説明

映像監視システム及び監視映像表示装置

【課題】所望の監視地点を撮影範囲内に含んでいる監視カメラの監視映像を速やかに表示することができるようにする。
【解決手段】地図表示部13が、地図情報記憶部11により記憶されている地図情報にしたがって監視対象エリアの地図を操作モニタ19に表示する一方、カメラ情報記憶部12により記憶されているカメラ情報を参照して、監視カメラが配置されている監視対象エリア内の位置(X,Y)を確認し、その位置(X,Y)に対応する地図上のポイントに監視カメラのカメラアイコンを表示するとともに、監視カメラの撮影範囲を地図上に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、監視対象エリア内に配置されている監視カメラの監視映像を表示する映像監視システム及び監視映像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の監視カメラが監視対象エリア内に配置されている場合、所望の監視カメラを選択して、その監視カメラの監視映像を監視モニタに表示することができるようにしている映像監視システムが開発されている。
例えば、以下の特許文献1に開示されている映像監視システムでは、複数の監視カメラの配置位置を示す地図を操作端末の画面に表示するとともに、監視カメラのシンボル(カメラアイコン)を地図上に表示している。
そして、映像監視システムでは、ユーザが地図上に表示されているカメラアイコンをクリックすると、そのカメラアイコンに対応する監視カメラを選択して、その監視カメラの監視映像を監視モニタに表示するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−224012号公報(段落番号[0009]、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の映像監視システムは以上のように構成されているので、ユーザが地図上に表示されているカメラアイコンをクリックすれば、そのカメラアイコンに対応する監視カメラの監視映像を監視モニタに表示することができる。しかし、監視カメラの撮影範囲は示されていないため、ユーザがクリックしたカメラアイコンに対応する監視カメラの撮影範囲内には、所望の監視地点が含まれていない可能性がある。このため、所望の監視地点を撮影範囲内に含んでいる監視カメラの監視映像を速やかに表示することができないことがあるなどの課題があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、所望の監視地点を撮影範囲内に含んでいる監視カメラの監視映像を速やかに表示することができる映像監視システム及び監視映像表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る映像監視システムは、監視対象エリアの地図情報を記憶している地図情報記憶手段と、監視カメラが配置されている監視対象エリア内の位置及び監視カメラの撮影範囲を示すカメラ情報を記憶しているカメラ情報記憶手段とを設け、地図表示手段が、地図情報記憶手段により記憶されている地図情報にしたがって監視対象エリアの地図を操作モニタに表示する一方、カメラ情報記憶手段により記憶されているカメラ情報を参照して、監視カメラが配置されている監視対象エリア内の位置を確認し、その位置に対応する地図上のポイントに監視カメラのシンボルを表示するとともに、監視カメラの撮影範囲を地図上に表示するようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、監視対象エリアの地図情報を記憶している地図情報記憶手段と、監視カメラが配置されている監視対象エリア内の位置及び監視カメラの撮影範囲を示すカメラ情報を記憶しているカメラ情報記憶手段とを設け、地図表示手段が、地図情報記憶手段により記憶されている地図情報にしたがって監視対象エリアの地図を操作モニタに表示する一方、カメラ情報記憶手段により記憶されているカメラ情報を参照して、監視カメラが配置されている監視対象エリア内の位置を確認し、その位置に対応する地図上のポイントに監視カメラのシンボルを表示するとともに、監視カメラの撮影範囲を地図上に表示するように構成したので、所望の監視地点を撮影範囲内に含んでいる監視カメラの監視映像を速やかに表示することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1による映像監視システムを示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による映像監視システムの処理内容を示すフローチャートである。
