説明

新規フェノール誘導体およびそれらを有効成分とする抗トリパノソーマ予防・治療剤

式(I)
【化1】


(式中、例えば、
Xは水素原子またはハロゲン原子を表し、
1は、水素原子を表し、
2は、水素原子または炭素数1−4のアルキル基を表し、
3は−CHOまたは−COOHを表し、および、
4は、−CH=CH−(CH2p−CH3(式中、pは1−12の整数を表す)、または−CH(OH)−(CH2q−CH3(式中、qは1−13の整数を表す)、−CH(OH)−CH2−CH(CH3)−(CH22−CH=C(CH32、−CH=CH−CH(CH3)−(CH23−CH(CH32、−(CH22−CH(CH3)−(CH23−CH(CH32、−(CH28−CH3を表す)
で示される化合物、それらの光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩。これらの化合物は、抗トリパノソーマ活性を有するので、トリパノソーマによって惹起される疾患を予防または治療する薬剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルキル側鎖をもつハロゲンを有する新規フェノール誘導体およびそれらを有効成分とする抗トリパノソーマ予防・治療用薬剤組成物、トリパノソーマ症の予防または治療用薬剤組成物の製造におけるこれらの成分の使用、トリパノソーマによって惹起される疾患を予防または治療する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トリパノソーマ症はトリパノソーマ科原虫によって発症し、毎年20−30万人の新たな患者が発症しているといわれている。アフリカ睡眠病の患者数は調査データの信頼性が低く確定できないのが現状である。少なくともWHOによれば1996年には15万人が死亡し、10万人以上に後遺症が残ったと言われている。さらに、ナガナ病と呼ばれる家畜類の被害はそれ以上に甚大であり、人々のタンパク源となるべき年間数十万頭のウシが死んでいる。また、アメリカ合衆国に匹敵する面積の約1千万平方キロのサバンナでトリパノソーマのために牧畜が不可能になっている。この様にアフリカ睡眠病はアフリカの人々の健康及び経済的発展を著しく妨げており、これがWHOが制圧すべき感染症の一つに掲げている理由である。
【0003】
アフリカ睡眠病はツェツェバエによって媒介されるトリパノソーマによる原虫感染症であり、感染から10日前後で原虫が血流中に出現する。感染初期には原虫は血流中で増殖し、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉や関節の痛み、掻痒感を与え進行する。慢性期に入ると中枢神経が冒されて、精神錯乱や全身の痙攣などの症状を呈し、最終的には嗜眠状態に陥って死に至る。
【0004】
家畜のトリパノソーマ症は Trypanosoma brucei brucei, T.evansi, T.congolense, T.vivax を病原体とし、馬、牛、豚、イヌ等の家畜類をはじめマウス、モルモット、ウサギ等を冒す伝染病である。特に牛、馬の損失が最も大きく殆ど致死的で、貧血、浮腫、衰弱などをきたし、感染1ヶ月で斃死する。
【0005】
トリパノソーマ症の治療にはベンタミジン、メラルソプロールやエフロルニチン等が用いられ.1960年代にはその撲滅も可能との感もあった。しかし、これらの薬剤は古く有効性は徐々に低下している。特にヒ素剤であるメラルソプロールに対する耐性は大きな問題となっており、効果のみられない患者は死を待つのみと言う悲惨な状況となっており、新規の抗トリパノソーマ剤の開発が強く望まれている。
【0006】
トリパノソーマ症はヒト体内では主に血流中に生息している。この血流型のエネルギー代謝はグリコソームと呼ばれる原虫特有なオルガネラに局在する解糖系に依存しており、いわゆるミトコンドリアにおける酸化的リン酸化は機能していない。しかしこの解糖系を効率よく駆動するためには生成したNADHの再酸化が必要であり、これにはミトコンドリアのグリセロール−3リン酸酸化系が重要な役割を果たしている。この酸化系の末端酸化酵素は還元型のユビキノンを電子供与体とするキノール酸化酵素として機能し、宿主の持つ好気的な呼吸系のシトクロム酸化酵素とは大きく異なった性質を有している。特に注目すべき点は宿主のシトクロム酸化酵素を速やかに阻害するシアンに非感受性と言う点である。そこで、これまでも欧米を中心に多くの研究者がこのシアン耐性酸化酵素を標的とした薬剤の開発を試みてきたが、選択毒性の高い有効なものは得られていなかった。
【0007】
このような状況の中で、発明者等はイソプレノイド系生理活性物質アスコクロリン、アスコフラノン並びにそれらの誘導体、特にアスコフラノンがトリパノソーマのグリセロール−3リン酸酸化系をnMオーダーという極めて低い濃度で特異的に阻害する事を発見し、特許を出願した(特開平9−165332)。また、アスコフラノンはグリセリンの共存下において、極めて強力な増殖阻害効果を示すことを明らかにした。(モレキュラー アンド バイオケミカル パラシトロジー 81:127−136.1996)
アスコフラノンの実用化を考えたとき、少量で併用効果を示すグリセロールに代わる薬剤を見いだすことが必須であることが明らかになり、ニガキ科植物に属するインドール骨格を有するアルカロイド化合物はアスコフラノンとの併用によって、アフリカ睡眠病において延命または治癒効果が明らかになり、特許を出願した(特願2003−24643)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
アスコフラノンより低濃度でより効果的で安全性の高い抗トリパノソーマ治療剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、アスコフラノンより低濃度でより効果的で安全性の高い抗トリパノソーマ治療剤の探索を行なってきたが、アルキル側鎖をもつハロゲンを有する新規フェノール誘導体及びある種のアスコフラノン誘導体に強い活性を見出し、本発明を完成させた。
【0010】
本発明は、式(I)
【0011】
【化1】

【0012】
(式中、
Xは水素原子またはハロゲン原子を表し、
1は、水素原子または−(Cn2n)−R'(nは1−5の整数、R'は水素原子またはn個の炭素原子のいずれか一つに置換されている基COOR''、ここではR''は水素原子または炭素数1−4のアルキル基を意味するか、または−COR'''(R'''はピリジル基、炭素数1−4のアルキル基で置換されたアミノ基、ベンゼン環の炭素原子上にハロゲン原子を有するフェノキシアルキル基またはベンゼン環の炭素原子上に炭素数1−4のアルコキシ基あるいは炭素数1−4のアルコキシカルボニル基を有するフェニル基を意味する)を表し、
2は、水素原子または炭素数1−7のアルキル基を表し、
3は−CHOまたは−COOHを表し、および、
4は、−CH=CH−(CH2p−CH3(式中、pは1−12の整数を表す)、または−CH(OH)−(CH2q−CH3(式中、qは1−13の整数を表す)、−CH(OH)−CH2−CH(CH3)−(CH22−CH=C(CH32、−CH=CH−CH(CH3)−(CH23−CH(CH32、−(CH22−CH(CH3)−(CH23−CH(CH32、または−(CH28−CH3を表す)
で示される化合物、または、下記式、
【0013】
【化2−1】

【0014】
【化2−2】

【0015】
【化2−3】

【0016】
で表される化合物、
それらの光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩を提供する。
【0017】
また、本発明は、前記式(I)で示される化合物、その光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩のうち1種または2種以上、および医薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0018】
更に、本発明は、前記式(I)で示される化合物、その光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩のうち1種または2種以上を有効成分として含有する抗トリパノソーマ予防剤および治療剤を提供する。
【0019】
加えて、本発明は、抗トリパノソーマ予防剤および治療剤の製造における、前記式(I)で示される化合物、その光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩のうち1種または2種以上の使用を提供する。
【0020】
更に加えて、本発明は、有効量の前記式(I)で示される化合物、その光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩のうち1種または2種以上を、処置を必要とする患者に投与することを含む、トリパノソーマによって惹起される疾患を予防または治療する方法を提供する。
【0021】
本発明の化合物として、例えば次の化合物が挙げられる。
化合物A.上記式(I)において、
Xは水素原子を表し、
1は、水素原子を表し、
2は、炭素数1−4のアルキル基を表し、
3は−CHOを表し、および、
4は、−CH(OH)−(CH2q−CH3(式中、qは1−12の整数を表す)を表す、請求項1記載の化合物、その光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩。
化合物B.上記式(I)において、
Xはハロゲン原子を表し、
1は、水素原子を表し、
2は、炭素数1−4のアルキル基を表し、
3は−CHOを表し、および、
4は、−CH(OH)−(CH2q−CH3(式中、qは1−12の整数を表す)を表す、請求項1記載の化合物、その光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩。
化合物C.上記式(I)において、
Xは水素原子またはハロゲン原子を表し、
1は、水素原子を表し、
2は、水素原子または炭素数1−4のアルキル基を表し、
3は−CHOを表し、および、
4は、−CH=CH−(CH2p−CH3(式中、pは1−12の整数を表す)を表す、請求項1記載の化合物、その光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩。
【0022】
上記以外に、次の化合物を例示することができる。
【0023】
【化3−1】

