説明

有機発光素子の改善された出力効率

本発明は、発光ダイオード(LED)、特に、有機LED(OLED)の出力効率を増加させるために好適な方法および材料を提供する。一実施形態において、例えば、OLED積層を覆う多孔性コーティングを提供する方法について説明される。多孔性コーティングは、光学的損失を低減させ、OLED素子からの光抽出効率を改善する。一実施形態において、発光ダイオード(LED)素子は、第1および第2の側を有する透明基板層と、該基板層の第1の側に接触する第1の電極層と、該第1の電極層に接触するエレクトロルミネセント層と、該エレクトロルミネセント層に接触する第2の電極層と、該基板の第2の側に接触する多孔性層とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮出願第61/178,412号(2009年5月14日出願)に基づく米国特許法第119条による優先権を主張する。該出願の内容は、その全体が参照により本明細書に引用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、改善された出力効率を有する、有機発光素子、ならびにその生産に好適な材料および方法を対象とする。本発明は、例えば、電子素子の分野において、有用性が見出される。
【背景技術】
【0003】
従来の層状発光ダイオード(LED)および有機LED(OLED)素子のいくつかのバージョンでは、透明基板は、LED構成要素層(「LED積層」)を支持することと、LED積層と環境との間の保護障壁を提供することの二重の目的を果たす。LEDによって放出される光は、透明基板を通って通過し、そうすることによって、基板材料と環境との間の界面を横断する。典型的には、環境は、空気であるが、また、不活性ガスまたは真空でもあり得る。本環境/基板界面は、典型的には、出射する光子によって横断される、最後の界面である。基板材料および環境の屈折率、ならびに素子幾何学形状等の他の要因に応じて、環境/基板界面に衝突する光子の有意な部分が、内部反射されるために十分な入射角で横断する。故に、多くのLEDの場合、素子正面パネルの環境/基板界面からの全反射によって、有意な光学的損失が存在する。
【0004】
類似現象は、最外素子層(すなわち、環境と界面を形成する層)としての透明電極、または透明保護コーティングによって塗膜される透明電極を有するLED素子にも生じる。再度、素子から出射する光子が、環境と電極または保護コーティングとの間の障壁に衝突する時、有意な量の光学的損失が生じる。
【0005】
最外素子層と環境との間の障壁において生じる光学的損失を低減させることは、素子効率を改善し、素子寿命を延長させるため、望ましいであろう。
【0006】
光結晶またはマイクロレンズのアレイを使用する等、種々の工学的アプローチが、LEDの光学的損失を低減させるために、提案または調査されている。これらのアプローチは、概して、リソグラフィプロセスの使用を必要とするため、生産コストが大幅に増加する。これらのアプローチの他の欠点として、生産の複雑性を増加させ、素子安定性を低下させる傾向が挙げられる。
【0007】
当技術分野において、上述の欠点を克服し、ならびに、概して、LEDの効率を増加させるための新しい方法および材料を開発する必要性が残っている。理想的方法は、容易に利用可能である、または容易に調製される材料を利用し、素子出力(効率および/または総出力)における有意な向上を提供し、プロセスステップの数を最小限にし、および/または高再現性結果を提供することであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、LED素子の出力および出力効率を改善するための方法および材料、ならびに改善された出力および出力効率を有するLED素子を提供することを対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一側面では、第1および第2の側を有する透明基板層と、基板層の第1の側に接触する第1の電極層と、第1の電極層に接触するエレクトロルミネセント層と、エレクトロルミネセント層に接触する第2の電極層と、基板の第2の側に接触する多孔性層とを備える、発光ダイオード(LED)素子が提供される。
【0010】
別の側面では、基板層と、基板層に接触する第1の電極層と、第1の電極層に接触するエレクトロルミネセント層と、第2の電極層とを備える、LED素子が提供される。第2の電極層の第1の側は、エレクトロルミネセント層に接触し、第2の電極層は、透明である。多孔性層は、第2の電極層の第2の側に接触する。
【0011】
別の側面では、第1および第2の側を有する基板層と、基板層の第1の側に接触する第1の電極層と、第1の電極層に接触するエレクトロルミネセント層と、エレクトロルミネセント層に接触する第2の電極層と、第2の電極層に接触する任意の封入層とを備える、LED素子が提供される。基板層の第2の側または任意の封入層のいずれかは、表面を機械的に削磨することによって調製された表面粗度を備える。
【0012】
別の側面では、LEDの効率を増加させるための方法が提供される。方法は、LEDに、架橋性マトリクス材料およびポロゲンを備える透明前駆多孔性層を適用するステップと、ポロゲンの全部または一部を除去し、マトリクス材料を架橋結合することによって、透明多孔性層を形成するステップとを備える。
【0013】
別の側面では、LEDの効率を増加させるための方法が提供される。LEDは、LEDと環境との間に界面を形成する最外層を有する。方法は、多孔性透明層が最外層に貼り付くように、透明最外層を多孔性透明層と接触させるステップを備える。
【0014】
本発明の他の側面は、請求項および実施例を含む以下の説明から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明による、OLEDに重層する多孔性層の実施形態の略図を提供する。多孔性層は、多孔性層の外部表面から多孔性層の内部へと延在する微小空洞を含む(図中、微小空洞は、多孔性層の厚さ約25%−35%だけ、多孔性層内に延在するが、図は、正確な縮尺ではなく、本明細書に説明されるように、微小空洞は、図1に示されるものより遥かに少なく、多孔性層内に延在し得る)。また、種々の軌道を有する、OLED積層によって放出される光線が、図に例証される。
【図2】図2は、本発明による、多孔性層の調製の実施形態の略図を提供する。ポロゲン材料で充填された孔を有する、前駆多孔性層が、パネル(a)に示される。環境に開放された孔を有する多孔性層が、パネル(b)に示される。
【図3】図3は、ガラス基板の外側表面を砂吹き付けすることによって処理された素子に対する、印加された電圧の関数として、外部量子効率(EQE)を示すデータを提供する。
【図4】図4は、本発明の方法を使用して、コーティング塗布前後の素子に対する、輝度の関数として、外部量子効率(EQE)を示すデータを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示を詳細に説明する前に、別様に示されない限り、本発明は、本明細書に説明されるいずれの特定の実施形態にも限定されず、したがって、可変であり得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけのものであって、限定的となることを目的としないことも理解されたい。本明細書に提供される定義は、相互に排他的となることを意味するものではない。例えば、いくつかの化学基は、2つ以上の定義に当てはまり得ることを理解されるであろう。
【0017】
本明細書で使用される用語「アルキル」は、必ずしもではないが、典型的には、1個から約24個の炭素原子を含む分岐または非分岐飽和炭化水素基を指し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、オクチル、デシル等、ならびにシクロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基である。概して、再度、必ずしもではないが、本明細書のアルキル基は、1個から約18個の炭素原子を含み得、そのような基は、1個から約12個の炭素原子を含み得る。用語「低級アルキル」は、1個から6個の炭素原子のアルキル基を意図する。「置換アルキル」は、1つ以上の置換基で置換されたアルキルを指し、用語「ヘテロ原子含有アルキル」および「ヘテロアルキル」は、以下に詳述されるように、少なくとも1つの炭素原子が、ヘテロ原子と置き換えられたアルキル置換基を指す。別様に示されない場合、用語「アルキル」および「低級アルキル」は、それぞれ、直鎖、分岐、環状、非置換、置換、および/またはヘテロ原子含有のアルキルあるいは低級アルキルを含む。
【0018】
本明細書で使用される用語「アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合を含む、2個から約24個の炭素原子の直鎖、分岐、または環状炭化水素基を指し、例えば、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、オクテニル、デセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、エイコセニル、テトラコセニル等である。概して、再度、必ずしもではないが、本明細書のアルケニル基は、2個から約18個の炭素原子を含み得、例えば、2個から12個の炭素原子を含み得る。用語「低級アルケニル」は、2個から6個の炭素原子のアルケニル基を意図する。用語「置換アルケニル」は、1つ以上の置換基で置換されたアルケニルを指し、用語「ヘテロ原子含有アルケニル」および「ヘテロアルケニル」は、少なくとも1つの炭素原子が、ヘテロ原子で置き換えられたアルケニルを指す。別様に示されない場合、用語「アルケニル」および「低級アルケニル」は、それぞれ、直鎖、分岐、環状、非置換、置換、および/またはヘテロ原子含有のアルケニルおよび低級アルケニルを含む。
