映像記録配信システム
【課題】監視を対象とするようなアラームを要する事象が発生する映像記録配信システムにおいて、視線をアラーム映像に向けるだけで、状況を把握できるようになり、効率よく監視作業を続けることができ、アラームを見過ごすことのないようにする。
【解決手段】映像記録配信システムを、映像生成装置と、映像発信装置と、映像記録配信装置と、表示装置が接続された映像受信装置により構成する。そして、映像記録配信装置では、アラームが発生したときの映像の重要度を、場合に応じて予め設定しておく。アラームイベントが発生したときには、映像記録配信装置で、受信した映像のアラームイベントの重要度を映像受信装置に通知し、映像受信装置では、アラームイベントの重要度の高いものについては、受信した映像をループ再生して、表示装置に表示する。
【解決手段】映像記録配信システムを、映像生成装置と、映像発信装置と、映像記録配信装置と、表示装置が接続された映像受信装置により構成する。そして、映像記録配信装置では、アラームが発生したときの映像の重要度を、場合に応じて予め設定しておく。アラームイベントが発生したときには、映像記録配信装置で、受信した映像のアラームイベントの重要度を映像受信装置に通知し、映像受信装置では、アラームイベントの重要度の高いものについては、受信した映像をループ再生して、表示装置に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像記録配信システムに係り、監視カメラ等の撮像装置で撮影された映像をネットワーク上で配信、受信、記録するシステムであって、特に、アラームが発生したときに、好適なユーザインタフェースを提供する映像記録配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像監視システムは、ホテルやビル、コンビニエンスストアや金融機関、あるいはダムや道路といった公共施設など犯罪抑止や事故防止等の目的で設置されている。これは、監視対象をカメラ等の撮像装置で撮影し、その映像を、管理事務所や警備室等の監視センタに伝送し、監視者がそれを監視し、目的や必要に応じて、注意や警告をしたり、あるいは映像を記録・保存するものである。
【0003】
近年、こうした映像監視システムの分野において、監視カメラ映像をデジタル化し、インターネットに代表されるIPネットワークを介して、映像を伝送し監視をおこなうネットワーク型映像監視システムが普及してきている。
【0004】
映像監視には、「監視映像を記録・保存し、問題発生時に時間を遡って記録映像を見る」といった監視形態もあり、金融機関や商店を中心にこうした「記録型監視」の顧客二一ズが存在する。ネットワーク型映像監視システムの一形態として、こうした「記録型監視」のニーズに対応可能な映像記録配信システムを用いて実現することができる。
【0005】
映像記録配信システムには、映像を記録する機能、配信する機能、ユーザに映像を見せるための画面の機能、他の装置とのデータの受け渡しをする機能、映像をクライアンPCに保存する機能など数多くの機能を持つシステムであり、特に、施設内のセキュリティを確保するための監視システムとして活用されている。例えば、以下の特許文献1には、ネットワーク型の映像監視システムの例として、生成装置、映像発信装置から来る映像を映像蓄積サーバに記録しておき、ネットワークを介して、映像表示装置に表示させる技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−173259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
映像記録配信システムでは、映像を撮像したときには、特定のサーバまたは装置の記録媒体に記録されるが、特に、監視を目的としたシステムでは、アラーム(異常)が発生したときに、そのように記録された映像について、如何に早く分りやすく監視者に通知し確認してもらうかも重要なことである。
【0008】
その際のユーザヘの通知は、パトライトを点灯する、アラーム音を鳴らす、メールで通知するといったことが一般的である。しかしながら、アラームが発生した時の映像を確認する場合は、アラームが発生した時の日時を検索して映像を表示させる、アラーム時の映像を記録したときのアラームリストから選択して映像を表示させるといった人手を介した操作により映像を確認することになる。特に、重要なアラームが発生した場合は一刻を争う場合もあるので、人手の操作をおこなわせるには非効率であるという問題点がある。
【0009】
また、アラーム音を鳴らしたり、メールで通知したりするという手段では、監視者が気が付かずに、アラームを知らせる情報を見過ごすおそれがある。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、監視を対象とするようなアラームを要する事象が発生する映像記録配信システムにおいて、視線をアラーム映像に向けるだけで、状況を把握できるようになり、効率よく監視作業を続けることができ、アラームを見過ごすことのないような映像記録配信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の映像記録配信システムは、映像を撮像し、生成する映像生成装置と、映像生成装置から入力される映像をネットワークを介して映像記録配信装置に発信する映像発信装置と、ネットワークを介して映像発信装置からの映像を受信する映像記録配信装置と、表示装置が接続され、ネットワークを介して前記映像記録配信装置からの映像を受信して、前記表示装置に表示する映像受信装置とを備える。
【0012】
そして、映像記録配信装置では、アラームが発生したときの映像の重要度を、場合に応じて予め設定しておく。
【0013】
アラームイベントが発生したときには、映像記録配信装置で、受信した映像のアラームイベントの重要度を映像受信装置に通知する。
【0014】
映像受信装置では、アラームイベントの重要度の高いものについては、受信した映像をループ再生して、表示装置に表示する。
【0015】
このシステムにより、常時監視しているような映像監視システムにおいて、アラームが発生したときの通知と同時にその映像が自動的に再生されるので、映像を監視している監視者にとっては、視線をアラーム映像に向けるだけで、状況を把握できるようになり、効率よく監視作業を続けることができるようになる。また、アラーム映像の表示の方法を、アラームの重要度によって、ループ再生する、1回だけ追っかけ再生する、アラーム発生時の静止画を表示するといったこともでき、ユーザの用途に応じて使い分けることもできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、監視を対象とするようなアラームを要する事象が発生する映像記録配信システムにおいて、視線をアラーム映像に向けるだけで、状況を把握できるようになり、効率よく監視作業を続けることができ、アラームを見過ごすことのないような映像記録配信システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る一実施形態を、図1ないし図11を用いて説明する。
【0018】
先ず、図1を用いて本発明の一実施形態に係る映像記録配信システムの構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る映像記録配信システムの構成図である。
【0019】
本実施形態の映像記録配信システムの説明では、ネットワーク型の映像監視システムとして用いられる場合について説明する。
【0020】
