説明

既設管の更生方法、配管捌き機、圧送ポンプ、及び裏込め材供給装置

【課題】本発明は、地上と既設管との高低差が大きい場合であっても、配管輸送によって一定粘度の高粘度モルタルの注入を行うことができる新規な既設管の更生方法及び製管装置構造を提供することを目的とする。
【解決手段】低粘度モルタルとこの低粘度モルタルの粘度を増加させる添加剤とを裏込め材注入機10に供給する各配管22、23の経路中、立坑202に沿って垂下する位置において一軸偏心ねじ式ポンプ5を各々組み込み、各一軸偏心ねじ式ポンプ5をそれぞれ作動させることによって低粘度モルタルと添加剤とを裏込め材注入機10に輸送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺の帯状部材を螺旋状に巻き回して隣接させた帯状部材の側縁部同士を順次接合することによって、帯状部材が螺旋状に付加形成された更生管を施設しながら、既設管の内壁と既に形成された更生管の外壁との間の間隙に高粘度モルタルを順次注入する既設管の更生方法、配管捌き機、圧送ポンプ、及び裏込め材供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既設管を更生するための方法として、既設管内に設置された製管機によって、長尺の帯状部材を螺旋状に付加形成しながら更生管を既設管内に施設し、同時に、既設管の内壁と既に形成された更生管の外壁との間の間隙に裏込め材としてのモルタルを裏込め材注入機にて順次注入する方法(製管同時裏込め工法)が実施されている。
【0003】
この方法において、裏込め材として用いられるモルタルは、既設管の内壁と既に形成された更生管の外壁との間の間隙に注入された際、既設管の内壁と更生管の外壁との間から漏出することがない程度の高い粘度を有する必要がある。
【0004】
配管を介して高粘度のモルタルを地上から既設管内に輸送することは困難であったことから、従来、裏込め材注入機への供給は、人手での計量制御が容易な20kg程度のバッチ単位で混練し、そのバッチ単位のモルタルを既設管内に人力で搬送していた。
【0005】
最近では、既設管内における人的作業をできるだけ省略すべく、低粘度モルタルとこの低粘度モルタルの粘度を増加させる添加剤とを地上から個別の配管を介して輸送し、製管機の近傍で混合することによって高粘度モルタルを得る手段が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005‐315401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された手段では、地上と既設管との高低差に起因するヘッド圧によって、低粘度モルタルと添加剤が安定して定量輸送されない場合があった。低粘度モルタルと添加剤が安定して定量輸送されないと一定の混合比率とならないため、所期の粘度の高粘度モルタルを安定して得ることができない。
【0008】
本発明は、地上と既設管との高低差が大きい場合であっても、配管輸送によって一定粘度の高粘度モルタルの注入を行うことができる新規な既設管の更生方法、配管捌き機、圧送ポンプ及び裏込め材供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の既設管の更生方法は、長尺の帯状部材を既設管内に連続的に引込み、螺旋状に巻き回して隣接させた帯状部材の側縁部同士を順次接合する製管機を既設管の管路における施設開始地点から施設終了地点に向かって移動させながら、帯状部材が螺旋状に付加形成された更生管を施設する更生管施設工程と、低粘度モルタルとこの低粘度モルタルの粘度を増加させる添加剤とを、地上から、施設終了地点以降に存する立坑内を経由させた個別の配管を介して、製管機の移動方向前方に配置された裏込め材注入機に輸送する輸送工程と、裏込め材注入機に輸送された低粘度モルタルと添加剤とを合流させ、混合することによって高粘度モルタルを作成する混合工程と、製管機の移動に応じて裏込め材注入機を施設終了地点に向かって移動させながら、既設管の内壁と既に形成された更生管の外壁との間の間隙に高粘度モルタルを順次注入する注入工程と、を実行する既設管の更生方法であって、前記輸送工程では、低粘度モルタルと添加剤とを裏込め材注入機に供給する各配管の経路中、立坑に沿って垂下する位置において一軸偏心ねじ式ポンプを各々組み込み、各一軸偏心ねじ式ポンプをそれぞれ作動させることによって低粘度モルタルと添加剤とを裏込め材注入機に輸送することを特徴とする(以下、「本発明方法」と称する。)。
【0010】
ここで、低粘度モルタルと添加剤とを裏込め材注入機に供給する各配管に組み込まれる「一軸偏心ねじ式ポンプ」は、ねじ(ローター)を筒(ステーター)の中に入れ、ローターとステーターの間に螺旋状の空間をつくり、回転とともに空間を移送方向に移動させることで送液するポンプのことをいい、一般にスネークポンプと称されるものである。
【0011】
本発明方法によれば、この一軸偏心ねじ式ポンプを、低粘度モルタルとこの低粘度モルタルの粘度を増加させる添加剤とを裏込め材注入機に供給する各配管の経路中、立坑に沿って垂下する位置において各々組み込み、各一軸偏心ねじ式ポンプをそれぞれ作動させることによって低粘度モルタルと添加剤とを裏込め材注入機に輸送するので、地上から製管機までの高低差が大きくても、低粘度モルタルと添加剤とを安定して定量輸送することができ、もって、所期の粘度の高粘度モルタルを安定して得ることができる。
【0012】
又、人手による搬送が不要となることから、既設管内における人的作業を省略することができる。更に、作業者が入ることのできないような管径の小さな既設管の更生も可能になる。
【0013】
本発明方法においては、裏込め材注入機の移動に応じて発生する低粘度モルタル用配管及び添加剤用配管の余剰長さ分を、既設管内における施設終了地点以降に順次退避させる配管捌き機によって捌くことが好ましい。
【0014】
即ち、裏込め材注入機の移動に応じて発生する低粘度モルタル用配管及び添加剤用配管の余剰長さ分を配管捌き機によって順次捌けば、配管の余剰長さ分によって製管機や裏込め材注入機の移動が妨げられなくなり、もって既設管内における製管作業や裏込め材注入作業を円滑に進めることができる。
【0015】
裏込め材注入機の移動に応じて発生する低粘度モルタル用配管及び添加剤用配管の余剰長さ分を、既設管内における施設終了地点以降に順次退避させる本発明の配管捌き機としては、基台と、配管捌き機の既設管に沿う方向への移動を可能とする基台下部に設けられた車輪と、基台上部に回転自在に設けられた滑車部とを具備し、配管捌き機における滑車部の周囲に低粘度モルタル用配管及び添加剤用配管をそれぞれ掛けた状態で、配管捌き機を既設管内における施設終了地点以降に移動させることによって、裏込め材注入機の移動に応じて生じる低粘度モルタル用配管及び添加剤用配管の余剰長さ分を、既設管内における施設終了地点以降に順次退避させるものを挙げることができる。
【0016】
本発明方法においては、前記混合工程では、添加剤を、回転式の圧送ポンプ内に存する螺旋状の案内路に導入し、前記案内路を介して下流側に送り出す一方で、低粘度モルタルを、添加剤より前記案内路の下流側に導入することによって、添加剤を前記案内路に導入する位置より前記案内路の送り出し方向の下流側において、添加剤と低粘度モルタルとを合流させることが好ましい態様となる。
【0017】
