説明

新規遺伝子

本発明は、糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制(CCR)を媒介する新規遺伝子に関する。さらに、前記遺伝子によってコードされたポリペプチドおよび標的発酵産物の製造のための方法における前記遺伝子の使用が提供される。かかる微生物を発生させるための方法も本発明によって提供される。本発明は、遺伝子操作された微生物および標的発酵産物の製造のためのその使用にも関するが、糖新生遺伝子は前記微生物内のCCRから解放される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、新規ヌクレオチド配列、形質転換微生物、および標的発酵産物の調製のための前記ヌクレオチド配列の使用に関する。かかる微生物を発生させるための方法も本発明によって提供される。
【0002】
より具体的には、本発明は、新規遺伝子、すなわち、例えば、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ遺伝子(pckA)またはNADP依存グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(gapB)などの糖新生遺伝子の発現に関与するyqzBおよびyqfL(http://genolist.pasteur.fr/SubtiList)に関するが、yqzBおよびyqfL遺伝子産物が糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制を媒介する。炭素異化代謝産物抑制(CCR)は、炭素源の取込みおよび異なる炭素源のアベイラビリティに反応したさらなる代謝に関与する多数の遺伝子の発現を制御する細菌における重要な調節機序である。B.サブチリス(B.subtilis)における公知のCCR調節因子がCcpAおよびその共調節因子HPrおよびCrh、CcpB、およびCcpCである。
【0003】
糖新生遺伝子は、糖新生と呼ばれる主要な代謝経路に関与するが、ここで糖新生多素源、例えば、コハク酸塩またはリンゴ酸塩は、限定された数の前駆体代謝産物に変換される。かかる前駆体代謝産物の例は、グルコース−6−リン酸、フルクトース−6−リン酸、リボース−5−リン酸、エリトロース−4−リン酸、トリオースリン酸、3−ホスホグリセリン酸塩、およびホスホエノールピルビン酸である。前駆体代謝産物からアミノ酸、ヌクレオチド、または脂肪酸などバイオマス産生の重要な構成要素が生成される。糖新生経路の第1の特定ステップは、オキシロ酢酸をホスホエノールピルビン酸に脱カルボキシル化するpckAによってコードされたホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼによって触媒される。別の酵素がバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)における糖新生に関与し、おそらく多くの他の細菌が1,3−ビスホスホグリセリン酸塩の3−ホスホグリセルアルデヒドへのNADPH/H依存変換を触媒するgapB遺伝子産物である。糖新生経路の他の酵素は、グルコース、フルクトース、およびソルビトールなどの解糖炭素源による成長条件下に活性である、解糖経路の対応する酵素と共有される。pckAおよびgapB合成はCCRにさらされ、すなわち、pckAおよびgapB合成は解糖炭素源による成長条件下にきわめて低いが、糖新生中に強く活性化される。
【0004】
yqzBおよびyqfL遺伝子は、pckAおよびgapBなど糖新生遺伝子のCCRに関与することがわかっている。
【0005】
具体的には、本発明は、(a)糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制を媒介するタンパク質をコードする遺伝子のDNA配列と、(b)(a)の生物学的活性の断片、誘導体、変異体、およびオルソログより成る群から選択されるDNA配列と、(c)(a)と実質的に相同であるDNA配列と、(d)配列番号2または配列番号4によって表されるアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドをコードするDNA配列と、(e)ストリンジェントなハイブリダイジング条件下に(a)、(b)、(c)、または(d)のDNA配列にハイブリダイズすることができるDNA配列とより成る群から選択されるDNA配列を含んで成るポリヌクレオチドに関する。
【0006】
1つの実施形態において、上記のポリヌクレオチドは、配列番号2によって表されるタンパク質をコード化する配列番号1によって表されるyqzB遺伝子を含んで成る。
【0007】
別の実施形態において、上記のポリヌクレオチドは、配列番号4によって表されるタンパク質をコード化する配列番号3によって表されるyqfL遺伝子を含んで成る。
【0008】
両方の遺伝子yqzBおよびyqfLは、例えば、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)における共通のオペロンの一部であり、または独立して異なるプロモーターから転写されうる。
【0009】
糖新生遺伝子は、糖新生経路、すなわち、糖新生基質の前駆体代謝産物への変換に関与するタンパク質をコードする遺伝子でありうる。かかる遺伝子の例がpckAおよびgapBである。
【0010】
本明細書で使用される「糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制を媒介する」タンパク質をコード化する遺伝子は、前記タンパク質が、例えば、糖新生遺伝子の発現のレプレッサーとして作用するなど、直接または間接的に糖新生遺伝子の発現に影響を及ぼすことを意味する。yqzB遺伝子産物は、糖新生に関与する遺伝子、例えば、pckAおよびgapBの発現のレプレッサーとして作用することによってCCRを媒介する。本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、好ましくは、単離された形で提供され、かつ好ましくは、同種に精製される。「単離された」という語は、物質がその最初の環境(例えば、それが天然起源である場合には天然環境)から除去されていることを意味する。例えば、生体内に存在する天然起源のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されていないが、天然系において共存する物質の一部または全部から分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されている。かかるポリヌクレオチドは、ベクターの一部であり、かつ/またはかかるポリヌクレオチドまたはポリペプチドは組成物の一部でありうるが、それでもかかるベクターまたは組成物がその天然環境の一部でないという点で単離されうる。
【0011】
ポリペプチドの生物学的活性の断片または誘導体は、本発明のかかるポリペプチドと実質的に同じ生物学的機能または活性、すなわち、糖新生遺伝子のメディエータとしての機能を保持するポリペプチドを意味する。ポリヌクレオチドの生物学的活性の断片または誘導体は、かかるポリペプチドをコード化するポリヌクレオチドを意味する。
【0012】
