説明

有機ホスホン酸数量体

本発明は、クロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体、有機ホスホン酸数量体、およびこのような数量体の調製のための方法を提供する。前記クロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体は、下記の化学式によって表すことができる:
【化1】


(式中、Rは、直鎖状または分岐状のヒドロカルビレン基、または酸素含有ヒドロカルビレン基であり、前記ヒドロカルビレン基は約2個〜約20個の炭素原子、あるいは、少なくとも1個の脂環式環または芳香環を有するヒドロカルビレン基を有し、
はアルキル基または芳香族基であって、
nは約2〜約20の数である)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ホスホン酸数量体の調製、提供、および使用に関する。
【背景技術】
【0002】
効果的なリン含有難燃剤は、ハロゲン化物および非ハロゲン化物の両方とも、本技術分野で知られている。しかしながら、一時的なものではなく、高いリン含有率を有し、熱処理において重合体、特にポリウレタンと相溶性があるリン難燃剤の必要性が依然としてある。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、難燃剤として用いることができる高いリン含有率を有する有機ホスホン酸数量体、および、このような有機ホスホン酸数量体を製造するための方法を提供する。
【0004】
本発明の一実施形態は、下記の化学式によって表されるクロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体である:
【化1】

(式中、Rは、直鎖状または分岐状のヒドロカルビレン基、または酸素含有ヒドロカルビレン基であり、前記ヒドロカルビレン基は約2個〜約20個の炭素原子、あるいは、少なくとも1個の脂環式環または芳香環を有するヒドロカルビレン基を有し、
はアルキル基または芳香族基であって、
nは約2〜約20の数である)。
【0005】
本発明の別の実施形態は、下記の化学式によって表される有機ホスホン酸数量体である:
【化2】

(式中、Rは、直鎖状または分岐状のヒドロカルビレン基、または酸素含有ヒドロカルビレン基であり、前記ヒドロカルビレン基は約2個〜約20個の炭素原子、あるいは、少なくとも1個の脂環式環または芳香環を有するヒドロカルビレン基を有し、
はアルキル基または芳香族基であって、
nは約2〜約20の数であって、
Qは下記の化学式によって表され:
【化3】

式中、R、R、およびRはそれぞれ独立してアルキル基であるが、各有機ホスホン酸数量体において、約50モル%以下のQが塩素原子から成る)。
【0006】
本発明のさらに別の実施形態は、有機ホスホン酸数量体を製造するための方法であって、前記方法は3つの段階を含む。第1段階、段階I)は、三塩化リンと少なくとも1種のジオールを混合し、それによって第1の反応混合物が形成され、クロロホスホン酸数量体生成物を形成するステップを含む。この段階では、三塩化リンのモルおよびジオールのモルは約x+y:xの比率にあり、式中、xは約3〜約6の範囲内にあり、yは1未満の分数〜約2の値である。
【0007】
前記方法の第2段階、段階II)は、少なくとも一部分の段階I)からのクロロホスホン酸数量体生成物と、少なくとも1つの1,2−エポキシドと、随意に触媒とを混合し、それによって第2の反応混合物が形成され、クロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体生成物を形成するステップを含む。
【0008】
段階III)、前記方法の第3段階は、少なくとも一部分の段階II)からのクロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体生成物と、a)少なくとも1つのトリアルキル亜リン酸とを混合し、それによって第3の反応混合物が形成され、前記第3の反応混合物を加熱するステップ、あるいは、b)少なくとも1つのメチルアルキルアルカンホスホン塩および触媒とを混合し、それによって第3の反応混合物を形成するステップの何れかを含む。有機ホスホン酸数量体生成物が形成される。
【0009】
本発明のこれらの特徴およびその他の特徴は、次の記載、図面、および添付の特許請求の範囲からさらにより明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の方法の段階I)および段階II)における全体の反応を示す。
【図2】本発明の方法の段階III)における全体の反応を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本文全体を通して、用語「数量性有機ホスホン酸塩」、および、用語「有機ホスホン酸数量体」は、区別なく用いられる。用語「数量性クロロヒドロカルビルオキシホスホン酸塩」は、本文全体を通して、「クロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体」と区別なく用いられる。本文全体を通して、用語「環含有ジオール」、および、用語「分子内に少なくとも1個の脂環式環または芳香環を有するジオール」は、区別なく用いられる。
【0012】
本文を通じて示されている構造式は、示されている構造に対する任意の特定の立体異性配置を示すことを意図するものではない。従って、示されている化学式は、示されている構造の幾何学的配置に関して、制限は勿論のこと、いかなる表現も構成していない。
【0013】
上記の通り、本発明のクロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体は、下記の化学式によって表される:
【化4】

