説明

新規ベンゾチアゾール及びその医薬としての使用

本発明は、新規化学的化合物、特に新規ベンゾチアゾール誘導体に関し、該化合物を含有する組成物に関し、及び医薬としてのこれらの使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に新規化学化合物、とりわけ新規ベンゾチアゾール誘導体、前記誘導体を含有する組成物及び医薬品としてのこれらの使用に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、タンパク質、特にキナーゼの活性の調節による、抗癌活性を有するベンゾチアゾールの新規スルホン酸エステルに関する。
【背景技術】
【0003】
現在のところ、化学療法で使用される市販の化合物の多くは細胞毒性であり、これが副作用及び患者による耐性という大きな問題をもたらす。使用される医薬品が、正常細胞に対して作用を及ぼさずに、癌細胞に対して選択的に作用する限り、これらの効果は限定的であり得る。化学療法の副作用を制限する解決法の一つは、代謝経路に対して、又は、主に癌細胞中で発現し、正常細胞中には殆ど若しくは全く発現しないこれらの経路の構成成分に対して作用する医薬品を使用することに存するかもしれない。
【0004】
タンパク質キナーゼは、チロシン残基、セリン残基又はスレオニン残基などの、タンパク質の特異的残基のヒドロキシル基のリン酸化を触媒する酵素のファミリーである。このようなリン酸化は、タンパク質の機能を大きく修飾する可能性があるので、特に代謝、細胞増殖、細胞分化、細胞移動又は細胞生存を含む様々な細胞プロセスの制御において、タンパク質キナーゼが重要な役割を果たす。タンパク質キナーゼの活性が関係する様々な細胞機能のうち、ある種のプロセスは、癌疾患及び他の疾患の治療に対する魅力的な対象である。
【0005】
従って、本発明の目的の一つは、特にキナーゼに対して作用することにより、抗癌活性を伴う組成物を提案することである。それに対して活性の調節が望まれるキナーゼのうち、サイクリン依存性キナーゼ及びAurora−2が好ましい。
【0006】
細胞周期の進行は、多くの場合、サイクリンファミリーに属するたんぱく質との相互作用によって活性化され、この活性化が基質のリン酸化で終了し、最後に細胞分裂で終了するサイクリン依存性キナーゼ(CDK)によって、支配されている。更に、活性化された内因性CDK阻害剤(INK4及びKIP/CIPファミリー)が、CDKの活性を負に制御する。正常細胞の増殖は、CDK活性化因子(サイクリン)及び内因性CDK阻害剤間のバランスに起因する。数種の癌において、これらの細胞周期制御因子のいくつかの発現又は異常な活性が記載されている。
【0007】
サイクリンEは、キナーゼCdk2を活性化し、次いで、タンパク質pRbをリン酸化するように作用して、不可逆的な細胞分裂及びS期への移行(PL Toogood、Medicinal Research Reviews(2001)、21(6)478−498)への関与をもたらす。G1期における進行及びS期への移行にとって、キナーゼCDK2及び、場合によってCDK3が必要である。サイクリンEとの複合体の形成中、それらは、pRbの高リン酸化を維持し、G1期のS期への進行を補助する。サイクリンAとの複合体では、CDK2は、E2Fを不活化する上で役割を果たし、S期の生成に対して必要である(T.D.Davies et al、(2001)Structure 9,389−3)。
【0008】
CDK1/サイクリンB複合体は、G2期及びM期間の細胞周期の進行を制御する。CDK/サイクリンB複合体の負の制御により、G2期が正確且つ完全に実施される前に、正常細胞がS期に移行するのを妨げる(K.K.Roy及びE.A.Sausville,Current Pharmaceutical Design,2001,7,1669−1687)。
【0009】
CDKの活性の制御のレベルが存在する。サイクリン依存性キナーゼ活性化剤(CAK)は、CDKに対して正の制御作用を有する。CAKは、CDKのスレオニン残基をリン酸化し、標的酵素を完全に活性化する。
【0010】
細胞周期に関与する分子に欠損が存在することが、CDKの活性化及び周期の進行をもたらす。癌細胞の細胞増殖を阻止するために、CDK酵素の活性を阻害することを望むのは当然のことである。
【0011】
染色体分離及び紡錘体集合に関与する多数のタンパク質が、酵母及びショウジョウバエ中で確認されている。これらのタンパク質の分解は、染色体分離の欠如及び単極紡錘体又分解された紡錘体をもたらす。これらのタンパク質のうち、それぞれショウジョウバエ及びS.セレビシアエ(S.cerevisiae)に由来する、Aurora及びIpI1を含むある種のキナーゼは、染色体の分離及び中心体の分離にとって必要である。酵母IpI1のヒト類似体は、近年クローン化されており、様々な研究室により特徴が決定されている。Aurora 2、STK15又はBTAKとして知られるこのキナーゼは、セリン/トレオニンキナーゼファミリーに属する。Bischoff et al.は、Aurora2が発癌性であり、ヒト結腸直腸癌において増幅されることを示した(EMBO J、1998、17、3052−3065)。また、これは、乳癌などの上皮腫瘍に関与する癌においても示されている。
【0012】
本発明は、新規ベンゾチアゾール誘導体に関する。従って、本発明は、キナーゼを阻害する薬剤としての、とりわけ抗癌剤としてのベンゾチアゾール誘導体の使用に関する。これらのうち、本発明は、好ましくはベンゾチアゾールのスルホン酸エステルに関する。また、本発明は、ヒトでの治療用の医薬品の調製のための前記誘導体の使用に関する。
【0013】
ベンゾチアゾールのスルホン酸エステルを記載している、これまでに公知の先行技術のうち、下記の一般式
【化1】

【0014】
(式中、
は、硫黄原子を表すことができ、
nは、ゼロと等しくすることができ、
Zは、アシルアミノ基であり得、
、X、X及びX基は、Hと等しいか、又はアルキルスルホニルオキシ基を表すことができる。)
を有する誘導体の調製方法を記載する公開特許出願JP0539036号を挙げることができる。
【0015】
上述の特許の一般式中に含まれる大半の化合物のうち、本発明の活性化合物に対応する化合物を記載している実施例は存在せず、ベンゾチアゾールの合成についても記載していない。
【発明の開示】
【0016】
本発明の化合物は、下記の一般式(I):
【0017】
【化2】

(式中、
Xは、共有結合、(CH(nは、1又は2に等しい。)から選択される基を表し、
Arは、アリール又はヘテロアリール基を表し、この基は、アルキル基、ハロゲン、NR(R及びRは、水素基、アルキル、シクロアルキルから選択され、又は複素環基若しくはヘテロアリール基を両者で形成することができ、これらの基自体が場合により置換される。)、SOアルク、Sアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール又はアリール基から選択される基で場合により置換されており、
Rが、水素及びアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ又はアミノ基から選択される基を表し;Rは、Rに対して定義される基と同一の基から選択される1つ以上の基で場合により置換されることができる。)
に対応する。
【0018】
基R及びR上に存在し得る置換基は、特にヒドロキシル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びアミノアルキル基から選択される。
【0019】
本発明において、「アルキル基」とは、1〜10個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖を意味する。
【0020】
本発明において、「シクロアルキル基」とは、3〜10個の炭素原子を含有する環状アルキル鎖を意味する。
【0021】
本発明において、「ヘテロシクロアルキル基」とは、3〜10の炭素原子並びにO、N及びSから選択される少なくとも1つの複素原子を含有する環状アルキル鎖を意味する。
【0022】
本発明において、「NR基」とは、アミノ基、好ましくは二級アミノ基、即ち少なくとも1つの置換基が水素である基を意味する。
【0023】
これらの基は全て、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、アミノ、ヒドロキシル、アルコキシ又はハロゲン基で場合により置換される。
【0024】
本発明において、「アリール基」及び「ヘテロアリール基」は、場合によりO、N及びSから選択される一以上の複素原子を持つ単環の基又は別の5員環若しくは6員環に縮合され場合によりO、N及びSから選択される1ないし3個の複素原子を含む基を意味する。好ましくは、アリール基及びヘテロアリール基のうち、フェニル、ピリジル、ピリミジン、トリアジン、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、フリル、チエニル、インドリル、アザインダゾリル、イソベンゾフリル、イソベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、アリールビニレン、アリールアミド、アリールカルボキサミド、アラルキルアミン、キノリル、イソキノリル、シノリル、キナゾリル、ナフチリジル、トリアゾリル又はテトラゾリル基を挙げることができる。
【0025】
アリール及びヘテロアリール基のうち、場合により置換された、フェニル、チエニル、ピラゾリル又はイミダゾリル基を選択するのが好ましい。
【0026】
フェニル基の置換基のうち好ましいのは、アミノ基及びハロゲン、特に塩素及びフッ素であり、従って、アリール基のうち、ジフルオロフェニル及びトリフルオロフェニル並びにモノアルキルアミノフェニルが特に最も好ましく、アルキル鎖は、ヒドロキシル又はジアルキルアミノ基で場合により置換される。
【0027】
また、Xが共有結合を表し、Rがシクロアルキル基を表す式(I)の化合物の中から選択するのが好ましい。
【0028】
式(I)に対応する化合物のうち、次の化合物を挙げることができる:
4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−[(ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−フルオロベンゼンスルホン酸2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−シクロペンチルアミノベンゼンスルホン酸2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(3−イミダゾール−1−イルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−メチルアミノベンゼンスルホン酸2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−[4−(4−ピリド−3−イルイミダゾール−1−イル)ブチルアミノ]ベンゼンスルホン酸2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(2−ピペリド−4−イルアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(3−イミダゾール−1−イルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(2−ピペリド−4−イルアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(2−エチルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(2−ピペリド−4−イルアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−[2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)エチルアミノ]ベンゼンスルホン酸2−(2−ピペリド−4−イルアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(2−ピペリド−4−イルアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(8−アミノオクタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(3−イミダゾール−1−イルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(8−アミノオクタノイルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(2−エチルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(8−アミノオクタノイルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−[2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)エチルアミノ]ベンゼンスルホン酸2−(8−アミノオクタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(8−アミノオクタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(3−ピペリド−4−イルプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(3−イミダゾール−1−イルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(3−ピペリド−4−イルプロピニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(2−エチルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(3−ピペリド−4−イルプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−[2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)エチルアミノ]ベンゼンスルホン酸2−(3−ピペリド−4−イルプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−イソブチルアミノベンゼンスルホン酸2−(2−ピペリド−4−イルアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−イソブチルアミノベンゼンスルホン酸2−(3−ピペリド−4−イルプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−イソブチルアミノベンゼンスルホン酸2−(8−アミノオクタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
チオフェン−2−スルホン酸2−[(ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]ベンゾチアゾール−6−イルエステル;トリフルオロ酢酸との化合物;
チオフェン−2−スルホン酸2−(3−ピペリド−4−イルプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;トリフルオロ酢酸との化合物;
チオフェン−2−スルホン酸2−(2−アミノアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
チオフェン−2−スルホン酸2−(2−メチルアミノアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;トリフルオロ酢酸との化合物;
チオフェン−2−スルホン酸2−(3−アミノプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;トリフルオロ酢酸との化合物;
チオフェン−2−スルホン酸2−(8−アミノオクタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;トリフルオロ酢酸との化合物;
チオフェン−2−スルホン酸2−(3−ジエチルアミノプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;トリフルオロ酢酸との化合物;
チオフェン−2−スルホン酸2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−[(アゼチジン−3−カルボニル)アミノ]ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(8−アミノオクタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−[(1−アミノシクロペンタンカルボニル)アミノ]ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(2−ピペリド−4−イルアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−アセチルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(2−メトキシアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(シクロペンタンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(6−アミノヘキサノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(7−アミノヘプタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−イソブチリルアミノ−ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−プロピルアミノ−ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−プロピオニルアミノ−ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(シクロブタン−カルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−フルオロベンゼンスルホン酸2−(3−ピリジン−3−イルプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(3−ピリジン−3−イルプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(3−ピリジン−3−イルプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(3−ピペリジン−4−イルプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−ブチリルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−ブチリルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステル;トリフルオロ酢酸との化合物;
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−イソブチリルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステル;トリフルオロ酢酸との化合物;
4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−ブチリルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−プロピオニルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステル;トリフルオロ酢酸との化合物;
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−アセチルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−アセチルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド;
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(2−メトキシアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(シクロペンタンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(シクロブタンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;トリフルオロ酢酸との化合物;
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
5−ピリジン−2−イルチオフェン−2−スルホン酸2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル;
4−(2−メチル−2−ホスホノオキシプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル。
【0029】
本発明の化合物を調製する方法の一つは、次のとおりスキームで表すことができる:
1.R=アルキル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールである式(I)の化合物は、合成スキーム1に従って調製できる。
【0030】
【化3】

【0031】
本発明の化合物は、5−メトキシベンゾチアゾール−2−イルアミン(市販化合物)から容易に調製できる。
【0032】
第1段階では、酸性溶媒中、好ましくは酢酸/臭化水素酸水溶液の混合物中で、出発物質を脱メトキシル化する。
【0033】
第2段階では、適切な溶媒中、HATU又はHBTUなどのカップリング剤及びジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンなどの塩基の存在下で、5−ヒドロキシベンゾチアゾール−2−イルアミン(2)及び式(3)の酸(一般式(I)で定義されるR)間の反応により5−ヒドロキシベンゾチアゾール−2−イルアミド(4)が得られる。使用可能な溶媒としては、ジメチルホルムアミド及びジクロロメタンを挙げることができる。この反応を実行するために選択される温度は、室温から還流点の間である。
【0034】
第3段階では、不活性溶媒(アセトン、THF、ジクロロメタン又はトルエン)中で、トリエチルアミン又はピリジンなどの塩基の存在下で、5−ヒドロキシベンゾチアゾール−2−イルアミド(4)及び式(5)の塩化スルホニル(式(I)で定義されるX及びAr)間の反応により、式のスルホンエステル(6)を得る。
【0035】
XArが4−フルオロフェニルに対応する場合、N−メチルピロリドン又はジメチルホルムアミドなどの非プロトン性溶媒中、90〜130℃の温度で、密閉管中又はマイクロ波によって、式(7)のアミン(R1R2は、一般式(I)で定義されているとおりである。)によるFの求核置換を実行して、式(8)の誘導体を得る。
【0036】
2.R=アルコキシ、シクロアルコキシ又はヘテロシクロアルコキシである本発明の化合物は、合成スキーム2に従って調製できる。
【0037】
【化4】

【0038】
本発明の化合物は、5−メトキシベンゾチアゾール−2−イルアミン(市販化合物)から容易に調製できる。
【0039】
第1段階では、酸性媒体中、好ましくは酢酸/臭化水素酸水溶液の混合物中で、出発物質を脱メトキシル化する。
【0040】
第2段階では、不活性溶媒(アセトン、THF、ジクロロメタン又はトルエン)中で、トリエチルアミン又はピリジンなどの塩基の存在下で、5−ヒドロキシベンゾチアゾール−2−イルアミン(2)及び式(3)の塩化スルホニル(X及びArは、一般式(I)で定義されているとおりである。)間の反応により、式(4)のスルホンエステルを得る。
【0041】
XArが4−フルオロフェニルに対応する場合、式の誘導体(7)を得るために、N−メチルピロリドン又はジメチルホルムアミドなどの非プロトン性溶媒中、90〜130℃の温度で、密閉管中又はマイクロ波によって、式(6)のアミン(R1R2は、一般式(I)で定義されているとおりである。)によるFの求核置換を実行する。
【0042】
適切な溶媒中、ピリジン、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基又は炭酸カリウムなどの無機塩基の存在下での、式(4)及び(7)のアミン並びに式(5)のクロロホルマート(R3は、一般式(I)で定義されているとおりである。)間の反応によってカルバマート(8)を得る。使用可能な溶媒には、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン及びジオキサンを挙げることができる。この反応を実行するために選択される温度は、0℃〜還流点の間である。
【0043】
3.R=アルキルアミノ、シクロアルキルアミノ又はヘテロシクロアミノである本発明の化合物は、合成スキーム3に従って調製できる。
【0044】
【化5】

