説明

有機半導体デバイスでの使用のためのジケトピロロピロールポリマー

本発明は、Ar1およびAr1’が、互いに独立して、少なくとも1つのチオフェン環を含有する環状(芳香族)複素環式の環系であり、場合により1つ以上の基によって置換されていてもよいことを特徴とする式(I)の1種以上の(繰り返し)単位を含むポリマー、ならびに有機デバイス、特に有機光発電(太陽電池)およびフォトダイオードにおける、あるいはダイオードおよび/または有機電界効果トランジスタを含むデバイスにおける有機半導体としてのそれらの使用に関する。本発明によるポリマーは、有機溶媒における素晴らしい溶解性および優れた膜形成特性を有する。加えて、本発明によるポリマーは、有機電界効果トランジスタ、有機光発電(太陽電池)、およびフォトダイオードにおいて使用される場合、高効率のエネルギー変換、優れた電界効果移動度、良好なオン/オフ電流比、および/または優れた安定性が観察され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式Iの1種以上の(繰り返し)ユニットを含むポリマー、ならびに有機デバイス、特に有機光発電(太陽電池)およびフォトダイオードにおける、あるいはダイオードおよび/または有機電界効果トランジスタを含むデバイスにおける、有機半導体としてのそれらの使用に関する。本発明によるポリマーは、有機溶媒における素晴らしい溶解性および優れた膜形成特性を有する。加えて、本発明によるポリマーは、有機電界効果トランジスタ、有機光発電(太陽電池)、およびフォトダイオードにおいて使用される場合、高効率のエネルギー変換、優れた電界効果移動度、良好なオン/オフ電流比、および/または優れた安定性が観察され得る。
【0002】
米国特許第6451459号(B.Tiekeら,Synth.Met.130(2002) 115−119;Macromol.Rapid Commun.21(4)(2000) 182−189を参照のこと)には、以下のユニット:
【化1】

[式中、
xは、0.005〜1、好ましくは0.01〜1の範囲において選択され、yは、0.995〜0、好ましくは0.99〜0の範囲において選択され、この場合、x+y=1であり、ならびにAr1およびAr2は、互いに独立して、
【化2】

を表し、m、nは、1〜10の数であり、ならびに、
1およびR2は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、−C(O)O−C1〜C18アルキル、ペルフルオロ−C1〜C12アルキル、非置換のC6〜C12アリールまたはC1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ、もしくはハロゲン置換C6〜C12アリールによる一置換〜三置換のC6〜C12アリール、C1〜C12アルキル−C6〜C12アリール、あるいはC6〜C12アリール−C1〜C12アルキルを表し、
3およびR4は、好ましくは、水素、C1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ、非置換のC6〜C12アリールまたはC1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ、もしくはハロゲン置換C6〜C12アリールによる一置換〜三置換のC6〜C12アリール、あるいはペルフルオロ−C1〜C12アルキルを表し、ならびに
5は、好ましくは、C1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ、非置換のC6〜C12アリールまたはC1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ、もしくはハロゲン置換C6〜C12アリールによる一置換〜三置換のC6〜C12アリール、あるいはペルフルオロ−C1〜C12アルキルを表す]を含むジケトピロロピロールベースのポリマーおよびコポリマー、ならびにELデバイスにおけるそれらの使用について記載されている。以下のポリマー:
【化3】

は、TiekeらによりSynth.Met.130(2002)115−119において明確に開示されている。以下のポリマー:
【化4】

は、Macromol.Rapid Commun.21(4)(2000) 182−189において明確に開示されている。
【0003】
国際公開第05/049695号では、ジケトピロロピロール(DPP)ベースのポリマー、ならびにPLED、有機集積回路(O−IC)、有機電界効果トランジスタ(OFET)、有機薄膜トランジスタ(OTFT)、有機太陽電池(O−SC)、または有機レーザーダイオードにおける使用について開示されているが、式Iの、特定のDDPベースのポリマーについては開示されていない。
【0004】
好ましいポリマーは、式:
【化5】

の繰り返しユニットおよび繰り返しユニット:
【化6】

[式中、
1およびR2は、互いに独立して、C1〜C25アルキル基、特に、1つ以上の酸素原子によって割り込まれていてもよいC4〜C12アルキル基であり、ならびにAr1およびAr2は、互いに独立して、式:
【化7】

の基であり、ここで、−Ar3−は、式:
【化8】

の基であり、この場合、
6は、水素、C1〜C18アルキル、またはC1〜C18アルコキシであり、R32は、メチル、Cl、またはOMeであり、ならびにR8は、H、C1〜C18アルキル、またはEで置換されているおよび/またはDで割り込まれているC1〜C18アルキル、特に−O−で割り込まれているC1〜C18アルキルである]を含む。
【0005】
実施例12には、以下のポリマー:
【化9】

の製造について記載されている。
【0006】
国際公開第08/000664号には、式:
【化10】

の(繰り返し)ユニットを含むポリマーについて記載されている。
【0007】
Ar1およびAr1’は、好ましくは同じであり、式:
【化11】

の基であり、ならびに、
Ar2、Ar2’、Ar3、Ar3’、Ar4、およびAr4’は、互いに独立して、式:
【化12】

の基であり、この場合、
pは、0、1、または2を表し、R3は、1つの基の中で同じまたは異なっていてもよく、場合によりEで置換されていてもよくおよび/またはDで割り込まれていてもよいC1〜C25アルキル、または場合によりEで置換されていてもよくおよび/またはDで割り込まれていてもよいC1〜C18アルコキシから選択され、
4は、場合によりEで置換されていてもよくおよび/またはDで割り込まれていてもよいC6〜C25アルキル、場合によりGで置換されていてもよいC6〜C14アリール、例えば、フェニル、ナフチル、またはビフェニリルなど、場合によりEで置換されていてもよくおよび/またはDで割り込まれていてもよいC1〜C25アルコキシ、またはC7〜C15アラルキル(この場合、アリール基は、場合によりGで置換されていてもよい)であり、
Dは、−CO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−NR25−であり、
この場合、R25は、C1〜C12アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、イソブチル、またはsec−ブチルなどであり、
Eは、−OR29、−SR29、−NR2525、−COR28、−COOR27、−CONR2525、または−CNであり、この場合、R25、R27、R28、およびR29は、互いに独立して、C1〜C12アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ヘキシル、オクチル、または2−エチル−ヘキシルなど、あるいはC6〜C14アリール、例えば、フェニル、ナフチル、またはビフェニリルなどであり、
Gは、好ましくはEと同じであるか、またはC1〜C18アルキル、特にC1〜C12アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ヘキシル、オクチル、または2−エチル−ヘキシルなどである。
【0008】
国際出願PCT/EP2009/063767では、式:
【化13】

[式中、
Ar1、Ar1’、Ar3、およびAr3’は、互いに独立して、式:
【化14】

の基である]の1つ以上の(繰り返し)ユニットを含むポリマー、ならびに有機デバイスにおける有機半導体としての使用について開示されている。
【0009】
国際出願PCT/EP2009/063769は、式:
【化15】

の1つ以上の(繰り返し)ユニット、および、式:
【化16】

の繰り返しユニットから選択される少なくとも1つの(繰り返し)ユニットを含むポリマー、式:
【化17】

の1つ以上の(繰り返し)ユニットを含むポリマー、あるいは、式:
【化18】

[式中、
Aは、式:
【化19】

の基であり、Ar21、Ar21’、Ar31、Ar31’、Ar1、およびAr1’は、互いに独立して、式:
【化20】

の基であり、Ar2、およびAr2’は、互いに独立して、式:
【化21】

の基であり、B、D、およびEは、互いに独立して、式:
【化22】

の基、または式:
【化23】

の基であり、Ar8、およびAr8’は、互いに独立して、式:
【化24】

の基である]の1つ以上の(繰り返し)ユニットを含むポリマーに関する。
【0010】
特開2007−266285号は、半導体材料として、式:
【化25】

[式中、
1およびX2は、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、またはセレン原子を意味し、ならびにR1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、水素原子、置換可能な脂肪族炭化水素基、または置換可能な芳香族基意味する]によって表される化合物を含む電界効果トランジスタに関する。以下のDPP化合物:
【化26】

が、明確に開示されている。
【0011】
欧州特許出願公開第2034537(A2)号は、
【化27】

[式中、
各Xは、独立して、S、Se、O、およびNR’’から選択され、各R’’は、独立して、水素、場合により置換されていてもよい炭化水素、およびヘテロ含有基から選択され、各Zは、独立して、場合により置換されていてもよい炭化水素、ヘテロ含有基、およびハロゲンのうちの1つであり、dは、少なくとも1である数であり、eは0〜2の数であり;aは、少なくとも1である数を表し;bは0〜20の数を表し;nは少なくとも1である数を表す]によって表される化学構造を含む化合物を含む半導体層を備えた薄膜トランジスタデバイスを対象としている。
【0012】
中でも、以下のポリマー:
【化28】

[式中、
nは、繰り返しユニットの数であって、約2〜約5000であってもよく、R’’’およびR’’’’は、同じまたは異なる置換基であってもよく、この場合、当該置換基は、独立して、場合により置換されていてもよい炭化水素基およびヘテロ原子含有基からなる群から選択される]について明確に開示されている。
【0013】
本発明(2008年12月5日)に先行する優先日(2007年12月27日)を享有するが、本発明の優先日の後(2009年7月1日)に公開されている欧州特許出願公開第2075274(A1)号では、高い共平面性の繰り返しユニットを有する可溶性ポリチオフェン誘導体について開示されている。TPT(チオフェン−フェニレン−チオフェン)ユニットの共平面的特徴により、分子内共役および分子間π−π相互作用の度合いが高められる。
【0014】
Stilleカップリング重合による以下のポリマーの製造について、欧州特許出願公開第2075274(A1)号の実施例12に記載されている:
【化29】

【0015】
本発明の目的は、有機電界効果トランジスタ、有機光発電(太陽電池)、およびフォトダイオードにおいて使用される場合に、高効率のエネルギー変換、優れた電界効果移動度、良好なオン/オフ電流比、および/または優れた安定性を示すポリマーを提供することにある。
【0016】
上記の目的は、式:
【化30】

[式中、
aは1、2、または3であり、a’は0、1、2、または3であり、bは0、1、2、または3であり、b’は0、1、2、または3であり、cは0、1、2、または3であり、c’は0、1、2、または3であり、dは0、1、2、または3であり、d’は0、1、2、または3であり、ただし、a’が0の場合はb’は0ではなく、
1およびR2は、同じであるまたは異なっていてもよく、水素、C1〜C100アルキル基、−COOR103、1つ以上のハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、CN、あるいはC6〜C18アリール基で置換されているおよび/または−O−、−COO−、−OCO−、または−S−で割り込まれているC1〜C100アルキル基;C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで一置換〜三置換されていてもよいC7〜C100アリールアルキル基;カルバモイル基、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで一置換〜三置換されていてもよいC5〜C12シクロアルキル;C6〜C24アリール基、特に、C1〜C8アルキル、C1〜C8チオアルコキシ、および/またはC1〜C8アルコキシで一置換〜三置換されていてもよいフェニルまたは1−ナフチルもしくは2−ナフチル、あるいはペンタフルオロフェニルから選択され、
Ar1およびAr1’は、互いに独立して、環状(芳香族)複素環式の環系であり、場合により1つ以上の基で置換されていてもよい少なくとも1つのチオフェン環を含有し、
Ar2、Ar2’、Ar3、Ar3’、Ar4、およびAr4’は、Ar1と同じ定義を有するか、または互いに独立して、
【化31】

