説明

新規化合物II

本発明は、SSAO活性の阻害剤である式(I):


の化合物およびそれらの医薬的に許容な塩、溶媒和物、水和物、幾何異性体、互変異性体、光学異性体またはN-オキサイドに関する。本発明は、さらに、炎症性疾患および免疫性障害のようなSSAO活性の阻害が有益な医学的状態の治療のための、これらの化合物を含む医薬組成物およびこれらの化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SSAO活性の阻害剤である、式(I)の新規ピラゾロ[4,3-c]ピリジン化合物に関する。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびに炎症性疾患および免疫性障害のような、SSAO活性の阻害が有益な医学的状態の治療または予防におけるこれらの化合物の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
別名、血管接着タンパク質-1 (VAP-1) またはアミンオキシダーゼ、銅含有3 (AOC3)として知られるセミカルバジド-感受性アミンオキシダーゼ (SSAO)は、酵素の銅含有アミンオキシダーゼファミリー (EC.1.4.3.6)に属する。この酵素ファミリーのメンバーは、セミカルバジドによる阻害に感受性を有し、次の反応:
【化1】

による、一級アミンのアルデヒド、過酸化水素およびアンモニアへの酸化的脱アミノ化において第二銅イオンおよびタンパク質誘導トパキノン(TPQ)補酵素を利用する。
【0003】
ヒトSSAOに対する公知の基質は、内因性のメチルアミンおよびアミノアセトンならびにベンジルアミンのようないくつかの生体異物アミンを含む [Lyles, Int. J. Biochem. Cell Biol. 1996, 28, 259-274; Klinman, Biochim. Biophys. Acta 2003, 1647(1-2), 131-137; Matyus et al., Curr. Med. Chem. 2004, 11(10), 1285-1298; O'Sullivan et al., Neurotoxicology 2004, 25(1-2), 303-315]。
【0004】
他の銅含有アミンオキシダーゼと同様に、DNA-配列分析および構造決定は、組織結合ヒトSSAOが単回N-末端膜貫通領域により原形質膜に固定された、90〜100 kDaの二つのサブユニットからなるホモ二量体の糖タンパク質であることを提示する [Morris et al., J. Biol. Chem. 1997, 272, 9388-9392; Smith et al., J. Exp. Med. 1998, 188, 17-27; Airenne et al., Protein Science 2005, 14, 1964-1974; Jakobsson et al., Acta Crystallogr. D Biol. Crystallogr. 2005, 61(Pt 11), 1550-1562]。
【0005】
SSAO活性は、血管および非血管平滑筋組織、内皮細胞、ならびに脂肪組織を含む種々の組織で見出されている [Lewinsohn, Braz. J. Med. Biol. Res. 1984, 17, 223-256; Nakos & Gossrau, Folia Histochem. Cytobiol. 1994, 32, 3-10; Yu et al., Biochem. Pharmacol. 1994, 47, 1055-1059; Castillo et al., Neuroche分t. 1998, 33, 415-423; Lyles & Pino, J. Neural. Transm. Suppl. 1998, 52, 239-250; Jaakkola et al., Am. J. Pathol. 1999, 155, 1953-1965; Morin et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 2001, 297, 563-572; Salmi & Jalkanen, Trends Immunol. 2001, 22, 211-216]。さらに、SSAOタンパク質は、血漿中に見出されており、この可溶型は、組織結合型と同じような性質を有するように思われる [Yu et al., Biochem. Pharmacol. 1994, 47, 1055-1059; Kurkijarvi et al., J. Immunol. 1998, 161, 1549-1557]。循環性のヒトおよび齧歯類のSSAOは、組織結合型が起源であること [Gokturk et al., Am. J. Pathol. 2003, 163(5), 1921-1928; Abella et al., Diabetologia 2004, 47(3), 429-438; Stolen et al., Circ. Res. 2004, 95(1), 50-57]、一方、その他の哺乳類において、血漿/血清 SSAOは、AOC4と呼ばれる別の遺伝子でコード化されていること [Schwelberger, J. Neural. Transm. 2007, 114(6), 757-762]も最近示されている。
【0006】
この豊富な酵素の正確な生理学的役割は、まだ十分に決定されていないが、SSAOおよびその反応生成物が細胞情報伝達および細胞制御においていくつかの機能を有し得るようである。例えば、最近の発見は、SSAOがGLUT4-介在グルコース取り込み [Enrique-Tarancon et al., J. Biol. Chem. 1998, 273, 8025-8032; Morin et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 2001, 297, 563-572]および脂肪細胞分化[Fontana et al., Biochem. J. 2001, 356, 769-777; Mercier et al., Biochem. J. 2001, 358, 335-342]の両方において役割を果たすことが示唆される。さらに、SSAOは、白血球に対する接着タンパク質として作用する炎症過程に含まれること[Salmi & Jalkanen, Trends Immunol. 2001, 22, 211-216; Salmi & Jalkanen, in "Adhesion Molecules: Functions and Inhibition" K. Ley (Ed.), 2007, pp. 237-251]および結合組織マトリックスの進展および維持にも役割を果たし得ること [Langford et al., Cardiovasc. Toxicol. 2002, 2(2), 141-150; Gokturk et al., Am. J. Pathol. 2003, 163(5), 1921-1928]が示されている。さらに、SSAOと血管新生のリンクが最近発見されている [Noda et al., FASEB J. 2008, 22(8), 2928-2935]。
【0007】
ヒトでのいくつかの研究は、血漿中のSSAO活性が、うっ血性心不全、糖尿病、アルツハイマー病および炎症のような病状で上昇することが示されている [Lewinsohn, Braz. J. Med. Biol. Res. 1984, 17, 223-256; Boomsma et al., Cardiovasc. Res. 1997, 33, 387-391; Ekblom, Pharmacol. Res. 1998, 37, 87-92; Kurkijarvi et al., J. Immunol. 1998, 161, 1549-1557; Boomsma et al., Diabetologia 1999, 42, 233-237; Meszaros et al., Eur. J. Drug Metab. Pharmacokinet. 1999, 24, 299-302; Yu et al., Biochim. Biophys. Acta 2003, 1647(1-2), 193-199; Matyus et al., Curr. Med. Chem. 2004, 11(10), 1285-1298; O'Sullivan et al., Neurotoxicology 2004, 25(1-2), 303-315; del Mar Hernandez et al., Neurosci. Lett. 2005, 384(1-2), 183-187]。酵素活性のこれらの変化の根底にあるメカニズムは明らかでない。内因性のアミンオキシダーゼによって産生する反応性のアルデヒドおよび過酸化水素が心血管疾患、糖尿病合併症およびアルツハイマー病の一因となることが示唆されている [Callingham et al., Prog. Brain Res. 1995, 106, 305-321; Ekblom, Pharmacol. Res. 1998, 37, 87-92; Yu et al., Biochim. Biophys. Acta 2003, 1647(1-2), 193-199; Jiang et al., Neuropathol Appl Neurobiol. 2008, 34(2), 194-204]。さらに、SSAOの酵素活性は、SSAOが血管内皮で強力に発現することが示されている炎症の部位での白血球溢出過程に関与する [Salmi et al., Immunity 2001, 14(3), 265-276; Salmi & Jalkanen, in "Adhesion Molecules: Functions and Inhibition" K. Ley (Ed.), 2007, pp. 237-251]。したがって、SSAOの阻害は、糖尿病合併症の予防および炎症性疾患に治療的価値を有することが示唆されている [Ekblom, Pharmacol. Res. 1998, 37, 87-92; Salmi et al., Immunity 2001, 14(3), 265-276; Salter-Cid et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 2005, 315(2), 553-562]。
【0008】
SSAOノックアウト動物は、表現型の上では明らかに正常であるが、種々の炎症刺激への応答で引き起こされる炎症応答に顕著な減少を示す [Stolen et al., Immunity 2005, 22(1), 105-115]。さらに、ヒト疾患の多様な動物モデル(例えば、カラゲニン誘発足炎症、オキサゾール誘発大腸炎、リポポリサッカライド誘発肺炎症、コラーゲン誘発関節炎、エンドトキシン誘発ブドウ膜炎)での野生型動物における、抗体および/または小分子の使用によるその機能のアンタゴニズムは、白血球浸潤の減少、疾病表現型の重篤度の減少ならびに炎症性サイトカインおよびケモカインのレベルの減少での保護であることを示している [Kirton et al., Eur. J. Immunol. 2005, 35(11), 3119-3130; Salter-Cid et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 2005, 315(2), 553-562; McDonald et al., Annual Reports in Medicinal Chemistry 2007, 42, 229-243; Salmi & Jalkanen, in "Adhesion Molecules: Functions and Inhibition" K. Ley (Ed.), 2007, pp. 237-251; Noda et al., FASEB J. 2008 22(4), 1094-1103; Noda et al., FASEB J. 2008, 22(8), 2928-2935]。
【0009】
この抗炎症保護は、特定の疾患または疾患モデルに限定されるよりはむしろ、独立の原因メカニズムとして広範な炎症モデルの全てにわたって与えられるようである。このことは、SSAOが、炎症応答の制御の重要な節点であり得ることを示唆するであろうし、それゆえSSAO阻害が、広範なヒト疾患での効果的な抗炎症薬となり得るように思われる。
【0010】
本明細書に記載される本発明は、それらを広範なヒトの炎症性疾患および免疫性障害における予防または治療剤としての使用に適するようにする、生物学的、薬理学的および薬物動態学的特性を有する、化学的に区別されるSSAO阻害剤の新しいクラスとしての新規なピラゾロ[4,3-c]ピリジン誘導体に関する。この治療的能力は、前炎症性の(pro-inflammatory)酵素生成物(アルデヒド、過酸化水素およびアンモニア)のレベルを減少し、その上、免疫細胞の接着能力を減少し、それに応じてそれらの活性および最終的な溢出も減少する、SSAO酵素作用をブロックするよう設計される。そのような活性が治療的に有益であると予測される疾患は、多発性硬化症、関節炎および脈管炎のような、免疫細胞が病状の開始、維持または解消に顕著な役割を果たす全ての疾患を含む。
【0011】
ピロゾロ[4,3-c]ピリジン化合物は、高血圧およびうっ血性心不全の治療での使用のためのアンジオテンシンII受容体拮抗剤として、WO 94/03453に開示されている。EP 594001は、うつ病および強迫性競争障害(obsessive competitive disorder)の治療での使用のためのセロトニン再取込阻害剤として、4-フェニルピラゾロ[4,3-c]ピリジン化合物を記載している。SSAO阻害剤が、WO 02/38153に記載されており、それは糖尿病および血管合併症の治療に役に立つ特定のテトラヒドロイミダゾ[4,5-c]ピリジン誘導体を開示している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の開示
式(I)の新規ピロゾロ[4,3-c]ピリジン化合物がSSAO活性の阻害剤であることを驚くべきことに発見した。それゆえ、それらは、SSAO活性の阻害が有益な疾患の治療または予防に役立つ。したがって、それらは炎症、炎症性疾患、免疫性もしくは自己免疫性障害の治療に役立つ可能性がある。
【0013】
その結果、本発明は、式(I):
【化2】