【0024】
【化3−2】

【0025】
【化3−3】

【0026】
で表される化合物。
【0027】
ラット血流中で増殖させた Trypanosoma brucei brucei 虫体をグラスビーズで機械的に破砕し、遠心分画法によって調製したミトコンドリア標品におけるグリセロール−3リン酸依存性の呼吸に対するアルキル側鎖をもつハロゲンを有する新規フェノール誘導体の阻害効果を検討した。50%阻害の絶対量はQサイクルの阻害剤として知られるアンチマイシンA3の48,600、ミキソチアゾールの21,500、スチグマテリン18,600pmol/mg蛋白に対して、これらの物質は単独ではアスコフラノンに比べてより低濃度で阻害効果を示した。また、グリセリン添加ではアスコフラノンと同等またはそれ以上の効果があることが判明した。
【発明の効果】
【0028】
本発明の化合物は、アスコフラノンに比べてより低濃度でアスコフラノンと同等の前記阻害効果を示し、グリセリンを添加した場合は、アスコフラノンに比べてより低濃度でアスコフラノンと同等またはそれ以上の効果を示すという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明において、炭素数1−7のアルキル基とは、直鎖または分岐鎖の炭素数が1から3までのアルキル基を意味し、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基等が挙げられる。
【0030】
本発明において、炭素数1−4のアルキル基とは、直鎖または分岐鎖の炭素数が1から4までのアルキル基を意味し、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基が挙げられる。
【0031】
本発明において、炭素数1−4のアルコキシ基とは、「炭素数1−4のアルキル基−O−」で示される基で、炭素数1−4のアルキル基は前記と同じ意味を表す。炭素数1−4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基が挙げられる。
【0032】
本発明において、炭素数1−4のアルコキシカルボニル基とは、「炭素数1−4のアルコキシ基−CO−」で示される基で、炭素数1−4のアルキル基は前記と同じ意味を表す。炭素数1−3のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基が挙げられる。
【0033】
本発明において、フェノキシアルキル基とは、「フェニル基−O−炭素数1−4のアルキル基」の形で表される基で、例えば、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基、等が挙げられる。
【0034】
本発明の化合物は、例えば、次のような方法によって製造することができる。
【0035】
【化4】

【0036】
式(II)(式中、X、R1、R2、R3は前記と同じ意味を有する)の化合物に式(III)のアルデヒド(式中、sは1〜13までの整数を表す)を反応させて、式(IV)の化合物を得る。更に、式(IV)の化合物を脱水反応に付すことにより式(V)の化合物を得る。加えて、式(V)の化合物における側鎖の二重結合を水素化することにより−CH2−CH2−(CH2s-1−CH3、即ち、−(CH2s+1−CH3の形にすることができる。この側鎖(−(CH2s+1−CH3)、式(IV)の化合物における−CH(OH)−(CH2s−CH3および式(V)の化合物における−CH2−CH2−(CH2s-1−CH3が、前記式(I)におけるR4に対応する。
【0037】
以下、化合物A〜Dの一般的な製法について記載する。
(1)化合物Aおよび化合物B
式(II)で示される化合物と、式(III)で示されるアルデヒドOHC−(CH2)s−CH3を、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化サマリウムなどのLewis酸(触媒量から1当量)存在下、0.1から1Mの塩基で、水または有機溶媒、あるいは水−有機溶媒混合系を溶媒として0℃から室温の範囲で5から24時間攪拌する。ここで、塩基とは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどの水酸化物のほか、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンなどの有機塩基を適宜選択できる。有機溶媒としてはエチレングリコール、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類を適宜選択できる。反応混合物は、塩酸で酸性にしてエーテル、酢酸エチル、クロロホルムなどの有機溶媒で抽出、乾燥、濃縮後、シリカゲル薄層クロマトグラフィーにより精製し、−CH(OH)−(CH2)q−CH3(式中、qは1−13の整数を表す)である本願化合物を製造することができる。
(2)化合物C
上記(1)において得られたR4が、−CH(OH)−(CH2)q−CH3(式中、qは1−13の整数を表す)である本願化合物を、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの酸(触媒量から10当量)存在下、酢酸中、室温から還流温度の範囲1から5時間攪拌する。反応混合物は、室温にて、エーテル、酢酸エチル、クロロホルムなどの有機溶媒で抽出、乾燥、濃縮後、シリカゲル薄層クロマトグラフィーにより精製し、R4が、−CH=CH−(CH2p−CH3(式中、pは1−12の整数を表す)である本願化合物を製造することができる。
(3)化合物D
上記(2)において得られたR4が、−CH=CH−(CH2p−CH3(式中、pは1−12の整数を表す)である本願化合物を、白金、パラジウム/カーボンなどの触媒存在下、エチレングリコール、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、酢酸、プロピオン酸などの酸類を溶媒として用い、0度から還流温度の範囲で、水素雰囲気下にて1から10時間攪拌する。反応混合物を濃縮後、シリカゲル薄層クロマトグラフィーにより精製し、R4が、−(CH2r−CH3(式中、rは1−14の整数を表す)である化合物(r=8の場合が本願化合物)を製造することができる。
【0038】
本発明の化合物の中には、光学異性体が存在する化合物があるが、それぞれの光学異性体、およびそれらの混合物は全て本発明に含まれる。本発明の薬剤組成物としてはいずれを用いてもよい。なお、光学異性体は、ラセミ体を周知の方法(優先晶出法、光学活性な固定相を用いるカラムクロマトグラフィー、ジアステレオマーを得る方法、等)によって分割することにより得ることができる。
【0039】
本発明の化合物、あるいはその光学異性体の医薬上許容される塩としては、例えば、次のような塩が挙げられる。
【0040】
フェノールのOHの塩である場合、Na塩、K塩、Li塩、アンモニウム塩、などが挙げられる。
【0041】
3がCOOHである場合は、Na塩、K塩、Li塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
【0042】
本発明の医薬組成物においてで使用する担体としては、医薬品製造の技術分野で周知である任意の添加剤を使用することができる。そのような担体として、賦形剤、希釈剤、湿潤剤、懸濁剤、乳化剤、分散剤、補助剤、甘味剤、着色剤、風味剤、緩衝剤、防腐剤、保存剤、緩衝剤、結合剤、安定化剤等が例示され、目的とする剤形に応じて周知慣用の担体から必要なものを選択することができる。例えば、インドール骨格を持つアルカロイドの酸との塩およびアスコフラノンの塩基との塩を水に溶解したり、懸濁剤、賦形剤および/またはその他の担体と混合して経口投与に適する剤形として製剤化するする(するが2回続いていました)ことができる。なお、賦形剤または補助剤としては、例えば、乳糖、種々のデンプン(例えば、トウモロコシデンプン)、キチン、キトサン、ブドウ糖、スクロース、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸塩、タルク、植物油(例えば、大豆油、ラッカセイ油。オリーブ油)、レシチン等が挙げられる。
【0043】
なお、本発明の薬剤組成物は、グリセロールを含有してもよい。添加するグリセロールの量は、必要に応じて適宜調節することができる。
【0044】
本発明にかかわる各化合物の用量は病態、症状により異なるが、トリパノソーマ腸管に寄生するので、経口的投与が望ましく、体重Kgあたり10〜1000mgで目的を達成できる。本発明の化合物を薬剤として用いる場合は、例えば、錠剤またはカプセル剤、及び、アルカリで中和して水に溶解したり、懸濁剤、賦形剤又はその補助剤と混合して経口投与に適する剤形として製剤化することが望ましい。また、化合物の胃中での分解を防ぎ、腸管への化合物を分解することなく到達させる腸溶錠が望ましい。賦形剤又はその補助剤としては乳糖、種々の澱粉、ブドウ糖、果糖セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸塩、タルク、植物油、レシチン等を用いて製造することが出来る。
実施例
以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。
【実施例1】
【0045】
2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシドデシル)−6−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:195−12)
M. M. Joullie et al., J. Org. Chem., 50, 3997 (1985)に記載の2,4-ジヒドロキシ-6-メチルベンズアルデヒド(91 mg, 0.60 mmol)と、ドデカナール(133 mg, 0.72 mmol)、塩化カルシウム2水和物(59 mg, 0.40 mmol)を0.4 M水酸化カリウムメタノール溶液(2 ml)中で、0℃にて24時間攪拌した。1 M塩酸で酸性にして酢酸エチルで抽出、後処理後、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製し、2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシドデシル)−6−メチルベンズアルデヒド(58mg,収率28%)を得た。
【0046】
【化5】

