説明

映像再生装置

【課題】撮影機能及びインターネット接続機能を持つ他の装置によって、情報記録媒体から読み出されたインターネット接続先に迅速且つ容易にアクセスすることができる映像再生装置を提供する。
【解決手段】映像再生装置100は、大容量光ディスク106に記録されたデータを読み取る光ディスクドライブと、読み取られたデータからインターネット接続先情報201を抽出する抽出手段と、抽出されたインターネット接続先情報を2次元コードデータ203aに変換する2次元コード生成手段と、生成された2次元コードデータ203aに応じた2次元コード203の映像を表示装置105に表示させる表示制御手段とを有し、携帯端末装置は、2次元コード203の撮影データからインターネット接続先情報を復元し、インターネット上のサーバにインターネット接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット接続手段を持つ装置にインターネット接続を実行させることができるインターネット接続先情報(インターネットアクセス先情報)が映像データと共に格納された大容量光ディスク等のような情報記録媒体を再生する映像再生装置に関し、特に、情報記録媒体から読み出されたインターネット接続先情報から変換されたQRコード等のような2次元コードの映像を表示装置に表示させる映像信号を出力することができる映像再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブルーレイディスク(BD)−ROM規格プロファイル1は、インターネット接続機能を規定していない。このため、映像再生装置は、BD−ROM規格プロファイル1に対応する、インターネット接続情報が格納されていないBD−ROMから映像を再生することはできるが、このBD−ROMに記録されている情報を使って、所望のアクセス先にインターネット接続することはできない。
【0003】
一方、BD−ROM規格プロファイル2は、インターネット接続機能を規定している。このため、BD−ROM規格プロファイル2に対応する映像再生装置は、BD−ROM規格プロファイル2に対応する、インターネット接続先情報が格納されているBD−ROMから映像を再生することができると共に、このBD−ROMに格納されているインターネット接続先情報を使って、所望のアクセス先にインターネット接続することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−74502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、BD−ROM規格プロファイル2に対応するBD−ROMを、BD−ROM規格プロファイル1にしか対応していない、インターネット接続機能を持たない映像再生装置で再生する場合には、BD−ROMに格納されたインターネット接続先情報を使って、所望のアクセス先にインターネット接続することができないという問題がある。
【0006】
映像再生装置がインターネット接続機能を持たない場合、インターネット接続機能を持つ他の装置、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)又は携帯電話のキー操作によってインターネット接続先のURLを手入力して、インターネット接続先からBD−ROMコンテンツに関する情報を取得することは可能である。しかし、映像再生装置がインターネット接続機能を持たない場合、インターネット上のサーバに迅速且つ容易にアクセスできないため、この映像再生装置とインターネット上のサーバとの間のインタラクティブな機能を実現できないという問題がある。例えば、BD−ROMが、BD−ROMコンテンツに規定されている情報がインターネット上のサーバが要求する条件を満たしていると判断した場合にのみアクセス可能な隠しコンテンツを、格納している場合には、BD−ROMに格納されているコンテンツ(隠しコンテンツ)でありながら、隠しコンテンツにアクセスできないことがある。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、撮影機能及びインターネット接続機能を持つ他の装置によって、情報記録媒体から読み出されたインターネット接続先に迅速且つ容易にアクセスすることができる映像再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る映像再生装置は、少なくとも映像データを格納する情報記録媒体を再生する映像再生装置であって、前記情報記録媒体が格納するデータを読み取る読取手段と、前記読取手段によって読み取られた前記データからインターネット接続先情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記インターネット接続先情報を2次元コードデータに変換する2次元コード生成手段と、前記2次元コードデータに応じた2次元コードの映像を表示装置に表示させる表示データを生成する表示制御手段とを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、情報記録媒体から読み出されたインターネット接続先情報から変換された2次元コードデータに応じた2次元コードの映像を表示装置に表示させることができるので、撮影機能及びインターネット接続機能を持つ他の装置によって、情報記録媒体から読み出されたインターネット接続先に迅速且つ容易にアクセスすることができるという効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る映像再生装置100の構成を概略的に示すブロック図である。