(式中、Rは、直鎖状または分岐状のヒドロカルビレン基、または酸素含有ヒドロカルビレン基であり、前記ヒドロカルビレン基は約2個〜約20個の炭素原子、あるいは、少なくとも1個の脂環式環または芳香環を有するヒドロカルビレン基を有し、
はアルキル基または芳香族基であって、
nは約2〜約20の数である)。
【0014】
が、直鎖状または分岐状のヒドロカルビレン基、あるいは、約2個〜約20個の炭素原子、好ましくは約2個〜約10個の炭素原子を有する酸素含有ヒドロカルビレン基である場合、直鎖状の脂環式ヒドロカルビレン基が好適である。適切なヒドロカルビレン基Rとしては、3−オキサ−1,5−ペンチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、1,2−ブチレン、2,3−ブチレン、1,4−ブチレン、2,3−ジメチル−2,3−ブチレン、1,5−ペンチレン、3,6,9,12−テトラオキサ−1,14−テトラデシレン、4−オキサ−1,7−ヘプチレン、1,6−ヘキシレン、2,5−ヘキシレン、1,7−ヘプチレン、1,8−オクチレン、1,9−ノニレン、1,10−デシレンなどが挙げられる。3−オキサ−1,5−ペンチレンおよび4−オキサ−1,7−ヘプチレンが、好適な直鎖状のヒドロカルビレン基である。
【0015】
が少なくとも1個の脂環式環または芳香環を有する場合、上記化学式で示されている酸素原子のうちの一方または両方は、前記環に結合され得る。環含有のRは約5個〜約30個の炭素原子を有しており、好ましくは、環含有のRは約8個〜約20個の炭素原子を有する。Rの1個または複数個の環上には、1個以上のヒドロカルビル置換基が存在し得る。少なくとも1個の脂環式環を有する、適切な環含有基Rとしては、1,3−シクロペンチレン、1,2−シクロヘキシレン、1,3−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレン、4,6−ジメチル−1,3−シクロヘキシレン、1,2−シクロヘキサンジメチレン、1,3−シクロヘキサンジメチレン、1,4−シクロヘキサンジメチレン、1−エチル−1,4−シクロヘキサンジメチレン、2−シクロヘキシル−1,3−プロピレン、1,4−シクロオクチレン、1,5−シクロオクチレン、4,4’−(1,1’−ビシクロヘキシレン)が挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも1個の芳香環を有する、適切な環含有基Rとしては、1,2−フェニレン、4−メチル−1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、2−メチル−1,3−フェニレン、4−メチル−1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−tert−ブチル−1,4−フェニレン、2,3−ジメチル−1,4−フェニレン、トリメチル−1,4−フェニレン、4−(メチレン)フェニル、1,2−ベンゼンジメチレン、1,3−ベンゼンジメチレン、1,4−ベンゼンジメチレン、1,2−ナフチレン、1,3−ナフチレン、1,4−ナフチレン、1,5−ナフチレン、1,6−ナフチレン、1,7−ナフチレン、2,3−ナフチレン、2,6−ナフチレン、2,7−ナフチレン、3,6−ナフチレン、1,8−ナフタレンジメチレンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
が、アルキル基である場合、1個〜約15個の炭素原子を有することが好ましく、Rが、芳香族基である場合、約6個〜約20個の炭素原子を有することが好ましい。より好ましくは、Rは、アルキル基である場合には1個〜約8個の炭素原子を有し、芳香族基である場合には約6個〜約12個の炭素原子を有する。適切な基Rとしては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、フェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ブチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、(1,1’−ビフェニル)−4−イル、ナフチル、ベンジル、4−メチルベンジル、4−エチルベンジル、2−フェニルエチル、3−メチルフェネチルなどが挙げられる。
【0017】
nの値は、約5〜約10の範囲内にあることが好ましい。
【0018】
本発明の方法の第1段階において用いられる試薬の1つである三塩化リンも、前記分野では一般的に、オキシ塩化リンおよび塩化ホスホリルを含むその他の名前で呼ばれる。
【0019】
本発明の方法では、前記ジオールは通常、直鎖状または分岐状の脂肪族ジオール、あるいは、分子内に少なくとも1個の脂環式環または芳香環を有するジオールである。
【0020】
本発明の方法において用いられる直鎖状または分岐状の脂肪族ジオールは、約2個〜約20個の炭素原子を有し、好ましくは2個〜約10個の炭素原子を有する。直鎖状のジオールが好ましい。より好適な直鎖状または分岐状のジオールは、酸素含有ジオール、および、分子内に約6個〜約12個の炭素原子を有するα,ω−アルカンジオールである。
【0021】
本発明の実施において用いることができる直鎖状または分岐状のジオールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ピナコール(2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール)、1,5−ペンタンジオール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどが挙げられる。ジエチレングリコールおよびジプロピレングリコールは、本発明の実施において好ましいジオールである。
