更生管の敷設方法およびそれに用いる封止具
【課題】既設管内に更生管を挿入するときの挿入抵抗を効率的に抑制する。
【解決手段】既設管30内に更生管32を挿入していく際に、既設管30の曲がり部36などの挿入抵抗部に対応した位置に封止具10を配置し、更生管32内の一部に封止空間48を形成する。そして、封止空間48を加熱して更生管32の一部を軟化させた後、更生管32を所定距離牽引する。これによって、更生管32の軟化した部位が曲がり部36を通過する。その後、更生管32を所定距離牽引した分だけ、封止具10の配置位置を順次後方に変えることによって、更生管32の加熱位置を順次変えながら、既設管30内に更生管32を挿入していく。
【解決手段】既設管30内に更生管32を挿入していく際に、既設管30の曲がり部36などの挿入抵抗部に対応した位置に封止具10を配置し、更生管32内の一部に封止空間48を形成する。そして、封止空間48を加熱して更生管32の一部を軟化させた後、更生管32を所定距離牽引する。これによって、更生管32の軟化した部位が曲がり部36を通過する。その後、更生管32を所定距離牽引した分だけ、封止具10の配置位置を順次後方に変えることによって、更生管32の加熱位置を順次変えながら、既設管30内に更生管32を挿入していく。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は更生管の敷設方法およびそれに用いる封止具に関し、特にたとえば、既設管内に更生管を敷設する、更生管の敷設方法およびそれに用いる封止具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、老朽化した既設管を更生するための方法として、更生管を既設管内に挿入して敷設する方法が知られている。また、既設管に曲がり部が含まれるような場合には、曲がり部において更生管の挿入抵抗が大きくなるので、熱可塑性の更生管を加熱して軟化させた状態で既設管に挿入する方法が採用される。たとえば、特許文献1の技術では、更生管の他端開口から加熱流体を供給すると共に、この加熱流体を、更生管の一端開口に接続した連結部材を介して排出することによって、更生管を既設管内に引き込む間、更生管全体を加熱するようにしている。
【0003】
また、特許文献2には、更生管を牽引するための牽引治具に加熱機構を設け、更生管の先端のみを加熱して軟化させた状態で、更生管を既設管内に挿入する方法が開示されている。更生管を既設管内に挿入する際には、更生管の先頭部位が既設管の曲がり部を通過するときに、大きな挿入抵抗が発生する。したがって、特許文献2の技術のように、更生管の先端を加熱すれば、初期の大きな挿入抵抗を低く抑えることができる。
【特許文献1】特開2006−283903号
【特許文献2】特開2006−43983号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、更生管を既設管内に挿入する際に、更生管全体を加熱するので、更生管の挿入抵抗に関係の無い部位まで加熱することになり、効率が悪い。特に、現場において更生管部材を順次接続して更生管を形成しながら既設管内に挿入していく方法においては、更生管部材を接続する毎に更生管全体を加熱し直さなければならず、更生管の延長が長くなるにつれて更生管の加熱に長時間を要するようになる。また、更生管部材の接続は常温で行う必要があるので、更生管全体を加熱する場合には、更生管の端部(接続部)が常温に下がるまで待つ必要があり、作業に時間がかかる。
【0005】
また、特許文献2の技術では、初期の大きな挿入抵抗を抑えることはできるが、更生管の加熱位置が先端のみに固定されているため、更生管の他の部位を加熱することができず、加熱していない部位が既設管の曲がり部を通過するときに生じる挿入抵抗を抑えることができない。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、既設管内に更生管を挿入するときの挿入抵抗を効率的に抑制できる、更生管の敷設方法およびそれに用いる封止具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0008】
請求項1の発明は、封止具の配置位置を変えることによって更生管の加熱位置を変えながら既設管内に更生管を挿入する、更生管の敷設方法である。
【0009】
請求項1の発明では、既設管(30)内に更生管(32)を挿入して敷設する際に、更生管内に配置する封止具(10)の位置を変えることによって、更生管の加熱位置、つまり軟化させる更生管の部位を順次変える。たとえば、既設管内へ更生管を挿入していくに従って、挿入抵抗の原因となる更生管の部位は変わるので、それと対応させて更生管の加熱位置を変える。
【0010】
請求項1の発明によれば、更生管全体を加熱するのではなく、更生管の加熱位置を順次変えて、挿入抵抗の原因となる更生管の部位を加熱して軟化させるので、既設管内に更生管を挿入するときの挿入抵抗を効率的に抑制できる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明に従属し、既設管の挿入抵抗部の位置と対応させて更生管の加熱位置を変える。
【0012】
請求項2の発明では、既設管(30)の曲がり部などの挿入抵抗部(36)の位置と対応させて、更生管(32)の加熱位置を順次変える。たとえば、曲がり部の途中や曲がり部の所定距離手前に位置する更生管の部位を軟化させることができるように、封止具(10)の配置位置を変え、更生管の加熱位置を変える。したがって、請求項1の発明と同様に、既設管内に更生管を挿入するときの挿入抵抗を効率的に抑制できる。
【0013】
請求項3の発明は、既設管内に更生管を挿入する更生管の敷設方法であって、(a)既設管の挿入抵抗部に対応した位置に封止具を配置して更生管内の一部に封止空間を形成し、(b)ステップ(a)で形成した封止空間を加熱して更生管を部分軟化させ、(c)ステップ(b)で部分軟化させた更生管を既設管内に所定距離挿入し、そして(d)ステップ(a)から(c)のステップを必要に応じて繰り返して、既設管の更生部分の全長に亘って更生管を既設管内に挿入する、更生管の敷設方法である。
【0014】
請求項3の発明では、先ず、ステップ(a)で、既設管(30)の曲がり部などの挿入抵抗部(36)に対応する更生管(32)内の位置に封止具(10)を配置し、その封止具を利用して更生管内の一部に封止空間(48,98)を形成する。ステップ(b)では、ステップ(a)で形成した封止空間に加熱流体を送り込み、封止空間を形成する更生管の部位を加熱して更生管を部分軟化させる。ステップ(c)では、ステップ(b)で部分軟化させた更生管を既設管内に所定距離挿入する。これによって、更生管の軟化した部位が既設管の挿入抵抗部を通過する。そして、ステップ(d)では、ステップ(a)から(c)のステップを適宜繰り返して、既設管内へ更生管を挿入していくに従って変わる、挿入抵抗の原因となる更生管の部位を順次加熱しながら、既設管の更生部分の全長に亘って更生管を既設管内に敷設する。
【0015】
請求項3の発明によれば、更生管全体を加熱するのではなく、更生管の加熱位置を順次変えて、挿入抵抗の原因となる更生管の部位を加熱して軟化させるので、既設管内に更生管を挿入するときの挿入抵抗を効率的に抑制できる。
【0016】
請求項4の発明は、既設管内に更生管を挿入するときに更生管を部分加熱するために用いる封止具であって、拡張および収縮が可能な第1封止体、および第1封止体に設けられて、当該第1封止体を利用して更生管内に形成される封止空間に加熱流体を送り込む通路部を備える、封止具である。
【0017】
請求項4の発明では、封止具(10)は、既設管(30)内に更生管(32)を挿入するときに、更生管の一部を加熱して軟化させるために用いられる。封止具は、第1封止体(12)および通路部(14)を備える。第1封止体は、たとえば、その内部に圧縮空気等の流体が供給されると拡張し、内部の流体が抜かれると収縮する。通路部は、たとえば、第1封止体を貫通するように設けられ、第1封止体を利用して更生管内に形成される封止空間(48)に対して蒸気等の加熱流体を送り込む。この封止具を用いて更生管を部分加熱するときには、たとえば、更生管の一端を他の部材(46)を用いて封止すると共に、更生管内の所望の位置に封止具を配置して第1封止体を拡張させ、更生管内に封止空間を形成する。その後、通路部を介して封止空間に加熱流体を送り込み、封止空間を形成する更生管の部位を加熱する。また、第1封止体を収縮させれば封止具の配置位置を変えることができるので、更生管内の所望の位置に封止空間を形成できる。
【0018】
請求項4の発明によれば、更生管の加熱位置を自在に変えることができる。
【0019】
請求項5の発明は、請求項4の発明に従属し、第1封止体の前方に設けられるかつ拡張および収縮が可能な第2封止体、および第1封止体と第2封止体とを連結する連結体をさらに備え、通路部は第1封止体と第2封止体とを利用して更生管内に形成される封止空間に加熱流体を送り込む。
【0020】
請求項5の発明では、封止具(10)は、第2封止体(82)をさらに備える。第2封止体は、連結体(90)によって第1封止体(80)と所定間隔を隔てて連結され、たとえば、第1封止体と連動して拡張および収縮する。第1封止体と第2封止体との間の所定間隔は、たとえば、既設管(30)の曲がり部などの挿入抵抗部(36)の長さを考慮して設定される。更生管内の所望の位置に封止体を配置して、第1封止体および第2封止体を拡張させると、第1封止体と第2封止体との間に封止空間(98)が形成される。つまり、他の部材(46)を用いることなく更生管内の所望の位置に封止空間を形成することができる。したがって、この封止空間に通路部(92)を介して加熱流体を送り込めば、更生管の所望の部位のみを加熱できる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、更生管全体を加熱するのではなく、更生管の加熱位置を順次変えて、挿入抵抗の原因となる更生管の部位を加熱するので、既設管内に更生管を挿入するときの挿入抵抗を効率的に抑制できる。
