説明

映像監視システム

【課題】監視対象の運用に応じて設定された抽出基準に基づいて要確認映像を抽出するようにして、監視員による確認が必要な映像を確実に記録するとともに、要確認映像の量を低減することができ、監視員による確認時間を短縮することができるようにする。
【解決手段】監視対象10の映像を撮影する監視カメラ21と、前記監視対象10の運用に応じて設定された抽出基準に基づいて、前記監視カメラ21が撮影した映像から要確認映像を抽出する要確認映像抽出手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストア、スーパーマーケット等の商店、銀行、郵便局、信用金庫等の金融機関、玄関ホール、エレベータ等の建物内部のような施設に監視カメラ等を設置し、撮影した映像をリアルタイムでモニタしたり記録することによって、前記施設を利用する人の動きを監視する映像監視システムが提供されている。
【0003】
例えば、施設への侵入等の事象の発生を検知する赤外線センサ、温度センサ等から成る監視センサと、監視カメラが出力する映像を記録する映像記録装置と、前記監視センサからの信号に対応して前記映像記録装置に映像の記録を開始させる制御手段と、前記映像記録装置の映像記録情報を管理する映像情報管理装置とを備え、記録された侵入者の映像を記録順に再生することができ、短時間で特定の時間帯の映像を確認することができる映像監視システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、通信回線網等のネットワークに接続されたネットワークカメラによって、複数の受信装置に映像を配信可能な映像監視システムが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−197223号公報
【特許文献2】特開2007−142861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の映像監視システムにおいては、監視センサの検知精度が環境によってまちまちであって誤検知が多く、事象の発生を高精度で検知することができない。また、監視センサの検知精度を維持するには頻繁なメンテナンスが必要であるため、メンテナンスの費用が高くなってしまう。さらに、ネットワークを経由して配信されて蓄積された映像の量が膨大となるので、映像の細部を確認するためには、膨大な時間がかかってしまう。
【0007】
本発明は、前記従来の映像監視システムの問題点を解決して、監視対象の運用に応じて設定された抽出基準に基づいて要確認映像を抽出するようにして、監視員による確認が必要な映像を確実に記録するとともに、要確認映像の量を低減することができ、監視員による確認時間を短縮することができる映像監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明の映像監視システムにおいては、監視対象の映像を撮影する監視カメラと、前記監視対象の運用に応じて設定された抽出基準に基づいて、前記監視カメラが撮影した映像から要確認映像を抽出する要確認映像抽出手段とを有する。
【0009】
本発明の他の映像監視システムにおいては、さらに、前記監視カメラが撮影した映像を記録する映像記録手段と、前記要確認映像を記録する要確認映像記録手段とを更に有し、前記要確認映像抽出手段は、前記映像記録手段に記録された映像から前記要確認映像を抽出し、抽出した要確認映像を前記要確認映像記録手段に記録させる。
【0010】
本発明の更に他の映像監視システムにおいては、さらに、前記要確認映像記録手段に接続された表示手段を更に有し、該表示手段は、前記要確認映像記録手段に記録された要確認映像を視認可能に表示する。
【0011】
本発明の更に他の映像監視システムにおいては、さらに、前記要確認映像抽出手段と要確認映像記録手段とはネットワークを介して接続され、前記要確認映像抽出手段は、抽出した要確認映像を前記ネットワークを介して前記要確認映像記録手段に送信する。
【0012】
