説明

新規の化合物

本発明は、イミダゾピリミジン置換ピペリジン誘導体および医薬としてのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イミダゾピリミジルメチル置換ピペリジン誘導体、および医薬としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの医学的に有意な生物学的プロセスが、Gタンパク質および/または第二メッセンジャーを包含するシグナル伝達経路に関与するタンパク質によって仲介される。
【0003】
ヒト7回膜貫通型Gタンパク質共役神経ペプチド受容体オレキシン−1(HFGAN72)をコードするポリペプチドおよびポリヌクレオチドが同定されており、EP875565、EP875566、およびWO 96/34877に開示されている。第二のヒトオレキシン受容体オレキシン−2(HFGANP)をコードするポリペプチドおよびポリヌクレオチドが同定されており、EP893498に開示されている。
【0004】
オレキシン−1受容体、例えばオレキシン−A(Lig72A)についてのリガンドであるポリペプチドおよびポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、EP849361に開示されている。
【0005】
オレキシンリガンドおよび受容体の系は、その発見以来十分に特徴づけられてきた(例えば、Sakurai, T. et al (1998) Cell, 92 p.573〜585;Smart et al (1999) British Journal of Pharmacology 128 p.1〜3;Willie et al (2001) Ann. Rev. Neurosciences 24 p.429〜458;Sakurai (2007) Nature Reviews Neuroscience 8 p.171〜181;Ohno and Sakurai (2008) Front. Neuroendocrinology 29 p.70〜87参照)。これらの研究から、オレキシンおよびオレキシン受容体が、哺乳類における多くの重要な生理学的役割を担っており、以下に記載される種々の疾患および障害についての新たな治療処置の発展の可能性を開いていることは明らかとなっている。
【0006】
リガンドオレキシン−Aの中枢投与が、自由摂餌ラットにおける食餌摂取を4時間刺激したことが実験によって示されている。この増加は、ビヒクルを受けている対照ラットのおよそ4倍であった。これらのデータは、オレキシン−Aが、食欲の内在性調節因子であるかもしれないことを示唆している(Sakurai, T. et al (1998) Cell, 92 p.573〜585;Peyron et al (1998) J. Neurosciences 18 p.9996〜10015;Willie et al (2001) Ann. Rev. Neurosciences 24 p.429〜458)。それゆえ、オレキシン−A受容体のアンタゴニストは、肥満および糖尿病の治療に有用であるかもしれない。このことを立証するために、オレキシン受容体アンタゴニストSB334867が、ラットにおける快楽摂食を強力に減少させ(White et al (2005) Peptides 26 p.2231〜2238)、また、ラットにおける高脂肪ペレット自己投与も減弱させたことが示された(Nair et al (2008) British Journal of Pharmacology, 2008年1月28日オンライン刊行)。肥満および他の摂食障害を治療するための新たな治療法の探索は、重要な努力目標である。WHOの定義によると、西洋化社会において、39件の研究における平均35%の対象が過体重であり、さらに22%が臨床的に肥満であった。米国における健康管理の総額の5.7%が肥満の結果であると概算されている。2型糖尿病の約85%が肥満である。食事および運動は、すべての肥満者において価値がある。西洋国において肥満と診断された発症率は典型的には5%であり、等数が診断されていないと概算される。両方の疾患の発症率は上昇中であり、心臓血管効果を含めて効果がないかまたは毒性の危険性を有するかのいずれかであるかもしれない現行の治療の不適切さを示している。スルホニル尿素またはインスリンを用いた糖尿病の治療は、低血糖を生じる可能性があるのに対し、メトホルミンはGI副作用を生じる。該疾患の長期の合併症を低下させることを示した2型糖尿病に対する薬剤治療はない。インスリン増感剤は、多くの糖尿病患者にとって有用であろうが、抗肥満効果を有さない。
【0007】
摂食における役割を有するのと同様に、オレキシン系はまた、睡眠および覚醒状態にも関与する。ラットの睡眠/脳波記録研究は、オレキシン受容体のアゴニストであるオレキシン−Aの中枢投与が、正常な睡眠期の開始時に投与されると、覚醒における用量関連増大を生じ、逆説睡眠および徐波睡眠2における低下という犠牲を大きく払うことを示している(Hagan et al (1999) Proc.Natl.Acad.Sci. 96 p.10911〜10916)。睡眠および覚醒状態におけるオレキシン系の役割は、いまや十分に確立されている(Sakurai (2007) Nature Reviews Neuroscience 8 p.171〜181;Ohno and Sakurai (2008) Front. Neuroendocrinology 29 p.70〜87;Chemelli et al (1999) Cell 98 p.437〜451;Lee et al (2005) J. Neuroscience 25 p.6716〜6720;Piper et al (2000) European J Neuroscience 12 p.726〜730、およびSmart and Jerman (2002) Pharmacology and Therapeutics 94 p.51〜61)。オレキシン受容体のアンタゴニストはそれゆえ、不眠症を含む睡眠障害の治療に有用であるかもしれない。オレキシン受容体アンタゴニストを用いた研究、例えば、ラット(例えばSmith et al (2003) Neuroscience Letters 341 p.256〜258参照)ならびにより近年ではイヌおよびヒト(Brisbare−Roch et al (2007) Nature Medicine 13(2) p.150〜155)におけるSB334867はこのことをさらに支持している。
【0008】
加えて、近年の研究は、報酬探索行動と関連した障害、例えば薬物嗜癖および薬物乱用など、意欲障害の治療におけるオレキシンアンタゴニストについての役割を示唆してきた(Borgland et al (2006) Neuron 49(4) p.589〜601;Boutrel et al (2005) Proc.Natl.Acad.Sci. 102(52) p.19168〜19173;Harris et al (2005) Nature 437 p.556〜559)。
【0009】
国際特許出願WO99/09024、WO99/58533、WO00/47577、およびWO00/47580は、フェニル尿素誘導体を開示し、WO00/47576は、オレキシン受容体アンタゴニストとしてのキノリニルシナミド(quinolinyl cinnamide)誘導体を開示している。WO05/118548は、オレキシンアンタゴニストとしての置換1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン誘導体を開示している。
【0010】
WO01/96302、WO02/44172、WO02/89800、WO03/002559、WO03/002561、WO03/032991、WO03/037847、WO03/041711、およびWO08/038251はすべて、環状アミン誘導体を開示している。
【0011】
WO03/002561は、オレキシンアンタゴニストとしてのN−アロイル環状アミン誘導体を開示している。WO03/002561に開示された化合物には、2位で二環式ヘテロアリールメチル基と置換されたピペリジン誘導体が挙げられる。本発明者らは、2位でイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イルメチル基と置換したいくつかのピペリジン誘導体が、例えば、従来の化合物と比較して高い経口の生物学的利用率および生理学的に関連のある媒体における有意に高い溶解度を含めた有益な特性を有することをいまや発見した。このような特性によって、これらのイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イルメチル置換ピペリジン誘導体は、2型(インスリン非依存性)糖尿病患者において観察される肥満、睡眠障害、不安、うつ病、統合失調症、薬物依存、または強迫行動を含めた肥満の予防または治療において有用であるかもしれない可能性のある医薬剤として非常に魅力的なものとなっている。加えて、これらの化合物は、脳卒中、特に虚血性もしくは出血性脳卒中の治療、および/または催吐性応答を遮断する治療おいて有用であるかもしれず、すなわち、吐き気および嘔吐の治療に有用であるかもしれない。
【発明の概要】
【0012】
従って、本発明は、式(I)
【化1】

