker av400 NMR分光計において試料注入用のBEST 215液体ハンドラーを用いてプロトンについては400MHzで操作し、又はZ−勾配を有する5mm4−核プローブヘッドを備えたBruker DPX400 NMR分光計においてプロトンについては400MHzで操作して記録した。
【0170】
実施例において特に注意を喚起しない限り、Hスペクトルは、溶媒としてDMSO−d中400MHzで記録した。残留溶媒シグナルを、標準として用いた。以下の基準シグナル用いた:DMSO−dの中間線δ2.50;CDODの中間線
δ3.31;CDClδ7.26。CDCl及びCDODの混合物中でスペクトルを実施したこれらの場合に、標準を3.31 ppmに設定した。すべての化学シフトは、デルタ−スケール(δ)においてppmであり、そして記録に現れるのはシグナルの微細な分裂である(s:一重線、d:二重線、t:三重線、q:四重線、m:多重線、br:ブロードなシグナル)。
【0171】
Hスペクトルは、Z−勾配を有する5mm 3H/1H SEXプローブヘッドを備えたBruker DRX600 NMR分光計において、トリチウムについては640MHz、そしてプロトンについては600MHzで操作して記録した。HデカップルドHスペクトル(1H decoupled
3H spectra)は、CDOD中に溶解した試料において記録した。H NMRスペクトルの標準については、ゴースト標準周波数を用い、これはAl−Rawi et al. J. Chem. Soc. Perkin Trans. II 1974, 1635中の説明に従ってHスペクトルの内部TMSの周波数をHとHとの間のラーモア周波数比(1.06663975)で乗算することによって算出した。
【0172】
質量スペクトルは、Alliance 2795又はAcquityシステム(LC)、Waters PDA 2996、及びELS検出器(Sedex 75)並びにZMD単一四重極子又はZQ質量分析器から構成されるWaters
LCMSで記録した。質量分析器は、エレクトロスプレーイオン源(ES)を備えており、陽又は陰イオンモードで操作した。キャピラリー電圧は3kVであり、そしてコーン電圧は30Vであった。質量分析器は、0.7秒の走査時間で100−600m/zの間で走査した。カラム温度は、40℃(Alliance)又は65℃(Acquity)に設定した。直線勾配を適用し、100%A(A:5%MeCN中の10mM NHOAc)で開始し、そして100%B(B:MeCN)で終了した。使用したカラムは、1.0mL/分(Alliance)で運転したX−Terra MS C8,3.0×50;3.5μm(Waters)、又は1.2mL/分で運転したAcquity UPLCTM BEH C8 1.7μm 2.1×50mmであった。
【0173】
分取クロマトグラフィ(prep. HPLC)は、2つのWaters自動精製HPLCのいずれかで運転した:(1)ダイオードアレイ検出器及びXTerra MS C8カラム,19×300mm,10μmを備えた。(2)ZQ質量分析計検出器から構成され、ESIを用いてポジティブモードで、キャピラリー電圧3kV及びコーン電圧30Vで、混合始動UV及びMSシグナルを用いて運転して画分収集物を測定した。カラム:XBridgeTM Prep C8 5μm OBDTM19×100mm。MeCN/(95:5 0.1M NHOAc:MeCN)の勾配を20又は25mL/分の流速で用いた。
【0174】
マイクロ波加熱は、2450MHzで連続照射をもたらすCreator、Initiator又はSmith Synthesizerシングルモードのマイクロキャビティで行なった。
【0175】
実施例1
5−(6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン
【化19】

【0176】
(a)2−ブロモ−6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン
【化20】

5−メトキシピリジン−2−アミン(1.0g,8.04mmol)(Lombardino, J.
G. J. Med. Chem. 1981, 24, 39−42)をエチルブロモアセテート(5.4mL,48.2mmol)に加え、そして反応混合物を室温で8時間撹拌した。沈殿を濾過により取出し、そして乾燥EtOで洗浄した。得られたHBr塩をPOBr3(23.0g,80.4mmol)で処理し、そして混合物をCaSO乾燥管下、還流で2時間加熱した。氷水を加え、そしてNHOHを添加して溶液を塩基性にした。溶液をCHClで抽出し、有機相を乾燥(MgSO)させ、そして濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(ヘプタン/EtOAc勾配)にかけ、白色固形物として表題化合物を得た(0.84g)。1H NMR δ ppm 8.21 (d, 1H) 7.96 (s, 1H) 7.45 (d, 1H) 7.09 (dd, 1H) 3.78 (s, 3H); MS m/z (M+H) 227, 229.
【0177】
(b)2−(6−フルオロピリジン−3−イル)−6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン
【化21】

DMF(4mL)中の2−ブロモ−6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン(227mg,1.0mmol)、2−フルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン(268mg,1.2mmol)、Pd(dppf)Cl*DCM(40mg,0.05mmol)及び2M水性KCO(2mL)の混合物をアルゴン雰囲気下、80℃で2時間撹拌した。反応物を冷却するにまかせ、CHCl(20mL)で希釈し、次いでSiO(4g)及びNaSO(8g)を含む管を通して濾過した。管をCHCl、続いてCHCl/MeOH9:1で洗浄し、そして濾液を真空で、60℃で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(ヘプタン/EtOAc勾配)により白色固形物として生成物を得た(87mg)。1H NMR δ ppm 8.78 (d, 1H) 8.46 (ddd, 1H) 8.38 (s, 1H) 8.24 (d, 1H) 7.53 (d, 1H) 7.26 (dd, 1H) 7.07 (dd, 1H) 3.81 (s, 3H); MS m/z (M+H) 244.
【0178】
(c)5−(6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン(表題化合物)
2−(6−フルオロピリジン−3−イル)−6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン(50mg,0.21mmol)及びメチルアミン(THF中2M,2mL,そしてHO中40%,2mL)を密封管中90℃で3時間加熱した。THFを減圧下で除去した。沈殿を濾過し、そして水で洗浄して褐色の固形物として表題化合物の分析的に純粋な試料を得た(40mg)。1H NMR δ ppm 8.55 (d, 1H) 8.18 (d, 1H) 8.10 (s, 1H) 7.87 (dd, 1H) 7.44 (d, 1H) 6.99 (dd, 1H) 6.59 (br q, 1H) 6.50 (d, 1H) 3.79 (s, 3H) 2.80 (d, 3H); MS m/z (M+H) 255.
【0179】
実施例2
2−[6−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−オール
【化22】

