説明

有機液体検出用センサー

有機液体の存在を検出するためのセンサーである。このセンサーは、両側の第1及び第2の面を有する長い基板、及び基板の第1の面の少なくとも一部分上に配置された第1のセンサー面及び基板の第2の面の少なくとも一部分上に配置された第2のセンサー面を備える。センサーは、第1及び第2のセンサー面を電気的に結合している橋絡用電極を備える。第1の電極は基板の第1の面上に配置されかつ第1のセンサー面に電気的に結合され、そして第2の電極は基板の第2の面に配置されかつ第2のセンサー面に電気的に結合される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、参考文献としてここにその全開示が組み入れられた2005年12月3日付け特許文献1の便益を請求する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に、有機液体の存在を検出するためのセンサーに関する。
【特許文献1】米国暫定特許出願第60/741,838号 明細書
【特許文献2】米国特許第4,855,706号 明細書
【特許文献3】米国特許第5,235,286号 明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
炭化水素燃料のようなある種の有機液体は、その組み合わせられた容器の外にあるときは個人及び環境に対する障害を与えることがある。例えば、地上及び地下の燃料貯蔵タンク内に収容される大量の液体のため、貯蔵タンクにおける検出されない漏洩が大量の汚染を生ずることが有り得る。かかる汚染の管理及び/又は回避においては、かかる液体の望ましくない区域内への漏洩の検出が重要である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
本発明の特徴及び利点は、本発明と一致する種々の実施例の記述により説明され、この記述は付属図面と組み合わせて考えるべきである。
【0005】
本開示によるセンサーは、有機液体の存在を検出することができる。一般に、センサーは、有機液体が存在しない第1の状態を示すことができ、かつ有機液体がセンサーと接触しているときの第2の状態を示すことができる。センサーの第1及び第2の状態は、一般に、センサー面が有機液体と接触しているときの第1の電極と第2の電極との間の抵抗の変化に関係する。センサーは、一般に長いセンサー面を提供し、そして長いセンサー面に沿った任意の点におけるセンサー面と有機液体との間の接触を検出することができる。従って、例示の一実施例においては、本発明と一致するセンサーは、これを油溜め又はマンホール内の有機液体の存在の検出用として使用することができる。この場合、有機液体は油溜め又はマンホール内の不定の高さにあってもよい。
【0006】
図1−3を参照すれば、センサー10の一実施例は、一般に、非導電性の基板16の両側に配置された第1及び第2のセンサー面12、14を備える。センサー面は、種々の抵抗材料から形成することができる。第1及び第2の電極18、20の各が、基板16のそれぞれの側のそれぞれのセンサー面12、14に結合される。センサー面12、14の双方に橋絡用電極22を電気接続することができる。電極18、20、22は、適宜適切な導電性材料、例えば銅、金、白金、銀などより形成することができる。図示実施例においては、第1及び第2の電極18、20は第1及び第2の端部に隣接して位置決めされ、そして橋絡用電極22は基板16の第2の端部に隣接して位置決めされる。しかし、その他の種々の構成を使用することもできる。
【0007】
基板16はセンサー面12、14及び電極18、20、22を支持し、かつセンサー面12、14及び電極18、20をそれぞれ互いに電気的に絶縁することができる。従って
、第1及び第2の電極18、20間には、それぞれのセンサー面12、14、及び第1のセンサー面12と第2の選定する面14とを電気的に結合する橋絡用電極22を通る電気経路が存在する。
【0008】
センサー面12、14の可変抵抗材料は、有機液体との接触に応答することができる。センサー面12、14及び橋絡用電極22を通る導電経路は、センサー面12、14が有機液体と接触しているときに第1に抵抗値を持ち、そして有機液体の無いときに第2の抵抗値を持つことができる。従って、第1及び第2の電極18、20間で測定された抵抗値に基づいて、センサー面12、14と接触している有機液体の有無を決定することができる。
