説明

新規化合物892

本発明は、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンの新規な結晶形態に関する。更に、本発明は、また、それを含む組成物及び治療におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンの新規な結晶形態に関する。更に本発明は、また、それらを含む組成物及び治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤組成物の製剤設計において、原薬は、便利に取り扱え、且つ、加工できる形態であることが重要である。このことは、商業的に存続可能な製造方法を得るという観点からだけでなく、それに続く活性化合物を含む医薬製剤の製造の観点からも重要である。
【0003】
更に、経口薬剤組成物の製造において、患者に投与した後、確実で再現性があり、一定した薬剤の血漿濃度特性をもたらすことが重要である。
【0004】
活性成分の化学的安定性、固体の安定性及び「有効期間」も、また、非常に重要な要素である。原薬及びそれを含む組成物は、活性化合物の物理化学的性質、例えば、化学組成、密度、吸湿性及び溶解性が、著しい変化を示すことなく、かなりの長期間にわたって有効に保存されることが可能であるべきである。
【0005】
アモルファス物質は、これに関連して問題を提示する可能性がある。例えば、そのような物質は、一般に取り扱い及び製剤化がより困難で、信頼性が低い溶解性を与え、そして、しばしばより不安定であることが認められている。
【0006】
従って、商業的に存続可能なそして薬学的に許容される薬剤組成物の製造においては、可能な限り、実質的に結晶性であり安定な形態の薬剤を提供することが重要である。
【0007】
ミエロペルオキシダーゼ(MPO)は、圧倒的に多形核白血球(PMN)に見られるヘム含有酵素である。MPOは、更に好酸球ペルオキシダーゼ、甲状腺ペルオキシダーゼ、唾液ペルオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、プロスタグランジンHシンターゼ及びその他を含む、哺乳類ペルオキシダーゼの多様なタンパク質ファミリーの1メンバーである。成熟した酵素は、同一半分子の二量体である。各半分子は、共有結合したヘムを含有し、それはMPOの特徴的な緑色に関与する特異的なスペクトル特性を示す。MPOの2つの各半分子を連結しているジスルフィド橋を切断すると、完全な酵素のそれらと判別不能なスペクトル特性及び触媒特性を示す半酵素(hemi-enzyme)を生じる。その酵素は、過酸化水素を使用して塩化物を酸化し、次亜塩素酸にする。他のハロゲン化物及び擬ハロゲン化物(チオシアネートのような)も、また、MPOの生理学的な基質である。
【0008】
PMNは、感染と闘うために特別な重要性を有する。これらの細胞は、十分に証明された殺菌作用を有するMPOを含有する。PMNは、貪食による非特異的な作用で微生物を飲み込み、それを食胞と呼ばれる空胞に取り込み、そしてそれはミエロペルオキシダーゼを含む顆粒と融合し、ファゴリソソームを形成する。ファゴリソソームでは、ミエロペルオキシダーゼの酵素活性が、強力な殺菌化合物である次亜塩素酸を形成する。次亜塩素酸はそれ自体で酸化性であり、最も集中的にチオール類及びチオエーテル類と反応するばかりでなく、アミン類をクロラミンに変換し、芳香族アミノ酸を塩素化する。マクロファージは、大型の貪食細胞であり、PMNの様に、微生物を食菌することができる。マクロファージは、また、過酸化水素を発生させることができ、活性化すると同じ様にミエロペルオキシダーゼを産生する。MPO及び過酸化水素は、また、塩化物との反応が隣接組織にダメージを引き起こすところでは、細胞外への放出が可能である。
【0009】
ミエロペルオキシダーゼ活性の疾患との関連は、多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病及び脳梗塞、並びに、喘息、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、アテローム性動脈硬化、虚血性心疾患、心不全、炎症性腸疾患、腎糸球体障害及び関節リウマチのような他の炎症性疾患を含む、神経炎症反応を伴う神経疾患に関わりがある。肺癌も、また、高いMPOレベルに関連することが示唆されている。
【0010】
多発性硬化症(MS)
MPO陽性細胞は、炎症を起こしている循環器及び組織に莫大な数で存在する。より具体的には、MPOを含有するマクロファージ及びミクログリアが、多発性硬化症(非特許文献1)、パーキンソン病(非特許文献2)及びアルツハイマー病(非特許文献3)の病気期間中の中枢神経系(CNS)で十分に立証されている。慢性進行性の炎症のいくつかの側面は、MPO反応からの因子が重要な役割を果たすところで、圧倒的な破壊を起こすことが想定される。
【0011】
酵素は、好中球の細胞外並びにファゴリソソーム内の両者に放出される(非特許文献4)。MPO活性の必須条件は、NADPHオキシダーゼ及び後のスーパーオキシドの不均化によって生成する過酸化水素の存在である。酸化型酵素は、大量の異なる基質を利用することができ、その中で塩素化合物が最もよく認識されている。この反応から、強力な非ラジカル酸化剤の次亜塩素酸(HOCl)が形成される。HOClは、システイン及びメチオニンのような、イオウ含有アミノ酸を非常に効率的に酸化する(非特許文献5)。それは、また、タンパク質及び他の生体分子の両者のアミノ基を使って、クロラミンを生成する(非特許文献6)。それは、フェノール類(チロシンのような)(非特許文献7)及び脂質の不飽和結合(非特許文献8)を塩素化し、中心鉄を酸化し(非特許文献9)そしてタンパク質を架橋する(非特許文献10)。
【0012】
タンパク質分解カスケードは、血液脳関門(BBB)を通過する細胞浸潤、並びにBBB、ミエリン及び神経細胞の破壊の両者に関与する(非特許文献11;非特許文献12)。マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の活性化は、カスケードの上流のプロテアーゼの作用、並びにジスルフィド橋の酸化を経由して実現される(非特許文献13、非特許文献14)。この酸化は、ニトロシル化又はHOCl−媒介の酸化のどちらかである可能性がある。両反応は、MPO活性の結果である可能性がある。いくつかの報告書は、MS及び実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の両者における細胞浸潤並びに組織損傷(BBB破壊及び脱髄)に影響を与えるような、一般的にはMMP類の、具体的にはMMP−9の役割を示唆している(上記の非特許文献12を参照)。MSにおけるこれら特異的な種類のメカニズムの重要性は、MSの脳組織及び脳脊髄液(CSF)にプロテアーゼ類の活性及び存在の増加が確認された研究に由来している。支持するデータは、また、MSの病理への関与に関連するいくつかのプロテアーゼが欠損したマウスによるEAE研究を行うことによって、又は薬理学的手法を用いることによっても作り出されている。
【0013】
脱髄は、細胞障害性T細胞及び活性化食細胞によって生成される毒性産物に依存することが想定される(非特許文献15)。軸索の喪失は、従ってプロテアーゼ及び反応性酸素並びに窒素中間体によって影響される。MPOが存在する場合は、明らかに、(直接的な、並びにプロテアーゼ阻害剤に影響を与えることによる抑制解除を介した)プロテアーゼの活性化及び反応種生成の両者の機能を有する。
【0014】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、完全に回復できない気流制限が特徴の、疾患状態である。気流制限は、通常進行性であること、及び有害な粒子又はガスに対する肺の異常な炎症反応と関連することの両者である。COPDは、公衆衛生上の大きな問題である。そ
