説明

新規飲食品

【課題】年齢的に伴う体内機能低下による消化吸収にも配慮し、経口摂取後、腸内機能を向上させ、更に血流改善により、体内で吸収された各成分の効果を充分に発揮することができ、更には体力消耗にも配慮した眼機能向上組成物または飲食品を提供すること。
【解決手段】ビルベリー抽出物,カシス抽出物,ルテイン,及びコラーゲンを含むことを特徴とする飲食品である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は眼の機能向上を有するビルベリーをはじめとする種々の機能性成分を配合した飲食品である。
【背景技術】
【0002】
昨今では、パソコンや携帯電話などの普及に伴い、老若男女を問わず、眼性疲労や視力低下などの眼に関する悩みを訴えることが見受けられる。
高齢化に伴いこの眼に関する疾病リスクは高くなり、様々な病気が発症しているが、その解決手段の一つに医薬品や外科的治療が行なわれているが、これらの方法は、治療効果が期待できる反面、手術による切開リスクや、薬による副作用など、体への負担が懸念される。又、高齢者の場合、体力的な限界から治療自体が困難なことも挙げられる。
【0003】
ビルベリーは有効成分の一つで有るアントシアニンを豊富に含有するツツジ科スノキ属の植物で眼の網膜に存在するロドプシンという物質の再合成を促進させ、摂取することで視力の向上に効果があるといわれており、健康食品への利用が高まっている。
【0004】
ルテインも、カロテノイド色素の一種で眼の水晶体や黄斑部に存在しルテインを摂取することで、直接作用を及ぼし加齢性黄斑変性症、白内障に効果があることが既に証明されている。
【0005】
またカシスは、有効成分であるカシスポリフェノールを豊富に含有するユキノシタ科の植物で、平滑筋である毛様体筋の緊張を緩和し、近視や遠視などの調節機能を向上させる働きがあると言われている。
【0006】
従来、これらの眼に良いといわれるビルベリー抽出物,ルテイン,カシス抽出物末を併用した健康補助食品や飲料が提案されている。
【0007】
しかし、これは、ともに目に良いとされている成分を併用したに過ぎないものであり、これら成分の、経口摂取以後の体内動態の配慮までは成されていなかった(特許文献1)。
【0008】
【特許文献1】特開2005-065525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明者らはそれらの課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ビルベリー抽出物,カシス抽出物,ルテインを含有するマリーゴールド抽出物に、更に、コラーゲンを含有させることで、それら成分の相乗効果を奏させることができることを見出し、本発明を完成したものであって、その目的とするところは、眼の酷使に伴う眼の疾病リスクの軽減及びそれに伴う経済的負担の軽減を図るための新たな飲食品を提供することであり、更には、老化により劣る消化吸収や血流の改善にも配慮した飲食品を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的は、下記の第一から第六の発明によって達成される。
【0011】
〈第一の発明〉
ビルベリー抽出物,カシス抽出物,ルテイン,及びコラーゲンを含むことを特徴とする飲食品。
【0012】
〈第二の発明〉
更にアスタキサンチンを含有することを特徴とする、第一の発明に記載の飲食品。
【0013】
〈第三の発明〉
更にドコサヘキサエン酸を含有することを特徴とする、第一又は第二の発明に記載の飲食品。
【0014】
〈第四の発明〉
更にヒアルロン酸もしくはその塩を含有することを特徴とする第一乃至第三の発明のいずれかに記載の飲食品。
【0015】
〈第五の発明〉
更にコエンザイムQ10を含むことを特徴とする、第一乃至第四の発明のいずれかに記載の飲食品。
【0016】
〈第六の発明〉
ビルベリー抽出物を160mg以上,カシス抽出物を0.4mg以上,ルテインを含むマリーゴールド抽出物を2mg以上,コラーゲンを含有するタンパク質組成物を0.25mg以上,アスタキサンチンを含むヘマトコッカス藻抽出物を2mg以上,ドコサヘキサエン酸を含む精製魚油を8mg以上,ヒアルロン酸組成物を0.3mg以上,及びコエンザイムQ10組成物を0.5mg以上含むことを特徴とする、第五の発明に記載の飲食品。
【発明の効果】
【0017】