5−(6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン(59mg,0.23mmol)を臭化水素(HO中48%,2mL)と混合し、そしてTBAB(7.5mg,23μmol)を加えた。反応混合物をマイクロ波反応器中、120℃で10分間加熱した。飽和水性炭酸水素ナトリウムを添加して溶液を中和し、次いでEtOAcにより抽出した。有機層を濃縮し、そして粗生成物を分取HPLCによって精製して褐色の固形物として表題化合物を得た(30mg)。1H NMR δppm 8.51 (d, 1H) 8.03 (s, 1H) 7.89 (d, 1H) 7.84 (dd, 1H) 7.34 (d, 1H) 6.90 (dd, 1H) 6.57 (br q, 1H) 6.49 (d, 1H) 2.79 (d, 3H); MS m/z (M+H) 241; (M−H) 239.
【0180】
実施例3
5−(6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)−N,N−ジメチルピリジン−2−アミン
【化23】

2−(6−フルオロピリジン−3−イル)−6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン(0.50g,2.06mmol)及びジメチルアミン(水中40質量%,15mL)をマイクロ波反応器中100℃で10分間加熱した。反応混合物を室温に冷却するにまかせた。濾過し、そして濾過ケーキを水で洗浄して白色固形物として表題化合物の分析的に純粋な試料を得た(0.55g)。1H NMR δ ppm 8.64 (d, 1H) 8.18 (d, 1H) 8.14 (s, 1H) 7.99 (dd, 1H) 7.46 (d, 1H) 7.00 (dd, 1H) 6.70 (d, 1H) 3.79 (s, 3H) 3.06 (s, 6H); MS m/z (M+H) 269.
【0181】
実施例4
2−[6−(ジメチルアミノ)ピリジン−3−イル]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−オール
【化24】

BBr(CHCl中1M,10mL)を0℃でCHCl(5mL)中の5−(6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)−N,N−ジメチルピリジン−2−アミン(0.21g,0.78mmol)の撹拌溶液に滴加した。反応混合物を一夜かけて室温に到達するにまかせた。NaCO及びMeOHを添加することによって反応をクエンチした。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして残留物をDMSOに溶解し、そして分取HPLCによって精製した。表題化合物を褐色の固形物として単離した(30mg)。1H NMR δppm 9.46 (s, 1H) 8.62 (d, 1H) 8.11 (s, 1H) 7.96 (dd, 1H) 7.94 (s, 1H) 7.40 (d, 1H) 6.92 (dd, 1H) 6.70 (d, 1H) 3.05 (s, 6H); MS m/z (M+H) 255; (M−H) 253.
【0182】
実施例5
6−メトキシ−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン
【化25】

DMF(0.7mL)中の2−ブロモ−6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン(0.26mmol,60mg)、(6−メトキシピリジン−3−イル)ボロン酸(0.29mmol,44mg)、Pd(dppf)Cl*DCM(0.013mmol,11mg)及びKCO(HO中2M,0.3mL)の混合物をアルゴン雰囲気下80℃で1時間加熱した。反応混合物を室温に冷却するにまかせた。ブラインを加え、そして水層をCHClで抽出した。有機相を濾過し、そして濃縮した。残留物をDMSOに溶解し、そして分取HPLCによって精製して固形物として表題化合物を得た(17mg)。1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d) δ ppm 8.65 (d, 1H) 8.14 (dd, 1H) 7.75 (s, 1H) 7.65 (d, 1H) 7.55 (d, 1H) 6.99 (dd, 1H) 6.82 (d, 1H) 3.99 (s, 3H) 3.83 (s, 3H); MS m/z (M+H) 256.
【0183】
実施例6
2−(5−フルオロ−6−メトキシピリジン−3−イル)−6−メトキシイミダゾ[1,
2−a]ピリジン
【化26】

(5−フルオロ−6−メトキシピリジン−3−イル)ボロン酸から出発して6−メトキシ−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジンの製造に記載された手法に従って製造した。1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d: CD3OD) δ 8.38 (d, 1H) 7.94 (s, 1H) 7.89−7.84 (m, 2H) 7.43 (d, 1H) 7.05 (dd, 1H) 4.03 (s, 3H) 3.83 (s, 3H); MS m/z (M+H) 274.
【0184】
実施例7
2−(5−クロロ−6−メトキシピリジン−3−イル)−6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン
【化27】

(5−クロロ−6−メトキシピリジン−3−イル)ボロン酸から出発して6−メトキシ−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジンの製造に記載された手法に従って製造した。1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d: CD3OD) δ (8.50 d, 1H) 8.15 (d, 1H) 7.95 (s, 1H) 7.89 (d, 1H) 7.42 (d, 1H) 7.04 (dd, 1H) 4.02 (s, 3H) 3.83 (s, 3H); MS m/z (M+H) 290.
【0185】
実施例8
6−メトキシ−2−(6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン
【化28】

tert−ブチル4−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートから出発して6−メトキシ−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジンの製造に記載された手法に従って製造した。反応混合物をTFA(0.5mL)で処理し、そして室温で一夜撹拌した後、後処理してBoc−脱保護を達成した。1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d: CD3OD) δ 8.62 (d, 1H) 8.03 (dd, 1H) 7.09 (s, 1H) 7.88 (d,
1H) 7.41 (d, 1H) 7.02 (dd, 1H) 6.84 (d, 1H) 3.83 (s, 3H) 3.68 (m, 4H) 3.11 (m, 4H); MS m/z (M+H) 310.
【0186】
実施例9
tert−ブチル4−[5−(6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート
【化29】

tert−ブチル4−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−カルボキシレートから出発して6−メトキシ−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジンの製造に記載された手法に従って製造した。1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d) δ ppm (選択したシグナル) 8.68 (d, 1H) 8.13 (dd, 1H) 7.74 (s, 1H) 7.67 (d, 1H) 6.99 (dd, 1H) 6.74 (d, 1H) 3.84 (s, 3H) 3.62−3.51 (m, 8H); MS m/z (M+H) 410.
【0187】
実施例10
6−メトキシ−2−(2−モルホリン−4−イルピリミジン−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン
【化30】

4−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−イル]モルホリンから出発して6−メトキシ−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジンの製造に記載された手法に従って製造した。1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d) δ ppm 8.85 (s, 2H) 7.72 (s, 1H) 7.67 (d, 1H) 7.55 (d, 1H) 7.02 (dd, 1H) 3.89−3.86 (m, 4H) 3.85 (s, 3H) 3.82−3.79 (m, 4H); MS m/z (M+H) 312.
【0188】
実施例11
2−(1H−インドール−5−イル)−6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン
【化31】

1H−インドール−5−イルボロン酸から出発して以下の例外を除いて6−メトキシ−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジンの製造に記載された手法に従って製造した:反応を80℃で4時間加熱した。抽出後に得た有機相を水及びブラインで洗浄し、そして減圧下で濃縮した。残留物のフラッシュクロマトグラフィ(ヘプタン/EtOAc勾配)により淡黄色の固形物として表題化合物(60mg)を得た。1H NMR δppm 11.09 (br s, 1H) 8.20 (d, 1H) 8.19 (s, 1H) 8.11 (s, 1H) 7.68 (dd, 1H) 7.46 (d, 1H) 7.42 (d, 1H) 7.34 (app t, 1H) 6.99 (dd, 1H) 6.47 (m, 1H) 3.80 (s, 3H) ); MS m/z (M+H) 264.
【0189】
実施例12
[N−メチル−]−[5−(6−メトキシ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル]−ジメチルアミン
【化32】