【0022】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1−図4を参照して、この発明の一実施例である更生管の敷設方法では、図5に示す封止具10を用いて、更生管32の加熱位置を変えながら更生管32を既設管30内に挿入して敷設する。
【0024】
図5に示すように、封止具10は、第1封止体12および通路部14を備える。第1封止体12は、耐熱ゴム等の弾性材によって袋状に形成される。第1封止体12の後方側の適宜な位置には、圧縮空気等の流体を出し入れするための空気孔16が形成され、この空気孔16には、後述する流体供給管50と接続される管接続部18が形成される。管接続部18と流体供給管50との接続方式には、図示は省略するが、ホースバンド締め式、ナット締込み式およびワンタッチ式など適宜な接続方式を用いるとよい。第1封止体12は、空気孔16を介してその内部に流体が供給されると、更生管32の形状に適した形状、たとえば中空円筒形に拡張し、内部の流体が抜けると収縮する。
【0025】
通路部14は、ステンレス等の金属によって形成され、第1封止体12の内部を軸方向に貫通するように、第1封止体12に設けられる。通路部14は、両端開口の円筒状に形成され、その内壁面20によって形成される通路が、第1封止体12の前方へ加熱流体を送り込むための加熱流体通路となる。また、通路部14の一方端には、後述する押し込み棒52を接続するためのねじ溝22が形成される。なお、図5では、通路部14が第1封止体12の中央付近を軸方向に貫通するように示してあるが、これに限定されず、通路部14は、第1封止体12の適宜な位置に設けることができる。たとえば、第1封止体12の側壁付近を軸方向に貫通するように通路部14を設けることもできる。
【0026】
このような封止具10は、詳細は後述するように、第1封止体12が拡張することによって更生管32内に封止空間48を形成し、その封止空間48に通路部14を介して加熱流体を送り込むことによって封止空間48を形成する更生管32の部位を加熱する。また、第1封止体12を収縮させれば封止具10の配置位置を自在に変えることができるので、更生管32内の所望の位置に封止空間48を形成できる。つまり、封止具10を用いることによって、更生管32の加熱位置を自在に変えることができる。
【0027】
図1−図4に戻って、図5に示す封止具10を用いて既設管30内に更生管32を挿入する更生管の敷設方法を以下に示す。この実施例では、所定長さの更生管部材34を作業現場において順次接続して更生管32を形成しながら、更生管32を既設管30内に挿入していくことによって、既設管30を更生する。
【0028】
既設管30は、土中に埋設される鉄筋コンクリート管や鉄管などであって、その一部に、曲がり部36を有している。この実施例では、既設管30の挿入抵抗部として、曲がり部(曲管部)36を例示しているが、挿入抵抗部には、たとえば段差部、既設管30内で一時的に通路が狭くなる挟部、既設管30に形成される枝管部などの位置に生じた出っ張り、および既設管30の何らかの損傷によって生じた凸部などのような、更生管32の挿入抵抗が大きくなる既設管30の部分を含む。また、既設管30の曲がり部36以外の部分は、直管であるものとする。既設管30の内径は、たとえば100mm〜500mmである。
【0029】
更生管部材34は、ポリエチレン等の熱可塑性を有する合成樹脂によって形成され、断面形状が円形の直管状に形成される。更生管部材34の外径は、既設管30の内径より小さく設定され、その軸方向の長さは、たとえば2〜5mである。
【0030】
更生管32の敷設作業を開始すると、先ず、既設管30の更生部分の両端部に応じた位置に、第1立坑38および第2立坑40を設け、それらの位置の既設管30を切断して外部に撤去する。
【0031】
第1立坑38は、更生管部材34の長さ(この実施例では2〜5m)よりも長い長さ(たとえば、7m)を有し、更生する既設管30の一方端に応じた位置に設けられる。このように更生管部材34の長さより長い長さの第1立坑38を設けるのは、詳細は後述するように、第1立坑38の内部において、更生管部材34の接続作業などを行うためである。また、第2立坑40は、更生する既設管30の他端に応じた位置に設けられる。この第2立坑40は、第1立坑38のように大きなものにする必要は無く、作業者がその内部に入って適宜作業できる程度の広さがあればよい。
【0032】
第1立坑38および第2立坑40を設けると、次に、既設管30内の異物除去および洗浄を行う。また、テレビカメラ車などを用いて既設管30の構造の事前調査を行ったり、既設管30の敷設図などを参考にしたりして、第1立抗38から曲がり部36までの長さや、曲がり部36自体の長さ等を把握しておく。
【0033】
次に、第1立坑38内において、先行する更生管部材34に後続する更生管部材34を順次接続して更生管32を形成しながら、更生管32の先頭部位が曲がり部36の直前の位置に到達するまで、既設管30内に更生管32を挿入していく。なお、既設管30の第1立抗38から曲がり部36までの部分は直管であり、更生管32の挿入抵抗は小さいので、更生管32の先頭部位が曲がり部36の直前の位置に到達するまでは、更生管32の加熱は行わない。
【0034】
具体的には、先ず、第1立坑38の内部に封止具10、更生管部材34およびバット融着機(図示せず)等を搬入する。また、第2立坑40側の地上にウィンチ42を用意し、そのウィンチ42に連結したワイヤやロープ等の牽引具44を、第2立坑40側から既設管30内を介して第1立坑38側まで通しておく。
【0035】
続いて、第1の更生管部材34の前方側(つまり第2立抗40側)の端部に固定具46を取り付け、この固定具46に、既設管30内を通しておいた牽引具44を取り付ける。この固定具46は、第1の更生管部材34に牽引具44を取り付けるために利用されると共に、第1の更生管部材34の前方側の端部の開口を封止する機能を有する。
【0036】
そして、第1の更生管部材34をウィンチ42および牽引具44を用いて牽引し、既設管30内に所定距離挿入する。この際には、第1の更生管部材34に第2の更生管部材34を接続(バット融着)するときに必要な長さだけ、第1の更生管部材34の後方側(つまり第1立抗38側)の端部を既設管30から第1立坑38の内部に突出させておく。続いて、バット融着機を用いて、第1の更生管部材34の後方側の端部に対して第2の更生管部材34の前方側の端部を、第2の更生管部材34の後方側の端部に対して第3の更生管部材34の前方側の端部を、というように先行する更生管部材34に後続する更生管部材34を順次接続して更生管32を形成しながら、更生管32の先頭部位(つまり第1の更生管部材34の前方側の端部)が曲がり部36の直前の位置に到達するまで、更生管32を既設管30内に挿入する。
【0037】
更生管32を曲がり部36の直前の位置まで挿入すると、さらに後続する更生管部材34を更生管32に接続する。その後、封止具10を用いて更生管32内の一部に封止空間48を形成し、その封止空間48に蒸気等の加熱流体を供給して、更生管32の一部を加熱する。そして、加熱して軟化させた状態の更生管32を所定距離牽引し、既設管30の曲がり部36を通過させる。
【0038】
具体的には、先ず、第1封止体12の管接続部18を介して封止具10に流体供給管50を接続する。また、通路部14に押し込み棒52を接続する。
【0039】
押し込み棒52は、図6に示すように、ステンレス等の金属製であり、両端開口の円筒状に形成されて、その内部54は加熱流体が通る通路となっている。押し込み棒52の一方端には、通路部14のネジ溝22および自身の他端に形成されるネジ溝56に螺合するネジ山58が形成される。また、押し込み棒52の他端に形成されるネジ溝56は、加熱流体供給管60の端部に形成されるネジ山(図示せず)にも螺合可能である。つまり、押し込み棒52は、押し込み棒52自身、通路部14および加熱流体供給管60のそれぞれと接続可能である。また、押し込み棒52は、たとえば1〜2mの長さを有し、押し込み棒52同士を接続することによって、適宜な長さ、つまり封止体10を所望の位置まで押し込むことができる長さに調節することが可能である。なお、押し込み棒52同士の接続、および押し込み棒52と通路部14または加熱流体供給管60との接続方式は、上述のような螺合式に限定されず、ワンタッチ式等の適宜な方式を用いることができる。たとえば、カプラ(登録商標、図13参照)を利用してもよい。
【0040】
封止具10に流体供給管50および押し込み棒52を接続すると、押し込み棒52を利用して封止具10を更生管32内に押し込み、既設管30の曲がり部36に対応した位置、たとえば曲がり部36から更生管部材34の長さに相当する長さ分だけ手前の位置に、封止具10を配置する。なお、1つの押し込み棒52では長さが足りない場合には、他の押し込み棒52をさらに接続して、その長さを調節するとよい。このように押し込み棒52を連結してその長さを調節するようにしたのは、既設管30から突出する更生管32の管端と第1立抗38の壁面との間の空間を利用して封止具10を更生管32内に押し込むので、1つの長い押し込み棒52を用いると、その長さの分だけ上述の空間を大きくとる必要が生じ、結果、長さの長い第1立抗38を設ける必要が生じるからである。
【0041】
封止具10を更生管32内に配置すると、次に、コンプレッサ等の流体供給機62から流体供給管50を介して、封止具10の第1封止体12の内部に流体を供給し、第1封止体12を拡張させる。これによって、第1封止体12が更生管32の内面の周方向全周に亘って圧接し、第1封止体12、固定具46および更生管32によって区画される封止空間48が形成される。