本明細書で使用される「相同」は、2つのポリマー分子間、例えば、2つの核酸分子、例えば、2つのDNAまたはRNA分子、または2つのポリペプチド分子間のサブユニット配列類似性を指す。2つの分子の両方におけるサブユニット位置が同じモノマーサブユニットによって占められていると、例えば、2つのDNA分子の各々における位置がアデニンによって占められている場合は、それらはその位置で相同である。配列のアラインメントを調節することのよって「ベストフィット」相同を達成することができる。2つの配列間の相同は、マッチングまたは相同位置の数の関数であり、例えば、2つの化合物の配列における位置の半分(例えば、長さがポリマー10個のサブユニットにおける5つの位置)が相同である場合は、2つの配列は50%相同であり、位置の90%、例えば、10のうち9つがマッチし、または相同である場合は、2つの配列は90%の相同を共有する。相同配列間に非相同配列のギャップがありうる。「実質的に相同」である配列は、保存位置によってのみ互いに異なる配列である。例えば、置換が核酸配列にある場合、置換はその位置でアミノ酸の変化を誘発せず、または置換は結果として保存アミノ酸置換をもたらす。「保存アミノ酸置換」は、例えば、同じクラスの別のものに対する1つのアミノ酸の置換(例えば、疎水性、電荷、pKa、または他の配座または化学特性の特徴を共有するアミノ酸、例えば、ロイシンに対するバリン、リシンに対するアルギニン)、または(上記の)ポリペプチドの生物学的活性を破壊することがないアミノ酸配列の位置に配置された1つもしくはそれ以上の非保存アミノ酸置換、欠失、または挿入によるものである。多重ドメインタンパク質の1つのドメインの生物学的活性を削減または変化させるが、タンパク質の第2のドメインにおける第2の生物学的活性を保存する修飾によって、それが異なる場合は、アミノ酸配列が本発明の範囲に含まれる。
【0013】
一般に、例えば、配列番号1または3によって表されるDNAなど本発明のタンパク質をコード化するDNA配列と少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、かつ最も好ましくは少なくとも98%相同である場合には、核酸配列が本発明の範囲内であるとみなされる。例えば、配列番号2または4によって表されるポリペプチドなど本発明のポリヌクレオチド配列によってコード化されたポリペプチドと少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、かつ最も好ましくは少なくとも98%相同である場合には、ポリペプチドが本発明の範囲内にあるとみなされる。
【0014】
本発明は、例えば、配列番号2または4によって表されるポリペプチドなど、本発明のポリヌクレオチド配列によってコード化されたポリペプチドと少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%、さらにより好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも約60%、さらにより好ましくは少なくとも70%、さらにより好ましくは少なくとも75%、さらにより好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも85%、さらにより好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、かつ最も好ましくは少なくとも98%同一であるポリペプチドも包含する。
【0015】
2つのポリペプチドは、2つの配列におけるアミノ酸残基の配列が、下記の通り最大限一致のために整列して同じである場合には「同一」であると言われる。2つもしくはそれ以上のポリペプチド配列の文脈で「同一」または「同一性」率という語は、当業界で周知の配列比較アルゴリズム使用し、またはマニュアルのアラインメントおよび目視点検によって測定される比較ウィンドウに対して最大限の一致のために比較され整列されると、同じである、または同じである特定の割合のアミノ酸残基を有する2つもしくはそれ以上の配列またはサブ配列を指す。
【0016】
本明細書で使用される「比較ウィンドウ」は、20〜600、通常、約50〜約200、より通常、約100〜約150より成る群から選択される隣接位置の数のいずれか1つの部分への言及を含むが、ここで2つの配列が最適に整列した後に隣接位置の同じ数の基準配列と配列が比較されうる。
【0017】
本明細書で使用される本発明のポリヌクレオチドの変異体は、ポリヌクレオチドの天然起源の対立遺伝子変異体またはポリヌクレオチドの非天然起源変異体でありうる。当業界で周知の通り、対立遺伝子変異体は、コードされたポリペプチドの機能を実質的に変化させることがない、1つもしくはそれ以上のヌクレオチドの置換、欠失、または付加を有するポリヌクレオチド配列の別の形である。
【0018】
本発明のポリヌクレオチドの変異体および相同体に対応するポリヌクレオチドは、好ましくはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下に標準ハイブリダイゼーション法に記載のハイブリダイゼーションプローブとして本明細書に開示されているDNA配列またはそれの適切な断片を使用し、本明細書に開示されている核酸とのその相同に基づき単離されうる。
【0019】
「ストリンジェントな条件」下に本明細書で識別されたポリヌクレオチド配列にハイブリダイズし、同じ機能、すなわち、糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制の媒介を保持する核酸は、本発明の範囲内である。「ストリンジェントな条件」は当業界で周知であり、例えば、その両方が参照により本明細書で援用される、マニアティス(Maniatis)ら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、1989年、およびShort Protocols in Molecular Biology、オーズベル(Ausubel)ら編を参照。ストリンジェントな条件は配列依存であり、異なる環境下に異なる。長い配列は特異的に高温でハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションの広範囲に及ぶ手引きがチッセン(Tijssen)、Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−−Hybridization with Nucleic Acid Probes、「ハイブリダイゼーションの原理の概観および核酸アッセイの方法(Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid assays)」(1993年)において見られる。一般に、ストリンジェントな条件は、規定のイオン強度pHで特定の配列に対する熱融点(Tm)より低い約5−10℃であるように選択される。Tmは、標的を補完するプローブの50%が平衡状態で標的配列にハイブリダイズする温度(規定のイオン強度、pH、および核酸濃度下)である(標的配列がTmで過剰に存在すると、プローブの50%は平衡状態で占められる)。ストリンジェントな条件は、塩濃度が約1.0M未満のナトリウムイオン、通常、pH7.0〜8.3で約0.01〜1.0Mナトリウムイオン濃度(または他の塩)、および温度が短いプローブ(例えば、10〜50個のヌクレオチド)で少なくとも約30℃、かつ長いプローブ(例えば、50個を超えるヌクレオチド)で少なくとも約60℃である。ストリンジェントな条件は、ホルムアミドなどの不安定化剤の付加でも達成されうる。この開示の目的のために、かかるハイブリダイゼーションのための適切な「ストリンジェントな条件」は、37℃下、40%ホルムアミド、1M NaCl、1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の緩衝液中のハイブリダイゼーション、および少なくとも約50℃、通常、約55℃〜約60℃の温度で20分間、または平衡条件で0.2X SSC中での少なくとも1回の洗浄を含むものである。陽性ハイブリダイゼーションが背景のレベルの少なくとも2倍以上である。当業者は、別のハイブリダイゼーションおよび洗浄条件が使用され、高いストリンジェンシーおよび洗浄条件を含む同様のストリンジェンシーの条件を提供できることを容易に認識するであろう。
