説明

新規ナノコンポジットとモノリスカラムとしてのそれらの利用

【課題】収縮に対する耐性が向上し、新規な物理的特性をもつナノコンポジットモノリス材料、ならびに前記材料を含むクロマトグラフィーカラムを提供する。
【解決手段】クロマトグラフィー分離用の新規材料、それらの調製方法、特に、第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機モノリス材料が記載される。このハイブリッド無機/有機材料では、従来技術のモノリス材料に比べて、壁との付着性が向上し、収縮に対する耐性が向上している。モノリスの付着性が向上したことにより、内径(I.D.)≧50μmをもつキャピラリカラムの作製が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年、5月28日に出願された米国特許仮出願第60/474068号の特典を主張し、その出願の開示はこの参照を通じてその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフィー(LC)の充填材料は、一般に、2つのタイプに分類される:有機材料、例えばポリジビニルベンゼン;および、シリカが典型である無機材料。多くの有機材料は強アルカリおよび強酸の移動相に対して化学的に安定であり、移動相pHの選択における自由度がある。しかし、有機クロマトグラフィー材料では、一般に、カラムの効率は低く、分離性能は不適切なものとなり、特に低分子量アナライトでそうである。さらに、多くのクロマトグラフィー材料は、移動層の組成が変わると収縮し膨潤する。加えて、ほとんどの有機クロマトグラフィー材料には、典型的なクロマトグラフィーシリカの機械的強度がない。
【0003】
主にこれらの制約のために、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)において、シリカが最も広く使用されている材料である。最も一般的な用途では、オクタデシル(C18)、オクチル(C)、フェニル、アミノ、シアノなどのような有機の基で表面変性された(surface−derivatized)シリカが用いられる。HPLCの固定相として、これらの充填材料からは、高効率であり、収縮または膨潤するという形跡を示さないカラムが得られる。
【0004】
しかし、シリカ粒子とポリマー粒子に付随するさらなる問題は充填ベッドの安定性である。球状粒子を充填されたクロマトグラフィーカラムは、粒子間の隙間がカラム入口からカラム出口まで連続網目(network)を形作るランダム最密充填格子であると考えられる。この網目が充填ベッドの間隙容積となり、充填カラムを通って流体が流れる道筋としての役目を果たす。充填ベッドの安定性を最大にするために、粒子はぎっしりと充填され、従ってまた、カラム内における間隙容積が限られたものとなる。結果として、このようなぎっしりと充填されたカラムは、望ましくない大きな背圧をカラムに生じる。さらに、これらのクロマトグラフィーカラムでのベッドの安定性の問題は、粒子の再配置により、一層典型的に認められる。
【0005】
現在のHPLCの開発動向は、生命科学のような分野に由来する、限られた量であることが多い試料を取り扱う必要に迫られての、カラム径の小型化である。ミニ−およびマイクロボア(microbore)カラムならびにキャピラリカラムでは、粒径と背圧との間の兼合いが一層際立って難しくなる。例えば、MacNair等(1)は、トリプシン消化物をHPLCで分離するために、1μmのシリカ粒子が充填された25cmの長さのキャピラリカラムにおいて、500MPaのような高い運転圧力を可能にする、特別に設計されたハードウェアを必要とした。この圧力は、市販のHPLC装置の典型的な限界値である40MPaより1桁高い。
【0006】
充填ベッドの安定性と低い背圧および大きな流量での高効率分離とが絡み合った問題を克服するために、いくつかのグループが、クロマトグラフィー分離におけるモノリス材料の使用を報告している。モノリス材料は、大きなマクロポア(ベッドを不安定にすることなく骨格の大きさに無関係にその大きさを変えることができる)が、相互に連結した連続的なポア構造により特徴付けられる。大きなマクロポアの存在により、液体が非常に小さい抵抗で直ちに貫流できるので、大きな流量の場合でさえ背圧は非常に小さくなる。
【0007】
モノリスカラムは、粒子充填ベッドに付随する兼合いの規則に従わないように設計されている。理論的には、それらは、圧力駆動液体クロマトグラフィーにおける充填粒子カラムの限界を超える低い背圧と高い効率とを併せ持つ性質を示し得る。ポリマー、無機シリカ、および有機−無機ハイブリッドの材料を含むキャピラリモノリスカラムが研究されており、文献(2、3)に報告されている。ポリマーモノリスは、メタクリレートもしくはスチレン−ジビニルベンゼン(DVB)モノマーのラジカル重合により主として製造され、高圧の下ではそれらの機械的強度は限られているので、電気クロマトグラフィー用途における電気浸透流と、低圧ポンプ駆動用途の下で使用されている。
【0008】
シリカモノリスもまた、Nakanishi等(3)によりHPLC分離に応用され、効率は5μmの粒子に似ているが、透過率は25〜30倍の大きさであることが示された。しかし、シリカ骨格の収縮のために、I.D.が50μmより大きいシリカキャピラリでは、効率はずっと低く、すべての場合において、モノリスとキャピラリ壁との間に形成される、収縮により発生する大きな空隙を除去するために、キャピラリが使用される前に、各キャピラリの長さの5〜15%を端から切り取らなければならなかった。
【0009】
別の出版物において、Nakanishi等(4)は、テトラメトキシシランおよびメチルトリメトキシシランの混合物から、200μmの内径(I.D.)のキャピラリカラムを製造する可能性を示した。しかし、これらのハイブリッド型シリカモノリスキャピラリには、はやり、モノリスとキャピラリ壁との間に形成される、収縮による大きな空隙があり、使用前に、各キャピラリの長さの5〜15%を端から切り取ることが必要であった。このハイブリッド型シリカモノリスでは、さらに、I.D.が50μmの同類のシリカモノリスカラムに対して、分離インピーダンスが3倍に増加した。
【0010】
(3−メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシランのUV重合により調製されたポリマーキャピラリモノリスカラムは、Zare等(5)により2001年に最初に報告された。Zareのカラムの溶出順序は、大きな分子量またはより疎水性のアナライトが、小さい分子量またはより親水性のアナライトより後で溶出する逆相カラムのそれと同様であり、重合したメタクリレート基がモノリス構造の表面に位置することを示している。Zareの仕事は電気クロマトグラフィーに応用され成功したが、カラム効率の低さ、キャピラリ壁とモノリス構造体との間の付着性(adhesion)の悪さ、ならびに、モノリス構造の不均一性が、圧力駆動分離において認められた(6)。さらに、熱重合でなく光重合を利用する結果として、ガラスキャピラリのポリイミドコーティングが使用前に除去されなければならない。この保護されていない溶融シリカ管は、非常に脆くなり、割れやすい。したがって、限られた長さのカラムだけがこの方法により作製され得る。
【0011】
現在のモノリスカラムはかなり収縮するので壁との付着性が悪く、結果的に、150μm未満のI.D.をもつカラムだけが作製されている。したがって、知られている材料に付随する問題を克服する新規な材料が求められている。特に、150μm以上のI.D.をもつクロマトグラフィーカラムを作製するのに使用され得る、収縮に対する耐性が向上し、壁との付着性が向上したモノリス材料が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は新規なハイブリッド無機/有機材料ならびにそれらの調製方法を提供する。特に、本発明は、収縮に対する耐性が向上し、新規な物理的特性をもつナノコンポジットモノリス材料を提供する。本発明のナノコンポジットでは、従来技術によるモノリス材料に比べて、キャピラリ壁との付着性が改善されている。本発明のモノリスの改善された付着性により、内径(I.D.)≧150μmのキャピラリカラムの作製が可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
こうして、一態様において、本発明は、重合した支持骨格ナノコンポジット(polymerized scaffolding nanocomposite、PSN)を備えるハイブリッド無機/有機材料を提供し、前記ナノコンポジットは、第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基(scaffolding functionality)を含む。
【発明を実施するための形態】
【0014】
別の態様において、本発明は、第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機モノリスを提供する。
【0015】
さらに、本発明は、第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機モノリスの調製方法を提供し、前記方法は、
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させるステップ;
b)重合反応を開始させるステップ;および
c)重合/ゾル−ゲル(polymerization so−gel、PSG)反応により前記モノマーを反応させるステップ;
を含み、こうして前記ハイブリッド無機/有機モノリスが調製される。
【0016】
関連する態様において、本発明は、第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機モノリスの調製方法を提供し、前記方法は、
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させるステップ;
b)重合反応を開始させるステップ;
c)重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により前記モノマーを反応させるステップ;および
d)前記材料のポア構造を修飾する(modify)ステップ;
を含み、こうしてハイブリッド無機/有機モノリスが調製される。
【0017】
さらに別の態様において、本発明は、
a)重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるモノリス材料を受け入れることができ、固定する官能基(anchoring functionality)を備える表面;および
b)前記表面の前記固定する官能基と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備え、前記支持骨格官能基と固定する官能基との間の化学的相互作用により前記表面に固定されているハイブリッド無機/有機モノリス;
を備える分離デバイスを提供する。
【0018】
関連する態様において、本発明は、
a)重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)材料を含むモノリスを受け入れることができ、固定する官能基を備える、内部表面が円柱状である溶融シリカキャピラリカラム;および
b)前記表面の前記固定する官能基と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備え、前記支持骨格官能基と固定する官能基との間の化学的相互作用により前記表面に固定されているハイブリッド無機/有機モノリス;
を備える溶融シリカキャピラリカラムを提供する。
【0019】
本発明の別の態様では、溶融シリカキャピラリカラム内でのハイブリッド無機/有機モノリスのin situな調製方法が提供され、前記方法は、
前記キャピラリカラムの内部表面に、固定する官能基を生成させること;および
前記キャピラリカラムの内側に、前記表面の前記固定する官能基と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機モノリスを形成すること;
を含み、前記モノリスは、
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させること;
b)重合反応を開始させること;および
c)重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により前記モノマーを反応させること;
により形成され、こうして前記支持骨格官能基と前記固定する官能基とが化学的に相互作用して前記モノリスを前記表面に固定し、その結果、ハイブリッド無機/有機モノリスが溶融シリカキャピラリカラム内にin situに調製される。
【0020】
別の関連する態様において、本発明は、溶融シリカキャピラリカラム内でのハイブリッド無機/有機モノリスのin situな調製方法を提供し、この方法は、
前記キャピラリカラムの内部表面に、固定する官能基を生成させること;および
前記キャピラリカラムの内側に、前記表面の前記固定する官能基と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機モノリスを形成すること;
を含み、前記モノリスは、
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させること;
b)重合反応を開始させるステップ;
c)重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により前記モノマーを反応させること;および
d)前記モノリスのポア構造を修飾すること;
により形成され、こうして前記支持骨格官能基と前記固定する官能基とが化学的に相互作用して前記モノリスを前記表面に固定し、その結果、ハイブリッド無機/有機モノリスが溶融シリカキャピラリカラム内にin situに調製される。
【0021】
本発明の別の態様では、第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を備える無機/有機ハイブリッドモノリスが提供され、前記モノリスは、
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させること;
b)重合反応を開始させること;および
c)重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により前記モノマーを反応させること;
からなる方法により製造される。
【0022】
関連する態様において、本発明は、第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を備える無機/有機ハイブリッドモノリスを提供し、前記モノリスは、
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させること;
b)重合反応を開始させること;
c)重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により前記モノマーを反応させること;および
d)前記モノリスのポア構造を修飾すること;
からなる方法により製造される。
【0023】
さらに別の関連する態様において、本発明は、重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機材料の調製方法を提供し、前記方法は、
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させるステップ;
b)重合反応を開始させるステップ;および
c)重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により前記モノマーを反応させるステップ;
を含み、こうしてハイブリッド無機/有機モノリスが調製され、前記モノリスは、第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含む。
【0024】
別の態様において、本発明は、重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機材料の調製方法を提供し、前記方法は、
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させるステップ;
b)重合反応を開始させるステップ;
c)重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により前記モノマーを反応させるステップ;および
d)前記材料のポア構造を修飾するステップ;
を含み、こうしてハイブリッド無機/有機材料が調製され、前記ナノコンポジットは、第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含む。
【0025】
本発明のさらに別の態様では、キャピラリカラムが提供され、前記キャピラリカラムの内部表面は固定する重合性官能基をもつように変性されている。
【0026】
図1A〜1Dは、重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により製造されるモノリスを概略的に示したものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】化学構造と概略の形においてハイブリッドモノマーおよび無機モノマーの例を示す図である。
【図1B】ハイブリッドモノマーおよび無機のモノマーの加水分解とオリゴマー化を概略的に示す図である。
【図1C】重合した支持骨格ナノコンポジット材料の横断面ブロックを形作るPSG反応の単純化された図である。
【図1D】PSN材料の拡大図を含む、PSN材料の単純化された横断面図である。
【0028】
本発明は、新規なハイブリッド無機/有機材料、ならびにそれらの調製方法を提供する。特に、本発明は、収縮に対する耐性が増し、新規な物理的特性をもつナノコンポジットモノリス材料を提供する。本発明のナノコンポジットでは、従来技術によるモノリス材料に比べて、キャピラリ壁との付着性が向上している。本発明のモノリスの向上した付着性により、内径(I.D.)≧150μmであるキャピラリカラムの作製が可能である。
【0029】
利点のある実施形態において、本発明は、溶融シリカキャピラリカラム内の新規な無機/有機モノリス材料を提供する。この実施形態によれば、本発明のモノリスは、少なくとも1つの重合性の有機基を含む有機シランモノマー(例えば(3−メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシラン)を含有するシラン混合物の、同時に起こる有機の重合とゾル−ゲル反応により、表面修飾された溶融シリカキャピラリカラム内でin situに調製される。
【0030】
定義
本発明のこれら、および他の実施形態は、便利なようにここに纏められている以下の定義に基づいて説明されるであろう。
【0031】