本発明の圧送ポンプは、個別の配管を介して輸送された低粘度モルタルと添加剤とを合流させるための圧送ポンプであって、低粘度モルタルを導入するための低粘度モルタル導入口と、添加剤を導入するための添加剤導入口と、低粘度モルタルと添加剤とを排出するための排出口とが備えられたシリンダー部と、前記シリンダー部内に配されて螺旋状の案内路を形成し、回転することによって、前記シリンダー部内に導入された低粘度モルタルと添加剤との混合物を、前記案内路を介して前記排出口に向かって送り出すローター部と、を具備し、前記低粘度モルタル導入口の位置が、前記添加剤導入口の位置より、前記案内路の送り出し方向の下流側となされたことを特徴とする。
【0018】
本発明の圧送ポンプにおいては、前記低粘度モルタル導入口は、前記ローター部の回転方向に向かって、シリンダー部内壁の接線方向から低粘度モルタルを導入するものであり、前記添加剤導入口は、前記ローター部の回転方向に向かって、シリンダー部内壁の接線方向から添加剤を導入するものが好ましい態様となる。
【0019】
本発明の圧送ポンプにおいては、前記低粘度モルタル導入口と前記添加剤導入口とが、前記シリンダー部の外周に沿って位相差を設けた状態で配置されてなり、前記添加剤導入口と前記低粘度モルタル導入口との中心間距離が、前記シリンダー部の軸心に沿う方向について、前記案内路における螺旋ピッチ一間隔分以内となされたものが好ましい態様となる。
【0020】
本発明の圧送ポンプにおいては、前記位相差が、180度以内となされたものが好ましい態様となる。
【0021】
本発明の裏込め材供給装置は、低粘度モルタルと添加剤とを立坑を介して既設管内に輸送し、既設管内に配された裏込め材注入機にて合流させ、混合するための裏込め材供給装置であって、低粘度モルタルと添加剤とを前記裏込め材注入機に供給する各配管の経路中、立坑に沿って垂下する位置において各々組み込まれた一軸偏心ねじ式ポンプと、前記裏込め材注入機に備えられた前記本発明の圧送ポンプと、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明方法によれば、地上から製管機までの高低差が大きくても、低粘度モルタルと添加剤とを安定して定量輸送することができ、もって、所期の粘度の高粘度モルタルを安定して得ることができる。
【0023】
又、人手による搬送が不要となることから、既設管内における人的作業を省略することができる。
【0024】
更に、作業者が入ることのできないような管径の小さな既設管の更生も可能になる。
【0025】
本発明の配管捌き機によれば、裏込め材注入機の移動に応じて発生する低粘度モルタル用配管及び添加剤用配管の余剰長さ分を既設管内における施設終了地点以降に順次退避させることができるのであり、これにより配管の余剰長さ分によって製管機や裏込め材注入機の移動が妨げられなくなり、もって既設管内における製管作業や裏込め材注入作業を円滑に進めることができる。
【0026】
本発明の圧送ポンプによれば、個別の配管を介して輸送された低粘度モルタルと添加剤とを、円滑に合流させることができる。
【0027】
本発明の裏込め材供給装置によれば、地上から製管機までの高低差が大きくても、低粘度モルタルと添加剤とを安定して定量輸送することができ、しかも個別の配管を介して輸送された低粘度モルタルと添加剤とを、円滑に合流させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明方法の一実施形態を模式的に示す説明図である。
【図2】図2は、本発明方法の一実施形態に用いられる帯状部材の一例を示す図であり、図2(a)は、帯状部材の接合部を接合する様子を示す断面図であり、図2(b)は、帯状部材の接合部が接合された様子を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明方法の一実施形態に用いられる帯状部材の他の例を示す図であり、図3(a)は、帯状部材の接合部が接合された様子を示す断面図であり、図3(b)は帯状部材の接合部部分を拡大して示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明方法の一実施形態に用いられる製管機の一例を示す正面図である。
【図5】図5は、本発明方法の一実施形態に用いられる裏込め材注入機におけるインラインミキサーを一部切り欠いて示す側面図である。
【図6】図6は、本発明方法の一実施形態に用いられる裏込め材注入機におけるスクリューホッパーを一部透過状態で示す側面図である。
【図7】図7は、本発明方法の一実施形態に用いられる裏込め材注入機における注入ポンプを一部透過状態で示す側面図である。
【図8】図8は、本発明方法の一実施形態に用いられる一軸偏心ねじ式ポンプを一部切り欠いて示す側面図である。
【図9】図9は、本発明方法の一実施形態に用いられる本発明の配管捌き機の一例を示す側面図である。
【図10】図10(a)は、本発明の圧送ポンプを示す斜視図であり、図10(b)は、本発明の圧送ポンプにおけるシリンダー部の一部を切り欠いて内部を示す側面図であり、図10(c)は、本発明の圧送ポンプを示す正面図である。
【図11】図11は、本発明の圧送ポンプの他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明方法の一実施形態について説明する。なお、本発明方法は、この実施形態に限定されるものではない。
【0030】
図1に、本発明方法の一実施形態を模式的に示す。
【0031】
本実施形態では、既設管200内に設置された製管機1によって、長尺の帯状部材100を螺旋状に付加形成しながら更生管130を既設管200内に施設し、同時に、既設管200の内壁と既に形成された更生管130の外壁との間の間隙に裏込め材としての高粘度モルタルを裏込め材注入機7にて順次注入する。
【0032】
この高粘度モルタルは、低粘度モルタルとこの低粘度モルタルの粘度を増加させる添加剤とを混合して得られるものであり、本実施形態において、低粘度モルタル及び添加剤は、地上から、施設終了地点以降に存する到達側立坑202内を経由させた個別の配管(低粘度モルタル用配管22、添加剤用配管23)を介して、製管機1の移動方向前方に配置された裏込め材注入機7に輸送される。
【0033】
そして、本実施形態においては、低粘度モルタルを輸送する低粘度モルタル用配管22及び添加剤を輸送する添加剤用配管23の経路中、到達側立坑202に沿って垂下する位置において一軸偏心ねじ式ポンプ5を各々組み込みこんでいるから、地上と既設管200との高低差が大きい場合であっても、各一軸偏心ねじ式ポンプ5の作動によって、低粘度モルタル及び添加剤を安定して裏込め材注入機7まで定量輸送することができる。
【0034】
又、本実施形態においては、裏込め材注入機7の移動に応じて発生する低粘度モルタル用配管22及び添加剤用配管23の余剰長さ分を、既設管200内における施設終了地点以降に順次退避させる本発明の配管捌き機6によって捌いていることから、製管が進むにつれて発生する低粘度モルタル用配管22、添加剤用配管23の余剰長さ分によって製管機1や裏込め材注入機7の移動が妨げられなくなり、もって既設管200内における製管作業や裏込め材注入作業を円滑に進めることができる。
【0035】
以下、本実施形態の詳細について説明する。
【0036】
‐既設管‐
図1に示すように、既設管200には、所定の間隔をおいて立坑(マンホール)201、202が設けられており、本実施形態においては、既設管200における発進側立坑201が連結する位置を施設開始地点とし、既設管200における到達側立坑202が連結する位置を施設終了地点としている。
