説明

映像監視システム、監視映像管理装置及び監視映像提供装置

【課題】他システムと網を共用した場合でも、通信帯域を有効活用し、適切に監視映像情報を提供、管理させるようにする。
【解決手段】本発明に係る映像監視システムは、監視映像情報を提供する1又は複数の監視映像提供装置と、各監視映像情報を管理する監視映像管理装置とを備える。監視映像管理装置は、通信手段と、少なくとも各監視映像提供装置から監視映像情報を収集する収集時刻を、各監視映像提供装置毎に管理する収集管理手段と、各監視映像装置のそれぞれの収集時刻を検出したときに、当該監視映像提供装置に監視映像情報の送信要求を行なう監視映像要求手段とを有す。各監視映像提供装置は、通信手段と、監視映像情報を一時的に保管する監視映像保管手段と、監視映像要求手段から送信要求を受け取ると、監視映像保管手段に保存されている監視映像情報を監視映像管理装置に転送する監視映像転送手段とを有す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像監視システム、監視映像管理装置及び監視映像提供装置に関し、例えば、監視カメラが撮像したデジタル映像をネットワークを通じて収集する映像監視システムと、そのシステムを構成する監視映像管理装置及び監視映像提供装置に適用し得る。
【背景技術】
【0002】
図2は、従来の映像監視システムの全体構成例を示す構成図である。図2に示すように、従来の映像監視システム1は、ルータ8−0〜8−nを介して網6に接続可能な、センタに設けられたセンタサーバ2、各拠点に設けられたデジタルビデオレコーダ(DVR)3−1〜3−nを少なくとも有して構成される。
【0003】
従来の映像監視システムは、各拠点内のデジタルビデオレコーダ3が、監視カメラ4の映像を通信用ファイルに変換し、その通信用ファイルを網6を通じてセンタサーバ2に送信し、センタサーバ2が各監視カメラ4のカメラ映像を蓄積するものである。
【0004】
図3は、従来のシステムのデジタルビデオレコーダ3における処理を示すフローチャートである。
【0005】
図3に示すように、従来のシステムにおいて、各デジタルビデオレコーダ3−1〜3−nは、監視カメラ4からカメラ映像を受け取ると、所定の符号化方式に従ってカメラ画像を符号化したり、又は所定のデジタル処理をしたりする(S101)。
【0006】
カメラ画像のデジタル処理を行なうと、デジタルビデオレコーダ3−1〜3−nは、デジタル処理したカメラ画像を網6を介して転送するために、一定のデータ量にファイル化する(S102)。すなわち、デジタル化されたカメラ映像に基づいて通信パケットを形成する。このとき、通信パケットの送信先ヘッダにはセンタサーバ2のアドレスを挿入する。
【0007】
カメラ映像をファイル化すると、デジタルビデオレコーダ3−1〜3−nは、回線障害が発生していないかどうかを確認する(S103)。この回線障害が生じているか否かの判断方法は、例えば、センタサーバ2へ転送要求を送信し、センタサーバ2から応答があれば回線及びセンタサーバ2が正常と判断し、応答がなければ回線又はセンタサーバ2のいずれかに障害が生じていると判断する。
【0008】
そして、回線障害が有る場合、デジタルビデオレコーダ3−1〜3−nは、映像ファイルを一時的に蓄積し(S104)、回線障害が無い場合、デジタルビデオレコーダ3−1〜3−nは、センタサーバ2に対して映像ファイルを転送し(S105)、また一時的に蓄積している映像ファイルがあるときには回線が正常になった時点で転送するようにしている(S106)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、図2及び図3を参照して説明した従来の映像監視システム1の場合、各拠点やセンタで使用する回線及び網6は他システム5(5−0〜5−n)とも共有し得るものであり、一般に、映像データは、サーバクライアントタイプの他業務のデータに比べ、データ量が非常に大きい。
【0010】
そのため、映像監視システム1が他システム5と網6を共用する場合、各拠点のデジタルビデオレコーダ3−1〜3−nが映像データをセンタサーバ2に転送することは、他システム5の通信に影響を与えるおそれがあった。特に、回線障害の回復後は、各デジタルビデオサーバ3−1〜3−nは、蓄積されたデータを一気に転送するため、他システム5の業務が一時中断してしまう場合や、通信自体がエラーになるという問題があった。
【0011】
また、他システム5への影響をなくすために、映像専用の網を構築するなどの手段が考えられるが、この場合には新たに映像専用網を構築しなければならないため、網の敷設や使用に係る回線費用が多くかかるという問題があった。
【0012】
そのため、他システムと網を共用した場合でも、網の通信帯域を有効活用して、適切に映像データをセンタサーバに送信することができる映像監視システム、監視映像管理装置及び監視映像提供装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる課題を解決するために、第1の本発明に係る映像監視システムは、1又は複数の監視カメラが撮像した監視映像情報をネットワークを通じて提供する1又は複数の監視映像提供装置と、各監視映像提供装置から与えられた各監視映像情報を管理する監視映像管理装置とを備える映像監視システムにおいて、(1)監視映像管理装置が、(1−1)ネットワークを通じて各監視映像提供装置と情報の送受信をする通信手段と、(1−2)少なくとも各監視映像提供装置から監視映像情報を収集する収集時刻を、各監視映像提供装置毎に管理する収集管理手段と、(1−3)収集管理手段が管理する各監視映像装置のそれぞれの収集時刻を検出したときに、当該監視映像提供装置に対して監視映像情報の送信要求を行なう監視映像要求手段とを有し、(2)各監視映像提供装置が、(2−1)ネットワークを通じて監視映像管理装置と情報の送受信をする通信手段と、(2−2)各監視カメラからの監視映像情報を一時的に保管する監視映像保管手段と、(2−3)監視映像要求手段から監視映像情報の送信要求を受け取ると、監視映像保管手段に保存されている監視映像情報を監視映像管理装置に転送する監視映像転送手段とを有することを特徴とする。
【0014】
第2の本発明に係る監視映像管理装置は、1又は複数の監視カメラが撮像した監視映像情報をネットワークを通じて提供する1又は複数の監視映像提供装置から与えられた各監視映像情報を管理する監視映像管理装置において、(1)ネットワークを通じて各監視映像提供装置と情報の送受信をする通信手段と、(2)少なくとも各監視映像提供装置から監視映像情報を収集する収集時刻を、各監視映像提供装置毎に管理する収集管理手段と、(3)収集管理手段が管理する各監視映像装置のそれぞれの収集時刻を検出したときに、当該監視映像提供装置に対して監視映像情報の送信要求を行なう監視映像要求手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