【0014】
(式中、
R1 は、ハロゲン、シアノ、 C1-6-アルキル、ハロ-C1-6-アルキルおよび C1-6-アルコキシから独立して選択される1、2または3つの置換基であり;
R2 は、 O、SおよびN(R3)から独立して選択される1または2個のヘテロ原子を含む4-〜7-員のヘテロ環であり、ここで、環炭素原子はR4で任意に置換されていてもよく;
R3 は、水素、C1-6-アルキル、ヒドロキシ-C1-6-アルキル、シアノ-C1-6-アルキル、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ-C1-6-アルキル、C1-6-アシルおよびC1-6-アルキルスルホニルから選択され;
R4 は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6-アルキル、 ヒドロキシ-C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ-C1-6-アルキル、シアノ-C1-6-アルキル、ハロ-C1-6-アルキルおよびC1-6-アルコキシから独立して選択され;
a は 0、1または2である)
の化合物、またはその医薬的に許容な塩、溶媒和物、水和物、幾何異性体、互変異性体、光学異性体もしくはN-オキサイドに関し、
【0015】
ただし、本化合物は
・3-(3,4-ジクロロフェニル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン、または
・1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-3-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジンではない。
【0016】
式(I)のより好ましい化合物は、
R1 が、ハロゲン、シアノおよびC1-4-アルキルから選択され;
R2 が、O、SおよびN(R3)から独立して選択される1または2個のヘテロ原子を含む5-〜6-員のヘテロ環であり、ここで、環炭素原子はR4で任意に置換されていてもよい
化合物である。
【0017】
本発明の好ましい態様は、式(I'):
【化3】

【0018】
(式中、
R1 は、ハロゲン、シアノおよび C1-4-アルキルから選択され;
R2 は、O、SおよびN(R3)から独立して選択される1または2個のヘテロ原子を含む5-〜6-員のヘテロ環であり、ここで、環炭素原子はR4で任意に置換されていてもよく;
R3 は、水素、C1-4-アルキル、ヒドロキシ-C1-4-アルキル、シアノ-C1-4-アルキル、ハロ-C1-4-アルキル、C1-4-アルコキシ-C1-4-アルキル、C1-4-アシルおよびC1-4-アルキルスルホニルから選択され;
R4 は、もし存在するなら、C1-4-アルキル、 ハロ-C1-4-アルキル、ヒドロキシ-C1-4-アルキルおよびC1-4-アルコキシ-C1-4-アルキルから独立して選択され;
a は0または1である)
の化合物からなる。
【0019】
本発明のさらに好ましい態様は、式(II'):
【化4】