【図3】固定カメラ1,4の撮影範囲等を示す説明図である。
【図4】旋回カメラ2,3,5の撮影範囲等を示す説明図である。
【図5】地図表示部13により表示された監視対象エリア(1)の地図の一例を示す説明図である。
【図6】地点P3が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれるように、旋回カメラ2が旋回された状態を示す説明図である。
【図7】地点P4が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれるように、旋回カメラ2が旋回された状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による映像監視システムを示す構成図である。
図1では、監視対象エリアが2箇所存在している例を示しているが、監視対象エリアが2箇所に限るものではなく、例えば、監視対象エリアが3箇所以上存在していてもよい。
図1において、固定カメラ1は監視対象エリア(1)内に設置されている固定の監視カメラである。
旋回カメラ2は監視対象エリア(1)内に設置されている旋回可能な監視カメラであり、撮影範囲が旋回に伴って変化する。
【0010】
固定カメラ4は監視対象エリア(2)内に設置されている固定の監視カメラである。
旋回カメラ3,5は監視対象エリア(2)内に設置されている旋回可能な監視カメラであり、撮影範囲が旋回に伴って変化する。
監視映像表示装置6は例えば監視室に設置されており、監視対象エリア(1)又は監視対象エリア(2)内に配置されている監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)の監視映像を表示する装置である。
図1では、1台の監視映像表示装置6が監視室に設置されている例を示しているが、2台以上の監視映像表示装置6が監視室に設置されていてもよい。
【0011】
地図情報記憶部11は監視対象エリア(1)(2)の地図情報を記憶しているRAMやハードディスクなどの記録媒体である。なお、地図情報記憶部11は地図情報記憶手段を構成している。
カメラ情報記憶部12は監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)が配置されている監視対象エリア(1)(2)内の位置(X,Y)、監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)の撮影範囲及び旋回カメラ2,3,5の撮影可能範囲(旋回に伴って撮影が可能になる範囲)を示すカメラ情報を記憶しているRAMやハードディスクなどの記録媒体である。
その他、カメラ情報には、監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)の画質を示すカメラ画質情報や、監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)に関するネットワーク設定を示すカメラネットワーク情報や、監視カメラが固定カメラであるのか、旋回カメラであるかを示すカメラ可動情報などを含んでいる。
なお、カメラ情報記憶部12はカメラ情報記憶手段を構成している。
【0012】
地図表示部13は例えばCPUを実装している半導体集積回路、ワンチップマイコン、あるいは、GPU(Graphics Processing Unit)などから構成されており、地図情報記憶部11により記憶されている地図情報にしたがって監視対象エリア(1)又は監視対象エリア(2)の地図を操作モニタ19に表示する一方、カメラ情報記憶部12により記憶されているカメラ情報を参照して、監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)が配置されている監視対象エリア(1)又は監視対象エリア(2)内の位置を確認し、その位置に対応する地図上のポイントに監視カメラのカメラアイコン(シンボル)を表示するとともに、監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)の撮影範囲を地図上に表示する処理を実施する。また、監視カメラが旋回カメラ2,3,5であれば、その旋回カメラ2,3,5の撮影可能範囲を地図上に表示する処理を実施する。なお、地図表示部13は地図表示手段を構成している。
