説明

昇降式リクライニング座椅子

【課題】座シートの降下中の不都合の発生を防止した昇降式座椅子を提供する。
【解決手段】座シートの下側に、座シートの降下中における物体との接触を検知する検知手段を設けたことにより、降下中の物体との接触を検知したときに座シートの降下停止や上昇を行うことができ、その結果、座シートの降下中の不都合の発生を防止した昇降式座椅子の提供を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高齢者、虚弱体質の人、足の不自由な人であって、かつ手の不自由な人が座シートの昇降及びバックレストの起倒操作を行うことができる昇降式リクライニング座椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
図22は本発明の前提となった座椅子用昇降台の概念図である。
同図に示す座椅子用昇降台1は、座椅子載置台2の中央下部に、幅方向に貫通する2本の回転軸4、5を水平方向に平行して設け、2本の回転軸4、5の座椅子載置台2の両側に突出した部分に夫々揺動支持脚6、7の上部を固着し、揺動支持脚6、7の上部に夫々歯車11、12を固着すると共に同一側の歯車11、12同士噛合させ、更に揺動支持脚6、7のいずれか一方の上端部に押圧作動片10を設け、押圧作動片10を座椅子載置台2に上下方向揺動可能に取り付けたシリンダー13のピストンロッド13aの先端に起倒自在に連結し、ピストンロッド13aの押出と退入とを介して同一側の揺動支持脚6、7同士を開閉方向に作動させるようにしたものである。
図中、2aは底板、2bは側壁、2cは支持板、3はアームレスト、8、9は車輪、14は支承板、15は軸、16は連結ピン、17は座椅子をそれぞれ示す。
【特許文献1】特許第3741690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来技術では、手の不自由な人が操作をすることができない。
【0004】
そこで、本発明の目的は、手の不自由な人が操作することができる昇降式リクライニング座椅子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、座シートを支持する矩形平面形状のフレームの左右両側面の後端に、上下二つのジョイントがそれぞれ配置され各ジョイントにそれぞれ連結される3つのリンクで四節回転機構をそれぞれ形成し、両四節回転機構のリンクのうちの最下端となりえるジョイントに連結するリンクから下側にそれぞれ延長させた脚部にそれぞれ車輪を設け、前記フレーム内に前後方向に移動可能な梁部材を設け、前記両四節回転機構のリンクのうちの前記フレームのジョイントに連結された下側のリンクと前記梁部材との間を、ジョイント及びリンクで連結し、移動機構により前記梁部材を前後方向に移動させることにより前記座シートを昇降させるようにした昇降式リクライニング座椅子であって、前記フレームに設けられ起倒機構により起倒自在なバックレストと、前記バックレストの上端に設けられたヘッドレストと、前記バックレストの上端に設けられ、使用者の口により前記フレームの昇降操作及び前記バックレストの起倒操作を行うための操作手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項1記載の発明によれば、座シートに座った状態の使用者が口で操作手段を操作することにより、座シートを上昇させたり、下降させたり、バックレストを起こしたり、倒したりすることができる。従って、手の不自由な人が操作することができる昇降式リクライニング座椅子を提供することができる。
【0007】
請求項2記載の発明は、座シートを支持する矩形平面形状のフレームと、前記フレーム内に設けられ案内部材により前後方向に摺動自在な梁部材と、前記フレームの一方の側面後端に配置された第1のジョイントと、前記フレームの前記第1のジョイントより所定の距離だけ上方に配置され前記第1のジョイントとの間を第1のリンクとする第2のジョイントと、上端が前記第2のジョイントに連結された第2のリンクと、上端が前記第2のリンクの下端と第3のジョイントで連結された第3のリンクと、下端が前記第3のリンクの下端と第4のジョイントで連結され上端が前記第1のジョイントで連結された第4のリンクと、前記梁部材の前記第4のリンクに近い方の端部に配置された第5のジョイントと、一端が前記第5のジョイントに連結された第5のリンクと、前記第4のリンクの上端側に配置され前記第5のリンクの他端に連結された第6のジョイントと、前記第4のリンクから前記第4のジョイント側に延長され下端に車輪を有する第1の脚部と、前記第3のリンクから前記第4のジョイント側に所定の角度で延長され下端に車輪を有する第2の脚部と、前記フレームの他方の側面後端に配置された第7のジョイントと、前記フレームの前記第7のジョイントより所定の距離だけ上方に配置され前記第7のジョイントとの間を第8のリンクとする第8のジョイントと、上端が前記第8のジョイントに連結された第7のリンクと、上端が前記第7のリンクの下端と第9のジョイントで連結された第8のリンクと、下端が前記第8のリンクの下端と第10のジョイントで連結され上端が前記第7のジョイントで連結された第9のリンクと、前記梁部材の前記第9のリンクに近い方の端部に配置された第11のジョイントと、一端が前記第11のジョイントに連結された第10のリンクと、前記第9のリンクの上端側に配置され前記第10のリンクの他端に連結された第12のジョイントと、前記第9のリンクから前記第10のジョイント側に延長され下端に車輪を有する第3の脚部と、前記第8のリンクから前記第10のジョイント側に所定の角度で延長され下端に車輪を有する第4の脚部と、前記フレーム内に設けられ、前記梁部材を前後方向に移動させることにより前記座シートを昇降させる移動機構とを備えた昇降式リクライニング座椅子であって、前記フレームに設けられ起倒機構により起倒自在なバックレストと、前記バックレストの上端に設けられたヘッドレストと、前記ヘッドレストに設けられ、使用者の口により前記フレームの昇降操作及び前記バックレストの起倒操作を行うための操作手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、座シートに座った状態の使用者が口で操作手段を操作することにより、座シートを上昇させたり、下降させたり、バックレストを起こしたり、倒したりすることができる。従って、手の不自由な人が操作することができる昇降式リクライニング座椅子を提供することができる。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記起倒機構は、前記フレームの上面後端中央に設けられた第1の軸受け用台座と、前記フレームの上面後端の左右両側に所定の距離前方上側に設けられ前記バックレストの下端と連結する複数の第2の軸受け用台座と、前記バックレストの背面側上端中央に設けられた第3の軸受け用台座と、両端が前記第1の軸受け用台座及び前記第3の軸受け用台座に連結され、伸縮することにより前記バックレストを起倒する伸縮機構とを備え、前記操作手段は、一端が前記バックレストの上端の前記ヘッドレストの近傍に設けられ前記使用者の口の近傍まで延出した少なくとも一つのアームと、前記アームの他端に設けられ、前記使用者の口により前記フレームの昇降操作及び前記バックレストの起倒操作を行うためのジョイスティックとを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、起倒機構は、フレームの上面後端中央に設けられた第1の軸受け用台座と、フレームの上面後端の左右両側に所定の距離前方上側に設けられバックレストの下端と連結する第2の軸受け用台座と、バックレストの背面側上端中央に設けられた第3の軸受け用台座と、両端が第1の軸受け用台座及び第3の軸受け用台座に連結され、伸縮することによりバックレストを起倒する伸縮機構とを備え、操作手段は、一端がバックレストの上端のヘッドレストの近傍に設けられ使用者の口の近傍まで延出した少なくとも一つのアームと、アームの他端に設けられ、使用者の口によりフレームの昇降操作及びバックレストの起倒操作を行うためのジョイスティックとを備えた、1本のジョイスティックを使用者の口で十字方向に操作することにより、座シートを上昇させたり、下降させたり、バックレストを起こしたり、倒したりすることができる。