本実施形態の映像記録配信システムは、図1に示されるように、ネットワーク回線301、映像生成装置302、映像発信装置303、映像受信装置304、映像表示装置305、映像記録配信装置306、記憶装置307から構成され、映像生成装置302、映像発信装置303、映像受信装置304、映像記録配信装置306は、それぞれネットワーク回線301により接続されており、互いが通信できるようになっている。
【0021】
ネットワーク回線301は、例えば、ネットワークケーブルや無線LAN、公衆回線等であり、発信されたデータを伝送する機能を有する。また、図示しなかったが、ここにはルータやハブ等のネットワークにおいて伝送や中継の制御をおこなうネットワーク機器も含まれる。
【0022】
映像生成装置302は、例えば、カメラといった撮像素子を持ち、映像を撮像して、生成する映像生成装置であり、光を電気に変換して映像データを生成する機能を有する。
【0023】
映像発信装置303は、例えば、映像生成装置302からの映像を受け取るインターフェイスと画像コーデックとネットワークインターフェイスを内蔵したエンコーダ装置であり、映像生成装置302からの入力映像をネットワーク伝送に適した形に変換し、ネットワーク回線301に発信する機能を有する。例えば、映像生成装置302からの入力映像がアナログ映像であった場合にはデジタル変換し、ネットワーク回線301の伝送帯域によって、データ圧縮が必要なときには、圧縮処理を施す。また、映像発信装置303は、ネットワーク上のプロトコルが、HTTPプロトコルのときには、Webエンコーダである。
【0024】
なお、映像生成装置302と映像発信装置303は、図1のように別々の形態でもよいし、一つの装置として結合された形態でもよい。
【0025】
映像受信装置304は、例えば、ネットワークインターフェイスと画像コーデック、映像表示装置305に映像を出力するインターフェイスを内蔵したデコーダ装置であり、ネットワーク回線301を伝送されてきた映像を受信し、映像表示装置305が表示可能な形に変換し出力する機能を有する。例えば、映像表示装置305がテレビモニタであった場合には、アナログ変換をおこなって画像を表示する。また、受信した映像が圧縮映像であった場合には、画像コーデックを使って伸張処理を施す。
【0026】
映像表示装置305は、例えば、テレビモニタ、コンピュータのCRT、液晶モニタといった投影素子を持った映像表示装置で、電気を光に変えて映像を表示する機能を有する。映像受信装置304と映像表示装置305は、別々の装置でもよいし、一つの装置として結合された形態でもよい。例えば、テレビモニタに内蔵された形態、CRTを接続したコンピュータの形態、あるいは、表示装置を備えた携帯電話等の携帯端末の形態などが挙げられる。
【0027】
また、映像受信装置304は、映像記録配信装置306に対し、再生や早送り等の再生指示をおこなう操作インターフェイスも内蔵する。このインターフェイスは、例えば、コンピュータ画面のGUI(Graphical User Interface)、あるいは、映像受信装置304に接続された制御盤端末でもよい。映像受信装置304は、映像記録配信装置306をファイルを配布するファイルサーバと見たときには、ファイルを受信するクライアントPCということができる。
【0028】
映像記録配信装置306は、例えば、ネットワークインターフェイスや、記憶装置へのインターフェイスを内蔵したPCであり、映像発信装置303からネットワーク回線301を伝送されてきた映像を受信し、接続された記憶装置307に映像を記録する機能と、映像受信装置304からの映像配信要求に応じ、記憶装置307より要求の映像を取出し、ネットワーク回線301を介して映像受信装置304に該映像を配信する機能を有する。
【0029】
記憶装置307は、例えば、ハードディスクやディスクアレイといった映像をデジタルデータとして記録する媒体を有する装置であり、映像記録配信装置306と、例えば、SCSI(Small Computer System Interface)やATA(AT Attachment)、Fibre Channelといった専用のインターフェイス、または、SAN(Storage Area Net work)やNAS(Network Attached Storage)といったIPネットワークを用いたインターフェイス等によって結ばれている。記憶装置307は、映像記録配信装置306に内蔵してあってもよい。
【0030】
図1では、ネットワーク回線301に接続た映像生成装置302、映像発信装置303、映像受信装置304の各装置は、一台ずつになっているが、これらは映像記録配信装置306に対し、複数個接続されることが可能である。
【0031】
次に、図2ないし図5を用いて本実施形態に係る映像記録配信システムの各装置のハードウェア構成について説明する。
図2は、映像生成装置302のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3は、映像発信装置303のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4は、映像受信装置304のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5は、映像記録配信装置306のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0032】
映像生成装置302は、図2に示されるように、DSP3021、メモリ3022、光学系3023、光電変換インターフェイス3024、映像出力インターフェイス3025が、バス3020により接続された形態である。
【0033】
映像生成装置302では、レンズなどの光学系3023から光を取り込み、それをCCD(Charge Coupled Device)などからなる光電変換インターフェイス3024により、デジタル映像信号に変換する。そして、DSP(Digital Signal Processor)3021により電気信号を処理して、デジタル映像データを生成し、必要なときには、メモリ3022に蓄積し、映像出力インターフェイス3025を介して、映像発信装置303に映像データを転送する。
【0034】
映像発信装置303は、図3に示されるように、CPU(Central Processing Unit)3031、メモリ3032、映像入力インターフェイス3033、ネットワークインタフェース3034、画像コーデック3035が、バス3030により接続された形態である。
【0035】
映像発信装置303では、映像入力インターフェイス3033を介して、映像生成装置302からの映像データを取り込み、それを画像コーディク3035により、コード化する。そして、ネットワークインタフェース3034により、ネットワーク回線301にデータを送出する。メモリ3032は、必要に応じてコード化した映像データを蓄積する。
【0036】
CPU3031は、映像発信装置303の全体の制御をおこない、メモリ3032は、必要に応じて中間的なデータを記憶する。
【0037】
映像受信装置304は、図4に示されるように、CPU3041、メモリ3042、画像コーデック3043、ネットワークインタフェース3044、表示装置インターフェイス3045が、バス3040により接続された形態である。
【0038】
映像受信装置304では、ネットワークインタフェース3044を介して、映像記録配信装置306からネットワーク回線により送信されてくる映像データを取り込み、それを画像コーデック3043により、必要な場合には、復号化する。そして、表示装置インターフェイス3045により必要ならアナログ変換などをおこなって、表示装置305に表示する。
【0039】