【0020】
(式中、
R1 は、ハロゲン、シアノおよびC1-4-アルキルから選択され;
R2 は、OおよびN(R3)から選択される1個のヘテロ原子を含む飽和の5-〜6-員のヘテロ環であり、ここで、環炭素原子はR4で任意に置換されていてもよく;
R3 は、水素、C1-4-アルキルまたはシアノ-C1-4-アルキルであり;
R4 は、もし存在するなら、独立してメチルまたはエチルである)
の化合物からなる。
【0021】
式(II')のさらに好ましい化合物は、
R1 が、フルオロ、クロロまたはメチルであり;
R2 が、ピペリジン、テトラヒドロピランまたはテトラヒドロフラン環であり;
R3 が、もし存在するなら、水素、メチルまたはシアノメチルであり;
R4 が存在しない
化合物である。
【0022】
本発明の好ましい具体的な化合物は、
・3-(4-フルオロフェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-メチルフェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-1-[(3R)-テトラヒドロフラン-3-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-1-ピペリジン-4-イル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
【0023】
・3-(4-クロロフェニル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・{4-[3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ピペリジン-1-イル}アセトニトリル;
・3-(4-クロロフェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-1-[1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
【0024】
・3-(4-クロロフェニル)-1-[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-1-ピペリジン-3-イル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-1-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-1-(テトラヒドロフラン-3-イルメチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-1-(1-エチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
【0025】
・3-(4-クロロフェニル)-1-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-フルオロフェニル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-フルオロフェニル)-1-ピペリジン-4-イル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・4-[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]ベンゾニトリル;および
・4-[1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]ベンゾニトリル
からなる群から選択される。
【0026】
本発明のもう一つの目的は、治療における使用のための式(I)の化合物である。上記で定義された化合物はSSAO活性阻害剤として役立つ。したがって、それらは、SSAO活性の阻害が有益な病状および疾患の治療または予防に役立つ。具体的には、それらは、炎症、炎症性疾患、免疫性または自己免疫性障害の治療または予防に役立つ。
【0027】
特に、式(I)の化合物は、関節炎 (関節リウマチ、若年性関節リウマチ、骨関節炎および乾癬性関節炎のような)、滑膜炎、脈管炎、腸の炎症に関連する病状 (クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患および過敏性腸症候群のような)、アテローム性動脈硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、血管性認知症、肺の炎症性疾患 (喘息、慢性閉塞性肺疾患および急性呼吸窮迫症候群のような)、線維性疾患 (特発性肺線維症、心線維症および全身性硬化症(強皮症)を含む)、皮膚の炎症性疾患 (接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎および乾癬のような)、全身性炎症反応症候群、敗血症、肝の炎症性および/または自己免疫性の病状 (自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、アルコール性肝臓疾患、硬化性胆管炎および自己免疫性胆管炎のような)、糖尿病 (IまたはII型)および/またはそれらの合併症、慢性心不全、うっ血性心不全、虚血性疾患 (脳卒中および虚血再灌流傷害)、ならびに心筋梗塞および/またはその合併症の治療または予防に役立つと考えられる。
【0028】
本発明の化合物は、巨細胞性動脈炎、高安動脈炎、結節性多発性動脈炎、川崎病、ヴェグナー肉芽腫症、チャーグ・ストラウス症候群、顕微鏡的多発性血管炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、クリオグロブリン血症、皮膚白血球破砕性血管炎および中枢神経系の原発性血管炎を含むがそれらに限定されない脈管炎に、特に役立つと考えられる。
【0029】
したがって、本発明は、上記の病状および疾患の治療または予防用の医薬の製造における該化合物の使用を含む。本発明は、上記のような治療を必要とするヒトを含む哺乳類に、化合物の有効量を投与することを含む、上記のような病状および疾患の治療または予防の方法も含む。
【0030】
本明細書で詳細に説明される方法は、対象者が特定の治療を必要としていると認定されるものを含む。そのような治療を必要とする対象者の認定は、対象者または医療専門家の判断でなされ、それは主観的(例えば私見)または客観的(例えば試験または診断方法によって測定可能)であり得る。
【0031】
他の観点において、本明細書の方法は、治療投与に応答する対象者をモニタリングすることをさらに含むものを包含する。そのようなモニタリングは、治療プログラムのマーカーまたは指標として、対象者の組織、体液、検体、細胞、タンパク質、化学的マーカー、遺伝物質等の定期的なサンプリングを含み得る。他の方法において、対象者は、そのような治療に対する適合性の関連マーカーまたは指標に対する評価によってそのような治療を必要とすることを前もって検査されるかまたは認定される。
【0032】
一つの態様において、本発明は、治療の進展をモニタリングする方法を提供する。該方法は、本明細書に詳細に説明されるそれらの障害または症状に罹患しているか、かかりやすい対象者における、診断マーカー(マーカー)(例えば、本明細書中の化合物によって調節される本明細書で詳細に説明されるあらゆる標的または細胞型)のレベルを測定する工程または診断測定(例えばスクリーニング、アッセイ)の工程を含み、ここで、該対象者は、それらの疾患または症状を治療するのに十分な、本明細書の化合物の治療的な量を投与されている。該方法で測定されたマーカーのレベルは、該対象者の疾患の状態を立証するために、健常なコントロールまたは他の患っている患者のいずれかのマーカーの公知のレベルと比較され得る。好ましい態様において、対象者のマーカーの第2のレベルが、第1のレベルの測定よりも遅い時点で測定され、該2つのレベルが、疾患の進行または治療の有効性をモニターするために比較される。ある好ましい態様において、対象者の治療前のマーカーのレベルが、この発明の治療の開始よりまえに測定され、次いで、この治療前のマーカーのレベルが、該治療の有効性を決定するために、治療が始まった後のマーカーのレベルと比較され得る。
【0033】
ある方法の態様において、対象者のマーカーまたはマーカー活性のレベルは、少なくとも1回は測定される。マーカーレベルの比較、例えば、同じ患者、別の患者または正常な対象者から前もってまたはその後に得られたマーカーレベルの別の測定との比較が、本発明による治療が所望の効果を有しているかどうかを決定するのに役立ち得るし、それにより、必要に応じて用量のレベルの調整を可能にし得る。マーカーレベルの測定は、当該技術分野で公知または本明細書に記載のいずれかの好適なサンプリング/発現アッセイ法を用いて行われ得る。好ましくは、まず第一に、組織または体液試料が対象者から取り出される。好適な試料の例は、血液、尿、組織、口または頬の細胞、および毛根を含む毛髪試料を含む。他の好適な試料は、当業者に知られているであろう。試料中のタンパク質レベルおよび/またはmRNAレベル(例えばマーカーレベル)の測定は、それらに限定されないが、酵素免疫測定法、ELISA、放射性同位元素標識法/アッセイ法、ブロティング/化学発光法、リアルタイムPCR等を含む、当該技術分野で公知のいずれかの好適な方法を用いて行うことができる。
【0034】
定義
以下の定義は、本明細書および添付の特許請求の範囲を通して適用される。
そのほかの記載または示唆がなければ、「C1-6-アルキル」の用語は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル基を意味する。「C1-6-アルキル」の範囲の部分に対して、C1-5-アルキル、C1-4-アルキル、C1-3-アルキル、C1-2-アルキル、C2-6-アルキル、C2-5-アルキル、C2-4-アルキル、C2-3-アルキル、C3-6-アルキル、C4-5-アルキル等のようなそれらの全てのサブグループが意図される。該「C1-6-アルキル」の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチルならびに直鎖状-および分枝鎖状のペンチルおよびヘキシルを含む。
【0035】
そのほかの記載または示唆がなければ、「ハロ-C1-6-アルキル」の用語は、1個以上のハロゲン原子で置換されている直鎖状または分枝鎖状のC1-6-アルキル基を意味する。該ハロ-C1-6-アルキルの例は、2-フルオロエチル、フルオロメチル、トリフルオロメチルおよび2,2,2-トリフルオロエチルを含む。
そのほかの記載または示唆がなければ、「ヒドロキシ-C1-6-アルキル」の用語は、それらの水素原子がOHで置き換えられた直鎖状または分枝鎖状のC1-6-アルキル基を意味する。該ヒドロキシ-C1-6-アルキルの例は、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピルおよび2-ヒドロキシ-2-メチルプロピルを含む。
そのほかの記載または示唆がなければ、「シアノ-C1-6-アルキル」の用語は、それらの水素原子がシアノで置き換えられた直鎖状または分枝鎖状のC1-6-アルキル基を意味する。該シアノ-C1-6-アルキルの例は、シアノメチル、2-シアノエチル、2-シアノプロピルおよび2-シアノ-2-メチルプロピルを含む。
【0036】
したがって、「C1-6-アルコキシ」の派生表現は、C1-6-アルキル基が酸素原子を介してその分子の残基に結合している場合と理解することができる。「C1-6-アルコキシ」の範囲の部分に対して、C1-5-アルコキシ、C1-4-アルコキシ、C1-3-アルコキシ、C1-2-アルコキシ、C2-6-アルコキシ、C2-5-アルコキシ、C2-4-アルコキシ、C2-3-アルコキシ、C3-6-アルコキシ、C4-5-アルコキシ等のようなそれらの全てのサブグループが意図される。該「C1-6-アルコキシ」の例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシならびに直鎖状-および分枝鎖状のペントキシおよびヘキソキシ等を含む。
【0037】
そのほかの記載または示唆がなければ、「C1-6-アルコキシ-C1-6-アルキル」の用語は、前記C1-6-アルコキシ基の酸素原子によりC1-6-アルキル基に結合しているC1-6-アルコキシ基を意味する。そのような基の代表的な例は、メトキシメチルおよびエトキシエチルを含む。
【0038】
そのほかの記載または示唆がなければ、「C1-6-アシル」の用語は、カルボニル基の炭素原子を介して水素原子に結合しているカルボニル基(すなわちホルミル基)または直鎖状または分枝鎖状のC1-5-アルキル基(ここで、アルキルは前記で定義されている)に結合しているカルボニル基を意味する。「C1-6-アシル」の範囲の部分に対して、C1-5-アシル、C1-4-アシル、C1-3-アシル、C1-2-アシル、C2-6-アシル、C2-5-アシル、C2-4-アシル、C2-3-アシル、C3-6-アシル、C4-5-アシル等のようなそれらの全てのサブグループが意図される。例示のアシル基は、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイルを含む。
【0039】
そのほかの記載または示唆がなければ、「C1-6-アルキルスルホニル」の用語は、スルホニル基に結合している直鎖状または分枝鎖状のC1-6-アルキル基を意味する。C1-6-アルキルスルホニル基の例は、メチルスルホニルおよびエチルスルホニルを含む。
【0040】
そのほかの記載または示唆がなければ、「ヘテロサイクリル」または「ヘテロ環」の用語は、完全に飽和もしくは部分的に不飽和、好ましくは完全に飽和の、O、NまたはSのような少なくとも1つのヘテロ原子を有し、残りの環原子が炭素である4〜7個の環原子を有する単環式の環系を意味する。ヘテロ環の例は、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、アゼピニル、アジチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、モルホリニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、チオモルホリニル、ピラニル、ジオキサニル、ピペラジニル、ホモピペラジニルおよび5,6-ジヒドロ-4H-1,3-オキサジン-2-イルを含む。存在するとき、硫黄原子は酸化形(すなわちS=OまたはO=S=O)であり得る。酸化形の硫黄を含む例示のヘテロ環式基は、1,1-ジオキシド-チオモルホリニルおよび1,1-ジオキシド-イソチアゾリジニルである。
【0041】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
「ヒドロキシ」は、-OH基を意味する。
「シアノ」は、-CN 基を意味する。
【0042】
「任意」または「任意に」は、その後の記載事象もしくは事情が絶対に起こる必要がないこと、ならびに該記載は、事象もしくは事情が起こる場合および起こらない場合を含むことを意味する。
【0043】
「医薬的に許容な」は、一般的に安全、無毒性でかつ生物学的でもそのほかの点でも好ましくなくはない医薬組成物を製造するのに役立つことを意味し、動物の用途ならびにヒトの医薬用途に役立つことを含む。
本明細書で用いられる「治療」は、名前が付けられている疾患もしく病状の予防、または予防が確立された時点での該疾患の改善もしくは除去を含む。
【0044】
「有効量」は、治療される対象者に治療効果をもたらす化合物の量を意味する。該治療効果は、客観的(すなわち、ある試験またはマーカーによって測定できる)または主観的(すなわち、対象者が効果の兆候を得るかまたは効果を感じる)であってもよい。
「プロドラッグ」は、生理学的条件下または加溶媒分解によって、本発明の生物学的に活性な化合物に変換され得る化合物を意味する。プロドラッグは、それを必要とする対象者に投与されたとき、不活性であり得るが、インビボで本発明の活性な化合物に変換される。典型的に、プロドラッグは、例えば血液中での加水分解により、インビボですぐに変換されて本発明の親化合物を生じる。通常、プロドラッグ化合物は、哺乳類生体中の溶解性、組織適合性または遅延放出の有利性を提示する(Silverman, R. B., The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action, 2nd Ed., Elsevier Academic Press (2004), pp. 498-549参照)。本発明の化合物のプロドラッグは、修飾が常用の操作またはインビボのいずれかで本発明の親化合物に開裂されるよう、本発明の化合物中に存在するヒドロキシ、アミノまたはメルカプト基のような官能基を修飾することによって製造され得る。プロドラッグの例は、限定されないが、ヒドロキシ官能基のアセテート、ホルメートおよびスクシネート誘導体またはアミノ官能基のフェニルカルバメート誘導体を含む。
【0045】
本明細書および添付の特許請求の範囲を通して、所定の化学式または化学名は、それらの全ての塩、水和物、溶媒和物、N-オキサイドおよびプロドラッグ形も包含する。さらに、所定の化学式または化学名は、それらの全ての互変異性形および立体異性形を包含する。立体異性体は、エナンチオマーおよびジアステレオマーを含む。エナンチオマーは、それらの純粋な形態で、または2つのエナンチオマーのラセミ(等しい)もしくは等しくない混合物として存在し得る。ジアステレオマーは、それらの純粋な形態で、またはそれらの混合物として存在し得る。ジアステレオマーは、それらの純粋なシスもしくはトランスの形態でまたはそれらの混合物として存在することができる、幾何異性体も含む。
【0046】
式(I)の化合物は、それ自身または必要に応じてそれらの薬理学的に許容な塩(酸または塩基付加塩)として用いられ得る。以下に記載の薬理学的に許容な付加塩は、化合物が形成することができる、治療的に活性な無毒性の酸および塩基の付加塩形態を含むことを意味する。塩基性を有する化合物は、塩基の形態を適当な酸で処理することによって、それらの医薬的に許容な酸付加塩に変換され得る。例示の酸は、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、リン酸のような無機酸;ギ酸、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルピン酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、p-アミノサリチル酸、パモン酸、安息香酸、アスコルビン酸等のような有機酸を含む。例示の塩基付加塩形態は、ナトリウム、カリウム、カルシウム塩、例えばアンモニア、アルキルアミン、ベンザチンのような医薬的に許容なアミンとの塩、ならびに例えばアルギニンおよびリジンのようなアミノ酸との塩である。本明細書で用いられる付加塩の用語は、化合物およびそれらの塩が、例えば水和物、アルコラート等を形成することできる溶媒和物も含む。
【0047】
組成物
臨床使用に対して、本発明の化合物は種々の様式の投与用の医薬製剤に製剤化される。本発明の化合物は、生理学的に許容な担体、賦形剤または希釈剤と共に投与され得ることが理解されるであろう。本発明の医薬組成物は、あらゆる好適な経路により、好ましくは経口、直腸、鼻腔、局所(口腔および舌下を含む)、舌下、経皮、鞘内、経粘膜または非経口(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む)の投与により投与され得る。
【0048】
都合よくは、他の製剤は、例えば錠剤および徐放性カプセルのような単位投薬形態ならびにリポソームで提示され、製剤の技術分野でよく知られたいずれかの方法で製造され得る。通常、医薬製剤は、活性物質またはその医薬的に許容な塩を慣用の医薬的に許容な担体、希釈剤または賦形剤と混合することによって製造される。賦形剤の例は、水、アラビアゴム、乳糖、微晶質セルロース、澱粉、澱粉グリコール酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、滑石、コロイド状二酸化ケイ素等である。そのような製剤は、他の薬理学的に活性な作用剤、および安定化剤、湿潤剤、乳化剤、着香剤、緩衝剤等のような慣用の添加剤も含み得る。通常、活性化合物の量は、製剤の0.1〜95重量%の間、好ましくは非経口使用の製剤において0.2〜20重量%の間、より好ましくは経口投与用製剤において1〜50重量%の間である。
【0049】
製剤は、造粒、圧縮、マイクロカプセル化、スプレーコーティング等のような公知の方法によってさらに調製され得る。製剤は、慣用の方法により、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、懸濁剤、坐剤または注射剤の投薬形態に調製され得る。液剤は、水または他の適当な媒体中に活性物質を溶解または懸濁することによって調製され得る。錠剤および顆粒剤は慣用の方法でコーティングされ得る。治療的に効果的な血漿濃度を長時間維持するために、本発明の化合物は徐放性製剤に組み込まれ得る。
【0050】
特定の化合物の用量レベルおよび投薬回数は、用いられる特定の化合物の効力、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、患者の年齢、体重、全体的な健康、性別、食事、投与の様式および時間、排泄速度、薬の組合せ、治療される病状の重篤度、ならびに患者が受ける治療を含む種々の因子に依存して変化するであろう。1日の投薬量は、例えば体重1キロ当り約0.001 mg〜約100 mgの範囲であり得、例えばそれぞれ約0.01 mg〜約25 mgの用量で単回または多回で投与され得る。通常、そのような投薬量は経口投与で与えられるが、非経口投与も選択され得る。
【0051】
本発明の化合物の製造
前記式(I)の化合物は、慣用の方法によるかまたはそれと同様にして製造され得る。本発明の実施例による中間体および化合物の製造が、特に、次のスキーム1に示される。このスキーム中の構造における可変部の定義は、本明細書に示される式中の対応する位置のそれらに相当する。
【0052】
【化5】

