説明

新規方法

本発明は、患者において全身性の抗ムスカリン作用を生じることなく、かかる処置を必要とする該患者における呼吸器疾患または状態の吸入による処置方法であって、該患者に有効量のアクリジニウムを投与することを含む方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、特に、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような呼吸器疾患のための、抗ムスカリン化合物のクラス関連副作用(class−related adverse effect)を引き起こすことのない、抗コリン作動薬療法の新規方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
アクリジニウム(3(R)−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イル アセトキシ)−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン)は、例えばWO01/04118、WO05/115467、WO05/115466、およびWO05/115462(その内容は、参照により本明細書中に包含される。)に記載の、可能性のあるムスカリン受容体アンタゴニストである。アクリジニウムは、現在臨床試験中の、呼吸器疾患、とりわけ喘息およびCOPDの処置のための吸入による投与を目的とする長期作用性気管支拡張剤である。
【0003】
現在利用可能なムスカリン受容体アンタゴニストには、チオトロピウム((1α,2β,4β,7β)−7−[(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエニルアセトキシ]−9,9−ジメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン)、イプラトロピウム([8−メチル−8−(1−メチルエチル)−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル]3−ヒドロキシ−2−フェニル−プロパノエート)、およびグリコピロラート((1,1−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピロール−3−イル)2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−フェニル−アセテート)が含まれる。
【0004】
アセチルコリンは、体内の副交感神経支配、また脳内の情報伝達と関係する神経伝達物質である。それは、心臓、血管、気道ならびに泌尿器官および消化器官の機能の制御を補助する。それはまた、記憶、学習および集中にも関係する。抗ムスカリン化合物は、体内で最も一般的なタイプのコリン作動性受容体であるムスカリン受容体におけるアセチルコリンの作用を阻害する。気道において、M3ムスカリン受容体でのアセチルコリン活性を阻害する化合物は、アセチルコリンにより仲介される気道における平滑筋の収縮を阻止し、その結果、気管支拡張をもたらし、また肺における粘液分泌を減少するため、呼吸器疾患の処置に非常に有用である。
【0005】
しかしながら、抗ムスカリン化合物の呼吸器疾患の処置における使用の1つの問題は、コリン作用の全身抑制に関係する副作用の危険性である。これらには、例えば、口渇、のどの炎症、発汗抑制、瞳孔の拡大、視覚低下、眼内圧上昇、心拍数増加、胸痛、低下した胃運動性、便秘、排尿の開始および継続の困難、ならびに溢流性失禁による膀胱の制御喪失が含まれ得る。抗コリン作用はまた、集中力低下、錯乱状態、動揺、不安、せん妄、注意欠陥、記憶障害、ふらつき感(light−headedness)、眠気、および呼吸抑制のような中枢神経系に対する作用も有し得る。アセチルコリンの分解を阻止するコリンエステラーゼ阻害剤が、アルツハイマー病および認知症に有効であることが発見され、故に、医師は、可能であれば、かかる患者における抗コリン作動薬を避けたいと考え得る。アセチルコリンは、パーキンソン病患者において複雑な役割を果たす。可能性のある脳内のM4およびM5ムスカリン受容体での作用を介して、ドーパミン放出を促進する役割を有すると考えられており、このことにより、コリンエステラーゼ阻害剤は、時々、パーキンソン病患者に処方される;さらにとりわけ、レボドパの出現前に、抗コリン作動薬は、恐らく、M1ムスカリン受容体の活性を阻害するドーパミンを阻止することにより、パーキンソン病の症状の処置に用いられた。
【0006】