CPU3041は、映像受信装置304の全体の制御をおこない、メモリ3042は、必要に応じて中間的なデータを記憶する。
【0040】
映像記録配信装置306は、図5に示されるように、CPU3061、メモリ3062、ネットワークインタフェース3063、記憶装置インターフェイス3064が、バス3060により接続された形態である。
【0041】
映像記録配信装置306では、ネットワークインタフェース3064を介して、映像発信装置303からネットワーク回線により送信されていくる映像データを取り込み、それをメモリ3062に記憶する。そして、CPU3061は、メモリ3062にあるアプリケーションと設定ファイルの内容に基づき、ネットワークインタフェース3063を介して、ネットワーク回線301により、映像受信装置304に送られる。
【0042】
なお、アプリケーションと設定ファイルの内容とその処理については、次に詳細に説明する。
【0043】
次に、図6を用いて映像記録配信装置306のソフトウェア構成について説明する。
図6は、映像記録配信装置306のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【0044】
映像記録配信装置306は、実行させるアプリケーションソフトウェアとして、記録モジュール401、配信モジュール402、設定モジュールを有する。
【0045】
記録モジュール401は、先ず、映像発信装置303から映像を取得し、記憶装置307に記録するモジュールである。また、配信モジュール402は、記録した映像をユーザに対して映像を見せるために映像受信装置304へ配信するモジュールである。
【0046】
設定モジュール403は、映像記録配信装置306内の設定ファイルの値を更新するモジュールである。
【0047】
その他、図示しなかったが、オペレーティングシステムや各種ユーティリティが映像記録配信装置306で実行されるプログラムとして含まれている。
【0048】
設定ファイルは、映像記録配信装置306が、動作するための各種情報が格納されるファイルであり、システム設定ファイル411、カメラ設定ファイル412、ネットワーク設定ファイル413、スケジュール設定ファイル414などがある。
【0049】
システム設定ファイル411は、映像記録配信装置306の装置全体のパラメータを記述したファイルである。カメラ設定ファイル412は、映像を取得する映像発信装置303のIPアドレスなどが記述されたファイルである。ネットワーク設定ファイル413は、映像記録配信装置のIPアドレスなどが記述されたファイルである。また、スケジュール設定ファイル414は、映像記録配信装置306の記録モジュール401が動作して記録された内容、日時が記述されたファイルである。
【0050】
映像監視システムにおける映像記録配信装置の主な使われ方として、常時記録しておき、後から必要なときの映像を見る、アラームが発生したとき、映像でそのアラーム時の映像を見るという使用法がある。本発明は、この使われ方のアラーム発生時に記録映像を閲覧するとき映像表示方法を工夫するものである。
【0051】
以下、図7ないし図10を用いて各装置のアラームイベントとアラームの設定に関する処理について説明する。
図7は、映像発信装置303のアラームイベントが発生したときの処理を示すフローチャートである。
図8は、映像記録配信装置306のアラームイベントの処理を示すフローチャートである。
図9は、映像受信装置304のアラームイベントの処理を示すフローチャートである。
図10は、映像記録配信装置306の設定モジュール403により、アラームの設定がされるときの処理を示すフローチャートである。
【0052】
先ず、図7を用いて映像発信装置303の処理について説明する。
【0053】
映像発信装置303では、以下の図7のフローチャートに示される処理により、アラームが発生したときのトリガを受け、そのときの映像を映像記録配信装置306に配信する。
【0054】
先ず、アラームが発生すると、そのときのトリガは、映像発信装置303に送られる。映像発信装置303は、そのトリガを受信すると、アラームイベント発生時の処理を起動する(S101)。
【0055】
ここで、アラームの発生は、進入禁止エリアに人が侵入したときなど、画像処理により映像に変化がおきたときにアラームとする場合、ドアなどにセンサーを設けて、重要場所への入退者があったときにアラームとする場合などが考えうる。
【0056】
次に、映像発信装置303は、アラームが発生したことを、映像記録配信装置306にネットワーク回線301などを介して通知する(S102)。
【0057】
映像発信装置303は、それと同時に映像発信装置内にあるメモリなどの媒体に、映像をバッファリングする(S103)。このバッファは、映像記録配信装置306から映像の取得が来るまでに一時的に蓄えておくものである。また、このバッファに、アラームトリガが発生する前の映像からバッファリングしておいてもよい。
【0058】
次に、映像発信装置303は、映像記録配信装置306からそのアラーム映像取得要求を受信した場合に(S104)、バッファリングしているデータの先頭から、映像記録配信装置306に映像を配信する(S105)。
【0059】
そして、映像発信装置303は、映像記録配信装置306にバッファリングしている映像データを全て配信した時点で、アラームイベント処理を終了する(S106)。
【0060】
次に、図8を用いて記録配信装置306の処理について説明する。
【0061】
映像記録配信装置306では、以下の図8に示される処理により、映像発信装置303からの映像を受信して記憶装置307に記録し、監視者が映像を閲覧する映像受信装置304へ記録した映像を配信する。
【0062】
先ず、映像記録配信装置306が起動されたときに、アラームイベントの処理を開始する(S111)。
【0063】
映像記録配信装置306は、映像発信装置303からのアラームイベントを受信するまでは、アラームイベントのイベント待ちをしておく(S112)。
【0064】
そして、映像記録配信装置306が、アラーム発生の通知を受信した場合は、映像発信装置303でバッファリングしているアラーム時の映像を取得するため、映像発信装置303に対して映像取得要求をおこなう(S113)。
【0065】
映像記録配信装置306では、映像発信装置303からの映像を受信するごとに、記憶装置307であるHDDなどに映像データを記録する(S114)。
【0066】
一方、映像記録配信装置306は、映像の記録を始めると、アラームがあったことをユーザに通知するべく、映像受信装置304にアラームが発生したことを通知する(S115)。
【0067】
このアラーム発生の通知は、先の映像発信装置303からの映像取得より前におこなってもよい。また、アラームの通知を最優先にするのであれば、映像発信装置303から、映像記録配信装置306を介在することなく、直接、映像受信装置304への通知をおこなってもよい。
【0068】
そして、アラーム通知をした後は、通知したアラームに対する重要度も、映像受信装置304に通知する(S116)。
【0069】
次に、映像記録配信装置306は、映像受信装置304からの映像取得要求の受信待ちになる(S117)。
【0070】
そして、映像記録配信306は、映像受信装置304から映像取得要求を受信すると、記録している映像を配信する(S118)。
【0071】
映像記録配信306は、記録した映像を配信し終えると、本アラームについての一連の処理を終了する(S119)。
【0072】
次に、図9を用いて映像受信装置304の処理について説明する。
【0073】