【0045】
N−メチルピロリドン又はジメチルホルムアミドなどの非プロトン性溶媒中、90℃〜130℃で、密閉管中で又はマイクロ波により、式(8)のカルバマート(好ましくは、R3=Me)及び式(9)のアミン(R4及びR5は、一般式(I)で定義されているとおりである。)間の反応によって、式(10)の尿素を得ることができる。
【0046】
本発明に記載の化合物は、ヒト治療において、特に癌治療において、とりわけAurora−2阻害剤及びCdk2阻害剤に対して感受性である癌の治療において使用できる。
【実施例】
【0047】
以下の実施例の補助を得ながら、本発明をさらに完全に説明するが、以下の実施例は、本発明を限定するものと考えるべきではない。
【0048】
脱離化学イオン化(反応ガス:アンモニア、Finnigan SSQ7000装置)により、DCIスペクトルを得た。
【0049】
Platform II(Micromass)装置を使用して、電子スプレー(ES)スペクトルを得た。
【0050】
LC/MS分析
LC/MS分析方法(方法A1)
LC/MS分析は、HP1100装置に接続したMicromass LCTモデル装置上で実行した。200−600nmの波長範囲におけるHP G1315Aダイオードアレイ検出器及びSedex 65光拡散検出器を使用して、生成物の存在量を測定した。質量スペクトルは、180〜800の範囲で得た。Micromass MassLynxソフトウェアを使用してこのデータを分析した。3.5分間にわたり、1ml/分の流速で、トリフルオロ酢酸(TFA)0.05%(v/v)を含有する水中のTFA0.05%(v/v)を含有する5%〜90%アセトニトリルの直線勾配で溶出し、Hypersil BDS C18カラム、3μm(50×4.6mm)上にて、分離を行なった。カラム再平衡化時間を含む合計分析時間は、7分である。
【0051】
LC/MS分析方法(方法A2)
Micromass Platformモデル装置上で、LC/MS分析を実行した。200−400nmの波長範囲におけるHP G1315Aダイオードアレイ検出器及びSedex65光拡散検出器を使用し、生成物の存在量を測定した。質量スペクトルは、50〜1500の範囲で得た。Micromass MassLynxソフトウェアを使用して、このデータを分析した。9分間にわたり、0.7ml/分の流速で、ギ酸0.1%(v/v)を含有する水中の直線勾配5%〜95%アセトニトリルで溶出し、Xterral3.5μm(50×2.1mm)カラム上にて、分離を行なった。カラム再平衡化時間を含む合計分析時間は、9分である。
【0052】
分取LC/MS精製(方法B):
Watersモデル600勾配ポンプ、Watersモデル515再生ポンプ、Waters Reagent Manager希釈ポンプ、Watersモデル2700自動注入装置、Rheodyne LabProモデルバルブを2つ、Watersモデル996ダイオードアレイ検出器、WatersモデルZMD質量分析計及びGilsonモデル204フラクションコレクタからなるWaters FractionLynxシステムを使用するLC/MSにより、生成物を精製した。このシステムは、Waters FractionLynxソフトウェアで調節した。分離は、2つのWaters Symmetryカラム(C18、5μM、19×50mm、カタログ参照186000210)上で交互に行った。トリフルオロ酢酸0.07%(v/v)を含有する95/5(v/v)の水/アセトニトリルの混合物で1つのカラムの再生を行ないながら、別のカラムで分離を行なった。トリフルオロ酢酸0.07%(v/v)を含有する水中のトリフルオロ酢酸0.07%(v/v)を含有する直線勾配5%〜95%アセトニトリルを使用し、10ml/分の流速にて、これらのカラムを溶出した。分離カラムの出口で、1000分の1の流出液を、LC Packing Accurateにより分離し、メチルアルコールで希釈して、0.5ml/分の流速にて検出器へ送るが、75%の流出液をダイオードアレイ検出器へ、残りの25%を質量分析計へ送る。流出液の残り(999/1000)は、フラクションコレクターへ送られ、ここでは、FractionLynxソフトウェアによって予測される生成物の質量が検出されない限り、フローは廃棄される。検出された質量シグナルが、イオン[M+H]及び/又は[M+Na]に対応する場合には、目的生成物の分子式がFractionLynxソフトウェアへ供給され、これによって、生成物の収集が開始される。場合によっては、分析LC/MSの結果に応じて、[M+2H]++に対応する強度のイオンが検出される場合、算出された分子量の半分(MW/2)に対応する値もFractionLynxソフトウェアに供給される。これらの状況下では、イオン[M+2H]++及び/又は[M+Na+H]++の質量シグナルが検出される際にも収集が開始される。生成物は、風袋計量ガラス管中に収集した。収集後、Savant AES2000又はGenevac HT8遠心エバポレータ中で、この溶媒を蒸発し、溶媒蒸発後のガラス管を秤量することにより、生成物の質量を決定した。
【0053】
フラッシュクロマトグラフィーによる精製:
0.5バールのアルゴン圧力下にて、粒径15−35μmのシリカ上のクロマトグラフィーにより、粗生成物を精製する。目的生成物に対応する画分を混合し、ロータリーエバポレータ上で、減圧下にて濃縮する。
【0054】
本発明を限定することのない以下実施例を用いて、本発明を更に完全に説明する。
【0055】
中間体1:2−アミノベンゾチアゾール−6−オールの調製
【0056】
【化6】

【0057】
酢酸65ml中の2−アミノ−6−エトキシベンゾチアゾール(5g、25.74mmol)及び水中の48%臭化水素酸(130ml、1.141mol)の溶液を、10本の20mlマイクロ波管に分配し、次いで200秒間150℃で、マイクロ波により加熱する。この反応媒体を濃縮する。水200ml中に残留物を採取し、飽和NaHCO溶液75mlを添加することによりpHを8に塩基性化して、酢酸エチルで抽出し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮乾燥させて、2−アミノベンゾチアゾール−6−オール(灰色の粉末)3.4gを得る。
【0058】
LC/MS(方法A1):[M+H]+=167.00、保持時間:1.07分。
【0059】
中間体2:4−(6−ヒドロキシベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
【0060】
【化7】

【0061】
DMF3ml中のピペリジン−1,4−ジカルボン酸モノ−tert−ブチルエステル(276mg、1.203mmol)、HATU(549mg、1.444mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(187mg、1.44mmol)の溶液を、室温で15分間撹拌する。DMF3ml中で溶解した2−アミノベンゾチアゾール−6−オール(中間体1)(200mg、1.203mmol)を、一度に添加する。この反応媒体を、室温で2時間撹拌し、水中のNaCOの10%溶液20ml中へ注ぎ、酢酸エチルで抽出する。この粗反応生成物を、カラムクロマトグラフィー(溶出剤:EtOAc/ヘプタン(1/1))により精製し、4−(6−ヒドロキシベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(白い固体)401mgを得る。
【0062】
LC/MS(方法A2):[M+H]+=378.0、保持時間3.9分。
【0063】
(中間体3)
4−[6−(4−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
【0064】
【化8】

【0065】
アセトン10ml中の4−(6−ヒドロキシベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(中間体2)(454mg、1.20mmol)、4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(234mg、1.20mmol)及びトリエチルアミン(320μl)の溶液を、室温で1時間撹拌する。塩酸トリエチルアミンをろ過し、このろ過物を蒸発する。カラムクロマトグラフィー(溶出剤:EtOAc/ヘプタン(7/3))によって、粗反応生成物を精製し、4−フルオロベンゼンスルホン2−[(ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]−ベンゾチアゾール−6−イルエステル(白い固体)400mgを得る。
【0066】
LC/MS(方法A2):[M+H]+=535.9、保持時間4.9分。
【0067】
中間体4:4−フルオロベンゼンスルホン2−[(ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]ベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0068】
【化9】

【0069】
ジクロロメタン(4.5ml)中の4−[6−(4−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(中間体3)(100mg、0.187mmol)及びTFA(0.5ml)の溶液を、室温で1時間撹拌する。この反応媒体を蒸発乾固する。最低量の水中に残留物を採取し、10%NaCO水溶液を添加することによって中和し、酢酸エチルで抽出して、4−フルオロベンゼンスルホン2−[(ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]ベンゾチアゾール−6−イルエステル(白い固体)55mgを得る。
【0070】
LC/MS(方法A2):[M+H]+=435.9、保持時間3.0分。
【0071】
(実施例5)
4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−[(ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]ベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0072】
【化10】

【0073】
NMP0.5ml中の4−フルオロベンゼンスルホン2−[(ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]ベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体4)(50mg、0.114mmol)及び4−(4−ピリド−3−イル−イミダゾール−1−イル)ブチルアミン(40.93mg、0.459mmol)の溶液を、130℃で5分間、マイクロ波により加熱する。この粗反応生成物を、分取LC/MS(塩基媒体(pH9))により精製し、凍結乾燥の4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン2−(シクロ−プロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル(淡黄色の固体)21mgを得る。
【0074】
LC/MS(方法A2):[M+H]+=505.2、保持時間2.70分。
【0075】
(中間体6)
シクロプロパンカルボン酸(6−ヒドロキシベンゾチアゾール−2−イル)アミドの調製
【0076】
【化11】

【0077】
磁気棒を備えた100mlの丸底フラスコ内の、ジメチルホルムアミド40ml中の2−アミノベンゾチアゾール−6−オール(中間体1)(850mg、4.6mmol)、シクロプロパンカルボン酸(1.564g、18.1mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.6ml、24.4mmol)及びHBTU(4.1g、5.53mmol)の溶液を、室温で16時間撹拌する。水150mlをこの反応媒体に添加し、この混合物を酢酸エチルで抽出して、抽出物を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮乾燥させる。取得した残留物を酢酸エチルで洗浄し、シクロプロパンカルボン酸2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル893mgを得る。LC/MS:[M+H]+=303.18、保持時間=3.53分。メタノール50ml及び水5ml中の水酸化リチウム一水和物(200mg、4.768mmol)の溶液を、この生成物に添加する。反応媒体を、撹拌しながら1時間還流する。前記反応媒体を濃縮し、2N塩酸溶液でpH1に酸性化し、水100mlで希釈して、酢酸エチルで抽出する。有機相を水で洗浄し、次いで飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄して、蒸発乾固し、シクロプロパンカルボン酸(6−ヒドロキシベンゾチアゾール−2−イル)アミド(ベージュ色の粉末)500mgを、収率72%にて得る。
【0078】
NMR:1H NMRスペクトル(400MHz)−δ(ppm)−DMSO−d6中:0.90〜1.00(未分割複合体,4H);1.98(未分割複合体,1H);6.88(dd,J=8.5及び3.0Hz,1H);7.27(d,J=3.0Hz,1H);7.54(d,J=8.5Hz,1H);9.51(ブロード s,1H);12.4(ブロード s,1H)
【0079】
(実施例7)
4−フルオロベンゼンスルホン酸2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製。
【0080】
【化12】

【0081】
磁気棒を備えた100mlの丸底フラスコ内の、アセトン43ml中のシクロプロパンカルボン酸(6−ヒドロキシベンゾチアゾール−2−イル)アミド(中間体6)(1.81g、7.72mmol)、4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(1.5g、7.72mmol)及びトリエチルアミン(2.14ml、15.45mmol)の溶液を、室温で1時間撹拌する。取得した沈殿物をろ過し、このろ過物を蒸発する。この残留物をアセトン及びエチルエーテルで洗浄し、66%の収率にて、4−フルオロベンゼンスルホン酸2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−イルエステル(オフホワイトの粉末)1.92gを、収率66%にて得る。
【0082】
質量:IE:m/z392[M],m/z324:[M]−COC,m/z233:[M]−SOPhF,m/z165:324−SOPhF,m/z69(基準ピーク):[COC
【0083】
1H NMRスペクトル(300MHz)−δ(ppm)−DMSO−d6中:0.92〜1.03(未分割複合体,4H);2.02(未分割複合体,1H);7.04(dd,J=8.5及び2.5Hz,1H);7.54(未分割複合体,2H);7.70(d,J=8.5Hz,1H);7.80(d,J=2.5Hz,1H);7.97(未分割複合体,2H);12.75(ブロード s,1H)。
【0084】
(実施例8)
4−シクロペンチルアミノベンゼンスルホン2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0085】
【化13】

【0086】
NMP0.5ml中の4−フルオロベンゼンスルホン2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル(実施例7)(50mg、127.4μmol)及びシクロペンチルアミン(51μl、0.51mmol)の溶液を、マイクロ波により、150℃で5分間加熱する。この粗反応生成物を分取LC/MS(塩基媒体(pH9))により精製し、凍結乾燥後、4−シクロペンチルアミノベンゼンスルホン2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル(白い固体)38mgを得る。
【0087】
LC/MS(方法A2):[M+H]+=458.0、保持時間:4.39分。
【0088】
(実施例9)
4−(3−イミダゾール−1−イルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0089】
【化14】

【0090】
NMP2ml中の4−フルオロベンゼンスルホン2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル(実施例7)(100mg、0.255mmol)及び3−イミダゾール−1−イル−プロピルミン(123μl、1.019mmol)の溶液を、マイクロ波により、150℃で5分間加熱する。この粗反応生成物を分取LC/MS(塩基媒体(pH9))で精製し、凍結乾燥後、4−(3−イミダゾール−1−イルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル(白い固体)63mgを得る。
【0091】
LC/MS(方法A2):[M+H]+=
【0092】
(実施例10)
4−メチルアミノベンゼンスルホン2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0093】
【化15】

【0094】
NMP300μl中の4−フルオロベンゼンスルホン2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル(実施例7)(25mg、63.71μmol)及びメチルアミン(MeOH中2N、200μl)の溶液を、マイクロ波により、150℃で3分間加熱する。この粗反応生成物を分取LC/MS(塩基媒体(pH9))により精製し、凍結乾燥後、4−メチルアミノベンゼンスルホン2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル(ベージュ色の固体)6.7mgを得る。
【0095】
LC/MS(方法A2):[M+H]+=404.1、保持時間3.83分。
【0096】
(実施例11)
4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0097】
【化16】

【0098】
NMP2ml中の4−フルオロベンゼンスルホン2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル(実施例7)(100mg、255μmol)及び1−アミノ−2−メチル−プロパン−2−オール(91mg、1.02mmol)の溶液を、マイクロ波により、150℃で5分間加熱する。この粗反応生成物を分取LC/MS(塩基媒体(pH9))により精製し、凍結乾燥後、4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル(ベージュ色の固体)61mgを得る。
【0099】
LC/MS(方法A2):[M+H]+=462.1、保持時間3.83分。
【0100】
(実施例12)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0101】
【化17】