従って、手の不自由な人が操作することができる昇降式リクライニング座椅子を提供することができる。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の発明において、一端が前記バックレストの上端の左右両端に設けられ前記使用者の口の近傍まで延出した一対のアームと、前記一方のアームの他端に設けられ、前記使用者の口により前記フレームの昇降操作を行うための短軸操作型のジョイスティックと、前記他方のアームの他端に設けられ、前記使用者の口により前記フバックレストの起倒操作を行うための他の短軸操作型のジョイスティックとを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、一端がバックレストの上端の左右両端に設けられ使用者の口の近傍まで延出した一対のアームと、一方のアームの他端に設けられ、使用者の口によりフレームの昇降操作を行うための短軸操作型のジョイスティックと、他方のアームの他端に設けられ、使用者の口によりフバックレストの起倒操作を行うための他の短軸操作型のジョイスティックとを備えたことにより、一方のジョイスティックで座シートの昇降操作を行い、他方のジョイスティックでバックレストの起倒操作を行うことができる。従って、手の不自由な人が操作することができる昇降式リクライニング座椅子を提供することができる。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の発明において、一端が前記バックレストの上端に設けられ前記使用者の口の近傍まで延出した一つのアームと、前記アームの他端に設けられ、前記使用者の口により前記フレームの昇降操作及び前記バックレストの起倒操作を行うための2軸操作型のジョイスティックとを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明によれば、2軸操作型のジョイスティックを用いることで使用者が顔の向き右から左もしくは左から右に変えることなく、手の不自由な使用者が一方の側を向いたまま座シートの昇降操作とバックレストの起倒操作を行うことができる。
【0015】
請求項6載の発明は、請求項4または5記載の発明において、前記アームは、可撓性材料からなっていることを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明によれば、アームは、可撓性材料からなっていることにより、介助者が手の不自由な使用者の口の位置に個人差に合わせてジョイスティックの位置調整を行うことができる。また、運搬するためにバックレストを折りたたもうとするときにヘッドレストと座シートとの間から回避させることにより、ヘッドレストを座シートに合わせることができる。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項5または6記載の発明において、前記アームは、一端が軸受けを介して回動自在に前記バックレストの上端に設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項7記載の発明によれば、アームは、一端が軸受けを介して回動自在にバックレストの上端に設けられていることにより、介助者が手の不自由な使用者の頭の位置から口の位置までジョイスティックを移動させることができる。また、運搬するためにバックレストを折りたたもうとするときにヘッドレストと座シートとの間から回避させることにより、ヘッドレストを座シートに合わせることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、座シートに座った状態の使用者が口で操作手段を操作することにより、座シートを上昇させたり、下降させたり、バックレストを起こしたり、倒したりすることができる。従って、手の不自由な人が操作することができる昇降式リクライニング座椅子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
尚、説明を簡単にするため、バッテリー充電器、及びACアダプタ等は省略されている。
(構成)
図1は、昇降式リクライニング座椅子の一実施の形態を示す正面図である。図2は、図1に示した昇降式リクライニング座椅子の外観斜視図である。図3は、図1の右側面図である。図4は、図3に示した昇降式リクライニング座椅子の全脚カバーを除去したときの右側面図である。図5は、図2に示した昇降式座椅子の脚カバー除去後の左側面図である。図4の左側面図である。図6は、図2に示した昇降式リクライニング座椅子から全脚カバー及び座シートを除去した外観斜視図である。但し、見やすくするためアームレストを上げてある。
【0021】
図1〜6に示す昇降式座椅子100は、ほぼ矩形平面形状でL字側面形状の金属製(例えば、アルミニウム)のフレーム122と、フレーム122上に支持された座シート101と、フレーム122の後端から前端(図4では左端から右端)にわたって延出したアーム117、517上に固定されたアームレスト118、518と、フレーム122の後端(図4では左側)に設けられたバックレスト120と、バックレスト120の上端に着脱自在に設けられたヘッドレスト121とを有する。
【0022】
バックレスト120の上端には、使用者の口により座シート(フレーム122)の昇降操作及びバックレスト120の起倒操作を行うための操作手段130−1、130−2が設けられている。
操作手段130−1は、一端(図1では左側)がバックレスト120の上端のヘッドレスト121の近傍の支持部材130−1aに設けられ使用者の口の近傍まで延出したアーム130−1bと、アーム130−1bの他端(この場合右側)に設けられ、使用者の口により座シート101の昇降操作を行うための短軸型のジョイスティック130−1cとで構成されている。ジョイスティック130−1cは、基部130−1caと、シャフト130−1cbとで構成されている。
【0023】
操作手段130−2は、一端(図1では右側)がバックレスト120の上端のヘッドレスト121の近傍の支持部材130−2aに設けられ使用者の口の近傍まで延出したアーム130−2bと、アーム130−2bの他端(この場合右側)に設けられ、使用者の口によりバックレスト120の起倒操作を行うための短軸型のジョイスティック130−2cとで構成されている。ジョイスティック130−2cは、基部130−2caと、シャフト130−2cbとで構成されている。
【0024】
ここで、シャフト130−1cb、130−2cbは、直接使用者の口内に挿入されるので、抗菌処理を施した材質もしくはテフロン(登録商標)加工された材質を用いることが好ましい。また、シャフト130−1cb、130−2caの回動方向は、使用者が加えたまま操作しやすい方向に設定されている。すなわち、使用者がシャフト130−1cbもしくはシャフト130−2caを加えたまま顎を上げたり下げたりする方向に回動するように設定されている。また、使用者がシャフト130−1cb、130−2caから口を離すと、シャフト130−1cb、130−2caは中立状態に復帰するようになっている。
【0025】
座シート101は、例えば、金属製の板状部材及びクッションをビニールカバーで覆ったものが用いられる。アーム117、517には金属(例えば、アルミニウム)が用いられ、アームレスト118、518は、例えば、木材(もしくは樹脂)が用いられる。アーム117、517はフレーム122に対して起倒自在に設けられている。
【0026】
バックレスト120及びヘッドレスト121は、図示しない金属支柱及び網目状(もしくは格子状)の枠をクッションで覆ってさらにビニールカバーで覆ったものが用いられる。
フレーム122の前端(図では右側)にはスカート部116が蝶つがい301、302を軸として起倒自在に設けられている。スカート部116は、例えば、金属製の板状部材及びクッションをビニールカバーで覆ったものが用いられる。
【0027】
昇降式座椅子100は、後述する昇降機構により図に示した最も上の位置から後述する最も下の位置まで降下させることができるようになっている。
尚、201、202はビニールなどの樹脂からなる脚カバーであり、203、204は脚部間に橋渡しされた金属製(例えば、アルミニウム)の補強板である。
【0028】