図1に示されるように、実施の形態1に係る映像再生装置100は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、AVデコーダ104と、光ディスクドライブ107と、2次元コード生成手段108と、暗号化手段109と、不揮発性記憶手段110と、赤外線通信手段111とを有している。映像再生装置100は、例えば、インターネット接続機能を持たない大容量光ディスクプレーヤである。
【0011】
CPU101は、映像再生装置100全体の動作を制御する情報処理手段である。CPU101は、抽出手段101aと、表示制御手段101bと、復号制御手段101cと、比率変更手段101dとを有している。抽出手段101aは、光ディスクからの読み出しデータからインターネット接続先情報(インターネットアクセス先情報)を抽出する機能を持つ。表示制御手段101bは、2次元コード生成手段108で生成された2次元コードデータに基づく2次元コード203の映像を表示装置105に表示させるための処理を行う。復号制御手段101cは、赤外線通信手段111で受信された携帯端末装置301の端末識別情報が、識別情報記憶手段に登録済みか否かを判断し、登録済みである場合には、暗号化された前記2次元コードデータを復号するために用いる復号化鍵を赤外線通信手段111から携帯端末装置301に送信させる。比率変更手段101dは、表示装置105に表示される2次元コード203を構成する最小セル(図2の208又は図4の405)の縦方向の長さを、表示装置105の隣接する偶数走査線と奇数走査線の垂直走査方向の間隔の偶数倍の長さに変換する手段である。ROM102は、CPU101の動作に関するプログラムやデータが書き込まれる格納手段である。RAM103は、CPU101の動作に関するプログラムによって映像再生装置100を動作させる際に、一時的に情報が書き込まれる一時的格納手段である。
【0012】
情報記録媒体、例えば、映像及び音声データを格納するBD−ROM等の大容量光ディスク106である。光ディスクドライブ107は、情報記録媒体、例えば、映像及び音声データを格納するBD−ROM等の大容量光ディスク106に蓄積された情報を読み取る読取手段である。ただし、本発明に適用可能な情報記録媒体は、各種の光ディスクに限定されず、映像データ及びインターネット接続先情報を格納することができる記録媒体であれば、磁気ディスク、フラッシュメモリカード、携帯型ハードディスク装置などの他の記録媒体であってもよい。
【0013】
AVデコーダ104は、光ディスクドライブ107から読み取られた情報を映像信号及び音声信号に変換し、表示装置105に転送する。2次元コード生成手段108は、大容量光ディスク106から読み出されたインターネット接続先情報又はインターネット接続先情報と他の情報の組み合わせデータを2次元コードデータに変換し、表示装置105にQRコード等のような2次元コード203を表示させる。
【0014】
暗号化手段109は、インターネット接続先情報又はインターネット接続先情報に他の情報を付加したデータを、2次元コードデータに変換する際に、インターネット接続先情報又はインターネット接続先情報に他の情報を付加したデータを暗号化する機能を持つ。不揮発性記憶手段110は、フラッシュメモリやハードディスクドライブ等からなり、2次元コード生成手段108にて生成された2次元コードデータなどを保存する。赤外線通信手段111は、リモコン302からの赤外線信号を受光する機能と、赤外線通信機能を持つ携帯端末装置301との間で情報の送受信を行う機能とを持つ。携帯端末装置301は、カメラ付携帯電話又はカメラ付PDA(Personal Digital Assistant)等の機器である。携帯端末装置301は、赤外線通信手段301aと、撮影手段301bと、復元手段301cと、復号化手段301dと、インターネット接続手段301eとを有している。赤外線通信手段301aは、映像再生装置の赤外線通信手段111との間で赤外線信号を送受信する手段である。撮影手段301bは、カメラ撮影部であり、2次元コード203を撮影する手段である。復元手段301cは、撮影された2次元コードを元のデータに復元する手段である。復号化手段301dは、暗号化されたデータを復号化する手段である。インターネット接続手段301eは、無線又は有線によって、インターネット接続する手段である。