【0037】
‐更生管‐
更生管130は、螺旋状に巻き回した帯状部材100を製管機1によって順次付加形成することによって製管される。製管機1による更生管130の製管作業は、施設開始地点を製管の出発点とし、既に形成された更生管130を既設管200内に残置しつつ、到達側立坑202側に向かって製管機1を移動させながら、螺旋状の帯状部材100を順次付加形成していくことによって行われる。
【0038】
‐帯状部材‐
図1に示すように、帯状部材100は、輸送ドラム24に巻き取られた状態で作業現場に用意され、この輸送ドラム24から、帯状部材100が既設管200内の製管機1に供給される。
【0039】
図2に示すように、この帯状部材100は、帯板状の基板101の長手方向に沿って複数条(本実施形態においては3本)の断面視略T字状のリブ102を備える。この帯状部材100の両側縁部には、接合凸部103と接合凹部104とが各々設けられている。又、この帯状部材100の側縁部には、接合凹部104に隣接する位置に傾斜リブ105が設けられている。この帯状部材100の接合凹部104の設けられた部分には、基板101の厚み分ほど凹ませた段落ち部106が設けられている。
【0040】
なお、この帯状部材100は、硬質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの可撓性を有する合成樹脂材料を用いて押出成形により形成することができる。
【0041】
製管機1による製管作業中、帯状部材100は、リブ102が外側面となるように螺旋状に巻回され、先行する帯状部材100の側縁部と後続する帯状部材100の側縁部とが互いに隣接する状態となる(図2(a)参照)。そして、図2(b)に示すように、先行する帯状部材100の接合凹部104に、後続する帯状部材100の接合凸部103が嵌め込まれることによって隣接する帯状部材100が相互に接合される。
【0042】
この際、先行する帯状部材100に設けられた段落ち部106に、後続する帯状部材100の基板101が重ね合わされる。又、後続する帯状部材100における接合凸部103寄りのリブ102の先端部には、先行する帯状部材100の傾斜リブ105の先端が係止される。
【0043】
この接合態様、即ち、接合凸部103と接合凹部104との嵌合、段落ち部106への基板101の重ね合わせ、及び傾斜リブ105とリブ102との係止による接合によって、帯状部材100同士の接合強度が高められる。又、更生管130としての止水性も高められる。
【0044】
なお、更生管130を形成する帯状部材100としては、図3に示すようなコネクタ120を介して接合されるようなものであってもよい。
【0045】
この帯状部材100は、基板101の長手方向に沿って複数条のリブ102を備える。帯状部材100の両側縁部には、凹形状の接合部110が、長手方向に沿って連続的に設けられている。帯状部材100を螺旋状に巻き回し、隣り合う帯状部材100の側縁部同士を隣接させると、側縁部に存する接合部110同士が突き合わされて凸形状となる。
【0046】
コネクタ120は、一対の接合凸部121を備える。一対の接合凸部121は、長手方向に沿って連続的に形成され、突き合わされた帯状部材100の接合部110、110の凸形状に対応して形成されている。
【0047】
即ち、この帯状部材100は、螺旋状に巻き回して互いに隣接させることによって生じる凸形状にコネクタ120を嵌め込むことによって相互に接合される。
【0048】
‐製管機‐
図1に示すように、本実施形態において、製管機1は、前記帯状部材100を既設管200内に連続的に引込み、螺旋状に巻き回して隣接させた帯状部材100の側縁部同士を順次接合することによって、帯状部材100が螺旋状に付加形成された更生管130を施設しながら、既設管200の管路における施設開始地点から施設終了地点に向かって移動する。
【0049】
図4に示すように、製管機1は、帯状部材100を螺旋状に案内する成形フレーム2と、成形フレーム2に回転自在に設けられた複数個の案内ローラ3と、成形フレーム2に取り付けられて、隣接する帯状部材100を互いに接合する接合機構部4とを備えている。
【0050】
成形フレーム2は、一定幅を有する複数個のリンク体21を環状に連結したものである。なお、成形フレーム2には、成形フレーム2を拡径又は縮径させるための屈折リンク22が備えられている。
【0051】
案内ローラ3は、成形フレーム2に沿って、複数個、回転自在に装着されている。成形フレーム2に設けたこれら複数個の案内ローラ3は、巻回される帯状部材100の内面に当接する。
【0052】
接合機構部4は、リンク体21に回動自在に連結された一対の連結フレーム23を介して成形フレーム2と一体化され、製管作業時には、既設管200の内周面から一定距離だけ離隔した状態で支持される。
【0053】
接合機構部4は、既設管200の内面に沿って成形フレーム2を周回移動させるように作用する駆動部41と、帯状部材100の接合部同士を嵌合させて接合する嵌合部42とを備える。
【0054】
駆動部41は、駆動部41内に備えたインナーローラと駆動部41外に露出させたアウターローラとからなる駆動部側ピンチローラ43を備えている。
【0055】
嵌合部42は、嵌合部42内に備えたインナーローラと嵌合部42外に露出させたアウターローラとからなる嵌合部側ピンチローラ44を備えている。
【0056】
本実施形態においては、接合機構部4は、駆動部側ピンチローラ43のみに駆動をかける形式を採用することによって、1周目の帯状部材100と2周目以降の帯状部材100との間に速度差を生じさせない円滑な製管作業を可能としている。
【0057】
成形フレーム2の内側には、ガイド部45が配設されている。ガイド部45は、帯状部材100の表面及び裏面にそれぞれ当接して回転する一対の規制ローラ45a、45bを有する。
【0058】
規制ローラ45a、45bの対は、一組に限らず、複数組を成形フレーム2に設けることで、帯状部材100の供給経路を規定することができる。これにより、帯状部材100に、引き込みを妨げるような力が作用するのを防止することができ、帯状部材100を駆動部側ピンチローラ43に一定の送り速度で円滑に供給することができる。その結果、帯状部材100の接合部同士を一定の速度で接合していくことができ、製管過程の途中で除々に更生管130の管径が大きくなるという巻き太り現象を防ぎ、一定寸法の管径を維持して安定的に製管することができる。
【0059】
接合機構部4の側部には、一対の支持車輪46が設けられている。支持車輪46は、駆動部側ピンチローラ43及び嵌合部側ピンチローラ44における各アウターローラよりも大径であり、その回転軸を各アウターローラの回転軸と異なる位置に備えている。
【0060】
支持車輪46は、接合機構部4の周回移動に伴って既設管200の内面に接触して回転する。また、支持車輪46は、接合機構部4を既設管200の内面側に支持するので、更生管130の製管に際して、駆動部側ピンチローラ43及び嵌合部側ピンチローラ44における各アウターローラと既設管200の内面とを接触させないように作用する。
【0061】
これにより、既設管200の内面の不陸にかかわらず、駆動に影響するような摩擦力を生じることなく、製管作業を極めてスムーズに進めることができる。
【0062】
‐裏込め材注入機‐
図1に示すように、本実施形態では、既設管200内に設置された製管機1によって、長尺の帯状部材100を螺旋状に付加形成しながら更生管130を既設管200内に施設し、同時に、既設管200の内壁と既に形成された更生管130の外壁との間の間隙に裏込め材としての高粘度モルタルを裏込め材注入機7にて順次注入する。
