説明

新規サルファイド樹脂

【課題】
本発明の目的は、種々のゴムの要求性能に応じて硫黄の含有量を変化させることができ、かつ、分散性を損なうことなく架橋特性が良好な加硫剤として用いられる新規サルファイド樹脂、および、当該新規サルファイド樹脂を用いる加工性良好なゴム組成物を提供することにある。
【解決手段】
フェノール類とアルデヒド類を反応させ、フェノールアルデヒド樹脂を生成させた後に塩化硫黄と反応させる事によって製造される新規のサルファイド樹脂。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規サルファイド樹脂およびゴム組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明の新規サルファイド樹脂はゴム用加硫剤等に好適に用いられる。ゴム用加硫剤としては、古くから硫黄が広く用いられてきた。その他にも硫黄の欠点の一つである耐熱老化性を改良する目的で、過酸化物やフェノールアルデヒド樹脂、フェノール類と硫黄を結合させて生成するフェノール類サルファイド樹脂が使用されている。これらの架橋剤を用いて得られる架橋ゴムは、その物性や加硫速度が異なることから、目的に合わせて架橋剤は選択される。特にフェノール類サルファイド樹脂は、改善された耐熱老化性、優れた加硫性能を示す事からタイヤや防振ゴム等に使用されている(特許文献1)。しかしながら、フェノール類サルファイド樹脂はフェノールアルデヒド樹脂に比べて混練り時のゴムへの分散性が悪い事が知られており、この問題を解決する為にフェノール類サルファイド樹脂を微粉末状にして用いるか、フェノール類サルファイド樹脂の軟化点を低くする方法が提案されている。しかし、微粉化すると作業時の粉塵の問題と共に保管中に樹脂同士の互着(ブロッキング)が生じて実使用に耐えられないという欠点がある。その欠点を改良する方法として樹脂に可塑剤などの軟化剤を含有させ、軟化点を下げる方法が開示されている。(特許文献2)しかしながら、ゴムの用途によっては可塑剤などの軟化剤が使えないという制約があった。
【0003】
又、フェノール類サルファイド樹脂では、架橋特性を制御する為に有効な硫黄の含有量の調整が限られた狭い範囲でしか行う事が出来ない為に、分散性や架橋特性の改良も制限されたものであった。
【0004】
【特許文献1】特開昭51-128342号公報
【特許文献2】特開2007−39502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、種々のゴムの要求性能に応じて硫黄の含有量を変化させることができ、かつ、分散性を損なうことなく架橋特性が良好な加硫剤として用いられる新規サルファイド樹脂、および、当該新規サルファイド樹脂を用いる加工性良好なゴム組成物を提供する事である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは課題解決のために鋭意検討した結果、フェノール類とアルデヒド類を反応させ、フェノールアルデヒド樹脂を生成させた後に塩化硫黄と反応させる事によって製造される新規のサルファイド樹脂は、種々のゴムの要求性能に応じて硫黄の含有量を変化させることができ、かつ、分散性を損なうことなく架橋特性が良好な加硫剤として用いることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、下記(1)〜(3)を提供するものである。
(1)フェノール類とアルデヒド類を反応させ、フェノールアルデヒド樹脂を生成させた後に塩化硫黄と反応させる事によって製造される新規のサルファイド樹脂。
(2)2量体以上のフェノールアルデヒド樹脂と塩化硫黄を反応させて得られる式(1)で表される(1)に記載のサルファイド樹脂。

【化1】


(式中、R及びR'は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、水酸基、アルコキシ基、またはハロゲン原子を表し、xは1または2、nは0〜40であり、かつmは0〜20である。)
(3)天然ゴム、合成ゴムまたは、それらの組み合わせから選択されたゴム成分に対して、(1)または(2)いずれか記載のサルファイド樹脂を含有してなることを特徴とするゴム組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明の新規サルファイド樹脂は、種々のゴムの要求性能に合わせて、サルファイド樹脂中の、式(2)で表されるフェノールアルデヒド樹脂部位の組成を自由に変化させることによって最適な硫黄の含有量を容易に調整でき、ゴムへの分散性と架橋特性が良好な加硫剤として使用する事が可能となる。
【化2】