「脂環式基」という用語には、3個以上の炭素原子の閉じた環構造が含まれる。脂環式基には、飽和環状炭化水素であるシクロパラフィンもしくはナフテン、2つ以上の2重結合をもち不飽和であるシクロオレフィン、ならびに、3重結合をもつシクロアセチレンが含まれる。それらは芳香族基を含まない。シクロパラフィンの例には、シクロプロパン、シクロヘキサン、およびシクロペンタンが含まれる。シクロオレフィンの例には、シクロペンタジエンおよびシクロオクタテトラエンが含まれる。脂環式基にはまた、縮合環構造と、アルキル置換脂環式基のような置換脂環式基も含まれる。脂環式基の場合において、このような置換基としては、さらに、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ、低級アルキルカルボキシル、ニトロ、ヒドロキシル、−CF、−CNなどが含まれ得る。
【0032】
「脂肪族基」という用語には、直鎖もしくは分岐鎖により特徴付けられ、通常1と22個の間の炭素原子をもつ有機化合物が含まれる。脂肪族基には、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基が含まれる。複雑な構造においては、それらの鎖は分岐状であって架橋していてもよい。アルキル基には、直鎖アルキル基および分岐鎖アルキル基を含めて、1個または複数の炭素原子をもつ飽和炭化水素が含まれる。このような炭化水素部分は、1個または複数の炭素原子上で、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、アミノ、アルコキシ、アルキルカルボキシ、アルキルチオ、またはニトロ基により置換されていてもよい。本明細書では、炭素の数が特に指定されなければ、「低級脂肪族」は、上で定義されたもの(例えば、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル)であるが、1から6個の炭素原子をもつ脂肪族基を意味する。このような低級脂肪族基、例えば低級アルキル基の代表的なものは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2−クロロプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、2−アミノブチル、イソブチル、tert−ブチル、3−チオペンチルなどである。本明細書では、「ニトロ」という用語は、NOを意味し、「ハロゲン」という用語は、−F、−Cl,−Brまたは−Iを表し、「チオール」という用語はSHを意味し、また、「ヒドロキシ」という用語は−OHを意味する。
【0033】
「アルケニル」および「アルキニル」という用語は、アルキルに似ているが、それぞれ、少なくとも1つの2重または3重結合を含む不飽和脂肪族基を表す。適切なアルケニルおよびアルキニル基には、2から約12個の炭素原子、好ましくは、1から約6個の炭素原子をもつ基が含まれる。
【0034】
本明細書では、「アルコキシ」という用語は、それに結合している酸素原子をもつ、本明細書において定義されているアルキル基を意味する。代表的なアルコキシ基には、1から約12個の炭素原子、好ましくは、1から約6個の炭素原子をもつ基、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert−ブトキシなどが含まれる。
【0035】
「アルキル」という用語には飽和脂肪族基が含まれ、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキルで置換されたシクロアルキル基、およびシクロアルキルで置換されたアルキル基が含まれる。特定の実施形態において、直鎖または分岐鎖アルキルは、その骨格に30個以下の炭素原子、例えば、直鎖ではC〜C30、分岐鎖ではC〜C30をもつ。特定の実施形態において、直鎖もしくは分岐鎖アルキルは、その骨格に20個以下の炭素原子、例えば、直鎖ではC〜C20、分岐鎖ではC〜C20をもち、より好ましくは18個以下をもつ。同様に、好ましいシクロアルキルは、それらの環構造に4〜10個の炭素原子をもち、より好ましくは、それらの環構造に4〜7個の炭素原子をもつ。「低級アルキル」という用語は、その鎖に1から6個の炭素原子をもつアルキル基と、その環構造に3から6個の炭素をもつシクロアルキルを表す。
【0036】
さらに、本明細書および請求範囲の全体を通して、「アルキル」(「低級アルキル」を含めて)という用語には、「無置換アルキル」および「置換アルキル」の両方が含まれ、後者は、炭化水素骨格の1個または複数の炭素上で水素に代わる置換基をもつアルキル部分を表す。このような置換基としては、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノが含まれる)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドが含まれる)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、サルフェート、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、複素環式基、アラルキル、あるいは、芳香族または複素芳香族部分が含まれる。炭化水素鎖上の置換部分は、それら自体、適切であれば、置換されていてもよいことは、当業者により理解されるであろう。シクロアルキルは、例えば前記置換基により、さらに置換されていてもよい。「アラルキル」部分は、アリール(例えば、1から3個の独立した、もしくは縮合した環と、6から18個の環内炭素原子をもつ)で置換されたアルキル、例えばフェニルメチル(ベンジル)である。
【0037】
本明細書では、「アルキルアミノ」という用語は、それに結合しているアミノ基をもつ、本明細書において定義されているアルキル基を意味する。例示的なアルキルアミノ基には、1から12個の炭素原子、好ましくは、1から6個の炭素原子をもつ基が含まれる。
【0038】
「アルキルチオ」という用語は、それに結合しているスルフヒドリル基をもつ、本明細書に定義されているアルキル基を表す。例示的なアルキルチオ基には、1から12個の炭素原子、好ましくは、1から6個の炭素原子をもつ基が含まれる。本明細書では、「アルキルカルボキシル」という用語は、それに結合しているカルボキシル基をもつ、上に定義されているアルキル基を表す。本明細書では、「アミノ」という用語は、無置換であるか、もしくは置換されている、式、−NRの部分を表し、式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、アルキル、アリールまたは複素環式基であるか、あるいは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と共に、3から8個の環内原子をもつ環状部分を形成する。こうして、「アミノ」という用語は、そうではないと指摘されなければ、環状アミノ部分、例えばピペリジニルもしくはピロリジニル基を含む。「アミノ置換アミノ基」という用語は、RおよびRの少なくとも一方がアミノ基によりさらに置換されているアミノ基を表す。
【0039】
「固定する官能基」という語は、PSN材料と化学的に相互作用する第2の材料の能力を増進させる官能性の部分を含むと想定されている。特定の実施形態において、固定する官能基は重合性の基であり、それには、これらに限定されないが、ビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、ジビニルベンゼン、イタコネート、フマラート、アルキン、アゾ化合物、ならびにこれらの組合せが含まれる。
【0040】
「固定する」という用語は、1つの材料を第2の材料に付着させる作用を表す。付着の度合いは、第1の材料と第2の材料との化学的相互作用の直接の結果であり、自由度のある(flexible)相互作用から完全な固定化にまで渡る範囲の相互作用が含まれると想定されている。
【0041】
「芳香族基」という用語には、1つまたは複数の環を含む不飽和環状炭化水素が含まれる。芳香族基には、ゼロから4個のヘテロ原子を含み得る5および6員の単環基、例えば、ベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジンなどが含まれる。芳香族環は、1つまたは複数の環の位置で、例えば、ハロゲン、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ、低級アルキルカルボキシル、ニトロ、ヒドロキシル、−CF、−CNなどにより置換されていてもよい。
【0042】
「アリール」という用語には、ゼロから4個のヘテロ原子を含み得る5および6員の単環芳香族基、例えば、無置換もしくは置換のベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジンなどが含まれる。アリール基には、多環縮合芳香族基、例えば、ナフチル、キノリル、インドリルなどもまた含まれる。芳香族環は、1つまたは複数の環の位置で、例えばアルキル基に対して上に記載したような置換基により置換されていてもよい。適切なアリール基には、無置換および置換フェニル基が含まれる。
【0043】
本明細書では、「アリールオキシ」という用語は、それに結合している酸素原子をもつ、上で定義されたアリール基を意味する。本明細書では、「アラルコキシ」という用語は、それに結合している酸素原子をもつ、上で定義されたアラルキル基を意味する。適切なアラルコキシ基は、1から3個の独立した、もしくは縮合した環と、6から約18個の環内炭素原子をもち、例えば、O−ベンジルである。
【0044】
「アゾ化合物」という語は、表面官能基としてのアゾ含有基を含むと想定されている。表面上のこれらのアゾ基は、表面からナノコンポジット本体内に向かって重合を開始させることができる。この手法は、アゾ基をそれらに含み、ガラスキャピラリの壁上に結合され得るシランを用いて実現される9、10
【0045】
「化学的相互作用」という語は、これらに限定されないが、疎水性/親水性、イオン性(例えば、クーロン引力/斥力、イオン−双極子、電荷移動)、化学結合、ファンデルワールス、および水素結合を含むと想定されている。化学的相互作用という用語は、物理的相互作用、例えば表面間の物理的摩擦と区別されるということを表そうとするものである。
【0046】
「化学結合」という語は、共有結合(例えば、有機共有結合または無機共有結合)の生成を含むと想定されている。有機共有結合は、これらに限定されないが、水素、ホウ素、炭素、窒素、酸素、ケイ素、リン、硫黄、およびハロゲンを含めて、有機化学の一般的な元素間での共有結合の生成を含むと定義されている。さらに、炭素−ケイ素および炭素−酸素−ケイ素の結合は、有機共有結合と定義され、他方、ケイ素−酸素−ケイ素の結合は、有機共有結合とは定義されない、すなわち、ケイ素−酸素−ケイ素の結合は、無機共有結合と定義されている。
【0047】
「キャピラリカラム」という用語は、50〜2000μmの範囲の内径(I.D.)をもつクロマトグラフィーカラムを表す。
【0048】
「合体している(coalescing)」ならびに、「合体した粒子」という語において使われる「合体した(coalesced)」という用語は、適当な化学的または物理的な方法、例えば加熱により、いくつかの別個の成分が互いに密着して1つの新しい成分となった材料を表すと想定されている。合体したという用語は、例えばベッドを形成して物理的に近接している個別の粒子に集団(この場合、最後に出来上がるものは個別の粒子を含んでいる)と区別されるということを表そうとするものである。
【0049】
「緻密な材料(dense material)」という語は、材料表面の軸方向横断面から見て、ハイブリッド材料と、ハイブリッド材料を隔てる0.5μm未満の平均径をもつマクロポアとからなるハイブリッド材料を含むと想定されている。
【0050】
「変性された」または「変性」という用語は、第2の材料の受け入れ表面の官能基を、例えばコーティングもしくは化学結合(例えば重合)により別の官能基に変換することにより、別の官能基をもつ機能剤を第2の材料上に固定またはコーティングするという特性もしくは特徴を含むと想定されている。
【0051】
「機能付与基(functionalizing group)」という用語には、クロマトグラフィー固定相に特定のクロマトグラフィー機能を付与する有機の基(例えば、オクタデシル(C18)またはフェニルが含まれる)が含まれる。このような機能付与基は、例えば本明細書において開示されているような表面修飾剤(surface modifier)に存在し、これらの表面修飾剤は、例えば変性、あるいはコーティングと後の架橋により基部材料(base material)に結合され、基部材料に表面修飾剤の化学的特長を付与する。一実施形態において、このような表面修飾剤は、式、Z(R’)Si−Rをもち、式中、Z=Cl、Br、I、C〜Cアルコキシ、ジアルキルアミノまたはトリフルオロメタンスルホナートであり;aおよびbは、a+b=3という条件で、それぞれ、0から3の整数であり;R’は、C〜C線状、環状もしくは分岐状アルキル基であり;またRは、機能付与基である。R’は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルまたはシクロヘキシルであり、好ましくは、R’はメチルである。
【0052】
機能付与基Rには、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シアノ、アミノ、ジオール、ニトロ、エステル、陽イオンもしくは陰イオン交換基、埋め込まれた(embedded)極性官能基、あるいは、埋め込まれた極性官能基を含むアルキルまたはアリール基が含まれ得る。適切な機能付与基Rの例には、C〜C30アルキル(オクチル(C)、オクタデシル(C18)のようなC〜C20、およびトリアコンチル(C30)が含まれる);アルカリール、例えば、C〜C−フェニル;シアノアルキル基、例えば、シアノプロピル;ジオール基、例えば、プロピルジオール;アミノ基、例えば、アミノプロピル;埋め込まれた極性基(例えば米国特許第5374755号(この特許は参照を通じて本明細書に組み込まれる)に開示されているようなカルバメート官能基)をもつアルキルまたはアリール基;が含まれる。このような基には、次の一般式のものが含まれ、
【0053】
【化1】

式中、l、m、o、rおよびsは0または1であり、nは0、1、2または3であり、pは0、1、2、3または4であり、qは0から19の整数であり;Rは、水素、アルキル、シアノおよびフェニルからなる群から選択され;また、Z、R’、aおよびbは上で定義された通りである。好ましくは、カルバメート官能基は下に示される一般式をもち:
【0054】
【化2】

式中、Rは、例えば、シアノアルキル、t−ブチル、ブチル、オクチル、ドデシル、テトラデシル、オクタデシルまたはベンジルであり得る。有利には、Rはオクチル、ドデシル、またはオクタデシルである。
【0055】
「複素環式基」という用語には、環内の1個または複数の原子が炭素以外の元素、例えば、窒素、硫黄、または酸素である閉じた環構造が含まれる。複素環式基は、飽和であっても不飽和であってもよく、ピロールおよびフランのような複素環式基は芳香属性をもち得る。それらには、キノリンおよびイソキノリンのような縮合環構造が含まれる。複素環式基の他の例にはピリジンおよびプリンが含まれる。複素環式基はまた、1個または複数の構成原子の位置で、例えば、ハロゲン、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ、低級アルキルカルボキシル、ニトロ、ヒドロキシル、−CF、−CNなどにより置換されていてもよい。適切な複素芳香族および複素脂環式の基は、通常、1から3個の独立した、もしくは縮合した環をもち、1個の環当たり3から約8員で、1個または複数のN、OもしくはS原子を有し、例えば、クマリニル、キノリニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリノおよびピロリジニルであろう。
【0056】
「ハイブリッド」、すなわち、「無機/有機ハイブリッド材料」もしくは「無機/有機ハイブリッドモノリス」という語において使用される用語には、内部または「骨格」の無機構造の両方に有機官能基が一体化されている無機系構造体が含まれる。ハイブリッド材料の無機部分は、これらに限定されないが、アルミナ、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、およびセラミック材料から選択され得る。一実施形態において、ハイブリッド材料の無機部分はシリカである。
【0057】
親水性−親油性バランス(HLB)という語は業界で認められており、界面活性剤の溶解性を特徴付けようとするものである。この値は当業者に、所定のエマルジョンにおいてどの界面活性剤を使用すべきか決める指針となる。HLB値<10(あるいは、利用者の基準に応じて、3〜6)の界面活性剤では、水よりもオイルに対する親和性があり、その結果、油相において水滴が形成される傾向がある。HLB値>10(あるいは、8〜13)の界面活性剤では、この逆が正しく、それらは、オイルよりも水に対する親和性があり、その結果、水相において油滴が形成される傾向がある。特定の実施形態において、HLB値は、代表的に、0から約15の範囲であるが、60のように大きいこともあり得る。HLB値は、正確な値よりも相対値を与える、様々な方法により得られ得る。
【0058】
本明細書では、「材料」という用語は、1つの塊として形成された3次元コポリマーを含むと想定されている。一実施形態において、本発明の材料は、望みの形状のモールドに前駆体を投入することにより調製される。本発明の材料には、これらに限定されないが、モノリスもしくは非モノリス材料のようなポリマー材料、例えば、粒子、多孔度の低いコポリマー、あるいは、相互に連結したポア構造をもたない多孔性コポリマーが含まれる。
【0059】
「マクロポア」という用語は、クロマトグラフィーで有用な流量で、低い抵抗で、材料を通して液体が直接流れることを可能にする材料のポア、もしくは材料を貫くチャネルを含むと想定されている。例えば、本発明のマクロポアは、これらに限定されないが、約0.05μmより大きいポア径をもつポア、約0.1μmから約10μmの範囲のポア径をもつポア、約0.5μmから約5μmの範囲のポア径をもつポア、および、約0.8μmから約4μmの範囲のポア径をもつポアを含むと想定されている。クロマトグラフィーに使用される本発明の材料におけるマクロポアの大きさの選択は、少なくともカラムの背圧と効率に基づいて解析され得ることが理解されるべきである。マクロポアの大きさが小さすぎると、クロマトグラフィーで使用するにはカラムの背圧が大きくなりすぎ、一方、マクロポアの径が大きすぎると、カラムはクロマトグラフィーの効率を維持できないであろう。
【0060】
「最低限に水に可溶」という語は、起こそうとする反応が前に進むのに十分なだけは少なくとも可溶のままである化合物の能力を含むと想定されている。特定の実施形態において、「最低限に可溶」という語は、かろうじて可溶と完全に可溶の間の溶解性の範囲を含むと想定されている。溶解性は、例えば、熱もしくはさらなる試薬を用いることにより引き起こされる溶解性を含むと理解されるべきである。特定の実施形態において、2,2’−アゾビス(イソブチルロニトリル)は、最低限に水溶であると、当業者により了解されるであろう。
【0061】