【0063】
裏込め材注入機7は、インラインミキサー10、スクリューホッパー9及び注入ポンプ8からなる。この裏込め材注入機7は、地上に配されたモルタルプラント17から2本の個別の配管(低粘度モルタル用配管22、添加剤用配管23)を経由して供給される低粘度モルタルと添加剤をインラインミキサー10にて合流させ、混合、攪拌することによって高粘度モルタルに調整し、この高粘度モルタルをスクリューホッパー9を介して注入ポンプ8に供給した後、既設管200の内壁と既に形成された更生管130の外壁との間の間隙に注入するものである。
【0064】
図5に示すように、インラインミキサー10は、筒状部11と、筒状部11内に配されたスクリュー部12と、スクリュー部12を回転させるモータ部13と、筒状部11の上部において横向きに開口するように配されると共に筒状部11内に連通する二股に枝分かれした供給管14と、筒状部11の下部において横向きに開口するように配されると共に筒状部11に連通する吐出管15とを具備する。
【0065】
供給管14における二股に枝分かれした一方の管14aには、低粘度モルタル用配管22の一端が接続され、もう一方の管14bには、添加剤用配管23の一端が接続される。即ち、地上から各配管22、23を介して輸送された低粘度モルタルと添加剤は、供給管14に至り、合流する。
【0066】
供給管14において合流した低粘度モルタルと添加剤は、筒状部11内に導入され、モータ部13の駆動力を受けて回転するスクリュー部12の回転によって吐出管15に導かれ、吐出管15を通過した後、スクリューホッパー9に投入される。
【0067】
図6に示すように、スクリューホッパー9は、ホッパー部91と、ホッパー部91内の下部に横向きに配されて、その一端部がホッパー部91から突出するように設けられたスクリュー部92と、このスクリュー部92を回転させるモータ部93と、ホッパー部91から突出したスクリュー部92の一端部の下部に配された吐出管94とを具備する。
【0068】
なお、このスクリューホッパー9の下部には、車輪95が備えられており、スクリューホッパー9が既設管200の管路に沿って移動可能となるように構成されている。
【0069】
インラインミキサー10からホッパー部91に投入された高粘度モルタルは、モータ部93の駆動力を受けて回転するスクリュー部92によって更に混練されながら吐出管94に導かれる。吐出管94を通過した高粘度モルタルは、注入ポンプ8に導入される。
【0070】
図7に示すように、注入ポンプ8は、中空のドラム部81と、ドラム部81内にて回転する正面視略正三角形状を有するローター部82と、ローター部82の3つの頂点において回転自在に軸支された3つの送りローラ部83と、ローター部82を回転させるモータ部84と、ドラム部81の下部においてドラム部81の接線方向に沿って配されると共にドラム部81内に連通する供給管85と、ドラム部81の上部においてドラム部81の接線方向に沿って配されると共にドラム部81内に連通する吐出管86とを具備する。
【0071】
なお、この注入ポンプ8の下部には、車輪87が備えられており、注入ポンプ8が既設管200の管路に沿って移動可能となるように構成されている。
【0072】
スクリューホッパー9の吐出管94と注入ポンプ8の供給管85は、連結されており、スクリューホッパー9から注入ポンプ8に送られる高粘度モルタルは、供給管85を通過してドラム部81内に送られる。
【0073】
モータ部84を作動させて、ローター部82を回転させると、ローター部82の3つの頂点において軸支されたローラ部83がドラム部81の内壁に略沿った状態で回転移動する。ドラム部81内に送られた高粘度モルタルは、ローラ部83の回転移動によってドラム部81の内壁に沿って周回しながらドラム部81の上部に送られ、吐出管86に導かれる。
【0074】
図1に示すように、吐出管86には、高粘度モルタル用配管21が接続されており、吐出管86を通過した高粘度モルタルは、高粘度モルタル用配管21を介して、既設管200の内壁と既に形成された更生管130との間の間隙に注入される。
【0075】
‐低粘度モルタル及び添加剤‐
本実施形態において、既設管200の内壁と更生管130の外壁の間の間隙に注入される高粘度モルタルは、低粘度モルタルとこの低粘度モルタルの粘度を増加させる添加剤とを混合することによって得られる。
【0076】
低粘度モルタル及び添加剤は、地上から、それぞれ個別の配管(低粘度モルタル用配管22及び添加剤用配管23)を介して裏込め材注入機7まで輸送される。
【0077】
低粘度モルタルのフロー値は、配管輸送を可能とすべく、200mm以上に調整することが好ましく、通常は、250〜400mm程度のフロー値に調整される。
【0078】
ここでフロー値とは、JIS R 5201に準拠して測定されたものであるが、低粘度モルタルについては、測定の際、突き固め及び落下運動を行っていない。又、高粘度モルタルについては、測定の際、落下運動を行っていない。
【0079】
低粘度モルタルとしては、少なくともセメントと水を混合し、その他、必要に応じて、骨材や混和材等を適宜配合することによって、フロー値200mm以上に調整されたものが用いられる。
【0080】
前記セメントとしては、ポルトランドセメント、混合セメント及び特殊セメント等の各種セメントから選択された少なくとも一種以上を用いればよい。
【0081】
ポルトランドセメントの例としては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント及びこれらのセメント中の全アルカリを0.6%以下に抑えた低アルカリ型のものなどを挙げることができる。
【0082】
混合セメントの例としては、ポルトランドセメントのクリンカーに適当な急冷高炉スラグやボゾラン材料を綴合して粉砕した高炉セメントやシリカセメント、及びフライアッシュセメント等を挙げることができる。
【0083】
特殊セメントの例としては、ボーキサイトにほぼ等量の石灰石を混合し、溶融焼成した後、急冷粉砕したアルミナセメントと、アルミナセメントと同じように超速硬性を有し、長期にわたって安定した強度増進を示し、高強度を期待することができる超速硬セメントを挙げることができる。
【0084】
又、前記骨材の例としては、川砂、川砂利、海砂、海砂利、山砂及び山砂利等の天然骨材、砕砂、砕石及びスラグ砕石等の人工骨材、その他軽量骨材や重量骨材或いはコンクリート屑、陶器屑、レンガ屑及び瓦屑等を粉砕してなる再生骨材等を挙げることができ、これらの骨材から選ばれた少なくとも1種以上を用いれば良い。
【0085】
更に、混和材の例としては、AE剤、減水剤、高性能AE減水剤、コンクリート分離防止剤、遅延剤、気泡剤、発泡剤、防錆剤、フライアッシュ、シリカフューム、高炉スラグ粉末及び膨張剤等を挙げることができ、必要に応じてこれらの混和剤から選ばれた少なくとも1種以上が用いられる。
【0086】
低粘度モルタルの一例としては、例えば普通ポルトランドセメント100重量部、3CaO・Al23・CaSO41.5重量部、アルミ粉0.0023重量部、ポリカルボン酸系減水剤1重量部、及び水47重量部の組み合わせが挙げられる。この配合の低粘度モルタルにおけるフロー値は330mmであった。
【0087】
添加剤としては、前記低粘度モルタルと混合されることによって粘度を増加させるものであれば特に限定されるものではないが、分散剤を利用して粘土系鉱物を水に分散したものが好適に使用される。