本発明の更に他の映像監視システムにおいては、さらに、前記抽出基準は、前記監視対象の種類、前記監視対象の映像の撮影時間情報、前記監視対象の映像に含まれる人物の数、又は、前記人物が監視対象内に滞在していた時間に応じて設定される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、映像監視システムにおいては、監視対象の運用に応じて設定された抽出基準に基づいて要確認映像を抽出する。これにより、監視員による確認が必要な映像を確実に記録するとともに、要確認映像の量を低減することができ、監視員による映像確認時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態における映像監視システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における要確認映像の抽出基準の例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における映像監視システムの監視映像確認効率化手段の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態における映像監視システムの構成を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における映像監視システムの監視映像確認効率化手段の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の第1の実施の形態における映像監視システムの構成を示す図である。
【0017】
図において、10は本実施の形態における映像監視システムの監視対象であり、20は本実施の形態における映像監視システムが有する映像監視装置であり、21は本実施の形態における映像監視システムが有する監視カメラであって前記映像監視装置20に接続されている。
【0018】
前記監視対象10は、例えば、銀行、郵便局、信用金庫等の金融機関の本店、支店等の営業店、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、デパート、ホームセンタ、ショッピングセンタ等の商業施設の店舗、鉄道の駅、鉄道車両、地下道、バス、飛行場等の交通機関、劇場、テーマパーク、遊園地等の娯楽施設、ホテル、旅館等の宿泊施設、食堂、レストラン等の飲食施設、学校、官庁等の公共施設、個人住宅、集合住宅等の住宅施設、一般の建造物における玄関ホール、エレベータ等の建物内部、工事現場、工場等の作業施設等であるが、いかなる施設や場所であってもよい。
【0019】
また、前記監視対象10は、建物等の施設全体であってもよいし、屋内又は屋外のいずれであってもよいし、屋内の1又は複数のフロアであってもよいし、屋内の1又は複数の室内であってもよいし、フロア又は室内における一部であってもよい。例えば、前記監視対象10は、金融機関の1つの支店内の全体であってもよいし、支店内の1フロア全体であってもよいし、支店内に配設されたATM(Automatic Teller Machine:現金自動預払機)の周辺のみであってもよい。
【0020】
図に示される例において、前記監視カメラ21は、1台のみであるが、複数台であってもよく、何台であってもよい。また、前記監視カメラ21は、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像手段を備え、監視対象10を撮影してその映像を取得し、取得した映像を映像監視装置20に送信するものであれば、工業用の監視カメラであっても、放送局用の監視カメラであっても、家庭用のビデオカメラであってもよく、いかなる形態のものであってもよい。また、前記監視カメラ21は、ズームレンズ等の焦点可変機構を備え、接写から望遠まで撮影モードを変更することができるもの、すなわち、ズーミング動作が可能なものであってもよい。さらに、前記監視カメラ21は、上下又は左右に回動可能に取り付けられ、撮影範囲を上下又は左右に移動させることができるもの、すなわち、チルティング動作又はパニング動作が可能なものであってもよい。この場合、ズーミング動作、チルティング動作及びパニング動作を含む監視カメラ21のすべての動作は、映像監視装置20によって制御される。
【0021】
該映像監視装置20は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク、磁気テープ、磁気ドラム、フラッシュメモリ、光ディスク、メモリカード等の記憶手段、キーボード、マウス等の入力手段、通信手段等を備える一種のコンピュータであって、映像監視システムの管理者によって操作される。該管理者は、例えば、監視対象10である建物、施設等の維持、管理、警備等を行う管理会社、警備会社等の担当者であって監視対象10の監視の任に当たる者である。なお、図に示される例において、映像監視装置20は、監視対象10内に配設されているが、必ずしも、監視対象10内に配設される必要はなく、監視対象10外の、例えば、管理人室、警備員室、管理会社、警備会社等の監視室等に配設されていてもよい。
【0022】
そして、前記映像監視装置20は、監視カメラ制御手段としてのカメラドライブ22、映像記録手段としての映像録画装置23、及び、表示手段としてのディスプレイ24を備える。前記カメラドライブ22は、監視カメラ21の撮影開始、撮影停止、ズーミング動作、チルティング動作、パニング動作等のすべての動作を制御する。
