説明

景観塗装

【課題】 コスト高を招来することなく十分に発光させることのできるようにした景観舗装を提供する。
【解決手段】 液状のバインダー樹脂(22)に10重量%〜15重量%の蓄光顔料(23)を混合し、このバインダー樹脂と1mm〜4mmの範囲内の大きさの平均粒径を有する粒状主骨材が50容量%以上を占める骨材(21)とを混合し、舗装面(10)上に敷設する。バインダー樹脂、蓄光顔料及び骨材を混合した蓄光性の混合物を屋外装備品(30,40)の外表面の一部に付着させてもよい。主骨材には自然石、ゴムチップ、ガラスチップ、プラスチックチップから選ばれる1又は複数のものを用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は景観舗装に関し、特にコスト高を招来することなく十分に発光させることのできるようにした景観舗装に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、歩道、公園の遊歩道、駐車場等ではコンクリート舗装、アスファルト舗装あるいは自然石舗装等が行われることが多いが、夜間において照明が十分でない場所では通行人が転倒するおそれがあるばかりでなく、防犯上も問題である。
【0003】
そこで、砕石等の通常の骨材に蓄光性の骨材を混合したものを主骨材とし、これをコンクリート、アスファルト、バインダー樹脂で固め、夜間に発光させるようにした景観舗装が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【特許文献1】特開平11−131408号公報
【特許文献2】特開平10−140515号公報
【特許文献3】特開平02−104803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、蓄光性の骨材を用いる場合、舗装面を十分に光らせるためには主骨材の全体に対して10%程度の蓄光性の骨材を必要とし、コスト高になっていた。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑み、コスト高を招来することなく十分に発光させることのできるようにした景観舗装を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明に係る景観塗装は、液状のバインダー樹脂に10重量%〜15重量%の蓄光顔料が混合され、このバインダー樹脂と1mm〜4mmの範囲内の大きさの平均粒径を有する粒状主骨材が50容量%以上を占める骨材とが混合され、舗装面に敷設されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の特徴の1つはバインダー樹脂に蓄光顔料を添加混合するようにした点にある。これにより、少ない蓄光顔料によって全体を発光させることができ、従来の蓄光性の骨材を用いる場合のようにコスト高を招来することはない。
【0008】
例えば、舗装材が全体で20kgとすると、蓄光性の骨材を用いる場合には2kgの蓄光性の骨材を必要とする。これに対し、本発明ではバインダー樹脂は20kgの舗装材に対して1.1kg〜1.2kgとなり、蓄光顔料は160g程度で済むことになる。
【0009】
上述のようにバインダー樹脂に蓄光顔料を添加すると、骨材の間にどの程度のバインダー樹脂が残存するかによって発光時間が異なってくる。本件発明者らの実験によれば、1mm〜4mmの範囲内の大きさの平均粒径を有する粒状主骨材が50容量%以上を占める骨材を用いると、骨材と骨材との間の隙間が小さくなり、十分な量のバインダー樹脂が残存することが確認された。即ち、バインダー樹脂に対して10重量%の蓄光顔料で約5時間、15重量%の蓄光顔料で約8時間、発光することが分かった。
【0010】
粒状主骨材には自然石、ゴムチップ、ガラスチップ、プラスチックチップから選択される1つの又は複数を混合した骨材を用いることができる。ガラスチップはガラス瓶や窓ガラス等の廃ガラスを破砕した、いわゆるリサイクルガラスチップを用いることができる。プラスチックチップにはプラスチックの廃製品を破砕し、あるいは溶融して破砕したチップを用いることができる。
【0011】
また、自然石を用いた景観舗装の場合、自然石の風合いが極力損なわれないのが好ましい。そこで、バインダー樹脂を透明又は半透明とするのがよい。しかも、明るい時間帯には自然な風合いとなり、暗くなって初めて発光が分かるのが理想的であり、そのため蓄光顔料は10〜15重量%が望ましい。
【0012】
バインダー樹脂は舗装の分野で用いられている合成樹脂、例えばウレタン系樹脂やエポキシ系樹脂を用いることができる。
【0013】
また、本発明の考え方はボラードや車止め等、あるいは表札や門柱等の屋外装備品にも適用できる。即ち、本発明に係る屋外装備品は、液状のバインダー樹脂に10重量%〜15重量%の蓄光顔料が混合され、このバインダー樹脂と1mm〜4mmの範囲内の大きさの平均粒径を有する自然石が50容量%以上を占める骨材とが混合され、この蓄光性の混合物が外表面の一部に付着されていることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1及び図2は本発明に係る景観舗装の好ましい実施形態を示す。図において、舗装下地(舗装面)10上には下地プライマー11が塗布され、その上に本例の景観舗装20が敷設されている。下地舗装10にはアスファルト舗装、コンクリート舗装あるいは自然石舗装等が採用されることができる。