本発明においては、年齢的に伴う体内機能低下による消化吸収にも配慮し、経口摂取後、腸内機能を向上させ、更に血流改善により、体内で吸収された各成分の効果を充分に発揮することができ、更には体力消耗にも配慮した眼機能向上組成物または飲食品であるため需要拡大が予想される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[本発明の飲食品の構成成分]
【0019】
〈ビルベリー抽出物〉
本発明で用いられるビルベリー抽出物の原料となるビルベリー(bilberry,whortleberry,huckleberry,Vaccinium myrtillus)とは、ブルーベリーの一種であり、つつじ科コケモモ属(スノキ属)に属する。ビルベリーは、アメリカやカナダ,北欧等に広く自生している。
【0020】
本発明で用いられるビルベリー抽出物とは、主にビルベリーの果実からの抽出物が好適に用いられ、例えば実を潰して、下記の抽出溶媒に浸漬することで、製造することができる。
【0021】
抽出には、例えばアルコール等が用いられ、具体的にはエタノール,含水エタノール(95%含水エタノール等)等が挙げられる。
抽出は、例えば、ビルベリー100kgを、エタノール又は95%含水エタノール500〜2000リットルに、5〜20時間,好ましくは10〜17時間浸漬し、濾過することによって製造することができる。
【0022】
本発明で用いられるビルベリー抽出物は、アントシアニンをビルベリー抽出物中36%以上含有するものを使用するのが好ましい。アントシアニンはシアニジン,ペオニジン,デルフィニジン,ペツニジン,マルビジンからなる組成物であり、ロドプシンという物質の再合成を促進させ、摂取することで視力の向上に効果があるといわれている。
【0023】
本発明の飲食品におけるビルベリー抽出物の含有量は、24〜50質量%が好ましく、更に好ましくは、36〜48質量%である。
【0024】
ビルベリー抽出物を本発明の飲食品の原料として用いる際の形態は、特に問わず、抽出物のままで用いることもできるが、濃縮物,乾燥物として用いることもできる。乾燥方法としては、スプレードライ(噴霧乾燥),凍結乾燥,熱風乾燥等が挙げられる。
【0025】
〈カシス抽出物〉
本発明で用いられるカシス抽出物は、ユキノシタ科スグリ属のカシス抽出物等が使用できるが、カシスポリフェノールとしてカシス抽出物中10%以上含有するものが好ましい。又デルフィニジンとシアニジンが有効成分であると同時に主成分であることが明らかにされている(特許番号:3455528)。
【0026】
本発明の飲食品におけるカシス抽出物の含有量は、0.06〜0.24質量%が好ましく、更に好ましくは、0.09〜0.18質量%である。
【0027】
カシス抽出物を本発明の飲食品の原料として用いる際の形態は、特に問わず、抽出物のままで用いることもできるが、濃縮物,乾燥物として用いることもできる。乾燥方法としては、スプレードライ(噴霧乾燥),凍結乾燥,熱風乾燥等が挙げられる。
【0028】
〈ルテイン〉
本発明で用いられるルテインを含有するマリーゴールド抽出物は、有効成分としてカロテノイド色素であるルテインがマリーゴールド抽出物中20%以上含有するものが好ましい。ルテインは主に水晶体や黄斑部に存在し、黄斑変性症予防改善効果が多くの臨床試験により確認されている。
【0029】
本発明の飲食品におけるルテインを含有するマリーゴールド抽出物の含有量は、0.3〜1.2質量%が好ましく、更に好ましくは、0.45〜0.9質量%である。
【0030】
ルテインを含有するマリーゴールド抽出物を、本発明の飲食品の原料として用いる際の形態は、特に問わず、抽出液のままで用いることもできるが、濃縮物,乾燥物として用いることもできる。乾燥方法としては、スプレードライ(噴霧乾燥),凍結乾燥,熱風乾燥等が挙げられる。
【0031】
〈コラーゲン〉
本発明で用いられるコラーゲンは、硝子体、骨、軟骨などに多く含まれるタンパク質の一種であり、硝子体においてはヒアルロン酸とともに眼球の形を保つ重要な成分である。
【0032】
コラーゲンは、通常、タンパク質組成物として得られるが、その組成物中にタンパク質が規格値として85%以上含まれているものを用いることが好ましい。
また、当該コラーゲンは、酵素処理した低分子コラーゲンがより好ましい。
【0033】
本発明の飲食品におけるコラーゲンを含有するタンパク質組成物の含有量は、0.037〜0.15質量%が好ましく、更に好ましくは、0.057〜0.112質量%である。
【0034】
コラーゲンを本発明の飲食品の原料として用いる際の形態は、特に問わず、水溶液その他の溶液状のままで用いることもできるが、濃縮物,乾燥物として用いることもできる。乾燥方法としては、スプレードライ(噴霧乾燥),凍結乾燥,熱風乾燥等が挙げられる。
【0035】