【0020】
本発明の単離ポリヌクレオチドは、多くの細菌において確認されうるように、yqzB遺伝子またはそれのホモログもしくはオルソログを含有する微生物から獲得されうる。かかる微生物の非限定的例は、例えば、B.サブチリス(B.subtilis)、B.ハロデュランス(B.halodurans)、ゲオバシラス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)、B.セレウス(B.cereus)、B.アントラシス(B.anthracis)などのバチルス属(Bacillus)、例えばS.オレウス(S.aureus)、S.エピデルミディス(S.epidermidis)などのスタフィロコッカス属、例えば、C.ジフィシル(C.difficile)、C.パーフリンジェンス(C.perfringens)、C.テタニ(C.tetani)などのクロストリジウム属(Clostridium)、E.フェカリス(E.faecalis)などのエンテロコッカス属(Enterococcus)、サーモアナエロバクター・テングコンジェンシス(Thermoanaerobacter tengcongensis)、ストレプトコッカス・アガラクチアエ(Streptococcus agalactiae)、フソバクテリウム・ヌクレアツム(Fusobacterium nucleatum)、またはリステリア(Listeria)から選択される。好ましくは、微生物はバチルス属(Bacillus)、より好ましくは、B.サブチリス(B.subtilis)である。
【0021】
本発明はさらに少なくとも1つの突然変異を有するポリヌクレオチドおよびかかる突然変異を有する遺伝子操作された微生物に関し、ここで前記突然変異は前記微生物における糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制からの解放をもたらす。
【0022】
1つの実施形態において、少なくとも1つの突然変異を有するポリヌクレオチドは、配列番号1もしくは3によって表されるポリヌクレオチド、または配列番号1もしくは3と少なくとも70%相同であり、野生型対立遺伝子の代わりに微生物中に存在すると糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制からの解放をもたらすポリヌクレオチド由来である。好ましくは、少なくとも1つの突然変異はyqzB遺伝子へ導入される。
【0023】
本明細書で使用される突然変異は、非機能的ポリペプチド、例えば、yqzBおよび/またはyqfLの非機能的遺伝子産物をもたらす突然変異でありうる、すなわち、前記遺伝子産物の活性は削減または無効にされ、糖新生遺伝子がCCRから解放されるようになっている。これには、例えば、微生物のゲノムにおける変化が含まれうるが、これはyqzBおよび/またはyqfLの合成に干渉し、または変化していないアミノ酸配列を有する野生型対応物と比較したその機能が完全または部分的に破壊されている変化したアミノ酸配列を有するyqzBおよび/またはyqfLコード化タンパク質の発現をもたらす。干渉は、転写、翻訳、または翻訳後レベルで起こりうる。
【0024】
さらに、その発現がyqzBおよび/またはyqfLの遺伝子産物によって影響される、例えば、pckAおよびgapBなど糖新生遺伝子のオペレーター部位に突然変異が導入されうる。遺伝子のオペレーター部位は多くの場合、プロモーターおよび遺伝子の転写開始部位の周りに配置され、調節因子タンパク質の結合部位として使用される。オペレーター部位内の突然変異が、yqzBなどの調節因子タンパク質のオペレーターとの結合を阻止し、タンパク質が遺伝子の転写に対する調節効果を有することを防ぐ。
【0025】
さらに、糖新生遺伝子のCCRからの解放が、その調節因子、例えば、yqzBおよび/またはyqfLの遺伝子産物によって影響されない構成的プロモーターと糖新生遺伝子を機能的に連結することによっても獲得されうる。
【0026】
当業者は、本発明の糖新生遺伝子、好ましくは、yqzBおよび/またはyqfLの遺伝子産物のCCRを媒介するかかるタンパク質の活性を削減または無効にするやり方を承知している。これは例えば、野生型生物よりも糖新生遺伝子、好ましくは、yqzBおよび/またはyqfLの遺伝子産物のCCRを媒介する前記タンパク質のコピーをほとんど、またはまったく生じさせないやり方で宿主生物を遺伝子組換えすることによって、または糖新生遺伝子、好ましくは、yqzBおよび/またはyqfLの遺伝子産物のCCRを媒介する前記タンパク質の特定の活性を減少または無効にすることによって達成されうる。
【0027】
次の説明において、この目標、すなわち、糖新生遺伝子、好ましくは、yqzBおよび/またはyqfLの遺伝子産物のCCRを媒介する前記タンパク質の活性を削減または無効にすることによってCCRからの解放を達成する方法が詳述される。
【0028】
生物が糖新生遺伝子、好ましくは、yqzBおよび/またはyqfL遺伝子の遺伝子産物、および/またはそれの遺伝子のCCRを媒介するタンパク質のコピーをほとんど、またはまったく生じさせないための組換えは、弱いプロモーター、または前記遺伝子の(一部の)突然変異(例えば、挿入、欠失、または点突然変異)、もしくはそれぞれの調節因子要素の使用を含みうる。かかるタンパク質の特定の活性を減少させ、または無効にすることも当業界で周知の方法によって達成されうる。
【0029】
また、糖新生遺伝子のCCRを媒介するタンパク質を特定の阻害剤、または糖新生遺伝子のCCRを媒介するタンパク質と特異的に相互作用する他の物質と接触させることによって所定のタンパク質の活性を削減または無効にする方法も当業界で周知である。かかる特定の阻害剤を同定するために、糖新生遺伝子のCCRを媒介するタンパク質は発現され、前記タンパク質の活性を抑制することが疑われる化合物の存在下に活性について試験されうる。潜在的な阻害化合物は、例えば、糖新生遺伝子のCCRを媒介するタンパク質に対するモノクローナルまたはポリクローナル抗体でありうる。かかる抗体は適切な実験動物のルーチンの免疫プロトコールによって獲得されうる。
【0030】
別の好ましい実施形態において、例えば、配列番号1または3で示される本発明の核酸またはそれの相補体は、修飾機能/活性を有する遺伝子産物をもたらす少なくとも1つの突然変異を含有する。少なくとも1つの突然変異は本明細書に記載された方法によって導入されうる。1つの態様において、少なくとも1つの突然変異は、野生型対応物と比較するとその機能が完全または部分的に破壊されている糖新生遺伝子のCCRを媒介するタンパク質をもたらす。かかる突然変異を導入するための方法は当業界で公知である。
【0031】
本明細書で使用される活性の「削減」という語は、次いで本明細書に記載された対応するポリヌクレオチドによってコードされる生産生物における1つもしくはそれ以上のポリペプチドの活性の減少を包含する。所定のタンパク質、この場合、糖新生遺伝子のCCRを媒介するタンパク質の活性の削減を達成する多くの方法が当業界で利用可能である。一般に、タンパク質の特定の活性は減少され、またはタンパク質のコピー数は減少されうる。
【0032】