であり、ここで、
3およびX4のうちの1つはNであり、かつ残りはCR39であり、
99、R104、およびR104’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、特にF、またはC1〜C25アルキル基、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C7〜C25アラルキル基、またはC1〜C25アルコキシ基であり、
105、R105’、R106、およびR106’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC1〜C25アルキル、C7〜C25アラルキル、またはC1〜C18アルコキシであり、
107は、C7〜C25アラルキル、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、またはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;−O−または−S−で割り込まれているC1〜C18アルキル;あるいは−COOR103であり;ここで、R103は、C1〜C50アルキル、特にC4〜C25アルキルであり、
108およびR109は、互いに独立して、H、C1〜C25アルキル、Eで置換されているおよび/またはDで割り込まれているC1〜C25アルキル、C7〜C25アラルキル、C6〜C24アリール、Gで置換されているC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gで置換されているC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eで置換されているおよび/またはDで割り込まれているC1〜C18アルコキシ、またはC7〜C25アラルキルであり、
あるいはR108およびR109が、一緒に式=CR110111の基を形成し、この場合、
110、およびR111は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、Eで置換されているおよび/またはDで割り込まれているC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、Gで置換されているC6〜C24アリール、またはC2〜C20ヘテロアリール、Gで置換されているC2〜C20ヘテロアリールであり、あるいは、
108およびR109が一緒に5または6員環を形成し、この場合、場合により、C1〜C18アルキル、Eで置換されているおよび/またはDで割り込まれているC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、Gで置換されているC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gで置換されているC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eで置換されているおよび/またはDで割り込まれているC1〜C18アルコキシ、あるいはC7〜C25アラルキルで置換されていてもよく、
Dは、−CO−、−COO−、−S−、−O−、または−NR112−であり、
Eは、C1〜C8チオアルコキシ、C1〜C8アルコキシ、CN、−NR112113、−CONR112113、またはハロゲンであり、
GはEまたはC1〜C18アルキルであり、ならびに、
112およびR113は、互いに独立してH;C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルまたはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;または、−O−で割り込まれているC1〜C18アルキルである]の1つ以上の(繰り返し)ユニットを含むポリマーによって解決される。
【0017】
最も好ましくは、R104、R104’、R105、R105’、R106、R106’、R107、R108、R109は、互いに独立して、水素またはC1〜C24アルキルである。
【0018】
有利なことに、本発明のポリマー、あるいは本発明のポリマーを含む有機半導体材料、層、または構成部分は、有機光発電(太陽電池)およびフォトダイオードにおいて、または有機電界効果トランジスタ(OFET)において使用することができる。
【0019】
「ポリマー」という用語は、ポリマーと同様にオリゴマーも含む。本発明のオリゴマーは、<4,000ドルトンの重量平均分子量を有する。本発明のポリマーは、好ましくは、4,000ドルトン以上、特に4,000〜2,000,000ドルトン、より好ましくは10,000〜1,000,000ドルトン、最も好ましくは10,000〜100,000ドルトンの重量平均分子量を有する。分子量は、高温ゲル透過クロマトグラフィ(HT−GPC)により、ポリスチレン標準物質を使用して測定した。本発明のポリマーは、好ましくは、1.01〜10、より好ましくは1.1〜3.0、最も好ましくは1.5〜2.5の多分散度を有する。
【0020】
少なくとも1つのチオフェン環を含む環状(芳香族)複素環式の環系は、環状ヘテロ−2−、−3−、−4−、−5−、−6−などの環系を意味し、これらは、少なくとも1つのチオフェン環を含み、場合により1つ以上の基で置換されていてもよい。すなわち、「環状」という用語は、ヘテロ環系がチオフェン環および少なくとも1つのさらなる芳香族環もしくはヘテロ芳香族環から成ることを意味する。縮合していない環は、芳香族またはヘテロ芳香族であり得る。ヘテロ環系は、好ましくは1、2、3、または4つのチオフェン環を含む。本発明の好ましい実施形態において、ヘテロ環系は、少なくとも2つのチオフェン環を含む。本発明の別の好ましい実施形態において、DPP骨格および別の繰り返しユニットへの結合は、環状(芳香族)複素環式の環系の2つの異なる環を介して形成される。
【0021】
環状(芳香族)複素環式の環系の例は、以下において言及されている式Xa〜XzおよびXIa〜XImの基:
【化32−1】

【0022】
【化32−2】

[式中、
3およびR3’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4−C25アルキル、C7−C25アラルキル、またはC1〜C25アルコキシであり、
4、R4’、R5、R5’、R6、およびR6’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C7〜C25アラルキル、またはC1〜C25アルコキシであり、
114は、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキルであり、
7、R7’、R9、およびR9’は、互いに独立して、水素、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、あるいはC7〜C25アラルキルであり、
8およびR8’は、互いに独立して、水素、C7〜C25アラルキル、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルまたはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;あるいはC1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキルであり、
11およびR11’は、互いに独立して、C1〜C25アルキル基、特にC1〜C8アルキル基、あるいはC1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで一置換〜三置換されていてもよいフェニル基であり、
12およびR12’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C7〜C25アラルキル、C1〜C25アルコキシ、あるいは
【化33】

であり、ここで、R13は、C1〜C10アルキル基またはトリ(C1〜C8アルキル)シリル基である]である。
【0023】
本発明の好ましい実施形態において、環状(芳香族)複素環式の環系は、式Xa、Xb、Xc、Xd、およびXgからなる群から選択される。本発明の別の好ましい実施形態において、環状(芳香族)複素環式の環系は、式Xe、Xf、Xh、Xi、Xj、Xk、Xm、Xn、Xq、Xr、Xv、Xx、Xy、XIa、XIb、XIg、XIh、Xii、およびXIlからなる群から選択される。
【0024】
1およびR2は、異なっていてもよいが、好ましくは同じである。好ましくは、R1およびR2は、互いに独立して、C1〜C100アルキル、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで一置換〜三置換されていてもよいC5〜C12シクロアルキル、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで一置換〜三置換されていてもよいフェニルまたは1−ナフチルもしくは2−ナフチル、あるいは−CR101102−(CH2m−A3を表し、この場合、R101、およびR102は、水素またはC1〜C4アルキルを表し、A3は、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで一置換〜三置換されていてもよいフェニルまたは1−ナフチルもしくは2−ナフチルを表し、ならびに、mは0または1を表す。R1およびR2は、より好ましくはC8〜C36アルキル基、特にC12〜C24アルキル基、例えば、n−ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、2−エチル−ヘキシル、2−ブチル−ヘキシル、2−ブチル−オクチル、2−ヘキシルデシル、2−デシル−テトラデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、またはテトラコシルなどである。本発明の特に好ましい実施形態において、R1およびR2は、2−ヘキシルデシルまたは2−デシル−テトラデシル基である。
【0025】
有利には、基R1およびR2は、式:
【化34】

によって表すことができ、この場合、m1=n1+2であり、ならびにm1+n1≦24である。キラル側鎖、例えば、R1およびR2は、ホモキラルまたはラセミのどちらかであり、これは、ポリマーのモルホロジ−に影響を及ぼし得る。
【0026】
好ましくは、aは1であり、a’は1であり、bは0または1であり、b’は0または1であり、cは0または1であり、c’は0または1であり、dは0、1、2、または3であり、d’は0、1、2、または3である。a’が0の場合、b’は0ではない。dまたはd’が2または3である基の例を以下に示す:
【化35】

【0027】
置換基、例えば、R104およびR104’などが、1つの基に2つ以上存在する場合、それぞれは異なっていてもよい。
【0028】
以下の式:
【化36】

で示される場合、基:
【化37】

は、
【化38】

の2つの形態においてポリマー鎖に配置され得る。以下の表記:
【化39】

は、両方の可能性を含むべきである。同じことが他の基に対しても当てはまり、モノマーおよび/またはポリマーにおいても様々な形態において配置され得る。
【0029】
基:
【化40】

は、異なっていてもよいが、好ましくは同じである。以下において言及される好ましい化合物Ia〜Ivにおいて、基:
【化41】

は同じである。原則として、上記の基は異なっていてもよく、化合物Iaの場合には、結果として、化合物:
【化42】

を生じるが、本発明によりこれはあまり好ましくない。
【0030】
本発明の好ましい実施形態において、ポリマーは、式:
【化43−1】

【0031】
【化43−2】

【0032】
【化43−3】

【0033】
【化43−4】

【0034】
【化43−5】

[式中、
1は、C8〜C36アルキル基であり、
3は、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C7〜C25アラルキル、あるいはC1〜C25アルコキシであり、
4、R4’、R5、R5’、およびR6は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C7〜C25アラルキル、あるいはC1〜C25アルコキシであり、
7、R7’、R9、およびR9’は、互いに独立して、水素、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、あるいはC7〜C25アラルキルであり、
8は、C7〜C25アラルキル、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルまたはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;あるいはC1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキルであり、ならびに、
12およびR12’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C1〜C25アルコキシ、あるいは
【化44】

であり、ここで、R13は、C1〜C10アルキル基またはトリ(C1〜C8アルキル)シリル基である]のうちの1つ以上の(繰り返し)ユニットを含む。
【0035】
最も好ましくは、
1は、C8〜C36アルキルであり、
3は、水素またはC1〜C25アルキルであり、
4、R4’、R5、R5’、およびR6は、互いに独立して、水素、またはC1〜C25アルキルであり、
7、R7’、R9、およびR9’は、互いに独立して、水素またはC1〜C25アルキルであり、
8は、C1〜C25アルキル、特にC4〜C25アルキルであり、ならびに
12およびR12’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C1〜C25アルコキシ、あるいは
【化45】

であり、ここで、R13は、C1−C10アルキル基またはトリ(C1〜C8アルキル)シリル基である。
【0036】
本発明の上記の実施形態において、式Ia、Ic、Id、If、Ih、Ik、Il、In、Io、Iq、Ir、It、またはIuの化合物が最も好ましく、この場合、
1は、C8〜C36アルキルであり、
3は、水素、ハロゲン、またはC1〜C25アルキルであり、
4、R4’、R5、R5’、およびR6は、互いに独立して、水素、ハロゲン、またはC1〜C25アルキルであり、
7、R7’、R9、およびR9’は、互いに独立して、水素またはC1〜C25アルキルであり、
8は、C1〜C25アルキル、特にC4〜C25アルキルであり、ならびに、
12およびR12’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C1〜C25アルコキシ、あるいは
【化46】

であり、ここで、R13は、C1−C10アルキル基またはトリ(C1〜C8アルキル)シリル基である。
【0037】
本発明の好ましい実施形態において、ポリマーは、式:
【化47】

のホモポリマーであり、この場合、
Aは上記において定義された通りであり、nは、結果として4,000〜2,000,000ドルトン、より好ましくは10,000〜1,000,000、最も好ましくは10,000〜100,000ドルトンの分子量を生じるような数である。nは、通常、4〜1000、特に4〜200、特段には5〜150の範囲である。
【0038】
上記の実施形態において、Aは、好ましくは、上記において定義されたような(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ik)、(Il)、(Im)、(In)、(Io)、(Ip)、(Iq)、(Ir)、(Is)、(It)、または(Iu)の式の繰り返しユニットである。
【0039】
本発明のさらに好ましい実施形態において、ポリマーは、式:
【化48】

[式中、
Aは式(I)の繰り返しユニットであり、
−COM1−は、式Ar1の基から選択される繰り返しユニットであり、例えば、
【化49】

などであって、この場合、
5およびX6のうちの1つはNであり、残りはCR14であり、
14、R14’、R17、およびR17’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C7〜C25アラルキル、あるいはC1〜C25アルコキシであり、
18およびR18’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C7〜C25アラルキル、あるいはC1〜C25アルコキシであり、
19は、水素、C7〜C25アラルキル、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルまたはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;あるいはC1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキルであり、
20およびR20’は、互いに独立して、水素、C7〜C25アラルキル、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキルであり、ならびにAr1は上記の通りである]の1つ以上の(繰り返し)ユニットを含む。
【0040】
14、R14’、R17、およびR17’は、好ましくは互いに独立して、水素、またはC1〜C25アルキルであり、
18およびR18’は、互いに独立して、水素またはC1〜C25アルキルであり、
19は、C1〜C25アルキルであり、
20およびR20’は、互いに独立して、水素またはC1〜C25アルキルであり、
ならびにAr1は上記における定義の通りである。
【0041】
本発明の好ましい実施形態において、ポリマーは、式:
【化50】

の繰り返しユニットを含むコポリマー、特に、式:
【化51】

のコポリマーであって、ここで、
AおよびCOM1は、上記において定義された通りであり、nは、結果として4,000〜2,000,000ドルトン、より好ましくは10,000〜1,000,000、最も好ましくは10,000〜100,000ドルトンの分子量が生じるような数である。nは、通常、4〜1000、特に4〜200、特段には5〜150の範囲である。
【0042】
上記の実施形態において、Aは、好ましくは、上記において定義されたような式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ik)、(Il)、(Im)、(In)、(Io)、(Ip)、(Iq)、(Ir)、(Is)、(It)、または(Iu)の繰り返しユニットである。
【0043】
上記の実施形態において、式:
【化52−1】

【0044】
【化52−2】

【0045】
【化52−3】

[式中、
1は、C8〜C36アルキル基であり、
3は、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C7〜C25アラルキル、あるいはC1〜C25アルコキシであり、
4、R4’、およびR5は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C7〜C25アラルキル、あるいはC1〜C25アルコキシであり、
7、R7’、R9、およびR9’は、互いに独立して、水素、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル;あるいはC7〜C25アラルキルであり、
8は、C7〜C25アラルキル、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルまたはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;あるいはC1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキルであり、
19は、C7〜C25アラルキル、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルまたはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;あるいはC1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキルであり、
5およびX6のうちの1つはNであって、残りはCR14であり、
14、R14’、R17、およびR17’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル;C7〜C25アラルキル、あるいはC1〜C25アルコキシであり、
18およびR18’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル;C7〜C25アラルキル、あるいはC1〜C25アルコキシである]の1つ以上の(繰り返し)ユニットを含むポリマーが好ましい。
【0046】
より好ましくは、
3が、水素、ハロゲン、C7〜C25アラルキル、またはC1〜C25アルキルであり、
4、R4’、およびR5が、互いに独立して、水素、ハロゲン、C7〜C25アラルキル、またはC1〜C25アルキルであり、
7、R7’、R9、およびR9’が、互いに独立して、水素、C7〜C25アラルキル、またはC1〜C25アルキルであり、
8が、C1〜C25アルキルまたはC7〜C25アラルキルであり、
19が、C1〜C25アルキルまたはC7〜C25アラルキルであり、
14、R14’、R17、およびR17’が、互いに独立して、水素、ハロゲン、C7〜C25アラルキル、またはC1〜C25アルキルであり、
18およびR18’が、互いに独立して、水素、ハロゲン、C7〜C25アラルキル、またはC1〜C25アルキルである、
化合物である。
【0047】
最も好ましいのは、
3は、水素またはC1〜C25アルキルであり、
4、R4’、およびR5が、互いに独立して、水素、またはC1〜C25アルキルであり、
7、R7’、R9、およびR9’が、互いに独立して、水素またはC1〜C25アルキルであり、
8が、C1〜C25アルキルであり、
19が、C1〜C25アルキルであり、
14、R14’、R17、およびR17’が、互いに独立して、水素、またはC1〜C25アルキルであり、
18およびR18’が、互いに独立して、水素、またはC1〜C25アルキルである、
化合物である。
【0048】
−COM1−は、好ましくは、式:
【化53】