【0015】
大容量光ディスク106上の映像、音声ストリームからなるコンテンツを読み出して表示装置105に出力する場合、光ディスクドライブ107によって大容量光ディスク106から読み出された情報は逐次RAM103に蓄えられた後、AVデコーダ104で映像信号及び音声信号に変換されてテレビ等の表示装置105に転送され表示される。このとき、CPU101は、ROM102に格納されたプログラムに応じて、AVデコーダ104に送り込まれる情報を制御する。
【0016】
図2は、実施の形態1に係る映像再生装置100が表示装置105に2次元コード203を表示させる処理を示す図である。図2においては、大容量光ディスク106上のコンテンツに関する所定の条件を満たした場合、例えば、所定のシナリオ(映像場面の順序)通りのコンテンツ再生を行った場合にのみアクセス可能なコンテンツがあらかじめ大容量光ディスク106上に記録されている。例えば、映像再生装置100がゲーム機能を有し、大容量光ディスク106に格納されているゲームソフトにおいて、所定のレベルのゲームをクリアした場合にのみ、又は、大容量光ディスク106に格納されているゲームソフトにおいて最高得点を獲得した場合にのみ、アクセス可能なコンテンツがあらかじめ大容量光ディスク106上に記録されている。映像再生装置100は、大容量光ディスク106の再生において、所定の条件を満たしたと判断した場合に、大容量光ディスク106に格納されているデータから、コンテンツにアクセスするための手順を配信するアドレスが記述されているインターネット接続先情報201を取得する。インターネット接続先情報201の取得は、例えば、CPU101の抽出手段101aが行う。映像再生装置100の2次元コード生成手段108は、インターネット接続先情報201を2次元コードデータ203aに変換し、2次元コードデータ203aを含む映像信号を受信した表示装置105は2次元コードデータ203aに応じた2次元コード203の映像を表示する。
【0017】
また、図2において、媒体識別情報202は、大容量光ディスク106に格納されている大容量光ディスク106に固有の識別情報であり、必要に応じてインターネット接続先情報201に付加されて2次元コード化される。インターネット接続先情報201に対して大容量光ディスク106に固有の媒体識別情報202を追加してから2次元コード203に変換しておく場合には、ユーザーが所有する大容量光ディスク106が一意であることを示すことができる。大容量光ディスク106の固有識別情報202としては、大容量光ディスク106の所定のディレクトリに格納されているディスクIDがある。また、大容量光ディスク106の固有識別情報202として、ディスクIDと同様に、大容量光ディスク106の所定のディレクトリに格納されているコンテンツのタイトル名を用いることもできる。また、大容量光ディスク106の固有識別情報202として、ディスクIDとコンテンツのタイトル名を組み合わせることによって形成された識別情報を用いることもできる。
【0018】
また、暗号化手段109は、インターネット接続先情報201を暗号化し、その後、2次元コード生成手段108が、暗号化されたインターネット接続先情報201から2次元コードデータ203aを生成することもできる。暗号化鍵204は、2次元コードデータを暗号化するときに使用される鍵であり、暗号化手段109によってインターネット接続先情報201又はインターネット接続先情報201と媒体識別情報202の組み合わせデータを暗号化するときに使用される。暗号化に使用する暗号化鍵205は、2次元コード203の生成時に不揮発性記憶手段110に保存しておく。
【0019】
また、図2において、表示装置105の走査線205は、インターレース方式を示しており、実線で示される走査線206は奇数フィールドで表示される走査線であり、破線で示される走査線207は偶数フィールドで表示される走査線であり、黒色のセル208は2次元コード203を構成する構成要素である。表示装置105上に表示している映像がインターレース方式で表示されている場合、奇数フィールド206と偶数フィールド207からなる映像フレーム群によるインターレース方式表示205は、動きのある被写体を写すと、基数番目の走査線と偶数番目の走査線でずれて表示される。したがって、2次元コード203の表示を行った場合には、このずれが検出されて携帯端末装置301での読み取り時にエラーが生じやすい。したがって、2次元コード生成手段108による2次元コード203の変換時に、2次元コードの映像の最小単位を構成するセル208の垂直方向の長さを、走査線の垂直方向の間隔の偶数倍の長さ、すなわち、2n(nは走査線1本の垂直方向の幅)に設定することもできる。
【0020】