【0009】
可変抵抗材料は、一般に、例えばその全開示が参考文献としてここに取り入れられたハウプトリイ(Hauptly)の特許文献2に記述されたような導電性フィルターと膨らむことのできるマトリックス材料との混合物を含む。このマトリックス材料は、有機液体の存在において可逆的に膨らむことができる。即ち、膨らみ得るマトリックス材料は、これが有機液体と接触したとき膨らむ。マトリックス材料が膨らんでいない状態、即ち有機液体が無いときは、密集した導電性フィルターが第1の抵抗値を提供するであろう。有機液体の存在するときは、マトリックス材料は膨らみ、これにより導電性フィルターの粒子間の平均距離が増加する。可変抵抗材料が有機液体と接触しているときは、導電性フィルターの粒子間の距離の増加が第2のより高い抵抗値を生ずる。
【0010】
適切な可変抵抗材料は、本技術の熟練者に知られている。可変抵抗材料の一実施例は、シリコンとグラファイトとの混合物を含むことができる。シリコンは、有機液体と接触したときに膨らむ。シリコンの膨らみは可逆的であり、シリコンが有機液体との接触から離されると膨らみの無い状態に戻る。グラファイトフィルターは、可変抵抗材料を通る電気伝導性を提供することができる。その他の種々の膨らみ得るマトリックス及び導電性フィルターを使用することができる。例えば、膨らみ得るマトリックスは、これを、ある特定の有機液体、又は有機液体のグループに対して高い感度を提供するように選定することができる。導電性フィルターは、例えば導電性の提供に加えて環境条件又は特定用途に起因する化学的攻撃に耐えるように選定することができる。可変抵抗材料用のマトリックス及びフィルターの材料の選定についてその他の多くの要因が考えられる。
【0011】
一実施例においては、センサー10は、例えばガラス繊維製の基板の両面の各に導電性メッキを有する公知の両面印刷回路板を使用して構成することができる。センサー基板16はガラス繊維回路基板により提供することができる。印刷回路板の銅メッキは、センサー面12、14用の回路板の各側の裸区域を提供し、そして回路板の一方の端部に隣接した第1及び第2の電極18、20のための導電性トレースを残すようにエッチングされる。同様に、橋絡用電極22は、回路板の第2の端部に隣接した回路板の各側に導電性トレースを残すことにより形成することができる。回路板の第2の端部に隣接した導電性トレースは、例えばメッキ貫通穴、ジャンパー等により電気的に結合させることができる。
【0012】
センサー面12、14は、それぞれの電極18、20と橋絡用電極22の一部分との間の回路板の裸区域を可変抵抗材料でコーティングすることにより提供することができる。例えば、グラファイトとシリコンとの可変抵抗材料組織を、スプレイ、例えば空気スプレイ又は無空気スプレイ、ハケ塗り、浸漬、スクリーン印刷等により回路板のガラス繊維基板に適用することができる。可変抵抗材料の組織は、グラファイト成分がシリコンマトリックス内に全体として均等に分散されるように全体的に撹拌される。可変抵抗材は、例えば電極18、20、22と少なくとも部分的に重ね又は接触させることにより電極18、20、22と電気的に結合させることができる。
【0013】
示されるように、第1及び第2の電極18、20間の抵抗値を監視するための回路24を基板16上に配置することができる。第1及び第2の電極18、20間の抵抗は、センサー区域12、14を作っている可変抵抗材料の抵抗を示し、一方ではこれは有機液体との接触の有無を示す。印刷回路板上にセンサー10が形成される実施例においては、回路用の配線経路は、印刷回路板の導電層からエッチングされ、回路24の構成要素は印刷回路の通常の方法で回路板に取り付けることができる。回路24は、例えばエポキシによるカプセル封じにより、又は保護ハウジングによるなどで保護することができる。
【0014】
一実施例においては、回路24は、センサー面12、14を通る導電経路の検出されたアナログ抵抗値を2値出力に変換することができる。即ち、回路24は、有機液体との接触がないことに相当する第1の抵抗値が検出されたときに第1の出力を提供する。同様に、回路24は、有機液体との接触があることに相当する第2の抵抗値が検出されたときに第2の出力を提供することができる。この方法においては、回路24の出力は、センサー面12、14が有機液体と接触しているか否かを示すことができる。