かかる減少を促進するために、本明細書に記載されたポリヌクレオチドに対応する遺伝子のコピー数は減少されうる。あるいは、弱いプロモーターを使用し、ポリヌクレオチドの発現を導くことができる。別の実施形態において、プロモーター、調節領域、および/または遺伝子の上流のリボソーム結合部位は変化され、発現低下を達成しうる。発現はメッセンジャーRNAの相対半減期を減少させることによっても削減されうる。別の実施形態において、ポリペプチドそのものの活性は、活性を減少させるポリペプチドアミノ酸配列における1つもしくはそれ以上の突然変異を使用することによって減少されうる。例えば、その対応する基質に対するポリペプチドのアフィニティーの変化は結果として活性の削減をもたらす。同様に、ポリペプチドの相対半減期は減少されうる。遺伝子発現が削減され、または活性が削減されるいずれかのシナリオにおいて、削減は細胞培養培地の組成物、および/または培養のために使用される方法を変化させることによって達成されうる。本明細書で使用される「発現の削減」または「活性の削減」は、野生型タンパク質、ポリヌクレオチド、遺伝子と比べ、少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、または100%の減少を、またはポリヌクレオチドもしくはポリペプチドが削減される前に存在するタンパク質の活性および/または濃度を意味する。糖新生遺伝子、好ましくは、yqzBおよび/またはyqfLの遺伝子産物のCCRを媒介するタンパク質の活性は、その活性の特定または一般の阻害剤とタンパク質を接触させることによっても削減されうる。
【0033】
微生物のゲノムにおける変化は、例えば、変化を含有するDNA配列による野生型DNA配列の単一または二重交叉型組換えによる置換によって獲得されうる。そのゲノムにおける変化を有する微生物の形質変換体の便利な選択のために、変化は、例えば、抗生物質耐性マーカーをコード化するDNA配列、または微生物の可能な要求性を補足する遺伝子でありうる。突然変異としては、欠失挿入突然変異が挙げられるが、これに限定されない。
【0034】
非機能的ポリペプチドをもたらす微生物のゲノムにおける変化が、例えば、化学的突然変異誘発要因、照射、またはトランスポゾンを使用する微生物のゲノムをランダムに突然変異させることによって、および解糖成長条件下に糖新生遺伝子を発現させることができる突然変異の選択またはスクリーニングによっても獲得されうる。便利な選択またはスクリーニングのために、例えば、β−ガラクトシダーゼまたは抗生物質耐性マーカーをコード化する適切なレポーター遺伝子に融合したpckAプロモーターまたはgapBプロモーターをゲノム中に含有する細菌の培養が突然変異されうる。
【0035】
yqzBおよび/またはyqfLの発現は、アンチセンス機序による成分の発現を阻止または削減するために、微生物の遺伝子座で成分をコード化するDNA配列を補完するDNA配列の導入によっても阻止または削減されうる。
【0036】
糖新生遺伝子、好ましくは、yqzBおよび/またはyqfLタンパク質のCCR媒介するタンパク質の上記突然変異生成方法は結果として、例えば、pckAおよび/またはgapBなどCCRまたは糖新生遺伝子からの解放をもたらす。このリストは限定的であることは意味せず、これらの突然変異生成方法における変形は当業者には容易に明らかとなるであろう。これらの機序によって、本発明の核酸およびタンパク質分子を使用し、糖新生遺伝子のCCRが解放されるように、バチルス属(Bacillus)などの微生物または核酸およびタンパク質分子を媒介する突然変異CCRを発現する細菌の関連株を生成することができる。
【0037】
CCRを媒介するタンパク質の活性は、例えば、pckAまたはgapBなどの糖新生遺伝子のプロモーターおよびlacZ遺伝子をコード化するβ−ガラクトシダーゼを含有する構成物のβ−ガラクトシダーゼ活性を測定することによって、当業者に周知の方法によって測定されうる。β−ガラクトシダーゼ活性はCCRを媒介するタンパク質の活性の減少とともに増大する。かかる方法は実施例2において詳細に記載されている。
【0038】
本発明は、上記の突然変異ポリヌクレオチド/ポリペプチドを含んで成る遺伝子操作された微生物を提供する。かかる微生物の例は、上記の微生物から選択されうる。好ましい微生物が、上記の少なくとも1つの突然変異を有するポリヌクレオチドで形質転換されたバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)宿主菌株である。標準組換えDNA技術をポリヌクレオチド配列および組換え菌株の構成のために使用されうる。
【0039】
例えば、欠失挿入突然変異など突然変異に対して陽性の形質転換体が、標準選択プロトコールを使用して選択される。例えば、微生物を形質転換するために使用されるポリヌクレオチド配列としては、例えば抗生物質耐性マーカーを含むさまざまな選択マーカー、発色マーカー等が挙げられる。好ましくは、マーカーはカナマイシンまたはフレオマイシン耐性マーカーであり、所望の形質転換のための選択としては、カナマイシンまたはフレオマイシンを補充した発酵培地において成長ができる微生物の同定が挙げられる。
【0040】
したがって、本発明は、yqzBによって媒介される糖新生遺伝子のCCRからの解放されるバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)宿主菌株を提供する。
【0041】
本発明はさらに、上記のポリヌクレオチドによってコード化されたポリペプチドに関する。好ましくは、ポリペプチドは配列番号2もしくは4または相同配列によって表されるアミノ配列から選択される。
【0042】
1つの態様において、本発明は、糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制の媒介のための上記のポリヌクレオチドの使用に関する。
【0043】
本発明の別の態様において、糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制からの解放が微生物の標的発酵産物を産生する能力を増大させることが意外にも見出されている。
【0044】
したがって、本発明は、上記の遺伝子操作された、すなわち、少なくとも1つの突然変異を有する微生物の使用に関するが、ここで前記突然変異は、標的発酵産物の製造のために糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制からの解放、および標的発酵産物の製造の方法をもたらす。
【0045】
本明細書で使用される「標的発酵産物」は、例えば、リボフラビン、パントテン酸、ビオチン、チアミン、葉酸、ピリドキシン、またはアミノ酸などの発酵によって生成される化合物を意味する。好ましい標的産物がリボフラビンである。
【0046】
1つの態様において、本発明は、かかる産物を生成する上記の遺伝子操作された微生物の培養を含んで成る標的発酵産物の調製の方法を提供する。
【0047】
したがって、本発明は、(a)上記の遺伝子操作された微生物を提供するステップと、(b)(a)の微生物を標的発酵産物の発生を可能にする条件下に培養するステップと、(c)標的発酵産物の単離とを含んで成る標的発酵産物の製造の方法に関する。
【0048】
培養は、微生物が、前記微生物の成長および発酵産物の製造に必要な基質のすべてを補充した発酵培地へ接種されることを意味する。接種発酵培地は、最適なバイオマス成長および産物蓄積を可能にする温度、pH、および曝気など特定の物理化学パラメータにさらされる。これらのパラメータは培養される微生物の型によって、かつ生成される化合物によって変動する。これらのパラメータを実験的に決定する方法は当業者に公知であり、要因計画または複合設計を含む。発酵産物の蓄積をさらに増大させるために、バイオマス成長または産物形成に必要な基質を微生物の培養の経過中に発酵ブロスに供給されうる。例えば、本発明に記載の方法では、微生物はバッチ培養、指数関数的および一定の供給プロフィールによるフェドバッチ培養、またはケモスタットにおける培養にかけられうる。この方法は、連続的または半連続的培養として、または大規模工業用発酵槽におけるバッチまたはフェドバッチ法として、希釈率を0.3l/lh〜0.001 l/lhに変動させ、発酵培地における成分の濃度を増大させ、またはグルコース濃度を400g/lまで増大させて実行されうる。
【0049】