【0019】
本明細書で使用される用語「アルキニル」は、少なくとも1つの三重結合を含む、2個から24個の炭素原子の直鎖または分岐炭化水素基を指し、例えば、エチニル、n−プロピニル等である。概して、再度、必ずしもではないが、本明細書のアルキニル基は、2個から約18個の炭素原子を含み得、そのような基は、2個から12個の炭素原子をさらに含み得る。用語「低級アルキニル」は、2個から6個の炭素原子のアルキニル基を意図する。用語「置換アルキニル」は、1つ以上の置換基で置換されたアルキニルを指し、用語「ヘテロ原子含有アルキニル」および「ヘテロアルキニル」は、少なくとも1つの炭素原子が、ヘテロ原子で置き換えられたアルキニルを指す。別様に示されない場合、用語「アルキニル」および「低級アルキニル」は、それぞれ、直鎖、分岐、非置換、置換、および/またはヘテロ原子含有のアルキニルおよび低級アルキニルを含む。
【0020】
別様に示されない場合、用語「不飽和アルキル」は、アルケニルおよびアルキニル、ならびにそれらの組み合わせを含む。
【0021】
本明細書で使用される用語「アルコキシ」は、単一の末端エーテル結合を通して結合されたアルキル基を意図し、すなわち、「アルコキシ」基は、アルキルが上記のように定義される、−O−アルキルとして表され得る。「低級アルコキシ」基は、1個から6個の炭素原子を含むアルコキシ基を意図し、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、t−ブチロキシ等を含む。本明細書で「C−Cアルコキシ」または「低級アルコキシ」として識別される置換基は、例えば、1個から3個の炭素原子を含み得、さらなる実施例として、そのような置換基は、1個から2個の炭素原子を含み得る(すなわち、メトキシおよびエトキシ)。
【0022】
本明細書で使用される用語「アリール」は、別様に指定されない限り、概して、必ずしもではないが、5個から30個の炭素原子を含み、ともに融合される、直接連鎖される、または間接的に連鎖(異なる芳香環が、共通基、例えば、メチレンまたはエチレン部分に結合されるように)される、単一芳香環または複数の芳香環(例えば、1個から3個の環)を含む、芳香族置換基である。アリール基は、例えば、5個から20個の炭素原子を含み得、さらなる実施例として、アリール基は、5個から12個の炭素原子を含み得る。例えば、アリール基は、1つの芳香環、あるいは2つの融合または連鎖芳香環を含み得、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ジフェニルアミン、ベンゾフェノン等である。「置換アリール」は、1つ以上の置換基で置換されたアリール部分を指し、用語「ヘテロ原子含有アリール」および「ヘテロアリール」は、以下に詳述されるように、少なくとも1つの炭素原子が、ヘテロ原子で置き換えられたアリールを指す。別様に示されない場合、用語「アリール」は、非置換、置換、および/またはヘテロ原子含有アリール置換基を含む。
【0023】
用語「アラルキル」は、アリール置換基を伴う、アルキル基を指し、用語「アルカリール」は、アルキル置換基を伴う、アリール基を指し、「アルキル」および「アリール」は、上述の通りである。概して、本明細書のアラルキルおよびアルカリール基は、6個から30個の炭素原子を含む。アラルキルおよびアルカリール基は、例えば、6個から20個の炭素原子を含み得、さらなる実施例として、そのような基は、6個から12個の炭素原子を含み得る。
【0024】
用語「オレフィン基」は、2個から12個の炭素原子の単不飽和または二不飽和炭化水素基を意図する。本分類内の好ましいオレフィン基は、時として、本明細書では、「低級オレフィン基」と呼ばれ、単一末端二重結合を含む、2個から6個の炭素原子の炭化水素部分を意図する。後者の部分はまた、「低級アルケニル」と称され得る。
【0025】
本明細書で使用される用語「アルキレン」は、1個から24個の炭素原子を含む、二官能性飽和分岐または非分岐炭化水素鎖を指す。「低級アルキレン」は、1個から6個の炭素原子を含むアルキレン連鎖を指し、例えば、メチレン(−−CH−−)、エチレン(−−CHCH−−)、プロピレン(−−CHCHCH−−)、2−メチルプロピレン(−−CH−−CH(CH)−−CH−−)、ヘキシレン(−−(CH−−)等を含む。
【0026】
用語「アミノ」は、本明細書では、非水素置換基を伴う、基−NZ(式中、ZおよびZは、水素または非水素置換基)を指すために使用され、例えば、アルキル、アリール、アルケニル、アラルキル、ならびにそれらの置換および/またはヘテロ原子含有の変種を含む。
【0027】
「ヘテロ原子含有アルキル基(また、「ヘテロアルキル」基とも称される)または「ヘテロ原子含有アリール基(また、「ヘテロアリール」基とも称される)における用語「ヘテロ原子含有」は、1つ以上の炭素原子が、炭素以外の原子、例えば、窒素、酸素、硫黄、リン、またはシリコン、典型的には、窒素、酸素、または硫黄で置き換えられた分子、連鎖、または置換基を指す。同様に、用語「ヘテロアルキル」は、ヘテロ原子含有アルキル置換基を指し、用語「複素環式」は、ヘテロ原子含有環状置換基を指し、用語「ヘテロアリール」および「ヘテロ芳香族」は、それぞれ、ヘテロ原子含有「アリール」および「芳香族」置換基等を指す。ヘテロアルキル基の実施例として、アルコキシアリール、アルキルスルファニル−置換アルキル、N−アルキル化アミノアルキル等が挙げられる。ヘテロアリール置換基の実施例として、ピロリル、ピロリジニル、ピリジニル、キノリニル、インドリル、フリル、ピリミジニル、イミダゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル等が挙げられ、ヘテロ原子含有脂環式基の実施例は、ピロリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、ピペリジノ、テトラヒドロフラニル等である。
【0028】
「ヒドロカルビル」は、1個から約30個の炭素原子を含み、1個から約24個の炭素原子を含み、さらに1個から約18個の炭素原子を含み、さらに1個から12個の炭素原子を含み、直鎖、分岐、環状、飽和、および不飽和種を含む、一価ヒドロカルビルラジカルを指し、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基等である。「置換ヒドロカルビル」は、1つ以上の置換基で置換されたヒドロカルビルを指し、用語「ヘテロ原子含有ヒドロカルビル」は、少なくとも1つの炭素原子が、ヘテロ原子で置き換えられたヒドロカルビルを指す。別様に示されない限り、用語「ヒドロカルビル」は、非置換、置換、ヘテロ原子含有、および置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビル部分を含むものとして解釈されるものとする。
【0029】
「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはイオドを指し、通常は、有機化合物中の水素原子のハロ置換基に関する。ハロの中でも、クロロおよびフルオロが、概して、好ましい。
【0030】
上述の定義のうちのいくつかに示唆されるように、「置換ヒドロカルビル」、「置換アルキル」、「置換アリール」等における「置換」によって、ヒドロカルビル、アルキル、アリール、または他の部分において、炭素(または、その他)原子に結合された少なくとも1つの水素原子が、1つ以上の置換基で置き換えられることが意味される。そのような置換基の実施例として、以下が挙げられるが、それらに限定されない:官能基、例えば、ハロ、ヒドロキシル、スルフヒドリル、C−C24アルコキシ、C−C24アルケニルオキシ、C−C24アルキニルオキシ、C−C20アリールオキシ、アシル(C−C24アルキルカルボニル(−CO−アルキル)およびC−C20アリールカルボニル(−CO−アリール)を含む)、アシルオキシ(−O−アシル)、C−C24アルコキシカルボニル(−(CO)−O−アルキル)、C−C20アリールオキシカルボニル(−(CO)−O−アリール)、ハロカルボニル(−CO)−X(式中、Xは、ハロである)、C−C24アルキルカルボナト(−O−(CO)−O−アルキル)、C−C20アリールカルボナト(−O−(CO)−O−アリール)、カルボキシ(−COOH)、カルボキシラト(−COO)、カルバモイル(−(CO)−NH)、一置換C−C24アルキルカルバモイル(−(CO)−NH(C−C24アルキル))、二置換アルキルカルバモイル(−(CO)−N(C−C24アルキル))、一置換アリールカルバモイル(−(CO)−NH−アリール)、チオカルバモイル(−(CS)−NH)、カルバミド(−NH−(CO)−NH)、シアノ(−C≡N)、イソシアノ(−N≡C)、シアナト(−O−C≡N)、イソシアナト(−O−N≡C)、イソチオシアナト(−S−C≡N)、アジド(−N=N=N)、ホルミル(−(CO)−H)、チオホルミル(−(CS)−H)、アミノ(−NH)、モノ−およびジ−(C−C24アルキル)−置換アミノ、モノ−およびジ−(C−C20アリール)−置換アミノ、C−C24アルキルアミド(−NH−(CO)−アルキル)、C−C20アリールアミド(−NH−(CO)−アリール)、イミノ(−CR=NH(式中、R=水素、C−C24アルキル、C−C20アリール、C−C20アルカリール、C−C20アラルキル等))、アルキルイミノ(−CR=N(アルキル)(式中、R=水素、アルキル、アリール、アルカリール等))、アリールイミノ(−CR=N(アリール)(式中、R=水素、アルキル、アリール、アルカリール等))、ニトロ(−NO)、ニトロソ(−NO)、スルホ(−SO−OH)、スルホナト(−SO−O)、C−C24アルキルスルファニル(−S−アルキル;また、「アルキルチオ」とも称される)、アルキルスルフィニル(−S−アリール;また、「アリールチオ」とも称される)、C−C24アルキルアルキルスルフィニル(−(SO)−アルキル)、C−C20アリールスルフィニル(−(SO)−アリール)、C−C24アルキルスルフォニル(−SO−アルキル)、C−C20アリールスルフォニル(−SO−アリール)、ホスホノ(−P(O)(OH))、ホスホナト(−P(O)(O)、ホスフィナト(−P(O)(O))、ホスホ(−PO)、およびホスフィノ(−PH)、モノ−およびジ−(C−C24アルキル)−置換ホスフィノ、モノ−およびジ−(C−C20アリール)−置換ホスフィノ;ならびにヒドロカルビル部分C−C24アルキル(C−C18アルキルを含み、C−C12アルキルをさらに含み、C−Cアルキルをさらに含む)、C−C24アルケニル(C−C18アルケニルを含み、C−C12アルケニルをさらに含み、C−Cアルケニルをさらに含む)、C−C24アルキニル(C−C18アルキニルを含み、C−C12アルキニルをさらに含み、C−Cアルキニルをさらに含む)、C−C30アリール(C−C20アリールを含み、C−C12アリールをさらに含む)、およびC−C30アラルキル(C−C20アラルキルを含み、C−C12アラルキルをさらに含む)。加えて、上述の官能基は、特定の基が可能である場合、1つ以上の付加的官能基または1つ以上のヒドロカルビル部分、例えば、具体的に上に列挙されたものでさらに置換され得る。同様に、上述のヒドロカルビル部分は、1つ以上の官能基または付加的ヒドロカルビル部分、例えば、具体的に列挙されたものでさらに置換され得る。