【0015】
一実施例においては、回路24は、市場で入手可能な監視装置及びシステムと互換性のある比較回路を持つことができる。例えば、回路24は、センサーケーブル監視回路に典型的に使用されるカルフォルニア州メンロパークのタイコ・サーマル・コントールズ(Tyco Thermal Cotrols)製のトレーステック(TraceTek)ブランドの装置により給送される利用可能な電圧及び電流と共存できる比較回路を有することができる。
【0016】
ある実施例においては、センサーは、センサー回路の物理的な位置を決定するために回路に沿った抵抗を測定できる低電力漏洩監視回路と互換性が持つことができる。トレーステックブランドの装置に使用される低電力監視回路はよく知られ、そして例えば、その全開示が参考文献としてここに取り入れられたマシア(Masia)他の特許文献3に説明されている。多数のセンサー10を有するシステムにおいては、低電力漏洩監視回路は、多数のセンサー10のどれが有機液体と接触しているかを決定するように構成することができる。
【0017】
図4を参照すれば、本開示と一致するセンサー組立体100は、センサー10及び保護ハウジング102を備える。センサー10は導線104を介して管理システムに接続することができる。保護ハウジング102は、機械的損傷に対して少なくともある程度の保護をセンサー10に提供することができる。例えば、センサー面12、14は、摩耗等による損傷を受け易い。保護ハウジングは、センサーを保護ハウジング内で位置決めするための取り付け用部分を備えることができる。取り付け用部分は、ある実施例においては、センサーを、一般にハウジングの中心に維持することができるが、これに代わってその他の構成を使用することもできる。
【0018】
一実施例によれば、保護ハウジング102はチューブを備えることができ、更に少なくとも1個の開口106を設けることができる。保護ハウジング102を囲んでいる液体は開口106を通って内部に入り、センサー10と接触することができ、センサーは有機液体の存在を決定することができる。開口の大きさ及び数は、有機液体の粘度に適応するように選ぶことができる。例えば、比較的粘度の大きい有機液体、例えば重油の存在を検出するための用途においては、開口106は、保護ハウジング102内の液位が、センサー組立体102の周囲の液体の液位の変化に応じて迅速に変化できるように比較的大きくすることができる。粘度の小さい液体を検出するための用途においては、より小さいが、なお、保護ハウジング内の液位の急速な変化を達成することができる開口106が使用される。種々の実施例において、開口は、その他の開口寸法を使用することができるが、例えば4mmから7mmの範囲とすることができる。
【0019】
保護ハウジング102は、種々の材料から種々の構成で形成することができる。例えば、チューブも内外間の連通を許す1個又は複数個の開口、例えば長手方向又は周囲方向のスロットを有するポリ塩化ビニル(PVC)チューブから、価格効果的な保護ハウジングを形成することができる。センサー10は、PVCチューブ内に配置することができる。爆発性又は引火性の液体、例えばガソリン、燃料油等の検出と組み合わせられた用途においては、保護ハウジングは、液体又は蒸気を点火させる可能性のある静電気の危険を減らすように構成することができる。例えば、保護ハウジングは、種々のものが本技術熟練者に知られている帯電防止用添加剤を含んだチューブとすることができる、一実施例においては、保護ハウジングを形成するチューブは、帯電防止用添加剤を含んだポリプロピレンチューブを含むことができる。その他の種々の別の材料及び構成も、本開示に矛盾することなくセンサー組立体に関連して使用することができる。
【0020】
示されるように、センサー10は全体的に長い形状を有して提供され、そしてこれは長い基板16を有しかつ電極18、20の間の長いセンサー面12、14及び橋絡用電極22を設けることができる。センサー面12、14の一方又は双方と接触した有機液体は、センサー面12、14を作っている可変抵抗材料の、有機液体と接触している部分の抵抗を大きくする。橋絡用電極22と組み合わせられたセンサー面12、14は第1及び第2の電極18、20間の連続した電気経路を提供するので、センサー面12、14を構成している可変抵抗材料のいかなる部分の抵抗の増加も第1及び第2の電極18、20間の抵抗の増加として検出される。従って、センサー10は、センサー面12、14の長さに沿った有機液体の位置とは無関係に、例えば第1及び第2の電極18、20間の抵抗の増加により有機液体との接触を示すことができる。