第3の本発明に係る監視映像提供装置は、1又は複数の監視カメラが撮像した監視映像情報をネットワークを通じて監視映像管理装置に提供する監視映像提供装置において、(1)ネットワークを通じて監視映像管理装置と情報の送受信をする通信手段と、(2)各監視カメラからの監視映像情報を一時的に保管する監視映像保管手段と、(3)監視映像管理装置から監視映像情報の送信要求を受け取ると、監視映像保管手段に保存されている監視映像情報を監視映像管理装置に転送する監視映像転送手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る映像監視システム、監視映像管理装置及び監視映像提供装置によれば、他システムと網を共用した場合でも、網の通信帯域を有効活用して、適切に監視映像情報を監視映像管理装置に送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(A)第1の実施形態
以下、本発明の映像監視システム、監視映像管理装置及び監視映像提供装置の第1の実施形態を図面を参照して説明する。
【0018】
本実施形態は、ある拠点に設けられ、監視カメラが撮影したカメラ映像を提供するデジタルビデオレコーダを本発明の監視映像提供装置の例とし、デジタルビデオレコーダからのカメラ映像を蓄積するセンタサーバを本発明の監視映像管理装置の例とする映像監視システムに適用した場合を説明する。
【0019】
(A−1)第1の実施形態の構成
本実施形態に係る映像監視システムの全体構成は、図1に示す従来のシステム構成に対応する。そのため、第1の実施形態では、図1の全体構成図を用いて説明する。
【0020】
本実施形態の映像監視システム1は、センタサーバ2を備えるセンタと、複数の拠点A〜nとの間を、回線及びルータ8などを介した網6を通じて接続可能なネットワークシステムであって、センタ側はセンタサーバ2を備え、各拠点A〜nはデジタルビデオレコーダ(DVR)3(3−1〜3−n)を備える。
【0021】
ここで、網6は、所定の通信方式に従って、通信信号を通信する通信網であり、専用網、公衆網のいずれの通信網に適用することができ、また有線回線、無線回線又はこれらを結合したもののいずれの通信網に適用することができる。また、網6の通信プロトコルは、特に限定されないが、例えばTCP/IPプロトコルを適用することができる。
【0022】
センタ側のシステムは、図1に示すように、センタサーバ2、大容量記録装置(HDD)7、他システム5−0、ルータ8−0等の中継装置などが、センタ内の通信回線を通じて接続可能なシステムとして構成する。
【0023】
ここで、他システム5−0は、例えば業務システム等のようにセンタ側において運用される監視映像システム以外のシステムであって、網6を共用して拠点間通信が可能なシステムである。他システム5−0が提供するサービスは特に限定されない。
【0024】
センタサーバ2は、各拠点A〜nのデジタルビデオレコーダ3−1〜3−nから映像データを受信する時間帯を予め設定しておき、その設定された時間帯になったときに、各拠点A〜nのデジタルビデオレコーダ3−1〜3−nに映像データの送信開始要求を送信し、各拠点A〜nのデジタルビデオレコーダ3−1〜3−nから映像データを受信し、各拠点A〜nの映像データをHDD7に蓄積するものである。
【0025】
このように、センタサーバ2は、内部構成の詳細は後述するが、各デジタルビデオレコーダ3−1〜3−nから映像データを収集する時間帯を管理するスケジュール管理機能と、スケジュール管理に基づいて各デジタルビデオレコーダ3−1〜3−nから映像データを収集する映像データ収集機能を備える。
【0026】
各拠点A〜nは、図1に示すように、デジタルビデオレコーダ3(3−1〜3−n)、監視カメラ4(4−1−1、4−1−2、4−n−1、4−n−2)、他システム5(5−1〜5−n)、ルータ8(8−1〜8−n)等の中継装置などが、各拠点A〜n内の通信回線を通じて接続可能なシステムとして構成する。なお、本実施形態では、1拠点につきデジタルビデオレコーダ3を1台設置した場合を示すが複数台設置するものとしてもよい。
【0027】
ここで、各拠点A〜nにおける他システム5−1〜5−nは他システム5−0と同様に各拠点A〜nにおいて運用されるシステムである。
【0028】
デジタルビデオレコーダ3(3−1〜3−n)は、監視カメラ4から受信したカメラ映像を、所定の符号化処理に従って符号化してデジタル処理をし、そのデジタル処理した映像データをファイル化して一時的に蓄積するものである。また、デジタルビデオレコーダ3(3−1〜3−n)は、センタサーバ2から送信開始要求を受けると、一時的に蓄積していた映像データを所定の通信方式に従って送信するものである。
【0029】
このように、デジタルビデオレコーダ3は、内部構成の詳細は後述するが、センタサーバ2からの送信開始要求を受けるまで、常に映像データを自装置内に一時的に蓄積する映像蓄積機能と、センタサーバ2からの要求後、蓄積している映像データを転送する映像データ転送機能を備える。
【0030】
以下では、本実施形態の映像監視システム1における主要な構成であるデジタルビデオレコーダ3及びセンタサーバ2の内部構成について図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図4は、デジタルビデオレコーダ3の機能構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、デジタルビデオレコーダ3は、映像処理部31、ファイル生成部32、ファイル保管部33、通信部34、主制御部35を少なくとも備える。
【0032】
主制御部35は、デジタルビデオレコーダ3全体の制御機能を司るものであり、例えば、CPU、RAM、ROM、EEPROMなどの不揮発性の書き込み可能メモリ等から構成されており、例えば、CPUは、RAMをワーキングメモリとして用い、ROMに格納されている固定データやRAMに格納されているテンポラリーデータを用いて、ROMに格納されている処理プログラムを実行することにより、後述するようにデジタルビデオレコーダ3の機能を実現させる。なお、本実施形態において、デジタルビデオレコーダ3の主な機能は、後述するが、映像データの一時蓄積機能、センタサーバ2からの送信開始要求を受けたときに映像データを転送する機能がある。
【0033】
映像処理部31は、各監視カメラ4が撮像したカメラ映像に基づく映像信号を受け取り、所定の符号化処理に従って受信した映像信号を映像データに変換し、変換した映像データに対して所定の映像処理を行なうものである。また、映像処理部31は、映像処理を施した映像データをファイル生成部32に与えるものである。
【0034】
ファイル生成部32は、映像処理部31から各監視カメラ4の映像データを受け取り、所定の変換方式に従って、各監視カメラ4の映像データを転送用ファイルの変換するものである。このとき、ファイル生成部32は、例えば、監視カメラ4別、撮像日時別等で、映像データをファイル化する。これにより、監視カメラ4毎のカメラ映像をファイル化することができる。また、ファイル生成部32は、各監視カメラ4の映像ファイルをファイル保存部33に与えて一時的に保管させる。