【0031】
可能な置換基のリストの前に用語「置換」が現れる時、用語は、その基のすべての要素に適用されることが意図される。例えば、語句「置換アルキルおよびアリール」は、「置換アルキルおよび置換アリール」と解釈されるものとする。
【0032】
別様に指定されない限り、原子の参照は、その原子の同位体を含むものと意味される。例えば、Hの参照は、H、H(すなわち、D)、およびH(すなわち、T)を含むものと意味され、Cの参照は、12Cおよび炭素の全同位体(例えば、13C)を含むものと意味される。
【0033】
本明細書で使用される場合、用語「透明」は、電磁放射に透過性である、材料を指す。LEDにおいて採用される透明コーティングの具体的文脈では、用語は、LEDによって放出される電磁放射の波長に透過性である、材料を指す。別様に記述されない限り、用語は、完全に透過性である材料、ならびに半透過性である材料を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、次いで、本発明は、LEDの性能の1つ以上の測定値を向上させるために好適な方法および材料を提供する。好ましい実施形態では、LEDは、有機LED(OLED)であるが、本発明は、それに限定されない。本開示全体を通して、OLEDを参照するが、そのような参照は、OLEDを単に例示として明記し、本発明は、概して、LEDにも同等に適用可能であることを理解されるであろう。
【0035】
向上され得る性能の測定値として、外部量子効率(すなわち、素子から逃出する光子の数/素子を通って流動する電子の数)、強度(単位面積当たりおよび/または合計)、ならびに発光効率(ルーメン/ワット)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0036】
いくつかの実施形態では、本発明は、LEDに対して外部表面を生成するための方法を提供する。本明細書で使用される場合、用語「外部表面」は、LEDの最外障壁、すなわち、LEDと環境との間の界面を形成する、表面を指す。環境は、空気、不活性ガス、例えば、アルゴンまたは窒素、反応ガス、例えば、酸素または水素、流体、例えば、水または有機溶媒、および任意の組み合わせを含む(それらに限定されない)、種々の物質のいずれかから成り得ることを理解されるであろう。典型的には、環境は、液体またはガスから成る。いくつかの事例では、環境は、減圧時のガスまたはガスの混合物から成り、いくつかの事例では、環境は、真空から成るであろう(すなわち、材料の不在または略不在)。
【0037】
本発明に適切なOLEDの構成は、可変であるだろう。典型的OLED積層は、以下の構成要素を備える:電子注入電極層、エレクトロルミネセント層、正孔注入電極層、および基板。電極層のうちの1つは、基板として機能することが可能であって、そのような実施形態は、本発明の範囲内であるが、典型的OLEDは、別個の基板層を備える。付加的構成要素は、誘電層と、封入層とを含み得る。さらに、電極はそれぞれ、1つ以上の材料層を備え得る。例えば、2つの材料の組み合わせは、アノード/正孔注入電極を形成してもよく、2つの材料の組み合わせは、カソード/電子注入電極を形成し得る。OLEDは、エレクトロルミネセント層によって放出される光子が、基板を通して(その場合、基板は、透明である)、または電極の一方を通して(その場合、電極は、透明である)、進行するように構成され得る。空洞を備え、エレクトロルミネセント材料が、空洞内に配置され、放出が、少なくとも部分的に、空洞内から生じる(「空洞OLED」または「COLED」素子)、OLEDもまた、発明の範囲内である。
【0038】
本発明に好適なOLED幾何学形状として、例えば、以下の特許および特許出願公開に説明されるものが挙げられ、その関連内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる:米国特許第6,593,687号、第6,723,828号、第6,800722号、および第7,098,297号;米国特許出願公開第US 2008/0248240号;ならびにPCT国際出願第WO 2009/093996号および第WO 2009/025870号。
【0039】
本発明のOLEDは、透明最外層を備え、それを、素子によって放出される光子が、素子から出射し環境に入射する前に通過する。好ましい実施形態では、透明最外層は、基板である。他の実施形態では、透明最外層は、透明電極層、例えば、透明正孔注入層または透明電子注入層である。なおもさらなる実施形態では、透明最外層は、封入層である(すなわち、OLED積層を被覆する保護層)。本開示では、透明最外層の「外部表面」は、環境と接合する表面を指す一方、透明最外層の「内部表面」は、下層(例えば、電極またはOLED積層からの別の構成要素)と接合する表面を指す。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態では、OLEDの透明最外層は、表面粗度を含むように修正される。本発明の他の実施形態では、OLEDの透明最外層は、(比較的に)平滑表面を保持し、付加的層が、表面に適用される。そのような実施形態では、付加的層は、素子の「最外」層となることを理解されるであろう。
【0041】
OLEDの透明最外層が、表面粗度を含むように修正される実施形態では、そのような修正は、任意の適切な手段によって達成され得る。例えば、表面は、高速で進行する砂粒子の微細流に曝露され得る(すなわち、砂吹き付け)。砂粒子の表面との衝突によって、圧痕および表面の粗度を増加させる他の表面特徴を生成させる。砂粒子の直径、表面に衝突する運動量、および表面に衝突する粒子の量は、所望のレベルの表面粗度を達成するように可変である、因子である。砂以外の材料が、本技法において使用され得る。別の実施例では、表面は、粗表面を有する材料(例えば、研磨紙等)によって、機械的研削または研磨に曝露され得る。
【0042】
他の実施形態では、OLEDの透明最外層は、修正されない。代わりに、付加的層(また、多孔性層とも呼ばれる)が、OLEDの透明最外層を覆って適用される。多孔性層は、以前に最外層であった層に重層するため、素子の新しい最外層となり、素子と環境との間に界面を形成する。OLEDから出射する光子は、環境に入射する直前に、多孔性層を通って進行する。本開示では、多孔性層が、透明最外層を覆って配置されると、後者の層は、「最後から2番目の層」と称されるであろう。さらに、本開示では、多孔性層の「外部表面」は、環境と接合する表面を指す一方、多孔性層の「内部表面」は、最後から2番目の層と接合する表面を指す。
【0043】
多孔性層は、マトリクス材料および複数の孔(また、「孔隙」とも称される)を備える。いくつかのそのような孔は、多孔性層内に全体的に封入され得るが(例えば、多孔性層の外部表面を突破しない、閉細胞型孔)、典型的には、複数の孔が、多孔性層の外部表面に位置する。多孔性層の外部表面を交差する孔はまた、本明細書では、「微小空洞」とも称される。そのような微小空洞は、外部表面から多孔性層内へと延在する。微小空洞の壁は、多孔性層の外部表面と連続であるが、多孔性層の外部表面に対して、種々の角度で配置される。多孔性層を通って進行する光子が、多孔性層の外部表面に接近すると、光子の一部は、微小空洞の壁に衝突し、壁を経由して、素子から出射する。微小空洞の壁は、多孔性層の外部表面と連続であって、したがって、外部表面の一部であるが(すなわち、壁は、環境との界面を形成し、多孔性層の外部表面も同様である)、本明細書では、「多孔性層の外部表面」は、典型的には、微小空洞壁を含むように意図されない。しかしながら、それが、微小空洞壁を含むように意図される時、文脈から明白となるであろう。
【0044】
微小空洞は、任意の特定の形状に限定されない。いくつかの実施形態では、微小空洞は、球状ポロゲン粒子の除去によって生成され、したがって、また、球状である(用語「球状」は、正確な球体に限定されず、また、異常、卵状粒子、および他の奇形球状形状を有する球体も含むことを理解されるであろう)。いくつかの実施形態では、微小空洞は、断面が、長方形、四角形、台形、または三角形である。いくつかの実施形態では、微小空洞は、規則的形状を有していない(すなわち、不規則である)。
【0045】