[5−(6−メトキシ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)−ピリジン−2−イル]−メチルアミン(3.6mg,14μmol)をDMF(0.5mL)中の[H]メチルヨージド(50mCi,0.6μmol)と、塩基として水素化ナトリウム(3mg,125μmol)と共に混合し、そして60℃に40分間加熱した。反応混合物を逆相HPLCで精製して表題化合物(8.9mCi,18%)を得た。MS m/z (M+H) 275.比放射能2.5 TBq/mmol.
【0190】
実施例13
[N−メチル−]−2−(6−ジメチルアミノ−ピリジン−3−イル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−オール
【化33】

メチル−{5−[6−(2−トリメチルシラニル−エトキシメトキシ)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル]−ピリジン−2−イル}−アミンをDMF(0.45mL)中の[H]メチルヨージド(50mCi,0.6μmol)と、塩基として水素化ナトリウムと共に混合し、そして100℃に15分間加熱した。次いで、MeOH10mL中のHSO0.3mLの混合物250μLを加え、そして反応物をマイクロ波によって120℃に10分間加熱した。反応混合物を逆相HPLCによって精製して表題化合物(4.4mCi,9%)を得た。MS m/z M+H 261.比放射能3.1 TBq/mmol.
【0191】
実施例14(データ記載なし)
7−フルオロ−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−オール
【化34】

【0192】
(a)メチル2−ブロモ−7−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシレート
【化35】

メチル2−ブロモ−7−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシレートは、メチル6−アミノ−4−メトキシニコチネートから出発して2−ブロモ−6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジンの製造に記載された手法に従って製造する。
【0193】
(b)2−ブロモ−7−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸
【化36】

メチル2−ブロモ−7−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシレート(7g)、2M NaOH(15mL)及びEtOH(200mL)の混合物を室温で20時間撹拌した後、2M HClをpH2まで加える。生成物を濾過し、水で洗浄し、そして乾燥させる。
【0194】
(c)tert−ブチル(2−ブロモ−7−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)カルバメート
【化37】

トリエチルアミン(1.94mL)及びジフェニルホスホリルアジド(2.76mL)をtert−ブタノール(100mL)中の2−ブロモ−7−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸(3.1g)の溶液に加え、そして反応混合物を80℃で一夜4時間撹拌する。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして残留物をフラッシュクロマトグラフィ(ヘプタン/EtOAc勾配)にかける。
【0195】
(d)2−ブロモ−7−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−アミン
【化38】

tert−ブチル(2−ブロモ−7−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)カルバメート(0.30g)、TFA(8mL)及びDCM(8mL)を混合し、そして室温で一夜撹拌する。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして生成物を分取HPLCによって精製する。
【0196】
(e)2−ブロモ−6−フルオロ−7−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン
【化39】

方法A:亜硝酸ナトリウム(8.7g)を70%フッ化水素−ピリジン(Aldrich,100g,HF3.5mol)中の2−ブロモ−7−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−アミン(20.4g)の氷−塩冷却溶液に少しずつ加える(注:反応は、供給されたビン中で行なう)。生成した暗赤色溶液を氷−塩浴中45分間撹拌し、次いで浴を除去し、そして混合物を周囲温度で30分間撹拌し、続いて80℃で1.5時間加熱する。反応混合物を、分液ロート中で氷/水混合液(約400g)上へ注ぐことによってクエンチし、そしてDCM(6×150mL)で抽出し、乾燥(MgSO)させ、濾過し、そして溶媒を真空で蒸発させる。
方法B:2−ブロモ−7−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−アミン(10.0g)を氷浴中のDCM(100mL)中ニトロソニウムテトラフルオロボレート(5.31g)のスラリーに入れる。30分撹拌した後、オルト−ジクロロベンゼンを加え、そして混合物を徐々に加温し、そして最初にDCMを留去する。
【0197】
(f)2−ブロモ−6−フルオロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−オール
【化40】

2−ブロモ−6−フルオロ−7−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジンを2−[6−(ジメチルアミノ)ピリジン−3−イル]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−オールの製造で記載された手法にかける。
【0198】
(g)7−フルオロ−2−(6−メトキシピリジン−3−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−オール(表題化合物)
2−ブロモ−6−フルオロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−オール及び(6−メトキシピリジン−3−イル)ボロン酸を2−(6−フルオロピリジン−3−イル)−6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジンの製造で記載された手法にかける。
【0199】
実施例15(データ記載なし)
7−フルオロ−2−(2−メトキシピリミジン−5−イル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−オール
【化41】

2−ブロモ−6−フルオロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−オール及び(2−メトキシピリミジン−5−イル)ボロン酸を2−(6−フルオロピリジン−3−イル)−6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジンの製造で記載された手法にかける。
【0200】
実施例16
5−(6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化42】

ジオキサン(4mL)中の2−ブロモ−6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン(107mg,0.47mmol)、5−(トリメチルスタンニル)ピリジン−2−カルボキサミド(147mg,0.51mmol)、Pd(PPh(55mg,0.05mmol)の混合物をアルゴン雰囲気下100℃で16時間撹拌した。別の分のPd(PPh(55mg,0.05mmol)を加え、そして反応混合物をアルゴン雰囲気下100℃でさらに16時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして残留物をクロマトトロン(Chromatotron)(SiO,2mm,DCM→DCM/MeOH9/1)によって精製した。表題化合物をオフホワイト色の固形物(30.7mg)として単離した。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 9.17 (d, 1 H) 8.52 (s, 1 H) 8.44 (dd, 1 H) 8.26 (d, 1 H) 8.12−8.16 (m, 1 H) 8.09 (d, 1 H) 7.62−7.66 (m, 1 H) 7.56 (d, 1 H) 7.10 (dd, 1 H) 3.82 (s, 3 H); MS m/z (M+H) 269.
【0201】
実施例17
5−(6−ヒドロキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)ピリジン−2−カルボキサミド
【化43】

BBr(CHCl中1M,0.40mL)を0℃でCHCl(2mL)中の5−(6−メトキシイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル)ピリジン−2−カルボキサミド(21.2mg,79μmol)の撹拌溶液に滴加した。反応混合物を室温に一夜到達するにまかせ、その後、別の分のBBr(CHCl中1M,0.20mL)を加え、そして反応混合物を室温でさらに4時間を撹拌するにまかせた後、NaCO及びMeOHの添加によって反応をクエンチした。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして残留物をクロマトトロン(SiO,1mm,DCM/MeOH 95/5 − 9/1)によって精製した。表題化合物をオフホワイト色の固形物(9.3mg)として単離した。1H
NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 9.10−9.16 (m, 1 H) 8.49 (s, 1 H) 8.40 (dd, 1 H)
8.10−8.17 (m, 1 H) 8.07 (d, 1 H) 8.00 (d, 1 H) 7.59−7.65 (m, 1 H) 7.50 (d, 1 H) 7.02 (dd, 1 H) MS m/z (M+H) 255; (M−H) 253.
【0202】
実施例18
2−フルオロエチル2−(6−フルオロピリジン−3−イル)イミダゾ[2,1−f]ピリジン−6−カルボキシレート
【化44】