【0021】
センサー面12、14の長さに沿った任意の点における有機液体との接触を示すセンサー10の性能は、有機液体が不定の位置において見いだされる可能性のある種々の用途に対して有利である。例えば、炭化水素系の油又は燃料のような多くの有機液体は、一般に水の上に浮くことができる。有機液体の浮いている水の水位が変動する用途においては、有機液体の有る位置又は高さは水位に従って変動する。
【0022】
図5ないし8を参照すれば、一応用例においては、有機液体の存在を監視するために、油溜め107内にセンサーが配置される。分かり易くするためにセンサー10だけが図示されることが認められるであろう。しかし、図4に示されるように保護ハウジングを有するセンサー組立体が使用される。図示実施例においては、油溜め107は深さの変動する水を収容することができる。センサーに関する水位の高さに応じて、水の上に浮いている有機液体と接触するセンサー面12、14の部分が変化する。炭化水素系の油又は燃料以外の有機液体にも同じ概念を等しく適用できることは言うまでもない。センサー10の長さは、油溜め内の予想される液体の高さに応じて選定することができる。
【0023】
図5に示されるように、油溜め107に水及び有機液体の双方とも無いとき、例えば乾燥状態のときは、センサー10は電極18、20を横切る比較的低い抵抗に相当する第1の状態を示す。トレーステック管理システムを利用している一実施例においては、第1の状態は、トレーステック回路を横切る高抵抗出力を示し、これは有機液体の無いことを示す。トレーステック回路を横切る高抵抗出力は、センサー面の低抵抗状態に応答してセンサー10の回路により提供される。同様に、図6に示されるように、油溜め107はセンサー10と接触している水108を収容しているが有機液体が無いときは、センサー10は電極18、20を横切る比較的低い抵抗に相当する第1の状態を示す。センサー10の回路は、有機液体が無いことを示すために検出システムの要求に従ってセンサー出力を提供することができる。
【0024】
図7を参照すれば、燃料のような有機液体110が油溜め107内にあって、かつ液体の高さが少なくともセンサー面の一部分と接触するに十分であるときは、有機液体110と接触しているセンサー面の可変抵抗材料の部分は比較的高い抵抗を持つ。センサー10の第1及び第2の電極間の電気経路は、センサー面の長手方向方向の全長を含むため、有機液体と接触したセンサー面の可変抵抗材料の部分の抵抗の増加が第1及び第2の電極間の抵抗の増加をもたらす。センサー10は、抵抗の増加に応じて、有機液体の存在を示す第2の状態を示す。有機液体110の存在を示すために、検出システムの要求に従って第2のセンサー出力又はセンサーの第2の状態を提供するように、導電経路は、センサー回路により比較的高い抵抗の状態にされる。
【0025】
図8及び9に示されるように、有機液体110は油溜め107内にある水108又はその他の液体の表面に浮くであろう。水108と接触するセンサー面の区域の抵抗は一般に変化しないが、有機液体110は、これと接触する可変抵抗材料の区域内のセンサー面のマトリックス材料を膨らまし、接触区域内のセンサー面の可変抵抗材料の抵抗を増加させる。有機液体110と接触する区域内の抵抗の増加は、第1及び第2の電極間の抵抗を増加させ、そしてセンサーは検出システムに対して有機液体の存在を示す第2の状態を提示させることができる。
【0026】
説明されたように、有機液体110は水の上に浮くことができる。従って、有機液体110の量が同じであったとしても、有機液体110と接触するセンサー10に沿った高さは、図8及び9に示されるように油溜め内の水108の水位に応じて変動する。本開示に従って、長い基板の第1の端部に隣接して第1及び第2の電極を設け、更に第1及び第2の電極間を伸びる長いセンサー面及び基板の第2の端部に隣接して橋絡用電極を設けると、電気経路は双方のセンサー面の長さを含むことができる。第1及び第2の電極間の抵抗は、有機液体がセンサー面と接触するセンサー面の長さに沿った位置とは関係なく、有機液体との接触により増加する。従って、本開示のセンサーは、センサーと有機液体との間の接触がセンサーの長さに沿った不定の位置で生じたときでも有機液体の存在を検出することができる。