【0035】
ファイル保管部33は、ファイル生成部32から与えられた各監視カメラ4の転送用ファイルを一時的に保管するものである。ここで、ファイル保管部33は、例えば、ファイル生成部32から受け取った順に映像ファイルを保管するようにしてもよいし、又は各監視カメラ4毎に記憶領域を設け、各監視カメラ4別に映像ファイルを保管するようにしてもよい。また、ファイル保管部33は、主制御部35から送信開始指示を受けると、指示に応じて保管している映像ファイルを通信部34に与えるものである。
【0036】
通信部34は、所定の通信方式に従って、回線及び網6を通じてセンタサーバ2と情報を送受信するものであり、網6を通じてセンタサーバ2から受信した受信信号を主制御部35に与えるものである。ここで、センタサーバ2からの受信信号が映像ファイルデータの送信開始要求であると主制御部35が判断すると、通信部35は、主制御部35の制御の下、ファイル保管部33から受け取った映像ファイルデータを回線及び網6に送信するものである。また、センタサーバ2からの受信信号が送信終了要求であると主制御部35が判断すると、通信部35は、主制御部35の制御の下、映像ファイルデータの送信を終了するものである。
【0037】
図5は、センタサーバ2の内部構成を示す構成図である。図5に示すようにセンタサーバ2は、主制御部21、管理テーブル221、通信部23を少なくとも備える。
【0038】
主制御部21は、センタサーバ2の制御機能を司るものであり、例えば、CPU、RAM、ROM、EEPROMなどの不揮発性の書き込み可能メモリ等から構成されており、例えば、CPUは、RAMをワーキングメモリとして用い、ROMに格納されている固定データやRAMに格納されているテンポラリーデータを用いて、ROMに格納されている処理プログラムを実行することにより、後述するようにセンタサーバ2の機能を実現させる。
【0039】
図6は、センタサーバ2が実現する主な機能を示す機能ブロック図である。図6に示すように、センタサーバ2の主な機能は、映像データ転送管理機能部211、時刻監視機能部212、通信制御機能部213を少なくとも有する。
【0040】
映像データ転送管理機能部211は、各拠点のデジタルビデオレコーダ3から映像ファイルデータを受信する時間帯を、後述する管理テーブル221を用いて管理するものである。
【0041】
ここで、管理テーブル221は、各拠点から映像ファイルデータを収集する時間帯を拠点毎に管理するテーブルである。また、管理テーブル221の項目内容は、例えば、センタサーバ2が有する入力部(図示しない)又は回線を通じて接続可能な端末(図示しない)から管理者・運用者の操作により設定又は変更などをすることができる。図7は、管理テーブル221が管理する管理項目例を説明する説明図である。
【0042】
図7における管理テーブル221の管理項目例は、「拠点名」、「収集開始時刻」、「収集終了時刻」を有する。「拠点名」は、各拠点A〜nを識別する名称である。本実施形態では、各拠点A〜n毎に1台のデジタルビデオレコーダ3を設けるものとしたので、各拠点毎の受信時間帯を設定するものとしたが、これ以外に、各デジタルビデオレコーダ3毎の受信時間帯を設定したり、また拠点内におけるエリア毎の受信時間帯を設定したりしてもよい。「収集開始時刻」は、映像ファイルデータを収集開始する時刻であり、当該拠点のデジタルビデオレコーダ3に対して送信開始要求を送信する時刻である。「収集終了時刻」は、映像ファイルデータの収集を終了する時刻であり、当該拠点のデジタルビデオレコーダ3に対して送信終了要求を送信する時刻である。
【0043】
ここで、本実施形態では、センタ及び各拠点A〜nにおける他システム5(5−0〜5−n)の運用時間帯を考慮して、回線及び網6を利用する頻度が高い時間帯を避けた時間帯を、各拠点からの映像ファイルデータの収集時間帯となるように設定する。
【0044】
例えば、図7の管理テーブルにおいて、拠点Aの収集時間帯は「19:00〜7:00」である。これは、図8に示すように、他システム5(5−0〜5−n)の運用時間帯若しくは利用頻度が高い時間帯がおおよそ「8:00〜18:00」であるとする場合(図8(C)参照)に、拠点Aからの映像ファイルデータの転送時間帯が他システム5の運用時間帯を避けるようにしたものである(図8(A)(B)参照)。これにより、映像ファイルデータの転送による他システム5との通信障害を軽減することができる。勿論、新たな映像データ専用網を設置する必要がないので設備投資は必要ない。
【0045】
時刻監視機能部212は、自サーバ2内に設けられた時計機能を用いて、管理テーブル221に設定されている各拠点A〜nの収集開始時刻又は収集終了時刻を監視し、各拠点A〜nの収集開始時刻又は収集終了時刻になると、通信制御機能部214にその旨を通知するものである。
【0046】
通信制御機能部213は、通信部23に対して通信制御を行なうものであり、時刻監視機能部212から収集開始時刻又は収集終了時刻になった旨を受けると、拠点のデジタルビデオレコーダ3に対して送信開始要求又は送信終了要求を送信させるものである。
【0047】
通信部23は、所定の通信方式に従って、各拠点A〜nのデジタルビデオレコーダ3と情報を送受信するものであり、主制御部21の制御の下、送信開始要求又は送信終了要求を各拠点のデジタルビデオレコーダ3に送信するものである。
【0048】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、本実施形態の映像監視システム1の動作について図面を参照して説明する。
【0049】
図9は、デジタルビデオレコーダ3におけるカメラ映像の蓄積動作である。まず、図9において、監視カメラ4が撮像した映像は、監視カメラ4からデジタルビデオレコーダ3に与えられる。デジタルビデオレコーダ3において、監視カメラ4からカメラ映像を受け取ると、カメラ映像は所定の符号化方式に従って、符号化されてデジタル処理がなされる(S11)。
【0050】
デジタルビデオレコーダ3において、カメラ映像がデジタル処理がなされると、デジタル処理された映像データは、転送用のファイルに変換され(S12)、ファイル保管部33に与えられて保管される(S13)。
【0051】
このとき、転送用の映像ファイルデータは、撮影映像日時、監視カメラ4の識別番号などをファイル項目として管理され、センタサーバ2に送信する際にも、これらファイル項目も含めたデータを送信するようにする。
【0052】
このように、デジタルビデオレコーダ3は、センタサーバ2から送信開始要求が与えられるまで、自装置3内の記憶領域に映像ファイルデータを逐次保管する。
【0053】
次に、デジタルビデオレコーダ3における映像ファイルデータの送信処理について図1を参照して説明する。
【0054】
図1において、デジタルビデオレコーダ3は、網6からの受信信号を監視し、センタサーバ2から送信開始要求が与えられたか否かを確認する(S1)。そして、センタサーバ2から送信開始要求が与えられるまで、映像ファイルデータを送信せず、一時的に保管するようにする。