れは、米国における慢性疾病率及び死亡率の4番目の主要原因であり、2020年には世界的な疾病の負担として第5位になると予測される。英国では、COPDの有病率は、男性で1.7%、女性では1.4%である。COPDは軽度から非常に厳しい重症度の範囲にわたっており、治療費は、重症度が増すにつれて急速に上昇する。
【0015】
喀痰及び気管支肺胞洗浄(BAL)中のMPOの濃度は、正常な禁煙者のコントロールよりもCOPD患者ではるかに高い(非特許文献16;非特許文献17)。MPOレベルは、病気が悪化する間更に上昇する(非特許文献18;非特許文献19)。MPOの役割は、COPDの悪化においてより重要である可能性が高い(非特許文献20)。
【0016】
MPOの破壊能力に加えて、血管障害と強い臨床上の関連がある(非特許文献21)。正常に機能しないMPO多型は、冠動脈疾患からの死亡のリスクの減少に関連しており(非特許文献22)、血清MPOレベルの高い患者は、急性冠症候群のリスクが増加している。肺血管系は喫煙者の肺で最も初期に関与する部位の1つであるという強力な証拠があるので、血管疾患に及ぼすMPOの作用は、COPDに拡張させる可能性がある。肺動脈の内膜における著しい変化は、喫煙と用量相関を示すことが記載されている(非特許文献23)。MPOの生理的機能は、先天的な宿主防御に関係する。しかし、MPO欠損の患者の症例の大部分は比較的良性症状を有するので、その役割は重要ではない(非特許文献24;非特許文献25)。要約すると、COPDにおけるMPOレベルの上昇は、複数のメカニズムを通して疾患に関与する可能性がある、という注目すべき証拠がある。MPOの選択的阻害剤は、それ故、COPDの急性及び慢性の両者の炎症症状を緩和することが予想され、肺気腫の発症を抑える可能性がある。
【0017】
アテローム性動脈硬化
MPO阻害薬は、アテローム性動脈硬化の負荷及び/又は既存のアテローム性動脈硬化病変の脆弱性を低減させ、それによって、急性心筋梗塞、不安定狭心症又は脳梗塞のリスクを低下させ、そして急性冠症候群及び虚血性脳血管イベントの間の虚血/再灌流傷害を軽減させるはずである。いくつかの一連のデータが、アテローム性動脈硬化におけるMPOの役割を支持する。MPOは、ヒトのアテローム硬化性病変の肩胛部及び壊死の中心部で発現され、活性酵素はヒトの病変の剖検材料から分離されている(非特許文献26)。腐食及び破損したヒトの病変では、脂肪線条に比べると、増加した数のMPO発現マクロファージが示され、急性冠動脈症候群におけるMPOの特定の役割を示唆している(非特許文献27)。確定した冠動脈疾患患者は、健常コントロールよりも高い血漿及び白血球MPO濃度を有する(非特許文献28)。
【0018】
更に、2つの大規模な予測研究で、MPOの血漿濃度から、さらなる冠動脈イベント又は再灌流のリスクが予測された(非特許文献29;非特許文献30)。ヒトにおける合計MPO欠損症は、2,000〜4,000人に1人の患者数である。これらの個人は、大抵は健康であるように見えるが、2、3の重篤なカンジダ感染の症例が報告されている。
【0019】
興味深いことに、MPO欠乏のヒトは、正常なMPOレベルのコントロールよりも心血管疾患にかかりにくい(非特許文献31)。MPOプロモータの多型は、発現に影響を及ぼし、MPOの高発現及び低発現の個人にしてしまう。3つの異なった研究では、高発現の遺伝子型は、心血管疾患のリスク増大に関連している(非特許文献32;非特許文献33;非特許文献34)。過去10年間に蓄積されたデータは、MPOの前アテローム発生作用が、リポタンパク質の酸化、酸化窒素の消費を経由する内皮機能不全の誘導、及びプロテアーゼの活性化によるアテローム動脈硬化病変の不安定化を含むことを示す(非特許文献35)。最近、複数の研究は、LDL及びHDLリポタンパク質のニトロ及びクロロチロシン修飾に焦点を当てている。
【0020】
生体内クロロチロシン修飾は、MPOによって産生される次亜塩素酸によってのみ起こされるので、これらの修飾は、MPO活性の特異的マーカーと見なされる(非特許文献36)。生体外でMPOに曝されたLDL粒子は、凝集し、マクロファージのスカベンジャー受容体を経由する取り込みを促進し、泡沫細胞を形成させる(非特許文献37)。HDLコレステロールの主要アポリポタンパク質であるapoA1(アポA1)のクロロチロシン修飾は、コレステロール受容体の機能障害をもたらす(非特許文献38;非特許文献39)。
【0021】
これらのメカニズムの系統的な研究は、MPOがアポA1に結合し、アポA1と一緒に血漿中を移動することを示している。更に、MPOは、マクロファージからコレステロールが流出する間に、マクロファージABCA1カセット輸送体と物理的に相互作用するアポA1のチロシン残基を特異的に標的にする(非特許文献40;非特許文献41;非特許文献42)。このように、MPOは、アテローム性動脈硬化病変において、二重に悪化させる役割を有する、即ち、LDL粒子の凝集によって脂質蓄積を増加させ、HDLタンパク質のアポA1への攻撃によってコレステロール逆転送を低下させるようである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】Nagra RM, et al. Journal of Neuroimmunology 1997; 78(1-2):97-107;
【非特許文献2】Choi D-K. et al. J. Neurosci. 2005; 25(28):6594-600;
【非特許文献3】Green PS. et al. Journal of Neurochemistry. 2004; 90(3):724-33;
【非特許文献4】Hampton MB, Kettle AJ, Winterbourn CC. Blood 1998; 92(9): 3007-17;
【非特許文献5】Peskin AV, Winterbourn CC. Free Radical Biology and Medicine 2001; 30(5): 572-9;
【非特許文献6】Peskin AV. et al. Free Radical Biology and Medicine 2004; 37(10):1622-30;
【非特許文献7】Hazen SL. et al. Mass Free Radical Biology and Medicine 1997; 23(6): 909-16;
【非特許文献8】Albert CJ. et al. J. Biol. Chem. 2001; 276(26): 23733-41;
【非特許文献9】Rosen H, Klebanoff SJ. Journal of Biological Chemistry 1982; 257(22): 13731-354;
【非特許文献10】Fu X, Mueller DM, Heinecke JW. Biochemistry 2002; 41(4): 1293-301;
【非特許文献11】Cuzner ML, Opdenakker G. Journal of Neuroimmunology 1999; 94(1-2): 1-14;
【非特許文献12】Yong VW. et al. Nature Reviews Neuroscience 2001; 2(7):5 02-11.;
【非特許文献13】Fu X. et al. J. Biol. Chem. 2001; 276(44): 41279-87;
【非特許文献14】Gu Z. et al. Science 2002; 297(5584): 1186-90;
【非特許文献15】Lassmann H. J Neurol Neurosurg Psychiatry 2003; 74(6): 695-7;
【非特許文献16】Keatings V.M., Barnes P.J. Am J Respir Crit Care Med 1997; 155:449-453;