【0088】
粘土系鉱物の例としては、ベントナイト,メタカオリン,アタパルジャイト等の粘土系鉱物を挙げることができる。
【0089】
分散剤の例としては、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等の等の無機リン酸塩、脂肪族化合物や環式化合物のカルボン酸塩、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩等の脂肪族硫酸エステル、アルキルアリールエーテル硫酸等の環式化合物硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩等の脂肪族スルホン酸塩、アルキルアリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩等の環式化合物スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩等の脂肪族リン酸エステル塩、アルキルアリールエーテルリン酸塩等のリン酸エステル塩等を挙げることができる。
【0090】
なお、前記添加剤は低粘度モルタルと同様、フロー値200mm以上となるように調整することが好ましく、通常は、250〜400mm程度のフロー値に調整される。
【0091】
添加剤の配合例としては、例えばメタカオリン35重量部、ピロリン酸ナトリウム0.7重量部、水100重量部とした組み合わせが挙げられる。この配合の添加剤におけるフロー値は360mmであった。
【0092】
又、添加剤の別の配合例としては、アタパルジャイト40重量部、トリポリリン酸ナトリウム0.3重量部、水100重量部とした組み合わせが挙げられる。この配合の添加剤におけるフロー値は330mmであった。
【0093】
なお、低粘度モルタルと添加剤とを混合することによって、粘度が増加した後の高粘度モルタルは、既設管200の内壁と既に形成された更生管130の外壁との間の間隙に注入された際、既設管の内壁と更生管の外壁との間から漏出することがない程度の高い粘度を有する必要があり、低粘度モルタルと添加剤とを混合した際に、フロー値が200mm未満の粘度となるようにすることが好ましく、更に、105〜160mm程度となるようにすることが好ましい。
【0094】
‐一軸偏心ねじ式ポンプ‐
図1に示すように、本実施形態においては、低粘度モルタルと添加剤とを裏込め材注入機7に供給する各配管(低粘度モルタル用配管22、添加剤用配管23)の経路中、到達側立坑202に沿って垂下する位置に一軸偏心ねじ式ポンプ5が各々組み込みこまれる。
【0095】
図8に示すように、一軸偏心ねじ式ポンプ5は、中空の第一筒状部51と、第一筒状部51に横方向から連通する供給管511と、第一筒状部51下部において第一筒状部51に直列に連結された第二筒状部52と、第二筒状部52の下端に配された吐出管521と、第二筒状部52の内部に配されたステーター(一定のひねり角でねじられた断面長円形の貫通孔を有する雌ねじ部)53と、第一筒状部51の上部に配されたモータ部54と、第一筒状部51内に配されると共にモータ部54の回転軸に連結されたドライブシャフト55と、第一ユニバーサルジョイント56を介してドライブシャフト55に連結されたカップリングロッド57と、第二ユニバーサルジョイント58を介してカップリングロッド57に連結されたローター(ステーター53に沿う一定のひねり角を有する断面円形の棒状の雄ねじ部)59とを具備する。
【0096】
モータ部54を作動させて、ドライブシャフト55を回転させると、この回転運動を受けてカップリンロッド57が回転し、更に、第二筒状部52内に配されたステーター53内においてローター59が回転する。
【0097】
ステーター53とローター59との間には連続する螺旋状の空間が生じており、ローター59を回転させると、この空間がステーター53内を回転しながら往復運動をする。この結果、この空間に満たされた流動体(本実施形態においては、低粘度モルタル又は添加剤)は、無限のピストン運動によって、供給管511側から吐出管521側に向かって脈動することなく定量輸送される。
【0098】
即ち、本実施形態においては、低粘度モルタルを輸送する低粘度モルタル用配管22及び添加剤を輸送する添加剤用配管23の経路中、到達側立坑202に沿って垂下する位置において一軸偏心ねじ式ポンプ5を各々組み込みこんでいるから、地上と既設管200との高低差が大きい場合であっても、各一軸偏心ねじ式ポンプ5の作動によって、低粘度モルタル及び添加剤を安定して裏込め材注入機7まで定量輸送することができる。
【0099】
‐配管捌き機‐
図1に示すように、本実施形態に用いられる本発明の配管捌き機6は、裏込め材注入機7の移動に応じて発生する低粘度モルタル用配管22及び添加剤用配管23の余剰長さ分を、既設管200内における施設終了地点以降に順次退避させることによって捌くものである。
【0100】
図9に示すように、この配管捌き機6は、基台61と、基台61の下部に設けられた車輪62と、基台61の上部に回転自在に設けられた滑車部63とを具備する。
【0101】
なお、滑車部63には、その周縁部に上下2段の溝部64(64a、64b)が設けられている。
【0102】
この配管捌き機6は、製管開始時において、滑車部63の周囲に設けられた上下2段の溝部64(64a、64b)に低粘度モルタル用配管22及び添加剤用配管23をそれぞれ掛け回した状態で既設管200内における到達側立坑202近辺に配置される。
【0103】
製管作業中、裏込め材注入機7を製管機1の移動に応じて、到達側立坑202に向かって裏込め材注入機7を移動させると、低粘度モルタル用配管22及び添加剤用配管23に余剰長さ分が発生する。
【0104】
この際、滑車部63に低粘度モルタル用配管22及び添加剤用配管23をそれぞれ掛け回した状態の配管捌き機6を、既設管200内における施設終了地点以降に移動させれば、裏込め材注入機7の移動に応じて生じる低粘度モルタル用配管22及び添加剤用配管23の余剰長さ分を、既設管200内における施設終了地点以降に順次退避させることができる。
【0105】
−既設管の更生方法−
図1に示すように、本実施形態においては、既設管200の発進側立坑201から到達側立坑202に向けて更生管130を形成する。
【0106】
まず、更生管130の施設前の準備として、帯状部材100を巻き重ねた回転台付きの輸送ドラム24、地上送り装置16、モルタルプラント17、製管機運転ユニット18、送り装置運転ユニット19などを用意する。輸送ドラム24、地上送り装置16、及び送り装置運転ユニット19は、発進側立坑201側の地上に設置し、モルタルプラント17及び製管機運転ユニット18は到達側立坑202側の地上に設置する。
【0107】
製管機1は、分解された状態で発進側立坑201を通して既設管200内に搬入し、施設開始地点にて組み立て、設置する。製管機運転ユニット18から延ばした圧油ホースは製管機1の接合機構部4に存する油圧モータに接続する。
【0108】
又、発進側立坑201の下部には、地上から送られてきた帯状部材100を製管機1に供給するための送り装置20を設置する。送り装置運転ユニット19から延ばした圧油ホースは、送り装置20の送り機構部に存する油圧モータに接続する。
【0109】
なお、製管が進んだ際においては、更に別の送り装置20が既に形成された更生管130内に配置される。
【0110】