【0042】
続いて、押し込み棒52の他端に加熱流体供給管60を接続し、封止空間48に加熱流体を供給する。すなわち、加熱流体供給機64からの加熱流体を、加熱流体供給管60、押し込み棒52の内部54、および封止具10の通路部14を介して、封止空間48に供給する(図1参照)。加熱流体によって、封止空間48が加熱されて、封止空間48を形成する更生管32の部位が軟化すると、更生管32をウィンチ42および牽引具44を用いて所定距離、たとえば更生管部材34の長さ分だけ牽引する(図2参照)。これによって、更生管32の先頭付近の部位は、軟化した状態で既設管30の曲がり部36を通過する。
【0043】
更生管32を所定距離牽引すると、次に、封止空間48への加熱流体の供給を停止すると共に、第1封止体12の内部の流体を抜いて第1封止体12を収縮させ、押し込み棒52を利用して、封止具10を更生管32から抜き取る。そして、更生管32に後続する更生管部材34をさらに接続した後(図3参照)、押し込み棒52を利用して封止具10を更生管32内に再度押し込み、既設管30の曲がり部36に対応した位置に封止具10を配置する(図4参照)。この曲がり部36に対応した位置は、上述の位置と同じ(たとえば曲がり部36から更生管部材34の長さに相当する長さ分だけ手前の位置)であり、これによって、更生管32内における封止具10の配置位置が変わり、更生管32の加熱位置が変わる(この実施例の場合は、加熱位置が後方に広がる)。
【0044】
以下、同様の作業、すなわち封止空間48の形成、更生管32の加熱軟化、更生管32の牽引、封止具10の抜き取り、および更生管部材34の接続などの作業を適宜繰り返し、既設管30の更生部分の全長に亘って更生管32を敷設する。
【0045】
このように、既設管30内に更生管32を挿入していくに従い、更生管32の加熱位置を後方に変える(広げる)ことによって、既設管30の曲がり部36を通過する更生管32の部位は、常に軟化した状態となり、曲がり部36(つまり挿入抵抗部)を有する既設管30内に更生管32を挿入するときの挿入抵抗を適切に抑制できる。また、更生管部材34を接続する毎に更生管32全体を加熱するのでは無く、更生管32の挿入抵抗の原因となる部位を加熱するので、効率的である。つまり、更生管32全体を加熱する場合と比較して、加熱する空間が小さいので、加熱流体が封止空間48内に速やかに行き渡り、更生管32の加熱に要する時間を短縮できる。
【0046】
また、更生管32の後方側の端部を加熱しないので、更生管部材34を接続する際に、更生管32が常温まで下がるのを待つ必要が無くなり、大幅に作業時間を短縮できる。
【0047】
なお、図5に示す封止具10では、第1封止体12の内部を貫通するように通路部14を設けたが、これに限定されない。たとえば、図7に示すように、第1封止体12を中空ドーナツ状(拡張時)に形成し、その中心付近などに形成される孔70に通路部14を嵌め込むように設けることもできる。また、その孔70を形成する第1封止体12の壁自体を通路部14として機能させることもできる。つまり、第1封止体12と通路部14とを別体として形成するのではなく、第1封止体12と通路部14とを予め一体的に形成することもできる。
【0048】
また、図8に示すように、第1封止体12の外側に通路部14を設けることもできる。ただし、この場合には、第1封止体12を拡張させたときに、更生管32の内面周方向に対して第1封止体12が圧接しない部分が生じ、封止空間48を適切に形成できない恐れがある。これを防止するために、たとえば、通路部14の外面で、少なくとも第1封止体12を拡張させたときに更生管32の内面と当接する部位に、耐熱ゴム等の柔軟性を有するシート状の閉塞材72を貼り付け、その部位での密閉性を確保するとよい。
【0049】
また、図5に示す封止具10では、流体供給管50と第1封止体12とを管接続部18を介して接続したが、流体供給管50と第1封止体12とは、予め一体的に形成しておくこともできる。
【0050】
図9に示すこの発明の他の実施例である更生管の敷設方法では、図10に示す封止具10を用いて、更生管32の加熱位置を変えながら更生管32を既設管30内に敷設する。なお、図1−図4に示す更生管の敷設方法と共通する部分については同じ番号を付し、重複する説明は省略或いは簡略化して行う。
【0051】
図10に示す封止具10は、第1封止体80および第2封止体82を含み、第1封止体80と第2封止体82とは、円筒状の連通部84を介して、その内部同士が連通する。第1封止体80および第2封止体82は、耐熱ゴム等の弾性材によって中空円筒形(拡張時)等の袋状に形成され、封止具10を更生管32内に挿入する際には、第2封止体82が第1封止体80の前方に位置する。
【0052】
第1封止体80の後方側の適宜な位置には、圧縮空気等の流体を出し入れするための空気孔86が形成され、この空気孔86には、流体供給管50と接続される管接続部88が形成される。空気孔86を介して第1封止体80の内部に流体が供給されると、連通部84を介して第2封止体82の内部にも流体が供給され、第1封止体80および第2封止体82は連動して拡張する。また、空気孔86を介して流体が抜けると、第1封止体80および第2封止体82は収縮する。
【0053】
また、第1封止体80と第2封止体82との間には、これらを連結して所定間隔を保持するための連結体90が設けられる。連結体90は、耐熱ゴム等の軟質材によって棒状に形成され、既設管30の曲がり部36に挿入可能な柔軟性を有すると共に、封止具10を更生管32内に押し込む際に、第1封止体80と第2封止体82との間の所定間隔を保持可能な硬さを有する。連結体90の長さ、すなわち第1封止体80と第2封止体82との間の所定間隔は、既設管30の曲がり部36の長さや更生管部材34の長さ等に応じて適宜設定され、たとえば、曲がり部36の長さに更生管部材34の長さを加えた長さに設定される。
【0054】
なお、図示は省略するが、連結体90を円筒状に形成し、その連結体90の内部を、第1封止体80および第2封止体82の内部同士を連通する流体の通路として利用することもできる。つまり、連通部84と連結体90とを別に設けるのではなく、連結体90が連通部84を兼ねるようにしてもよい。
【0055】
また、第1封止体80には、図5に示す封止具10と同様に、通路部92が設けられる。通路部92は、ステンレス等の金属によって形成され、第1封止体80の内部を軸方向に貫通する。この通路部92の内壁面94によって形成される通路が、第1封止体80と第2封止体82との間に加熱流体を送り込む加熱流体通路となる。また、通路部92の一方端には、押し込み棒52を接続するためのねじ溝96が形成される。なお、通路部92は、図7または図8に示す封止具10と同様の形式で第1封止体80に設けてもよい。
【0056】
図10に示すような封止具10を用いることによって、他の部材を用いることなく更生管32内の所望の位置に封止空間98を形成でき、更生管32の所望の部位のみを加熱することができる。
【0057】
図9に戻って、図10に示す封止具10を用いて既設管30内に更生管32を敷設する際には、先ず、図1−図4に示す既設管の敷設方法と同様にして、更生管32の先頭部位が既設管30の曲がり部36の直前の位置に到達するまで、更生管32を既設管30内に挿入し、後続する更生管部材34を更生管32に接続する。また、第1封止具80には、流体供給管50および押し込み棒52を接続する。
【0058】
次に、押し込み棒52を利用して封止具10を更生管32内に押し込み、既設管30の曲がり部36に対応した位置、この場合には、第2封止具82が更生管32の先頭付近に位置するように、封止具10を配置する。そして、コンプレッサ等の流体供給機62から流体供給管50を介して、第1封止体80の内部に流体を供給する。第1封止体80に供給した流体は、連通部84を介して第2封止体82の内部にも流入し、第1封止体80および第2封止体62が拡張される。これによって、第1封止体80および第2封止体82が、所定間隔を隔てて更生管32の内面に周方向全周に亘って圧接し、第1封止体80、第2封止体82および更生管32によって区画される封止空間98が形成される。
【0059】
続いて、押し込み棒52の他端に加熱流体供給管60を接続し、封止空間98に加熱流体を供給する。すなわち、加熱流体供給機64からの加熱流体を、加熱流体供給管60、押し込み棒52の内部54、および封止具10の通路部92を介して、封止空間98に供給する。加熱流体によって、封止空間98が加熱されて、封止空間98を形成する更生管32の部位が軟化すると、更生管32をウィンチ42および牽引具44を用いて所定距離、たとえば更生管部材34の長さ分だけ牽引する。これによって、更生管32の先頭付近の部位は、軟化した状態で既設管30の曲がり部36を通過する。
【0060】
更生管32を所定距離牽引すると、次に、封止空間98への加熱流体の供給を停止すると共に、第1封止体80および第2封止体82の内部の流体を抜いて第1封止体80および第2封止体82を収縮させ、押し込み棒52を利用して、封止具10を更生管32から抜き取る。
【0061】
そして、更生管32に後続する更生管部材34をさらに接続した後、押し込み棒52を利用して封止具10を更生管32内に再度押し込み、既設管30の曲がり部36に対応した位置に封止具10を配置する。たとえば、その時点で、更生管32の先頭部位が曲がり部36の途中や曲がり部36の直後に位置するときには、第2封止体82が更生管32の先頭付近に位置するように、封止具10を配置する。また、たとえば、更生管32の先頭部位が曲がり部36を過ぎているときには、第2封止体82が曲がり部36の直後に位置するように、封止具10を更生管32内に配置する(図9参照)。これによって、更生管32の加熱位置は、後方に変わっていく。
【0062】