からなる群から選択される繰り返しユニットである。
【0049】
式:
【化54】

の基がより好ましく、式:
【化55】

の基が最も好ましい。
【0050】
本発明のポリマーは、3つ以上の異なる繰り返しユニット、例えば、互いに異なる繰り返しユニットA、B、およびDなどを含んでいてもよい。ポリマーが、式:
【化56】

の繰り返しユニットを含む場合、それらは、好ましくは、式:
【化57】

の(ランダム)コポリマーであり、ここで、
x=0.995〜0.005、y=0.005〜0.995であり、特にx=0.2〜0.8、y=0.8〜0.2であり、この場合、x+y=1である。Aは、式(I)の繰り返しユニットであり、Bは、繰り返しユニット−COM1−であり、Dは繰り返しユニット−COM1−であり、ただし、A、B、およびDは互いに異なっている。
【0051】
式IIのコポリマーは、例えば、Suzuki反応によって得ることができる。芳香族ボロネートとハロゲニド、特に臭化物との縮合反応は、一般的に「Suzuki反応」と呼ばれており、Chemical Reviews,Vol.95,p457〜2483(1995)においてN.MiyauraおよびA.Suzukiによって報告されているような様々な有機官能基の存在に対して許容性がある。好ましい触媒は、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジアルコキシビフェニル/パラジウム(II)アセテート、トリ−アルキル−ホスホニウム塩/パラジウム(0)誘導体、およびトリ−アルキルホスフィン/パラジウム(0)誘導体である。特に好ましい触媒は、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジ−メトキシビフェニル(sPhos)/パラジウム(II)アセテート、ならびにトリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート((t−Bu)3*HBF4)/トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd2(dba)3)およびトリ−tert−ブチルホスフィン(t−Bu)3P/トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd2(dba)3)である。この反応は、高分子量のポリマーおよびコポリマーの製造に適用することができる。
【0052】
式IIに対応するポリマーを製造するために、溶媒中または触媒の存在下において、式:
【化58】

のジハロゲニドを、等モル量の式:
【化59】

に対応するジボロン酸またはジボロネートと反応させるか、または式:
【化60】

のジハロゲニドを、等モル量の式:
【化61】

に対応する酸またはジボロネートと反応させ、この場合、X10は、ハロゲン、特にBrであり、X11は、各場合において独立して、−B(OH)2、−B(OY12
【化62】

であり、ここで、Y1は、各場合において独立して、C1〜C10アルキル基であり、Y2は、各場合において独立して、C2〜C10アルキレン基、例えば、−CY34−CY56−、または−CY78−CY910−CY1112などであり、この場合、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9、Y10、Y11、およびY12は、互いに独立して、水素またはC1〜C10アルキル基、特に−C(CH32C(CH32−、−C(CH32CH2C(CH32−、または−CH2C(CH32CH2−であり、Y13およびY14は、互いに独立して、水素またはC1〜C10アルキル基である。当該反応は、通常、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒中において、約0℃〜180℃において行われる。他の溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ジメトキシエタン、およびテトラヒドロフランなども、単独で、または芳香族炭化水素との混合物において使用することができる。水性塩基、好ましくは、炭酸ナトリウムもしくは重炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸カリウムもしくは重炭酸カリウムが、ボロン酸およびボロネートのため活性化剤として、ならびにHBr捕捉剤として使用される。重合反応は、0.2〜100時間を要し得る。有機塩基、例えば、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドなど、および相間移動触媒、例えば、TBABなどは、ホウ素の活性を促進し得る(例えば、Leadbeater&Marco;Angew.Chem.Int.Ed.Eng.42(2003) 1407およびその中で引用されている参考文献を参照のこと)。反応条件における他の変法は、T.I.WallowおよびB.M.Novak,J.Org.Chem.59(1994) p5034〜5037;およびM.Remmers,M.Schulze,およびG.Wegner,Macromol.Rapid Commun.17(1996) p239〜252において提供されている。分子量の制御は、過剰なジブロミド、ジボロン酸、またはジボロネートか、あるいは連鎖停止剤を使用することにより可能である。
【0053】
所望であれば、そのような反応において単官能性ハロゲン化物、ボロネート、例えば、単官能性ハロゲン化アリールまたはアリールボロネートなどを、連鎖停止剤として使用してもよく、その場合、結果として末端アリール基:
【化63】

が形成される。
【0054】
Suzuki反応に供給されるモノマーの順序および組成を制御することによって、結果として得られるコポリマーにおけるモノマーユニットの配列化を制御することが可能である。
【0055】
本発明のポリマーは、Stilleカップリング法によって合成することも可能である(例えば、Babudriら,J.Mater.Chem.,2004,14,p11〜34;J.K.Stille,Angew.Chemie Int.Ed.Engl.1986,25,508を参照のこと)。式IIに対応するポリマーを製造するために、不活性溶媒中で、0℃〜200℃の範囲の温度でパラジウム含有触媒の存在下において、式:
【化64】

のジハロゲニドを、等モル量の式:
【化65】

に対応する有機スズ化合物と反応させるか、または、式:
【化66】

のジハロゲニドを、等モル量の式:
【化67】

に対応する有機スズ化合物と反応させ、この場合、
11は、各場合において独立して、−SnR207208209であり、ここで、R207、R208、およびR209は、同じであるまたは異なっており、HまたはC1〜C6アルキルであるか、あるいは基R207、R208、およびR209のうちの2つが環を形成し、ならびにこれらの基は、場合により分岐していてもよい。本明細書で使用されるすべてのモノマーの全体において、有機スズの官能価とハロゲンの官能価の比率が、正確に釣り合いが取れていなければならない。加えて、単官能性試薬による末端キャッピングにより、反応の終了時に任意の過剰な反応性基を除去することが有利であることは明確であり得る。当該方法を実施するために、スズ化合物およびハロゲン化合物を、好ましくは1種以上の不活性有機溶媒中に導入し、0〜200℃、好ましくは30〜170℃、の温度で、1時間〜200時間、好ましくは5時間〜150時間撹拌する。粗生成物は、それぞれのポリマーに適切な当業者に公知の方法、例えば、再沈殿の繰り返しなどによって精製することができ、あるいは透析によっても精製することができる。
【0056】
説明された方法に好適な有機溶媒は、例えば、エーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、ジイソプロピルエーテル、およびtert−ブチルメチルエーテルなど、炭化水素、例えば、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、およびキシレンなど、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、1−ブタノール、2−ブタノール、およびtert−ブタノールなど、ケトン、例えば、アセトン、エチルメチルケトン、およびイソブチルメチルケトンなど、アミド、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、およびN−メチルピロリドンなど、亜硝酸塩、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、およびブチロ二トリルなど、ならびにそれらの混合物である。
【0057】
パラジウムおよびホスフィン成分は、 Suzuki変法の説明と同様に選択するべきである。
【0058】
あるいは、本発明のポリマーは、亜鉛試薬A−(ZnX222(式中、X22は、ハロゲンおよびハロゲン化物である)およびCOM1−(X232(式中、X23は、ハロゲンまたはトリフレートである)を使用して、あるいはA−(X232およびD−(ZnX222を使用して、Negishi反応により合成することもできる。例えば、E.Negishiら,Heterocycles 18(1982) 117−22を参照されたい。
【0059】
あるいは、本発明のポリマーは、有機ケイ素試薬A−(SiR2102112122(式中、R210、R211、およびR212は、同じであるまたは異なっており、ハロゲン、C1〜C6アルキルである)およびCOM1−(X232(式中、X23はハロゲンまたはトリフレートである)を使用して、あるいはA−(X232およびCOM1−(SiR2102112122を使用して、Hiyama反応により合成することも可能である。例えば、T.Hiyamaら,Pure Appl.Chem.66(1994) 1471−1478およびT.Hiyamaら,Synlett(1991) 845−853を参照されたい。
【0060】
タイプ(A)nのホモポリマーは、ジハライド:
【化68】

のYamamotoカップリング法により得ることができ、この場合、X10は、ハロゲン、好ましくは臭化物である。あるいは、タイプ(A)nのホモポリマーは、例えば、酸化剤としてのFeCl3を用いて、ユニット:
【化69】

の酸化重合によって得ることができ、この場合、X10は、ハロゲンである。
【0061】
1および/またはR2がハロゲンである場合のポリマーは、重合の後に除去することができる保護基を使用することによって得ることができる(例えば、欧州特許出願公開第0648770号、同第0648817号、同第0742255号、同第0761772号、国際公開第98/32802号、同第98/45757号、同第98/58027号、同第99/01511号、同第00/17275号、同第00/39221号、同第00/63297号、および欧州特許出願公開第1086984号を参照のこと)。顔料前駆体のその色素形態への変換は、公知の条件下において、例えば熱により、場合によりさらなる触媒、例えば、国際公開第号00/36210号に記載の触媒などの存在下において分解することにより実施される。
【0062】
そのような保護基の例は、式:
【化70】

の基であり、この場合、
Lは、溶解性を付与するための好適な任意の所望の基である。
【0063】
Lは、好ましくは、式:
【化71】

の基であり、この場合、
1、Z2、およびZ3は、互いに独立して、C1〜C6アルキルであり、
4およびZ8は、互いに独立して、C1〜C6アルキル、または酸素、硫黄、もしくはN(Z122で割り込まれているC1〜C6アルキル、あるいは非置換のフェニルもしくはビフェニル、またはC1〜C6アルキル−置換、C1〜C6アルキル−置換、ハロ−置換、シアノ−置換、もしくはニトロ−置換フェニルもしくはビフェニルであり、
5、Z6、およびZ7は、互いに独立して、水素またはC1〜C6アルキルであり、
9は、水素、C1〜C6アルキル、または式:
【化72】

の基であり、
10およびZ11は、他の基から独立して、水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、N(Z122、あるいは非置換のフェニル、またはハロ−置換、シアノ−置換、ニトロ−置換、C1〜C6アルキル−置換、もしくはC1〜C6アルコキシ−置換フェニルであり、
12およびZ13は、C1〜C6アルキルであり、Z14は、水素、またはC1〜C6アルキルであり、ならびにZ15は、水素、C1〜C6アルキル、あるいは非置換のフェニルまたはC1〜C6アルキル−置換フェニルであり、
Qは、非置換のp,q−C2〜C6アルキレン、あるいはC1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、またはC2〜C12ジアルキルアミノによるモノ−置換またはポリ−置換p,q−C2〜C6アルキレンであって、この場合、pおよびqは、異なる置換位置の数であり、Xは、窒素、酸素、および硫黄から成る群から選択されるヘテロ原子であり、m’は、Xが酸素または硫黄の場合に0であり、mは、Xが窒素の場合に1であり、ならびに
1およびL2は、互いに独立して、非置換またはモノ−もしくはポリ−C1〜C12アルコキシ、−C1〜C12アルキルチオ−、−C2〜C24ジアルキルアミノ−、−C6〜C12アリールオキシ−、−C6〜C12アリールチオ−、−C7〜C24アルキルアリールアミノ−、または−C12〜C24ジアリールアミノ−置換C1〜C6アルキルであるか、または[−(p’,q’−C2〜C6アルキレン)−Z−]n’−C1〜C6アルキルであり、n’は、1〜1000の数であり、p’およびq’は、異なる置換位置の数であり、各Zは、任意の他の基から独立して、ヘテロ原子の酸素もしくは硫黄、またはC1〜C12アルキル−置換窒素であり、ならびに繰り返し[−C2〜C6アルキレン−Z−]ユニットにおけるC2〜C6アルキレンは同じであってもまたは異なっていてもよく、ならびに、
1およびL2は、飽和であっても、または1〜10の不飽和であってもよく、割り込まれていなくても、または、−(C=O)−および−C64から成る群から選択される1〜10個の基で任意の位置において割り込まれていてもよく、ならびにさらなる置換基を有していなくても、またはハロゲン、シアノ、およびニトロから成る群から選択される1〜10個のさらなる置換基を有していてもよい。最も好ましいLは、式:
【化73】

の基である。
【0064】
式:
【化74】

の化合物の合成は、国際公開第08/000664号および同第09/047104号に記載されており、あるいは、それらに記載されている方法と同様の方法において行うことができる。式:
【化75】

のN−アリール置換化合物の合成は、米国特許第5,354,869号および国際公開第03/022848号に記載されている方法と同様の方法において行うことができる。
【0065】
式:
【化76】

[式中、
a、a’、b、b’、c、c’、d、d’、R1、R2、Ar1、Ar1’、Ar2、Ar2’、Ar3、Ar3’、Ar4、およびAr4’は、請求項1において定義された通りであり、ならびにXは、ZnX12、−SnR207208209であり、この場合、R207、R208、およびR209は、同じであるまたは異なっており、HまたはC1〜C6アルキルであり、ここで、場合により2つの基が共通の環を形成してもよく、ならびにこれらの基は、場合により分岐していても、あるいは分岐していなくてもよく、X12は、ハロゲン原子、とりわけIまたはBr;あるいは−OS(O)2CF3、−OS(O)2−アリール、特に、
【化77】