微小空洞または表面粗度を欠いた従来の素子(すなわち、平滑最外層の外部表面を有する素子)では、光子は、光子が最外層の外部表面に衝突すると、光子が外部表面を通過し、素子から環境へと出射するのではなく、最外層に後方反射されるような軌道で、OLED積層から放出され得る。全内部反射と呼ばれる本現象は、最外層の外部表面上の光子の入射角が、閾値を上回る時に生じる。閾値は、最外層および環境の相対屈折率に依存する。全内部反射は、素子から出射する光子の数を減少させ、それによって、素子のEQEおよび総輝度を低下させる。
【0046】
微小空洞の壁は、種々の角度において、多孔性層の外部表面を交差するため、微小空洞壁を通って、素子から出射する光子は、典型的には、同一軌道を有する光子が、微小空洞のない状態で衝突するであろう角度とは、異なる角度で出射する。本現象を例証するために、素子Aが、微小空洞を備える多孔性層を有し、素子Bが、多孔性層を欠き、最外層の平滑外部表面を有し、その他の点では、素子が同じである、素子AおよびBを検討する。ある軌道を有する、素子A内の光子P1は、角度A1において、微小空洞を通って、素子から出射するであろう。光子P1と同一軌道を有する、素子B内の光子P2は、角度B1において、最外層の外部表面を通って、素子から出射するであろう。角度B1が、全内部反射が光子P2に対して生じるようなものである場合であっても、角度A1は、光子A1が、屈折、反射、またはそれらの組み合わせを介して、素子から出射可能であるようなものである場合がある。本現象を介して、多孔性層の微小空洞(または、代替として、多孔性層を含まない素子の場合、最外層の表面粗度)は、素子内に後方反射される光子の数を減少させる。本現象は、以下に詳述される、図1においてさらに例証される。
【0047】
多孔性層は、前駆多孔性層として適用され得る。これらの実施形態では、前駆多孔性層は、マトリクス材料と、ポロゲンとを備える。前駆多孔性層の蒸着後、ポロゲンが除去され、最外層として、多孔性層が残る。ポロゲンの除去のための方法は、使用されるポロゲンの種類に応じて可変であって、以下に詳述される。マトリクス材料は、いくつかの実施形態では、ポロゲンの除去前、またはより好ましくは、後のいずれかにおいて、架橋結合される、架橋性材料である。
【0048】
(材料)
本発明の方法における基板に好適な材料は、透明または半透明であって、OLED素子と適合性がある。ポリマーおよび非晶質または半結晶性セラミックは、好ましい材料である。無機材料の実施例として、二酸化ケイ素(すなわち、シリカガラス)、種々のシリコン系ガラス、例えば、ソーダ石灰ガラスおよびホウケイ酸ガラス、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、塩化ナトリウム、ダイヤモンド等が挙げられる。透明または半透明ポリマー材料の実施例として、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ならびにコポリマーおよびそれらのコポリマーおよび混合物が挙げられる。基板は、剛体または可撓性であり得、任意の好適な形状および構成であり得る。
【0049】
不透明基板が使用される実施形態では、OLEDの電極の一方は、光子が、透明電極を通って、素子から放出されるように、透明電極材料から成り得る。透明電極材料の実施例として、インジウムスズ酸化物(ITO)等が挙げられる。いくつかの実施形態では、電極は、材料に透明性を付与するために十分に薄い、材料の層から成り得る一方、材料は、通常、バルク形態では、不透明である。実施例は、アルミニウム金属の非常に薄い層から成る、電極である。
【0050】
上述のように、多孔性層は、マトリクス材料を備える。いくつかの実施形態では、マトリクス材料(また、本明細書では、プレセラミック材料とも称される)は、架橋結合される、または架橋網を形成可能である、非伝導性材料である。多孔性層が、最初に、前駆多孔性層として蒸着される場合、前駆多孔性層もまた、架橋されるか、または架橋性形態のいずれかのマトリクス材料を備える。
【0051】
いくつかの実施形態では、マトリクス材料は、有機または完全に無機であり得る、シリコン含有材料である。実施例として、マトリクス材料は、1993年9月21日発行のBlumの米国特許第5,246,738号(「Hydridosiloxanes as Precursors to Ceramic Products」)、および2008年12月8日出願の同時係属中の米国特許出願第12/330,319号に説明されている、プレセラミック材料の構造を有し得、それらの本明細書に開示される方法によって、合成され得る。そのような材料および方法に関わるこれらの文書の開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる。
【0052】
例えば、マトリクス材料は、式(I)の構造を有する、反復単位を備え得る。
【0053】
【化1】

式中、RおよびRは、独立して、H、OH、C−C30ヒドロカルビル、有機金属、ハロカルビル、および有機シリルから選択され、そのそれぞれは、随意に、置換され、随意に、ヘテロ原子含有であり得、式中、Xは、−O−および−NR−から選択され、式中、Rは、ヒドロカルビルである。例えば、各RおよびRは、H、OH、またはヒドロカルビルであり得る。好ましい実施形態では、RおよびRは、H、OH、C−C20アルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、C−C20アルコキシ、C−C20アリール、C−C20アリールオキシ、C−C20アラルキル、およびC−C20アルカリールから選択される。さらに好ましい実施形態では、RおよびRは、置換または非置換C−C20アルキル、置換または非置換ヘテロ原子含有C−C20アルキル、置換または非置換C−C20アルケニル、置換または非置換ヘテロ原子含有C−C20アルケニル、置換または非置換C−C20アルキニル、置換または非置換ヘテロ原子含有C−C20アルキニル、置換または非置換C−C20アリール、置換または非置換C−C20ヘテロアリール、置換または非置換C−C20アラルキル、置換または非置換ヘテロ原子含有C−C20アラルキル、置換または非置換C−C20アルカリール、および置換または非置換ヘテロ原子含有C−C20アルカリールから選択される。いくつかの実施形態では、Rは、OHであって、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、およびアルカリールから選択され、そのいずれも、ヘテロ原子含有であり得、そのいずれも、非置換であるか、またはハロ、ヒドロキシル、アルキル、およびアリールから選択される、1つ以上の基で置換され得る。いくつかの実施形態では、Rは、低級アルキル、例えば、メチルまたはエチルであって、Rは、H、OH、またはC−C20アルコキシである。いくつかの好ましい実施形態では、Xは、結合材料が、シロキサンまたはポリシロキサン材料で有るように、−O−である。
【0054】
さらに、式(I)では、nは、1以上の整数である。故に、モノマー、ダイマー、トリマー、および高次材料、例えば、オリゴマーおよびポリマーが、好適である。 マトリクス材料は、異なる化合物の混合物を備え得、それぞれ、式(I)の構造を有するが、種々のnの値を有する、反復単位を備えることを理解されるであろう。
【0055】
例えば、マトリクス材料は、式[RSi(OH)O]、[RSi(OR2a)O]、および/または[RSi(H)O]を有する、反復単位を備え得、Rは、上述に定義されるものであって、R2aは、ヒドロカルビルおよび有機シリルから選択される。
【0056】
マトリクス材料は、硬化反応を介して、架橋結合されるか、または架橋性のいずれかである。硬化は、結合材料を架橋結合する際に効果的な任意の方法を使用して、実行可能である。例えば、所定の時間における熱および/またはUV放射の印加は、高温および/または放射への曝露で架橋結合する結合材料を硬化する効果的な方法である。代替として、または加えて、架橋結合触媒、例えば、有機アミンまたは別の有機塩基を使用して、結合材料を架橋結合し得る。ある場合には、そのような反応は、自発的に生じるため、硬化反応を誘発する(例えば、熱を印加することによって)必要性がないことを理解されるであろう。好ましい実施形態では、硬化反応から生じるいずれの副産物も、溶媒洗浄によって、便宜的に除去される、小分子(例えば、水、メタノール等)である。
【0057】
いくつかの実施形態では、硬化後、マトリクス材料は、構造−[Si(R)(X)1.5]−を有する架橋単位を備え、Rは、H、ヒドロキシル、フルオロカルビル、およびヒドロカルビルから選択され、Xは、−O−および−NR−から選択され、Rは、アルキルおよびアリールから選択される。例えば、Xは、−O−であって、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、およびアルカリールから選択され、そのいずれも、ヘテロ原子含有であり得、そのいずれも、非置換、またはハロ、ヒドロキシル、アルキル、およびアリールから選択される、1つ以上の基で置換され得る。
【0058】
上述のマトリクス材料は、例えば、米国出願第12/330,319号に説明されるように、デヒドロカップリング反応および/またはヒドロシリル化反応を使用して、調製され得る。例えば、マトリクス材料は、遷移金属触媒、例えば、Ru(CO)12、HPtCl等の存在下、ポリヒドロメチルシロキサン(PHMS)の水および/またはアルコールとの反応によって調製され得る。マトリクス材料は、調製されると、例えば、当技術分野において典型的であるように、シリカゲルまたは活性炭カラムを使用して、遷移金属触媒で精製可能である。
【0059】
上述の材料に加えて、または代替として、マトリクス材料は、他の架橋または架橋性材料を備え得る。いくつかの実施形態では、マトリクス材料は、架橋結合された、または架橋性のポリマーであって、例えば、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、エポキシ(熱硬化性およびUV硬化性エポキシを含む)、ならびにコポリマーおよびそれらの混合物である。