次に図4及び図7を参照して昇降式リクライニング座椅子の昇降機構について説明する。
図7は、図6に示した昇降式座椅子のフレームの部分拡大図である。
図4に示すフレーム122の一方の側面(図4に示す面)122Rの後端(図4では左端)122Bに第1のジョイント(軸及び軸受け)109が設けられている。フレーム122の一方の側面122Rのジョイント109から所定の位置だけ上方(例えば、フレーム122の前後方向の長さL1の約5分の1の距離で角度θ1「約10度」前方の位置)に第2のジョイント110が設けられている。これら両ジョイント109、110の間には波線で示す第1のリンク104が形成される。
【0029】
ジョイント110には第2のリンクとしての所定の長さ(フレーム122の前後方向の長さL1の約8分の5)のロッド105の一端(図4では上端)が連結されている。ジョイント109には第4のリンクとしての所定の長さ(フレーム122の前後方向の長さL1の約8分の5)の板状部材107の一端(図4では上端)が連結されている。ロッド105の他端(この場合下端)は、第3のリンク106としての板状部材(例えば、第1のリンク104の長さの約2分の1)106aの一端(図4では上端)に第3のジョイント103で連結されている。板状部材106と板状部材107とは第4のジョイント102で連結されている。
これらジョイント109、リンク104、ジョイント110、ロッド105、ジョイント103、板状部材106、ジョイント102、及び板状部材107で四節回転機構が構成されている。
【0030】
板状部材107からジョイント102側に長さがほぼ板状部材107の長さの第1の脚部125が延長されており、端部(図4では下端)に車輪(前輪)113が設けられている。
板状部材106aからジョイント102側に長さがほぼ座シート101の前後方向の長さの第2の脚部114が所定の角度θ2(例えば、約60度)で延長されており、端部(図4では下端)に車輪(後輪)115が設けられている。尚、リンク106と脚部114とは一体となっており、S字形状に形成されているがこれに限定されるものではない。
【0031】
フレーム122内には左右方向(図4では紙面に垂直な方向)に梁部材124が前後方向(図4では左右方向)に摺動自在に設けられている。梁部材124の一方の端部(この場合紙面に示されている端部)には第5のリンクとしてのアーム(例えば、フレーム122の前後方向の長さの約2分の1)108の一端(図4では右端)が第5のジョイント111で連結されている。板状部材107のジョイント109とジョイント102との間でジョイント109から両ジョイント102、109間の長さの約3分の1の位置に板状部材107に対して下側に垂直な方向に突起部123が形成されている。突起部123の長さは、例えば、両ジョイント102、109間の長さの約3分の1である。突起部123の端部とアーム108の他端(この場合左端)とは第6のジョイント112で連結されている。
【0032】
これら、第4のジョイント102、第3のジョイント103、第1のリンク104、第2のリンク(ロッド)105、第3のリンク106を含む板状部材106a、第4のリンク(板状部材)107、 第5のリンク(アーム)108、第1のジョイント109、第2のジョイント110、第5のジョイント111、第6のジョイント112、第2の脚部114、及び第1の脚部125で昇降機構が構成されている。
また、ジョイント111、アーム108、ジョイント112、及びジョイント109とジョイント112との間の仮想的なリンクとで倍力機構が構成されている。
尚、図中119は、アーム117を起倒させるための軸である。
【0033】
図5は、図2に示した昇降式座椅子の脚カバー除去後の左側面図である。
図5に示す昇降式座椅子100の各部材は図4に示した昇降式座椅子100の各部材と同様の構成であるため、対応関係のみ説明する。
すなわち、509は第8のジョイントであり、第1のジョイント109に対応する。504は第6のリンクであり、第1のリンク104に対応する。ロッド505は第7のリンクであり、第2のロッド105に対応する。503は第9のジョイントであり、第3のジョイント103に対応する。506aは第8のリンク506を含み、第3のリンク106を含む板状部材106aに対応する。502は第10のジョイントであり、第4のジョイント102に対応する。507は第9のリンクであり、第4のリンクである板状部材107に対応する。512は第3の脚部であり、第1の脚部125に対応する。514は第4の脚部であり、第2の脚部114に対応する。511は第11のジョイントであり、第5のジョイント111に対応する。508は第10のリンクであり、第5のリンクであるアーム108に対応する。512は第12のジョイントであり、第6のジョイント112に対応する。突起部523は、突起部123に対応する。車輪513は、車輪113に対応し、車輪515は、車輪115に対応する。軸519は軸119に対応する。
【0034】
図6及び図7において、フレーム122内には2本の案内ロッド605、606が前端122Fから後端122Bにわたって前後方向(図6では左右方向)に沿ってフレーム122の両側板122R、122Lの近傍に配置されている。前述の梁部材124には二つの貫通孔701、702が形成されている。両貫通孔701、702を案内ロッド605、606が貫通しており、梁部材124が案内ロッド605、606に沿って摺動自在に配置されている。
【0035】
フレーム122内の後端122B側にはモーター601が固定され、モーター601の出力軸にはボールスクリューを含むギヤ部602が接続されている。ギヤ部602はシリンダー603に接続されている。シリンダー603のピストンロッド607の先端部607aは梁部材124に固定されている。これらモーター601と、ギヤ部602と、シリンダー603とで移動機構が構成されている(例えば、HIWIN社製リニアアクチュエータLAM−1)。尚、リニアアクチュエータの代わりにモーター、エアコンプレッサ及びエアシリンダを用いて空気圧によるピストンロッド607の駆動を行ってもよく、油圧によるピストンロッド607の駆動を行ってもよい)。
【0036】
フレーム122の後端122B側には図示しないバッテリー(例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、もしくは鉛蓄電池)が搭載されており、操作手段130−1、130−2の操作によりモーター601や後述するモーター161に直流電圧が印加されるようになっている。さらにバッテリーは図示しない接続ケーブルにより充電器に接続されて充電されるようになっている。
【0037】
モーター601には例えば、直流モーターが用いられており回転方向を切り換えることにより、モーター601の回転方向を切り換え、シリンダー603内のピストンロッド607の押出、退入を行うようになっている。このピストンロッド607の押出、退入によって梁部材124がフレーム122内を前後方向(図7では左右方向)に移動する。エアシリンダ603にはリミットスイッチ(例えば、マイクロスイッチ)が設けられており、ピストンロッド607の位置が前死点もしくは後死点に位置したか否かを判断し、図示しないシーケンサに情報を送り、フレーム122が最も上の位置もしくは最も下の位置で停止できるようになっている。
【0038】
梁部材124の前端124aのほぼ中央にはロッド614の一端(図6、7では左端)が固定されている。ロッド614は案内ロッド605、606と平行になるように固定されており、他端(この場合右端)はフレーム122の前端122Fに形成された貫通孔703を貫通するようになっている。ロッド614の長さは、昇降式座椅子100のフレーム122が最も上に位置したときに先端部614aがフレーム122の前端122Fの面とほぼ一致するような長さになっている。
【0039】
梁部材124とフレーム122の後端122Bとの間にはスプリング609、610が設けられており、梁部材124を後端122B側(図6、7では左側)に付勢するようになっている。また、案内ロッド605、606及びロッド614にはロッド614の長さのほぼ3分の2の長さのスプリング611、612、613が摺動自在に巻き付けられている。これらのスプリング611〜613は梁部材124がフレーム122の前端122F側に移動したときに接触して圧縮されると梁部材124を後端122B側に付勢するようになっている。