【0047】
1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (t, J = 6.9 Hz, 3H, -(CH2)10CH3), 1.2-1.6 (m, 18H, -CH2-(CH2)9CH3), 1.72-1.88 (m, 2H, C(3)-CH(OH)-CH2-), 2.49 (s, 3H, C(6)-CH3), 2.55 d, J = 3.5 Hz, 1H, C(3)-CHOH-), 5.36-5.41 (m, 1H, C(3)-CH(OH)-), 6.24 (s, 1H, C(5)-H), 9.53 (s, 1H, C(4)-OH), 10.04 (s, 1H, CHO), 12.76 (s, 1H, C(2)-OH) ; IR (neat) 3300-3500, 2950, 2850, 1636, 1278, 1234, 1192, 591 cm-1.
この他に、2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシプロピル)−6−メチルベンズアルデヒド(195−3)、2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシペンチル)−6−メチルベンズアルデヒド(195−5)、2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシヘプチル)−6−メチルベンズアルデヒド(195−7)、2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシノニル)−6−メチルベンズアルデヒド(195−9)、2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシデシル)−6−メチルベンズアルデヒド(195−10)についても、それぞれ対応する出発原料を用いて、同様の反応により合成した。
【実施例2】
【0048】
2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシプロピル)−6−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:195−3)
【0049】
【化6】

【0050】
1H NMR (CDCl3) δ1.01 (t, J = 7.2 Hz, 3H, -CH2CH3), 1.77-1.91 (m, 2H, -CH2CH3), 2.48 (s, 3H, C(6)-CH3), 2.69 (d, J = 3.5 Hz, 1H, C(3)-CHOH-), 5.28 (ddd, J = 3.5, 5.2, 8.0 Hz, 1H, C(3)-CHOH-), 6.23 (s, 1H, C(5)-H), 9.57 (s, 1H, C(4)-OH), 10.02 (s, 1H, CHO), 12.75 (s, 1H, C(2)-OH) ); IR (KBr) : 3200-3500, 2934, 1630, 1580, 1285, 1232, 1185, 1169 cm-1.
【実施例3】
【0051】
2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシペンチル)−6−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:195−5)
【0052】
【化7】

【0053】
1H NMR (CDCl3) δ0.91 (t, J = 7.2 Hz, 3H, -(CH2)2CH3), 1.3-1.5 (m, 4H, -(CH2)2CH3), 1.72-1.90 (m, 2H, C(3)-CH(OH)-CH2-), 2.48 (s, 3H, C(6)-CH3), 2.73 (d, J = 3.4 Hz, 1H, C(3)-CHOH-), 5.38 (ddd, J = 3.4, 4.6, 8.1 Hz, 1H, C(3)-CHOH-), 6.23 (s, 1H, C(5)-H), 9.57 (s, 1H, C(4)-OH), 10.03 (s, 1H, CHO), 12.75 (s, 1H, C(2)-OH) ); IR (neat) : 3100-3500, 2950, 2932, 2872, 1715, 1630, 1370, 1286, 1232, 1192 cm-1.
【実施例4】
【0054】
2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシヘプチル)−6−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:195−7)
【0055】
【化8】

【0056】
1H NMR (CDCl3) δ0.89 (t, J = 6.9 Hz, 3H, -(CH2)4CH3), 1.23-1.50 (m, 8H, -(CH2)4CH3), 1.72-1.88 (m, 2H, C(3)-CH(OH)-CH2-), 2.49 (s, 3H, C(6)-CH3), 2.54 (d, J = 3.3 Hz, 1H, C(3)-CHOH-), 5.39 (ddd, J = 3.3, 4.8, 8.1 Hz, 1H, C(3)-CHOH-), 6.24 (s, 1H, C(5)-H), 9.51 (s, 1H, C(4)-OH), 10.04 (s, 1H, CHO), 12.76 (s, 1H, C(2)-OH) ); IR (neat) : 3100-3500, 2935, 2862, 1707, 1630, 1369, 1281, 1236, 1192 cm-1.
【実施例5】
【0057】
2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシノニル)−6−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:195−9)
【0058】
【化9】

【0059】
1H NMR (CDCl3) δ0.85 (t, J = 6.2 Hz, 3H, -(CH2)7CH3), 1.1-1.6 (m, 12H, -CH2-(CH2)6CH3), 1.72-1.88 (m, 2H, , C(3)-CH(OH)-CH2-), 2.49 (s, 3H, C(6)-CH3), 2.54 (br s, 1H, C(3)-CHOH-), 5.36 (dd, J = 5.1, 7.8 Hz, 1H, C(3)-CHOH-), 6.22 (s, 1H, C(5)-H), 9.56 (br s, 1H, C(4)-OH), 10.01 (s, 1H, CHO), 12.72 (s, 1H, C(2)-OH) ); IR (KBr) : 3200-3600, 2925, 2855, 1632, 1288, 1234, 1192 cm-1.
【実施例6】
【0060】
2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシデシル)−6−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:195−10)
【0061】
【化10】

【0062】
1H NMR (CDCl3) δ0.86 (t, J = 6.5 Hz, 3H, -(CH2)8CH3), 1.2-1.6 (m, 14H, -CH2-(CH2)7CH3), 1.6-1.9 (m, 2H, , C(3)-CH(OH)-CH2-), 2.48 (s, 3H, C(6)-CH3), 2.73 (br s, 1H, C(3)-CHOH-), 5.36 (dd, J = 5.3, 7.7 Hz, 1H, C(3)-CHOH-), 6.22 (s, 1H, C(5)-H), 9.56 (s, 1H, C(4)-OH), 10.01 (s, 1H, CHO), 12.72 (s, 1H, C(2)-OH);
IR (neat) 3200-3500, 2928, 2858, 1624, 1468, 1360, 1285, 1232, 1196, 781 cm-1.
【実施例7】
【0063】
5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシドデシル)−6−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:196−12)
M. M. Joullie et al., J. Org. Chem., 50, 3997 (1985)に記載の5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベンズアルデヒド(112mg,0.60mmol)と、ドデカナール(133mg,0.72mmol)、塩化カルシウム2水和物(58mg,0.40mmol)を0.4M水酸化カリウムメタノール溶液(2ml)中で、0℃にて24時間攪拌した。1M塩酸で酸性にして酢酸エチルで抽出、後処理後、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=15:1)により精製し、5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベンズアルデヒド(68mg,61%回収)と5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシドデシル)−6−メチルベンズアルデヒド(45mg,収率20%)を得た。
【0064】
【化11】

【0065】
1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (t, J = 6.6 Hz, 3H, -(CH2)10CH3), 1.15-1.55 (m, 18H, -CH2-(CH2)9CH3), 1.65-1.91 (m, 2H, C(3)-CH(OH)-CH2-), 2.59 (s, 3H, C(6)-CH3), 3.09 (br s, 1H, C(3)-CH(OH)CH2), 5.34 (dd, J = 5.0, 7.7 Hz, 1H, C(3)-CH(OH)CH2), 9.90 (br s, 1H, C(4)-OH), 10.08 (s, 1H, CHO), 12.79 (s, 1H, C(2)-OH); IR(KBr): 3000-3600, 2928, 2860, 1624, 1460, 1373, 1285, 1225 cm-1.
この他に、5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシプロピル)−6−メチルベンズアルデヒド(196−3)、5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシペンチル)−6−メチルベンズアルデヒド(196−5)、5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシヘプチル)−6−メチルベンズアルデヒド(196−7)、5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシノニル)−6−メチルベンズアルデヒド(196−9)、5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシデシル)−6−メチルベンズアルデヒド(196−10)についても、それぞれ対応する出発原料を用いて、同様の反応により合成した。
【実施例8】
【0066】
5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシプロピル)−6−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:196−3)
【0067】
【化12】

【0068】
1H NMR (CDCl3) δ1.00 (t, J = 7.5 Hz, 3H, -CH2CH3), 1.75-1.91 (m, 2H, -CH2CH3), 2.59 (s, 3H, C(6)-CH3), 3.31 (br s, 1H, C(3)-CHOH-), 5.28 (dd, J = 5.4, 7.4 Hz, 1H, C(3)-CHOH-), 10.00 (br s, 1H, C(4)-OH), 10.08 (s, 1H, CHO), 12.79 (s, 1H, C(2)-OH) ); IR (KBr) : 3100-3600, 2980, 2935, 1620, 1373, 1286, 1225, 1138 cm-1.
【実施例9】
【0069】
5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシペンチル)−6−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:196−5)
【0070】
【化13】