以下、同様の作業、すなわち封止空間98の形成、更生管32の加熱軟化、更生管32の牽引、封止具10の抜き取り、および更生管部材34の接続などの作業を適宜繰り返し、既設管30の更生部分の全長に亘って更生管32を敷設する。
【0063】
このように、既設管30に更生管32を挿入していくに従い、更生管32の加熱位置を後方に変え、更生管32の挿入抵抗の原因となる部位のみを加熱するので、曲がり部36を有する既設管30内に更生管32を挿入するときの挿入抵抗をより効率的に抑制できる。特に、既設管30の曲がり部36から第2立抗40までの長さが長い場合には有効である。
【0064】
なお、上述の各実施例では、更生管32に後続する更生管部材34を接続するために、封止具10を更生管32から抜き取るようにしたが、封止具10を更生管32内に留めたまま、更生管部材34を接続することもできる。たとえば、図11および図12に示すように、既設管30の曲がり部36から第1立抗38までの距離に対応した流体供給管50の位置に、カプラ(図13参照)を用いた接続部100を設けておく。また、加熱流体供給管60と押し込み棒52とを接続する部位にもカプラを用いた接続部102を設けておく。具体的には、封止具10に接続される流体供給管50の端部および連結棒52の端部にカプラのソケット側を設け、流体供給機62に接続される流体供給管50の端部および加熱流体供給管60の端部にカプラのプラグ側を設ける。
【0065】
そして、更生管32を敷設する際には、更生管32を所定距離挿入した後であって、後続する更生管部材34を接続する前に、カプラ式の接続部100,102を切り離し、封止具10に接続されている流体供給管50と押し込み棒52とを針金、ゴムまたは紐などの拘束具104によって1つにまとめる(図11参照)。後続する更生管部材34を更生管32に接続した後、フックを拘束具104に引っ掛ける等して、封止具10に接続されている流体供給管50と押し込み棒52とを手繰り寄せ、再度流体供給管50同士、および押し込み棒52と加熱流体供給管60とを接続する(図12参照)。そして、更生管32を部分加熱して既設管30内に挿入するという方法を用いるとよい。
【0066】
また、上述の各実施例では、1つの更生管部材34を接続する毎に、更生管部材34の長さに応じた距離だけ更生管32を既設管30に挿入するようにしたが、これに限定されない。たとえば、更生管32に複数の更生管部材34を接続した後に、その複数の更生管部材34の長さに応じた距離だけ、更生管32を既設管30内に挿入するようにしてもよい。この場合には、第1封止体12,80の配置位置が、曲がり部36から複数の更生管部材34の長さに応じた距離だけ後方になるように調整するとよい。
【0067】
さらに、上述の各実施例では、作業現場において更生管部材34を接続して更生管32を形成しながら、既設管30内に更生管32を挿入するようにしたが、これに限定されない。たとえば、既設管30の更生部位に相当する長さを有する長尺の更生管32を予め用意し、その長尺の更生管32を用いて既設管30を更生することもできる。また、更生管部材34を接続して予め必要長に形成した更生管32を用いることもできる。
【0068】
たとえば、図5に示す封止具10を用いて長尺の更生管32を敷設する場合には、予め、流体供給管50と加熱流体供給管60とを接続した封止具10を、更生管32の後端側から挿入して、更生管32の先頭から所定距離後方の位置に配置しておく。その後、更生管32を既設管30内に挿入していき、更生管32の先頭部位が既設管30の曲がり部36に到達したときに、封止具10を利用して更生管内32内に封止空間48を形成し、加熱して部分軟化させた状態の更生管32を既設管30内に所定距離挿入する。続いて、第1封止体12の内部の流体を一旦抜いて、封止具10を所定距離後方へ移動させ、曲がり部36に応じた位置に再度封止空間48を形成して更生管32を加熱するという作業を繰り返して、既設管30の更生部位の全長に亘って更生管32を敷設するとよい。この場合、第1封止体12を後方へ移動させる作業を速やかに行えば、封止空間48の温度の低下を小さく抑えることができる。したがって、長尺の更生管32全体を加熱することと比較して、更生管32を効率的に加熱することができ、曲がり部36を有する既設管30内に更生管32を挿入するときの挿入抵抗を効率的に抑制できる。
【0069】
また、上述の各実施例では、空気孔16を介してその内部に流体を供給することによって、第1封止体12,80を拡張させたが、これに限定されない。たとえば、第1封止体12,80の内部に加熱によって体積が増す気体や液体などを封入しておき、通路部14,92に加熱流体が通る等して加熱されると第1封止体12,80が拡張し、冷却されると第1封止体12,80が収縮するというようにすることもできる。また、第2封止体82にも同様に、流体の出し入れではなく、加熱および冷却によって拡張および収縮するものを用いてもよい。
【0070】
また、たとえば、第1封止体12,80として、図14に示すようなヘキサプラグ(たとえば、六菱ゴム株式会社製)を用いることもできる。ヘキサプラグは、C型断面を有するゴムリング110および傾斜角を有する平板112を含み、2枚の平板112で締め込むことによってゴムリング110が拡張(拡径)し、平板112の締め込みを緩めることによってゴムリング110が収縮(縮径)する。ヘキサプラグを用いる場合には、たとえば、その外面にねじ山116を有し、その内壁面118によって形成される通路が加熱流体通路となる通路部114を平板112に設けておく。そして、図6に示すような押し込み棒52のねじ溝56を通路部114のねじ山116に螺合させて締め込むことによって、2枚の平板112が締め込まれてゴムリング110が拡張するというようにするとよい。また、第2封止体82にも同様に、第1封止体80の拡張および収縮と連動して拡張および収縮するヘキサプラグを用いることができる。
【0071】
また、上述の各実施例では、押し込み棒52の内部54に加熱流体を流すようにしたが、これに限定されない。たとえば、押し込み棒52を接続するための接続部を第1封止体12,80に別途設けて、その接続部に押し込み棒52を接続するようにし、封止具10の通路部14,92に加熱流体供給管60を直接接続するようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】この発明の一実施例の更生管の敷設方法において、封止具を用いて更生管内の一部に封止空間を形成する工程を示す概略断面図である。
【図2】図1の工程に続き、更生管の一部を軟化させた状態で既設管内に所定距離挿入する工程を示す概略断面図である。
【図3】図2の工程に続き、封止具を取り除いて後続する更生管部材を接続する工程を示す概略断面図である。
【図4】図3の工程に続き、封止具を利用して更生管内の他の一部に封止空間を形成する工程を示す概略断面図である
【図5】図1の更生管の敷設方法に用いる封止具が拡張した状態を示す、(A)は軸方向断面図であり、(B)は径方向断面図である。
【図6】図1の更生管の敷設方法に用いる押し込み棒を示す断面図である。
【図7】図1の更生管の敷設方法に用いる他の一例の封止具が拡張した状態を示す、(A)は軸方向断面図であり、(B)は径方向断面図である。
【図8】図1の更生管の敷設方法に用いるさらに他の一例の封止具が拡張した状態を示す、(A)は軸方向断面図であり、(B)は径方向断面図である。
【図9】この発明の他の実施例の更生管の敷設方法において、封止具を利用して更生管の一部に封止空間を形成する工程を示す概略断面図である。
【図10】図9の更生管の敷設方法に用いる封止具が拡張した状態を示す軸方向断面図である。
【図11】この発明のさらに他の実施例の更生管の敷設方法において、封止具を更生管内に留めた状態で接続部を取り外す工程を示す概略断面図である。
【図12】図11の工程に続き、後続する更生管部材を接続して、更生管内の一部に封止空間を形成する工程を示す概略断面図である。
【図13】図11の更生管の敷設方法に用いる接続部(カプラ)を示す断面図である。
【図14】更生管の敷設方法に用いるさらに他の一例の封止具(ヘキサプラグ)が拡張した状態を示す、(A)は軸方向断面図であり、(B)は径方向断面図である。
【符号の説明】
【0073】
10 …封止具
12,80 …第1封止体
14,92 …通路部
16,86 …空気孔
30 …既設管
32 …更生管
34 …更生管部材
36 …曲がり部(挿入抵抗部)
48,98 …封止空間
82 …第2封止体
84 …連通部
90 …連結体
【技術分野】
【0001】
この発明は更生管の敷設方法およびそれに用いる封止具に関し、特にたとえば、既設管内に更生管を敷設する、更生管の敷設方法およびそれに用いる封止具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、老朽化した既設管を更生するための方法として、更生管を既設管内に挿入して敷設する方法が知られている。また、既設管に曲がり部が含まれるような場合には、曲がり部において更生管の挿入抵抗が大きくなるので、熱可塑性の更生管を加熱して軟化させた状態で既設管に挿入する方法が採用される。たとえば、特許文献1の技術では、更生管の他端開口から加熱流体を供給すると共に、この加熱流体を、更生管の一端開口に接続した連結部材を介して排出することによって、更生管を既設管内に引き込む間、更生管全体を加熱するようにしている。
【0003】
また、特許文献2には、更生管を牽引するための牽引治具に加熱機構を設け、更生管の先端のみを加熱して軟化させた状態で、更生管を既設管内に挿入する方法が開示されている。更生管を既設管内に挿入する際には、更生管の先頭部位が既設管の曲がり部を通過するときに、大きな挿入抵抗が発生する。したがって、特許文献2の技術のように、更生管の先端を加熱すれば、初期の大きな挿入抵抗を低く抑えることができる。