【0022】
前記ジオールが分子内に少なくとも1個の脂環式環または芳香環を有する場合、前記ヒドロキシ基の一方または両方が前記環に結合され得る。前記環含有ジオールは通常約5個〜約30個の炭素原子を有し、好ましくは、前記環含有ジオールは約8個〜約20個の炭素原子を有する。前記環含有ジオールの1個または複数個の環上には、1個以上のヒドロカルビル置換基が存在し得る。分子内に少なくとも1個の脂環式環または芳香環を有する2種以上のジオールの混合物は、本発明の実施において用いることができる。
【0023】
分子内に少なくとも1個の脂環式環を有する適切なジオールとしては、1,3−シクロペンタンジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,3−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、4,6−ジメチルシクロヘキサン−1,3−ジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1−エチル−1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−シクロヘキシル−1,3−プロパンジオール、シクロオクタン−1,4−ジオール、シクロオクタン−1,5−ジオール、(1,1’−ビシクロヘキシル)−4,4’−ジオールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
分子内に少なくとも1個の芳香環を有する適切なジオールとしては、カテコール、4−メチルカテコール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、ヒドロキノン、2−メチルヒドロキノン、2−tert−ブチルヒドロキノン、2,3−ジメチルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、4−(ヒドロキシメチル)フェノール、1,2−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、3,6−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ナフタレンジメタノールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
本発明の方法では、2種以上の直鎖状および/または分岐状のジオールの混合物、2つ以上の環含有ジオールの混合物、および、少なくとも1種の直鎖状または分岐状のジオールと少なくとも1つの環含有ジオールとの混合物を含む、2種以上のジオールの混合物を用いることができる。
【0026】
三塩化リンのモルおよびジオールのモルは約x+y:xの比率にあり、式中、xは約3〜約6の範囲内にあり、yは1未満の分数〜約2の値である。x+y:xの比率において、三塩化リンのモル量は常にジオールの総モルを超過する。yの好適な値は約0.75〜約1.75の範囲内にあり、yは約1であることがより好ましい。
【0027】
クロロホスホン酸数量体は、本発明の方法の第1段階で形成され、そこで三塩化リンおよび少なくとも1種のジオールが混合される。混合の順序は、作業者にとって都合の良い任意の順序であり得る。この段階における反応は通常発熱性であり、そのため、その反応混合物の冷却が推奨されかつ好適である。
【0028】
前記ジオールが芳香環を有する場合、その成分が混合された時点で、そうして形成された反応混合物(第1の反応混合物)が、通常および好ましくは約70〜約120℃の範囲内の温度、より好ましくは約80〜約100℃の範囲内の温度に加熱する。前記方法を行う好適な手段では、前記反応は、圧力を徐々に減少させる(例えば、約3時間にわたって、圧力を大気圧周辺から約数トールまで減少させる)一方で、前記第1の反応混合物を加熱し続けることによって、可能な限り完了に向かって推進される。
【0029】
前記ジオールが、直鎖状または分岐状のジオール、あるいは、分子内に少なくとも1個の脂環式環を有するジオールである第1段階の過程に関して、少なくともその反応の開始時においては、加熱はしばしば不必要である。場合によっては、前記過程の開始、あるいは、前記過程の開始後の時点のうちの何れかからの加熱が望ましくなり得る。前記第1の反応混合物が加熱される場合、その温度は通常約20〜約50℃の範囲内にあり、より好ましくは約20〜約40℃の範囲内にある。前記ジオールが、直鎖状または分岐状のジオール、あるいは、分子内に少なくとも1個の脂環式環を有するジオールである第1の反応混合物に熱が加えられる場合、反応の終了に向かうにつれて、その熱を必要に応じて増加し、前記第1の反応混合物を加熱し続けることによって、可能な限り完了に向かってその反応を推進できる。
【0030】
その反応後、揮発性有機成分は蒸留により除去され得る。揮発性有機成分を除去するための好ましい方法は、圧力を徐々に減少させる(例えば、約3時間にわたって、圧力を大気圧周辺から約数トールまで減少させる)一方で、その反応混合物を加熱することによる。あるいは、この第1段階で形成されたクロロホスホン酸数量体は、精製せずに前記方法の第2段階において用いることができる。
【0031】
本明細書において、1,2−エポキシドという用語は、そのエポキシド環がその1位および2位に炭素原子を含むということを表す。下記の化学式において:
【化5】