【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下本発明について詳細に説明する。本発明は、サルファイド樹脂の構成モノマーとして、従来のフェノール類と硫黄の2成分だけでなく第3成分としてアルデヒド類を加えることにより得られるサルファイド樹脂において、フェノールアルデヒド樹脂部位の組成を変化させ、硫黄の含有量を容易に調整する事が出来ることを見出した。さらに当該サルファイド樹脂は種々のゴムに対して分散性および架橋特性が良好である事を見出すにいたった。本発明において新規サルファイド樹脂を製造するに際して使用されるフェノール類としては、ブチルフェノール、アミルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、レゾルシノール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、これらの化合物は1種単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。好ましくはアミルフェノール、オクチルフェノール、ドデシルフェノールが使用され、より好ましくはオクチルフェノールが使用される。
【0010】
又、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、これらの化合物は1種単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
【0011】
又、塩化硫黄としては、一塩化硫黄、または二塩化硫黄が挙げられる。
【0012】
本発明において、新規サルファイド樹脂の製造方法としては、フェノール類とアルデヒド類を溶媒の存在下、アルカリまたは酸触媒と加熱することにより縮合反応させ、フェノールアルデヒド樹脂を得た後に塩化硫黄を加え、反応を行うことによって目的とするサルファイド樹脂を得る方法、あるいは、既に合成されたフェノールアルデヒド樹脂に塩化硫黄を加え、反応を行うことによって目的とするサルファイド樹脂を得る方法がある。
【0013】
本発明におけるフェノールアルデヒド樹脂の合成条件としては、反応温度は通常50〜150℃であり、好ましくは70〜120℃である。反応時間は、温度によって異なるが、通常1〜10時間で、好ましくは2〜5時間である。
本発明におけるサルファイド樹脂の合成条件としては、フェノールアルデヒド樹脂の反応溶液に塩化硫黄を加えて反応させ、新規サルファイド樹脂を得た後に溶媒を留去して、目的の新規サルファイド樹脂を取り出す方法、前記反応溶液を溶媒で希釈して水洗した後、溶媒を留去してフェノールホルムアルデヒド樹脂を取り出してから塩化硫黄と反応させる方法等が挙げられる。フェノールホルムアルデヒド樹脂に塩化硫黄を反応させる具体的な条件としては、反応温度は通常40〜180℃、好ましくは70〜120℃である。40℃より低ければ反応の進行が遅くなる傾向があり、180℃以上であると分解が生じる傾向がある。反応時間は温度によって異なるが、通常1〜10時間である。
【0014】
上記方法で得られるサルファイド樹脂は、フェノールアルデヒド樹脂を生成させた後に塩化硫黄を反応させることで、塩化硫黄がフェノールアルデヒド樹脂の末端に位置するフェノールのベンゼン環のうち最も活性が高いo-位またはp-位に結合し、フェノールアルデヒド樹脂同士がサルファイド結合により重合するフェノールアルデヒド樹脂同士をサルファイド結合により重合する事は、フェノールアルデヒド樹脂に塩化硫黄を反応させた後の樹脂中の硫黄含量(重量%)の分析と塩化硫黄を反応させる前と後の樹脂中の分子量の変化をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することによって確認できる。
【0015】
本発明の式(1)は式(2)によって選択された2量体以上のフェノールアルデヒド樹脂と塩化硫黄を上記条件で反応させることにより得られる。
【化3】


(式中、R及びR'は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、水酸基、アルコキシ基、またはハロゲン原子を表し、xは1または2、nは0〜40であり、かつmは0〜20である。)
【0016】
本発明のサルファイド樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが1000〜50000のものが好ましく使用される。より好ましくは2000〜20000である。重量平均分子量が50000より大きければ軟化点が高くなる為、分散性が悪くなる傾向がある。1000より小さい場合は従来のフェノール類サルファイド樹脂と構造がほぼ同じになる為、分散性が改善されない傾向がある。
【0017】
当該サルファイド樹脂中のフェノールアルデヒド樹脂部位の数平均分子量は特に限定されないが200〜4000のものが好ましく使用され、より好ましくは400〜2000である。数平均分子量が200より小さい場合はフェノールアルデヒド樹脂部位の中に含まれるフェノール単分子の割合が多くなる為に分散性の改善効果が小さくなる傾向がある。4000よりも大きい場合は、塩化硫黄と反応させた時に得られるフェノール類サルファイド樹脂化合物の分子量、軟化点が高くなる為、分散性が悪くなる傾向がある。
【0018】
本発明のフェノール類サルファイド樹脂の硫黄含有量は、特に限定されないが、通常、1〜40重量%であり、優れた架橋特性を発現する上では、2〜25重量%であることが好ましい。硫黄含有量はフェノールホルムアルデヒド樹脂に対する塩化硫黄の相対的な量によって調整する事ができる。塩化硫黄の量を多くすれば硫黄含有量は多くなり、塩化硫黄を少なくすれば、硫黄含有量は少なくなる。
【0019】
本発明におけるゴム組成物のゴム成分としては、天然ゴム、合成ゴムまたは、それらの組み合わせから選択されたものであり、合成ゴムとしてはスチレンブタジエン共重合ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム及びエチレン・プロピレン・ジエンターポリマー等があげられる。又、これらの化合物は1種単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。本発明におけるゴム組成物は前記のゴム成分に本発明の新規サルファイド樹脂を配合し、ゴム混練機によって混練し調整される。具体的には、ロール等の開放式混練機、バンバリーミキサー等の密閉式混練機を用いて調整できる。その際に通常用いられるカーボンブラック、イオウ、加硫促進剤、ステアリン酸、亜鉛などの加硫剤や樹脂架橋剤を含有してもよい。
【0020】
実施例と比較例により本発明を具体的に説明する。本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。下記の方法により新規サルファイド樹脂化合物およびそれを用いたゴム組成物の評価を行った。
【0021】
「樹脂中の硫黄含量(重量%)の測定」
(1)総硫黄含量の測定
活栓付フラスコを用いて0.01gの試料を30%過酸化水素水0.5mlと圧縮酸素と共に入れ、着火した後、素早く活栓を付けて密栓する。燃焼完了後、2−プロパノール20mLにて、フラスコ内を洗い込み、トリン混合指示薬を3滴加え、0.01mol/L過塩素酸バリウム溶液で滴定し、その滴定量をAmlとする。液色が緑黄色から、微赤褐色に変化した時を終点とする。また補正の為に別に空試験を行い、空試験時の滴定量をBmlとし、総硫黄含量を次の式によって求めた。