図3は、実施の形態1に係る映像再生装置100が表示装置105に2次元コード203を表示させた後の処理を示す図である。図3に示されるように、表示装置105は、大容量光ディスク106に格納されたコンテンツの映像に重ねて2次元コード203を表示する。2次元コード203の表示は、所定の条件が満たされた段階、例えば、所定のシナリオにしたがった再生が行われた後に、表示される。なお、2次元コード203は、コンテンツ映像を表示させずに、又は、コンテンツ映像に並べて表示させてもよく、また、2次元コード203の大きさも、携帯端末で撮影し、インターネット接続情報を復元できる大きさであれば、特に制限はない。
【0021】
図3に示されるカメラ付携帯端末装置301は、映像再生装置100と1対1で赤外線通信することができる携帯端末装置301を、予め登録しておくために、赤外線通信手段111を用いた赤外線通信にてカメラ付携帯端末装置301に固有の端末識別情報を映像再生装置100の不揮発性記憶手段110に登録しておく。携帯端末装置301に固有の端末識別情報としては、例えば、電話番号303(例えば、090−5555−○○○○)などを用いることができる。
【0022】
ユーザーは、カメラ付携帯端末装置301の撮影手段301bによって、表示装置105に表示された2次元コード203を撮影し、2次元コード203を読み取る。携帯端末装置301の復元手段301cは、読み取った2次元コード203をインターネット接続先情報201に復元し、必要に応じて復号化手段301dによってインターネット接続先情報を復号化し、インターネット接続手段301eによってサーバ501にアクセスする。
【0023】
携帯端末装置301で2次元コード203を撮影し、暗号化済みのインターネット接続先情報201を得た場合には、携帯端末装置301より電話番号303を赤外線通信手段111に送信し、不揮発性記憶手段110に登録済みの電話番号303にて認証を得た場合に、赤外線通信手段111より携帯端末装置301に対して復号化鍵302を送信することができる。このとき、共通鍵暗号方式を用いる場合は、復号化鍵302として、暗号化鍵205を用いる。また、公開鍵暗号方式を用いる場合は、復号化鍵302は2次元コード生成手段108によって生成しておき、暗号化時に暗号化鍵205と同様に不揮発性記憶手段110に保存しておく。これらの手段は、2次元コード203の生成時にROM102が備えるプログラムにて任意に選択できる。
【0024】
図4は、実施の形態1に係る映像再生装置の2次元コード表示方法の一例を示す図である。図4において、セル402は、2次元コード401を構成する一つの四角い領域で、それぞれのセルが白、黒などの明暗のコントラストが鮮明な対比の色に指定される。図4では、一例として、各々のセルを表現するための画面上のドット403を4×4ドット単位で1セルとする。表示装置105は、例えば、フルHD(Full High Definition)を表示可能な場合1920×1080ドットであり、AVデコーダ104にて生成された正方形の静止画を表示装置105に表示した場合、正方形であるべき形状は、縦横比率が9:16の横長の長方形として表示される。このような表示装置105に正方形の2次元コードの映像を表示させるためには(図4の右側の2次元コード404)、2次元コード生成手段108による変換時に生成される2次元コード401のセル402を縦横比率が16:9になるセル402を構成するように、各ドットの縦横比率を16:9の楕円として変換することが必要である(図4の左側の2次元コード401)。このようにドットを表示することによって、表示装置105に表示される2次元コードの映像の縦横比を1:1(正方形)にできる。縦横比の変更は、CPU101の比率変更手段101dが行う。比率変更手段101dによる処理内容は、例えば、リモコン302にから表示装置情報が入力されたときに、2次元コード401の生成時にROM102が備えるプログラムにて任意に選択できる。したがって、表示装置105の画面の縦横比率情報を保持しておけば、画面の縦横比率に関わらず2次元コードの縦横比率を任意に変えることができる。
【0025】
図5は、実施の形態1に係る映像再生装置100によるユーザー登録処理を示すフローチャートである。図5に基づいて、所定の条件を満たした場合に大容量光ディスク106に含まれるコンテンツに関連してコンテンツプロバイダとの通信を行うための手順の一例を説明する。
【0026】
映像再生装置100は、大容量光ディスク106に格納されているコンテンツを、再生順序を規定するシナリオAにしたがって再生し(ステップS201)、シナリオAにしたがう再生が終了した段階でシナリオBにしたがう再生へ遷移する(ステップS202)。このように、大容量光ディスク106には、所定のシナリオにしたがった再生を完了した場合にのみ、次のシナリオにしたがう再生に遷移することができるように構成されたものがある。図5の例では、シナリオCにしたがった再生(ステップS204)、シナリオDにしたがった再生(ステップS205)、シナリオEにしたがった再生(ステップS206)を順に完了することによって、所定の条件を満たしたことになり(ステップS203)、ステップS207の処理に遷移することができる。映像再生装置100は、大容量光ディスク106のコンテンツに関するユーザー登録をしたかどうかを判断し(ステップS207)、ユーザー登録をしていない場合、サーバの接続用アドレス(インターネット接続先情報201)を取得して(ステップS208)、ユーザ登録のための処理に移行する。