、−OS(O)2CH3、−B(OH)2、−B(OY12
【化78】

、−BF4Na、または−BF4Kであり、この場合、Y1は、各場合において独立して、C1〜C10アルキル基であり、ならびにY2は、各場合において独立して、C2〜C10アルキレン基、例えば、−CY34−CY56−または−CY78−CY910−CY1112−などであり、ここで、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9、Y10、Y11、およびY12は、互いに独立して、水素またはC1〜C10アルキル基、特に−C(CH32C(CH32−、−C(CH32CH2C(CH32−、または−CH2C(CH32CH2−であり、ならびにY13およびY14は、互いに独立して、水素またはC1〜C10アルキル基である]の化合物は、新規であり、本発明の更なる主題を形成する。
【0066】
本発明のポリマーを含有する混合物により、結果として、本発明のポリマー(典型的には、5質量%〜99.9999質量%、特に20〜85質量%)と少なくとも別の材料とを含む半導電層が得られる。当該他の材料は、本発明の異なる分子量を有する同じポリマーのごく一部、本発明の他のポリマー、半導電性ポリマー、有機小分子、例えば、式IIIの化合物など、カーボンナノチューブ、フラーレン誘導体、無機粒子(量子ドット、量子ロッド、量子トライポッド、TiO2、ZnOなど)、導電性粒子(Au、Agなど)、ゲート誘電体のために説明されたもののような絶縁材料(PET、PSなど)であり得るが、これらに限定されるわけではない。
【0067】
したがって、本発明はさらに、本発明によるポリマーを含む有機半導体材料、層、または構成部分に関する。
【0068】
本発明により、本発明のポリマーは、半導体デバイスにおける半導体層として使用することができる。したがって、本発明はさらに、本発明のポリマー、あるいは有機半導体材料、層、または構成部分を含む半導体デバイスに関する。当該半導体デバイスは、特に有機光発電(PV)デバイス(太陽電池)、フォトダイオード、または有機電界効果トランジスタである。
【0069】
様々なタイプの半導体デバイスが存在する。すべてに共通するのは、1種以上の半導体材料の存在である。半導体デバイスについては、例えば、S.M.SzeによりPhysics of Semiconductor Devices,第二版,John WileyおよびSons,ニューヨーク(1981)に記載されている。そのようなデバイスとしては、整流器、トランジスタ(p−n−p型、n−p−n型、および薄膜トランジスタなど様々なタイプが存在する)、発光半導体デバイス(例えば、表示用途の有機発光ダイオード、または例えば液晶ディスプレイなどのバックライト)、光導電体、電流制限器、太陽電池、サーミスター、pn接合、電界効果ダイオード、Schottkyダイオードなどが挙げられる。各半導体デバイスにおいて、半導体材料は、当該デバイスを形成するために、1種以上の金属、金属酸化物、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)など、および/または絶縁体と組み合わされる。半導体デバイスは、既知の方法、例えば、Peter Van ZantによりMicrochip Fabrication,第四版,McGraw−Hill,ニューヨーク(2000)に記載されている方法などによって製造または製作することができる。特に、有機電子部品は、D.R.GamotaらによりPrinted Organic and Molecular Electronics,Kluver Academic Publ.,ボストン,2004に記載されているようにして製作することができる。
【0070】
トランジスタデバイスの特定の有用なタイプである薄膜トランジスタ(TFT)は、一般的に、ゲート電極、当該ゲート電極上のゲート誘電体、当該ゲート誘電体に隣接するソース電極およびドレイン電極、ならびに当該ゲート誘電体と当該ソース電極およびドレイン電極とに隣接する半導体層を具備する(例えば、S.M.Sze,Physics of Semiconductor Devices,第二版,John WileyおよびSons,p492,ニューヨーク(1981)を参照のこと)。これらの構成部分は、様々な構成において組み立てることができる。より具体的には、OFETは、有機半導体層である。
【0071】
通常、製作、試験、および/または使用の際には、OFETは基板によって支持される。場合により、当該基板は、OFETに対して電気的機能を提供してもよい。有用な基板材料としては、有機および無機の材料が挙げられる。例えば、当該基板は、シリコンの様々な適切な形態を含むシリコン材料、無機ガラス、セラミックホイル、ポリマー性材料(例えば、アクリル、ポリエステル、エポキシ、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリケトン、ポリ(オキシ−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレンカルボニル−1,4−フェニレン)(場合によって、ポリ(エーテルエーテルケトン)またはPEEKと呼ばれる)、ポリノルボルネン、ポリフェニレンオキシド、ポリ(エチレンナフタレンジカルボキシレート)(PEN)、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(フェニレンスルフィド)(PPS))、充填ポリマー性材料(例えば、繊維強化プラスチック(FRP))、およびコーティングされた金属ホイルを含み得る。
【0072】
ゲート電極は、任意の有用な導電性材料であり得る。例えば、ゲート電極は、ドーピングされたシリコン、あるいは金属、例えば、アルミニウム、クロム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金、タンタル、およびチタンなどを含み得る。導電性酸化物、例えばイリジウムスズ酸化物など、またはカーボンブラック/グラファイトで構成された導電性インク/ペースト、またはコロイド状銀分散物も、場合によりポリマーバインダーを含有した状態において使用することができる。例えばポリアニリンまたはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)などの導電性ポリマーも使用することができる。加えて、これらの材料の合金、組み合わせ、および多層も有用であり得る。いくつかのOFETでは、同じ材料が、ゲート電極の機能と基材の支持機能とを担っていてもよい。例えば、ドーピングされたシリコンは、ゲート電極として機能することができ、ならびにOFETを支持することができる。
【0073】
ゲート誘電体は、一般的に、ゲート電極上に設けられる。このゲート誘電体は、ゲート電極をOFETデバイスの均衡から電気的に絶縁している。ゲート誘電体用に有用な材料は、例えば、無機の電気的に絶縁性の材料を含み得る。
【0074】
ゲート誘電体(絶縁体)は、例えば、酸化物、窒化物などの材料であってもよく、あるいは強誘電性絶縁体(例えば、ポリ(フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレンまたはポリ(m−キシリレンアジポアミド)などの有機材料)から選択される材料であってもよく、あるいは、例えば、J.Veresらにより.Chem.Mat.2004,16,4543またはA.FacchettiらによりAdv.Mat.2005,17,1705に記載されているような有機ポリマー性絶縁体(例えば、ポリ(メタクリレート、ポリ(アクリレート)、ポリイミド、ベンゾシクロブテン(BCB)、パリレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート)であってもよい。ゲート誘電体用に有用な材料の具体例としては、ストロンチウム酸塩、タンタル酸塩、チタン酸塩、ジルコニウム酸塩、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化タンタル、酸化チタン、窒化ケイ素、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸バリウムジルコネート、セレン化亜鉛、および硫化亜鉛が挙げられ、例えば、これに限定されるわけではないが、PbZrxTi1-x3(PZT)、Bi4Ti312、BaMgF4、Ba(Zr1-XTiX)O3(BZT)などである。加えて、これらの材料の合金、ハイブリッド材料(例えば、ポリシロキサンまたはナノ粒子充填ポリマー)、組み合わせ、多層をゲート誘電体に使用することができる。当該誘電体層の厚さは、例えば、約10〜1000nm、より具体的には約100〜500nmであり、0.1〜100ナノファラド(nF)の範囲のキャパシタンスを提供する。
【0075】
ソース電極およびドレイン電極は、ゲート誘電体によってゲート電極から分離されており、一方、有機半導体層は、ソース電極およびドレイン電極の上または下に配置され得る。ソース電極およびドレイン電極は、任意の有用な導電性材料であり得、好ましくは、当該半導体層に対して低抵抗のオーム接触を提供する。有用な材料としては、ゲート電極用に上記において説明された材料のほとんど、例えば、アルミニウム、バリウム、カルシウム、クロム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金、チタン、ポリアニリン、PEDOT:PSS、他の導電性ポリマー、それらの合金、それらの組み合わせ、およびそれらの多層が挙げられる。当技術分野において既知であるように、これらの材料のいくつかは、n型半導体材料での使用に適切であり、残りのものはp型半導体材料での使用に適切である。
【0076】
薄膜電極(すなわち、ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極)は、任意の有用な方法、例えば、物理蒸着法(例えば、熱蒸発またはスパッタリング)、または(インクジェット)印刷法などによって得ることができる。これらの電極のパターン形成は、既知の方法、例えば、シャドー・マスク、加法的フォトリソグラフィ、減法的フォトリソグラフィ、印刷、マイクロコンタクト印刷、およびパターンコーティングなどによって達成することができる。
【0077】
本発明はさらに、基板に配置された複数の導電性ゲート電極と、当該導電性ゲート電極上に配置されたゲート絶縁体層と、それぞれのセットが当該ゲート電極のそれぞれと揃うように当該絶縁体層上に配置された導電性ソース電極およびドレイン電極の複数のセットと、上記ゲート電極を実質的に覆う上記絶縁体層上の、ソース電極およびドレイン電極の間のチャネルに配置された有機半導体層とを含み、当該有機半導体層が、本発明のポリマーあるいは有機半導体材料、層、または構成部分を含む、有機電界効果トランジスタデバイスを提供する。
【0078】
本発明はさらに、薄層トランジスタデバイスを製造する方法であって、
複数の導電性ゲート電極を基板上に配置する工程と、
ゲート絶縁体層を当該導電性ゲート電極上に配置する工程と、
それぞれのセットが当該ゲート電極のそれぞれと揃うように導電性ソース電極およびドレイン電極の複数のセットを当該層上に配置する工程と、
本発明のポリマーまたは本発明のポリマーを含有する混合物の当該層が当該ゲート電極を実質的に覆うように当該絶縁体層上に本発明のポリマーの層を配置する工程と、
を含み、それにより薄膜トランジスタデバイスを製造する方法を提供する。
【0079】
あるいは、OFETは、例えば、熱成長酸化物層で覆われた、高濃度にドーピングされたシリコン基板上へポリマーを溶液堆積させ、その後に真空蒸着によりソース電極およびドレイン電極をパターン形成することによって作製される。
【0080】
さらに別の手法において、OFETは、熱成長酸化物で覆われた、高濃度にドーピングされたシリコン基板上に、ソース電極およびドレイン電極を蒸着し、次いで、当該ポリマーを溶液堆積させて薄膜を形成することによって作製される。
【0081】
当該ゲート電極は、基板上のパターン形成された金属ゲート電極、または導電性ポリマーなどの導電性材料であってもよく、これらは、当該パターン形成された当該ゲート電極上に、溶液コーティングまたは真空蒸着のいずれかによって適用された絶縁体でコーティングされる。
【0082】
不活性であり、従来の乾燥手段(例えば、加熱、減圧、エアフローなど)によって基板から部分的にまたは完全に除去することができるのであれば、任意の好適な溶媒を使用して、本出願のポリマーを溶解および/または分散させることができる。本発明の半導体を処理するための好適な有機溶媒としては、芳香族または脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、例えば、塩素化炭化水素もしくはフッ素化炭化水素、エステル、エーテル、アミドなど、例えば、クロロホルム、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、テトラリン、デカリン、アニソール、キシレン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)など、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。好ましい溶媒は、キシレン、トルエン、テトラリン、デカリン、それらの塩素化物、例えば、クロロホルム、クロロベンゼン、オルト−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなど、ならびにそれらの混合物である。次いで、溶液および/または分散液を、例えば、スピンコーティング、ディップコーティング、スクリーン印刷、マイクロコンタクト印刷、ドクターブレード法、または当該技術分野で既知の他の溶液塗布技術などの方法により基板に塗布することによって、半導電材料の薄膜を得る。
【0083】
「分散液」という用語は、溶媒に完全には溶解しない本発明の半導体材料を含む任意の組成物を包含する。当該分散液は、少なくとも本発明のポリマーを含む組成物または本発明のポリマーを含有する混合物と溶媒とを選択し(当該ポリマーは、室温では当該溶媒において低い溶解度を示すが、高温では高い溶解度を示し、当該組成物は、撹拌せずに当該高温が第一の低温に下げられた場合にゲル化する)、当該ポリマーの少なくとも一部を高温において溶媒に溶解させ、当該組成物の温度を高温から第一の低温まで下げ、当該組成物を撹拌してゲル化を中断し(当該撹拌は、該組成物の高温を第一の低温まで下げる前、下げると同時に、または下げた後の任意の時点で開始される)、当該組成物の層を堆積させ(当該組成物は、高温より低い第二の低温である)、当該層を少なくとも部分的に乾燥させることによって適用することができる。
【0084】
当該分散液は、(a)溶媒、バインダー樹脂、および場合により分散剤を含む連続相、ならびに(b)本発明のポリマーまたは本発明のポリマーを含有する混合物を含む分散相で構成され得る。溶媒中における本発明のポリマーの溶解度は、例えば、溶解度の0%〜約20%、特に溶解度の0%〜約5%の範囲で変わり得る。
【0085】
好ましくは、有機半導体層の厚さは、約5〜約1000nmの範囲であり、特に、約10〜約100nmの範囲である。
【0086】
本発明のポリマーは、半導体デバイスの有機半導体層として、単独で、または組み合わせにおいて使用することができる。当該層は、任意の有用な手段、例えば、蒸着(比較的低分子量の材料の場合)および印刷技術によって設けることができる。本発明の化合物は、有機溶媒に十分に可溶であり得、ならびに(例えば、スピンコーティング法、ディップコーティング法、インクジェット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、マイクロコンタクト(ウェイブ)プリント法、ドロップキャスティング法もしくはゾーンキャスティング法、または他の既知の技術によって)溶液堆積およびパターン形成することができる。
【0087】
本発明のポリマーは、複数のOTFTを含む集積回路、ならびに様々な電子物品において使用することができる。そのような物品としては、例えば、高周波識別(RFID)タグ、フレキシブルディスプレイのバックプレーン(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、または携帯機器での使用のため)、スマートカード、メモリーデバイス、センサー(例えば、光センサー、画像センサー、バイオセンサー、化学センサー、メカニカルセンサー、または温度センサー)、特にフォトダイオード、またはセキュリティデバイスなどが挙げられる。その両極性により、当該材料は、有機発光トランジスタ(OLET)においても使用することもできる。
【0088】
本発明のさらなる態様は、本発明の1種以上のポリマーを含む、有機半導体材料、層、または構成部分である。さらなる態様は、有機光発電(PV)デバイス(太陽電池)、フォトダイオード、または有機電界効果トランジスタ(OFET)における、本発明のポリマーまたは材料の使用である。さらなる態様は、本発明のポリマーまたは材料を含む、有機光発電(PV)デバイス(太陽電池)、フォトダイオード、または有機電界効果トランジスタ(OFET)である。
【0089】
本発明のポリマーは、通常、好ましくは30ミクロン未満の厚さの有機薄層または薄膜の形態における有機半導体として使用される。典型的には、本発明の半導電層は、せいぜい1ミクロン(=1μm)の厚さであるが、必要であればさらに厚くすることも可能である。様々な電子デバイス用途のために、当該厚さは、約1ミクロン未満であり得る。例えば、OFETにおける使用では、当該層厚は、典型的には100nm以下であり得る。当該層の正確な厚さは、例えば、当該層が使用される電子デバイスの要件に応じて変わるであろう。
【0090】
例えば、OFETにおけるドレインとソースとの間の活性な半導体チャンネルは、本発明の層を含み得る。
【0091】
本発明によるOFETは、好ましくは、
− ソース電極と、
− ドレイン電極と、
− ゲート電極と、
− 半導電層と、
− 1層以上のゲート絶縁体層と、
− 場合により基板と
を具備し、この場合、当該半導体層は、本発明の1種以上のポリマーを含む。
【0092】
OFETデバイスにおけるゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極、ならびに絶縁層および半導電層は、任意の順序で配置してもよいが、ただし、当該ソース電極およびドレイン電極は、絶縁層によってゲート電極から分離されており、当該ゲート電極および半導体層は両方とも絶縁層に接触しており、ならびに当該ソース電極およびドレイン電極は両方とも半導電層に接触している。
【0093】
好ましくは、OFETは、第一の側と第二の側を有する絶縁体と、当該絶縁体の第一の側に位置されたゲート電極と、当該絶縁体の第二の側に位置された、本発明のポリマーを含む層と、当該ポリマー層上に位置されたドレイン電極およびソース電極とを具備する。
【0094】
当該OFETデバイスは、トップゲート型デバイスまたはボトムゲート型デバイスであり得る。
【0095】
OFETデバイスの好適な構造および製造方法は、当業者に既知であり、例えば、国際公開第03/052841号などの文献に記載されている。
【0096】
当該ゲート絶縁体層は、例えば、市販のCytop 809M(登録商標)またはCytop 107M(登録商標)(旭硝子社製)のようなフルオロポリマーを含んでいてもよい。好ましくは、ゲート絶縁体層は、絶縁体材料と1個以上のフッ素原子を有する1種以上の溶媒(フッ化溶媒)、好ましくは過フッ化溶媒、とを含む配合物から、例えば、スピンコーティング法、ドクターブレード法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法もしくはディップコーティング法、または他の既知の方法により堆積させる。好適な過フッ化溶媒は、例えば、FC75(登録商標)(Acros社から入手可能、カタログ番号12380)などである。他の好適なフッ化ポリマーおよびフッ化溶媒は、例えば、Teflon AF(登録商標)1600もしくは2400(DuPont社製)、またはFluoropel(登録商標)(Cytonix社製)、または過フッ化溶媒FC 43(登録商標)(Acros社製、No.12377)のように、先行技術において公知である。
【0097】
本発明のポリマーを含む半導電層は、さらに、少なくとも別の材料を含んでいてもよい。当該他の材料は、本発明の別のポリマー、半導電性ポリマー、ポリマー性バインダー、本発明のポリマーとは異なる有機小分子、カーボンナノチューブ、フラーレン誘導体、無機粒子(量子ドット、量子ロッド、量子トライポッド、TiO2、ZnOなど)、導電性粒子(Au、Agなど)、ゲート誘電体に対して記載されているもののような絶縁体材料(PET、PSなど)であり得るが、これらに限定されるわけではない。上記において言明されているように、当該半導電層は、本発明の1種以上のポリマーとポリマー性バインダーとの混合物で構成され得る。本発明のポリマーとポリマー性バインダーの比率は、5〜95パーセントにおいて変わり得る。好ましくは、当該ポリマー性バインダーは、半結晶性ポリマー、例えば、ポリスチレン(PS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、およびポリメチルメタクリレート(PMMA)である。この技術により、電気性能の劣化を避けることができる(国際公開第2008/001123(A1)号を参照のこと)。
【0098】
本発明のポリマーは、有機光発電(PV)デバイス(太陽電池)において有利に使用される。したがって、本発明は、本発明によるポリマーを含むPVデバイスを提供する。この構成のデバイスは整流特性も有しており、そのため、フォトダイオードと呼ばれ得る。光応答性デバイスは、光から電気を発生させる太陽電池として、および光を測定または検出する光検出器としての応用性を有する。
【0099】
PVデバイスは、
(a)陽極(電極)と、
(b)場合により、アルカリハロゲン化物、特にフッ化リチウムなどの移行層と、
(c)光活性層と、
(d)場合により平滑化層と、
(e)陰極(電極)と、
(f)基板と
をこの順序で具備する。
【0100】
光活性層は、本発明のポリマーを含む。好ましくは、当該光活性層は、電子供与体としての本発明の共役ポリマーと、電子受容体としてのフラーレン、特に官能化フラーレンPCBMのような電子受容体材料とで構成される。ヘテロ接合太陽電池では、活性層は、好ましくは、1:1〜1:3の質量比における、本発明のポリマーと、フラーレン、例えば、[60]PCBM(=6,6−フェニル−C61−酪酸メチルエステル)または[70]PCBMなどとの混合物を含む。
【0101】
光発電デバイスの構造および構成部分については、以下においてより詳細に説明する。
【0102】
さらなる実施形態において、本発明は、式:
【化79】