より高齢の患者は、彼らの身体がアセチルコリンをほとんど産生しないため、望ましくない抗コリン作用を経験する可能性が高い。また、より高齢の患者における身体の多くの部分(消化管のような)の細胞は、アセチルコリン受容体がより少ない可能性がある。故に、産生されるアセチルコリンは、作用を有する可能性が少なく、抗コリン作動薬の作用は、それに応じてより大きい。さらに、より高齢の患者は、低下した腎臓および/または肝臓機能を有し、そのため、多くの抗コリン作動薬の増大した血清濃度を引き起こす可能性があり得る。以下に述べる通り、多くの一般的に処方されている医薬は、抗コリン作用を有し、そのため、抗コリン性副作用を有する多剤を服用している患者は、危険性が増加し得る。高齢の男性は、特に、抗コリン活性と関係する排尿困難(urinary difficulty)が、肥大または閉塞した前立腺を悪化させ得るか、またはそれにより悪化され得るため、副作用を受け得る。概して、抗コリン性副作用は、高齢者が経験する最も一般的な薬剤が関連する負の作用の1つである。
【0007】
現在市販されている抗ムスカリン剤は、全身性の抗コリン作用により悪化され得る状態になり易いを有する患者における使用に不適切であり得る。若く、健康な人々には容易に許容され得る全身性抗コリン活性のレベルが、かかる患者には許容され得ない。全身性の抗コリン作用により悪化され得る状態には、統合失調症、緑内障、ドライアイ、肥大または閉塞した前立腺、小腸の狭窄または閉塞、肥大した結腸、慢性便秘、肥大した下部食道、心臓疾患(とりわけ、頻脈によって悪化され得るいずれかの状態、例えば冠血管動脈における再狭窄またはプラーク形成、不整脈の傾向、過去の心臓発作による損傷、ならびに鬱血性心不全)、パーキンソン病、アルツハイマー病、認知症、ならびに重症筋無力症が含まれる。抗ムスカリン剤はまた、抗コリン作用を有する薬物、例えば、非定型抗精神病薬または三環式抗鬱剤と併用投与されるとき、特別な危険性を呈し得る。抗ヒスタミン剤、特に、ジフェンヒドラミンのような第一世代の鎮静性抗ヒスタミン剤は、ヒスタミン1型受容体に加えてムスカリン受容体に結合することができ、そのため、抗コリン作用を有し得る。極端な場合において、抗コリン作動薬は、抗コリン性せん妄、火傷により特徴付けられる医学的緊急事態、皮膚の乾燥、粘膜の乾燥、拡大した瞳孔、腸音欠如、および頻脈を引き起こし得る。最後に、全身的に活性な抗ムスカリン剤は、アセチルコリン作用を増大することを目的とした薬剤、例えば、コリンエステラーゼ阻害剤およびコリン作動性アゴニストの作用を妨げ得る。
【0008】
従って、全身的に活性な抗ムスカリン化合物のクラス関連副作用を引き起こさない、特に呼吸器疾患、とりわけ喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する抗ムスカリン療法が必要とされる。
【発明の概要】
【0009】
発明の概要
今回、アクリジニウムが、患者を全身的に活性な抗ムスカリン化合物のクラス関連副作用の危険にさらすことなく、呼吸器疾患の処置において用いられ得ることを発見した。アクリジニウムは、例えばチオトロピウム(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)と同様にエステル基を有するが、吸入により投与されるアクリジニウムは、驚くべきことに、血漿中でその不活性な酸およびアルコール代謝物により分解されやすい。結果として、該化合物への全身暴露は、ほとんど影響がない。アクリジニウムの迅速な代謝のため、望ましくない全身性の抗コリン作用をもたらすという結果の可能性は低い。しかしながら、アクリジニウムは、受容体での長時間作用性を有し、そして肺および気道への抗ムスカリン療法の長期的効果を与え得る。
【0010】
従って、本発明は、第一態様において、患者に全身性の抗ムスカリン作用を生じることなく、該患者において吸入により呼吸器疾患または状態の処置または予防に用いるための医薬の製造におけるアクリジニウムの使用を提供する。
【0011】
典型的に、呼吸器疾患は、ムスカリン受容体アンタゴニストにより処置、改善または阻止され得る疾患である。より好ましくは、呼吸器疾患または状態は、急性もしくは慢性気管支炎、気腫、喘息および慢性閉塞性肺疾患から選択され、とりわけ喘息および慢性閉塞性肺疾患、最もとりわけ、慢性閉塞性肺疾患である。
【0012】
典型的に、患者は、全身性の抗ムスカリン活性により悪化され得る状態を有するか、またはその状態になりやすい。より典型的には、患者は、
a.統合失調症、集中力低下、錯乱状態、動揺、せん妄、注意欠陥、記憶障害、呼吸抑制、
b.緑内障、ドライアイ、瞳孔の拡大、視覚低下、眼内圧上昇、
c.肥大または閉塞した前立腺、排尿困難、溢流性失禁、
d.小腸の狭窄または閉塞、肥大した結腸、慢性便秘、肥大した下部食道、低下した胃運動性、便秘、
e.口渇、のどの炎症、発汗障害
f.心血管疾患(再狭窄、動脈硬化症、過去の卒中または心臓発作、鬱血性心不全のいずれかを含む)、不整脈、頻脈、
g.パーキンソン病、アルツハイマー病、認知症、および/または
h.重症筋無力症
から選択される1種以上の状態を有するか、またはその状態になりやすい。
【0013】
典型的に、患者は男性である。さらに、患者は、典型的に、年齢60歳以上である。
【0014】
本発明のさらなる態様において、該医薬は、処置過程中に機械を運転または操作することを予定する患者に投与するためのものである。
【0015】