これらのスプリング611〜613はフレーム122を使用者ごと上昇させるのに必要なエネルギーを補助することにより、モーター601の負担を軽減させるためである。
【0040】
次に図12〜16を参照して昇降式リクライニング座椅子の起倒機構(リクライニング機構)について説明する。
図12は、図1に示した昇降式リクライニング座椅子のバックレストからカバーを除去したときの部分背面図である。図13は、図12に示した昇降式リクライニング座椅子を斜め後から見たときの部分外観斜視図である。図14は、図12に示した第1の軸受け用台座近傍の部分拡大図である。図15は、図12に示した第2の軸受け用台座近傍の部分拡大図である。図16は、図12に示した第3の軸受け用台座近傍の部分拡大図である。但し、図12、13、15においてはアーム117、517は省略してある。
【0041】
図12、13において、起倒機構は、フレーム122の上面後端中央に設けられた第1の軸受け用台座131と、フレーム122の上面後端の左右両側に所定の距離前方上側の位置(例えば、フレーム122の前後方向の長さL1の約9分の1で俯角45度の位置)に設けられバックレスト120(図4参照)の下端と連結する一対の第2の軸受け用台座132(133)と、バックレスト120の背面側(使用者とは反対側)上端中央に設けられた第3の軸受け用台座134と、両端が第1の軸受け用台座131及び第3の軸受け用台座134に連結され、伸縮することによりバックレスト120を起倒する伸縮機構とで構成されている。
【0042】
バックレスト120(図1参照)は、下端にフレーム122の幅方向に対して平行な軸132cを有する支柱部150、と支柱部150と平行かつ下端に軸132cと同軸上に配置される軸133cを有する他の支柱部151と、支柱部150、151の両端に支柱部150、151と直交するように橋渡しされた梁部152、153とで構成されるバックレストフレーム155を有する。
尚、軸132cと軸132cは個別の軸となっているが、1本の軸であってもよい。
【0043】
フレーム155の正面側(使用者側)には背もたれ板(例えば、木材、もしくは樹脂)154が貼り付けられており、梁部152の背面側の中央部には第3の軸受け用台座134が設けられている。
梁部152にはヘッドレスト121(図1参照)の図示しない脚部を挿入固定するための貫通孔140a、141aを有する固定部140、141が設けられている。
支柱部150、151の上端の開口部150a、151aには、操作手段130−1、130−2の支持部材130−1a、131−1aが挿入されるようになっている。
背もたれ板154の背面側にはモーター161と、モーター601(図6参照)の回転を制御するための制御装置137が設けられている。尚、モーター161、601と制御部137等との間の配線は省略されている。
【0044】
図14に示す第1の軸受け用台座131は、コの字断面形状を有しており、底部が板状部材138にネジ131dで固定されている。第1の軸受け用台座131の一対の側壁131aにはそれぞれ貫通孔が形成されている。第1の軸受け用台座131の両側壁131aの間にはピストンロッド164の下端が配置され、ピストンロッド164の下端に形成された貫通孔と第1の軸受け用台座131の貫通孔とを貫通するようにピン131bが挿入されている。ピン131bの先端(図14では左端)の孔には抜け防止用の割りピン131cが挿入されている。
【0045】
板状部材138は、つまみネジ139により、フレーム122に着脱自在に装着されるようになっている。つまみネジ139を回転させて板状部材138をフレーム122から外すことによりバックレスト120を座シート(図1参照)101側に倒すことができるようになっている。これにより、昇降式リクライニング座椅子を折りたたんで搬送するのが容易となる(図21参照)。
【0046】
図15に示す第2の軸受け用台座132は、フレーム122の上部後端の両側に設けられた一方の第2の軸受け用台座である。軸受け用台座132は、フレーム122の後部から上方に延出した二つの矩形状の延出部132a、132bであって、支柱部150の下端に設けられた軸132cが貫通する軸孔132aa、132baを有する。第2の軸受け用台座132の一方(図では外側)の延出部132aには図5に示したジョイント510が設けられている。
尚、第2の軸受け用台座133は、第2の軸受け用台座132とは左右対称の構造であるため、説明を省略する。
【0047】
図16に示す第3の軸受け用台座134は、第1の軸受け用台座131と同様にコの字断面形状を有しており、底部が梁部152にネジ134dで固定されている。第3の軸受け用台座134の一対の側壁134aにはそれぞれ貫通孔が形成されている。第3の軸受け用台座134の両側壁134aの間にはボールスクリューを含むギヤ部162のシリンダー163の反対側に設けられた突起部162aが配置され、突起部162aの上端に形成された貫通孔と第3の軸受け用台座134の貫通孔とを貫通するようにピン134bが設けられている。ピン134bの先端(図16では左端)の孔には抜け防止用の割りピン134cが挿入されている。
【0048】
これらモーター161、ギヤ部162、シリンダー163、及びピストンロッド164でリニアアクチュエータが構成されている(例えば、HIWIN社製リニアアクチュエータLAM−1。尚、リニアアクチュエータの代わりにモーター、エアコンプレッサ及びエアシリンダを用いて空気圧による駆動を行ってもよく、油圧による駆動を行ってもよい)。
【0049】
次に図17(a)は、図1に示した昇降式リクライニング座椅子に用いられる昇降機構に用いられるモーターを制御するためのブロック図の一例であり、図17(b)は、図1に示した昇降式リクライニング座椅子に用いられる起倒機構に用いられるモーターを制御するためのブロック図の一例である。
【0050】
図17(a)において、固定部の一端(図では下端)が接地され、固定部の他端(この場合上端)に電源電圧が印加された可変抵抗器VR1は、その摺動子がコンパレータCP1の非反転入力端子とコンパレータCP2の反転入力端子とに接続されている。
固定部の一端(この場合下端)が接地され、固定部の他端(この場合上端)に電源電圧が印加された半固定抵抗器VR2は、その摺動子がコンパレータCP1の反転入力端子に接続されている。
固定部の一端(この場合下端)が接地され、固定部の他端(この場合上端)に電源電圧が印加された半固定抵抗器VR3は、その摺動子がコンパレータCP2の非反転入力端子に接続されている。両コンパレータCP1、CP2の出力端は、それぞれプルアップ抵抗R1、R2に接続されると共にモーター駆動回路D1に接続されている。
【0051】
モーター駆動回路D1は、入力信号に応じてモーター601の回転を制御する。例えば、ポートP1に「0」論理レベルの信号が印加されると共に、ポートP2に「1」論理レベルの信号が印加されると、ポートP3、P4に(上昇降下用の)モーター601を正回転させる電圧を出力する。ポートP1に「1」論理レベルの信号が印加されると共に、ポートP2に「0」論理レベルの信号が印加されると、ポートP3、P4にモーター601を逆回転させる電圧を出力する。ポートP1に「0」論理レベルの信号が印加されると共に、ポートP2に「0」論理レベルの信号が印加されると、ポートP3、P4の電圧を0ボルトにする。このモーター駆動回路D1によりモーター601が駆動される。尚、コンデンサC1、C2はバイパスコンデンサである。
【0052】
可変抵抗器VR1は操作手段130−1のアナログジョイスティック(以下、ジョイスティックと称す。)130−1cのシャフト130−1cbに連結されている。可変抵抗器VR1の摺動子は、シャフト130−1cbの中立状態から傾倒状態への変化に伴って摺動するようになっており、座シート101(図1参照)を上昇降下させるために用いられる。半固定抵抗器VR2及び半固定抵抗器VR3は、閾値を設定するため、すなわち両コンパレータCP1、CP2の出力を共に「1」論理レベルにならないようにするためのものである。
【0053】