【特許文献1】特開2006−283903号
【特許文献2】特開2006−43983号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、更生管を既設管内に挿入する際に、更生管全体を加熱するので、更生管の挿入抵抗に関係の無い部位まで加熱することになり、効率が悪い。特に、現場において更生管部材を順次接続して更生管を形成しながら既設管内に挿入していく方法においては、更生管部材を接続する毎に更生管全体を加熱し直さなければならず、更生管の延長が長くなるにつれて更生管の加熱に長時間を要するようになる。また、更生管部材の接続は常温で行う必要があるので、更生管全体を加熱する場合には、更生管の端部(接続部)が常温に下がるまで待つ必要があり、作業に時間がかかる。
【0005】
また、特許文献2の技術では、初期の大きな挿入抵抗を抑えることはできるが、更生管の加熱位置が先端のみに固定されているため、更生管の他の部位を加熱することができず、加熱していない部位が既設管の曲がり部を通過するときに生じる挿入抵抗を抑えることができない。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、既設管内に更生管を挿入するときの挿入抵抗を効率的に抑制できる、更生管の敷設方法およびそれに用いる封止具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0008】
請求項1の発明は、封止具の配置位置を変えることによって更生管の加熱位置を変えながら既設管内に更生管を挿入する、更生管の敷設方法である。
【0009】
請求項1の発明では、既設管(30)内に更生管(32)を挿入して敷設する際に、更生管内に配置する封止具(10)の位置を変えることによって、更生管の加熱位置、つまり軟化させる更生管の部位を順次変える。たとえば、既設管内へ更生管を挿入していくに従って、挿入抵抗の原因となる更生管の部位は変わるので、それと対応させて更生管の加熱位置を変える。
【0010】
請求項1の発明によれば、更生管全体を加熱するのではなく、更生管の加熱位置を順次変えて、挿入抵抗の原因となる更生管の部位を加熱して軟化させるので、既設管内に更生管を挿入するときの挿入抵抗を効率的に抑制できる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明に従属し、既設管の挿入抵抗部の位置と対応させて更生管の加熱位置を変える。
【0012】
請求項2の発明では、既設管(30)の曲がり部などの挿入抵抗部(36)の位置と対応させて、更生管(32)の加熱位置を順次変える。たとえば、曲がり部の途中や曲がり部の所定距離手前に位置する更生管の部位を軟化させることができるように、封止具(10)の配置位置を変え、更生管の加熱位置を変える。したがって、請求項1の発明と同様に、既設管内に更生管を挿入するときの挿入抵抗を効率的に抑制できる。
【0013】
請求項3の発明は、既設管内に更生管を挿入する更生管の敷設方法であって、(a)既設管の挿入抵抗部に対応した位置に封止具を配置して更生管内の一部に封止空間を形成し、(b)ステップ(a)で形成した封止空間を加熱して更生管を部分軟化させ、(c)ステップ(b)で部分軟化させた更生管を既設管内に所定距離挿入し、そして(d)ステップ(a)から(c)のステップを必要に応じて繰り返して、既設管の更生部分の全長に亘って更生管を既設管内に挿入する、更生管の敷設方法である。
【0014】
請求項3の発明では、先ず、ステップ(a)で、既設管(30)の曲がり部などの挿入抵抗部(36)に対応する更生管(32)内の位置に封止具(10)を配置し、その封止具を利用して更生管内の一部に封止空間(48,98)を形成する。ステップ(b)では、ステップ(a)で形成した封止空間に加熱流体を送り込み、封止空間を形成する更生管の部位を加熱して更生管を部分軟化させる。ステップ(c)では、ステップ(b)で部分軟化させた更生管を既設管内に所定距離挿入する。これによって、更生管の軟化した部位が既設管の挿入抵抗部を通過する。そして、ステップ(d)では、ステップ(a)から(c)のステップを適宜繰り返して、既設管内へ更生管を挿入していくに従って変わる、挿入抵抗の原因となる更生管の部位を順次加熱しながら、既設管の更生部分の全長に亘って更生管を既設管内に敷設する。
【0015】
請求項3の発明によれば、更生管全体を加熱するのではなく、更生管の加熱位置を順次変えて、挿入抵抗の原因となる更生管の部位を加熱して軟化させるので、既設管内に更生管を挿入するときの挿入抵抗を効率的に抑制できる。
【0016】
請求項4の発明は、既設管内に更生管を挿入するときに更生管を部分加熱するために用いる封止具であって、拡張および収縮が可能な第1封止体、および第1封止体に設けられて、当該第1封止体を利用して更生管内に形成される封止空間に加熱流体を送り込む通路部を備える、封止具である。
【0017】
請求項4の発明では、封止具(10)は、既設管(30)内に更生管(32)を挿入するときに、更生管の一部を加熱して軟化させるために用いられる。封止具は、第1封止体(12)および通路部(14)を備える。第1封止体は、たとえば、その内部に圧縮空気等の流体が供給されると拡張し、内部の流体が抜かれると収縮する。通路部は、たとえば、第1封止体を貫通するように設けられ、第1封止体を利用して更生管内に形成される封止空間(48)に対して蒸気等の加熱流体を送り込む。この封止具を用いて更生管を部分加熱するときには、たとえば、更生管の一端を他の部材(46)を用いて封止すると共に、更生管内の所望の位置に封止具を配置して第1封止体を拡張させ、更生管内に封止空間を形成する。その後、通路部を介して封止空間に加熱流体を送り込み、封止空間を形成する更生管の部位を加熱する。また、第1封止体を収縮させれば封止具の配置位置を変えることができるので、更生管内の所望の位置に封止空間を形成できる。
【0018】
請求項4の発明によれば、更生管の加熱位置を自在に変えることができる。
【0019】
請求項5の発明は、請求項4の発明に従属し、第1封止体の前方に設けられるかつ拡張および収縮が可能な第2封止体、および第1封止体と第2封止体とを連結する連結体をさらに備え、通路部は第1封止体と第2封止体とを利用して更生管内に形成される封止空間に加熱流体を送り込む。
【0020】
請求項5の発明では、封止具(10)は、第2封止体(82)をさらに備える。第2封止体は、連結体(90)によって第1封止体(80)と所定間隔を隔てて連結され、たとえば、第1封止体と連動して拡張および収縮する。第1封止体と第2封止体との間の所定間隔は、たとえば、既設管(30)の曲がり部などの挿入抵抗部(36)の長さを考慮して設定される。更生管内の所望の位置に封止体を配置して、第1封止体および第2封止体を拡張させると、第1封止体と第2封止体との間に封止空間(98)が形成される。つまり、他の部材(46)を用いることなく更生管内の所望の位置に封止空間を形成することができる。したがって、この封止空間に通路部(92)を介して加熱流体を送り込めば、更生管の所望の部位のみを加熱できる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、更生管全体を加熱するのではなく、更生管の加熱位置を順次変えて、挿入抵抗の原因となる更生管の部位を加熱するので、既設管内に更生管を挿入するときの挿入抵抗を効率的に抑制できる。
【0022】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1−図4を参照して、この発明の一実施例である更生管の敷設方法では、図5に示す封止具10を用いて、更生管32の加熱位置を変えながら更生管32を既設管30内に挿入して敷設する。
【0024】
図5に示すように、封止具10は、第1封止体12および通路部14を備える。第1封止体12は、耐熱ゴム等の弾性材によって袋状に形成される。第1封止体12の後方側の適宜な位置には、圧縮空気等の流体を出し入れするための空気孔16が形成され、この空気孔16には、後述する流体供給管50と接続される管接続部18が形成される。管接続部18と流体供給管50との接続方式には、図示は省略するが、ホースバンド締め式、ナット締込み式およびワンタッチ式など適宜な接続方式を用いるとよい。第1封止体12は、空気孔16を介してその内部に流体が供給されると、更生管32の形状に適した形状、たとえば中空円筒形に拡張し、内部の流体が抜けると収縮する。
【0025】
通路部14は、ステンレス等の金属によって形成され、第1封止体12の内部を軸方向に貫通するように、第1封止体12に設けられる。通路部14は、両端開口の円筒状に形成され、その内壁面20によって形成される通路が、第1封止体12の前方へ加熱流体を送り込むための加熱流体通路となる。また、通路部14の一方端には、後述する押し込み棒52を接続するためのねじ溝22が形成される。なお、図5では、通路部14が第1封止体12の中央付近を軸方向に貫通するように示してあるが、これに限定されず、通路部14は、第1封止体12の適宜な位置に設けることができる。たとえば、第1封止体12の側壁付近を軸方向に貫通するように通路部14を設けることもできる。
【0026】
このような封止具10は、詳細は後述するように、第1封止体12が拡張することによって更生管32内に封止空間48を形成し、その封止空間48に通路部14を介して加熱流体を送り込むことによって封止空間48を形成する更生管32の部位を加熱する。また、第1封止体12を収縮させれば封止具10の配置位置を自在に変えることができるので、更生管32内の所望の位置に封止空間48を形成できる。つまり、封止具10を用いることによって、更生管32の加熱位置を自在に変えることができる。
【0027】