本発明のさらなる態様において、該患者は、全身的に活性な抗コリン作動薬、または上記に列記の状態のいずれかを引き起こすか、もしくは悪化させ得る薬物である、第二剤を服用している。典型的に、該第二剤は、抗精神病薬、三環式抗鬱剤、および抗ヒスタミン剤から選択される。
【0016】
本発明のさらなる態様において、該患者は、例えば以下に記載の通り、アセチルコリン作用を増強することを目的とする薬剤、例えば、コリンエステラーゼ阻害剤またはコリン作動性アゴニストを服用している。
【0017】
典型的に、アクリジニウムは、アニオンX(ここで、Xは、一価または多価の酸の薬学的に許容されるアニオンである。)との塩形態である。より典型的には、Xは、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸のような無機酸、またはメタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸およびマレイン酸のような有機酸から誘導されるアニオンである。好ましくは、アクリジニウムは、臭化アクリジニウムの形態である。
【0018】
典型的に、アクリジニウムは、吸入に適する乾燥粉末の形態である。
典型的に、該医薬は、単糖類、二糖類もしくは多糖類および糖アルコールから選択される薬学的に許容される担体を含む。好ましくは、担体はラクトースである。
【0019】
典型的に、避けられるべき全身性の抗ムスカリン作用は、口渇、のどの炎症、発汗抑制、瞳孔の拡大、視覚低下、眼内圧上昇、心拍数増加、胸痛、排尿困難、肥大または閉塞した前立腺、低下した胃運動性、便秘、集中力低下、錯乱状態、動揺、せん妄、注意欠陥、記憶障害、および呼吸抑制から選択される。
【0020】
典型的に、患者は、呼吸器疾患または状態の処置のために1種以上の付加的医薬を服用する。より典型的には、呼吸器疾患または状態の処置のための付加的医薬は、ベータ−アドレナリンアゴニスト、コルチコステロイドまたはグルココルチコイド、PDE IV 阻害剤、抗ヒスタミン剤、抗IgE抗体、ロイコトリエンD4阻害剤、egfr−キナーゼの阻害剤、p38キナーゼ阻害剤および/またはNK1−受容体アンタゴニストから選択され;例えば、以下に記載される化合物から選択される。好ましくは、該付加的医薬は、コルチコステロイドおよび/またはベータ−アドレナリンアゴニストから選択される。
【0021】
本発明はさらに、患者において上記の全身性の抗ムスカリン作用を生じることなく、上記の該患者において、上記の呼吸器疾患または状態の吸入による処置または予防に使用するための上記のアクリジニウムまたは上記の医薬を提供する。
【0022】
本発明はさらに、患者において上記の全身性の抗ムスカリン作用を生じることなく、かかる処置の必要な上記の患者において、上記の呼吸器疾患または状態を吸入により処置または予防する方法であって、上記の通り、該患者に有効量のアクリジニウムを投与することを含む方法を提供する。
【0023】
発明の詳細な説明
抗コリン作用を有し得るか、または患者を抗コリン作用により感受性にし得る医薬には、例えば、
a.悪心または目眩のための薬剤、とりわけ抗コリン作動薬、例えばプロメタジン(Phenergan)、プロクロルペラジン(Compazine)、トリメトベンズアミド(Tigan)、メクリジン(Antivert)、シクリジン(Marezine)、スコポラアミン
b.パーキンソン病のための薬剤、とりわけ抗コリン作動薬、例えばベンズトロピン;ビペリデン;プロシクリジン;トリヘキシフェニジル;エトプロパジン(ethoproprazine)
c.抗鬱剤、とりわけ三環式抗鬱剤、例えばアミトリプチリン(Elavil)、ドキセピン(Sinequan)、イミプラミン(Tofranil)、トリミプラミン(Surmontil)、ノルトリプチリン(Pamelor)、プロトリプチリン(Vivactil)、アモキサピン(Asendin)、マプロチリン(Ludiomil)、クロミプラミン(Anafranil);デシプラミン(Norpramin)
d.抗ヒスタミン剤、とりわけ第一世代鎮静性抗ヒスタミン剤、例えばジフェンヒドラミン(Benadryl)、クロルフェニラミン(Chlor−Trimeton)、ヒドロキシジン(Atarax/Vistaril)、シプロヘプタジン(Periactin)
e.筋弛緩剤、例えば、メタキサロン(Skelaxin)、シクロベンザプリン(flexeril)、オルフェナドリン(Norflex)
f.ある種の抗偏頭痛薬、例えばベラドンナアルカロイド
g.ある種の抗下痢剤、例えば、ジフェノキシレート/アトロピン(Lomotil)
h.尿路およびGIの鎮痙薬、例えばオキシブチニン(Ditropan)、フラボキサート(Urispas)、ジシクロミン(Bentyl)、ヒヨスチアミン;ベラドンナアルカロイド類;トルテロジン(Detrol)、トロスピウム、クリンジニウム(clindinium);プロパンテリン、ピレンゼピン、テレンゼピン、