(ここで、Arは、式:
【化2】

からなる群から選択され;
が、(C1−4)アルキル、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキル−O−(C1−4)アルキル、CN、NRであり、式中、Rは、Hまたは(C1−4)アルキルであり、かつRは、Hまたは(C1−4)アルキルであり;
が、(C1−4)アルキル、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキル−O−(C1−4)アルキル、CN、NRであり、式中、Rは、Hまたは(C1−4)−アルキルであり、かつRはHまたは(C1−4)−アルキルであり;
が、(C1−4)アルキル、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキル− O −(C1−4)アルキル、CN、NR10であり、式中、Rは、Hまたは(C1−4)−アルキルであり、かつR10は、Hまたは(C1−4)−アルキルであり;
nが、0または1であり;
pが、0または1であり;かつ
qが、0または1であり;
但し、pおよびqが両方とも0ではないという条件付きである。)
の化合物またはその医薬として許容し得る塩を提供する。
【0013】
一実施態様において、Arは式(II)の基である。
【0014】
別の実施態様において、Arは式(III)の基である。
【0015】
一実施態様において、Arは式(II)の基であり、かつnは0である。
【0016】
一実施態様において、Arは式(II)の基であり、かつnは1である。
【0017】
別の実施態様において、Arは式(II)の基であり、nは1であり、かつRはハロゲンである。
【0018】
さらなる実施態様において、Arは式(II)の基であり、nは1であり、かつRは塩素である。
【0019】
なおもさらなる実施態様において、Arは式(II)の基であり、nは1であり、pは1であり、qは0であり、Rは塩素であり、かつRはメチルである。
【0020】
一実施態様において、Arは式(II)の基であり、nは0であり、pは1であり、qは0であり、かつRはメチルである。
【0021】
一実施態様において、Arは式(II)の基であり、nは0であり、pは1であり、qは1であり、かつRおよびRのうちの1つはハロであり、かつその他は(C1−4)−アルキルである。
【0022】
一実施態様において、Arは式(II)の基であり、nは0であり、pは1であり、Rはハロであり、かつRは(C1−4)−アルキルである。
【0023】
別の実施態様において、Arは式(II)の基であり、nは0であり、pは1であり、qは1であり、Rはクロロであり、かつRはメチルである。
【0024】
一実施態様において、Arは式(III)の基であり、かつnは0である。
【0025】
一実施態様において、Arは式(III)の基であり、かつnは1である。
【0026】
別の実施態様において、Arは式(III)の基であり、nは1であり、かつRはハロゲンである。
【0027】
別の実施態様において、Arは式(III)の基であり、nは1であり、かつR塩素である。
【0028】
さらなる実施態様において、Arは式(III)の基であり、nは1であり、pは1であり、qは0であり、Rは塩素であり、かつRはメチルである。
【0029】
一実施態様において、Arは式(III)の基であり、nは0であり、pは1であり、qは0であり、かつRはメチルである。
【0030】
一実施態様において、Arは式(III)の基であり、nは0であり、pは1であり、qは1であり、かつRおよびRのうちの1つはハロであり、かつその他は(C1−4)−アルキルである。
【0031】
一実施態様において、Arは式(III)の基であり、nは0であり、pは1であり、qは1であり、Rはハロであり、かつRは(C1−4)−アルキルである。
【0032】
別の実施態様において、Arは式(III)の基であり、nは0であり、pは1であり、qは1であり、Rはクロロであり、かつR3はメチルである。
【0033】
本発明の化合物の例には下記が挙げられる:
7−メチル−2−({(2S)−1−[(2−メチル−5−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)カルボニル]−2−ピペリジニル}メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリミジン;
3−クロロ−7−メチル−2−({(2S)−1−[(2−メチル−5−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)カルボニル]−2−ピペリジニル}メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリミジン;および
7−クロロ−6−、メチル−2−({(2S)−1−[(2−メチル−5−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)カルボニル]−2−ピペリジニル}メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリミジン。
【0034】
化合物が(C1−4)アルキル基を含む場合、単独であろうと、より大きな基、例えば(C1−4)アルコキシの部分を形成しようと、アルキル基は、直鎖、分岐鎖、もしくは環状、またはこれらの組み合わせであってもよい。(C1−4)アルキルの例は、メチルまたはエチルである。(C1−4)アルコキシの例は、メチルオキシである。
【0035】
ハロ(C1−4)アルキルの例には、トリフルオロメチル(すなわち、−CF)が挙げられる。
【0036】
(C1−4)アルコキシの例には、メチルオキシおよびエチルオキシが挙げられる。
【0037】
ハロ(C1−4)アルコキシの例には、トリフルオロメチルオキシ(すなわち、−OCF)が挙げられる。
【0038】
ハロゲンまたは「ハロ」(例えば、ハロ(C1−4)アルキルにおいて使用する場合)は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。
【0039】
医学において使用する場合、式(I)の化合物の塩が医薬的に許容され得るべきであることは認められるであろう。適切な医薬として許容し得る塩は、当業者に明白であろう。医薬として許容し得る塩には、Berge, Bighley and Monkhouse J.Pharm.Sci (1977) 66, p.1〜19によって記載されたものが含まれる。このような医薬として許容し得る塩には、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、またはリン酸、および有機酸、例えば、コハク酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、またはナフタレンスルホン酸を用いて形成された酸付加塩が挙げられる。他の塩、例えば、シュウ酸塩またはギ酸塩は、例えば式(I)の化合物の単離において用いてもよく、本発明の範囲内に含まれる。
【0040】
式(I)の特定の化合物は、1つ以上の等価の酸を用いて酸付加塩を形成してもよい。本発明には、その範囲内に、すべての考えられ得る化学量論的形態および非化学量論的形態が含まれる。
【0041】
式(I)の化合物は、結晶形態または非晶質形態で調製されてもよく、結晶の場合、例えば水和物として、任意に溶媒和されてもよい。本発明には、その範囲内に、化学量論的溶媒和物(例えば、水和物)および可変量の溶媒(例えば、水)を含む化合物が含まれる。
【0042】
本発明には、式(I)の化合物の医薬として許容し得る誘導体が含まれ、これらが本発明の範囲内に含まれることは理解されるであろう。
【0043】
本明細書で使用する場合、「医薬として許容し得る誘導体」には、レシピエントへの投与の際に式(I)の化合物またはその活性代謝産物もしくは残基を(直接的にまたは間接的に)提供できる式(I)の化合物の任意の医薬として許容し得るエステルまたはこのようなエステルの塩が含まれる。
【0044】
式(I)の化合物は、S鏡像異性体である。追加的なキラル中心が式(I)の化合物に存在する場合、本発明には、その範囲内に、それらの混合物を含めてすべての考えられ得る鏡像異性体およびジアステレオ異性体が含まれる。異なる異性体形態は、従来の方法によって互いに分離または分割されてもよく、または任意の所与の異性体は、従来の合成方法によって、または立体特異的合成もしくは非対称性合成によって得られてもよい。本発明はまた、任意の互変異性体形態またはその混合物にも及ぶ。
【0045】
本発明にはまた、式(I)で列挙されたものと同一である同位体標識された化合物も含まれるが、例外は、1つ以上の原子は、天然に最も普遍的に認められる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって、1つ以上の原子が置換されるという事実である。本発明の化合物に組み込むことのできる同位体の例には、H、11C、14C、18F、123I、または125Iなどの水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、ヨウ素、および塩素の同位体が挙げられる。
【0046】
上記の同位体および/または他の原子の他の同位体を含む本発明の化合物ならびに該化合物の医薬として許容し得る塩は、本発明の範囲内である。本発明の同位体標識した化合物、例えば、Hまたは14Cなどの放射性同位体が組み込まれたものは、薬剤および/または基質の組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム標識した同位体、すなわちH、および炭素−14同位体、すなわち14Cは、調製および検出性の簡便さのために特に好ましい。11C同位体および18F同位体は、PET(陽電子放出型断層撮影法)において特に有用である。
【0047】
式(I)の化合物が、医薬組成物における使用に意図されているので、実質的に純粋な形態、例えば少なくとも60%純粋、より適切には少なくとも75%純粋、好ましくは少なくとも85%、特に少なくとも98%純粋な形態で各々好適に提供されることは容易に理解されるであろう(%は、重量を基にした重量に関している。)。化合物の不純な調製物は、医薬組成物において用いられるさらに純粋な形態を調製するために用いられてもよい。
【0048】
本発明のさらなる態様によると、式(I)の化合物およびその誘導体の調製のためのプロセスが提供される。下記のスキームは、本発明の化合物に至るいくつかの合成経路を詳述する。下記のスキームにおいて、反応基は、保護基を用いて保護され、十分に確立された技術に従って脱保護されることが可能である。
【0049】
スキーム
本発明のさらなる特徴によると、式(I)の化合物およびその誘導体の調製のためのプロセスが提供される。下記は、本発明の化合物を合成するために用いてもよい合成スキームの一例である。
【化3】