発酵方法に引き続き方法パラメータを分析的に測定することができる。例えば、細胞乾燥重量(cdw)を、例えば、遠心分離によって回収され、蒸留水で洗浄し、例えば、110℃で24時間乾燥させ、一定の重量にする細胞懸濁液から測定することができる。生物反応器の供給および流出ガスにおける二酸化炭素および酸素の濃度は、例えば、質量分析計(例えば、Prima600、フィソンズ・インスツルメンツ(Fisons Instruments))で測定されうる。グルコース濃度は、例えば、酵素的に、例えば、市販のキット(例えば、ベックマン(Beckman))で測定されうる。培養上清中の有機酸、アセトイン、およびジアシルの濃度は、例えば、ダイオードアレイ検出器(パーキン・エルマー(Perkin Elmer))とともに、例えば、Supelcogel C610Hカラム(4.6×250mm)(シグマ(Sigma))でのHPLCによって測定されうる。0.2Nリン酸を移動相として0.3ml 分−1の流速および40℃Cで使用されうる。標的発酵産物濃度は、標準方法によって測定され、例えば、リボフラビン濃度は、例えば、細胞を含まない培養ブロスにおける440nm(A440)での吸収として測定されうる。A440が0.6を超える場合は、ブロスを、例えば、0.5Mリン酸カリウム緩衝液(pH6.8)で希釈することができる。A440が1.8を超える場合は、例えば、ブロス0.8mlを0.2M NaOH 0.2mlと混合し、0.5Mリン酸カリウム緩衝液(pH6.8)で適切な濃度に希釈することができる。
【0050】
標的発酵産物は、微生物および/または培地から単離されうる。本明細書で使用される「単離される」という語は、標的発酵産物が精製され、または、例えば、ろ過、遠心分離、および/または抽出を含む方法によって少なくとも部分的に精製されることを意味する。標的発酵産物は、水性または有機溶媒からの再結晶化、または、例えば、イオン交換、サイズ排除、または疎水性相互作用クロマトグラフィーなど当業界で周知の他の方法の適用によってさらに精製されうる。例えば、発酵ブロスからのリボフラビンの単離および精製の方法の詳細な説明については、例えば、参照により本明細書で援用される、欧州特許第730034号明細書を参照。
【0051】
標的発酵産物の製造のために使用される適切な微生物が、上記の微生物から選択されうる。好ましくは、糖新生遺伝子の発現がyqzB媒介CCRから解放される遺伝子操作された微生物は、リボフラビンを過剰産生する組換え生成された微生物である。
【0052】
本明細書で使用される「過剰産生」という語は、微生物が、少なくとも0.1%(w/w)超の収量、好ましくは、1%(w/w)超の収量、例えば、4%(w/w)超の収量で炭素源として使用される基質から標的発酵産物を産生することを意味する。
【0053】
本発明の目的のためにかかる好ましい微生物の例が、RB50::[pRF69]と呼ばれるリボフラビン産生B.サブチリス(B.subtilis)RB50菌株であり、これは多重(n)コピー(例えば、約5〜約20コピー)のrib遺伝子の転写を強化する強いファージSPO1プロモーター(P15)で修飾されたribオペロンをコード化するpRF69を含有する。この組換え産生微生物は野生型微生物よりもはるかに多くのリボフラビンを産生する。
【0054】
B.サブチリス(B.subtilis)RB50は、アグリカルチュラル・リサーチ・カルチャー・コレクション(Agricultural Research Culture Collection)(NRRL)、Peoria、イリノイ州(IL)、米国により1989年5月23日のブダペスト条約に従って寄託され、登録番号B18502が割り当てられた。プラスミドpRF69は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(ATCC)、Rockville、メリーランド州(MD)、米国により1990年6月6日に寄託され、登録番号ATCC68338が割り当てられた。
【0055】
本発明は、RB50::[pRF69]の誘導体を含む。本明細書で使用されるRB50::[pRF69]の「誘導体」は、pRF69の遺伝子操作されたribオペロンと少なくとも25%、好ましくは、pRF69の遺伝子操作されたribオペロンと少なくとも50%同一であるpRF69またはポリヌクレオチド配列の遺伝子操作されたribオペロンを含有するB.サブチリス(B.subtilis)菌株、およびリボフラビン生合成遺伝子の発現における変化をもたらす他の遺伝子修飾である。本発明において、ポリヌクレオチド配列の同一性率は、国立バイオテクノロジー情報センター(Bethesda、メリーランド州(MD)、米国)におけるBLASTプログラムおよびサーバーを使用して測定される。RB50::[pRF69]の「誘導体」は、リブフラビン生合成の前駆体化合物として必要とされる化合物の生合成に影響を及ぼすRB50::[pRF69]のゲノムにおける変化をも含有しうる。さらに、栄養要求性RB50::[pRF69]突然変異体もRB50::[pRF69]の「誘導体」とみなされる。栄養要求性突然変異体という語は、例えば、突然変異によって修飾されており、突然変異前に微生物がそれ自身で産生しうる、成長のために外因性化合物の付加を必要とする微生物を指す。
【0056】
次の実施例は、本発明の方法、ポリヌクレオチド、および宿主細胞を説明するために記載されている。これらの実施例は単に例示的であり、本発明の範囲を何らかの形で限定することは意図されていない。例えば、本発明は、微生物で標的発酵産物を生成する発酵方法を実行することによって変動しうるが、ここで微生物において糖新生のyqzB媒介抑制が阻止される。
【実施例】
【0057】
実施例1:gapB’−lacZおよびpckA’−lacZ受容体融合で提供されるB.サブチリス(B.subtilis)yqzBおよび/またはyqfL突然変異体の構成
ポリヌクレオチド配列の構成のために標準組換えDNA技術を使用した。例えば、サンブルック(Sambrook)ら、Molecular Cloning A Laboratory Manual(第2版)コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)(1989年)を参照。DNA形質転換またはPBS1ファージ形質導入によるさまざまなバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)菌株の構成を、ハーウッド(Harwood)とカッティング(Cutting)、Molecular Biology Methods For Bacillus、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)(1990年)に従って行った。
【0058】
gapB遺伝子のプロモーターの活性を報告する遺伝子融合を有するバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)菌株GM1514PgapB::lacZの構成のために、プライマーGAPBP5(配列番号5)およびGAPBP3(配列番号6)および95℃下30秒間の25サイクルの変性、55℃下30秒間のアニーリング、および72℃下45秒間の伸長のPCR反応条件を使用してDNA断片をB.サブチリス(B.subtilis)168のDNAから増幅した(クンスト(Kunst)ら(1997年)Nature390:249−256頁)。PCR産物をウィザード(Wizard)PCR精製キット(プロメガ社(Promega Corp.))を使用して精製した。PCR産物をpDG1661ベクターへライゲートし(ゲロット・フレリー(Guerot−Fleury)ら(1996年)Gene180:57−61頁)、結果としてプラスミドpSF114を得た。プラスミドpSF114をB.サブチリス(B.subtilis)野生型菌株168に形質転換し、最終濃度を5mg×L−1にしたクロラムフェニコールを含有するLBプレート上で選択した。アミラーゼマイナス表現型およびスペクチノマイシンに対する感度についてチェックした1つの形質転換体クローンをGM1514と新たに命名した。