【非特許文献17】Pesci, A. et al. Eur Respir J 1998; 12:380-386;
【非特許文献18】Fiorini G. et al. Biomedicine & Pharmacotherapy 2000; 54:274-278;
【非特許文献19】Crooks S.W. et al. European Respiratory Journal. 15(2): 274-80, 2000;
【非特許文献20】Sharon S.D. et al. Am J Respir Crit Care Med. 2001; 163: 349-355;
【非特許文献21】Baldus S. et al. Circulation 2003;108: 1440-5;
【非特許文献22】Nikpoor B. et al. Am Heart J 2001; 142: 336;
【非特許文献23】Hale K.A., Niewoehner D.E., Cosio M.G. Am Rev Resp Dis 1980;122: 273-8;
【非特許文献24】Parry M.F. et al. Ann Int Med. 1981; 95: 293-301;
【非特許文献25】Yang, K.D., Hill, H.R. Pediatr Infect Dis J. 2001; 20: 889-900;
【非特許文献26】Daugherty, A. et al. (1994) J Clin Invest 94(1): 437-44;
【非特許文献27】Sugiyama, S. et al. (2001) Am J Pathol 158(3): 879-91;
【非特許文献28】Zhang, R. et al. (2001) Jama 286(17): 2136-42;
【非特許文献29】Baldus, S. et al. (2003) Circulation 108(12): 1440-5;
【非特許文献30】Brennan, M. et al. (2003) N Engl J Med 349(17): 1595-604;
【非特許文献31】Kutter, D. et al. (2000) Acta Haematol 104(1);
【非特許文献32】Nikpoor, B. et al. (2001) Am Heart J 142(2): 336-9;
【非特許文献33】Makela, R., P. J. Karhunen, et al. (2003) Lab Invest 83(7): 919-25;
【非特許文献34】Asselbergs, F. W., et al. (2004) Am J Med 116(6): 429-30;
【非特許文献35】Nicholls, S. J. and S. L. Hazen (2005) Arterioscler Thromb Vasc Biol 25(6): 1102-11;
【非特許文献36】Hazen, S. L. and J. W. Heinecke (1997) J Clin Invest 99(9): 2075-81;
【非特許文献37】Hazell, L. J. and R. Stocker (1993) Biochem J 290 (Pt 1): 165-72;
【非特許文献38】Bergt, C., S. et al. (2004) Proc Natl Acad Sci USA;
【非特許文献39】Zheng, L. et al. (2004) J Clin Invest 114(4): 529-41;
【非特許文献40】Bergt, C. et al. (2004) J Biol Chem 279(9): 7856-66;
【非特許文献41】Shao, B. et al. (2005) J Biol Chem 280(7): 5983-93;
【非特許文献42】Zheng et al. (2005) J Biol Chem 280(1): 38-47。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、意外にも酵素MPOの阻害剤として有用な特性を示す、新規チオキサンチンを開示する。更に、本発明の新規化合物は、既知のチオキサンチンと比較した場合、以下の内の1つ又はそれ以上のいずれかを示す:(i)TPOに対する改善された選択性;(ii)MPOに対する予想外に高い阻害活性;(iii)改善された脳透過性;(iv)改善された溶解性及び/又は(v)改善された半減期。そのようなチオキサンチンは、例えば、国際公開公報第03/089430号及び国際公開公報第05/037835号に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態AのX線粉末回折パターンを示す。
【図2】図2は、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態BのX線粉末回折パターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンは、驚くべきことに
複数の結晶形態で存在できることが分っている。これらの化合物を、以後、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A及びBと呼ぶ。表記法のA及びBは、その形態が形成される時間的順番に関連するものであって、それらの相対的な熱力学的安定性には関係しない。
【0026】
従って、有利な特性を有する3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンの結晶形態を提供することが、本発明の目的である。
【0027】
本発明の1つの態様は、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態Aを提供する。
【0028】
3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態Aは、本発明によれば、実質的に下記の角度、d値及び強度を示す、図1のようなX線粉末回折パターンを与えることによって特徴付けられる。
【0029】
【表1】

【0030】
Braggの式及び強度から計算されるd値によって確認されたピークを、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態Aの回折図形から抽出した。相対強度は信頼性が低く、数値の代りに以下の定義を用いる:
%相対強度* 定 義
25〜100 vs(非常に強い)
4〜25 s(強い)
0.5〜4 m(中等度)
0〜0.4 w(弱い)
* 相対強度は、可変スリットで測定した回折図形に由来する。
【0031】
3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態Aは、取り扱いの利便性並びに化学的安定性及び固体の安定性などの、有利な特性を示す結晶形態である。
【0032】
本発明の別の態様は、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態Bを提供する。
3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態Bは、本発明によれば、実質的に下記の角度、d値及び強度を示す、図2のようなX線粉末回折パターンを与えることによって特徴付けられる。
【0033】
【表2】

【0034】
使用した定義:
%相対強度* 定 義
25〜100 vs(非常に強い)
5〜25 s(強い)
0.6〜5 m(中等度)
0〜0.5 w(弱い)
* 相対強度は、可変スリットで測定した回折図形に由来する。
【0035】
3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態Bは、取り扱いの利便性並びに化学的及び固体の安定性などの、有利な特性を示す結晶形態である。