【0102】
NMP2ml中の4−フルオロベンゼンスルホン2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル(実施例7)(100mg、255μmol)及びN,N−ジイソプロピルエタン−1,2−ジアミン(147mg、1.02mmol)の溶液を、マイクロ波により、110℃で10分間加熱する。この粗反応生成物を分取LC/MS(塩基媒体(pH9))により精製し、凍結乾燥後、4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル(ベージュ色の固体)66mgを得る。
【0103】
LC/MS(方法A2):[M+H]+=517.1、保持時間2.93分。
【0104】
(実施例13)
4−[4−(4−ピリド−3−イルイミダゾール−1−イル)ブチルアミノ]−ベンゼンスルホン2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0105】
【化18】

【0106】
NMP0.5ml中の4−フルオロベンゼンスルホン2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル(実施例7)(50mg、127.4μmol)及び4−(4−ピリド−3−イルイミダゾール−1−イル)ブチルアミン(110.2mg、0.51mmol)の溶液を、マイクロ波により、150℃で8分間加熱する。この粗反応生成物を分取LC/MS(塩基媒体(pH9))により精製し、凍結乾燥後、4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル(ベージュ色の固体)36mgを得る。
【0107】
LC/MS(方法A2):[M+H]+=589.0、保持時間3.14分。
【0108】
中間体14:(6−ヒドロキシベンゾチアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチルエステルの調製
【0109】
【化19】

【0110】
磁気棒を備えた100mlの丸底フラスコ内の、ジクロロメタン50ml中の2−アミノベンゾチアゾール−6−オール(中間体1)(1.91g、11.49mmol)、ジ−tert−ブチルジカルボナート(7.52g、34.47mmol)、トリエチルアミン(4.9ml、34.47mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(168mg、1.38mmol)の溶液を、室温で一晩撹拌する。この反応媒体を蒸発乾固し、取得した残留物を、ジクロロメタン及び酢酸エチルで洗浄し、炭酸2−tert−ブトキシカルボニルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステルtert−ブチルエステル4.2gを、定量収率で得る。
【0111】
LC/MS:[M+H]+:311.16、保持時間5.27分。
【0112】
メタノール110ml中の水酸化ナトリウム(920mg、22.8mmol)の溶液を、この生成物に添加する。反応媒体を、超音波処理により、室温で2時間撹拌し、次いで2N塩酸溶液でpH4に酸性化する。
【0113】
この反応媒体を蒸発乾固し、取得した残留物をジクロロメタン及び酢酸エチルで洗浄し、(6−ヒドロキシベンゾチアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(ベージュ色の粉末)2.35gを、収率77%で得る。
【0114】
質量:IE:m/z266[M],m/z166(基準ピーク):[M]−COtBu
IR:KBr
3422;3263;3091;2981;1725;1608;1562;1468;1278;1245;1154;1049;862及び852cm−1
1H NMRスペクトル(300MHz)−δ(ppm)−DMSO−d6中:
1.52(s,9H);6.85(dd,J=9.0及び3.0Hz,1H);7.24(d,J=3.0Hz,1H);7.49(d,J=9.0Hz,1H);9.44(ブロード未分割複合体,1H);11.5(ブロード未分割複合体,1H)。
【0115】
中間体15:4−フルオロベンゼンスルホン酸2−tert−ブトキシカルボニルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0116】
【化20】

【0117】
磁気棒を備えた100mlの丸底フラスコ内の、アセトン65ml中の(6−ヒドロキシベンゾチアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(中間体14)(3.61g、13.08mmol)、4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(2.56g、13.08mmol)及びトリエチルアミン(3.63ml、26.16mmol)の溶液を、室温で一晩撹拌する。取得した沈殿物をろ過し、このろ過物を蒸発乾固する。この乾燥残留物を酢酸エチルで洗浄し、4−フルオロベンゼンスルホン酸2−tert−ブトキシカルボニルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(白い粉末)5.02gを、収率62%で得る。
【0118】
1H NMRスペクトル(400MHz)−δ(ppm)−DMSO−d6中:
1.53(s,9H);7.02(dd,J=9.0及び2.5Hz,1H);7.55(t,J=9.0Hz,2H);7.65(d,J=9.0Hz,1H);7.78(d,J=2.5Hz,1H);7.98(dd,J=5.0及び9.0Hz,2H);11.9(ブロード s,1H)。
【0119】
中間体16:4−フルオロベンゼンスルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0120】
【化21】

【0121】
磁気棒を備えた100mlの丸底フラスコ内の、4−フルオロベンゼンスルホン酸2−tert−ブトキシカルボニルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体15)(1.7g、3.60mmol)、ジクロロメタン10ml中のトリフルオロ酢酸10ml(130mmol)及び水1mlの溶液を、室温で2時間撹拌する。この反応媒体を蒸発乾固し、取得した残留物を酢酸エチルで洗浄し、4−フルオロベンゼンスルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステル1.31gを、トリフルオロ酢酸塩(白い粉末)の形態で、収率83%にて得る。
LC/MS(方法1):[M+H]+:325.13、保持時間3.12分。
【0122】
中間体17:4−{[6−(4−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル]メチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
【0123】
【化22】

【0124】
磁気棒を備えた試験管内の、ジメチルホルムアミド12ml中の、4−フルオロベンゼンスルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体16)(580mg、1.32mmol)、4−カルボキシメチルピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(640mg、2.63mmol)、HBTU(1.1g、2.9mmol)及びN,N−ジイソプロピルアミン(1.2ml、6.89mmol)の溶液を、室温で3日間撹拌する。水200mlをこの反応媒体に添加し、この混合物を酢酸エチルで抽出する。次いで有機相を水で洗浄し、飽和塩化ナトリウムでも洗浄して、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発する。取得した残留物を酢酸エチル中で取り出し、シクロヘキサン中の勾配5%〜30%酢酸エチルで、空隙率15−35μのシリカ50gを含有するVarianフラッシュカートリッジ上にて、100分間にわたり精製する。溶媒を蒸発した後、4−{[6−(4−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル]メチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル700mgを、収率96%で得る。
【0125】
LC/MS(方法A1):[M+H]+:550.11、保持時間4.14分。
【0126】
(実施例18)
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(2−ピペリド−4−イルアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリドの調製
【0127】
【化23】

【0128】
第1段階
磁気棒を備えた試験管内の、ジメチルスルホキシド3ml中の、4−{[6−(4−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル]メチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(中間体17)(174mg、0.318mmol)、N−イソプロピルエチレンジアミン(97mg、0.954mmol)及び炭酸セシウム(103mg、0.318mmol)の溶液を、90℃で一晩撹拌する。水100mlを、この反応媒体に添加し、この混合物を酢酸エチルで抽出する。次いで有機相を水で洗浄し、飽和塩化ナトリウム溶液でも洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発し、4−({6−[4−(3−イミダゾール−1−イルプロピルアミノ)−ベンゼンスルホニルオキシ]ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル}メチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(白い粉末)103mgを、収率50%で得る。
【0129】
第2段階
ジオキサン中の4−({6−[4−(3−イミダゾール−1−イルプロピルアミノ)−ベンゼンスルホニルオキシ]ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル}メチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル103mg、ジオキサン2ml及び4N塩酸2mlの溶液を、室温で3時間撹拌する。取得した沈殿物をろ過し、ジオキサン及び酢酸エチルで洗浄し、4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(2−ピペリド−4−イルアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド(白い粉末)110mgを、収率88%で得る。
【0130】
質量:LCMS:m/z532[M+H]m/z407(基準ピーク):[M+H]−C10NCHCO
IR:KBr
3432;2960;2793;2464;2598;1560;1470;1364;1162;1120;1093;915;853及び753cm−1
1H NMRスペクトル(400MHz)−δ(ppm)−DMSO−d6中:
1.28(d,J=7.0Hz,6H);1.48(m,2H);1.83(ブロード d,J=12.5Hz,2H);2.12(未分割複合体,1H);2.52(遮蔽,2H);2.92(m,2H);3.10(未分割複合体,2H);3.28(ブロード d,J=12.5Hz,2H);3.36(mt,J=7.0Hz,1H);3.50(t,J=6.0Hz,2H);6.78(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.03(dd,J=8.5及び2.5Hz,1H);7.30(ブロード未分割複合体,1H);7.56(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.71(d,J=8.5Hz,1H);7.78(d,J=2.5Hz,1H);8.58(ブロード未分割複合体,1H);8.81(ブロード未分割複合体,1H);9.00(ブロード未分割複合体,2H);12.5(ブロード s,1H)。
【0131】
(実施例19)
実施例18と同様の方法を使用し、前駆体としての4−{[6−(4−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル]メチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(中間体17)を様々なアミンとともに用いて、次の実施例を調製する。次の実施例において、ジクロロメタン中の勾配5%〜10%メタノールで、流速10ml/分にて、Interchimシリカ(15−35μ)5gのフラッシュカートリッジ上で、第1段階後に取得した化合物を精製する。これらの実施例を次の表中に示す:
【0132】
【表1】



【0133】
中間体20:4−フルオロベンゼンスルホン酸2−(8−tert−ブトキシカルボニルアミノオクタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0134】
【化24】

中間体17の方法に従って、4−フルオロベンゼンスルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体16)をBoc−8−アミノカプリル酸と混合することにより、4−フルオロベンゼンスルホン酸2−(8−tert−ブトキシカルボニクアミノオクタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルを調製する。
【0135】
LC/MS(方法A1):[M+H]+:566.01、保持時間:4.21分。
【0136】
(実施例21)
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(8−アミノオクタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリドの調製
【0137】
【化25】

【0138】
実施例18の方法に従って、4−フルオロベンゼンスルホン酸2−(8−tert−ブトキシカルボニルアミノオクタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体20)を、N−イソプロピルエチレンジアミンと混合することにより、4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)−ベンゼンスルホン酸2−(8−アミノオクタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリドを調製する。ジクロロメタン中の勾配4%〜15%メタノールを伴うシリカ上で、第1段階で取得した化合物の(4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(8−tert−ブトキシカルボニルアミノオクタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルを精製する。
【0139】
質量:EI:m/z406:[M]−C16O,m/z335:[M]−C10N,m/z72C10N(基準ピーク)。
【0140】
CI:m/z548[M+H](基準ピーク),m/z407:[M+H]−C16NO
IR:KBr
3426;2923;2448;1717;1597;1563;1472;1371;1165;1092;911;857;755;574及び548cm−1
1H NMRスペクトル(400MHz)−δ(ppm)−DMSO−d6中:
1.30(t,J=7.0Hz,6H);1.33(未分割複合体,6H);1.58(未分割複合体,2H);1.67(未分割複合体,2H);2.52(遮蔽,2H);2.79(未分割複合体,2H);3.01(未分割複合体,2H);3.36(mt,J=7.0Hz,1H);3.48(未分割複合体,2H);6.78(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.02(dd,J=8.5及び2.5Hz,1H);7.30(未分割複合体,1H);7.56(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.70(d,J=8.5Hz,1H);7.77(d,J=2.5Hz,1H);7.82(ブロード未分割複合体,3H);9.00(ブロード未分割複合体,2H);12.45(ブロード s,1H)。
【0141】
(実施例22)
実施例21と同様の方法を使用し、前駆体としての4−フルオロベンゼンスルホン酸2−(8−tert−ブトキシカルボニルアミノオクタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体20)を様々なアミンとともに使用し、次の実施例を調製する。これらの実施例を次の表中に示す:
【0142】
【表2】



【0143】
中間体23:4−{2−[6−(4−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル]エチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
【0144】
【化26】

【0145】
中間体17の方法に従って、4−フルオロベンゼンスルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体16)を、N−Boc−4−ピペリジンプロピオン酸と混合することにより、4−{2−[6−(4−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル]エチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを調製する。LC/MS(方法A1):[M+H]+:564.16、保持時間:4.24分。
【0146】
(実施例24)
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(3−ピペリド−4−イルプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド
【0147】
【化27】

【0148】
実施例18の方法に従って、4−{2−[6−(4−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)−ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル]エチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(中間体23)を、N,N−ジイソプロピルアミンと混合することにより、4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)−ベンゼンスルホン酸2−(3−ピペリド−4−イルプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリドを調製する。ジクロロメタン中の勾配1%〜10%メタノールを用い、空隙率15−35μのシリカ5gのフラッシュカートリッジ上で、第1段階で取得した化合物の(4−(2−{6−[4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホニルオキシ]−ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル}エチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル)を精製する。
【0149】
質量:LCMS:m/z546[M+H],m/z407:[M+H]−C10NCCO,m/z274:[M+2H]2+m/z294(基準ピーク)。
【0150】
1H NMRスペクトル(300MHz)−δ(ppm)−DMSO−d6中:
1.25(d,J=7.0Hz,6H);1.32(m,2H);1.45〜1.65(未分割複合体,3H);1.81(ブロード d,J=12.5Hz,2H);2.52(遮蔽,2H);2.82(m,2H);3.07(未分割複合体,2H);3.25(ブロード d,J=12.5Hz,2H);3.35(遮蔽,1H);3.45(未分割複合体,2H);6.73(ブロード d,J=9.0Hz,2H);6.99(dd,J=8.5及び2.5Hz,1H);7.20(ブロード未分割複合体,1H);7.52(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.67(d,J=8.5Hz,1H);7.73(d,J=2.5Hz,1H);8.40(ブロード未分割複合体,1H);8.65(ブロード未分割複合体,1H);8.87(ブロード未分割複合体,2H);12.4(ブロード s,1H)。
【0151】
(実施例25)
実施例24と同様の方法を使用し、様々なアミンと共に、前駆体としての4−{2−[6−(4−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル]エチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを使用し、次の実施例を調製する。これらの実施例を、次の表中で示す。
【0152】
【表3】



【0153】
中間体26:4−イソブチルアミノベンゼンスルホン酸2−tert−ブトキシカルボニルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0154】
【化28】

【0155】
DMSO12ml中の4−フルオロベンゼンスルホン酸2−tert−ブトキシカルボニルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体15)(1g、2.32mmol)、イソブチルアミン(517mg、7.07mmol)及び炭酸セシウム(845mg、2.59mmol)の溶液を、80℃で一晩撹拌する。水60mlを、この反応媒体に添加する。この混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を水及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、次いで蒸発乾固する。この残留物を酢酸エチルで洗浄し、4−イソブチルアミノベンゼンスルホン酸2−tert−ブトキシカルボニルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(ベージュ色の固体)880mgを、収率80%で得る。
【0156】
LC/MS(方法A1):[M+H]+:478.01、保持時間4.31分。
【0157】
中間体27:4−イソブチルアミノベンゼンスルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0158】
【化29】

【0159】
ジクロロメタン6ml及び水600μl中の4−イソブチルアミノベンゼンスルホン酸2−tert−ブトキシカルボニルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体26)(880mg、1.93mmol)及びトリフルオロ酢酸(5.7ml、74mmol)の溶液を、室温で一晩撹拌する。
【0160】
この反応媒体を濃縮乾燥させ、残留物をエチルエーテルで洗浄して、4−イソブチルアミノベンゼンスルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステル700mgを、トリフルオロ酢酸塩(白い固体)の形態で、収率52%にて得る。
【0161】
LC/MS(方法A1):[M+H]+:378.05、保持時間:3.60分。
【0162】
(実施例28)
4−イソブチルアミノベンゼンスルホン酸2−(2−ピペリド−4−イルアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリドの調製
【0163】
【化30】