【0027】
図10を参照すれば、センサー10は、これを監視システム200内に組み込むことができる。一実施例においては、監視システム200は、システム制御器202及びシステムセンサー回路206を備える。一実施例においては、制御器202はタイコ・サーマルコントロールズLLC製のいずれかのトレーステックブランドの装置を備え、そしてセンサー回路は選定されたトレーステックブランドの装置に対応したセンサー回路とすることができる。システム200はその他の種々のセンサーケーブル及び相互接続用要素も備える。図10に示されるように、センサー10は、分岐コネクター204又はゾーンコネクターを使用してシステム200に結合することができる。或いは、図11に示されるように、センサー10は、一般に208で示される標準端部回路成端(standard end circuit terminatuion)を使用してシステム200内に組み込まれる。
【0028】
図12は、監視システム200、例えばトレーステックブランド制御器及び本開示と一致する複数個の有機液体センサー10−1、10−2、…、10−Nに結合された組み合わせられたセンサー回路を備えた一実施例と一致するシステムを示す。監視システム200は、各センサー10−1、10−2、…、10−Nに励起電流を供給することができる。例えば、トレーステックブランドシステムは、直流約10ボルト又はそれ以下で約500マイクロアンペア又はそれ以下の直流電流又はパルス化された直流電流を含む励起信号をセンサーに提供することができる。センサーの回路は、提供された励起信号の少なくとも一部分をトレーステック回路の完全さを監視するために使用することができる。センサーが有機液体と接触していないときは、センサーはトレーステック回路に実質的な負荷を発生させない。センサーが有機液体と接触しているときは、センサーの回路はトレーステック回路を横切る半導体スイッチを閉じる。トレーステック制御器は、スイッチの閉鎖を有機液体検出の表示として解釈する。制御器はセンサー10−1、10−2、…、10−Nへの回路に沿った抵抗を測定し、有機液体を検出したセンサーを決定し、そしてその位置の表示出力を提供する。従って、複数個の有機液体センサーを含んだシステムにおいて、どのセンサーが有機液体の存在を検出したかを決定することができる。
【0029】
以上の実施例は、トレーステックブランド、市場で入手可能な漏洩検出システムの使用を含むが、同様にシステム建設の目的で、市場で入手可能なその他のセンサー制御システムもこのセンサーに関連して使用することができる。加えて、このセンサーは独立した使用に対して構成することができる。例えば、センサーは、有機液体の検出を示すために一体化された警報器又は表示器を備えることができる。本技術熟練者によりその他の種々の構成及び具体例が理解されるであろう。
【0030】
本開示は、態様に従って、有機液体の存在を検出するためのシステムを提供できる。このシステムは、両側の第1及び第2の面を有する長い基板を備える。第1のセンサー面は基板の第1の面の一部分上に提供され、第2のセンサー面は基板の第2の面の少なくとも一部分上に提供される。橋絡用電極は第1及び第2のセンサー面を電気的に結合させる。第1の電極は基板の第1の面上に配置されかつ第1のセンサー面と電気的に結合され、そして第2の電極は基板の第2の面上に配置されかつ第2のセンサー面と電気的に結合される。第1及び第2のセンサー面及び橋絡用電極が、第1及び第2の電極間の導電経路を提供する。導電経路は、センサー面の少なくとも一部分が有機液体と接触しているときに第1の抵抗値を有しそして有機液体と接触していないときに第2の抵抗値を持つ。システムは、第1の抵抗値に応答して第1の出力を、第2の抵抗値に応答して第2の出力を提供するように構成された監視システムも備える。
【0031】