半固定抵抗器VR2、VR3は、ジョイスティック130−1cのシャフト130−1cbが中立状態のときには、コンパレータCP1の非反転入力端子の電圧をV1+とし、コンパレータCP1の反転入力端子の電圧をV1-とし、コンパレータCP2の非反転入力端子の電圧をV2+とし、コンパレータCP2の反転入力端子の電圧をV2-とすると、各電圧V1+、V1-、V2+、V2-は数式(1)の関係を有する。
2+<V1+=V2-<V1- …(1)
【0054】
すなわち、シャフト130−1cbが中立状態のときは、両コンパレータCP1、CP2の出力は共に「0」論理レベルとなり、モーター駆動回路D1のポートP3、P4の出力は0ボルトとなってモーター601は停止状態となる。
【0055】
可変抵抗器VR1の摺動子が電源側に位置しているとき、すなわちシャフト130−1cbを加えた使用者の口が上がった状態(顎を上げた状態)のときは、各電圧V1+、V1-、V2+、V2-数式(2)の関係を有する。
2+<V1-<V1+=V2- …(2)
【0056】
この結果、モーター駆動回路D1のポートP1に「0」論理レベルの信号が印加されると共に、ポートP2に「1」論理レベルの信号が印加され、モーター駆動回路D1からモーター601に所定の電圧が印加されて正回転する。
【0057】
また、可変抵抗器VR1の摺動子がアース側に位置しているとき、すなわちジョイスティック130−1cを加えた使用者の口が下がった状態(顎を下げた状態)のときは、各電圧V1+、V1-、V2+は、数式(3)の関係を有する。
1+=V2-<V2+<V1- …(3)
【0058】
この結果、モーター駆動回路D1のポートP1に「1」論理レベルの信号が印加されると共に、ポートP2に「0」論理レベルの信号が印加され、モーター駆動回路D1からモーター601に所定の電圧が印加されて逆回転する。
【0059】
図17(b)において、一端(図では下端)が接地され他端(この場合上端)に電源電圧が印加された可変抵抗器VR4は、その摺動子がコンパレータCP3の非反転入力端子とコンパレータCP4の反転入力端子に接続されている。
一端(図では下端)が接地され他端(この場合上端)に電源電圧が印加された半固定抵抗器VR5は、その摺動子がコンパレータCP3の反転入力端子に接続されている。
一端(図では下端)が接地され他端(この場合上端)に電源電圧が印加された半固定抵抗器VR6は、その摺動子がコンパレータCP4の非反転入力端子に接続されている。両コンパレータCP3、CP4の出力端は、それぞれプルアップ抵抗R3、R4に接続されると共にモーター駆動回路D2に接続されている。
【0060】
モーター駆動回路D2は、入力信号に応じてモーター161の回転を制御する。例えば、ポートP5に「0」論理レベルの信号が印加されると共に、ポートP6に「1」論理レベルの信号が印加されると、ポートP7、P8に(起倒用の)モーター161を正回転させる電圧を出力し、ポートP5に「1」論理レベルの信号が印加されると共に、ポートP6に「0」論理レベルの信号が印加されると、ポートP7、P8にモーター161を逆回転させる電圧を出力し、ポートP5に「0」論理レベルの信号が印加されると共に、ポートP6に「0」論理レベルの信号が印加されると、ポートP7、P8の電圧を0ボルトにする。このモーター駆動回路D2によりモーター161が駆動される。尚、コンデンサC3、C4はバイパスコンデンサである。
【0061】
可変抵抗器VR4は操作手段130−2のジョイスティック130−2cのシャフト130−2cbに連結されている。
すなわち、可変抵抗器VR1の摺動子は、ジョイスティック130−2cのシャフト130−2caを中立状態から傾倒状態への変化に伴って摺動するようになっており、バックレスト120(図1参照)を起倒させるために用いられる。半固定抵抗器VR5、VR6は、閾値を設定するため、すなわち両コンパレータCP3、CP4の出力が共に「1」論理レベルにならないように用いられる。
【0062】
半固定抵抗器VR5、VR6は、ジョイスティック130−2cのシャフト130−2cbが中立状態のときには、コンパレータCP3の非反転入力端子の電圧をV3+とし、コンパレータCP3の反転入力端子の電圧をV3-とし、コンパレータCP4の非反転入力端子の電圧をV4+とし、コンパレータCP4の反転入力端子の電圧をV4-とすると、各電圧V3+、V3-、V4+、V4-は数式(4)の関係を有する。
4+<V3+=V4-<V3- …(4)
【0063】
すなわち、ジョイスティック130−2cのシャフト130−2cbが中立状態のときは、両コンパレータCP3、CP4の出力は共に「0」論理レベルとなり、モーター駆動回路D2のポートP7、P8の出力は0ボルトとなってモーター161は停止状態となる。
【0064】
このため、可変抵抗器VR4の摺動子が電源側に位置しているとき、すなわちジョイスティック130−2cのシャフト130−2cbを加えた使用者の口が上がった状態(顎を上げた状態)のときは、各電圧V3+、V3-、V4+、V4-は数式(5)の関係を有する。
4+<V3-<V3+=V4- …(5)
【0065】
この結果、モーター駆動回路D2のポートP5に「0」論理レベルの信号が印加されると共に、ポートP6に「1」論理レベルの信号が印加され、モーター駆動回路D2からモーター161に所定の電圧が印加されて正回転する。
【0066】
また、可変抵抗器VR4の摺動子がアース側に位置しているとき、すなわちジョイスティック130−2cのシャフト130−2cbを加えた使用者の口が下がった状態(顎を下げた状態)のときは、各電圧V3+、V3-、V4+、V4-は、数式(6)の関係を有する。
3+=V4-<V4+<V3- …(6)
【0067】
この結果、モーター駆動回路D2のポートP5に「1」論理レベルの信号が印加されると共に、ポートP6に「0」論理レベルの信号が印加され、モーター161は逆回転する。
【0068】
(動作)
次に図1に示した昇降式リクライニング座椅子100の昇降動作について図面を参照して説明する。
図8は、図1に示した昇降式リクライニング座椅子の降下後の状態を示す図である。図9は、図8に示した昇降式リクライニング座椅子の脚カバーを除去したときの右側面図である。図11は、図6に示した昇降式座椅子の降下後のフレームの部分拡大図である。
【0069】
まず、昇降式リクライニング座椅子100の座シート101(フレーム122)が上昇する場合について説明する。
昇降式リクライニング座椅子上の図には示されていない使用者が、口でジョイスティック130−1cのシャフト130−1cbを加えたまま顎を上げると、可変抵抗器VR1の摺動子が電源側に移動する。コンパレータCP1は、非反転入力端子の電圧V1+と反転入力端子の電圧V1-とを比較し、コンパレータCP2は、非反転入力端子の電圧V2+と反転入力端子の電圧V2-とを比較し、各電圧V1+、V1-、V2+、V2-が数式(2)の条件を満たすと、モーター駆動回路D1のポートP1の入力信号が「1」論理レベルとなり、ポートP2の入力信号が「0」論理レベルとなるので、モーター601を正回転させる。
【0070】
図11に示すモーター601が正回転すると、ギヤ部602が作動してシリンダー603のピストンロッド607がシリンダー603内に退入する。このピストンロッド607の退入に伴い梁部材124が図11の左側に移動する。このとき梁部材124はスプリング609、610により図11の左側に付勢されており、かつスプリング611〜613により図11の左側に付勢されている。このため、モーター602はスプリング609、610、611〜613が無い場合の約半分の出力でフレーム122を、座シート101に座っている、図には示されていない使用者ごと押し上げることができる。
【0071】
図9に示す昇降式座椅子100において梁部材124が左側に移動すると、梁部材124の移動時の力がジョイント111及びアーム108を介して突起部123のジョイント112に伝達される。突起部123には左向きの力が加わるので板状部材107には時計方向の力が加わる。従って脚部125はジョイント109を中心として時計方向に起倒する。
【0072】
一方、ジョイント109、リンク104、ジョイント110、ロッド105、ジョイント103、板状部材106a、ジョイント102、及び板状部材107で四節回転機構が構成されているので、この四節回転機構は板状部材107が時計方向に起倒しようとすると、ロッド105が板状部材106aを反時計方向に起倒させるので、脚部114も反時計方向に起倒する。