【0015】
この景観舗装20は蓄光顔料を添加したバインダー樹脂と骨材21とを混合して下地プライマー11上にこてを用いて敷設して構成されている。バインダー樹脂22には液状の透明ウレタン系樹脂をバインダー樹脂を用い、このバインター樹脂22に10重量%〜15重量%の蓄光顔料23が混合されている。
【0016】
骨材21は粒状主骨材である自然石が50容量%以上、残りがガラスチップやゴムチップ等からなり、自然石には1mm〜4mmの範囲内の大きさの平均粒径を有する石が用いられている。
【0017】
以上のように、バインダー樹脂22に蓄光顔料23を添加するようにしたので、少ない蓄光顔料23によって景観舗装20の全体を発光させることができ、従来の蓄光性の骨材を用いる場合のようにコスト高を招来することはない。
【0018】
図3は第2の実施形態を示し、これは屋外装備品であるボラードに適用した例である。図において、ボラード30はコンクリートその他の材料を用いてほぼ円柱状に製作され、その外表面には凹部31が例えば図3の(a)〜(c)に示されるように任意の形状に形成され、その凹部31には接着剤が塗布されて蓄光性の混合物が付着されている。
【0019】
この蓄光性の混合物は蓄光顔料を添加したバインダー樹脂と骨材とを混合して凹部内の接着剤上にこてを用いて付着させて構成されている。バインダー樹脂には液状の透明ウレタン系樹脂をバインダー樹脂を用い、このバインター樹脂に10重量%〜15重量%の蓄光顔料が混合されている。
【0020】
また、骨材は1mm〜4mmの範囲内の大きさの平均粒径を有する自然石が用いられている。
【0021】
図4は第3の実施形態を示し、これは奥外装備品である車止めに適用した例である。図において、車止め40はコンクリートを用いて横長四角形状にその外表面には円形凹部41が左右に形成され、その凹部41には接着剤が塗布されて蓄光性の混合物が付着されている。
【0022】
この蓄光性の混合物は蓄光顔料を添加したバインダー樹脂と骨材とを混合して凹部41内の接着剤上にこてを用いて付着させて構成されている。バインダー樹脂には液状の透明ウレタン系樹脂をバインダー樹脂を用い、このバインター樹脂に10重量%〜15重量%の蓄光顔料が混合されている。
【0023】
また、骨材は1mm〜4mmの範囲内の大きさの平均粒径を有する自然石が用いられている。
【0024】
なお、上記の実施の形態では主骨材として自然石を用いた場合を例に説明したが、ゴムチップ、ガラスチップ、プラスチックチップを主骨材として用いるようにしてもよい。また、屋外装備品としてボラード及び車止めに適用した例を示したが、他の屋外装備品、例えば表札の名前の部分や門柱の模様に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る景観舗装の好ましい実施形態を示す図である。
【図2】上記実施形態における製造方法を模式的に示す図である。
【図3】第2の実施形態を示す図である。
【図4】第3の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0026】
10 舗装下地(舗装面)
20 景観舗装
21 骨材
22 ウレタン系樹脂
23 蓄光顔料
30 ボラード(屋外装備品)
31 凹部
40 車止め
41 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状のバインダー樹脂に10重量%〜15重量%の蓄光顔料が混合され、このバインダー樹脂と1mm〜4mmの範囲内の大きさの平均粒径を有する粒状主骨材が50容量%以上を占める骨材とが混合され、舗装面に敷設されていることを特徴とする景観舗装。
【請求項2】
上記バインダー樹脂が透明又は半透明である請求項1記載の景観舗装。
【請求項3】
上記バインダー樹脂がウレタン系樹脂である請求項1又は2記載の景観舗装。
【請求項4】
上記粒状主骨材が自然石、ゴムチップ、ガラスチップ、プラスチックチップから選択される1つの又は複数を混合した骨材である請求項1記載の景観舗装。
【請求項5】
液状のバインダー樹脂に10重量%〜15重量%の蓄光顔料が混合され、このバインダー樹脂と1mm〜4mmの範囲内の大きさの平均粒径を有する粒状主骨材が50容量%以上を占める骨材とが混合され、この蓄光性の混合物が外表面の一部に付着されていることを特徴とする屋外装備品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−83680(P2006−83680A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−333834(P2004−333834)
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(504318278)
【出願人】(504318315)
【Fターム(参考)】