【0203】
a)メチル8−オキソ−1,7−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−2,4,6−トリエン−3−カルボキシレート臭化水素酸塩
【化45】

THF(250mL)中のメチル6−アミノピリジン−3−カルボキシレート(25.01g,164.4mmol)の熱(還流)溶液/懸濁液にTHF(50mL)中のエチル2−ブロモアセテート(28.83g,172.6mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下で撹拌しながら10分かけて滴加した。次いで、反応混合物を還流で40時間撹拌した。生成した固形物を濾過してジエチルエーテル(2×)で洗浄し、そして乾燥させて上記の混合物(比率1:0.47)34.1gを得た。
【0204】
b)メチル8−ブロモ−1,7−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−2,4,6,8−テトラエン−3−カルボキシレート
【化46】

上の粗混合物(1.45g)及びオキシ臭化リン(1.75g)をアルゴン雰囲気下1,2−ジクロロエタン(30mL)中で2時間還流した。さらなるオキシ臭化リン(7.3g)を加え、そして反応混合物を還流下でさらに16時間撹拌した後、それをNaHCO(飽和水性)に加えることによってクエンチした。混合物を酢酸エチルで抽出して有機相を乾燥(NaSO)させ、そして濃縮して赤色固形物として粗表題化合物1.06gを得た。粗物質を、カラムクロマトグラフィ(SiO(120g);n−ヘプタン/酢酸エチル7/3)によって精製して表題のメチル8−ブロモ−1,7−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−2,4,6,8−テトラエン−3−カルボキシレート0.77gを得た。1H NMR (DMSO−d6) δ 9.27 (s, 1 H), 8.24 (s, 1 H), 9.70 (dd, 1H), 7.62 (d, 1 H), 3.89 (s, 3 H). MS m/z (M+H) 254.9, 256.7.
【0205】
c)メチル2−(6−フルオロピリジン−3−イル)イミダゾ[2,1−f]ピリジン−6−カルボキシレート
【化47】

DMF(5mL)中のメチル8−ブロモ−1,7−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−2,4,6,8−テトラエン−3−カルボキシレート(1.18mmol,300mg)、2−フルオロ−5(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(1.76mmol,394mg)、Pd(dppf)Cl*DCM(0.12mmol,96mg)及びKCO(2.3ml,2M)の混合物をアルゴン雰囲気下80℃で2時間加熱した。反応混合物を濾過し、そして濾液にEtOAc及び水を加えた。層を分離し、そして水相をEtOAcで2回抽出した。有機層を合わせ、乾燥(MgSO)、濾過し、そして溶媒を真空で蒸発させた。残留物をDMSOに溶解し、そして分取HPLCによって精製して淡褐色の固形物(38mg)としてメチル2−(6−フルオロピリジン−3−イル)イミダゾ[2,1−f]ピリジン−6−カルボキシレートを得た;MS m/z (M+H) 272
【0206】
d)2−フルオロエチル2−(6−フルオロピリジン−3−イル)イミダゾ[2,1−f]ピリジン−6−カルボキシレート(表題化合物)
メチル2−(6−フルオロピリジン−3−イル)イミダゾ[2,1−f]ピリジン−6−カルボキシレート(88μmol,24mg)、炭酸セシウム(0.26mmol,86.5mg)及び2−フルオロエタノール(2ml)の混合物をマイクロ波反応器中120℃で10分間加熱した。溶媒を真空下で蒸発させた。残留物をDMSOに溶解し、そして分取HPLCによって精製して白色固形物(12mg)として表題化合物を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 9.32 (s, 1 H) 8.81 (s, 1 H) 8.64 (s, 1 H) 8.49 (td, J=8.21, 2.27 Hz, 1 H) 7.69 (s, 2 H) 7.30 (dd, J=8.59, 2.53 Hz, 1 H) 4.84 (dd, 1 H) 4.72 (dd, 1 H) 4.62 (dd, 1 H) 4.54 (dd, 1 H); MS m/z (M+H) 304
【0207】
実施例19
メチル2−(6−ジメチルアミノピリジン−3−イル)イミダゾ[2,1−f]ピリジン−6−カルボキシレート
【化48】

メチル8−ブロモ−1,7−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−2,4,6,8−テトラエン−3−カルボキシレート(0.39mmol,100mg)、(6−ジメチルアミノピリジン−3−イル)ボロン酸(0.59mmol,98mg)、炭酸セシウム(1.57mmol,510mg)及びPd(dppf)Cl*DCM(39μmol,32mg)の混合物をDMF(3ml)に溶解した。混合物を80℃で1時間撹拌し、そして濾過した。濾液を分取HPLCにかけて白色固形物として表題化合物20mgを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 9.24 (s, 1 H) 8.69 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 8.38 (s, 1 H) 8.02 (dd, J=8.84, 2.27 Hz, 1 H) 7.61 (s, 2 H) 6.73 (d, J=8.84 Hz, 1 H) 3.89 (s, 3 H) 3.08 (s, 6 H); MS m/z (M+H) 297
【0208】
実施例20
2−フルオロエチル2−(6−ジメチルアミノピリジン−3−イル)イミダゾ[2,1−f]ピリジン−6−カルボキシレート
【化49】

メチル8−(6−ジメチルアミノピリジン−3−イル)−1,7−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−2,4,6,8−テトラエン−3−カルボキシレート(67mmol,20mg)、炭酸セシウム(0.20mmol,66mg)及び2−フルオロエタノール(2.5ml)の混合物をマイクロ波反応器中120℃で10分間加熱した。溶媒を真空で蒸発させた。残留物をDMSOに溶解し、そして分取HPLCによって精製して表題化合物1mgを得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 9.17−9.34 (m, 1 H) 8.68 (d, 1 H) 8.39 (s, 1 H) 8.02 (dd, 1 H) 7.62 (br. s., 2 H) 6.72 (d, 1 H) 4.86 (dd, 1 H) 4.71 (dd, 1 H) 4.61 (dd, 1 H) 4.50 (dd, 1 H) 3.08 (s, 6 H); MS m/z (M+H) 329
【0209】
実施例21
メチル2−(6−メチルアミノピリジン−3−イル)イミダゾ[2,1−f]ピリジン−6−カルボキシレート
【化50】