【0050】
本発明の特定の化合物が、標準的な化学方法に従って本発明の他の化合物に変換することができることは当業者によって理解されるであろう。
【0051】
スキームにおいて使用するための出発材料は、市販されており、文献において公知であり、または公知の方法によって調製することができる。
【0052】
医薬として許容し得る塩は、適切な酸または酸誘導体との反応によって従来どおり調製されてもよい。
【0053】
本発明は、人間医学または獣医学における使用のための式(I)の化合物およびその医薬として許容し得る誘導体を提供する。
【0054】
式(I)の化合物またはその医薬として許容し得る塩は、ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要とされる、原発性不眠症(307.42)、原発性過眠症(307.44)、ナルコレプシー(347)、呼吸関連睡眠障害(780.59)、概日リズム睡眠障害(307.45)、および他に指定されていない睡眠異常(307.47)などの睡眠異常;悪夢障害などの睡眠時随伴症(307.47)、夜驚障害(307.46)、夢遊症障害(307.46)、および他に指定されていない睡眠時随伴症(307.47)などの原発性睡眠障害;別の精神障害と関連した不眠症(307.42)および別の精神障害と関連した過眠症(307.44)などの、別の精神障害と関連した睡眠障害;一般的な医学的容態による睡眠障害、特に神経学的障害、神経因性疼痛、むずむず脚症候群、心疾患および肺疾患などの疾患と関連した睡眠障害;ならびに不眠症型、過眠症型、睡眠時随伴症型、および混合型のサブタイプを含む物質誘発性睡眠障害;睡眠時無呼吸および時差症候群からなる群から選択される睡眠障害などの疾患または障害の治療または予防のための使用に関するものであってもよい。
【0055】
加えて、本発明の化合物またはその医薬として許容し得る塩は、ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要とされる、大うつ病発作、躁病発作、混合型発作および軽躁病発作を含めたうつ病および気分障害;大うつ病、気分変調性障害(300.4)、他に指定されていないうつ病性障害(311)を含めたうつ病性障害;双極I型障害、双極II型障害(軽躁病発作を伴う再発性大うつ病発作)(296.89)、循環気質障害(301.13);ならびに他に指定されていない双極性障害(296.80)を含めた双極性障害;、うつ病性特徴、大うつ病様発作、躁病性特徴、および混合型特徴を有するサブタイプを含めた、一般的な医学的容態による気分障害を含めた他の気分障害、薬物誘発性気分障害(うつ病性特徴、躁病性特徴、および混合型特徴を有するサブタイプを含む。)、ならびに他に指定されていない気分障害(296.90)など疾患または障害の治療または予防のための使用に関するものであってもよい。
【0056】
さらに、式(I)の化合物またはその医薬として許容し得る塩は、ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要とされる、パニック発作を含めた不安障害;広場恐怖症を伴わないパニック障害(300.01)および広場恐怖症を伴うパニック障害(300.21)を含めたパニック障害;広場恐怖症;パニック障害の既往歴のない広場恐怖症(300.22)、動物型、天然環境型、血液注射損傷型、情況型、および他の型を含めた特定の恐怖症(300.29、旧単一恐怖)、社会恐怖(社会不安障害、300.23)、強迫性障害(300.3)、外傷後ストレス障害(309.81)、急性ストレス障害(308.3)、全般性不安障害(300.02)、一般的な医学的容態による不安障害(293.84)、薬物誘発性不安障害、分離不安障害(309.21)、不安を伴う調整障害(309.24)、および他に指定されていない不安障害(300.00)などの疾患または障害の治療または予防のための使用に関するものであってもよい。
【0057】
加えて、式(I)の化合物またはその医薬として許容し得る塩は、ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要とされる、薬物依存、薬物依存症、および薬物乱用などの薬物使用障害;薬物中毒、薬物断薬、薬物誘発性せん妄、薬物誘発性持続性認知症、薬物誘発性持続性健忘障害、薬物誘発性精神障害、薬物誘発性気分障害、薬物誘発性不安障害、薬物誘発性性機能障害、物質誘発性睡眠障害、および幻覚薬持続性知覚障害(フラッシュバック)などの薬物誘発性障害;アルコール依存(303.90)、アルコール乱用(305.00)、アルコール中毒(303.00)、アルコール断薬(292.81)、アルコール中毒せん妄、アルコール断薬せん妄、アルコール誘発性持続性認知症、アルコール誘発性持続性健忘障害、アルコール誘発性精神障害、アルコール誘発性気分障害、アルコール誘発性不安障害、アルコール誘発性性機能障害、アルコール誘発性睡眠障害、および他に指定されていないアルコール関連障害(291.9)などのアルコール関連障害;アンフェタミン依存(304.40)、アンフェタミン乱用(305.70)、アンフェタミン中毒(292.89)、アンフェタミン断薬(292.0)、アンフェタミン中毒せん妄、アンフェタミン誘発性精神障害、アンフェタミン誘発性気分障害、アンフェタミン誘発性不安障害、アンフェタミン誘発性性機能障害、アンフェタミン誘発性睡眠障害、および他に指定されていないアンフェタミン関連障害(292.9)などのアンフェタミン(またはアンフェタミン様)関連障害;カフェイン中毒(305.90)、カフェイン誘発性不安障害、カフェイン誘発性睡眠障害、および他に指定されていないカフェイン関連障害(292.9)などのカフェイン関連障害;大麻依存(304.30)、大麻乱用(305.20)
、大麻中毒(292.89)、大麻中毒せん妄、大麻誘発性精神障害、大麻誘発性不安障害、および他に指定されていない大麻関連障害(292.9)などの大麻関連障害;コカイン依存(304.20)、コカイン乱用(305.60)、コカイン中毒(292.89)、コカイン断薬(292.0)、コカイン中毒せん妄、コカイン誘発性精神障害、コカイン誘発性気分障害、コカイン誘発性不安障害、コカイン誘発性性機能障害、コカイン誘発性睡眠障害、および他に指定されていないコカイン関連障害(292.9)などのコカイン関連障害;幻覚薬依存(304.50)、幻覚薬乱用(305.30)、幻覚薬中毒(292.89)、幻覚薬持続性知覚障害(フラッシュバック)(292.89)、幻覚薬中毒せん妄、幻覚薬誘発性精神障害、幻覚薬誘発性気分障害、幻覚薬誘発性不安障害、および他に指定されていない幻覚薬関連障害(292.9)などの幻覚薬関連障害;吸入薬依存(304.60)、吸入薬乱用(305.90)、吸入薬中毒(292.89)、吸入薬中毒せん妄、吸入薬誘発性持続性認知症、吸入薬誘発性精神障害、吸入薬誘発性気分障害、吸入薬誘発性不安障害、および他に指定されていない吸入薬関連障害(292.9)などの吸入薬関連障害;ニコチン依存(305.1)、ニコチン断薬(292.0)、他に指定されていないニコチン関連障害(292.9)などのニコチン関連障害;オピオイド依存(304.00)、オピオイド乱用(305.50)、オピオイド中毒(292.89)、オピオイド断薬(292.0)、オピオイド中毒せん妄、オピオイド誘発性精神障害、オピオイド誘発性気分障害、オピオイド誘発性性機能障害、オピオイド誘発性睡眠障害、および他に指定されていないオピオイド関連障害(292.9)などのオピオイド関連障害;フェンシクリジン依存(304.60)、フェンシクリジン乱用(305.90)、フェンシクリジン中毒(292.89)、フェンシクリジン中毒せん妄、フェンシクリジン誘発性精神障害、フェンシクリジン誘発性気分障害、フェンシクリジン誘発性不安障害、および他に指定されていないフェンシクリジン関連障害(292.9)などのフェンシクリジン(またはフェンシクリジン様)関連障害;鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬依存(304.10)、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬乱用(305.40)、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬中毒(292.89)、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬断薬(292.0)、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬中毒せん妄、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬断薬せん妄、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬持続性認知症、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬持続性健忘障害、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬誘発性精神障害、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬誘発性気分障害、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬誘発性不安障害、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬誘発性性機能障害、鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬誘発性睡眠障害、および他に指定されていない鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬関連障害(292.9)などの鎮静薬、催眠薬、または抗不安薬関連障害;多剤依存(304.80)などの多剤関連障害;ならびにタンパク質同化ステロイド、硝酸吸入薬、および亜酸化窒素などの他の(または未知の)物質関連障害などの疾患または障害の治療または予防のための使用に関するものであってもよい。
【0058】
加えて、式(I)の化合物またはその医薬として許容し得る塩は、ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要とされる。神経性大食症、気晴らし食いなどの摂食障害、2型(インスリン非依存性)糖尿病患者において観察される肥満を含めた肥満などの疾患または障害の治療または予防のための使用に関するものであってよい。さらに、式(I)の化合物またはその医薬として許容し得る塩は、ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要とされる脳卒中、特に虚血性もしくは出血性脳卒中などの疾患または障害の、および/または催吐性応答、すなわち、吐き気および嘔吐を遮断する上での治療または予防のための使用に関するものであってもよい。
【0059】
列挙した疾患の後の括弧内の数字は、American Psychiatric Association によって刊行されたDSM−IV: Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 第4版における分類コードを指す。本明細書で述べられる種々のサブタイプの障害は、本発明の一部として考慮される。
【0060】
本発明はまた、ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要とされる疾患または障害、例えば、上記の疾患および障害を治療または予防する方法であって、該疾患または障害を治療または予防することを必要とする対象に、有効量の式(I)の化合物またはその医薬として許容し得る塩を投与することを含む該方法も提供する。
【0061】
本発明はまた、ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要とされる疾患または障害、例えば、上記の疾患および障害の治療または予防における使用のための、式(I)の化合物またはその医薬として許容し得る塩も提供する。
【0062】
本発明はまた、ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要とされる疾患または障害、例えば、上記の疾患および障害の治療または予防のための薬剤の製造における、式(I)の化合物またはその医薬として許容し得る塩の使用も提供する。
【0063】