「モノリス」という用語は、1つの塊において相互に連結した連続ポア構造をもつ多孔性の3次元材料を表す。モノリスという用語は、充填されてベッドを形成する個別の粒子の集団(この場合、最後に出来上がるものは個別の粒子を含む)と区別されるということを表そうとするものである。モノリスという用語はまた、相互に連結に連結したポア構造をもたない、多孔度が低い3次元ポリマーまたは多孔性3次元ポリマーと区別されるということを表そうとするものである。一実施形態において、本発明のモノリスは、望みの形状のモールドに前駆体を投入することにより調製される。別の実施形態において、モノリスは、合体した粒子を含む。さらに別の実施形態において、モノリス材料はクロマトグラフィー使用され得る、すなわち、そのモノリスはクロマトグラフィーで有用な材料、例えば、クロマトグラフィーカラムである。
【0062】
「ナノフェーズ(nanophase)」という用語は、分子レベルでの相分離に基づいて形成された、有機または無機の相の集まりを表す。本発明の特定の実施形態において、分子レベルでの相分離は、重合/ゾル−ゲル反応によるハイブリッドモノマーおよび無機モノマーの同時反応で生じる。図1は、有機および無機のナノフェーズの生成に至る、本発明の重合/ゾル−ゲル反応を図式的に示したものである。
【0063】
「重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)」という語は、無機ナノフェーズ(例えば、重合したシロキサン)により囲まれた重合した有機ナノフェーズを含むハイブリッドコンポジット材料を表し、これらのナノフェーズは独立した反応、例えば重合とゾル−ゲル反応により独立に形成され、有機および無機のナノフェーズは、ハイブリッドモノマーによる化学結合の生成により、例えば、無機モノマーへの例えばハイブリッドモノマー無機相の縮合と、有機相の重合(例えばラジカル重合)により、相互に連結しており、こうして、ハイブリッド材料は多数の表面支持骨格官能基をもって生成する。
【0064】
「重合/ゾル−ゲル(PSG)反応」という語は、同時に起こる重合反応とゾル−ゲル反応とを用いるハイブリッド材料の調製手法を表し、有機および無機のナノフェーズは、ハイブリッドモノマーとの相互作用による化学結合の生成により、例えば、無機モノマーへの例えばハイブリッドモノマー無機相の縮合と、有機層の重合(例えばラジカル重合)により、相互に連結しており、こうしてハイブリッド材料は生成する。特定の実施形態において、これらの材料は、テトラアルコキシシラン、例えば、テトラメトキシシランと、重合性の有機シラン、例えば、(3−メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシランとの混合物から製造され、この有機シランは、最低限に水に可溶(例えば、重合した支持骨格ナノコンポジットを生成するのに十分なだけ)である(すなわち、重合性の基がこの溶解性に影響を及ぼすであろう)。例えば、出発シランは水に対する限られた溶解性をもつ。SiOR結合はSiOHに加水分解され、生成するSiOHモノマーは実質的に水に可溶である。
【0065】
「重合」という用語は、小さい分子の結合もしくはカップリングの結果、より大きい分子を生成する過程を表す。当業者は、「重合」という用語が、様々な重合度の範囲、すなわち、1回の反応(例えば、2個の分子が反応して2量体を生成する)から、複数の反応(例えば、多数の分子が反応して高分子を生成する)に渡る範囲を含むと想定されていることを了解するであろう。
【0066】
「支持骨格官能基」という語は、第2の材料(例えば閉じ込め容器(containment vessel))の表面と化学的に相互作用できるので、PSN材料を第2の材料に固定し、それに対して動けなくすることができる例えば有機シランの有機官能基のような官能部分を表す。本発明の特定の実施形態において、前記官能部分は、「重合性の基」であり、それには、これらに限定されないが、ビニル、アクリレート、メタクリレート(例えば、3−メタクリルオキシプロピル)、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン(例えば、スチリルエチル)、ジビニルベンゼン、イタコネート、フマラート、アルキン、およびこれらの組合せが含まれる。当業者は、支持骨格官能基が選択された反応条件に応じて様々な度合いで重合反応の間に消費されるであろうということ、また、上で列挙された官能基は、未反応もしくはモノマーの状態で供用されることを理解するであろう。
【0067】
「第2の材料」という語は、PSN材料を受け入れることができる表面をもつどのような第2の材料も含むと想定されている。
【0068】
「表面修飾剤」という語は、クロマトグラフィーの固定相に特定のクロマトグラフィーの機能を付与する機能付与基を含むと想定されている。本明細書において開示されているような表面修飾剤は、例えば、変性、あるいはコーティングと後の架橋により基部材料に結合され、基部材料に表面修飾剤の化学的特性を付与する。
【0069】
「壁との付着性」という語は、材料(例えばPSN材料)の性質を表し、その性質がある場合には、材料は、その材料と第2の材料(例えば、キャピラリカラムの内壁)との間の十分な化学的相互作用を持っているので、追加の要因(例えば、クロマトグラフィー分離において材料を使用している間)の下にその材料が置かれた際にその化学的相互作用は保持される。特定の実施形態において、PSN材料は、PSN材料と第2の材料(例えば、クロマトグラフィーカラム)との間の流路を最少化もしくは排除するのに十分な壁との付着性を持ち、前記流路は、クロマトグラフィーカラムにおける分離効率にとって悪影響があるであろう。
【0070】
I.材料の組成
一態様において、本発明は、第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機材料を提供する。前記ハイブリッド材料は、有機官能基が内部または「骨格」の無機構造体の両方に一体化された無機系構造体を含み、無機の部分は、これらに限定されないが、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、セラミック、酸化スズ、およびこれらの組合せから選択される。
【0071】
特定の実施形態において、ハイブリッド材料の有機官能基は、少なくとも一部は、無機および有機の成分の両方を含む(すなわち、ケイ素−酸素結合と炭素−ケイ素結合の両方が1つのモノマー単位に存在することに関係付けられる)ハイブリッドモノマー、例えば有機シラン(例えばオルガノアルコキシシラン)に由来する。特定の実施形態において、有機シランは、式、RSi(ORもしくはR[Si(ORのオルガノアルコキシシランであり、式中、Rは、スチリル、ビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジビニルベンゼン、イタコネート、フマラート、置換もしくは無置換C〜C18のアルケニレン、アルキニレンまたはアリーレン、あるいはこれらの組合せであり;RはC〜Cアルキル部分であり;Rは、2個以上のケイ素原子に架橋結合している置換もしくは無置換C〜C18のアルケニレン、アルキニレンまたはアリーレン部分であり;また、mは2以上の整数である。特定の実施形態において、Rは、ビニル、メタクリルオキシプロピル、メタクリルアミドプロピル、またはスチリルエチルであり、Rは、メチルまたはエチルであるか、あるいは、Rが、架橋結合している、N,N−ビス(プロピレン)アクリルアミド基であり、m=2であり、Rはエチルまたはメチルである。本発明の具体的実施形態において、有機シランは、(3−メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシランである。特定の実施形態において、有機シランは、最低限に、例えば、重合した支持骨格ナノコンポジットを生成するのに十分なだけ、水に可溶である。
【0072】
一実施形態において、PSNは、ハイブリッド有機/無機モノマー(例えば有機シラン)と、無機モノマー(例えばシランモノマー)との反応生成物である。具体的実施形態において、PSNは、テトラアルコキシシランと、少なくとも1つの重合性の基(例えば、3−メタクリルオキシプロピルまたはスチリルエチル)を含む有機シランとの反応生成物である。
【0073】
一実施形態において、テトラアルコキシシランは、式、Si(OR(RはC〜Cアルキル部分である)をもち、例えば、テトラメトキシシランまたはテトラエトキシシランである。特定の実施形態において、有機シランおよび/またはテトラアルコキシシランは、最低限に、例えば、重合した支持骨格ナノコンポジットを生成するのに十分なだけ、水に可溶である。特定の実施形態において、(3−メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシランとテトラメトキシシランは、1:4(体積:体積)の比で存在する。
【0074】
ハイブリッド無機/有機材料は、材料の性質が実質的に影響を受けない限り、当業者によく知られている方法(例えばモールド成形)により、どのような形状にも成形され得る。本発明の一実施形態において、ハイブリッド無機/有機材料は、多孔性のハイブリッド無機/有機モノリス、例えばキャピラリモノリスである。本発明のモノリスでは、当技術分野において知られているキャピラリモノリスに比べて、これらに限定されないが、壁との付着性(すなわち、キャピラリ壁との付着性)の向上、収縮に対する耐性の向上、および、機械的安定性の向上を含めて、性質の向上がある。
【0075】
本発明の特定の実施形態において、重合性の有機基はシリカ骨格の中に埋め込まれており、このために大きな表面シラノール濃度(すなわち、クロマトグラフィーで利用可能な多数のシラノール)を有し、クロマトグラフィーで利用可能もしくは有用な有機基を本質的にまったくもたないモノリスが生成する。これらのモノリスのモノリス骨格は、有機の部分が無機シリカの網目の中に埋め込まれている有機−無機ナノコンポジットからなる。この手法により、収縮に対する耐性が向上し、また、有機溶剤に曝された際の収縮および膨潤に対する耐性が良好なモノリスが得られる。特定の実施形態において、シリカ骨格/支持骨格の収縮は、有機の含量を大きくすることにより最小化されるであろう。こうして、この反応方法を用いて、50μmを超える(例えば、1〜2mm)IDをもつモノリスカラムを、in−situに調製することができる。
【0076】
別の実施形態において、重合した有機相は、クロマトグラフィーで利用可能であり、多孔性表面の疎水性を変えるので、クロマトグラフィー分離での新規な選択性を生み出す。特定の実施形態において、有機相がクロマトグラフィーで利用可能である度合いは、PSN材料をクロマトグラフィーカラムの内部表面に固定する際に支持骨格官能基が消費される度合いに応じて決まる。特定の実施形態において、未重合の支持骨格官能基は、直接(例えばメタクリレート基)、もしくは間接的に(例えば、加水分化されたメタクリレート基)、クロマトグラフィーで利用可能な有機相となる。この重合反応は、クロマトグラフィーでの望みの選択性を生み出すように制御され得る。
【0077】
本発明によれば、PSNは、第2の材料(例えば、閉じ込める容器)と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含んでいるので、PSN材料を第2の材料に固定することができる。本発明の特定の実施形態において、支持骨格官能基は、「重合性の基」であり、それには、これらに限定されないが、ビニル、アクリレート、メタクリレート(例えば、3−メタクリルオキシプロピル)、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン(例えば、スチリルエチル)、ジビニルベンゼン、イタコネート、フマラート、アルキン、およびこれらの組合せが含まれる。
【0078】
本発明によりもたらされる特性の向上、例えば、壁との付着性の向上および/または収縮に対する耐性の向上は、閉じ込め容器の壁にポリマーを固定する支持骨格官能基の結果である。当業者は、支持骨格官能基が重合反応の間に相当消費されるであろうということ、また、上で列挙された官能基は未反応もしくはモノマーの状態で供用されることを理解するであろう。
【0079】
本発明によれば、第2の材料は、PSN材料を受け入れることができる表面をもついずれかの材料である。特定の実施形態において、第2の材料は、PSN材料を支える包接体(enclosure)となる閉じ込め容器である。第2の材料、例えば閉じ込め容器は、PSN材料調製の最初の反応容器として使用されるか、あるいは、PSN材料は第2の材料とは独立に調製され、次に、PSN材料が第2の材料と相互作用できるように、第2の材料(例えば、第2の閉じ込め容器)に移されてもよい。
【0080】
一実施形態において、閉じ込め容器が反応容器として使用され、そのため化学結合(例えば共有結合)のような化学的相互作用は、PSN材料の重合中に、生成しているPSN材料と第2の材料との間に起こる。別の実施形態において、PSN材料は、後に第2の材料(例えば第2の閉じ込め容器)に移され、化学結合(例えば共有結合)のような化学的相互作用は、さらなる化学処理、例えば、架橋剤の添加、ラジカル重合反応の光開始、またはヒドロシリル化反応のためのシドロシリル化触媒の添加により起こる。本発明のPSN材料に利用され得る閉じ込め容器には、これらに限定されないが、クロマトグラフィーカラム、例えば、キャピラリカラム(例えば、溶融シリカキャピラリカラム)、ガラスライナー付きスチールカラム、ラジアルコンプレッションカラム、トラップカラム、マイクロ流体デバイス、マイクロチップ、センサ、電子回路、固相抽出(SPE)デバイス(例えば、小型SPEデバイス)、およびオンカラムフリット(on−column frit)が含まれる。
【0081】
特定の実施形態において、第2の材料はそれ自体に、ナノコンポジットと相互作用するのに適する官能基をもっている。別の実施形態において、第2の材料の表面は、固定する官能基をもつように変性される、あるいは、処理されて固定する官能基をもつようになる。
【0082】
固定する官能基と支持骨格官能基は共重合可能であり、支持骨格官能基および固定する官能基の共重合の結果として共有結合が生成する。一実施形態において、この重合は、ラジカル開始剤(これらに限定されないが、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、過硫酸カリウム、および過酢酸が含まれる)により開始され得る。さらに、ラジカル開始剤は、少なくとも最低限に可溶、例えば最低限に水に可溶である。
【0083】
特定の実施形態において、本発明は、シラノール官能基の相互作用、例えば、第2の表面のシラノールとPSN材料のシラノールとの間の化学結合を含む(すなわち、シリカゾルのSi−OH基と反応して、ゲル化しているモノリスとキャピラリ壁との間に架橋シロキサンを生成するシラノールを含むガラスキャピラリ表面)。しかし、化学的相互作用が複数のシラノール官能基の相互作用である特定の実施形態において、この相互作用は他の(複数の)化学的相互作用、(例えば有機の化学結合を生成する重合による)例えば化学結合と組み合わさっていることが理解されるべきである。特定の他の実施形態において、化学的相互作用は、複数のシラノール官能基の相互作用ではない。
【0084】
別の態様において、本発明は、本明細書において下に記載される重合/ゾル−ゲル反応により調製されるコンポジット材料であるPSNを提供する。例えば、一実施形態において、PSN材料の調製は以下のステップを含む:
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させるステップ;
b)重合反応を開始させるステップ;および
c)重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により前記モノマーを反応させるステップ。
【0085】
特定の実施形態において、PSNの調製は、d)前記材料のポア構造を修飾するステップ;をさらに含み得る。本発明の多孔性の無機/有機ハイブリッド材料は、前記、また下のセクションIIにおいてさらに記載される方法により、さらなる修飾なしに調製されたままで使用され得る。
【0086】
別法として、本発明のハイブリッド材料は、1つまたは複数の処理により、例えば、化学的処理(例えば、こうして調製された材料の表面官能基の変性;物理的性質に影響を及ぼす添加剤、例えば、界面活性剤もしくは溶剤(例えばトルエン)のようなポロゲン(porogen)をPSG反応に組み入れること);物理的処理(例えば水熱処理);あるいは、いくつかの処理の組合せ;により、さらに修飾され得る。
【0087】
化学的処理
A.添加剤の組み入れ
一実施形態において、本発明の材料(例えばモノリス材料)のポア構造は、界面活性剤、あるいは様々な界面活性剤の組合せをPSG反応にさらに含めることにより、修飾される。具体的な実施形態において、界面活性剤あるいは界面活性剤の組合せは、少なくとも1種の非イオン界面活性剤を含む。例示的な非イオン界面活性剤には、これらに限定されないが、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマーとからなる界面活性剤、アルキルフェノキシポリエトキシエタノールからなる界面活性剤、ならびにポリエチレングリコール、例えば、Pluronic F38が含まれる。特定の実施形態において、界面活性剤あるいは界面活性剤の組合せは、親水性−新油性バランスが約0から60、例えば約10から50、例えば約20から40、例えば30から40の範囲、例えば約33である界面活性剤から選択される。
【0088】
界面活性剤は、重合/ゾル−ゲル反応中、材料表面の水および酸/塩基触媒の濃度を増加させると考えられる。本発明の材料の表面構造を調節するために界面活性剤を使用することにより、反応全体を通して生成しているポリマー材料が安定化され、不均一なモルフォロジーが最少化もしくは抑制される。
【0089】
B.表面修飾
調製方法は、本発明の材料(例えば、本発明のモノリス材料)を表面修飾することをさらに含み得る。本発明のハイブリッド材料は、有機基とシラノール基の両方を持ち、それらは、表面修飾剤によりさらに置換もしくは変性され得る。
【0090】
本発明の一実施形態において、多孔性の無機/有機ハイブリッド材料の表面有機基は、後のステップにおいて、修飾剤と材料の有機基との間での有機共有結合の生成により変性もしくは修飾され、この場合、この材料は第2の材料と相互作用することができるように、十分な支持骨格官能基を持ち続ける。別法として、ハイブリッドシリカの表面シラノール基は、例えば、オルガノトリハロシラン(例えば、オクタデシルトリクロロシラン)、あるいは、ハロポリオルガノシラン(例えば、オクタデシルジメチルクロロシラン)と反応することにより、シロキサン有機基に変性される。別法として、ハイブリッドシリカの表面有機基およびシラノール基のいずれも変性される。
【0091】
特定の実施形態において、シラノール基は、式、Z(R’)Si−Rをもつ化合物により表面修飾され、式中、Z=Cl、Br、I、C〜Cアルコキシ、ジアルキルアミノまたはトリフルオロメタンスルホナートであり;aおよびbは、a+b=3という条件で、それぞれ、0から3の整数であり;R’はC〜Cの線状、環状もしくは分岐状のアルキル基であり;また、Rは機能付与基である。R’は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルもしくはシクロヘキシルであり、好ましくは、R’はメチルである。さらなる実施形態において、有機基は、同じように機能付与され得る。