【0055】
センタサーバ2から送信開始要求があると、主制御部35は、ファイル保管部33に対して送信開始指示を与える。そして、ファイル保管部33は、一時的に保管している映像ファイルがあるかどうかを確認し(S2)、映像ファイルが有る場合、映像ファイルを通信部34に与えて映像ファイルをセンタサーバ2に転送させる(S3)。一方、ファイル保管部33に映像ファイルが無い場合、そのまま映像ファイル転送処理は終了する。
【0056】
ここで、ファイル保管部33が保管している映像ファイルを取り出す方法は、種々の方法を適用することができるが、例えば、全ての映像ファイルのうち保管時間が長いものから順に取り出したり、監視カメラ4別の映像ファイルを所定の順序で取り出したりする方法が考えられる。
【0057】
主制御部35は、センタサーバ2から送信終了要求が与えられるか否かを確認し(S4)、送信終了要求が与えられるまで、保管されている映像ファイルデータをセンタサーバ2に送信する。
【0058】
続いて、センタサーバ2における映像ファイルデータの受信処理について図10を参照して説明する。
【0059】
図10において、映像ファイルデータの収集が起動すると、主制御部21は、管理テーブル221を参照して各拠点A〜nの収集開始時刻を監視する(S21)。そして、各拠点A〜nの収集開始時刻になると、主制御部21は、当該拠点のデジタルビデオレコーダ3に対して送信開始要求を送信させ、当該拠点のデジタルビデオレコーダ3から映像ファイルデータを受信する(S22)。
【0060】
例えば、拠点Aの収集開始時刻になると、拠点Aのデジタルビデオレコーダ3−1に対して送信開始要求を行なうようにする。
【0061】
その後、主制御部21は、各拠点のデジタルビデオレコーダ3から映像ファイルデータを受信すると共に、管理テーブル221を参照して各拠点A〜nの収集終了時刻を監視する(S23)。このとき、センタサーバ2は、各拠点A〜nの映像ファイルをHDD7に保管する。
【0062】
そして、各拠点A〜nの収集終了時刻になると、主制御部21は、当該拠点のデジタルビデオレコーダ3に対して送信終了要求を送信させ、当該拠点のデジタルビデオレコーダ3との通信を終了する(S24)。
【0063】
また、各拠点A〜nの収集終了時刻になっていない間は、主制御部21は、回線障害が生じているか否かを判定し(S25)、回線障害の発生を確認したときには、一定時間経過後に再度各拠点のデジタルビデオレコーダ3との通信を再開する(S26)。
【0064】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、センタサーバ2が各拠点の映像ファイルデータの転送スケジュールを管理し、また各拠点のデジタルビデオレコーダ3がセンタサーバ2からの要求に応じて映像ファイルデータを送信することにより、他システム5と回線を共用した場合でも、映像ファイルデータ転送による通信障害を少なくすることができる。
【0065】
(B)第2の実施形態
次に、第2の実施形態の映像監視システムについて図面を参照して説明する。
【0066】
(B−1)第2の実施形態の構成
本実施形態は、センタサーバ2の機能が第1の実施形態と異なる。それ以外の本実施形態の構成は第1の実施形態で説明した構成に対応するので、以下では、本実施形態の特徴的な構成及び動作について詳細に説明し、第1の実施形態で既に説明した対応構成及び対応動作の詳細な説明は省略する。
【0067】
本実施形態のセンタサーバ2は、各拠点A〜nの回線の使用帯域の情報と現在映像データ転送中か否かの情報を管理する機能と、映像データ転送管理機能部211が転送中の回線使用帯域が設定値を越えた場合には新たな映像ファイルの収集を制限する点に特徴がある。
【0068】
まず、各拠点A〜nの回線使用帯域及び使用状況を管理する機能について説明する。センタサーバ2は、図11に示すような管理項目の管理テーブルを備えることで、回線使用帯域及び使用状況を管理する。
【0069】
図11に示すように、管理テーブル222は、「拠点名」、「収集開始時刻」、「収集終了時刻」のほかに、「使用帯域」及び「通信中」の項目を有する。
【0070】
ここで、「通信帯域」は、各拠点A〜nが通信中に使用する帯域であり、事前に各拠点A〜nの回線速度又はルータ8等の通信機機能の能力から算出して求めることができる。「使用中」は、現在映像ファイルを転送中であるか否かを示す情報であり、例えば、使用中であるときにはフラグを立てるなどして区別することができる。
【0071】
(B−2)第2の実施形態の動作
図12は、第2の実施形態のセンタサーバ2におけるデータ収集処理のフローチャートを示す。図10と対応する処理については対応する番号を付し、対応する処理の詳細な説明は省略する。
【0072】
図12において、センタサーバ2は、第1の実施形態と同様に、管理テーブル222を参照して各拠点A〜nの映像データ収集時刻を監視する(S21)。
【0073】
そして、ある拠点A〜nの映像データ収集時刻になると(S21)、センタサーバ2は、管理テーブル222の「通信中」及び「使用帯域」を見て、現在通信中の拠点A〜nが使用している使用帯域を確認し、通信中拠点の使用帯域を合算する(S31)。
【0074】
通信中拠点が使用しているトータルの使用帯域(合算値)を計算すると、センタサーバ2は、合算値と予め設定された閾値との比較を行なう(S32)。
【0075】
合算値が閾値を超えた場合には、映像ファイルデータの収集を開始せず、通信中の使用帯域の合算値が閾値以下になるまで、その拠点からの映像ファイルデータの収集開始は待ち状態となる。
【0076】
また、合算値が閾値以下である場合には、センタサーバ2は送信開始要求をその拠点のデジタルビデオレコーダ3に送信し、その拠点から映像ファイルデータの収集を開始する。そして、その拠点と通信を開始すると、センタサーバ2は、管理テーブル222の「使用中」の情報を更新する(S34)。
【0077】
さらに、管理テーブル222を参照し、映像ファイルデータ転送中の拠点が終了時刻になると(S23)、センタサーバ2は、映像ファイルデータの転送を終了し、管理テーブル222の「通信中」の情報を更新する(S35)。
【0078】
(B−3)第2の実施形態の効果
以上、本実施形態によれば、第1の実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0079】
また、第2の実施形態によれば、映像データ収集時、収集する拠点が多い場合、センタ側回線がボトルネックになる場合やセンタサーバの処理能力などにより拠点からの映像データが正常に収集できないという課題に対して、センタ回線の速度アップやセンタサーバの能力アッブをすることなく、センタサーバからの送信要求を平準化することにより、効率よく映像データを収集することが可能である。
【0080】
(C)第3の実施形態
次に、第3の実施形態の映像監視システムについて図面を参照して説明する。