【0210】
a)メチル2−[6−[メチル−[(2−メチルプロパン−2−イル)オキシカルボニル]アミノ]ピリジン−3−イル]イミダゾ[2,1−f]ピリジン−6−カルボキシレート
【化51】

DMF(5mL)中のメチル8−ブロモ−1,7−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−2,4,6,8−テトラエン−3−カルボキシレート(0.65mmol,165mg)、tert−ブチルNメチル−N−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル]カルバメート(0.98mmol,312mg)、Pd(dppf)Cl*DCM(65μmol,53mg)及び炭酸セシウム(1.95mmol,656mg)の混合物をアルゴン雰囲気下80℃で1時間加熱した。反応混合物を濾過し、そして溶媒は真空で蒸発させた。残留物をシリカゲルクロマトグラフィ(EtOAc/ヘプタン)によって精製して黄色固形物としてメチル2−[6−[メチル−[(2−メチルプロパン−2−イル)オキシカルボニル]アミノ]ピリジン−3−イル]イミダゾ[2,1−f]ピリジン−6−カルボキシレート150mgを得た。MS m/z (M+H) 383
【0211】
b)メチル2−(6−メチルアミノピリジン−3−イル)イミダゾ[2,1−f]ピリジン−6−カルボキシレート(表題化合物)
メチル2−[6−[メチル−[(2−メチルプロパン−2−イル)オキシカルボニル]アミノ]ピリジン−3−イル]イミダゾ[2,1−f]ピリジン−6−カルボキシレート(0.39mmol,150mg)をDCM(4ml)中に溶解し、そしてトリフルオロ酢酸(4ml)を溶液に滴加した。溶媒を真空で蒸発させて残留物をDMSOに溶解し、そして分取HPLCによって精製して白色固形物として表題化合物61mgを得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 9.23 (t, J=1.39 Hz, 1 H) 8.60 (d, J=1.77 Hz, 1 H) 8.34 (br. s., 1 H) 7.90 (dd, J=8.72, 2.40 Hz, 1 H) 7.60 (d, J=1.77 Hz, 2 H) 6.69 −6.85 (m, 1 H) 6.52 (d, J=8.59 Hz, 1 H) 3.88 (s, 3 H) 2.81 (d, J=4.80 Hz, 3 H); MS m/z (M+H) 282
【0212】
実施例22
2−フルオロエチル−2−(6−メチルアミノピリジン−3−イル)イミダゾ[2,1−f]ピリジン−6−カルボキシレート
【化52】

メチル8−(6−メチルアミノピリジン−3−イル)−1,7−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−2,4,6,8−テトラエン−3−カルボキシレート(0.18mmol,50mg)、炭酸セシウム(0.53mmol,173mg)及び2−フルオロエタノール(2.5ml)の混合物をマイクロ波反応器中120℃で10分間加熱した。溶媒を真空で蒸発させた。残留物をDMSOに溶解し、そして分取HPLCによって精製して白色固形物として表題化合物14mgを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 9.27 (t, J=1.39 Hz, 1 H) 8.61 (d, J=2.02 Hz, 1 H) 8.39 (br. s., 1 H) 7.91 (dd, J=8.72, 2.40 Hz, 1 H) 7.63 (d, 2 H) 6.77 (q, 1 H) 6.54 (d, J=8.59 Hz, 1 H) 4.84 (dd, 1 H) 4.72 (dd, 1 H) 4.61 (dd, 1 H) 4.54 (dd, 1 H) 2.82 (d, J=4.80 Hz, 3 H); MS m/z (M+H) 315
【0213】
生物学的実施例
以下の化合物を比較化合物として用い、以下のテキストではそれらをそれらの記載された対応する名称によって言及する。
【化53】

【0214】
本発明の化合物を以下のアッセイ/実験/研究の1つ又はいくつかで試験した:
【0215】
競合結合アッセイ
競合結合は、384−ウェルFBフィルタープレートで、pH7.5のリン酸緩衝液中2.7nMの[H]PIB(又は別のトリチウム標識化された放射性リガンド、この場合そう言及される)中の合成Aβ1−40を用いて、DMSOに元々溶解した種々の濃度の非放射性化合物を加えることによって行なった。結合混合物を室温で30分間インキュベートし、続いて真空濾過し、その後1%トリトン−X100で2回洗浄した。それからシンチレーション液をフィルタープレート上で収集したAβ1−40に加え、そして結合した残りの放射性リガンドの活性([H]PIB又は別のトリチウム標識化された放射性リガンド)をPerkinElmerの1450 Microbetaを用いて測定した。
【0216】
解離実験
解離実験は、96−ウェルポリプロピレンディープウェルプレートで行なった。リン酸緩衝液pH7.5中の2μMヒト合成Aβ1−40フィブリル又は対照として緩衝液単独を、本発明のトリチウム標識化した放射性リガンド9nMと共に室温で4時間インキュベートした。pH7.5のリン酸緩衝液中4%DMSO中の同体積の本発明の非標識化合物、又は基準化合物(10μM)を添加することによって種々の時点で解離を開始した。Brandel装置で0.1%トリトン−X100を含む洗浄緩衝液を用いて濾過した後、インキュベーション終了時にAβ1−40フィブリルにまだ結合している放射活性をFBフィルタ上で検出した。
【0217】
インビボラット脳移行実験
i.v投与後の脳暴露を、カセット投与を用いてラット脳で測定した。4つの異なる化合物を投与し、続いて投与後2及び30分に血漿及び脳から試料採取した。2〜30分の脳の濃度比、及び脳内に見出される2分後の注入投与量全体のパーセンテージを算出した。蛋白沈殿した血漿サンプルをエレクトロスプレータンデム型質量分析器に接続された逆相液体クロマトグラフィによって分析して化合物濃度を測定した。
【0218】
死後のヒトAD脳及びトランスジェニックマウス脳におけるアミロイドプラークに対する結合
スライドガラスに取り付けられたAPP/PS1トランスジェニックマウスの脳切片(10μm)を外側中隔のレベルで集めた(ブレグマ+0.98mm;Paxinos and Franklin, 2001参照)。2人のAD患者及び1人の対照被験者からのヒト皮質切片(7μm)をオランダの組織バンクから入手した。
【0219】
50mMトリスHCl(pH7.4)中1μM PIBの存在下又は非存在下、室温で30分間切片をプレインキュベートした。PIB(1μM)を用いて又は用いずにトリチウム−標識化合物(1nM)を含む緩衝液に切片を移し、そして室温で30分間インキュベートした。緩衝液(1℃)で3回連続的に10分間すすぎ、続いて蒸留水(1℃)中で迅速にすすいでインキュベーションを終了した。切片を送風機の前で空気乾燥した。乾燥切片及びプラスチックトリチウム標準(アマシャムマイクロスケール−H)をカセット中のホスホイメージングプレート(phosphoimage plates)(Fuji)に並べ、そして一夜曝露した。次の朝、BAS Readerソフトウェアを用いてFuji phospoimager (BAS 2500)によりイメージプレート(image plates)を処理した。生成したイメージを、Aidaソフトウェアを用いてTIFフォーマットに変換し、Adobe Photoshop (v 8.0)で最適化し、そしてImage−J (NIH)を用いて定量化した。Excelを用いてデータを統計学的に分析した。
【0220】
インビボ化合物投与後のAPP/PS1マウス脳における結合
実験未使用の覚醒マウスを拘束し、そして尾静脈を経て本発明のトリチウム標識化合物、又はトリチウム標識化された参照化合物のいずれかを尾静脈を経て静脈内注入した。1つのタイプの実験では、マウスをイソフルオランで急速麻酔し、そして化合物(1mCi)を投与後20分で断頭した。別のタイプの実験では、マウスに1mCiの化合物を与え、投与後20、40又は80分の時点で麻酔し、断頭した。脳を取出し、そして粉末状ドライアイスで凍結させた。クリオスタットを用いて線条のレベルで脳を前頭面で切り(10μm)、スーパーフロスト(superfrost)顕微鏡用スライド上に解凍マウント(thaw−mounted)し、そして空気乾燥させた。
【0221】
その後、インビボ投与後に結合したリガンドの画像化を最適化するように設計された方法を用いた。結合していない放射活性レベルを選択的に減少させるため、切片の半分をたい(1℃)トリス緩衝液(50mM,pH7.4)中ですすぎ(3×10分)、続いて冷たい(1℃)脱イオン水中で迅速にすすいだ。次いで、切片を送風機の前で空気乾燥させた。すすいだ切片及びすすいでない切片、及びトリチウム標準をホスホイメージプレート(Fuji)に曝露した。BAS Readerソフトウェアを用いてホスホイメージプレートをFujifilm BAS−2500 phosphoimagerで処理した。
【0222】
生物学的実施例1
インビトロのAβアミロイド原線維に対する新規なヘテロアリール置換されたイミダゾピリジン誘導体の特異的結合の特性評価
本明細書に記載した競合結合アッセイに従って特異的結合を測定した。本発明の5つの化合物の競合結合アッセイ(放射性リガンドとして[H]PIBを用いる)において測定されたIC50値を表1に示す。
【0223】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離塩基としての式Ia
【化1】