治療における使用のために、本発明の化合物は通常、医薬組成物として投与される。本発明はまた、式(I)の化合物またはその医薬として許容し得る塩と、医薬として許容し得る担体とを含む医薬組成物も提供する。
【0064】
式(I)の化合物またはその医薬として許容し得る塩は、任意の簡便な方法によって、例えば、経口投与、非経口投与、頬側投与、舌下投与、経鼻投与、直腸投与、または経皮投与によって、およびそれに応じて適した医薬組成物によって投与されてもよい。
【0065】
活性のある式(I)の化合物またはその医薬として許容し得る塩は、経口で与えられる場合、液体または固体として、例えば、シロップ剤、懸濁剤、エマルション、錠剤、カプセル剤、またはロゼンジ剤として製剤することができる。
【0066】
液体製剤は一般的に、適切な液体担体、例えば、水、エタノール、もしくはグリセリンなどの水性溶媒、またはポリエチレングリコールもしくは油などの非水性溶媒における活性成分の懸濁液または溶液からなるであろう。製剤はまた、懸濁剤、保存料、調味料、および/または着色料を含んでもよい。
【0067】
錠剤の形態の組成物は、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、ラクトース、スクロース、およびセルロースなど、固体製剤を調製するために慣例的に用いられる任意の適切な医薬担体を用いて調製することができる。
【0068】
カプセル剤の形態の組成物は、慣例の封入手段を用いて調製することができ、例えば、活性成分を含むペレットは、標準的な担体を用いて調製した後、硬質ゼラチンカプセルへと充填することができ;あるいは、分散剤または懸濁剤は、任意の適切な医薬担体、例えば、水性ゴム、セルロース、ケイ酸塩、または油を用いて調製した後、該分散剤または懸濁剤を軟質ゼラチンカプセルへと充填することができる。
【0069】
典型的な非経口組成物は、滅菌水性担体または非経口的に許容し得る油、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、ラッカセイ油、またはゴマ油における活性成分の溶液または懸濁液からなる。あるいは、溶液は、凍結乾燥した後に、適切な溶媒を用いて再構成した直後に投与することができる。
【0070】
経鼻投与のための組成物は、エアゾール剤、点鼻剤、ゲル剤、および散剤として簡便に製剤してもよい。エアゾール製剤は典型的には、医薬として許容し得る水性または非水性溶媒における活性成分の溶液または粒子の細かい懸濁液を含み、噴霧装置を用いて使用するためのカートリッジまたは詰め替え用品の形態を取ることのできる密封した容器における滅菌した形の単回用量または複数回用量で通常呈される。あるいは、密封した容器は、単回用量の経鼻吸入器または用量設定弁を取り付けたエアゾール分配器などの使い捨て可能な分配装置であってもよい。剤形がエアゾール分配器を含む場合、圧縮された気体、例えば空気またはフルオロクロロヒドロカーボンまたはヒドロフルオロカーボンなどの有機噴霧剤であり得る噴霧剤を含むであろう。エアゾール剤形はまた、ポンプ噴霧器の形態も取ることができる。
【0071】
頬側投与または舌下投与に適した組成物には、活性成分が、糖およびアカシアなどの担体、トラガカントまたはゼラチン、およびグリセリンとともに製剤される錠剤、ロゼンジ剤、およびパステル剤が挙げられる。
【0072】
直腸投与のための組成物は簡便に、ココアバターなどの従来の坐剤基剤を含む坐剤の形態である。
【0073】
経皮投与に適した組成物には、軟膏、ゲル、およびパッチが挙げられる。
【0074】
一実施態様において、組成物は、錠剤、カプセル剤、またはアンプル剤などの単位用量形態である。
【0075】
上記の障害または疾患の治療または予防において用いられる式(I)の化合物またはその医薬として許容し得る塩の用量は、治療されている特定の障害または疾患、対象の体重、および他の類似の因子とともに通常の方法で変動するであろう。しかしながら、一般則として、適切な単位用量は、投与の方法に応じて、0.1重量%〜100重量%、例えば10重量%〜60重量%の活性材料を含んでもよい。組成物は、投与の方法に応じて、0重量%〜99重量%、例えば、40重量%〜90重量%の担体を含んでもよい。組成物は、投与の方法に応じて、0.05mg〜1000mg、例えば1.0mg〜500mgの活性材料を含んでもよい。組成物は、投与の方法に応じて、50mg〜1000mg、例えば100mg〜400mgの担体を含んでもよい。上記の障害の治療において用いられる化合物の用量は、障害の重度、罹患者の体重、および他の類似の因子とともに、通常の方法で変動するであろう。しかしながら、一般則として、適切な単位用量は、0.05〜1000mg、より適切には1.0〜500mgであってもよく、このような単位用量は、1日に2回以上、例えば1日に2回または3回投与されてもよい。このような治療は、数週間または数ヶ月間に及んでもよい。
【0076】
本発明の化合物は、例えば活性アッセイおよび機能アッセイを含めたスクリーニング手順およびアッセイを用いて同定および特徴付けしてもよい。オレキシン−A(Sakurai, T. et al (1998) Cell, 92 p.573〜585)は、オレキシン−1受容体またはオレキシン−2受容体のリガンドの活性化を阻害する化合物についてのスクリーニング手順において採用することができる。
【0077】
一般に、このようなスクリーニング手順は、細胞表面にオレキシン−1受容体またはオレキシン−2受容体を発現する適切な細胞を提供することを包含する。このような細胞には、哺乳類、酵母、ショウジョウバエ、または大腸菌に由来する細胞が挙げられる。特に、オレキシン−1受容体またはオレキシン−2受容体をコードするポリヌクレオチドを用いて細胞に形質移入し、受容体を発現させる。発現した受容体は次に、試験化合物およびオレキシン−1受容体リガンドまたはオレキシン−2受容体リガンドと接触し、適宜、機能応答の阻害を観察する。このようなスクリーニング手順の1つは、WO 92/01810に記載された、オレキシン−1受容体またはオレキシン−2受容体を発現させるよう形質移入したメラノフォアの使用を包含する。
【0078】
別のスクリーニング手順は、オレキシン−1受容体またはオレキシン−2受容体をコードするRNAをツメガエル卵母細胞に導入して、受容体を一過性に発現させることを包含する。受容体卵母細胞を次に、受容体リガンドおよび試験化合物と接触させた後、受容体の活性化をリガンドによって阻害すると考えられる化合物についてスクリーニングする場合のシグナルの阻害を検出する。
【0079】
別の方法は、標識したオレキシン−1受容体リガンドまたはオレキシン−2受容体リガンドの、細胞表面にオレキシン−1受容体またはオレキシン−2受容体を(適宜)有する細胞に対する結合の阻害を決定することによって、受容体の活性化を阻害する化合物についてスクリーニングすることを包含する。本方法は、細胞がその表面上に受容体を発現するよう、真核細胞にオレキシン−1受容体またはオレキシン−2受容体を形質移入すること、およびオレキシン−1受容体リガンドまたはオレキシン−2受容体リガンドの標識した形態の存在下で、細胞または細胞膜調製物を化合物と接触させることを包含する。リガンドは、放射性標識を含んでもよい。受容体に結合した標識したリガンドの量は、例えば放射能を測定することによって測定する。
【0080】
なおも別のスクリーニング技術は、オレキシン−1受容体リガンドまたはオレキシン−2受容体リガンドとオレキシン−1受容体またはオレキシン−2受容体との相互作用に適宜影響を及ぼすことによって細胞内カルシウムイオンまたは他のイオンの移動を阻害する試験化合物の高処理量スクリーニングのためのFLIPR機器の使用を包含する。
【0081】
文脈が別段に必要としない限り、以下の明細書および特許請求の範囲を通じて、語「を含む」ならびに「を含む」および「を含んでいる」などの変形は、記載された整数もしくは級または整数の群を含むことを含意するが、その他の整数もしくは級または整数もしくは級の群を排除しないよう理解されるであろう。
【0082】
本明細書において引用される特許および特許出願を含むがこれらに限定されないすべての刊行物は、各個々の刊行物が完全に示されているかのように引用により組み込まれるよう具体的かつ個々に示されているかのように、本明細書に引用により組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0083】
下記の実施例は、本発明の薬理学的に活性のある化合物の調製を説明する。説明1〜5は、本発明の化合物に至る中間体の調製を説明する。
【0084】
下記の手順において、各出発材料の後、説明に対する引用が典型的に提供される。このことは単に、当業者に対する助力のために提供される。出発材料は、引用されるバッチから必ずしも調製される必要はなかったかもしれない。
【0085】
以後に記載される実施例において記載される化合物はすべて、立体化学的に純粋な5−オキソ−L−プロリン酸メチルまたは5−オキソ−D−プロリン酸エチルからの第一の工程として調製されている。説明および実施例の化合物の立体化学は、5−オキソ−プロリナートの純粋な立体配置が維持されるという仮定の下に与えられている。
【0086】
化合物は、ACD/Name PRO 6.02化学名付与ソフトウェア(Advanced Chemistry Development Inc., Toronto, Ontario, M5H2L3, Canada)を用いて命名されている。
【0087】
プロトン磁気共鳴(NMR)スペクトルを、300、400、もしくは500MHzでVarian機器において、または300および400MHzでBruker機器においてのいずれかで記録した。化学シフトは、内部標準物質としての残留溶媒ラインを用いて、ppm(δ)で報告している。分裂パターンは、s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;m、多重線;b、幅広として設計されている。
【0088】
NMRスペクトルは、25〜90℃の範囲の温度で記録した。2つ以上の配座異性体が検出される場合、最も多量の配座異性体についての化学シフトを報告する。
【0089】
質量スペクトル(MS)は、ES(+)イオン化モードおよびES(−)イオン化モードにおける4II三重四極子Mass Spectrometer(Micromass UK)においてもしくはAgilent MSD 1100 Mass Spectrometerにおいて、またはHPLC機器Agilent 1100 Seriesと連結されたES(+)イオン化モードおよびES(−)イオン化モードで作動するAgilent LC/MSD 1100 Mass Spectrometerにおいて得た。[LC/MS−ES(+):Supelcosil ABZ +Plus(33×4.6 mm, 3μm)において実施した分析(移動相:100%[水+0.1%HCOH]で1分間、次いで、100%[水+0.1%HCOH]から5%[水+0.1%HCOH]および95%[CHCN]で5分間、最後にこれらの条件下で2分間);T=40℃;流量=1 mL/分;LC/MS−ES(−):Supelcosil ABZ+Plus(33×4.6 mm, 3μm)で実施した分析(移動相:100%[水+0.05%NH]で1分間、次いで100%[水+0.05%NH]から5%[水+0.05%NH]および95%[CHCN]で5分間、最後にこれらの条件下で2分間);T=40℃;流量=1 mL/分]。
【0090】
マイクロ波照射を包含する反応については、Personal Chemistry Emrys(商標)Optimizerを用いた。
【0091】
フラッシュシリカゲルクロマトグラフィーをシリカゲル230〜400メッシュ(Merck AG Darmstadt, Germanyによって供給)上で、またはVarian Mega Be−Si充填済みカートリッジもしくは充填済みBiotageシリカカートリッジを通じて実施した。
【0092】
SPE−SCXカートリッジは、Varianによって供給されるイオン交換固相抽出カラムである。SPE−SCXカートリッジとともに用いた溶離剤は、メタノール、次いで、メタノールにおける2Nアンモニア溶液である。
【0093】
いくつかの調製物において、Biotage手動フラッシュクロマトグラフィー(Flash+)または自動フラッシュクロマトグラフィー(Horizon)システムのいずれかを用いて、精製を実施した。すべてのこれらの機器は、Biotage Silicaカートリッジを用いて作動する。
【0094】
SPE−Siカートリッジは、Varianによって供給されるシリカ固相抽出カラムである。
【0095】
下記の表は、本文中で用いた略語を列挙する:
【表1】