【0027】
映像再生装置100は、サーバ501の接続用アドレスを得た段階で(ステップS208)、2次元コード生成手段108によってインターネット接続先情報201を2次元コード203に変換し、表示装置105に表示させる(ステップS209)。その後、カメラ付携帯端末装置301を用いることによって2次元コードを撮影し、インターネット接続先情報201を復元し(ステップS210)、インターネット上のサーバにアクセスし(ステップS211)、大容量光ディスク106のコンテンツに関するユーザー登録を行う(ステップS212)。インターネット接続先情報201、2次元コード203、及びユーザー登録に関する情報は、赤外線通信手段を用いて、携帯端末装置301から映像表示装置100に送信して、次に大容量光ディスク106を再生するときのために、不揮発性記憶手段110に保存しておくことができる。
【0028】
図6は、実施の形態1に係る映像再生装置100による隠れシナリオ再生処理を示すフローチャートである。映像再生装置100は、大容量光ディスク106に格納されているコンテンツの再生時に、シナリオAにしたがう再生をし(ステップS301)、シナリオAにしたがう再生が終了した段階でシナリオBにしたがう再生に遷移する(ステップS302)。図5の例と同様に、所定のシナリオにしたがう再生が完了した場合にのみ次のシナリオにしたがう再生に遷移することができるようなコンテンツがある。映像再生装置100は、所定のシナリオにしたがう再生が完了した段階で(ステップS303)、隠れシナリオを再生するためのリモコン操作を要求する。例えば、リモコンの方向キーを、所定の順番(例えば、“上、下、下、右、右、左”の順番、又は、数値パスワード“1、3、5、7、9”の順番など)に操作することによって、ステップS303の条件を満たしたときに、隠れシナリオにしたがう再生をすることができる(ステップS311)。この例では、シナリオCにしたがう再生(ステップS305)、シナリオDにしたがう再生(ステップS306)、及びシナリオEにしたがう再生(ステップS307)を順に完了することによって、条件を満たしたことになり(ステップS304)、ステップS308に遷移することができる。シナリオCにしたがう再生(ステップS305)を完了しなければ、シナリオDにしたがう再生(ステップS306)への遷移が起こらず、シナリオDにしたがう再生(ステップS306)を完了しなければ、シナリオEにしたがう再生(ステップS307)への遷移が起こらず、シナリオEにしたがう再生(ステップS307)が完了した場合に、サーバの接続用アドレス(インターネット接続先情報201)を取得して(ステップS308)、隠れシナリオにしたがう再生のための処理に移行する。
【0029】
映像再生装置100は、サーバ501の接続用アドレスを得た段階で(ステップS308)、2次元コード生成手段108によってインターネット接続先情報201を2次元コード203に変換し、表示装置105に表示させる(ステップS309)。その後、カメラ付携帯端末装置301を用いることによって2次元コードを撮影し、インターネット接続先情報201を復元し(ステップS310)、インターネット上のサーバにアクセスし(ステップS311)、隠れシナリオの再生操作手順を取得する(ステップS312)。インターネット接続先情報301、2次元コード303、及び隠れシナリオの再生操作手順に関する情報は、赤外線通信手段を用いて、携帯端末装置301から映像表示装置100に送信して、次に大容量光ディスク106を再生するときのために、不揮発性記憶手段110に保存しておくことができる。
【0030】
以上に説明したように、実施の形態1に係る映像表示装置100は、大容量光ディスク106に記録されているURL(Uniform Resource Locator)やメールアドレスなどのインターネット接続先情報をQRコード等のような2次元コードデータ203aに変換する手段を備え、変換された2次元コードデータ203aに応じた2次元コード203の映像を表示装置105に表示されている映像に重ねて表示する手段を備えている。このため、表示された2次元コード203を撮影手段301bと2次元コードの復元手段301cを有する携帯端末装置301によって撮影し、携帯端末装置301上で復元したインターネット接続先情報によってコンテンツプロバイダとの通信を実現することができる。したがって、実施の形態1に係る映像表示装置100によれば、大容量光ディスク106から読み出されたインターネット接続先情報に対応する2次元コード203の映像を表示装置105に表示させることができるので、携帯端末装置301等のインターネット接続機能を持つ他の装置を用いて、大容量光ディスク106から読み出されたインターネット接続先に迅速且つ容易にアクセスすることができる。