【0036】
3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態Aは、室温のような常温でより安定であるが、一方3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チ
オキサンチン形態Bは、+65℃を超す温度でより安定である。
【0037】
3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン、即ち、本発明の化合物を、単一溶媒又は溶媒混合物中で結晶化させることは可能である。好適な溶媒の例は、DMSOである。
【0038】
少なくとも1種類の溶媒が含まれる適切な溶媒系からの本発明の化合物の結晶化は、溶媒の蒸発により、温度を下げることにより、及び/又は非溶媒(即ち、本発明の化合物が溶け難い溶媒)の添加により、溶媒系で過飽和にすることによって達成することができる。好適な非溶媒の例は、水とエタノールの混合物である。
【0039】
結晶化は、また、本発明の適切な結晶性化合物の結晶の播種の有り又は無しで、開始する及び/又は達成することができる。
【0040】
本発明の化合物の結晶化は、純粋な3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンの何れの形態、又は何れの形態の混合物から開始しても、達成することができる。
【0041】
無水物又は溶媒和物が結晶するかどうかは、特定の条件におけるそれぞれの形態の動力学及び平衡状態に関係する。従って、当業者によって理解されるように、得られる結晶形態は、結晶化方法の速度論と熱力学の両者に依存する。或る熱力学的条件下(溶媒系、温度、圧力及び本発明の化合物の濃度)では、1つの結晶形態はもう一方のもの(又は、実際には他のどれよりも)より安定である可能性がある。しかし、比較的低い熱力学的安定性を有する結晶形態は、速度論的には恵まれている可能性がある。従って、時間、不純物特性、攪拌、種結晶の有無などのような速度論的因子も、また、どちらの形態に結晶するかに影響する可能性がある。
【0042】
本発明の別の態様は、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A及びBの製造方法を提供する。
【0043】
3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態Aは、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンの粗原料から、約+60℃又はそれ以下の温度、例えば、室温で、例えば、非溶媒の添加により結晶化する際に得られる。得られる形態は安定である。
【0044】
3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態Aは、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンから、約+60℃又はそれ以上の温度で、例えば、非溶媒の添加により結晶化する際に得られる。
【0045】
本発明の化合物は、国際公開公報第03/089430号に記載されるように、投与し、使用することができる。
【0046】
本発明の化合物は、好適な医薬製剤に製剤化される前に、更に加工してもよい。例えば、結晶形態を、小さい粒子に粉砕又は破砕してもよい。
【0047】
本発明の別の態様は、少なくとも1つの薬学的に許容される補助剤、希釈剤又は担体と混合した本発明の化合物を含む医薬製剤を提供する。
【0048】
本発明の別の態様は、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と混合した、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A及び3−(2R−テト
ラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態Bの混合物を含む医薬製剤を提供する。
【0049】
本発明の別の態様は、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンを必要とする又は所望する状態を治療する方法であって、治療的有効量の本発明の化合物を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む方法を提供する。
【0050】
本発明の別の態様は、酵素MPOの阻害が有益である疾患又は状態を治療又は予防する医薬品を製造するための、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0051】
本発明の別の態様は、炎症性神経疾患(neuroinflammatory disorder)、心臓及び脳血管アテローム動脈硬化性疾患及び末梢動脈障害、心不全並びに呼吸器疾患の、例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、感染性及び好酸球性気管支炎を含む気管支炎、肺気腫、気管支拡張症又は嚢胞性線維症などを、治療又は予防する医薬品を製造するための、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0052】
本発明の別の態様は、多発性硬化症を治療又は予防する医薬品を製造するための、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。治療は疾患の進行を遅らせることを含んでもよい。
【0053】
本発明の別の態様は、パーキンソン病を治療又は予防する医薬品を製造するための、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。治療は疾患の進行を遅らせることを含んでもよい。
【0054】
本発明の別の態様は、アテローム性動脈硬化症を、新たなアテローム性動脈硬化病変又はプラークの形成を阻止及び/又は減少させることによって、及び/又は既存のアテローム性動脈硬化病変又はプラークの進行を阻止又は遅らせることによって、治療又は予防する医薬品を製造するための、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0055】
本発明の別の態様は、アテローム性動脈硬化症を、プラークの破裂及びアテローム血栓性イベントの危険性を低下させるためにプラークの組成を変化させることによって、治療又は予防する医薬品を製造するための、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0056】
本発明の別の態様は、慢性閉塞性肺疾患のような呼吸器疾患を治療又は予防する医薬品を製造するための、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。治療は疾患の進行を遅らせることを含んでもよい。
【0057】
本発明の別の態様は、酵素MPOの阻害が有益である疾患又は状態を治療する若しくはその危険性を低下させる方法であって、前述の疾患又は状態に罹っている又はその危険のある人に、治療的有効量の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A、又は薬学的に許容されるその塩を投与することを含む方法を提供する。
【0058】
本発明の別の態様は、後述の疾患又は状態に罹っている又はその危険のある人における、炎症性神経疾患、心臓及び脳血管アテローム動脈硬化性疾患若しくは末梢動脈障害、又は心不全若しくは慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような呼吸器疾患を治療する又はその