【0073】
また、フレーム122の前端122Fから露出したロッド614の先端部614aはスカート部116に当接している。フレーム122が上昇するときにはスカート部116の重量がロッド614の先端部614aに常に接触すると共にロッド614をフレーム122内に押し入れようとする力が生じる。この力は梁部材124をフレーム122の後端122Bに移動させる力と同一方向となるので、モーター601の負担を軽減させる。さらに、図には示されていない使用者が昇降式座椅子100に座っている場合には使用者のふくらはぎがスカート部116の上に乗ることで使用者の足がフレーム122内に入り込むのが防止される。
【0074】
すなわち、本昇降式座椅子100は、四節回転機構の時計方向の起倒とそれに伴う脚部114、125の閉脚運動とでフレーム122がぐらつくことなく安定して上昇する。
【0075】
図7に示す梁部材124が左に移動すると共に図4に示すフレーム122が上昇し、使用者の所望の高さに到達した時に使用者が顎を通常の状態に戻すと共にジョイスティック130−1cのシャフト130−1cbを口から離すと、シャフト130−1cbは中立状態となって、モーター601は停止状態となり、フレーム122はその高さで停止する。
尚、図5に示した昇降式リクライニング座椅子100の各部の動作についても同様のため、説明を省略する。
【0076】
次に昇降式リクライニング座椅子100のフレーム122が降下する場合について説明する。
図1に示す昇降式リクライニング座椅子上の使用者が口でジョイスティック130−1cのシャフト130−1cbを加えたまま顎を下げると、可変抵抗器VR1の摺動子がアース側に移動する。コンパレータCP1は、非反転入力端子の電圧と反転入力端子の電圧とを比較し、非反転入力端子の電圧が閾値電圧より大きくなると出力を「1」論理レベルとし、コンパレータCP2は出力を「0」論理レベルとする。モーター駆動回路D1は、ポートP1の入力信号が「1」論理レベルであり、ポートP2の入力信号が「0」論理レベルであるので、モーター601を逆回転させる。
【0077】
図7に示すモーター601が逆回転すると、ギヤ部602が作動してピストンロッド607がシリンダー603から押出を開始する。このピストンロッド607の右側への押出を開始すると梁部材124が図7の右側に移動を開始する。
【0078】
図1に示す昇降式座椅子100において梁部材124が右側に移動すると、移動時の力がジョイント111及びアーム108を介して突起部123のジョイント112に伝達される。突起部123には右向きの力が加わるので板状部材107には反時計方向の力が加わる。従って脚部125はジョイント109を中心として反時計方向に起倒する。
ジョイント109、リンク104、ジョイント110、ロッド105、ジョイント103、板状部材106a、ジョイント102、及び板状部材107による四節回転機構は板状部材107は、反時計方向に起倒しようとすると、ロッド105が板状部材106を時計方向に起倒するので、脚部114も時計方向に起倒する。
【0079】
また、図7に示すフレーム122の前端122Fからロッド614の先端部614aがフレーム122の降下に伴い徐々に露出してスカート部116に当接する。フレーム122が降下するときにはスカート部116がロッド614の先端部614aに常に接触してスカート部116を垂直状態から上向きに回動しようとする力が生じる。
【0080】
スカート部116が上向きに回動することにより使用者のふくらはぎに接触するので、使用者は足を前方につきだしフレーム122の下側に入り込むのを防止することができる。
【0081】
図9に示すように四節回転機構の反時計方向の起倒とそれに伴う脚部114、125の開脚運動とでフレーム122がぐらつくことなく安定に降下する。
【0082】
使用者の所望の低さに到達した時やに使用者が顎を通常の状態に戻すと共にジョイスティック130−1cのシャフト130−1cbを口から離すと、シャフト130−1cbは中立状態となって、モーター601は停止状態となり、フレーム122はその高さで停止する。
尚、図5に示した昇降式座椅子100の動作についても同様のため、説明を省略する。
【0083】
ここで、図4に示すフレーム122が最も上の位置若しくは最も下の位置に到達したときには図示しないセンサ(若しくはマイクロスイッチ)でこれを検知し、自動的にモーター601を停止するようになっている。
【0084】
次に、昇降式リクライニング座椅子100のバックレスト120が起き上がる場合について説明する。
昇降式リクライニング座椅子上の使用者が口でジョイスティック130−2cのシャフト130−1cbを加えたまま顎を上げると、可変抵抗器VR4の摺動子が電源側に移動する。コンパレータCP3は、非反転入力端子の電圧V3+と反転入力端子の電圧V3-とを比較し、コンパレータCP4は、非反転入力端子の電圧V4+と反転入力端子の電圧V4-とを比較し、各電圧V3+、V3-、V4+、V4-が数式(5)の条件を満たすと、モーター駆動回路D2のポートP5の入力信号が「1」論理レベルとなり、ポートP6の入力信号が「0」論理レベルとなるので、モーター161を正回転させる。
【0085】
図10に示すモーター161が正回転すると、ギヤ部162が作動してシリンダー163のピストンロッド164がシリンダー163から押し出される。このピストンロッド607の押出に伴い、バックレストフレーム155(図12参照)の梁部152とフレーム122の後端上面との間にはその距離を伸ばそうとする力が発生する。このとき軸132c、133cと、ピストンロッド164の下端の131bピン131bとは平行であり、所定の間隔だけ離れているため、梁部152には軸132c、133cを中心として起き上がる方向に力が発生し、バックレスト120は起き上がる。
図10は、図9に示した昇降式リクライニング座椅子のバックレストを倒した状態を示す図である。
【0086】
図10に示す昇降式リクライニング座椅子100のバックレスト120が起きあがって図には示されていない、昇降式リクライニング座椅子上の使用者の所望する角度に到達した時に使用者が顎を通常の状態に戻すと共にジョイスティック130−2cのシャフト130−2caを口から離すと、シャフト130−2caは中立状態となって、モーター161は停止状態となり、バックレスト120はその角度で停止する。
【0087】
次に、昇降式リクライニング座椅子100のバックレスト120が倒れる場合について説明する。
昇降式リクライニング座椅子上の図には示されていない使用者が口でジョイスティック130−2cのシャフト130−1cbを加えたまま顎を下げると、可変抵抗器VR4の摺動子がアース側に移動する。コンパレータCP3は、非反転入力端子の電圧V3+と反転入力端子の電圧V3-とを比較し、コンパレータCP4は、非反転入力端子の電圧V4+と反転入力端子の電圧V4-とを比較し、各電圧V3+、V3-、V4+、V4-が数式(6)の条件を満たすと、モーター駆動回路D2のポートP5の入力信号が「0」論理レベルとなり、ポートP6の入力信号が「1」論理レベルとなるので、モーター161を逆回転させる。
【0088】
図12に示すモーター161が逆回転すると、ギヤ部162が作動してシリンダー163のピストンロッド164がシリンダー163内に退入する。このピストンロッド607の退入に伴い、バックレストフレーム155の梁部152とフレーム122の後端上面との間にはその距離を縮めようとする力が発生する。このとき軸132c、133cと、ピストンロッド164の下端の131bピン131bとは平行であり、所定の間隔だけ離れているため、梁部152には軸132c、133cを中心として倒れる方向に力が発生し、バックレスト120は倒れる。
図10に示す昇降式リクライニング座椅子100のバックレスト120が倒れる際に図には示されていない使用者の所望する角度に到達した時に使用者が顎を通常の状態に戻すと共にジョイスティック130−2cのシャフト130−2caを口から離すと、シャフト130−2caは中立状態となって、モーター161は停止状態となり、バックレスト120はその角度で停止する。
【0089】
ここで、図10、12に示すピストンロッド164の押出長さが最小値若しくは最大値に到達したときには図示しないセンサ(若しくはマイクロスイッチ)でこれを検知し、自動的にモーター161を停止するようになっている。