【0081】
(C−1)第3の実施形態の構成
本実施形態も、センタサーバ2の機能が第1の実施形態と異なる。それ以外の本実施形態の構成は第1の実施形態で説明した構成に対応するので、以下では、本実施形態の特徴的な構成及び動作について詳細に説明し、第1の実施形態で既に説明した対応構成及び対応動作の詳細な説明は省略する。
【0082】
本実施形態のセンタサーバ2は、収集終了時刻における各拠点A〜nから映像データを収集した収集結果と、収集済みの映像データを各拠点毎に管理する機能と、次回の収集開始時に、その収集済みの映像データの以降の映像データを収集する機能を有する点に特徴がある。
【0083】
まず、収集終了時刻における各拠点A〜nから映像データを収集した収集結果と収集済みの映像データを管理する機能について説明する。センタサーバ2は、図13に示すような管理項目の管理テーブル223を備えることで、収集結果及び収集済みデータを管理する。
【0084】
図13に示すように、管理テーブル223は、「拠点名」、「収集開始時刻」、「収集終了時刻」のほかに、「収集結果」及び「収集済みデータ」の項目を有する。
【0085】
「収集結果」は、収集終了時刻になった時点で、各拠点A〜nのデジタルビデオレコーダ3から全ての映像ファイルデータの収集が完了したか否かを示す結果である。ここで、収集が完了したとは、例えば、前日分の映像データを収集した場合や、又は収集時間の1時間前までの映像データを収集した場合など、システム管理者などにより設定された収集完了とみなす基準に基づいて判断される。
【0086】
「収集済みデータ」は、今回の収集終了時刻の時点で既に収集した映像データに関する情報を管理する項目である。例えば、図13では、収集済みの映像データの日時情報を保持する場合を示す。これにより、次回収集を開始する映像データに反映させることができる。
【0087】
(C−2)第3の実施形態の動作
図14は、第3の実施形態のセンタサーバ2におけるデータ収集処理のフローチャートを示す。図10と対応する処理については対応する番号を付し、対応する処理の詳細な説明は省略する。
【0088】
図14において、センタサーバ2は、第1の実施形態と同様に、管理テーブル223を参照して各拠点A〜nの映像データ収集時刻を監視する(S21)。
【0089】
そして、ある拠点A〜nの映像データ収集時刻になると(S21)、センタサーバ2は、管理テーブル223の「収集結果」及び「収集済みデータ」を見て、当該拠点から前回の収集済みの映像データを確認し、それ以降の映像データを当該拠点から収集する(S41)。
【0090】
その後、終了時刻になると(S23)、センタサーバ2は、当該拠点のデジタルビデオレコーダ3との通信を終了し(S24)、今回収集したデータをチェックし(S42)、管理テーブル223の内容を更新する。
【0091】
センタサーバ2は、当該拠点のデジタルビデオレコーダ3からの映像データの収集が完了している場合、管理テーブル223の「収集結果」に完了した旨を記し、「収集済みデータ」に収集完了にあたる日時情報を記す(S44)。
【0092】
一方、センタサーバ2は、当該拠点のデジタルビデオレコーダ3からの映像データの収集が完了していない場合、管理テーブル223の「収集済みデータ」に今回収集した最終映像データの収集時刻(日時情報)を記し(S45)、「収集結果」に未完了の旨を記す(S46)。
【0093】
これにより、次回の収集になった時点で管理テーブル223より収集済み映像データの次の時刻から収集することができる。
【0094】
(C−3)第3の実施形態の効果
以上、本実施形態によれば、第1の実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0095】
また、本実施形態によれば、回線障害などにより収集が完全に終了しない場合でも、次回収集時間になった時点で、収集済みの次のデータから転送を行なうことが可能なため、前回の映像データ収集を最初から行なう必要はなく効率のよい映像収集が可能である。
【0096】
また、本実施形態によれば、オペレータが強制的に映像収集を終了する場合でも同様の処理を行なうことにより、オペレータが収集再開時、終了時点から転送が可能となりオペレータ介在時など柔軟な運用が可能となる。
【0097】
さらに、DVR側は映像データの転送状況を記憶する必要がなく、センタサーバで一括管理するため、DVR側の保守時転送状況の情報等を反映させる必要がなく作業が容易となる。
【0098】
(D)第4の実施形態
次に、第4の実施形態の映像監視システムについて図面を参照して説明する。
【0099】
(D−1)第4の実施形態の構成
本実施形態は、デジタルビデオレコーダの機能が第1の実施形態と異なる。それ以外の本実施形態の構成は第1の実施形態で説明した構成に対応するので、以下では、本実施形態の特徴的な構成及び動作について詳細に説明し、第1の実施形態で既に説明した対応構成及び対応動作の詳細な説明は省略する。
【0100】
図15は、本実施形態のデジタルビデオレコーダの機能構成を示す機能ブロック図である。
【0101】
図15に示すように、本実施形態のデジタルビデオレコーダ3は、新たに拠点内におけるアラーム通知を検出するアラーム検知部36を備えると共に、主制御部35が、後述するように、アラーム通知を受けたときに最新の映像データをセンタサーバ2に送信する機能、さらに引き続きアラーム通知を検出している場合には一時蓄積している映像データを逐次センタサーバ2に送信する機能を有する。
【0102】
アラーム検知部36は、例えば、拠点内の火災報知器や機器破壊センサなどと拠点内の通信回線を通じて接続しており、火災報知器や機器破壊センサなどからの電気信号を受けると異常を検知し、主制御部35にその旨を通知するものである。
【0103】
(D−2)第4の実施形態の動作
図16は、第4の実施形態のデジタルビデオレコーダ3がアラームを検出した場合の処理を示すフローチャートである。
【0104】
通常、デジタルビデオレコーダ3は、センタサーバ2からの送信開始要求を受けてから映像データを送信する。
【0105】
しかし、拠点内において何らかの異常が生じ、例えば火災報知器や機器破壊センサなどからアラームがデジタルビデオレコーダ3に与えられ、アラーム検知部36を検出すると(S51)、次のような処理が行なわれる。
【0106】
アラーム検知部36がアラームを検知すると、アラーム検知部36からその旨が主制御部35に与えられ、主制御部35の制御の下、アラーム通知が直ちにセンタサーバ2に送信されると共に(S52)、最新映像データがセンタサーバ2に転送される(S53)。これにより、アラーム検出時の緊急性を要する最新映像をセンタサーバ2に転送することができる。
【0107】
その後、アラーム検知部36が、引き続きアラームを検知しつづけるとき、主制御部35の制御の下、ファイル保管部33に保管されている映像データを逐次センタサーバ2に転送する(S55)。これにより、例えば、火災が生じたときの被災状況をセンタサーバ2に転送することができる。