【0013】
操作受付部14は例えばマウスやキーボードやタッチパネルなどのマンマシンインタフェースから構成されており、監視対象エリア(1)又は監視対象エリア(2)の指定や、監視対象地点の指定を受け付ける処理を実施する。
カメラ選択部15は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、複数の監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)の中から、操作受付部14により受け付けられた監視対象の地点(以下、「指定地点」と称する)を撮影範囲又は撮影可能範囲内に含んでいる監視カメラを選択する処理を実施する。
なお、操作受付部14及びカメラ選択部15からカメラ選択手段が構成されている。
【0014】
映像受信処理部16は例えば監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)から送信された監視映像を受信する映像受信回路や、その監視映像が圧縮信号で送信されている場合、その監視映像を復調するデコード回路などから構成されており、複数の監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)のうち、カメラ選択部15により選択された監視カメラの監視映像を受信して、その監視映像を監視映像表示部17に出力する処理を実施する。
ただし、映像受信処理部16はカメラ選択部15により選択された監視カメラが、指定地点を撮影可能範囲内に含んでいるが、指定地点を撮影範囲内に含んでいない旋回カメラ2,3,5である場合、指定地点を撮影範囲内に含む位置まで旋回カメラ2,3,5が旋回されてから、旋回カメラ2,3,5の監視映像を受信する処理を実施する。
【0015】
監視映像表示部17は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、映像受信処理部16から出力された監視映像を監視モニタ20に表示する処理を実施する。
カメラ制御部18は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、旋回カメラ2,3,5の旋回等を制御する制御回路である。
なお、映像受信処理部16、監視映像表示部17及びカメラ制御部18から監視映像表示手段が構成されている。
【0016】
操作モニタ19は地図表示部13の指示の下、監視対象エリア(1)又は監視対象エリア(2)の地図を表示するとともに、監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)のカメラアイコン、撮影範囲及び撮影可能範囲を地図上に表示する表示機器である。
監視モニタ20は監視映像表示部17の指示の下、監視カメラ(固定カメラ1,4、旋回カメラ2,3,5)の監視映像を表示する表示機器である。
【0017】
図1の例では、監視映像表示装置6の構成要素である地図表示部13、操作受付部14、カメラ選択部15、映像受信処理部16、監視映像表示部17及びカメラ制御部18のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを示しているが、監視映像表示装置6がコンピュータで構成される場合、地図表示部13、操作受付部14、カメラ選択部15、映像受信処理部16、監視映像表示部17及びカメラ制御部18の処理内容を記述しているプログラムを当該コンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにしてもよい。
図2はこの発明の実施の形態1による映像監視システムの処理内容を示すフローチャートである。
【0018】
図3は固定カメラ1,4の撮影範囲等を示す説明図である。
図3において、カメラアイコン31は固定カメラ1,4を地図上に表示する際のシンボルである。
撮影範囲32は固定カメラ1,4のカメラ情報に含まれている情報であり、撮影範囲32は固定カメラ1,4の画角33と撮影可能距離34から決定される。ただし、撮影範囲32は、範囲として示されるものであれば、図3に示すような扇形でなくてもよい。
撮影可能距離34は監視対象エリア(1)(2)の監視状況によって決定される撮影可能な距離である。
なお、35は固定カメラ1,4の撮影方向である。
【0019】
図4は旋回カメラ2,3,5の撮影範囲等を示す説明図である。