本開示は、別の態様に従って、有機液体を検出する方法を提供することができる。この方法は、両側の第1及び第2の面を有する長い基板を提供することを含む。この方法は、センサー面の各が基板の両側にそれぞれ配置された第1及び第2の長いセンサー面を設けることも含む。第1及び第2のセンサー面と電気的に結合された橋絡用電極が設けられる。この方法は、基板の第1の面にあって第1のセンサー面に電気的に結合された第1の電極、及び基板の第2の面に配置されかつ第2のセンサー面に電気的に結合された第2の電極を設けることを更に含み、第1及び第2のセンサー面及び橋絡用電極が第1及び第2の電極間の導電経路を提供し、導電経路はセンサー面の少なくとも一方が有機液体と接触しているとき第1の抵抗値を有し、そしてセンサー面が有機液体と接触していないとき第2の抵抗値を持つ。この方法は、第1及び第2の電極間の抵抗値に基づいて出力を提供することを含む。
【0032】
ここに説明された実施例は、説明の目的で与えられ本発明の態様から実質的に離れることなく多くの変更及び変化が可能である。従って、本発明はこの説明された実施例に限定されず、特許請求の全範囲を与えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明によるセンサーの実施例の正面図である。
【図2】図1に示されたセンサー実施例の背面図である。
【図3】図1に示されたセンサー実施例の側面図である。
【図4】本開示と一致するセンサー組立体の実施例を示す。
【図5】油溜めにおける有機液体の存在を検出するために置かれた本開示と一致するセンサーを示す。
【図6】水の存在における図5のセンサー配列を示す。
【図7】燃料を収容している油溜めにおける図5のセンサー配列を示す。
【図8】水及び燃料を収容している油溜めにおける図5のセンサー配列を示す。
【図9】水及び燃料を収容している油溜めにおける図5のセンサー配列を示す。
【図10】本開示と一致するセンサーを含んだ検出システムの実施例を示す。
【図11】本開示と一致するセンサーを含んだ検出システムの第2の実施例を示す。
【図12】本開示と一致するセンサーを複数個含んだ検出システムの一実施例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側の第1及び第2の面を有する長い非導電性基板;
前記基板の前記第1の面の少なくとも一部分上に配置された第1のセンサー面及び前記基板の前記第2の面の少なくとも一部分上に配置された第2のセンサー面;
前記第1及び第2のセンサー面を電気的に結合している橋絡用電極;及び
前記基板の前記第1の面上に配置されかつ前記第1のセンサー面と電気的に結合された第1の電極、及び前記基板の前記第2の面に配置されかつ前記第2のセンサー面と電気的に結合された第2の電極
を備え、
前記第1及び第2のセンサー面及び前記橋絡用電極が前記第1及び第2の電極間の導電経路を提供し、前記導電経路は、前記センサー面の少なくとも一方が有機液体と接触しているとき第1の抵抗を有しかつ前記センサー面が有機液体と接触していないとき第2の抵抗を有しているシステム。
【請求項2】
前記センサーは、前記導電経路が前記第1の抵抗値を有するとき第1のセンサー状態を提供するよう構成されかつ前記導電経路が前記第2の抵抗値を有するとき第2のセンサー状態を提供するように構成された回路を更に備える請求項1によるシステム。
【請求項3】
前記回路が前記基板上に少なくとも部分的に配置される請求項1によるシステム。
【請求項4】
前記第1及び第2のセンサー面が、膨れ得るマトリックスと導電性充填材とよりなる可変抵抗材料よりなる請求項1によるシステム。
【請求項5】
前記第1及び第2のセンサー面が、シリコンとグラファイトとの混合物よりなる可変抵抗材料よりなる請求項1によるシステム。
【請求項6】
前記第1及び第2のセンサー面の少なくとも一部分の回りに配置された保護ハウジングを更に備え、前記保護ハウジングが前記第1及び第2のセンサー面の少なくとも一方と前記ハウジングの外側との間の連通を提供する前記少なくとも1個の開口を備える請求項1によるシステム。
【請求項7】
前記保護ハウジングがチューブよりなり、前記基板が少なくとも部分的に前記チューブ内に配置される請求項6によるシステム。
【請求項8】
少なくとも1個のセンサーであって、
両側の第1及び第2の面を有する長い非導電性基板、
前記基板の前記第1の面の少なくとも一部分上に配置された第1のセンサー面及び前
記基板の前記第2の面の少なくとも一部分上に配置された第2のセンサー面、
前記第1及び第2のセンサー面を電気的に結合する橋絡用電極、及び
前記基板の前記第1の面上に配置されかつ前記第1のセンサー面に電気的に結合され