【0071】
1H NMR (CDCl3) δ0.91 (t, J = 7.1 Hz, 3H, -(CH2)2CH3), 1.3-1.5 (m, 4H, -(CH2)2CH3), 1.72-1.90 (m, 2H, C(3)-CH(OH)-CH2-), 2.61 (s, 3H, C(6)-CH3), 2.96 (d, J = 4.4 Hz, 1H, C(3)-CHOH-), 5.38 (dt, J = 4.4, 8.0 Hz, 1H, C(3)-CHOH-), 9.90 (s, 1H, C(4)-OH), 10.02 (s, 1H, CHO), 12.82 (s, 1H, C(2)-OH) ); IR (neat) : 3100-3600, 2950, 2932, 2862, 1711, 1624, 1574, 1450, 1373, 1285, 1227, 1138, 758 cm-1.
【実施例10】
【0072】
5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシヘプチル)−6−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:196−7)
【0073】
【化14】

【0074】
1H NMR (CDCl3) δ0.87 (t, J = 6.9 Hz, 3H, -(CH2)4CH3), 1.23-1.53 (m, 8H, -(CH2)4CH3), 1.69-1.88 (m, 2H, C(3)-CH(OH)-CH2-), 2.58 (s, 3H, C(6)-CH3), 3.69 (br s, 1H, C(3)-CHOH-), 5.32 (dd, J = 4.8, 7.8 Hz, 1H, C(3)-CHOH-), 10.08 (s, 1H, CHO), 10.17 (br s, 1H, C(4)-OH), 12.78 (s, 1H, C(2)-OH) ); IR (neat) : 3100-3500, 2935, 2862, 1715, 1626, 1450, 1369, 1288, 1225, 1136 cm-1.
【実施例11】
【0075】
5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシノニル)−6−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:196−9)
【0076】
【化15】

【0077】
1H NMR (CDCl3) δ 0.87(t, J = 6.8 Hz, 3H, -(CH2)7CH3), 1.2-1.6 (m, 12H, -CH2-(CH2)6CH3), 1.69-1.94 (m, 2H, C(3)-CH(OH)-CH2-), 2.61 (s, 3H, C(6)-CH3), 2.80 (d, J = 3.5 Hz, 1H, C(3)-CH(OH)CH2), 5.33-5.41 (m, 1H, C(3)-CH(OH)CH2), 9.82 (s, 1H, C(4)-OH), 10.11 (s, 1H, CHO), 12.81 (s, 1H, C(2)-OH); IR (KBr): 3000-3600, 2928, 2858, 1624, 1454, 1373, 1285, 1231 cm-1.
【実施例12】
【0078】
5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシデシル)−6−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:196−10)
【0079】
【化16】

【0080】
1H NMR (CDCl3) δ 0.87 (t, J = 6.6 Hz, 3H, -(CH2)8CH3), 1.15-1.55 (m, 14H, -CH2-(CH2)7CH3), 1.65-1.90 (m, 2H, C(3)-CH(OH)-CH2-), 2.58 (s, 3H, C(6)-CH3), 3.15 (br s, 1H, C(3)-CH(OH)CH2), 5.33 (dd, J = 5.1, 8.1 Hz, 1H, C(3)-CH(OH)CH2), 9.92 (br s, 1H, C(4)-OH), 10.08 (s, 1H, CHO), 12.78 (s, 1H, C(2)-OH); IR(KBr): 3000-3600, 2922, 2858, 1618, 1450, 1371, 1285, 1231 cm-1.
【実施例13】
【0081】
5−クロロ−3−(1−ドデセニル)−2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:200−12)
5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシドデシル)−6−メチルベンズアルデヒド(33mg,0.089mmol)を、85%リン酸(0.024ml)存在下、酢酸(2ml)中、還流温度で1.5時間攪拌した。室温に冷却し、酢酸エチルで抽出、後処理後、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム)により精製し、5−クロロ−3−(1−ドデセニル)−2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベンズアルデヒド(24mg,収率76%)を得た。
【0082】
【化17】

【0083】
1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (t, J = 6.6 Hz, 3H, -(CH2)7CH3), 1.22-1.40 (m, 14H, -(CH2)7CH3), 1.43-1.55 (m, 2H, C(3)-CH=CH-CH2-CH2-), 2.22-2.30 (m, 2H, C(3)-CH=CH-CH2-), 2.62 (s, 3H, C(6)-CH3), 6.52 (d, J = 16.2 Hz, 1H, C(3)-CH=CH-CH2-), 6.57 (s, 1H, C(4)-OH), 6.65 (dt, J = 6.5, 16.2 Hz, C(3)-CH=CH-CH2- ), 10.15 (s, 1H, CHO), 13.04 (s, 1H, C(2)-OH); IR(KBr) 3200-3600, 2915, 2849, 1617, 1419, 1283, 1228, 1141, 975 cm-1.
この他に、3−(1−デセニル)−2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(197−10)、3−(1−ドデセニル)−2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベンズアルデヒド(198−12)、5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−6−メチル−3−(1−プロぺニル)ベンズアルデヒド(200−3)、5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−6−メチル−3−(1−ペンテニル)ベンズアルデヒド(200−5)、5−クロロ−3−(1−へプテニル)−2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベンズアルデヒド(200−7)、5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−6−メチル−3−(1−ノネニル)ベンズアルデヒド(200−9)、5−クロロ−3−(1−デセニル)−2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベンズアルデヒド(200−10)についても、対応するアルコール体から同様の反応により得ることができた。
【実施例14】
【0084】
3−(1−デセニル)−2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(化合物番号:197−10)
【0085】
【化18】

【0086】
Mp 60-62℃
1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (t, J = 6.9 Hz, 3H, -(CH2)5CH3), 1.15-1.44 (m, 10H, -(CH2)5CH3), 1.44-1.56 (m, 2H, C(3)-CH=CH-CH2-CH2-), 2.24-2.35 (m, 2H, C(3)-CH=CH-CH2-), 6.24 (dt, J = 6.6, 16.5 Hz, 1H, C(3)-CH=CH-CH2-), 6.35 (br s, 1H, C(4)-OH), 6.41 (d, J = 16.5 Hz, 1H, C(3)-CH=CH-CH2-), 6.56 (d, J = 8.6 Hz, 1H, C(5)-H), 7.31 (d, J = 8.6 Hz, 1H, C(6)-H), 9.70 (s, 1H, CHO), 11.83 (s, 1H, C(2)-OH); IR(KBr) 3100-3600, 2926, 2852, 1611, 1490, 1317, 1255, 975 cm-1.
【実施例15】
【0087】
3−(1−ドデセニル)−2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:198−12)
【0088】
【化19】

【0089】
Mp 103-105℃
1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (t, J = 6.6 Hz, 3H, -(CH2)7CH3), 1.18-1.40 (m, 14H, -(CH2)7CH3), 1.44-1.54 (m, 2H, C(3)-CH=CH-CH2-CH2-), 2.23-2.32 (m, 2H, C(3)-CH=CH-CH2-), 2.51 (s, 3H, C(6)-CH3), 6.15 (dt, J = 6.6, 16.5 Hz, 1H, C(3)-CH=CH-CH2-), 6.26 (br s, 1H, C(4)-OH), 6.30 (s, 1H, C(5)-H), 6.38 (d, J = 16.5 Hz, 1H, , C(3)-CH=CH-CH2-), 10.09 (s, 1H, C(1)-CHO), 12.81 (s, 1H, C(2)-OH); IR(KBr) 3100-3500, 2920, 2851, 1602, 1257, 975 cm-1.
【実施例16】
【0090】
5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−6−メチル−3−(1−プロぺニル)ベンズアルデヒド(化合物番号:200−3)
【0091】
【化20】

【0092】
Mp 119-121℃
1H NMR (CDCl3) δ 1.96 (d, J = 6.4 Hz, 3H, -CH=CH-CH3), 2.62 (s, 3H, C(6)-CH3), 6.55 (d, J = 16.1 Hz, 1H, C(3)-CH=CH-CH3), 6.58 (s, 1H, C(4)-OH), 6.67 (dq, J = 6.4, 16.1 Hz, 1H, C(3)-CH=CH-CH3), 10.15 (s, 1H, CHO), 13.05 (s, 1H, C(2)-OH); IR(KBr) : 3200-3600, 2926, 1620, 1415, 1286, 1258, 1130, 978, 793 cm-1.
【実施例17】
【0093】
5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−6−メチル−3−(1−ペンテニル)ベンズアルデヒド(化合物番号:200−5)
【0094】
【化21】