【0023】
また、前記映像録画装置23は、一種のDVR(Digital Video Recorder)であり、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段を備え、前記監視カメラ21が撮影した監視対象10の映像を、前記カメラドライブ22を介して受信し、映像データとして前記記憶手段に記録して保存蓄積する。なお、前記映像録画装置23には、映像データを記録するバックアップ用の記憶手段としてHDD(Hard Disk Drive)等から成る外部記録装置26を必要に応じて接続することができる。
【0024】
さらに、前記ディスプレイ24は、CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等から成り、映像録画装置23が記録した監視対象10の映像を表示する。そして、前記映像監視システムの管理者は、ディスプレイ24に表示された監視対象10の映像を目視によって確認する。
【0025】
また、前記映像録画装置23は、要確認映像抽出手段としての監視映像確認効率化手段25を備える。該監視映像確認効率化手段25は、映像録画装置23の記憶手段に記録された映像データを検索し、監視対象10の運用に応じてあらかじめ設定された抽出基準に基づいて、要確認映像を抽出する。ここで、要確認映像とは、監視カメラ21が撮影した監視対象10の映像のうち、前記映像監視システムの管理者等が目視によって確認することが必要な映像であり、例えば、不審な人物が撮影されている蓋(がい)然性が高いと考えられる映像である。前記抽出基準は監視カメラ21毎に設定することができ、監視映像確認効率化手段25は監視カメラ21毎に設定された抽出基準に基づいて、各監視カメラ21の映像データを検索して、要確認映像を抽出する。
【0026】
なお、監視映像確認効率化手段25は、具体的には、映像録画装置23にインストールされたアプリケーションソフトウェアによって実現される機能を発揮する機能手段であり、バッチ等のタスク制御によって定期的に起動して作動する。
【0027】
次に、前記構成の映像監視システムの動作について説明する。ここでは、監視映像確認効率化手段25の動作についてのみ説明する。
【0028】
図2は本発明の第1の実施の形態における要確認映像の抽出基準の例を示す図、図3は本発明の第1の実施の形態における映像監視システムの監視映像確認効率化手段の動作を示すフローチャートである。
【0029】
なお、本実施の形態における映像監視システムは、一般的には、警察、関連会社の監査職員等に証拠映像を提示するとき以外、監視対象10としての建物や施設の従業員が操作することはない、と考えられる。
【0030】
そこで、監視映像確認効率化手段25は、毎夜にバッチ等のタスク制御によって定期的に起動するものとする。
【0031】
まず、監視映像確認効率化手段25は、起動すると、映像録画装置23内の映像データ、すなわち、映像録画装置23の記憶手段に記録された映像データを各監視カメラ21毎に検索し、要確認映像を抽出する。この場合、前記映像録画装置23の記憶手段は、監視カメラ21が撮影した映像を記録する映像記録手段として機能する。
【0032】
なお、要確認映像とは、前述のように、前記映像監視システムの管理者等が目視によって確認することが必要な映像であり、監視対象10の運用に応じて監視カメラ21毎に設定された抽出基準に基づいて、抽出される。
【0033】
本実施の形態において、前記抽出基準は、監視対象10の運用に応じて設定される。すなわち、監視対象10の種類、監視対象10の映像の撮影時間情報(撮影された年月日、曜日、時間帯、時刻等)、監視対象10の映像に含まれる人物の数、前記人物が監視対象10内に滞在していた時間等に応じて設定されるものとする。具体的には、図2に示されるように設定されるものとする。なお、図2では、滞在時間を数分及び30分〜1時間として記載しているが、本実施の形態では、数分を3分以上として設定し、30分〜1時間を30分以上として設定しているものとして説明する。
【0034】
例えば、監視対象10の種類が企業等の事務所、すなわち、オフィスである場合、撮影された日が休日であって時間帯が早朝及び深夜であるときには、監視対象10の映像に含まれる人物の数が1人であって、前記人物が監視対象10内に滞在していた時間が3分以上であれば、該当する映像を要確認映像として抽出すべき、と設定される。
【0035】
また、監視対象10の種類が金融機関の営業店における金庫又はATMの周辺である場合、撮影された時間帯が金銭を集配又は収納する時間帯以外であるときには、監視対象10の映像に含まれる人物の数が1人であって、前記人物が監視対象10内に滞在していた時間が3分以上であれば、該当する映像を要確認映像として抽出すべき、と設定される。