i.抗不整脈薬、例えばジソピラミド(Norpace)、プロカインアミド(Pronestyl)、キニジン、アトロピン
j.抗精神病薬、例えばクロルプロマジン(Thorazine)、チオリダジン(Mellaril)、クロザピン(クロザリル)、フルフェナジン(Stelazine)、チオチキセン(Navane)
が含まれる。
【0024】
コリン作用を増強する医薬には、
a.可逆性コリンエステラーゼ阻害剤、例えば、エドロホニウム、タクリン、ドネペジル、フィゾスチグミン、ピリドスチグミン、リバスチグミン、ガランタミン、ネオスチグミン、
b.コリン作動性アゴニスト、例えば、メタコリン、ベタネコール、ピロカルピン
が含まれる。
【0025】
本発明のアクリジニウムと組み合わされ得るベータ−アドレナリンアゴニストには、特に、呼吸器疾患または状態の処置に有用なβ2アドレナリンアゴニストが含まれ、例えば、遊離形または薬学的に許容される塩形態の、アルフォルモテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール(broxaterol)、カルブテロール(carbuterol)、クレンブテロール、ドペキサミン、フェノテロール、フォルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール(ibuterol)、イソプレナリン、マブテロール、メルアドリン、ノロミロール(nolomirole)、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リトドリン、リモテロール(rimoterol)、サルブタモール、サルメテロール、シベナデット(sibenadet)、スルフォンテロール(sulfonterol)、テルブタリン、ツロブテロール、GSK−597901、GSK−159797、KUL−1248、TA−2005およびQAB−1491からなる群から選択される。好ましくは、β2アドレナリンアゴニストは、長時間作用性β2アドレナリンアゴニストであり、例えば、遊離形または薬学的に許容される塩形態の、フォルモテロール、サルメテロールおよびQAB−149からなる群から選択される。
【0026】
本発明のアクリジニウムと組み合わされ得るコルチコステロイドには、特に、呼吸器疾患または状態の処置において吸入による投与に適するものが含まれ、例えば、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメサゾン、ナフロコート(naflocort)、デフラザコート、酢酸ハロプレドン、ブデソニド、二プロピオン酸ベクロメタゾン、ヒドロコルチゾン、トリアムシノロン・アセトニド、フルオシノロン・アセトニド、フルオシノニド、ピルビン酸クロコルトロン、アセポン酸メチルプレドニゾロン、パルミチン酸デキサメサゾン、チプレダン(tipredane)、アセポン酸ヒドロコルチゾン、プレドニカルベート(prednicarbate)、二プロピオン酸アルクロメタゾン(alclometasone)、ハロメタゾン、スレプタン酸メチルプレドニゾロン、フロ酸モメタゾン、リメキソロン、ファルネシル酸プレドニゾロン、シクレソニド、プロピオン酸デプロドン、プロピオン酸フルチカゾン、プロピオン酸ハロベタゾール、エタボン酸ロテプレドノール、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、フルニソリド、プレドニゾン、リン酸デキサメサゾンナトリウム、トリアムシノロン、17−吉草酸ベタメタゾン、ベタメタゾン、二プロピオン酸ベタメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、リン酸プレドニゾロンナトリウム、および酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾンである。ブデソニドおよびモメタゾンが、とりわけ好ましい。
【0027】
本発明のアクリジニウムと組み合わされ得るPDE4阻害剤には、デンブフィリン、ロリプラム、シパムフィリン(cipamfylline)、アロフィリン、フィラミナスト(filaminast)、ピクラミラスト、メソプラム(mesopram)、塩酸ドロタベリン、リリミラスト(Lirimilast)、ロフルミラスト、シロミラスト、6−[2−(3,4−ジエトキシフェニル)チアゾール−4−イル]ピリジン−2−カルボン酸、(R)−(+)−4−[2−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−2−フェニルエチル]ピリジン、N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−2−[1−(4−フルオロベンジル)−5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル]−2−オキソアセトアミド、9−(2−フルオロベンジル)−N6−メチル−2−(トリフルオロメチル)アデニン、N