【0095】
Mp 121-122℃
1H NMR (CDCl3) δ 0.97 (t, J = 7.3 Hz, 3H, -CH2CH2CH3), 1.48-1.56 (m, 2H, -CH2CH2CH3), 2.23-2.28 (m, 2H, C(3)-CH=CH-CH2-), 2.62 (s, 3H, C(6)-CH3), 6.53 (d, J = 16.3 Hz, 1H, C(3)-CH=CH-CH2-), 6.59 (s, 1H, C(4)-OH), 6.66 (dt, J = 6.9, 16.3 Hz, C(3)-CH=CH-CH2-), 10.15 (s, 1H, CHO), 13.06 (s, 1H, C(2)-OH); IR(KBr) : 3100-3500, 2957, 2928, 1622, 1414, 1283, 1231, 1138, 1117, 984, 843, 791 cm-1.
【実施例18】
【0096】
5−クロロ−3−(1−へプテニル)−2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:200−7)
【0097】
【化22】

【0098】
Mp 96-97℃
1H NMR (CDCl3) δ 0.90 (t, J = 7.1 Hz, 3H, -(CH2)2CH3), 1.30-1.38 (m, 4H, -(CH2)2CH3), 1.45-1.53 (m, 2H, C(3)-CH=CH-CH2-CH2-), 2.24-2.29 (m, 2H, C(3)-CH=CH-CH2-), 2.62 (s, 3H, C(6)-CH3), 6.53 (d, J = 16.3 Hz, 1H, C(3)-CH=CH-CH2-), 6.59 (s, 1H, C(4)-OH), 6.66 (dt, J = 6.9, 16.3 Hz, C(3)-CH=CH-CH2-), 10.15 (s, 1H, CHO), 13.06 (s, 1H, C(2)-OH); IR(KBr) : 3100-3500, 2926, 2854, 1614, 1599, 1418, 1288, 1229, 1136, 980, 772 cm-1.
元素分析:(実測値)C,63.46; H,6.66; Cl,12.65%. (C15H19O3Cl: に対する計算値)C, 63.71; H, 6.77; Cl, 12.54%.
【実施例19】
【0099】
5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−6−メチル−3−(1−ノネニル)ベンズアルデヒド(化合物番号:200−9)
【0100】
【化23】

【0101】
Mp 79.5-80.5℃
1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (t, J = 6.5 Hz, 3H, -(CH2)4CH3), 1.23-1.40 (m, 8H, -(CH2)4CH3), 1.42-1.55 (m, 2H, C(3)-CH=CH-CH2-CH2-), 2.22-2.30 (m, 2H, C(3)-CH=CH-CH2-), 2.62 (s, 3H, C(6)-CH3), 6.52 (d, J = 16.2 Hz, 1H, C(3)-CH=CH-CH2-), 6.57 (s, 1H, C(4)-OH), 6.65 (dt, J = 6.5, 16.2 Hz, C(3)-CH=CH-CH2-), 10.15 (s, 1H, CHO), 13.04 (s, 1H, C(2)-OH); IR(KBr) : 3200-3600, 2922, 2850, 1614, 1416, 1232, 1134, 980, 793 cm-1.
MS m/z 312 (M+2, 9), 310 (M+, 25), 201 (35), 199 (100).
【実施例20】
【0102】
5−クロロ−3−(1−デセニル)−2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:200−10)
【0103】
【化24】

【0104】
Mp 83-84℃
1H NMR (CDCl3) δ 0.88 (t, J = 6.8 Hz, 3H, -(CH2)5CH3), 1.22-1.40 (m, 10H, -(CH2)5CH3), 1.45-1.55 (m, 2H, C(3)-CH=CH-CH2-CH2-), 2.22-2.30 (m, 2H, C(3)-CH=CH-CH2-), 2.62 (s, 3H, C(6)-CH3), 6.52 (d, J = 16.2 Hz, 1H, C(3)-CH=CH-CH2-), 6.57 (s, 1H, C(4)-OH), 6.65 (dt, J = 6.5, 16.2 Hz, C(3)-CH=CH-CH2- ), 10.15 (s, 1H, CHO), 13.04 (s, 1H, C(2)-OH); IR(KBr) 3200-3600, 2922, 2850, 1617, 1420, 1231, 1142, 975, 595 cm-1.
元素分析:(実測値)C, 66.38; H, 7.60; Cl, 10.85%. (C18H25O3Cl: に対する計算値)C, 66.55; H, 7.76; Cl, 10.91%
【実施例21】
【0105】
2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシドデシル)ベンズアルデヒド(化合物番号:201−12)
【0106】
【化25】

【0107】
2,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド(1.39 g, 10.0 mmol)と、ドデカナール(2.21 g, 12.0 mmol)、塩化カルシウム2水和物(1.03 g, 7.0 mmol)をメタノール(21 ml)に溶かし、0 (Cにて水酸化カリウムメタノール溶液(1.0 M, 14 ml)を加え、24時間攪拌した。1 M塩酸で酸性にして酢酸エチルで抽出、後処理後、粗生成物(2.84 g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)により精製し、2,4-ジヒドロキシ-3-(1-ヒドロキシドデシル)ベンズアルデヒド(無色固体1.65 g, 収率51%)と、2,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド(552 mg, 回収率40%)を得た。
Mp 94-95 ℃
1H NMR (CDCl3) 0.88 (t, J = 6.8 Hz, 3H, -(CH2)10CH3), 1.20-1.55 (m, 18H, -CH2-(CH2)9CH3), 1.73-1.91 (m, 2H, C(3)-CH(OH)-CH2-), 2.59 (d, J = 3.5 Hz, 1H, C(3)-CH(OH)-), 5.40-5.46 (m, 1H, C(3)-CH(OH)-), 6.50 (d, J = 8.7 Hz, 1H, C(5)-H), 7.34 (d, J = 8.7 Hz, 1H, C(6)-H), 9.59 (s, 1H), 9.66 (s, 1H), 11.78 (s, 1H, C(2)-OH); IR (KBr) 3200-3600, 2926, 2860, 1711, 1624, 1489, 1229 cm-1.
【実施例22】
【0108】
5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシドデシル)ベンズアルデヒド化合物番号:202−12)
【0109】
【化26】

【0110】
5-クロロ-2,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド(493 mg, 2.86 mmol)と、ドデカナール(641 mg, 3.48 mmol)、塩化カルシウム2水和物(302 mg, 2.03 mmol)をメタノール(6 ml)に溶かし、0℃にて水酸化カリウムメタノール溶液(1.0 M, 4.0 ml)を加え、24時間攪拌した。1 M塩酸で酸性にして酢酸エチルで抽出、後処理後、粗生成物(1.18 g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)により精製し、5-クロロ-2,4-ジヒドロキシ-3-(1-ヒドロキシドデシル)ベンズアルデヒド(無色固体475 mg, 収率46%)と、5-クロロ-2,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド(209 mg, 回収率42%)を得た。
Mp 78-79 ℃ ; 1H NMR (CDCl3) 0.88 (t, J = 7.4 Hz, 3H, -(CH2)10CH3), 1.20-1.65 (m, 18H, -CH2-(CH2)9CH3), 1.73-1.92 (m, 2H, C(3)-CH(OH)-CH2-), 2.77 (d, J = 4.1 Hz, 1H, C(3)-CH(OH)-), 5.39-5.43 (m, 1H, C(3)-CH(OH)-), 7.45 (s, 1H, C(6)-H), 9.64 (s, 1H, C(4)-OH), 9.91 (s, 1H, CHO), 11.62 (s, 1H, C(2)-OH); IR (KBr) 3445, 2926, 2839, 1637, 1308, 1232, 725 cm-1.
この他に、5-クロロ-2,4-ジヒドロキシ-3-(1-ヒドロキシドデシル)安息香酸メチル (205-12), 3-クロロ-4,6-ジヒドロキシ-5-(1-ヒドロキシ-3,7-ジメチル-6-オクテニル) -2-メチルベンズアルデヒド (220)についても、対応するアルデヒドを側鎖前駆体とする同様の反応により合成した。
【実施例23】
【0111】
5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−3−(1−ヒドロキシドデシル)安息香酸メチル(化合物番号:205−12)
【0112】
【化27】

【0113】
Mp 96-97 ℃
1H NMR (CDCl3) 0.89 (t, J = 7.0 Hz, 3H, -(CH2)10CH3), 1.22-1.65 (m, 18H, -CH2-(CH2)9CH3), 1.73-1.92 (m, 2H, C(3)-CH(OH)-CH2-), 2.78 (d, J = 4.4 Hz, 1H, C(3)-CH(OH)-), 3.92 (s, 1H, COOCH3), 5.38-5.42 (m, 1H, C(3)-CH(OH)-), 7.77 (s, 1H, C(6)-H), 9.52 (s, 1H, C(4)-OH), 11.18 (s, 1H, C(2)-OH); IR (KBr) 3474, 2918, 2860, 1674, 1348, 1250, 1209, 793 cm-1.
【実施例24】
【0114】
3−クロロ−4,6−ジヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−6−オクテニル)−2−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:220)
【0115】
【化28】