【0053】
式(I)の化合物は、アリール-(4-クロロ-ピリジン-3-イル)-メタノール誘導体(III)を与える、4-クロロピリジンの適当なベンズアルデヒド(II)でのヒドロキシアルキル化によって容易に合成され得る。続くアルコール体の酸化で対応するアリール-(4-クロロ-ピリジン-3-イル)-メタノン誘導体(IV)が得られる。ピラゾロ[4,3-c]ピリジン環系の形成は、3-アリール-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン中間体(V)を与える、(IV)のヒドラジンとの縮合によって達成される。最後の段階で、中間体(V)は、式(I)の化合物中の適当なヘテロサイクリルまたはヘテロサイクリル-アルキル基を導入するためにアルキル化される。式(I)の化合物は、式(I)の別の化合物に任意に変換され得る。
【0054】
式(I)の化合物を製造するために必要な出発物質は、商業的に入手可能かまたは当該技術分野で知られた方法で製造され得るかのいずれかである。
以下の実験の部に記載の方法が行われ、遊離塩基の形態または酸付加塩として、本発明の化合物が得られ得る。医薬的に許容な酸付加塩は、塩基化合物から酸付加塩を製造するための慣用の手順に従って、適当な有機溶媒中に遊離塩基体を溶解し、その溶液を酸で処理することによって得られ得る。付加塩形成の酸の例は、前に挙げられている。
【0055】
式(I)の化合物は、1以上のキラル炭素原子を有し得る、それゆえ、それらは、例えば、純粋なエナンチオマーとして、またはエナンチオマーの混合物(ラセミ体)もしくはジアステレオマーを含む混合物としてのような光学異性体の形態で得られ得る。純粋なエナンチオマーを得るための光学異性体の混合物の分離は、当該技術分野でよく知られており、例えば、光学的に活性な(キラル)酸との塩の分別結晶化またはキラルカラムでのクロマトグラフ分離により達成され得る。
【0056】
本明細書に示される合成ルートで用いられる化学物質は、例えば、溶媒、試薬、触媒、ならびに保護基および脱保護基剤を含み得る。保護基の例は、t-ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルおよびトリチル(トリフェニルメチル)である。前記の方法はまた、化合物の合成を最終的に可能にするために、本明細書に具体的に記載された段階の前または後のいずれかに、適当な保護基を追加または除去するための段階を追加的に含み得る。さらに、所望の化合物を与えるために、種々の合成段階が代替順または順番に行われ得る。適用される化合物を合成するのに役立つ、合成の化学変換および保護基手法(保護および脱保護)は、当該技術分野で知られており、例えば、R. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers (1989); T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., John Wiley and Sons (1999); L. Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser´s Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1994); およびL. Paquette, ed., Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1995)、ならびにそれらのその後の版に記載されているものを含む。
【0057】
次の略語が用いられている:
Ac アセテート
Aq 水性
Boc tert-ブトキシカルボニル
Calcd 計算された
Cbz カルボキシベンジルオキシ
d 日
DCM ジクロロメタン
DIAD ジイソプロピル アゾジカルボキシレート
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N'-ジメチルホルムアミド
ES+ エレクトロスプレー
H 時間
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HRMS 高分解能質量分析
【0058】
IR 赤外
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析
M モル
[MH+] プロトン化分子イオン
min 分
NMR 核磁気共鳴
RP 逆相
RT 保持時間
MS 質量分析
sat 飽和された
sec 秒
THF テトラヒドロフラン
TFA トリフルオロ酢酸
TMS テトラメチルシラン
【0059】
本明細書の可変部のあらゆる定義における化学基のリストの記述は、リスト化された基のいずれかの単独の基または組合せとして、その可変部の定義を含む。本明細書の態様の記述は、いずれかの単独の態様としてまたはいずれかの他の態様もしくはそれらの部分との組合せた態様を含む。
【0060】
今、本発明は、以下の非限定の実施例によってさらに説明される。以下の具体的な実施例は、単なる説明であって、いかなる点でも決して本発明の開示の残りを限定しないと解釈されるべきである。さらなる労作なしに、本明細書の記載に基づいて、当業者は、本発明の最大限の範囲まで本発明を利用することができると確信する。本明細書で引用される全ての参考文献および出版物は、それらのそっくりそのまま参照として本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0061】
実施例および中間体化合物
実験方法
全ての試薬は、商用グレードであり、特別の定めのない限り、さらなる精製なしに入手したまま用いられた。試薬グレードの溶媒が全ての場合で用いられた。分析LCMSは、Agilent 1100 HPLCシステムに接続されたWaters ZQマススペクトロメータ―により行われた。分析HPLCは、Agilent 1100 システムにより行われた。高分解能マススペクトル(HRMS)は、Agilent 1100 HPLCシステムに接続されたAgilent MSD-TOFにより得られた。分析の間、2つのマスによって較正がチェックされ、必要なときに自動で補正された。スペクトルは、ポジティブ エレクトロスプレーモードで得られた。得られたマスの範囲は、m/z 100〜1100であった。マスピークのプロファイル検出(detection)が用いられた。フラッシュ クロマトグラフィーは、Strata SI-1シリカ ギガチューブ(gigatubes)を備えたFlash Master PersonalシステムかApollo Scientific シリカゲル (40-63 μm, 60 A)を用いる重力(gravity)フラッシュ クロマトグラフィーによるのいずれかにより行われた。逆相HPLCは、YMC ODS-A 100/150×20 mmカラムを備えたGilsonシステム(Gilson 321平衡(equilibration)ポンプと一緒のGilson 322ポンプおよびGilson 215オートサンプラー)で行われた。分取LCMSはWatersシステム (2×Gemini, X18, 110 A, 50×21.2 mm, 5 μm)で行われた。マイクロウエーブ照射は、Biotageマイクロウエーブを用いて行われた。化合物はACD 6.0を用いて自動的に命名された。
【0062】
分析HPLCおよびLCMSデータは、
システムA:Phenomenex Synergi Hydro RP (C18, 30×4.6 mm, 4 μm)、水(+0.1% TFA)中のCH3CN(+0.085% TFA) 勾配5-100%、1.5 mL/分、勾配時間1.75分、200 nm、30 ℃;または
システムB:Phenomenex Synergi Hydro RP (C18, 150×4.6 mm, 4 μm)、水(+0.1% TFA)中のCH3CN(+0.085% TFA) 勾配5-100%、1.5 mL/分、勾配時間7分、200 nm、30 ℃;または
システムC:Phenomenex Synergi Hydro RP-80A (C18, 150×4.6 mm, 4 μm)、水(+0.1% HCO2H)中のCH3CN(+0.1% HCO2H) 勾配5-95%、1 mL/分、勾配時間15.5分、200-300 nm, 40℃
で得られた。
【0063】
中間体 1
3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化6】