【0096】
説明
説明1:(2S)−2−[2−(メチルオキシ)−2−オキソエチル]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D1)
【化4】

250mLの丸底フラスコに、((2S)−1−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−2−ピペリジニル)酢酸(1.00g、4.11mmol)、DMF(25mL)、DIPEA(2.15mL、12.33mmol)、およびTBTU(1.98g、6.17mmol)を加えた。混合物を室温で20分間撹拌し、褐色を形成した。この時点の後、MeOH(0.25mL、6.17mmol)を添加し、得られた溶液を室温で30分間撹拌した。次に、これを、鹹水を含む分離漏斗に移し、EtOAc(20mL×2)で抽出し、組み合わせた有機層を水/氷(5×20mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮した。得られた粗物をカラムクロマトグラフィー(Biotage SP1, Cy−EtOAc100:0〜85:15)によって精製した。 回収した画分によって、表題化合物(1.01g、3.92mmol、95%収率)が無色の油として与えられた。H−NMR (500 MHz, CDCl) δ(ppm): 4.67 − 4.75 (m, 1 H), 3.96 − 4.05 (m, 1 H), 3.67 (s, 3 H), 2.79 (t, 1 H), 2.61 (dd, 1 H), 2.53 (dd, 1 H), 1.60 − 1.70 (m, 6 H), 1.46 (s, 9 H)。
【0097】
説明2:(2S)−2−(3−ブロモ−2−オキソプロピル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D2)
【化5】

室温における窒素下の500mLの丸底フラスコに、D1(11.1g、43.1mmol)をTHF(100mL)に溶解し、淡黄色の溶液を与えた。この溶液を−78℃に冷却し、テッベ試薬(トルエンにおける0.5M溶液104mL、51.8mmol)を滴下して添加した。粘稠な混合物をさらなる無水トルエン70mLで希釈した。得られた褐色−橙色混合物をこの温度で30分間撹拌した後、室温までゆっくりと加温し、撹拌下で2時間放置しておいた。反応混合物を滴下漏斗へと負荷した後、0℃に冷却したNaOHの1M水溶液を最大で400mL含む2Lの丸底フラスコに滴下して添加した。クエンチの終了時に、得られた灰色の懸濁液をEtOAc(250mL)で希釈し、一晩撹拌しておいた(機械的撹拌)。次に、得られた黄色の懸濁液を、Gooch漏斗(Sterimatを用いる)で濾過し:塩をEtOAc(最大500mL)で洗浄した。次に、相を分離し、有機層を鹹水(2×500mL)で洗浄した。組み合わせた有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、濃橙色の油を与えた。この材料を最大500mLのEtOで希釈し:いくらかの塩が沈殿したので、得られた懸濁液をGooch漏斗(Sterimatを用いる)で濾過した。濾液を真空下で濃縮して12.4gの粗(2S)−2−[2−(メチルオキシ)−2−プロペン−1−イル]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル12.4gを橙色−褐色の油として与えた。(回収された全体量が、理論値より高かったので)材料はいくらかの残余塩を含んでいた。次の反応において材料をさらに精製せずに用い、89重量%で純粋であると想定した。室温における窒素下の1L丸底フラスコに、(2S)−2−[2−(メチルオキシ)−2−プロペン−1−イル]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(12.4g、43.1mmol)をTHF(125mL)および水(35mL)に溶解して、淡黄色の溶液を与えた。次に、NBS(7.67g、43.1mmol)を添加して、最大100mLのTHFに溶解した。得られた灰色の混合物を室温で1時間撹拌した。次に、50mLのTHFに溶解した追加的なNBS(0.2等量、1.5g)を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮して、THFを除去した後、EtOAc(最大500mL)および水(200mL)で希釈した。相を分離し、水性層をEtOAc(250mL)で溶媒相抽出した。組み合わせた有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、17.8gの褐色の油を与えた。この材料をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage 75L、Cy−EtOAc、100−0〜90−10)によって精製して、表題化合物(6.0g、18.7mmol、D1からの43%収率、2工程)をわずかに黄色の油として与え、静置して凝固させた。UPLC: rt = 0.79, 観察したピーク: 344 [M+Na, 100%], 342 [M+Na, 100%], 266 [M−tBu,100%]および264 [M−tBu,100%]. H NMR (500 MHz, CDCl) δ(ppm): 4.72 − 4.79 (m, 1 H), 3.91 − 4.10 (m, 3 H), 2.77 − 2.97 (m, 3 H), 1.49 − 1.75 (m, 6 H), 1.46 (s, 9 H)。
【0098】
説明3:(2S)−2−[(7−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イル)メチル]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D3):
【化6】