裏込め材注入機7も、分解された状態で発進側立坑201を通して既設管200内に搬入し、製管時における製管機1の移動方向前方において組み立て、設置する。裏込め材注入機7の運転に必要な電力は、図示しない電力供給源から供給される。
【0111】
到達側立坑202側の地上に設置された、モルタルプラント17には、低粘度モルタル用容器171及び添加剤用容器172が備えられており、低粘度モルタル用容器171には低粘度モルタルが充填され、添加剤用容器172には添加剤が充填される。
【0112】
低粘度モルタル用容器171には、低粘度モルタル用配管22の端部が接続されており、この低粘度モルタル用配管22のもう一方の端部は、既設管200内に配置された裏込め材注入機7におけるインラインミキサー10の供給管14aに接続される。
【0113】
一方、添加剤用容器172には、添加剤用配管23の端部が接続されており、この添加剤用配管23のもう一方の端部は、既設管200内に配置された裏込め材注入機7におけるインラインミキサー10の供給管14bに接続される。
【0114】
又、低粘度モルタル用配管22及び添加剤用配管23の経路中における到達側立坑202に沿って垂下する位置には、一軸偏心ねじ式ポンプ5が各々組み込まれている。
【0115】
なお、本実施形態においては、低粘度モルタル用配管22及び添加剤用配管23の経路中における到達側立坑202に沿って垂下する位置にのみ、一軸偏心ねじ式ポンプ5が各々組み込まれているが、更に、別の一軸偏心ねじ式ポンプ5を、例えば、低粘度モルタル用配管22及び添加剤用配管23の経路中におけるモルタルプラント17と到達側立坑202との間や、到達側立坑202と裏込め材注入機7との間などに補足的に組み込んでも良い。
【0116】
配管捌き機6は、分解された状態で到達側立坑202を通して既設管200内に搬入し、滑車部63の周囲に設けられた上下2段の溝部64(64a、64b)に低粘度モルタル用配管22及び添加剤用配管23をそれぞれ掛け回した状態で到達側立坑202近辺に配置される。
【0117】
このような準備作業が完了すれば、地上に配置した輸送ドラム24の内周側から帯状部材100を引き出して発進側立坑201に引き込み、地上送り装置16及び送り装置20を経て、製管機1におけるガイド部45、接合機構部4の駆動部41の駆動部側ピンチローラ43、及び嵌合部42の嵌合部側ピンチローラ44に挿通し、成形フレーム2に設けた案内ローラ3の外側に送り出す。
【0118】
次いで、案内ローラ3の外側に送り出された帯状部材100を、既設管200の内面との間に挟み込んだ状態で、製管機1を既設管200の軸心回りに回転させ、帯状部材100を成形フレーム2の周囲に数回(1〜3回)巻き回し、製管開始用の更生管130を製管する。すなわち、製管機1(接合機構部4)が周回移動することにより、先行する螺旋状の帯状部材100の接合凹部104に、後続する螺旋状の帯状部材100の接合凸部103を嵌合するとともに、互いに隣接した帯状部材100、100の傾斜リブ105と、リブ102の略T字状の先端部とを係止させて、隣接する螺旋状の帯状部材100、100を互いに接合する。
【0119】
製管開始用の更生管130の製管が完了すれば、製管機1の接合機構部4を駆動させる。これにより、接合機構部4の油圧モータが回転駆動して駆動部側ピンチローラ43を回転させ、帯状部材100を挟み込んで送り出す。また、接合機構部4は、帯状部材100に沿って、相対的にその送り出し方向とは逆方向に周回移動(公転)する。
【0120】
この際、駆動部側ピンチローラ43の回転によって周回移動する成形フレーム2と案内ローラ3…3に沿って、製管開始用の更生管130に隣接するように相対的に送り込まれる形となる帯状部材100は、接合凸部103を製管開始用の更生管130の帯状部材100の接合凹部104に嵌入させるとともに、リブ102と傾斜リブ105とを係合させて、隣接する螺旋状の帯状部材100の接合部を相互に接合して更生管130を製管する。
【0121】
このとき、駆動部側ピンチローラ43と嵌合部側ピンチローラ44の各アウターローラは、既設管200の内周面から一定距離隔てた位置に支持されて周回移動する。即ち、既設管200の内周面に接触するように、その固定位置を調整された支持車輪46は、既設管200の内周面を転動する際、駆動部側ピンチローラ43と嵌合部側ピンチローラ44の各アウターローラを既設管200の内周面から設定距離浮上した状態に支持する。又、接合機構部4は、連結フレーム23によって成形フレーム2と一体化されて、既設管200の内周面から一定距離離隔した状態に支持される。
【0122】
これにより、製管動作中に既設管200の内面に障害物や凹凸部等があっても、その影響を受けることなく駆動部側ピンチローラ43と嵌合部側ピンチローラ44の円滑な回転が維持され、一定の速度を保持しつつ周回移動を継続させることができ、駆動部側ピンチローラ43と嵌合部側ピンチローラ44に過度の負荷をかけることなく製管作業を進めることができる。
【0123】
接合機構部4は、先行する螺旋状の帯状部材100に後続する螺旋状の帯状部材100を接合して更生管130を製管しつつ既設管200の内周面に沿って周回移動する。つまり、製管機1は、帯状部材100を更生管130に製管し、その際、既設管200の内周面に沿って移動(公転)するとともに、到達側マンホール202に向けて既設管200の軸心方向に移動する。
【0124】
このようにして、既に形成された更生管130は回転することなく既設管200内に残置され、到達側立坑202側に向かって螺旋状の帯状部材100が順次付加形成されていく。
【0125】
更生管130の製管作業が遂行されている間、裏込め材注入機7は、既設管200の内壁面と既に形成された更生管130との間の間隙に高粘度モルタルを注入する。
【0126】
高粘度モルタルは、地上に配されたモルタルプラント17から2本の個別の配管を経由して供給される低粘度モルタルと低粘度モルタルの粘度を向上させる添加剤とをインラインミキサー10にて混合することによって得られる。
【0127】
本実施形態においては、低粘度モルタルを輸送する低粘度モルタル用配管22及び添加剤を輸送する添加剤用配管23の経路中、到達側立坑202に沿って垂下する位置において一軸偏心ねじ式ポンプ5を各々組み込みこんでいるから、地上と既設管200との高低差が大きい場合であっても、各一軸偏心ねじ式ポンプ5の作動によって、低粘度モルタル及び添加剤を安定して裏込め材注入機7まで定量輸送することができる。
【0128】
裏込め材注入機7は、まず、地上に配されたモルタルプラント17から2本の個別の配管を経由して供給される低粘度モルタルと低粘度モルタルの粘度を向上させる添加剤とをインラインミキサー10にて混合して高粘度モルタルとする。得られた高粘度モルタルは、スクリューホッパー9を介して注入ポンプ8に定量供給された後、注入ポンプ8に接続された高粘度モルタル用配管21を経由して、既設管200の内壁と既に形成された更生管130の外壁との間に注入される。
【0129】
製管作業中、裏込め材注入機7は、製管機1の移動に応じて、到達側立坑202に向かって移動される。裏込め材注入機7の移動によって、低粘度モルタル用配管22及び添加剤用配管23には、余剰長さ分が発生する。
【0130】
この際、滑車部63に低粘度モルタル用配管22及び添加剤用配管23をそれぞれ掛け回した状態の配管捌き機6を、既設管200内における施設終了地点以降に移動させれば、裏込め材注入機7の移動に応じて生じる低粘度モルタル用配管22及び添加剤用配管23の余剰長さ分を、既設管200内における施設終了地点以降に順次退避させることができる。