【0060】
いくつかの実施形態では、マトリクス材料は、架橋結合されない、または架橋性ではない、ポリマーを備える。例えば、マトリクス材料は、ポリカーボネート、ポリアクリル、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、または類似特性を伴う材料であり得る。特に、多孔性層が使用されない(すなわち、表面粗度が、機械的方法、例えば、砂吹き付けを介して得られる)実施形態では、非架橋ポリマー材料、例えば、ポリカーボネートまたはポリエチレンが、使用され得る。代替として、架橋ポリマー、例えば、上述のものが、使用され得る。
【0061】
多孔性層は、前駆多孔性層からポロゲンを除去することによって形成され得る。故に、前駆多孔性層は、マトリクス材料(上述のように、架橋または架橋性材料のいずれか)と、ポロゲンとを備える。ポロゲンは、前駆多孔性層から分解または別様に除去可能である、微粒子材料である。
【0062】
ポロゲンに好適な材料として、例えば、金属および金属酸化物が挙げられる。ポロゲン粒子に好適な金属および金属酸化物材料の実施例として、アルミニウム、チタン、鉄、クロム、マグネシウム、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、シリコン等、ならびにそのような金属の酸化物(例えば、酸化物アルミニウム、二酸化チタン等)が挙げられる。これらの材料のそれぞれとの反応に好適な化合物は、当技術分野において周知であって、酸、例えば、塩酸、フッ酸、硫酸、リン酸、および硝酸、ならびに塩基、例えば、水酸化ナトリウムが挙げられる。例えば、アルミニウムポロゲン粒子は、塩酸との反応(溶解)を介して、前駆多孔性層から除去され得る。
【0063】
ポロゲン粒子に好適な他の材料として、例えば、化学的または熱的に分解可能である、有機ポリマーが挙げられる。典型的には、そのようなポロゲン粒子の分解によって、分解産物が、単純溶媒洗浄によって、多孔性層から除去され得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、ポロゲンは、液体、例えば、溶媒(例えば、水、有機溶媒等)であり得る。例えば、上述のプレセラミック材料が、マトリクス材料として使用される時、溶媒液滴は、ポロゲンとして作用可能である。プレセラミック材料内の溶媒液滴の分散は、2つの構成要素を含む混合物を激しく混合することによって達成可能である。次いで、マトリクス材料内に溶媒液滴の結果として生じる懸濁液は、基板に投入または別様に適用され、前駆多孔性層を形成する。前駆多孔性層は、架橋剤(例えば、熱、電磁エネルギー、架橋触媒等)によって処理され、溶媒液滴が、熱および/または真空を介して除去され、したがって、多孔性層を形成する。
【0065】
基板およびポロゲンまたは前駆ポロゲン層に加え、本発明の素子は、OLED積層内に種々の層、例えば、エレクトロルミネセント層、2つの電極層(すなわち、正孔注入電極および電子注入電極)、任意の誘電層、および任意の封入層をさらに備える。例えば、電極層のための材料として、上述の透明電極材料、ならびに金属、例えば、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等、伝導性金属酸化物、例えば、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、またはZnの酸化物、および他の好適な伝導性材料(例えば、伝導性ポリマー等)が挙げられる。誘電層および/または封入層のための材料として、基板に関して上述に列挙された透明材料のすべてが挙げられる。
【0066】
本発明の素子は、エレクトロルミネセント層をさらに備える。本発明の方法における、エレクトロルミネセント層に好適な材料は、正孔注入層からの正孔および電子注入層からの電子を受け取り、注入された正孔および電子が結合すると、電磁放射(例えば、光)を放出可能な材料である。故に、ある実施形態では、エレクトロルミネセント材料は、有機または小分子の多層等、いくつかの有機化合物または無機化合物あるいはそれらの混合物のうちのいずれかを含み得る。例えば、エレクトロルミネセント層は、ポリマー材料を含み得、または1つ以上の小分子材料から成り得る。しかしながら、材料は、少なくとも1つのエレクトロルミネセント化合物、例えば、有機、無機、または小分子エレクトロルミネセント化合物を含まなければならない。ある実施形態では、エレクトロルミネセント化合物は、単純有機分子または複合ポリマーあるいはコポリマーを含み得る。例えば、単純有機ルミネセント分子は、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)−アルミニウムまたはペリレンを含み得る。
【0067】
ある実施形態では、エレクトロルミネセント材料は、ポリマーまたはコポリマーを含む。好適なポリマーまたはコポリマーの分子構造は、炭素系またはシリコン系バックボーンを含み得る。ポリマーおよびコポリマーは、直鎖、分岐、架橋、またはそれらの任意の組み合わせであり得、約5000の低程度から1,000,000超の広範囲の分子量を有し得る。コポリマーの場合、コポリマーは、交互、ブロック、ランダム、グラフトコポリマー、またはそれらの組み合わせであり得る。本開示に関連して有用である、好適なエレクトロルミネセントポリマーの実施例として、共役ポリマー、例えば、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニルビニレン、ポリフルオレン類、1,3,4−オキサジアゾール含有ポリマー、ならびにそれらの種々の誘導体およびコポリマー等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0068】
例示的エレクトロルミネセントポリマーは、以下の式(II)の一般構造を有する、アリール置換されたポリ(アリレン−ビニレン)ポリマーである。
【0069】
【化2】

Arは、1個から3個の芳香環を含む、アリレン、ヘテロアリレン、置換アリレン、または置換ヘテロアリレンである。
【0070】
は、アリール置換基であって、かつ式−−Ar−−N(R)であって、Arは、Arについて定義される通りであって、RおよびRは、独立して、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、または置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビルである。
【0071】
およびRは、独立して、ヒドリド、ハロ、シアノ、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、および置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビルから成る群から選択され、またはRおよびRは、三重結合を一緒に形成し得る。
【0072】
他の部分は、以下の通りであり得る。
【0073】
Arは、5員または6員アリレン、ヘテロアリレン、置換アリレン、または置換ヘテロアリレン基であり得、あるいは融合もしくは連鎖された、1個から3個のそのような基を含み得る。好ましくは、Arは、1つまたは2つの芳香環から構成され、最も好ましくは、5員または6員アリレン、ヘテロアリレン、置換アリレン、または置換ヘテロアリレンである、単一芳香環から構成される。アリール置換基中のアリレン結合部分であるArは、同じように定義される。
【0074】
置換基RおよびRは、概して、ヒドリドであるが、また、ハロ(特に、クロロまたはフルオロ)あるいはシアノ、もしくは置換または非置換アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、およびヘテロアリールであり得る。
【0075】
およびRは、同じであるか、または異なり得、述べたように、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、または置換ヘテロ原子含有ヒドロカルビルである。例えば、RおよびRは、アルキル、アルコキシ置換されたアルキル、ポリエーテル置換されたアルキル、ニトロ置換されたアルキル、ハロ置換されたアルキル、アリール、アルコキシ置換されたアリール、ポリエーテル置換されたアリール、ニトロ置換されたアリール、ハロ置換されたアリール、ヘテロアリール、アルコキシ置換されたヘテロアリール、ポリエーテル置換されたヘテロアリール、ニトロ置換されたヘテロアリール、ハロ置換されたヘテロアリール等であり得る。ある実施形態では、置換基は、アリール、例えば、フェニル、アルコキシ置換されたフェニル(特に、メトキシフェニル等の低級アルコキシ置換されたフェニル)、ポリエーテル置換されたフェニル(特に、−−CH(OCHCHOCHまたは−−(OCHCHOCHで置換されたフェニル、nは、概して1〜12、好ましくは1〜6、最も好ましくは1〜3である)、およびハロ置換されたフェニル(特に、フッ化または塩化フェニル)である。
【0076】
米国特許第6,414,104号で説明されている別の例示的エレクトロルミネセントポリマー材料は、以下の式(III)の一般的構造を有するモノマー単位を含む、アリール置換されたポリ(アリレン−ビニレン)ポリマーである。
【0077】
【化3】

X、Y、およびZは、独立して、N、CH、およびCRから成る群から選択され、Rは、ハロ、シアノ、アルキル、置換アルキル、ヘテロ原子含有アルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、または置換へテロアリールであるか、または、隣接する炭素原子上の2つのR部分は、追加環状基を形成するように連鎖され得る。
【0078】
Arは、上記で定義される通りである。
【0079】