DMF(2mL)における(2S)−2−(3−ブロモ−2−オキソプロピル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチルD2(0.300g、0.94mmol)の溶液に、4−メチル−2−ピリミジンアミン(0.153g、1.41mmol)を添加し、混合物を80℃で1.5時間撹拌した。反応混合物に鹹水および飽和NaHCO水溶液を添加し、EtOAcで抽出した。有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、蒸発させ、残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(cromatography)(Biotage 25+M、DCM/MeOH、100/0〜90/10)によって精製した。回収した画分によって、表題の化合物(残留4−メチル−2−ピリミジンアミンがわずかに混入した0.350g)が与えられた。UPLC: rt = 0.53, 観察されたピーク: 331 (M+1)。C1826は330を要する。
【0099】
説明4:(2S)−2−[(3−クロロ−7−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イル)メチル]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D4):
【化7】

DCM(5mL)における(2S)−2−[(7−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イル)メチル]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(0.350g、0.53mmol)の溶液に、NCS(0.071g、0.53mmol)を添加し、反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー(cromatography)(Biotage, NH phase 25+M, Cy/EtOAc、100/0〜50/50)によって精製した。回収した画分によって、表題化合物(0.085g、0.23mmol、44%収率)が無色の固体として与えられた。UPLC: rt = 0.70, 観察されたピーク: 365 (M+1, 100%)および367 (M+1, 33%)。C1825ClNは365を要する。
【0100】
説明5:3−クロロ−7−メチル−2−[(2S)−2−ピペリジニルメチル]イミダゾ[1,2−a]ピリミジン(D5):
【化8】

DCM(2mL)における(2S)−2−[(3−クロロ−7−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イル)メチル]−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(D4)(0.085g、0.23mmol)の溶液に、TFA(0.5mL)を0℃で滴下して添加し、溶液を1時間撹拌した。溶媒を除去し、残留物をSCXカラムに負荷し、メタノールおよびメタノールにおける2Mアンモニアで溶出した。回収した画分によって、表題化合物(0.060 g、0.23 mmol、97%収率)が無色の油として与えられた。UPLC: rt = 0.39, 観察されたピーク: 265 (M+1, 100%) and 267 (M+1, 33%)。C1317ClNは265を必要とする。H NMR (400 MHz, CDCl) δ(ppm) : 8.12 − 8.21 (d, 1 H), 6.80 − 6.88 (d, 1 H), 3.02 − 3.14 (m, 2 H), 2.78 2.91 (m, 2 H), 2.60 − 2.72 (m, 4 H), 1.28 − 1.84 (m, 6 H)。
【0101】
実施例
実施例1:7−メチル−2−({(2S)−1−[(2−メチル−5−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)カルボニル]−2−ピペリジニル}メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリミジン(HCl塩)(E1):
【化9】

DMF(2mL)における(2S)−2−(3−ブロモ−2−オキソプロピル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチルD2(0.215g、0.54mmol)の溶液に、4−メチル−2−ピリミジンアミン(0.059g、0.54mmol)を添加し、混合物を80℃で2.5時間撹拌した。反応混合物をSCXカラムに負荷し、メタノールおよびメタノールにおける2Mアンモニアで溶出した。回収した画分は、N−Boc保護した7−メチル−2−[(2S)−2−ピペリジニルメチル]イミダゾ[1,2−a]ピリミジンと、残留4−メチル−2−ピリミジンアミンの混入した遊離アミンとの混合物を含む0.087gの油を与えた。LC−MS: rt = 1.43分, m/z = 331 (M+1), C1826は330を要する。DCM(2.5mL)におけるこの材料(0.087g)の溶液に、TFA(0.5mL)を0℃で滴下して添加し、溶液を1時間撹拌した。溶媒を除去し、残留物をSCXカラムへと負荷し、メタノールおよびメタノールにおける2Mアンモニアで溶出した。回収した画分によって、残留4−メチル−2−ピリミジンアミンの混入した遊離アミン7−メチル−2−[(2S)−2−ピペリジニルメチル]イミダゾ[1,2−a]ピリミジンを含有する粗物(0.068g)が与えられた。MS: (ES/+) m/z: 231 [M+1]。C1318は230を要する。7mLのねじキャップつきバイアルに、2−メチル−5−フェニル−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(0.036g、0.16mmol)をDCM(1mL)に溶解した後、塩化オキサリル(0.031mL、0.36mmol)、次いでDMF(0.011mL、0.15mmol)を添加し、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた黄色の固体をDCM(1mL)に溶解し、7−メチル−2−[(2S)−2−ピペリジニルメチル]イミダゾ[1,2−a]ピリミジン(0.034gの既に調製した粗物)、およびDCM(1mL)におけるTEA(0.062 ml、0.44 mmol)を含む0℃に冷却した溶液に滴下して添加した。氷槽を除去し、反応混合物を室温で撹拌下で1時間放置した。DCM(1mL)を添加し、混合物をNaHCO(2mL)で洗浄し;有機相を分離し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって5製した(Biotage 12 M、DCM/MeOH 98/2)。表題化合物の遊離塩基(0.018 g、0.04 mmol、D2から7%収率、3工程)を褐色の油として得た。UPLC: rt = 0.55, 観察されたピーク: 432 (M+1). C2425OSは431を要する。H NMR [生成物は、配座異性体の混合物(c比約60:40)として存在し、割り当ては、単一の配座異性体を指す。] (500 MHz, CDCl) δ(ppm) : 8.69 (d, 1 H) 7.65 (s, 1 H) 7.27 − 7.41 (m, 5 H) 6.84 (d, 1 H) 4.48 (dd, 1 H) 3.85 − 3.93 (m, 1 H) 3.01 (dt, 1 H) 2.90 (dd, 1 H) 2.78 (dd, 1 H) 2.69 (s, 3 H) 2.47 (s, 3 H) 1.21 − 1.74 (m, 5 H) 0.81 − 0.90 (m, 1 H)。遊離塩基(0.018g、0.04mmol)を、無水DCM(1mL)の入った7mLのねじキャップつきバイアルに移し、溶液を0℃に冷却した。HCl(EtOにおける1M溶液0.063mL、0.06mmol)を滴下して添加し、混合物を15分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた固体を無水EtOで倍散した。表題化合物を明褐色の固体として得た(0.019g、0.04mmol、99%収率)。HPLC (階段状): rt = 3.47 min. MS: (ES/+) m/z: 432 [M+1−HCl]. C2426ClNOSは468を要する。
【0102】
実施例2:3−クロロ−7−メチル−2−({(2S)−1−[(2−メチル−5−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)カルボニル]−2−ピペリジニル}メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリミジン(HCl塩)(E2):
【化10】

7mLのねじキャップつきバイアルへと、2−メチル−5−フェニル−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(0.026g、0.12mmol)をDCM(1mL)に溶解し、塩化オキサリル(0.011mL、0.13mmol)、次いでDMF(0.020mL)を添加し、結果として生じる混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた黄色の固体をDCM(1mL)に溶解し、0℃に冷却したDCM(1mL)における3−クロロ−7−メチル−2−[(2S)−2−ピペリジニルメチル]イミダゾ[1,2−a]ピリミジン(D5)(0.030 g、0.11 mmol)、およびTEA(0.032mL)の溶液に滴下して添加した。氷槽を除去し、反応混合物を撹拌下で室温で1時間放置した。反応混合物に、飽和NaHCO水溶液および水を添加し、DCMで抽出した。
【0103】
有機層を水性層から分離装置チューブによって分離した後、回収および蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage NH位相12+M、DCM/MeOH、100/0〜98/2)によって精製した。回収した画分は、表題化合物(0.027g、0.06mmol、51%収率)の遊離塩基を白色の固体として与えた。HPLC(階段状): rt = 3.95分。UPLC: rt = 0.67,観察されたピーク: 466 (M+1, 100%)および468 (M+1, 33%). C2424ClNOSは466を要する。H NMR [生成物は、配座異性体の混合物として存在する(c比約70/30)] (500 MHz, DMSO−d)。遊離塩基(0.027g、0.06mmol)をEtO/DCM(1/1)(2mL)に溶解し、EtOにおける1MのHCl(1.1当量)を添加した。得られた懸濁液をEtOで倍散し、溶媒を蒸発させて、表題化合物(0.027g、0.05mmol、47%収率)を白色の固体として生じた。HPLC(階段状): rt = 3.68分。UPLC: rt = 0.67, 観察されたピーク: 466 (M+1−HCl, 100%)および468 (M+1−HCl, 33%)。C2425ClOSは502を要する。
【0104】
実施例3:7−クロロ−6−メチル−2−({(2S)−1−[(2−メチル−5−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)カルボニル]−2−ピペリジニル}メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリミジン(HCl塩)(E3):
【化11】