【0036】
さらに、監視対象10の種類が金融機関の営業店における会議室である場合、撮影された時間帯が営業時間中であるときには、監視対象10の映像に含まれる人物の数が2人であって、前記人物が監視対象10内に滞在していた時間が30分以上であれば、該当する映像を要確認映像として抽出すべき、と設定される。この場合、人物の数が3人以上であれば、要確認映像としては抽出されない。
【0037】
ここで、映像データから監視対象10の種類を判断する方法としては、例えば、監視カメラ21を特定する機番などと監視対象10をあらかじめ対応付けておき、どの種類の監視対象10を撮影していた監視カメラ21かを判断するようにすればよい。
【0038】
監視対象10の映像に含まれる人物の数を判定する方法については、例えば、顔を検出することで人数を計数する等、従来周知の技術を用いて行えばよいため、詳細な説明は省略する。
【0039】
また、本実施の形態における人物が監視対象10内に滞在していた時間を計数する方法としては、抽出基準として設定された監視対象10の種類、監視対象10の撮影時間情報、監視対象10の映像に含まれる人物の数に該当すると監視映像確認効率化手段25が判定したときに、前記人物が監視対象10内に滞在していた時間を図示しないタイマを用いて監視し、滞在時間が抽出基準で設定された時間を超えた場合に該当する映像を要確認映像として抽出すべきものと判定するものとする。
【0040】
要確認映像の抽出は、撮影した監視対象の映像データから抽出基準として設定された監視対象10の種類、監視対象10の撮影時間情報、監視対象10の映像に含まれる人物の数に該当すると監視映像確認効率化手段25が判定した時点から、抽出基準として設定された滞在時間を超えるまでの間の映像データを切り出すようにすることが好ましいが、例えば、抽出基準として設定された時間を超えた時点から前後の映像データを所定時間分切り出して抽出するようにしてもよい。
【0041】
続いて、監視映像確認効率化手段25は、要確認映像が存在したか否か、すなわち、要確認映像の有無を判断する。そして、要確認映像が存在した場合、監視映像確認効率化手段25は、映像録画装置23に「○月×日に要確認映像があります」のログを記録する。すなわち、要確認映像が記録された日時を映像録画装置23内にログとして記録する。
【0042】
続いて、監視映像確認効率化手段25は、外部記録装置26に要確認映像を記録(コピー)し、処理を終了する。この場合、監視映像確認効率化手段25は要確認映像を記録する要確認映像記録手段として機能する。なお、要確認映像が存在したか否かを判断して要確認映像が存在しなかった場合は、そのまま処理を終了する。
【0043】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 映像録画装置23内の映像データを各監視カメラ21毎に検索する。
ステップS2 要確認映像が存在したか否かを判断する。要確認映像が存在した場合はステップS3に進み、要確認映像が存在しなかった場合は処理を終了する。
ステップS3 映像録画装置23に「○月×日に要確認映像があります」のログを記録する。
ステップS4 外部記録装置26に要確認映像を記録(コピー)し、処理を終了する。
【0044】
このように、本実施の形態において、監視映像確認効率化手段25は、監視対象10の運用に応じてあらかじめ設定された抽出基準に基づいて、要確認映像を抽出する。
【0045】
これにより、監視員である映像監視システムの管理者による確認が必要な映像が確実に記録される。また、監視員が確認すべき映像の量を低減することができ、監視員による確認時間を短縮することができる。
【0046】
そして、抽出された要確認映像は、外部記録装置26に記録される。
【0047】
これにより、映像録画装置23の記憶手段に記録された監視カメラ21の映像データが日数を経過したことによって、又は、記憶手段の記憶容量の都合によって消去された場合であっても、要確認映像が外部記録装置26に記録されて保存される。したがって、必要な場合には、いつでも要確認映像を確認することができ、また、犯罪捜査等の証拠として提示することもできる。
【0048】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0049】
図4は本発明の第2の実施の形態における映像監視システムの構成を示す図である。
【0050】