[式中、
R1は、H、ハロ、 C1−5アルキル、C1−5フルオロアルキル、C1−3アルキレンOC1−3アルキル、C1−3アルキレンOC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンNH、C1−3アルキレンNHC1−3アルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)、C1−3アルキレンNHC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンN(C1−3フルオロアルキル)、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、 ヒドロキシ、C1−5アルコキシ、C1−5フルオロアルコキシ、C1−5Sアルキル、C1−5Sフルオロアルキル、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルコキシ、NH(CO)C1−3フルオロアルコキシ、NHSO1−3アルキル、NHSO1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、(CO)N(C1−3アルキル)、(CO)N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、(CO)N(C4−6アルキレン)、(CO)N(C4−6フルオロアルキレン)、 シアノ、SONHC1−3フルオロアルキル、ニトロ及びSONHから選ばれ;
R2は、H、ハロ、C1−5アルキル、C1−5フルオロアルキル、C1−3アルキレンOC1−3アルキル、C1−3アルキレンOC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンNH、C1−3アルキレンNHC1−3アルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)、C1−3アルキレンNHC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンN(C1−3フルオロアルキル)、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、 ヒドロキシ、C1−5アルコキシ、C1−5フルオロアルコキシ、C1−5Sアルキル、C1−5Sフルオロアルキル、アミノ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルコキシ、NH(CO)C1−3フルオロアルコキシ、NHSO1−3アルキル、NHSO1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、(CO)N(C1−3アルキル)、(CO)N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、(CO)N(C4−6アルキレン)、(CO)N(C4−6フルオロアルキレン)、 シアノ、SONHC1−3フルオロアルキル、ニトロ及びSONHから選ばれるか;又は
R1及びR2は、一緒になって環
【化2】

を形成し;
Qは、Het1〜Het8
【化3】

から選ばれる窒素含有芳香族複素環であり;
ここに、
Het1は、1又は2個のN原子を含む6員芳香族複素環であり、ここにX、X、X及びXは、N又はCから独立して選ばれ;及びここにX、X、X及びXの1又は2個はNであり、そして残りはCであり、及びここに原子XはCであり、該CはR4で場合により置換され;及びここに原子XはCであり、該CはR5で場合により置換され;
R3は、ハロ、 C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−3アルキレンOC1−3アルキル、C1−3アルキレンOC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンNHC1−3アルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)、C1−3アルキレンNHC1−3フルオロアルキル、C1−3アルキレンN(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(C0−3アルキレン)G2、N(C0−1アルキル)N(C0−1アルキル)、N(C0−3フルオロアルキル)N(C0−1アルキル)、N(C0−1アルキル)N(C0−1アルキル)C0−3フルオロアルキル、N(C0−1アルキル)OC0−1アルキル、N(C0−3フルオロアルキル)OC0−1アルキル、N(C0−1アルキル)OC0−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)G2、(CO)C1−3アルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3アルキル、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、(CO)N(C1−3アルキル)、(CO)N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、(CO)N(C4−6アルキレン)、(CO)N(C4−6フルオロアルキレン)、(CO)G2、(CO)NHG2、SONH、SONHC1−3アルキル、SONHC1−3フルオロアルキル、SON(C1−3アルキル)、SON(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、シアノ、SO1−6アルキル、SO1−6フルオロアルキル、SC1−6アルキル、SC1−6フルオロアルキル、N(C4−6アルキレン)及びG1から選ばれ、こ
こにG1は
【化4】