[式中、
a、a’、b、b’、c、c’、d、d’、R1、R2、Ar1、Ar1’、Ar2、Ar2’、Ar3、Ar3’、Ar4、およびAr4’は、上記において定義された通りであり、
10およびR10’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、C1〜C25アルコキシ、または式IVa〜IVi:
【化80】

のうちの1つの基であって、この場合、
22〜R26およびR29〜R58は、互いに独立して、H、ハロゲン、C1〜C25アルキル、Eで置換されているおよび/またはDで割り込まれているC1〜C25アルキル、C6〜C24アリール、Gで置換されているC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gで置換されているC2〜C20ヘテロアリール、C4〜C18シクロアルキル基、Gで置換されているC4〜C18シクロアルキル基、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eで置換されているおよび/またはDで割り込まれているC1〜C18アルコキシ、C7〜C25アラルキル、またはGで置換されているC7〜C25アラルキルを表し、
27およびR28は、互いに独立して、水素、C1〜C25アルキル、またはC7〜C25アラルキルであるか、あるいはR27およびR28が一緒に、両方が酸素および/または硫黄を介してチエニル残基に結合していてもよく、ならびに両方が最高25個までの炭素原子を有するアルキレンもしくはアルケニレンを表し、
Dは、−CO−、−COO−、−S−、−O−、または−NR112−であり、
Eは、C1〜C8チオアルコキシ、C1〜C8アルコキシ、CN、−NR112113、−CONR112113、またはハロゲンであり、
Gは、EまたはC1〜C18アルキルであり、ならびに、
112およびR113は、互いに独立して、H;C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルまたはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;あるいは−O−で割り込まれているC1〜C18アルキルである]の化合物であって、ただし、以下の化合物:
【化81】

は除外される化合物に関する。
【0103】
好ましくは、R10およびR10’は、互いに独立して、水素、C1〜C25アルキル、またはIVbまたはVIcのうちの1つの基であり、この場合、R22〜R26およびR29〜R58は、互いに独立して、水素またはC1〜C25アルキルを表す。
【0104】
本発明の好ましい実施形態において、Ar1、およびAr1’は、式Xa、Xb、Xc、Xd、およびXg、特にXa、Xc、およびXgから選択される基である。発明の別の好ましい実施形態において、Ar1およびAr1’は、式Xe、Xf、Xh、Xi、Xj、Xk、Xm、Xn、Xq、Xr、Xv、Xx、Xy、XIa、XIb、XIg、XIh、XIi、およびXIl、特にXe、Xj、Xm、Xn、Xr、Xv、Xx、XIb、およびXIiから選択される基である。
【0105】
上記の実施形態において、式:
【化82−1】

【0106】
【化82−2】

【0107】
【化82−3】

の化合物がより好ましく、この場合、
1はC8〜C36アルキル基であり、
3およびR3’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、あるいはC1〜C25アルコキシであり;R3’’はR3の意味を有し、
104およびR104’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、あるいはC1〜C25アルコキシであり、
4、R4’、R5、およびR5’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、あるいはC1〜C25アルコキシであり、
7、R7’、R9、およびR9’は、互いに独立して、水素、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキルであり、
8は、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルまたはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;あるいはC1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキルであり、
12およびR12’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C1〜C25アルコキシ、あるいは
【化83】

であり、この場合、R13は、C1〜C10アルキル基またはトリ(C1〜C8アルキル)シリル基であり、
ならびにR10は、水素、C1〜C25アルキル、または式IVbまたはVIcのうちの1つの基であり、この場合、R22〜R26およびR29〜R58は、互いに独立して、水素またはC1〜C25アルキルを表す。
【0108】
本発明の上記の実施形態において、式IIIa、IIIb、IIIc、IIIe、IIIg、IIIi、IIIj、IIIk、およびIIIlの化合物が好ましく、式IIIa、IIIb、IIIc、IIIe、IIIj、およびIIIlの化合物がより好ましく、式IIIeの化合物が最も好ましく、この場合、
1は、C8〜C36アルキルであり、
3は、水素、ハロゲン、またはC1〜C25アルキルであり、
4、R4’、R5、R5’、およびR6は、互いに独立して、水素、ハロゲン、またはC1〜C25アルキルであり、
7、R7’、R9、およびR9’は、互いに独立して、水素またはC1〜C25アルキルであり、
8は、C1〜C25アルキル、特にC4〜C25アルキルである。
【0109】
式IIIの化合物の製造方法は、
(a)コハク酸ジメチルのようなジコハク酸塩1モルを、式:
【化84】

のニトリル1モルおよび式:
【化85】

のニトリル1モルと(強塩基の存在下において)反応させる工程と、
(b)場合により、工程a)において得られた式:
【化86】

[式中、
10およびR10’は、上記において定義された通りである]の化合物を式R1−Hal[式中、Halは、ハロゲン、−O−メシレート、または−O−トシレートであり、好ましくは臭化物またはヨウ化物である]の化合物と、炭酸カリウムのような好適な塩基の存在下において、N−メチル−ピロリドンのような好適な溶媒中で反応させる工程と、ならびに、
(c)場合により、工程b)において得られた式:
【化87】

[式中、
10およびR10’は水素であり、a、a’、b、b’、c、c’、d、d’、R1、R2、Ar1、Ar1’、Ar2、Ar2’、Ar3、Ar3’、Ar4、およびAr4’は、上記において定義された通りである]の化合物を、N−ブロモ−スクシンイミドのような好適な臭素化剤と反応させる工程と
を含む。
【0110】
式IIIの化合物は、既知の方法によって製作することができる。例えば、国際公開第09/047104号の第16〜20頁を参照されたい。
【0111】
式VIの化合物は、米国特許第4,579,949号に記載されているようにして、コハク酸ジメチルのようなジコハク酸塩1モルを、式:
【化88】