【0059】
pckA遺伝子のプロモーターの活性を報告する遺伝子融合を有するバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)菌株PS1649PpckA::lacZの構成のために、プライマーPCKAP5(配列番号7)およびPCKAP3(配列番号8)および上記と同じPCR反応条件を使用してB.サブチリス(B.subtilis)168のDNAからDNA断片を増幅した。PCR産物をウィザード(Wizard)PCR精製キット(プロメガ社(Promega Corp.))を使用して精製した。PCR産物をpDG1661ベクターへライゲートし(ゲロット・フレリー(Guerot−Fleury)ら(1996年)Gene180:57−61頁)、結果としてプラスミドpPS19を得た。プラスミドpPS19をB.サブチリス(B.subtilis)野生型菌株168に形質転換し、最終濃度を5mg×L−1にしたクロラムフェニコールを含有するLBプレート上で選択した。アミラーゼマイナス表現型およびスペクチノマイシンに対する感度についてチェックした1つの形質転換体クローンをPS1649と新たに命名した。
【0060】
バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)菌株PS1722PgapB::lacZ ΔyqzBの構成のために、プライマーYQZBUP5(配列番号9)およびYQZBUP3(配列番号10)および上記と同じPCR反応条件を使用してB.サブチリス(B.subtilis)微生物168のDNAからDNA断片を増幅した。さらなるPCR反応において、プライマーYQZBDOWN5(配列番号11)およびYQZBDOWN3(配列番号12)および上記と同じPCR反応条件を使用してB.サブチリス(B.subtilis)微生物168のDNAから別のDNA断片を増幅した。PCR産物をウィザード(Wizard)PCR精製キット(プロメガ社(Promega Corp.))を使用して精製し、いっしょにライゲートし、さらにpRN5101ベクターへライゲートし(ポンセット(Poncet)ら(1997年)Appl.Environ.Microbiol.65:4413−4420頁)、結果としてプラスミドpPS65を得た。プラスミドpPS65をB.サブチリス(B.subtilis)菌株GM1514へ形質転換し、最終濃度を0.5mg×L−1にしたエリスロマイシンを含有するLBプレート上で42℃下に選択した。次いで、形質転換体を28℃下にLBプレート上に伸ばした。一部のクローンをグルコース最小培地プレート上でβ−ガラクトシダーゼ活性ついて試験し、LBエリスロマイシンプレート上で成長について試験した。β−ガラクトシダーゼ陽性およびエリスロマイシン感受性クローンをPS1722と新たに命名した。
【0061】
バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)菌株PS1633PgapB::lacZ ΔyqfLの構成のために、プライマーYQFLUP5(配列番号13)およびYQFLUP3(配列番号14)および上記と同じPCR反応条件を使用してB.サブチリス(B.subtilis)微生物168のDNAからDNA断片を増幅した。プライマーYQFLDOWN5(配列番号15)およびYQFLDOWN3(配列番号16)および上記と同じPCR反応条件を使用してB.サブチリス(B.subtilis)微生物168のDNAから別のDNA断片を増幅した。PCR産物をウィザード(Wizard)PCR精製キット(プロメガ社(Promega Corp.))を使用して精製し、pIC22のフレオマイシン耐性遺伝子を有するXbaI−BamHIDNA断片とライゲートし(シュタインメッツ(Steinmetz)とリヒター(Richter)(1994年)Gene142:79−83頁)、次いでpJH101プラスミドベクターヘライゲートし(フェラーリ(Ferrari)ら(1983年)J.Bacteriol.154:1513−1515頁)、結果としてプラスミドpPS13を得た。次いで、プラスミドpPS13をB.サブチリス(B.subtilis)菌株GM1514へ形質転換し、最終濃度を0.25mg×L−1にしたフレオマイシンを含有するLBプレート上で選択し、B.サブチリス(B.subtilis)微生物PS1633を得た。
【0062】
バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)菌株PS1723PgapB::lacZ ΔyqzB−yqfLの構成のために、プライマー5YQZBE(配列番号17)およびATGYQZBX(配列番号18)および上記と同じPCR反応条件を使用してB.サブチリス(B.subtilis)微生物168のDNAからDNA断片を増幅した。PCR産物をウィザード(Wizard)PCR精製キット(プロメガ社(Promega Corp.))を使用して精製し、XbalIおよびEagIで線状化したプラスミドpPS13とライゲートし、結果としてプラスミドpPS30を得た。次いで、プラスミドpPS30をB.サブチリス(B.subtilis)菌株GM1514へ形質転換し、最終濃度を0.25mg×L−1にしたフレオマイシンを含有するLBプレート上で選択し、B.サブチリス(B.subtilis)微生物PS1723を得た。
【0063】
バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)菌株PS1621yqzB::pEC23の構成のために、プライマー5YQZBMUT(配列番号19)および3YQZBMUT(配列番号20)および上記と同じPCR反応条件を使用してB.サブチリス(B.subtilis)微生物168のDNAからDNA断片を増幅した。PCR産物をウィザード(Wizard)PCR精製キット(プロメガ社(Promega Corp.))を使用して精製し、pMUTIN2ベクターへライゲートした(バグナー(Vagner)ら(1998年)Microbiology 144:3097−3104頁)、結果としてプラスミドpMUTYQZBを得た。プラスミドpMUTYQZBはB.サブチリス(B.subtilis)微生物168へ形質転換され、最終濃度を0.5mg×L−1にしたエリスロマイシンを含有するLBプレート上で選択され、B.サブチリス(B.subtilis)微生物SA1620を得る。lacZおよびエリストマイシン耐性遺伝子のカナマイシン耐性カセットの相同組換えによるSA1620のゲノムにおけるインビボ置換が、pEC23を使用して獲得される(ドアン(Doan)とエイムリッチ(Aymerich)(2003年)Molecular Microbiology47:1709−1721頁)。プラスミドpEC23は、クロラムフェニコール耐性カセットと、lacZ遺伝子の5’末端に対応するDNA断片とpMUTIN2のエリスロマイシン遺伝子の3’末端に対応する断片との間に、カナマイシン耐性カセットとを含有するpBR322誘導体である。pEC23によるSA1620の形質転換と同時に得られる結果として生じるカナマイシン(10mg×L−1)耐性およびクロラムフェニコールおよびエリスロマイシン感受性形質転換体の1つが選択され、PS1621と新たに命名される。
【0064】
バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)菌株PS1650PpckA::lacZ yqzB::pEC23の構成のために、B.サブチリス(B.subtilis)菌株PS1621から精製された総DNAをB.サブチリス(B.subtilis)菌株PS1649へ形質転換し、最終濃度を10mg×L−1にしたカナマイシンを含有するLBプレート上で選択し、PS1650を得る。
【0065】
バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)菌株PS1651PpckA::lacZ ΔyqfLの構成のために、B.サブチリス(B.subtilis)菌株PS1633から精製された総DNAをB.サブチリス(B.subtilis)菌株PS1649へ形質転換し、最終濃度を0.25mg×L−1にしたフレオマイシンを含有するLBプレート上で選択し、B.サブチリス(B.subtilis)微生物PS1650を得る。
【0066】
実施例2:解糖または糖新生炭素源で培養したさまざまなB.サブチリス(B.subtilis)突然変異体におけるgap−lacZおよびpckA−lacZレポーター融合の発現
糖新生遺伝子のyqzB媒介CCRからの解放が、yqzB遺伝子の発現を阻止または削減することによって達成される。これは、野生型または欠失yqzB遺伝子を含有するB.サブチリス(B.subtilis)菌株におけるβ−ガラクトシダーゼ活性を比較することによって本実施例で示されており、lacZ遺伝子をコード化するβ−ガラクトシダーゼとのgapBまたはpckAプロモーターのレポーター融合が提供されうる。プロモーター/lacZ融合はしばしば、その標的遺伝子の発現に対する転写レプレッサーまたは活性化因子の調節活性を明らかにするために使用される(ゲロット・フレリー(Guerout−Fleury)ら(1996年)Gene180:57−61頁)。
【0067】
実施例1に従って得られたB.サブチリス(B.subtilis)突然変異体株を、CQTHC培地(Cミネラル培地[70mM KHPO、30mM KHPO、25mM(NHSO、0.5mM MgSO、0.01mM MnSO、1リットル当り22mgのクエン酸第二鉄アンモニウム]トリプトファン0.005%(w/v)、グルタミン0.15%(w/v)およびカゼイン加水分解物0.05%(w/v)を補充)中で、解糖としてグルコース(10g/l)および糖新生炭素源としてコハク酸塩(10g/l)+グルタミン酸塩(10g/l)とともに培養した。指数関数的に成長する細菌を遠心分離によって回収した。β−ガラクトシダーゼ活性をミラー(Miller)の方法(ミラー(Miller)(1972年)Experiments in Molecular Genetics.Cold Spring Harbor、ニューヨーク州(NY)、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)を使用し、リゾチーム処理および遠心分離によって調製した回収細菌の抽出物で測定した。結果は表1に示されている。gapB−lacZレポーター融合で提供された菌株GM1514およびpckA−lacZレポーター融合で提供されたPS1649におけるβ−ガラクトシダーゼ活性の発現は、糖新生培養条件が解糖炭素源としてグルコースによる培養条件と比較して適用された場合は、それぞれ70倍および34倍増大した。結果は、糖新生遺伝子gapBおよびpckAの発現がCCRにさらされていることを示す。yqzB欠失突然変異PS1722およびPS1650において、β−ガラクトシダーゼ活性の発現がさらに増大し、糖新生炭素源で培養されたyqzB野生型菌株において測定されたレベルの約5倍であったレベルに達した。yqzB欠失突然変異体において、β−ガラクトシダーゼ活性の発現は培養培地における炭素源によってほとんど影響を受けなかった。明らかに、糖新生培養条件下でも、糖新生に対するyqzB媒介CCRが部分的にのみ阻止された。yqzB媒介抑制からの完全な解放は、遺伝子の欠失と同時に達成されうる。糖新生培養条件下でのyqfL欠失突然変異体PS1633およびPS1651におけるβ−ガラクトシダーゼ活性の発現が、対応する野生型菌株PS1514およびPS1649と比べ大幅に削減された。しかし、同様のβ−ガラクトシダーゼ活性が、yqzB突然変異のみを有するyqzB−yqfLに重突然変異体PS1723およびPS1722において確認された。これらの結果は、yqzB欠失がyqfL突然変異に対して優位であることを示し、かつyqfL遺伝子産物がyqzB遺伝子産物の阻害活性に干渉することを示す。
【0068】
【表1】

【0069】
実施例3:B.サブチリス(B.subtilis)RB50::pRF69のyqzB欠失変異体の構成
実施例1のB.サブチリス(B.subtilis)微生物PS1621をPBS1ファージ溶解物の調製のためのドナー微生物として使用する。この溶解物は、修飾リボフランビンオペロンpRF69で提供されるリボフラビン産生微生物を形質導入する。RB50はB.サブチリス(B.subtilis)の宿主微生物を指し、これはヌクレオチドおよびリボフラビンの産生を改善するために導入されたいくつかの突然変異を含有する。プラスミドpRF69は、pRF50のリブ位置で導入されている強いファージプロモーターの導入によって修飾されたリブオペロンを指す。微生物RB50および修飾リブオペロンpRF69の詳細な説明が欧州特許第405370号明細書に示されている。PS1621由来PBS1溶解物によるバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)RB::pRF69の形質導入に起因するカナマイシン耐性コロニーの1つが、標準PCRによって、破壊yqzB遺伝子を含有することが確認され、RB50::[pRF69]ΔyqzBと新たに命名された。
【0070】
実施例4:RB50::[pRF69]ΔyqzBおよび親株RB50::[pRF69]の培養
播種培養の調製のために、凍結RB50::[pRF69]またはRB50::[pRF69]ΔyqzB培養物を解凍し、培養物3μlを1ml VY培地に接種する(VY培地:ジフコ(Difco)仔ウシ輸液25g/l+5g/l酵母抽出物+15g/lグルコース)。培養物を濁度変化が視認可能になるまで37℃下約10時間インキュベートする。VY培養から10μlを除去し、5g/lグルコース、5g/lラフィノース、または5g/lリンゴ酸塩のいずれかを補充した最小培地M9(ddHO 1リットル当り:12.8g NaHPO・7HO、3.0g KHPO、0.5g NaCl、1.0g NHCl、1ml 1M MgSO、1ml 0.1M CaCl、125.0mg MgCl・6HO、5.5mg CaCl、13.5mg FeCl・6HO、1.0mg MnCl・4HO、1.7mg ZnCl、0.43mg CuCl・2HO、0.6mg CoCl・6HO、0.6mg NaMoO・2HO)の培養物1mlを接種する。培養を一夜、37℃下に行う。主要なバッチ培養を5g/lの適切な炭素源を補充したM9 1mlへの一夜培養物10μlのインキュベーションによって開始する。ラフィノースを炭素源として使用する場合、0.5g/l酵母抽出物を培養に添加する。各々の培養条件を深いウェルプレートにおいて30時間37℃下にトリプリケートで行う。リボフラビン濃度を測定するために、培養ブロスを10分間、5’000rpmで4℃下に遠心分離する。上清をNaOHで希釈し、440nm(A440)での吸収を直ちに測定する。希釈液を調節し、0.1〜1.0の吸収単位の読取りを行う。リボフラビン濃度は、試料の吸収をリボフラビン標準(シグマ(Sigma)、St.Luis、ミズーリ州(MO)、米国(USA))のものと比較することによって計算される。表2に示されているように、yqzB挿入突然変異を含有する菌株RB50::[pRF69]は、野生型yqzB遺伝子を有する親株RB50::[pRF69]と比べリボフラビン産生に関して優れている。リボフラビンタイターの増大は、適用された3つの炭素源のすべてで確認される。