【0164】
第1段階:
ジメチルホルムアミド4ml中の4−イソブチルアミノベンゼンスルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体27)(300mg、0.495mmol)、4−カルボキシメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(361mg、1.485mmol)、HBTU(563mg、1.485mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(432μl、2.475mmol)の溶液を、室温で一晩撹拌する。酢酸エチルで抽出した反応媒体へ水を添加する。有機相を水、次いで飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮乾燥させる。20ml/分の流速で、水/アセトニトリルの95/5の混合物で5分間、水中の5%〜40%のグラジエントで5分間、水中の40%〜80%のアセトニトリルのグラジエントで30分間、水中の80%〜95%のアセトニトリルのグラジエントで5分間、次いで水/アセトニトリルが5/95の混合物で5分間、Dynamax C18、60Å、21×300mmカラム上のHPLCにより、取得した残留物を精製する。各溶媒は、トリフルオロ酢酸0.07%(v/v)を含有する。この画分を30秒ごとに収集し、流速1ml/分にて、10分間にわたり、水中の勾配0〜100%アセトニトリルを用い、Hypersil C18、4.6×50mmカラム上の分析HPLCによりモニターする。各溶媒は、トリフルオロ酢酸0.07%(v/v)を含有する。目的生成物を含有する画分を濃縮乾燥させ、4−{[6−(4−イソブチルアミノベンゼンスルホニルオキシ)ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル]メチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得る。
【0165】
第2段階:
ジオキサン中の4−{[6−(4−イソブチルアミノベンゼンスルホニルオキシ)ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル]メチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(110mg、182μmol)、ジオキサン(2ml)及び4N塩酸の溶液を、室温で2時間撹拌する。この反応媒体を濃縮乾燥させ、取得した残留物を酢酸エチルで洗浄し、4−イソブチルアミノベンゼンスルホン酸2−(2−ピペリド−4−イルアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルヒドロクロリド(白い粉末)183mgを、収率64%にて得る。
【0166】
質量:IE:m/z502[M],m/z377:[M]−C12NO,m/z212:[SOPhNHiBu]m/z165:[377−212],m/z126:[C12NO](基準ピーク)。
【0167】
1H NMRスペクトル(300MHz)−δ(ppm)−DMSO−d6中:
0.94(d,J=6.5Hz,6H);1.45(m,2H);1.77〜1.88(未分割複合体,3H);2.10(ブロード未分割複合体,1H);2.52(遮蔽,2H);2.83(m,2H);2.91(d,J=6.5Hz,2H);3.25(ブロード d,J=12.5Hz,2H);6.67(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.00(dl,J=9.0Hz,1H);7.15(非常にブロードの未分割複合体,1H);7.45(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.67(d,J=9.0Hz,1H);7.73(d,J=2.5Hz,1H);8.62(ブロード未分割複合体,1H);8.85(ブロード未分割複合体,1H);12.5(ブロード s,1H)。
【0168】
(実施例29)
実施例28と同様の方法を使用し、様々な酸と共に、前駆体としての4−イソブチルアミノベンゼンスルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体27)を用いて、次の実施例を調製する。これらの実施例を、次の表中に示す。
【0169】
【表4】


【0170】
中間体30:チオフェン−2−スルホン酸2−tert−ブトキシカルボニルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0171】
【化31】

【0172】
アセトン10ml中の(6−ヒドロキシベンゾチアゾール−2−イル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(中間体14)(527mg、1.979mmol)、2−チオフェンスルホニルクロリド(433mg、2.37mmol)及びトリエチルアミン(677μl、4.75mmol)の溶液を、室温で一晩撹拌する。この反応媒体を濃縮乾燥させる。取得した残留物を水、アセトン、次いでエチルエーテルで洗浄し、チオフェン−2−スルホン酸2−tert−ブトキシカルボニルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(薄灰色の粉末)621mgを、収率76%にて得る。
【0173】
LC/MS:[M+H]+=412.98、保持時間:3.99分。
【0174】
中間体31:チオフェン−2−スルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0175】
【化32】

【0176】
ジクロロメタン15ml及び水600μl中のチオフェン−2−スルホン酸2−tert−ブトキシカルボニルアミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体30)(1.5g、3.63mmol)及びトリフルオロ酢酸(15ml、196mmol)の溶液を、室温で2時間撹拌する。この反応媒体を濃縮乾燥させ、チオフェン−2−スルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステル900mgを、トリフルオロ酢酸塩(油)の形態で、収率76%にて得る。
【0177】
LC/MS(方法A1):[M+H]+:313、保持時間3.11分。
【0178】
(実施例32)
チオフェン−2−スルホン酸2−[(ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]ベンゾチアゾール−6−イルエステル、トリフルオロ酢酸との化合物の調製
【0179】
【化33】

【0180】
第1段階:
ジメチルホルムアミド4ml中のチオフェン−2−スルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体31)(80mg、0.256mmol)、Boc−イソニペコチン酸(176mg、0.768mmol)、HBTU(291mg、0.768mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(223μl、1.28mmol)の溶液を、室温で3日間撹拌する。酢酸エチルで抽出するこの反応媒体へ水30mlを添加する。有機相を水及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮乾燥させて、4−[6−チオフェン−2−スルホニルオキシ)ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを得る。
【0181】
LC/MS:[M+H]+:523.96、保持時間4.00分。
【0182】
第2段階:
ジクロロメタン1.5ml及び水100μl中の4−[6−チオフェン−2−スルホニルオキシ]ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル及びトリフルオロ酢酸(1.5ml)の溶液を、室温で一晩撹拌する。この反応媒体を濃縮乾燥させ、残留物をDMSO500μl中で取り出し、試料を分取LC/MS(方法B)により精製し、チオフェン−2−スルホン酸2−[(ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]ベンゾチアゾール−6−イルエステル、トリフルオロ酢酸との化合物3mgを得る。
【0183】
LC/MS:[M+H]+:423.97、保持時間:2.74分。
【0184】
(実施例33)
実施例32と同様の方法を使用し、様々な酸と共に前駆体としてのチオフェン−2−スルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体31)を用いて、次の実施例を調製する。これらの実施例を、次の表中で示し、LCMSを方法A1に従って実行する。
【0185】
【表5】


【0186】
(中間体34)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0187】
【化34】

【0188】
NMP5ml中の4−フルオロベンゼンスルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体16)(100mg、0.225mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチレンジアミン(395μl、2.25mmol)の溶液を、「EmrysTMOptimizer」装置を使用するマイクロ波により、150℃にて20分間加熱する。粗反応生成物を、酢酸エチル50ml中で取り出し、生じた溶液を、水50mlで5回洗浄する。沈殿による相の分離後、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で蒸発して、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステル100mgを得る。
【0189】
LC/MS(方法A1):[M+H]+=449.22、保持時間:2.36分。
【0190】
(中間体35)
3−{6−[4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)−ベンゼンスルホニルオキシ]ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
【0191】
【化35】

【0192】
アゼチジン−1,3−ジカルボン酸モノ−tert−ブチルエステル68mg、HBTU256mg及びDIEA235μlを、ジメチルホルムアミド5ml中の4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体34)(100mg、0.225mmol)の溶液ヘ添加する。取得した溶液を、室温で20時間撹拌する。水50mlを添加した後、この反応媒体を、酢酸エチル25mlで3回抽出する。この抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で蒸発して、粗油状物700mgを得る。シリカ20g上で、流速10ml/分にて、95/5のジクロロメタン/メタノールの混合物における溶出により、この油状物を精製し、3−{6−[4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)−ベンゼンスルホニルオキシ]ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル39mgを得る。
【0193】
LC/MS:[M+H]+:632.11、保持時間3.00分、方法A1。
【0194】
(中間体36)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(8−tert−ブトキシカルボニルアミノオクタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0195】
【化36】

【0196】
8−tert−ブトキシカルボニルアミノオクタン酸175mg、HBTU256mg及びDIEA235μlを、ジメチルホルムアミド5ml中の4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)−ベンゼンスルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体34)(100mg、0.255mmol)の溶液ヘ添加する。取得した溶液を、室温で20時間撹拌する。水50mlを添加した後、この反応混合物を、酢酸エチル25mlで3回抽出する。この抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で蒸発し、粗油状物338mgを得る。シリカ10g上で、流速10ml/分にて、95/5のジクロロメタン/メタノールの混合物における溶出により、この油状物を精製し、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(8−tert−ブトキシカルボニルアミノオクタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステル153mgを得る。
【0197】
LC/MS:[M+H]+:690.33、保持時間3.25分、方法A1。
【0198】
(中間体37)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−[(1−tert−ブトキシカルボニルアミノシクロペンタンカルボニル)アミノ]−ベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0199】
【化37】

【0200】
1−tert−ブトキシカルボニルアミノシクロペンタンカルボン酸155mg、HBTU256mg、DIEA235μlを、ジメチルホルムアミド5ml中の4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体34)(100mg、0.225mmol)の溶液ヘ添加する。取得した溶液を、室温で20時間撹拌する。水50mlを添加した後、この反応混合物を、酢酸エチル25mlで3回抽出する。この抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で蒸発し、粗油状物720mgを得る。シリカ10g上で、流速10ml/分にて、95/5のジクロロメタン/メタノールの混合物における溶出により、この油状物を精製し、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−[(1−tert−ブトキシカルボニルアミノシクロペンタンカルボニル)アミノ]−ベンゾチアゾール−6−イルエステル120mgを得る。
【0201】
LC/MS:[M+H]+:660.56、保持時間:3.11分、方法A1。
【0202】
(中間体38)
4−({6−[4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)−ベンゼンスルホニルオキシ]ベンゾチアゾール−2−カルバモイル}メチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの調製
【0203】
【化38】

【0204】
4−カルボキシメチルピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル164mg、HBTU256mg及びDIEA235μlを、ジメチルホルムアミド5ml中の4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−アミノベンゾチアゾール−6−イルエステル(中間体34)(100mg、0.225mmol)の溶液ヘ添加する。取得した溶液を、室温で20時間撹拌する。水50mlを添加した後、この反応混合物を、酢酸エチル25mlで3回抽出する。この抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で蒸発し、粗油状物380mgを得る。シリカ10g上で、流速10ml/分にて、95/5のジクロロメタン/メタノールの混合物における溶出により、この油状物を精製し、4−({6−[4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホニルオキシ]ベンゾチアゾール−2−カルバモイル}メチル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル90mgを得る。
【0205】
LC/MS:[M+H]+:674.57、保持時間:3.11分、方法A1。
【0206】
(実施例39)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−[(アセチジン−3−カルボニル)アミノ]ベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0207】
【化39】

【0208】
塩酸ジオキサン1.5mlを、ジオキサン1.5ml中の3−{6−[4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホニルオキシ]ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(中間体35)39mgの溶液ヘ添加する。生じた溶液を、室温で5時間撹拌し、次いで減圧下で蒸発して、油状物49mgを得LC/MSにより精製し、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−[(アゼチジン−3−カルボニル)アミノ]ベンゾチアゾール−6−イルエステル9.7mgを得る。
【0209】
MS:DCI:m/z=532[M+H]
ES+:m/z=532[M+H];m/z=266.8[M+2H]++
【0210】
(実施例40)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(8−アミノオクタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルエステルの調製
【0211】
【化40】

【0212】
塩酸ジオキサン3mlを、ジオキサン3ml中の3−{6−[4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホニルオキシ]ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル}アセチジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(中間体36)153mgの溶液へ添加する。生じた溶液を、室温で5時間撹拌し、次いで減圧下で蒸発して、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(8−アミノオクタノイルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−イルエステル152mgを得る。
【0213】
MS:DCI:m/z=590[M+H]
ES+:m/z=590[M+H];m/z=295.95[M+2H]++
1H NMRスペクトル(300MHz)−δ(ppm)−DMSO−d6中:
1.20〜1.38(未分離複合体,16H);1.42〜1.68(未分離複合体,6H);2.29(t、J=7.0Hz,2H);2.74(未分離複合体,4H);3.16(未分離複合体,2H);3.50〜3.80(未分離複合体,2H);6.71(ブロード d,J=9.0Hz,2H);6.96(ブロード d,J=9.0Hz,1H);7.33(ブロード t,J=6.0Hz,1H);7.51(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.64(d,J=9.0Hz,1H);7.68(ブロード s,1H);7.85(ブロード未分離複合体,3H);9.98(未分離複合体,1H);12.4(ブロード s,1H)。
【0214】
(実施例41)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−[(1−アミノシクロペンタンカルボニル)アミノ]ベンゾチオゾール−6−イル エステルの調製
【0215】
【化41】

【0216】
ジオキサン3ml中の4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−[(1−tert−ブトシキカルボニル−アミノシクロペンタンカルボニル)アミノ]ベンゾチオゾール−6−イル エステル(中間体37))120mgの溶液に,塩酸ジオキサン3mlを、加える。得られた溶液を常温で5時間攪拌し、減圧下で蒸発させ、油90mgを得る。これを、LC/MSにより精製して、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−[(1−アミノシクロペンタンカルボニル)アミノ]ベンゾチオゾール−6−イル エステル32mgを得る。
【0217】
1H NMRスペクトル(300MHz)δ:ppm、DMSO−d中に、 AcOD1滴添加):
1.26 (d,J=6.5 Hz, 12H);1.85 ないし 2.02(未分離複合体, 6H); 2.35(未分離複合体, 2H); 3.19(t,J=7.0Hz,2H );3.50(t,J=7.0Hz,2H);3.68(mt,J=6.5Hz,2H);6.72(ブロード d,J=9.0Hz,2H);6.98(dd,J=8.5及び2.5Hz,1H);7.55(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.76(d,J=8.5Hz,1H);7.85(d,J=2.5Hz,1H)。
【0218】
(実施例42)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(2−ピペリド−4−イルアセチルアミノ)ベンンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0219】
【化42】

【0220】
ジオキサン3ml中の4−({6−[4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホニルオキシ]ベンゾチアゾール−2−カルバモイル}−メチル)ピペリジン−1カルボン酸tert−ブチルエステル(中間体38)90mgの溶液に,塩酸ジオキサン3mlを加える。得られる溶液を常温で5時間攪拌し、次いで、減圧下で蒸発させ、油90mgを得る。これを、LC/MSにより精製して、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸2−(2−ピペリド−4−イルアセチルアミノ)ベンンゾチアゾール−6−イル エステル101mgを得る。
【0221】
LC/MS:[M+H];574.23、保持時間:2.24分、方法A1
MS: DCl:m/z=574[MH
ES:m/z=574[MH];m/z=287.9[(M+2H)/2]
1H NMRスペクトル(400MHz)δ:ppm、DMSO‐d中にAcOD1滴添加、383K(110℃):
1.33(d、J=7.0Hz,12H);1.42ないし1.58(未分離複合体,2H);1.85ないし1.95(未分離複合体,2H);2.15(未分離複合体、1H);2.31(d,J=7.0Hz,2H);2.87ないし2.97(未分離複合体,2H);3.22(t,j=6.5Hz,2H);3.24ないし3.32(未分離複合体,2H);3.58(t,J=6.5Hz,2H);3.65ないし3.75(未分離複合体,2H);6.75(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.08(dd,j=8.5及び2.5Hz,1H);7.58(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.62(d,J=2.5Hz,1H);7.65(d,J=8.5Hz,1H)。
【0222】
(実施例43)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−アセチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0223】
【化43】