【0092】
一実施形態において、ハイブリッド材料の有機基は、表面修飾剤と反応して有機共有結合を生成する。修飾剤はまた、有機およびポリマーの化学においてよく知られているいくつかの機構(これらに限定されないが、求核、親電子、付加環化、ラジカル、カルベン、ニトレン、および炭素陽イオンの反応が含まれる)により、材料の有機基に有機共有結合を生成し得る。
【0093】
一実施形態において、表面修飾剤は、オルガノトリハロシラン、例えば、オクチルトリクロロシランまたはオクタデシルトリクロロシランであり得る。さらなる実施形態において、表面修飾剤は、ハロポリオルガノシラン、例えば、オクチルジメチルクロロシランまたはオクタデシルジメチルクロロシランであり得る。特定の他の実施形態において、表面修飾剤は、オクタデシルジメチル−N,N−ジメチルアミノシランである。
【0094】
別の実施形態において、ハイブリッドシリカ材料の表面はまた、ポリマーによるコーティングにより表面修飾され得る。ポリマーコーティングは文献において知られており、一般に、支持体へのポリマー層の化学結合の無い、表面物理吸着モノマーの重合または縮重合(タイプI)、支持体へのポリマー層の化学結合の有る、表面物理吸着モノマーの重合または縮重合(タイプII)、支持体への物理吸着プレポリマーの固定化(タイプIII)、および支持体表面への予め合成したポリマーの化学吸着(タイプIV)により行われる(11)。上に記載されたように、ポリマーによるハイブリッド材料のコーティングは、本発明において記載されている様々な表面修飾と共に用いられ得る。
【0095】
さらに、本発明の材料の表面は、有機基に対して反応性である試薬と反応させることにより変性され得る、残留有機基を含み得る。例えば、粒子上のビニル基(例えば、未反応メタクリレート基)を、臭素(Br)、水素(H)、ラジカル、成長ポリマーラジカル中心、ジエンなどのような、オレフィンと反応性のある様々な試薬と反応させることができる。別の実施形態において、材料上のヒドロキシル基を、イソシアネート、カルボン酸、カルボン酸塩化物、および、下に記載されている反応性オルガノシランのような、アルコールと反応性のある様々な試薬と反応させることができる。このタイプの反応は文献においてよく知られており、例えば、March,J.著「Advanced Organic Chemistry」(3版、Wiley、ニューヨーク、1985年);Odian,G.著「The Principles of Polymerization」(2版、Wiley、ニューヨーク、1981年)を参照。これらの文献は参照を通じて本明細書に組み込まれる。さらに、(メタクリレート)重合反応の度合いの調節を利用して、有機官能基に反応する試薬により変性される、多くの、または少ない有機基を供給することができる。
【0096】
さらに、本発明の材料の表面は、反応性有機シランと反応することにより変性され得るシラノール基を含む。ハイブリッド材料の表面変性は、標準的な方法、例えば、有機溶剤中、高温でのオクタデシルトリクロロシランまたはオクタデシルジメチルクロロシランとの反応により実施され得る。通常、トルエンまたは塩化メチレンのような有機溶剤がこの反応で用いられる。ピリジンまたはイミダゾールのような有機塩基が反応混合物に加えられて反応を触媒する。次に、この反応の生成物は、メタノール、水、トルエン、塩化メチレン、および/またはアセトンのような1種または複数の溶剤で洗われ、さらに、減圧下に約80℃から100℃で約16時間乾燥されることもある。さらに、得られるハイブリッド材料を、トリメチルクロロシランのような短鎖シランと反応させて、前記と同様の手順を用いることにより、残っているシラノール基をエンドキャップすることができる。
【0097】
C.水熱処理
加えて、例えば、PSG反応の間に形成されたシロキサンポリマー網目のさらなる縮合、ならびに、ポア構造の表面からのケイ酸シリケートの溶解、また同表面へのそれらの再析(redeposition)により材料のポア構造を改善するために、本発明の材料(例えば、本発明のモノリス材料)に、さらに水熱処理を行ってもよい。特に、この処理は、重合により固体状態となった後に適用できるであろう。一実施形態において、水熱処理は、昇温して、または高温で、例えば120℃で、塩基性溶液中で行われる(すなわち、水熱処理はキャピラリ中で行われる)。水熱処理のpH範囲は、約6〜12、例えば約8〜11、例えば約9〜10である。次に、モノリス材料は、水で洗われ、その後、溶剤交換され(例えば、メタノール、エタノール、アセトニトリル、またはテトラヒドロフランにより)、その後、室温、例えば約20〜25℃で乾燥される。次に、材料は、真空下に一夜、約25〜120℃、好ましくは約70℃で乾燥される。
【0098】
一実施形態において、縮合は、塩基、例えばアンモニアにより触媒される。特定の実施形態に置いて、アンモニアは、尿素または適切な有機アミドの高温熱分解により生成される。
【0099】
水熱処理後のハイブリッド材料の表面は、水熱処理により修飾されていないハイブリッド材料に対する前記修飾と同様の仕方で修飾され得る。例えば、続くステップにおいて、ハイブリッド材料の表面有機基は、場合によっては、モノリス材料の有機基および/またはシラノール基と修飾剤との間での共有結合の生成により修飾され、また、場合によっては、やはり前記のように、ポリマーによるコーティングもまた行われ得る。
【0100】
II.調製方法
関連する態様において、本発明は、重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機材料の調製方法を提供し、この方法は、
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させるステップ;
b)重合反応を開始させるステップ;および
c)重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により前記モノマーを反応させるステップ;
を含み、こうしてハイブリッド無機/有機モノリスが調製され、このモノリスは、第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含んでいる。特定の実施形態において、この方法は、さらに、(d)前記材料のポア構造を修飾するステップ;を含む。前記のように、得られるPSN材料は、後で、第2の材料(例えば、第2の閉じ込め容器)に移されてもよく、化学結合(例えば共有結合)のような化学的相互作用は、さらなる化学処理(例えば、架橋剤の添加、ラジカル重合反応の光開始、またはヒドロシリル化反応のためのヒドロシリル化触媒の添加)により起こる。
【0101】
別法として、本発明は、クロマトグラフィーカラム、例えばキャピラリカラム(例えば、溶融シリカキャピラリカラム)内に、in situに、ハイブリッド無機/有機モノリスを調製する方法を提供する。この方法は、
前記クロマトグラフィーカラムの内部表面に、固定する官能基を生成させること;および
前記クロマトグラフィーカラムの内側に、前記表面の前記固定する官能基と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機モノリスを形成すること;
を含み、前記モノリスは、
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させるステップ;
b)重合反応を開始させるステップ;および
c)重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により前記モノマーを反応させるステップ;
により形成され、こうして前記支持骨格官能基と前記固定する官能基とが化学的に相互作用して前記表面にモノリスを固定し、その結果、ハイブリッド無機/有機モノリスがクロマトグラフィーカラム内に、in situに、調製される。特定の実施形態において、このin situな方法は、前記PSN材料と前記クロマトグラフィーカラムの前記表面との間での共有結合の生成、すなわち、第2の材料への共有結合の生成における多数の支持骨格官能基の消費を含む。
【0102】
本発明のこれらの態様によれば、ハイブリッド材料は、重合/ゾル−ゲル(PSG)反応を用いて調製される。より詳細には、前記ハイブリッド材料は同時に起こる重合反応とゾル−ゲル反応とを用いて調製され、有機および無機のナノフェーズは、ハイブリッドモノマーとの相互作用による化学結合の生成により、例えば、無機モノマーへの例えばハイブリッドモノマー無機相の縮合と、有機層の重合(例えばラジカル重合)により、相互に連結しており、こうしてハイブリッド材料が生成する。特定の実施形態において、前記材料は、テトラアルコキシシラン(例えば、テトラメトキシシラン)と、重合性の有機シラン(例えば、(3−メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシラン)との混合物から製造され、前記有機シランは、最低限は、例えば、重合した支持骨格ナノコンポジットを生成するのに十分なだけは、水に可溶である(すなわち、前記重合性の基は、この溶解性に影響を及ぼす)。
【0103】
例示的な一実施形態において、PSG反応は、加水分解、例えば酸触媒加水分解(例えば酢酸による)と、ハイブリッドモノマーおよび無機モノマー(例えば、テトラメトキシシランと、(3−メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシランのような重合性有機シランとの混合物)のゆっくりとした縮合で始まり、低温(例えば、約0℃からほぼ室温(例えば約20〜25℃)までの範囲の温度)、低pH(例えば、約2〜3)で進行し、低分子量オリゴマーの混合物を生成する。次のステップにおいて、重合反応が開始される(例えばラジカルにより開始される)。特定の実施形態において、ラジカル開始反応は、高めの温度で起こる(例えば、室温を超える、例えば60〜65℃)。次に、生成したオリゴマーは重合し(例えばラジカル連鎖反応により)、同時に、さらに縮合して重合したゾル−ゲルを生成する(図1に示されている)。さらに、この重合性の基(図1Aにおいて、化学構造と概形の両方で示されている)は、さらなる集合性の基と反応するか、あるいは、第2の材料の表面との(例えば、クロマトグラフィーカラムの内側表面上の固定する官能基との)反応で停止し得る。重合/ゾル−ゲル反応の生成物の単純化された例が、図1Cおよび1Dにおいて、PSN材料の内部の横断面ブロックとして示されている(すなわち、第2の材料への重合は描かれていない)。しかし、図1は、本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【0104】
PSG反応は、重合とゾル−ゲル反応とが同時に起こるような温度、例えば、65℃で実施され、ハイブリッド無機/有機材料(例えばPSN材料)を調製するのに十分な時間、実施される。特定の実施形態において、重合は、ラジカル開始剤、例えば、最低限に水に可溶である開始剤、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、過硫酸カリウム、または過酢酸により開始される。本発明の特定の実施形態において、ゾル−ゲル反応は尿素の存在下に行われる。
【0105】
III.デバイス
本発明の多孔性の無機/有機ハイブリッド材料には、分離科学において、多孔性の無機/有機ハイブリッド材料(例えば、本発明のモノリス材料)を含む固定相をもつ、クロマトグラフィーカラム、薄層クロマトグラフィー(TLC)プレート、濾過膜、マイクロタイタープレート、スカベンジャー担体(scavenger support)、固相有機合成担体、キャピラリ−LCカラム、ラジアルコンプレッションカラム、トラップカラム、マイクロ流体デバイス、マイクロチップ、センサ、電子回路、小型固相抽出(SPE)デバイスおよびオンカラムフリットなどのための材料のような多様な最終用途がある。固定相は、特定のデバイスの要求に応じて、コーティング、含侵、被覆(cladding)、包み込み(wrapping)、あるいは、本発明の調製方法と両立する当技術分野で知られている他の方法によりデバイスに導入され得る。
【0106】
こうして、別の態様において、本発明は、
a)重合した支持骨格ナノコンポジット材料(PSN)を備えるモノリス材料を受け入れることができ、固定する官能基を備える表面;および
b)前記表面の前記固定する官能基と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備え、前記支持骨格官能基と固定する官能基との間の化学的相互作用により前記表面に固定されているハイブリッド無機/有機モノリス;
を備える分離デバイスを提供する。特定の実施形態において、本発明によるデバイスには、クロマトグラフィーカラム、例えば、ガラスライナー付スチールカラム、キャピラリカラム、薄層プレート、濾過膜、試料洗浄デバイス、およびマイクロタイタープレートが含まれる。
【0107】
特定の実施形態において、前記分離デバイスは、溶融無機キャピラリカラムであり、この無機部分は、これらに限定されないが、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、セラミック、酸化スズ、およびこれらの組合せである。
【0108】
特に利点のある実施形態において、本発明は、
a)重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)材料を含むモノリスを受け入れることができ、固定する官能基を備える、円柱状内部表面をもつクロマトグラフィーカラム;および
b)前記表面の前記固定する官能基と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備え、前記支持骨格官能基と固定する官能基との間の化学的相互作用により前記表面に固定されているハイブリッド無機/有機モノリス;
を備えるクロマトグラフィーカラム、例えばキャピラリカラム(例えば溶融シリカキャピラリカラム)を提供する。
【0109】
特定の実施形態において、本発明のデバイスはクロマトグラフィーカラム、例えばキャピラリカラム(例えば溶融シリカキャピラリカラム)であり、このキャピラリカラムの内部表面は重合性の固定する官能基をもつように変性されている。本発明の特定の実施形態において、キャピラリカラムの内径(I.D.)は、約50μmを超え、例えば約100μmを超え、例えば約150μmを超え、例えば約200μmを超え、例えば約250μmを超え、例えば約500μmを超え、例えば約1.0mmを超え、例えば約2mmを超え、例えば約3mmを超える。特に利点のある実施形態において、クロマトグラフィーデバイスは、HPLCにおいて広く使用されているようなクロマトグラフィーカラムである。
(実施例)
【0110】
本発明は、多孔性の無機/有機ハイブリッドモノリス材料の調製と、それらの利用を記載する以下の非限定的実施例によりさらに例示される。
【0111】
材料
そうではないと指摘されなければ、すべての試薬を購入したままで使用した。当業者は、以下の用品および供給元には同等なものが別に存在し、そのために、下に列挙される供給元は、限定と解釈されるべきでないことを認めるであろう。
【0112】
Gelest Inc.(Morrisville、ペンシルベニア州):(3−メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシラン(MAPTMOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、およびオクタデシルジメチル(ジメチルアミノ)シラン;BASF Corp.(Mount Olive、ニュージャージー州):Pluronic(登録商標)F38;Sigma−Aldrich Chemical Co.(Milwaukee、ウィスコンシン州):チオ尿素、アセナフテン、ナフタレン、水酸化ナトリウム;DuPont(Wilmington、デラウェア州):Vazo(登録商標)64およびVazo(登録商標)44;J.T.Baker(Phillipsburgh、ニュージャージー州):尿素、塩化メチレン、メタノール、アセトニトリル、アセトン、トルエン、ピリジン、塩酸および氷酢酸。すべての溶剤はHPLCグレードであった。水は、Millipore Milli−Q(Millipore Corp.(Bedford、マサチューセッツ州))から直接使用した。溶融シリカキャピラリカラム(Cat #FS−115、I.D.は150μm、Cat #FS−150、I.D.は50μm、もしくはこれらと同等のもの)と、すべてのエンドフィッティングおよびユニオン(Cat #P−760)は、Upchurch Scientific(Oak Harbor、ワシントン州)製、また、Polymicro Technologies(Phoenix、アリゾナ州)製(Cat #TSP 530660、I.D.は520μm、もしくはこれらと同等のもの)であった。圧縮ネジ(screw)は、Waters Corp.(Milford、マサチューセッツ州)製であった。
【実施例1】
【0113】
Harvard Apparatus Model「33」Dual Syringe Pump(Harvard Apparatus Inc.(Hollistion、マサチューセッツ州)もしくはこれと同等なもの)および10mLのPharmaseal(登録商標)シリンジ(American Pharmaseals Laboratory(Glendale、カルフォルニア州)もしくはこれと同等なもの)を、キャピラリの充満とパージのステップにおいて用いた。
【0114】
溶融シリカキャピラリカラム(長さは約2m)を以下の5つのステップにより処理した:(1)カラムを1NのNaOHにより50μL/minの流量で少なくとも5分間パージし、圧縮フィッティングによりシールし、90℃に17時間加熱した;(2)カラムを1NのHCl水溶液により50μL/minの流量で少なくとも5分間パージした;(3)カラムを水、アセトン、次に、トルエンにより50μL/minの流量でそれぞれ10分間洗った(全容積 約500μL、>カラム容積の10倍);(4)カラムに、(3−メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシラン(0.5mL)/ピリジン(0.5mL)/トルエン(10mL)の混合物を、50μL/minの流量で5分間充満させ、カラムの両端をシールし、次に、90℃のオーブン中で21時間加熱した;そして、(5)カラムをトルエン、アセトンおよび水により50μL/minの流量でそれぞれ10分間洗った。
【0115】
表面変性の後、2メートルのキャピラリを切断片にして、後の実験に使用され得る複数の短いキャピラリモノリスを作製した。
【実施例2】
【0116】
Pluronic(登録商標)F38(実施例2a−0.622g、実施例2b−0.596g)および尿素(実施例2a−0.517g、実施例2b−0.515g)を室温でガラスバイアル中の5mLの15mM酢酸溶液に加えた。窒素ガスによる少なくとも2分間のパージにより溶液から酸素を除去し、その後、Vazo(登録商標)64(1〜2mg)を加え、次に、溶液を0℃に冷却した。別のガラスバイアルにおいて、2mLのシラン混合物(4/1(v/v)のTMOS:MAPTMOS)を調製し、次に、0℃に冷却した。次に、このシラン混合物をゆっくりと酢酸溶液に加えた。合わせた溶液を0℃で1時間、次に室温(rt)で1.75時間攪拌した。