【0064】
窒素雰囲気下、0℃で、ジイソプロピルアミン (11.7 mL, 83.3 mmol)をTHF (200 mL)に溶解し、n-ブチルリチウム (52.5 mL, ヘキサン中の1.6 M, 84.0 mmol)を加えた。溶液を1時間撹拌し、-78℃に冷却し、4-クロロピリジン塩酸塩 (5.00 g, 33.3 mmol)を少しずつ加えた。反応混合物を2時間撹拌し、4-クロロベンズアルデヒド (4.68 g, 33.3 mmol)を加えた。反応混合物を室温にゆっくりと温まるままにし、3日間撹拌した。飽和NH4Cl水溶液 (20 mL)を加え、反応混合物を1 M Na2CO3水溶液 (500 mL)に注いだ。層を分離し、水層をDCM (2×500 mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)し、溶媒を真空下に除去し、淡褐色の固体として、(4-クロロフェニル)-(4-クロロ-ピリジン-3-イル)-メタノール (7.57 g, 89.4%)を得た。
分析HPLC: 純度 77% (システム B, RT = 4.55 分); 分析LCMS: 純度 >90% (システム A, RT = 1.66 分), ES+: 254.0 [35ClMH]+ および256.0 [37ClMH]+
【0065】
(4-クロロフェニル)-(4-クロロ-ピリジン-3-イル)-メタノール (7.57 g, 29.8 mmol)を乾燥アセトン (150 mL)に溶解し、酸化クロム(VI) (8.94 g, 89.4 mmol)を加えた。反応混合物を18時間撹拌し、次いで、飽和NaHCO3水溶液 (500 mL)に注ぎ、DCM (2×500 mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)し、溶媒を真空下に除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー (順相, 50 g, Strata SI-1, シリカ ギガチューブ, DCM (600 mL))により精製し、黄色の油状物として、(4-クロロフェニル)-(4-クロロピリジン-3-イル)-メタノン (4.88 g, 65.0%)を得た。
分析LCMS: 純度 100% (システムA, RT = 2.14 分), ES+: 252.0 [35ClMH]+ および254.0 [37ClMH]+
【0066】
(4-クロロフェニル)-(4-クロロピリジン-3-イル)-メタノン (3.88 g, 15.4 mmol)を室温でMeOH (20 mL)に溶解し、ヒドラジン水和物 (20 mL)を加えた。反応混合物を3時間撹拌した。沈殿物を濾過し、PhMe/MeOH (〜4:1, 〜150 mL)から再結晶することにより精製し、3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン (1.16 g, 33.0%)を得た。
分析HPLC: 純度 99.2% (システム B, RT = 4.29 分); 分析LCMS: 純度 94.8% (システム B, RT = 4.69 分), ES+: 230.0 [35ClMH]+ および232.1 [37ClMH]+
【0067】
中間体 2
3-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化7】

【0068】
4-クロロベンズアルデヒドの代わりに4-フルオロベンズアルデヒドを用いた以外は、中間体 1の製造に対して用いた方法にしたがって、3-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジンを製造した。酸化段階で、CrO3の代わりに過剰のMnO2を用いた。標記の化合物を、黄色の固体 (791 mg, 全収率55.8%, 3段階)として得た。
分析HPLC: 純度 95.3% (システム B, RT = 3.97 分); 分析LCMS: 純度 >90% (システム A, RT = 1.38 分), ES+: 214.4 [MH]+
【0069】
中間体 3
3-(4-メチルフェニル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化8】

【0070】
4-クロロベンズアルデヒドの代わりに4-メチルベンズアルデヒドを用いた以外は、中間体 1の製造に対して用いた方法にしたがって、3-(4-メチルフェニル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジンを製造した。酸化段階で、CrO3の代わりに過剰のMnO2を用いた。標記の化合物を、オフホワイト色の固体 (2.05 g, 全収率16%, 3段階)として得た。
分析LCMS: 純度 100% (システムC, RT = 3.26 分), ES+: 210 [MH]+
【0071】
中間体 4
4-(1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-ベンゾニトリル
【化9】

【0072】
4-クロロベンズアルデヒドの代わりに4-ホルミル-ベンゾニトリルを用いた以外は、中間体 1の製造に対して用いた方法にしたがって、4-(1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル)-ベンゾニトリルを製造した。標記の化合物を、白色の固体 (846 mg, 全収率28.8%, 3段階)として得た。
分析HPLC: 純度 95.8% (システム B, RT = 3.76 分); 分析LCMS: 純度 >90% (システム A, RT = 1.38 分), ES+: 221.4 [MH]+
【0073】
実施例 1
3-(4-フルオロフェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化10】

【0074】
中間体 2 (200 mg, 0.94 mmol)およびトリフェニルホスフィン (369 mg, 1.41 mmol)をDCM (5 mL)に懸濁し、4-ヒドロキシテトラヒドロピラン (134 μL, 1.41 mmol)、続いてDIAD (277 μL, 1.41 mmol)を加えた。反応混合物を3日間撹拌した。溶媒を真空下に除去し、黄色のゴムを得た。残渣を逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 60%〜100% (7 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製し、白色の固体として、3-(4-フルオロフェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン (29 mg, 10.4%)を得た。
分析HPLC: 純度 99.6% (システム B, RT = 4.67 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 4.61 分), ES+: 298.5 [MH]+; HRMS C17H16FN3Oに対する計算値: 297.1277, 実測値 297.1284
【0075】
実施例 2
3-(4-クロロフェニル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化11】

【0076】
中間体 1 (100 mg, 0.44 mmol)およびトリフェニルホスフィン (129 mg, 0.49 mmol)をDCM (2 mL)に懸濁し、4-ヒドロキシテトラヒドロピラン (43.0 μL, 0.45 mmol)およびDIAD (97.0 μL, 0.49 mmol)を加えた。反応混合物を5日間撹拌した。溶媒を真空下に除去し、残渣を逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 40%〜100% (7 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製し、白色の固体として、3-(4-クロロフェニル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン (11 mg, 7.8%)を得た。
分析HPLC: 純度 99.5% (システム B, RT = 4.97 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 5.34 分), ES+: 314.0 [35ClMH]+ および316.0 [37ClMH]+; HRMS C17H16ClN3Oに対する計算値: 313.0982, 実測値 313.0980
【0077】
実施例 3
3-(4-メチルフェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化12】

【0078】
4-ヒドロキシテトラヒドロピラン (4.86 g, 47.6 mmol)をDCM (40 mL)およびトリエチルアミン (6.95 mL, 49.9 mmol)に溶解した。反応混合物を0℃に冷却し、DCM (10 mL)中のメタンスルホニルクロライド (5.72 g, 49.9 mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を0℃で5分間撹拌し、次いで室温に温まるままにし、20時間撹拌した。溶媒を真空下に除去し、白色の残渣を得、それをEtOAcおよびH2Oの間で分配した。水相をEtOAc (2×100 mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥(MgSO4)し、溶媒を真空下に除去し、放置していたら固化する無色のゴムとして、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル メタンスルホネート (8.53 g, 99%)を得た。
【0079】
中間体 3 (0.40 g, 1.91 mmol)、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル メタンスルホネート (1.03 g, 5.72 mmol)およびK2CO3 (0.52 g, 3.76 mmol)をMeCN (7 mL)に溶解し、反応混合物を還流下に50時間加熱した。溶媒を真空下に除去した。得られた残渣をEtOAc (25 mL)およびH2O (25 mL)の間で分配した。水相をEtOAc (2×100 mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥(MgSO4)し、溶媒を真空下に除去した。残渣をWaters分取(Preparative)LC-MS (2×Gemini, X18, 110A, 50×21.2 mm, 5 μm, 20 mL/分, 25℃, 勾配 水(0.1% ギ酸)中のMeCN 5% (0.6 分間維持)〜100% (10 分かけて), 200-800 nm)により精製し、オフホワイト色の固体として、3-(4-メチルフェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン (103 mg, 18.6%)を得た。
分析HPLC: 純度 99.0% (システム B, RT = 9.02 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 8.39 分), ES+: 294.6 [MH]+; HRMS C18H19N3Oに対する計算値: 293.1528, 実測値 293.1528
【0080】
実施例 4
3-(4-クロロフェニル)-1-[(3R)-テトラヒドロフラン-3-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化13】

【0081】
中間体 1 (200 mg, 0.87 mmol)およびトリフェニルホスフィン (342 mg, 1.31 mmol)をDCM (5 mL)に懸濁し、(S)-3-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン (89.0 μL, 1.31 mmol)、続いてDIAD (257 μL, 1.31 mmol)を加えた。反応混合物を室温で 48時間撹拌した。溶媒を真空下に除去した。残渣を逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 60%〜100% (7 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製し、淡黄色のゴムとして、3-(4-クロロフェニル)-1-[(3R)-テトラヒドロフラン-3-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン (153 mg, 58.6%)を得た。
分析HPLC: 純度 100% (システム B, RT = 4.78 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 4.88 分), ES+: 300.5 [35ClMH]+ および302.5 [37ClMH]+; HRMS C16H14ClN3Oに対する計算値: 299.0825, 実測値 299.0831
【0082】
実施例 5
3-(4-クロロフェニル)-1-ピペリジン-4-イル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化14】