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−8−メトキシキノリン−5−カルボキサミド、N−[9−メチル−4−オキソ−1−フェニル−3,4,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2,1−jk][1,4]ベンゾジアゼピン−3(R)−イル]ピリジン−4−カルボキサミド、塩酸3−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシベンジル]−6−(エチルアミノ)−8−イソプロピル−3H−プリン、4−[6,7−ジエトキシ−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン−1−イル]−1−(2−メトキシエチル)ピリジン−2(1H)−オン、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン、シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オール、ONO−6126(Eur Respir J 2003, 22(Suppl. 45): Abst 2557)、ならびにPCT特許出願番号WO03/097613、およびPCT/EP03/14722およびスペイン特許出願番号P200302613にて特許請求される化合物が含まれる。
【0028】
本発明のアクリジニウムと組み合わされ得るLTD4アンタゴニストには、トメルカスト(tomelukast)、イブジラスト、ポビルカスト、プランルカスト水和物、ザフィルカスト、リトルカスト(ritolukast)、ベルルカスト(verlukast)、スルカスト(sulukast)、シナルカスト、イラルカストナトリウム、モンテルカストナトリウム、4−[4−[3−(4−アセチル−3−ヒドロキシ−2−プロピルフェノキシ)プロピルスルホニル]フェニル]−4−オキソ酪酸、[[5−[[3−(4−アセチル−3−ヒドロキシ−2−プロピルフェノキシ)プロピル]チオ]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]チオ]酢酸、9−[(4−アセチル−3−ヒドロキシ−2−n−プロピルフェノキシ)メチル]−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン、5−[3−[2−(7−クロロキノリン−2−イル)ビニル]フェニル]−8−(N,N−ジメチルカルバモイル)−4,6−ジチアオクタン酸ナトリウム塩;3−[1−[3−[2−(7−クロロキノリン−2−イル)ビニル]フェニル]−1−[3−(ジメチルアミノ)−3−オキソプロピルスルファニル]メチルスルファニル]プロピオン酸ナトリウム塩、6−(2−シクロヘキシルエチル)−[1,3,4]チアジアゾロ[3,2−a]−1,2,3−トリアゾロ[4,5−d]ピリミジン−9(1H)−オン、4−[6−アセチル−3−[3−(4−アセチル−3−ヒドロキシ−2−プロピルフェニルチオ)−プロポキシ]−2−プロピルフェノキシ]酪酸、(R)−3−メトキシ−4−[1−メチル−5−[N−(2−メチル−4,4,4−トリフルオロブチル)カルバモイル]インドール−3−イルメチル]−N−(2−メチルフェニルスルホニル)−ベンズアミド、(R)−3−[2−メトキシ−4−[N−(2−メチルフェニルスルホニル)カルバモイル]ベンジル]−1−メチル−N−(4,4,4−トリフルオロ−2−メチルブチル)インドール−5−カルボキサミド、(+)−4(S)−(4−カルボキシフェニルチオ)−7−[4−(4−フェノキシブトキシ)フェニル]−5(Z)−ヘプテン酸、ならびにPCT特許出願番号PCT/EP03/12581にて特許請求される化合物が含まれる。
【0029】
用語“処置”および“処置する”には、疾患または状態の処置および/またはその症状の改善、ならびに該疾患または状態の原因の処置が包含されると理解されるべきである。疾患の“予防”への言及は、該疾患の予防および/または阻害を含む。
【0030】
本発明の方法に用いるためのアクリジニウムは、局所的抗ムスカリン作用を提供する何らかの好適な経路により投与され得る。それは、好ましくは、例えば粉末、スプレー、またはエアロゾル、好ましくは乾燥粉末として、吸入により投与される。アクリジニウムを含む医薬組成物は、常套の希釈剤または賦形剤を用いて、ガレヌス分野(galenic art)において公知の技術を用いて製造され得る。例えば、乾燥粉末製剤には、アクリジニウムを含む吸入用の粉末混合物およびラクトースまたはデンプンのような適当な粉末ベース(担体物質)が含まれ得る。ラクトースの使用が好ましい。適当な吸入装置は、当技術分野で公知である。投与量は、例えば個体、投与の方法および頻度、ならびに処置すべき状態の性質および重症度によって変わり得る。40kgの成人ヒトに対する1日投与量は、吸入のための乾燥粉末形態の100−1000マイクログラム量の活性物質であり得る。
【実施例】
【0031】
実施例1