はアルキル基、芳香族基、またはアラルキル基である。Rが、アルキル基である場合、1個〜約15個の炭素原子を有し、Rが、芳香族基である場合、約6個〜約20個の炭素原子を有し、Rが、アラルキル基である場合、約7個〜約25個の炭素原子を有する。より好ましくは、Rは、アルキル基である場合には1個〜約8個の炭素原子を有し、芳香族基である場合には約6個〜約12個の炭素原子を有し、アラルキル基である場合には約7個〜約12個の炭素原子を有する。
【0032】
適切な1,2−エポキシドとしては、プロピレンオキシド、1−ブテンオキシド、1−ペンテンオキシド、1−ヘキセンオキシド、1−ヘプテンオキシド、1−オクテンオキシド、2−イソプロピルオキシラン、イソブチルオキシラン、tert−ブチルオキシラン、フェニルオキシラン、2−メチルフェニルオキシラン、3−メチルフェニルオキシラン、4−メチルフェニルオキシラン、4−ブチルフェニルオキシラン、3,5−ジメチルフェニルオキシラン、(1,1’−ビフェニル)−4−イルオキシラン、2−ナフチルオキシラン、2−ベンジルオキシラン、2−(4−メチルベンジル)オキシラン、2−(4−エチルベンジル)オキシラン、2−フェニルエチルオキシラン、2−(3−メチルフェネチル)オキシランなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
クロロヒドロカルビルオキシ有機ホスホン酸数量体生成物が形成される本発明の方法の第2段階において、少なくとも1つの1,2−エポキシド、およびクロロホスホン酸数量体が混合され、それによって第2の反応混合物が形成される。前記方法の第1段階で形成された全部または一部のクロロホスホン酸数量体は、この第2段階で用いることができる。混合の順序は作業者にとって都合の良い任意の順序であり得るが、前記エポキシドを前記クロロホスホン酸数量体に添加することが一般的に好ましい。この段階における反応は通常発熱性であり、そのため、その反応混合物の冷却が推奨されかつ好適である。
【0034】
この段階における反応は遅くあり得、従って、触媒の含有が通常推奨されかつ好ましい。一般的に、前記触媒はチタンテトラアルコキシドである。このような触媒の例としては、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンプロポキシド、チタンイソプロポキシド、およびチタンブトキシドなどが挙げられる。一般的に、前記チタンテトラアルコキシドのアルコキシド基は1個〜約8個の炭素原子を含むが、本発明の範囲を逸脱することなく、前記アルコキシド基内に8個超過の炭素原子があり得る。
【0035】
前記成分が混合された時点で、そうして形成された反応混合物(前記第2の反応混合物)は、一般に少なくとも約70℃の温度に、好ましくは約70℃〜約120℃の範囲内の温度に、より好ましくは約80℃〜約100℃の範囲内の温度に通常加熱される。前記方法を行う好適な方法では、前記反応は、前記第2の反応混合物を加熱し続けることによって、可能な限り完了に向かって推進される。
【0036】
その反応後、揮発性有機成分は蒸留により除去され得る。揮発性有機成分を除去するための好適な方法は、圧力を徐々に減少させる(例えば、約3時間にわたって、圧力を大気圧周辺から約数トールまで減少させる)一方で、その反応混合物を加熱することによる。あるいは、この第2段階で形成されたクロロヒドロカルビルオキシ有機ホスホン酸数量体は、精製せずに前記方法の第3段階において用いることができる。製造されたクロロヒドロカルビルオキシ有機ホスホン酸数量体の一部は、そのクロロヒドロカルビルオキシ基のβ位(塩素原子に隣接した炭素原子)にR基を有し得、このような生成物は本発明の範囲内にある。
【0037】
上記の通り、本発明の有機ホスホン酸数量体は、下記の化学式によって表される:
【化6】