映像受信装置304は、以下の図9に示される処理により、監視者の操作により指定した時刻の映像を取得し、画面に表示することで、過去の映像を閲覧する。
【0074】
映像受信装置304は、通常、クライアントPCを使用し、ユーザインタフェースを有し、取得した映像を表示する機能を有する。通常、表示している映像は、現在のライブ映像がほとんどである。また、映像は、個人情報にもなりうることから、通常は、映像を表示しないようにしているケースもある。映像受信装置304は、クライアントPC以外にも、アナログに変換してモニタに映像を表示するデコーダという機器を使用するケースもある。
【0075】
先ず、映像受信装置304が起動されたときに、アラームイベントの処理を開始する(S131)。
【0076】
映像受信装置304は、アラームイベントを受信するまでは、アラームイベントを受信するまで待ち続ける(S132)。
【0077】
そして、映像記録配信装置306からのアラームイベントを受信すると、次にアラームの重要度通知を受信するまで待つ(S133)
アラームの重要度を受信すると、次に、映像記録配信装置306からそのアラーム映像を取得する(S134)。
【0078】
映像受信装置304は、アラーム発生時の映像を受信すると、そのときの画像とアラームが発生したことが分るためのマークを、表示装置305のユーザインタフェース画面に表示する(S135)。
【0079】
そのマークは、アラームを入れる文字を表示する、画面の周囲に赤枠を点滅する、パトライトを点灯する、といった形でユーザにはっきり分らせるものが好ましい。また、アラーム映像の表示は、それまで、現在のLIVE映像を表示している場合は、その映像を一時隠して、アラーム映像を表示する、また、通常映像を表示していない場合には、映像を表示するアプリケーションを自動起動して、アラーム映像を表示するといった形で、必ず、映像を閲覧してもらえるようにする。
【0080】
このようにして、映像を表示した場合には、アラームの重要度により映像の表示方法を変更できるようにする。
【0081】
例えば、アラームの重要度が大中小と3段階ある場合(S136)、重要度小の場合は、アラーム発生時の静止画像を1枚指定した時間、例えば10秒表示する(S137)。その後は、表示装置305の表示は、現在のLIVE画像に自動的に戻るといったように通常の映像に戻る(S141)。
【0082】
アラームの重要度が中以上の場合は、アラーム発生時前後の例えば1分の映像を自動再生する(S138)。
【0083】
この場合も、例えば、表示装置305の表示は、再生が終わると現在のLIVE映像に自動的に戻るといったように通常の映像に戻る(S141)。
【0084】
アラームの重要度が大の場合は、先ほどのアラーム映像の再生を指定回数、例えば、5回繰り返す(S139、S140)。
【0085】
この場合も、例えば、表示装置305の表示は、指定回数再生が終わると現在のLIVE映像に戻るといったように通常の映像に戻る(S141)。
【0086】
上記設定が完了したら、アラームイベント処理を完了する(S142)。
【0087】
また例えば、指定回数分だけ再生とするのではなく、ユーザがアラーム映像の再生は必要ないと判断し終了ボタンを押すまでは、繰り返し再生して、終了ボタンを押すと現在のLIVE映像に戻るというようなユーザインタフェースでもよい。
【0088】
次に、図10を用いて映像配信記録装置306のアラーム設定処理について説明する。
【0089】
このアラーム設定処理は、図6に示した設定モジュールにより実行される。
【0090】
映像受信装置304の表示装置に表示されているユーザインタフェース画面から、以下の図10に示す手順により設定をおこなう。
【0091】
先ず、アラーム映像を表示するための設定画面を表示させる(S201)。
【0092】
先ず、映像発信する映像発信装置303を、システムに登録する(S202)。
【0093】
この内容には、映像発信装置303のIPアドレスや、端末名等がある。そして、この映像発信装置303の映像には、アラーム映像の録画が発信される可能性があるあるか否かを設定をする(S203)。
【0094】
設定される情報としては、アラーム映像のアラームの重要度の設定(S204)や、アラーム発生時に、アラーム発生イベントの通知先IPアドレスの設定(S205)などがある。上記設定が完了したら、アラーム設定処理を完了する(S206)。
【0095】
以上の内容は設定されると、設定モジュールにより403を介して、システム設定ファイル411、カメラ設定ファイル412に設定される。
【0096】
次に、図11を用いて映像受信装置304に接続された表示装置305に表示されるアラーム発生時のユーザインタフェース画面を説明する。
【0097】
図11は、アラーム発生時のユーザインタフェース画面を説明する図である。
【0098】
例えば、施設内の不審者が入ったことを検知して、アラームイベントが発生したとする。そのときには、図11(a)に示される画面が表示されて、監視者にアラームの発生を知らせる。図11(a)の画面には、「ALARM!」というユーザに注意を促す文字が、必要なら点滅させたり、赤色などの注意を引く色によって、大きく表示される。また、このアラーム画面に、重要度と、重要度に応じて繰り返される回数が表示される。そして、現在の表示の回数も同時に表示される。この例では、施設内の不審者が入ったことを示す映像、図11(a)〜(d)が3回繰り返されることになる。
【0099】
以上の方法により、アラーム映像に対して、自動的な表示とアラームに対する重要度を設けることにより、監視者は、アラーム発生時にどこで発生し、何が起こったのかを、画面を見ているだけで自動的に動作するので、作業の手間を省くことができ、効率よく監視をおこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の一実施形態に係る映像記録配信システムの構成図である。
【図2】映像生成装置302のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】映像発信装置303のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】映像受信装置304のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】映像記録配信装置306のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】映像記録配信装置306のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図7】映像発信装置303のアラームイベントが発生したときの処理を示すフローチャートである。
【図8】映像記録配信装置306のアラームイベントの処理を示すフローチャートである。
【図9】映像受信装置304のアラームイベントの処理を示すフローチャートである。
【図10】映像記録配信装置306の設定モジュール403により、アラームの設定がされるときの処理を示すフローチャートである。
【図11】アラーム発生時のユーザインタフェース画面を説明する図である。
【符号の説明】
【0101】