のニトリル1モルおよび式:
【化89】

のニトリル1モルと反応させることによって得ることができる。式VIの対称な化合物は、コハク酸ジメチルのようなジコハク酸塩を、式:
【化90】

のニトリル2モルと(強塩基の存在下において)反応させることによって得られる。
【0112】
あるいは、式VIの上記の化合物は、米国特許第4,659,775号に記載されているように、ニトリルをピロリノン−3−カルボン酸のエステル誘導体のような好適なエステルと反応させることによって得ることができる。
【0113】
式VIの化合物は、基R1の導入のために、例えば、炭酸カリウムのような好適な塩基の存在下において、N−メチル−ピロリドンのような好適な溶媒中で、式R1−Brの臭化物との反応によってN−アルキル化される。当該反応は、およそ室温〜約180℃の温度、好ましくは約100℃〜約170℃の温度、例えば140℃で実施される。
【0114】
このようにして得られた式VIIの化合物を、次いで、N−ブロモ−スクシンイミドのような好適な臭素化剤と反応させ、それぞれ式VIの化合物を得る。当該臭素化は、クロロホルムのような好適な溶媒中において、2当量のN−ブロモ−スクシンイミドを用いて、−30℃〜+50℃の間の温度、好ましくは−10℃〜室温、例えば0℃で実施される。
【0115】
式IIIの化合物、または式IIIの化合物を含む有機半導体材料、層、もしくは構成部分は、有機光発電(太陽電池)およびフォトダイオードにおいて、あるいは有機電界効果トランジスタ(OFET)において、有利に使用することができる。
【0116】
式IIIの化合物を含有する混合物により、結果として、式IIIの化合物(通常、5質量%〜99.9999質量%、特に20〜85質量%)と少なくとも別の材料とを含む半導電層が得られる。他の材料は、式IIIの別の化合物、本発明の別のポリマー、半導電性ポリマー、非導電性ポリマー、有機小分子、カーボンナノチューブ、フラーレン誘導体、無機粒子(量子ドット、量子ロッド、量子トライポッド、TiO2、ZnOなど)、導電性粒子(Au、Agなど)、ゲート誘電体に対して記載されているもののような絶縁体材料(PET、PSなど)であり得るが、これらに限定されるわけではない。
【0117】
したがって、本発明はさらに、式IIIの化合物を含む有機半導体材料、層、または構成部分、ならびに式IIIの化合物および/または有機半導体材料、層、もしくは構成部分を含む半導体デバイスに関する。
【0118】
当該半導体は、好ましくは、有機光発電(PV)デバイス(太陽電池)、フォトダイオード、または有機電界効果トランジスタである。OFETの構造および構成部分については、上記においてより詳細に説明してある。
【0119】
したがって、本発明は、式IIIの化合物を含む有機光発電(PV)デバイス(太陽電池)を提供する。
【0120】
当該PVデバイスは、
(a)陽極(電極)と、
(b)場合により、アルカリハロゲン化物、特にフッ化リチウムなどの移行層と、
(c)光活性層と、
(d)場合により平滑化層と、
(e)陰極(電極)と、
(f)基板と
をこの順序において具備する。
【0121】
光活性層は、式IIIの化合物を含む。好ましくは、当該光活性層は、電子供与体としての式IIIの化合物と、電子受容体としての、フラーレン、特に官能化されたフラーレンPCBMのような、電子受容体材料とから構成される。上記において言明されたように、当該光活性層は、ポリマー性バインダーを含有し得る。式IIIの小分子とポリマー性バインダーの比率は、5〜95パーセントにおいて変わり得る。好ましくは、当該ポリマー性バインダーは、半結晶性ポリマー、例えば、ポリスチレン(PS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、およびポリメチルメタクリレート(PMMA)である。
【0122】
本発明における有用なフラーレンは、幅広い範囲のサイズ(分子当たりの炭素原子の数)を有し得る。本明細書において使用される場合、「フラーレン」という用語は、バックミンスターフラーレン(C60)および関連する「球状」フラーレンならびにカーボンナノチューブなどの炭素のみで構成される様々なケージ状の分子を包含する。フラーレンは、例えばC20〜C1000の範囲の、当該技術分野において既知のものから選択することができる。好ましくは、当該フラーレンは、C60〜C96の範囲から選択される。最も好ましくは、当該フラーレンは、[60]PCBMまたは[70]PCBMなどのC60またはC70である。化学的に修飾されたフラーレンを利用することも可能であるが、ただし、当該修飾されたフラーレンが受容体タイプおよび電子移動特性を保持している場合に限られる。当該受容体材料は、さらに、式IIIの別の化合物、または任意の半導電性ポリマー、例えば、式Iのポリマーなど(ただし、ポリマーが受容体タイプおよび電子移動特性を保持している場合に限る)、有機小分子、カーボンナノチューブ、無機粒子(量子ドット、量子ロッド、量子トライポッド、TiO2、ZnOなど)から成る群から選択される材料であり得る。
【0123】
当該光活性層は、電子供与体としての式IIIの化合物と、電子受容体としての、フラーレン、特に官能化フラーレンPCBMとで構成される。これら2つの成分は、溶媒と混合され、例えば、スピンコーティング法、ドロップキャスティング法、ラングミュア−ブロジェット(「LB」)法、インクジェット印刷法、およびドリップ法によって平滑化層上に溶液として適用される。スキージまたは印刷法を使用して、そのような光活性層によって、より広い表面をコーティングすることも可能であろう。トルエンが典型的であるが、トルエンの代わりに、クロロベンゼンなどの分散剤が、溶媒として好ましく使用される。これらの方法のなかでも、真空蒸着法、スピンコーティング法、インクジェット印刷法、およびキャスティング法が、作業の容易さおよびコストの観点から特に好適である。
【0124】
スピン−コーティング法、キャスト法、およびインクジェット印刷法を用いて層を形成する場合、当該コーティングは、当該組成物を適切な有機溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、アセトニトリル、アニソール、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、およびそれらの混合物などに0.01〜90%の濃度において溶解または分散させることによって製造された溶液および/または分散液を使用して実施することができる。
【0125】
光発電(PV)デバイスは、太陽スペクトルをより多く吸収するために、重ねられて処理される多重接合太陽電池で構成され得る。このような構造は、例えば、App.Phys.Let.90,143512(2007)、Adv.Funct.Mater.16,1897−1903(2006)および国際公開第2004/112161号に記載されている。
【0126】
いわゆる「タンデム型太陽電池」は、
(a)陽極(電極)と、
(b)場合により、アルカリハロゲン化物、特にフッ化リチウムなどの移行層と、
(c)光活性層と、
(d)場合により平滑化層と、
(e)中央電極(Au、Al、ZnO、TiO2など)と、
(f)場合により、エネルギーレベルを整合するための追加電極と、
(g)場合により、アルカリハロゲン化物、特にフッ化リチウムなどの移行層と、
(h)光活性層と、
(i)場合により、平滑層と、
(j)陽極(電極)と、
(k)基板と
をこの順序で具備する。
【0127】
PVデバイスは、例えば、米国特許出願公開第2007/0079867および同第2006/0013549号に記載されているように、ファイバー上で処理することも可能である。
【0128】
それらの優れた自己組織化特性により、式IIIの化合物を含む当該材料または薄膜は、例えば、米国特許出願公開第2003/0021913号に記載されているように、LCDまたはOLEDデバイスにおける配向層中において、または当該配向層として、単独で、または他の材料と一緒に使用することもできる。
【0129】
本発明によるOFETは、好ましくは、
− ソース電極と、
− ドレイン電極と、
− ゲート電極と、
− 半導電層と、
− 1つ以上のゲート絶縁体層と、
− 場合により、基板と
を具備し、この場合、当該半導体層は、式IIIの化合物を含む。
【0130】
OFETデバイスにおけるゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極、ならびに絶縁層および半導電層は、任意の順序で配置してもよいが、ただし、当該ソース電極およびドレイン電極は、絶縁層によってゲート電極から分離されており、当該ゲート電極および半導体層は、両方とも絶縁層に接触しており、ならびに当該ソース電極およびドレイン電極は両方とも半導電層に接触している。
【0131】
好ましくは、当該OFETは、第一の側と第二の側を有する絶縁体と、当該絶縁体の第一の側に位置されたゲート電極と、当該絶縁体の第二の側に位置された式IIIの化合物を含む層と、当該ポリマー層上に位置されたドレイン電極およびソース電極とを具備する。
【0132】
1〜C25アルキル(C1〜C18アルキル)は、典型的には、可能な直鎖状または分枝鎖状である。そのような例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチルおよび2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、テトラコシルまたはペンタコシルである。C1〜C8アルキルは、典型的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチル−プロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチルおよび2−エチルヘキシルである。C1〜C4アルキルは、通常、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルである。
【0133】
1〜C25アルコキシ(C1〜C18アルコキシ)基は、直鎖状または分枝鎖状アルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシもしくはtert−アミルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ヘプタデシルオキシ、およびオクタデシルオキシである。C1〜C8アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、2−ペントキシ、3−ペントキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプタオキシ、n−オクタオキシ、1,1,3,3−テトラメチルブトキシ、および2−エチルヘキソキシであり、好ましくはC1〜C4アルコキシ、例えば、典型的には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシである。「アルキルチオ基」という用語は、エーテル結合の酸素原子が硫黄原子で置き換えられていることを除いてアルコキシ基と同じである基を意味する。
【0134】
2〜C25アルケニル(C2〜C18アルケニル)基は、直鎖状または分枝鎖状アルケニル基、例えば、ビニル、アリル、メタリル、イソプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、n−ペンタ−2,4−ジエニル、3−メチル−ブタ−2−エニル、n−オクタ−2−エニル、n−ドデカ−2−エニル、イソドデセニル、n−ドデカ−2−エニル、またはn−オクタデカ−4−エニルである。
【0135】
2-24アルキニル(C2-18アルキニル)は、直鎖状または分枝鎖状で、好ましくは、C2-8アルキニルであり、非置換もしくは置換されていてもよく、例えば、エチニル、1−プロピン−3−イル、1−ブチン−4−イル、1−ペンチン−5−イル、2−メチル−3−ブチン−2−イル、1,4−ペンタジイン−3−イル、1,3−ペンタジイン−5−イル、1−ヘキシン−6−イル、シス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、トランス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、1,3−ヘキサジイン−5−イル、1−オクチン−8−イル、1−ノニン−9−イル、1−デシン−10−イル、または1−テトラコシン−24−イルである。
【0136】
5〜C12シクロアルキルは、典型的には、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシルであり、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチルであり、非置換であっても、または置換されていてもよい。シクロアルキル基、特に、シクロヘキシル基は、1つまたは2つのフェニルと縮合していてもよく、当該フェニルは、C1〜C4−アルキル、ハロゲン、およびシアノによって一置換〜三置換されていてもよい。そのような縮合したシクロヘキシル基の例は、
【化91】

、特に、
【化92】

であり、この場合、R151、R152、R153、R154、R155、およびR156は、互いに独立して、C1〜C8−アルキル、C1〜C8−アルコキシ、ハロゲン、およびシアノであり、特に水素である。
【0137】
6〜C24アリールは、典型的には、フェニル、インデニル、アズレニル、ナフチル、ビフェニル、as−インダセニル、s−インダセニル、アセナフチレニル、フルオレニル、フェナントリル、フルオランテニル、トリフェンレニル、クリセニル、ナフタセン、ピセニル、ペリレニル、ペンタフェニル、ヘキサセニル、ピレニル、またはアントラセニルであり、好ましくはフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、9−フェナントリル、2−フルオレニルもしくは9−フルオレニル、3−ビフェニルもしくは4−ビフェニルであり、これらは、非置換であってもまたは置換されていてもよい。C6〜C12アリールの例は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、3−ビフェニルもしくは4−ビフェニル、2−フルオレニルもしくは9−フルオレニル、または9−フェナントリルであり、これらは、非置換であってもまたは置換されていてもよい。
【0138】
7〜C25アラルキルは、典型的には、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−ドデシル、ω−フェニル−オクタデシル、ω−フェニル−エイコシル、またはω−フェニル−ドコシルであり、好ましくはC7〜C18アラルキル、例えば、ベンジル、2−ベンジル−2プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−ドデシル、またはω−フェニル−オクタデシルであり、特に好ましくはC7〜C12アラルキル、例えば、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、またはω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチルあり、これらにおいて、脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基の両方が、非置換であっても、または置換されていてもよい。好ましい例は、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、ナフチルエチル、ナフチルメチル、およびクミルである。
【0139】
「カルバモイル基」という用語は、典型的には、C1-18カルバモイル基、好ましくはC1-8カルバモイル基であり、これらは、非置換であっても、または置換されていてもよく、例えば、カルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、tert−ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルバモイル、またはピロリジノカルバモイルである。
【0140】
ヘテロアリールは、典型的には、C2〜C26ヘテロアリール(C2〜C20ヘテロアリール)、すなわち、5〜7個の環原子を有する環であるまたは縮合している環系であり、この場合、窒素、酸素、または硫黄が可能なヘテロ原子であり、ならびに、典型的には、少なくとも6つの共役π電子を有する5〜30個の原子の不飽和複素環基、例えば、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ジベンゾ[b,d]チエニル、チアントレニル、フリル、フルフリル、2H−ピラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、フェノキシチエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ビピリジル、トリアジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、カルボリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソオキサゾリル、フラザニル、またはフェノキサジニルであり、これらは、非置換であってもまたは置換されていてもよい。
【0141】
上述の基の可能な置換基は、C1〜C8アルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C1〜C8アルキル、シアノ基、カルバモイル基、ニトロ基、またはシリル基であり、特に、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C1〜C8アルキル、またはシアノ基である。
【0142】
上記において説明されているように、前述の基は、Eによって置換されていてもよく、および/または、所望であれば、Dで割り込まれていてもよい。割り込みは、当然のことながら、単結合によって互いに接続されている少なくとも2個の炭素原子を含有する基の場合のみ可能であり;C6〜C18アリールは割り込まれておらず;割り込まれているアリールアルキルまたはアルキルアリールは、アルキル部分にユニットDを含有する。1つ以上のEで置換されているおよび/または1つ以上のユニットDで割り込まれているC1〜C18アルキルは、例えば、(CH2CH2O)1-9−RX(式中、RXは、H、またはC1〜C10アルキル、またはC2〜C10アルカノイル(例えば、CO−CH(C25)C49)である)、CH2−CH(ORy’)−CH2−O−Ry(式中、Ryは、C1〜C18アルキル、C5〜C12シクロアルキル、フェニル、C7〜C15フェニルアルキルであり、Ry’は、Ryと同じ定義を包含するか、またはHである);C1〜C8アルキレン−COO−Rz、例えば、CH2COORZ、CH(CH3)COORZ、C(CH32COORZ(式中、RZは、H、C1〜C18アルキル、(CH2CH2O)1-9−RXであり、RXは、上記において示された定義を包含する);CH2CH2−O−CO−CH=CH2;CH2CH(OH)CH2−O−CO−C(CH3)=CH2である。
【0143】
以下の実施例は、例示目的のみのために包含され、クレームの範囲を制限するものではない。そうでないことが言明されていない限り、すべての部およびパーセンテージは質量によるものである。重量平均分子量(Mw)および多分散度(Mw/Mn=PD)は、高温ゲル浸透クロマトグラフィ(HT−GPC)によって測定する[機器:屈折率(RI)からの応答を得る、Polymer laboratories社(チャーチストレットン,UK;現在はVarian)によるGPC PL 220、クロマトグラフ条件:カラム:Polymer Laboratories社(チャーチストレットン,UK)による3つの「PLgel Olexis」カラム;13ミクロンの平均粒径(300×8mmID)、移動相:減圧蒸留によって精製し、ブチルヒドロキシトルエン(BHT、200mg/l)で安定化された1,2,4−トリクロロベンゼン、クロマトグラフ温度:150℃、移動相流量:1ml/分、溶液濃度:約1mg/ml、注入量:200ul、検出:RI、分子量較正の手順:Polymer Laboratories社(チャーチストレットン,UK)から入手した10のポリスチレン較正標準のセットを使用して、1930000Da〜5050Daの分子量範囲、すなわち、PS1930000、PS1460000、PS1075000、PS560000、PS330000、PS96000、PS52000、PS30300、PS10100、PS5050Daにおいて相対的較正を行う。多項式較正法を用いて、分子量を算出する。
【0144】
下記の実施例において与えられるすべてのポリマー構造は、説明される重合手順によって得られるポリマー生成物の理想化した図である。3種以上の成分が互いに共重合される場合、当該ポリマーにおける配列は、重合条件に応じて交互またはランダムであり得る。
【0145】
実施例1:式5の半導電性化合物の製造
【化93】