DMF(1mL)における(2S)−2−(3−ブロモ−2−オキソプロピル)−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチルD2(0.100g、0.31mmol)の溶液に、4−クロロ−5−メチル−2−ピリミジンアミン(0.067g、0.47mmol)を添加し、混合物を80℃で3.5時間撹拌した。反応混合物をSCXカラムへと負荷し、メタノールおよびメタノールにおける2Mアンモニアで溶出した。回収した画分によって、N−Boc保護された所望の産物を含む0.086gの粗物が与えられた。MS: (ES/+) m/z: 366 [M+1]. C1825ClNは365を要する。DCM(4mL)におけるこの材料(0.086g)の溶液に、TFA(1mL)を0℃で滴下して添加し、溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を除去し、残留物をSCXカラムへと負荷し、メタノールおよびメタノールにおける2Mアンモニアで溶出した。回収した画分によって、遊離アミン7−クロロ−6−メチル−2−[(2S)−2−ピペリジニルメチル]イミダゾ[1,2−a]ピリミジンを含む粗物(0.072g)が与えられた。UPLC: rt = 0.41, 観察されたピーク: 265 (M+1, 100%)および267 (M+1, 33%)。C1317ClNは265を要する。7mLのねじキャップしたバイアルに、2−メチル−5−フェニル−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(0.071g、0.33mmol)をDCM(1mL)に溶解し、塩化オキサリル(0.057mL、0.65mmol)、次いでDMF(1滴)を添加し、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた黄色の固体をDCM(1mL)に溶解し、0℃に冷却したDCM(1mL)における粗物(0.072g)7−クロロ−6−メチル−2−[(2S)−2−ピペリジニルメチル]イミダゾ[1,2−a]ピリミジンおよびTEA(0.113mL、0.81mmol)を含む溶液に滴下して添加した。氷槽を除去し、反応混合物を撹拌下で室温で2時間放置した。DCM(1mL)を添加し、混合物をNaHCO(2mL)で洗浄し;有機相を分離し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。残留物をFraction Lynxによって精製し(2回実施)、表題化合物の遊離塩基を得た(0.004g、0.001 mmol、D2から3%収率、3工程)。UPLC: rt = 0.64, 観察されたピーク: 466 (M+1, 100%)および468 (M+1, 33%)。C2424ClNOSは466を要する。H NMR [生成物は、配座異性体の混合物として存在する(c比約60/40)](500 MHz, DMSO−d)。遊離塩基(0.003g、0.0006mmol)を、無水EtO(0.2mL)を有する7mLのねじキャップつきバイアルに移し、溶液を0℃に冷却した。HCl(EtOにおける1M溶液0.14mL、0.14mmol)を滴下して添加し、混合物を15分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた固体を無水EtOで倍散した。表題化合物を得た(0.003g、0.006mmol、93%収率)。
【0105】
実施例4:FLIPRを用いたヒトオレキシン−1受容体および2受容体におけるアンタゴニスト親和性の決定
細胞培養
組換えヒトオレキシン−1受容体(hOX1)またはヒトオレキシン−2受容体(hOX2)を安定して発現する接着性のチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を、補体を有さない10%ウシ胎仔血清(Life Technologies, カタログ番号10106−078)および400μg/mLのジェネティシンG418(Calbiochem, カタログ番号345810)を補充したα最小必須培地(Gibco/Invitrogen, カタログ番号; 22571−020)における培養で維持した。細胞を37℃で95%:5%の空気:COの下で単層として増殖させ、3〜4日ごとに継代した。用いた最高の継代は25回であった。
【0106】
本実施例において用いたヒトオレキシン1受容体およびヒトオレキシン2受容体の配列は、Sakurai, T. et al (1998) Cell, 92 p.573〜585において刊行されているとおりであったが、例外は、用いたヒトオレキシン1受容体配列が、位置280でアミノ酸残基アラニンを有しており、Sakurai et al.において報告されたグリシンではないということであった。
【0107】
FLIPR(商標)を用いる[Ca2+の測定
CHO−hOX1細胞またはCHO−hOX2細胞を上記の培地においてウェルあたり20,000個の密度で黒色の透明な底の384ウェルプレートに蒔種し、一晩維持した(37℃における95%:5%の空気:CO)。
【0108】
実験当日、培地を廃棄し、細胞を、2.5mMのProbenecidを添加した標準緩衝液(NaCl, 145mM; KCl, 5mM; HEPES, 20mM; グルコース, 5.5mM; MgCl, 1mM; CaCl, 2mM)で3回洗浄した。
【0109】
次に、プレートを暗所で室温で60分間、1μM FLUO−4AM色素とともにインキュベートして、FLUO−4AMを細胞に取り込ませた後、細胞内エステラーゼによって細胞に残ることができないFLUO−4へと変換した。
【0110】
インキュベーション後、細胞を標準緩衝液で3回洗浄して細胞外色素を除去し、洗浄後に30μLの緩衝液を各ウェルにおいて放置した。本発明の化合物を1.66E−05M〜1.58E−11Mの範囲の最終アッセイ濃度で試験した。
【0111】
本発明の化合物を10mMのストック濃度のジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。これらの溶液を384化合物プレートにおけるDMSOで連続希釈し、1μLの各希釈物を試験化合物プレートに移した。細胞に化合物を添加する直前に、緩衝液(50μL/ウェル)を1μLの化合物コピープレートに添加した。
【0112】
50μL/ウェルのヒトオレキシンA(hOrexinA)を含むアゴニスト刺激384ウェルプレートを調製した直後に、緩衝液を用いてストックプレートを希釈することによって用い:終濃度は、hOrexinAについて算出されたEC80と等価である。この値を、実験の同じ日に、濃度反応曲線(少なくとも16個の複製物)におけるhOrexinAを試験することによって得た。
【0113】
次に、負荷した細胞を試験化合物とともに37℃で10分間インキュベートした。次に、プレートをFLIPR(商標)(Molecular Devices, UK)に置き、細胞蛍光(λex=488nm, λEM=540nm)をモニターした(Sullivan E, Tucker EM, Dale IL. Measurement of [Ca2+using the fluometric imaging plate reader (FLIPR). Lambert DG (編), Calcium Signaling Protocols. New Jersey: Humana Press, 1999, 125−136に収録)。基線蛍光読み取りを5〜10秒間行った後、10μLのEC80 hOrexinA溶液を添加した。次に、蛍光を4〜5分間読み取った。
【0114】
データ分析
FLIPRを用いた機能的応答を、ピーク蛍光強度−基線蛍光として測定し、同じプレートにおける阻害されていないオレキシンAによる誘導される応答の百分率として表した。反復性の曲線適合およびパラメータ概算を、4つのパラメータロジスティックモデルおよびMicrosoft Excelを用いて実施した(Bowen WP, Jerman JC. Nonlinear regression using spreadsheets. Trends Pharmacol. Sci. 1995; 16: 413−417)。アンタゴニスト親和性値(IC50)を、改変したCheng−Prusoff補正を用いて機能的pK値に変換した(Cheng YC, Prusoff WH. Relationship between the inhibition constant (K) and the concentration of inhibitor which causes 50 percent inhibition (IC50) of an enzymatic reaction. Biochem. Pharmacol. 1973, 22: 3099−3108)。
【数1】

【0115】
式中、[アゴニスト]は、アゴニスト濃度であり、EC50は、アゴニスト用量反応曲線に由来する50%活性を与えるアゴニストの濃度であり、n=用量反応曲線の傾斜である。n=1のとき、等式は、より見慣れたCheng−Prusoff式に折りたたまれる。
【0116】
本方法に従って試験した実施例の化合物のfpKi値は、ヒトクローン化オレキシン−1受容体(位置280にアミノ酸残基アラニンを有し、グリシンではない。)で8.1〜9.6、およびヒトクローン化オレキシン−2受容体で6.3〜7.9であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物またはその医薬として許容し得る塩:
【化1】