【0108】
(D−3)第4の実施形態の効果
以上、第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0109】
また、第4の実施形態によれば、センタサーバ2からの転送要求で映像データを転送する場合、外部アラーム発生時などの緊急時にDVR3に蓄積してある映像データが送信できないという課題に対して、外部アラームの異常を検出するとセンタサーバ2に該アラームを通知すると同時に最新映像データも送信するため拠点の状況がセンタ側で把握できるという効果がある。
【0110】
さらに、本実施形態によれば、最新映像データ転送後、引き続き蓄積されている映像データを送信するため、拠点の被災に対して映像データの損失を最小限に抑えることが可能である。
【0111】
(E)第5の実施形態
次に、第5の実施形態の映像監視システムについて図面を参照して説明する。
【0112】
(E−1)第5の実施形態の構成
本実施形態は、センタサーバの機能が第1の実施形態と異なる。それ以外の本実施形態の構成は第1の実施形態で説明した構成に対応するので、以下では、本実施形態の特徴的な構成及び動作について詳細に説明し、第1の実施形態で既に説明した対応構成及び対応動作の詳細な説明は省略する。
【0113】
本実施形態のセンタサーバ2は、デジタルビデオレコーダ3からアラーム通知を受信した場合に、予め各拠点A〜n毎に指定された送信先にアラーム通知及び最新映像を転送する機能を有する点に特徴がある。
【0114】
図17は、センタサーバ2の主制御部21の機能を説明する機能ブロック図である。図17に示すように、センタサーバ2の主制御部21は、映像データ転送管理機能部211、時刻監視機能部212、通信制御機能部213のほかに、緊急時映像データ転送機能部214を有する。
【0115】
緊急時映像データ転送機能部214は、各拠点A〜nのデジタルビデオレコーダ3からアラーム通知を受信すると、管理テーブル214に予め指定されている送信先にアラーム通知を送信すると共に、その後デジタルビデオレコーダ3から受信した最新映像データを指定された送信先に転送するものである。
【0116】
図18は、本実施形態のセンタサーバ2の管理テーブル214の管理項目例を示す図である。図18に示すように、本実施形態の管理テーブル214は、「拠点名」、「収集開始時刻」、「収集終了時刻」のほかに、「アラーム通知先IPアドレス」、「アラーム通知時画像送付」を有する。
【0117】
「アラーム通知先IPアドレス」は、各拠点A〜n毎の予め設定されたアラーム通知先のIPアドレスである。「アラーム通知時画像送付」は、アラーム通知先によっては映像を見ることができないものも想定されるので、アラーム通知に映像データを添付するか否かの別を示すものである。
【0118】
(E−2)第5の実施形態の動作
図19は、本実施形態のセンタサーバ2における処理を示すフローチャートである。
【0119】
各拠点A〜n内で異常が生じると、その拠点のデジタルビデオレコーダ3からアラーム通知がセンタサーバ2に与えられる。ここで、本実施形態では、各拠点A〜n内で生じたアラームはすべてセンタサーバ2にアラーム通知されるものとする。このとき、例えば、デジタルビデオレコーダ3は、第4の実施形態で説明したものを適用することができる。
【0120】
デジタルビデオレコーダ3からアラーム通知を受けると、センタサーバ2において検出され(S61)、例えば、センタサーバ2のコンソール等にアラームを表示するなどのアラーム処理が行なわれる(S62)。
【0121】
センタサーバ2において、アラーム通知が検出されると、管理テーブル214における当該拠点A〜nの「アラーム通知先IPアドレス」が参照され、「アラーム通知先IPアドレス」に記されている通知先にアラーム通知が送信される(S63)。
【0122】
このとき、当該拠点A〜nの「アラーム通知時画像送付」を見て、映像データの送付が可能である場合には、センタサーバ2は、アラーム通知と共に若しくはアラーム通知後、当該拠点A〜nから受信した最新映像データを、通知先に転送する(S63)。
【0123】
(E−3)第5の実施形態の効果
以上、本実施形態によれば、第1の実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0124】
また、従来、例えば、夜間や休日等オペレータがいないため場合にはアラーム処理が遅れる場合があった。また例えば、従来の一般的なシステムは、デジタルビデオレコーダ3からセンタサーバ2以外に、直接近隣の警察等にアラーム通知を連絡する方法が取られていたが、例えば障害が生じたデジタルビデオレコーダ3を交換する場合などに、各拠点個別の通知先を再設定する際に設定誤りの危険があった。
【0125】
しかし、本実施形態によれば、各拠点のアラーム通知先をセンタサーバ2に統一し、センタサーバ2から管理テーブル214に従い各拠点の通知先へ連絡することとしたので、確実に各拠点の通知先にアラーム通知を転送することができ、また通知先によっては映像を見ることが可能な場合もあるので、その場合には、最新の映像も併せて送信することができる。その結果、各拠点のアラーム状況を素早く把握させることができる。
【0126】
(F)第6の実施形態
次に、第6の実施形態の映像監視システムについて図面を参照して説明する。
【0127】
(F−1)第6の実施形態の構成
本実施形態は、センタサーバの機能が第1の実施形態と異なる。それ以外の本実施形態の構成は第1の実施形態で説明した構成に対応するので、以下では、本実施形態の特徴的な構成及び動作について詳細に説明し、第1の実施形態で既に説明した対応構成及び対応動作の詳細な説明は省略する。
【0128】
本実施形態のセンタサーバ2は、各拠点A〜nからの映像データ収集において、所定日数前の映像データが全て収集完了しているかどうかを判断する機能と、収集完了している場合に、映像データを全てテープバックアップする機能と、収集未完了の場合に、収集未完了の映像データがある旨を知らせるアラーム通知を行なう機能を有する点に特徴がある。
【0129】
図20は、本実施形態のセンタサーバ2の主制御部21の機能を説明する機能ブロック図である。図20に示すように、センタサーバ2の主制御部21は、映像データ転送管理機能部211、時刻監視機能部212、通信制御機能部213のほかに、映像データ収集確認機能部215、バックアップ機能部216、アラーム処理機能部217を有する。
【0130】
映像データ収集確認機能部215は、大容量記憶装置(HDD)7に蓄積されている各拠点A〜nの映像データを監視し、所定日数に亘る映像データが全て収集されているか否かを確認するものである。この確認方法は、例えば、蓄積された映像ファイルの日時情報等が連続して繋がっているかどうかにより収集が完了しているか否かを確認することができる。
【0131】
バックアップ機能部216は、映像データ収集確認機能部215により拠点の映像データが所定日数に亘って全て収集完了していると判断された場合に、その映像データを予め用意したバックアップエリアにコピーするものである。また、バックアップ機能部216は、バックアップエリアに格納されて全映像データをテープにバックアップさせるものである。