総硫黄含量(重量%)=[32.06×(A−B)×0.01mol/L過塩素酸バリウム溶液のファクター]/(試料秤取量(g)×1000)

(2)遊離硫黄含量の測定
三角フラスコに1gの試料を入れ、20mL酢酸エチルを加えて溶解させる。溶解液を予め秤量したろ紙にてろ過し、酢酸エチルでフラスコ内およびろ紙を洗浄する。ろ紙および残渣を風乾する。ろ紙および残渣の全量を包んで白金コイルの先につける。燃焼用フラスコに30%過酸化水素水0.5mLおよび純水5mLを入れる。フラスコ内を酸素で置換し、試料を燃焼させる。40〜60分間放置し、ガスが吸収液に吸収されたらイソプロピルアルコール20mLでフラスコ壁面を洗い込み、トリン混合指示薬3滴を加え、0.01mol/L過塩素酸バリウム溶液で滴定し、滴定量をCmlとする。液色が緑黄色から、微赤褐色に変化した時を終点とする。また補正の為に別に空試験を行い、空試験時の滴定量をDmlとし、遊離硫黄含量を次の式によって求めた。

遊離硫黄含量(重量%)=[32.06×(C−D)×0.01mol/L過塩素酸バリウム溶液のファクター]/(試料量(g)×1000)

(3)樹脂中の硫黄含量の算出

樹脂中の硫黄含量(重量%)=総硫黄含量(重量%)―遊離硫黄含量(重量%)
【0022】
「軟化点の測定」
JIS K2207準拠
【0023】
「分子量の測定」
(数平均分子量及び重量平均分子量)
数平均分子量及び重量平均分子量は、GPC(東ソー製:GPC−8110)により、標準ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量を求めた。測定する重合体は、約0.2重量%の濃度になるようテトラヒドロフランに溶解させ、GPCに10μl注入した。GPCの移動相はテトラヒドロフランを用い、0.75μl/分の流速で展開した。カラムは、TSKgel SuperHZ1000、TSKgel SuperHZ2500およびTSKgel SuperHZ4000(いずれも東ソー製)を直列に繋げ、使用した。検出器には示差屈折率検出器を用いた。
【0024】
「分散性の評価」
関西ロール社製の6インチオープンロールを用いて、下記配合のゴムコンパウンド100gを設定温度40℃の混練で作成した。得られたコンパウンドを厚さ1.0mmにシート成形し、ナイフで切断した後、切断面を目視で確認して凝集物の有無を観察した。凝集物の無い分散性の良いものを分散性〇とし、凝集物がある分散性の悪いものを分散性×とした。
<配合>SMR−CV(60)(天然ゴム) 100重量部
HAFカーボン 60重量部
亜鉛華 8重量部
樹脂架橋剤 12重量部
「加工性の評価」
加工性は、分散性の評価に用いたコンパウンドをJIS K6300−1−2001に準拠し、125℃にてゴム組成物のムーニー粘度[ML1+4/125℃]を測定し、比較例1の結果を100とした相対値で評価した。数値の低い程、加工性が良いと判断する。
「オシレーティング・レオメータによる架橋特性の測定」
(株)東洋精機製作所製ロータレスレオメータ使用。
測定温度180℃、振幅角度3°で測定し、比較例1の結果を100とした相対値で評価した。
T(90):加硫曲線から求められた、トルクの最大値と最小値との差が90%に達するまでの時間。数値が小さい程、加硫速度が早く架橋特性が優れている事を意味する。
MH :加硫曲線から求められた、トルクの最大値(kg・cm)。数値が大きい程、多く加硫しており、架橋特性が優れている事を意味する。
【実施例1】
【0025】
還流冷却器および温度計を備えた4ッ口フラスコに、数平均分子量が800である市販のノボラック型オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂(田岡化学工業株式会社製タッキロール101)678gとトルエン450mLを仕込み、一塩化硫黄89gをフラスコ内の内温を70〜80℃に保持しつつ滴下し、滴下終了後内温を110℃に上昇させ、3時間保温する。得られた反応液は減圧下において濃縮し、新規サルファイド樹脂740gを得た。得られた新規サルファイド樹脂の構造は、樹脂中の硫黄含有量および市販のノボラック型オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂の分子量と一塩化硫黄を反応させた後の樹脂の分子量の結果より式(3)の構造式と同定した。