ArおよびArは、独立して、1つまたは2つの芳香環を含む、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、および置換ヘテロアリールから成る群から選択される。
【0080】
およびRは、上記で定義される通りである。
【0081】
上述の式(I)では、X、Y、およびZがすべて、CHである時、ポリマーは、ポリ(フェニレンビニレン)誘導体である。X、Y、およびZのうちの少なくとも1つがNである時、芳香環は、例えば、置換または非置換ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,2,4−トリアジニル、または1,2,3−トリアジニルとなるであろう。例えば、X、Y、およびZのうちの1つは、CHであり得、他の2つは、CHまたはCRのいずれか一方であり得、Rは、ヘテロ原子含有アルキル、例えば、アルコキシ、または、nが、1から12、例えば、1から3等の1から6であり得る、ポリエーテル置換基−CH(OCHCHOCHまたは−(OCHCHOCH基であり得る。
【0082】
ポリマーは、少なくとも1つの追加種類のモノマー単位を伴う、ホモポリマーまたはコポリマーであり得る。好ましくは、ポリマーがコポリマーである場合、追加モノマー単位もまた、例えば、式(IV)の構造を有する、アリレン−ビニレンモノマー単位である。
【0083】
【化4】

式中、R、R、およびRは、上述に定義された通りであって、qは、0から4を含む範囲の整数である。
【0084】
式(I)の構造を有する具体的なポリマーの実施例は、ポリ(2−(4−ジフェニルアミノ−フェニル)−1,4−フェニレンビニレン、およびポリ(2−(3−ジフェニルアミノフェニル)−1,4−フェニレンビニレンである。
【0085】
米国特許第6,414,104号で開示されている具体的なポリマーの実施例は、ポリ(2−(4−ジフェニルアミノ−フェニル)−1,4−フェニレンビニレン、およびポリ(2−(3−ジフェニルアミノフェニル)−1,4−フェニレンビニレンである。
【0086】
本発明における使用に好適なエレクトロルミネセントポリマーもまた、米国特許第6,723,828号、第6,800,722号、および第7,098,297に説明されており、参照することによって本明細書に組み込まれる。これらの参照された特許において、式(V)の構造を有するモノマー単位を含む、共役ポリマーが開示される。
【0087】
【化5】

ArおよびArは、独立して、単環式、二環式、および多環式アリレン、ヘテロアリレン、置換アリレン、置換ヘテロアリレン基から成る群から選択される。
【0088】
Lは、アルキレン、アルケニレン、置換アルキレン、置換アルケニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、置換ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルケニレン、アリレン、ヘテロアリレン、置換アリレン、または置換ヘテロアリレンである。
【0089】
mは、0または1である。
【0090】
nは、0または1である。
【0091】
およびQは、独立して、H、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、置換ヘテロアリール、アルキル、および置換アルキルから成る群から選択され、Qは、mが1であって、QおよびQがH以外であるという条件で、アルキルおよび置換アルキルから成る群から選択される。
【0092】
は、負の電荷を持つ対イオンである。
【0093】
エレクトロルミネセント材料はまた、式(IV)内のポリマーと他のポリマーの混成物ならびに種々のコポリマーを含み得る。
【0094】
(素子、調製、および特質)
ポロゲン粒子の形状およびサイズは、多孔性層内の孔のサイズおよび形状を変動させるために、可変であり得る。典型的ポロゲン粒子は、球状であるが、他の形状(例えば、棒状、立方体等)も、同様に使用され得る。好ましい実施形態では、10nmから約1000nm、または約10nmから約500nm、または約10nmから約300nm、または約10nmから約100nm、または約30nmから約500nm、または約50nmから約500nm、または約80nmから約500nm、または約100nmから約500nmの範囲の平均直径を有する(または、非球状粒子の場合、最長寸法を有する)、ポロゲン粒子が使用される。いくつかの好ましい実施形態では、約10nm超、または約30nm超、または約50nm超、または約80nm超、または約100nm超、または約150nm超、または約200nm超、または約300nm超、または約500nm超の平均直径を有する、ポロゲン粒子が使用される。いくつかの実施形態では、約500nm未満、または約300nm未満、または約200nm未満、または約150nm未満、または約100nm未満、または約80nm未満、または約50nm未満、または約30nm未満の平均直径を有する、ポロゲン粒子が使用される。
【0095】
ポロゲン除去ステップでは、前駆多孔性層は、前駆多孔性層内に存在するポロゲン材料の少なくとも一部の除去を生じさせるために十分な時間の間、ポロゲン除去剤(例えば、上述のように、金属ポロゲンの場合は、酸)と接触される。ポロゲン除去剤に曝露されるポロゲン粒子は、前駆多孔性層から分解または別様に除去される。例えば、ポロゲンが金属であって、ポロゲン除去剤が、酸性水溶液である場合、金属と酸の接触は、金属を反応させ、水溶液中で分解する、帯電金属種を形成する。このように、ポロゲンは、前駆多孔性層から除去され、水溶液で充填された孔が残る。水溶液の除去と後続洗浄および/または乾燥によって、環境に曝露される多孔性層内に孔が残る。
【0096】
ことに留意されたい、本明細書で使用される場合、用語「孔」は、取り囲むマトリクス材料以外の任意の材料で充填され得る材料内の空間を含むことに留意されたい。孔は、不活性ガス、空気、液体、または固体、例えば、ポロゲンで充填され得る。したがって、前駆多孔性層は、ポロゲン材料で充填される、孔を備える。多孔性層は、ポロゲン材料、ガス、および液体から選択される、1つ以上の材料で充填される、孔を備える。
【0097】
好ましい実施形態では、前駆多孔性層は、単層として配列されたポロゲン粒子を備える。しかしながら、いくつかの実施形態では、ポロゲン粒子は、前駆多孔性層内に複数層のポロゲン粒子が存在するように、単層より多く存在し得る。ポロゲン粒子の最小限の凝集を生じさせるように、ポロゲン粒子をマトリクス材料と混合することが好ましい。粒子/面積または粒子/体積によって測定される、粒子の密度は、前駆多孔性層を生産するために使用される組成内の粒子の濃度ならびに前駆多孔性層の厚さに伴って、可変であり得る。ポロゲン粒子の密度、したがって、多孔性層内の孔の密度は、多孔性層およびOLED素子の所望の最適特性を得るために、必要に応じて、可変であり得る。いくつかの実施形態では、ポロゲン粒子の密包填単層(すなわち、隣接する粒子が密着する)が調製され、他の実施形態では、ポロゲン粒子の分散単層(すなわち、隣接する粒子が密着しない)が調製される。ポロゲン粒子の密包填単層は、開細胞型構造を有する多孔性層をもたらす一方、ポロゲン粒子の分散単層は、閉細胞型多孔性層をもたらす。さらに、任意の所与の多孔性層に対して、孔の密度は、層全体にわたって実質的に均等であり得、または場所依存であり得る。場所依存多孔性層の実施例として、半径方向に増加する、または半径方向に減少する(すなわち、孔密度が、中心点からの距離に伴って、増減する)孔密度を有するものが挙げられ、そのような不均一分布は、OLED素子の望ましい最適特質を得るために採用され得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、前駆多孔性層の厚さは、約10nmから約1000nm、または約10nmから約500nm、または約10nmから約300nm、または約10nmから約100nm、または約30nmから約500nm、または約50nmから約500nm、または約80nmから約500nm、または約100nmから約500nmの範囲内となるであろう。好ましい実施形態では、前駆多孔性層の厚さは、前駆多孔性層材料内で使用されるポロゲン粒子の直径の1倍から2倍となるであろう。好ましい実施形態では、前駆多孔性層の厚さは、前駆多孔性層材料内で使用されるポロゲン粒子の直径の約100%、または約150%、または約200%、または約250%となるであろう。
【0099】
前駆多孔性層の外部表面またはその近傍のポロゲン粒子の割合は、部分的に、ポロゲン粒子の直径に対する前駆多孔性層の厚さに依存するであろう。例えば、前駆多孔性層が、ポロゲン粒子の直径より数倍厚い場合、比較的に少ない割合のポロゲン粒子が、外部表面またはその近傍にあることになる一方、前駆多孔性層が、ポロゲン粒子の直径と同一(または、略同一)の厚さである場合、粒子の大部分または全部が、外部表面にあることになるであろう。
【0100】
概して、必ずしもではないが、前駆多孔性層の外部表面またはその近傍のポロゲン粒子は、ポロゲン除去ステップの際、ポロゲン除去剤により曝露され、ポロゲン除去ステップの際、全体的または部分的に除去される可能性が高いであろう。例えば、酸性水溶液が、ポロゲン除去剤として使用される時、水溶液に曝露されるポロゲン粒子のみ、酸と反応するであろう。前駆多孔性層の表面またはその近傍のポロゲン粒子の実質的に全部が、酸に曝露され、それと反応するであろう。マトリクス材料内に完全に封入され、外部表面またはその近傍にないポロゲン粒子は、概して、ポロゲン除去ステップのために使用される条件下、酸性水溶液に曝露されないであろう。故に、ポロゲン除去ステップ後、いくつかのポロゲン粒子は、全体的または部分的に、多孔性層内に残留し得る。そのような粒子は、素子の電気特性に影響を及ぼす可能性はないであろうが、ポロゲン層の最適特性は、多かれ少なかれ、そのような残留ポロゲン粒子を含むことによって、改変され得ることを理解されるであろう。
【0101】