【0071】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制を媒介するタンパク質をコードする遺伝子のDNA配列、
(b)(a)の生物学的活性の断片、誘導体、変異体、およびオルソログより成る群から選択されるDNA配列、
(c)(a)と実質的に相同であるDNA配列、
(d)配列番号2または配列番号4によって表されるアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドをコードするDNA配列、
(e)ストリンジェントなハイブリダイジング条件下に(a)、(b)、(c)、または(d)のDNA配列にハイブリダイズすることができるDNA配列
より成る群から選択されるDNA配列を含んで成るポリヌクレオチド。
【請求項2】
前記遺伝子が配列番号1または配列番号3から選択される、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
【請求項3】
pckAおよびgapBの炭素異化代謝産物抑制が媒介される、先行請求項のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項4】
yqzB遺伝子またはそのホモログもしくはオルソログを含有する微生物から得られる、先行請求項のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項5】
バチルス属(Bacillus)から得られる、請求項4に記載のポリヌクレオチド。
【請求項6】
少なくとも1つの突然変異を有する先行請求項のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドであって、前記突然変異が、野生型対立遺伝子の代わりに微生物において存在する場合に糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制からの解放をもたらすポリヌクレオチド。
【請求項7】
先行請求項のいずれか一項のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチド。
【請求項8】
配列番号2もしくは4または少なくとも70%相同であるポリペプチドによって表される、請求項7に記載のポリペプチド。
【請求項9】
少なくとも1つの突然変異を含んで成る遺伝子操作された微生物であって、前記突然変異が前記微生物における糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制からの解放をもたらす、遺伝子操作された微生物。
【請求項10】
請求項6に記載の突然変異ポリヌクレオチドを含んで成る、請求項9に記載の遺伝子操作された微生物。
【請求項11】
pckAおよびgapB遺伝子が炭素異化代謝産物抑制から解放される、請求項9または10に記載の遺伝子操作された微生物。
【請求項12】
バチルス属(Bacillus)、クロストリジウム属(Clostridium)、スタヒロコッカス属(Staphylococcus)、およびストレプトコッカス(Streptococcus)属より成る群から選択される、請求項9〜11のいずれか一項に記載の遺伝子操作された微生物。
【請求項13】
B.サブチリス(B.subtilis)である、請求項12に記載の遺伝子操作された微生物。
【請求項14】
糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制の媒介のための請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドの使用。
【請求項15】
前記ポリヌクレオチドが、糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制からの解放をもたらす少なくとも1つの突然変異を有する、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
微生物における糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制のメディエータをコード化する破壊内在性遺伝子の製造のための方法であって、前記微生物が請求項1に記載のポリヌクレオチドを含んで成り、前記方法が、糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制からの解放をもたらすようにして前記ポリヌクレオチドを変化させるステップを含んで成る方法。
【請求項17】
前記微生物が炭素異化代謝産物抑制媒介活性の減少した前記ポリペプチドを産生し、前記微生物内で糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制からの解放をもたらすように前記微生物を変化させるステップを含んで成る、微生物における請求項7に記載のポリペプチドの製造のための方法。
【請求項18】
請求項1に記載のポリヌクレオチドを含んで成る内在性遺伝子を含有する微生物の製造のための方法であって、前記内在性遺伝子が発現されずまたは破壊され、糖新生遺伝子の炭素異化代謝産物抑制からの解放をもたらすように前記微生物を変化させるステップを含んで成る方法。
【請求項19】
前記糖新生遺伝子pckAおよびgapBが、遺伝子産物yqzBによって媒介される炭素異化代謝産物抑制から解放される、請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
請求項9〜13のいずれか一項に記載の遺伝子操作された微生物、または請求項18の方法によって製造される微生物を使用する標的発酵産物の調製のための方法。
【請求項21】
前記標的発酵産物がリボフラビン、パントテン酸、ビオチン、チアミン、葉酸、ピリドキシン、およびアミノ酸より成る群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記微生物がB.サブチリス(B.subtilis)である、請求項16〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記微生物がB.サブチリス(B.subtilis)RB50::[pRF69]である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
(a)請求項9〜13のいずれか一項に記載の遺伝子操作された微生物、または請求項18の方法によって製造される微生物を提供するステップと、
(b)標的発酵産物の発生を可能にする条件下に(a)の微生物を培養するステップと、
(c)標的発酵産物の単離と
を含んで成る、請求項21〜23のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2008−523835(P2008−523835A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547365(P2007−547365)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2005/013888
【国際公開番号】WO2006/066925
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【出願人】(505129079)アンスティテュ ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシュ アグロノミック (15)
【氏名又は名称原語表記】INSTITUT NATIONAL DE LA RECHERCHE AGRONOMIQUE
【Fターム(参考)】