図1−図4に戻って、図5に示す封止具10を用いて既設管30内に更生管32を挿入する更生管の敷設方法を以下に示す。この実施例では、所定長さの更生管部材34を作業現場において順次接続して更生管32を形成しながら、更生管32を既設管30内に挿入していくことによって、既設管30を更生する。
【0028】
既設管30は、土中に埋設される鉄筋コンクリート管や鉄管などであって、その一部に、曲がり部36を有している。この実施例では、既設管30の挿入抵抗部として、曲がり部(曲管部)36を例示しているが、挿入抵抗部には、たとえば段差部、既設管30内で一時的に通路が狭くなる挟部、既設管30に形成される枝管部などの位置に生じた出っ張り、および既設管30の何らかの損傷によって生じた凸部などのような、更生管32の挿入抵抗が大きくなる既設管30の部分を含む。また、既設管30の曲がり部36以外の部分は、直管であるものとする。既設管30の内径は、たとえば100mm〜500mmである。
【0029】
更生管部材34は、ポリエチレン等の熱可塑性を有する合成樹脂によって形成され、断面形状が円形の直管状に形成される。更生管部材34の外径は、既設管30の内径より小さく設定され、その軸方向の長さは、たとえば2〜5mである。
【0030】
更生管32の敷設作業を開始すると、先ず、既設管30の更生部分の両端部に応じた位置に、第1立坑38および第2立坑40を設け、それらの位置の既設管30を切断して外部に撤去する。
【0031】
第1立坑38は、更生管部材34の長さ(この実施例では2〜5m)よりも長い長さ(たとえば、7m)を有し、更生する既設管30の一方端に応じた位置に設けられる。このように更生管部材34の長さより長い長さの第1立坑38を設けるのは、詳細は後述するように、第1立坑38の内部において、更生管部材34の接続作業などを行うためである。また、第2立坑40は、更生する既設管30の他端に応じた位置に設けられる。この第2立坑40は、第1立坑38のように大きなものにする必要は無く、作業者がその内部に入って適宜作業できる程度の広さがあればよい。
【0032】
第1立坑38および第2立坑40を設けると、次に、既設管30内の異物除去および洗浄を行う。また、テレビカメラ車などを用いて既設管30の構造の事前調査を行ったり、既設管30の敷設図などを参考にしたりして、第1立抗38から曲がり部36までの長さや、曲がり部36自体の長さ等を把握しておく。
【0033】
次に、第1立坑38内において、先行する更生管部材34に後続する更生管部材34を順次接続して更生管32を形成しながら、更生管32の先頭部位が曲がり部36の直前の位置に到達するまで、既設管30内に更生管32を挿入していく。なお、既設管30の第1立抗38から曲がり部36までの部分は直管であり、更生管32の挿入抵抗は小さいので、更生管32の先頭部位が曲がり部36の直前の位置に到達するまでは、更生管32の加熱は行わない。
【0034】
具体的には、先ず、第1立坑38の内部に封止具10、更生管部材34およびバット融着機(図示せず)等を搬入する。また、第2立坑40側の地上にウィンチ42を用意し、そのウィンチ42に連結したワイヤやロープ等の牽引具44を、第2立坑40側から既設管30内を介して第1立坑38側まで通しておく。
【0035】
続いて、第1の更生管部材34の前方側(つまり第2立抗40側)の端部に固定具46を取り付け、この固定具46に、既設管30内を通しておいた牽引具44を取り付ける。この固定具46は、第1の更生管部材34に牽引具44を取り付けるために利用されると共に、第1の更生管部材34の前方側の端部の開口を封止する機能を有する。
【0036】
そして、第1の更生管部材34をウィンチ42および牽引具44を用いて牽引し、既設管30内に所定距離挿入する。この際には、第1の更生管部材34に第2の更生管部材34を接続(バット融着)するときに必要な長さだけ、第1の更生管部材34の後方側(つまり第1立抗38側)の端部を既設管30から第1立坑38の内部に突出させておく。続いて、バット融着機を用いて、第1の更生管部材34の後方側の端部に対して第2の更生管部材34の前方側の端部を、第2の更生管部材34の後方側の端部に対して第3の更生管部材34の前方側の端部を、というように先行する更生管部材34に後続する更生管部材34を順次接続して更生管32を形成しながら、更生管32の先頭部位(つまり第1の更生管部材34の前方側の端部)が曲がり部36の直前の位置に到達するまで、更生管32を既設管30内に挿入する。
【0037】
更生管32を曲がり部36の直前の位置まで挿入すると、さらに後続する更生管部材34を更生管32に接続する。その後、封止具10を用いて更生管32内の一部に封止空間48を形成し、その封止空間48に蒸気等の加熱流体を供給して、更生管32の一部を加熱する。そして、加熱して軟化させた状態の更生管32を所定距離牽引し、既設管30の曲がり部36を通過させる。
【0038】
具体的には、先ず、第1封止体12の管接続部18を介して封止具10に流体供給管50を接続する。また、通路部14に押し込み棒52を接続する。
【0039】
押し込み棒52は、図6に示すように、ステンレス等の金属製であり、両端開口の円筒状に形成されて、その内部54は加熱流体が通る通路となっている。押し込み棒52の一方端には、通路部14のネジ溝22および自身の他端に形成されるネジ溝56に螺合するネジ山58が形成される。また、押し込み棒52の他端に形成されるネジ溝56は、加熱流体供給管60の端部に形成されるネジ山(図示せず)にも螺合可能である。つまり、押し込み棒52は、押し込み棒52自身、通路部14および加熱流体供給管60のそれぞれと接続可能である。また、押し込み棒52は、たとえば1〜2mの長さを有し、押し込み棒52同士を接続することによって、適宜な長さ、つまり封止体10を所望の位置まで押し込むことができる長さに調節することが可能である。なお、押し込み棒52同士の接続、および押し込み棒52と通路部14または加熱流体供給管60との接続方式は、上述のような螺合式に限定されず、ワンタッチ式等の適宜な方式を用いることができる。たとえば、カプラ(登録商標、図13参照)を利用してもよい。
【0040】
封止具10に流体供給管50および押し込み棒52を接続すると、押し込み棒52を利用して封止具10を更生管32内に押し込み、既設管30の曲がり部36に対応した位置、たとえば曲がり部36から更生管部材34の長さに相当する長さ分だけ手前の位置に、封止具10を配置する。なお、1つの押し込み棒52では長さが足りない場合には、他の押し込み棒52をさらに接続して、その長さを調節するとよい。このように押し込み棒52を連結してその長さを調節するようにしたのは、既設管30から突出する更生管32の管端と第1立抗38の壁面との間の空間を利用して封止具10を更生管32内に押し込むので、1つの長い押し込み棒52を用いると、その長さの分だけ上述の空間を大きくとる必要が生じ、結果、長さの長い第1立抗38を設ける必要が生じるからである。
【0041】
封止具10を更生管32内に配置すると、次に、コンプレッサ等の流体供給機62から流体供給管50を介して、封止具10の第1封止体12の内部に流体を供給し、第1封止体12を拡張させる。これによって、第1封止体12が更生管32の内面の周方向全周に亘って圧接し、第1封止体12、固定具46および更生管32によって区画される封止空間48が形成される。
【0042】
続いて、押し込み棒52の他端に加熱流体供給管60を接続し、封止空間48に加熱流体を供給する。すなわち、加熱流体供給機64からの加熱流体を、加熱流体供給管60、押し込み棒52の内部54、および封止具10の通路部14を介して、封止空間48に供給する(図1参照)。加熱流体によって、封止空間48が加熱されて、封止空間48を形成する更生管32の部位が軟化すると、更生管32をウィンチ42および牽引具44を用いて所定距離、たとえば更生管部材34の長さ分だけ牽引する(図2参照)。これによって、更生管32の先頭付近の部位は、軟化した状態で既設管30の曲がり部36を通過する。
【0043】
更生管32を所定距離牽引すると、次に、封止空間48への加熱流体の供給を停止すると共に、第1封止体12の内部の流体を抜いて第1封止体12を収縮させ、押し込み棒52を利用して、封止具10を更生管32から抜き取る。そして、更生管32に後続する更生管部材34をさらに接続した後(図3参照)、押し込み棒52を利用して封止具10を更生管32内に再度押し込み、既設管30の曲がり部36に対応した位置に封止具10を配置する(図4参照)。この曲がり部36に対応した位置は、上述の位置と同じ(たとえば曲がり部36から更生管部材34の長さに相当する長さ分だけ手前の位置)であり、これによって、更生管32内における封止具10の配置位置が変わり、更生管32の加熱位置が変わる(この実施例の場合は、加熱位置が後方に広がる)。
【0044】
以下、同様の作業、すなわち封止空間48の形成、更生管32の加熱軟化、更生管32の牽引、封止具10の抜き取り、および更生管部材34の接続などの作業を適宜繰り返し、既設管30の更生部分の全長に亘って更生管32を敷設する。
【0045】
このように、既設管30内に更生管32を挿入していくに従い、更生管32の加熱位置を後方に変える(広げる)ことによって、既設管30の曲がり部36を通過する更生管32の部位は、常に軟化した状態となり、曲がり部36(つまり挿入抵抗部)を有する既設管30内に更生管32を挿入するときの挿入抵抗を適切に抑制できる。また、更生管部材34を接続する毎に更生管32全体を加熱するのでは無く、更生管32の挿入抵抗の原因となる部位を加熱するので、効率的である。つまり、更生管32全体を加熱する場合と比較して、加熱する空間が小さいので、加熱流体が封止空間48内に速やかに行き渡り、更生管32の加熱に要する時間を短縮できる。
【0046】
また、更生管32の後方側の端部を加熱しないので、更生管部材34を接続する際に、更生管32が常温まで下がるのを待つ必要が無くなり、大幅に作業時間を短縮できる。
【0047】