本実施の形態における映像監視システムは、監視対象10としての建物や施設から離間した監視センタに配設されたコンピュータシステムとしての監視センタシステム30を有する。該監視センタシステム30は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク、磁気テープ、磁気ドラム、フラッシュメモリ、光ディスク、メモリカード等の記憶手段、キーボード、マウス等の入力手段、通信手段等を備えるコンピュータとしての映像監視サーバ31と、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク、磁気テープ、磁気ドラム、フラッシュメモリ、光ディスク、メモリカード等の記憶手段、キーボード、マウス等の入力手段、CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示手段、通信手段等を備えるコンピュータとしての映像監視端末33とを備える。
【0051】
図に示される例において、前記映像監視サーバ31及び映像監視端末33は、1台ずつであるが、複数台であってもよく、何台であってもよい。また、映像監視サーバ31と映像監視端末33とは相互に接続されている。
【0052】
そして、前記監視センタシステム30は、ネットワーク40を介して映像監視装置20と通信可能に接続されている。なお、前記ネットワーク40は、無線又は有線の専用通信回線網又は公衆通信回線網、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のいかなるものであってもよい。図に示される例において、監視センタシステム30に接続されている映像監視装置20は、1台であるが、通常は、複数台であり、何台であってもよい。これにより、複数の監視対象10の要確認映像を1つの監視センタシステム30によって効率よく確認することができる。
【0053】
前記映像監視サーバ31は、映像監視装置20の映像録画装置23から取得した要確認映像を保存蓄積する記憶手段としての映像蓄積データベース32を備える。そして、各映像監視装置20の監視映像確認効率化手段25が抽出した要確認映像は、ネットワーク40を介して監視センタシステム30に送信され、映像蓄積データベース32に保存蓄積される。
【0054】
また、監視センタに配属された映像監視システムの管理者は、映像監視端末33を操作して、映像蓄積データベース32に保存蓄積された要確認映像を表示手段に表示させ、目視によって確認することができる。このように、複数の監視対象10の要確認映像を1つの監視センタシステム30によって効率よく確認することが可能となる。
【0055】
なお、本実施の形態においては、映像録画装置23に外部記録装置26が接続されていない。すなわち、外部記録装置26が省略されている。
【0056】
その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0057】
次に、本実施の形態における映像監視システムの動作について説明する。ここでは、監視映像確認効率化手段25の動作についてのみ説明する。
【0058】
図5は本発明の第2の実施の形態における映像監視システムの監視映像確認効率化手段の動作を示すフローチャートである。
【0059】
まず、監視映像確認効率化手段25は、起動すると、映像録画装置23内の映像データ、すなわち、映像録画装置23の記憶手段に記録された映像データを各監視カメラ21毎に検索し、要確認映像を抽出する。この場合、前記映像録画装置23の記憶手段は、監視カメラ21が撮影した映像を記録する映像記録手段として機能する。
【0060】
続いて、監視映像確認効率化手段25は、要確認映像が存在したか否か、すなわち、要確認映像の有無を判断する。そして、要確認映像が存在した場合、監視映像確認効率化手段25は、映像録画装置23に「○月×日に要確認映像があります」のログを記録する。すなわち、要確認映像が記録された日時を映像録画装置23内にログとして記録する。
【0061】
続いて、監視映像確認効率化手段25は、監視センタシステム30の映像監視サーバ31に要確認映像を送信する。すなわち、映像録画装置23から映像監視サーバ31に要確認映像を送信する。これにより、要確認映像は、映像蓄積データベース32に保存蓄積される。この場合、映像蓄積データベース32は要確認映像を記録する要確認映像記録手段として機能する。
【0062】
続いて、監視映像確認効率化手段25は、映像監視サーバ31に「○月×日に要確認映像があります」のログを記録し、処理を終了する。すなわち、要確認映像が記録された日時を映像監視サーバ31内にログとして記録し、処理を終了する。なお、要確認映像が存在したか否かを判断して要確認映像が存在しなかった場合は、そのまま処理を終了する。
【0063】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 映像録画装置23内の映像データを各監視カメラ21毎に検索する。