【0131】
既設管200における更生管130の施設対象領域(更生領域)の全長にわたって更生管130の製管及び裏込め材の注入が終了すれば、更生管130の管端部の帯状部材100を切断し、次いで、製管機1、裏込め材注入機7、配管捌き機6及び送り装置20等を分解し撤去する。
【0132】
ところで、本実施形態においては、個別の配管(低粘度モルタル用配管22及び添加剤用配管23)を経由して供給される低粘度モルタルと添加剤を、図5に示すインラインミキサー10にて合流させているが、前記インラインミキサー10は、筒状部11内に連通する二股に枝分かれした供給管14にて、低粘度モルタルと添加剤とを合流させるため、前記一軸偏心ポンプ5にて圧送される低粘度モルタルと添加剤との供給圧が異なる場合、供給圧の低い方の管に逆流が生じる場合がある。この逆流は、一般的に供給圧が低く設定される添加剤を供給する管側に向かって生じる場合が多い。そのため、本実施形態においては、前記インラインミキサー10に代えて、図10に示す本発明の圧送ポンプ30を用い、添加剤を、回転式の圧送ポンプ30内に存する螺旋状の案内路36に導入し、前記案内路36を介して下流側に送り出す一方で、低粘度モルタルを、添加剤より前記案内路36の下流側に導入し、前記案内路36を介して下流側に送り出すことによって、添加剤を前記案内路36に導入する位置より、前記案内路36の送り出し方向の下流側において、添加剤と低粘度モルタルとを合流させることが好ましい。
【0133】
この圧送ポンプ30は、シリンダー部31と、前記シリンダー部31内に配されたローター部32とを具備するスクリューコンベア式のものである(図10(a)参照)。
【0134】
前記シリンダー部31は、中空円筒状の筒体であり、個別の配管(低粘度モルタル用配管22及び添加剤用配管23)を経由して導入された低粘度モルタルと添加剤とを筒体内で合流し、混合させるためのである。前記シリンダー部31には、低粘度モルタルを導入するための低粘度モルタル導入口34と、添加剤を導入するための添加剤導入口35と、前記シリンダー部31内において合流、混合された低粘度モルタルと添加剤との混合物(高粘度モルタル)を排出するための排出口33とが備えられている。
【0135】
前記ローター部32は、回転軸322の周りに螺旋状の回転羽321が設けられた形状を有してなり、前記シリンダー部31の軸心に沿って配された回転軸322を回転させるモータMを駆動させることによって回転する。図10(b)に示すように、このローター部32は、前記シリンダー部31内に螺旋状の案内路36を形成する。前記シリンダー部31内に導入された低粘度モルタルと添加剤とは、回転するローター部32によって、前記案内路36を介して、前記シリンダー部31の軸心方向に押し出される。
【0136】
前記低粘度モルタル導入口34は、中空のパイプ体からなり、前記シリンダー部31の壁面を通じて前記シリンダー部31内と連通されている。この低粘度モルタル導入口34は、前記低粘度モルタル用配管22に連結されて、係る低粘度モルタル用配管22を介して輸送されてきた低粘度モルタルを前記案内路36の上流側に導入する役割を担う。図10(c)に示すように、本実施形態において、前記低粘度モルタル導入口34は、前記ローター部32の回転方向に向かって、前記シリンダー部31内壁の接線方向から低粘度モルタルを導入し得る様に、方向付けされた状態で、前記シリンダー部31の壁面を通じて前記シリンダー部31内と連通されている。
【0137】
前記添加剤導入口35は、中空のパイプ体からなり、前記シリンダー部31の壁面を通じて前記シリンダー部31内と連通されている。この添加剤導入口35は、添加剤用配管23に連結されて、係る添加剤用配管23を経由して供給される添加剤を前記案内路36の上流側に導入する役割を担う。図10(c)に示すように、本実施形態において、前記添加剤導入口35は、前記ローター部32の回転方向に向かって、前記シリンダー部31内壁の接線方向から添加剤を導入し得る様に、方向付けされた状態で、前記シリンダー部31の壁面を通じて前記シリンダー部31内と連通されている。
【0138】
又、前記低粘度モルタル導入口34及び前記添加剤導入口35は、前記シリンダー部31の外周に沿って位相差(約110℃)を設けた状態で配置されている。前記低粘度モルタル導入口34と、前記添加剤導入口35との中心間距離は、前記シリンダー部31の軸心に双方向について、前記案内路36における螺旋ピッチ(この場合、ローター部32における回転羽321の螺旋ピッチ)一間隔分以内となされている。
【0139】
前記排出口33は、中空のパイプ体からなり、前記シリンダー部31の壁面を通じて前記シリンダー部31内と連通されている。この排出口33は、前記シリンダー部31内にて合流され、前記案内路36の下流側に移動させられた低粘度モルタルと添加剤との混合物(高粘度モルタル)を、前記シリンダー部31内から排出させて、前記スクリューホッパー9のホッパー部91に投入する役割を担う。
【0140】
係る構成を有する圧送ポンプ30における前記シリンダー部31内に、低粘度モルタルと添加剤とを導入すると、前記添加剤導入口35を介して導入された添加剤は、回転する前記ローター部32によって、前記案内路36を介して前記排出口33に向かって送り出される。一方、低粘度モルタルは、前記添加剤導入口35より前記案内路36の下流側に配された前記低粘度モルタル導入口34を介して導入さる。
【0141】
即ち、添加剤は、前記シリンダー部31内に導入されると同時に低粘度モルタルと合流させられるのではなく、前記シリンダー部31内に導入された後、回転するローター部32によって、単独で前記案内路36を介して下流側に一定距離送り出され、前記低粘度モルタル導入口34を介して導入された低粘度モルタルと合流させられる。
【0142】
これより、合流された低粘度モルタルと添加剤とが前記添加剤用配管23に向かって逆流し、前記添加剤導入口35や前記添加剤用配管23が閉塞することを好適に防止することができる。
【0143】
なお、本実施形態において用いられる低粘度モルタルと添加剤とが、互いに親和性が良好で、互いに接触した後、速やかに混ざり合う性質を有するのであれば、前記シリンダー部31内に導入された添加剤が低粘度モルタルと合流するに至るまでのタイムラグ、言い換えれば、前記添加剤導入口35から導入された添加剤が、単独で前記案内路36を移動する距離は、特に限定されるものではない。従って、用いられる低粘度モルタルと添加剤との親和性が良好な場合は、図11に示す本発明の圧送ポンプのように、添加剤導入口35、低粘度モルタル導入口34の順に前記シリンダー部31の軸心方向に沿って、一定の間隔を開けて横並びに配置し、前記案内路36の上流側に低粘度モルタルを導入する一方で、添加剤を低粘度モルタルの導入位置より更に前記案内路36の上流側に導入しても良い。
【0144】
但し、用いられる低粘度モルタルと添加剤との親和性が余り良好でない場合に、添加剤が単独で案内路36を移動させられる距離を長くとると、所望の比率で低粘度モルタルと添加剤とを合流させることができなくなったり、所望の比率で低粘度モルタルと添加剤とが合流し得る定常状態に至るまでに要する時間が長くなったりする。
【0145】