図4において、カメラアイコン41は旋回カメラ2,3,5を地図上に表示する際のシンボルである。
撮影範囲42は旋回カメラ2,3,5のカメラ情報に含まれている情報であり、撮影範囲42は旋回カメラ2,3,5の画角43と撮影可能距離44から決定される。ただし、撮影範囲42は、範囲として示されるものであれば、図4に示すような扇形でなくてもよい。
撮影可能距離44は監視対象エリア(1)(2)の監視状況によって決定される撮影可能な距離である。45は旋回カメラ2,3,5の撮影方向である。
撮影可能範囲46は旋回カメラ2,3,5のカメラ情報に含まれている情報であり、旋回カメラ2,3,5が旋回することによって撮影が可能になる範囲である。
【0020】
次に動作について説明する。
ユーザが所望の地点の監視映像を見る場合、操作受付部14を操作して、その地点が存在している監視対象エリアを指定する(ステップST1)。
図1の例では、映像監視システムが2つの監視対象エリア(1)(2)を有しているので、ユーザが監視対象エリア(1)又は監視対象エリア(2)を選択する。
ここでは、説明の便宜上、ユーザが監視対象エリア(1)を選択するものとして、以下の説明を行う。
操作受付部14は、ユーザが監視対象エリア(1)を指定すると、監視対象エリア(1)が指定された旨を地図表示部13に通知する。
【0021】
地図表示部13は、操作受付部14から監視対象エリア(1)が指定された旨の通知を受けると、地図情報記憶部11から監視対象エリア(1)の地図情報を読み取り、その地図情報にしたがって監視対象エリア(1)の地図を操作モニタ19に表示する(ステップST2)。
また、地図表示部13は、カメラ情報記憶部12から監視対象エリア(1)に設置されている監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)のカメラ情報を読み取り、そのカメラ情報を参照して、固定カメラ1及び旋回カメラ2が配置されている監視対象エリア(1)内の位置(X,Y)を確認し、その位置(X,Y)に対応する地図上のポイントに固定カメラ1のカメラアイコン31と旋回カメラ2のカメラアイコン41を表示する(ステップST3)。
【0022】
さらに、地図表示部13は、そのカメラ情報を参照して、固定カメラ1及び旋回カメラ2の撮影範囲32,42を確認して、その撮影範囲32,42を地図上に表示するとともに、旋回カメラ2の撮影可能範囲46を確認して、その撮影可能範囲46を地図上に表示する(ステップST4)。
ここで、図5は地図表示部13により表示された監視対象エリア(1)の地図の一例を示す説明図である。
図5の例では、地図上に固定カメラ1及び旋回カメラ2の撮影範囲32,42と、旋回カメラ2の撮影可能範囲46が表示されている。
【0023】
これにより、ユーザは、操作モニタ19を見れば、固定カメラ1及び旋回カメラ2の撮影範囲32,42と、旋回カメラ2の撮影可能範囲46を確認することができる。
ユーザは、操作モニタ19を見ながら、操作受付部14を操作して、監視を希望する地点を指定する(ステップST5)。
ここでは、説明の便宜上、図5に示している地点P1,P2,P3,P4,P5が、ユーザが監視を希望する地点であるとして、ユーザが順番に地点P1,P2,P3,P4,P5を指定するものとする。
ただし、ユーザが地点P1,P2,P3,P4,P5以外の地点を指定してもよいことは言うまでもない。
操作受付部14は、ユーザが監視対象の地点を指定すると、その指定地点をカメラ選択部15に通知する。
【0024】
カメラ選択部15は、操作受付部14から指定地点の通知を受けると、監視対象エリア(1)に設置されている監視カメラ(固定カメラ1、旋回カメラ2)の中に、その指定地点を撮影範囲32,42内の中に含んでいる監視カメラが存在しているか否かを確認する(ステップST6)。
カメラ選択部15は、その指定地点が固定カメラ1の撮影範囲32内に含まれていれば、監視映像を受信する対象の監視カメラとして固定カメラ1を選択する。また、その指定地点が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれていれば、監視映像を受信する対象の監視カメラとして旋回カメラ2を選択する(ステップST7)。
例えば、指定地点が地点P1,P4であれば、固定カメラ1が選択され、指定地点が地点P2であれば、旋回カメラ2が選択される。
【0025】