ステップS12 要確認映像が存在したか否かを判断する。要確認映像が存在した場合はステップS13に進み、要確認映像が存在しなかった場合は処理を終了する。
ステップS13 映像録画装置23に「○月×日に要確認映像があります」のログを記録する。
ステップS14 映像録画装置23から映像監視サーバ31に要確認映像を送信する。
ステップS15 映像監視サーバ31に「○月×日に要確認映像があります」のログを記録し、処理を終了する。
【0064】
このように、本実施の形態においては、各映像録画装置23の監視映像確認効率化手段25が抽出した要確認映像が監視センタシステム30に送信され、映像蓄積データベース32に保存蓄積される。これにより、複数の監視対象10の要確認映像を監視センタにおいて一括して確認し、管理することができる。
【0065】
また、映像録画装置23に記録された映像のすべてではなく、監視映像確認効率化手段25が抽出した要確認映像のみがネットワーク40を介して監視センタシステム30に送信されるので、ネットワーク40が処理する通信データ量を削減することができ、ネットワーク40の回線効率を向上させることができる。同様に、映像蓄積データベース32の記憶量を抑制することができる。
【0066】
その他の点の効果については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0067】
なお、前記第1の実施の形態では、建物や施設における単独の映像監視システムによって、要確認映像のより確実な確認促進、証拠提示等が可能である。そして、前記第2の実施の形態では、ネットワーク40経由で映像を配信及び蓄積する構成の映像監視システムに有用である。また、金融機関等の運用に特化した条件で、要確認映像の抽出が可能であるため、監査の業務効率の向上を期待することができるものである。
【0068】
また、前記各実施の形態では、監視対象10の種類を抽出基準として設定しているが、例えば、監視対象10を撮影している監視カメラ21を特定する機番等を監視対象10の種類に代えて抽出基準に設定してもよく、また、一つの監視対象10に対して複数の撮影時間情報、人物の数、滞在時間を設定してもよい。
【0069】
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、映像監視システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
10 監視対象
21 監視カメラ
23 映像録画装置
24 ディスプレイ
25 監視映像確認効率化手段
32 映像蓄積データベース
40 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)監視対象の映像を撮影する監視カメラと、
(b)前記監視対象の運用に応じて設定された抽出基準に基づいて、前記監視カメラが撮影した映像から要確認映像を抽出する要確認映像抽出手段とを有することを特徴とする映像監視システム。
【請求項2】
前記監視カメラが撮影した映像を記録する映像記録手段と、前記要確認映像を記録する要確認映像記録手段とを更に有し、
前記要確認映像抽出手段は、前記映像記録手段に記録された映像から前記要確認映像を抽出し、抽出した要確認映像を前記要確認映像記録手段に記録させる請求項1に記載の映像監視システム。
【請求項3】
前記要確認映像記録手段に接続された表示手段を更に有し、
該表示手段は、前記要確認映像記録手段に記録された要確認映像を視認可能に表示する請求項2に記載の映像監視システム。
【請求項4】
前記要確認映像抽出手段と要確認映像記録手段とはネットワークを介して接続され、
前記要確認映像抽出手段は、抽出した要確認映像を前記ネットワークを介して前記要確認映像記録手段に送信する請求項2又は3に記載の映像監視システム。
【請求項5】
前記抽出基準は、前記監視対象の種類、前記監視対象の映像の撮影時間情報、前記監視対象の映像に含まれる人物の数、又は、前記人物が監視対象内に滞在していた時間に応じて設定される請求項1〜4のいずれか1項に記載の映像監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−39531(P2012−39531A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179892(P2010−179892)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(502173475)沖コンサルティングソリューションズ株式会社 (12)
【Fターム(参考)】