【0090】
ところで、昇降式リクライニング座椅子100のフレーム122が最も下の位置に降下すると、前後の車輪113、115がほぼフレーム122の前後に位置し、前述したように図12に示したつまみネジ139を第1の軸受け用台座131ごと取り外すと、図21に示すようにバックレスト120を折りたたむことで全体がコンパクトになる。尚、図21は、図1に示した昇降式リクライニング座椅子のバックレストを折りたたんだ状態を示す図である。
【0091】
本昇降式リクライニング座椅子100は、フレーム122すなわち座シート101が最も下に位置したときに車輪113、115、513、515が前後に飛び出ることがないため、運送時に車輪113、115、513、515の損傷を考慮して梱包する必要が無く、さらに梱包後の荷姿が小さくてすむ。
【0092】
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【0093】
例えば、本実施の形態では、モーターの制御に可変抵抗器及びコンパレータを用いた場合で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スイッチ、インバーターゲート及び抵抗器で構成してもよい。
【0094】
図18(a)は、図1に示した昇降式リクライニング座椅子に用いられる昇降機構に用いられるモーターを制御するためのブロック図の他の一例であり、図18(b)は、図1に示した昇降式リクライニング座椅子に用いられる起倒機構に用いられるモーターを制御するためのブロック図の他の一例である。
尚、図中4つのインバーターゲートINV1〜INV4は一つのICパッケージに搭載されており、図示しないバイパスコンデンサが接続されているものとする。
【0095】
図18(a)において、スイッチSW1は操作手段130−1のジョイスティック130−1cのシャフト130−1cbに連結している。スイッチSW1は3接点型のスイッチであり、通常は中立状態にあり可動接点を図の上側もしくは下側に接触させた後放置するとシーメンスキー(登録商標)のように中立状態に復帰するようになっている(デジタルジョイスティック)。
スイッチSW1を図の上側に倒すとインバーターゲートINV1の出力は「0」論理レベルとなり、インバーターゲートINV2の出力は「1」論理レベルとなる。
この結果、モーター駆動回路D1のポートP1に「1」論理レベルの信号が印加されると共に、ポートP2に「0」論理レベルの信号が印加され、モーター駆動回路D1からモーター601に所定の電圧が印加されて逆回転する。
【0096】
スイッチSW1を図の下側に倒すとインバーターゲートINV1の出力は「1」論理レベルとなり、インバーターゲートINV2の出力は「0」論理レベルとなる。
この結果、モーター駆動回路D1のポートP1に「0」論理レベルの信号が印加されると共に、ポートP2に「1」論理レベルの信号が印加され、モーター駆動回路D1からモーター601に所定の電圧が印加されて正回転する。
【0097】
スイッチSW1を放置するとインバーターゲートINV1の出力は「0」論理レベルとなり、インバーターゲートINV2の出力は「0」論理レベルとなる。
この結果、モーター駆動回路D1からモーター601への電圧の印加が停止されてモーター601は停止する。
【0098】
図18(a)において、スイッチSW2は操作手段130−2のジョイスティック130−2cを示している。スイッチSW2もスイッチSW1と同様に3接点型のスイッチであり、通常は中立状態にあり可動接点を図の上側もしくは下側に接触後中立状態に復帰するようになっている。
図18(b)についての動作は図18(a)と同様であるため説明を省略する。
【0099】
また、本実施の形態では、操作手段の数が二つの場合で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、操作手段が一つであってもよい。
図19は、一つの操作手段で座シートの昇降及びバックレストの起倒を行う場合の説明図である。
操作手段は、一端がバックレスト120の上端に設けられ使用者の口の近傍まで延出した一つのアーム130−3aと、アーム130−3aの他端に設けられ、使用者の口によりフレーム122の昇降操作及びバックレスト120の起倒操作を行うための2軸操作型のジョイスティック130−3bとを備えたものである。
すなわち、昇降式リクライニング座椅子の図示しない使用者が口でジョイスティック130−3cのシャフト130−3dを加えたまま顎を上下に動かしたり顎を突き出したり引いたりすることで座シートの高さを調整したり、バックレスト120の角度を調整するものである。
【0100】
さらに、本実施の形態では、操作手段が使用者の前面に突き出た場合で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図20に示すようにアームの基部に軸受けを設けて上側に回動させたり、アームを可撓性部材で構成して折り曲げるようにしたりしてもよい。
図20は、図1に示した昇降式リクライニング座椅子に用いられる操作手段の変形例を示す説明図である。
【0101】
また、本実施の形態では、各脚部に単に車輪が設けられた場合で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、バックシートの後に折りたたみ式の取っ手を設けて介護者が押すように構成してもよく、脚部にストッパを設けてもよく、左右両側の脚部にギヤードモータをそれぞれ設けて車輪を回転駆動することによって前進、後退、旋回、超信地旋回できるように構成してもよい。但し、この場合には使用者(被介護者)が操作するのではなく、介護者が操作するように構成するのが好ましい。尚、各脚部に車輪を設けずに昇降台として用いてもよい。
【0102】
さらに、本実施の形態では、第4のリンクとしての板状部材104に突起部123を設け、第9のリンクとしての板状部材507に突起部523を設け、両端部に第6のジョイント112及び第12のジョイント512を設けた場合で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、両ジョイント112、512を突起部123、523の基部から端部の間に設けてもよい。
【0103】
さらに、本実施の形態では、フレーム122の一方の側面122Rのジョイント109から所定の位置だけ上方(例えば、フレーム122の前後方向の長さの約5分の1の距離で角度θ1「約10度」前方の位置)に第2のジョイント110が設けられている場合で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、θ1は0から15度の範囲内にあればよい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】昇降式リクライニング座椅子の一実施の形態を示す正面図である。
【図2】図1に示した昇降式リクライニング座椅子の外観斜視図である。
【図3】図1の右側面図である。
【図4】図3に示した昇降式リクライニング座椅子の全脚カバーを除去したときの右側面図である。
【図5】図2に示した昇降式座椅子の脚カバー除去後の左側面図である。
【図6】図2に示した昇降式リクライニング座椅子から全脚カバー及び座シートを除去した外観斜視図である。
【図7】図6に示した昇降式座椅子のフレームの部分拡大図である。
【図8】図1に示した昇降式リクライニング座椅子の降下後の状態を示す図である。
【図9】図8に示した昇降式リクライニング座椅子の脚カバーを除去したときの右側面図である。
【図10】図9に示した昇降式リクライニング座椅子のバックレストを倒した状態を示す図である。
【図11】図6に示した昇降式座椅子の降下後のフレームの部分拡大図である。
【図12】図1に示した昇降式リクライニング座椅子のバックレストからカバーを除去したときの部分背面図である。
【図13】図12に示した昇降式リクライニング座椅子を斜め後から見たときの部分外観斜視図である。
【図14】図12に示した第1の軸受け用台座近傍の部分拡大図である。
【図15】図12に示した第2の軸受け用台座近傍の部分拡大図である。
【図16】図12に示した第3の軸受け用台座近傍の部分拡大図である。