【0117】
得られた溶液を、ステップ(1)を2時間で行ったこと以外は実施例1に記載したようにして表面処理した、2つの別個の50μm(I.D.)×40mm(L)のキャピラリカラム内に入れた。次に、これらのカラムの両端を2つの圧縮ネジでシールし、オーブン中45℃で18.5時間加熱した。
【0118】
各カラムの横断面のモノリスモルフォロジーを走査型電子顕微鏡(SEM)(JEOL(Peabody、マサチューセッツ州))により観察し、大多数のマクロポアが0.5μmを超える直径をもち、収縮してキャピラリ壁から離れていないモノリス材料の生成が示された。
【実施例3】
【0119】
実施例2に記載したように、Pluronic(登録商標)F38および尿素を室温で5mLの酢酸溶液に加えた。窒素ガスによる少なくとも2分間のパージにより溶液から酸素を除去し、その後、Vazo(登録商標)64を加えた。溶液を攪拌し、一定の時間0℃まで冷却し、2mLの0℃のシラン混合物(4/1(v/v)のTMOS:MAPTMOS)を酢酸溶液にゆっくりと添加した。合わされた溶液を0℃で所定の時間、次にrtでさらなる時間攪拌した。
【0120】
得られた溶液を、実施例1に記載したようにして表面処理した、2つの別個の150μm(I.D.)×40mm(L)のキャピラリカラム内に入れた。次に、これらのカラムの両端を2つの圧縮ネジでシールし、オーブン中65℃で所定の時間、次に、高温(実施例3a、b 120℃;実施例3c〜j 105℃;実施例3k〜o 110℃;実施例3p〜t 125℃)でさらなる時間加熱した。
【0121】
実施例2に記載したように、各カラムの横断面のモノリスモルフォロジーをSEMにより観察した。反応条件に応じて、緻密なモノリス材料(マクロポアの大部分が0.5μm未満の直径をもつ)から、緻密でないモノリス材料(マクロポアの大部分が0.5μmを超える直径をもつ)まで観察され、壁との付着性は様々なレベルであった。これらの生成物を調製するのに使用された試薬の具体的な量と特性データを表1に列挙する。
【0122】
実施例3kおよび3tを20cmの長さに切断し、Eldex Micropro Syringe Pump(Eldex(Napa、カルフォルニア州)もしくはこれに相当するもの)を用いてメタノールで長時間パージすることによりモノリス構造から界面活性剤を除去した。カラムを、メタノールにより1.0μL/minの流量で5日間パージし、その時点で、FTIR分光法(Polaris、ThermoMattson(Madison、ウィスコンシン州)もしくはこれに相当するもの)により測定して、移動相に界面活性剤をまったく検出できなかった。
【0123】
表面修飾
実施例9に記載したクロマトグラフィーとしての評価の後(表4参照)、実施例3tを塩化メチレンにより1.0μL/minで16時間パージし、次に、オクタデシルジメチル(ジメチルアミノ)シランの塩化メチレン溶液(1/4(v/v))により、1μL/minで3時間パージした。表面修飾の後、カラムを塩化メチレンにより1μL/minの流量で16時間パージし、次に、それを、カラム容積の3倍を超える量でパージすることにより、アセトニトリルに換えた。得られた表面修飾後のモノリスを実施例3uとし、次にはそれを実施例9に記載したようにして評価した(表4参照)。
【実施例4】
【0124】
実施例2に記載したように、Pluronic(登録商標)F38および尿素を室温で5mLの酢酸溶液に加えた。Nによる少なくとも2分間のパージにより溶液から酸素を除去し、その後、Vazo(登録商標)64を加えた。溶液を攪拌し、一定の時間0℃まで冷却し、2mLの0℃のシラン混合物(4/1(v/v)のTMOS:MAPTMOS)を酢酸溶液にゆっくりと添加した。合わされた溶液をrtで所定の時間攪拌した。
【0125】
得られた溶液を、実施例1に記載したようにして表面処理した、2つの別個の150μm(I.D.)×40mm(L)のキャピラリカラム内に入れた。次に、これらのカラムの両端を2つの圧縮ネジでシールし、65℃で所定の時間、次に、高温(実施例4a〜e 120℃;実施例4f〜n 110℃)でさらなる時間加熱した。
【0126】
実施例2に記載したように、各カラムの横断面のモノリスモルフォロジーをSEMにより観察した。反応条件に応じて、緻密なモノリス材料(マクロポアの大部分が0.5μm未満の直径をもつ)から、緻密でないモノリス材料(マクロポアの大部分が0.5μmを超える直径をもつ)まで観察され、壁との付着性は様々なレベルであった。これらの生成物を調製するのに使用された試薬の具体的な量と特性データを表2に列挙する。
【0127】
【表1】

【0128】
【表2】

【0129】
【表3】

【実施例5】
【0130】
Pluronic(登録商標)F38(0.424g)および0.503gの尿素を、室温でガラスバイアル中の5mLの15mM酢酸溶液に加えた。窒素ガスによる少なくとも2分間のパージにより溶液から酸素を除去し、その後、3mgのVazo(登録商標)64を加え、次に、溶液を0℃に冷却した。別のガラスバイアルにおいて、2mLのシラン混合物(4/1(v/v)のTMOS:MAPTMOS)を調製し、次に、0℃に冷却した。次に、このシラン混合物をゆっくりと酢酸溶液に加えた。合わされた溶液を0℃で1時間、次に室温(rt)で1.75時間攪拌した。
【0131】
得られた溶液を、長さ40cm(実施例5a〜b)または120cm(実施例5c〜d)で、内径150μm(実施例5a〜c)または520μm(実施例5d)の溶融シリカキャピラリ(実施例1に記載したようにして、50μL/minの流量で5〜7分間前処理されたもの)内に入れた。
【0132】
次に、カラムの両端を、圧縮ネジ(実施例5a〜b)またはUpchurch P760圧縮フィッティングおよび1個のUpchurch P760ユニオン(実施例5c〜d)を用いてシールした。混合されたシランを酢酸溶液に加えた後、2時間、シールしたカラムを室温に保った。次に、カラムを65℃のオーブン中で2時間加熱し、125℃のオーブンに移し、一夜(20時間)入れておいた。
【0133】
次に、カラムをゆっくりと室温まで冷ました。Eldex Micropro Syringe Pump(Eldex(Napa、カルフォルニア州))を用いて、メタノールにより長時間パージすることによって構造体から界面活性剤を除去した。カラムをメタノールにより0.5μL/minの流量で6時間、次に、1.0μL/minの流量で20時間パージした。
【0134】
実施例2に記載したように、カラムの横断面のモノリスモルフォロジーをSEMにより観察した。緻密でないモノリス材料(マクロポアの大部分が0.5μmを超える直径をもつ)が観察され、壁との付着が実現されていた。
【実施例6】
【0135】
実施例5a〜dによるカラムのモノリス表面を、以下の手順を用いて表面修飾し、実施例6a〜dと類似に定義づけた表面修飾したモノリスを作製した。
【0136】
0.32Mのオクタデシルメチル(ジメチルアミノ)シランのトルエンまたはテトラヒドロフラン溶液を調製した。Eldex Micropro Syringe Pumpを用いて、カラムをこの溶液により1μL/minの流量でカラム容積の数倍量でパージし、次に、25℃から50〜55℃まで加熱し、50〜55℃に19時間保った。カラムを、Hot Packetカラムヒーター(Thermo Hypersil−Keystone(Bellefonte、ペンシルベニア州)もしくはこれに相当するもの)を用いて加熱した。冷却して、35℃、1μL/minの流量で少なくとも5時間、メタノールによりカラムをパージした。
【実施例7】
【0137】
1.0mm(I.D.)×150mm(L)のホウケイ酸ガラスライナー付きスチールカラム(SGE Inc.(Austin、テキサス州)、もしくはこれに相当するもの)を、ステップ(5)において溶剤を6mLずつ用いたこと以外は実施例1に記載したようにして表面処理した。Pluronic(登録商標)F38(1.272g)および尿素(1.506g)をガラスバイアルに秤量して入れ、15mLの32mM酢酸溶液に溶かした。窒素ガスによる5分間のパージにより混合物から酸素を除去した後、9mgのVazo(登録商標)64を添加した。混合物を室温で5分間攪拌し、次に、0℃に23分間冷却した。
【0138】
次に、6mLのシラン混合物(4/1(v/v)のTMOS:MAPTMOS)を、0℃でゆっくりと前記混合物に加えた。シランを添加した後、混合物を0℃で1.5時間攪拌した。得られた混合物を前記ガラスライナー付きスチールカラム内に入れた。次に、Watersステンレススチール圧縮プラグを用いてカラムの両端をシールした。混合シランが酢酸溶液に添加された後、2時間、シール後のカラムを室温に保った。カラムを65℃のオーブン中で2時間加熱し、次に、125℃のオーブンに移し、18時間入れておいた。次に、カラムを室温までゆっくりと冷ました。
【0139】
HPLCポンプ(Model 515、Waters Corp、もしくはこれに相当するもの)を用いて、メタノールにより長時間パージすることにより、モノリス構造から界面活性剤を除去した。メタノールによるパージの後、カラムのエンドフィッティングとフリットを除去した。光学顕微鏡(Model C−P−S、Nikon(東京、日本)もしくはこれに相当するもの)により観察したモノリス構造の検査では、モノリスが収縮したという形跡はなかった。
【実施例8】
【0140】
Vaso(登録商標)64をVaso(登録商標)44に置き換えたこと以外は実施例4に記載したようにして、界面活性剤、尿素、およびシランの酢酸溶液を調製した。得られた溶液を、実施例1に記載したように表面処理した、150μm(I.D.)×40mm(L)の複数の別個のキャピラリカラム内に入れた。実施例4に記載したようにして(実施例8では、前記高温は110℃であった)、カラムをシールし、加熱し、調べた。これらの生成物を調製するのに使用された試薬の具体的な量と得られた特性データを表3に列挙する。
【実施例9】
【0141】
モノリスカラムでの圧力データを、Eldex MicroPro Syringe Pump(Eldex(Napa、カルフォルニア州)もしくはこれに相当するもの)の圧力変換器を用いて、表面修飾していなモノリスと表面修飾したモノリスについて集めた。Kozeny−Carmanの式に基づいて等価粒径(見かけの粒径)を求めた。粒子充填カラム間隙の多孔度を0.4とすると、モノリス床と同じ透過性になると仮定した。溶剤混合物の溶剤粘度を、Colin等[H.Colin、J.C.Diez−Masa、G.Guiochon、T.Czajkowska、I.Miedziak、J.Chromatogr.、167(1978)41〜65]のデータに基づいて求めた。純粋な溶剤の溶剤粘度は、「Handbook of Chemistry and Physics on CD−ROM(2002年版、編集主幹:D.R.Lide、Chapman & Hall/CRC)」から得た。
【0142】
等価粒径の測定結果は表4に纏められている。
【0143】
【表4】

【実施例10】
【0144】
以下の実施例はハイブリッド無機/有機材料の多孔度を例示し、また、クロマトグラフィーの規準、すなわち、効率とテーリング係数(tailing factor)を用いてさらに材料の特性を評価する。
【0145】
実験条件
Eldex MicroPro Syringe Pump(Eldex(Napa、カルフォルニア州)もしくはこれに相当するもの)、Valco内部試料注入装置(Valco Instruments Co.Inc.(Houston、テキサス州)もしくはこれに相当するもの)および、250nLキャピラリフローセルを装備したWaters 2478 Dual λ吸光度検出器(Waters Corp.、あるいはこれに相当するもの)を用いて、実験データを得た。クロマトグラフィーパラメータのデータ獲得と決定を、Millenium 32ソフトウェア(Waters Corp.、あるいはこれに相当するもの)を用いて実施した。アセトニトリルと水を40/60の体積比で混合した。チオ尿素、ナフタレンおよびアセナフテンをアナライトとして用いた。ポンプを、0.25と4.0μL/minの間の体積流量で運転した。チオ尿素、ナフタレンおよびアセナフテンを、アセトニトリル−水の55:45(v/v)混合物に、20、100および400μg/mlでそれぞれ溶かした。注入容積は、20nLであった。UV検出を254nmで実施した。実験は雰囲気温度(24℃)で行われた。
【0146】
実験手順
カラムを注入装置とキャピラリフローセルの入口に直接連結した(3uは例外で、I.D.が50μmの溶融シリカキャピラリに連結した)。クロマトグラフィーとしての評価結果は表5に要約されている。保持されない化合物(チオ尿素)の溶出容積(elution volume)を全カラム容積により割ることにより、全多孔度を計算した。
【0147】
【表5】

【0148】
【表6】

【0149】
参照による組込み
本明細書において引用されたすべての特許、公開特許出願および他の参考文献の全内容は、参照を通じてそれらの全体がここで明示的に本明細書に組み込まれる。
【0150】
等価物
当業者は、単なる通常の実験法を用いて、本明細書に記載されている具体的な手順に対する多数の等価物を認める、あるいは確認できるであろう。このような等価物は、本発明の範囲内にあると考えられており、特許請求の範囲により包含されている。この出願全体を通して引用されたすべての参考文献、登録済み特許、および公開特許出願の内容は、ここで、参照を通じて組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機材料。
【請求項2】
第2の材料が閉じ込め容器である請求項1に記載のハイブリッド材料。
【請求項3】
支持骨格官能基が、ビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、ジビニルベンゼン、イタコネート、フマラート、アルキン、およびこれらの組合せからなる群から選択される請求項1に記載のハイブリッド材料。
【請求項4】
第2の材料の表面が固定する官能基により変性されている請求項1に記載のハイブリッド材料。
【請求項5】
固定する官能基が、ビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、ジビニルベンゼン、イタコネート、フマラート、アルキン、アゾ化合物、およびこれらの組合せからなる群から選択される請求項4に記載のハイブリッド材料。
【請求項6】
支持骨格官能基および固定する官能基が共重合可能である請求項4に記載のハイブリッド材料。
【請求項7】
閉じ込め容器が、キャピラリカラム、ガラスライナー付きスチールカラム、ラジアルコンプレッションカラム、トラップカラム、マイクロ流体デバイス、マイクロチップ、センサ、電子回路、小型SPEデバイス、およびオンカラムフリットからなる群から選択される請求項2に記載のハイブリッド材料。
【請求項8】
閉じ込め容器が溶融シリカキャピラリカラムである請求項2に記載のハイブリッド材料。
【請求項9】
化学的相互作用が共有結合の生成である請求項1に記載のハイブリッド材料。
【請求項10】
共有結合が重合により生成する請求項9に記載のハイブリッド材料。
【請求項11】
重合がラジカル開始剤により開始される請求項10に記載のハイブリッド材料。
【請求項12】
ラジカル開始剤が最低限に水に可溶である請求項11に記載のハイブリッド材料。
【請求項13】
開始剤が、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、過硫酸カリウム、および過酢酸からなる群から選択される請求項11に記載のハイブリッド材料。
【請求項14】
ハイブリッド材料の無機の部分が、アルミナ、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、およびセラミック材料からなる群から選択される材料である請求項1に記載のハイブリッド材料。
【請求項15】
ハイブリッド材料の無機の部分がシリカである請求項1に記載のハイブリッド材料。
【請求項16】
PSNが、有機シランと無機シランのモノマーの反応生成物である請求項1に記載のハイブリッド材料。
【請求項17】
PSNが、テトラアルコキシシランと、少なくとも1つの重合性の基を含む有機シランとの反応生成物である請求項16に記載のハイブリッド材料。
【請求項18】
前記テトラアルコキシシランが、式、Si(OR(RはC〜Cアルキル部分である)をもつ請求項17に記載のハイブリッド材料。
【請求項19】
前記有機シランが、式、RSi(ORもしくはR[Si(ORをもつオルガノアルコキシシラン(式中、Rは、スチリル、ビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジビニルベンゼン、イタコネート、フマラート、置換もしくは無置換C〜C18のアルケニレン、アルキニレンまたはアリーレン、あるいはこれらの組合せであり;RはC〜Cアルキル部分であり;Rは、2個以上のケイ素原子に架橋結合している置換もしくは無置換C〜C18のアルケニレン、アルキニレンまたはアリーレン部分であり;また、mは2以上の整数である)である請求項17に記載のハイブリッド材料。
【請求項20】
が、ビニル、メタクリルオキシプロピル、メタクリルアミドプロピル、もしくはスチリルエチルであり、Rがメチルもしくはエチルであるか、あるいは、Rが、架橋結合している、N,N−ビス(プロピレン)アクリルアミド基であり、m=2であり、Rがエチルもしくはメチルである請求項19に記載のハイブリッド材料。
【請求項21】
有機シランが最低限に水に可溶である請求項17に記載のハイブリッド材料。
【請求項22】
前記テトラアルコキシシランが、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランからなる群から選択される請求項17に記載のハイブリッド材料。
【請求項23】
テトラアルコキシシランがテトラメトキシシランである請求項17に記載のハイブリッド材料。
【請求項24】
重合性の基が3−メタクリルオキシプロピルである請求項17に記載のハイブリッド材料。
【請求項25】
重合性の基がスチリルエチルである請求項17に記載のハイブリッド材料。
【請求項26】
テトラアルコキシシランが最低限に水に可溶である請求項17に記載のハイブリッド材料。
【請求項27】
有機シランが(3−メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシランである請求項17に記載のハイブリッド材料。
【請求項28】
前記ハイブリッド材料の前記ポア構造が、前記反応に界面活性剤または様々な界面活性剤の組合せをさらに含めることにより、また、前記材料に水熱処理を行うことにより修飾されている請求項1に記載のハイブリッド材料。
【請求項29】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが非イオン界面活性剤である請求項28に記載のハイブリッド材料。