た第1の電極、及び前記基板の前記第2の面に配置されかつ前記第2のセンサー面に電
気的に結合された第2の電極
を備え、
前記第1及び第2のセンサー面及び前記橋絡用電極が前記第1及び第2の電極間の導
電経路を提供し、前記導電経路は前記センサー面の少なくとも一方が有機液体と接触しているとき第1の抵抗を有し更に前記センサー面が有機液体と接触していないとき第2の抵抗を有する
前記少なくとも1個のセンサー;並びに
前記少なくとも1個のセンサーに結合され、前記第1の抵抗に応答して第1の出力を、
かつ前記第2の抵抗に応答して第2の出力を提供するように構成された監視システム
を備えているシステム。
【請求項9】
前記システムが前記監視システムに結合された複数の前記センサーを備える請求項8によるシステム。
【請求項10】
前記監視システムは、前記複数のセンサーの一つが有機液体と接触している位置の表示出力を提供するように構成される請求項9によるシステム。
【請求項11】
前記センサーは、前記導電経路が前記第1の抵抗を有するとき第1のセンサー状態を提供するよう構成されかつ前記導電経路が前記第2の抵抗を有するとき第2のセンサー状態を提供するように構成された回路を更に備える請求項8によるシステム。
【請求項12】
前記回路が少なくとも部分的に前記基板上に配置される請求項8によるシステム。
【請求項13】
前記第1及び第2のセンサー面が、膨れ得るマトリックスと導電性充填材とよりなる可変抵抗材料よりなる請求項8によるシステム。
【請求項14】
前記第1及び第2のセンサー面が、シリコンとグラファイトとの混合物よりなる可変抵抗材料よりなる請求項8によるシステム。
【請求項15】
前記第1及び第2のセンサー面の少なくとも一部分の回りに配置された保護ハウジングを備え、前記保護ハウジングが前記第1及び第2のセンサー面の少なくとも一方と前記ハウジングの外側との間の連通を提供する少なくとも1個の開口を備える請求項8によるシステム。
【請求項16】
前記保護ハウジングがチューブよりなり、前記基板が少なくとも部分的に前記チューブ内に配置される請求項15によるシステム。
【請求項17】
第1及び第2の面を備えた長い基板を提供し;
各センサー面が前記基板の前記両側のそれぞれに配置される第1及び第2の長いセンサー面を提供し;
前記第1及び第2のセンサー面を電気的に結合する橋絡用電極を提供し;
前記基板の前記第1の面上でかつ前記第1のセンサー面に電気的に結合された第1の電極、及び前記基板の前記第2の面上に配置されかつ前記第2のセンサー面に電気的に結合された第2の電極を提供し、前記第1及び第2のセンサー面及び前記橋絡用電極が前記第1及び第2の電極間の導電経路を提供し、前記導電経路は前記センサー面の少なくとも一方が有機液体と接触しているとき第1の抵抗を有し、そして前記センサー面が有機液体と接触していないとき第2の抵抗を有し;
前記有機液体が前記第1及び第2のセンサー面に接触することを許し;更に
前記第1の抵抗に応答して前記有機液体の存在を示す出力を提供する
ことを含む有機液体の検出方法。
【請求項18】
前記第1及び第2のセンサー面を保護ハウジング内に位置決めし、かつ前記センサー面の少なくとも一方と前記ハウジングの外側との間の連通を提供することを更に含む請求項17による方法。
【請求項19】
前記第1及び第2のセンサー面が、膨れ得るマトリックスと導電性充填材とよりなる可変抵抗材料よりなる請求項17による方法。
【請求項20】
前記第1及び第2のセンサー面が、シリコンとグラファイトとの混合物よりなる可変抵抗材料よりなる請求項17による方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2009−518630(P2009−518630A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543593(P2008−543593)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/061531
【国際公開番号】WO2007/065163
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(504392245)タイコ・サーマル・コントロールズ・エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】