ヒト血漿中での、チオトロピウムおよびイプラトロピウムおよびグリコピロレートの安定性と比較した、アクリジニウムのインビトロ安定性
インビトロ実験を、36℃にて、5μg/mlの濃度で行う(各物質の6μlの1mg/mlジメチルスルホキシド溶液を、1.2mlの最終容量まで添加する)。3分間のプレインキュベーション後、反応を、試験物質の添加により開始する。0、5、15、30および60分の所定の時間で、血漿の100μlのアリコートを単離し、反応を、1mlの20mM、pH4.0酢酸ナトリウム緩衝溶液の添加により停止させる。試験物質を、対照反応用に緩衝液で置換する。ヒト血漿を、書面によるインフォームド・コンセントによりボランティアから入手する。血液を抗凝固剤としてヘパリンリチウムを含むチューブ中に集め、直ちに4℃で遠心し、得られる血漿を、使用しないときは−20℃で貯蔵する。
【0032】
ヒト血漿(100μl)中、アクリジニウム、チオトロピウム、イプラトロピウムおよびグリコピロレートの測定を、UV検出器を用いる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、アクリジニウムおよびチオトロピウムについて238nm、ならびにイプラトロピウムについて203nmで、自動化オンライン固相抽出および注入法を用いて行う。適当なクロマトグラフシステムは、高圧ポンプ(アクリジニウムおよびチオトロピウムについてモデル322 Kontron、およびイプラトロピウムについてモデル515 Waters)、233XLサンプリング注入器(Gilson Medical Electronics)により補助されるProspektシステム(Spark Holland)、調節可能な吸光度検出器(model 2487, Waters Ass.)、ならびにAccesChromソフトウェアを備えるDigital Alpha Server 1000 4/266コンピューター(Perkin Elmer Nelson Systems, Inc.)からなる。アクリジニウムおよびチオトロピウムの測定のためのクロマトグラフィーを、Guardapack μBondapak CN プレカラム(Waters Ass.)およびアセトニトリルの移動相(アクリジニウムについて50:50v/v、およびチオトロピウムについて22:78v/v)(20mM、0.2%トリエチルアミンを含むリン酸ナトリウム緩衝溶液pH3.0、流動速度1ml/分)を備えるSpherisorb ODS2、5μm、150x4.6mmカラム(Waters Ass.)で行う。アクリジニウムおよびチオトロピウムのおよその保持時間は、それぞれ9.8分および9.5分である。イプラトロピウムの測定のためのクロマトグラフィーを、Symmetry C18、5μm、150x4.6mmカラム(Waters Ass.)およびアセトニトリルの移動相(12:88、v/v)(20mM、0.2%トリエチルアミンを含むリン酸ナトリウム緩衝溶液pH3.0、流動速度1ml/分)上で行う。チオトロピウムのおよその保持時間は、9.5分である。血漿からのアクリジニウム、チオトロピウムおよびイプラトロピウムの抽出を、1.5mlのアセトニトリルで活性化し、1.5mlの水で馴化したC2カートリッジ(Baker)上で行う。1mlの20mM、酢酸ナトリウム緩衝溶液pH4.0で予め希釈した血漿サンプルを、該C2カートリッジ上に充填した。該カートリッジを、アクリジニウムについて1mlの水および1mlのアセトニトリル:水(40:60、v/v)、またはチオトロピウムについて3mlの水、またはイプラトロピウムについて1mlの水および1mlのアセトニトリル:水(10:90、v/v)で洗浄後、残留成分を1分間かけて移動相で溶出する。それらの定量を妨げ得る分析物質の保持時間に、顕著な内生ピークはない。アクリジニウムの回収は、ヒト血漿から約95%である。血漿からのチオトロピウムおよびイプラトロピウムの回収は、80−100%である。ヒト血漿中のグリコピロレートの安定性は、基本的に他の3個の薬剤と同様の方法を用いる。定量の下限値は、全ての分析物質について5ng/mlと設定する。
【0033】
アクリジニウムは、ヒト血漿中で、そのアルコールおよび酸代謝物に迅速に加水分解される。アクリジニウムの両代謝物は、M1、M2、M3、およびM4ヒトムスカリン受容体に対する結合についてアッセイされ、これらの受容体に対する顕著な親和性を欠いている。ヒトの血漿中でのアクリジニウムの血漿半減期は、5分より早い。さらに、アクリジニウムは、酸性水溶液(pH4以下)中で安定であり、エステル結合の加水分解は、中性および塩基性pHで起こる。
【0034】
対照的に、他の3個の抗ムスカリンエステルは、血漿中でのエステラーゼによる分解に対して非常に抵抗性である。チオトロピウムの血漿中の分解(16%)、イプラトロピウムの血漿中の分解(0%)、グリコピロレートの血漿中の分解(9%)は、この実験中(60分間)で生物学的に重要ではない。
【0035】
実施例2