【0083】
ポリマー-結合トリフェニルホスフィン (1.81 g, 3 mmol/g, 5.44 mmol)をDCM (10 mL)に懸濁し、30分間撹拌した。DIAD (1.07 mL, 5.44 mmol)、1-Boc-4-ヒドロキシピペリジン (1.09 g, 5.44 mmol)および中間体 1 (500 mg, 2.18 mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空下に濃縮した。残渣を逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 40%〜100% (7 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製し、淡黄色のゴムとして、4-[3-(4-クロロフェニル)-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル (200 mg, 22.2%)を得た。
分析HPLC: 純度 100% (システム B, RT = 6.13 分); 分析LCMS: 純度 >90% (システム A, RT = 2.09 分), ES+: 412.9 [35ClMH]+ および415.0 [37ClMH]+.
【0084】
4-[3-(4-クロロフェニル)-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル (200 mg, 0.48 mmol)をDCM (5 mL)に溶解し、TFA (5 mL)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した。溶媒を真空下に除去し、残渣を1 M Na2CO3 水溶液 (50 mL)に溶解し、DCM (3×50 mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)し、溶媒を真空下に除去した。残渣を逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 40%〜100% (7 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製し、白色の固体として、3-(4-クロロフェニル)-1-ピペリジン-4-イル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン (76 mg, 50.2%)を得た。
分析HPLC: 純度 100% (システム B, RT = 3.74 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 3.60 分), ES+: 313.1 [35ClMH]+ および315.0 [37ClMH]+; HRMS C17H17ClN4に対する計算値: 312.1142, 実測値 312.1141
【0085】
実施例 6
3-(4-クロロフェニル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化15】

【0086】
ポリマー-結合トリフェニルホスフィン (670 mg, 3 mmol/g, 2.00 mmol)をDCM (5 mL)に懸濁し、30分間撹拌した。DIAD (396 μL, 2.01 mmol)、4-ヒドロキシ-N-メチルピペリジン (232 mg, 2.01 mmol)および中間体 1 (185 mg, 0.81 mmol)を加えた。反応混合物を18時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空下に濃縮した。残渣を逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 60%〜100% (7 分かけて) 次いで100% (3 分))、次いで逆相HPLC (YMC ODS-A 150×20 mm, 5 μm, 15 mL/分, 勾配 水(1% ギ酸)中のMeOH 0%〜40% (12 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製した。残渣をDCM中のK2CO3 を用いて脱塩し、白色の固体として、3-(4-クロロフェニル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン (31 mg, 11.8%)を得た。分析HPLC: 純度 100% (システム B, RT = 3.77 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 4.16 分), ES+: 327.0 [35ClMH]+ および329.0 [37ClMH]+; HRMS C18H19ClN4に対する計算値: 326.1298, 実測値 326.1303
【0087】
実施例 7
{4-[3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ピペリジン-1-イル}アセトニトリル
【化16】

【0088】
実施例 5 (185 mg, 0.59 mmol)をDMF (5 mL)に溶解し、DIPEA (91.6 mg, 123 μL, 0.71 mmol)およびヨードアセトニトリル (51.0 μL, 0.71 mmol)を加えた。反応混合物をBiotageマイクロウエーブ(100℃, 高吸収(absorption high), 前撹拌(pre-stirring) 30秒)を用いて10分間加熱し、次いで真空下に濃縮した。残渣をMeOH (5 mL)に溶解し、1 M Na2CO3水溶液 (50 mL)に注ぎ、EtOAc (3×50 mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)し、真空下に濃縮した。残渣を逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 60%〜100% (7 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製し、クリーム色の固体として、{4-[3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ピペリジン-1-イル}アセトニトリル (86 mg, 41.4%)を得た。
分析HPLC: 純度 97.9% (システム B, RT = 4.57 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 4.61 分), ES+: 352.5 [35ClMH]+ および354.5 [37ClMH]+; HRMS C19H18ClN5に対する計算値: 351.1251, 実測値 351.1246
【0089】
実施例 8
3-(4-クロロフェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化17】

【0090】
水素化ナトリウム (52 mg, 鉱油中の60%分散体, 1.31 mmol)をTHF (3 mL)に懸濁し、中間体 1 (200 mg, 0.87 mmol)および4-ブロモメチルテトラヒドロピラン (187 mg, 1.04 mmol)を加えた。反応混合物をBiotageマイクロウエーブ (100℃, 高吸収, 前撹拌15秒)を用いて1時間、次いで120℃で1時間、125℃で30分間加熱し、次いで真空下に濃縮した。残渣を1 M Na2CO3 水溶液 (50 mL)に注ぎ、DCM (3×50 mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)し、真空下に濃縮した。残渣を逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 60%〜100% (7 分かけて) 次いで100% (3 分)およびYMC ODS-A 150×20 mm, 5 μm, 15 mL/分, 勾配 水+1% ギ酸中のMeOH+ 1% ギ酸 4%〜100% (12 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製した。残渣をDCM中のK2CO3を用いて脱塩し、黄色のゴムとして、3-(4-クロロフェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン (106 mg, 0.33 mmol, 37.1%)を得た。
分析HPLC: 純度 100% (システム B, RT = 4.99 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 5.38 分), ES+: 328.0 [35ClMH]+ および330.0 [37ClMH]+; HRMS C18H18ClN3Oに対する計算値: 327.1138, 実測値 327.1149
【0091】
実施例 9
3-(4-クロロフェニル)-1-[1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化18】

【0092】
実施例 5 (123 mg, 0.39 mmol)をDCM (5 mL)に溶解し、DIPEA (75 μL, 0.43 mmol)およびメタンスルホニルクロライド (33.5 μL, 0.43 mmol)を加えた。反応混合物を2時間撹拌し、DCM (50 mL)で希釈し、1 M Na2CO3 水溶液 (50 mL)で洗浄し、有機層を乾燥(MgSO4)し、真空下に濃縮した。残渣を逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 40%〜100% (7 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製し、白色の固体として、3-(4-クロロフェニル)-1-[1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン (61 mg, 39.7%)を得た。
分析HPLC: 純度 100% (システム B, RT = 4.98 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 5.03 分), ES+: 391.5 [35ClMH]+ および393.6 [37ClMH]+; HRMS C18H19ClN4O2Sに対する計算値: 390.0917, 実測値 390.0926
【0093】
実施例 10
1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化19】

【0094】
実施例 5 (167 mg, 0.53 mmol)をDCM (5 mL)に溶解し、DIPEA (102 μL, 0.59 mmol)およびアセチルクロライド (41.5 μL, 0.59 mmol)を加えた。反応混合物を2時間撹拌し、DCM (50 mL)で希釈し、1 M Na2CO3 水溶液 (50 mL)で洗浄し、有機層を乾燥(MgSO4)し、真空下に濃縮した。残渣を逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 60%〜100% (7 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製し、EtOAc (50 mL)に溶解し、1 M HCl水溶液 (50 mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、真空下に濃縮し、白色の固体として、1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン (35 mg, 18.6%)を得た。
分析HPLC: 純度 100% (システム B, RT = 4.62 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 4.70 分), ES+: 355.6 [35ClMH]+ および357.5 [37ClMH]+; HRMS C19H19ClN4Oに対する計算値: 354.1247, 実測値 354.1263
【0095】
実施例 11
3-(4-クロロフェニル)-1-[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化20】

【0096】
実施例 5 (162 mg, 0.52 mmol)をDMF (5 mL)に溶解し、DIPEA (108 μL, 0.62 mmol)および(2-ブロモエチル)メチル エーテル (58 μL, 0.62 mmol)を加えた。反応混合物をBiotageマイクロウエーブ (100℃, 高吸収, 前撹拌30秒)を用いて10 分間、120℃で10分間加熱し、次いで真空下に濃縮した。残渣をMeOH (5 mL)に溶解し、1 M Na2CO3 水溶液 (50 mL)に注ぎ、EtOAc (3×50 mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)し、真空下に濃縮した。残渣を逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 60%〜100% (7 分かけて) 次いで100% (3 分)およびYMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中の MeOH 60%〜90% (7 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製し、無色のゴムとして、3-(4-クロロフェニル)-1-[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン (29 mg, 15.0%)を得た。
分析HPLC: 純度 99.8% (システム B, RT = 3.96 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 4.01 分), ES+: 371.6 [35ClMH]+ および373.5 [37ClMH]+; HRMS C20H23ClN4Oに対する計算値: 370.1560, 実測値 370.1575
【0097】
実施例 12
3-(4-クロロフェニル)-1-ピペリジン-3-イル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化21】

【0098】
中間体 1 (200 mg, 0.87 mmol)およびトリフェニルホスフィン (342 mg, 1.31 mmol)をDCM (5 mL)に懸濁し、1-Boc-3-ヒドロキシピペリジン (263 mg, 1.31 mmol)およびDIAD (257 μL, 1.31 mmol)を加えた。反応混合物を3時間撹拌し、TFA (3 mL)を加えた。反応混合物を1時間撹拌し、真空下に濃縮した。残渣を1 M HCl水溶液 (50 mL)に溶解し、DCM (2×30 mL)で洗浄した。水層をNaOHで塩基性化し、DCM (3×50 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO4)し、真空下に濃縮した。残渣を逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 60%〜100% (7 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製し、白色の固体として、3-(4-クロロフェニル)-1-ピペリジン-3-イル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン (41 mg, 15.1%)を得た。
分析HPLC: 純度 98.2% (システム B, RT = 3.85 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 3.86 分), ES+: 313.6 [35ClMH]+ および315.6 [37ClMH]+; HRMS C17H17ClN4に対する計算値: 312.1142, 実測値 312.1152
【0099】
実施例 13
3-(4-クロロフェニル)-1-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化22】