【0116】
無色シロップ状液体(Colorless syrup)
1H NMR (CDCl3) 0.98 and 0.99 (two d, J = 6.4 Hz, 3H, CHCH3), 1.15-1.50 (m, 2H), 1.56-1.77 (m + s ( 1.595 and 1.602, CH3) + s ( 1.67 and 1.68, CH3), 8H), 1.84-2.09 (m, 3H), 2.57 (s, 3H, C(2)-CH3), 3.23 (br s, 1H, C(3)-CH(OH)-), 5.05-5.11 (m, 1H, -CH=C(CH3)2), 5.40-5.45 (m, 1H, C(3)-CH(OH)-), 7.45 (s, 1H, C(6)-H), 9.87 and 9.99 ( two br s, 1H, C(4)-OH), 10.08 and 10.09 (two s, 1H, CHO), 12.77 and 12.78 (two s, 1H, C(2)-OH).
【実施例25】
【0117】
3−クロロ−4,6−ジヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−3,7−ジメチル−6−オクテニル)−2−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:203−12)
【0118】
【化29】

【0119】
5-クロロ-2,4-ジヒドロキシ-3-(1-ヒドロキシドデシル)ベンズアルデヒド(300 mg, 0.84 mmol)を、85%リン酸(0.81 ml)存在下、酢酸(2 ml)中、還流温度で1時間攪拌した。室温に冷却し、飽和食塩水(20 ml)を加え酢酸エチルで抽出、後処理した。粗生成物(292 mg)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製し、5-クロロ-3-(1-ドデセニル)-2,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド(淡黄色固体238 mg, 収率84%)を得た。
Mp 84-85 ℃
1H NMR (CDCl3) 0.88 (t, J = 6.9 Hz, 3H, -(CH2)7CH3), 1.22-1.40 (m, 14H, -(CH2)7CH3), 1.43-1.55 (m, 2H, C(3)-CH=CH-CH2-CH2-), 2.20-2.30 (m, 2H, C(3)-CH=CH-CH2-), 6.45 (s, 1H, C(4)-OH), 6.53 (d, J = 16.3 Hz, 1H, C(3)-CH=CH-CH2-), 6.70 (dt, J = 7.0, 16.3 Hz, C(3)-CH=CH-CH2- ), 7.38 (s, 1H, C(6)-H), 9.67 (s, 1H, CHO), 11.88 (s, 1H, C(2)-OH); IR(KBr) 3100-3600, 2926, 2847, 1630, 1601, 1456, 1265, 1171, 1084, 974 cm-1.
元素分析:(実測値)C, 67.06; H, 7.89; Cl, 10.30%. (C19H27ClO3に対する計算値)C, 67.34; H, 8.03; Cl, 10.46%.
【実施例26】
【0120】
3−クロロ−5−(3,7−ジメチル−1−オクテニル)−4,6−ジヒドロキシ−2−メチルベンズアルデヒド(化合物番号:dl−223)
【0121】
【化30】

【0122】
3-クロロ-5-(1-ヒドロキシ-3,7-ジメチル-6-オクテニル)-4,6-ジヒドロキシ-2-メチルベンズアルデヒド (220) (196 mg, 0.57 mmol)のエタノール(1.5 ml)溶液を、5% Pd/C (50 mg) 存在下、水素雰囲気下で0℃にて2時間攪拌した。セライトを用いて触媒をろ別した後、濃縮して粗生成物(188 mg)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)により分取し、3-クロロ-5-(1-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクチル)-4,6-ジヒドロキシ-2-メチルベンズアルデヒド(222, ジアステレオマー混合物、赤色シラップ69 mg, 粗収率35%)を得た。
【0123】
この粗生成物について、5-クロロ-3-(1-ドデセニル)-2,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド(203-12)合成と同様の脱水反応を実施し、目的とする3-クロロ-5-(3,7-ジメチル-1-オクテニル)-4,6-ジヒドロキシ-2-メチルベンズアルデヒド(223)を合成した。
黄色固体(Yellow solid)
1H NMR (CDCl3) 0.86 (d, J = 6.7 Hz, 6H, CH(CH3)2), 1.09 (d, J = 6.7 Hz, 3H, CH3), 1.14-1.20 (m, 2H), 1.29-1.40 (m, 4H), 1.53 (sep, J = 6.7 Hz, 1H, CH(CH3)2), 2.28-2.35 (m, 1H), 2.62 (s, 3H, C(2)-CH3), 6.48 (d, J = 16.4 Hz, 1H, C(5)-CH=CH-), 6.53 (dd, J = 6.7, 16.4 Hz, 1H, C(5)-CH=CH-), 6.60 (br s, 1H, C(4)-OH), 10.15 (s, 1H, CHO), 13.04 (s, 1H, C(2)-OH).
【実施例27】
【0124】
3−クロロ−5−(3,7−ジメチルオクチル)−4,6−ジヒドロキシ−2−メチルベンズアルデヒド(テトラヒドロコレトクロリンB)(化合物番号:dl−218)
【0125】
【化31】

【0126】
H. Saimoto et al., Bull. Chem. Soc. Jpn., 67, 1178 (1994)に記載のコレトクロリンB(991 mg, 3.07 mmol)のエタノール(24.5 ml)溶液を、5% Pd/C (496 mg) 存在下、水素雰囲気下で0 ℃にて4.5時間攪拌した。セライトを用いて触媒をろ別した後、濃縮して粗生成物(963 mg)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジエチルエーテル=30:1)により精製し、3-クロロ-4,6-ジヒドロキシ-5-(3,7-ジメチルオクチル)-2-メチルベンズアルデヒド(淡黄色固体220 mg, 収率22%)を得た。
Mp 66-67 ℃
1H NMR (CDCl3) 0.86 (d, J = 6.7 Hz, 6H, CH(CH3)2), 0.95 (d, J = 6.7 Hz, 3H, CHCH3), 1.10-1.57 (m, 10H), 2.60 (s, 3H, C(2)-CH3), 2.61-2.72 (m, 2H), 6.31 (br s, 1H, C(4)-OH), 10.14 (s, 1H, CHO), 12.64 (s, 1H, C(6)-OH); IR (KBr) 3100-3500, 2951, 1614, 1460, 1421, 1244, 1132 cm-1; MS m/z 328 (M + 2, 3), 326 (M+, 9), 202 (33), 200 (100).
元素分析:(実測値)C, 66.17; H, 8.50%. (C18H27ClO3に対する計算値)C, 66.14; H, 8.33%.
この他に、3-クロロ-4,6-ジヒドロキシ-2-メチル-5-(1-ノネニル)ベンズアルデヒド(200-9)から3-クロロ-4,6-ジヒドロキシ-2-メチル-5-ノニルベンズアルデヒド(215-9)への還元についても、同様の還元反応により行った。
【実施例28】
【0127】
3−クロロ−4,6−ジヒドロキシ−2−メチル−5−ノニルベンズアルデヒド(化合物番号:215−9)
【0128】
【化32】

【0129】
Mp 89-90 ℃
1H NMR (CDCl3) 0.88 (t, J = 6.9 Hz, 3H, -(CH2)7CH3), 1.23-1.40 (m, 14H, -(CH2)7CH3), 2.60 (s, 3H, C(2)-CH3), 2.66 (d, J = 7.7 Hz, 2H, C(3)-CH2-), 6.30 (s, 1H, C(4)-OH), 10.14 (s, 1H, CHO), 12.65 (s, 1H, C(6)-OH); IR(KBr) : 3100-3600, 2922, 2845, 1609, 1468, 1423, 1240, 1132 cm-1; MS m/z 314 (M + 2, 3), 312 (M+, 9), 201 (39), 199 (100).
【実施例29】
【0130】
3−クロロ−4,6−ジヒドロキシ−2−メチル−5−[3−メチル−7−(テトラヒドロ−5,5−ジメル−4−オキソ−2−フラニル)オクチル]ベンズアルデヒド(テトラヒドロアスコフラノン)(化合物番号:212)
【0131】
【化33】