【0132】
ここで、図21は、本実施形態に係る映像データのバックアップ方法のイメージ図である。図21に示すように、大容量記憶装置7は、センタサーバ2が収集した映像データを蓄積する記憶エリア701と、バックアップエリア702とを有する。そして、バックアップ機能部216は、映像データ収集確認機能部215の判断に従って、収集が完了している映像データをバックアップエリア702にコピーする。また、バックアップ機能部216は、テープバックアップ装置9などを機能させて、バックアップエリア702に蓄積されている映像データを、バックアップ用のテープに記憶させる。なお、バックアップ機能部216は、撮影された日付毎の全映像データをテープに記憶させる。
【0133】
アラーム処理機能部217は、映像データ収集確認機能部215により所定日数に亘った拠点の映像データを全て収集していないと判断された場合に、当該拠点について所定日数が経っても映像データが収集できていない旨を示すアラームを通知するものである。これにより、例えば、管理者等の操作により、当該拠点の未収集の映像データを収集することができる。
【0134】
(F−2)第6の実施形態の動作
次に、本実施形態のセンタサーバ2における処理について図23のフローチャートを参照して説明する。
【0135】
まず、センタサーバ2が各拠点A〜nから映像データを収集すると、映像データは、各拠点A〜n毎に大容量記憶装置7の所定の記憶エリア701に蓄積される。
【0136】
センタサーバ2の映像データ収集確認機能部215は、大容量記憶装置7の各拠点A〜nの記憶領域を監視し、所定日数であるN日(Nは任意の自然数)前の拠点の映像データが全て収集完了しているかどうかを確認する(S71)。
【0137】
ここで、所定日数の値Nは、管理者等により任意に設定することができ、例えば、回線障害が少なく翌日にほとんどの拠点から映像データを収集完了できる場合には例えば2日後とか3日後等と比較的短い期間を設定することができ、また例えば、回線障害などが多く映像データの収集に何日もかかり得る場合には例えば6日後とか7日後等と比較的長い期間を設定することができる。
【0138】
映像データ収集確認機能部215が全ての映像データを収集完了していると判断した場合(S72)、バックアップ機能部216は、N日前の全映像データをバックアップエリア702にコピーする(S73)。そして、バックアップ機能部216は、例えばテープバックアップ装置9等を機能させるなどの所定のバックアップ方式によって、バックアップエリア702に蓄積されている各拠点の映像データをテープに記録させる(S74)。
【0139】
一方、映像データ収集確認機能部215が全ての映像データを収集していないと判断した場合(S72)、アラーム処理機能部217は、N日後になっても映像データが収集できていない旨を通知する(S75)。
【0140】
(F−3)第6の実施形態の効果
本実施形態によれば、第1の実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0141】
また、本実施形態によれば、従来よりも映像データのバックアップ検索がより容易になる。
【0142】
ここで、従来のバックアップ処理について図23を用いて簡単に説明する。従来の一般的な映像データのバックアップ処理は、図23に示すように、前日の映像データと当日の映像データとの差分のみのデータを検出し(S81)、その差分データをテープにバックアップする(S82)方法である。このとき、テープへのバックアップは、同日に全拠点のデータ(差分データ)をバックアップする。
【0143】
従って、例えば、回線障害等で映像データが収集できなかった場合、全拠点の映像データを同一の日付で収集できず、その日にバックアップできなかったデータ(差分データ)については何日かに分かれてテープにバックアップされてしまう。そのため、テープバックアップ後、同一の日付の映像データでも、拠点によっては、どのテープにいつの日付でバックアップされているか判らず、検索が非常に困難であった。
【0144】
これに対して、本実施形態によれば、それぞれの拠点についての同一日付の映像データが全て収集完了するのをまってテープにバックアップするため、どのテープにバックアップされているか検索が容易であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】第1の実施形態のデジタルビデオレコーダにおける映像ファイルデータの送信処理のフローチャートである。
【図2】実施形態の映像監視システムの全体構成図である。
【図3】従来のデジタルビデオレコーダにおける映像ファイルデータの送信処理のフローチャートである。
【図4】第1の実施形態のデジタルビデオレコーダの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図5】第1の実施形態のセンタサーバの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図6】第1の実施形態のセンタサーバが実現する主な機能を示す機能ブロック図である。
【図7】第1の実施形態の管理テーブルが管理する管理項目例を説明する説明図である。
【図8】第1の実施形態のセンタサーバが管理する収集時間帯を説明する説明図である。
【図9】第1の実施形態のデジタルビデオレコーダにおけるカメラ映像の蓄積動作を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施形態のセンタサーバにおける映像ファイルデータの受信処理を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態の管理テーブルが管理する管理項目例を説明する説明図である。
【図12】第2の実施形態のセンタサーバにおける映像ファイルデータの受信処理を示すフローチャートである。
【図13】第3の実施形態の管理テーブルが管理する管理項目例を説明する説明図である。
【図14】第3の実施形態のセンタサーバにおける映像ファイルデータの受信処理を示すフローチャートである。
【図15】第4の実施形態のデジタルビデオレコーダの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図16】第4の実施形態のデジタルビデオレコーダがアラームを検出した場合の処理を示すフローチャートである。
【図17】第5の実施形態のセンタサーバの主制御部の機能を説明する機能ブロック図である。
【図18】第5の実施形態のセンタサーバの管理テーブルの管理項目例を示す図である。
【図19】第5の実施形態のセンタサーバにおける処理を示すフローチャートである。
【図20】第6の実施形態のセンタサーバの主制御部の機能を説明する機能ブロック図である。
【図21】第6の実施形態に係る映像データのバックアップ方法のイメージ図である。