【0100】
中間体 1 (200 mg, 0.87 mmol)およびトリフェニルホスフィン (342 mg, 1.31 mmol)をDCM (5 mL)に懸濁し、(R)-3-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン (89 μL, 1.31 mmol)およびDIAD (257 μL, 1.31 mmol)を加えた。反応混合物を4時間撹拌し、真空下に濃縮した。残渣を逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 60%〜100% (7 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製し、無色のゴムとして、3-(4-クロロフェニル)-1-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン (160 mg, 61.3%)を得た。
分析HPLC: 純度 100% (システム B, RT = 4.82 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 4.86 分), ES+: 300.5 [35ClMH]+ および302.5 [37ClMH]+; HRMS C16H14ClN3Oに対する計算値: 299.0825, 実測値 299.0835
【0101】
実施例 14
3-(4-クロロフェニル)-1-(テトラヒドロフラン-3-イルメチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化23】

【0102】
中間体 1 (200 mg, 0.87 mmol)およびトリフェニルホスフィン (342 mg, 1.31 mmol)をDCM (5 mL)に懸濁し、テトラヒドロ-3-フラン-メタノール (126 μL, 1.31 mmol)およびDIAD (257 μL, 1.31 mmol)を加えた。反応混合物を3日間撹拌し、真空下に濃縮した。残渣を逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 60%〜100% (7 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製して、無色のゴムとして、3-(4-クロロフェニル)-1-(テトラヒドロフラン-3-イルメチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン (118 mg, 43.2%)を得た。
分析HPLC: 純度 99.7% (システム B, RT = 4.88 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 4.94 分), ES+: 314.6 [35ClMH]+ および316.5 [37ClMH]+; HRMS C17H16ClN3Oに対する計算値: 313.0982, 実測値 313.0990
【0103】
実施例 15
3-(4-クロロフェニル)-1-(1-エチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化24】

【0104】
実施例 5 (162 mg, 0.52 mmol)をDMF (5 mL)に溶解し、DIPEA (99.0 μL, 0.57 mmol)およびヨードエタン (46 μL, 0.57 mmol)を加えた。反応混合物を11日間撹拌し、真空下に濃縮した。残渣をMeOH (5 mL)に溶解し、1 M Na2CO3 水溶液 (50 mL)に注ぎ、DCM (2×50 mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)し、真空下に濃縮した。残渣を逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 60%〜100% (7 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製し、無色のゴムとして、3-(4-クロロフェニル)-1-(1-エチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン (60 mg, 33.9%)を得た。
分析HPLC: 純度 97.7% (システム B, RT = 3.89 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 3.94 分), ES+: 341.5 [35ClMH]+ および343.4 [37ClMH]+; HRMS C19H21ClN4に対する計算値: 340.1455, 実測値 340.1465
【0105】
実施例 16
3-(4-クロロフェニル)-1-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化25】

【0106】
実施例 5 (257 mg, 0.82 mmol)をDCM (10 mL)に溶解し、アセトン (121 μL, 1.64 mmol)、4 A モレキュラー シーブ (560 mg)およびAcOH (1 滴)を加えた。反応混合物を4時間撹拌し、NaBH(OAc)3 (184 mg, 1.64 mmol)を加えた。反応混合物を16時間撹拌した。アセトン (200 μL)およびNaBH(OAc)3 (200 mg)を加え、反応混合物を4日間撹拌した。1 M Na2CO3 水溶液 (2 mL)を加え、反応混合物を1時間撹拌し、1 M Na2CO3 水溶液 (50 mL)に注ぎ、 DCM (3×50 mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)し、真空下に濃縮した。残渣を逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 60%〜100% (7 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製し、無色のゴムとして、3-(4-クロロフェニル)-1-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン (102 mg, 35.0%)を得た。
分析HPLC: 純度 97.2% (システム B, RT = 3.98 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 4.05 分), ES+: 355.5 [35ClMH]+ および357.5 [37ClMH]+; HRMS C20H23ClN4に対する計算値: 354.1611, 実測値 354.1628
【0107】
実施例 17
3-(4-フルオロフェニル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化26】

【0108】
中間体 2 (200 mg, 0.94 mmol)およびトリフェニルホスフィン (369 mg, 1.41 mmol)をDCM (5 mL)に懸濁し、4-ヒドロキシ-1-メチルピペリジン (162 mg, 1.41 mmol)およびDIAD (277 μL, 1.41 mmol)を加えた。反応混合物を3日間撹拌し、真空下に濃縮した。残渣を1 M HCl (50 mL)に懸濁し、DCM (2×30 mL)で洗浄し、NaOHで塩基性化し、DCM (3×50 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO4)し、真空下に濃縮した。残渣を逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 60%〜100% (7 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製し、淡黄色のゴムとして、3-(4-フルオロフェニル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン (35 mg, 12.0%)を得た。
分析HPLC: 純度 99.5% (システム B, RT = 3.50 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 3.51 分), ES+: 311.5 [MH]+; HRMS C18H19FN4に対する計算値: 310.1594, 実測値 310.1602
【0109】
実施例 18
3-(4-フルオロフェニル)-1-ピペリジン-4-イル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン
【化27】

【0110】
中間体 2 (200 mg, 0.94 mmol)およびPPh3 (369 mg, 1.41 mmol)をDCM (5 mL)に懸濁した。N-Boc-4-ヒドロキシピペリジン (283 mg, 1.41 mmol)およびDIAD (277 μL, 1.41 mmol)を加えた。反応混合物を3日間撹拌し、TFA (2 mL)を加え、反応混合物を3時間撹拌し、真空下に濃縮した。残渣を1 M HCl (50 mL)に懸濁し、DCM (2×30 mL)で洗浄し、NaOHで塩基性化し、DCM (3×50 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO4)し、真空下に濃縮した。残渣を逆相 HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 40%〜80% (7 分かけて) 次いで100% (3 分)およびYMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 15 mL/分, 勾配 10% MeOH/水+ 1% HCO2H中のMeOH+1% HCO2H 0%〜40% (12 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製した。精製画分を半分まで真空下に濃縮し、1 M Na2CO3 水溶液 (50 mL)に注ぎ、DCM (3×50 mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)し、真空下に濃縮し、無色のゴムとして、3-(4-フルオロフェニル)-1-ピペリジン-4-イル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン (67 mg, 24.1%)を得た。
分析HPLC: 純度 99.1% (システム B, RT = 3.44 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 3.48 分), ES+: 297.6 [MH]+; HRMS C17H17FN4に対する計算値: 296.1437, 実測値 296.1449
【0111】
実施例 19
4-[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]ベンゾニトリル
【化28】

【0112】
中間体 4 (275 mg, 1.25 mmol)およびPPh3 (490 mg, 1.87 mmol)をDCM (5 mL)に懸濁し、4-ヒドロキシテトラヒドロピラン (178 mL, 1.87 mmol)およびDIAD (368 μL, 1.87 mmol)を加えた。反応混合物を18時間撹拌し、真空下に濃縮した。残渣を逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 25 mL/分, 勾配 10% MeOH/水中のMeOH 40%〜80% (7 分かけて) 次いで100% (3 分))およびカラムクロマトグラフィー (順相, 20 g, Strata SI-1, シリカ ギカチューブ, ヘプタン/EtOAc (1:1) (300 mL) 次いでEtOAc (500 mL))により精製し、白色の固体として、4-[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]ベンゾニトリル (140 mg, 36.8%)を得た。
分析HPLC: 純度 99.9% (システム B, RT = 4.61 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 4.33 分), ES+: 305.5 [MH]+; HRMS C18H16N4Oに対する計算値: 304.1324, 実測値 304.1334
【0113】
実施例 20
4-[1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]ベンゾニトリル
【化29】