【0132】
アスコフラノン(1058 mg, 2.52 mmol)のエタノール(201 ml)溶液を、5% Pd/C (453 mg) 存在下、水素雰囲気下で0 (Cにて3時間攪拌した。セライトを用いて触媒をろ別した後、濃縮して粗生成物(1178 mg)を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)により精製し、3-クロロ-4,6-ジヒドロキシ-2-メチル-5-[3-メチル-7-(テトラヒドロ-5,5-ジメチル-4-オキソ-2-フラニル)オクチル]ベンズアルデヒド(ジアステレオマー混合物、黄色シラップ262 mg, 収率25%)を得た。
1H NMR (CDCl3) 0.89 (d, J = 6.8 Hz, 1.1H, CHCH3), 0.955, 0.960, 0.98 (three d, J = 6.5 Hz, 4.9H, CHCH3), 1.05-1.83 (m + s ( 1.20, CH3 of tetrahydrofuran moiety) + s ( 1.27, CH3 of tetrahydrofuran moiety), 16H), 2.11-2.32 (m + s ( 2.17, C(2)-CH3), 3.1H), 2.39-2.50 (m, 1H), 2.59-2.78 (m + s ( 2.60, C(2)-CH3), 2.9H), 3.94-4.05 (m, 1H, C(2)-H of tetrahydrofuran moiety), 6.40 (br s, 1H, C(4)-OH), 10.14 (s, 1H, CHO), 12.65 (s, 1H, C(6)-OH); IR (neat) 3200-3600, 2934, 1751, 1626, 1460, 1420, 1246 cm-1; MS m/z 426 (M+2, 1), 424 (M+, 3), 201 (39), 199 (100).
元素分析:(実測値)C, 64.72; H, 7.68; Cl, 8.42%. (C23H33ClO5に対する計算値)C, 65.01; H, 7.83; Cl, 8.34%.
【実施例30】
【0133】
3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチル−5−[(E,E)−3−メチル−7−(テトラヒドロ−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−フラニル)−2,6−オクタジエニル]ベンズアルデヒド(4−O−メチルアスコフラノン)(化合物番号:211)
【0134】
【化34】

【0135】
アスコフラノン(52 mg, 0.12 mmol)に硫酸ジメチルのアセトン溶液(0.012 M, 20 ml)を加え、炭酸カリウム(16 mg, 0.11 mmol)存在下、還流温度で1時間攪拌した。酢酸エチル、飽和食塩水を加え、抽出、乾燥、濃縮し、粗生成物(65 mg)を得た。シリカゲル薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)により精製し、3-クロロ?6-ヒドロキシ-4-メトキシ-2-メチル-5-[(E,E)-3-メチル-7-(テトラヒドロ-5,5-ジメチル-4-オキソ-2-フラニル)-2,6-オクタジエニル]ベンズアルデヒド(黄色シラップ:50 mg, 収率93%)を得た。
1H NMR (CDCl3) 1.22 (s, 3H, CH3), 1.28 (s, 3H, CH3), 1.62 (s, 3H, CH3), 1.79 (s, 3H, CH3), 2.00-2.07 (m, 2H), 2.09-2.20 (m, 2H), 2.35 (dd, J = 10.2, 18.2 Hz, 1H, H-C(3)-H of tetrahydrofuran moiety), 2.41 (dd, J = 6.4, 18.2 Hz, 1H, H-C(3)-H of tetrahydrofuran moiety), 2.64 (s, 3H, C(2)-CH3), 3.38 (d, J = 6.9 Hz, 2H, C(5)-CH2-), 3.86 (s, 3H, OCH3), 4.50 (dd, J = 6.4, 10.2 Hz, 1H, C(2)-H of tetrahydrofuran moiety), 5.18 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 5.51 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 10.26 (s, 1H, CHO), 12.52 (s, 1H, C(6)-OH).
この他に、5-クロロ-3-(1-ドデセニル)-2,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド(203-12)から5-クロロ-3-(1-ドデセニル)-2,4-ジメトキシベンズアルデヒド(210-12)への変換についても、同様のメチル化反応により行った。
【実施例31】
【0136】
5−クロロ−3−(1−ドデセニル)−2,4−ジメトキシベンズアルデヒド(化合物番号:210−12)
【0137】
【化35】

【0138】
無色シロップ状(Colorless syrup)
1H NMR (CDCl3) 0.88 (t, J = 7.0 Hz, 3H, -(CH2)7CH3), 1.21-1.41 (m, 14H, -(CH2)7CH3), 1.47-1.54 (m, 2H, C(3)-CH=CH-CH2-CH2-), 2.25-2.32 (m, 2H, C(3)-CH=CH-CH2-), 3.82 (s, 6H, OMe), 6.42 (d, J = 16.2 Hz, 1H, C(3)-CH=CH-CH2-), 6.67 (dt, J = 7.1, 16.2 Hz, C(3)-CH=CH-CH2- ), 7.73 (s, 1H, C(6)-H) , 10.27 (s, 1H, CHO).
【実施例32】
【0139】
5−クロロ−3−(1−ドデセニル)−2,4−ジメトキシベンズアルデヒド(化合物番号:213)
【0140】
【化36】

【0141】
アスコフラノン(209 mg, 0.50 mmol)にヒドロキシルアミン塩酸塩のピリジン溶液(0.22 M, 2.3 ml)を加え、室温にて1.5時間攪拌した。さらに、ヒドロキシルアミン塩酸塩のピリジン溶液(0.22 M, 1.0 ml)を追加し、25℃にて2時間攪拌した。ピリジンを減圧除去した後、酢酸エチルと飽和食塩水を加えて抽出、濃縮して得られた粗生成物(270 mg)を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製し、5-[(E,E)-7-(3-クロロ-2,6-ジヒドロキシ-5-ヒドロキシイミノメチル-4-メチルフェニル)-1,5-ジメチル-1,5-ヘプタジエニル]-4,5-ジヒドロ-2,2-ジメチル-3(2H)-フラノン (無色固体42 mg, 収率20%)を得た。
Mp 102-103 ℃
1H NMR (CDCl3) 1.23 (s, 3H, CH3), 1.29 (s, 3H, CH3), 1.64 (s, 3H, CH3), 1.78 (s, 3H, CH3), 1.99-2.10 (m, 2H), 2.14-2.20 (m, 2H), 2.42 (s, 3H, Ar-CH3), 2.43 (dd, J = 9.4, 18.2 Hz, 1H, H-C(4)-H), 2.46 (dd, J = 6.8, 18.2 Hz, 1H, H-C(4)-H), 3.41 (d, J = 6.9 Hz, 2H, Ar-CH2-), 4.52 (dd, J = 6.8, 9.4 Hz, 1H, C(5)-H), 5.19 (t, J = 6.5 Hz, 1H), 5.51 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 6.97 (s, 1H, C(2')-OH), 7.65 (s, 1H, N-OH), 8.53 (s, 1H, CH=N), 10.72 (s, 1H, C(6')-OH).
元素分析:(実測値)C, 63.08; H, 6.98; N, 3.06; Cl, 8.33%. (C23H30ClNO5に対する計算値)C, 63.37; H, 6.94; N, 3.21; Cl, 8.13%.
【実施例33】
【0142】
抗トリパノソーマ作用(IC50
トリパノソーマのシアン耐性キノール酵素に対する新規フェノール誘導体の呼吸阻害効果を組み換え酵素を用いて検討した。結果を表1に示す。AFはアスコフラノンを意味する。
【0143】
【表1】

【実施例34】
【0144】
抗トリパノソーマ作用(グリセロール添加効果)
96穴の培養プレートを用いて、各薬剤を10mMになるようにDMSOで調整し、T.b.buruceiを5×105/ml添加して37℃で24時間培養して最小有効濃度を算定した。
【0145】
グリセロールは5mM添加して、上記と同様の条件で培養、観察した。結果を表2に示す。
【0146】
【表2】

【0147】
産業上の利用の可能性
本発明の化合物は優れた抗トリパノソーマ活性を有し、トリパノソーマによって惹起される疾患の予防および治療に極めて有用である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

(式中、
Xは水素原子またはハロゲン原子を表し、
1は、水素原子または−(Cn2n)−R'(nは1−5の整数、R'は水素原子またはn個の炭素原子のいずれか一つに置換されている基COOR''、ここではR''は水素原子または炭素数1−4のアルキル基を意味するか、または−COR'''(R'''はピリジル基、炭素数1−4のアルキル基で置換されたアミノ基、ベンゼン環の炭素原子上にハロゲン原子を有するフェノキシアルキル基またはベンゼン環の炭素原子上に炭素数1−4のアルコキシ基あるいは炭素数1−4のアルコキシカルボニル基を有するフェニル基を意味する)を表し、
2は、水素原子または炭素数1−4のアルキル基を表し、
3は−CHOまたは−COOHを表し、および、
4は、−CH=CH−(CH2p−CH3(式中、pは1−12の整数を表す)、または−CH(OH)−(CH2q−CH3(式中、qは1−13の整数を表す)、−CH(OH)−CH2−CH(CH3)−(CH22−CH=C(CH32、−CH=CH−CH(CH3)−(CH23−CH(CH32、−(CH22−CH(CH3)−(CH23−CH(CH32、または−(CH28−CH3を表す)
で示される化合物、または、下記式、
【化2−1】