【請求項30】
界面活性剤が、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロックコポリマーからなる界面活性剤、アルキルフェノキシポリエトキシエタノールからなる界面活性剤、ならびにポリエチレングリコールからなる群から選択される請求項29に記載のハイブリッド材料。
【請求項31】
界面活性剤がPluronic F38である請求項29に記載のハイブリッド材料。
【請求項32】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約0から60の範囲の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項28に記載のハイブリッド材料。
【請求項33】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約10から50の範囲の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項28に記載のハイブリッド材料。
【請求項34】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約20から40の範囲の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項28に記載のハイブリッド材料。
【請求項35】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約30から40の範囲の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項28に記載のハイブリッド材料。
【請求項36】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約33の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項28に記載のハイブリッド材料。
【請求項37】
前記材料が、有機基表面修飾剤、シラノール基表面修飾剤、ポリマーコーティング表面修飾剤、およびこれらの組合せからなる群から選択される表面修飾剤により表面修飾されている請求項1に記載のハイブリッド材料。
【請求項38】
前記材料がポリマーコーティング表面修飾剤により表面修飾されている請求項37に記載のハイブリッド材料。
【請求項39】
前記材料が、有機基表面修飾剤とシラノール基表面修飾剤の組合せにより表面修飾されている請求項37に記載のハイブリッド材料。
【請求項40】
前記材料が、有機基表面修飾剤とポリマーコーティング表面修飾剤の組合せにより表面修飾されている請求項37に記載のハイブリッド材料。
【請求項41】
前記材料が、シラノール基表面修飾剤とポリマーコーティング表面修飾剤の組合せにより表面修飾されている請求項37に記載のハイブリッド材料。
【請求項42】
前記材料が、有機基表面修飾剤、シラノール基表面修飾剤、およびポリマーコーティング表面修飾剤の組合せにより表面修飾されている請求項37に記載のハイブリッド材料。
【請求項43】
前記材料が、シラノール基表面修飾剤により表面修飾されている請求項37に記載のハイブリッド材料。
【請求項44】
前記材料が、材料の有機基と表面修飾剤との間での共有結合の生成により表面修飾されている請求項37に記載のハイブリッド材料。
【請求項45】
表面修飾剤が、Z(R’)Si−R(式中、Z=Cl、Br、I、C〜Cアルコキシ、ジアルキルアミノまたはトリフルオロメタンスルホナートであり;aおよびbは、a+b=3という条件で、それぞれ、0から3の整数であり;R’は、C〜C線状、環状もしくは分岐状アルキル基であり;またRは、機能付与基である)をもつ請求項37に記載のハイブリッド材料。
【請求項46】
R’が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルおよびシクロヘキシルからなる群から選択される請求項45に記載のハイブリッド材料。
【請求項47】
前記機能付与基Rが、C〜C30アルキル基である請求項45に記載のハイブリッド材料。
【請求項48】
前記機能付与基Rが、C〜C20アルキル基である請求項45に記載のハイブリッド材料。
【請求項49】
前記表面修飾剤が、オクチルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、オクタデシルジメチル−N,N−ジメチルアミノシラン、オクチルジメチルクロロシラン、およびオクタデシルジメチルクロロシランからなる群から選択される請求項45に記載のハイブリッド材料。
【請求項50】
前記表面修飾剤が、オクタデシルジメチル−N,N−ジメチルアミノシランである請求項45に記載のハイブリッド材料。
【請求項51】
前記機能付与基Rが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シアノ、アミノ、ジオール、ニトロ、エステル、陽イオンもしくは陰イオン交換基、埋め込まれた極性官能基を含むアルキル、および埋め込まれた極性官能基を含むアリール基からなる群から選択される請求項45に記載のハイブリッド材料。
【請求項52】
第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項53】
モノリスがキャピラリモノリスである請求項52に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項54】
モノリスに、壁との付着性の向上、および収縮に対する耐性の向上からなる群から選択される性質の向上がある請求項53に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項55】
壁との付着性の向上が、ポリマーの支持骨格官能基と、第2の材料の表面の固定する官能基との間の化学的相互作用の結果である請求項54に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項56】
第2の材料が閉じ込め容器である請求項52に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項57】
支持骨格官能基が、ビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、ジビニルベンゼン、イタコネート、フマラート、アルキン、およびこれらの組合せからなる群から選択される請求項52に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項58】
第2の材料の表面が固定する官能基により変性されている請求項52に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項59】
固定する官能基が、ビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、ジビニルベンゼン、イタコネート、フマラート、アルキン、アゾ化合物、およびこれらの組合せからなる群から選択される請求項58に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項60】
支持骨格官能基および固定する官能基が共重合可能である請求項58に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項61】
閉じ込め容器が、キャピラリカラム、ガラスライナー付きスチールカラム、ラジアルコンプレッションカラム、トラップカラム、マイクロ流体デバイス、マイクロチップ、センサ、電子回路、小型SPEデバイス、およびオンカラムフリットからなる群から選択される請求項56に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項62】
閉じ込め容器が溶融シリカキャピラリカラムである請求項56に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項63】
化学的相互作用が共有結合の生成である請求項52に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項64】
共有結合が重合により生成する請求項63に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項65】
重合がラジカル開始剤により開始される請求項64に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項66】
ラジカル開始剤が最低限に水に可溶である請求項65に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項67】
開始剤が、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、過硫酸カリウム、および過酢酸からなる群から選択される請求項65に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項68】
ハイブリッド材料の無機の部分が、アルミナ、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、およびセラミック材料からなる群から選択される材料である請求項52に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項69】
ハイブリッド材料の無機の部分がシリカである請求項52に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項70】
PSNが、有機シランと無機シランのモノマーの反応生成物である請求項52に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項71】
PSNが、テトラアルコキシシランと、少なくとも1つの重合性の基を含む有機シランとの反応生成物である請求項70に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項72】
前記テトラアルコキシシランが、式、Si(OR(RはC〜Cアルキル部分である)をもつ請求項71に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項73】
前記有機シランが、式、RSi(ORもしくはR[Si(ORをもつオルガノアルコキシシラン(式中、Rは、スチリル、ビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジビニルベンゼン、イタコネート、フマラート、置換もしくは無置換C〜C18のアルケニレン、アルキニレンまたはアリーレン、あるいはこれらの組合せであり;RはC〜Cアルキル部分であり;Rは、2個以上のケイ素原子に架橋結合している置換もしくは無置換C〜C18のアルケニレン、アルキニレンまたはアリーレン基であり;また、mは2以上の整数である)である請求項71に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項74】
が、ビニル、メタクリルオキシプロピル、メタクリルアミドプロピル、もしくはスチリルエチルであり、Rがメチルもしくはエチルであるか、あるいは、Rが、架橋結合している、N,N−ビス(プロピレン)アクリルアミド基であり、m=2であり、Rがエチルもしくはメチルである請求項73に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項75】
有機シランが最低限に水に可溶である請求項71に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項76】
前記テトラアルコキシシランが、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランからなる群から選択される請求項71に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項77】
テトラアルコキシシランがテトラメトキシシランである請求項71に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項78】
重合性の基が3−メタクリルオキシプロピルである請求項71に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項79】
重合性の基がスチリルエチルである請求項71に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項80】
テトラアルコキシシランが最低限に水に可溶である請求項71に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項81】
有機シランが(3−メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシランである請求項71に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項82】
前記ハイブリッドモノリスの前記ポア構造が、前記反応に界面活性剤または様々な界面活性剤の組合せをさらに含めることにより、また、前記モノリスに水熱処理を行うことにより修飾されている請求項52に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項83】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが非イオン界面活性剤である請求項82に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項84】
界面活性剤が、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロックコポリマーからなる界面活性剤、アルキルフェノキシポリエトキシエタノールからなる界面活性剤、ならびにポリエチレングリコールからなる群から選択される請求項82に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項85】
界面活性剤がPluronic F38である請求項83に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項86】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約0から60の範囲の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項82に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項87】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約10から50の範囲の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項82に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項88】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約20から40の範囲の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項82に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項89】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約30から40の範囲の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項82に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項90】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約33の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項82に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項91】
前記材料が、有機基表面修飾剤、シラノール基表面修飾剤、ポリマーコーティング表面修飾剤、およびこれらの組合せからなる群から選択される表面修飾剤により表面修飾されている請求項52に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項92】
前記材料がポリマーコーティング表面修飾剤により表面修飾されている請求項91に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項93】
前記材料が、有機基表面修飾剤とシラノール基表面修飾剤の組合せにより表面修飾されている請求項91に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項94】
前記材料が、有機基表面修飾剤とポリマーコーティング表面修飾剤の組合せにより表面修飾されている請求項91に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項95】
前記材料が、シラノール基表面修飾剤とポリマーコーティング表面修飾剤の組合せにより表面修飾されている請求項91に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項96】
前記材料が、有機基表面修飾剤、シラノール基表面修飾剤、およびポリマーコーティング表面修飾剤の組合せにより表面修飾されている請求項91に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項97】
前記材料が、シラノール基表面修飾剤より表面修飾されている請求項91に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項98】
前記材料が、材料の有機基と表面修飾剤との間での共有結合の生成により表面修飾されている請求項91に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項99】
表面修飾剤が、Z(R’)Si−R(式中、Z=Cl、Br、I、C〜Cアルコキシ、ジアルキルアミノまたはトリフルオロメタンスルホナートであり;aおよびbは、a+b=3という条件で、それぞれ、0から3の整数であり;R’は、C〜C線状、環状もしくは分岐状アルキル基であり;またRは、機能付与基である)をもつ請求項91に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項100】
R’が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルおよびシクロヘキシルからなる群から選択される請求項99に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項101】