【0224】
ヂメチルホルムアミド4ml中の4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体34)(70mg、0.156mmol)の溶液に、酢酸28mg、HBTU177.5mg及びDIEA136μlを加える。得られた溶液を、常温で20時間攪拌する。水50mlの添加後、反応混合物を酢酸エチル25mlで3回抽出する。抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過して、減圧下で蒸発させて、未精製油130mgを得る。この未精製油を、LC/MSにより、精製し、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−アセチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル15mgを得る。
【0225】
IR:3420;2989;2680;1674;1599;1542;1452;1367;1268;1202;1176;1161;1134;1094;914;851;831;753;720及び579cm−1
【0226】
1H NMRスペクトル(300MHz)δ:ppm、DMSO−d中:
1.30(d,j=6.5Hz,12H);2.22(s,3H);3.23(未分離複合体,2H);3.51(未分離複合体,2H);3.72(未分離複合体,2H),6.74(ブロード d,J=9.0Hz,2H);6.90(braod 未分離複合体,1H);7.03(ブロード d,J=9.0Hz,1H);7.56(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.68(d,J=9.0Hz,1H);7.70(d,J=3.0Hz,1H);8.46(未分離複合体,1H);12.4(ブロード s,1H)。
【0227】
(実施例43a)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−アセチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル 塩酸塩の調製
【0228】
【化44】

【0229】
実施例43aは、ジクロロメタン10ml中に無水酢酸57mg(0.557mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン216mg(1.671mmol)を有する溶液として、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体34)250mg(0.557mmol)を合成する。反応媒体を、一晩攪拌し、次に、同量の無水酢酸及びN,N−ジイソプロピルエチルアミンを2回添加し、反応を常温で3日間継続する。次に、ジクロロメタン50mlを加え、反応媒体を水で洗浄する。2N塩酸溶液を添加して、有機相をpH3にし、次いで、得られる有機相を飽和塩酸水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発乾固して、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−アセチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル 塩酸塩140mg(収率48%)を得る。
【0230】
Mass:ES m/z=491 MH 基準ピーク
NMR:1H NMRスペクトル 300MHz、Bruker Avance DPX−300分光計(化学シフト、δ:ppm)、溶媒:ジメチルスルホキシド−d(DMSO‐d)2.50ppm基準:
0.90ないし1.35(m,12H);2.20(s,3H);3.18(ブロード m,2H);3.53(ブロード m,2H);3.60ないし3.77(ブロード m,2H);6.72(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.00(dd,J=2.5及び8.5Hz,1H);7.04(ブロード m,1H);7.53(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.66(d,j=8.5Hz,1H);7.68(d,J=2.5Hz,1H);9.09(ブロード m,1H);12.4(ブロード s,1H)。
【0231】
IR:KBr
3427;2978;2658;1693;1598;1542;1452;1367;1267;1160;1093;913;850及び578cm−1
【0232】
(実施例44)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(2−メトキシアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル
【0233】
【化45】

【0234】
ジメチルホルムアミド4ml中の、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体34)(70mg、0.156mmol)溶液に、メトキシ酢酸42.1mg、HBTU177.5mg及びDIEA163μlを加える。得られた溶液を、常温で20時間攪拌する。水50mlを添加後、反応混合物を酢酸エチル25mlで、3回抽出する。抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発させ、未精製油98mgを得る。この油をLC/MSにより精製し、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(2−メトキシアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル47.8mgを得る。
【0235】
IR:3390;2993;2666;1674;1599;1541;1452;1365;1269;1202;1175;1161;1125;1094;914;852;830;757;720及び570cm−1
1H NMRスペクトル(300MHz)δ:ppm、DMSO−d6中:
1.29(d,J=6.5Hz,12H);3.23(未分離複合体,2H);3.40(s,3H);3.52(未分離複合体,2H);3.72(ブロード 未分離複合体,2H);4.22(s,2H);6.75(ブロード d,J=9,0Hz,2H);6.90(ブロード t,J=6.0Hz,1H);7.05(dd,J=9.0及び2.5Hz,1H);7.55(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.70(d,J=9.0Hz,1H);7.72(d,J=2.5Hz,1H);8.48(未分離複合体,1H);12.35(s,1H)。
【0236】
(実施例44a)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(2−メトキシアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩の調製
【0237】
【化46】

【0238】
実施例44aは、実施例44の方法に従って合成され、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体34)750mg(1.672mmol)から開始して、未精製の4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(2−メトキシアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルを得る。この生成物を、メタノール1ml及びジオキサン3mlに溶解する。この溶液にジオキサン/4N塩酸4mlを加える。反応媒体を一晩、常温で攪拌してから、蒸発乾固する。得られた残渣を、ジクロロメタン中のメタノールの0から10%までの勾配を用いた、シリカ20gの一次カートリッジ上でのフラッシュクロマトグラフィによって精製する。得られた生成物は、純度90%であり、ジクロロメタン中のメタノールの0から10%までの勾配を用いた、シリカ50gのカートリッジ上にて、流速20ml/分で1時間30分以上、二次精製を実施する。生成物を含有する画分を濃縮して乾燥後、収率22%の、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(2−メトキシアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩205mgを得る。
【0239】
Mass:ES m/z=521 MH 基準ピーク
NMR:1H NMRスペクトル 300MHz、Bruker Avance DPX−300分光計(化学シフト、δ:ppm)、溶媒:ジメチルスルホキシド−d(DMSO‐d)、2.50ppm基準:
0.80ないし1.40(m,12H);2.90ないし3.70(部分遮蔽 m,6H);3.38(s,3H);4.20(s,2H);6.68(ブロード d,J=8.5Hz,2H);7.00(dd,J=2.5及び8.5Hz,1H);7,49(ブロード d,J=8.5Hz,2H);7.68(d,J=8.5Hz,1H);7,70(d,J=2.5Hz,1H);12.35(ブロード s,1H)。
【0240】
IR:KBr
3388;2965;2653;1704;1598;1539;1451;1363;1160;1093;914;852;754及び567cm
【0241】
(実施例45)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(シクロ−ペンタンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル
【0242】
【化47】

【0243】
ジメチルホルムアミド4ml中の4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体34)(70mg、0.156mmol)の溶液に、メトキシ酢酸42.1mg、HBTU177.5mg及びDIEA163μlを加える。得られた溶液を、常温で20時間攪拌する。水50mlを添加後、反応混合物を酢酸エチル25mlで3回抽出する。抽出物を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、次いで、減圧下で蒸発させて、未精製油135mgを得る。この油をLC/MSにより精製し、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(シクロ−ペンタンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル55.2mgを得る。
【0244】
IR:3423;2968;2672;1673;1599;1541;1451;1365;1261;1202;1175;1161;1137;1094;916;852;829;752;720及び568cm−1
1H NMRスペクトル(300MHz)δ:ppm、DMSO−d6中にAcOD1滴添加:
1.27(d,J=6.5Hz,12H);1,52ないし1.80(未分離複合体,7H);1.90(未分離複合体,1H);2,97(mt,J=7.5Hz,1H);3,20(t,J=6.5Hz,2H);3.50(t,J=6.5Hz,2H);3.69(mt,J=6.5Hz,2H);6.71(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.04(dd,J=9.0及び2.5Hz,1H);7.53(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7,58(d,J=2.5Hz,1H);7.64(d,J=9.0Hz,1H)。
【0245】
中間体46:4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(6−tert−ブトキシ−カルボニルアミノヘキサノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0246】
【化48】

【0247】
スターラーバーを備えた20mlの丸底フラスコ中で、DMF2ml中の、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体16、特許ベンゾチアゾール_V2)(0.15g、0.46mmol),BOC−6−アミノヘキサン酸(0.128g、0.555mmol),HATU(0.211g,0.555mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(95μl、0.555mmol)の溶液を、約60℃(ext.)で、5時間加熱する。
【0248】
反応媒体を酢酸エチルで抽出し、1N塩酸で、次いで、水で洗浄する。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、次に、蒸発乾固する。残渣を、Biotageカートリッジ(シリカ40g)にてQuad 12/25を用いるクロマトグラフにより精製し、97/3の塩酸メチレン/イソプロパノール混合物を用いて抽出する。溶媒を蒸発させた後、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(6−tert−ブトキシ−カルボニルアミノヘキサノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルが、収率80%で回収される。
【0249】
(中間体47)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(6−tert−ブトキシカルボニルアミノヘキサノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0250】
【化49】

【0251】
NMP4ml中の、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(6−tert−ブトキシカルボニルアミノヘキサノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル(0.194g、0.36mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチレンジアミン(0.33ml、1.8mmol)の溶液を、マイクロ波により150℃で10分間加熱する。未精製反応性生物を、EtOAcで抽出し、水で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、次に、蒸発させて、黄色液体1.8gを得る。この物質を、シリカ60(40−63μm)にて、クロマトグラフにかけ、93/7のCHCl/MeOH混合物を用いて抽出する。抽出物を蒸発させると、粘性物質(0.215g)が得られ、これを水で倍散する。水を除去して、粘性物質をトルエン中に溶解し、蒸発乾固すると、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(6−tert−ブトキシカルボニルアミノヘキサノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル0.13g、すなわち、収率54%を得る。
【0252】
(実施例49)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(6−アミノヘキサノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩の調製
【0253】
【化50】

【0254】
スターラーバーを備えた10mlの丸底フラスコ中のEtOAc2ml中に、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(6−tert−ブトキシカルボニルアミノヘキサノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル0.12gを入れ、続いて、EtOAcに溶解した塩酸0.5mlを滴下添加する。粘性物質を形成し、常温で1時間攪拌する。
【0255】
反応媒体を水に溶解し、次に、28%のアンモニア水でpH8にする。混合物を、EtOAcを用いて抽出し、水で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥する。ろ過後、ろ過液を、蒸発乾固して、白色粉末0.1gを得る。これを、メタノール5mlに溶解し、EtOAc中に溶解した塩酸を用いてpH2にする。懸濁液を蒸発乾固して、残渣を水5ml中に溶かしてから、凍結乾燥すると、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(6−アミノヘキサノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩91mg、すなわち、80%の収率を得る。
【0256】
中間体50:4−フロロベンゼンスルホン酸 2−(7−tert−ブトキシ−カルボニルアミノヘプタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0257】
【化51】

【0258】
中間体46の方法により、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体16、brevetベンゾチアゾール_V2)と、BOC−7−アミノヘプタン酸との作用を経て、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(7−tert−ブトキシカルボニルアミノヘプタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルを調製し、生成物0.164gを得る。
【0259】
中間体51:4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(7−tert−ブトキシカルボニルアミノヘプタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0260】
【化52】

【0261】
中間体47の方法により、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(7−tert−ブトキシカルボニルアミノヘプタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルと、N,N−ジイソプロピルエチレンジアミンとの作用を経て、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(7−tert−ブトキシカルボニルアミノヘプタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルを調製する。生成物をBiotageカラム(シリカ8g)上でクロマトグラフィにより精製し、95/5のCHCl/MeOH混合物を用いて溶出し、生成物86mg、すなわち、収率44%を得る。
【0262】
(実施例52)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(7−アミノヘプタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩の調製
【0263】
【化53】

【0264】
実施例49の方法により、EtOAcに溶解した塩酸の存在下で、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(7−tert−ブトキシカルボニルアミノヘプタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イルの加水分解を経て、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(7−アミノヘプタノイルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩を調整し、塩酸塩47g、すなわち、77%の収率を得る。
【0265】
(実施例53)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩
【0266】
【化54】

【0267】
NMP4.5ml中の、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル(実施例53、特許ベンゾチアゾール_V2)(145mg、0.37mmol)及びN−イソプロピルエチレンジアミン(233μl、1.85mmol)溶液を、マイクロ波により150℃で、5分間加熱した。未精製の反応生成物を、EtOAcで希釈し、水で3回洗浄し、EtOAcで2回抽出する。有機相を混合して、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過して、次に、蒸発乾固する。シリカ:8gのAlTカラム上で、溶出液:90/10/1のCHCl/MeOH/NHOHを用いて、クロマトグラフにより、未精製生成物165mgを、精製する。得られた固体(96mg)を、EtOAcに溶解し、EtOAcに溶解した塩酸により、pH2にする。懸濁液を、蒸発乾固し、水5mlに溶かして、凍結乾燥すると、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩76mgを得る。
【0268】
中間体54:4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−イソブチリル−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0269】
【化55】

【0270】
中間体46の方法により、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体16、特許ベンゾチアゾール_V2)と、イソ酪酸との作用を経て、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−イソブチリル−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステルを調製する。未精製の反応生成物を、エチルエーテルにて結晶化させ、吸引によるろ過後、無色の固体17gを単離させ、86%の収率を得る。
【0271】
(実施例55):4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−イソブチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩の調製
【0272】
【化56】

【0273】
実施例53の方法により、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−イソブチルアミノベンゼンチアゾール−6−イル エステルと、N,N−ジイソプロピルエチレンジアミンとの反応を経て、2,4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−イソブチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩を調製する。未精製の反応生成物を、EtOAcで抽出し、水で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、次いで、蒸発させる。未精製生成物0.327gを得る。これを、biotageシリカ(40g)のカラム上でクロマトグラフにかけ、90/10のCHCl/MeOH混合物を用いて溶出する。得た油をヘプタンで結晶化させる。生成物をEtOAc5ml中に再溶解し、EtOAc中の塩酸溶液をpH2まで滴下添加する。塩酸塩を吸引によりろ過し、EtOAcで洗浄し、40℃、真空下で乾燥する。4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−イソブチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩0.112gを単離する、すなわち、収率42%を得る。
【0274】
中間体56:4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−プロピオニルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル
【0275】
【化57】

【0276】
中間体46の方法により、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体16、特許ベンゾチアゾール_V2)と、プロピオン酸との作用を経て、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−プロピオニルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステルを調製する。93%の収率で、生成物0.397gを得る。
【0277】
(実施例57)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−プロピオニルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩の調製
【0278】
【化58】

【0279】
実施例53の方法により、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−プロピオニルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステルと、N,N−ジイソプロピルエチレンジアミンとを、マイクロ波により150℃、10分間の加熱による作用を経て、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−プロピオニルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステルを調製する。精製後、収率45%で、塩酸塩形態の生成物0.09gを得る。
【0280】
(実施例58)
4−(2−ヒドロキシ−2メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−プロピオニルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0281】
【化59】

【0282】
実施例53の方法により、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−プロピオニルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステルと、1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オールとを、マイクロ波により150℃、20分間の加熱による作用を経て、4−(2−ヒドロキシ−2メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−プロピオニルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステルを調製する。精製後、収率50%で、塩酸塩形態の生成物0.096gを得る。
【0283】
(中間体59)
4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(シクロブタンカルボニル−アミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル
【0284】
【化60】

【0285】
中間体46の方法により、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステルと、シクロブタンカルボン酸との作用を経て、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(シクロブタンカルボニル−アミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルを調製する。
【0286】
(実施例60)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(シクロブタンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩の調製
【0287】
【化61】

【0288】
実施例53の方法により、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−プロピオニルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステルと、N,N−ジイソプロピルエチレンジアミンとを、マイクロ波により150℃で10分間の加熱による作用を経て、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(シクロブタンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルを調製する。精製後、収率18%で、塩酸塩形態の生成物0.054gを得る。
【0289】
中間体61:4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(3−ピリジ−3−イル−プロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0290】
【化62】