カメラ選択部15は、その指定地点が固定カメラ1の撮影範囲32内に含まれておらず、旋回カメラ2の撮影範囲42内にも含まれていない場合、その指定地点が旋回カメラ2の撮影可能範囲46内に含まれているか否かを確認する(ステップST8)。
カメラ選択部15は、その指定地点が旋回カメラ2の撮影可能範囲46内に含まれていれば、監視映像を受信する対象の監視カメラとして旋回カメラ2を選択する(ステップST9)。
例えば、指定地点が地点P3,P4であれば、旋回カメラ2が選択される。
一方、その指定地点が旋回カメラ2の撮影可能範囲46内に含まれていなければ、監視映像を受信する対象の監視カメラの選択を行わない(ステップST10)。
例えば、指定地点が地点P5であれば、地点P5の映像を表示することが可能な監視カメラが存在しないので、いずれの監視カメラも選択されない。
この場合、指定地点の監視映像が無い旨を示すコメントが監視映像表示部17を通じて監視モニタ20に表示される。
【0026】
図5の例では、旋回カメラ2の現在の撮影範囲42が地点P2を含む位置にあり、地点P4を含む位置にないため、上記のステップST7において、指定地点が地点P4であるとき、固定カメラ1のみが選択されて、旋回カメラ2が選択されていないが、旋回カメラ2が旋回されて、現在の撮影範囲42が地点P4を含む位置に移動していれば、指定地点が地点P4であるとき、固定カメラ1と旋回カメラ2の双方が選択される。
【0027】
ここでは、指定地点が固定カメラ1及び旋回カメラ2の撮影範囲32,42内に含まれていない場合、その指定地点が旋回カメラ2の撮影可能範囲46内に含まれているか否かを確認しているものを示しているが、旋回カメラ2については、指定地点が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれているか否かを確認せず、直ちに、その指定地点が旋回カメラ2の撮影可能範囲46内に含まれているか否かを確認し、旋回カメラ2の撮影可能範囲46内に含まれていれば、監視映像を受信する対象の監視カメラとして旋回カメラ2を選択するようにしてもよい。
したがって、この場合、指定地点が地点P4であれば、固定カメラ1と旋回カメラ2の双方が選択される。
【0028】
カメラ制御部18は、カメラ選択部15により旋回カメラ2が選択されたとき、指定地点が旋回カメラ2の撮影可能範囲46内に含まれている場合(既に、指定地点が撮影範囲42内に含まれている場合を除く)、その指定地点が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれるように、旋回カメラ2の旋回を制御する(ステップST11)。
例えば、指定地点が地点P3又はP4である場合、地点P3又はP4が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれるように、旋回カメラ2の旋回を制御する。
図6は地点P3が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれるように、旋回カメラ2が旋回された状態を示す説明図である。
また、図7は地点P4が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれるように、旋回カメラ2が旋回された状態を示す説明図である。
なお、旋回カメラ2の旋回動作は、指定地点が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれるまで行われるが、その指定地点が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれた直後に停止するようにしてもよいし、その指定地点が旋回カメラ2の撮影方向45の直線上に重なったときに停止するようにしてもよい(図4及び図7参照)。
【0029】
映像受信処理部16は、カメラ選択部15により固定カメラ1が選択された場合、その固定カメラ1から送信される監視映像を受信して、その監視映像を監視映像表示部17に出力する(ステップST12)。
また、映像受信処理部16は、カメラ選択部15により旋回カメラ2が選択された場合、その旋回カメラ2から送信される監視映像を受信して、その監視映像を監視映像表示部17に出力する(ステップST12)。
ただし、映像受信処理部16は、カメラ制御部18が旋回カメラ2の旋回を制御している場合、その旋回の制御が完了して、指定地点が旋回カメラ2の撮影範囲42内に含まれるようになってから、その旋回カメラ2から送信される監視映像を受信して、その監視映像を監視映像表示部17に出力する。