【化2−2】

【化2−3】

で表される化合物、
それらの光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩。
【請求項2】
式(I)において、
Xは水素原子を表し、
1は、水素原子を表し、
2は、炭素数1−4のアルキル基を表し、
3は−CHOを表し、および、
4は、−CH(OH)−(CH2q−CH3(式中、qは1−12の整数を表す)を表す、請求項1記載の化合物、その光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩。
【請求項3】
式(I)において、
Xはハロゲン原子を表し、
1は、水素原子を表し、
2は、炭素数1−4のアルキル基を表し、
3は−CHOを表し、および、
4は、−CH(OH)−(CH2q−CH3(式中、qは1−12の整数を表す)を表す、請求項1記載の化合物、その光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩。
【請求項4】
式(I)において、
Xは水素原子またはハロゲン原子を表し、
1は、水素原子を表し、
2は、水素原子または炭素数1−4のアルキル基を表し、
3は−CHOを表し、および、
4は、−CH=CH−(CH2p−CH3(式中、pは1−12の整数を表す)を表す、請求項1記載の化合物、その光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩。
【請求項5】
下記式、
【化3−1】

【化3−2】

【化3−3】

から選択される、請求項1記載の化合物、その光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩。
【請求項6】
式(I)
【化4】

(式中、
Xは水素原子またはハロゲン原子を表し、
1は、水素原子または−(Cn2n)−R'(nは1−5の整数、R'は水素原子またはn個の炭素原子のいずれか一つに置換されている基COOR''、ここではR''は水素原子または炭素数1−4のアルキル基を意味するか、または−COR'''(R'''はピリジル基、炭素数1−4のアルキル基で置換されたアミノ基、ベンゼン環の炭素原子上にハロゲン原子を有するフェノキシアルキル基またはベンゼン環の炭素原子上に炭素数1−4のアルコキシ基あるいは炭素数1−4のアルコキシカルボニル基を有するフェニル基を意味する)を表し、
2は、水素原子または炭素数1−4のアルキル基を表し、
3は−CHOまたは−COOHを表し、および、
4は、−CH=CH−(CH2p−CH3(式中、pは1−12の整数を表す)、または−CH(OH)−(CH2q−CH3(式中、qは1−13の整数を表す)、−CH(OH)−CH2−CH(CH3)−(CH22−CH=C(CH32、−CH=CH−CH(CH3)−(CH23−CH(CH32、−(CH22−CH(CH3)−(CH23−CH(CH32、または−(CH28−CH3を表す)
で示される化合物、または、下記式、
【化5−1】

【化5−2】

【化5−3】

で表されるされる化合物、
それらの光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩のうち1種または2種以上、および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項7】
式(I)において、
Xは、水素原子を表し、
1は、水素原子を表し、
2は、炭素数1−4のアルキル基を表し、
3は−CHOを表し、および、
4は、−CH(OH)−(CH2q−CH3(式中、qは1−12の整数を表す)を表す、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項8】
式(I)において、
Xはハロゲン原子を表し、
1は、水素原子を表し、
2は、炭素数1−4のアルキル基を表し、
3は−CHOを表し、および、
4は、−CH(OH)−(CH2q−CH3(式中、qは1−12の整数を表す)を表す、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項9】
式(I)において、
Xは、水素原子またはハロゲン原子を表し、
1は、水素原子を表し、
2は、水素原子または炭素数1−4のアルキル基を表し、
3は−CHOを表し、および、
4は、−CH=CH−(CH2p−CH3(式中、pは1−12の整数を表す)を表す、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項10】
下記式、
【化6−1】

【化6−2】

【化6−3】

で表される化合物、その光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩のうち1種または2種以上、および医薬上許容される担体を含む、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項11】
グリセリンを含む、請求項6〜10のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項12】
式(I)
【化7】

(式中、
Xは水素原子またはハロゲン原子を表し、
1は、水素原子または−(Cn2n)−R'(nは1−5の整数、R'は水素原子またはn個の炭素原子のいずれか一つに置換されている基COOR''、ここではR''は水素原子または炭素数1−4のアルキル基を意味するか、または−COR'''(R'''はピリジル基、炭素数1−4のアルキル基で置換されたアミノ基、ベンゼン環の炭素原子上にハロゲン原子を有するフェノキシアルキル基またはベンゼン環の炭素原子上に炭素数1−4のアルコキシ基あるいは炭素数1−4のアルコキシカルボニル基を有するフェニル基を意味する)を表し、
2は、水素原子または炭素数1−4のアルキル基を表し、
3は−CHOまたは−COOHを表し、および、
4は、−CH=CH−(CH2p−CH3(式中、pは1−12の整数を表す)、または−CH(OH)−(CH2q−CH3(式中、qは1−13の整数を表す)、−CH(OH)−CH2−CH(CH3)−(CH22−CH=C(CH32、−CH=CH−CH(CH3)−(CH23−CH(CH32、−(CH22−CH(CH3)−(CH23−CH(CH32、または−(CH28−CH3を表す)
で示される化合物、または、下記式、
【化8−1】

【化8−2】

【化8−3】

で表されるされる化合物、
それらの光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩のうち1種または2種以上を有効成分として含有する抗トリパノソーマ予防剤および治療剤。
【請求項13】
グリセリンを含む、請求項10記載の抗トリパノソーマ予防剤および治療剤。
【請求項14】
抗トリパノソーマ予防剤および治療剤の製造における、式(I)
【化9】

(式中、
Xは水素原子またはハロゲン原子を表し、
1は、水素原子または−(Cn2n)−R'(nは1−5の整数、R'は水素原子またはn個の炭素原子のいずれか一つに置換されている基COOR''、ここではR''は水素原子または炭素数1−4のアルキル基を意味するか、または−COR'''(R'''はピリジル基、炭素数1−4のアルキル基で置換されたアミノ基、ベンゼン環の炭素原子上にハロゲン原子を有するフェノキシアルキル基またはベンゼン環の炭素原子上に炭素数1−4のアルコキシ基あるいは炭素数1−4のアルコキシカルボニル基を有するフェニル基を意味する)を表し、
2は、水素原子または炭素数1−4のアルキル基を表し、
3は−CHOまたは−COOHを表し、および、
4は、−CH=CH−(CH2p−CH3(式中、pは1−12の整数を表す)、または−CH(OH)−(CH2q−CH3(式中、qは1−13の整数を表す)、−CH(OH)−CH2−CH(CH3)−(CH22−CH=C(CH32、−CH=CH−CH(CH3)−(CH23−CH(CH32、−(CH22−CH(CH3)−(CH23−CH(CH32、または−(CH28−CH3を表す)
で示される化合物、または、下記式、
【化10−1】

【化10−2】

【化10−3】

で表されるされる化合物、
それらの光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩のうち1種または2種以上の使用。
【請求項15】
抗トリパノソーマ予防剤および治療剤がグリセリンを含む、請求項14記載の使用。
【請求項16】
有効量の式(I)
【化11】

(式中、
Xは水素原子またはハロゲン原子を表し、
1は、水素原子または−(Cn2n)−R'(nは1−5の整数、R'は水素原子またはn個の炭素原子のいずれか一つに置換されている基COOR''、ここではR''は水素原子または炭素数1−4のアルキル基を意味するか、または−COR'''(R'''はピリジル基、炭素数1−4のアルキル基で置換されたアミノ基、ベンゼン環の炭素原子上にハロゲン原子を有するフェノキシアルキル基またはベンゼン環の炭素原子上に炭素数1−4のアルコキシ基あるいは炭素数1−4のアルコキシカルボニル基を有するフェニル基を意味する)を表し、
2は、水素原子または炭素数1−4のアルキル基を表し、
3は−CHOまたは−COOHを表し、および、
4は、−CH=CH−(CH2p−CH3(式中、pは1−12の整数を表す)、または−CH(OH)−(CH2q−CH3(式中、qは1−13の整数を表す)、−CH(OH)−CH2−CH(CH3)−(CH22−CH=C(CH32、−CH=CH−CH(CH3)−(CH23−CH(CH32、−(CH22−CH(CH3)−(CH23−CH(CH32、または−(CH28−CH3を表す)
で示される化合物、または、下記式、
【化12−1】

【化12−2】

【化12−3】

で表されるされる化合物、
それらの光学異性体、およびそれらの医薬上許容される塩のうち1種または2種以上を、処置を必要とする患者に投与することを含む、トリパノソーマによって惹起される疾患を予防または治療する方法。
【請求項17】
グリセリンを併用する、請求項16に記載の方法。


【国際公開番号】WO2005/037760
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【発行日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514824(P2005−514824)
【国際出願番号】PCT/JP2004/015390
【国際出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(501308753)アリジェン株式会社 (8)
【Fターム(参考)】