危険性を低下させる方法であって、その人に治療的有効量の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A、又は薬学的に許容されるその塩を投与することを含む方法を提供する。本発明の1つの実施態様によれば、前述のCOPDは、感染性及び好酸球性気管支炎を含む気管支炎;肺気腫;気管支拡張症又は嚢胞性線維症である。
【0059】
本発明の別の態様は、後述の疾患又は状態に罹っている又はその危険のある人における、多発性硬化症を治療する又はその危険性を低下させる方法であって、その人に治療的有効量の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A、又は薬学的に許容されるその塩を投与することを含む方法を提供する。
【0060】
本発明の別の態様は、後述の疾患又は状態に罹っている又はその危険のある人における、パーキンソン病を治療する又はその危険性を低下させる方法であって、その人に治療的有効量の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A、又は薬学的に許容されるその塩を投与することを含む方法を提供する。
【0061】
本発明の別の態様は、後述の疾患又は状態に罹っている又はその危険のある人におけるアテローム性動脈硬化症を、新たなアテローム性動脈硬化病変又はプラークの形成を阻止及び/又は減少させることによって、及び/又は既存のアテローム性動脈硬化病変又はプラークの進行を阻止又は遅らせることによって治療又は予防する方法であって、その人に治療的有効量の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A、又は薬学的に許容されるその塩を投与することを含む方法を提供する。
【0062】
本発明の別の態様は、後述の疾患又は状態に罹っている又はその危険のある人におけるアテローム性動脈硬化症を、プラークの破裂及びアテローム血栓性イベントの危険性を低下させるためにプラークの組成を変化させることによって治療又は予防する方法であって、その人に治療的有効量の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A、又は薬学的に許容されるその塩を投与することを含む方法を提供する。
【0063】
本発明の別の態様は、酵素MPOの阻害が有益である疾患又は状態の治療又は予防に使用するための、治療的有効量の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A、又は薬学的に許容されるその塩を、薬学的に許容される補助剤、稀釈剤又は担体との混合剤として含む、医薬製剤を提供する。
【0064】
本発明の別の態様は、炎症性神経疾患の治療又は予防に使用するための、治療的有効量の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A、又は薬学的に許容されるその塩を、薬学的に許容される補助剤、稀釈剤又は担体との混合剤として含む、医薬製剤を提供する。
【0065】
本発明の別の態様は、多発性硬化症、心臓及び脳血管アテローム動脈硬化性疾患及び末梢動脈障害及び心不全並びに慢性閉塞性肺疾患のような呼吸器疾患の治療又は予防に使用するための、治療的有効量の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A、又は薬学的に許容されるその塩を、薬学的に許容される補助剤、稀釈剤又は担体との混合剤として含む、医薬製剤を提供する。
【0066】
本発明の別の態様は、アテローム性動脈硬化症の、新たなアテローム性動脈硬化病変又はプラークの形成を阻止及び/又は減少させることによる、及び/又は既存のアテローム性動脈硬化病変又はプラークの進行を阻止又は遅らせることによる治療又は予防に使用するための、治療的有効量の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A、又は薬学的に許容されるその塩を、薬学的に許容される補助剤、稀釈剤又は
担体との混合剤として含む、医薬製剤を提供する。
【0067】
本発明の別の態様は、アテローム性動脈硬化症の、プラークの破裂及びアテローム血栓性イベントの危険性を低下させるためにプラークの組成を変化させることによる治療又は予防に使用するための、治療的有効量の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A、又は薬学的に許容されるその塩を、薬学的に許容される補助剤、稀釈剤又は担体との混合剤として含む、医薬製剤を提供する。
【0068】
本発明の別の態様は、酵素MPOの阻害が有益である疾患又は状態の治療又は予防に使うための医薬の製造における、活性成分としての3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A及び3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態Bの混合物の使用を提供する。
【0069】
本発明の別の態様は、酵素MPOの阻害が有益である疾患又は状態を治療又は予防する方法であって、治療的有効量の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A及び3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態Bの混合物を、それに罹っている患者に投与することを含む方法を提供する。
【0070】
本発明は、更に、下記の治療のための療法に関する:
アルツハイマー病(AD)、認知症、統合失調症における認知障害(CDS)、軽度認知機能障害(MCI)、加齢に伴う記憶障害(AAMI)、加齢に伴う認知機能低下(ARCD)、認知症でない認識障害(CIND)、多発性硬化症、パーキンソン病(PD)、脳炎後パーキンソニズム、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動ニューロン疾患(MND)、多系統萎縮症(MSA)、大脳皮質基底核変性症、進行性核上麻痺、ギランバレー症候群(GBS)及び慢性炎症性脱髄性多発神経障害(CIDP)を含むが、これに限定されない神経変性障害、ダウン症候群、血管性認知症、レヴィー小体を伴う認知症、HIV認知症、前頭側頭認知症パーキンソン病型(FTDP)、ピック病、ニーマン・ピック病、外傷性脳損傷(TBI)、ボクサー認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病及びプリオン病を含むが、これに限定されない認知症。
【0071】
本発明は、更に、下記の治療のための療法に関する:
多発性硬化症(MS)、パーキンソン病、多系統萎縮症(MSA)、大脳皮質基底核変性症、進行性核上麻痺、ギランバレー症候群(GBS)、慢性炎症性脱髄性多発神経障害(CIDP) を含むが、これに限定されない神経炎症性疾患。多発性硬化症(MS)は、再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、二次性進行性多発性硬化症(SPMS)及び一次性進行性多発性硬化症(PPMS)を含む。
【0072】
本発明は、更に、下記の治療のための療法に関する:
以下を含むが、これに限定されない認識力障害:
a)アルツハイマー病(AD)、ダウン症候群、血管性認知症、パーキンソン病(PD)、脳炎後パーキンソニズム、レヴィー小体を伴う認知症、HIV認知症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動ニューロン疾患(MND)、前頭側頭認知症パーキンソン病型(FTDP)、進行性核上麻痺(PSP)、ピック病、ニーマン・ピック病、大脳皮質基底核変性症、外傷性脳損傷(TBI)、ボクサー認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病及びプリオン病)を含むが、これに限定されない認知症;