なお、図5に示す封止具10では、第1封止体12の内部を貫通するように通路部14を設けたが、これに限定されない。たとえば、図7に示すように、第1封止体12を中空ドーナツ状(拡張時)に形成し、その中心付近などに形成される孔70に通路部14を嵌め込むように設けることもできる。また、その孔70を形成する第1封止体12の壁自体を通路部14として機能させることもできる。つまり、第1封止体12と通路部14とを別体として形成するのではなく、第1封止体12と通路部14とを予め一体的に形成することもできる。
【0048】
また、図8に示すように、第1封止体12の外側に通路部14を設けることもできる。ただし、この場合には、第1封止体12を拡張させたときに、更生管32の内面周方向に対して第1封止体12が圧接しない部分が生じ、封止空間48を適切に形成できない恐れがある。これを防止するために、たとえば、通路部14の外面で、少なくとも第1封止体12を拡張させたときに更生管32の内面と当接する部位に、耐熱ゴム等の柔軟性を有するシート状の閉塞材72を貼り付け、その部位での密閉性を確保するとよい。
【0049】
また、図5に示す封止具10では、流体供給管50と第1封止体12とを管接続部18を介して接続したが、流体供給管50と第1封止体12とは、予め一体的に形成しておくこともできる。
【0050】
図9に示すこの発明の他の実施例である更生管の敷設方法では、図10に示す封止具10を用いて、更生管32の加熱位置を変えながら更生管32を既設管30内に敷設する。なお、図1−図4に示す更生管の敷設方法と共通する部分については同じ番号を付し、重複する説明は省略或いは簡略化して行う。
【0051】
図10に示す封止具10は、第1封止体80および第2封止体82を含み、第1封止体80と第2封止体82とは、円筒状の連通部84を介して、その内部同士が連通する。第1封止体80および第2封止体82は、耐熱ゴム等の弾性材によって中空円筒形(拡張時)等の袋状に形成され、封止具10を更生管32内に挿入する際には、第2封止体82が第1封止体80の前方に位置する。
【0052】
第1封止体80の後方側の適宜な位置には、圧縮空気等の流体を出し入れするための空気孔86が形成され、この空気孔86には、流体供給管50と接続される管接続部88が形成される。空気孔86を介して第1封止体80の内部に流体が供給されると、連通部84を介して第2封止体82の内部にも流体が供給され、第1封止体80および第2封止体82は連動して拡張する。また、空気孔86を介して流体が抜けると、第1封止体80および第2封止体82は収縮する。
【0053】
また、第1封止体80と第2封止体82との間には、これらを連結して所定間隔を保持するための連結体90が設けられる。連結体90は、耐熱ゴム等の軟質材によって棒状に形成され、既設管30の曲がり部36に挿入可能な柔軟性を有すると共に、封止具10を更生管32内に押し込む際に、第1封止体80と第2封止体82との間の所定間隔を保持可能な硬さを有する。連結体90の長さ、すなわち第1封止体80と第2封止体82との間の所定間隔は、既設管30の曲がり部36の長さや更生管部材34の長さ等に応じて適宜設定され、たとえば、曲がり部36の長さに更生管部材34の長さを加えた長さに設定される。
【0054】
なお、図示は省略するが、連結体90を円筒状に形成し、その連結体90の内部を、第1封止体80および第2封止体82の内部同士を連通する流体の通路として利用することもできる。つまり、連通部84と連結体90とを別に設けるのではなく、連結体90が連通部84を兼ねるようにしてもよい。
【0055】
また、第1封止体80には、図5に示す封止具10と同様に、通路部92が設けられる。通路部92は、ステンレス等の金属によって形成され、第1封止体80の内部を軸方向に貫通する。この通路部92の内壁面94によって形成される通路が、第1封止体80と第2封止体82との間に加熱流体を送り込む加熱流体通路となる。また、通路部92の一方端には、押し込み棒52を接続するためのねじ溝96が形成される。なお、通路部92は、図7または図8に示す封止具10と同様の形式で第1封止体80に設けてもよい。
【0056】
図10に示すような封止具10を用いることによって、他の部材を用いることなく更生管32内の所望の位置に封止空間98を形成でき、更生管32の所望の部位のみを加熱することができる。
【0057】
図9に戻って、図10に示す封止具10を用いて既設管30内に更生管32を敷設する際には、先ず、図1−図4に示す既設管の敷設方法と同様にして、更生管32の先頭部位が既設管30の曲がり部36の直前の位置に到達するまで、更生管32を既設管30内に挿入し、後続する更生管部材34を更生管32に接続する。また、第1封止具80には、流体供給管50および押し込み棒52を接続する。
【0058】
次に、押し込み棒52を利用して封止具10を更生管32内に押し込み、既設管30の曲がり部36に対応した位置、この場合には、第2封止具82が更生管32の先頭付近に位置するように、封止具10を配置する。そして、コンプレッサ等の流体供給機62から流体供給管50を介して、第1封止体80の内部に流体を供給する。第1封止体80に供給した流体は、連通部84を介して第2封止体82の内部にも流入し、第1封止体80および第2封止体62が拡張される。これによって、第1封止体80および第2封止体82が、所定間隔を隔てて更生管32の内面に周方向全周に亘って圧接し、第1封止体80、第2封止体82および更生管32によって区画される封止空間98が形成される。
【0059】
続いて、押し込み棒52の他端に加熱流体供給管60を接続し、封止空間98に加熱流体を供給する。すなわち、加熱流体供給機64からの加熱流体を、加熱流体供給管60、押し込み棒52の内部54、および封止具10の通路部92を介して、封止空間98に供給する。加熱流体によって、封止空間98が加熱されて、封止空間98を形成する更生管32の部位が軟化すると、更生管32をウィンチ42および牽引具44を用いて所定距離、たとえば更生管部材34の長さ分だけ牽引する。これによって、更生管32の先頭付近の部位は、軟化した状態で既設管30の曲がり部36を通過する。
【0060】
更生管32を所定距離牽引すると、次に、封止空間98への加熱流体の供給を停止すると共に、第1封止体80および第2封止体82の内部の流体を抜いて第1封止体80および第2封止体82を収縮させ、押し込み棒52を利用して、封止具10を更生管32から抜き取る。
【0061】
そして、更生管32に後続する更生管部材34をさらに接続した後、押し込み棒52を利用して封止具10を更生管32内に再度押し込み、既設管30の曲がり部36に対応した位置に封止具10を配置する。たとえば、その時点で、更生管32の先頭部位が曲がり部36の途中や曲がり部36の直後に位置するときには、第2封止体82が更生管32の先頭付近に位置するように、封止具10を配置する。また、たとえば、更生管32の先頭部位が曲がり部36を過ぎているときには、第2封止体82が曲がり部36の直後に位置するように、封止具10を更生管32内に配置する(図9参照)。これによって、更生管32の加熱位置は、後方に変わっていく。
【0062】
以下、同様の作業、すなわち封止空間98の形成、更生管32の加熱軟化、更生管32の牽引、封止具10の抜き取り、および更生管部材34の接続などの作業を適宜繰り返し、既設管30の更生部分の全長に亘って更生管32を敷設する。
【0063】
このように、既設管30に更生管32を挿入していくに従い、更生管32の加熱位置を後方に変え、更生管32の挿入抵抗の原因となる部位のみを加熱するので、曲がり部36を有する既設管30内に更生管32を挿入するときの挿入抵抗をより効率的に抑制できる。特に、既設管30の曲がり部36から第2立抗40までの長さが長い場合には有効である。
【0064】
なお、上述の各実施例では、更生管32に後続する更生管部材34を接続するために、封止具10を更生管32から抜き取るようにしたが、封止具10を更生管32内に留めたまま、更生管部材34を接続することもできる。たとえば、図11および図12に示すように、既設管30の曲がり部36から第1立抗38までの距離に対応した流体供給管50の位置に、カプラ(図13参照)を用いた接続部100を設けておく。また、加熱流体供給管60と押し込み棒52とを接続する部位にもカプラを用いた接続部102を設けておく。具体的には、封止具10に接続される流体供給管50の端部および連結棒52の端部にカプラのソケット側を設け、流体供給機62に接続される流体供給管50の端部および加熱流体供給管60の端部にカプラのプラグ側を設ける。
【0065】
そして、更生管32を敷設する際には、更生管32を所定距離挿入した後であって、後続する更生管部材34を接続する前に、カプラ式の接続部100,102を切り離し、封止具10に接続されている流体供給管50と押し込み棒52とを針金、ゴムまたは紐などの拘束具104によって1つにまとめる(図11参照)。後続する更生管部材34を更生管32に接続した後、フックを拘束具104に引っ掛ける等して、封止具10に接続されている流体供給管50と押し込み棒52とを手繰り寄せ、再度流体供給管50同士、および押し込み棒52と加熱流体供給管60とを接続する(図12参照)。そして、更生管32を部分加熱して既設管30内に挿入するという方法を用いるとよい。
【0066】
また、上述の各実施例では、1つの更生管部材34を接続する毎に、更生管部材34の長さに応じた距離だけ更生管32を既設管30に挿入するようにしたが、これに限定されない。たとえば、更生管32に複数の更生管部材34を接続した後に、その複数の更生管部材34の長さに応じた距離だけ、更生管32を既設管30内に挿入するようにしてもよい。この場合には、第1封止体12,80の配置位置が、曲がり部36から複数の更生管部材34の長さに応じた距離だけ後方になるように調整するとよい。
【0067】