【0031】
また、実施の形態1に係る映像表示装置100は、ローカルストレージである不揮発性記憶手段110にインターネット接続先情報又はインターネット接続先情報を変換したQRコードを格納できるようにしたので、保存しておいたインターネット接続先情報又はQRコードを用いて、任意の時間(例えば、映像データの再生時以外の時など)に携帯端末装置301を用いてコンテンツプロバイダとの通信を実現することができる。
【0032】
さらに、実施の形態1に係る映像表示装置100は、インターネット接続先情報をQRコード等の2次元コードデータ203aに変換する際に、ユーザーが所有する大容量光ディスク106であることを示す固有の媒体識別情報を付加して変換する手段を備えている。このため、2次元コード203の映像を携帯端末装置301で撮影し、携帯端末装置301上で復元したインターネット接続先情報が他で流用されることを防ぐことができる。
【0033】
さらにまた、実施の形態1に係る映像表示装置100は、インターネット接続先情報を2次元コードデータ203aに変換する際に、暗号化手段109によって暗号化することができる。このため、2次元コード203の映像を携帯端末装置301で撮影しても、携帯端末装置301上で復元したインターネット接続先情報が漏洩することを防ぐことができる。
【0034】
また、実施の形態1に係る映像表示装置100は、インターネット接続先情報を2次元コードデータ203aに変換する際に、暗号化して変換する手段に加え、事前に登録済みの赤外線通信手段を備えた携帯端末装置に対して認証する手段と復号化の鍵を送信する手段を備えている。このため、2次元コード化されたインターネット接続先情報と復号化に使用する鍵を別々に扱うことができ、携帯端末装置301上で復元したインターネット接続先情報が漏洩することを防ぐことができる。
【0035】
さらに、実施の形態1に係る映像表示装置100は、インターネット接続先情報を2次元コードデータ203aに変換し表示装置105に表示する際に、表示装置105がインターレース方式であっても走査線の間隔の偶数倍の大きさを2次元コードの最小単位セルの垂直方向の長さをしたので、携帯端末装置301を利用した読み取り時にエラーを少なくすることができる。
【0036】
さらに、実施の形態1に係る映像表示装置100は、インターネット接続先情報を2次元コードデータ203aに変換し表示装置105に表示する際に、表示装置105の縦横比率に関わらず2次元コード203のセル上の各ドットの縦横比が1:1(正方形)になるように変換することによって、いかなる縦横比率の表示装置105であっても、携帯端末装置301を利用した読み取りできる。
【0037】
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係る映像再生装置200の構成を概略的に示すブロック図である。図7において、図1(実施の形態1)に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
【0038】
実施の形態2に係る映像再生装置200は、実施の形態1に係る映像再生装置100に、ネットワーク接続手段701を追加した構成を有する。実施の形態2に係る映像再生装置200は、ネットワーク接続手段701に接続されたネットワーク702、例えば、イーサネット(登録商標)を介して他の装置に接続される。他の映像再生装置801は、ネットワーク702を介してアクセスされることができる不揮発性記憶手段802を有する。実施の形態2に係る映像再生装置200のネットワーク接続手段701は、ネットワーク702を介して他の映像再生装置801の不揮発性記憶手段802にアクセスすることができる。
【0039】
他の映像再生装置801の不揮発性記憶手段802には、例えば、インターネット接続先情報、2次元コード、ユーザー登録に関する情報、又はリモコン操作手順等が格納されている。実施の形態2に係る映像再生装置200は、他の映像再生装置801の不揮発性記憶手段802に保存されているインターネット接続先情報、2次元コード、ユーザー登録に関する情報、又はリモコン操作手順等を選択するためのプログラムをROM102に格納している。また、実施の形態2に係る映像再生装置200は、映像再生装置200の不揮発性記憶手段110又は他の映像再生装置801の不揮発性記憶手段802のいずれかを指定するためのプログラムをROM102に格納している。実施の形態2に係る映像再生装置200は、例えば、HTTPプロトコルを用いてHTMLで記述された文書に指定メディアを書き込んで、他の映像再生装置801との間で情報を送受信することによって、他の映像再生装置801の不揮発性記憶手段802に記憶されているインターネット接続先情報、2次元コード、ユーザー登録に関する情報、又はリモコン操作手順等を用いることができる。
【0040】