(上記式中、Arは、式:
【化2】

からなる群から選択され、
は、(C1−4)アルキル、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキル−O−(C1−4)アルキル、CN、NRであり、ここで、Rは、Hまたは(C1−4)アルキルであり、かつRは、Hまたは(C1−4)アルキルであり、
は、(C1−4)アルキル、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキル−O−(C1−4)アルキル、CN、NRであり、ここで、Rは、Hまたは(C1−4)−アルキルであり、かつRはHまたは(C1−4)−アルキルであり、
は、(C1−4)アルキル、ハロ、ハロ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキル− O −(C1−4)アルキル、CN、NR10であり、ここで、Rは、Hまたは(C1−4)−アルキルであり、かつR10は、Hまたは(C1−4)−アルキルであり、
nは、0または1であり、
pは、0または1であり、かつ
qは、0または1であり、
但し、pおよびqが両方とも0ではない)。
【請求項2】
Arが式(II)の基である、請求項1に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項3】
Arが式(III)の基である、請求項1に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項4】
Arが式(II)の基でありかつnが0である、請求項1または2に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項5】
Arが式(II)の基でありかつnが1である、請求項1または2に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項6】
Arが式(II)の基であり、nが1であり、かつRがハロゲンである、請求項5に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項7】
Arが式(II)の基であり、nが1であり、かつRが塩素である、請求項6に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項8】
Arが式(II)の基であり、nが1であり、pが1であり、qが0であり、Rが塩素であり、かつRがメチルである、請求項1、2、5、6、または7に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項9】
Arが式(II)の基であり、nが0であり、pが1であり、qが0であり、かつRがメチルである、請求項1、2、または4に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項10】
Arが式(II)の基であり、nが0であり、pが1であり、qが1であり、かつRおよびRのうちの一方がハロでありかつ他方が(C1−4)−アルキルである、請求項1、2、または4に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項11】
Arが式(II)の基であり、nが0であり、pが1であり、qが1であり、Rがハロであり、かつRが(C1−4)−アルキルである、請求項10に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項12】
Arが式(II)の基であり、nが0であり、pが1であり、qが1であり、Rがクロロであり、かつRがメチルである、請求項10または11に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項13】
Arが式(III)の基であり、かつnが0である、請求項1または3に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項14】
Arが式(III)の基であり、かつnが1である、請求項1または3に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項15】
Arが式(III)の基であり、nが1であり、かつRがハロゲンである、請求項14に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項16】
Arが式(III)の基であり、nが1であり、かつRが塩素である、請求項1、3、14、または15に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項17】
Arが式(III)の基であり、nが1であり、pが1であり、qが0であり、Rが塩素であり、かつRがメチルである、請求項1、3、14、15、または16に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項18】
Arが式(III)の基であり、nが0であり、pが1であり、qが0であり、かつRがメチルである、請求項1、3、または13に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項19】
Arが式(III)の基であり、nが0であり、pが1であり、qが1であり、かつRおよびRのうちの一方がハロでありかつ他方が(C1−4)−アルキルである、請求項1、3、または13に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項20】
Arが式(III)の基であり、nが0であり、pが1であり、qが1であり、Rがハロであり、かつRが(C1−4)−アルキルである、請求項19に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項21】
Arが式(III)の基であり、nが0であり、pが1であり、qが1であり、Rがクロロであり、かつRがメチルである、請求項19または20に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項22】
7−メチル−2−({(2S)−1−[(2−メチル−5−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)カルボニル]−2−ピペリジニル}メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリミジン;
3−クロロ−7−メチル−2−({(2S)−1−[(2−メチル−5−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)カルボニル]−2−ピペリジニル}メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリミジン;および
7−クロロ−6−、メチル−2−({(2S)−1−[(2−メチル−5−フェニル−1,3−チアゾール−4−イル)カルボニル]−2−ピペリジニル}メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリミジン
からなる群から選択される化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項23】
治療において使用するための、請求項1〜22のいずれか一項に定義された化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項24】
ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要とされる疾患または障害の治療のための、請求項1〜22のいずれか一項に定義された化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項25】
前記疾患または障害が、睡眠障害、うつ病もしくは気分障害、不安障害、物質関連障害、または摂食障害である、請求項24に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項26】
前記疾患または障害が睡眠障害である、請求項25に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項27】
前記睡眠障害が、原発性不眠症(307.42)、原発性過眠症(307.44)、ナルコレプシー(347)、呼吸関連睡眠障害(780.59)、概日リズム睡眠障害(307.45)、および他に規定されていない睡眠異常(307.47)などの睡眠異常;悪夢障害などの睡眠時随伴症(307.47)、夜驚障害(307.46)、夢遊症障害(307.46)、および他に規定されていない睡眠時随伴症(307.47)などの原発性睡眠障害;別の精神障害と関連した不眠症(307.42)および別の精神障害と関連した過眠症(307.44)などの、別の精神障害と関連した睡眠障害;一般的な医学的容態による睡眠障害、特に神経学的障害、神経因性疼痛、むずむず脚症候群、心疾患および肺疾患などの疾患と関連した睡眠障害;ならびに、不眠症型、過眠症型、睡眠時随伴症型、および混合型のサブタイプを含む物質誘発性睡眠障害;睡眠時無呼吸および時差症候群からなる群から選択される、請求項26に記載の化合物またはその医薬として許容し得る塩。
【請求項28】
ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要とされる疾患または障害の治療のための薬剤の製造における、請求項1〜22のいずれか一項に定義された化合物またはその医薬として許容される塩の使用。
【請求項29】
前記疾患または障害が、睡眠障害、うつ病もしくは気分障害、不安障害、物質関連障害、または摂食障害である、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
前記疾患または障害が睡眠障害である、請求項29に記載の使用。
【請求項31】
前記睡眠障害が、原発性不眠症(307.42)、原発性過眠症(307.44)、ナルコレプシー(347)、呼吸関連睡眠障害(780.59)、概日リズム睡眠障害(307.45)、および他に規定されていない睡眠異常(307.47)などの睡眠異常;悪夢障害などの睡眠時随伴症(307.47)、夜驚障害(307.46)、夢遊症障害(307.46)、および他に規定されていない睡眠時随伴症(307.47)などの原発性睡眠障害;別の精神障害と関連した不眠症(307.42)および別の精神障害と関連した過眠症(307.44)などの、別の精神障害と関連した睡眠障害;一般的な医学的容態による睡眠障害、特に神経学的障害、神経因性疼痛、むずむず脚症候群、心疾患および肺疾患などの疾患と関連した睡眠障害;ならびに、不眠症型、過眠症型、睡眠時随伴症型、および混合型のサブタイプを含む物質誘発性睡眠障害;睡眠時無呼吸および時差症候群からなる群から選択される、請求項30に記載の使用。
【請求項32】
ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要とされる疾患または障害を治療または予防する方法であって、それを必要とする対象に、請求項1〜22のいずれか一項に定義された有効量の化合物またはその医薬として許容し得る塩を投与することを含む、方法。
【請求項33】
前記疾患または障害が、睡眠障害、うつ病もしくは気分障害、不安障害、物質関連障害、または摂食障害である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記疾患または障害が睡眠障害である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記睡眠障害が、原発性不眠症(307.42)、原発性過眠症(307.44)、ナルコレプシー(347)、呼吸関連睡眠障害(780.59)、概日リズム睡眠障害(307.45)、および他に規定されていない睡眠異常(307.47)などの睡眠異常;悪夢障害などの睡眠時随伴症(307.47)、夜驚障害(307.46)、夢遊症障害(307.46)、および他に規定されていない睡眠時随伴症(307.47)などの原発性睡眠障害;別の精神障害と関連した不眠症(307.42)および別の精神障害と関連した過眠症(307.44)などの、別の精神障害と関連した睡眠障害;一般的な医学的容態による睡眠障害、特に神経学的障害、神経因性疼痛、むずむず脚症候群、心疾患および肺疾患などの疾患と関連した睡眠障害;ならびに、不眠症型、過眠症型、睡眠時随伴症型、および混合型のサブタイプを含む物質誘発性睡眠障害;睡眠時無呼吸および時差症候群からなる群から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
a)請求項1〜22のいずれか一項に定義された化合物またはその医薬として許容し得る塩と、b)医薬として許容し得る担体とを含む、医薬組成物。

【公表番号】特表2012−509911(P2012−509911A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537852(P2011−537852)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【国際出願番号】PCT/EP2008/066216
【国際公開番号】WO2010/060471
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】