【0114】
中間体 4 (275 mg, 1.25 mmol)およびPPh3 (490 mg, 1.87 mmol)をDCM (5 mL)に懸濁し、4-ヒドロキシ-1-メチルピペリジン (216 mg, 1.87 mmol)およびDIAD (368 μL, 1.87 mmol)を加えた。反応混合物を18時間撹拌し、真空下に濃縮した。残渣をMeOH (5 mL)に溶解し、1 M Na2CO3 水溶液 (50 mL)に注ぎ、DCM (2×50 mL)で抽出した。水層をNaOHで塩基性化し、EtOAc (3×50 mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(MgSO4)し、真空下に濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー (順相, 20 g, Strata SI-1, シリカ ギガチューブ, DCM/EtOH/NH3 200:8:1 (300 mL) 次いで DCM/EtOH/NH3 100:8:1 (500 mL))および逆相HPLC (YMC ODS-A 100×20 mm, 5 μm, 15 mL/分, 勾配 10% MeOH/水+1% ギ酸中のMeOH+1% ギ酸 0%〜30% (12 分かけて) 次いで100% (3 分))により精製した。残渣を1 M Na2CO3 水溶液 (25 mL)に溶解し、DCM (2×25 mL)で抽出し、乾燥(MgSO4)し、真空下に濃縮し、白色の固体として、4-[1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]ベンゾニトリル (46 mg, 12.6%)を得た。
分析HPLC: 純度 99.5% (システム B, RT = 3.34 分); 分析LCMS: 純度 100% (システム B, RT = 3.31 分), ES+: 318.5 [MH]+; HRMS C19H19N5に対する計算値: 317.1640, 実測値 317.1649
【0115】
生物学的試験
SSAO酵素阻害剤の生物学的アッセイ
全てのアッセイは、精製組み換え発現ヒトSSAOを用いて室温で行われた。酵素は基本的に、Ohmanら (Protein Expression and Purification 2006, 46, 321-331)に記載されているようにして製造された。酵素活性は、基質としてベンジルアミンを用いて測定され、検出のために過酸化水素の産生を用いた。西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)連動反応において、10-アセチル-3,7-ジヒドロキシフェノキサジンの過酸化水素酸化は、強い蛍光化合物であるレソルフィンを産生した(Zhout and Panchuk-Voloshina. Analytical Biochemistry 1997, 253, 169-174; Amplex(登録商標) Red Hydrogen Peroxide/ペルオキシダーゼ アッセイ キット, Invitrogen A22188)。
【0116】
簡単に言えば、試験化合物をジメチルスルホキサイド(DMSO)中、10 mMに溶解した。用量-応答測定は、7ポイント曲線を作成するためにDMSO中での1:10系列希釈を行うかまたは11ポイント曲線を作成するためにDMSO中での1:3系列希釈を行うかのいずれかによってアッセイされた。トップ濃度は、化合物の効力により調整され、反応緩衝液(50 mM リン酸ナトリウム, pH 7.4)中での続く希釈は、最終DMSO濃度≦ 2%を生じた。酵素および化合物を丸底マイクロタイタープレート中に置き、約60分間プレインキュベートし、その後HRP、ベンジルアミンおよびAmplex試薬の混合物を加えて反応を開始した。次いで、蛍光強度をいくつかの時点(15分、20分および30分)で測定した(544 nmで励起し、590 nmでの発光を読み取る)。アッセイウエル中の試薬の最終濃度は、SSAO酵素 2 μg/ml、ベンジアミン 100 μM、Amplex試薬 20 μM、HRP 0.1 U/mLおよび試験化合物の各種濃度であった。阻害は、阻害剤なしのコントロール(希釈されたDMSOのみ)と比較されたシグナルの減少%として測定された。SSAO酵素を含まない試料からのバックグラウンドシグナルが、全てのデータポイントから差し引かれた。データは4パラメータ・ロジスティク モデルに適合され、IC50 値がGraphPad Prism 4 またはXLfit 4プログラムを用いて計算された。
【0117】
一般的に、本発明の実施例化合物は、10〜1000 nMのIC50 値を有した。代表化合物に対して得られたIC50 値を次の表に示す。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
R1 は、ハロゲン、シアノ、 C1-6-アルキル、ハロ-C1-6-アルキルおよびC1-6-アルコキシから独立して選択される1、2または3つの置換基であり;
R2 は、 O、SおよびN(R3)から独立して選択される1または2個のヘテロ原子を含む4-〜7-員のヘテロ環であり、ここで、環炭素原子はR4で任意に置換されていてもよく;
R3 は、水素、C1-6-アルキル、ヒドロキシ-C1-6-アルキル、シアノ-C1-6-アルキル、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ-C1-6-アルキル、C1-6-アシルおよびC1-6-アルキルスルホニルから選択され;
R4 は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6-アルキル、 ヒドロキシ-C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ-C1-6-アルキル、シアノ-C1-6-アルキル、ハロ-C1-6-アルキルおよびC1-6-アルコキシから選択され;
a は 0、1または2である)
[ここで、
・3-(3,4-ジクロロフェニル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン、または
・1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-3-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジンではないことを条件とする。]
の化合物、またはその医薬的に許容な塩、溶媒和物、水和物、幾何異性体、互変異性体、光学異性体もしくはN-オキサイド。
【請求項2】
式(I'):
【化2】

(式中、
R1 は、ハロゲン、シアノおよび C1-4-アルキルから選択され;
R2 は、O、SおよびN(R3)から独立して選択される1または2個のヘテロ原子を含む 5-〜6-員のヘテロ環であり、ここで、環炭素原子はR4で任意に置換されていてもよく;
R3 は、水素、C1-4-アルキル、ヒドロキシ-C1-4-アルキル、シアノ-C1-4-アルキル、ハロ-C1-4-アルキル、C1-4-アルコキシ-C1-4-アルキル、C1-4-アシルおよびC1-4-アルキルスルホニルから選択され;
R4 は、もし存在するなら、C1-4-アルキル、 ハロ-C1-4-アルキル、ヒドロキシ-C1-4-アルキルおよびC1-4-アルコキシ-C1-4-アルキルから独立して選択され;
a は0または1である)
を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(II'):
【化3】

(式中、
R1 は、ハロゲン、シアノおよびC1-4-アルキルから選択され;
R2 は、OおよびN(R3)から選択される1個のヘテロ原子を含む飽和の5-〜6-員のヘテロ環であり、ここで、環炭素原子はR4で任意に置換されていてもよく;
R3 は、水素、C1-4-アルキルまたはシアノ-C1-4-アルキルであり;
R4 は、もし存在するなら、独立してメチルまたはエチルである)
を有する、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
・3-(4-フルオロフェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-メチルフェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-1-[(3R)-テトラヒドロフラン-3-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-1-ピペリジン-4-イル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・{4-[3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ピペリジン-1-イル}アセトニトリル;
・3-(4-クロロフェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-1-[1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・1-(1-アセチルピペリジン-4-イル)-3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-1-[1-(2-メトキシエチル)ピペリジン-4-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-1-ピペリジン-3-イル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-1-[(3S)-テトラヒドロフラン-3-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-1-(テトラヒドロフラン-3-イルメチル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-1-(1-エチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-クロロフェニル)-1-(1-イソプロピルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-フルオロフェニル)-1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・3-(4-フルオロフェニル)-1-ピペリジン-4-イル-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン;
・4-[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]ベンゾニトリル;および
・4-[1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]ベンゾニトリル
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
医薬的に許容な希釈剤または担体と組み合わせて、活性成分として請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物を含む医薬製剤。
【請求項6】
治療での使用のための、請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項7】
炎症、炎症性疾患、免疫性または自己免疫性障害の治療または予防のための、請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項8】
炎症もしくは炎症性疾患または免疫性もしくは自己免疫性障害が、関節炎 (関節リウマチ、若年性関節リウマチ、骨関節炎および乾癬性関節炎を含む)、滑膜炎、脈管炎、腸の炎症に関連する病状 (クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患および過敏性腸症候群を含む)、アテローム性動脈硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、血管性認知症、肺の炎症性疾患 (喘息、慢性閉塞性肺疾患および急性呼吸窮迫症候群を含む)、線維性疾患 (特発性肺線維症、心線維症および全身性硬化症(強皮症)を含む)、皮膚の炎症性疾患 (接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎および乾癬を含む)、全身性炎症反応症候群、敗血症、肝の炎症性および/または自己免疫性の病状 (自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、アルコール性肝臓疾患、硬化性胆管炎および自己免疫性胆管炎を含む)、糖尿病 (IまたはII型)および/またはそれらの合併症、慢性心不全、うっ血性心不全、虚血性疾患 (脳卒中および虚血再灌流傷害を含む)、ならびに心筋梗塞および/またはその合併症である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
炎症性疾患が脈管炎である、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
炎症、炎症性疾患、免疫性または自己免疫性障害の治療または予防で使用のための医薬の製造のための、請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物の使用。
【請求項11】
炎症もしくは炎症性疾患または免疫性もしくは自己免疫性障害が、関節炎 (関節リウマチ、若年性関節リウマチ、骨関節炎および乾癬性関節炎を含む)、滑膜炎、脈管炎、腸の炎症に関連する病状 (クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患および過敏性腸症候群を含む)、アテローム性動脈硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、血管性認知症、肺の炎症性疾患 (喘息、慢性閉塞性肺疾患および急性呼吸窮迫症候群を含む)、線維性疾患 (特発性肺線維症、心線維症および全身性硬化症(強皮症)を含む)、皮膚の炎症性疾患 (接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎および乾癬を含む)、全身性炎症反応症候群、敗血症、肝の炎症性および/または自己免疫性の病状 (自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、アルコール性肝臓疾患、硬化性胆管炎および自己免疫性胆管炎を含む)、糖尿病 (IまたはII型)および/またはそれらの合併症、慢性心不全、うっ血性心不全、虚血性疾患 (脳卒中および虚血再灌流傷害を含む)、ならびに心筋梗塞および/またはその合併症である、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
炎症性疾患が脈管炎である、請求項10に記載の使用。
【請求項13】
下記の治療が必要なヒトを含む哺乳類に、請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物の有効量を投与することを含む、炎症もしくは炎症性疾患または免疫性もしくは自己免疫性障害の治療または予防方法。
【請求項14】
炎症もしくは炎症性疾患または免疫性もしくは自己免疫性障害が、関節炎 (関節リウマチ、若年性関節リウマチ、骨関節炎および乾癬性関節炎を含む)、滑膜炎、脈管炎、腸の炎症に関連する病状 (クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患および過敏性腸症候群を含む)、アテローム性動脈硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、血管性認知症、肺の炎症性疾患 (喘息、慢性閉塞性肺疾患および急性呼吸窮迫症候群を含む)、線維性疾患 (特発性肺線維症、心線維症および全身性硬化症(強皮症)を含む)、皮膚の炎症性疾患 (接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎および乾癬を含む)、全身性炎症反応症候群、敗血症、肝の炎症性および/または自己免疫性の病状 (自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、アルコール性肝臓疾患、硬化性胆管炎および自己免疫性胆管炎を含む)、糖尿病 (IまたはII型)および/またはそれらの合併症、慢性心不全、うっ血性心不全、虚血性疾患 (脳卒中および虚血再灌流傷害を含む)、ならびに心筋梗塞および/またはその合併症である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
炎症性疾患が脈管炎である、請求項13に記載の方法。

【公表番号】特表2012−502890(P2012−502890A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526518(P2011−526518)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/062018
【国際公開番号】WO2010/031791
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(507277930)プロキシマジェン エルティーディー (10)
【氏名又は名称原語表記】PROXIMAGEN LTD.
【住所又は居所原語表記】91−93 Farringdon Road, London EC1M 3LN, United Kingdom
【Fターム(参考)】