であり;
は、O、NH、NC1−3アルキル、N(CO)OC1−4アルキル、N(CO)C1−4アルキル、N(CO)C1−4フルオロアルキル 及びNC1−3フルオロアルキルから選ばれ;
G2は、フルオロ、ブロモ、ヨード、メチル及びメトキシから選ばれる置換基で場合により置換される、フェニル又は5若しくは6員芳香族複素環であり;
R4は、H又はハロであり;
R5は、H又はハロであり;
R6は、H、メチル及びC1−4フルオロアルキルから選ばれ;そして
構成原子の1つ又はそれ以上は、場合により検出可能な同位体である]
の化合物、又はその医薬上許容しうる塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物。
【請求項2】
R1がH、ハロ、メチル、C1−5フルオロアルキル、ヒドロキシ、メトキシ、C1−5フルオロアルコキシ、チオメチル、C1−5Sフルオロアルキル、アミノ、NHメチル、NHC1−3フルオロアルキル、N(CH)CH、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルコキシ、NH(CO)C1−3フルオロアルコキシ、NHSO1−3アルキル、NHSO1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3フルオロアルキル、(CO)C1−3アルコキシ、(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)NH、(CO)NHC1−3フルオロアルキル、シアノ、SONHC1−3フルオロアルキル、ニトロ及びSONHから選ばれるか;又は
R1及びR2が一緒になって環
【化5】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R1がH、フルオロ、ブロモ、ヨード、C1−5フルオロアルキル、ヒドロキシ、メトキシ、シアノ、C1−5フルオロアルコキシ、チオメチル、アミノ、NHメチル、NHC1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルコキシ、(CO)C1−3アルコキシ及び(CO)NHから選ばれる、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R1がヒドロキシ及びメトキシから選ばれる、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
R2がH、フルオロ、ヨード、C1−5フルオロアルキル、ヒドロキシ、メトキシ 及びチオメチルから選ばれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
R2がH、フルオロ、ヒドロキシ及びメトキシから選ばれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
R2がHである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
QがHet1〜Het4及びHet6から選ばれる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
QがHet5、Het7及びHet8から選ばれる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
QがHet1及びHet2から選ばれる、請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
QがHet2であり、そしてR6がHである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
QがHet1である、請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
Het1がピリジン環であり、ここにX及びXがN又はCから独立して選ばれ、及びここにX及びXの一方がNであり、及びここにX、X、X及びXの残りがCである、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
Het1がピリジン環であり、ここにXがNであり、及びここにX、X及びXがCである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
Het1がピリジン環であり、ここにXがNであり、及びここにX、X及びXがCである、請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
Het1がピリミジン環であり、ここにX及びXがN又はCから独立して選ばれ、そしてX及びXの一方がNであり;及びここにX及びXがN又はCから独立して選ばれ、及びここにX及びXの一方がNである、請求項12に記載の化合物。
【請求項17】
Het1がピリミジン環であり、ここにX及びXがNであり、及びここにX及びXがCである、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
R4がHである、請求項12〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
R4がフルオロである、請求項12〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
R5がフルオロ及びクロロから選ばれる、請求項12〜17のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
R3がC1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、NHC1−3アルキル、NHC1−3フルオロアルキル、N(C1−3アルキル)、N(C1−3アルキル)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)C1−3アルキル、NH(CO)C1−3フルオロアルキル、NH(CO)G2、(CO)NH、SO1−4アルキル、SC1−4アルキル、SC1−6フルオロアルキル、N(C4−6アルキレン)及びG1
【化6】

から選ばれ;
がO、NH、NC1−3アルキル及びN(CO)Ot−ブチルから選ばれ;
G2がフルオロ及びヨードから選ばれる置換基で場合により置換されるフェニルである、請求項1〜7及び12〜20のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項22】
R3がC1−4アルコキシ、NHC1−3アルキル、N(C1−3アルキル)及びG1
【化7】

から選ばれ;
がO、NH及びN(CO)Ot−ブチルから選ばれる、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
1−4アルコキシがメトキシを表し;NHC1−3アルキルがNHCH3を表し、そしてN(C1−3アルキル)がN(メチル)を表す、請求項21に記載の化合物。
【請求項24】
化合物が、
【表1】

【表2】

【表3】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
化合物が、
【表4】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
分子の1つ又はそれ以上の原子が検出可能な同位体を表す、請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項27】
構成原子の1〜6個が検出可能な同位体Hであるか、又は構成原子の1〜3個が19F及び13Cから選ばれる検出可能な同位体であるか、又は構成原子の1個が18F、11C、75Br、76Br、120I、123I、125I、131I及び14Cから選ばれる検出可能な同位体である、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
構成原子の1〜6個が検出可能な同位体Hであるか、又は構成原子の1〜3個が検出可能な同位体19Fであるか、又は構成原子の1個が18F、11C及び123Iから選ばれる検出可能な同位体である、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
構成原子の1〜6個が検出可能な同位体Hであるか、又は構成原子の1〜3個が検出
可能な同位体19Fであるか、又は構成原子の1個が18F及び11Cから選ばれる検出可能な同位体である、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
構成原子の1つが検出可能な同位体11Cである、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
構成原子の1個が検出可能な同位体18Fである、請求項29に記載の化合物。
【請求項32】
遊離塩基としての式Ib
【化8】

[式中、
R7は、OSi(G3)、OCHG4、OG5、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選ばれ;
R8は、OSi(G3)、OCHG4、OG5、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選ばれ;
G3は、C1−4アルキル及びフェニルから選ばれ;
G4は、2−(トリメチルシリル)エトキシ、C1−3アルコキシ、2−(C1−3アルコキシ)エトキシ、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、ビニル、フェニル、p−メトキシフェニル、o−ニトロフェニル、及び9−アントリルから選ばれ;
G5は、テトラヒドロピラニル、1−エトキシエチル、フェナシル、4−ブロモフェナシル、シクロヘキシル、t−ブチル、t−ブトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル及びトリフェニルメチルから選ばれ;
IG6は、ヨードニウム塩の構成要素であり、ここにおいてヨード原子は超原子価であり、正の形式荷電を有し、そしてG6はメチル及びブロモから選ばれる1つの置換基で場合により置換されるフェニルであり;
QXは、Q1及びQ2
【化9】

から選ばれる窒素含有芳香族複素環であり;
ここにQ1は、1又は2個のN原子を含む6員芳香族複素環であり、ここにX、X、X及びXは、N又はCから独立して選ばれ、及びここにX、X、X及びXの1個又は2個は、Nであり、そして残りはCであり、及びここにそしてすべての上記Cは、R9で場合により置換されており;
R9は、H、ブロモ、ヨード、フルオロ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選ばれ;
R10は、アミノ、アミノメチル、ジメチルアミノ、メトキシ、ヒドロキシ及びO(CHG7から選ばれ;
G7は、ブロモ、ヨード、OSOCF、OSOCH及びOSOフェニルから選ばれ、該フェニルはメチル又はブロモで場合により置換される]
の化合物、又はその塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物。
【請求項33】
R7が、OSi(G3)、OCHG4、OG5、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選ばれ;
R8が、OSi(G3)、OCHG4、OG5、H、ブロモ、フルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選ばれ;
G3が、C1−4アルキル 及びフェニルから選ばれ;
G4が、2−(トリメチルシリル)エトキシ、C1−3アルコキシ、2−(C1−3アルコキシ)エトキシ、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、ビニル、フェニル、p−メトキシフェニル、o−ニトロフェニル、及び9−アントリルから選ばれ;
G5が、テトラヒドロピラニル、1−エトキシエチル、フェナシル、4−ブロモフェナシル、シクロヘキシル、t−ブチル、t−ブトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル及びトリフェニルメチルから選ばれ;
IG6が、ヨードニウム塩の構成要素であり、ここにヨード原子は超原子価であり、正の形式荷電を有し、及びここにG6はフェニルであり、メチル及びブロモから選ばれる1つの置換基で場合により置換され;
QXが、Q1及びQ2
【化10】