(式中、Rは、直鎖状または分岐状のヒドロカルビレン基、または酸素含有ヒドロカルビレン基であり、前記ヒドロカルビレン基は約2個〜約20個の炭素原子、あるいは、少なくとも1個の脂環式環または芳香環を有するヒドロカルビレン基を有し、
はアルキル基または芳香族基であって、
nは約2〜約20の数であって、
Qは下記の化学式によって表され:
【化7】

式中、R、R、およびRはそれぞれ独立してアルキル基であるが、各有機ホスホン酸数量体において、約50モル%以下のQが塩素原子から成る)。好ましくは、各有機ホスホン酸数量体において、約10モル%以下のQが塩素原子から成る。
【0038】
本発明の有機ホスホン酸数量体の化学式において、R、R、およびnの選択は、本発明のクロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体については上記の通りである。
【0039】
本発明の方法の第3段階において、全部より少ない塩素原子は、ホスフィト基またはホスホナート基によって置換され得る。従って、塩素は、特により大きいnの値について、恐らく十分な量でこれらの分子内に存在し得る。
【0040】
Qが、
【化8】

である場合、前記有機ホスホン酸数量体は、下記の構造によって表すことができる:
【化9】

【0041】
前記有機ホスホン酸数量体のアルキル基Rは、一般的に1個〜約8個の炭素原子を有し、前記アルキル基Rは同一でも異なってもよい。Rにとって適切なアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、イソオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
Qが、
【化10】