b)統合失調症(CDS)における認知障害;
c)軽度認知機能障害(MCI);
d)加齢に伴う記憶障害(AAMI);
e)加齢に伴う認知機能低下(ARCD);
f)認知症でない認識障害(CIND)。
【0073】
本発明は、更に、下記の治療のための療法に関する:
注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)及び情動障害を含むが、これに限定されない注意欠陥及び分裂行動障害。
【0074】
本発明は、また、本発明の化合物で治療することができる以下の疾患及び状態の治療に関する:
気道:以下を含む気道の閉塞性疾患:間欠性及び持続性の両者並びにあらゆる重症性の、気管支、アレルギー性、内因性、外因性、運動誘発性、薬物性(アスピリン及びNSAID誘発性を含む)及びダスト誘発の、及び他の気道過敏反応要因を含む喘息;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性及び好酸球性気管支炎を含む気管支炎;肺気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺及び関連疾患;過敏性肺炎;潜因性の繊維化性肺胞炎、特発性間質性肺炎、抗腫瘍療法並びに結核症及びアスペルギルス症及び他の真菌感染症を含む慢性感染症を複雑化している線維症を含む肺線維症;肺移植の合併症;肺血管の血管性及び血栓性障害、及び肺高血圧症;炎症性及び気道の分泌状態に関連する慢性咳並びに医原性の咳の治療を含む鎮咳作用;薬物性鼻炎及び血管運動神経性鼻炎を含む急性及び慢性鼻炎;神経性鼻炎(花粉症)を含む通年性及び季節性アレルギー性鼻炎;鼻ポリープ;一般的な風邪、並びに呼吸合胞体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)及びアデノウイルスによる感染を含む、急性ウイルス感染;
骨及び関節:例えば、先天性股関節異形成の原発性及び続発性の両者である、変形性関節炎/変形性関節症に関連する又は含まれる関節炎;頚部及び腰部脊椎炎、並びに背下部及び頚部痛;関節リウマチ及びスティル病;強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎及び未分化脊椎関節症を含む血清陰性脊椎関節症;敗血症性関節炎及び他の感染が関係する関節症並びに脊椎カリエス(Potts'disease)及びポンセ症候群(Poncet's syndrome)を含む結核のような骨疾患;尿酸痛風、ピロリン酸カルシウム沈着症、及びカルシウムアパタイトが関連する腱、滑液包及び滑膜炎症を含む、急性及び慢性の結晶誘発性滑膜炎;ベーチェット病;原発性及び二次性シェーグレン症候群;全身性強皮症及び限局性強皮症;全身性エリテマトーデス、混合性結合組織疾患及び鑑別不能な結合組織疾患;皮膚筋炎及び多発性筋炎を含む炎症性筋障害;リウマチ性多発筋痛症;関節区分に関係ない特発性炎症性関節炎及び随伴症候群、並びにリウマチ熱及びその全身性合併症を含む若年性関節炎;巨細胞性動脈炎、高安動脈炎、チャーグ・ストラウス症候群、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発動脈炎、並びにウイルス感染、過敏反応、クリオグロブリン及びパラプロテインに関連する血管炎を含む血管炎;腰痛;家族性地中海熱、マックル・ウェルズ症候群及び家族性ハイバーニアン熱、菊池病;薬物性関節痛、腱炎及びミオパシー。
【0075】
本発明は、更に、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A若しくは薬学的に許容されるその塩、又は3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態Aを含む医薬組成物若しくは製剤が、心臓及び脳血管アテローム性動脈硬化性疾患並びに末梢動脈疾患のいずれか1つの治療のための療法及び/又は薬剤と同時に又は順次に投与される、併用療法に関する。
【0076】
3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A又は薬学的に許容されるその塩は、下記のグループの1種又はそれ以上の化合物と併せて投与することができる:
1)抗炎症剤、例えば:
a)NSAID(例えば、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ジクロフェナク、インドメタシン);
b)ロイコトリエン合成阻害剤(5−LO阻害剤、例えば、AZD4407、ザイリュートン、リコフェロン、CJ13610、CJ13454;FLAP阻害剤、例えば、B
AY−Y−1015、DG−031、MK591、MK886、A81834;LTA4加水分解酵素阻害剤、例えば、SC56938、SC57461A);
c)ロイコトリエン受容体アンタゴニスト(例えば、CP195543、アメルバント、LY293111、アコレート、MK571);
【0077】
2)血圧降下剤、例えば:
a)ベータ遮断薬(例えば、メトプロロール、アテノロール、ソタロール);
b)アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、カプトプリル、ラミプリル、キナプリル、エナラプリル);
c)カルシウムチャンネル遮断薬(例えば、ベラパミル、ジルチアゼム、フェロジピン、アムロジピン);
d)アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト(例えば、イルベサルタン、カンデサルタン、テルミサルタン、ロサルタン);
【0078】
3)抗凝固剤 、例えば:
a)トロンビン阻害剤(例えば,キシメラガトラン)、ヘパリン、第Xa因子阻害剤;
b)血小板凝集阻害剤(例えば、クロピドグレル、チクロピジン、プラスグレル、AZ4160);
【0079】
4)脂質代謝の調節因子、例えば:
a)PPARアゴニストのようなインスリン抵抗性改善薬(例えば、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、Galida、ムラグリタザール、ゲフェムロジル(gefemrozil)、フェノフィブレート);
b)HMG−CoA還元酵素阻害剤、スタチン(例えば、シンバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、フラバスタチン);
c)コレステロール吸収阻害剤(例えば、エゼチミブ);
d)IBAT阻害剤(例えば、AZD−7806);
e)LXRアゴニスト(例えば、GW−683965A、T−0901317);
f)FXR受容体モジュレータ;
g)ホスホリパーゼ阻害剤;
【0080】
5)抗狭心症薬、例えば、硝酸塩及び亜硝酸塩;
6)酸化ストレス変調剤、例えば、抗酸化剤(例えば、プロブコール、AG1067)。
【0081】
3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態Bも、また、上記の本発明の態様に使用することができる。
【0082】
疑いを避けるために述べると、「治療」は、状態の治療的処置、並びに予防を包含する。
【0083】
3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A及び形態Bは、3−(2−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンの(−)エナンチオマーを表す。
【0084】
本発明の化合物は、改善された取り扱い易さを提供する形態をとるという利点を有する。更に、本発明の化合物は、より低い吸湿性であると同様に化学的及び固体状態の安定性が改善した形態で生産することができるという利点を有する。従って、長期にわたって保存された場合、化合物は安定である可能性がある。
【0085】
本発明は、以下の実施例によって説明されるが、これらには全く限定されない。本発明