この場合は、図10に示す本発明の圧送ポンプ1のように、低粘度モルタル導入口34と添加剤導入口35とを近接させて、添加剤が単独で案内路36を移動する距離ができるだけ短くなるように、各導入口34、35をシリンダー部31の外周に沿って位相差を設けた状態で配置し、各導入口34、35の中心間距離を、前記シリンダー部31の軸心に沿う方向について、前記案内路における螺旋ピッチ一間隔分以内とすることが好ましい。なお、各導入口34、35の位相差は、180度以内とすることが好ましく、更に120度以内(90±30度の範囲内)とすることがより好ましい。
【0146】
ところで、本実施形態においては、低粘度モルタル導入口34及び添加剤導入口35からシリンダー部31内に導入された低粘度モルタル及び添加剤が速やかに案内路36に導入されて合流し得るように、低粘度モルタル及び添加剤を前記シリンダー部31内壁の接線方向から導入しているが、例えば、用いられる低粘度モルタルと添加剤との親和性が良い場合にあっては、低粘度モルタルと添加剤とは必ずしも接線方向から導入する必要はない。
【0147】
又、本実施形態においては、前記圧送ポンプ1として、スクリューコンベア式のものを用いているが、前記圧送ポンプ1としては、この形式のものに限られず、例えば、一軸偏心ネジ式のものを用いても良い。
【0148】
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明は、老朽化した下水道管、上水道管、農業用水管、ガス管などを更生する際に、好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0150】
1 製管機
2 成形フレーム
3 案内ローラ
4 接合機構部
5 一軸偏心ねじ式ポンプ
6 配管捌き機
7 裏込め材注入機
8 注入ポンプ
9 スクリューホッパー
10 インラインミキサー
16 地上送り装置
17 モルタルプラント
18 製管機運転ユニット
19 送り装置運転ユニット
20 送り装置
21 高粘度モルタル用配管
22 低粘度モルタル用配管
23 添加剤用配管
24 輸送ドラム
30 圧送ポンプ
31 シリンダー部
32 ローター部
33 排出口
34 低粘度モルタル導入口
35 添加剤導入口
36 案内路
100 帯状部材
130 更生管
200 既設管
201 発進側立坑
202 到達側立坑

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の帯状部材を既設管内に連続的に引込み、螺旋状に巻き回して隣接させた帯状部材の側縁部同士を順次接合する製管機を既設管の管路における施設開始地点から施設終了地点に向かって移動させながら、帯状部材が螺旋状に付加形成された更生管を施設する更生管施設工程と、
低粘度モルタルとこの低粘度モルタルの粘度を増加させる添加剤とを、地上から、施設終了地点以降に存する立坑内を経由させた個別の配管を介して、製管機の移動方向前方に配置された裏込め材注入機に輸送する輸送工程と、
裏込め材注入機に輸送された低粘度モルタルと添加剤とを合流させ、混合することによって高粘度モルタルを作成する混合工程と、
製管機の移動に応じて裏込め材注入機を施設終了地点に向かって移動させながら、既設管の内壁と既に形成された更生管の外壁との間の間隙に高粘度モルタルを順次注入する注入工程と、
を実行する既設管の更生方法であって、
前記輸送工程では、
低粘度モルタルと添加剤とを裏込め材注入機に供給する各配管の経路中、立坑に沿って垂下する位置において一軸偏心ねじ式ポンプを各々組み込み、
各一軸偏心ねじ式ポンプをそれぞれ作動させることによって低粘度モルタルと添加剤とを裏込め材注入機に輸送することを特徴とする既設管の更生方法。
【請求項2】
請求項1に記載の既設管の更生方法において、
裏込め材注入機の移動に応じて発生する低粘度モルタル用配管及び添加剤用配管の余剰長さ分を、既設管内における施設終了地点以降に順次退避させる配管捌き機によって捌く既設管の更生方法。
【請求項3】
請求項2に記載の既設管の更生方法において用いられる配管捌き機であって、
この配管捌き機は、
基台と、
配管捌き機の既設管に沿う方向への移動を可能とする基台下部に設けられた車輪と、
基台上部に回転自在に設けられた滑車部とを具備し、
配管捌き機における滑車部の周囲に低粘度モルタル用配管及び添加剤用配管をそれぞれ掛けた状態で、配管捌き機を既設管内における施設終了地点以降に移動させることによって、裏込め材注入機の移動に応じて生じる低粘度モルタル用配管及び添加剤用配管の余剰長さ分を、既設管内における施設終了地点以降に順次退避させるものである配管捌き機。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の既設管の更生方法において、
前記混合工程では、
添加剤を、回転式の圧送ポンプ内に存する螺旋状の案内路に導入し、前記案内路を介して下流側に送り出す一方で、
低粘度モルタルを、添加剤より前記案内路の下流側に導入し、前記案内路を介して下流側に送り出すことによって、
添加剤を前記案内路に導入する位置より、前記案内路の送り出し方向の下流側において、添加剤と低粘度モルタルとを合流させる既設管の更生方法。
【請求項5】
個別の配管を介して輸送された低粘度モルタルと添加剤とを合流させるための圧送ポンプであって、
低粘度モルタルを導入するための低粘度モルタル導入口と、添加剤を導入するための添加剤導入口と、低粘度モルタルと添加剤との混合物を排出するための排出口とが備えられたシリンダー部と、
前記シリンダー部内に配されて螺旋状の案内路を形成し、回転することによって、前記シリンダー部内に導入された低粘度モルタルと添加剤とを、前記案内路を介して前記排出口に向かって送り出すローター部と、
を具備し、
前記添加剤導入口の位置が、前記低粘度モルタル導入口の位置より、前記案内路の送り出し方向の上流側となされたことを特徴とする圧送ポンプ。
【請求項6】
請求項5に記載の圧送ポンプにおいて、
前記低粘度モルタル導入口は、前記ローター部の回転方向に向かって、シリンダー部内壁の接線方向から低粘度モルタルを導入するものであり、
前記添加剤導入口は、前記ローター部の回転方向に向かって、シリンダー部内壁の接線方向から添加剤を導入するものである圧送ポンプ。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の圧送ポンプにおいて、
前記低粘度モルタル導入口と前記添加剤導入口とが、前記シリンダー部の外周に沿って位相差を設けた状態で配置されてなり、
前記添加剤導入口と前記低粘度モルタル導入口との中心間距離が、前記シリンダー部の軸心に沿う方向について、前記案内路における螺旋ピッチ一間隔分以内となされた圧送ポンプ。
【請求項8】
請求項7に記載の圧送ポンプにおいて、
前記位相差が、180度以内となされた圧送ポンプ。
【請求項9】
低粘度モルタルと添加剤とを立坑を介して既設管内に輸送し、既設管内に配された裏込め材注入機にて合流させ、混合するための裏込め材供給装置であって、
低粘度モルタルと添加剤とを前記裏込め材注入機に供給する各配管の経路中、立坑に沿って垂下する位置において各々組み込まれた一軸偏心ねじ式ポンプと、
前記裏込め材注入機に備えられた請求項5〜8のいずれか1項に記載の圧送ポンプと、
を具備することを特徴とする裏込め材供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−16946(P2012−16946A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128953(P2011−128953)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】