301…ネットワーク回線、302…映像生成装置、303…映像発信装置、304…映像受信装置、305…表示装置、306…映像記録配信装置、307…記憶装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像記録配信システムに係り、監視カメラ等の撮像装置で撮影された映像をネットワーク上で配信、受信、記録するシステムであって、特に、アラームが発生したときに、好適なユーザインタフェースを提供する映像記録配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像監視システムは、ホテルやビル、コンビニエンスストアや金融機関、あるいはダムや道路といった公共施設など犯罪抑止や事故防止等の目的で設置されている。これは、監視対象をカメラ等の撮像装置で撮影し、その映像を、管理事務所や警備室等の監視センタに伝送し、監視者がそれを監視し、目的や必要に応じて、注意や警告をしたり、あるいは映像を記録・保存するものである。
【0003】
近年、こうした映像監視システムの分野において、監視カメラ映像をデジタル化し、インターネットに代表されるIPネットワークを介して、映像を伝送し監視をおこなうネットワーク型映像監視システムが普及してきている。
【0004】
映像監視には、「監視映像を記録・保存し、問題発生時に時間を遡って記録映像を見る」といった監視形態もあり、金融機関や商店を中心にこうした「記録型監視」の顧客二一ズが存在する。ネットワーク型映像監視システムの一形態として、こうした「記録型監視」のニーズに対応可能な映像記録配信システムを用いて実現することができる。
【0005】
映像記録配信システムには、映像を記録する機能、配信する機能、ユーザに映像を見せるための画面の機能、他の装置とのデータの受け渡しをする機能、映像をクライアンPCに保存する機能など数多くの機能を持つシステムであり、特に、施設内のセキュリティを確保するための監視システムとして活用されている。例えば、以下の特許文献1には、ネットワーク型の映像監視システムの例として、生成装置、映像発信装置から来る映像を映像蓄積サーバに記録しておき、ネットワークを介して、映像表示装置に表示させる技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−173259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
映像記録配信システムでは、映像を撮像したときには、特定のサーバまたは装置の記録媒体に記録されるが、特に、監視を目的としたシステムでは、アラーム(異常)が発生したときに、そのように記録された映像について、如何に早く分りやすく監視者に通知し確認してもらうかも重要なことである。
【0008】
その際のユーザヘの通知は、パトライトを点灯する、アラーム音を鳴らす、メールで通知するといったことが一般的である。しかしながら、アラームが発生した時の映像を確認する場合は、アラームが発生した時の日時を検索して映像を表示させる、アラーム時の映像を記録したときのアラームリストから選択して映像を表示させるといった人手を介した操作により映像を確認することになる。特に、重要なアラームが発生した場合は一刻を争う場合もあるので、人手の操作をおこなわせるには非効率であるという問題点がある。
【0009】
また、アラーム音を鳴らしたり、メールで通知したりするという手段では、監視者が気が付かずに、アラームを知らせる情報を見過ごすおそれがある。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、監視を対象とするようなアラームを要する事象が発生する映像記録配信システムにおいて、視線をアラーム映像に向けるだけで、状況を把握できるようになり、効率よく監視作業を続けることができ、アラームを見過ごすことのないような映像記録配信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の映像記録配信システムは、映像を撮像し、生成する映像生成装置と、映像生成装置から入力される映像をネットワークを介して映像記録配信装置に発信する映像発信装置と、ネットワークを介して映像発信装置からの映像を受信する映像記録配信装置と、表示装置が接続され、ネットワークを介して前記映像記録配信装置からの映像を受信して、前記表示装置に表示する映像受信装置とを備える。
【0012】
そして、映像記録配信装置では、アラームが発生したときの映像の重要度を、場合に応じて予め設定しておく。
【0013】
アラームイベントが発生したときには、映像記録配信装置で、受信した映像のアラームイベントの重要度を映像受信装置に通知する。
【0014】
映像受信装置では、アラームイベントの重要度の高いものについては、受信した映像をループ再生して、表示装置に表示する。
【0015】
このシステムにより、常時監視しているような映像監視システムにおいて、アラームが発生したときの通知と同時にその映像が自動的に再生されるので、映像を監視している監視者にとっては、視線をアラーム映像に向けるだけで、状況を把握できるようになり、効率よく監視作業を続けることができるようになる。また、アラーム映像の表示の方法を、アラームの重要度によって、ループ再生する、1回だけ追っかけ再生する、アラーム発生時の静止画を表示するといったこともでき、ユーザの用途に応じて使い分けることもできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、監視を対象とするようなアラームを要する事象が発生する映像記録配信システムにおいて、視線をアラーム映像に向けるだけで、状況を把握できるようになり、効率よく監視作業を続けることができ、アラームを見過ごすことのないような映像記録配信システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る一実施形態を、図1ないし図11を用いて説明する。
【0018】
先ず、図1を用いて本発明の一実施形態に係る映像記録配信システムの構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る映像記録配信システムの構成図である。
【0019】
本実施形態の映像記録配信システムの説明では、ネットワーク型の映像監視システムとして用いられる場合について説明する。
【0020】
本実施形態の映像記録配信システムは、図1に示されるように、ネットワーク回線301、映像生成装置302、映像発信装置303、映像受信装置304、映像表示装置305、映像記録配信装置306、記憶装置307から構成され、映像生成装置302、映像発信装置303、映像受信装置304、映像記録配信装置306は、それぞれネットワーク回線301により接続されており、互いが通信できるようになっている。
【0021】
ネットワーク回線301は、例えば、ネットワークケーブルや無線LAN、公衆回線等であり、発信されたデータを伝送する機能を有する。また、図示しなかったが、ここにはルータやハブ等のネットワークにおいて伝送や中継の制御をおこなうネットワーク機器も含まれる。
【0022】
映像生成装置302は、例えば、カメラといった撮像素子を持ち、映像を撮像して、生成する映像生成装置であり、光を電気に変換して映像データを生成する機能を有する。
【0023】
映像発信装置303は、例えば、映像生成装置302からの映像を受け取るインターフェイスと画像コーデックとネットワークインターフェイスを内蔵したエンコーダ装置であり、映像生成装置302からの入力映像をネットワーク伝送に適した形に変換し、ネットワーク回線301に発信する機能を有する。例えば、映像生成装置302からの入力映像がアナログ映像であった場合にはデジタル変換し、ネットワーク回線301の伝送帯域によって、データ圧縮が必要なときには、圧縮処理を施す。また、映像発信装置303は、ネットワーク上のプロトコルが、HTTPプロトコルのときには、Webエンコーダである。
【0024】
なお、映像生成装置302と映像発信装置303は、図1のように別々の形態でもよいし、一つの装置として結合された形態でもよい。