ポロゲン除去ステップが、ポロゲン除去剤を採用しない時(例えば、熱または真空が、ポロゲン除去ステップにおいて使用される)時、前駆多孔性層内のポロゲン粒子の場所は、ポロゲン除去ステップにおいて除去されるポロゲン材料の量にほとんど影響を及ぼさないことを理解されるであろう。いくつかの実施形態では、実質的に全部のポロゲン材料が、熱または真空の印加によって、除去される(マトリクス材料内に完全に封入され、外部表面またはその近傍にない材料を含む)。
【0102】
いくつかの実施形態では、多孔性層を調製するプロセスは、前駆多孔性層を蒸着させ、続いて、(前駆多孔性層をポロゲン除去剤に曝露する前に)前駆多孔性層から材料をエッチングする(または、別様に除去する)ステップを含む。本エッチングステップは、典型的には、特に、マトリクス材料を選択的に除去し、ポロゲン材料をそのままに残すエッチング液が使用される場合、前駆多孔性層の表面に曝露されるポロゲン材料の量を増加させる。
【0103】
前駆多孔性層の厚さおよびポロゲン粒子の直径に応じて、ポロゲン粒子の除去によって生成される微小空洞は、多孔性層内に部分的に延在するであろう。例えば、微小空洞は、多孔性層の厚さの0.001%、または0.01%、または0.1%、または1%、または5%、または10%、または15%、または25%、または35%、または50%、または65%、または75%、または90%の深度まで延在し得る。また、例えば、微小空洞は、多孔性層の厚さの0.001%から0.01%、または0.01%から0.1%、または1%から10%、または10%から25%、または15%から35%、または25%から50%、または25%から75%の深度まで延在し得る。これらの割合は、多孔性層内への延在の平均深度を表し、個々の微小空洞に対する深度は変動することを理解されるであろう。いくつかの実施形態では、微小空洞は、多孔性層を完全に通って延在し得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、微小空洞を備える多孔性層を調製するプロセスは、ポロゲン除去ステップ後、最終エッチングステップをさらに備える。本最終エッチングステップは、多孔性層から材料をエッチングする(または、別様に除去する)。典型的には、最終エッチングステップは、微小空洞の形状を修正する(例えば、微小空洞を拡大する、または環境に曝露される微小空洞の開口部を拡大する)。そのような修正は、多孔性層の最適特性を変化させることが所望される場合に使用され得、いくつかの実施形態では、微小空洞の拡大は、素子に対する光抽出効率を増加させる。
【0105】
前駆多孔性または多孔性層の蒸着は、任意の適切な方法によって達成可能である。例えば、方法は、化学溶液蒸着方法、例えば、ゾル−ゲル処理、浸漬コーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング等を含む。一例示的実施形態では、溶媒中にマトリクス材料(架橋性プレセラミック材料)とポロゲン(金属粒子)を備える混合物が調製され、十分に混合され、次いで、OLED素子の基板上に旋転または投入される。このように調製された前駆多孔性層は、酸で処理され、前駆多孔性層の表面に曝露されるポロゲン粒子を分解させる。このように調製された多孔性層は、熱で処理され、プレセラミック材料を架橋結合する。代替として、前駆多孔性層は、熱で処理され、最初に、プレセラミック材料を架橋結合し、続いて、酸で処理され、ポロゲンを除去し得る。
【0106】
ある場合には、反射材料、例えば、金属の層で微小空洞の壁を塗膜することが望ましい。そのようなコーティングは、通常手段、例えば、熱蒸発、スパッタリング、または化学気相蒸着によって塗布可能である。いくつかの実施形態では、蒸着は、微小空洞壁のある面のみ塗膜されるように、制御された角度で行なわれる。反射材料のコーティングはさらに、(多孔性層内に補足されるのではなく)環境に放出されるように、微小空洞上に入射する光子の方向を変えるのに有用である。
【0107】
したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、前駆多孔性層をOLEDの最外透明層に適用するステップを備える。最外透明層は、基板、透明電極層、または封入層であり得る。前駆多孔性層は、マトリクス材料と、ポロゲンとを備える。適用後、ポロゲンは、多孔性層を形成するために、前駆多孔性層から除去され、マトリクス材料が、架橋結合される。ポロゲンの除去およびマトリクス材料の架橋結合は、伴われる化合物に対する必要に応じて、任意の順番で達成され得る。いくつかの実施形態では、多孔性層は、セラミック材料である。他の実施形態では、多孔性層は、ポリマー材料である。
【0108】
いくつかの実施形態では、前駆多孔性層は、OLEDを支持する基板に、直接適用される。そのような実施形態では、ポロゲンの除去による、多孔性層の形成は、前駆多孔性層が、OLEDを支持する基板と接触する際に生じる。そのような実施形態(本明細書では、「直接的調製」と称される)は、以下のステップを伴う:基板層と、第1および第2の電極層と、エレクトロルミネセント層とを備える、OLEDを提供するステップと、基板層に、マトリクス材料と、ポロゲンとを備える、溶液を適用し、前駆多孔性層を形成するステップと、ポロゲンを除去し、多孔性層を形成するステップ。そのような実施形態はさらに、適用可能である場合、マトリクス材料を硬化する(例えば、架橋結合する)ステップを含み得る。
【0109】
他の実施形態では、前駆多孔性層が、補助基板に適用され、多孔性層が、ポロゲンの除去によって形成され、次いで、補助基板が、OLEDを支持する基板に適用される。そのような実施形態(本明細書では、「間接的調製」と称される)は、以下のステップを伴う:補助基板層を提供するステップと、補助基板層の第1の側に、マトリクス材料と、ポロゲンとを備える、溶液を適用し、前駆多孔性層を形成するステップと、ポロゲンを除去し、補助基板の第1の側に取着される、多孔性層を形成するステップと、主要基板層と、第1および第2の電極層と、エレクトロルミネセント層とを備える、OLEDを提供するステップと、補助層の第2の側が、主要基板層に接触するように、補助基板を主要基板層に適用するステップ。間接的調製方法は、OLED素子が、ポロゲンの除去のために必要な条件に敏感であろう時に好適である。典型的には、補助基板は、OLEDを支持する主要基板層と同一材料から成る、自立層である。代替として、補助基板は、主要基板層と同一(または、略同一)屈折率を有する、任意の材料から成り得、あるいは補助基板は、主要基板層と異なる屈折率を有する、任意の材料から成り得る。好ましい実施形態では、反射の量は、光子が、主要基板と補助基板との間の界面を横断する場合に、最小化される。
【0110】
いくつかの実施形態では、上述のように、多孔性層の多孔率が、OLED基板にわたって、異なる位置で可変であるという点において、非均一多孔性層(すなわち、孔の不均一分布を伴う、多孔性層)を有することが望ましい。これはOLEDの出力特性が、非均一である場合、または具体的光学特性が所望される場合、望ましくあり得る。
【0111】
(図)
図1を参照すると、本発明の一実施形態、素子100が、図式的に例証される。OLED積層20は、基板10と接触する。OLED積層20から放出される光は、光線1、2、および3に対して示されるように、基板10を通って進行するように指向される。基板10は、環境と界面を形成する、最外表面11(「最外」とは、OLED積層20から最も遠位であることを示す)を有する。表面11は、複数の孔隙12(2つの具体的孔隙が、12aおよび12bとして識別される)の形態として、表面粗化特徴を含む。複数の孔隙12は、基板10と環境との間の界面の表面積を増加させる。
【0112】
素子100では、光線1、2、および3は、OLED20から基板10内へと放出される。光線1は、十分に低入射角において、表面11に衝突するため、表面11を通過する。光線2および3は、それぞれ、孔隙12aおよび12b内の表面に衝突するように、OLED20から放出される。これらの衝突によって、光線2および3は、(反射または屈折のいずれかによって)再指向され、基板10から出射する。孔隙12が不在の場合、光線2は、大入射角で表面11に衝突し、基板10内に後方反射するであろう(光線2の破線部分によって示されるように)。同様に、光線3は、光線3の破線部分によって示されるように、表面11に衝突する場合、基板10内に後方反射するであろう。したがって、孔隙12aおよび12bの存在によって、光線2および光線3は両方とも、素子100から出射可能である。故に、孔隙12の存在および基板10と環境との間の界面の表面積の増加は、孔隙12を有さない類似素子に対して、素子100のEQEを増大させる。
【0113】
図2は、本発明のある実施形態による、素子200の形成を表す、図である。素子200では、OLED積層20は、基板10と接触する。基板10は、OLED20から遠位に位置する、表面11を有する。パネル(a)では、表面11は、前駆多孔性層30aと共形接触する。前駆多孔性層30aは、素子200と環境との間の界面を形成する、最外表面31を有する。前駆多孔性層30aは、複数のポロゲン粒子40で埋入されたマトリクス材料を備える。ポロゲン粒子40の実質的部分は、表面31を通って突出し、環境に曝露されている。プロセスステップAを通して、ポロゲン粒子40は、素子200から除去される。したがって、パネル(b)では、基板10の表面11は、素子200と環境との間の界面を形成する、多孔性層30bと共形接触する。多孔性層30bは、複数の孔32を備える。各孔32に対して、多孔性層30bの最外表面31は、多孔性層30bの内部に延在する。言い換えると、最外表面31は、孔32の存在によって、平坦/平滑表面ではない。多孔性層30bは、環境に曝露されない(すなわち、表面31を通って突出しない)、したがって、プロセスステップAの際に除去されない、残留ポロゲン粒子40を含み得る。