【0146】
a)228.06gの2−デシル−1−テトラデカノール[58670−89−6]を、484.51gの47%ヨウ化水素酸[10034−85−2]と混合し、当該混合物を一夜還流する。生成物をt−ブチルメチルエーテルで抽出する。次いで、有機相を乾燥させ、濃縮する。生成物を、シリカゲルカラムで精製して、211.54gの所望の化合物1(73%)を得る。
【0147】

【0148】
【化94】

【0149】
b)5.70gのニトリル[40985−58−8]を、調製したばかりのナトリウムt−アミレート(170mlのt−アミルアルコール、2.22gのナトリウム、および10mgのFeCl3)および5.57gのジ−tert−アミルスクシネート(DTAS)と一夜還流して反応させる。粗DPPを酢酸から沈殿させて、5.6gの所望の化合物2(79%)を得る。MS m/z:412である。
【0150】
【化95】

【0151】
c)200mlのジメチルホルムアミド中における4gの化合物2および5.6gの炭酸カリウムを、90℃に加熱し、ついで、11.82gのヨウ化物1を加え、当該混合物を90℃で3時間撹拌する。当該反応混合物を水に注いで冷却した後、当該生成物をろ過し、水で洗浄する。シリカゲルのカラムクロマトグラフィにより精製を行い、1.7gの所望のDPP 3(15%)を得る。
【0152】

【0153】
【化96】

【0154】
d)2.1gの3を40mlのクロロホルムに溶解させ、0℃まで冷却し、1滴の過塩素酸を加え、次いで、0.68gのN−ブロモスクシンイミドを、分けて徐々に、1時間かけて加える。当該反応混合物を0℃で撹拌する。反応が完了した後、当該混合物を水で洗浄する。有機相を抽出し、乾燥させ、濃縮する。次いで、当該化合物をシリカゲルカラムで精製し、2gの式4の所望の化合物(84%)を得る。
【0155】

【0156】
【化97】

【0157】
e)810mgの化合物4、208mgのチオフェン−ジ−ボロン酸ピナコールエステル[175361−81−6]、15mgのPd2(dba)3(トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジ−パラジウム)、および10mgのトリ−tert−ブチルホスホニウム−テトラフルオロボレートを、4mlのテトラヒドロフランに溶解させる。この溶液を、凍結/減圧/解凍(Ar)の3サイクルで脱ガスする。次いで、当該反応混合物を還流温度まで加熱する。次に、418mgのK3PO4を1.2mlの水に溶解させ、アルゴンで脱ガスする。当該水溶液をTHF溶液に加え、当該反応混合物を一夜還流する。14mgの2−チオフェン−モノ−ホウ酸−ピナコール−エステル[193978−23−3]を加え、当該混合物をさらに30分間還流する。次いで、11mgの2−ブロモチオフェン[1003−09−4]を加え、当該混合物をさらに30分間還流する。当該反応混合物を室温まで冷却し、水で希釈して、クロロホルムで抽出する。当該クロロホルム溶液をNaCN水溶液と共に1時間還流する。水を分離し、当該クロロホルム溶液を乾燥する。残留物を、テトラヒドロフランでソックレー抽出する。当該有機相を沈殿させて、635mgの所望のポリマー5を得る。Mw=38000、多分散度=2.78(HT−GPCによって測定)。
【0158】
実施例2:式5の半導電性ポリマーの適用
実施例1において得られた式5のポリマーを0.5%(w/w)クロロホルム溶液でスピン−コーティングすることにより半導体薄膜を調製する。当該スピンコーティングは、3000rpm(1分あたりの回転数)のスピン速度で、周囲条件において約20秒間実施する。当該デバイスは、蒸着し、100℃で15分間アニール処理した後に評価する。
【0159】
トランジスタの性能
トランジスタ挙動は、自動化されたトランジスタプローバー(TP−10、CSEM社,チューリッヒ)で測定し、明確なp型トランジスタ挙動を示した。飽和した伝達特性の平方根の直線近似から、3.5x105のオン/オフ電流比による5.6x10-3cm2/Vsの電界効果移動度が測定され得る。
【0160】
実施例3:式5の半導電性ポリマーの光発電応用
DPPモノマーベースのバルクヘテロ接合太陽電池
当該太陽電池は、以下の構造:Al電極/LiF層/本発明の化合物を含む有機層/[ポリ(3,4−エチレンジオキシ−チオフェン)(PEDOT)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PSS)]/ITO電極/ガラス基板を有する。当該太陽電池は、ガラス基板上のプレパターン形成されたITO上にPEDOT−PSSの層をスピンコーティングすることによって作製する。次いで、式5のポリマー(1質量%):[70]PCBM(置換C70フラーレン)の1:1混合物をスピンコーティングする(有機層)。LiFおよびAlを、シャドー・マスクを通して、高真空下において昇華させる。
【0161】
太陽電池性能
当該太陽電池を、太陽光シミュレータの下で測定する。次いで、外部量子効率(EQE)グラフにより、電流をAM1.5条件下において評価する。これにより、評価された全体効率0.73%に対し、Jsc=2.4mA/cm2、FF=0.51、およびVoc=0.59Vを得る。
【0162】
実施例4:ポリマー10の合成
【化98】

【0163】
a)228.06gの2−デシル−1−テトラデカノール[58670−89−6]を、484.51gの47%ヨウ化水素酸[10034−85−2]と混合し、当該混合物を一夜還流する。当該生成物をt−ブチルメチルエーテルで抽出する。次いで、有機相を乾燥し、濃縮する。当該生成物をシリカゲルカラムで精製し、211.54gの所望の化合物6を得る(73%)。
【0164】

【0165】
【化99】

【0166】
b)5.70gのニトリル[40985−58−8]を、調製したばかりのナトリウムt−アミレート(170mlのt−アミルアルコール、2.22gのナトリウム、および10mgのFeCl3)および5.57gのジ−tert−アミルスクシネート(DTAS)と一夜還流しながら反応させる。粗DPPを酢酸から沈殿させて、5.6gの所望の化合物7(79%)を得る。MS m/z:412である。
【0167】
【化100】

【0168】
c)200mlのジメチルホルムアミド中における4gの化合物7および5.6gの炭酸カリウムを、90℃に加熱し、ついで、11.82gのヨウ化物6を加え、当該混合物を90℃で3時間撹拌する。当該反応混合物を水に注いで冷却した後、当該生成物をろ過し、水で洗浄する。シリカゲルのカラムクロマトグラフィにより精製を行い、1.7gの所望のDPP 8(15%)を得る。
【0169】

【0170】
【化101】

【0171】
d)2.1gの8を40mlのクロロホルムに溶解させ、0℃まで冷却し、1滴の過塩素酸を加えた後、0.68gのN−ブロモスクシンイミドを、分けて徐々に、1時間かけて加える。当該反応混合物を0℃で撹拌する。反応が完了した後、当該混合物を水で洗浄する。有機相を抽出し、乾燥させ、濃縮する。次いで、当該化合物をシリカゲルカラムで精製し、2gの式9の所望の化合物(84%)を得る。
【0172】

【0173】
【化102】

【0174】
e)810mgの化合物9、208mgのチオフェン−ジ−ボロン酸ピナコールエステル[175361−81−6]、15mgのPd2(dba)3(トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジ−パラジウム)、および10mgのトリ−tert−ブチルホスホニウム−テトラフルオロボレートを、4mlのテトラヒドロフランに溶解させる。この溶液を、凍結/減圧/解凍(Ar)の3サイクルで脱ガスする。次いで、当該反応混合物を還流温度まで加熱する。次に、418mgのK3PO4を1.2mlの水に溶解させ、アルゴンで脱ガスする。当該水溶液をTHF溶液に加え、当該反応混合物を一夜還流する。14mgの2−チオフェン−モノ−ホウ酸−ピナコール−エステル[193978−23−3]を加え、当該混合物をさらに30分間還流する。次いで、11mgの2−ブロモチオフェン[1003−09−4]を加え、当該混合物をさらに30分間還流する。当該反応混合物を室温まで冷却し、水で希釈して、クロロホルムで抽出する。当該クロロホルム溶液をNaCN水溶液と共に1時間還流する。当該水を分離し、当該クロロホルム溶液を乾燥する。残留物を、テトラヒドロフランでソックレー抽出する。有機相を沈殿させて、635mgの所望のポリマー10を得る。Mw=46600、多分散度=2.72(HT−GPCによって測定)。
【0175】
実施例5:化合物12の合成
【化103】

【0176】
a)5mgのFeCl3、1.37gのナトリウム、および50mlのt−アミルアルコールの混合物を、110℃で30分間加熱し、その後、3.5gのニトリル[55219−11−9]および2.76gのジ−tert−アミルスクシネート(DTAS)を滴下して加える。当該反応混合物を110℃で一夜撹拌し、その後、水−メタノール混合物に注ぐ。Buechnerろ過およびメタノールによる徹底的洗浄により、暗色粉末として3gの所望のDPP誘導体11を得る。MSm/z:400である。
【0177】
【化104】

【0178】
b)乾燥ジメチルホルムアミド10mlに1gの化合物11を懸濁させ、220mgの水素化ナトリウム(鉱油中60%)を加える。当該混合物を100℃に加熱し、次いで1.86gの硫酸ジメチルを加え、当該混合物を100℃で一夜撹拌する。当該粗生成物を氷に注ぎ、ろ過して、水で洗浄する。当該生成物をジメチルホルムアミドから再結晶化させ、0.63gの式12の化合物を得る。MS m/z:428である。
【0179】
実施例6:半導電性ポリマー10の適用
実施例1において得られたポリマー10を0.5%(w/w)クロロホルム溶液においてスピン−コーティングすることにより半導体薄膜を調製する。当該スピンコーティングは、3000rpm(毎分の回転数)のスピン速度で、周囲条件において約20秒間実施する。当該デバイスは、蒸着し、100℃で15分間アニール処理した後、評価する。
【0180】
トランジスタ性能
トランジスタ挙動は、自動化されたトランジスタプローバー(TP−10、CSEM社,チューリッヒ)で測定し、明確なp型トランジスタ挙動を示した。飽和した伝達特性の平方根の直線近似から、3.5x105のオン/オフ電流比による5.6x10-3cm2/Vsの電界効果移動度が測定され得る。
【0181】
実施例7:半導電性ポリマー10の光発電応用
当該太陽電池は、以下の構造:Al電極/LiF層/本発明の化合物を含む有機層/[ポリ(3,4−エチレンジオキシ−チオフェン)(PEDOT)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PSS)]/ITO電極/ガラス基板を有する。当該太陽電池は、ガラス基板上のプレパターン形成されたITO上にPEDOT−PSSの層をスピンコーティングすることにより作製する。次いで、ポリマー10(1質量%):[70]PCBM(置換されたC70フラーレン)の1:1混合物をスピンコーティングする(有機層)。LiFおよびAlを、シャドー・マスクを通して、高真空下において昇華させる。
【0182】
太陽電池性能
当該太陽電池を、太陽光シミュレータの下で測定する。次いで、外部量子効率(EQE)グラフにより、電流をAM1.5条件下において評価する。これにより、評価された全体効率0.73%に対し、Jsc=2.4mA/cm2、FF=0.51、およびVoc=0.59Vを得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中、
aは1、2、または3であり、a’は0、1、2、または3であり、bは0、1、2、または3であり、b’は0、1、2、または3であり、cは0、1、2、または3であり、c’は0、1、2、または3であり、dは0、1、2、または3であり、d’は0、1、2、または3であり、ただし、a’が0の場合はb’は0ではなく、
1およびR2は、同じであるまたは異なっていてもよく、水素、C1〜C100アルキル基、−COOR103、1つ以上のハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、−CN、またはC6〜C18アリール基で置換されているかならびに/あるいは−O−、−COO−、−OCO−、または−S−で割り込まれているC1〜C100アルキル基;C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで一置換〜三置換されていてもよいC7〜C100アリールアルキル基;カルバモイル基、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで一置換〜三置換されていてもよいC5〜C12シクロアルキル;C6〜C24アリール基、特に、C1〜C8アルキル、C1〜C8チオアルコキシ、および/またはC1〜C8アルコキシで一置換〜三置換されていてもよいフェニルまたは1−ナフチルもしくは2−ナフチル、あるいはペンタフルオロフェニルから選択され、
Ar1およびAr1’は、互いに独立して、少なくとも1つのチオフェン環を含有する環状(芳香族)複素環式の環系であり、場合により1つ以上の基によって置換されていてもよく、Ar2、Ar2’、Ar3、Ar3’、Ar4、およびAr4’は、Ar1と同じ定義を有するか、または互いに独立して、
【化2】