【図22】第6の実施形態のセンタサーバにおけるバックアップ処理を示すフローチャートである。
【図23】従来の一般的なバックアップ処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0146】
1…映像監視システム、2…センタサーバ、21…主制御部、211…映像データ転送管理機能部、212…時刻監視機能部、213…通信制御機能部、22…管理テーブル、23…通信部、3(3−1〜3−n)…デジタルビデオレコーダ(DVR)、31…映像処理部、32…ファイル生成部、33…ファイル保管部、34…通信部、35…主制御部、4(4−1−1〜4−n−2)…監視カメラ、5(5−0〜5−n)…他システム、6…網、7…大容量記憶装置(HDD)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の監視カメラが撮像した監視映像情報をネットワークを通じて提供する1又は複数の監視映像提供装置と、上記各監視映像提供装置から与えられた各監視映像情報を管理する監視映像管理装置とを備える映像監視システムにおいて、
上記監視映像管理装置が、
上記ネットワークを通じて上記各監視映像提供装置と情報の送受信をする通信手段と、
少なくとも上記各監視映像提供装置から監視映像情報を収集する収集時刻を、上記各監視映像提供装置毎に管理する収集管理手段と、
上記収集管理手段が管理する上記各監視映像装置のそれぞれの収集時刻を検出したときに、当該監視映像提供装置に対して監視映像情報の送信要求を行なう監視映像要求手段と
を有し、
上記各監視映像提供装置が、
上記ネットワークを通じて上記監視映像管理装置と情報の送受信をする通信手段と、
上記各監視カメラからの監視映像情報を一時的に保管する監視映像保管手段と、
上記監視映像要求手段から監視映像情報の送信要求を受け取ると、上記監視映像保管手段に保存されている監視映像情報を上記監視映像管理装置に転送する監視映像転送手段と
を有する
ことを特徴とする映像監視システム。
【請求項2】
上記収集管理手段は、上記各監視映像提供装置からの監視映像情報の転送に係る帯域情報を管理するものであり、
上記監視映像要求手段は、監視映像情報を送信要求した上記監視映像提供装置との帯域情報の総和が閾値を超えた場合、その閾値を超えたときの監視映像提供装置からの監視映像情報の収集を制限する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像監視システム。
【請求項3】
上記収集管理手段は、それぞれの収集時間帯の中で収集した監視映像情報の収集済み結果情報を上記各監視映像提供装置毎に管理するものであり、
上記監視映像要求手段が、次回の上記各監視映像提供装置からの映像収集情報の収集の際、上記収集済み結果情報を参照して映像収集情報を収集する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の映像監視システム。
【請求項4】
上記各監視映像提供装置は、外部からアラーム情報を受信したときに上記監視映像管理装置にアラーム情報を通知するアラーム通信手段を有し、
上記監視映像転送手段が、上記アラーム情報を受信した場合、その時点での最新の監視映像情報を上記監視映像管理装置に転送する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の映像監視システム。
【請求項5】
上記監視映像転送手段が、最新の監視映像情報と共に、上記監視映像保管手段に保管されている未転送の監視映像情報も上記監視映像管理装置に転送することを特徴とする請求項4に記載の映像監視システム。
【請求項6】
上記収集管理手段が、それぞれの監視領域のアラーム通知先情報を上記各監視映像提供装置に対応付けて管理するものであり、
上記監視映像管理装置は、上記各監視映像提供装置からアラーム情報の通知を受信したときに、上記アラーム通知先情報に基づいて、所定のアラーム通知先にアラーム情報を通知するアラーム情報通信手段
を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の映像監視システム。
【請求項7】
上記アラーム情報通信手段が、上記アラーム情報と共に、上記各監視映像提供装置から与えられた監視映像情報も転送することを特徴とする請求項6に記載の映像監視システム。
【請求項8】
上記監視映像管理装置は、
上記各監視映像提供装置から受信した監視映像を記憶する監視映像記憶手段と、
上記監視映像記憶手段に所定期間記憶された監視映像を上記各監視映像提供装置毎に記憶するバックアップ用記憶手段と、
所定期間が経過すると、上記監視映像記憶手段に記憶されている監視映像を上記バックアップ用記憶手段に移し込むバックアップ映像移動手段と、
上記バックアップ用記憶手段に記憶されている上記各監視映像提供装置毎の監視映像を所定のバックアップ媒体にバックアップするバックアップ手段と
を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の映像監視システム。
【請求項9】
上記バックアップ映像移動手段は、上記各監視映像提供装置の所定期間の監視映像が上記監視映像記憶手段に記憶されていない場合に、当該監視映像提供装置に対して未収集である旨を通知する未収集通知部を有することを特徴とする請求項8に記載の映像監視システム。
【請求項10】
1又は複数の監視カメラが撮像した監視映像情報をネットワークを通じて提供する1又は複数の監視映像提供装置から与えられた各監視映像情報を管理する監視映像管理装置において、
上記ネットワークを通じて上記各監視映像提供装置と情報の送受信をする通信手段と、
少なくとも上記各監視映像提供装置から監視映像情報を収集する収集時刻を、上記各監視映像提供装置毎に管理する収集管理手段と、
上記収集管理手段が管理する上記各監視映像装置のそれぞれの収集時刻を検出したときに、当該監視映像提供装置に対して監視映像情報の送信要求を行なう監視映像要求手段と
を備えることを特徴とする監視映像管理装置。
【請求項11】
1又は複数の監視カメラが撮像した監視映像情報をネットワークを通じて監視映像管理装置に提供する監視映像提供装置において、
上記ネットワークを通じて上記監視映像管理装置と情報の送受信をする通信手段と、
上記各監視カメラからの監視映像情報を一時的に保管する監視映像保管手段と、
上記監視映像管理装置から監視映像情報の送信要求を受け取ると、上記監視映像保管手段に保存されている監視映像情報を上記監視映像管理装置に転送する監視映像転送手段と
を備えることを特徴とする監視映像提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−345208(P2006−345208A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−168688(P2005−168688)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】