の化合物の結晶形態は、本明細書に記載された方法と類似の方法により、及び/又は下記の実施例に従って製造することができること、及び本質的に本明細書に開示されるXRPD回折パターンと同じ回折パターンを示すことができることは、当業者によって理解されるであろう。「本質的に同じ」XRPD回折パターンによって、本質的に同じ結晶形態が形成されていることが該当するパターン(実験誤差を許容して)から明らかである場合、本発明者らはそれらを事例に含める。ただし、XRPD2θ角の値は、±0.05°2θの範囲で変動する可能性がある。XRPD強度は、本質的に同じ結晶形態について測定した場合、例えば、好ましい配向を含むさまざまな理由によって、変化する可能性があることは当業者によって理解されるであろう。
【0086】
合成方法:
3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンの結晶は、溶媒溶液から、反溶媒の添加によって又は塩基性溶液からpHを下げることによって形成することができる。ジメチルスルホキシド(DMSO)は、良い溶媒の例であるが、一方アルコール及び/又は水は、反溶媒として使用することができる。エタノールのようなアルコール類は、塩基性pHで水との組み合わせが好適である。この場合、pHを低下させ、その物質を沈殿させるために、酸、好ましくは塩酸を使用することができる。全溶媒量は、出発物質の質量当たりの容積で、1(v/w)から100(v/w)の間、好ましくは5(v/w)から50(v/w)の間で変化させてもよい。反応/結晶化の温度は、0℃と100℃の間であればよい。2つの多形が見出されている。多形Aは、好ましくは60℃以下で形成し、多形Bは好ましくは60℃以上である。
【0087】
溶液中の多形Aの物質は、約60℃以上の温度で攪拌すると多形Bに変換し、一方、溶液中の多形Bの物質は、約60℃以下の温度で攪拌すると多形Aに変換する。結晶化を60℃若しくはその近傍で行う、又は結晶化を60℃より上/下で開始し、次いで温度を60℃より下/上に下げ/上げすると、2つの多形の混合物が生じる可能性がある。
【実施例】
【0088】
以下の実施例は、本発明を説明するが、それを限定するものではない。
[実施例1]
形態A;選択肢1
粗製の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン(形態A+B)(10.0グラム)を、エタノール(240mL)、水(100mL)及び水酸化ナトリウム溶液(1M、80mL)の溶液に溶解した。溶液は、スクリーン濾過して小型のガラス反応器に入れた。
3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン(形態A)は、室温で、HCl(3M、26mL)を、有効な攪拌条件下で、ゆっくり添加することによって結晶化させた。結晶が現れたら、5分間添加を止めた。最後に、すべてのHClを添加してしまったら、スラリーを一晩、室温で攪拌した。次に、スラリーを濾過し、エタノール及び水で洗浄し、そして40℃で減圧乾燥させた。収率は、9.02g、90%で、少なくとも99%の純度になった。
1H NMR(500MHz、DMSO−d6)による同一性:δ(ppm) :13.82 (br s, 1H), 12.45(s, 1H), 8.15(s, 1H), 4.58(m, 1H), 4.55/4.41(m, 2H), 3.81/3.60(m, 2H), 1.94/1.80(m, 2H), 1.88/1.74(m, 2H)。
【0089】
[実施例2]
形態A;選択肢2
粗製の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン(4.0グラム)を、ジメチルスルホキシド溶液(21mL)に溶解した。
結晶化は、65℃で反溶媒であるエタノールと水の混合物の添加によって開始した。溶
液に結晶が認められた点で、添加を停止した。次に、溶液を室温で2時間冷却し、次いで、反溶媒の添加を再び遅い速度で開始した。スラリーを濾過し、洗浄した。洗浄は、DMSO/エタノール/水、エタノール/水、そしてエタノールによる6段階で行った。次に、それを40℃で減圧乾燥させた。収率は、3.3g、83%で、少なくとも98%の純度になった。3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンは、結晶形態Aで得られた。
1H NMR(500MHz、DMSO−d6)による同一性:δ(ppm) :13.82 (br s, 1H), 12.45(s, 1H), 8.15(s, 1H), 4.58(m, 1H), 4.55/4.41(m, 2H), 3.81/3.60(m, 2H), 1.94/1.80(m, 2H), 1.88/1.74(m, 2H)。
【0090】
CuKα線(1.5406オングストローム)を用いたX線粉末回折法による同一性:
【表3】

【0091】
使用した定義:
%相対強度* 定 義
25〜100 vs(非常に強い)
4〜25 s(強い)
0.5〜4 m(中等度)
0〜0.4 w(弱い)
* 相対強度は、可変スリットで測定した回折図形に由来する。
【0092】
[実施例3]
形態B
形態A及とBの混合物を含む3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン(0.5g)を、エタノール(6mL)と水(2mL)の混合物中に90℃でスラリー化した。10日後に形態Bへの変換は完結した。サンプル(約0.2g)を濾過し、エタノールで洗浄し、風乾した。
1H NMR(500MHz、DMSO−d6)による同一性:δ(ppm) :13.82(br s, 1H), 12.45(s, 1H), 8.15(s, 1H), 4.58(m, 1H), 4.55/4.41(m, 2H), 3.81/3.60(m, 2H), 1.94/1.80(m, 2H), 1.88/1.74(m, 2H)。
【0093】
CuKα線(1.5406オングストローム)を用いたX線粉末回折法による同一性:
【表4】

【0094】
使用した定義:
%相対強度* 定 義
25〜100 vs(非常に強い)
5〜25 s(強い)
0.6〜5 m(中等度)
0〜0.5 w(弱い)
* 相対強度は、可変スリットで測定した回折図形に由来する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A。
【請求項2】
実質的に以下のd値を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A:
【表1】

【請求項3】
X線粉末回折の°2θ値が23.16°2θによって特徴付けられる、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A。
【請求項4】
X線粉末回折の°2θ値が23.16、24.46及び26.80°2θによって特徴付けられる、請求項3に記載の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A。
【請求項5】
X線粉末回折の°2θ値が18.61、19.87、23.16、24.46及び26.80°2θによって特徴付けられる、請求項3に記載の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態A。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態Aの製造方法であって、以下の工程:
a)3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンの任意の形態、又は任意の形態の混合物を、好適な溶媒に溶解又は懸濁すること;
b)溶液を結晶化させること;
c)このようにして得た3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンを単離すること;