【化4】


得られた新規サルファイド樹脂の軟化点、硫黄含量、分散性および加工性を表1に示す。又、得られた新規サルファイド樹脂を用いたゴム組成物を調整する為にSMR−CV(100重量部)、HAFカーボン(60重量部)、亜鉛華(8重量部)、硫黄(2重量部)、新規サルファイド樹脂(3重量部)、加硫促進剤N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(1重量部)の配合コンパウンドをロールを用いて通常の混練方法で混練した。得られたゴムコンパウンドのオシレーティング・レオメータによる架橋特性を160℃、30分の条件下に測定し、表2に記載した。
【実施例2】
【0026】
実施例1における一塩化硫黄の量を44gに変える以外は実施例1と同様にして新規サルファイド樹脂710を得た。得られた新規サルファイド樹脂の構造は、樹脂中の硫黄含有量および分子量の結果より式(4)の構造式と同定した。
【化5】


又、得られた新規サルファイド樹脂の軟化点、硫黄含量、分散性、加工性、およびゴムコンパウンドにした時のオシレーティング・レオメータによる架橋特性を実施例1と同様の方法で測定した結果を表1〜2に示した。
【実施例3】
【0027】
還流冷却器および温度計を備えた4ッ口フラスコに、p−t−オクチルフェノール600g、37%ホルムアルデヒド水溶液89g、35%塩酸46g、水133gを仕込み、内温90〜100℃で還流下4時間反応を行い、数平均分子量400のオクチルフェノール・ホルムアルデヒド縮合樹脂を得た。この反応マスにトルエン450mLを仕込み、一塩化硫黄222gをフラスコ内の内温を70〜80℃に保持しつつ滴下し、滴下終了後内温を110℃に上昇させ、3時間保温する。得られた反応液は減圧下において濃縮し、新規サルファイド樹脂740gを得た。得られた新規サルファイド樹脂の構造は、樹脂中の硫黄含有量および一塩化硫黄を反応させる前のオクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂の分子量と一塩化硫黄を反応させた後の樹脂の分子量の結果より式(5)の構造式と同定した。
【化6】

また、得られた新規サルファイド樹脂の軟化点、硫黄含量、分散性、加工性、およびゴムコンパウンドにした時のオシレーティング・レオメータによる架橋特性を実施例1と同様の方法で測定した結果を表1〜2に示した。
【0028】
(比較例1)
従来のフェノール類と塩化硫黄を反応させて生成するフェノール類サルファイド樹脂であるタッキロールV−200(田岡化学工業株式会社製)の軟化点、硫黄含量、分散性、加工性、およびゴムコンパウンドにした時のオシレーティング・レオメータによる架橋特性を実施例1と同様の方法で測定した結果を表1〜2に示した。
【0029】
(比較例2)
オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂であるタッキロール101(田岡化学工業株式会社製)と比較例1のタッキロールV−200(田岡化学工業株式会社製)の1:1の混合物の軟化点、硫黄含量、分散性、加工性、およびゴムコンパウンドにした時のオシレーティング・レオメータによる架橋特性を実施例1と同様の方法で測定した結果を表1〜2に示した。
【0030】
【表1】














【0031】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェノール類とアルデヒド類を反応させ、フェノールアルデヒド樹脂を生成させた後に塩化硫黄と反応させる事によって製造される新規のサルファイド樹脂。
【請求項2】
2量体以上のフェノールアルデヒド樹脂と塩化硫黄を反応させて得られる式(1)で表される請求項1に記載のサルファイド樹脂。
【化1】

(式中、R及びR'は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、水酸基、アルコキシ基、またはハロゲン原子を表し、xは1または2、nは0〜40であり、かつmは0〜20である。)
【請求項3】
天然ゴム、合成ゴムまたはそれらの組み合わせから選択されたゴム成分に対して、請求項1または2いずれか記載のサルファイド樹脂を含有してなることを特徴とするゴム組成物。

【公開番号】特開2011−162602(P2011−162602A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24220(P2010−24220)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000216243)田岡化学工業株式会社 (115)
【Fターム(参考)】