【0030】
監視映像表示部17は、映像受信処理部16から監視映像を受けると、その監視映像を監視モニタ20に表示する(ステップST13)。
なお、映像受信処理部16から固定カメラ1及び旋回カメラ2の監視映像の双方を受けている場合、監視モニタ20の画面を分割して、双方の監視映像を表示するようにしてもよいし、2つの監視映像を時分割で表示するようにしてもよい。
また、監視モニタ20が2台用意されていれば、それぞれの監視映像を別々の監視モニタ20に表示するようにしてもよい。
【0031】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、監視対象エリアの地図情報を記憶している地図情報記憶部11と、監視カメラが配置されている監視対象エリア内の位置及び監視カメラの撮影範囲を示すカメラ情報を記憶しているカメラ情報記憶部12とを設け、地図表示部13が、地図情報記憶部11により記憶されている地図情報にしたがって監視対象エリアの地図を操作モニタ19に表示する一方、カメラ情報記憶部12により記憶されているカメラ情報を参照して、監視カメラが配置されている監視対象エリア内の位置(X,Y)を確認し、その位置(X,Y)に対応する地図上のポイントに監視カメラのカメラアイコンを表示するとともに、監視カメラの撮影範囲を地図上に表示するように構成したので、所望の監視地点を撮影範囲内に含んでいる監視カメラの監視映像を速やかに表示することができる効果を奏する。
【0032】
また、この実施の形態1によれば、監視カメラが旋回カメラであり、旋回に伴って撮影が可能になる撮影可能範囲がカメラ情報に含まれている場合、地図表示部13がカメラ情報を参照して、その監視カメラの撮影範囲及び撮影可能範囲を地図上に表示するように構成したので、現在、所望の監視地点を撮影範囲内に含んでいる監視カメラが存在しない場合でも、撮影が可能な旋回カメラを選択して、所望の監視地点の映像を表示することができる効果を奏する。
【0033】
この実施の形態1によれば、監視対象の地点が指定された場合、カメラ選択部15が、複数の監視カメラの中から、指定地点を撮影範囲又は撮影可能範囲内に含んでいる監視カメラを選択するように構成したので、ユーザは監視対象の地点を指定するだけで、指定地点を撮影している監視カメラを自動的に選択することができる効果を奏する。
【0034】
また、この実施の形態1によれば、カメラ選択部15により選択された監視カメラが、指定地点を撮影可能範囲内に含んでいるが、その指定地点を撮影範囲内に含んでいない監視カメラである場合、カメラ制御部18が、その指定地点を撮影範囲内に含む位置まで監視カメラを旋回してから、監視映像表示部17が監視カメラの監視映像を監視モニタ20に表示するように構成したので、指定地点の監視映像のみを表示して、監視の作業効率を高めることができる効果を奏する。
【0035】
なお、この実施の形態1では、映像受信処理部16がカメラ選択部15により選択された監視カメラの監視映像を選択的に受信するものについて示したが、映像受信処理部16が指定の監視対象エリアに設置されている全ての監視カメラの監視映像を受信し、監視映像表示部17が、映像受信処理部16により受信された全ての監視カメラの監視映像の中から、カメラ選択部15により選択された監視カメラの監視映像を選択して表示するようにしてもよい。
【0036】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、指定地点を撮影範囲又は撮影可能範囲内に含んでいる監視カメラが複数存在している場合、カメラ選択部15が複数の監視カメラを選択し、監視映像表示部17が複数の監視カメラの監視映像を監視モニタ20に表示するものについて示したが、ユーザが操作受付部14を操作して、いずれか1つの監視映像を選択し、その監視映像を表示するようにしてもよい。
【0037】
実施の形態3.
上記実施の形態1では、カメラ選択部15により固定カメラと旋回カメラの双方が選択されるケースとして、固定カメラと旋回カメラの撮影範囲が共に指定地点を含んでいるケース(1)と、固定カメラの撮影範囲が指定地点を含み、かつ、旋回カメラの撮影可能範囲が指定地点を含んでいるケース(2)とを示している。
ケース(2)が適用される場合、監視映像表示部17が固定カメラ及び旋回カメラの監視映像を監視モニタ20に表示してもよいが、旋回カメラを旋回させずに、固定カメラの監視映像のみを監視モニタ20に表示するようにしてもよい。
【0038】
実施の形態4.