である場合、前記有機ホスホン酸数量体は、下記の構造によって表すことができる:
【化11】

【0043】
前記有機ホスホン酸数量体のアルキル基RおよびRは、一般的に1個〜約8個の炭素原子を有し、前記アルキル基RおよびRは同一でも異なってもよい。RおよびRにとって適切なアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
一部の部位Qが塩素原子であり得るので、上記2つの有機ホスホン酸数量体の化学式が代表的であることを理解されたい。言い換えれば、上記2つの有機ホスホン酸数量体の化学式において、全部より少ない部位Qはリン基であってよい。
【0045】
亜リン酸トリアルキルは、本発明の方法の第3段階で用いることができる。前記亜リン酸トリアルキルのアルキル基Rは、一般的に1個〜約8個の炭素原子を有し、特定の亜リン酸トリアルキルにおけるアルキル基は、同一でも異なってもよい。本発明の実施において用いることができる亜リン酸トリアルキルの例としては、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸ジメチルエチル、亜リン酸トリプロピル、亜リン酸トリ(イソプロピル)、亜リン酸トリブチル、亜リン酸トリ(イソオクチル)、亜リン酸トリペンチル、および亜リン酸トリヘキシル、亜リン酸メチルジプロピル、亜リン酸ジメチルシクロペンチル、亜リン酸ジエチルシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。2種以上の亜リン酸トリアルキルの混合物を用いることができる。
【0046】
前記アルカンホスホン酸メチルアルキルは、化学式RP(O)(OR)(OCH)によって表すことができ、式中、RおよびRは同一または異なり、それぞれはアルキル基である。これらの化合物では、その化学式におけるRおよびRはアルキル基である。Rは直接リンに結合される。前記化学式におけるRはアルキル基であるが、Rをそのエステル結合基(CHおよびR)と区別するために、Rはアルカン基という名称で呼ばれる。例えば、Rがメチル基である場合、前記アルカンホスホン酸メチルアルキルは、メタンホスホン酸メチルアルキルと呼ばれる。RおよびRはそれぞれ独立して、1個〜約8個の炭素原子を有することが好ましい。本発明の実施において用いることができるアルカンホスホン酸メチルアルキルとしては、メタンホスホン酸ジメチル、エタンホスホン酸ジエチル、エタンホスホン酸ジメチル、エタンホスホン酸メチルエチル、n−ブタンホスホン酸ジメチル、ペンタンホスホン酸メチルエチル、メタンホスホン酸ヘキシルエチル、メタンホスホン酸シクロヘキシルメチル、オクタンホスホン酸ジメチルなどが挙げられる。
【0047】
有機ホスホン酸数量体は本発明の方法の第3段階で形成され、そこで少なくとも1つの亜リン酸トリアルキル、または、少なくとも1つのアルカンホスホン酸メチルアルキルと、クロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体とを混合し、第3の反応混合物が形成される。前記方法の第2段階で形成された全部または一部の前記クロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体は、この第3段階において用いることができる。
【0048】
前記クロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体とともに用いられる試薬が、少なくとも1つの亜リン酸トリアルキルである場合、その成分が混合された時点で、そうして形成された反応混合物(前記第3の反応混合物)は、本来ならば少なくとも約100℃の温度に、好ましくは約115℃〜約180℃の範囲内の温度に、より好ましくは約120℃〜約170℃の範囲内の温度に加熱される。前記方法を行う好ましい手段では、前記反応は、前記第3の反応混合物を加熱し続けることによって、可能な限り完了に向かって推進される。
【0049】
前記クロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体とともに用いられる試薬が、少なくとも1つのアルカンホスホン酸メチルアルキルである場合、触媒の存在が通常推奨されかつ好適である。一般的に、前記触媒はアルカリ金属炭酸塩であり、このような触媒の一例は炭酸ナトリウムである。
【0050】
前記有機ホスホン酸数量体を形成するのに用いられる亜リン酸トリアルキル、またはアルカンホスホン酸メチルアルキルの量は一般的に、前記クロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体に存在する塩素原子の、少なくとも1モル当たり約50モル%である。亜リン酸トリアルキル、またはアルカンホスホン酸メチルアルキルの量は、前記クロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体に存在する塩素原子の、少なくとも1モル当たり約80モル%である。過剰の亜リン酸トリアルキル、またはアルカンホスホン酸メチルアルキルが用いられる場合であっても、全部ではない前記クロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体の塩素原子が置換され得る。従って、本発明の有機ホスホン酸数量体は塩素を含み得る。
【0051】
その反応後、揮発性有機成分は蒸留により除去され得る。揮発性有機成分を除去するための好ましい方法は、圧力を徐々に減少させる(例えば、約3時間にわたって、圧力を大気圧周辺から約数トールまで減少させる)一方で、その反応混合物を加熱することによる。
【0052】
本発明の有機ホスホン酸数量体は、ポリウレタン樹脂およびポリウレタン合成物、柔軟性ポリウレタン発泡体、または剛性ポリウレタン発泡体中で難燃剤として、あるいはこれらと組み合わせて用いることができ、従って、難燃性ポリウレタン組成物を形成できる。加えて、本発明の有機ホスホン酸数量体は、フェノール樹脂、塗料、釉薬、および繊維中で難燃剤として、あるいはこれらと組み合わせて用いることができる。