本発明は、コラーゲンが、ビルベリー抽出物,カシス抽出物,及びルテインと併用されることによって、これら各成分の効果を互いに引き出し、更に高い相乗効果をなすものである。
【0036】
〈アスタキサンチン〉
本発明で用いられるアスタキサンチンは、ヘマトコッカス藻抽出物に含まれ、カロテノイド色素の一種で、抗酸化作用はビタミンEの1000倍と言われている。その高い効果の理由に血液網膜関門を通過することができ、網膜損傷又は網膜疾患の治療(米国特許第5527533号)、白内障の予防又は白内障による視力障害、それに伴う単眼、複視、眼精疲労を抑制する(特開平10-276721)ことが報告されている。筋肉疲労の指標となる乳酸分泌の抑制も報告されている。
【0037】
アスタキサンチンは、ヘマトコッカス藻抽出物として得ることができ、このヘマトコッカス藻抽出物の形態のまま用いることができるが、当該抽出物中に、アスタキサンチンフリー体が規格値として4.5〜5.5%含まれているものを用いることが好ましい。
【0038】
本発明の飲食品におけるアスタキサンチンを含むヘマトコッカス藻抽出物の含有量は、0.3〜1.2質量%が好ましく、更に好ましくは、0.45〜0.9質量%である。
【0039】
アスタキサンチンを含有するヘマトコッカス藻抽出物を、本発明の飲食品の原料として用いる際の形態は、特に問わず、抽出物のままで用いることもできるが、濃縮物,乾燥物として用いることもできる。乾燥方法としては、スプレードライ(噴霧乾燥),凍結乾燥,熱風乾燥等が挙げられる。
【0040】
本発明は、アスタキサンチンを含有するヘマトコッカス藻抽出物が、ビルベリー抽出物,カシス抽出物,ルテイン,及びコラーゲンと併用されることによって、これら各成分の効果を互いに引き出し、相乗効果をなすものである。
【0041】
〈ドコサヘキサエン酸〉
本発明で用いられるドコサヘキサエン酸は、多過不飽和脂肪酸の一種で体内で合成することができない必須脂肪酸であり、網膜と視神経のリン脂質中に多く分布し視覚情報伝達に重要な役割を果たす。又脳及び神経組織(ニューロン)にも多く存在し、脳機能低下を抑制することが報告されている。
【0042】
ドコサヘキサエン酸(DHA)は、DHA含有精製魚油として得ることができ、この形態のまま用いることもできるが、その際には、DHA含有精製魚油中にドコサヘキサエン酸が規格値として50%以上含まれているものを用いることが好ましい。
【0043】
本発明の飲食品におけるDHA含有精製魚油の含有量は、1.21〜4.48質量%が好ましく、更に好ましくは、1.8〜3.63質量%である。
【0044】
ドコサヘキサエン酸を、本発明の飲食品の原料として用いる際の形態は、特に問わず、油状物のままで用いることもできるが、濃縮物,乾燥物として用いることもできる。乾燥方法としては、スプレードライ(噴霧乾燥),凍結乾燥,熱風乾燥等が挙げられる。
【0045】
本発明は、ドコサヘキサエン酸が、ビルベリー抽出物,カシス抽出物,ルテイン,コラーゲン,アスタキサンチンを含有するヘマトコッカス藻抽出物と併用されることによって、これら各成分の効果を互いに引き出し、更なる相乗効果をなすものである。
【0046】
〈ヒアルロン酸〉
本発明で用いられるヒアルロン酸は、硝子体、皮膚、関節、脳など細胞外マトリックスとして存在しているムコ多糖類の一種であり、1gに6リットルの保水力があり、その保水性の高さから化粧水や美容食品の原料として多く利用されている。又硝子体の構成成分の一つでコラーゲンとともに重要な成分である。
【0047】
ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸組成物の形態で用いられるが、当該組成物中にヒアルロン酸が規格値として90%以上含まれているものを用いることが好ましい。
【0048】
本発明の飲食品におけるヒアルロン酸組成物の含有量は、0.045〜0.18質量%が好ましく、更に好ましくは、0.068〜0.136質量%である。
【0049】
ヒアルロン酸を、本発明の飲食品の原料として用いる際の形態は、特に問わず、水溶液のままで用いることもできるが、濃縮物,乾燥物として用いることもできる。乾燥方法としては、スプレードライ(噴霧乾燥),凍結乾燥,熱風乾燥等が挙げられる。
【0050】
本発明は、ヒアルロン酸が、ビルベリー抽出物,カシス抽出物,ルテイン,コラーゲン,アスタキサンチンを含有するヘマトコッカス藻抽出物,ドコサヘキサエン酸と併用されることによって、これら各成分の効果を互いに引き出し、高い相乗効果をなすものである。
【0051】
〈コエンザイムQ10〉