【0291】
中間体46の方法により、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステルと、3−(3−ピリジル)プロピオン酸との作用を経て、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(3−ピリジ−3−イル−プロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルを調製する。生成物を、定量的な収率で得る。
【0292】
(実施例62)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(3−ピリジ−3−イルプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩の調製
【0293】
【化63】

【0294】
実施例7の方法に従って、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(3−ピリジ−3−イル−プロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルの、N,N−ジイソプロピルエチレンジアミンとの、150℃でのマイクロ波による10分間の加熱による作用を介して、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(3−ピリジ−3−イルプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルを調製する。精製後、収率23%で、塩酸塩形態の生成物0.045gを得る。
【0295】
(実施例63)
4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(3−ピリジ−3−イルプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩の調製
【0296】
【化64】

【0297】
実施例53の方法により、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(3−ピリジ−3−イルプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルと、1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オールとの、マイクロ波により150℃で20分間の加熱による作用を経て、4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(3−ピリジ−3−イルプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルを調製する。精製後、収率52%で、塩酸塩形態の生成物0.104gを得る。
【0298】
中間体64:4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−アセチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0299】
【化65】

【0300】
スターラーバーを備えた試験管に入れた、ジメチルホルムアミド5ml中の、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体16)(101.2mg、0.312mmol),酢酸(56.2mg、0.936mmol),HBTU(355mg、0.936mmol)及びN,N−ジイソプロピルアミン(326μl、1872mmol)溶液を、常温で20時間攪拌する。水100mlを入れ、反応媒体を酢酸エチルを用いて抽出する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させる。得られた残渣を、酢酸エチルに溶解し、気孔率15ないし35μのシリカ5gを含有するバリアン・フラッシュカートリッジ上で、ジクロロメタン中の1%メタノール混合物を用いて、精製する。溶媒を蒸発させた後、収率58%の4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−アセチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(黄色油)66mgを得る。LC/MS(方法A1):[M+H]:367.14、保持時間:3.50分。
【0301】
(実施例65)
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−アセチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0302】
【化66】

【0303】
スターラーバーを備えた試験管に入れた、ジメチルスルホキシド2ml中の、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−アセチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体64)(66mg、0.180mmol),N−イソプロピルエチレンジアミン(55.2mg、0.540mmol)及び炭酸セシウム(58.6mg、0.180mmol)の溶液を、一晩80℃で攪拌する。水100mlを加えて、次いで、反応媒体を、酢酸エチルで抽出する。有機相を、水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発する。LC/MSにより精製した残渣から、収率53%の4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−アセチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(白色粉末)43mgを得る。
【0304】
LCMS(方法A1):[M+H]:449.35、保持時間:3.28分。
【0305】
1H NMRスペクトル 300MHz、Bruker Avance DPX−300分光計、化学シフト(δ:ppm)、溶媒:ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)、2.50ppm基準:
TFAで塩化された生成物に対する強い推定の根拠は以下による:
1.21(d,J=7.0Hz,6H);2.20(s,3H);3.07(m,2H);3.20ないし3.35(遮蔽 m,1H);3.41(m,2H);6.72(ブロード d,J=8.5Hz,2H);6.93(ブロード t,J=6,0Hz,1H);7.01(dd,J=2.5及び8.5Hz,1H);7.53(ブロード d,J=8.5Hz,2H);7.68(d,J=8.5Hz,1H);7.69(d,J=2.5Hz,1H);8.30(ブロード m,2H);12.4(ブロード s,1H)。
【0306】
中間体66:4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(2−メトキシ−アセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0307】
【化67】

【0308】
スターラーバーを備えた試験管に入れた、ジメチルホルムアミド5ml中の、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体16)(101.2mg、0.312mmol),メトキシ酢酸(84.3mg、0.936mmol),HBTU(355mg,0.936mmol)及びN,N−ジイソプロピルアミン(326μl、1.872mmol)の溶液を、常温で20時間攪拌する。水100mlを加え、反応媒体を、酢酸エチルを用いて抽出する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させる。得られる残渣を酢酸エチルに溶解し、気孔率15ないし35μのシリカ5gを含有するバリアン・フラッシュカートリッジ上で、ジクロロメタン中の1%メタノール混合物を用いて、精製する。溶媒を蒸発させた後、収率72%の4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−ブチ−3−エンオイルアミノベンゼンチアゾール−6−イル エステル(黄色油)89mgを得る。LC/MS(方法A1):[M+H]:397.11、保持時間:3.59分。
【0309】
(実施例67)
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(2−メトキシアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0310】
【化68】

【0311】
スターラーバーを備えた試験管に入れた、ジメチルスルホキシド2ml中の、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(2−メトキシ−アセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体66)(89mg、0.224mmol),N−イソプロピルエチレンジアミンアミン(68.7mg、0.672mmol)及び炭酸セシウム(73mg、0.224mmol)の溶液を、一晩80℃で攪拌する。水100mlを加え、反応媒体を、酢酸エチルを用いて抽出する。次に、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させる。残渣を、LC/MSにより精製して、収率43%で、4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(2−メトキシアセチルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル(白色粉末)46.6mgを得る。
【0312】
LC/MS(方法A1):[M+H]:479.35、保持時間:3.33分。
【0313】
1H NMRスペクトル 300MHz、Bruker Avance DPX−300 分光計、化学シフト(δ:ppm)、溶媒:ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)、2.50ppm基準:
TFAで塩化された生成物に対する強い推定の根拠は以下による:
1.21(d,J=7,0Hz,6H);3.07(ブロード t,J=6.5Hz,2H);3.15ないし3.35(遮蔽 m,1H);3.38(s,3H);3.41(m,2H);4.20(s,2H);6.72(ブロード d,J=8.5Hz,2H);6.93(ブロード t,J=6.0Hz,1H) ; 7.03 (dd,J=2.5及び8.5Hz,1H);7.53(ブロード d,J=8.5Hz,2H);7.69(d,J=8,5Hz,1H);7.71(d,J=2.5Hz,1H);8.10ないし8.45(ブロード m,2H);12.0ないし12.5(very ブロード m,1H)。
【0314】
中間体68:4−フロロベンゼンスルホン酸 2−(シクロペンタンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0315】
【化69】

【0316】
スターラーバーを備えた試験管に入れた、ジメチルスルホキシド5ml中の、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゼンチアゾール−6−イル エステル(中間体16)(101.2mg、0.312mmol)、シクロペンタンカルボン酸(53.4mg、0.936mmol),HBTU(355mg,0.936mmol)及びN,N−ジイソプロピルアミン(326μl、1.872mmol)の溶液を、常温で20時間攪拌する。水100mlを加え、反応媒体を、酢酸エチルを用いて抽出する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させる。得られる残渣を、酢酸エチルに溶解し、気孔率15ないし35μのシリカ5gを含有するバリアン・フラッシュカートリッジ上で、ジクロロメタン中の1%メタノール混合物を用いて、精製する。溶媒を蒸発させた後、収率68%で、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(シクロペンタンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル(黄色油)90mgを得る。LC/MS(方法A1):[M+H]:421.13、保持時間:4.05分。
【0317】
(実施例69)
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(シクロペンタンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0318】
【化70】

【0319】
スターラーバーを備えた試験管に入れた、ジメチルスルホキシド2ml中の、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(2−メトキシアセチルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体68)(90mg、0.214mmol),N−イソプロピルエチレンジアミン(65.6mg、0.642mmol)及び炭酸セシウム(69.7mg、0.214mmol)の溶液を、一晩80℃で攪拌する。水100mlを加え、反応媒体を、酢酸エチルを用いて抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させる。残渣を、LC/MSにより精製して、収率24%で、4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(シクロペンタンカルボニルアミノ)ベンゼンチアゾール−6−イル エステル(白色粉末)26.2mgを得る。
【0320】
LC/MS(方法A1):[M+H]:503.39、保持時間:3.68分。
【0321】
1H NMRスペクトル 300MHz、Bruker Avance DPX−300 分光計、化学シフト(δ:ppm)付備、溶媒:ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)、2.50ppm基準。
【0322】
TFAと塩を形成した生成物に対する強い推定の根拠は以下による。
【0323】
1.21(d,J=7,0Hz,6H);1.50ないし1.80(m,6H);1.82ないし1.98(m,2H);2.98(m,1H);3.04(m,2H);3.15ないし3.55(m,3H);6,71(ブロード d,J=8.5Hz,2H);6.92(ブロード t,J=6.0Hz,1H);7.02(dd,J=2.5及び8,5Hz,1H);7.53(ブロード d,J=8.5Hz,2H);7.65ないし7.70(m,2H);8.05ないし8.45(very ブロード m,2H);12.4(ブロード m,1H)。
【0324】
中間体70:4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−プロピオニルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0325】
【化71】

【0326】
ジメチルホルムアミド6.5ml中の、4−フロロベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体16)(500mg、1.14mmol),プロピオン酸(253mg、3.42mmol)、HBTU(1.23g、3.42mmol)及びN,N−ジイソプロピルアミン(737mg、57mmol)溶液を、常温で一晩攪拌する。反応媒体を蒸発乾固する。乾燥した残渣を、酢酸エチル50mlを用いて2回抽出し、水で洗浄する。次に、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させる。得られた油を、ジメチルスルホキシド35mlに溶解し、次に、水中の0.07%のトリフルオロ酢酸、0.07%のトリフルオロ酢酸で補充した、5%ないし95%のアセトニトリルの勾配を52分以上をかけ、100Å、10μmの逆相カラム、Nucleodur C18上で、分取用HPLCを用いて、7回精製する。流速は、70ml/分。透明な生成物を含有する画分を濃縮して、収率69%の4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−プロピオニルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル300mgを得る。
【0327】
NMR:1H NMRスペクトル 300MHz、Bruker Avance DPX−300 分光計、化学シフト(δ:ppm)、溶媒:ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)、2.50ppm基準:
1.11(t,J=7,5Hz,3H);2.50(部分遮蔽 m,2H);7,01(dd,J=2.5及び8.5Hz,1H);7.51(ブロード t,J=9.0Hz,2H);7.68(d,J=8.5Hz,1H);7.79(d,J=2.5Hz,1H);7.94(ブロード dd,J=5.5及び9.0Hz,2H);12.4(ブロード s,1H)。
【0328】
(実施例71)
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−プロピニルアミノベンゾチオゾール−6−イル エステル;トリフルオロ酢酸との化合物の調製
【0329】
【化72】

【0330】
ジメチルスルホキシド4ml中の、4−フロロベンゼンスルホン酸 2−プロピオニルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体70)(300mg、0.789mmol)、N−イソプロピルエチレンジアミン(242mg、2.37mmol)及び炭酸セシウム(256mg、0.789mmol)の溶液を、攪拌しながら、7時間30分、80℃を、次いで、2日間常温を維持する。反応媒体を、ろ過し、ジメチルスルホキシド8mlを用いて、すすぐ。求める生成物を、中間体70のときと同じ条件下で、分取用HPLCにより、3回精製する。収率56%で、4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−プロピニルアミノベンゾチオゾール−6−イル エステル、フルオロ酢酸を含む化合物205mgを得る。
【0331】
NMR:1H NMRスペクトル 300MHz、Bruker Avance DPX−300 分光計、化学シフト(δ:ppm)、溶媒:ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)、2.50ppm基準:
1.11(t,J=7.5Hz,3H):1.22(d,J=6.5Hz,6H):2.45ないし2.54(部分遮蔽 m,2H):3.07(m,2H):3.22ないし3.47(部分遮蔽 m,3H):6.72(ブロード d,J=9.0Hz,2H):6.93(ブロード t,J=6.0Hz,1H):7.02(dd,J=2.5及び8.5Hz,1H):7.53(ブロード d,J=9.0Hz,2H):7.67(d,J=8,5Hz,1H):7.69(d,J=2.5Hz,1H):8.22ないし8.38(ブロード m,2H):12.35(ブロード s,1H)。
【0332】
中間体72:4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−ブチルアミノベンゾチアゾール−6−イルの調製
【0333】
【化73】

【0334】
中間体70の方法により、中間体72を、酪酸を用いて合成する。収率18%で、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−ブチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル80mgを得る。
【0335】
NMR:1H NMRスペクトル 300MHz、Bruker Avance DPX−300 分光計、化学シフト(δ:ppm)、溶媒:ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)、2.50ppm基準:
0.92(t,J=7.5Hz,3H);1.64(m,2H);2.48(部分遮蔽 m,2H);7.01(dd,J=2.5及び8.5Hz,1H);7.51(ブロード t,J=9.0Hz,2H);7.68(d,J=8.5Hz,1H);7.78(d,J=2.5Hz,1H);7.93(ブロード dd,J=5.5及び9.0Hz,2H);12.4(ブロード s,1H)。
【0336】
(実施例73)
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−ブチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル、フルオロ酢酸を含む化合物、の調製
【0337】
【化74】

【0338】
実施例71の方法により、中間体72と、N−イソプロピルエチレンジアミンとを用いて、実施例73を得る。収率36%で、4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−ブチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル、フルオロ酢酸を含む化合物、37mgを得る。
【0339】
NMR:1H NMRスペクトル 300MHz、Bruker Avance DPX−300 分光計、化学シフト(δ:ppm)、溶媒:ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)、2.50ppm基準:
0.91(t,J=7,5Hz,3H);1.22(d,J=6.5Hz,6H);1.63(m,2H);2.47(部分遮蔽 t,J=7.5Hz,2H);3.07(m,2H);3.20ないし3.37(遮蔽 m,1H);3.41(m,2H);6.72(ブロード d,J=9.0Hz,2H);6.94(ブロード t ,J=6.0Hz,1H);7.02(dd,J=2.5及び8.5Hz,1H);7.53(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.66(d,J=8.5Hz,1H);7.69(d,J=2.5Hz,1H);8.32(ブロード m,2H);12,4(ブロード s,1H)。
【0340】
中間体74:4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−イソブチリル−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0341】
【化75】

【0342】
中間体70の方法により、イソ酪酸を用いて、中間体74を合成する。収率17%で、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−イソブチリル−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステル75mgを得る。
【0343】
NMR:1H NMRスペクトル 300MHz、Bruker Avance DPX−300 分光計、化学シフト(δ:ppm)、溶媒:ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)、2.50ppm基準:
1.14(d,J=7.0Hz,6H):2.79(m,1H);7.02(dd,J=2.5及び8.5Hz,1H):7.51(ブロード t,J=9.0Hz,2H):7.68(d,J=8.5Hz,1H):7.79(d,J=2.5Hz.1H);7.93(ブロード dd,J=5.5及び9.0Hz,2H):12.4(ブロード s,1H)。
【0344】
(実施例75)
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−イソブチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル、トリフルオロ酢酸を含む化合物、の調製
【0345】
【化76】