【0114】
本明細書に開示される方法および素子は、従来の公知のものに勝る1つ以上の利点を有する。そのような利点として、例えば、より多くのEQE、より少ない電力消費(所与の出力に対して)、および簡素化された加工(例えば、マイクロレンズを使用する素子と比較して)が挙げられる。本発明の方法および材料は、リソグラフィ加工プロセスと適合性があるが、リソグラフィは、本発明の高効率出力表面を達成するために必須ではない。
【0115】
本明細書で言及される全ての特許、特許出願、および公報は、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる。しかしながら、明確な定義を含む特許、特許出願、または公報が、参照することによって組み込まれる場合、これらの明確な定義は、それらが見出される、組み込まれた特許、特許出願、または公報に適用され、本願の残りの本文、特に本願の特許請求の範囲には適用されないことを理解されたい。
【0116】
本発明は、その好ましい具体的実施形態と関連して説明されたが、上述の説明ならびに以下の実施例は、例証を意図し、発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更が行なわれ、均等物と置換され得、さらに、他の側面、利点、および修正が、本発明に関わる当業者には明白となるであろうことを理解されたい。
【実施例】
【0117】
(実施例1)
OLEDをカバーガラスで封入し、所定の電流−電圧−輝度(JVB)試験を行った。次いで、素子の正面表面に砂吹き付けを行い、JVB試験を再度行なった。砂吹き付け前後に記録された外部量子効率を比較した。
【0118】
サンプルデータ集合を図3に示す(四角形データ点は、砂吹き付け前の素子を表し、三角形データ点は、砂吹き付け後の素子を表す)。OLED画素の場所に応じて、観測可能なEQEの向上は、砂吹き付けの非均一性によって、10%−20%変動する。
【0119】
(実施例2)
金属粉末(例えば、アルミニウム粉末)または金属酸化物粉末(例えば、酸化アルミニウムまたは酸化チタン)をプレセラミックポリマー(PHMSOH)の溶液に分散させる。次いで、本分散は、基板の上部に塗膜される。金属(または、金属酸化物)粒子は、基板を酸に浸漬することによって除去され(例えば、塩酸、硝酸、硫酸、またはそれらの混合物)、多孔性層を形成する。PHMS−OHは、熱によって、最終的に硬化される。
【0120】
実施例:ca5重量%固体を含む、PHMS−OH溶液に、等量のTiO2粉末を添加した。混合物を激しく揺す振り、次いで、ガラス基板上でスピンコーティングした。スピンコーティング直後、5−10分間、基板を塩酸と硝酸の1:1混合物中に浸漬する。次いで、基板を酸から除去し、脱イオン水で漱ぎ、送風乾燥させ、約1時間、160°Cで、ホットプレート上で焼成した。ガラス基板を有する通常のOLEDまたはCOLED−B素子上に本膜を適用(すなわち、ガラス基板上の膜の組み合わせを適用)後、外部量子効率(EQE)において、〜30%の向上が観察可能である。
【0121】
(実施例3)
有機高分子またはポリマーをプレセラミックポリマー(PHMS−OH)の溶液に分散(または、分解)させ、次いで、基板表面上に塗膜する。次いで、PHMS−OHを熱的に硬化し、次いで、必要とされる多孔性PHMS−OH膜を生成するために、有機構成要素(有機ポリマー分子)を酸化によって除去する。
【0122】
(実施例4)
顕微鏡ガラススライドを、洗剤を使用して、次いで、数分間、空気プラズマによって、清浄した。5重量%のプレセラミックポリマーPHMS−OH溶液(溶媒:イソプロピルアルコール)中に分散されたTiO2ナノ粒子の懸濁液を基板表面上にスピンコーティングした。スピンコーティング直後、約5分間、基板を塩酸と硝酸の1:1混合物中に浸漬し、次いで、基板を酸浴槽から除去し、続いて、脱イオン水で漱ぎ、窒素ガンを使用して乾燥させ、最後に、約1.5時間、16℃で、ホットプレート上で焼成する。本ガラススライド(上表面上にコーティングを伴う)が、OLED素子の放出側上に糊着された時、素子外部量子効率(EQE)は、約30%増加する(図4に示されるプロットにおけるEQE比較参照)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)素子であって、
第1および第2の側を有する透明基板層と、
該基板層の第1の側に接触する第1の電極層と、
該第1の電極層に接触するエレクトロルミネセント層と、
該エレクトロルミネセント層に接触する第2の電極層と、
該基板の第2の側に接触する多孔性層と
を備えている、LED。
【請求項2】
前記多孔性層は、マトリクス材料と複数の孔とを備えている、請求項1に記載のLED。
【請求項3】
前記多孔性層は、複数のポロゲン粒子を備えている、前駆多孔性層から調製される、請求項2に記載のLED。
【請求項4】
前記ポロゲン材料は、金属または金属酸化物を備えている、請求項3に記載のLED。
【請求項5】
前記マトリクス材料は、架橋性プレセラミックまたはポリマー材料である、請求項2に記載のLED。
【請求項6】
前記マトリクス材料は、架橋セラミックまたはポリマー材料である、請求項2に記載のLED。
【請求項7】
前記LEDは、
前記第1の電極層の少なくとも一部と前記エレクトロルミネセント層の少なくとも一部との間に置かれた誘電層と、
少なくとも該誘電層を通って延在する複数の空洞であって、該空洞は、該エレクトロルミネセント層からのエレクトロルミネセント材料を備え、該エレクトロルミネセント材料は、該誘電層の表面および該第1の電極層の表面に接触する、空洞と
をさらに備えている、請求項1に記載のLED。
【請求項8】
発光ダイオード(LED)素子であって、
基板層と、
該基板層に接触する第1の電極層と、
該第1の電極層に接触するエレクトロルミネセント層と、
第2の電極層であって、該第2の電極層の第1の側は、該エレクトロルミネセント層に接触し、該第2の電極層は透明である、第2の電極層と、
該第2の電極層の第2の側に接触する多孔性層と
を備えている、LED素子。
【請求項9】
LEDの効率を増加させるための方法であって、
該LEDに、架橋性マトリクス材料およびポロゲンを備えている透明前駆多孔性層を適用することと、
該ポロゲンの全部または一部を除去し、該マトリクス材料を架橋結合することによって、透明多孔性層を形成することと
を含む、方法。
【請求項10】
前記LEDは、有機LED(OLED)であって、
基板と、該基板に接触する第1の電極層と、該電極に接触するエレクトロルミネセント層と、該エレクトロルミネセント層に接触する第2の電極層と、該第2の電極層に接触する任意の封入層とを備えている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記基板は、透明であり、前記OLED積層は、前記エレクトロルミネセント層内に光子を発生させ、該基板の表面を通して、該光子を放出するように構成されている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の電極は、透明であり、前記OLED積層は、前記エレクトロルミネセント層内に光子を発生させ、該第2の電極層の表面を通して、または前記任意の封入層の表面を通して該光子を放出するように構成されている、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記透明前駆多孔性層は、前記基板の表面に適用される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記透明前駆多孔性層は、前記第2の電極層の表面または前記任意の封入層の表面に適用される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記架橋性マトリクス材料は、プレセラミック材料またはポリマー材料である、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記架橋結合することは、前記架橋性材料を硬化させることにより、セラミック材料または架橋ポリマー材料を形成する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ポロゲンは、金属または金属酸化物粉末を備え、該ポロゲンは、前記前駆多孔性層をエッチング溶液と接触させることによって、除去される、請求項9に記載の方法。
【請求項18】
前記ポロゲンの全部または一部を除去することは、前記架橋結合することに先立って生じる、請求項9に記載の方法。
【請求項19】
前記ポロゲンの全部または一部を除去することは、前記架橋結合することと同時に生じる、請求項9に記載の方法。
【請求項20】
最外層を有するLEDの効率を増加させる方法であって、
多孔性透明層が該最外層に貼り付くように、透明な該最外層を該多孔性透明層と接触させることを含む、方法。

【図1】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−527091(P2012−527091A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511024(P2012−511024)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/034797
【国際公開番号】WO2010/132709
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(501228071)エスアールアイ インターナショナル (66)
【氏名又は名称原語表記】SRI International
【住所又は居所原語表記】333 Ravenswood Avenue, Menlo Park, California 94025, U.S.A.
【Fターム(参考)】