本発明で用いられるコエンザイムQ10(CoQ10)は、体内の全ての細胞に存在し、特に心臓に多く含まれている補酵素の一種であり、抗酸化作用,老化防止等のほか、細胞を活性化することによる、体力維持にも有効であることが知られている。
【0052】
コエンザイムQ10は、コエンザイムQ10組成物の形態で用いられるが、当該組成物中にコエンザイムQ10が規格値として98〜99%含まれているものを用いることが好ましい。
【0053】
本発明の飲食品におけるコエンザイムQ10組成物の含有量は、0.075〜0.15質量%が好ましく、更に好ましくは、0.11〜0.22質量%である。
【0054】
コエンザイムQ10を、本発明の飲食品の原料として用いる際の形態は、特に問わず、水溶液のままで用いることもできるが、濃縮物,乾燥物として用いることもできる。乾燥方法としては、スプレードライ(噴霧乾燥),凍結乾燥,熱風乾燥等が挙げられる。
【0055】
本発明は、コエンザイムQ10が、ビルベリー抽出物,カシス抽出物,ルテイン,コラーゲン,アスタキサンチンを含有するヘマトコッカス藻抽出物,ドコサヘキサエン酸,ヒアルロン酸と併用されることによって、これら各成分の効果を互いに引き出し、高い相乗効果をなすものである。
【0056】
以上のように、眼に有効に働きかける成分を、より効果的に吸収及び隅々の細胞へ行き渡らせ、更に効果を発揮せしめる成分として、コラーゲン,アスタキサンチン,ドコサヘキサエン酸,ヒアルロン酸,コエンザイムQ10を含有させることで、本発明に至ることが出来る。
【0057】
[その他の成分]
本発明の飲食品には、上記成分のほか、その眼機能向上効果を阻害しない範囲で、飲食品に通常用いられているような他の成分を含有させることができ、例えば、各種の香料や甘味料,色素等のほか、賦形剤,安定剤,矯味矯臭剤,希釈剤,界面活性剤,乳化剤,可溶化剤,吸収促進剤,増量剤,防腐剤等の添加剤を含有させることができる。
【0058】
[本発明の飲食品の形態と製造方法]
本発明の摂取形状はゼラチンカプセル錠,打錠,ゼリー状,飲料形態で摂取することが好ましく、通常用いられる製造方法によるって製造される。
【0059】
尚、本発明の飲食品は、そのままの形で飲用又は食用に供することができるほか、他の飲食品に、その原料として添加した後に、飲食に供することも可能である。
【実施例】
【0060】
下記表1のような組成で、実施例1〜5の、本発明の飲食品(ソフトカプセル)を製造することができる。
【0061】
【表1】

【0062】
尚、本品は、内容量:330mg,総重量:525mg(皮包剤含む(ゼラチン・グリセリン))であり、表1中の賦形剤とは、ブドウ種子油・亜麻仁油・玄米胚芽油・大豆レシチン・ミツロウ等である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の飲食品は、健康食品や栄養補助食品等に利用可能な飲食品である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビルベリー抽出物,カシス抽出物,ルテイン,及びコラーゲンを含むことを特徴とする飲食品。
【請求項2】
更にアスタキサンチンを含有することを特徴とする、請求項1に記載の飲食品。
【請求項3】
更にドコサヘキサエン酸を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の飲食品。
【請求項4】
更にヒアルロン酸もしくはその塩を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の飲食品。
【請求項5】
更にコエンザイムQ10を含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の飲食品。
【請求項6】
ビルベリー抽出物を160mg以上,カシス抽出物を0.4mg以上,ルテインを含むマリーゴールド抽出物を2mg以上,コラーゲンを含有するタンパク質組成物を0.25mg以上,アスタキサンチンを含むヘマトコッカス藻抽出物を2mg以上,ドコサヘキサエン酸を含む精製魚油を8mg以上,ヒアルロン酸組成物を0.3mg以上,及びコエンザイムQ10組成物を0.5mg以上含むことを特徴とする、請求項5記載の飲食品。

【公開番号】特開2008−271878(P2008−271878A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−120140(P2007−120140)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(501178813)株式会社 わかさ生活 (3)
【Fターム(参考)】