上記実施の形態1では、指定地点を撮影範囲内に含んでいる監視カメラ(固定カメラ、旋回カメラ)が存在していない場合、指定地点を撮影可能範囲内に含んでいる旋回カメラを確認するものについて示したが、監視カメラ(固定カメラ、旋回カメラ)がパン移動、チルト移動又はフォーカス移動を実施する機能を備えている場合、指定地点を撮影範囲の中に含んでいる監視カメラ(固定カメラ、旋回カメラ)が存在していなければ、カメラ選択部15が、各監視カメラのパン移動、チルト移動又はフォーカス移動を実施し、指定地点を撮影範囲内に含むことになった監視カメラ(固定カメラ、旋回カメラ)を選択するようにしてもよい。
この場合も、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0039】
1,4 固定カメラ、2,3,5 旋回カメラ、6 監視映像表示装置、11 地図情報記憶部(地図情報記憶手段)、12 カメラ情報記憶部(カメラ情報記憶手段)、13 地図表示部(地図表示手段)、14 操作受付部(カメラ選択手段)、15 カメラ選択部(カメラ選択手段)、16 映像受信処理部(監視映像表示手段)、17 監視映像表示部(監視映像表示手段)、18 カメラ制御部(監視映像表示手段)、19 操作モニタ、20 監視モニタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象エリア内に設置されている複数の監視カメラと、上記監視対象エリアの地図情報を記憶している地図情報記憶手段と、上記監視カメラが配置されている監視対象エリア内の位置及び上記監視カメラの撮影範囲を示すカメラ情報を記憶しているカメラ情報記憶手段と、上記地図情報記憶手段により記憶されている地図情報にしたがって上記監視対象エリアの地図を操作モニタに表示する一方、上記カメラ情報記憶手段により記憶されているカメラ情報を参照して、上記監視カメラが配置されている監視対象エリア内の位置を確認し、上記位置に対応する上記地図上のポイントに上記監視カメラのシンボルを表示するとともに、上記監視カメラの撮影範囲を上記地図上に表示する地図表示手段と、上記複数の監視カメラの中から、監視対象の地点を撮影している監視カメラを選択するカメラ選択手段と、上記カメラ選択手段により選択された監視カメラの監視映像を監視モニタに表示する監視映像表示手段とを備えた映像監視システム。
【請求項2】
カメラ選択手段は、監視対象の地点が指定された場合、カメラ情報記憶手段により記憶されているカメラ情報を参照して、複数の監視カメラの中から、上記指定の地点を撮影範囲内に含んでいる監視カメラを選択することを特徴とする請求項1記載の映像監視システム。
【請求項3】
監視カメラが旋回カメラであり、旋回に伴って撮影が可能になる撮影可能範囲がカメラ情報に含まれている場合、地図表示手段が上記カメラ情報を参照して、上記監視カメラの撮影範囲及び撮影可能範囲を地図上に表示することを特徴とする請求項1記載の映像監視システム。
【請求項4】
カメラ選択手段は、監視対象の地点が指定された場合、カメラ情報記憶手段により記憶されているカメラ情報を参照して、複数の監視カメラの中から、上記指定の地点を撮影範囲又は撮影可能範囲内に含んでいる監視カメラを選択することを特徴とする請求項3記載の映像監視システム。
【請求項5】
監視映像表示手段は、カメラ選択手段により選択された監視カメラが、指定の地点を撮影可能範囲内に含んでいるが、上記指定の地点を撮影範囲内に含んでいない監視カメラである場合、上記指定の地点を撮影範囲内に含む位置まで上記監視カメラが旋回されてから、上記監視カメラの監視映像を監視モニタに表示することを特徴とする請求項4記載の映像監視システム。
【請求項6】
カメラ選択手段は、監視カメラがパン移動、チルト移動又はフォーカス移動を実施する機能を備えている場合、指定された監視対象の地点を撮影範囲内に含んでいる監視カメラが存在しなければ、上記監視カメラのパン移動、チルト移動又はフォーカス移動を実施し、指定された監視対象の地点を撮影範囲内に含むことになった監視カメラを選択することを特徴とする請求項2記載の映像監視システム。
【請求項7】
複数の監視カメラが設置されている監視対象エリアの地図情報を記憶している地図情報記憶手段と、上記監視カメラが配置されている監視対象エリア内の位置及び上記監視カメラの撮影範囲を示すカメラ情報を記憶しているカメラ情報記憶手段と、上記地図情報記憶手段により記憶されている地図情報にしたがって上記監視対象エリアの地図を操作モニタに表示する一方、上記カメラ情報記憶手段により記憶されているカメラ情報を参照して、上記監視カメラが配置されている監視対象エリア内の位置を確認し、上記位置に対応する上記地図上のポイントに上記監視カメラのシンボルを表示するとともに、上記監視カメラの撮影範囲を上記地図上に表示する地図表示手段と、上記複数の監視カメラの中から、監視対象の地点を撮影している監視カメラを選択するカメラ選択手段と、上記カメラ選択手段により選択された監視カメラの監視映像を監視モニタに表示する監視映像表示手段とを備えた監視映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−176452(P2011−176452A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37638(P2010−37638)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】