を含む製造方法。
【請求項7】
工程a)が60℃又はそれ以下の温度で行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
工程b)が60℃又はそれ以下の温度で行われる、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
工程a)が長時間の間に行われる、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
工程b)が長時間の間に行われる、請求項6〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態B。
【請求項12】
実質的に以下のd値を示すX線粉末回折パターンを与えることを特徴とする、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態B:
【表2】

【請求項13】
X線粉末回折の°2θ値が16.56°2θによって特徴付けられる、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態B。
【請求項14】
X線粉末回折の°2θ値が16.56、24.86及び29.07°2θによって特徴付けられる、請求項13に記載の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態B。
【請求項15】
X線粉末回折の°2θ値が14.54、16.56、21.85、24.86及び29.07°2θによって特徴付けられる、請求項13に記載の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態B。
【請求項16】
請求項11〜15のいずれか1項に記載の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン形態Bの製造方法であって、以下の工程:
a)3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンの任意の形態、又は任意の形態の混合物を、好適な溶媒に溶解又は懸濁すること;
b)溶液を結晶化させること;
c)このようにして得た3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンを単離すること;
を含む製造方法。
【請求項17】
工程a)が60℃又はそれ以上の温度で行われる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
工程b)が60℃又はそれ以上の温度で行われる、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
工程a)が長時間の間に行われる、請求項16〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
工程b)が長時間の間に行われる、請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
請求項6〜10又は16〜20のいずれか1項によって製造される、3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン。
【請求項22】
請求項1〜5又は11〜15のいずれか1項に記載の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンを、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤との混合物として含む、医薬製剤。
【請求項23】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンと請求項11〜15のいずれか1項に記載の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンの混合物を、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤との混合物として含む、医薬製剤。
【請求項24】
治療における使用のための、請求項1〜5又は11〜15のいずれか1項に記載の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン。
【請求項25】
酵素MPOの阻害が有益である疾患又は状態の治療又は予防に使うための医薬の製造における活性成分としての、請求項1〜5又は11〜15のいずれか1項に記載の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンの使用。
【請求項26】
酵素MPOの阻害が有益である疾患又は状態の治療又は予防に使うための医薬の製造における活性成分としての、請求項1〜5のいずれか1項に記載の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン及び請求項11〜15のいずれか1項に記載の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンの混合物の使用。
【請求項27】
請求項25又は26に記載の使用であって、前述の疾患又は状態が、炎症性神経疾患、心臓及び脳血管アテローム動脈硬化性疾患及び末梢動脈障害、心不全並びに呼吸器疾患の、例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性気管支炎及び好酸球性気管支炎を含む気管支炎;肺気腫;気管支拡張症又は嚢胞性線維症などである使用。
【請求項28】
請求項25又は26に記載の使用であって、前述の疾患又は状態が多発性硬化症又はパーキンソン病である使用。
【請求項29】
酵素MPOの阻害が有益である疾患又は状態を治療又は予防する方法であって、請求項1〜5又は11〜15のいずれか1項に記載の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンの治療的有効量を、それに罹っている患者に投与することを含む方法。
【請求項30】
酵素MPOの阻害が有益である疾患又は状態を治療又は予防する方法であって、請求項1〜5のいずれか1項に記載の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチン及び請求項11〜15のいずれか1項に記載の3−(2R−テトラヒドロフリル−メチル)−2−チオキサンチンの混合物の治療的有効量を、それに罹っている患者に投与することを含む方法。
【請求項31】
請求項29又は30に記載の方法であって、前述の疾患又は状態が、炎症性神経疾患、心臓及び脳血管アテローム動脈硬化性疾患及び末梢動脈障害、心不全並びに呼吸器疾患の、例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性気管支炎及び好酸球性気管支炎を含む気管支炎;肺気腫;気管支拡張症又は嚢胞性線維症などである使用。
【請求項32】
請求項29又は30に記載の方法であって、前述の疾患又は症状が多発性硬化症又はパーキンソン病である方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−529185(P2010−529185A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511729(P2010−511729)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【国際出願番号】PCT/GB2008/050433
【国際公開番号】WO2008/152420
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】