【0346】
実施例71の方法により、中間体74とN−イソプロピルエチレンジアミンとを用いて、実施例75を得る。収率44%で、4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−イソブチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル、トリフルオロ酢酸を含む化合物、49mgを得る。
【0347】
NMR:1H NMRスペクトル 300MHz、Bruker Avance DPX−300 分光計、化学シフト(δ:ppm)、溶媒:ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)、2.50ppm基準:
1.14(d,J=6,5Hz,6H);1.22(d,J=6.5Hz,6H);2.79(m,1H);3.07(m,2H);3.25ないし3.37(遮蔽 m,1H);3.41(m,2H);6.72(ブロード d,J=9.0Hz,2H);6.93(ブロード t,J=6.0Hz,1H);7.03(dd,J=2.5及び8.5Hz,1H);7.53(ブロード d,J=9,0Hz,2H);7.64ないし7.70(m,2H);8.30(ブロード m,2H);12.4(ブロード s,1H)。
【0348】
中間体76:4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(シクロブタンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0349】
【化77】

【0350】
中間体70の方法により、シクロブタンカルボン酸を用いて、中間体76を合成する。収率40%で、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(シクロブタンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル185mgを得る。
【0351】
(実施例77)
4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 (2−シクロブタンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル、トリフルオロ酢酸との化合物、の調製
【0352】
【化78】

【0353】
実施例71の方法により、中間体76と、N−イソプロピルエチレンジアミンを用いて、実施例77を得る。収率37%で、4−(2−イソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 (2−シクロブタンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル、トリフルオロ酢酸との化合物、41mgを得る。
【0354】
NMR:1H NMRスペクトル 300MHz、Bruker Avance DPX−300 分光計、化学シフト(δ:ppm)、溶媒:ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)、2.50ppm基準:
1.22(d,J=6.5Hz,6H);1.84(m,1H);1.99(m,1H);2.10ないし2.30(m,4H);3.07(m,2H);3.20ないし3.47(遮蔽 m,4H);6.72(ブロード d,J=9.0Hz,2H);6.97(ブロード t,J=6.0Hz,1H);7.01(dd,J=2.5及び8,5Hz,1H);753(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.67(d,J=8.5Hz,1H);7.69(d,J=2,5Hz,1H);8.27ないし8.44(ブロード m,2H);12.3(ブロード s,1H)。
【0355】
(中間体78)
4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−ブチルアミノベンゾチアゾール−6−イル−エステルの調製
【0356】
【化79】

【0357】
スターラーバーを備えた20mlの丸底フラスコに入れた、ジメチルホルムアミド5.5ml中の、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体16)(359mg、1.107mmol)、酪酸(146mg、1.66mmol)、HATU(631mg、1.66mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.286ml、1.66mmol)の溶液を、60℃で8時間攪拌し、次いで、一晩常温放置する。反応媒体を酢酸エチルを用いて抽出し、水で、次に、0.1N塩酸溶液を用いて洗浄する。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、次に、蒸発乾固する。得た残渣(567mg、淡黄色固体)を、40g Biotage シリカ・カートリッジ上でクロマトグラフィにより精製し、9/1のトルエン/イソプロパノール混合物を用いて溶出する。溶媒を蒸発後、収率55%で、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−ブチルアミノベンゾチアゾール−6−イル−エステル(白色固体)239mgを得る。
【0358】
Mass:
LC/MS:m/z 395:[M+H],m/z 393:[M+H]
1H NMRスペクトル 400MHz、化学シフト(δ:ppm)、溶媒:ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)、2.50ppm基準:
0.9ns 1(t,J=7.5Hz,3H);1.64(m,2H);2.47(部分遮蔽 t,J=7.5Hz,2H);7.01(dd,J=2.5及び8.5Hz,1H);7.51(ブロード t,J=9.0Hz,2H);7.68(d,J=8.5Hz,1H);7.79(d,J=2.5Hz,1H);7.93(dd,J=6.0及び9.0Hz,2H);12.4(ブロード s,1H)。
【0359】
(実施例79)
4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−ブチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩の調製
【0360】
【化80】

【0361】
スターラーバーを備えた、5mlのマイクロ波用バイアルに入れた、N−メチルピロリドン3ml中の、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−ブチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体78)(100mg、0.2mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチレンジアミン(185μl、1.01mmol)の溶液を、マイクロ波により、150℃で10分間、加熱する。反応媒体を、酢酸エチルを用いて抽出し、水を用いて洗浄する。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、次いで、蒸発乾固する。得た残渣を、Merckシリカ(40−63μm)上で、クロマトグラフィにより精製する。溶媒を蒸発後、無色の油(乾燥時は、結晶化する)41mgを得る。生成物を、最小量の酢酸エチルに溶解し、ジオキサン中の溶液として、4N塩酸を加える。媒質は沈殿して、それを濃縮し、水に溶解し、次に、Milex 45μmフィルタを通して、ろ過する。溶液は沈殿する。それを吸引ろ過後、40℃、真空下で乾燥すると、4−(2−ジイソプロピルアミノエチルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2ブチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩31mg(収率28%)を得る。
【0362】
Mass:
・IE:m/z 114:(C3H7)2NCH2(基準ピーク)分子イオン非存在.
・IC:m/z 519[M+H](基準ピーク)。
【0363】
・LC/MS:m/z 519[M+H],m/z 517:[M−H]
1H NMRスペクトル 300MHz、化学シフト(δ:ppm)、溶媒:ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)、2.50ppm基準:
0.91(t,J=7,5Hz,3H);1.20ないし1.32(ブロード m,12H);1.63(m,2H);2.42ないし2.55(部分遮蔽 t,J=7.5Hz,2H);3.19(m,2H);3.51(m,2H);3.69(ブロード m,2H);6,72(ブロード d,J=9.0Hz,2H);6.97(ブロード t,J=6.0Hz,1H);7.02(dd,J=2.5及び8.5Hz,1H);7.53(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.63ないし7.69(m,2H);8.78(ブロード m,1H);12.4(ブロード s,1H)。
【0364】
(実施例80)
4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−ブチリルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩の調製
【0365】
【化81】

【0366】
スターラーバーを備えた、5mlのマイクロ波用バイアルに入れた、N−メチルピロリドン3ml中の、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−ブチリルアミノベンゾチアゾール−6−イル−エステル(中間体78)(135mg、0.34mmol)及び1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オール(153mg、1.718mmol)の溶液を、マイクロ波により、150℃で、20分間加熱する。反応媒体を、酢酸エチル(3x20ml)を用いて、抽出し、水(4x25ml)で洗浄する。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、次いで、蒸発乾固する。得られる残渣を、8g、15−35μmのAITカラム上のシリカ上で、クロマトグラフィにより精製し、9/1の酢酸エチル/シクロヘキサン混合物を用いて溶出する。溶媒を蒸発後、無色の固体55mgを得る。生成物を、最小量のジオキサンに溶解し、ジオキサンに溶解した4N塩酸を加える。得られる沈殿を、吸引ろ過し、ジオキサンを用いて洗浄し、次いで、真空下で、40℃で、乾燥すると、4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−ブチルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩42mg、すなわち、収率25%、を得る。
【0367】
Mass:
・ IE:m/z 463:[M],m/z 228:[M]−SO2PhNCH2C3H7O
・ IC:m/z 464:[M+H]
・ LC/MS:m/z 464:[M+H],m/z 462:[M−H]
1H NMRスペクトル 400MHz(δ:ppm)、溶媒:ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)、2.50ppm基準:
0.93(t,J=7.5Hz,3H);1.15(s,6H);1.66(m,2H);2.46ないし2.59(部分遮蔽 m,2H);3.04(s,2H);6.76(ブロード d,J=9.0Hz,2H);6.98(dd,J=2.5及び8.5Hz,1H);7.42(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.66(d,J=8.5Hz,1H);7.70(d,J=2.5Hz,1H);12.4(ブロード s,1H)。
【0368】
(中間体81)
4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−tert−ブトキシカルボニルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0369】
【化82】

【0370】
ジメチルスルホキシド5ml中の、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−tert−ブトキシカルボニルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体15)(300mg、0.707mmol)、炭酸セシウム(230mg、0.707mmol)及び1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オール(126mg、1.414mmol)の溶液を、80℃で72時間攪拌する。水を反応媒体に加え、混合物を酢酸エチルを用いて、3回抽出する。有機相を、飽和塩化ナトリウム溶液を用いて洗浄し、次いで、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、最後に、蒸発乾固すると、収率83%で、4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−tert−ブトキシカルボニルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル290mgを得る。
【0371】
(中間体82)
4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステル、トリフルオロ酢酸を含む化合物、の調製
【0372】
【化83】

【0373】
ジクロロメタン10ml及び水100μl中の、4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−tert−ブトキシカルボニルアミノベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体81)(170mg、0.344mmol)及びトリフルオロ酢酸(14.9g、130.7mmol)の溶液を、常温で、2時間攪拌する。反応媒体を、蒸発乾固し、酢酸エチルに溶解し、水で洗浄し、次いで、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮して乾燥させると、収率96%で、4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステル、トリフルオロ酢酸を含む化合物、130mgを得る。
【0374】
LC/MS:[M+H]=394.06,保持時間=2.90分。
【0375】
(中間体83)
4−(2−{6−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)−ベンゼンスルホニルオキシ]ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル}エチル)ピペリジン−1−カルボン酸第三ブチルエステルの調製
【0376】
【化84】

【0377】
ジメチルホルムアミド10ml中の、1−Boc−ピペリジン−4−イルプロピオン酸(176mg、0.686mmol)、HBTU(260mg、0.686mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(185mg、1.435mmol)の溶液を、10分間攪拌する。4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−アミノベンゾチアゾール−6−イル エステル、トリフルオロ酢酸を含む化合物(中間体82)(130mg、0.33mmol)を加え、反応媒体を常温で、48時間、攪拌する。反応媒体に水を加え、得られる混合物を、酢酸エチルを用いて3回抽出する。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮乾燥する。0.07%トリフルオロ酢酸で補充された水中のアセトニトリルが5%ないし40%の勾配で5分以上かけ、次いで、40%ないし80%の勾配で30分以上かけ、300×20mm Dynamax C18カラム上で、逆相クロマトグラフィにより、乾燥残渣を精製する。生成物を含有する画分を、蒸発乾固し、51%の収率で、4−(2−{6−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)−ベンゼンスルホニルオキシ]ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル}エチル)ピペリジン−1−カルボン酸第三ブチルエステル111mgを得る。
【0378】
LC/MS:[M+H]=633.00,保持時間:3.94分。
【0379】
(実施例84)
4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(3−ピペリジン−4−イルプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩の調製
【0380】
【化85】

【0381】
ジオキサン8ml及びジオキサン/4N塩酸8ml中の、4−(2−{6−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)−ベンゼンスルホニルオキシ]ベンゾチアゾール−2−イルカルバモイル}エチル)ピペリジン−1−カルボン酸 第三ブチルエステル(110mg、0.173mmol)を、一晩常温で攪拌する。生じた沈殿を、ろ過し、メタノールに溶解し、次いで、溶液を蒸発乾固する。残渣を、酢酸エチルを用いて洗浄して、収率95%で、4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(3−ピペリジン−4−イルプロピオニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル塩酸塩103mgを得る。
【0382】
LC/MS(方法1):[M+H]=533.04、保持時間:2.66分。
【0383】
NMR:1H NMRスペクトル 300MHz、Bruker Avance DPX−300 分光計、化学シフト(δ:ppm)、溶媒:ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)、2.50ppm基準:
混合物の80%に対して、以下のデータがある:
1.13(s,6H);1.22ないし1.40(m,2H);1.42ないし1.65(m,3H);1.75ないし1.85(m,2H);2.40ないし2.58(部分遮蔽 m,2H);2.75ないし2.90(m,2H);3.02(s,2H);3.15ないし3.30(m,2H);6.73(ブロード d,J=9.0Hz,2H);6.97(dd,J=2.5及び8.5Hz,1H);7.41(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.65(d,J=8.5Hz,1H);7.70(d,J=2.5Hz,1H);8.32ないし8.53(ブロード m,1H);8.65ないし8.80(ブロード m,1H);12.4(ブロード s,1H)。
【0384】
IR:KBr
3405;2971;1725;1597;1539;1470;1365;1161;1094;915;856;748及び578cm−1
【0385】
(実施例85)
5−ピリジン−2−イルチオフェン−2−スルフォン酸 2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0386】
【化86】

【0387】
アセトン2ml中の、シクロプロパンカルボン酸(6−ヒドロキシベンゾチアゾール−2−イル)アミド(中間体6)(60mg、0.256mmol)、ピリジン(80μl、0.991mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(3mg、0.256mmol),ピリジン(80μl、0.991mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(3mg、0.025mmol)及び5−(2−ピリジル)チオフェン−2−塩化スルフォニル(99mg、0.025mmol)の溶液を、40℃で24時間、攪拌する。反応媒体を、濃縮乾燥し、DMSO2ml中に溶解し、分取用LC/MS(方法B)により、4回精製して、5−ピリジン−2−イルチオフェン−2−スルフォン酸 2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル10mgを得る。
【0388】
NMR:1H NMRスペクトル 300MHz、Bruker Avance DPX−300 分光計、化学シフト(δ:ppm)、溶媒:ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)、2.50ppm基準:
0.98ないし1.10(m,4H);1.90(m,1H);7.15(ブロード d,J=8.5Hz,1H);7.30ないし7.38(m,2H);7.61(d,J=4.0Hz,1H);7.67(ブロード s,1H);7.77(d,J=4.0Hz,1H);7.87(ブロード t,J=8.0Hz,1H);7.99(ブロード d,J=8.0Hz,1H);8.55(ブロード d,J=5.0Hz,1H);13.5(ブロード m,1H)。
【0389】
MS:IE m/z=457 M
m/z=389 (M−CO)
m/z=325 (m/z=389−SO
m/z=69 C基準ピーク
【0390】
(実施例87)
4−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルアミノ)−ベンゼンスルホン酸 2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルの調製
【0391】
【化87】

【0392】
ジメチルスルホキシド3.5ml中の、4−フルオロベンゼンスルホン酸 2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)−ベンゾチアゾール−6−イル エステル(実施例7)(0.352mmol、138mg)、4−アミノ−TEMPO(0.387mmol,66mg)及び炭酸セシウム(0.352mmol,114mg)の溶液を、24時間、攪拌する。4−アミノ−TEMPO66mgを、2回、24時間後及び48時間後に加える。48時間後に、反応を常温で48時間維持する。次に、溶液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、次いで、蒸発乾固すると、未精製の生成物258mgを得る。この生成物を、シリカ5gのカートリッジ上で、フラッシュ・クロマトグラフィにより精製する。使用する溶離液は、それぞれ、ジクロロメタン及び7Mの0.01%アンモニアメタノールを1%含むジクロロメタンである。収率14%で、4−(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルアミノ)−ベンゼンスルホン酸 2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル28mgを得る。
【0393】
MS:ES m/z=544 MH+ 基準ピーク
IR:KBr
3388;3252;2925;1686;1598;1546;1451;1327;1266;1167;1094;907;852及び747cm−1
【0394】
(中間体88)
4−[2−(ビス−ベンジルオキシホスホリルオキシ)−2−メチル−プロピルアミノ]ベンゼンスルホン酸 2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルの合成
【0395】
【化88】