であり、この場合、
3およびX4のうちの1つはNであり、かつ残りはCR99であり、
99、R104、およびR104’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、特にF、またはC1〜C25アルキル基、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C7〜C25アリールアルキル、あるいはC1〜C25アルコキシ基であり、
105、R105’、R106、およびR106’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC1〜C25アルキル;C7〜C25アリールアルキル、あるいはC1〜C18アルコキシであり、
107は、C7〜C25アリールアルキル、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキル、C1〜C18ペルフルオロアルキル、またはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;−O−または−S−で割り込まれているC1〜C18アルキル;あるいは−COOR103であり、
103は、C1〜C50アルキル、特にC4〜C25アルキルであり、
108およびR109は、互いに独立して、H、C1〜C25アルキル、Eで置換されているおよび/またはDで割り込まれているC1〜C25アルキル、C7〜C25アリールアルキル、C6〜C24アリール、Gで置換されているC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gで置換されているC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eで置換されているおよび/またはDで割り込まれているC1〜C18アルコキシ、あるいはC7〜C25アラルキルであり、あるいは、
108およびR109が、一緒に式=CR110111の基を形成し、ここで、
110、およびR111は、互いに独立して、H、C1〜C18アルキル、Eで置換されているおよび/またはDで割り込まれているC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、Gで置換されているC6〜C24アリール、もしくはC2〜C20ヘテロアリール、またはGで置換されているC2〜C20ヘテロアリールであり、あるいは、
108およびR109が一緒に5または6員環を形成し、この場合、場合により、C1〜C18アルキル、Eで置換されているおよび/またはDで割り込まれているC1〜C18アルキル、C6〜C24アリール、Gで置換されているC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gで置換されているC2〜C20ヘテロアリール、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eで置換されているおよび/またはDで割り込まれているC1〜C18アルコキシ、あるいはC7〜C25アラルキルで置換されていてもよく、
Dは、−CO−、−COO−、−S−、−O−、または−NR112-であり、
Eは、C1〜C8チオアルコキシ、C1〜C8アルコキシ、CN、−NR112113、−CONR112113、またはハロゲンであり、
Gは、EまたはC1〜C18アルキルであり、ならびに、
112およびR113は、互いに独立して、H;C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルまたはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;あるいは−O−で割り込まれているC1〜C18アルキルである]の1つ以上の(繰り返し)ユニットを含むポリマー。
【請求項2】
Ar1およびAr1’が、互いに独立して、式:
【化3−1】

【化3−2】

【化3−3】

[式中、
3およびR3’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル;C7−C25アリールアルキル、あるいはC1〜C25アルコキシであり、
4、R4’、R5、R5’、R6、およびR6’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル;C7〜C25アリールアルキル、あるいはC1〜C25アルコキシであり、
114は、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキルであり、
7、R7’、R9、およびR9’は、互いに独立して、水素、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル;あるいはC7〜C25アリールアルキルであり、
8およびR8’は、互いに独立して、水素、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルまたはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;またはC1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル;あるいはC7〜C25アリールアルキルであり、
11およびR11’は、互いに独立して、C1〜C25アルキル基、特にC1〜C8アルキル基、C7〜C25アリールアルキル、または、C1〜C8アルキルおよび/またはC1〜C8アルコキシで一置換〜三置換されていてもよいフェニル基であり、
12およびR12’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C1〜C25アルコキシ、C7〜C25アリールアルキル、または
【化4】

であり、この場合、R13は、C1〜C10アルキル基またはトリ(C1〜C8アルキル)シリル基である]の基である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
式:
【化5−1】

【化5−2】

【化5−3】

【化5−4】

【化5−5】

[式中、
1はC8〜C36アルキル基であり、
3は、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C7〜C25アラルキル、あるいはC1〜C25アルコキシであり、
4、R4’、R5、R5’、およびR6は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C7〜C25アラルキル、あるいはC1〜C25アルコキシであり、
7、R7’、R9、およびR9’は、互いに独立して、水素、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、あるいはC7〜C25アラルキルであり、
8は、C7〜C25アラルキル、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルまたはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;あるいはC1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、ならびに、
12およびR12’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C1〜C25アルコキシ、あるいは
【化6】

であり、この場合、R13は、C1〜C10アルキル基またはトリ(C1〜C8アルキル)シリル基である]の1つ以上の(繰り返し)ユニットを含む、請求項1または2に記載のポリマー。
【請求項4】
式:
【化7】

[式中、
Aは式(I)の繰り返しユニットであり、ならびに、
−COM1−は、式Ar1の基から選択される繰り返しユニットであり、例えば、
【化8】

であり、この場合、
5およびX6のうちの1つはNであって、残りはCR14であり、
14、R14’、R17、およびR17’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C7〜C25アラルキル、あるいはC1〜C25アルコキシであり、
18およびR18’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C7〜C25アラルキル、あるいはC1〜C25アルコキシであり、
19は、水素、C7〜C25アラルキル、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルまたはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;あるいはC1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキルであり、
20およびR20’は、互いに独立して、水素、C7〜C25アラルキル、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキルであり、ならびに、Ar1は請求項1において定義された通りである]の(繰り返し)ユニットを含む、請求項1または2に記載のポリマー。
【請求項5】
Aが、請求項3において定義されたような(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Ik)、(Il)、(Im)、(In)、(Io)、(Ip)、(Iq)、(Ir)、(Is)、(It)、(Iu)、または(Iv)の式の繰り返しユニットである、請求項4に記載のポリマー。
【請求項6】
式:
【化9−1】

【化9−2】

【化9−3】

[式中、
1はC8〜C36アルキル基であり、
3は、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C7〜C25アラルキル、あるいはC1〜C25アルコキシであり、
4、R4’、およびR5は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル、C7〜C25アラルキル、あるいはC1〜C25アルコキシであり、
7、R7’、R9、およびR9’は、互いに独立して、水素、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル;あるいはC7〜C25アラルキルであり、
8は、C7〜C25アラルキル、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルまたはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;あるいはC1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキルであり、
19は、C7〜C25アラルキル、C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルまたはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;あるいはC1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキルであり、
5およびX6のうちの1つはNであって、残りはCR14であり、
14、R14’、R17、およびR17’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、C1〜C25アルコキシ、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル;あるいはC7〜C25アラルキルであり、
18およびR18’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、特に、場合により1つ以上の酸素または硫黄原子で割り込まれていてもよいC4〜C25アルキル;C7〜C25アラルキル、あるいはC1〜C25アルコキシである]の1つ以上の(繰り返し)ユニットを含む、請求項4または5に記載のポリマー。
【請求項7】
式:
【化10】

[式中、
a、a’、b、b’、c、c’、d、d’、R1、R2、Ar1、Ar1’、Ar2、Ar2’、Ar3、Ar3’、Ar4、およびAr4’は、請求項1において定義された通りであり、
10およびR10’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1〜C25アルキル、C1〜C25アルコキシ、または式IVa〜IVi:
【化11】

のうちの1つの基であって、ここで、
22〜R26およびR29〜R58は、互いに独立して、H、ハロゲン、C1〜C25アルキル、Eで置換されているおよび/またはDで割り込まれているC1〜C25アルキル、C6〜C24アリール、Gで置換されているC6〜C24アリール、C2〜C20ヘテロアリール、Gで置換されているC2〜C20ヘテロアリール、C4〜C18シクロアルキル基、Gで置換されているC4〜C18シクロアルキル基、C2〜C18アルケニル、C2〜C18アルキニル、C1〜C18アルコキシ、Eで置換されているおよび/またはDで割り込まれているC1〜C18アルコキシ、C7〜C25アラルキル、あるいはGで置換されているC7〜C25アラルキルを表し、
27およびR28は、互いに独立して、水素、C1〜C25アルキル、またはC7〜C25アラルキルであり、あるいは、
27およびR28が一緒に、両方が酸素および/または硫黄を介してチエニル残基に結合していてもよく、ならびに両方が最高25個までの炭素原子を有するアルキレンもしくはアルケニレンを表し、
Dは、−CO−、−COO−、−S−、−O−、または−NR112−であり、
Eは、C1〜C8チオアルコキシ、C1〜C8アルコキシ、CN、−NR112113、−CONR112R113、またはハロゲンであり、
Gは、EまたはC1〜C18アルキルであり、ならびに、
112およびR113は、互いに独立して、H;C6〜C18アリール;C1〜C18アルキルまたはC1〜C18アルコキシで置換されているC6〜C18アリール;C1〜C18アルキル;あるいは、−O−で割り込まれているC1〜C18アルキルである]の化合物であって、ただし、以下の化合物:
【化12】

が除外される、化合物。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマーおよび/または請求項7に記載の化合物を含む、有機半導体材料、層、または構成部分。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマー、請求項7に記載の化合物、および/または請求項8に記載の有機半導体材料、層、または構成部分を含む、半導体デバイス。
【請求項10】
有機光発電(PV)デバイス(太陽電池)、フォトダイオード、または有機電界効果トランジスタである、請求項9に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
有機溶媒中における請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリマーおよび/または請求項7に記載の化合物の溶液および/または分散液を好適な基板に適用する工程と、該溶媒を除去する工程とを含む、有機半導体デバイスの製造方法。
【請求項12】
PVデバイス、フォトダイオード、または有機電界効果トランジスタにおける、請求項1〜6のいずれかに記載のポリマー、請求項7に記載の化合物、および/または請求項7に記載の有機半導体材料、層、または構成部分の使用。
【請求項13】
式:
【化13】

[式中、
a、a’、b、b’、c、c’、d、d’、R1、R2、Ar1、Ar1’、Ar2、Ar2’、Ar3、Ar3’、Ar4、およびAr4’は、請求項1において定義された通りであり、ならびにXは、ZnX12、−SnR207208209であり、この場合、R207、R208、およびR209は、同じであるまたは異なっており、HまたはC1〜C6アルキルであって、ここで、場合により、2つの基が共通の環を形成してもよく、ならびにこれらの基は、場合により分岐していても、あるいは分岐していなくてもよく、X12は、ハロゲン原子、とりわけIまたはBr;あるいは−OS(O)2CF3、−OS(O)2−アリール、特に、
【化14】

−OS(O)2CH3、−B(OH)2、−B(OY12
【化15】

、−BF4Na、または−BF4Kであり、この場合、Y1は、各場合において独立して、C1〜C10アルキル基であり、ならびにY2は、各場合において独立して、C2〜C10アルキレン基、例えば、−CY34−CY56−、または−CY78−CY910−CY1112などであり、ここで、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9、Y10、Y11、およびY12は、互いに独立して、水素またはC1〜C10アルキル基、特に−C(CH32C(CH32−、−C(CH32CH2C(CH32−、または−CH2C(CH32CH2−であり、Y13およびY14は、互いに独立して、水素またはC1〜C10アルキル基である]の化合物。
【請求項14】
(a)コハク酸ジメチルのようなジコハク酸塩1モルを、式:
【化16】

のニトリル1モルおよび式:
【化17】

のニトリル1モルと(強塩基の存在下において)反応させる工程と、
(b)場合により、工程a)において得られた、式:
【化18】

[式中、
10およびR10’は、請求項7において定義された通りである]の化合物を、式R1−Hal[式中、Halは、ハロゲン、−O−メシレート、または−O−トシレートであり、好ましくは臭化物またはヨウ化物である]の化合物と、炭酸カリウムのような好適な塩基の存在下において、N−メチル−ピロリドンのような好適な溶媒中で反応させる工程と、
(c)場合により、工程b)において得られた式:
【化19】

[式中、
10およびR10’は水素である]の化合物を、N−ブロモ−スクシンイミドのような好適な臭素化剤と反応させる工程とを含み、この場合、a、a’、b、b’、c、c’、d、d’、R1、R2、Ar1、Ar1’、Ar2、Ar2’、Ar3、Ar3’、Ar4、およびAr4’は、請求項1において定義された通りである、式IIIの化合物の製造方法。
【請求項15】
式:
【化20】

のジハロゲニドを、等モル量の、式:
【化21】

に対応するジボロン酸またはジボロネートと反応させる工程、あるいは、式:
【化22】

のジハロゲニドを、等モル量の、式:
【化23】

に対応するジボロン酸またはジボロネートと、溶媒中および触媒の存在下において反応させる工程であって、この場合、X10は、ハロゲン、特にBrであり、X11は、各場合において独立して、−B(OH)2、−B(OY12
【化24】

であり、ここで、Y1は、各場合において独立して、C1〜C10アルキル基であり、ならびにY2は、各場合において独立して、C2〜C10アルキレン基、例えば、−CY34−CY56−または−CY78−CY910−CY1112などであり、ここで、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9、Y10、Y11、およびY12は、互いに独立して、水素またはC1〜C10アルキル基、特に−C(CH32C(CH32−、−C(CH32CH2C(CH32−、または−CH2C(CH32CH2−であり、Y13およびY14は、互いに独立して、水素またはC1〜C10アルキル基である工程、あるいは、
式:
【化25】

のジハロゲニドを、等モル量の、式:
【化26】

に対応する有機スズ化合物と反応させる工程、
あるいは
式:
【化27】

のジハロゲニドを等モル量の、式:
【化28】

に対応する有機スズ化合物と反応させる工程であって、この場合、X11’は、各場合において独立して、−SnR207208209であり、ここで、R207、R208、およびR209は、同じであるまたは異なっており、HまたはC1〜C6アルキルであるか、あるいは基R207、R208、およびR209のうちの2つが環を形成しており、ならびにこれらの基は、場合により分岐していてもよく、AおよびCOM1は、請求項1において定義された通りである工程を含む、式IIのポリマーの製造方法。

【公表番号】特表2012−521462(P2012−521462A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501263(P2012−501263)
【出願日】平成22年3月22日(2010.3.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/053655
【国際公開番号】WO2010/108873
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】