実施の形態2に係る映像再生装置200によれば、他の映像再生装置801の不揮発性記憶手段802に保存されているインターネット接続先情報又は2次元データを用いて任意の時間に、携帯端末装置301を用いてインターネット上のサーバ501(例えば、コンテンツプロバイダ)との通信を実現することができる。
【0041】
なお、実施の形態2において、上記以外の点は、上記実施の形態1の場合と同じである。
【0042】
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3に係る映像再生装置300の構成を概略的に示すブロック図である。図8において、図1(実施の形態1)に示される構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。
【0043】
実施の形態3に係る映像再生装置300は、実施の形態1に係る映像再生装置100に、ネットワーク接続手段701を追加した構成を有する。実施の形態3に係る映像再生装置300は、ネットワーク接続手段701に接続されたネットワーク702、例えば、イーサネット(登録商標)を介して他の装置であるパーソナルコンピュータ(PC)に接続される。PC811は、ネットワーク702を介してアクセスされることができる不揮発性記憶手段812を有する。実施の形態3に係る映像再生装置200のネットワーク接続手段701は、ネットワーク702を介してPC811の不揮発性記憶手段812にアクセスすることができる。
【0044】
PC811の不揮発性記憶手段812には、例えば、インターネット接続先情報、2次元コード、ユーザー登録に関する情報、又はリモコン操作手順等が格納されている。実施の形態3に係る映像再生装置300は、PC811の不揮発性記憶手段812に保存されているインターネット接続先情報、2次元コード、ユーザー登録に関する情報、又はリモコン操作手順等を選択するためのプログラムをROM102に格納している。また、実施の形態3に係る映像再生装置300は、映像再生装置300の不揮発性記憶手段110又はPC811の不揮発性記憶手段812のいずれかを指定するためのプログラムをROM102に格納している。実施の形態3に係る映像再生装置300は、例えば、HTTPプロトコルを用いてHTMLで記述された文書に指定メディアを書き込んで、PC811との間で情報を送受信することによって、PC811の不揮発性記憶手段812に記憶されているインターネット接続先情報、2次元コード、ユーザー登録に関する情報、又はリモコン操作手順等を用いることができる。
【0045】
実施の形態3に係る映像再生装置300によれば、PC811の不揮発性記憶手段812に保存されているインターネット接続先情報又は2次元データを用いて任意の時間に、携帯端末装置301を用いてインターネット上のサーバ501(例えば、コンテンツプロバイダ)との通信を実現することができる。
【0046】
なお、実施の形態2において、上記以外の点は、上記実施の形態1又は2の場合と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態1に係る映像再生装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る映像再生装置が表示装置に2次元コードを表示させる処理を示す図である。
【図3】実施の形態1に係る映像再生装置が表示装置に2次元コードを表示させた後の処理を示す図である。
【図4】実施の形態1に係る映像再生装置の2次元コード表示方法の一例を示す図である。
【図5】実施の形態1に係る映像再生装置によるユーザー登録処理を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1に係る映像再生装置による隠れシナリオ再生処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態2に係る映像再生装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る映像再生装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【符号の説明】
【0048】
100,200,300 映像再生装置、 101 CPU、 102 ROM、 103 RAM、 104 AVデコーダ、 105 表示装置、 106 大容量光ディスク、 107 光ディスクドライブ、 108 2次元コード生成手段、 109 暗号化手段、 110 不揮発性記憶手段、 111 赤外線通信手段、 201 インターネット接続先情報、 202 媒体識別情報、 203 2次元コード、 203a 2次元コードデータ、 204 暗号化鍵、 205 インターレース方式表示、 206 奇数フィールド、 207 偶数フィールド、 208 セル、 301 カメラ付携帯端末装置、 301a 赤外線通信手段、 301b 撮影手段、 301c 復元手段、 301d 復号化手段、 301e インターネット接続手段、 302 復号化鍵、 303 電話番号、 401 2次元コード、 402 セル、 403 ドット、 404 2次元コード、 405 セルB、 406 ドット、 501 サーバ、 701 ネットワーク接続手段、 702 ネットワーク、 801 他の映像再生装置、 802,812 不揮発性記憶手段、 811 PC。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも映像データを格納する情報記録媒体を再生する映像再生装置において、