【0053】
ポリウレタン中で難燃剤として有効である上に、本発明の方法で形成された有機ホスホン酸数量体は、その他の可燃性物質を有する調合物中において、添加難燃剤として用いることができる。前記高分子は、高分子、例えば、セルロース物質またはセルロース重合体であり得る。実例となる重合体は、架橋結合しているかその反対のオレフィン重合体であり、例えば、エチレン、プロピレン、およびブチレンの単独重合体、このようなアルケン単量体のうちの2つ以上の共重合体、ならびに、このようなアルケン単量体およびその他の共重合可能な重合体のうちの1つ以上の共重合体、例えば、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/エチルアクリル酸共重合体とエチレン/プロピレン共重合体、エチレン/アクリル酸重合体とエチレン/酢酸ビニル共重合体、オレフィン性不飽和単量体の重合体、例えば、ポリスチレン(例えば、耐衝撃ポリスチレン、およびスチレン共重合体)、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテル、アクリル酸樹脂、ポリエステル(特に、ポリ(エチレンテレフタル酸塩)、およびポリ(ブチレンテレフタル酸塩))、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)、エラストマー(例えば、ブタジエン/スチレン共重合体、およびブタジエン/アクリロニトリル共重合体)、アクリロニトリル、ブタジエン、およびスチレンの三元重合体、天然ゴム、ブチルゴム、およびポリシロキサンである。前記重合体は、必要に応じて、化学的手段または照射によって架橋結合され得る。本発明の有機ホスホン酸数量体が、これら重合体のうちの何れかとともに用いられる場合、難燃性重合体組成物が形成される。本発明の有機ホスホン酸数量体は、ラテックス系裏面塗布等の繊維塗布において用いることもできる。
【0054】
調合物において用いられる本発明の有機ホスホン酸数量体の量は、必要とされる難燃性を得るのに必要な量である。全ての場合に関して、前記調製物における生成物の割合に対する正確な値を全く与えることができないが、その理由は、この割合が、任意の所定の用途において必要とされる、特定の可燃性物質、その他添加物の存在、および難燃性の度合いによって変動するからであるということは、当業者にとって明らかであろう。さらに、特定の調合物において所定の難燃性を実現するのに必要な割合は、前記調合物の原料となる物品の形状に依存し、例えば、電気絶縁体、管材料、電子キャビネット、および薄膜は、それぞれ異なる挙動を取る。しかしながら、一般的に、前記調合物および得られた生成物は、本発明の数量体生成物の約1〜約30重量%、好ましくは約5〜約25重量%を含み得る。追加量の基質重合体と混合される、本発明の数量体難燃剤を含む重合体のマスターバッチは、一般的に遥かに高い濃度、例えば、最大50重量%以上の前記数量体を含む。
【0055】
熱可塑性調合物において用いられるいくつかの従来の添加物のうちの何れかは、そのそれぞれの従来量で、本発明の数量体難燃剤、例えば、可塑剤、抗酸化剤、充填剤、色素、UV(紫外線)安定剤などとともに用いられ得る。
【0056】
本発明の熱可塑性重合体および数量体生成物を含む調合物から形成した熱可塑性物品は、従来的に、例えば、射出成形、押出成形、および圧縮成形などによって製造できる。発泡成形も特定の場合において適切であり得る。
【0057】
本明細書またはその特許請求の範囲における任意の箇所での化学名または化学式で呼ばれる成分は、単数形または複数形の何れで呼ばれていても、それらは、化学名または化学型で呼ばれる別の物質(例えば、別の成分、または溶媒など)と接触する前に存在すると認識される。もしあるとすれば、どの化学変化、化学変換、および/または化学反応が得られた混合物または溶液中で起こるかは重要ではないが、その理由は、このような変化、変換、および/または反応は、本開示に準じて必要とされる条件下において、特定の成分を混合することの当然の結果だからである。従って、その成分は、望ましい実施を行うこと、あるいは、望ましい組成物を形成することに関連して混合される原料として認識される。また、例え下文の特許請求の範囲が、現在形で物質、成分、および/または原料を指し得る場合であっても(「含む(comprises)」、「〜である(is)」など)、その参照は前記物質、成分、または原料に対するものであるが、これらが本開示による1つ以上のその他物質、成分、および/または原料と最初に接触、混和、または混合される直前の時点でこれらは存在した。物質、成分、または原料が、接触操作、混和操作、または混合操作の過程の間に、化学反応または化学変換を通じてその元来の固有性を失い得たという事実は、これらの操作が本開示および化学者の一般的技術に従って行われる場合、それ故実際の懸念を全く有しない。
【0058】
他に明示され得る場合を除いて、冠詞「1つの(「a」または「an」)」は、本明細書で用いられる場合、かつ、本明細書で用いられるように、本記載または特許請求の範囲を前記冠詞が指す単一の要素に制限することを目的としておらず、かつ、このような制限をするものと解釈してはならない。むしろ、冠詞「1つの(「a」または「an」)」は、本明細書で用いられる場合、かつ、本明細書で用いられるように、本文が他に明示していない限り、1つ以上のこのような要素を含むことを目的としている。
【0059】
上記で参照されているありとあらゆる特許、特許出願、および刊行物は、法律に従って許可される最大限度まで参照することにより、本明細書に完全に盛り込まれている。
【0060】
本発明は、その実施において多数の変形が可能である。それ故、前述の記載は、本発明を先に示した特定の例示に限定することを意図するものではなく、かつ、このような限定をするものと解釈してはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式によって表されるクロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体:
【化1】