【0025】
映像受信装置304は、例えば、ネットワークインターフェイスと画像コーデック、映像表示装置305に映像を出力するインターフェイスを内蔵したデコーダ装置であり、ネットワーク回線301を伝送されてきた映像を受信し、映像表示装置305が表示可能な形に変換し出力する機能を有する。例えば、映像表示装置305がテレビモニタであった場合には、アナログ変換をおこなって画像を表示する。また、受信した映像が圧縮映像であった場合には、画像コーデックを使って伸張処理を施す。
【0026】
映像表示装置305は、例えば、テレビモニタ、コンピュータのCRT、液晶モニタといった投影素子を持った映像表示装置で、電気を光に変えて映像を表示する機能を有する。映像受信装置304と映像表示装置305は、別々の装置でもよいし、一つの装置として結合された形態でもよい。例えば、テレビモニタに内蔵された形態、CRTを接続したコンピュータの形態、あるいは、表示装置を備えた携帯電話等の携帯端末の形態などが挙げられる。
【0027】
また、映像受信装置304は、映像記録配信装置306に対し、再生や早送り等の再生指示をおこなう操作インターフェイスも内蔵する。このインターフェイスは、例えば、コンピュータ画面のGUI(Graphical User Interface)、あるいは、映像受信装置304に接続された制御盤端末でもよい。映像受信装置304は、映像記録配信装置306をファイルを配布するファイルサーバと見たときには、ファイルを受信するクライアントPCということができる。
【0028】
映像記録配信装置306は、例えば、ネットワークインターフェイスや、記憶装置へのインターフェイスを内蔵したPCであり、映像発信装置303からネットワーク回線301を伝送されてきた映像を受信し、接続された記憶装置307に映像を記録する機能と、映像受信装置304からの映像配信要求に応じ、記憶装置307より要求の映像を取出し、ネットワーク回線301を介して映像受信装置304に該映像を配信する機能を有する。
【0029】
記憶装置307は、例えば、ハードディスクやディスクアレイといった映像をデジタルデータとして記録する媒体を有する装置であり、映像記録配信装置306と、例えば、SCSI(Small Computer System Interface)やATA(AT Attachment)、Fibre Channelといった専用のインターフェイス、または、SAN(Storage Area Net work)やNAS(Network Attached Storage)といったIPネットワークを用いたインターフェイス等によって結ばれている。記憶装置307は、映像記録配信装置306に内蔵してあってもよい。
【0030】
図1では、ネットワーク回線301に接続た映像生成装置302、映像発信装置303、映像受信装置304の各装置は、一台ずつになっているが、これらは映像記録配信装置306に対し、複数個接続されることが可能である。
【0031】
次に、図2ないし図5を用いて本実施形態に係る映像記録配信システムの各装置のハードウェア構成について説明する。
図2は、映像生成装置302のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3は、映像発信装置303のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4は、映像受信装置304のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5は、映像記録配信装置306のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0032】
映像生成装置302は、図2に示されるように、DSP3021、メモリ3022、光学系3023、光電変換インターフェイス3024、映像出力インターフェイス3025が、バス3020により接続された形態である。
【0033】
映像生成装置302では、レンズなどの光学系3023から光を取り込み、それをCCD(Charge Coupled Device)などからなる光電変換インターフェイス3024により、デジタル映像信号に変換する。そして、DSP(Digital Signal Processor)3021により電気信号を処理して、デジタル映像データを生成し、必要なときには、メモリ3022に蓄積し、映像出力インターフェイス3025を介して、映像発信装置303に映像データを転送する。
【0034】
映像発信装置303は、図3に示されるように、CPU(Central Processing Unit)3031、メモリ3032、映像入力インターフェイス3033、ネットワークインタフェース3034、画像コーデック3035が、バス3030により接続された形態である。
【0035】
映像発信装置303では、映像入力インターフェイス3033を介して、映像生成装置302からの映像データを取り込み、それを画像コーディク3035により、コード化する。そして、ネットワークインタフェース3034により、ネットワーク回線301にデータを送出する。メモリ3032は、必要に応じてコード化した映像データを蓄積する。
【0036】
CPU3031は、映像発信装置303の全体の制御をおこない、メモリ3032は、必要に応じて中間的なデータを記憶する。
【0037】
映像受信装置304は、図4に示されるように、CPU3041、メモリ3042、画像コーデック3043、ネットワークインタフェース3044、表示装置インターフェイス3045が、バス3040により接続された形態である。
【0038】
映像受信装置304では、ネットワークインタフェース3044を介して、映像記録配信装置306からネットワーク回線により送信されてくる映像データを取り込み、それを画像コーデック3043により、必要な場合には、復号化する。そして、表示装置インターフェイス3045により必要ならアナログ変換などをおこなって、表示装置305に表示する。
【0039】
CPU3041は、映像受信装置304の全体の制御をおこない、メモリ3042は、必要に応じて中間的なデータを記憶する。
【0040】
映像記録配信装置306は、図5に示されるように、CPU3061、メモリ3062、ネットワークインタフェース3063、記憶装置インターフェイス3064が、バス3060により接続された形態である。
【0041】
映像記録配信装置306では、ネットワークインタフェース3064を介して、映像発信装置303からネットワーク回線により送信されていくる映像データを取り込み、それをメモリ3062に記憶する。そして、CPU3061は、メモリ3062にあるアプリケーションと設定ファイルの内容に基づき、ネットワークインタフェース3063を介して、ネットワーク回線301により、映像受信装置304に送られる。
【0042】
なお、アプリケーションと設定ファイルの内容とその処理については、次に詳細に説明する。
【0043】
次に、図6を用いて映像記録配信装置306のソフトウェア構成について説明する。
図6は、映像記録配信装置306のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【0044】
映像記録配信装置306は、実行させるアプリケーションソフトウェアとして、記録モジュール401、配信モジュール402、設定モジュールを有する。
【0045】
記録モジュール401は、先ず、映像発信装置303から映像を取得し、記憶装置307に記録するモジュールである。また、配信モジュール402は、記録した映像をユーザに対して映像を見せるために映像受信装置304へ配信するモジュールである。
【0046】