【図17】(a)は、図1に示した昇降式リクライニング座椅子に用いられる昇降機構に用いられるモーターを制御するためのブロック図の一例であり、(b)は、図1に示した昇降式リクライニング座椅子に用いられる起倒機構に用いられるモーターを制御するためのブロック図の一例である。
【図18】(a)は、図1に示した昇降式リクライニング座椅子に用いられる昇降機構に用いられるモーターを制御するためのブロック図の他の一例であり、(b)は、図1に示した昇降式リクライニング座椅子に用いられる起倒機構に用いられるモーターを制御するためのブロック図の他の一例である。
【図19】一つの操作手段で座シートの昇降及びバックレストの起倒を行う場合の説明図である。
【図20】図1に示した昇降式リクライニング座椅子に用いられる操作手段の変形例を示す説明図である。
【図21】図1に示した昇降式リクライニング座椅子のバックレストを折りたたんだ状態を示す図である。
【図22】本発明の前提となった座椅子用昇降台の概念図である。
【符号の説明】
【0105】
100 昇降式座椅子
101 座シート
102 第4のジョイント
103 第3のジョイント
104 第1のリンク
105 第2のリンク(ロッド)
106 第3のリンク
106a 板状部材
107 第4のリンク(板状部材)
108 第5のリンク(アーム)
109 第1のジョイント
110 第2のジョイント
111 第5のジョイント
112 第6のジョイント
113 車輪(前輪)
114 第2の脚部
115 車輪(後輪)
116 スカート部
117 アーム
118 アームレスト
119 軸
120 バックレスト
121 ヘッドレスト
122 フレーム
123 突起部
124 梁部材
125 第1の脚部
130−1、130−2 操作手段
155 バックレストフレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座シートを支持する矩形平面形状のフレームの左右両側面の後端に、上下二つのジョイントがそれぞれ配置され各ジョイントにそれぞれ連結される3つのリンクで四節回転機構をそれぞれ形成し、両四節回転機構のリンクのうちの最下端となりえるジョイントに連結するリンクから下側にそれぞれ延長させた脚部にそれぞれ車輪を設け、前記フレーム内に前後方向に移動可能な梁部材を設け、前記両四節回転機構のリンクのうちの前記フレームのジョイントに連結された下側のリンクと前記梁部材との間を、ジョイント及びリンクで連結し、移動機構により前記梁部材を前後方向に移動させることにより前記座シートを昇降させるようにした昇降式リクライニング座椅子であって、
前記フレームに設けられ起倒機構により起倒自在なバックレストと、
前記バックレストの上端に設けられたヘッドレストと、
前記バックレストの上端に設けられ、使用者の口により前記フレームの昇降操作及び前記バックレストの起倒操作を行うための操作手段とを備えたことを特徴とする昇降式リクライニング座椅子。
【請求項2】
座シートを支持する矩形平面形状のフレームと、
前記フレーム内に設けられ案内部材により前後方向に摺動自在な梁部材と、
前記フレームの一方の側面後端に配置された第1のジョイントと、
前記フレームの前記第1のジョイントより所定の距離だけ上方に配置され前記第1のジョイントとの間を第1のリンクとする第2のジョイントと、
上端が前記第2のジョイントに連結された第2のリンクと、
上端が前記第2のリンクの下端と第3のジョイントで連結された第3のリンクと、
下端が前記第3のリンクの下端と第4のジョイントで連結され上端が前記第1のジョイントで連結された第4のリンクと、
前記梁部材の前記第4のリンクに近い方の端部に配置された第5のジョイントと、
一端が前記第5のジョイントに連結された第5のリンクと、
前記第4のリンクの上端側に配置され前記第5のリンクの他端に連結された第6のジョイントと、
前記第4のリンクから前記第4のジョイント側に延長され下端に車輪を有する第1の脚部と、
前記第3のリンクから前記第4のジョイント側に所定の角度で延長され下端に車輪を有する第2の脚部と、
前記フレームの他方の側面後端に配置された第7のジョイントと、
前記フレームの前記第7のジョイントより所定の距離だけ上方に配置され前記第7のジョイントとの間を第8のリンクとする第8のジョイントと、
上端が前記第8のジョイントに連結された第7のリンクと、
上端が前記第7のリンクの下端と第9のジョイントで連結された第8のリンクと、
下端が前記第8のリンクの下端と第10のジョイントで連結され上端が前記第7のジョイントで連結された第9のリンクと、
前記梁部材の前記第9のリンクに近い方の端部に配置された第11のジョイントと、
一端が前記第11のジョイントに連結された第10のリンクと、
前記第9のリンクの上端側に配置され前記第10のリンクの他端に連結された第12のジョイントと、
前記第9のリンクから前記第10のジョイント側に延長され下端に車輪を有する第3の脚部と、
前記第8のリンクから前記第10のジョイント側に所定の角度で延長され下端に車輪を有する第4の脚部と、
前記フレーム内に設けられ、前記梁部材を前後方向に移動させることにより前記座シートを昇降させる移動機構とを備えた昇降式リクライニング座椅子であって、
前記フレームに設けられ起倒機構により起倒自在なバックレストと、
前記バックレストの上端に設けられたヘッドレストと、
前記バックレストの上端に設けられ、使用者の口により前記フレームの昇降操作及び前記バックレストの起倒操作を行うための操作手段とを備えたことを特徴とする昇降式リクライニング座椅子。
【請求項3】
前記起倒機構は、
前記フレームの上面後端中央に設けられた第1の軸受け用台座と、前記フレームの上面後端の左右両側に所定の距離前方上側に設けられ前記バックレストの下端と連結する複数の第2の軸受け用台座と、前記バックレストの背面側上端中央に設けられた第3の軸受け用台座と、両端が前記第1の軸受け用台座及び前記第3の軸受け用台座に連結され、伸縮することにより前記バックレストを起倒する伸縮機構とを備え、
前記操作手段は、
一端が前記バックレストの上端の前記ヘッドレストの近傍に設けられ前記使用者の口の近傍まで延出した少なくとも一つのアームと、
前記アームの他端に設けられ、前記使用者の口により前記フレームの昇降操作及び前記バックレストの起倒操作を行うためのジョイスティックとを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の昇降式リクライニング座椅子。
【請求項4】
一端が前記バックレストの上端に設けられ前記使用者の口の近傍まで延出した一対のアームと、
前記一方のアームの他端に設けられ、前記使用者の口により前記フレームの昇降操作を行うための短軸操作型のジョイスティックと、
前記他方のアームの他端に設けられ、前記使用者の口により前記フバックレストの起倒操作を行うための他の短軸操作型のジョイスティックとを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の昇降式リクライニング座椅子。
【請求項5】
一端が前記バックレストの上端に設けられ前記使用者の口の近傍まで延出した一つのアームと、
前記アームの他端に設けられ、前記使用者の口により前記フレームの昇降操作及び前記バックレストの起倒操作を行うための2軸操作型のジョイスティックとを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の昇降式リクライニング座椅子。
【請求項6】
前記アームは、可撓性材料からなっていることを特徴とする請求項4または5記載の昇降式リクライニング座椅子。
【請求項7】
前記アームは、一端が軸受けを介して回動自在に前記バックレストの上端に設けられていることを特徴とする請求項5または6記載の昇降式リクライニング座椅子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−154948(P2008−154948A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−349985(P2006−349985)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(505468392)ケアライフ・ジャパン株式会社 (12)
【Fターム(参考)】