(式中、Rは、直鎖状または分岐状のヒドロカルビレン基、または酸素含有ヒドロカルビレン基であり、前記ヒドロカルビレン基は約2個〜約20個の炭素原子、あるいは、少なくとも1個の脂環式環または芳香環を有するヒドロカルビレン基を有し、
はアルキル基または芳香族基であって、
nは約2〜約20の数である)。
【請求項2】
下記の化学式によって表される有機ホスホン酸数量体:
【化2】

(式中、Rは、直鎖状または分岐状のヒドロカルビレン基、または酸素含有ヒドロカルビレン基であり、前記ヒドロカルビレン基は約2個〜約20個の炭素原子、あるいは、少なくとも1個の脂環式環または芳香環を有するヒドロカルビレン基を有し、
はアルキル基または芳香族基であって、
nは約2〜約20の数であって、
Qは下記の化学式によって表され:
【化3】

式中、R、R、およびRはそれぞれ独立してアルキル基であるが、各有機ホスホン酸数量体において、約50モル%未満のQが塩素原子から成る)。
【請求項3】
が直鎖状の脂肪族ヒドロカルビレン基である、請求項1または2に記載の数量体。
【請求項4】
が3−オキサ−1,5−ペンチレン基、または、4−オキサ−1,7−ヘプチレン基である、請求項1または2に記載の数量体。
【請求項5】
が、1個〜約8個の炭素原子を有するアルキル基であるか、あるいは、
が、約6個〜約12個の炭素原子を有する芳香族基である、請求項1〜4の何れかに記載の数量体。
【請求項6】
Qが
【化4】

であり、式中、Rが1個〜約8個の炭素原子を有する、請求項2に記載の数量体。
【請求項7】
Qが
【化5】

であり、式中、Rが1個〜約8個の炭素原子を有し、Rが1個〜約8個の炭素原子を有する、請求項2に記載の数量体。
【請求項8】
nが約5〜約10である、請求項1〜7の何れかに記載の数量体。
【請求項9】
クロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体を製造するための方法であって、前記方法は、
I)三塩化リンと少なくとも1種のジオールを混合し、三塩化リンのモルおよびジオールのモルは約x+y:xの比率にあり、式中、xは約3〜約6の範囲内にあり、yは1未満の分数〜約2の値であり、それによって第1の反応混合物を形成し、クロロホスホン酸数量体生成物を形成するステップと、
II)少なくとも一部分の段階I)からの前記クロロホスホン酸数量体生成物と、少なくとも1つの1,2−エポキシドと、随意に触媒とを混合し、それによって第2の反応混合物を形成し、クロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体生成物を形成するステップと、
を含む方法。
【請求項10】
前記ジオールが、酸素含有ジオールである直鎖状または分岐状のジオールである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ジオールが、分子内に約6個〜約12個の炭素原子を有するα,ω−アルカンジオールである直鎖状または分岐状のジオールである、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記ジオールが、ジエチレングリコールまたはジプロピレングリコールである、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記ジオールが分子内に少なくとも1個の脂環式環または芳香環を有するジオールであり、前記ジオールが約8個〜約20個の炭素原子を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記ジオールが、直鎖状または分岐状のジオール、または、分子内に少なくとも1個の脂環式環を有するジオールであり、前記第1の反応混合物が約20〜約40℃の範囲内の温度に加熱される、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記ジオールが分子内に少なくとも1個の芳香環を有するジオールであり、前記第1の反応混合物が約70〜約120℃の範囲内の温度に加熱される、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
yが約0.75〜約1.75の範囲内にある、請求項9〜15の何れかに記載の方法。
【請求項17】
前記第2の反応混合物が約70〜約120℃の範囲内の温度に加熱される、請求項9〜15の何れかに記載の方法。
【請求項18】
II)において、触媒が存在し、前記触媒がチタンテトラアルコキシドである、請求項9〜15の何れかに記載の方法。
【請求項19】
II)において、前記エポキシドが下記の化学式で表され:
【化6】

式中、Rが、1個〜約8個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項9に記載の方法。
【請求項20】
II)において、前記エポキシドが下記の化学式で表され:
【化7】

式中、Rが、約6個〜約12個の炭素原子を有する芳香族基である、請求項9に記載の方法。
【請求項21】
III)少なくとも一部のII)からの前記クロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体生成物の組成物と、
a)少なくとも1つの亜リン酸トリアルキルとを混合し、それによって第3の反応混合物を形成し、前記第3の反応混合物を加熱するステップか、あるいは、
b)少なくとも1つのアルカンホスホン酸メチルアルキルおよび触媒と混合し、それによって第3の反応混合物を形成するステップと、
有機ホスホン酸数量体生成物を形成するステップと、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項22】
前記クロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体が亜リン酸トリアルキルとともに混合され、前記第3の反応混合物が約115〜約180℃の範囲内の温度に加熱される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記クロロヒドロカルビルオキシホスホン酸数量体がアルカンホスホン酸メチルアルキルとともに混合され、前記触媒がアルカリ金属炭酸塩である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
(i)ポリウレタン樹脂およびポリウレタン合成物、柔軟性ポリウレタン発泡体、剛性ポリウレタン発泡体、および(ii)請求項2〜8の何れかに記載の有機ホスホン酸数量体を含む原料から形成された難燃性ポリウレタン組成物。
【請求項25】
請求項2〜8の何れかに記載の重合体および有機ホスホン酸数量体を含む原料から形成された難燃性重合体組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−502128(P2011−502128A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531135(P2010−531135)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/080101
【国際公開番号】WO2009/058572
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(594066006)アルベマール・コーポレーシヨン (155)
【Fターム(参考)】