設定モジュール403は、映像記録配信装置306内の設定ファイルの値を更新するモジュールである。
【0047】
その他、図示しなかったが、オペレーティングシステムや各種ユーティリティが映像記録配信装置306で実行されるプログラムとして含まれている。
【0048】
設定ファイルは、映像記録配信装置306が、動作するための各種情報が格納されるファイルであり、システム設定ファイル411、カメラ設定ファイル412、ネットワーク設定ファイル413、スケジュール設定ファイル414などがある。
【0049】
システム設定ファイル411は、映像記録配信装置306の装置全体のパラメータを記述したファイルである。カメラ設定ファイル412は、映像を取得する映像発信装置303のIPアドレスなどが記述されたファイルである。ネットワーク設定ファイル413は、映像記録配信装置のIPアドレスなどが記述されたファイルである。また、スケジュール設定ファイル414は、映像記録配信装置306の記録モジュール401が動作して記録された内容、日時が記述されたファイルである。
【0050】
映像監視システムにおける映像記録配信装置の主な使われ方として、常時記録しておき、後から必要なときの映像を見る、アラームが発生したとき、映像でそのアラーム時の映像を見るという使用法がある。本発明は、この使われ方のアラーム発生時に記録映像を閲覧するとき映像表示方法を工夫するものである。
【0051】
以下、図7ないし図10を用いて各装置のアラームイベントとアラームの設定に関する処理について説明する。
図7は、映像発信装置303のアラームイベントが発生したときの処理を示すフローチャートである。
図8は、映像記録配信装置306のアラームイベントの処理を示すフローチャートである。
図9は、映像受信装置304のアラームイベントの処理を示すフローチャートである。
図10は、映像記録配信装置306の設定モジュール403により、アラームの設定がされるときの処理を示すフローチャートである。
【0052】
先ず、図7を用いて映像発信装置303の処理について説明する。
【0053】
映像発信装置303では、以下の図7のフローチャートに示される処理により、アラームが発生したときのトリガを受け、そのときの映像を映像記録配信装置306に配信する。
【0054】
先ず、アラームが発生すると、そのときのトリガは、映像発信装置303に送られる。映像発信装置303は、そのトリガを受信すると、アラームイベント発生時の処理を起動する(S101)。
【0055】
ここで、アラームの発生は、進入禁止エリアに人が侵入したときなど、画像処理により映像に変化がおきたときにアラームとする場合、ドアなどにセンサーを設けて、重要場所への入退者があったときにアラームとする場合などが考えうる。
【0056】
次に、映像発信装置303は、アラームが発生したことを、映像記録配信装置306にネットワーク回線301などを介して通知する(S102)。
【0057】
映像発信装置303は、それと同時に映像発信装置内にあるメモリなどの媒体に、映像をバッファリングする(S103)。このバッファは、映像記録配信装置306から映像の取得が来るまでに一時的に蓄えておくものである。また、このバッファに、アラームトリガが発生する前の映像からバッファリングしておいてもよい。
【0058】
次に、映像発信装置303は、映像記録配信装置306からそのアラーム映像取得要求を受信した場合に(S104)、バッファリングしているデータの先頭から、映像記録配信装置306に映像を配信する(S105)。
【0059】
そして、映像発信装置303は、映像記録配信装置306にバッファリングしている映像データを全て配信した時点で、アラームイベント処理を終了する(S106)。
【0060】
次に、図8を用いて記録配信装置306の処理について説明する。
【0061】
映像記録配信装置306では、以下の図8に示される処理により、映像発信装置303からの映像を受信して記憶装置307に記録し、監視者が映像を閲覧する映像受信装置304へ記録した映像を配信する。
【0062】
先ず、映像記録配信装置306が起動されたときに、アラームイベントの処理を開始する(S111)。
【0063】
映像記録配信装置306は、映像発信装置303からのアラームイベントを受信するまでは、アラームイベントのイベント待ちをしておく(S112)。
【0064】
そして、映像記録配信装置306が、アラーム発生の通知を受信した場合は、映像発信装置303でバッファリングしているアラーム時の映像を取得するため、映像発信装置303に対して映像取得要求をおこなう(S113)。
【0065】
映像記録配信装置306では、映像発信装置303からの映像を受信するごとに、記憶装置307であるHDDなどに映像データを記録する(S114)。
【0066】
一方、映像記録配信装置306は、映像の記録を始めると、アラームがあったことをユーザに通知するべく、映像受信装置304にアラームが発生したことを通知する(S115)。
【0067】
このアラーム発生の通知は、先の映像発信装置303からの映像取得より前におこなってもよい。また、アラームの通知を最優先にするのであれば、映像発信装置303から、映像記録配信装置306を介在することなく、直接、映像受信装置304への通知をおこなってもよい。
【0068】
そして、アラーム通知をした後は、通知したアラームに対する重要度も、映像受信装置304に通知する(S116)。
【0069】
次に、映像記録配信装置306は、映像受信装置304からの映像取得要求の受信待ちになる(S117)。
【0070】
そして、映像記録配信306は、映像受信装置304から映像取得要求を受信すると、記録している映像を配信する(S118)。
【0071】
映像記録配信306は、記録した映像を配信し終えると、本アラームについての一連の処理を終了する(S119)。
【0072】
次に、図9を用いて映像受信装置304の処理について説明する。
【0073】
映像受信装置304は、以下の図9に示される処理により、監視者の操作により指定した時刻の映像を取得し、画面に表示することで、過去の映像を閲覧する。
【0074】
映像受信装置304は、通常、クライアントPCを使用し、ユーザインタフェースを有し、取得した映像を表示する機能を有する。通常、表示している映像は、現在のライブ映像がほとんどである。また、映像は、個人情報にもなりうることから、通常は、映像を表示しないようにしているケースもある。映像受信装置304は、クライアントPC以外にも、アナログに変換してモニタに映像を表示するデコーダという機器を使用するケースもある。
【0075】
先ず、映像受信装置304が起動されたときに、アラームイベントの処理を開始する(S131)。
【0076】
映像受信装置304は、アラームイベントを受信するまでは、アラームイベントを受信するまで待ち続ける(S132)。
【0077】
そして、映像記録配信装置306からのアラームイベントを受信すると、次にアラームの重要度通知を受信するまで待つ(S133)
アラームの重要度を受信すると、次に、映像記録配信装置306からそのアラーム映像を取得する(S134)。
【0078】
映像受信装置304は、アラーム発生時の映像を受信すると、そのときの画像とアラームが発生したことが分るためのマークを、表示装置305のユーザインタフェース画面に表示する(S135)。
【0079】
そのマークは、アラームを入れる文字を表示する、画面の周囲に赤枠を点滅する、パトライトを点灯する、といった形でユーザにはっきり分らせるものが好ましい。また、アラーム映像の表示は、それまで、現在のLIVE映像を表示している場合は、その映像を一時隠して、アラーム映像を表示する、また、通常映像を表示していない場合には、映像を表示するアプリケーションを自動起動して、アラーム映像を表示するといった形で、必ず、映像を閲覧してもらえるようにする。