第I相臨床試験:臭化アクリジニウムを、アクリジニウムの活性、薬物動態および耐容性評価するための、フェーズI、二重盲検、部分的クロスオーバー、プラセボ対照試験で試験する。
【0036】
方法:12名の健康な男性ボランティアを、乾燥粉末吸入により投与されるアクリジニウム(50、300および600マイクログラム)またはプラセボの単一用量を含む4種の一連の処置のうち1種に無作為に割り当てる。投与間の排出期間は、少なくとも6日間とする。効果の評価項目は、特定の気道コンダクタンス(sGaw)、気道抵抗性(Raw)および気管支過敏性(PC35 sGaw メタコリン)である。
【0037】
結果:アクリジニウムは、全ての時点でsGawを顕著に増大する(1−24時間、p<0.001対プラセボ)。それに対して、Rawは、1時間および24時間以外の全ての時点でアクリジニウムにより顕著に低下する(p<0.001対プラセボ)。アクリジニウム300および600マイクログラムはまた、全ての投与後の時間点でPC35 sGaw メタコリンを顕著に低下する(p<0.001対プラセボ):sGawを235%低下させるのに必要なメタコリン用量は、アクリジニウム300および600マイクログラム対プラセボについてそれぞれ、24時で、142.7および181.7対27.1mg/mLであり;そして、それぞれ、2時間で、207.1および256.0対35.5mg/mLであった。アクリジニウムもその代謝物も血漿中で検出されず、実験薬物の副作用は報告されていない。
【0038】
結論:アクリジニウムは、健康な男性ボランティアにおいて、血漿レベルが検出されないにもかかわらず、1日1回の投薬にそれが適するかどうかを明らかにする、メタコリン誘導性気管支収縮に対して顕著な、かつ長時間作用の保護をもたらす。
【0039】
実施例3
第II相臨床試験:二重盲検、無作為化、プラセボ−対照、クロスオーバー試験は、アクリジニウムの薬理学、薬物動態学および耐容性、ならびにCOPD患者におけるその効果を評価する。
【0040】
方法:イプラトロピウムに対して気道の回復が明らかにされたCOPDを有する男性(FEVl<65%と予測される)は、投与間の1週間の排出期間を含む、乾燥粉末吸入器により投与されるアクリジニウム(100、300および900マイクログラム)およびプラセボの単一用量を含む4種の一連の処置のうち1種を無作為に受ける。肺機能測定には、FEVlおよびFVCが含まれる。
【0041】
結果:17名の男性(平均年齢63.5歳、平均FEV1.63L)が試験に参加する。アクリジニウム(100、300および900マイクログラム)は、プラセボと比較して平均FEVi AUC(0−24)/24を顕著に増大する(それぞれ、1.800[p=0.002]、1.798[p<0.0001]および1.827[p<0.000l] L対1.597L)。FEV1における増加は、全ての用量について24時間の時点で統計的に有意である。アクリジニウム300および900マイクログラムは、より高いピークのFEVl効果をもたらし、最大ピークが起こるまでの時間は、100マイクログラム用量でよりも早い。同様の傾向が、FVCで見られる。アクリジニウムまたはそのアルコール代謝物の血漿レベルは検出されない;低レベルのその酸代謝物が900マイクログラムの投与後に検出され得る。アクリジニウムは、良好な耐容性を示す:処置と明らかに関連していると思われる、軽度または中程度の頭痛が6名のみ(対プラセボの2名)、および中程度の発汗増加が1名のみである。
【0042】
結論:単一用量のアクリジニウム(100、300および900マイクログラム)は、血漿レベルが検出されないにもかかわらず、COPDを有する患者に迅速な、かつ長時間作用性の気管支拡張をもたらす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に全身性の抗ムスカリン作用を生じることなく、吸入により該患者における呼吸器疾患または状態の処置または予防に使用するための医薬の製造における、アクリジニウムの使用。
【請求項2】
該呼吸器疾患が、ムスカリン受容体アンタゴニストにより処置、改善または阻止され得る疾患である、請求項1記載の使用。
【請求項3】
該呼吸器疾患または状態が、急性もしくは慢性気管支炎、気腫、喘息および慢性閉塞性肺疾患、とりわけ喘息および慢性閉塞性肺疾患から選択される、請求項1および2の何れか一項記載の使用。
【請求項4】
該患者が、全身性の抗ムスカリン活性により悪化され得る状態を有するか、またはその状態になりやすい、請求項1ないし3の何れか一項記載の使用。
【請求項5】
該患者が、
i.統合失調症、集中力低下、錯乱、動揺、せん妄、注意欠陥、記憶障害、呼吸抑制、
ii.緑内障、ドライアイ、瞳孔の拡大、視覚低下、眼内圧上昇、
iii.肥大または閉塞した前立腺、排尿困難、
iv.小腸の狭窄または閉塞、肥大した結腸、慢性便秘、肥大した下部食道、低下した胃運動性、便秘、
v.口渇、のどの炎症、発汗障害、
vi.心血管疾患(再狭窄、動脈硬化症、過去の卒中もしくは心臓発作、鬱血性心不全のいずれかを含む)、不整脈、頻脈、