さらに、上述の各実施例では、作業現場において更生管部材34を接続して更生管32を形成しながら、既設管30内に更生管32を挿入するようにしたが、これに限定されない。たとえば、既設管30の更生部位に相当する長さを有する長尺の更生管32を予め用意し、その長尺の更生管32を用いて既設管30を更生することもできる。また、更生管部材34を接続して予め必要長に形成した更生管32を用いることもできる。
【0068】
たとえば、図5に示す封止具10を用いて長尺の更生管32を敷設する場合には、予め、流体供給管50と加熱流体供給管60とを接続した封止具10を、更生管32の後端側から挿入して、更生管32の先頭から所定距離後方の位置に配置しておく。その後、更生管32を既設管30内に挿入していき、更生管32の先頭部位が既設管30の曲がり部36に到達したときに、封止具10を利用して更生管内32内に封止空間48を形成し、加熱して部分軟化させた状態の更生管32を既設管30内に所定距離挿入する。続いて、第1封止体12の内部の流体を一旦抜いて、封止具10を所定距離後方へ移動させ、曲がり部36に応じた位置に再度封止空間48を形成して更生管32を加熱するという作業を繰り返して、既設管30の更生部位の全長に亘って更生管32を敷設するとよい。この場合、第1封止体12を後方へ移動させる作業を速やかに行えば、封止空間48の温度の低下を小さく抑えることができる。したがって、長尺の更生管32全体を加熱することと比較して、更生管32を効率的に加熱することができ、曲がり部36を有する既設管30内に更生管32を挿入するときの挿入抵抗を効率的に抑制できる。
【0069】
また、上述の各実施例では、空気孔16を介してその内部に流体を供給することによって、第1封止体12,80を拡張させたが、これに限定されない。たとえば、第1封止体12,80の内部に加熱によって体積が増す気体や液体などを封入しておき、通路部14,92に加熱流体が通る等して加熱されると第1封止体12,80が拡張し、冷却されると第1封止体12,80が収縮するというようにすることもできる。また、第2封止体82にも同様に、流体の出し入れではなく、加熱および冷却によって拡張および収縮するものを用いてもよい。
【0070】
また、たとえば、第1封止体12,80として、図14に示すようなヘキサプラグ(たとえば、六菱ゴム株式会社製)を用いることもできる。ヘキサプラグは、C型断面を有するゴムリング110および傾斜角を有する平板112を含み、2枚の平板112で締め込むことによってゴムリング110が拡張(拡径)し、平板112の締め込みを緩めることによってゴムリング110が収縮(縮径)する。ヘキサプラグを用いる場合には、たとえば、その外面にねじ山116を有し、その内壁面118によって形成される通路が加熱流体通路となる通路部114を平板112に設けておく。そして、図6に示すような押し込み棒52のねじ溝56を通路部114のねじ山116に螺合させて締め込むことによって、2枚の平板112が締め込まれてゴムリング110が拡張するというようにするとよい。また、第2封止体82にも同様に、第1封止体80の拡張および収縮と連動して拡張および収縮するヘキサプラグを用いることができる。
【0071】
また、上述の各実施例では、押し込み棒52の内部54に加熱流体を流すようにしたが、これに限定されない。たとえば、押し込み棒52を接続するための接続部を第1封止体12,80に別途設けて、その接続部に押し込み棒52を接続するようにし、封止具10の通路部14,92に加熱流体供給管60を直接接続するようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】この発明の一実施例の更生管の敷設方法において、封止具を用いて更生管内の一部に封止空間を形成する工程を示す概略断面図である。
【図2】図1の工程に続き、更生管の一部を軟化させた状態で既設管内に所定距離挿入する工程を示す概略断面図である。
【図3】図2の工程に続き、封止具を取り除いて後続する更生管部材を接続する工程を示す概略断面図である。
【図4】図3の工程に続き、封止具を利用して更生管内の他の一部に封止空間を形成する工程を示す概略断面図である
【図5】図1の更生管の敷設方法に用いる封止具が拡張した状態を示す、(A)は軸方向断面図であり、(B)は径方向断面図である。
【図6】図1の更生管の敷設方法に用いる押し込み棒を示す断面図である。
【図7】図1の更生管の敷設方法に用いる他の一例の封止具が拡張した状態を示す、(A)は軸方向断面図であり、(B)は径方向断面図である。
【図8】図1の更生管の敷設方法に用いるさらに他の一例の封止具が拡張した状態を示す、(A)は軸方向断面図であり、(B)は径方向断面図である。
【図9】この発明の他の実施例の更生管の敷設方法において、封止具を利用して更生管の一部に封止空間を形成する工程を示す概略断面図である。
【図10】図9の更生管の敷設方法に用いる封止具が拡張した状態を示す軸方向断面図である。
【図11】この発明のさらに他の実施例の更生管の敷設方法において、封止具を更生管内に留めた状態で接続部を取り外す工程を示す概略断面図である。
【図12】図11の工程に続き、後続する更生管部材を接続して、更生管内の一部に封止空間を形成する工程を示す概略断面図である。
【図13】図11の更生管の敷設方法に用いる接続部(カプラ)を示す断面図である。
【図14】更生管の敷設方法に用いるさらに他の一例の封止具(ヘキサプラグ)が拡張した状態を示す、(A)は軸方向断面図であり、(B)は径方向断面図である。
【符号の説明】
【0073】
10 …封止具
12,80 …第1封止体
14,92 …通路部
16,86 …空気孔
30 …既設管
32 …更生管
34 …更生管部材
36 …曲がり部(挿入抵抗部)
48,98 …封止空間
82 …第2封止体
84 …連通部
90 …連結体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
封止具の配置位置を変えることによって更生管の加熱位置を変えながら既設管内に前記更生管を挿入する、更生管の敷設方法。
【請求項2】
前記既設管の挿入抵抗部の位置と対応させて前記更生管の加熱位置を変える、請求項1記載の更生管の敷設方法。
【請求項3】
既設管内に更生管を挿入する更生管の敷設方法であって、
(a)前記既設管の挿入抵抗部に対応した位置に封止具を配置して、更生管内の一部に封止空間を形成し、
(b)前記ステップ(a)で形成した封止空間を加熱して前記更生管を部分軟化させ、
(c)前記ステップ(b)で部分軟化させた更生管を前記既設管内に所定距離挿入し、そして
(d)前記ステップ(a)から(c)のステップを必要に応じて繰り返して、前記既設管の更生部分の全長に亘って前記更生管を前記既設管内に挿入する、更生管の敷設方法。
【請求項4】
既設管内に更生管を挿入するときに前記更生管を部分加熱するために用いる封止具であって、
拡張および収縮が可能な第1封止体、および
前記第1封止体に設けられて、当該第1封止体を利用して前記更生管内に形成される封止空間に加熱流体を送り込む通路部を備える、封止具。
【請求項5】
前記第1封止体の前方に設けられるかつ拡張および収縮が可能な第2封止体、および
前記第1封止体と前記第2封止体とを連結する連結体をさらに備え、
前記通路部は、前記第1封止体と前記第2封止体とを利用して前記更生管内に形成される封止空間に加熱流体を送り込む、請求項4記載の封止具。
【請求項1】
封止具の配置位置を変えることによって更生管の加熱位置を変えながら既設管内に前記更生管を挿入する、更生管の敷設方法。
【請求項2】
前記既設管の挿入抵抗部の位置と対応させて前記更生管の加熱位置を変える、請求項1記載の更生管の敷設方法。
【請求項3】
既設管内に更生管を挿入する更生管の敷設方法であって、
(a)前記既設管の挿入抵抗部に対応した位置に封止具を配置して、更生管内の一部に封止空間を形成し、
(b)前記ステップ(a)で形成した封止空間を加熱して前記更生管を部分軟化させ、
(c)前記ステップ(b)で部分軟化させた更生管を前記既設管内に所定距離挿入し、そして
(d)前記ステップ(a)から(c)のステップを必要に応じて繰り返して、前記既設管の更生部分の全長に亘って前記更生管を前記既設管内に挿入する、更生管の敷設方法。
【請求項4】
既設管内に更生管を挿入するときに前記更生管を部分加熱するために用いる封止具であって、
拡張および収縮が可能な第1封止体、および
前記第1封止体に設けられて、当該第1封止体を利用して前記更生管内に形成される封止空間に加熱流体を送り込む通路部を備える、封止具。
【請求項5】
前記第1封止体の前方に設けられるかつ拡張および収縮が可能な第2封止体、および
前記第1封止体と前記第2封止体とを連結する連結体をさらに備え、
前記通路部は、前記第1封止体と前記第2封止体とを利用して前記更生管内に形成される封止空間に加熱流体を送り込む、請求項4記載の封止具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−284735(P2008−284735A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−130179(P2007−130179)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(505142964)クボタシーアイ株式会社 (192)
【出願人】(503315702)クボタシーアイプラテック株式会社 (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(505142964)クボタシーアイ株式会社 (192)
【出願人】(503315702)クボタシーアイプラテック株式会社 (16)
【Fターム(参考)】
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