前記機能付与基Rが、C〜C30アルキル基である請求項99に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項102】
前記機能付与基Rが、C〜C20アルキル基である請求項99に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項103】
前記表面修飾剤が、オクチルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、オクタデシルジメチル−N,N−ジメチルアミノシラン、オクチルジメチルクロロシラン、およびオクタデシルジメチルクロロシランからなる群から選択される請求項99に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項104】
前記表面修飾剤が、オクタデシルジメチル−N,N−ジメチルアミノシランである請求項99に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項105】
前記機能付与基Rが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シアノ、アミノ、ジオール、ニトロ、エステル、陽イオンもしくは陰イオン交換基、埋め込まれた極性官能基を含むアルキルもしくはアリール基からなる群から選択される請求項99に記載のハイブリッド無機/有機モノリス。
【請求項106】
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させるステップ;
b)重合反応を開始させるステップ;および
c)重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により前記モノマーを反応させるステップ;
を含み、こうしてハイブリッド無機/有機モノリスが調製される、第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機モノリスの調製方法。
【請求項107】
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させるステップ;
b)重合反応を開始させるステップ;
c)重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により前記モノマーを反応させるステップ;および
d)材料のポア構造を修飾するステップ;
を含み、こうしてハイブリッド無機/有機モノリスが調製される、第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機モノリスの調製方法。
【請求項108】
ゾル−ゲル反応が酸で触媒される請求項106または107に記載の方法。
【請求項109】
酸が酢酸である請求項108に記載の方法。
【請求項110】
ゾル−ゲル反応が、約0℃からほぼ室温の範囲の温度で実施される請求項106または107に記載の方法。
【請求項111】
ゾル−ゲル反応が、約0℃の温度で実施される請求項110に記載の方法。
【請求項112】
ゾル−ゲル反応が室温で実施される請求項110に記載の方法。
【請求項113】
ゾル−ゲル反応が低pHで実施される請求項106または107に記載の方法。
【請求項114】
ゾル−ゲル反応が、pH約2〜3で実施される請求項113に記載の方法。
【請求項115】
ゾル−ゲル反応が尿素の存在の下で行われる請求項106または107に記載の方法。
【請求項116】
重合がラジカル開始剤により開始される請求項106または107に記載の方法。
【請求項117】
重合が、高めの温度で、ラジカル開始剤により開始される請求項116に記載の方法。
【請求項118】
高めの温度が室温を超える請求項117に記載の方法。
【請求項119】
高めの温度が、約60〜65℃である請求項118に記載の方法。
【請求項120】
ラジカル開始剤が、最低限に水に可溶である請求項116に記載の方法。
【請求項121】
開始剤が、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、過硫酸カリウム、および過酢酸からなる群から選択される請求項116に記載の方法。
【請求項122】
PSG反応が、重合とゾル−ゲル反応が同時に起こるのに十分な温度で実施される請求項106または107に記載の方法。
【請求項123】
PSG反応が65℃で実施される請求項122に記載の方法。
【請求項124】
PSG反応が、ハイブリッド無機/有機モノリスを調製するのに十分な時間実施される請求項122に記載の方法。
【請求項125】
第2の材料が、PSN材料を受け入れることができる表面をもつ閉じ込め容器である請求項106または107に記載の方法。固定する官能基により変性。
【請求項126】
第2の材料が、固定する官能基により変性されている請求項106または107に記載の方法。
【請求項127】
支持骨格官能基と固定する反応基が共重合可能である請求項126に記載の方法。
【請求項128】
閉じ込め容器が、キャピラリカラム、ガラスライナー付きスチールカラム、ラジアルコンプレッションカラム、トラップカラム、マイクロ流体デバイス、マイクロチップ、センサ、電子回路、小型SPEデバイス、およびオンカラムフリットからなる群から選択される請求項125に記載の方法。
【請求項129】
閉じ込め容器がキャピラリカラムである請求項128に記載の方法。
【請求項130】
閉じ込め容器が溶融シリカキャピラリカラムである請求項129に記載の方法。
【請求項131】
化学的相互作用が共有結合の生成である請求項106または107に記載の方法。
【請求項132】
共有結合が共重合により生成する請求項131に記載の方法。
【請求項133】
PSNが、有機シランと無機シランのモノマーの反応生成物である請求項106または107に記載の方法。
【請求項134】
PSNが、テトラアルコキシシランと、少なくとも1つの重合性の基を含む有機シランとの反応生成物である請求項133に記載の方法。
【請求項135】
前記テトラアルコキシシランが、式、Si(OR(RはC〜Cアルキル部分である)をもつ請求項134に記載の方法。
【請求項136】
前記有機シランが、式、RSi(ORもしくはR[Si(ORをもつオルガノアルコキシシラン(式中、Rは、スチリル、ビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジビニルベンゼン、イタコネート、フマラート、置換もしくは無置換C〜C18のアルケニレン、アルキニレンまたはアリーレン、あるいはこれらの組合せであり;RはC〜Cアルキル部分であり;Rは、2個以上のケイ素原子に架橋結合している置換もしくは無置換C〜C18のアルケニレン、アルキニレンまたはアリーレン部分であり;また、mは2以上の整数である)である請求項134に記載の方法。
【請求項137】
が、ビニル、メタクリルオキシプロピル、メタクリルアミドプロピル、もしくはスチリルエチルであり、Rがメチルもしくはエチルであるか、あるいは、Rが、架橋結合している、N,N−ビス(プロピレン)アクリルアミド基であり、m=2であり、Rがエチルもしくはメチルである請求項136に記載の方法。
【請求項138】
有機シランが最低限に水に可溶である請求項133に記載の方法。
【請求項139】
前記テトラアルコキシシランが、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランからなる群から選択される請求項134に記載の方法。
【請求項140】
テトラアルコキシシランがテトラメトキシシランである請求項134に記載の方法。
【請求項141】
重合性の基が3−メタクリルオキシプロピルである請求項134に記載の方法。
【請求項142】
重合性の基がスチリルエチルである請求項134に記載の方法。
【請求項143】
テトラアルコキシシランが最低限に水に可溶である請求項134に記載の方法。
【請求項144】
有機シランが(3−メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシランである請求項134に記載の方法。
【請求項145】
有機シランが(3−メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシランであり、無機シランモノマーがテトラメトキシシランである請求項133に記載の方法。
【請求項146】
(3−メタクリルオキシプロピル)トリメメトキシシランと、テトラメトキシシランが1:4の体積:体積比で存在する請求項145に記載の方法。
【請求項147】
前記方法が、前記モノリスを表面修飾することをさらに含む請求項106または107に記載の方法。
【請求項148】
前記モノリスが、有機基表面修飾剤、シラノール基表面修飾剤、ポリマーコーティング表面修飾剤、およびこれらの組合せからなる群から選択される表面修飾剤により表面修飾されている請求項147に記載の方法。
【請求項149】
前記材料がポリマーコーティング表面修飾剤により表面修飾されている請求項148に記載の方法。
【請求項150】
前記材料が、有機基表面修飾剤とシラノール基表面修飾剤の組合せにより表面修飾されている請求項148に記載の方法。
【請求項151】
前記材料が、有機基表面修飾剤とポリマーコーティング表面修飾剤の組合せにより表面修飾されている請求項148に記載の方法。
【請求項152】
前記材料が、シラノール基表面修飾剤とポリマーコーティング表面修飾剤の組合せにより表面修飾されている請求項148に記載の方法。
【請求項153】
前記材料が、有機基表面修飾剤、シラノール基表面修飾剤、およびポリマーコーティング表面修飾剤の組合せにより表面修飾されている請求項148に記載の方法。
【請求項154】
前記材料が、シラノール基表面修飾剤より表面修飾されている請求項148に記載の方法。
【請求項155】
前記材料が、材料の有機基と表面修飾剤との間での共有結合の生成により表面修飾されている請求項148に記載の方法。
【請求項156】
前記モノリスの前記ポア構造が、前記反応に界面活性剤または様々な界面活性剤の組合せをさらに含めることにより、また、前記モノリスに水熱処理を行うことにより修飾されている請求項106または107に記載の方法。
【請求項157】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが非イオン界面活性剤である請求項156に記載の方法。
【請求項158】
前記モノリスが、界面活性剤をさらに含めることにより修飾されている請求項156に記載の方法。
【請求項159】
界面活性剤が、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロックコポリマーからなる界面活性剤、アルキルフェノキシポリエトキシエタノールからなる界面活性剤、ならびにポリエチレングリコールからなる群から選択される請求項157に記載の方法。
【請求項160】
界面活性剤がPluronic F38である請求項157に記載の方法。
【請求項161】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約0から60の範囲の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項156に記載の方法。
【請求項162】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約10から50の範囲の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項156に記載の方法。
【請求項163】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約20から40の範囲の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項156に記載の方法。
【請求項164】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約30から40の範囲の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項156に記載の方法。
【請求項165】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約33の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項156に記載の方法。
【請求項166】
水熱処理が、材料を60〜200℃の温度の下に置くことを含む請求項156に記載の方法。
【請求項167】
水熱処理が、前記材料を65〜125℃の温度の下に置くことを含む請求項156に記載の方法。
【請求項168】
温度が120℃である請求項167に記載の方法。
【請求項169】
ポア構造が、PSG反応の間に形成されたシロキサン網目のさらなる縮合と、ポア構造の表面からのおよび表面へのケイ酸シリケートの溶解および再析を含む水熱処理により修飾される請求項158に記載の方法。
【請求項170】
縮合が塩基で触媒される請求項169に記載の方法。
【請求項171】
塩基がアンモニアである請求項170に記載の方法。
【請求項172】
アンモニアが尿素の高温分解により生成する請求項171に記載の方法。
【請求項173】
表面処理ステップが、式、Z(R’)Si−R(式中、Z=Cl、Br、I、C〜Cアルコキシ、ジアルキルアミノまたはトリフルオロメタンスルホナートであり;aおよびbは、a+b=3という条件で、それぞれ、0から3の整数であり;R’はC〜Cの線状、環状もしくは分岐状のアルキル基であり;また、Rは機能付与基である)をもつ表面修飾剤により前記モノリスを表面修飾することを含む請求項147に記載の方法。
【請求項174】
R’が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルおよびシクロヘキシルからなる群から選択される請求項173に記載の方法。
【請求項175】
前記機能付与基Rが、C〜C30アルキル基である請求項173に記載の方法。
【請求項176】
前記機能付与基Rが、C〜C20アルキル基である請求項173に記載の方法。
【請求項177】
前記機能付与基Rが、C〜C10アルキル基である請求項173に記載の方法。
【請求項178】
前記表面修飾剤が、オクチルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、オクチルジメチルクロロシラン、オクタデシルジメチル−N,N−ジメチルアミノシラン、およびオクタデシルジメチルクロロシランからなる群から選択される請求項173に記載の方法。
【請求項179】
前記表面修飾剤が、オクタデシルジメチル−N,N−ジメチルアミノシランである請求項178に記載の方法。
【請求項180】
前記機能付与基Rが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シアノ、アミノ、ジオール、ニトロ、エステル、陽イオンもしくは陰イオン交換基、埋め込まれた極性官能基を含むアルキルもしくはアリール基からなる群から選択される請求項173に記載の方法。
【請求項181】
前記表面修飾処置で残存するいずれかの遊離シラノール基がエンドキャップされる請求項147に記載の方法。
【請求項182】
a)重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるモノリス材料を受け入れることができ、固定する官能基を備える表面;および
b)前記表面の固定する官能基と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備え、前記支持骨格官能基と固定する官能基との間の化学的相互作用により前記表面に固定されているハイブリッド無機/有機モノリス;
を備える分離デバイス。
【請求項183】
前記デバイスが、クロマトグラフィーカラム、薄層プレート、濾過膜、試料洗浄デバイス、およびマイクロタイタープレートからなる群から選択される請求項182に記載の分離デバイス。
【請求項184】
前記デバイスがクロマトグラフィーカラムである請求項182に記載の分離デバイス。
【請求項185】
クロマトグラフィーカラムが、50μmを超える内径(I.D.)をもつ請求項184に記載の分離デバイス。
【請求項186】
クロマトグラフィーカラムが、100μmを超えるI.D.をもつ請求項184に記載の分離デバイス。
【請求項187】
クロマトグラフィーカラムが、150μmを超えるI.D.をもつ請求項184に記載の分離デバイス。
【請求項188】
クロマトグラフィーカラムが、200μmを超えるI.D.をもつ請求項184に記載の分離デバイス。
【請求項189】
クロマトグラフィーカラムが、250μmを超えるI.D.をもつ請求項184に記載の分離デバイス。
【請求項190】
前記デバイスがキャピラリカラムである請求項184に記載の分離デバイス。
【請求項191】
前記デバイスが溶融無機キャピラリカラムであり、該無機の部分が、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、セラミック、酸化スズ、およびこれらの組合せからなる群から選択される請求項184に記載の分離デバイス。
【請求項192】
モノリスに、壁との付着性の向上、および収縮に対する耐性の向上からなる群から選択される性質の向上がある請求項182に記載の分離デバイス。
【請求項193】
壁との付着性の向上が、ポリマーの支持骨格官能基と、閉じ込め容器の固定する官能基との間の化学的相互作用の結果である請求項192に記載の分離デバイス。
【請求項194】
a)重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)材料を含むモノリスを受け入れることができ、固定する官能基を備える内部表面が円柱状である溶融シリカキャピラリカラム;および
b)前記表面の固定する官能基と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備え、前記支持骨格官能基と固定する官能基との間の化学的相互作用により前記表面に固定されているハイブリッド無機/有機モノリス;
を備える溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項195】
キャピラリカラムが、50μmを超える内径(I.D.)をもつ請求項194に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項196】
キャピラリカラムが、100μmを超えるI.D.をもつ請求項194に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項197】
キャピラリカラムが、150μmを超えるI.D.をもつ請求項194に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項198】
キャピラリカラムが、200μmを超えるI.D.をもつ請求項194に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項199】