vii.パーキンソン病、アルツハイマー病、認知症、ならびに
viii.重症筋無力症
から選択される1個以上の状態を有するか、またはその状態になりやすい、請求項4記載の使用。
【請求項6】
該患者が男性である、請求項1ないし5の何れか一項記載の使用。
【請求項7】
該患者が年齢60歳以上である、請求項1ないし6のいずれか一項記載の使用。
【請求項8】
該患者が、処置過程中に機械を運転または操作することを予定する、請求項1ないし7のいずれか一項記載の使用。
【請求項9】
該患者が、全身的に活性な抗コリン作動薬である第二剤、または請求項5に記載のいずれかの状態を引き起こすか、もしくは悪化させ得る薬物を受容している、請求項1ないし8のいずれか一項記載の使用。
【請求項10】
該第二剤が、非定型抗精神病薬、三環式抗鬱剤、および抗ヒスタミン剤から選択される、請求項9記載の使用。
【請求項11】
該患者が、アセチルコリン作用を増大することを目的とする薬剤を受容している、請求項1ないし10のいずれか一項記載の使用。
【請求項12】
該アクリジニウムが、臭化アクリジニウムの形態である、請求項1ないし11のいずれか一項記載の使用。
【請求項13】
該アクリジニウムが、吸入に適する乾燥粉末の形態である、請求項1ないし12のいずれか一項記載の使用。
【請求項14】
該医薬が、単糖類、二糖類もしくは多糖類および糖アルコールから選択される薬学的に許容される担体を含む、請求項1ないし13のいずれか一項記載の使用。
【請求項15】
該担体がラクトースである、請求項14記載の使用。
【請求項16】
避けられるべき全身性の抗ムスカリン作用が、口渇、のどの炎症、発汗抑制、瞳孔の拡大、視覚低下、眼内圧上昇、心拍数増加、胸痛、排尿困難、肥大または閉塞した前立腺、低下した胃運動性、便秘、集中力低下、錯乱状態、動揺、せん妄、注意欠陥、記憶障害、および呼吸抑制から選択される、請求項1ないし15のいずれか一項記載の使用。
【請求項17】
該患者が、呼吸器疾患または状態の処置のための1個以上の付加的医薬を受容する、請求項1ないし16のいずれか一項記載の使用。
【請求項18】
呼吸器疾患または状態の処置のための付加的医薬が、ベータ−アドレナリンアゴニスト、コルチコステロイドもしくはグルココルチコイド、PDE IV阻害剤、抗ヒスタミン剤、抗IgE抗体、ロイコトリエンD4阻害剤、egfr−キナーゼの阻害剤、p38キナーゼ阻害剤および/またはNK1−受容体アンタゴニストから選択される、請求項17記載の使用。
【請求項19】
該付加的医薬が、コルチコステロイドおよび/またはベータ−アドレナリンアゴニストから選択される、請求項18記載の使用。
【請求項20】
請求項1および16のいずれか一項記載の該患者における全身性の抗ムスカリン作用を生じることなく、請求項1、4ないし11および17ないし19のいずれか一項記載の該患者において、請求項1ないし3のいずれか一項記載の呼吸器疾患または状態の吸入による処置または予防に使用するための、請求項1、12および13のいずれか一項記載のアクリジニウム、または請求項1、14および15のいずれか一項記載の医薬。
【請求項21】
かかる処置の必要な患者(患者は、請求項1、4ないし11および17ないし19のいずれか一項に定義の通りである。)における、請求項1および16のいずれか一項記載の全身性の抗ムスカリン作用を該患者に生じることなく、請求項1ないし3のいずれか一項記載の呼吸器疾患または状態を吸入により処置または予防する方法であって、有効量の、請求項1、12および13のいずれか一項記載のアクリジニウムまたは請求項14もしくは15に記載の医薬を該患者に投与することを含む、方法。
【請求項22】
請求項1、4ないし11および17ないし19のいずれか一項に定義の患者における、請求項1または16に記載の該患者における全身性の抗ムスカリン作用を生じることのない、請求項1ないし3のいずれか一項記載の呼吸器疾患または状態の吸入による処置または予防における使用のための医薬組成物であって、薬学的に許容される担体、および有効成分として、請求項1、12および13のいずれか一項記載のアクリジニウムを含む、医薬組成物。
【請求項23】
該薬学的に許容される担体が、請求項14または15に記載のものである、請求項22記載の組成物。

【公表番号】特表2010−519261(P2010−519261A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550665(P2009−550665)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際出願番号】PCT/EP2008/000782
【国際公開番号】WO2008/101591
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(598032139)アルミラル・ソシエダッド・アノニマ (69)
【氏名又は名称原語表記】Almirall, S.A.
【Fターム(参考)】