前記情報記録媒体が格納するデータを読み取る読取手段と、
前記読取手段によって読み取られた前記データからインターネット接続先情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記インターネット接続先情報を2次元コードデータに変換する2次元コード生成手段と、
前記2次元コードデータに応じた2次元コードの映像を表示装置に表示させる表示データを生成する表示制御手段と
を有することを特徴とする映像再生装置。
【請求項2】
前記情報記録媒体は、光ディスクであり、
前記2次元コードは、QRコードである
ことを特徴とする請求項1に記載の映像再生装置。
【請求項3】
前記情報記録媒体は、固有の媒体識別情報を格納しており、
前記抽出手段は、前記読取手段によって読み取られた前記データから前記媒体識別情報を抽出する手段を有し、
前記2次元コード生成手段は、前記インターネット接続先情報に前記媒体識別情報を付加した情報を前記2次元コードデータに変換する手段を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の映像再生装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記映像データに応じた映像に前記2次元コードの映像を重ねて表示させる手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の映像再生装置。
【請求項5】
前記抽出手段によって抽出された前記インターネット接続先情報を暗号化する暗号化手段をさらに有し、
前記2次元コード生成手段は、暗号化された前記インターネット接続先情報から暗号化された前記2次元コードデータを生成する手段を有する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の映像再生装置。
【請求項6】
端末装置との間で情報の送受信を行う通信手段と、
各端末装置に固有の端末識別情報を登録識別情報として記憶する識別情報記憶手段と、
前記通信手段で受信された前記端末装置の端末識別情報が、前記識別情報記憶手段に登録済みか否かを判断し、登録済みである場合には、暗号化された前記2次元コードデータを復号するために用いる復号化鍵を前記通信手段から前記端末装置に送信させる復号制御手段と
をさらに有することを特徴とする請求項5に記載の映像再生装置。
【請求項7】
前記通信手段は、赤外線通信手段であることを特徴とする請求項6に記載の映像再生装置。
【請求項8】
前記2次元コード生成手段は、前記表示装置に表示される前記2次元コードの映像を構成する最小セルの縦方向の長さを、前記表示装置の隣接する偶数走査線と奇数走査線の垂直走査方向の間隔の偶数倍の長さに変換する手段を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の映像再生装置。
【請求項9】
前記表示装置の画面の縦横比を取得する手段と、
前記表示装置に表示される前記2次元コードの映像を構成する最小セルの縦方向の長さと横方向の長さの比率を、取得された前記縦横比の逆数の比率に変換する比率変更手段と
をさらに有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の映像再生装置。
【請求項10】
ネットワークを介してアクセス可能な不揮発性記憶手段を有する他の映像再生装置に、ネットワークを介してアクセス可能に接続するネットワーク接続手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の映像再生装置。
【請求項11】
ネットワークを介してアクセス可能な不揮発性記憶手段を有するパーソナルコンピュータに、ネットワークを介してアクセス可能に接続するネットワーク接続手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の映像再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−294910(P2008−294910A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−140299(P2007−140299)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】