【0080】
このようにして、映像を表示した場合には、アラームの重要度により映像の表示方法を変更できるようにする。
【0081】
例えば、アラームの重要度が大中小と3段階ある場合(S136)、重要度小の場合は、アラーム発生時の静止画像を1枚指定した時間、例えば10秒表示する(S137)。その後は、表示装置305の表示は、現在のLIVE画像に自動的に戻るといったように通常の映像に戻る(S141)。
【0082】
アラームの重要度が中以上の場合は、アラーム発生時前後の例えば1分の映像を自動再生する(S138)。
【0083】
この場合も、例えば、表示装置305の表示は、再生が終わると現在のLIVE映像に自動的に戻るといったように通常の映像に戻る(S141)。
【0084】
アラームの重要度が大の場合は、先ほどのアラーム映像の再生を指定回数、例えば、5回繰り返す(S139、S140)。
【0085】
この場合も、例えば、表示装置305の表示は、指定回数再生が終わると現在のLIVE映像に戻るといったように通常の映像に戻る(S141)。
【0086】
上記設定が完了したら、アラームイベント処理を完了する(S142)。
【0087】
また例えば、指定回数分だけ再生とするのではなく、ユーザがアラーム映像の再生は必要ないと判断し終了ボタンを押すまでは、繰り返し再生して、終了ボタンを押すと現在のLIVE映像に戻るというようなユーザインタフェースでもよい。
【0088】
次に、図10を用いて映像配信記録装置306のアラーム設定処理について説明する。
【0089】
このアラーム設定処理は、図6に示した設定モジュールにより実行される。
【0090】
映像受信装置304の表示装置に表示されているユーザインタフェース画面から、以下の図10に示す手順により設定をおこなう。
【0091】
先ず、アラーム映像を表示するための設定画面を表示させる(S201)。
【0092】
先ず、映像発信する映像発信装置303を、システムに登録する(S202)。
【0093】
この内容には、映像発信装置303のIPアドレスや、端末名等がある。そして、この映像発信装置303の映像には、アラーム映像の録画が発信される可能性があるあるか否かを設定をする(S203)。
【0094】
設定される情報としては、アラーム映像のアラームの重要度の設定(S204)や、アラーム発生時に、アラーム発生イベントの通知先IPアドレスの設定(S205)などがある。上記設定が完了したら、アラーム設定処理を完了する(S206)。
【0095】
以上の内容は設定されると、設定モジュールにより403を介して、システム設定ファイル411、カメラ設定ファイル412に設定される。
【0096】
次に、図11を用いて映像受信装置304に接続された表示装置305に表示されるアラーム発生時のユーザインタフェース画面を説明する。
【0097】
図11は、アラーム発生時のユーザインタフェース画面を説明する図である。
【0098】
例えば、施設内の不審者が入ったことを検知して、アラームイベントが発生したとする。そのときには、図11(a)に示される画面が表示されて、監視者にアラームの発生を知らせる。図11(a)の画面には、「ALARM!」というユーザに注意を促す文字が、必要なら点滅させたり、赤色などの注意を引く色によって、大きく表示される。また、このアラーム画面に、重要度と、重要度に応じて繰り返される回数が表示される。そして、現在の表示の回数も同時に表示される。この例では、施設内の不審者が入ったことを示す映像、図11(a)〜(d)が3回繰り返されることになる。
【0099】
以上の方法により、アラーム映像に対して、自動的な表示とアラームに対する重要度を設けることにより、監視者は、アラーム発生時にどこで発生し、何が起こったのかを、画面を見ているだけで自動的に動作するので、作業の手間を省くことができ、効率よく監視をおこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の一実施形態に係る映像記録配信システムの構成図である。
【図2】映像生成装置302のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】映像発信装置303のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】映像受信装置304のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】映像記録配信装置306のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】映像記録配信装置306のソフトウェア構成を示すブロック図である。
【図7】映像発信装置303のアラームイベントが発生したときの処理を示すフローチャートである。
【図8】映像記録配信装置306のアラームイベントの処理を示すフローチャートである。
【図9】映像受信装置304のアラームイベントの処理を示すフローチャートである。
【図10】映像記録配信装置306の設定モジュール403により、アラームの設定がされるときの処理を示すフローチャートである。
【図11】アラーム発生時のユーザインタフェース画面を説明する図である。
【符号の説明】
【0101】
301…ネットワーク回線、302…映像生成装置、303…映像発信装置、304…映像受信装置、305…表示装置、306…映像記録配信装置、307…記憶装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を撮像し、生成する映像生成装置と、
前記映像生成装置から入力される映像をネットワークを介して映像記録配信装置に送信する映像発信装置と、
ネットワークを介して前記映像発信装置からの映像を受信する映像記録配信装置と、
表示装置が接続され、ネットワークを介して前記映像記録配信装置からの映像を受信して、前記表示装置に表示する映像受信装置とを有し、
前記映像記録配信装置は、受信した映像に関するアラームイベントの重要度を、前記映像受信装置に通知し、
前記映像受信装置は、前記通知されたアラームイベントの重要度に基づき、受信した映像をループ再生して、前記表示装置に表示することを特徴とする映像記録配信システム。
【請求項1】
映像を撮像し、生成する映像生成装置と、
前記映像生成装置から入力される映像をネットワークを介して映像記録配信装置に送信する映像発信装置と、
ネットワークを介して前記映像発信装置からの映像を受信する映像記録配信装置と、
表示装置が接続され、ネットワークを介して前記映像記録配信装置からの映像を受信して、前記表示装置に表示する映像受信装置とを有し、
前記映像記録配信装置は、受信した映像に関するアラームイベントの重要度を、前記映像受信装置に通知し、
前記映像受信装置は、前記通知されたアラームイベントの重要度に基づき、受信した映像をループ再生して、前記表示装置に表示することを特徴とする映像記録配信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−225275(P2009−225275A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−69427(P2008−69427)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
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