キャピラリカラムが、250μmを超えるI.D.をもつ請求項194に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項200】
支持骨格官能基が、ビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、ジビニルベンゼン、イタコネート、フマラート、アルキン、およびこれらの組合せからなる群から選択される請求項194に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項201】
固定する官能基が、ビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、ジビニルベンゼン、イタコネート、フマラート、アルキン、アゾ化合物、およびこれらの組合せからなる群から選択される請求項194に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項202】
支持骨格官能基および固定する官能基が共重合可能である請求項194に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項203】
化学的相互作用が共有結合の生成である請求項194に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項204】
共有結合が重合により生成する請求項203に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項205】
重合がラジカル開始剤により開始される請求項204に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項206】
ラジカル開始剤が最低限に水に可溶である請求項205に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項207】
開始剤が、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、過硫酸カリウム、および過酢酸からなる群から選択される請求項206に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項208】
ハイブリッド材料の無機の部分が、アルミナ、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、およびセラミック材料からなる群から選択される材料である請求項194に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項209】
ハイブリッド材料の無機の部分がシリカである請求項194に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項210】
PSNが、有機シランと無機シランのモノマーの反応生成物である請求項194に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項211】
PSNが、テトラアルコキシシランと、少なくとも1つの重合性の基を含む有機シランとの反応生成物である請求項210に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項212】
前記テトラアルコキシシランが、式、Si(OR(RはC〜Cアルキル部分である)をもつ請求項211に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項213】
前記有機シランが、式、RSi(ORもしくはR[Si(ORをもつオルガノアルコキシシラン(式中、Rは、スチリル、ビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジビニルベンゼン、イタコネート、フマラート、置換もしくは無置換C〜C18のアルケニレン、アルキニレンまたはアリーレン、あるいはこれらの組合せであり;RはC〜Cアルキル部分であり;Rは、2個以上のケイ素原子に架橋結合している置換もしくは無置換C〜C18のアルケニレン、アルキニレンまたはアリーレン部分であり;また、mは2以上の整数である)である請求項211に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項214】
が、ビニル、メタクリルオキシプロピル、メタクリルアミドプロピル、もしくはスチリルエチルであり、Rがメチルもしくはエチルであるか、あるいは、Rが、架橋結合している、N,N−ビス(プロピレン)アクリルアミド基であり、m=2であり、Rがエチルもしくはメチルである請求項213に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項215】
有機シランが最低限に水に可溶である請求項211に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項216】
前記テトラアルコキシシランが、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランからなる群から選択される請求項211に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項217】
テトラアルコキシシランがテトラメトキシシランである請求項211に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項218】
重合性の基が3−メタクリルオキシプロピルである請求項211に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項219】
重合性の基がスチリルエチルである請求項211に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項220】
テトラアルコキシシランが最低限に水に可溶である請求項211に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項221】
有機シランが(3−メタクリルオキシプロピル)トリメトキシシランである請求項211に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項222】
前記ハイブリッドモノリスのポア構造が、前記反応に界面活性剤または様々な界面活性剤の組合せをさらに含めることにより、また、前記モノリスに水熱処理を行うことにより修飾されている請求項194に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項223】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが非イオン界面活性剤である請求項222に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項224】
界面活性剤が、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロックコポリマーからなる界面活性剤、アルキルフェノキシポリエトキシエタノールからなる界面活性剤、ならびにポリエチレングリコールからなる群から選択される請求項223に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項225】
界面活性剤がPluronic F38である請求項223に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項226】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約0から60の範囲の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項222に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項227】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約10から50の範囲の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項222に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項228】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約20から40の範囲の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項222に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項229】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約30から40の範囲の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項222に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項230】
前記界面活性剤または界面活性剤の組合せが、約33の親水性−親油性バランスをもつ界面活性剤から選択される請求項222に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項231】
前記モノリスが、有機基表面修飾剤、シラノール基表面修飾剤、ポリマーコーティング表面修飾剤、およびこれらの組合せからなる群から選択される表面修飾剤により表面修飾されている請求項194に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項232】
前記材料がポリマーコーティング表面修飾剤により表面修飾されている請求項231に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項233】
前記材料が、有機基表面修飾剤とシラノール基表面修飾剤の組合せにより表面修飾されている請求項231に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項234】
前記材料が、有機基表面修飾剤とポリマーコーティング表面修飾剤の組合せにより表面修飾されている請求項231に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項235】
前記材料が、シラノール基表面修飾剤とポリマーコーティング表面修飾剤の組合せにより表面修飾されている請求項231に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項236】
前記材料が、有機基表面修飾剤、シラノール基表面修飾剤、およびポリマーコーティング表面修飾剤の組合せにより表面修飾されている請求項231に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項237】
前記材料が、シラノール基表面修飾剤により表面修飾されている請求項231に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項238】
前記材料が、材料の有機基と表面修飾剤との間での共有結合の生成により表面修飾されている請求項231に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項239】
表面修飾剤が、Z(R’)Si−R(式中、Z=Cl、Br、I、C〜Cアルコキシ、ジアルキルアミノまたはトリフルオロメタンスルホナートであり;aおよびbは、a+b=3という条件で、それぞれ、0から3の整数であり;R’は、C〜C線状、環状もしくは分岐状アルキル基であり;またRは、機能付与基である)をもつ請求項231に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項240】
R’が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルおよびシクロヘキシルからなる群から選択される請求項239に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項241】
前記機能付与基Rが、C〜C30アルキル基である請求項239に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項242】
前記機能付与基Rが、C〜C20アルキル基である請求項239に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項243】
前記表面修飾剤が、オクチルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、オクタデシルジメチル−N,N−ジメチルアミノシラン、オクチルジメチルクロロシラン、およびオクタデシルジメチルクロロシランからなる群から選択される請求項239に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項244】
前記表面修飾剤が、オクタデシルジメチル−N,N−ジメチルアミノシランである請求項239に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項245】
前記機能付与基Rが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シアノ、アミノ、ジオール、ニトロ、エステル、陽イオンもしくは陰イオン交換基、埋め込まれた極性官能基を含むアルキルもしくはアリール基からなる群から選択される請求項239に記載の溶融シリカキャピラリカラム。
【請求項246】
キャピラリカラムの内部表面に、固定する官能基を生成させること;および
前記キャピラリカラムの内側に、前記表面の固定する官能基と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機モノリスを形成すること;
を含み、前記モノリスは、
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させること;
b)重合反応を開始させること;および
c)重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により前記モノマーを反応させること;
により形成され、こうして前記支持骨格官能基と前記固定する官能基とが化学的に相互作用して前記モノリスを前記表面に固定し、その結果、ハイブリッド無機/有機モノリスが溶融シリカキャピラリカラム内にin situに調製される、溶融シリカキャピラリカラム内でのハイブリッド無機/有機モノリスのin situな調製方法。
【請求項247】
キャピラリカラムの内部表面に、固定する官能基を生成させること;および
前記キャピラリカラムの内側に、前記表面の固定する官能基と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含み重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機モノリスを形成すること;
を含み、前記モノリスは、
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させること;
b)重合反応を開始させること;
c)重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により前記モノマーを反応させること;および
d)前記モノリスのポア構造を修飾すること;
により形成され、こうして前記支持骨格官能基と前記固定する官能基とが化学的に相互作用して前記モノリスを前記表面に固定し、その結果、ハイブリッド無機/有機モノリスが溶融シリカキャピラリカラム内にin situに調製される、溶融シリカキャピラリカラム内でのハイブリッド無機/有機モノリスのin situな調製方法。
【請求項248】
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させること;
b)重合反応を開始させること;および
c)重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により前記モノマーを反応させること;
からなる方法により製造される、第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を備える無機/有機ハイブリッドモノリス。
【請求項249】
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させること;
b)重合反応を開始させること;
c)重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により前記モノマーを反応させること;および
d)前記モノリスのポア構造を修飾すること;
からなる方法により製造される、第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を備える無機/有機ハイブリッドモノリス。
【請求項250】
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させるステップ;
b)重合反応を開始させるステップ;および
c)重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により前記モノマーを反応させるステップ;
を含み、こうして第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含むハイブリッド無機/有機材料が調製される、重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機材料の調製方法。
【請求項251】
a)2種以上のモノマーの反応によりゾル−ゲルを生成させるステップ;
b)重合反応を開始させるステップ;
c)重合/ゾル−ゲル(PSG)反応により前記モノマーを反応させるステップ;および
d)前記モノリスのポア構造を修飾するステップ;
を含み、こうして第2の材料の表面と化学的に相互作用できる支持骨格官能基を含むハイブリッド無機/有機材料が調製される、重合した支持骨格ナノコンポジット(PSN)を備えるハイブリッド無機/有機材料の調製方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【公開番号】特開2012−42477(P2012−42477A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−202903(P2011−202903)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【分割の表示】特願2006−532545(P2006−532545)の分割
【原出願日】平成16年5月3日(2004.5.3)
【出願人】(509131764)ウオーターズ・テクノロジーズ・コーポレイシヨン (46)
【Fターム(参考)】