から選ばれる窒素含有芳香族複素環であり;
ここにQ1は、1又は2個のN原子を含む6員芳香族複素環であり、ここにX、X及びXは、N又はCから独立して選ばれ、及びここにX、X及びXisの1又は2個はNであり、そして残りはCであり、及びここにXがCであるとき、該CはR9で場合により置換され;
R9が、H、ブロモ、フルオロ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選ばれ;
R10が、アミノ、アミノメチル、ジメチルアミノ、メトキシ、ヒドロキシ及びO(CHG7から選ばれ;
G7は、ブロモ、ヨード、OSOCF、OSOCH及びOSOフェニルから選ばれ、該フェニルはメチル又はブロモで場合により置換される;
遊離塩基としての請求項32に記載の化合物、又はその塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物。
【請求項34】
R7がOSi(G3)であり;R8がHであり;QXがQ1であり;R10がアミノメチル及びヒドロキシから選ばれる、請求項32又は33に記載の化合物。
【請求項35】
R7がHであり;R8がOSi(G3)であり;QXがQ1であり;そしてR10がアミノメチル及びヒドロキシから選ばれる、請求項32又は33に記載の化合物。
【請求項36】
R7がOSi(G3)、ヒドロキシ及びメトキシから選ばれ;R8がHであり;QXがQ1であり;そしてR10がO(CHG7である、請求項32又は33に記載の化合物。
【請求項37】
R7がHであり;R8がOSi(G3)、ヒドロキシ及びメトキシから選ばれ;QXがQ1であり;そしてR10がO(CHG7である、請求項32又は33に記載の化合物。
【請求項38】
R7がヒドロキシであり;R8がHであり;R10がジメチルアミノ及びメトキシから選ばれる、請求項32又は33に記載の化合物。
【請求項39】
R7がHであり;R8がヒドロキシであり;そしてR10がジメチルアミノ及びメトキシから選ばれる、請求項32又は33に記載の化合物。
【請求項40】
R7がアミノ 及びSn(C1−4アルキル)から選ばれ;R8がHであり;QXがQ1であり;そしてR10がジメチルアミノ及びメトキシから選ばれる、請求項32又は33に記載の化合物。
【請求項41】
R7がHであり;R8がアミノ及びSn(C1−4アルキル)から選ばれ;QXがQ1であり;そしてR10がジメチルアミノ及びメトキシから選ばれる、請求項32又は33に記載の化合物。
【請求項42】
R7がOSi(G3)、ヒドロキシ及びメトキシから選ばれ;R8がブロモ、フルオロ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選ばれ;そしてR10がアミノメチル、ジメチルアミノ及びメトキシから選ばれる、請求項32又は33に記載の化合物。
【請求項43】
R7がブロモ、フルオロ、アミノ、Sn(C1−4アルキル)、N(CH、IG6、N及びニトロから選ばれ;R8がOSi(G3)、ヒドロキシ及びメトキシから選ばれ;そしてR10がアミノメチル、ジメチルアミノ及びメトキシから選ばれる、請求項32又は33に記載の化合物。
【請求項44】
R9がHである、請求項34〜43のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項45】
R7がOSi(G3)、ヒドロキシ及びメトキシから選ばれ;R8がHであり;QXがQ1であり;XがCであり、そしてR9で置換され;そしてR10がアミノメチル、ジメチルアミノ及びメトキシから選ばれる、請求項32又は33に記載の化合物。
【請求項46】
R7がHであり;R8がOSi(G3)、ヒドロキシ及びメトキシから選ばれ;QXがQ1であり;XがCであり;R9がフルオロであり;そしてR10がアミノメチル、ジメチルアミノ及びメトキシから選ばれる、請求項32又は33に記載の化合物。
【請求項47】
及びXがCであり;そしてXがNである、請求項34〜46のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項48】
及びXがCであり;そしてXがNである、請求項34〜46のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項49】
及びXがNであり;そしてXがCである、請求項34〜44のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項50】
R7がヒドロキシ及びメトキシから選ばれ;R8がH及びフルオロから選ばれ;QXがQ1であり、ここにQ1は1又は2個のN原子を含む6員芳香族複素環であり、ここにX、X及びXが、N又はCから独立して選ばれ、及びここにX、X及びXの1又は2個がNであり、そして残りがCであり、及びここにXがCであるとき、該CはR9で場合により置換され;R9はフルオロを表し;そしてR10がアミノメチル、ジメチルアミノ、メトキシから選ばれる、請求項32又は33に記載の化合物。
【請求項51】
化合物が、
【表5】

である、請求項32又は33に記載の化合物。
【請求項52】
化合物が、
【表6】

である、請求項32又は33に記載の化合物。
【請求項53】
化合物が、
【化11】

である、請求項32又は33に記載の化合物。
【請求項54】
標識が1つの[11C]メチル基によって構成される、請求項24に記載の標識化合物の製造方法における合成前駆体としての、請求項34、35、38、39、44、47、48、49及び51のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項55】
標識が18F原子によって構成される、請求項24に記載の標識化合物の製造方法における合成前駆体としての、請求項36、37、40〜49及び52のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項56】
標識が120I、123I、125I及び131Iから選ばれる1個の原子によって構成される、請求項24に記載の標識化合物の製造方法における合成前駆体としての、請求項40、41、44、47〜49及び53に記載の化合物の使用。
【請求項57】
請求項1〜31のいずれか1項に記載の化合物を薬学的に許容しうる担体と一緒に含む薬剤組成物。
【請求項58】
請求項1〜31のいずれか1項に記載の放射性標識化合物を薬学的に許容しうる担体と一緒に含む、アミロイド沈着をインビボ画像化するための薬剤組成物。
【請求項59】
(a)請求項58に記載の薬剤組成物の検出可能な量を投与し、そして(b)被験者におけるアミロイド沈着への化合物の結合を検出する工程を含む、被験者におけるアミロイド沈着のインビボ測定方法。
【請求項60】
検出を、ガンマ画像化、磁気共鳴画像化及び磁気共鳴分光法から選ばれる技術群によって行なう、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
被験者は、アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群及びアポリポ蛋白E4対立遺伝子のホモ接合体からなる群より選ばれる疾患又は症候群を有することが疑われる、請求項59又は60に記載の方法。
【請求項62】
治療に使用するための請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項63】
アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群及びアポリポ蛋白E4対立遺伝子のホモ接合体を予防及び/又は治療するための薬剤の製造における請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項64】
アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群及びアポリポ蛋白E4対立遺伝子のホモ接合体の予防及び/又は治療を必要とするヒトを含む哺乳動物に請求項1〜25のいずれか1項に記載の化合物の治療上有効量を投与することを含む、アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群及びアポリポ蛋白E4対立遺伝子のホモ接合体の予防及び/又は治療方法。

【公表番号】特表2010−516672(P2010−516672A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546344(P2009−546344)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【国際出願番号】PCT/SE2008/000045
【国際公開番号】WO2008/091195
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】