【0396】
ジクロロメタン6.4ml中の、4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル(実施例11)(0.855mmol、394mg)、1Hテトラゾール(2.563mmol、179mg)及びジベンジルジイソプロピル ホスホルアミダイト(1・70mmol、590mg)の溶液を、常温で、2時間、攪拌する。反応媒体を7℃まで冷却し、ジクロロメタン1.2ml中の、3−クロロペロキシ安息香酸(1.025mmol、252mg)溶液を、ゆっくりと加える。反応媒体を、一晩攪拌する。
【0397】
1Mメタ重亜硫酸ナトリウム溶液10mlを加える。有機相を、1Mメタ重亜硫酸ナトリウム溶液10mlで洗浄し、飽和重炭酸ナトリウム溶液10mlで2回洗浄し、次いで、飽和塩化ナトリウム溶液10mlで洗浄する。
【0398】
有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮して乾燥する。得られる乾燥した残渣を、ジクロロメタンに溶解し、シクロヘキサン中の20%ないし50%の酢酸エチルの勾配をもつ、空隙率15−35μmのシリカ50gを含有するinterchimフラッシュ・カートリジ上で精製する。求める生成物を含有する画分から溶媒を蒸発させて、収率68%で、4−[2−(ビス−ベンジルオキシホスホリルオキシ)−2−メチル−プロピルアミノ]ベンゼンスルホン酸 2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル419mgを得る。
【0399】
LC/MS(方法A1):[M+H]=722.13,保持時間:4.13分。
【0400】
(実施例89)
4−(2−メチル−2−ホスホノオキシプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステルの合成
【0401】
【化89】

【0402】
エタノール15ml中の、4−[2−(ビス−ベンジルオキシホスホリルオキシ)−2−メチルプロピルアミノ]ベンゼンスルホン酸 2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル(中間体88)(0.441mmol、318mg)及びギ酸アンモニウム(4.41mmol、278mg)の溶液に、10%活性炭上パラジウム300mgを加える。
【0403】
反応媒体を、一晩、攪拌しながら還流する。LC/MS分析は、モノベンゼン生成物が、残存していることを示す。ギ酸アンモニウム280mg(4.41mmol)及び10%活性炭上パラジウム100mgを加え、反応媒体を6時間還流する。反応媒体をろ過し、次いで、濃縮する。得られる油を、エタノール15ml中の、ギ酸アンモニウム278mg(4.41mmol)及び10%活性炭上パラジウム300mgとの反応に戻す。反応媒体を、1時間20分攪拌しながら還流する。反応媒体を、ろ過し、濃縮乾燥する。得られる残渣を、分取用LC/MS(方法B)により精製して、収率3%の4−(2−メチル−2−ホスホノオキシプロピルアミノ)ベンゼンスルホン酸 2−(シクロプロパンカルボニルアミノ)ベンゾチアゾール−6−イル エステル6.2mgを得る。
【0404】
NMR:1H NMRスペクトル 300MHz、Bruker Avance DPX−300 分光計、化学シフト(δ:ppm)、溶媒:ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)、2.50ppm基準:
0.90ないし1.01(m,4H);1.41(s,6H);2.00(m,1H);3.10ないし3.50(遮蔽 m,2H);6.75(ブロード d,J=9.0Hz,2H);6.89(ブロード t,J=6.0Hz,1H);7.97(dd,J=2.5及び8.5Hz,1H);7.43(ブロード d,J=9.0Hz,2H);7.66(d,J=8.5Hz,1H);7.70(d,J=2.5Hz,1H);12.7(ブロード s,1H)。
【0405】
生化学試験に対するプロトコール
1.プロトコールCDK2/サイクリンE
IMAC(Immobilized Metal Affinity Chromatography)によるCDK2/サイクリンE−(His)複合体の精製
それぞれ、CDK2及びサイクリンEをコードするヒト配列を有する2個の組み換えバキュロウィルス、(後者は、C末端ヘキサヒスチジン・タグを含む)は、同時感染昆虫Sf21細胞に使用される。同時感染して2、3日後、細胞を遠心分離によって集め、使用時まで−40℃で保管する。細胞の解凍及び機械的な溶解後、溶解した上清中に存在する複合体を、ニッケル上のアフィニティクロマトグラフィ(IMAC)によって精製し、−80℃で保管する。
【0406】
96ウェルフォーマットにおけるCDK2/サイクリンEフラッシュプレート試験
CDK2/サイクリンEのキナーゼ活性についての化合物の活性度を試験するために、ストレプトアビジンをコートした、96ウェルプレートのフォーマットを使用する。
【0407】
この試験を実行するために、110μl分割量の形態を採る、−20℃で保管した原液を構成するために、キナーゼ緩衝液(HEPES/NaOH 50mM,NACl 1mM,MgCl5mM,pH7.5)中に、ビオチン標識したペプチド基質、pRbタンパク質(ビオチニル−SACPLNLPLQNNHTAADMYLSPVRSPKKKGSTTR− OH)の断片を1mMの濃度で溶解する。実験当日に、この溶液の一定分量を、解凍し、1mMのジチオスレイトールを含有するキナーゼ緩衝液中で希釈し、14.3μMの濃度を得るために、その場で緩衝液に加える。100μlの反応媒体(以下、参照)の最終容積中で実行される酵素反応の間に、10μMの最終基質濃度を得るために、この溶液70μlを、フラッシュプレートの各ウェルに加える。
【0408】
多様な濃度の阻害剤(本発明の生成物)の中間体希釈溶液を、別々の試験管に原液からDMSO中に10mMで調製する。このようにして、1000μM,333.3μM,111.1μM,37.03μM,12.35μM,4.11μM及び1.37μMの希釈溶液を調製する。これらの溶液のそれぞれ1μl(又は対照用として、DMSO1μl)を、テストプレートのウェルに移す。
【0409】
次に、キナーゼ緩衝液中に、ATPトータルで5.26μM及び33Pが52.6μCi/mlの濃度で、アデノシン三リン酸塩(ATP)及びATP33Pの混合物溶液19μlを、各ウェルに添加する。1mMのジチオスレイトールを含有するキナーゼ緩衝液中に、200nM、CDK2/サイクリンE溶液を1ウェルあたり10μl(または、反応ブランクに対して、1mMのジチオスレイトール含有するキナーゼ緩衝液10μl)添加することにより、酵素反応を誘発する。
【0410】
各試薬を添加後、各ウェルの最終容量は、100μl、最終基質濃度は、10μM、最終阻害剤濃度は、10μM,3.33μM,1.11μM,0.37μM,0.123μM,0.041μM及び0.014μM(中間体希釈溶液の濃度による)、最終ATP濃度は、1μM、33Pの最終量は、1μCi/ウェル、及び、CDK2/サイクリンE複合体の最終濃度は、20nMである。全ての試薬を添加後、プレートを650rpmで、オービタル攪拌しながら、30℃でインキュベートする。
【0411】
インキュベーションが完了したら、300μ/ウェルのPBS(リン酸緩衝液食塩水、pH=7.4、カルシウム又はマグネシウムを含まず、基準:10010−015、Gibco BRL)を用いて、プレートを3回洗浄する。ペプチドへの33Pの取り込みは、Packard Topcount.NXT machineを用いてシンチレーションカウンティングにより定量する。本発明の生成物の阻害活性は、酵素活性において50%の減少(IC50)を与える阻害濃度を測定することにより評価される。
【0412】
2.CDK4/サイクリンD1の手順
IMAC(Immobilized Metal Affinity Chromatography)によるCDK4−HA/サイクリンD1−(His)複合体の精製
ヒトのシーケンス・コードを担う、2個の組み換えバキュロ・ウィルス、それぞれ、CDK4−HA(ヘマグルチニン・タグをもつC末端融合)及びサイクリンD1−(His)は、同時感染昆虫Sf9細胞に使用される。同時感染開始6時間後、細胞を遠心分離により集め、使用時まで−20℃で凍結する。緩衝液A(HEPES:200mM、pH7.0、NaCl:50mM、MgCl:2mM、イミダゾール:25mM、TCEP:1mM、グリセロール:10%(p/v)、NaF:1mM、NaVO:1mM)中で解凍後、4℃で1時間攪拌し、遠心分離して、溶解した上澄み中に存在する複合体を、ニッケル(IMAC)上のアフィニティクロマトグラフィにより精製し、−80℃で保管する。
【0413】
96ウェルフォーマットにおけるCDK4/サイクリンD1フラッシュプレート試験
ストレプトアビジンをコートした、96ウェル「フラッシュプレート」における試験は、本発明の生成物による、CDK4/サイクリンD1のキナーゼ複合体の阻害を評価するのに使用する。
【0414】
この試験を実行するには、110μl分割量の形態を採る、−20℃で保管した原液を構成するために、キナーゼ緩衝液(HEPES/NaOH:50mM,NACl:1mM,MgCl:5mM,pH7.5)中に、ビオチン標識したペプチド基質、pRbタンパク質(ビオチニル−RPPTLSPIPHIPRSPYKFPSSPLR−アミド)の断片を2mMの濃度で溶解する。実験当日に、この溶液の一定分量を、解凍し、1mMのジチオスレイトールを含有するキナーゼ緩衝液中で希釈し、2.571μMの最終ペプチド濃度を得るために、その場で緩衝液に加える。100μlの反応媒体(以下、参照)の最終容積中で実行される酵素反応の間に、1.8μMの最終基質濃度を得るために、この溶液70μlを、フラッシュプレートの各ウェルに加える。多様な濃度の阻害剤(本発明の生成物)の中間体希釈溶液を、別々の試験管に原液からDMSO中に10mMで調製する。このようにして、1000μM,333.3μM,111.1μM,37.03μM,12.35μM,4.11μM及び1.37μM.の希釈溶液を調製する。これらの溶液のそれぞれ1μl(又は対照用として、DMSO1μl)を、テストプレートのウェルに移す。
【0415】
次に、キナーゼ緩衝液中に、ATPトータルで5.26μM及び33Pが78.9μCi/mlの濃度で、アデノシン三リン酸塩(ATP)及びATP33Pの混合物溶液19μlを、各ウェルに添加する。1mMのジチオスレイトールを含有するキナーゼ緩衝液中に、250nM、CDK4/サイクリンD1溶液を1ウェルあたり10μl(または、反応ブランクに対して、1mMのジチオスレイトールを含有するキナーゼ緩衝液10μl)添加することにより、酵素反応を誘発する。多様な添加後、各ウェルの最終容量は、100μl、最終基質濃度は、1.8μM、最終阻害剤濃度は、10μM,3.33μM,1.11μM,0.37μM,0.123μM,0.041μM及び0.014μM(中間体希釈溶液の濃度による)、最終ATP濃度は、1μM、33Pの最終量は、1.5μCi/ウェル、及び、CDK4/サイクリンD1複合体の最終濃度は、25nMである。
【0416】
全ての試薬を添加後、テストプレートを650rpmで、オービタル攪拌しながら、30℃でインキュベートする。インキュベーション後、300μ/ウェルのPBS(リン酸緩衝液食塩水、pH=7.4、カルシウム又はマグネシウムを含まず、基準:10010−015、Gibco BRL)を用いて、プレートを、3回洗浄する。基質ペプチドへの33Pの取り込みは、Packard Topcount.NXT machineを用いてシンチレーションカウンティングにより定量する。本発明の生成物の阻害活性は、酵素活性の50%の減少(IC50)を与える阻害濃度を測定することにより評価される。
【0417】
3.Aurora2
キナーゼAurora2に対する化合物の阻害効果は、放射能シンチレーション試験によって決定される。
【0418】
完全な組み換えAurora2酵素(そのN末端はヒスチジンで標識されていた)を、大腸菌中で発現させ、均質に近い品質まで精製した。
【0419】
NuMA(細胞内分裂装置に付随する核タンパク質)のC末端断片(Q1687−H2101)を、大腸菌中で発現し、ヒスチジンで標識されたN末端は、ニッケルキレートを用いて、クロマトグラフィによって精製し、Aurora2キナーゼ試験において、基質として使用した。
【0420】
Aurora2のキナーゼ活性は、ニッケルキレート(New England Nuclear、SMP107モデル)によって飽和したマイクロプレート上で、シンチレーションにより測定する。各ウェルは、以下の溶液の100μlを含有する:0.02μMのAurora2;0.5μMのNuMA基質;0.5μCiのATP−[33P]を補充した、1μMのATP。溶液を、37℃で、45分間、インキュベートする。次に、試験緩衝液を除去し、キナーゼ300μlを用いて、ウェルを2回洗浄する。Packard Model Top Count NXT machineを用いて、各ウェル中の放射能を測定する。
【0421】
バックグラウンドノイズは、他のサンプルに関して同じ方法で処理された緩衝化キナーゼを含有する放射性ATPのみを含有するウェル中で、二つ組みで測定される。
【0422】
対照の活性は、試験化合物の不存在下で、完全な試験混合物(ATP、Aurora2及びNuMA基質)中での放射能を、二つ組みで測定することによって決定される。
【0423】
本発明の化合物によるAurora2の活性の阻害は、試験化合物の不存在下での対照活性の阻害のパーセントとして、表される。阻害対照として、各ウェルには、スタウロスポリンを加える。
【0424】
【表6】











【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式(I)に対応する化合物
【化1】

(式中、
Xは、共有結合、(CH(nは、1又は2に等しい。)から選択される基を表し、
Arは、アリール又はヘテロアリール基を表し、この基は、アルキル基、ハロゲン、NR(R及びRは、水素基、アルキル、シクロアルキルから選択され、又は両者で複素環基若しくはヘテロアリール基を形成することができ、これらの基自体が場合により置換される。)、SOアルキル、Sアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール又はアリール基から選択される基で場合により置換されており、
Rが、水素及びアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ又はアミノ基から選択される基を表し;Rは、Rに対して定義される基と同一の基から選択される1つ以上の基で場合により置換されることができる。)。
【請求項2】
基R及びR上に存在し得る置換基が、ヒドロキシル基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基及びアミノアルキル基から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
アルキル基が、1ないし10個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
シクロアルキル基が、3ないし10個の炭素原子を含有する環状アルキル鎖である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
ヘテロシクロアルキル基が、3ないし10個の炭素原子を含有し、並びにO、N及びSから選択される少なくとも1つの複素原子を含有する環状アルキル鎖である請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
基NRにおいて、基R又はRの1つが水素原子である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
基R、R及びRの全てが、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基、アリール基、アミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基又はハロゲン基で場合により置換されている、請求項1から6に記載の化合物。
【請求項8】
アリール基及びヘテロアリール基が、O、N及びSから選択される1つ以上の複素原子を場合により含む単環基又は別の5員環若しくは6員環に縮合され並びにO、N及びSから選択される1ないし3個の複素原子を場合により含む基から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
アリール又はヘテロアリール基が、フェニル基、ピリジル基、ピリミジン基、トリアジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、フリル基、チエニル基、インドリル基、アザインダゾリル基、イソベンゾフリル基、イソベンゾチエニル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、アリールビニレン基、アリールアミド基、アリールカルボキサミド基、アラルキルアミン基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリル基、キナゾリル基、ナフチリジル基、トリアゾリル基及びテトラゾリル基から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
アリール及びヘテロアリール基が、場合により置換されたフェニル基、チエニル基、ピラゾリル基及びイミダゾリル基から選択される、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
フェニル基が、アミノ基及びハロゲン、特に塩素及びフッ素から選択される基で置換されている、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
アリール基が、ジトリフルオロフェニル及びトリフルオロフェニル並びにモノアルキルアミノフェニルから選択される、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
Xが、共有結合を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
Rが、シクロアルキル基を表す、請求項1に記載の化合物。

【公表番号】特表2007−530644(P2007−530644A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505593(P2007−505593)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【国際出願番号】PCT/FR2005/000761
【国際公開番号】WO2005/097787
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(500152119)アバンテイス・フアルマ・エス・アー (65)
【Fターム(参考)】